JP2015002306A - 絶縁基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない工数で安価に製造可能であり、かつ、熱放散性に優れた絶縁基板を提供する。また、このような絶縁基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基体となるベース金属板1上に形成され、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上である三酸化二ホウ素、五酸化二バナジウムまたは三酸化二ビスマスの少なくとも一種を含む酸化物系セラミクス微粒子と、酸化アルミニウム微粒子と、を含有するセラミクス層である絶縁層2と、絶縁層2上に形成される回路パターン層3と、を備える絶縁基板10とした。そして、上記の酸化物系セラミクス微粒子と、上記の酸化アルミニウム微粒子と、による溶射用フィラーをプラズマ溶射または高速フレーム溶射によりベース金属板1上に溶射して形成する絶縁基板の製造方法とした。
【選択図】図1
【解決手段】基体となるベース金属板1上に形成され、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上である三酸化二ホウ素、五酸化二バナジウムまたは三酸化二ビスマスの少なくとも一種を含む酸化物系セラミクス微粒子と、酸化アルミニウム微粒子と、を含有するセラミクス層である絶縁層2と、絶縁層2上に形成される回路パターン層3と、を備える絶縁基板10とした。そして、上記の酸化物系セラミクス微粒子と、上記の酸化アルミニウム微粒子と、による溶射用フィラーをプラズマ溶射または高速フレーム溶射によりベース金属板1上に溶射して形成する絶縁基板の製造方法とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、放熱能力が高い絶縁基板およびこの絶縁基板の製造方法に関する。
電源装置に使用されるパワー半導体を搭載する半導体モジュールは、家庭用エアコン、冷蔵庫などの民生機器から、インバータ、サーボコントローラなどの産業機器まで、広範囲にわたって適用されている。このような半導体モジュールには、消費電力の点から、金属ベースプリント配線板やセラミクス配線板が搭載される。金属ベースプリント配線板やセラミクス配線板は、熱放散性に優れ、パワー半導体など高発熱部品を実装する配線板として用いられている。これらの金属ベースプリント配線板やセラミクス配線板に、パワー半導体などの1または複数の回路素子を搭載し、プラスチックケース枠を接着し、シリコーンゲルやエポキシ樹脂などで封止することによって半導体モジュールを製造する。
続いて、金属ベースプリント配線板やセラミクス配線板について図を参照しつつ説明する。まず、金属ベースプリント配線板について説明する。図3は従来技術の金属ベースプリント配線板の断面構造を示す。金属ベースプリント配線板100は、3層構造であり、ベース金属板101、絶縁層102、回路パターン層103を少なくとも備える。
ベース金属板101は、アルミニウム板や銅板などである。絶縁層102は、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、または、窒化ケイ素(Si3N4)などの無機フィラーを含有したエポキシ樹脂などの絶縁樹脂であって、このベース金属板101上に形成されている。回路パターン層103は、パワー半導体等が搭載される回路のパターンであり、この絶縁層102の上に形成される。金属ベースプリント配線板100はこのようなものである。
続いてセラミクス配線板200について説明する。図4は従来技術のセラミクス配線板の説明図であり、図4(a)は回路層の説明図、図4(b)はセラミクス配線板の断面図をそれぞれ示す。セラミクス配線板200は、図4(b)で示すように多層構造であり、ベース金属板201、はんだ層202、回路層203を少なくとも備える。そして、回路層203は、図4(a)で示すように、さらに上側パターン層203a、セラミクス絶縁板203b、下側パターン層203cを備える。
図4(a)に示すように、セラミクス絶縁板203bを介し上下両側に上側パターン層203a、および、下側パターン層203cが形成されている。上側パターン層203a、および、下側パターン層203cは銅もしくはアルミニウム等による回路パターンである。
セラミクス絶縁板203bには酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、または、窒化ケイ素(Si3N4)などの板体が用いられる。酸化アルミニウムの熱伝導率が約20W/m・K、窒化アルミニウムの熱伝導率が約160〜180W/m・K、窒化ケイ素の熱伝導率が約80W/m・K程度であり、エポキシ樹脂に無機フィラーを配合した場合に比べて熱伝導率が1〜2桁高い。
そして、図4(b)で示すように、この回路層203をはんだ層202によりベース金属板201と接合する。セラミクス配線板200はこのようなものである。
そして、図4(b)で示すように、この回路層203をはんだ層202によりベース金属板201と接合する。セラミクス配線板200はこのようなものである。
そして、このようなセラミクス配線板を採用した半導体モジュールについての先行技術が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のセラミクス配線板は、特に溶射を行ってセラミクスによる絶縁層を形成するものである。
図3を用いて説明した上記の金属ベースプリント配線板100では、放熱特性が低いという問題があった。絶縁層102は、先に述べたようにエポキシ樹脂に酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)等の無機フィラーを含有させたものであるが、無機フィラーの充填量に限界があり、熱伝導率は現状1〜3W/m・K程度である。したがって、適用できるパワー半導体モジュールの電流容量にも限界があり、現状50Aクラス程度までしか適用できなかった。
一方で50Aを超えるような大容量のパワー半導体モジュールの場合には、放熱性の観点から、金属ベースプリント配線板ではなく、絶縁層の熱伝導率がより高いセラミクス配線板が用いられている。しかしながら、セラミクス配線板は、価格が高いという問題があった。
その理由として、セラミクス配線板200を製造する場合、まず原料粉をバインダーと練り合わせ、グリーンシートと呼ばれる板体を高温にて焼成してセラミクス絶縁板203bを作製する。このセラミクス絶縁板203bに対し、回路パターン用の銅箔などを高温で接合して回路層203とする。この回路層203を厚さ2〜3mmのベース金属板201にはんだで接合したうえでモジュール構造にし、セラミクス配線板200を作成する。
したがって、このようなセラミクス配線板200は、その工数や高温処理が多いため、価格が高いという問題があった。また、ベース金属板201とはんだ付けを行うため、熱抵抗が上昇するという問題もあった。さらにまた、はんだ付け工程が必要なためやはり工数が多いという問題もあった。
また、特許文献1に記載の技術は、酸化アルミニウム(Al2O3)や窒化ケイ素(Si3N4)の微粒子を溶射で金属ベースとなるリードフレームに積層する技術である。しかしながら、酸化アルミニウムの溶射を行うと、高温で一旦溶解してから積層するので、積層されるときにアモルファス状態になりやすく、更に粒子が扁平して積層すると粒子に力が加わった状態となるため、このような粒子の表層部に微細なクラックが生じる。
このクラックが熱抵抗となり、焼成タイプの酸化アルミニウムは熱伝導率が約20W/m・Kであるのに対し、溶射した場合4〜5W/m・Kと約1/4以下に低減してしまい、放熱特性を高めてはいるが、それでも理論上期待される本来の特性を発現できない。このように従来技術では、コスト低減が容易ではなく、かつ、放熱性に難がある絶縁基板であった。
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、少ない工数で安価に製造でき、かつ、熱放散性に優れた絶縁基板を提供することにある。また、このような絶縁基板の製造方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明の絶縁基板は、
基体となるベース金属板と、
ベース金属板上に形成され、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上である三酸化二ホウ素、五酸化二バナジウムまたは三酸化二ビスマスの少なくとも一種を含む酸化物系セラミクス微粒子と、酸化アルミニウム微粒子と、を含有するセラミクス層である絶縁層と、
絶縁層上に形成される回路パターン層と、
を備えることを特徴とする。
基体となるベース金属板と、
ベース金属板上に形成され、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上である三酸化二ホウ素、五酸化二バナジウムまたは三酸化二ビスマスの少なくとも一種を含む酸化物系セラミクス微粒子と、酸化アルミニウム微粒子と、を含有するセラミクス層である絶縁層と、
絶縁層上に形成される回路パターン層と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る発明の絶縁基板は、
請求項1に記載の絶縁基板において、
前記ベース金属板は、銅、ニッケル、鉄、チタン、モリブデン、または、タングステンのうちの一種の金属もしくは二種以上の合金による金属で形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の絶縁基板において、
前記ベース金属板は、銅、ニッケル、鉄、チタン、モリブデン、または、タングステンのうちの一種の金属もしくは二種以上の合金による金属で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る発明の絶縁基板は、
請求項1または請求項2に記載の絶縁基板において、
前記絶縁基板は、パワー半導体冷却用の基板であることを特徴とする。
請求項1または請求項2に記載の絶縁基板において、
前記絶縁基板は、パワー半導体冷却用の基板であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る発明の絶縁基板の製造方法は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の絶縁基板の製造方法であって、
前記酸化物系セラミクス微粒子と前記酸化アルミニウム微粒子とを混合した溶射用フィラーを、プラズマ溶射または高速フレーム溶射によりベース金属板上に溶射し、接合した皮膜により絶縁層を形成する絶縁層形成工程を有することを特徴とする。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の絶縁基板の製造方法であって、
前記酸化物系セラミクス微粒子と前記酸化アルミニウム微粒子とを混合した溶射用フィラーを、プラズマ溶射または高速フレーム溶射によりベース金属板上に溶射し、接合した皮膜により絶縁層を形成する絶縁層形成工程を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る発明の絶縁基板の製造方法は、
請求項4に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記酸化物系セラミクス微粒子は、その含有率が前記酸化アルミニウム微粒子のmol数に対して、0.1%mol以上10%mol以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記酸化物系セラミクス微粒子は、その含有率が前記酸化アルミニウム微粒子のmol数に対して、0.1%mol以上10%mol以下であることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る発明の絶縁基板の製造方法は、
請求項4または請求項5に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記溶射用フィラーは、さらに焼結助剤である酸化イットリウム、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムのうちの一種もしくは二種以上が混合分散されていることを特徴とする。
請求項4または請求項5に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記溶射用フィラーは、さらに焼結助剤である酸化イットリウム、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムのうちの一種もしくは二種以上が混合分散されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る発明の絶縁基板の製造方法は、
請求項4〜請求項6の何れか一項に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記絶縁層形成工程の後、絶縁層を400℃以上に加熱する加熱工程を有することを特徴とする。
請求項4〜請求項6の何れか一項に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記絶縁層形成工程の後、絶縁層を400℃以上に加熱する加熱工程を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係る発明の絶縁基板の製造方法は、
請求項7に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記加熱工程は、プラズマ照射により絶縁層を加熱する工程であることを特徴とする。
請求項7に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記加熱工程は、プラズマ照射により絶縁層を加熱する工程であることを特徴とする。
本発明によれば、ベース金属板上に直接的にセラミクス性の絶縁層を高速で形成でき、さらにその上に回路パターン層を高速で形成できるため、ベース金属板とのはんだ付けが不要でかつ熱伝導性に優れた絶縁基板を安価に製作することができる。
総じて少ない工数で安価に製造でき、かつ、熱放散性に優れた絶縁基板を提供することができる。また、このような絶縁基板の製造方法を提供することができる。
続いて、本発明を実施するための最良の形態に係る絶縁基板、および、この絶縁基板の製造方法について、図を参照しつつ以下に説明する。図1(a)の絶縁基板の断面図で示すように、絶縁基板10は、3層構造であり、ベース金属板1、絶縁層2、回路パターン層3を少なくとも備える。
ベース金属板1は、熱伝導率が高い金属板、例えば、銅、ニッケル、鉄、チタン、モリブデン、タングステンのうちの一種の金属、もしくは、これらの中の二種以上の合金による金属で形成されている板である。
絶縁層2は、図1(b)の絶縁層の拡大図で示すように、酸化アルミニウム微粒子2aと、酸化物系セラミクス微粒子2bと、を含有するセラミクス層であって、このベース金属板1上に形成されている。酸化アルミニウム微粒子2aは平均粒径が10〜200μm程度であり、また、酸化物系セラミクス微粒子2bの平均粒径は0.1〜200μm程度である。
酸化アルミニウム微粒子2aは、詳しくは、融点が2000℃以上で沸点が2900℃以上である酸化アルミニウム(Al2O3)の微粒子である。
酸化物系セラミクス微粒子2bは、詳しくは、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上である三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の少なくとも一種の微粒子である。
酸化物系セラミクス微粒子2bは、詳しくは、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上である三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の少なくとも一種の微粒子である。
従って、絶縁層2の組成としては、
(1)酸化アルミニウム微粒子2aを酸化アルミニウム(Al2O3)とし、また、酸化物系セラミクス微粒子2bを三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の何れか一つを選択する組み合わせ、
(2)酸化アルミニウム微粒子2aを酸化アルミニウム(Al2O3)とし、また、酸化物系セラミクス微粒子2bを三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の中から二つ選択する組み合わせ、
(3)酸化アルミニウム微粒子2aを酸化アルミニウム(Al2O3)とし、また、酸化物系セラミクス微粒子2bを三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の全部を選択する組み合わせ、
の何れかを採用できる。
(1)酸化アルミニウム微粒子2aを酸化アルミニウム(Al2O3)とし、また、酸化物系セラミクス微粒子2bを三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の何れか一つを選択する組み合わせ、
(2)酸化アルミニウム微粒子2aを酸化アルミニウム(Al2O3)とし、また、酸化物系セラミクス微粒子2bを三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の中から二つ選択する組み合わせ、
(3)酸化アルミニウム微粒子2aを酸化アルミニウム(Al2O3)とし、また、酸化物系セラミクス微粒子2bを三酸化二ホウ素(B2O3)、五酸化二バナジウム(V2O5)または三酸化二ビスマス(Bi2O3)の全部を選択する組み合わせ、
の何れかを採用できる。
このような絶縁層2では、酸化アルミニウム微粒子2aおよび酸化物系セラミクス微粒子2bは溶射により加熱溶着させて形成した層であり、溶着により密接し空隙が少ない層となっている。そして、溶射時に受ける力により酸化アルミニウム微粒子2aは楕円状に扁平している。また、衝突時に受ける力や、扁平状に変形した酸化アルミニウム微粒子2aに加わっている歪力により粒子の表層部に微細なクラックが生じる。しかしながら、酸化アルミニウム微粒子2aの表層部のクラックや、酸化アルミニウム微粒子2a間に形成される隙間には、酸化物系セラミクス微粒子2bが溶融した状態で浸入して隙間やクラックの存在を少なくしている。また、表面は酸化物系セラミクス微粒子2bによりならされて前記のクラックや隙間がなく平らな面となっている。
この絶縁層2の厚みは、主に回路電圧を考慮して設定するものであり、通常50μmから500μm程度である。絶縁層2によりベース金属板1と回路パターン層3とが短絡しないように電気的絶縁を確保している。
回路パターン層3は、パワー半導体や駆動ICなどが実装される回路パターンであり、この絶縁層2の上に直接的に形成される。
このような絶縁基板10は、特に絶縁層2において、酸化アルミニウム微粒子2a間の隙間や酸化アルミニウム微粒子2aの表層部のクラックに、酸化物系セラミクス微粒子2bを溶融した状態で浸入させることで、これら隙間やクラックの存在を少なくして絶縁層2の熱伝導率を大きくしており、回路パターン層3の下部の熱抵抗を小さくして熱放散性を向上させている。従来よりも格段に熱抵抗が小さい(熱伝導率が大きい)絶縁層2を通じて回路パターン層3からベース金属板1へ効率的に放熱することができる。絶縁基板10はこのようなものである。
続いてこの絶縁基板10の製造方法について図2を参照しつつ詳細に説明する。
図2(a)は、溶射するため複合された溶射用フィラーである。溶射する前に、紛状の酸化アルミニウム微粒子2aと酸化物系セラミクス微粒子2bとを混ぜ合わせた状態を示したものである。この溶射用フィラーは、スプレードライなどの手法を用いて溶射しやすい粒径に造粒することも可能である。
図2(a)は、溶射するため複合された溶射用フィラーである。溶射する前に、紛状の酸化アルミニウム微粒子2aと酸化物系セラミクス微粒子2bとを混ぜ合わせた状態を示したものである。この溶射用フィラーは、スプレードライなどの手法を用いて溶射しやすい粒径に造粒することも可能である。
ここで酸化アルミニウム微粒子2aの平均粒径は10〜200μm程度であり、また、酸化物系セラミクス微粒子2bの平均粒径は0.1〜200μm程度とする。
酸化物系セラミクス微粒子2bでは、平均粒径が0.1μmよりも小さいと溶射時に蒸発し、また、高熱伝導化が発現しないため平均粒径を0.1μm以上に大きくする必要がある。また、酸化アルミニウム微粒子2aや酸化物系セラミクス微粒子2bでは、平均粒径が200μmよりも大きいと成膜ができないため平均粒径を200μm以下に小さくする必要がある。
酸化物系セラミクス微粒子2bでは、平均粒径が0.1μmよりも小さいと溶射時に蒸発し、また、高熱伝導化が発現しないため平均粒径を0.1μm以上に大きくする必要がある。また、酸化アルミニウム微粒子2aや酸化物系セラミクス微粒子2bでは、平均粒径が200μmよりも大きいと成膜ができないため平均粒径を200μm以下に小さくする必要がある。
また、酸化物系セラミクス微粒子2bは、その含有率を、酸化アルミニウム微粒子2aのmol数に対して、0.1%mol以上10%mol以下にする。
実験により、酸化物系セラミクス微粒子2bの含有率が0.1%mol以下では、熱伝導率の向上効果が発現しないことが知見されたためであり、また、30%mol以上でも熱伝導率が低下することが知見されたためである。
実験により、酸化物系セラミクス微粒子2bの含有率が0.1%mol以下では、熱伝導率の向上効果が発現しないことが知見されたためであり、また、30%mol以上でも熱伝導率が低下することが知見されたためである。
ここで溶射用フィラーには、さらに焼結助剤である酸化イットリウム(Y2O3)、酸化カルシウム(CaO)または酸化マグネシウム(MgO)のうちの一種もしくは二種以上が混合分散されており、絶縁層が焼結しやすくなっている。
図2(b)はベース金属板1の周囲にマスク4を配置し、このベース金属板1に上記のような溶射用フィラーを溶射する状態を示したものである(絶縁層形成工程)。なお、このベース金属板1は、既知の手法であるショットブラストなどにより、溶射前に表面の粗面化を行い、アンカー効果による密着性向上を図るようにするとよい。
溶射には、プラズマ溶射法や高速フレーム溶射法などがありいずれの溶射方法を用いてもよい。
ここでプラズマ溶射法とは、雰囲気を大気圧下、または、減圧下とし、加熱により溶射用フィラーを溶融もしくは軟化させて加速し、ベース金属板1に衝突させて、微粒子を凝固・堆積させて積層し、絶縁層を形成するというものである。
また、高速フレーム溶射は、燃焼ガスによる超音速の噴流を作り、溶射用フィラーを溶融・加速することでベース金属板1に衝突させて、微粒子を凝固・堆積させて積層し、絶縁層を形成するというものである。
ここでプラズマ溶射法とは、雰囲気を大気圧下、または、減圧下とし、加熱により溶射用フィラーを溶融もしくは軟化させて加速し、ベース金属板1に衝突させて、微粒子を凝固・堆積させて積層し、絶縁層を形成するというものである。
また、高速フレーム溶射は、燃焼ガスによる超音速の噴流を作り、溶射用フィラーを溶融・加速することでベース金属板1に衝突させて、微粒子を凝固・堆積させて積層し、絶縁層を形成するというものである。
このような溶射用フィラーのプラズマ溶射や高速フレーム溶射により、ベース金属板1に溶着させていく。ここで、酸化アルミニウム微粒子2aは融点が2000℃以上で沸点が2900℃以上であり、溶射時に変形することはあっても溶けることはない。一方で、酸化物系セラミクス微粒子2bは、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上であり、溶融しやすくなっている。
したがって、酸化アルミニウム微粒子2aは溶けないが酸化物系セラミクス微粒子2bは溶けるため、酸化アルミニウム微粒子2a間の隙間や酸化アルミニウム微粒子2aの表層部のクラックに、酸化物系セラミクス微粒子2bが溶けた状態で入り込んで、微細な隙間やクラックを少なくして製膜している。このようにして絶縁層が順次積層されていくため、全般的に隙間やクラックがない絶縁層2とすることができる。この絶縁層2の厚みは溶射時間をコントロールすることにより調整できる。
図2(c)は溶射後の絶縁層2が形成された状態を示したものである。この場合、絶縁層2の表面は積層後に凹凸等が形成されることなくほぼ同一平面に形成されている。なお、絶縁層2の厚さaは、主に回路電圧を考慮して設定する。通常、50μmから500μm程度である。なお、この厚さaが大きくなるにつれて外界からの衝撃に対する耐衝撃性を向上させ、また、交流破壊電圧が高くなるが熱抵抗が増大するというトレードオフの関係にあり、放熱特性を向上させたい場合には例えば150μmというような値が選択される。絶縁層2の厚さaは50〜500μm中から使用目的に応じて設計選択される。
絶縁層形成工程の後、絶縁層を400℃以上に加熱する(加熱工程)。
酸化アルミニウム微粒子2aにより形成された層では酸化アルミニウム微粒子2a間の隙間や酸化アルミニウム微粒子2aの表層部のクラックが大幅に少なくなっているが、それでもこれら隙間やクラックが僅かに残るおそれがあるため、400℃以上に加熱することで、融点400℃以上の酸化物系セラミクス微粒子2bを再度溶融させ、酸化アルミニウム微粒子2a間の隙間や酸化アルミニウム微粒子2aの表層部のクラックを、酸化物系セラミクス微粒子2bが溶融した状態で埋めることで、物質移動による膜の緻密化が促進される。このように隙間やクラックを大幅に少なくすることにより、熱伝導率の高い絶縁層2を形成可能である。なお、この加熱工程を減圧下や真空環境下で行って空気を抜けやすくするようにしてボイドの発生を抑えるようにしても良い。このようにして絶縁層2が形成される。
酸化アルミニウム微粒子2aにより形成された層では酸化アルミニウム微粒子2a間の隙間や酸化アルミニウム微粒子2aの表層部のクラックが大幅に少なくなっているが、それでもこれら隙間やクラックが僅かに残るおそれがあるため、400℃以上に加熱することで、融点400℃以上の酸化物系セラミクス微粒子2bを再度溶融させ、酸化アルミニウム微粒子2a間の隙間や酸化アルミニウム微粒子2aの表層部のクラックを、酸化物系セラミクス微粒子2bが溶融した状態で埋めることで、物質移動による膜の緻密化が促進される。このように隙間やクラックを大幅に少なくすることにより、熱伝導率の高い絶縁層2を形成可能である。なお、この加熱工程を減圧下や真空環境下で行って空気を抜けやすくするようにしてボイドの発生を抑えるようにしても良い。このようにして絶縁層2が形成される。
続いて図2(d)で示すように、絶縁層2が形成された後にマスク5を設置して銅やアルミニウムなどを溶射やコールドスプレーにより所定厚さまで積層していく。そして、図2(e)で示すように、回路パターン層3を形成する。
これらの工程を経て、三層構造の絶縁基板10を製造する。
これらの工程を経て、三層構造の絶縁基板10を製造する。
この絶縁基板10の製造方法によれば、ベース金属板1の上に直接的に、緻密な絶縁層2を形成することができ、従来技術の金属ベースプリント配線板(図3参照)に比べ優れた熱放散性を有し、かつ従来技術のセラミクス配線板(図4参照)に比べ大幅に工数を低減して安価である絶縁基板10を提供することができる。
続いて本発明の実施例およびその放熱特性について説明する。
酸化アルミニウム(昭和電工製A−12)中心径60μm 1020g、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)0.7gをそれぞれ秤量し、ボールミル中で混合(20h)を行った。ボールミル混合品を溶射用フィラーとする。この溶射用フィラーの回収後、溶射用のベース金属板1(無酸素銅の基板であり厚さ3mm)を事前に鉄球にてブラスト処理し、粗面化を行った。
酸化アルミニウム(昭和電工製A−12)中心径60μm 1020g、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)0.7gをそれぞれ秤量し、ボールミル中で混合(20h)を行った。ボールミル混合品を溶射用フィラーとする。この溶射用フィラーの回収後、溶射用のベース金属板1(無酸素銅の基板であり厚さ3mm)を事前に鉄球にてブラスト処理し、粗面化を行った。
粗面化したベース金属板1に対し、溶射はスルザーメテコ製9MBを用いて、電流700A、ガスHe圧 100PSI、溶射距離(溶射ガン−基板)8cmの条件で狙い、膜厚500μmで製膜を実施した。
溶射後、溶射用フィラーの供給を止め、プラズマ処理により絶縁層2の温度が500±50℃になるように温度制御し、1時間加熱を実施した。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は次表の絶縁層2の熱伝導率評価結果に示すようになる。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は次表の絶縁層2の熱伝導率評価結果に示すようになる。
この実施例1では7.5W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
なお、この実施例1において、溶射後熱処理しない場合では3.2W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと同程度またはそれ以下となっている。
同様に実施例1において、三酸化二ホウ素を配合しない場合では、3.7W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと同程度またはそれ以下となっている。
この点からも本発明の具体例である実施例1が良好であることを示している。
同様に実施例1において、三酸化二ホウ素を配合しない場合では、3.7W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと同程度またはそれ以下となっている。
この点からも本発明の具体例である実施例1が良好であることを示している。
この実施例2は、先の実施例1と比較すると、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)の配合量を0.7gから7gに変更した以外は、実施例1と同じ条件となる。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、12.4W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
この実施例3は、先の実施例1と比較すると、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)の配合量を0.7gから69gに変更した以外は、実施例1と同じ条件となる。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、6.6W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
酸化アルミニウム(昭和電工製A−12)中心径60μm 1020g、五酸化二バナジウム(和光純薬工業製)1.82gをそれぞれ秤量し、ボールミル中で混合(20h)を行った。ボールミル混合品を溶射用フィラーとする。この溶射用フィラーの回収後、溶射用のベース金属板1(無酸素銅の基板であり厚さ3mm)を事前に鉄球にてブラスト処理し、粗面化を行った。
粗面化したベース金属板1に対し、溶射はスルザーメテコ製9MBを用いて、電流700A、ガスHe圧 100PSI、溶射距離(溶射ガン−基板)8cmの条件で狙い、膜厚500μmで製膜を実施した。
溶射後、溶射用フィラーの供給を止め、プラズマ処理により絶縁層2の温度が750±50℃になるように温度制御し、1時間加熱を実施した。
実施例1と比較すると、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)の代わりに五酸化二バナジウム(和光純薬工業製)とし、配合量を1.82gとし、溶射後のプラズマ処理により750±50℃になるよう温度制御した点が相違している。
実施例1と比較すると、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)の代わりに五酸化二バナジウム(和光純薬工業製)とし、配合量を1.82gとし、溶射後のプラズマ処理により750±50℃になるよう温度制御した点が相違している。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、7.3W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
この実施例5は、先の実施例4と比較すると、五酸化二バナジウム(和光純薬工業製)の配合量を1.82gから18gに変更した以外は、実施例4と同じ条件となる。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、11.4W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
この実施例6は、先の実施例4と比較すると、五酸化二バナジウム(和光純薬工業製)の配合量を1.82gから180gに変更した以外は、実施例4と同じ条件となる。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、6.5W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
酸化アルミニウム(昭和電工製A−12)中心径60μm 1020g、三酸化二ビスマス(和光純薬工業製)4.7gをそれぞれ秤量し、ボールミル中で混合(20h)を行った。ボールミル混合品を溶射用フィラーとする。この溶射用フィラーの回収後、溶射用のベース金属板1(無酸素銅の基板であり厚さ3mm)を事前に鉄球にてブラスト処理し、粗面化を行った。
粗面化したベース金属板1に対し、溶射はスルザーメテコ製9MBを用いて、電流700A、ガスHe圧 100PSI、溶射距離(溶射ガン−基板)8cmの条件で狙い、膜厚500μmで製膜を実施した。
溶射後、溶射用フィラーの供給を止め、プラズマ処理により絶縁層2の温度が850±50℃になるように温度制御し、1時間加熱を実施した。
実施例1と比較すると、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)の代わりに三酸化二ビスマス(和光純薬工業製)とし、配合量を4.7gとし、溶射後のプラズマ処理により850±50℃になるよう温度制御した点が相違している。
実施例1と比較すると、三酸化二ホウ素(和光純薬工業製)の代わりに三酸化二ビスマス(和光純薬工業製)とし、配合量を4.7gとし、溶射後のプラズマ処理により850±50℃になるよう温度制御した点が相違している。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、6.1W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
この実施例8は、先の実施例7と比較すると、三酸化二ビスマス(和光純薬工業製)の配合量を4.7gから47gに変更した以外は、実施例7と同じ条件となる。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、10.7W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
この実施例9は、先の実施例7と比較すると、三酸化二ビスマス(和光純薬工業製)の配合量を4.7gから460gに変更した以外は、実施例7と同じ条件となる。
絶縁層2の室温における厚さ方向の熱伝導率を、フラッシュ法を用いて評価した。熱伝導率は表1で示したように、6.4W/m・Kを示しており、従来技術の4〜5W/m・Kと比較しても良好な値を保っている。
以上、本発明の絶縁基板およびその製造方法について説明した。本実施形態では特にパワー半導体冷却用の基板であることを想定し、回路パターン層に搭載される回路素子の具体例としてパワー半導体や駆動ICを例に挙げて説明した。しかしながら、本発明は回路素子がパワー半導体や駆動ICに限定される趣旨ではなく、他のCPUやMPU等の半導体・IC・抵抗・コンデンサ・コイル等各種の素子を回路素子に含めるものである。このようなパワー半導体以外の各種冷却用途でも本発明の適用は可能である。
このような本発明によれば、絶縁層の高熱伝導化を図り、熱放散性に優れた絶縁基板とすることができる。また、このような絶縁基板を製造することができる。
本発明の絶縁基板は、パワー半導体のような放熱が必要な素子の冷却用途として有用である。また、本発明の絶縁基板の製造方法はこのような絶縁基板を安価に製造できる点で有用である。
10:絶縁基板
1:ベース金属板
2:絶縁層
2a:酸化アルミニウム微粒子
2b:酸化物系セラミクス微粒子(三酸化ホウ素、五酸化バナジウム、酸化ビスマス)
3:回路パターン層
4,5:マスク
1:ベース金属板
2:絶縁層
2a:酸化アルミニウム微粒子
2b:酸化物系セラミクス微粒子(三酸化ホウ素、五酸化バナジウム、酸化ビスマス)
3:回路パターン層
4,5:マスク
Claims (8)
- 基体となるベース金属板と、
ベース金属板上に形成され、融点400℃以上1000℃以下で沸点1500℃以上である三酸化二ホウ素、五酸化二バナジウムまたは三酸化二ビスマスの少なくとも一種を含む酸化物系セラミクス微粒子と、酸化アルミニウム微粒子と、を含有するセラミクス層である絶縁層と、
絶縁層上に形成される回路パターン層と、
を備えることを特徴とする絶縁基板。 - 請求項1に記載の絶縁基板において、
前記ベース金属板は、銅、ニッケル、鉄、チタン、モリブデン、または、タングステンのうちの一種の金属もしくは二種以上の合金による金属で形成されていることを特徴とする絶縁基板。 - 請求項1または請求項2に記載の絶縁基板において、
前記絶縁基板は、パワー半導体冷却用の基板であることを特徴とする絶縁基板。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の絶縁基板の製造方法であって、
前記酸化物系セラミクス微粒子と前記酸化アルミニウム微粒子とを混合した溶射用フィラーを、プラズマ溶射または高速フレーム溶射によりベース金属板上に溶射し、接合した皮膜により絶縁層を形成する絶縁層形成工程を有することを特徴とする絶縁基板の製造方法。 - 請求項4に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記酸化物系セラミクス微粒子は、その含有率が前記酸化アルミニウム微粒子のmol数に対して、0.1%mol以上10%mol以下であることを特徴とする絶縁基板の製造方法。 - 請求項4または請求項5に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記溶射用フィラーは、さらに焼結助剤である酸化イットリウム、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムのうちの一種もしくは二種以上が混合分散されていることを特徴とする絶縁基板の製造方法。 - 請求項4〜請求項6の何れか一項に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記絶縁層形成工程の後、絶縁層を400℃以上に加熱する加熱工程を有することを特徴とする絶縁基板の製造方法。 - 請求項7に記載の絶縁基板の製造方法において、
前記加熱工程は、プラズマ照射により絶縁層を加熱する工程であることを特徴とする絶縁基板の製造方法。
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