JP2015005409A - 有機エレクトロルミネッセンス照明パネル及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】意匠性に優れ、光取り出し性の高い有機エレクトロルミネッセンス照明パネルを提供する。【解決手段】光透過性基板2と光透過性電極3と対電極5と有機発光層4とを備えた有機エレクトロルミネッセンス照明パネル1である。光透過性電極3よりも光取り出し側に、繊維を含有する繊維含有構造FSを有する。繊維含有構造FSは、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、有機発光層4の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じである。【選択図】図1
Description
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子を利用した有機エレクトロルミネッセンス照明パネル及び照明装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)を利用して照明パネルを得ることが知られている。有機EL素子を利用した照明パネルでは、従来の蛍光灯や電球などと異なり、薄型の照明器具を得ることができる。
有機EL素子としては、基板の上に設けられた陽極の上に、ホール輸送層、発光層、電子注入層、陰極などの機能層を積層させた構造のものが一般的に知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、有機層に電流が注入され、発光層で発した光が面状に外部に取り出される。
照明装置においては、明るさとともに、意匠性の高い灯りであることも重要な訴求ポイントである。そのため、蛍光灯などの従来の照明装置においても、シェードに紙を用いるなど、意匠性の工夫がなされている。
しかしながら、有機EL素子を用いた有機エレクトロルミネッセンス照明パネル(以下「有機EL照明パネル」ともいう)において、意匠性を高めるために紙をシェードとして単純に用いると紙は散乱性が強く、また光の吸収も発生するために、パネルの全光束が低下する課題があった。すなわち、光取出し性が低下して照明器具として十分な輝度、光束性能が得られない課題があった。
特許文献1には、有機EL素子の光取り出し側に紙を配置した構造が開示されているが、その目的は光を拡散させるものであり、意匠性を高めるためのものではない。また、この素子では、紙よりも外側がカバーガラスに覆われており、紙による照明の意匠性向上は十分には期待できない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、意匠性に優れ、光取り出し性の高い有機エレクトロルミネッセンス照明パネル及び照明装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス照明パネルは、光透過性基板と、光透過性電極と、前記光透過性電極と対をなす対電極と、前記光透過性電極と前記対電極との間に少なくとも有機発光層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス照明パネルであって、
前記光透過性電極よりも光取り出し側に、繊維を含有する繊維含有構造を有し、
前記繊維含有構造は、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、前記有機発光層の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じであることを特徴とする。
前記光透過性電極よりも光取り出し側に、繊維を含有する繊維含有構造を有し、
前記繊維含有構造は、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、前記有機発光層の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じであることを特徴とする。
上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルでは、前記繊維含有構造は、前記光透過性基板の表面に設けられた繊維含有体により構成されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルでは、前記繊維含有体と前記光透過性基板との間に、光散乱性を有する粘着層が設けられていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルでは、前記繊維含有体は紙により構成されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルでは、前記繊維含有体は和紙により構成されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルでは、前記繊維含有構造は、前記光透過性基板が繊維を含有することにより構成されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルでは、前記繊維含有構造は、繊維密度の高い高繊維密度領域が少なくともその一部に形成されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルでは、前記光透過性基板と前記光透過性電極との間に、光取り出し構造を有することが好ましい。
本発明に係る照明装置は、上記の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルを複数備え、複数の前記有機エレクトロルミネッセンス照明パネルが、面状に配置されたことを特徴とする。
上記の照明装置では、植物原料由来の枠体を備え、前記枠体は、当該照明装置の縁部に配置されていることが好ましい。
上記の照明装置では、前記枠体は、前記有機エレクトロルミネッセンス照明パネルの境界部分に配置されていることが好ましい。
上記の照明装置では、前記枠体は、前記有機エレクトロルミネッセンス照明パネルの発光色と同系色の部分を有することが好ましい。
本発明によれば、意匠性に優れ、光取り出し性の高い照明を得ることができる。
本発明の有機EL照明パネル1は、光透過性基板2と、光透過性電極3と、光透過性電極3と対をなす対電極5と、光透過性電極3と対電極5との間に少なくとも有機発光層4とを備えている。有機EL照明パネル1は、光透過性電極3よりも光取り出し側に、繊維を含有する繊維含有構造FSを有している。繊維含有構造FSは、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、有機発光層4の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じである。それにより、意匠性が高く、光取り出し性の高い照明を得ることができる。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス照明パネル1(有機EL照明パネル1)の一例を示す。有機EL照明パネル1は、光透過性基板2と、光透過性電極3と、有機発光層4と、対電極5と、を備えている。
光透過性基板2は、光を透過させる性質を有する基板である。図1では、光透過性電極3が光透過性基板2の上に積層され、光透過性基板2は光透過性電極3を支持している。光透過性基板2としては、透明な基板であることが好ましい。光透過性基板2は、ガラス基板で構成することができる。光透過性基板2がガラスで構成されることにより、ガラスは水分の透過性が限りなく低いので、光透過性基板2側からの水分の浸入を抑制することができる。また、光透過性基板2は、ガラスと他の材料との複合材によって構成されていてもよい。例えば、ガラス表面に光取り出し性の樹脂層を設けた光透過性基板2を用いた場合、光取り出し性を効果的に高めることができる。この樹脂層は光透過性基板2の光透過性電極3側の面に設けられるものであってよい。光取り出し性の樹脂層としては、散乱構造を有する層などが例示される。樹脂層はプラスチック材の貼り付けにより設けてもよい。プラスチック材料としては、PET、PENなどを用いることができる。また、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系などの材料を用いてもよい。あるいは、樹脂層は、高屈折率層と低屈折率層の複層構造にしたり、さらにその複層構造の界面に微細な凹凸構造を設けたりした層であってもよい。
光透過性電極3、有機発光層4及び対電極5の積層体によって、有機発光体10が形成されている。有機発光体10は、電流を注入することにより発光する性能を有する積層構造のことである。有機発光体10の設けられる領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、光透過性基板2の中央部の領域である。有機発光体10は、有機発光体10を取り囲む外周の位置において光透過性基板2に接合される封止材8によって覆われて封止されており、有機発光体10は封止領域の内部に配置されている。図1の例では、光透過性基板2側から、光透過性電極3、有機発光層4及び対電極5がこの順で設けられている。そのため、有機発光層4で発した光は光透過性基板2側から外部に放出される。有機発光体10を支持している基板の面から光が取り出される構造は、いわゆるボトムエミッション構造と呼ばれる。もちろん、有機EL照明パネル1は、有機発光体10を支持している基板とは反対側の面から光が取り出されるトップエミッション構造であってもよい。その場合、いわゆる逆層構造として、支持基板の上に、対電極5、有機発光層4及び光透過性電極3がこの順で設けられ、光透過性基板2で封止された構造であってもよい。また、トップエミッション構造の場合は、順積層で対電極が透明電極、または、半透過電極であっても良い。
基板上に有機発光体10が形成された素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)と呼ばれる。有機EL素子は、有機発光ダイオードとも呼ばれる。有機EL素子は、有機EL照明パネル1を構成する。
光透過性電極3は光透過性を有する電極である。また、対電極5は、光透過性電極3と対となる電極である。通常、光透過性電極3は陽極を構成し、対電極5は陰極を構成するが、その逆であってもよい。光透過性電極3は、光透過性を有するため、光取り出し側の電極を構成することができる。また、対電極5は光反射性を有していてもよい。その場合、対電極5側に向って発せられる発光層からの光を、対電極5で反射させて透光性の光透過性基板2側から取り出すことができる。また、対電極5は光透過性の電極であってもよい。対電極5が光透過性の場合、封止材8側の面(背面)から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、対電極5が光透過性の場合、対電極5の背面(有機発光層4とは反対側の面)に光反射性の層を設けることによって、対電極5の方向に進行した光を反射させて、光透過性基板2側から取り出すことが可能である。その際、光反射性の層は、散乱反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよい。
光透過性電極3は、透明な電極材料を用いて構成することができる。例えば、導電性の金属酸化物などを好ましく用いることができる。透明金属酸化物としては、ITO、IZO、AZOなどが例示される。光透過性電極3は、スパッタ法、蒸着法、塗布法などで形成され得る。光透過性電極3の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。なお、光透過性電極3は、面内の電流密度を均一化させるためにグリッド状の補助配線を有していてもよい。また、光透過性電極3の通電性を高めるために、光透過性電極3の周囲に、枠状の補助電極層が設けられていてもよい。
対電極5は、適宜の電極材料を用いて構成することができる。例えば、対電極5は、AlやAg、またはそれらの合金などにより形成することができる。対電極5は蒸着法やスパッタ法などで形成され得る。対電極5の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
有機発光層4は、光透過性電極3と対電極5との間に配置されている。有機発光層4は、少なくとも発光層(発光材料を有する層)を含んでいる。有機発光層4は、発光を生じさせる機能を有する層であり、通常、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。有機発光層4の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10〜300nm程度にすることができる。光透過性電極3と対電極5との間には、少なくとも有機発光層4が設けられる。光透過性電極3と対電極5との間には、例えば、光取り出し性を高める層などの他の層が存在していてもよい。もちろん、光透過性電極3と対電極5との間に有機発光層4のみが配置されている構成であってもよい。
有機発光層4の積層構造は、例えば、光透過性電極3を陽極とし、対電極5を陰極とした場合、光透過性電極3側から順に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、ホール輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は単層構造でも多層構造でもよく、例えば、発光層中に赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしたり、赤、緑、青の発光層を積層させたりしてもよい。また、対となる二つの電極に挟んでこの電極間に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層されたマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極(陽極と陰極)の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。有機発光層4は、赤色と緑色と青色との三色の発光材料を含むことが好ましい一態様である。それにより、輝度が高く意匠性の優れた光を得ることができる。また、赤、緑、青の三色を混合すると、色を調整することができ、白色発光、あるいは、白色がかった発光など、照明用途に適した色の発光を得ることができる。また、種々の色温度の発光を得ることができる。
封止材8は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス基板などを用いることができる。具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。例えば、ソーダライムガラスは比較的安価なガラス材料であるため素子の製造コストを抑えることが可能になる。封止材8には、有機発光体10を収容するための凹部を有してもよいが、有していなくてもよい。本実施形態の封止材8では、封止材8は凹部を有しており、この凹部によって、有機発光体10を収容する封止内部間隙9が形成されるとともに、封止材8の外周に封止側壁8aが形成されている。封止側壁8aは、有機発光体10の外周を取り囲んで枠状に設けられる。封止材8が凹部を有している場合、有機発光体10の側方を覆って封止することができるため、水分の浸入をより抑制することができ、封止性を高めることができる。凹部を有する封止材8としては、例えば、キャップガラスを用いることが可能である。封止材8が凹部を有していない場合、封止材8の平坦な面を光透過性基板2に対向させて封止することが可能になり、また、板状の封止材8をそのまま用いることができる。ただし、封止材8が凹部を有していない場合には、他の材料により封止側壁8aを形成して有機発光体10を封止するためのスペーサとなる側壁が形成されることを要する。
封止材8は、接着材料によって光透過性基板2に接合されている。接着材料は、封止側壁8aの光透過性基板2側の面に設けられる。封止材8が接着材料によって光透過性基板2に接着されることにより、有機発光体10は、外部空間から遮断されて封止されることになる。接着材料は、接着剤として機能する適宜の材料により構成されるものであり、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有していることが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。
光透過性基板2と封止材8とに挟まれて有機発光体10(有機発光層4)が封止された部分には、封止内部間隙9が形成されている。封止内部間隙9は、充填剤が充填されていてもよいし、空洞となった封止空間が形成されていてもよい。封止内部間隙9を封止空間にする場合、封止材8で簡単に封止することができ、素子を容易に作製することができる。また、封止内部間隙9に充填剤が充填されずに封止空間が形成された場合、封止空間には乾燥材を設けることが好ましい。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。例えば、封止材8の有機発光体10側の面に貼り付けることにより乾燥材を封止空間内に設けることができる。あるいは、乾燥材は塗布により設けられてもよい。
また、光透過性基板2と封止材8とに挟まれた封止領域の封止内部間隙9を充填剤で満たした場合、封止材8で封止する際に、封止材8が内側に湾曲するなどしたとしても、有機発光体10に接触したりすることを低減でき、より安全に素子を製造することができる。充填剤は乾燥剤や吸湿剤が配合された樹脂組成物で構成することができる。また、流動性を有する樹脂組成物を用いることにより、封止内部間隙9に充填剤を簡単に充填することができる。充填剤は硬化するものであっても、硬化しないものであってもよい。また、充填剤が乾燥剤や吸湿剤を含有することによって、内部に水分が浸入したとしても、充填剤で水分を吸収することができ、有機発光層4に水分が到達することを抑制することができる。
有機EL照明パネル1では、光透過性電極3と対電極5とに電圧を印加し、有機発光層4において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、光透過性電極3及び対電極5のそれぞれと導通する電極端子を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子である。電極端子は、電極から引き出して設けた電極引き出し部13の表面に形成することができる。電極引き出し部13は、光透過性電極3を構成する導電層を光透過性基板2の端部に引き出すことにより形成することができる。
図1の例では、光透過性電極3と一体になって封止領域の内部から外部に引き出された部分によって、電極引き出し部13が構成されている。図では示していないが、対電極5からも電極材料を引き出して、対電極5の引き出し部を形成することができる。光透過性電極3に電気的に接続された電極引き出し部13と、対電極5に電気的に接続された対電極5の引き出し部とは、互いに電気的に絶縁されて形成される。それにより、電気的にショートせずに、光透過性電極3と対電極5とに電圧を印加して、有機EL照明パネル1を駆動することが可能になる。
そして、有機EL照明パネル1では、光透過性電極3よりも光取り出し側に、繊維を含有する繊維含有構造FSを有している。繊維含有構造FSを有することにより、有機発光層4で発した光が、繊維を通して、外部に取り出されるため、繊維のテクスチャを活かすことで意匠性の高い照明を得ることができる。さらに、繊維含有構造FSは、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、有機発光層4の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じである。繊維含有構造FSでは透過光の波長スペクトル以外の大部分の発光成分は吸収される。このため、有機発光層4で発光した光のうち、繊維含有構造FSで吸収される光は無駄になっている。有機EL照明パネル1の発光効率は、有機層に投入した電流エネルギーが、発光層で発光エネルギーに変換され、さらに最終的に外部に取り出された光エネルギーの割合に起因する。このため、有機層の発光スペクトル自体と、繊維含有構造FSの透過スペクトルが上記のRGBの関係を満たせば、有機層へ投入した電流エネルギーが、繊維含有構造で無駄に吸収されず、結果として高い発光効率が得られる。これにより、意匠性に優れ、光取り出し性の高い照明を得ることができる。
図1の例では、繊維含有構造FSは、光透過性基板2の表面に設けられた繊維含有体6により構成されている。繊維含有体6により繊維含有構造FSを構成する場合、簡単に繊維を含有する構造を形成することができ、容易に意匠性を高めることができる。また、繊維を含有する材料が、粘着層7を介して基板の外部側の表面に設けられている場合、粘着層7が散乱性を有すると、基板と粘着層7の界面で光を大きく散乱させることができるため、光をより多く外部に取り出すことができる。そのため、光取り出し性を高めて明るい光を得ることができる。また、繊維含有体6が基板表面に設けられていると、視野角特性も向上する。有機EL照明パネル1においては、発光面に対して垂直な方向と斜めの方向との光の色が異なる視野角依存性の問題がしばしば問題となる。しかしながら、繊維含有体6を設けることにより、繊維含有体6は光を散乱させる作用を有するため、発光面に対して垂直な方向と斜めの方向との色の変化を抑制することが可能になる。そのため、視野角特性の優れた発光を得ることができる。
繊維含有体6は、光透過性を有するものである。繊維含有体6が光透過性を有することにより、有機発光層4の光を外部に取り出すことができる。光が透過できるのであれば、繊維含有体6は透明でなくてもよい。
繊維含有体6は、繊維を含有する層として形成することができる。例えば、繊維を含有する材料を貼り付けることによって形成してもよい。あるいは、繊維を含有し流動性を有する材料を塗布することによって形成してもよい。
繊維含有体6は、シート状の材料によって構成されることが好ましい一態様である。それにより、シート材を貼り付けることにより、容易に繊維含有体6を光透過性基板2に設けることができる。シート材の貼り付けは、粘着剤、または接着剤によって行うことができる。その場合、シート材と光透過性基板2との間には粘着層7が設けられる。
繊維含有体6の厚みは、特に限定されるものではないが、光透過性と意匠性とを両立させる観点から、例えば、0.05〜2mmにすることができ、好ましくは、0.3〜1mmにすることができる。
繊維含有体6は紙により構成されていることが好ましい。それにより、簡単に意匠性の高い光を得ることができる。紙は、シート材の一態様と言える。また、紙は繊維が不均一に混合して形成されているため、光の散乱作用を高く得ることができる。また、紙を通して光を取り出すことにより、視野角特性の優れた光を得ることができる。
繊維含有体6を紙で構成する場合、紙は天然の材料で形成されているため、プラスチックのような合成樹脂を使用する場合に比べて、火災時の有害物質の発生を抑制することができる。そのため、安全な照明装置を得ることができる。
繊維含有体6は和紙6aにより構成されていることがさらに好ましい。それにより、意匠性の優れた照明を得ることができる。図1では、和紙6aが繊維含有体6として用いられている例を示している。和紙6aを通すことにより、発光源からの直接の光よりも温和な光を得ることができる。光が和紙6aを通って出射することにより、ぼんやりとした光を得ることができる。また、光が和紙6aを通ることによって、幻想的な雰囲気をかもし出すことができる。そのため、和紙6aによって意匠性の高い光を得ることができるのである。また、和紙6aによれば、基板の表面で光を強く散乱させることができるため、光をより多く外部に取り出すことができる。そのため、光取り出し性を高めて明るい光を得ることができる。
ここで、和紙とは、ミツマタ、ガンピ、コウゾのうちのいずれか1種以上を用いた紙を言う。したがって、和紙としては、前記の原料を用いていれば、日本以外の場所で製造されたものも和紙に含まれる。なお、和紙以外の紙を用いる場合、中国紙、パピルス、西洋紙などを用いることができる。また、紙の材料としては、木材、パルプ、アサ、樹皮、竹、など適宜の材料を用いることができる。紙は、植物繊維によって形成されていることが好ましい。それにより、火災時の有毒ガスの発生を抑制することができる。ただし、意匠性を上げる観点からは、和紙が好適である。和紙は、一般的に販売されているものを用いることができる。その中でも、特に、ミツマタ、ガンピ、コウゾなどの材料を用いた和紙は、日本の伝統工芸に用いられており、意匠性に優れているため、好適である。
なお、繊維として、無機繊維を用いてもよい。無機繊維を用いた場合も、火災時の有毒ガスの発生を低減することができる。ただし、意匠性の観点からは、植物繊維がより好ましい。もちろん、合成繊維を用いることもできるが、火災時の有毒ガスの低減の観点からは植物繊維がより好ましい。
繊維含有体6に含まれる繊維は、短繊維であってよい。短繊維が絡み合うことにより、散乱性を高めるとともに、意匠性を向上することができる。繊維は、長繊維であってもよいが、その場合、製造が複雑化するおそれがある。植物繊維を用いれば、紙に適した繊維を得ることができる。
本実施形態の有機EL照明パネル1では、繊維含有体6は、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、有機発光層4の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じとなっている。図1の例では、和紙6aは、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、有機発光層4の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じとなっている。和紙6a以外の紙を用いた場合でも、同様に大小関係を設定することができる。
ここで、和紙6aなどの紙を光学フィルムの代替として有機EL照明パネル1に用いる場合、紙が薄いと、光束が増加し明るくなるが、紙の散乱性が低くなるため、意匠性が低下してしまう。また、有機EL素子から取り出される光の発光スペクトルと紙の透過スペクトルとの相違が大きいと、例えば、太陽光など外光が屋内に入る状況で照明パネルを観察した場合と、屋内で照明パネルを発光させて紙の透過光を観察する場合とで、光の色調が異なる。また、視野角に依存して色度が変化する場合、紙を薄くして光をより多く透過させようとすると、斜め方向からの光では、色付きが発生し意匠性が低下してしまう。一方、意匠性を高めたり、色付きを抑制しようとしたりして、紙を厚くすると、光が十分に透過せず照明として機能しなくなってしまう。そこで、有機EL照明パネル1においては、繊維含有体6(紙)のD65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係を、有機発光層4の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じとなるように設定している。これにより、光の色調が異なる現象を抑制することができるとともに、光の色の角度依存性を抑制することができるため、光の取り出し性に優れ、意匠性の高い照明を得ることができるのである。
また、光を取り出すために基板に貼り付ける材料として紙を用いる場合、光学フィルムとして樹脂材料を用いる場合に比べて、火災時の発煙や有毒ガスの発生を低減することが可能になる。樹脂材料は、火災時に発煙、溶融する場合があるとともに、有毒ガスが発生するのに対し、紙は、そのような現象が生じにくいからである。
さらに、和紙6aを用いることにより、有機EL照明パネル1を高輝度化しつつ、安全性を高めることができ、さらに和紙6aの持つ優れた意匠性を活かした照明器具を得ることができる。もし仮に設置場所で火災が発生したとしても、有機EL照明パネル1の表面の和紙6aは焼けて消失するため、有毒ガスの発生を抑制できる。
RGBの大小関係とは、可視光のスペクトルにおける、R(Red:赤色)とG(Green:緑色)とB(Blue:青色)とから構成される三色の大きさの順序の関係である。R(赤色)の代表波長は620nmである。そのため、波長620nmをRGBの大小関係に用いるRの波長に設定することができる。G(緑色)の代表波長は540nmである。そのため、波長540nmをRGBの大小関係に用いるGの波長に設定することができる。B(青色)の代表波長は440nmである。そのため、波長440nmをRGBの大小関係に用いるBの波長に設定することができる。有機発光層4においては、電極に電圧を印加することにより有機発光層4から発せられる光のスペクトルから、RGBの大小関係が導出される。繊維含有体6においては、D65光源から光を照射して繊維含有体6を透過して得られる光のスペクトルである透過スペクトルから、RGBの大小関係が導出される。これらのRGBの大小関係、すなわちRGBの大きさの順序が一致するように設定するのである。
なお、D65光源とは、CIE(国際照明委員会)が規定する標準光源の代用となる光源の規格の一つである。色温度は6504ケルビンであってよい。D65光源としては、例えば、自然な昼光に近づけた蛍光ランプを用いることができる。
RGBの大小関係の順序は、特に、限定されるものではない。例えば、有機発光層4の発光スペクトルにおいて、G、R、Bの順に小さくなるように、RGBの関係を設定することができる。その場合、RGBの大小関係は、G>R>Bと表記することができる。このとき、繊維含有体6の透過スペクトルのRGBの大小関係もG、R、Bの順に小さくなるように、G>R>Bに設定すると、RGBの大小関係が一致するようになる。その他、G>B>R、R>G>B、R>B>G、B>G>R又はB>R>Gの場合も、同様に設定することが可能である。
繊維含有体6の透過スペクトルと有機発光層4の発光スペクトルの大小関係が一致すると、繊維含有体6で吸収される光が減少する。繊維含有体6を透過しやすい光のスペクトルが有機発光層4の発光スペクトルに近づくためである。それにより、光が繊維含有体6によって無駄に吸収されることを抑制できるため、光の吸収を抑制して、高輝度化を図ることができる。また、繊維含有体6の透過スペクトルと有機発光層4の発光スペクトルの大小関係が一致すると、発光している点灯時における繊維含有体6の色調と、発光していない消灯時の繊維含有体6の色調とをより近づけることができる。そのため、点灯時と消灯時との両方において、色の差を小さくすることができ、意匠性に優れた照明器具を提供することができる。
RGBの大小関係の好ましい一態様は、G>R>Bである。この場合、有機発光層4での光は緑色が強くなり、また、繊維含有体6は緑色を透過しやすくなるので、有機EL照明パネル1では、緑色よりの発光を得ることができる。緑色は視感度が高いため、輝度の高い発光を得ることができる。また、緑色以外の発光成分がもともと少ないため視野角を振ったときのRGBの配光分布のズレに起因する色変化を抑制する効果が得られる。
これとは違い、例えば、繊維含有体6が緑色のときに、発光層の配光を正面方向で白色とすると、斜め方向では、配光分布により発光自体が黄色味や赤味を帯びてしまう場合がある。この場合、繊維含有体6を透過する光も斜め方向では、黄色味や赤味を帯び色変化が大きくなる。そこで、発光自体を、緑を主体に設計すれば、斜め方向でも緑成分が多くなるため、視野角の色変化が抑制される。そのため、光透過性基板2から繊維含有体6に出射する段階での光に緑色光が多いと、繊維含有体6を透過した光においても緑色光が多くなり、視野角に依存した色変化を抑制することができる。その結果、有機EL照明パネル1の視野角特性を向上することができる。
繊維含有体6は、有機発光層4の発光色と同系色の色を有していてよい。例えば、有機発光層4の光が緑色の場合、繊維含有体6は緑色であってよい。例えば、有機発光層4の光が青色の場合、繊維含有体6は青色であってよい。例えば、有機発光層4の光が赤色の場合、繊維含有体6は赤色であってよい。また、有機発光層4の発光色は白色であってもよい。その場合、繊維含有体6は白色であってもよい。もちろん、繊維含有体6の色は、RGBのどれかにカテゴリー分けされない色、例えば中間色など、意匠性を重点に、特に制限無く色の設計を行うことができる。
繊維含有体6は、平面視したときに、有機発光体10よりも大きい範囲で設けられることが好ましい。それにより有機発光層4から発する光をより繊維含有体6を介して外部に取り出すことができる。繊維含有体6は、平面視したときに、封止材8よりも大きい範囲で設けられることがさらに好ましい。それにより、斜め方向の光や、基板内で導波する光を外部に取り出すことができ、さらに多くの光を繊維含有体6を通して外部に取り出すことができる。繊維含有体6は、光透過性基板2の表面全体に設けられていてもよい。それにより、簡単に繊維含有体6を設けることができるとともに、意匠性を向上することができる。
図1の例では、繊維含有体6と光透過性基板2との間に、粘着層7が設けられている。粘着層7で接着することにより、強固に繊維含有体6を光透過性基板2に支持することができる。粘着層7は透明な粘着剤で構成することもできるし、若干白濁した粘着剤で構成してもよい。粘着層7は光透過性を有するものであればよい。
粘着層7は、光散乱性を有することが好ましい。粘着層7が光散乱性を有することにより、高輝度化を図ることができるとともに、視野角での色変化をさらに低減することが可能である。光散乱性の粘着層7を設けると、光透過性基板2内における伝播光が、基板と粘着層7の界面で散乱されて繊維含有体6に入射するため、光量が増加する。そのため、光取り出し効率を上げることができる。また、散乱によりRGBの光が混じりあい、視野角での色変化を低減する効果をさらに得ることができる。
光散乱性を有する粘着層7は、例えば、粘着層7を形成する材料に光散乱粒子を含有させることにより、形成することができる。なお、粘着層7は接着層に置き換わってもよい。
繊維含有構造FSは、繊維密度の高い高繊維密度領域が形成されていることが好ましい一態様である。それにより、意匠性を高めることができる。高繊維密度領域が形成されると、意図的に輝度ムラを形成することができるため、面状の光に局所的にアクセントがついて、全体としての意匠性を高めることができるのである。繊維含有構造FSの高繊維密度領域は面内において部分的に形成されることが好ましい。面内において、散乱性の違いが発生すると、輝度にグラデーションが付いて、意匠性をさらに向上することができる。また、有機発光層4からの光の輝度の面内分布が均一でない場合であっても、繊維含有構造FSの繊維密度が不均一になることにより、有機発光層4の光の面内分布の不均一を吸収(相殺)して、より自然な光を出射することが可能になる。そのため、面内輝度の分布でバラツキのある有機EL素子を用いても有機EL照明パネル1を製造することができ、有機EL照明パネル1の歩留まりを向上することができるとともに、コストの低減化を図ることができる。
図1の例では、繊維含有体6に繊維の疎密が形成されることにより、高繊維密度領域が形成され得る。高繊維密度領域は不規則に形成されることが好ましい。それにより、意匠性が高まる。高繊維密度領域は島状に形成されてもよい。高繊維密度領域以外の領域は、低繊維密度領域と定義される。高繊維密度領域と低繊維密度領域とは、相対的な繊維の密度の相違により定義されるものである。繊維含有体6として和紙6aを用いる場合、和紙6aは繊維が固まった部分が面内において不規則に形成され得る。また、和紙6aはデザインとして繊維が固まった複数の領域が部分的に形成され得る。そのため、高繊維密度領域を簡単に形成することができるとともに、意匠性の高い光を得ることができる。和紙6aでは、高繊維密度領域は、ひげ状、糸状、点状などに形成され得るものであり、これらの形状の高繊維密度領域が好ましいが、その形状はこれに限定されるものでない。高繊維密度領域は、目視できる大きさのものであってよい。それにより、意匠性の高い光を得ることができる。光のコントラストによって、和紙独特のぼんやりとした光を得ることができるため、意匠性の高い照明を得ることができるのである。
図2は、有機EL照明パネル1の他の一例を示している。図2の例では、繊維含有構造FSが、光透過性基板2によって構成されている点が、図1の例とは異なっている。それ以外の部分は、図1の実施形態と同様であってよい。図2の実施形態において、図1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図2の例では、繊維含有構造FSは、光透過性基板2が繊維を含有することにより構成されている。図2では、光透過性基板2内に存在する繊維を繊維物質15として記載している。このように、繊維含有構造FSは、光透過性基板2が繊維を含有することにより構成されていることが好ましい一態様である。それにより、簡単に意匠性を高めるとともに、光取り出し性を向上することができる。また、光透過性基板2と繊維含有構造FSが一体化されるため、薄型化を図ることができる。また、面全体に繊維が存在する場合に比べて、繊維を通過せずに外部に放出させる光をより多くすることができるため、輝度を高めることができる。
図2では、複数の繊維が光透過性基板2内に分散して配置されることにより、繊維含有構造FSが形成されている。なお、図2では、構造が分かりやすいように繊維物質15をいくつか取り出して描画しており、実際は、多数の繊維物質15が面内に配置されるものであってよい。また、繊維物質15は、分散して存在していてもよいし、絡み合って存在していてもよい。
光透過性基板2は、外観が紙状の基板であってもよい。それにより、意匠性の高い光を得ることができる。特に光透過性基板2の外観が和紙状になると、意匠性をより高めることができる。和紙の具体的な構成は、上記で説明した通りであり、その態様を適用できる。
光透過性基板2は、透明でなくてもよい。要するに、光透過性基板2は、光が透過すればよい。例えば、光透過性基板2は、一方の側から他方の側を見たときに、他方の側の物体がぼんやりと見える程度の光透過性を有していてもよい。光透過性基板2は白濁していてもよい。
本実施形態では、繊維物質15としては、光透過性基板2の内部に含まれ得る適宜の繊維材料を用いることができる。この実施形態では、植物性の繊維よりも、無機繊維を好ましく用いることができる。植物性の繊維を用いると、光透過性基板2の形成時の加熱で、繊維が消滅してしまうおそれがあるが、無機繊維の場合、光透過性基板2の内部により確実に繊維を含有させることができる。
繊維物質15を構成する繊維としては、光透過性基板2を樹脂基板で構成する場合、樹脂基板よりも高融点の繊維を用いることができる。繊維は、有機繊維であってもよいし、無機繊維であってもよい。無機繊維としては、ガラス繊維が好適に使用される。光透過性基板2を樹脂基板で構成する場合、簡単に繊維を光透過性基板2の内部に含有させることができる。また、繊維として、光透過性基板2をガラス基板で構成する場合、ガラス基板よりも高融点のガラス繊維を用いることができる。
本実施形態の有機EL照明パネル1では、繊維含有構造FSを有する光透過性基板2は、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、有機発光層4の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じとなっている。RGBの大小関係が同じになることにより、有機発光層4の光をより多く外部に取り出すことができる。また、繊維により光散乱性が付与されるため、発光面から発せられる光の角度依存性が低減されるので、角度による色度差の小さい発光を得ることができる。そのため、意匠性が優れ、輝度の高い光を得ることができる。
RGBの大小関係は、図1の実施形態で説明したものと同様である。すなわち、R(Red:赤色)とG(Green:緑色)とB(Blue:青色)とから構成される三色の大きさの順序の関係である。RGBの大小関係に用いるRGBの波長は、Rとして波長620nm、Gとして波長540nm、及び、Bとして波長440nmを用いることができる。有機発光層4においては、電極に電圧を印加することにより有機発光層4から発せられる光のスペクトルから、RGBの大小関係が導出される。光透過性基板2においては、D65光源から光を照射して光透過性基板2を透過して得られる光のスペクトルである透過スペクトルから、RGBの大小関係が導出される。これらのRGBの大小関係、すなわち大きさの順序が一致するように設定するのである。
RGBの大小関係の順序は、特に、限定されるものではない。例えば、有機発光層4の発光スペクトルにおいて、G、R、Bの順に小さくなるように、RGBの関係を設定することができる。その場合、RGBの大小関係は、G>R>Bと表記することができる。このとき、光透過性基板2の透過スペクトルのRGBの大小関係もG、R、Bの順に小さくなるように、G>R>Bに設定すると、RGBの大小関係が一致するようになる。その他、G>B>R、R>G>B、R>B>G、B>G>R又はB>R>Gの場合も、同様に設定することが可能である。
RGBの大小関係の好ましい一態様は、G>R>Bである。この場合、有機発光層4での光は緑色が強くなり、また、光透過性基板2は緑色を透過しやすくなるので、有機EL照明パネル1では、緑色よりの発光を得ることができる。緑色は視感度が高いため、輝度の高い発光を得ることができる。また、緑色は視野角での色変化をより抑制することが可能である。そのため、光透過性基板2から外部に出射する光において緑色光が多くなり、視野角に依存した色変化を抑制することができる。そのため、有機EL照明パネル1の視野角特性を向上することができる。
光透過性基板2は、有機発光層4の発光色と同系色の色であってもよい。例えば、有機発光層4の光が緑色の場合、光透過性基板2は緑色であってよい。例えば、有機発光層4の光が青色の場合、光透過性基板2は青色であってよい。例えば、有機発光層4の光が赤色の場合、光透過性基板2は赤色であってよい。また、有機発光層4の発光色は白色であってもよい。その場合、光透過性基板2は白色であってもよい。もちろん、光透過性基板2の色は、RGBのどれかにカテゴリー分けされない色、例えば中間色など、意匠性を重点に、特に制限無く色の設計を行うことができる。
繊維含有構造FSは、繊維密度の高い高繊維密度領域が少なくともその一部に形成されていることが好ましい一態様である。それにより、意匠性を高めることができる。高繊維密度領域が形成されると、意図的に輝度ムラを形成することができるため、面状の光に局所的にアクセントがついて、全体としての意匠性を高めることができるのである。繊維含有構造FSの高繊維密度領域は面内において部分的に形成されることが好ましい。面内において、散乱性の違いが発生すると、輝度にグラデーションが付いて、意匠性をさらに向上することができる。また、有機発光層4からの光の輝度の面内分布が均一でない場合であっても、繊維含有構造FSの繊維密度が不均一になることにより、有機発光層4の光の面内分布の不均一を吸収(相殺)して、より自然な光を出射することが可能になる。そのため、面内輝度の分布でバラツキのある有機EL素子を用いても有機EL照明パネル1を製造することができ、有機EL照明パネル1の歩留まりを向上することができるとともに、コストの低減化を図ることができる。高繊維密度領域は、繊維含有構造FSの一部に形成されてもよいし、全部に形成されていてもよいが、意匠性と光取り出し性を両立するためには一部であってよい。
図2の例では、光透過性基板2に繊維の疎密が形成されることにより、高繊維密度領域が形成され得る。高繊維密度領域は不規則に形成されることが好ましい。それにより、意匠性が高まる。高繊維密度領域は島状に形成されてもよい。高繊維密度領域以外の領域は、低繊維密度領域と定義される。高繊維密度領域と低繊維密度領域とは、相対的な繊維の密度の相違により定義されるものである。光透過性基板2を外観において和紙状にした場合、和紙6aは繊維が固まった部分が面内において不規則に形成され得るので、高繊維密度領域を簡単に形成することができる。高繊維密度領域は、繊維物質15が、ひげ状、糸状、点状などに固まって形成されるものであってもよいが、これに限定されるものでない。高繊維密度領域は、目視できる大きさのものであってもよい。それにより、意匠性の高い光を得ることができる。光のコントラストによって、ぼんやりとした光を得ることができるため、意匠性の高い照明を得ることができるのである。
図3は、有機EL照明パネル1の他の一例を示している。図3の例では、光取り出し構造11を備える点が、図1の例とは異なる。それ以外の部分は、図1の実施形態と同様であってよい。図3の実施形態において、図1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。なお、以下では、図3の実施形態として、図1の実施形態に光取り出し構造11を設けた形態を説明するが、図2の実施形態に、光取り出し構造11を設けてもよい。
有機EL照明パネル1では、光透過性基板2と光透過性電極3との間に、光取り出し構造11を有することが好ましい一態様である。それにより、有機層と基板との間の屈折率差を低減して、光をより多く外部に取り出すことができる。例えば、光透過性電極3となるITOの屈折率が2.1であり、光透過性基板2となるガラス基板の屈折率が1.5の場合、有機発光層4からの光は一部がガラス基板の表面で全反射して外部に取り出すことができなくなって、輝度が低下するおそれがある。そこで、光透過性基板2と光透過性電極3との間に、光取り出し構造11を設けると、有機発光層4からの光の進行方向が変わり、光透過性基板2側に光をより取り出すことできるため、高輝度化を図ることができる。
光取り出し構造11は、凹凸構造、レンズ構造、回折格子、光散乱層などにより構成することができる。光取り出し構造11を設けると、有機発光層4からの光の放射角分布を、光透過性基板2の外側に配設される繊維含有体6の透過特性に合わせて好適化することが可能となり、発光効率の向上を図るとともに、視野角での色度変化の低減を図ることができる。また、光取り出し構造11に、凹凸構造、レンズ構造、回折格子、光散乱層などによって、回折性や散乱性が付与されれば、RGB発光の視野角での放射分布の混じり合いが起こるため、光が放射される角度による色変化をさらに低減することができる。
ところで、図1の実施形態では、和紙6aなどの繊維含有体6によって高輝度化と視野角特性向上の両立を図ろうとしているが、繊維含有体6の散乱性を高めようとして繊維含有体6の厚みを厚くすると、光が透過しにくくなり、輝度や視野角特性がかえって低下するおそれがある。しかしながら、光取り出し構造11を設けるようにすると、この光取り出し構造11が輝度と視野角特性の向上の機能を付与することができる。そのため、繊維含有体6の厚みを薄くして光透過率を向上させながら、輝度と視野角特性とを高めることができる。その結果、繊維含有体6として種々のものを使用することが可能になる。特に、繊維含有体6として和紙6aを用いる場合、和紙6aのデザインの幅が広がるため、意匠性をさらに向上することができる。
光取り出し構造11は、例えば、複層構造で形成することができ、例えば、二層構造にすることができる。それにより、二つの層の界面で容易に凹凸構造、レンズ構造、回折格子を形成することができる。また、複層構造では、凹凸面を内部に含ませることができるとともに、表面を平坦にすることができるため、有機層を良好に積層させることができる。また、複層構造では、一方の層を低屈折率層の層で構成するとともに、他方の層を高屈折率の層で構成することができるため、基板と有機層との間の屈折率差を低減しやすくすることができる。
図3では、光取り出し構造11として、複層構造によって形成されたものを示しており、層界面12が図示されている。この層界面12には、凹凸構造、レンズ構造、回折格子などが設けられ得る。
また、光取り出し構造11は、光散乱粒子を含む層であってもよい。光散乱粒子により散乱性を有する層を容易に形成することができる。
光取り出し構造11は樹脂材料の積層により形成することができる。凹凸構造やレンズ構造の形成は、印刷法、モールド法、などの物理的に成形する方法や、粒子を分散して設ける方法などを用いることができる。
図4は、有機EL照明パネル1を用いた照明装置の一例を示している。この照明装置は、上記で説明した有機EL照明パネル1を複数備えている。図4(b)の断面図では、図1の実施形態の有機EL照明パネル1が描画されているが、図2又は図3の有機EL照明パネル1が用いられてもよい。
照明装置においては、複数の有機EL照明パネル1が、面状に配置されている。それにより、面状の発光を得ることができるため、薄型で発光面の大きい照明器具を得ることができる。
有機EL照明パネル1は長方形又は正方形のパネルとして形成され得る。そのため、図4(a)に示すように、照明装置は、複数の有機EL照明パネル1を縦横にマトリックス状に配置することにより構成することができる。パネルを構成する四角形の長辺と短辺との長さとして、短辺に対する長辺の長さが1〜1.2になることも好ましい。それにより、障子状の発光を得ることができる。長辺と短辺の長さが同じの場合、有機EL照明パネル1は正方形となる。また、有機発光体10の平面視における形状が正方形となってもよい。それにより、正方形の面状の光をより得やすくすることができる。
もちろん、有機EL照明パネル1は面状に配設可能な適宜の形状であってもよい。例えば、有機EL照明パネル1は正六角形に形成されていてもよい。その場合、ハニカム状の配置を行うことで、照明装置を形成することが可能になる。要するに、面状に複数の有機EL照明パネル1を敷き詰めることができればよい。
図4(a)では、縦4個、横4個、合計16個の有機EL照明パネル1が面状に配設されている。有機EL照明パネル1の配設パターンや配設個数はこれに限定されるものではない。有機EL照明パネル1が一方向に列状に配設されていてもよい。その場合、直線状の照明装置を得ることができる。
照明装置においては、植物原料由来の枠体20を備えていることが好ましい。それにより、枠体20で囲まれた間から光を照射することができ、意匠性を高めることができる。特に植物原料由来であると、障子のような外観を形成することができるため、日本的又は東アジア的な照明の演出を得ることができる。
枠体20を構成する植物由来原料としては、木材、竹、繊維含有成形体などを用いることができる。繊維含有成形体とは、繊維を樹脂などで固めたものであってもよい。このうち、枠体20の原料としては、木材を使用することが好ましい。それにより、意匠性をさらに向上することができる。また、木材を使用することにより、火災時の有毒ガスの発生を抑制することができる。特に、枠体20を木材で構成し、繊維含有体6を和紙6aで構成するようにすれば、障子に近い外観をより付与することができるため、意匠性の高い照明器具を形成することができる。また、発光面の材料を木材由来の材料で統一することにより、統一性のある外観を付与することができる。枠体20は、好ましくは木枠で構成される。木枠で枠体20を構成すると、有機EL照明パネル1を容易に強固に固定することができるという利点もある。
図4(a)に示すように、枠体20は、照明装置の縁部16に配置されている。すなわち、照明装置の外周部が枠体20によって囲まれている。このように、枠体20は、照明装置の縁部16に配置されていることが好ましい。それにより、照明の外枠を形成することができるため、意匠性を高めることができる。また、照明装置の端部に配置される有機EL照明パネル1を固定することができるため、有機EL照明パネル1を強固に固定することができる。
図4(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、枠体20は、有機EL照明パネル1の境界部分17に配置されている。すなわち、隣り合う有機EL照明パネル1においては、その境界部分17を跨るように枠体20が配設されている。このように、枠体20は、有機EL照明パネル1の境界部分17に配置されていることが好ましい。それにより、枠体20によって個々の有機EL照明パネル1を支持することができるため、固定強度を高めることができる。また、枠体20の間から光を取り出すことができるため、意匠性を向上することができる。図4(a)で示すように、枠体20は、格子状に形成されている。
図4(b)に示すように、枠体20は隣り合う有機EL照明パネル1の前面に配置されることが好ましい。それにより、有機EL照明パネル1の非発光領域に枠体20が配置されるため、効率よく外部に光を取り出すことができる。また、有機EL照明パネル1においては、非発光領域において電極に電流を通すための配線構造が形成され得るが、配線構造を枠体20によって隠すことができるため、意匠性の高い照明装置を得ることができる。
枠体20と有機EL照明パネル1との間には、接着剤により形成された接合層14が設けられていてよい。接合層14により固定強度がさらに高まる。また、隣り合う有機EL照明パネル1間にも、接着剤が配設されていてもよい。
枠体20は、有機EL照明パネル1の発光色と同系色の部分を有することが好ましい。それにより、枠体20と有機EL照明パネル1との色の差を小さくすることができ、外観上、一体化して形成されたように見えるため、非発光の額縁状の領域が形成されることを低減し、非発光領域を目立たなくすることができる。そのため、意匠性を向上することができる。
同系色の色とは、RGBにおいて同系統の色であってよい。例えば、有機EL照明パネル1の発光色が緑の場合、緑色の枠体20が設けられる。例えば、有機EL照明パネル1の発光色が赤の場合、赤色の枠体20が設けられる。例えば、有機EL照明パネル1の発光色が青の場合、青色の枠体20が設けられる。
枠体20の発光色と同系色となった色の部分は一部であってもよい。このとき、有機EL照明パネル1との境界部分において色が同系色となることが好ましい。それにより、枠体20を有機EL照明パネル1とさらに外観上、一体化させることができる。例えば、枠体20の幅方向の縁部に同系色の色を施すことができる。さらに、枠体20の幅方向の縁部を同系色にし、幅方向の中央部に徐々に色が変化すうようなグラデーションを有していてもよい。
また、枠体20の全部が、有機EL照明パネル1の発光色と同系色であってもよい。その場合、外観上の一体化がさらに進む。
枠体20は、繊維含有構造FSがD65光源に対して透過する透過スペクトルの色と同系色の部分を有することが好ましい。それにより、枠体20と繊維含有構造FSの透過スペクトルの色の差を小さくすることができ、外観上、一体化して形成されたように見えるため、非発光の額縁状の領域が形成されることを低減し、非発光領域を目立たなくすることができる。そのため、意匠性を向上することができる。同系色の部分は一部であってもよいし、全部であってもよい。一部の場合は、同系色の部分を枠体20の縁部に設けることができる。
枠体20の色は、繊維含有構造FS(繊維含有体6、又は、繊維物質15を含有する光透過性基板2)の色と同系色であってもよい。その場合も、外観上の一体化を促進させることができる。同系色の部分は一部であってもよいし、全部であってもよい。一部の場合は、同系色の部分を枠体20の縁部に設けることができる。
(実施例1)
繊維含有体6として和紙6aを有する有機EL照明パネル1を以下に示すように製造した。
繊維含有体6として和紙6aを有する有機EL照明パネル1を以下に示すように製造した。
光透過性基板2としてガラス基板を用いた。この光透過性基板2の上に、光透過性電極3として、透明導電膜であるITOをスパッタにより成膜し、この光透過性電極3を陽極として形成した。電極のパターニングをウェットエッチングで行った。その上に、有機発光層4を蒸着法により形成した。有機発光層4は、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、により構成した。発光層は、RGBの三層構成の構造を採用した。有機発光層4の上に、金属膜であるAlを積層し、対電極5を陰極として形成した。キャップガラスを封止材8として用いた。ガラス基板とキャップガラスとをシール樹脂で貼り合わせ、その空隙(封止内部間隙9)に固体乾燥剤を配置した。
このとき、発光層に用いるドーパント材料の種類、濃度、及び発光層の膜厚を調整し、有機発光層4の発光色が概ね緑色となるように調整した。RGBのスペクトルの大小関係は、G>R>Bであった。なお、RGBのそれぞれの波長は、R:620nm、G:540nm、B:440nmとした。
次に、光透過性基板2(ガラス基板)の外部側の表面に、透明な粘着剤によって、緑色の和紙6aを貼り付けた。
図5は、和紙6aのD65光源に対する透過スペクトルを示している。このスペクトルに示すように、RGBの大小関係はG>R>Bとなっている。なお、RGBのそれぞれの波長は、R:620nm、G:540nm、B:440nmとした。
実施例1の有機EL照明パネル1の発光効率と視野角特性を調べたところ、発光効率で8.5ルーメン/Wであり、正面基準での視野角(0°〜80°の最大値)であるΔu’v’が0.007であった。ここで、Δu’v’は、u’−v’色度座標において、正面の色度と、正面から80度以内の角度の間で正面から最大にズレた色度との差を示し、色ズレの指標となる。よって、Δu’v’が小さいほど、色ズレが小さくなる。
比較のために、和紙6aとして、R>G>Bの関係のものを用いた以外は、実施例1と同じ構成の有機EL照明パネル1を製造したところ、発光効率は7.0ルーメン/Wであった。また、Δu’v’は0.01を超えて視野角依存性は高くなった。よって、RGBの大小関係を同じにすることが有利なことが確認された。
(実施例2)
上記の実施例1の有機EL照明パネル1において、光散乱粒子を含有した光散乱性を有する粘着剤を用いて和紙6aを接着した点を変更し、それ以外は同一の構成で、有機EL照明パネル1を製造した。この有機EL照明パネル1では、発光効率が9.5ルーメン/Wとなり、実施例1の有機EL照明パネル1よりも効率が向上した。これは、ガラス基板内の伝播光が散乱性の接着剤により外部に取り出されたことによるものと考えられる。なお、Δu’v’は0.007であった。したがって、光散乱性を有する粘着層7を設けることによって光取り出し性が向上することが確認された。
上記の実施例1の有機EL照明パネル1において、光散乱粒子を含有した光散乱性を有する粘着剤を用いて和紙6aを接着した点を変更し、それ以外は同一の構成で、有機EL照明パネル1を製造した。この有機EL照明パネル1では、発光効率が9.5ルーメン/Wとなり、実施例1の有機EL照明パネル1よりも効率が向上した。これは、ガラス基板内の伝播光が散乱性の接着剤により外部に取り出されたことによるものと考えられる。なお、Δu’v’は0.007であった。したがって、光散乱性を有する粘着層7を設けることによって光取り出し性が向上することが確認された。
(実施例3)
上記の実施例1の有機EL照明パネル1において、光取り出し構造11として、ガラス基板(光透過性基板2)と陽極(光透過性電極3)との間に、ガラス基板上の製膜とパターニングのプロセスを用いて微小な凹凸構造を形成した。それ以外は実施例1と同様にして実施例3の有機EL照明パネル1を形成した。ここで、凹凸構造は散乱性能を有するように、凹凸のサイズを光の波長のサイズ程度に形成した。
上記の実施例1の有機EL照明パネル1において、光取り出し構造11として、ガラス基板(光透過性基板2)と陽極(光透過性電極3)との間に、ガラス基板上の製膜とパターニングのプロセスを用いて微小な凹凸構造を形成した。それ以外は実施例1と同様にして実施例3の有機EL照明パネル1を形成した。ここで、凹凸構造は散乱性能を有するように、凹凸のサイズを光の波長のサイズ程度に形成した。
実施例3の有機EL照明パネル1について、発光効率を測定したところ、9.7ルーメン/Wとなり、実施例1よりも効率が向上した。また、Δu’v’は0.003と良好であった。したがって、光取り出し構造11を設けることによって光取り出し性及び視野角特性が向上することが確認された。
(実施例4)
実施例1の有機EL照明パネル1を、格子状に形成した木枠(枠体20)に、縁部16及び境界部分17が木枠に配置するように組み込んで貼り付けて、4×4個の格子状に配置し、図4に示すような照明装置を作製した。木枠の枠幅は5mmとした。有機EL照明パネル1の大きさは、縦100mm×横100mmのものを用いた。また、木枠の中を有機EL照明パネル1の電源配線を通す構成とし、電気配線を隠した。これにより、意匠性を向上させた。
実施例1の有機EL照明パネル1を、格子状に形成した木枠(枠体20)に、縁部16及び境界部分17が木枠に配置するように組み込んで貼り付けて、4×4個の格子状に配置し、図4に示すような照明装置を作製した。木枠の枠幅は5mmとした。有機EL照明パネル1の大きさは、縦100mm×横100mmのものを用いた。また、木枠の中を有機EL照明パネル1の電源配線を通す構成とし、電気配線を隠した。これにより、意匠性を向上させた。
さらに木枠の一部を有機EL照明パネル1の和紙6aと同系色に着色した。着色は木枠の5mmの幅の両側からグラデーションが付くように行った。これによりパネルの額縁が目立たなくなり意匠性が向上した。
1 有機エレクトロルミネッセンス照明パネル
2 光透過性基板
3 光透過性電極
4 有機発光層
5 対電極
6 繊維含有体
6a 和紙
7 粘着層
8 封止材
9 封止内部間隙
10 有機発光体
11 光取り出し構造
12 層界面
13 電極引き出し部
14 接合層
15 繊維物質
16 縁部
17 境界部分
20 枠体
FS 繊維含有構造
2 光透過性基板
3 光透過性電極
4 有機発光層
5 対電極
6 繊維含有体
6a 和紙
7 粘着層
8 封止材
9 封止内部間隙
10 有機発光体
11 光取り出し構造
12 層界面
13 電極引き出し部
14 接合層
15 繊維物質
16 縁部
17 境界部分
20 枠体
FS 繊維含有構造
Claims (12)
- 光透過性基板と、光透過性電極と、前記光透過性電極と対をなす対電極と、前記光透過性電極と前記対電極との間に少なくとも有機発光層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス照明パネルであって、
前記光透過性電極よりも光取り出し側に、繊維を含有する繊維含有構造を有し、
前記繊維含有構造は、D65光源に対する透過スペクトルにおけるRGBの大小関係が、前記有機発光層の発光スペクトルにおけるRGBの大小関係と同じであることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。 - 前記繊維含有構造は、前記光透過性基板の表面に設けられた繊維含有体により構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。
- 前記繊維含有体と前記光透過性基板との間に、光散乱性を有する粘着層が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。
- 前記繊維含有体は紙により構成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。
- 前記繊維含有体は和紙により構成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。
- 前記繊維含有構造は、前記光透過性基板が繊維を含有することにより構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。
- 前記繊維含有構造は、繊維密度の高い高繊維密度領域が少なくともその一部に形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。
- 前記光透過性基板と前記光透過性電極との間に、光取り出し構造を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネル。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明パネルを複数備え、
複数の前記有機エレクトロルミネッセンス照明パネルが、面状に配置されたことを特徴とする、照明装置。 - 植物原料由来の枠体を備え、
前記枠体は、当該照明装置の縁部に配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の照明装置。 - 前記枠体は、前記有機エレクトロルミネッセンス照明パネルの境界部分に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の照明装置。
- 前記枠体は、前記有機エレクトロルミネッセンス照明パネルの発光色と同系色の部分を有することを特徴とする、請求項10又は11に記載の照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013130048A JP2015005409A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 有機エレクトロルミネッセンス照明パネル及び照明装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015005409A true JP2015005409A (ja) | 2015-01-08 |
Family
ID=52301145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013130048A Pending JP2015005409A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 有機エレクトロルミネッセンス照明パネル及び照明装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015005409A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016184545A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | パイオニア株式会社 | 発光装置及び発光システム |
JP2017182882A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | コニカミノルタ株式会社 | 照明装置 |
WO2017217111A1 (ja) * | 2016-06-14 | 2017-12-21 | コニカミノルタ株式会社 | 発光モジュール |
JP2019127001A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | 株式会社ワーロン | 和紙の風合いを呈するシート状部材 |
KR102206713B1 (ko) * | 2020-11-16 | 2021-01-25 | 이강재 | 인테리어 가구 |
-
2013
- 2013-06-20 JP JP2013130048A patent/JP2015005409A/ja active Pending
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