本発明は、天井面に設置された引掛シーリングボディに接続される天井直付け型シーリングライトの照明装置の改良に関し、特に、天井等の被取付部に取り付ける際の作業性の向上に関するものである。
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。特に、最近は、天井直付け型のシーリングライトや、天井から吊り下げられて室内を照らす吊下げ型照明機器においても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
この天井直付けシーリングライトは、例えば、天井面に取り付けられた引掛シーリングボディに、引掛シーリングアダプタを取り付けた照明装置を装着したものであり、特に最近は厚みの薄いシーリングライトが検討されている(例えば、特許文献1等参照)。
この特許文献1に記載されている照明器具は、本体と、取付部の外周側に配設される点灯装置と、点灯装置の外側に点灯装置と重なり合わないように本体に配設された基板と、基板の表面に実装された複数の発光素子と、基板の実装面に接触する平坦部を有し、基板前面側から複数の基板を連続して一体的に覆うように本体に取付けられるサークル状の拡散部材を備えている。それによって、照射光の均斉度の向上を図ることが可能な照明装置を提供するものである。
この場合、この特許文献1に記載されている照明器具においては、放熱面積を増大させるために、基板の外周に沿って段差部を形成して、同時に、この段差部によって本体の補強効果も期待している。しかしながら、この段差部は、元来、放熱面積の増大を狙ったものであるため、幅広であり、また、外周部付近にのみ設けられていた結果、補強効果に対する配慮が十分ではなく、本体を引掛シーリングボディに取り付けるために、本体周縁部を保持して押し込むと、この押し込み力により本体が撓む等の変形をして、押し込み力を本体の取付部に十分に伝えることができず、本体の天井面への取付けが困難となる問題が生じていた。
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、軽量でありながら剛性が高く、取付に際して力を加えても過大に撓むことなく取付のための押し付け力を取付部に充分に伝達して、小さな力でも円滑に取付作業を行うことができる照明装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決する為の第1の手段として、天井等の被取付部に取り付けられるベース部材とこのベース部材に配設される点灯基板とこの点灯基板に電気的に接続される光源とを備えたランプ本体と、このランプ本体を覆う透光性カバーとを備えた照明装置であって、ベース部材は、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブを有することを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、放射方向リブは、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する中心軸からランプ本体の外周に向けて延びる放射線上に設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、放射方向リブは、ランプ本体において左右対称に設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、ベース部材は、更に、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する軸を囲む周上に、周方向リブが設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第4の解決手段において、周方向リブは、ランプ本体と直交する方向における軸を囲む周上において、周上を周回する環状に形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第4又は第5のいずれかの解決手段において、周方向リブは、ランプ本体と直交する方向における軸を囲む周上において、複数形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第6の解決手段において、周方向リブは、ベース部材のうち点灯基板が配設される部分に設けられた中央部側リブと、ベース部材のうち光源よりも外周縁部側に形成された周縁部側リブとから成っていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第7のいずれかの解決手段において、ベース部材は、周方向リブ及び放射方向リブを含めて、金属材料をプレス加工することにより形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、ベース部材は、0.5mm以下の厚みを有することを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第9のいずれかの解決手段において、光源がLED素子であることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、ランプ本体のベース部材において、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブを有するため、特にランプ本体の放射方向における剛性が向上し、天井面等への取付のためにベース部材の周縁部を保持して押し込んでも、ランプ本体の中央部付近を支点する周縁部付近の撓みが抑制され、押し込み力を取付部に十分に伝達して、小さな力でも円滑に、ランプ本体を取り付けることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、ランプ本体のベース部材において、更に、ランプ本体と直交する方向における軸を囲む周上に、周方向リブを設けているため、特にランプ本体の周方向における剛性も向上し、ランプ本体の周方向における撓みを抑制して、取付の際の押し込み力を十分に取付部に伝達することができる実益がある。
この場合、特に、本発明によれば、上記のように、この周方向リブを、中央部側と外周縁部側において複数形成しているため、取付部を保持して押し込む場合も、また、周縁部付近を保持して押し込む場合も、いずれであっても、ランプ本体の撓みにより押し込み力が押し込み方向以外に逃げてしまうことがなく、より一層、取付の作業性が向上する実益がある。
更に、本発明によれば、上記のように、リブを有するベース部材を金属製材料をプレス加工することにより形成しているため、少ない材料及び工程数でリブを形成することができ、製造コストを低減することができる実益もある。
加えて、本発明によれば、上記のように、放射方向リブ、周方向リブによりベース部材の剛性を向上しているため、ベース部材の厚みを0.5mm以下としても、十分な強度を確保することができ、軽量でありながら、十分な剛性を有し、より一層、取付作業を円滑に行うことができる実益がある。
本発明の照明装置の被照射面側から見た取り付け前外観斜視図である。
本発明の照明装置の縦断面図である。
本発明の照明装置の分解斜視図である。
本発明の照明装置に用いられるベース部材の上面図である。
本発明の照明装置に用いられるベース部材の図4におけるA−A線の縦断面図である。
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、光源としてLED素子を用い天井面に取り付ける一例として説明するが、これに限定されるものではない。
図1乃至図3は、本発明の照明装置100の実施の形態の一つを示し、この本実施形態に係わる照明装置100は、図1乃至図3に示すように、天井面4等に設けられた被取付部に取り付けられるランプ本体1と、このランプ本体1を覆う透光性カバー3とを備えている。
この照明装置100は、特に図2に示すように、天井面4にあらかじめ設置されているロゼット6に、外部電源線と接続するための引掛シーリングボディ5を装着して被取付部を構成し、この引掛シーリングボディ5にランプ本体1を着脱自在に装着することにより、天井面4に設置される。この天井面4に照明装置100が装着されるときに、引掛シーリングボディ5と透光性カバー3を取り付けたランプ本体1の取付部11とが接続され、照明装置100はシーリングライトとして使用可能となる。なお、被取付部としてのロゼット6が天井面4に設けられていれば、天井面4に、新たに特別な補強を施すことなく、施工性良く照明装置100を取付けることができる。
(1.ランプ本体)
ランプ本体1は、図2及び図3に示すように、天井等の被取付部に取り付けられるベース部材10と、このベース部材10に配設される点灯基板15と、この点灯基板15を覆う電源カバー16と、点灯基板15に電気的に接続される光源基板17と、この光源基板17に実装される光源18と、この光源18を覆う保護カバー19とを有し、ランプ本体1は、ベース部材10を被取付部に取り付ける取付部11により被取付部に取り付けられる。
(1.−1 ベース部材)
ベース部材10は、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を加工することによって形成されて、表面が塗装される。このベース部材10は、図2及び図3に示すように、円盤形状に形成される。この場合、ベース部材10は、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって形成することができるが、後述する放射方向リブ14及び周方向リブ13も含めて、プレス加工により形成すると、1枚の板状の金属材料から、一度のプレス工程でベース部材10、ひいては、放射方向リブ14及び周方向リブ13を形成することができ、製造の手間、時間及びコストを低減する上で好適である。
また、この場合、ベース部材10となる冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料として、厚さが0.5mm以下の板状材料を使用することが望ましい。これは、ランプ本体1全体を軽量化すると共に、プレス加工が容易となるからである。また、このように、ベース部材の厚みを比較的薄くしても、後述する放射方向リブ14及び周方向リブ13によって、ベース部材10全体に十分な剛性を付与することができるため、軽量でありながら、撓みが少ないベース部材10とすることができる。
(1.−2 リブ)
本発明の照明装置10においては、特に図3乃至図5に示すように、ベース部材10は、ランプ本体1の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブ14を有する。このため、特にランプ本体1の放射方向における剛性が向上し、天井面4等への取付のためにベース部材10の周縁部10aを保持して押し込んでも、ランプ本体1の中央部付近を支点とする周縁部10a付近の撓みが抑制され、押し込み力を取付部11に十分に伝達して、小さな力でも円滑に、ランプ本体1を取り付けることができる。
この場合、この放射方向リブ14は、具体的には、図3乃至図5に示すように、ランプ本体1の厚み方向においてランプ本体1を貫くようにランプ本体1と直交する中心軸C(図3参照)からランプ本体1の外周に向けて延びる放射線上において、直線状に設けることができる。
この放射方向リブ14は、図3及び図4に示すように、ランプ本体1において左右対称に設けることが望ましい。ランプ本体1の取付の際に、ベース部材10に負荷される応力を均等に分散するのに適しているからである。具体的には、図示の実施の形態では、図2及び図4に示すように、十文字状(四方)に延びる4つの放射方向リブ14が形成されている。但し、この放射方向リブ14の個数や形状は、図示の実施の形態に限定されるものではなく、6方向又は8方向等の任意の偶数の方向に延びる放射方向リブ14として、左右対称とすることができる。また、十分な強度を確保することができれば、必ずしも、左右対称である必要はなく、3方向又は5方向に延びる奇数方向に延びる放射方向リブ14とすることもできる。
なお、この放射方向リブ14は、図示の実施の形態では、図3及び図4に示すように、ランプ本体1と直交する中心軸C(図3参照)からランプ本体1の外周に向けて延びる放射線上において、直線状に形成したが、ランプ本体1の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成されていれば、その形状については、図示の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ベース部材10に配置される部品等を除けるために、クランク状に屈曲し、あるいは、一部に凹部状の部分等が存在していても良い。同様に、必ずしも、直線状に限定されるものではなく、十分な強度を確保することができれば、一部に湾曲部分が存在すること、波形状の放射方向リブ14とすること、更には、部分的に放射方向リブ14が途切れている形態とすることもできる。
また、ベース部材10は、図2乃至図5に示すように、更に、ランプ本体1の厚み方向においてランプ本体1を貫くようにランプ本体1と直交する軸(例えば、中心軸C(図3参照))を囲む周上に、周方向リブ13が設けられている。これにより、特にランプ本体1の周方向における剛性も向上し、ランプ本体1の周方向における撓み(ねじれ)を抑制して、取付の際の押し込み力を十分に取付部11に伝達することができる。
この周方向リブ13は、具体的には、図3及び図4に示すように、ランプ本体1と直交する方向における軸を囲む周上において、周上を周回する環状に形成されている。このようにラウンド状にすることにより、周方向における強度が低い部分が生じるのを防止することができ、ベース部材10の撓みやねじれなどを抑制することができる。
また、この周方向リブ13は、図3乃至図5に示すように、ランプ本体1と直交する方向における軸を囲む周上において、複数形成すると、より強度を確保する上で望ましい。具体的には、図示の実施の形態では、ランプ本体1と直交する方向における中心軸を中心とする同心円状において、複数の周方向リブ13が設けられている。
この場合、周方向リブ13は、図5に示すように、ベース部材10のうち点灯基板が配設される部分に設けられた中央部側リブ13Aと、ベース部材10のうち光源18よりも外周縁部側に形成された周縁部側リブと13Bとから形成することができる。これにより、ランプ本体1を被取付面に取り付ける際に、力を加えることが多い、取付部11を持して押し込む場合も、また、周縁部10a付近を保持して押し込む場合も、いずれであっても、ランプ本体1の撓みにより押し込み力が押し込み方向以外に逃げてしまうことがなく、力が適切に伝わって、より一層、取付の作業性が向上する。
また、このように、複数の周方向リブ13を同心円状に配置される二重のリング状に設けた上で、放射方向リブ14を、図3乃至図5に示すように、これらの2つの周方向リブ13A、13B間を亘るように形成することにより、全体として一連のリブとして、より一層剛性を向上させることができる。なお、これらのリブ13、14は、図5に示すように、ベース部材10の一部を凹状にプレス加工して樋状とすることにより形成することができる。但し、リブ13、14の形状は、特に限定されるものではなく、突状の凸部を設けてリブ13、14とすることによっても、同様の効果が得られる。リブ13、14を、いかなる態様とするかは、その照明装置100の形状に合わせて、設定することにより対応することができる。
(1.−3 取付部)
この円盤状に形成されたベース部材10は、その中心部に円形の開口が形成され、この開口内に、引っ掛けシーリングボディ5に押し込みにより係止することができる取付部11が形成されている。
(1.−4 取付延出部)
また、ランプ本体1には、図2及び図3に示すように、この取付部11の開口の縁部から延びるようにして円筒状に形成された取付延出部12が前面側に形成されている。ランプ本体1を被取付面に取り付ける際に、この取付延出部12を把持することにより、作業性が高まる。
(1.−5 点灯基板)
また、ベース部材10の中心部には、図2及び図3に示すように、取付延出部12を取巻くように点灯基板15が配設されている。この点灯基板15の電子部品が搭載されていない裏面を、ベース部材10に配設することにより、点灯基板15から発生する熱をベース部材10を通じて放熱することが可能となる。
また、この点灯基板15を構成する電子部品としては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
(1.−6 電源カバー)
この点灯基板15は、図2及び図3に示すように、金属材料をプレス加工等により作成し表面を塗装した環状の電源カバー16により覆われる。この電源カバー16で点灯基板15を覆うことにより、点灯基板15から発生するノイズが隣接する光源基板17に影響を与えるのを防止することができる。
(1.−7 光源基板)
光源基板17には、図3に示すように、光源(LED素子)18が、ベース部材10と直交する方向における中心軸を中心とした複数の円周上に配置され、一つの円周上の光源18が他の円周上の光源18と、ベース部材10の中心軸からの放射方向における位置をずらして千鳥状に配置されている。これにより、光源基板17は、透光性カバー3が均一な明るさになる光源基板17を構成し、ランプ本体1に固定されている。
また、この光源基板17は、円環形状の平板で、両面に銅箔が貼られたガラスエポキシ基板から成り、片面側に光源18と電子部品とが実装されている。光源18の搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、光取り出し効率を改善することができる。
(1.−8 光源)
なお、この光源基板17に実装される光源18としては、公知の種々のLED素子、EL素子等を用いることができる。図示の実施の形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられている。
(1.−9 保護カバー)
保護カバー19は、図2及び図3及び図7に示すように、光源18と透光性カバー3の間に、光源基板17を覆うようにして設けられている。この保護カバー19は、保護カバー19の断面の屈折率の相違により保護カバー19を透過した光源18からの出射光の分布に不均一が生じて、光源からの出射光が透光性カバー3を透過する際に低照度部分が発生しないように形成されている。
即ち、保護カバー19は、この保護カバー19を透過した光源18からの出射光に低照度部分が生じて透光性カバー3に低照度による稜線状の影が生じないように形成されている。このため、充分な光取り出し効率を確保することができると同時に、点灯時に均一な照射が確保され良好な外観を確保することができる。具体的には、保護カバー19は、光源18からの出射光が透過する部分が、均一の屈折率を有している。
この場合、保護カバー19を、光源18からの出射光が透過する部分が、保護カバー19の断面曲線を1回微分した値の微分曲線が連続する微分曲面から形成することにより、対応することができる。これにより、保護カバー19の表面が滑らかな曲面となって、保護カバー19に屈折率の不均一が生じるのを防止することができ、保護カバー19を透過した光源18からの出射光の分布が均一となり、光源18からの出射光が透光性カバー3を透過する際に低照度部分を発生させることがない。
なお、断面曲線を1回微分した値の微分曲線が不連続である(階段状に変化する)と、その不連続点に沿って透過した光が、透光性カバー3に稜線状の影を生じさせるため、連続する曲面とすることが必要である。このような保護カバー19として、たとえば、推動シェル等の形状が考えられる。また、微分曲面となる形状(微分曲線)が、2回微分した値が連続であれば、より均一化に適した良い形状となる。なお、保護カバー19は、厚みが一定で透明となっている。
このような保護カバー19とすることにより、光取り出し効率を低下させることなく、透光性カバー3に影状の暗い部分が生じることがなく、点灯時に均一な照射が確保され良好な外観(見栄え、意匠性)を確保することができる。同時に、保護カバー19により照明装置100の設置時における光源18の保護ができるとともに、光源18に虫等の侵入を防ぐ効果も併せて生じさせることができる。さらに、図3に示すように、ランプ本体1に対して、光源基板17、保護カバー19は、各々複数で構成することにより、各部分に不具合が生じた場合、それぞれを交換することにより、修理が可能となるので、容易に対応が可能となる。
(2.透光性カバー)
一方、透光性カバー3は、図1に示すように、ポリカーボネート等の熱可塑性プラスチックを使用して、円形のドーム形状に成型されている。この透光性カバー3は、特に図2に示すように、ランプ本体1を密閉するようにランプ本体1に取り付けられている。具体的には、特に図2に示すように透光性カバー3の周縁部と、ベース部材10の周縁部10aは、端部同士に隙間が出ないように回動等により固定され、透光性カバー3によりランプ本体1の内部が外部より目視出来ないようにして、照明装置100を形成する。
これにより、ベース部材10と透光性カバー3の間が密閉され、保護カバー19により照明装置100の設置時における光源18の保護ができるとともに、光源18に虫等が侵入するのを防ぐ効果も併せて生じさせることができる。この透光性カバー3は、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させて、光拡散面にすることにより、透光性カバー3をより均一に透光させることができる。
(3.その他)
以上のように、本実施形態では、ランプ本体1と直交する方向における中心軸から延びる放射線上や当該中心軸を囲む周上に、リブ13、14が設けられている。これらによって照明装置100は、軽量なのにたわみが少なく、ランプ本体1の天井面4への取り付けを容易に行うことができ、天井面4の引掛シーリングボディ5等の被取付部へ簡単に取り付けられて、加工しやすく、コストが削減でき、更に良好な意匠性を示すことができる。なお、本実施形態ではベース部材10の形状を円盤形にしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、断面が4角形等からなる扁平な多角柱であってもよい。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明は、リビングや和室、更に、寝室や子供部屋等の各居室や廊下、玄関等の天井面や壁面等に沿って設置される照明装置として、広く適用することができる。
1:ランプ本体
10:ベース部材
10a:ベース部材の周縁部
11:取付部
12:取付延出部
13:周方向リブ
13A:中央部側リブ
13B:周縁部側リブ
14:放射方向リブ
15:点灯基板
16:電源カバー
17:光源基板
18:光源(LED素子)
19:保護カバー
3:透光性カバー
4: 天井面
5: 引掛シーリングボディ
6: ロゼット
100:照明装置
本発明は、天井面に設置された引掛シーリングボディに接続される天井直付け型シーリングライトの照明装置の改良に関し、特に、天井等の被取付部に取り付ける際の作業性の向上に関するものである。
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。特に、最近は、天井直付け型のシーリングライトや、天井から吊り下げられて室内を照らす吊下げ型照明機器においても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
この天井直付けシーリングライトは、例えば、天井面に取り付けられた引掛シーリングボディに、引掛シーリングアダプタを取り付けた照明装置を装着したものであり、特に最近は厚みの薄いシーリングライトが検討されている(例えば、特許文献1等参照)。
この特許文献1に記載されている照明器具は、本体と、取付部の外周側に配設される点灯装置と、点灯装置の外側に点灯装置と重なり合わないように本体に配設された基板と、基板の表面に実装された複数の発光素子と、基板の実装面に接触する平坦部を有し、基板前面側から複数の基板を連続して一体的に覆うように本体に取付けられるサークル状の拡散部材を備えている。それによって、照射光の均斉度の向上を図ることが可能な照明装置を提供するものである。
この場合、この特許文献1に記載されている照明器具においては、放熱面積を増大させるために、基板の外周に沿って段差部を形成して、同時に、この段差部によって本体の補強効果も期待している。しかしながら、この段差部は、元来、放熱面積の増大を狙ったものであるため、幅広であり、また、外周部付近にのみ設けられていた結果、補強効果に対する配慮が十分ではなく、本体を引掛シーリングボディに取り付けるために、本体周縁部を保持して押し込むと、この押し込み力により本体が撓む等の変形をして、押し込み力を本体の取付部に十分に伝えることができず、本体の天井面への取付けが困難となる問題が生じていた。
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、軽量でありながら剛性が高く、取付に際して力を加えても過大に撓むことなく取付のための押し付け力を取付部に充分に伝達して、小さな力でも円滑に取付作業を行うことができる照明装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、被取付部に取り付けられるベース部材とこのベース部材に配設される点灯基板とこの点灯基板に電気的に接続される光源とを備えたランプ本体と、このランプ本体を覆う透光性カバーとを備えた照明装置であって、ベース部材は、0.5mm以下の厚みを有し、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブと、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する軸を囲む周上に周方向リブが設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、被取付部に取り付けられるベース部材とこのベース部材に配設される点灯基板とこの点灯基板に電気的に接続される光源とを備えたランプ本体と、このランプ本体を覆う透光性カバーとを備えた照明装置であって、ベース部材は、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブと、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する軸を囲む周上に、複数の周方向リブが設けられ、これらの複数の周方向リブをリング状に設けた上で、放射方向リブを複数の周方向リブ間を亘るように形成することにより、全体として一連のリブが形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、放射方向リブは、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する中心軸からランプ本体の外周に向けて延びる放射線上に設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、放射方向リブは、ランプ本体において左右対称に設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、周方向リブは、ランプ本体と直交する方向における軸を囲む周上において、周上を周回する環状に形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、周方向リブは、ベース部材のうち点灯基板が配設される部分に設けられた中央部側リブと、ベース部材のうち光源よりも外周縁部側に形成された周縁部側リブとから成っていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、放射方向リブは、クランク状に屈曲し、若しくは、一部に凹部状の部分が存在すること、又は、一部に湾曲部分が存在すること、若しくは、波形状の形状を有することを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第7のいずれかの解決手段において、ベース部材は、周方向リブ及び放射方向リブを含めて、金属材料をプレス加工することにより形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、光源がLED素子であることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、ランプ本体のベース部材において、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブを有するため、特にランプ本体の放射方向における剛性が向上し、天井面等への取付のためにベース部材の周縁部を保持して押し込んでも、ランプ本体の中央部付近を支点する周縁部付近の撓みが抑制され、押し込み力を取付部に十分に伝達して、小さな力でも円滑に、ランプ本体を取り付けることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、ランプ本体のベース部材において、更に、ランプ本体と直交する方向における軸を囲む周上に、周方向リブを設けているため、特にランプ本体の周方向における剛性も向上し、ランプ本体の周方向における撓みを抑制して、取付の際の押し込み力を十分に取付部に伝達することができる実益がある。
この場合、特に、本発明によれば、上記のように、この周方向リブを、中央部側と外周縁部側において複数形成しているため、取付部を保持して押し込む場合も、また、周縁部付近を保持して押し込む場合も、いずれであっても、ランプ本体の撓みにより押し込み力が押し込み方向以外に逃げてしまうことがなく、より一層、取付の作業性が向上する実益がある。
更に、本発明によれば、上記のように、リブを有するベース部材を金属製材料をプレス加工することにより形成しているため、少ない材料及び工程数でリブを形成することができ、製造コストを低減することができる実益もある。
加えて、本発明によれば、上記のように、放射方向リブ、周方向リブによりベース部材の剛性を向上しているため、ベース部材の厚みを0.5mm以下としても、十分な強度を確保することができ、軽量でありながら、十分な剛性を有し、より一層、取付作業を円滑に行うことができる実益がある。
本発明の照明装置の被照射面側から見た取り付け前外観斜視図である。
本発明の照明装置の縦断面図である。
本発明の照明装置の分解斜視図である。
本発明の照明装置に用いられるベース部材の上面図である。
本発明の照明装置に用いられるベース部材の図4におけるA−A線の縦断面図である。
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、光源としてLED素子を用い天井面に取り付ける一例として説明するが、これに限定されるものではない。
図1乃至図3は、本発明の照明装置100の実施の形態の一つを示し、この本実施形態に係わる照明装置100は、図1乃至図3に示すように、天井面4等に設けられた被取付部に取り付けられるランプ本体1と、このランプ本体1を覆う透光性カバー3とを備えている。
この照明装置100は、特に図2に示すように、天井面4にあらかじめ設置されているロゼット6に、外部電源線と接続するための引掛シーリングボディ5を装着して被取付部を構成し、この引掛シーリングボディ5にランプ本体1を着脱自在に装着する ことにより、天井面4に設置される。この天井面4に照明装置100が装着されるときに、引掛シーリングボディ5と透光性カバー3を取り付けたランプ本体1の取付部11とが接続され、照明装置100はシーリングライトとして使用可能となる。なお、被取付部としてのロゼット6が天井面4に設けられていれば、天井面4に、新たに特別な補強を施すことなく、施工性良く照明装置100を取付けることができる。
(1.ランプ本体)
ランプ本体1は、図2及び図3に示すように、天井等の被取付部に取り付けられるベース部材10と、このベース部材10に配設される点灯基板15と、この点灯基板15を覆う電源カバー16と、点灯基板15に電気的に接続される光源基板17と、この光源基板17に実装される光源18と、この光源18を覆う保護カバー19とを有し、ランプ本体1は、ベース部材10を被取付部に取り付ける取付部11により被取付部に取り付けられる。
(1.−1 ベース部材)
ベース部材10は、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を加工することによって形成されて、表面が塗装される。このベース部材10は、図2及び図3に示すように、円盤形状に形成される。この場合、ベース部材10は、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって形成することができるが、後述する放射方向リブ14及び周方向リブ13も含めて、プレス加工により形成すると、1枚の板状の金属材料から、一度のプレス工程でベース部材10、ひいては、放射方向リブ14及び周方向リブ13を形成することができ、製造の手間、時間及びコストを低減する上で好適である。
また、この場合、ベース部材10となる冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料として、厚さが0.5mm以下の板状材料を使用することが望ましい。これは、ランプ本体1全体を軽量化すると共に、プレス加工が容易となるからである。また、このように、ベース部材の厚みを比較的薄くしても、後述する放射方向リブ14及び周方向リブ13によって、ベース部材10全体に十分な剛性を付与することができるため、軽量でありながら、撓みが少ないベース部材10とすることができる。
(1.−2 リブ)
本発明の照明装置10においては、特に図3乃至図5に示すように、ベース部材10は、ランプ本体1の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブ14を有する。このため、特にランプ本体1の放射方向における剛性が向上し、天井面4等への取付のためにベース部材10の周縁部10aを保持して押し込んでも、ランプ本体1の中央部付近を支点とする周縁部10a付近の撓みが抑制され、押し込み力を取付部11に十分に伝達して、小さな力でも円滑に、ランプ本体1を取り付けることができる。
この場合、この放射方向リブ14は、具体的には、図3乃至図5に示すように、ランプ本体1の厚み方向においてランプ本体1を貫くようにランプ本体1と直交する中心軸C(図3参照)からランプ本体1の外周に向けて延びる放射線上において、直線状に設けることができる。
この放射方向リブ14は、図3及び図4に示すように、ランプ本体1において左右対称に設けることが望ましい。ランプ本体1の取付の際に、ベース部材10に負荷される応力を均等に分散するのに適しているからである。具体的には、図示の実施の形態では、図2及び図4に示すように、十文字状(四方)に延びる4つの放射方向リブ14が形成されている。但し、この放射方向リブ14の個数や形状は、図示の実施の形態に限定されるものではなく、6方向又は8方向等の任意の偶数の方向に延びる放射方向リブ14として、左右対称とすることができる。また、十分な強度を確保することができれば、必ずしも、左右対称である必要はなく、3方向又は5方向に延びる奇数方向に延びる放射方向リブ14とすることもできる。
なお、この放射方向リブ14は、図示の実施の形態では、図3及び図4に示すように、ランプ本体1と直交する中心軸C(図3参照)からランプ本体1の外周に向けて延びる放射線上において、直線状に形成したが、ランプ本体1の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成されていれば、その形状については、図示の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ベース部材10に配置される部品等を除けるために、クランク状に屈曲し、あるいは、一部に凹部状の部分等が存在していても良い。同様に、必ずしも、直線状に限定されるものではなく、十分な強度を確保することができれば、一部に湾曲部分が存在すること、波形状の放射方向リブ14とすること、更には、部分的に放射方向リブ14が途切れている形態とすることもできる。
また、ベース部材10は、図2乃至図5に示すように、更に、ランプ本体1の厚み方向においてランプ本体1を貫くようにランプ本体1と直交する軸(例えば、中心軸C(図3参照))を囲む周上に、周方向リブ13が設けられている。これにより、特にランプ本体1の周方向における剛性も向上し、ランプ本体1の周方向における撓み(ねじれ)を抑制して、取付の際の押し込み力を十分に取付部11に伝達することができる。
この周方向リブ13は、具体的には、図3及び図4に示すように、ランプ本体1と直交する方向における軸を囲む周上において、周上を周回する環状に形成されている。このようにラウンド状にすることにより、周方向における強度が低い部分が生じるのを防止することができ、ベース部材10の撓みやねじれなどを抑制することができる。
また、この周方向リブ13は、図3乃至図5に示すように、ランプ本体1と直交する方向における軸を囲む周上において、複数形成すると、より強度を確保する上で望ましい。具体的には、図示の実施の形態では、ランプ本体1と直交する方向における中心軸を中心とする同心円状において、複数の周方向リブ13が設けられている。
この場合、周方向リブ13は、図5に示すように、ベース部材10のうち点灯基板が配設される部分に設けられた中央部側リブ13Aと、ベース部材10のうち光源18よりも外周縁部側に形成された周縁部側リブと13Bとから形成することができる。これにより、ランプ本体1を被取付面に取り付ける際に、力を加えることが多い、取付部11を持して押し込む場合も、また、周縁部10a付近を保持して押し込む場合も、いずれであっても、ランプ本体1の撓みにより押し込み力が押し込み方向以外に逃げてしまうことがなく、力が適切に伝わって、より一層、取付の作業性が向上する。
また、このように、複数の周方向リブ13を同心円状に配置される二重のリング状に設けた上で、放射方向リブ14を、図3乃至図5に示すように、これらの2つの周方向リブ13A、13B間を亘るように形成することにより、全体として一連のリブとして、より一層剛性を向上させることができる。なお、これらのリブ13、14は、図5に示すように、ベース部材10の一部を凹状にプレス加工して樋状とすることにより形成することができる。但し、リブ13、14の形状は、特に限定されるものではなく、突状の凸部を設けてリブ13、14とすることによっても、同様の効果が得られる。リブ13、14を、いかなる態様とするかは、その照明装置100の形状に合わせて、設定することにより対応することができる。
(1.−3 取付部)
この円盤状に形成されたベース部材10は、その中心部に円形の開口が形成され、この開口内に、引っ掛けシーリングボディ5に押し込みにより係止することができる取付部11が形成されている。
(1.−4 取付延出部)
また、ランプ本体1には、図2及び図3に示すように、この取付部11の開口の縁部から延びるようにして円筒状に形成された取付延出部12が前面側に形成されている。ランプ本体1を被取付面に取り付ける際に、この取付延出部12を把持することにより、作業性が高まる。
(1.−5 点灯基板)
また、ベース部材10の中心部には、図2及び図3に示すように、取付延出部12を取巻くように点灯基板15が配設されている。この点灯基板15の電子部品が搭載されていない裏面を、ベース部材10に配設することにより、点灯基板15から発生する熱をベース部材10を通じて放熱することが可能となる。
また、この点灯基板15を構成する電子部品としては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
(1.−6 電源カバー)
この点灯基板15は、図2及び図3に示すように、金属材料をプレス加工等により作成し表面を塗装した環状の電源カバー16により覆われる。この電源カバー16で点灯基板15を覆うことにより、点灯基板15から発生するノイズが隣接する光源基板17に影響を与えるのを防止することができる。
(1.−7 光源基板)
光源基板17には、図3に示すように、光源(LED素子)18が、ベース部材10と直交する方向における中心軸を中心とした複数の円周上に配置され、一つの円周上の光源18が他の円周上の光源18と、ベース部材10の中心軸からの放射方向における位置をずらして千鳥状に配置されている。これにより、光源基板17は、透光性カバー3が均一な明るさになる光源基板17を構成し、ランプ本体1に固定されている。
また、この光源基板17は、円環形状の平板で、両面に銅箔が貼られたガラスエポキシ基板から成り、片面側に光源18と電子部品とが実装されている。光源18の搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、光取り出し効率を改善することができる。
(1.−8 光源)
なお、この光源基板17に実装される光源18としては、公知の種々のLED素子、EL素子等を用いることができる。図示の実施の形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられている。
(1.−9 保護カバー)
保護カバー19は、図2及び図3及び図7に示すように、光源18と透光性カバー3の間に、光源基板17を覆うようにして設けられている。この保護カバー19は、保護カバー19の断面の屈折率の相違により保護カバー19を透過した光源18からの出射光の分布に不均一が生じて、光源からの出射光が透光性カバー3を透過する際に低照度部分が発生しないように形成されている。
即ち、保護カバー19は、この保護カバー19を透過した光源18からの出射光に低照度部分が生じて透光性カバー3に低照度による稜線状の影が生じないように形成されている。このため、充分な光取り出し効率を確保することができると同時に、点灯時に均一な照射が確保され良好な外観を確保することができる。具体的には、保護カバー19は、光源18からの出射光が透過する部分が、均一の屈折率を有している。
この場合、保護カバー19を、光源18からの出射光が透過する部分が、保護カバー19の断面曲線を1回微分した値の微分曲線が連続する微分曲面から形成することにより、対応することができる。これにより、保護カバー19の表面が滑らかな曲面となって、保護カバー19に屈折率の不均一が生じるのを防止することができ、保護カバー19を透過した光源18からの出射光の分布が均一となり、光源18からの出射光が透光性カバー3を透過する際に低照度部分を発生させることがない。
なお、断面曲線を1回微分した値の微分曲線が不連続である(階段状に変化する)と、その不連続点に沿って透過した光が、透光性カバー3に稜線状の影を生じさせるため、連続する曲面とすることが必要である。このような保護カバー19として、たとえば、推動シェル等の形状が考えられる。また、微分曲面となる形状(微分曲線)が、2回微分した値が連続であれば、より均一化に適した良い形状となる。なお、保護カバー19は、厚みが一定で透明となっている。
このような保護カバー19とすることにより、光取り出し効率を低下させることなく、透光性カバー3に影状の暗い部分が生じることがなく、点灯時に均一な照射が確保され良好な外観(見栄え、意匠性)を確保することができる。同時に、保護カバー19により照明装置100の設置時における光源18の保護ができるとともに、光源18に虫等の侵入を防ぐ効果も併せて生じさせることができる。さらに、図3に示すように、ランプ本体1に対して、光源基板17、保護カバー19は、各々複数で構成することにより、各部分に不具合が生じた場合、それぞれを交換することにより、修理が可能となるので、容易に対応が可能となる。
(2.透光性カバー)
一方、透光性カバー3は、図1に示すように、ポリカーボネート等の熱可塑性プラスチックを使用して、円形のドーム形状に成型されている。この透光性カバー3は、特に図2に示すように、ランプ本体1を密閉するようにランプ本体1に取り付けられている。具体的には、特に図2に示すように透光性カバー3の周縁部と、ベース部材10の周縁部10aは、端部同士に隙間が出ないように回動等により固定され、透光性カバー3によりランプ本体1の内部が外部より目視出来ないようにして、照明装置100を形成する。
これにより、ベース部材10と透光性カバー3の間が密閉され、保護カバー19により照明装置100の設置時における光源18の保護ができるとともに、光源18に虫等が侵入するのを防ぐ効果も併せて生じさせることができる。この透光性カバー3は、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させて、光拡散面にすることにより、透光性カバー3をより均一に透光させることができる。
(3.その他)
以上のように、本実施形態では、ランプ本体1と直交する方向における中心軸から延びる放射線上や当該中心軸を囲む周上に、リブ13、14が設けられている。これらによって照明装置100は、軽量なのにたわみが少なく、ランプ本体1の天井面4への取り付けを容易に行うことができ、天井面4の引掛シーリングボディ5等の被取付部へ簡単に取り付けられて、加工しやすく、コストが削減でき、更に良好な意匠性を示すことができる。なお、本実施形態ではベース部材10の形状を円盤形にしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、断面が4角形等からなる扁平な多角柱であってもよい。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明は、リビングや和室、更に、寝室や子供部屋等の各居室や廊下、玄関等の天井面や壁面等に沿って設置される照明装置として、広く適用することができる。
1:ランプ本体
10:ベース部材
10a:ベース部材の周縁部
11:取付部
12:取付延出部
13:周方向リブ
13A:中央部側リブ
13B:周縁部側リブ
14:放射方向リブ
15:点灯基板
16:電源カバー
17:光源基板
18:光源(LED素子)
19:保護カバー
3:透光性カバー
4: 天井面
5: 引掛シーリングボディ
6: ロゼット
100:照明装置
本発明は、天井面に設置された引掛シーリングボディに接続される天井直付け型シーリングライトの照明装置の改良に関し、特に、天井等の被取付部に取り付ける際の作業性の向上に関するものである。
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。特に、最近は、天井直付け型のシーリングライトや、天井から吊り下げられて室内を照らす吊下げ型照明機器においても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
この天井直付けシーリングライトは、例えば、天井面に取り付けられた引掛シーリングボディに、引掛シーリングアダプタを取り付けた照明装置を装着したものであり、特に最近は厚みの薄いシーリングライトが検討されている(例えば、特許文献1等参照)。
この特許文献1に記載されている照明器具は、本体と、取付部の外周側に配設される点灯装置と、点灯装置の外側に点灯装置と重なり合わないように本体に配設された基板と、基板の表面に実装された複数の発光素子と、基板の実装面に接触する平坦部を有し、基板前面側から複数の基板を連続して一体的に覆うように本体に取付けられるサークル状の拡散部材を備えている。それによって、照射光の均斉度の向上を図ることが可能な照明装置を提供するものである。
この場合、この特許文献1に記載されている照明器具においては、放熱面積を増大させるために、基板の外周に沿って段差部を形成して、同時に、この段差部によって本体の補強効果も期待している。しかしながら、この段差部は、元来、放熱面積の増大を狙ったものであるため、幅広であり、また、外周部付近にのみ設けられていた結果、補強効果に対する配慮が十分ではなく、本体を引掛シーリングボディに取り付けるために、本体周縁部を保持して押し込むと、この押し込み力により本体が撓む等の変形をして、押し込み力を本体の取付部に十分に伝えることができず、本体の天井面への取付けが困難となる問題が生じていた。
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、軽量でありながら剛性が高く、取付に際して力を加えても過大に撓むことなく取付のための押し付け力を取付部に充分に伝達して、小さな力でも円滑に取付作業を行うことができる照明装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、被取付部に取り付けられる1枚の板状のベース部材とこのベース部材に配設される点灯基板とこの点灯基板に電気的に接続される光源とを備えたランプ本体と、このランプ本体を覆う透光性カバーとを備えた照明装置であって、1枚の板状のベース部材は、0.5mm以下の厚みを有し、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブと、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する軸を囲む周上に周方向リブが設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、被取付部に取り付けられるベース部材とこのベース部材に配設される点灯基板とこの点灯基板に電気的に接続される光源とを備えたランプ本体と、このランプ本体を覆う透光性カバーとを備えた照明装置であって、ベース部材は、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブと、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する軸を囲む周上に、複数の周方向リブが設けられ、これらの複数の周方向リブをリング状に設けた上で、放射方向リブを複数の周方向リブ間を亘るように形成することにより、全体として一連のリブが形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、放射方向リブは、ランプ本体の厚み方向においてランプ本体を貫くようにランプ本体と直交する中心軸からランプ本体の外周に向けて延びる放射線上に設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、放射方向リブは、ランプ本体において左右対称に設けられていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、周方向リブは、ランプ本体と直交する方向における軸を囲む周上において、周上を周回する環状に形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、周方向リブは、ベース部材のうち点灯基板が配設される部分に設けられた中央部側リブと、ベース部材のうち光源よりも外周縁部側に形成された周縁部側リブとから成っていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、放射方向リブは、クランク状に屈曲し、若しくは、一部に凹部状の部分が存在すること、又は、一部に湾曲部分が存在すること、若しくは、波形状の形状を有することを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第7のいずれかの解決手段において、ベース部材は、周方向リブ及び放射方向リブを含めて、金属材料をプレス加工することにより形成されていることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、光源がLED素子であることを特徴とする照明装置を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、ランプ本体のベース部材において、ランプ本体の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブを有するため、特にランプ本体の放射方向における剛性が向上し、天井面等への取付のためにベース部材の周縁部を保持して押し込んでも、ランプ本体の中央部付近を支点する周縁部付近の撓みが抑制され、押し込み力を取付部に十分に伝達して、小さな力でも円滑に、ランプ本体を取り付けることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、ランプ本体のベース部材において、更に、ランプ本体と直交する方向における軸を囲む周上に、周方向リブを設けているため、特にランプ本体の周方向における剛性も向上し、ランプ本体の周方向における撓みを抑制して、取付の際の押し込み力を十分に取付部に伝達することができる実益がある。
この場合、特に、本発明によれば、上記のように、この周方向リブを、中央部側と外周縁部側において複数形成しているため、取付部を保持して押し込む場合も、また、周縁部付近を保持して押し込む場合も、いずれであっても、ランプ本体の撓みにより押し込み力が押し込み方向以外に逃げてしまうことがなく、より一層、取付の作業性が向上する実益がある。
更に、本発明によれば、上記のように、リブを有するベース部材を金属製材料をプレス加工することにより形成しているため、少ない材料及び工程数でリブを形成することができ、製造コストを低減することができる実益もある。
加えて、本発明によれば、上記のように、放射方向リブ、周方向リブによりベース部材の剛性を向上しているため、ベース部材の厚みを0.5mm以下としても、十分な強度を確保することができ、軽量でありながら、十分な剛性を有し、より一層、取付作業を円滑に行うことができる実益がある。
本発明の照明装置の被照射面側から見た取り付け前外観斜視図である。
本発明の照明装置の縦断面図である。
本発明の照明装置の分解斜視図である。
本発明の照明装置に用いられるベース部材の上面図である。
本発明の照明装置に用いられるベース部材の図4におけるA−A線の縦断面図である。
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、光源としてLED素子を用い天井面に取り付ける一例として説明するが、これに限定されるものではない。
図1乃至図3は、本発明の照明装置100の実施の形態の一つを示し、この本実施形態に係わる照明装置100は、図1乃至図3に示すように、天井面4等に設けられた被取付部に取り付けられるランプ本体1と、このランプ本体1を覆う透光性カバー3とを備えている。
この照明装置100は、特に図2に示すように、天井面4にあらかじめ設置されているロゼット6に、外部電源線と接続するための引掛シーリングボディ5を装着して被取付部を構成し、この引掛シーリングボディ5にランプ本体1を着脱自在に装着する ことにより、天井面4に設置される。この天井面4に照明装置100が装着されるときに、引掛シーリングボディ5と透光性カバー3を取り付けたランプ本体1の取付部11とが接続され、照明装置100はシーリングライトとして使用可能となる。なお、被取付部としてのロゼット6が天井面4に設けられていれば、天井面4に、新たに特別な補強を施すことなく、施工性良く照明装置100を取付けることができる。
(1.ランプ本体)
ランプ本体1は、図2及び図3に示すように、天井等の被取付部に取り付けられるベース部材10と、このベース部材10に配設される点灯基板15と、この点灯基板15を覆う電源カバー16と、点灯基板15に電気的に接続される光源基板17と、この光源基板17に実装される光源18と、この光源18を覆う保護カバー19とを有し、ランプ本体1は、ベース部材10を被取付部に取り付ける取付部11により被取付部に取り付けられる。
(1.−1 ベース部材)
ベース部材10は、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を加工することによって形成されて、表面が塗装される。このベース部材10は、図2及び図3に示すように、円盤形状に形成される。この場合、ベース部材10は、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって形成することができるが、後述する放射方向リブ14及び周方向リブ13も含めて、プレス加工により形成すると、1枚の板状の金属材料から、一度のプレス工程でベース部材10、ひいては、放射方向リブ14及び周方向リブ13を形成することができ、製造の手間、時間及びコストを低減する上で好適である。
また、この場合、ベース部材10となる冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料として、厚さが0.5mm以下の板状材料を使用することが望ましい。これは、ランプ本体1全体を軽量化すると共に、プレス加工が容易となるからである。また、このように、ベース部材の厚みを比較的薄くしても、後述する放射方向リブ14及び周方向リブ13によって、ベース部材10全体に十分な剛性を付与することができるため、軽量でありながら、撓みが少ないベース部材10とすることができる。
(1.−2 リブ)
本発明の照明装置10においては、特に図3乃至図5に示すように、ベース部材10は、ランプ本体1の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成された放射方向リブ14を有する。このため、特にランプ本体1の放射方向における剛性が向上し、天井面4等への取付のためにベース部材10の周縁部10aを保持して押し込んでも、ランプ本体1の中央部付近を支点とする周縁部10a付近の撓みが抑制され、押し込み力を取付部11に十分に伝達して、小さな力でも円滑に、ランプ本体1を取り付けることができる。
この場合、この放射方向リブ14は、具体的には、図3乃至図5に示すように、ランプ本体1の厚み方向においてランプ本体1を貫くようにランプ本体1と直交する中心軸C(図3参照)からランプ本体1の外周に向けて延びる放射線上において、直線状に設けることができる。
この放射方向リブ14は、図3及び図4に示すように、ランプ本体1において左右対称に設けることが望ましい。ランプ本体1の取付の際に、ベース部材10に負荷される応力を均等に分散するのに適しているからである。具体的には、図示の実施の形態では、図2及び図4に示すように、十文字状(四方)に延びる4つの放射方向リブ14が形成されている。但し、この放射方向リブ14の個数や形状は、図示の実施の形態に限定されるものではなく、6方向又は8方向等の任意の偶数の方向に延びる放射方向リブ14として、左右対称とすることができる。また、十分な強度を確保することができれば、必ずしも、左右対称である必要はなく、3方向又は5方向に延びる奇数方向に延びる放射方向リブ14とすることもできる。
なお、この放射方向リブ14は、図示の実施の形態では、図3及び図4に示すように、ランプ本体1と直交する中心軸C(図3参照)からランプ本体1の外周に向けて延びる放射線上において、直線状に形成したが、ランプ本体1の外周と交差する方向に向かって延びるようにして形成されていれば、その形状については、図示の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ベース部材10に配置される部品等を除けるために、クランク状に屈曲し、あるいは、一部に凹部状の部分等が存在していても良い。同様に、必ずしも、直線状に限定されるものではなく、十分な強度を確保することができれば、一部に湾曲部分が存在すること、波形状の放射方向リブ14とすること、更には、部分的に放射方向リブ14が途切れている形態とすることもできる。
また、ベース部材10は、図2乃至図5に示すように、更に、ランプ本体1の厚み方向においてランプ本体1を貫くようにランプ本体1と直交する軸(例えば、中心軸C(図3参照))を囲む周上に、周方向リブ13が設けられている。これにより、特にランプ本体1の周方向における剛性も向上し、ランプ本体1の周方向における撓み(ねじれ)を抑制して、取付の際の押し込み力を十分に取付部11に伝達することができる。
この周方向リブ13は、具体的には、図3及び図4に示すように、ランプ本体1と直交する方向における軸を囲む周上において、周上を周回する環状に形成されている。このようにラウンド状にすることにより、周方向における強度が低い部分が生じるのを防止することができ、ベース部材10の撓みやねじれなどを抑制することができる。
また、この周方向リブ13は、図3乃至図5に示すように、ランプ本体1と直交する方向における軸を囲む周上において、複数形成すると、より強度を確保する上で望ましい。具体的には、図示の実施の形態では、ランプ本体1と直交する方向における中心軸を中心とする同心円状において、複数の周方向リブ13が設けられている。
この場合、周方向リブ13は、図5に示すように、ベース部材10のうち点灯基板が配設される部分に設けられた中央部側リブ13Aと、ベース部材10のうち光源18よりも外周縁部側に形成された周縁部側リブと13Bとから形成することができる。これにより、ランプ本体1を被取付面に取り付ける際に、力を加えることが多い、取付部11を持して押し込む場合も、また、周縁部10a付近を保持して押し込む場合も、いずれであっても、ランプ本体1の撓みにより押し込み力が押し込み方向以外に逃げてしまうことがなく、力が適切に伝わって、より一層、取付の作業性が向上する。
また、このように、複数の周方向リブ13を同心円状に配置される二重のリング状に設けた上で、放射方向リブ14を、図3乃至図5に示すように、これらの2つの周方向リブ13A、13B間を亘るように形成することにより、全体として一連のリブとして、より一層剛性を向上させることができる。なお、これらのリブ13、14は、図5に示すように、ベース部材10の一部を凹状にプレス加工して樋状とすることにより形成することができる。但し、リブ13、14の形状は、特に限定されるものではなく、突状の凸部を設けてリブ13、14とすることによっても、同様の効果が得られる。リブ13、14を、いかなる態様とするかは、その照明装置100の形状に合わせて、設定することにより対応することができる。
(1.−3 取付部)
この円盤状に形成されたベース部材10は、その中心部に円形の開口が形成され、この開口内に、引っ掛けシーリングボディ5に押し込みにより係止することができる取付部11が形成されている。
(1.−4 取付延出部)
また、ランプ本体1には、図2及び図3に示すように、この取付部11の開口の縁部から延びるようにして円筒状に形成された取付延出部12が前面側に形成されている。ランプ本体1を被取付面に取り付ける際に、この取付延出部12を把持することにより、作業性が高まる。
(1.−5 点灯基板)
また、ベース部材10の中心部には、図2及び図3に示すように、取付延出部12を取巻くように点灯基板15が配設されている。この点灯基板15の電子部品が搭載されていない裏面を、ベース部材10に配設することにより、点灯基板15から発生する熱をベース部材10を通じて放熱することが可能となる。
また、この点灯基板15を構成する電子部品としては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
(1.−6 電源カバー)
この点灯基板15は、図2及び図3に示すように、金属材料をプレス加工等により作成し表面を塗装した環状の電源カバー16により覆われる。この電源カバー16で点灯基板15を覆うことにより、点灯基板15から発生するノイズが隣接する光源基板17に影響を与えるのを防止することができる。
(1.−7 光源基板)
光源基板17には、図3に示すように、光源(LED素子)18が、ベース部材10と直交する方向における中心軸を中心とした複数の円周上に配置され、一つの円周上の光源18が他の円周上の光源18と、ベース部材10の中心軸からの放射方向における位置をずらして千鳥状に配置されている。これにより、光源基板17は、透光性カバー3が均一な明るさになる光源基板17を構成し、ランプ本体1に固定されている。
また、この光源基板17は、円環形状の平板で、両面に銅箔が貼られたガラスエポキシ基板から成り、片面側に光源18と電子部品とが実装されている。光源18の搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、光取り出し効率を改善することができる。
(1.−8 光源)
なお、この光源基板17に実装される光源18としては、公知の種々のLED素子、EL素子等を用いることができる。図示の実施の形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられている。
(1.−9 保護カバー)
保護カバー19は、図2及び図3及び図7に示すように、光源18と透光性カバー3の間に、光源基板17を覆うようにして設けられている。この保護カバー19は、保護カバー19の断面の屈折率の相違により保護カバー19を透過した光源18からの出射光の分布に不均一が生じて、光源からの出射光が透光性カバー3を透過する際に低照度部分が発生しないように形成されている。
即ち、保護カバー19は、この保護カバー19を透過した光源18からの出射光に低照度部分が生じて透光性カバー3に低照度による稜線状の影が生じないように形成されている。このため、充分な光取り出し効率を確保することができると同時に、点灯時に均一な照射が確保され良好な外観を確保することができる。具体的には、保護カバー19は、光源18からの出射光が透過する部分が、均一の屈折率を有している。
この場合、保護カバー19を、光源18からの出射光が透過する部分が、保護カバー19の断面曲線を1回微分した値の微分曲線が連続する微分曲面から形成することにより、対応することができる。これにより、保護カバー19の表面が滑らかな曲面となって、保護カバー19に屈折率の不均一が生じるのを防止することができ、保護カバー19を透過した光源18からの出射光の分布が均一となり、光源18からの出射光が透光性カバー3を透過する際に低照度部分を発生させることがない。
なお、断面曲線を1回微分した値の微分曲線が不連続である(階段状に変化する)と、その不連続点に沿って透過した光が、透光性カバー3に稜線状の影を生じさせるため、連続する曲面とすることが必要である。このような保護カバー19として、たとえば、推動シェル等の形状が考えられる。また、微分曲面となる形状(微分曲線)が、2回微分した値が連続であれば、より均一化に適した良い形状となる。なお、保護カバー19は、厚みが一定で透明となっている。
このような保護カバー19とすることにより、光取り出し効率を低下させることなく、透光性カバー3に影状の暗い部分が生じることがなく、点灯時に均一な照射が確保され良好な外観(見栄え、意匠性)を確保することができる。同時に、保護カバー19により照明装置100の設置時における光源18の保護ができるとともに、光源18に虫等の侵入を防ぐ効果も併せて生じさせることができる。さらに、図3に示すように、ランプ本体1に対して、光源基板17、保護カバー19は、各々複数で構成することにより、各部分に不具合が生じた場合、それぞれを交換することにより、修理が可能となるので、容易に対応が可能となる。
(2.透光性カバー)
一方、透光性カバー3は、図1に示すように、ポリカーボネート等の熱可塑性プラスチックを使用して、円形のドーム形状に成型されている。この透光性カバー3は、特に図2に示すように、ランプ本体1を密閉するようにランプ本体1に取り付けられている。具体的には、特に図2に示すように透光性カバー3の周縁部と、ベース部材10の周縁部10aは、端部同士に隙間が出ないように回動等により固定され、透光性カバー3によりランプ本体1の内部が外部より目視出来ないようにして、照明装置100を形成する。
これにより、ベース部材10と透光性カバー3の間が密閉され、保護カバー19により照明装置100の設置時における光源18の保護ができるとともに、光源18に虫等が侵入するのを防ぐ効果も併せて生じさせることができる。この透光性カバー3は、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させて、光拡散面にすることにより、透光性カバー3をより均一に透光させることができる。
(3.その他)
以上のように、本実施形態では、ランプ本体1と直交する方向における中心軸から延びる放射線上や当該中心軸を囲む周上に、リブ13、14が設けられている。これらによって照明装置100は、軽量なのにたわみが少なく、ランプ本体1の天井面4への取り付けを容易に行うことができ、天井面4の引掛シーリングボディ5等の被取付部へ簡単に取り付けられて、加工しやすく、コストが削減でき、更に良好な意匠性を示すことができる。なお、本実施形態ではベース部材10の形状を円盤形にしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、断面が4角形等からなる扁平な多角柱であってもよい。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明は、リビングや和室、更に、寝室や子供部屋等の各居室や廊下、玄関等の天井面や壁面等に沿って設置される照明装置として、広く適用することができる。
1:ランプ本体
10:ベース部材
10a:ベース部材の周縁部
11:取付部
12:取付延出部
13:周方向リブ
13A:中央部側リブ
13B:周縁部側リブ
14:放射方向リブ
15:点灯基板
16:電源カバー
17:光源基板
18:光源(LED素子)
19:保護カバー
3:透光性カバー
4: 天井面
5: 引掛シーリングボディ
6: ロゼット
100:照明装置