以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されており、始動ゲート20、第2可変入賞装置31、第1可変入賞装置30及び可変始動入賞装置28は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。また、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24は遊技領域8aの右側部分に配置されている。なお、可変始動入賞装置28の周辺には「1st」の装飾が施されており、第1可変入賞装置30の周辺には「2nd」の装飾が施されており、第2可変入賞装置31の周辺には「3rd」の装飾が施されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
このうち、第1可変入賞装置30に入球した遊技球は、透明な回収通路30cを通過してから遊技盤ユニット8の裏側へ回収され、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、透明な回収通路31cを通過してから遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口(参照符号なし)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば1つの開閉部材28bを有しており、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に点線で示されるように、1つの開閉部材28bは先端が上を向いた状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき右始動入賞口への入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、右側に開口幅を拡大して右始動入賞口を開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口への入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは右始動入賞口への遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
上記の第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(大当り遊技の1ラウンド目から10ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口(参照符号なし)への入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入賞事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、可変始動入賞装置28の上方に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して左右方向に往復動作する。図示のように1つの開閉部材30aは先端が上を向いた状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき第1大入賞口への入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、右側に開口幅を拡大して第1大入賞口を開放する。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の入球が可能な状態となり、第1大入賞口への入球を発生させることができる(可変入賞手段)。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口への遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(開放時の第1大入賞口)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
上記の第2可変入賞装置31は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が当選の態様で停止表示された場合)であって所定の第2条件(大当り遊技の11ラウンド目から16ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口(参照符号なし)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の上方に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して左右方向に往復動作する。図示のように1つの開閉部材31aは先端が上を向いた状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき第2大入賞口への入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、右側に開口幅を拡大して第2大入賞口を開放する。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の入球が可能な状態となり、第2大入賞口への入球を発生させることができる(可変入賞手段)。なお、このとき開閉部材31aは第2大入賞口への遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第2可変入賞装置31(開放時の第2大入賞口)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の第2可変入賞装置31に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c等を備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えばパチンコ機1を連想させるのロゴタイプ部を有する装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応する複数のLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用ベース等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22に対する遊技球の入球を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入球を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31それぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97が設けられている。これらソレノイド88,90,97は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90,97についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えベーステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのベース幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に第1可動体モータ57a及び第2可動体モータ57bが接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔可動役物ユニット700〕
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、可動体40fを可動させる機構を備える可動役物ユニット700に関する構成について説明する。図6は、可動役物ユニット700の周辺を示す正面図であり、図7は、可動役物ユニット700の周辺を示す裏面図である。
可動役物ユニット700は、可動体40fを備える可動体部701と、可動体40fを可動させるためのリンク機構などを備えるリンク部730とから構成されている。
可動体部701は、可動体40fを取り付ける可動体取り付け部材702と、可動体40fと連動して可動可能(回転可能)な第1〜第4羽根部材704、706、708、710と、可動体取り付け部材702のベースとなる可動体ベース部材712と、可動体40fを可動(回転)させるための動力を伝える回転スライドリンク部材714と、可動体ベース部材712を取り付ける板金部材716とから構成されている。板金部材716にはバネホルダー718を介してコンストンバネ720、及び、可動体ストッパー722が備えられている。ここで、可動体取り付け部材702を回転させることで可動体40fを回転させることができる。また、第1〜第4羽根部材704、706、708、710は、可動体40f(可動体取り付け部材702)の回転と連動して回転することも可能であるが、可動体40f(可動体取り付け部材702)の回転と連動せずに回転しないことも可能である。
可動体部701は、可動役物ユニットベース部材732に備えられているレール部材734上を板金部材716が上下に動作することで、上段位置(図6)と下段位置との2段階の位置に変位可能な構造となっている。また、板金部材716に連結して取り付けられているコンストンバネ720により可動体部701が上段位置から下段位置に落下した際の衝撃を緩和することができる。他にも、可動体部701が下段位置に落下した際に、可動体ストッパー722がバネカバー733内に収納されているダンパーバネ742を圧迫したり、可動体ストッパー722を緩衝ゴム部材738で受け止めたりすることでさらに落下した際の衝撃を緩和することができる。
また、リンク部730は、可動体40fや第1〜第4羽根部材を可動(回転)させる回転機構部755と可動体部701を昇降させる昇降機構部777とから構成されている。これらの回転機構部755と昇降機構部777とにより、可動体40fや第1〜第4羽根部材が変位や回転等することで第1形態〜第5形態の態様に可動することができる。なお、昇降機構部777は、可動役物ユニットベース部材732上のユニットカバー731の内側に備えられており、具体的な構成は別の図面を用いて説明する。
回転機構部755や昇降機構部777の可動は、可動役物ユニットベース部材732の裏側に備えられる可動体接続基板779からそれぞれの駆動源に駆動信号が送られることで可動することとなる。回転機構部755に対応して第1回転体モータ57aが備えられ、昇降機構部777に対応して第2回転体モータ57bが備えられている(図7参照)。これらの駆動源は、可動体部701とは別に可動役物ユニットベース部材732に固定して備えられているため、可動体部701とともに回転や変位をすることがなく落下などの衝撃によるダメージを軽減することができる。
回転機構部755は、ユニットカバー731上に各々に備えられた歯が噛み合わさった形態で備えられている上段リンクアーム752、第1回転ギア754、第2回転ギア756、下段リンクアーム758と、駆動源(第1回転体モータ57a)からの回転を上下方向への力に変換して上段リンクアーム752に伝達する回転連結アーム750とから構成されている。なお、回転機構部755の上段リンクアーム752は、上段位置に配置されている可動体部701の回転スライドリンク部材714を押し込み可能な位置に配置されている。また、回転機構部755の下段リンクアーム758は、下段位置に配置されている可動体部701の回転スライドリンク部材714を押し込み可能な位置に配置されている。また、下段リンクアーム758は上段リンクアーム752よりも大きく設計されており、同じ回転動力が双方に伝達された場合、回転スライドリンク部材714の押し込み量は異なっている。具体的には、同一の回転動力が伝達された場合、上段リンクアーム752が回転スライドリンク部材714を押し込む距離よりも、下段リンクアーム758が回転スライドリンク部材714を押し込む距離の方が長く設計されている。したがって、100%の回転動力を伝達せずに、少ない回転動力を伝達すると、下段リンクアーム758が回転スライドリンク部材714を押し込む距離を調整することができることを表している。
図8は、第1形態の可動役物ユニット700の主要部材のみを抜き出して示す正面図である。なお、可動役物ユニット700の第1形態は、可動体部701が上段に位置し、可動体40fや第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を表している。
昇降機構部777は、第1〜第5昇降ギア770、772、774、776、778と、第5昇降ギア778を所定の回転位置で停止させるギアストッパー780とから構成されている。第1昇降ギア770は、第2可動体モータ57bの出力軸に取り付けられている。第1昇降ギア770には第2昇降ギア772が噛み合わされており、その第2昇降ギア772には第3昇降ギア774が噛み合わされている。第3昇降ギア774には第4昇降ギア776が噛み合わされており、その第4昇降ギア776には第5昇降ギア778が噛み合わされている。また、第5昇降ギア778は、可動役物ユニットベース部材に備えられたレール部材734上を移動可能な昇降ラック782と噛み合わされている。その昇降ラック782は、可動体部701の板金部材716に取り付けられており、第5昇降ギア778が回転すると、回転力が昇降ラック782に伝わり、昇降ラック782がレール部材734上を移動することで、可動体部701が変位することができる。したがって、駆動源である第2可動体モータ57bが駆動すると(回転すると)、第1〜第5昇降ギアからなる歯車列に動力(回転力)が伝達され、その動力(回転力)により最終的に昇降ラック782が変位することができることを表している。
図8に示すように、回転機構部755の第1可動体モータ57aを駆動しない場合、回転機構部755の上段リンクアーム752や下段リンクアーム758が可動しないことから、可動体部701の回転スライドリンク部材714は押し込まれず、可動体40fが取り付けられる可動体取り付け部材702や第1〜第4羽根部材704〜710は回転されていない状態で保持されている。また、昇降機構部777の第2可動体モータ57bを駆動しない場合、昇降機構部777の第5昇降ギア778が昇降ラック782の下段位置で噛み合わさって停止していることから、可動体部701は上段位置で保持されている。このように、第1可動体モータ57aや第2可動体モータ57bを駆動しない場合、可動体部701が上段に位置し、可動体40fや第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を保持する可動役物ユニット700の第1形態を形成することができる。
図9は、第2形態の可動役物ユニット700の主要部材のみを抜き出して示す正面図である。なお、可動役物ユニット700の第2形態は、可動体部701が上段に位置し、可動体40fが回転し、第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を表している。
図9に示すように、回転機構部755の第1可動体モータ57aを駆動した場合、回転機構部755の上段リンクアーム752や下段リンクアーム758が可動することから、可動体部701の回転スライドリンク部材714が上段リンクアーム752により押し込まれ、可動体40fが取り付けられる可動体取り付け部材702が回転され、第1〜第4羽根部材704〜710は回転されていない状態で保持されている。また、昇降機構部777の第2可動体モータ57bを駆動しない場合、昇降機構部777の第5昇降ギア778が昇降ラック782の下段位置で噛み合わさって停止していることから、可動体部701は上段位置で保持されている。このように、第1可動体モータ57aを駆動し、第2可動体モータ57bを駆動しない場合、可動体部701が上段に位置し、可動体40fが回転し、第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を保持する可動役物ユニット700の第2形態を形成することができる。
図10は、第3形態の可動役物ユニット700の主要部材のみを抜き出して示す正面図である。なお、可動役物ユニット700の第3形態は、可動体部701が下段に位置し、可動体40fや第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を表している。
図10に示すように、回転機構部755の第1可動体モータ57aを駆動しない場合、回転機構部755の上段リンクアーム752や下段リンクアーム758が可動しないことから、可動体部701の回転スライドリンク部材714は押し込まれず、可動体40fが取り付けられる可動体取り付け部材702や第1〜第4羽根部材704〜710は回転されていない状態で保持されている。また、昇降機構部777の第2可動体モータ57bを駆動した場合、昇降機構部777の第5昇降ギア778が回転することで昇降ラック782が下段位置まで変位して停止していることから、可動体部701は下段位置で保持されている。このように、第1可動体モータ57aを駆動せず、第2可動体モータ57bを駆動した場合、可動体部701が下段に位置し、可動体40fや第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を保持する可動役物ユニット700の第3形態を形成することができる。
図11は、第4形態の可動役物ユニット700の主要部材のみを抜き出して示す正面図である。なお、可動役物ユニット700の第4形態は、可動体部701が下段に位置し、可動体40fが回転し、第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を表している。
図11に示すように、回転機構部755の第1可動体モータ57aを駆動した場合、回転機構部755の上段リンクアーム752や下段リンクアーム758が可動することから、可動体部701の回転スライドリンク部材714が下段リンクアーム758により押し込まれ、可動体40fが取り付けられる可動体取り付け部材702が回転され、第1〜第4羽根部材704〜710は回転されていない状態で保持されている。なお、第1可動体モータ57aの駆動について、第2形態時に上段リンクアーム752が回転スライドリンク部材714を押し込んだ距離と同一の距離分だけ下段リンクアーム758が回転スライドリンク部材714を押し込むように第1可動体モータ57aの駆動が制御されている。また、昇降機構部777の第2可動体モータ57bを駆動した場合、昇降機構部777の第5昇降ギア778が回転することで昇降ラック782が下段位置まで変位して停止していることから、可動体部701は下段位置で保持されている。このように、第1可動体モータ57aや第2可動体モータ57bを駆動した場合、可動体部701が下段に位置し、可動体40fが回転し、第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を保持する可動役物ユニット700の第4形態を形成することができる。
図12は、第5形態の可動役物ユニット700の主要部材のみを抜き出して示す正面図である。なお、可動役物ユニット700の第5形態は、可動体部701が下段に位置し、可動体40fが第4形態よりも大きく回転し、第1〜第4羽根部材704〜710が回転している状態を表している。
図12に示すように、回転機構部755の第1可動体モータ57aを駆動した場合、回転機構部755の上段リンクアーム752や下段リンクアーム758が可動することから、可動体部701の回転スライドリンク部材714が下段リンクアーム758により押し込まれ、可動体40fが取り付けられる可動体取り付け部材702や第1〜第4羽根部材704〜710は回転された状態で保持されている。なお、第1可動体モータ57aの駆動について、第2形態時に上段リンクアーム752が回転スライドリンク部材714を押し込んだ際と同等の駆動力で下段リンクアーム758が回転スライドリンク部材714を押し込むように第1可動体モータ57aの駆動が制御されている。したがって、上段リンクアーム752が回転スライドリンク部材714を押し込んだ距離よりも長い距離分を下段リンクアーム758が回転スライドリンク部材714を押し込んでいることを表している。また、昇降機構部777の第2可動体モータ57bを駆動した場合、昇降機構部777の第5昇降ギア778が回転することで昇降ラック782が下段位置まで変位して停止していることから、可動体部701は下段位置で保持されている。このように、第1可動体モータ57aや第2可動体モータ57bを駆動した場合、可動体部701が下段に位置し、可動体40fや第1〜第4羽根部材704〜710が回転している状態を保持する可動役物ユニット700の第5形態を形成することができる。
図13は、上段位置における可動役物ユニット700の主要部材のみを抜き出して示す斜視図である。
図13に示すように、バネホルダーを介したコンストンバネ720によりコンストンバネ720側に板金部材716を引き上げ、可動体部701の上段位置を保持している。また、可動体部701が上段位置にある際に、第5昇降ギア778に設けられた突起部778sとギアストッパー780により第5昇降ギア778が所定の方向に回転するのを防止したり、第2可動体モータ57bを作動させず固定し第5昇降ギア778を停止させたりすることで、第5昇降ギア778と歯が噛みあっている昇降ラック782を停止させている。したがって、昇降ラック782を取り付けている板金部材716を停止させることができる。このように、コンストンバネ720や第5昇降ギア778等により、板金部材716を含む可動体部701の落下を防止しつつ上段位置を保持することができる。
図14は、下段位置における可動役物ユニット700の主要部材のみを抜き出して示す斜視図である。
図14に示すように、第2可動体モータ57bが作動して第5昇降ギア778が所定の位置まで回転すると、第5昇降ギア778に設けられた歯なし部778rが昇降ラック782に面することとなり、昇降ラック782と第5昇降ギア778とが噛み合わなくなる。したがって、昇降ラック782を取り付けている板金部材716及びそれを含む可動体部701が自重により落下することとなる。可動体部701が落下すると、板金部材716に取り付けられている可動体ストッパー722がバネ押さえ部材740を介してダンパーバネ742を圧迫したり、可動体ストッパー722を緩衝ゴム部材738で受け止めたりすることでさらに落下した際の衝撃を緩和することができる。
図15は、昇降機構部777の主要部材のみを抜き出して示す斜視図である。
図15に示すように、昇降機構部777の第5昇降ギア778は3列構造となっている。1列目には歯なし部778rが設けられ、上述のように可動体部701を落下させることができ、歯なし部778r以外の領域の歯が昇降ラック782と噛み合い第5昇降ギア778が回転すると、昇降ラック782が上昇し可動体部701を上段位置まで変位させることができる。また、2列目には全周にわたって歯が設けられており、第4昇降ギア776と噛み合い、駆動源(第2可動体モータ57b)からの回転が伝えられる。3列目には突起部778sが設けられ、ギアストッパー780により第5昇降ギア778が所定の方向に回転するのを防止している。
次に、可動役物ユニット700の可動体部701について具体的に説明する。図16は、可動体部701の主要部材のみを抜き出して示す分解斜視図であり、図17は、連結する羽根部材の主要部材のみを抜き出して示す分解斜視図である。
図16に示すように、可動体部701は、可動体取り付け部材702、第1〜第4羽根部材704、706、708、710、可動体ベース部材712、回転スライドリンク部材714、板金部材716の他に、羽根連結部材707、第1回転ピン702p、第2回転ピン702q、第3回転ピン708p、第1羽根ピン707p、第2羽根ピン706p、第3羽根ピン708qが備えられている。
第1回転ピン702pは、可動体取り付け部材702の第1貫通孔702mに挿入され、第3羽根部材708の下部を通過し、可動体ベース部材712の第1誘導溝712m1を貫通し、回転スライドリンク部材714の第1開口部714m1を貫通するように備えられている。なお、第1回転ピン702pは、可動体ベース部材712の第1誘導溝712m1内や回転スライドリンク部材714の第1開口部714m1内を移動することができる。
第2回転ピン702qは、可動体取り付け部材702の第2貫通孔702nに挿入され、第2羽根部材706と第4羽根部材710の間を通過し、可動体ベース部材712の第3誘導溝712nを貫通するように備えられている。なお、第2回転ピン702qは回転スライドリンク部材714まで到達しない長さに設計されている。また、第2回転ピン702qは、可動体ベース部材712の第3誘導溝712n内を移動することができる。
第3回転ピン708pは、第3羽根部材708の第1貫通孔708mに挿入され、可動体ベース部材712の第2誘導溝712m2を貫通し、回転スライドリンク部材714の第2開口部714m2を貫通するように備えられている。なお、第3回転ピン708pは可動体取り付け部材702まで到達しない長さに設計されている。なお、第3回転ピン708pは、可動体ベース部材712の第2誘導溝712m2内や回転スライドリンク部材714の第2開口部714m2内を移動することができる。
図17に示すように、羽根連結部材707により第1羽根部材704と第4羽根部材710とが連結されている。羽根連結部材707の外周に設けられた歯と第2羽根部材706や第3羽根部材708の一端に設けられた歯が噛み合わさった状態で、第1羽根部材〜第4羽根部材704、706、708、710が羽根連結部材707を中心に介して連結されている。また、羽根連結部材707の中心の第1羽根ピン707pは、可動体取り付け部材702の第3貫通孔702lと可動体ベース部材712の第1貫通孔712xに挿入されている。第2羽根部材706の第2羽根ピン706pや第3羽根部材708の第3羽根ピン708qは、それぞれ可動体ベース部材712の第2貫通孔712yや第3貫通孔712zに挿入されている。
図18は、可動体ベース部材712におけるピンの動作を説明する図である。
図18に示すように、可動体ベース部材712には、第1〜第3貫通孔712x、712y、712zと、第1〜第3誘導溝712m1、712m2、712nが備えられている。また、第1〜第3貫通孔712x、712y、712zにはそれぞれ第1〜第3羽根ピン707p、706p、708qが移動不能な状態で挿入されるのに対し、第1〜第3誘導溝712m1、712m2、712nにはそれぞれ第1〜第3回転ピン702p、702q、708pが溝内を移動可能な状態で貫通される。なお、第1誘導路712m1と第2誘導路712m2とは繋がった構造をしているが、第1回転ピン702pと第3回転ピン708とが接触することはなく、それぞれが移動する範囲が限定されている。
したがって、可動体取り付け部材702(可動役物40f)は、第1、第2回転ピン702p、702qを第1、第3誘導溝712m1、712nの溝内で移動させることで、第1羽根ピン707pを中心に回転させることができる。また、第3羽根部材708は、第3回転ピン708pを第2誘導溝712m2の溝内で移動させることで、第3羽根ピン708qを中心に回転させることができる。他の第1、第2、第4羽根部材704、706、710については、その第3羽根部材708の回転に連動して羽根連結部材707が第1羽根ピン707pを中心に回転し、さらに羽根連結部材707の回転に連動して第1、第2、第4羽根部材704、706、710が回転することとなる。
次に、可動体部701の動作例について説明する。図19は、可動役物ユニット700が第1形態時又は第3形態時における可動体部701の動作例について説明する図であり、図20は、可動役物ユニット700が第2形態時又は第4形態時における可動体部701の動作例について説明する図であり、図21は、可動役物ユニット700が第5形態時における可動体部701の動作例について説明する図である。
図19に示すように、可動役物ユニット700の第1形態又は第3形態は、回転スライドリンク部材714が上段リンクアーム752や下段リンクアーム758により押し込まれていない状態であり、可動体取り付け部材402(可動体40f)や第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を表している。この可動役物ユニット700の第1形態又は第3形態の状態は、押し込まれていない状態の回転スライドリンク部材714の第1開口部714m1や第2開口部714m2が、可動体ベース部材712の第1誘導溝712m1や第2誘導溝712m2の基準位置に第1回転ピン702pや第3回転ピン708pを位置させることで保持することができる。なお、第1回転ピン702pが第1誘導溝712m1の基準位置に位置することに対応して、第2回転ピン702qについても第2誘導溝712nの基準位置に位置することとなる。
図20に示すように、可動役物ユニット700の第2形態又は第4形態は、回転スライドリンク部材714が上段リンクアーム752や下段リンクアーム758により所定の距離だけ押し込まれている状態であり、可動体取り付け部材402(可動体40f)が回転しているのに対し、第1〜第4羽根部材704〜710が回転していない状態を表している。この可動役物ユニット700の第2形態又は第4形態の状態は、半分程度押し込まれている状態の回転スライドリンク部材714の第1開口部714m1が可動体ベース部材712の第1誘導溝712m1の中間程度まで第1回転ピン702pを移動させつつ、第2開口部714m2が第2誘導溝712m2の基準位置に第3回転ピン708pを位置させることで保持することができる。具体的には、回転スライドリンク部材714が所定の距離だけ押し込まれると、第1開口部714m1の開口幅が第1回転ピン702pと同程度であるため、回転スライドリンク部材714が押し込まれた距離だけ第1回転ピン702pが連動して移動することを表している。一方、第2開口部714m2の開口幅が今回の押し込まれた距離と同程度であるため、第3回転ピン708pは基準位置から移動していないことを表している。なお、第1回転ピン702pが第1誘導溝712m1の中間程度まで移動することに対応して、第2回転ピン702qについても第2誘導溝712nの中間程度まで移動することとなる。したがって、回転スライドリンク部材714を所定の距離だけ押し込むことで、第1〜第4羽根部材704、706、708、710を回転させることなく、第1、第2回転ピン702p、702qを第1、第3誘導溝712m1、712nの溝内で移動させて可動体取り付け部材702を回転させることができる。
図21に示すように、可動役物ユニット700の第5形態は、回転スライドリンク部材714が下段リンクアーム758により最大距離まで押し込まれている状態であり、可動体取り付け部材402(可動体40f)や第1〜第4羽根部材704〜710が回転している状態を表している。この可動役物ユニット700の第5形態の状態は、最大距離押し込まれている状態の回転スライドリンク部材714の第1開口部714m1が可動体ベース部材712の第1誘導溝712m1の端部まで第1回転ピン702pを移動させつつ、第2開口部714m2が第2誘導溝712m2の端部まで第3回転ピン708pを位置させることで保持することができる。具体的には、回転スライドリンク部材714が最大距離押し込まれると、第1開口部714m1の開口幅が第1回転ピン702pと同程度であるため、回転スライドリンク部材714が押し込まれた距離だけ第1回転ピン702pが連動して移動することを表している。また、第2開口部714m2の開口幅よりも長い距離押し込まれるため、第3回転ピン708pはその差分の距離だけ移動することを表している。なお、第1回転ピン702pが第1誘導溝712m1の端部まで移動することに対応して、第2回転ピン702qについても第2誘導溝712nの端部まで移動することとなる。したがって、回転スライドリンク部材714を最大距離押し込むことで、第3回転ピン708pを第2誘導溝712m2の溝内で移動させて第1〜第4羽根部材704、706、708、710を回転させ、第1、第2回転ピン702p、702qを第1、第3誘導溝712m1、712nの溝内で移動させて可動体取り付け部材702を回転させることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、可動役物ユニット700を可動体部701とリンク部730とで構成し、可動源をリンク部730に備えることで、可動体部701の軽量化を図るとともに、限られた設計領域内に可動体部701を備えることを実現することができる。また、可動体部701が上段位置にいる場合と、下段位置にいる場合とで可動体40fや第1〜第4羽根部材704〜710の動きに変化をもたせることで、役物動作を明確にし、より遊技者の印象に残る動きをすることができる。また、1つの可動体モータ57bで可動体40fと第1〜第4羽根部材704〜710との双方の動きを可能とすることでコストを抑えることができる。
また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、可動役物ユニットベース部材732に備えられているレール部材734上を板金部材716が上下に動作するといった構造をすることで、可動体部701を上段位置(図6)と下段位置との2段階の位置に変位可能としていた。しかしながら、この構造に限定されず、レール部材734を水平方向(傾斜させてもよい)に設け、板金部材716が左右に動作するといった構造にし、可動体部701を左右方向(斜め方向)に変位可能としてもよい。例えば、可動体部701を第2可変入賞装置31の背面の遊技者から見えない基準位置に設置しておき、特定の条件が満たされた場合(例えば、リーチ演出中に演出切替ボタン45が押下された場合)、液晶表示器42の前面に可動体部701を水平移動させ、可動体取り付け部材702や、第1〜第4羽根部材704、706、708、710を回転させるといった演出を実行してもよい。