本発明は、LED素子を光源に使用したLED照明装置に係り、特に天井面に設置された配線器具に接続される天井直付け型シーリングライトにおいて、光を出射させる透光性カバーの改良に関するものである。
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。更に最近は、天井直付け型のシーリングライトや、天井面から吊り下げられて室内を照らす吊下げ型照明機器においても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
このような天井直付けシーリングライトは、天井面に取り付けられた引掛シーリングボディ等の配線器具に、アダプタを介して照明装置を装着するものであり、特に最近は厚みの薄いシーリングライトが検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
具体的には、例えば、特許文献1に記載されている照明装置は、発光素子を光源とする光源部と、この光源部から光が照射され、光の透過率が相対的に小さい領域と、光の透過率が相対的に大きい領域とが混在するように形成された光透過制御部と、この光透過制御部に対応して設けられた多面体からなる光学製品とを具備する。これにより、グレアを抑制して演出効果を高め、照明装置として付加価値を高めることが可能な照明装置が提供される。
しかしながら、この特許文献1に記載されている照明装置においては、グレアを抑制するために光透過制御部や多面体からなる光学製品を具備している。このため、セードに対して光透過制御部や多面体からなる光学製品を具備しているので、本体の軽量化を図ることが難しく、コストダウンを図ることも難しくなる問題があった。
また、特許文献2に記載されている照明装置は、LEDを含んでなる光源と、光源に電力を供給する電源基板と、光源及び電源基板を保持する保持体と、光源を覆う透光性カバーとを備えており、保持中は、保持体を被取付部材に取付けるための穴をその略中央に有し、電源基板は、保持体の穴の周囲に設けられ、光源は、電源基板の周囲に設けられ、照明装置は、保持体の穴に対向して配置されるセンターカバーをさらに備える。このように、光源、電源部及び取付部を夫々被取付部材に対して互いに重なり合わないように保持体に配することにより、被取付部材からの突設高さを低減することができ、薄型化された照明装置が提供される。
しかし、この特許文献2に記載されている照明装置においては、光源、電源部及び取付部を夫々被取付部材に対して互いに重なり合わないように保持体に配設されているため、薄型化はできるが、特に径方向にコンパクトにすることが難しく、コストダウンを図ることも難しくなる問題があった。
さらに、特許文献3に記載されている照明器具は、主光源としての複数の発光素子が実装された基板と同一基板に、補助光源としての発光素子及び赤外線リモコン送信器から送信される制御信号を受信する赤外線リモコン信号受光素子が実装されている。このように、主光源と同一基板に、補助光源、赤外線リモコン信号受光素子を実装することにより、違和感を生じることなく、配線接続関係を簡素化できる照明器具が提供される。
しかし、この特許文献3に記載されている照明器具においては、主光源と同一基板に、補助光源、赤外線リモコン信号受光素子が実装されているため、配線接続関係を簡素化することはできるものの、一方で、発光素子の駆動信号と赤外線リモコン信号受光素子の信号が同一配線接続されているので、ノイズによる誤動作防止を図ることが難しくなる問題があった。
特開2013−80680号公報
特開2013−179093号公報
特開2012−160426号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、コンパクト化及び軽量化とコストダウンを実現しつつ、ノイズに対する誤動作を防止することができ、広く均一に照らせる、天井面の配線器具に簡単に取り付けられるLED照明装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、天井面等の被取付部に取り付けられるLEDランプ本体と、このLEDランプ本体を覆う透光性カバーと、を備えたLED照明装置であって、LEDランプ本体は、被取付部の配線器具に取り付けられたアダプタに取付けられる取付部分を有するベース部材と、このベース部材に配設される点灯基板と、この点灯基板により点灯するLED素子と、このLED素子を実装したLED基板とを有し、透光性カバーは、光を出射するセードと、取付部分とセードの前面側開口部をつなぐ略円筒形のセンタースリーブとから成り、セードとセンタースリーブとが一体に構成されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、セードの前面側に設けられたセード開口部を覆うセンターキャップを更に備え、
このセンターキャップは、透光性カバーのセンタースリーブとロック機構により嵌合されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第2の解決手段において、ロック機構は、センタースリーブの前面側に設けられ、凸形状を有するスリーブ凸部を備えたスリーブ嵌合部と、センターキャップに設けられ、センターキャップの回動によりスリーブ凸部を乗り越えてスリーブ凸部に係合して、センターキャップをセード開口部に固定する凸形状を有するキャップ凸部を備えたキャップ嵌合部とから成っていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、透光性カバーの外縁部は、ベース部材に、弾性部材を介して嵌装されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、補助光源とリモートコントロール信号受光部が、異なる別々のLED基板に設置されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、LED基板は、ベース部材の外縁部から中心部に向かって前面側に傾斜して配置されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第6の解決手段において、LEDランプ本体は、LED基板を支持する基板固定台を更に有し、この基板固定台は、ベース部材の外縁部から中心部に向かって前面側に傾斜していることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第7の解決手段において、基板固定台は、断熱性を有する部材から形成されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、セードとセンタースリーブが一体で構成されているため、コンパクト化されるとともに、製造に要する手間と時間を削減することができ、軽量化とコストダウンすることができる実益がある。
同時に、本発明によれば、上記のように、センターキャップは、ロック機構により、センタースリーブと嵌合されているため、確実な嵌合を行うことができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、透光性カバーの外縁部は、ベース部材に弾性部材を介して嵌装されているため、コンパクト化を図り、コストダウンできるとともに、この弾性部材の弾性変形によりベース部材の形状に追随して密着することができるため、ベース部材と透光性カバーの間が密閉されて、LED照明装置に粉塵や虫等の侵入を防ぐ効果も合わせて生じさせることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、補助光源とリモートコントロール信号受光部(以下、リモコン信号受光部と略称する。)が、異なる別々のLED基板に設置されているため、ノイズに対する誤動作防止策が図ることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、LED基板は、断熱性を有する基板固定台によりベース部材の外縁部から中心部に向かって前面側に傾斜して配置されているため、二次元的にはLED素子の充分な取付面積を確保しつつ、前面側から見た場合の投影面積を小さくすることができるため、充分な光量を確保しつつ、省スペース化を達成することができ、さらなるコンパクト化を実現することができる実益がある。
本発明のLED照明装置の外観斜視図である。
本発明のLED照明装置の垂直断面図である。
本発明のLED照明装置の分解斜視図である。
本発明のLED照明装置の透光性カバーを外した状態の平面図である。
本発明に用いられるベース部材の斜視図である。
本発明に用いられるベース部材の断面図である。
本発明に用いられる電源カバーの斜視図である。
本発明に用いられる電源カバーの断面図である。
本発明に用いられるアダプタの斜視図である。
本発明に用いられる取付部分の断面図である。
本発明に用いられるアダプタ受け部材の斜視図である。
本発明に用いられるアダプタ受け部材の断面図である。
本発明に用いられるLED基板の上面図である。
本発明に用いられる透光性カバーの斜視図である。
本発明に用いられる透光性カバーの断面図である。
本発明に用いられるセンターキャップの斜視図である。
本発明に用いられるセンターキャップの断面図である。
本発明に用いられるフタ部材の斜視図である。
本発明に用いられるスリーブ嵌合部の斜視図である。
本発明に用いられるキャップ嵌合部の斜視図である。
本発明のLED照明装置の断面図の一部拡大図である。
本発明に用いられる基板固定台の斜視図である。
本発明のLED照明装置の断面図の一部拡大図である。
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。
図1乃至図3は、本発明の照明装置100の実施の形態の一つを示し、この本実施形態に係わるLED照明装置100は、図1乃至図3に示すように、LEDランプ本体1と、このLEDランプ本体1に取り付けられてLEDランプ本体1を覆う透光性カバー3と、この透光性カバー3のセード31の前面側に設けられたセード開口部31dを覆うセンターキャップ4とから成っている。このLED照明装置100は、特に図2に示すように、天井面5にあらかじめ設置されているロゼットや引掛シーリングボディ等の配線器具7に、電気的かつ機械的に接続されるアダプタ6を備え、さらにアダプタ6にLEDランプ本体1が着脱自在に装着される。天井面5にLED照明装置100を装着する場合、電源カバー19の天井面5側に取付けられているポリウレタン等の天井面用弾性部材12を天井面5へ向けて押し込み、アダプタ6とLEDランプ本体1の取付部分11とを接続するように、LED照明装置100を押圧する。その後、透光性カバー3の前面側開口部に、センターキャップ4を嵌合して、LED照明装置100はシーリングライトとして使用可能となる。天井面用弾性部材12は、天井面5に接触させて、LED照明装置100の位置ずれや振動を防止することができる。この場合、被取付部としての配線器具7が天井面5に設けられていれば、天井面5に特別な補強を施すことなく、施工性良くLED照明装置100を取付けることができる。
・ LEDランプ本体)
LEDランプ本体1は、図3及び図4に示すように、ベース部材10と、このベース部材10を天井面5等の被取付部の配線器具7に取り付けられたアダプタ6に取付ける取付部分11と、このベース部材10の背面側に設置された電源カバー19と、この電源カバー19に配設される点灯基板13からなっている。また、LEDランプ本体1は、図3及び図4に示すように、この取付部分11よりも外周側においてベース部材10の前面に配設されるLED基板14と、このLED基板14に実装されるLED素子15をも有している。
(1.−1 ベース部材)
LEDランプ本体1のベース部材10は、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって作成される。ベース部材10は、図2乃至図6に示すように、円盤形状で、特に図5に示すように中心部に円形のベース部材取付部10aが開口し、取付部分11が外部より目視出来るように形成されている。
また、ベース部材10には、図5に示すように、環状に加工された中央部側リブ16aと周縁部側リブ16bから成る周方向リブ16と、放射方向リブ17が加工されている。これらのリブ16、17を設けることにより、ベース部材10の強度を補強することができ、ベース部材10を構成する金属材料の厚みを薄くすることが可能になり、軽量化とコストダウンを実現することができとともに、放熱面積を増加することができる。
(1.−2 電源カバー)
電源カバー19は、図7及び図8に示すように、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって略円環状に作成される。この電源カバー19は、図7及び図8に示す電源カバー外縁部19bを、ベース部材10の背面に取り付けることにより、ベース部材10に取り付けられる。具体的には、電源カバー外縁部19bは、ベース部材10の周縁部側リブ16bの背面側の凸部に固定され、電源カバー内縁部19aは、取付部分11のアダプタ受け部材11aに固定される。また、電源カバー19の電源カバー外側壁19eは、図7及び図8に示すように、前面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、電源カバー背面壁19cの中央部には電源カバー開口部19fが形成されて、電源カバー開口部19fは、電源カバー背面壁19cより前面側に向かって縮閉するように傾斜状をなして電源カバー内側壁19dが設けられている。
(1.−3 点灯基板)
点灯基板13は、図2、図3及び図21に示すように、配線器具7からの交流電流を直流に変換してLED基板14に供給するために、電源カバー19の電源カバー背面壁19cの前面側に、台形状に配設されている。点灯基板13は、電子部品13aが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯基板13の電子部品13aが搭載されていない裏面を、電源カバー19の前面側に絶縁シートを介して配設することにより、点灯基板13から発生する熱を、電源カバー19を介して放熱することが可能となる。なお、この点灯基板13を構成する電子部品13aとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
(1.−4 取付部分)
取付部分11は、図10乃至図12に示すように、アダプタ6が挿通し係合するアダプタガイド部分であり、LEDランプ本体1をアダプタ6に、取り付ける部分である。この取付部分11は、図10に示すように、アダプタ6を挿入することができる開口空間を形成する電源カバー開口部19fと、ベース部材10のベース部材取付部10aと、本発明においては、更に、電源カバー19とベース部材10との間に挟まれるアダプタ受け部材11aとから成っている。この取付部分11は、図9に示すアダプタ6の係止部6aを、LEDランプ本体1を接続するアダプタ受け部材11aのアダプタ係止挿入部11bで受けて、固定する。アダプタ受け部材11aは、図10乃至図12に示すように、電源カバー19の内縁部19aとベース部材10のベース部材取付部10aの間に嵌装されて図示しないネジにより固定されることにより、電源カバー19とベース部材10との間に挟まれる。
アダプタ6は、図9に示すように、天井面5に設置された配線器具7に、上面側に設けられた引掛刃6bによって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、配線器具7に差し込み、回動して固定される。固定を保持させるために、アダプタ6の上面側に止め具6cが設けられている。止め具6cは、周壁のボタン6dを押入操作することにより解除されるようになっている。アダプタ6の周壁の両側には、一対の係止部6aが内蔵されたスプリングによって、常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部6aは、下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタ6からは、点灯基板13へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯基板13とコネクタを介して接続されるようになっている。
さらに、アダプタ受け部材11aには、図11及び図12に示すように、アダプタ6からの商用電源を点灯基板13に送るための配線と、点灯基板13からLED基板14への配線を通すためのアダプタ受け部材配線孔11eが2箇所設けられている。この2つのアダプタ受け部材配線孔11eの端部は、配線が金属材のベース部材配線孔10bに接触しないように、アダプタ受け部配線孔11eの周囲を凸形状としてベース部材配線孔10bの内側に嵌装させている。これにより、配線が金属材のベース部材配線孔10bに接触することがないので、配線の外的損傷を防ぐことができる。
また、このアダプタ受け部材11aは、例えば、リカーボネイト(PC)等の熱可塑性合成樹脂からから形成されている。この場合、取付部分11には、LED照明装置100の着脱時に大きな力が掛かるために、強度的に強い金属材等により構成されていることが多いところ、本発明では、この合成樹脂材から成るアダプタ受け部材11aを、金属材により作成されている電源カバー19の電源カバー内縁部19aとベース部材10のベース部材取付部10aで挟んでいるため、強度と軽量化の両方を兼ね備えることができる構造となっている。具体的には、アダプタ受け部材11aは、そのアダプタ背面開口部11dを、電源カバー開口部19fに嵌装して、電源カバー開口部19f側よりアダプタ受け部材固定孔11fにネジを挿通することにより、電源カバー19に固定される。一方、アダプタ受け部材11aは、そのアダプタ前面開口部11cを、ベース部材取付部10aに嵌装して、ベース部材取付部10a側よりネジを挿通することにより、ベース部材10に固定される。これにより、アダプタ受け部材11aは、図10に示すように、電源カバー19とベース部材10との間に挟まれる。
また、金属材の電源カバー19とベース部材10の間に、合成樹脂材のアダプタ受け部材11aを介在することにより、電源カバー内縁部19aとベース部材取付部10aを作成する金属材の絞り加工による曲げ加工量を抑えることが可能となり、工数とコストの削減も可能とすることができる。
(1.−5 LED基板)
LED基板14は、図3、図4、図13及び図21に示すように、所定の幅寸法を有した円弧形状の8枚の基板が基板接続線14bによりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。このLED基板14は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEH−3)から成り、片面側にLED素子15と電子部品14dが実装されている。このように分割された基板を用いることにより、基板の分割部分で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、このLED基板14は、特に図21に示すように、部分的に点灯基板13と直交する方向において位置するように、即ち、点灯基板13と垂直方向において部分的に重なるように、ベース部材10に配設されている。このため、LED照明装置100の直径を小さくして省スペース化によりLED照明装置100をコンパクトにすることができ、コストを低減することができる。
また、このLED基板15には、図4に示すように、LED素子15が、ベース部材10の垂直方向中心軸に対し、複数の円周上に配置され、一つの円周上のLED素子15が他の円周上のLED素子15と、千鳥状の関係を構成するように配置されている。それにより、LED基板14は、透光性カバー3が均一な明るさになる基板を構成し、ベース部材10に合成樹脂性のピン等により固定されている。LED基板14のLED素子15が搭載されていない裏面を、ベース部材10に固定されて熱的に結合されていることにより、LED基板14から発生する熱をベース部材10により放熱することが可能となる。これにより、LED素子15の効率を高めることもできるようになる。なお、LED素子15のLED素子搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、さらに光取り出し効率の改善することができる。
LED基板14は、図13に示すように、LED素子15が搭載されていない略サークル形状の中心部側で隣接するLED基板14と基板接続線14bにより接続されて、円環状に配設されている。基板接続線14bの両端部は、各基板に半田で接続されLED素子15に駆動用の電気を送っている。図13に示すように、このLED基板14の1つに、補助光源14fと点灯用の給電のための点灯基板13からの配線を接続する発光用基板コネクタ14cが設けられている。発光用基板コネクタ14cは、中心部側に配置されているので点灯基板13から取付部分11を通っての電源供給が行い易く、LED基板14内の配線長を最短にできる構成をとることができる。
補助光源14fは、図13に示すように、主光源であるLED素子15と同一基板に実装されて、通常は常夜灯用として用いられていることが多い。この補助光源14fは、主光源のLED素子15と同じ仕様のLED素子を使用することができ、また、他の調色仕様のLED素子を使用することもできる。この補助光源14fとして用いられるLED素子により、光の出射範囲が異なる場合がある。例えば、補助光源14fに、砲弾型のLED素子を用いる場合は、そのまま基板に実装しても、光の出射範囲が狭いので常夜灯として適している。しかし、チップ型のLED素子を用いる場合は、そのまま基板に実装して用いると、光の出射範囲が広すぎるので、常夜灯として用いる場合には、不都合な場合がある。その場合には、チップ型のLED素子を図示しない円筒形の筒で覆うことにより、光の出射範囲を変更することにより対応が可能となる。なお、補助光源14fは、図13に示すように、LED基板14の略サークル形状の中心部側に配設されており、これにより、多方向に均一な光を出射することができる。
また、図13に示すように、点灯基板13からの配線を接続する発光用基板コネクタ14cが設けられているLED基板14とは異なる別のLED基板14に、赤外線のリモコン信号受光部14eと、このリモコン信号受光部14eの作動のための給電を行う点灯基板13からの配線を接続するリモコン用基板コネクタ14gが設けられている。このリモコン用基板コネクタ14gは、図13に示すように、LED基板14の略サークル形状の中心部側に配置されているので点灯基板13から取付部分11を通っての配線が行い易く、LED基板14内の配線長を最短にできる構成をとることができる。また、このように、補助光源14fとリモコン信号受光部14eを、異なる別々のLED基板14に設置して、電源供給の配線とは別にリモコン信号の配線を行うことにより、ノイズに対する誤動作を防止することができる。
このリモコン信号受光部14eは、外部のリモートコントローラー(以下、リモコンと略称する。)からの信号を受光して、LED照明装置100を制御するものである。リモコンからは、照明装置動作信号、調光信号、調色信号、リモコンの周波数選択信号等が、送られる。リモコンの周波数選択信号は、例えば同じ部屋において同じ周波数を使用するリモコンがある場合に、他のリモコンの操作により動作してしまう誤動作を防ぐために設けられている。
また、図13に示すように、LED基板14の隣接する他のLED基板14と対向する端部の外周側に近い部分に、それぞれのLED基板14に略半円状の基板凹部14aが2箇所設けられている。この基板凹部14aは、電源カバー19をベース部材10に固定するためのネジが、周縁部側リブ16bに挿入されている部分で、ネジとLED基板14との距離をとることにより、LED基板14の絶縁延命距離を保つ役割を有する。
(1.−6 LED素子)
なお、このLED基板14に実装されるLED素子15としては、公知の種々のLEDを用いることができる。本実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なLED照明装置の構成となっている。
(1.−7 LEDランプ本体の組付)
上述したLEDランプ本体1を構成するベース部材10、電源カバー19、点灯基板13、LED基板14の相互の位置関係について、図21を参照しながら説明する。まず、図21に示すように、ベース部材10の背面側に円環状の電源カバー19に配設された点灯基板13が、取付部分11を囲むように配設されている。ベース部材10の前面側に8枚の円弧状のLED基板14が、取付部分11を囲むように配設されている。LED基板14は、点灯基板13と垂直方向において部分的に重なるようにベース部材10に配設されている。これらにより、本発明のLED照明装置100は、省スペース化することが可能になり、コンパクト化することができ、コストを削減することが可能となる。
(1.−8 LED基板の傾斜配置)
なお、図21に示す実施の形態では、LED基板14を、ベース部材10に直接配設したが、必ずしも、この態様に限定されるものではなく、さらなるコンパクト化を実現するために、他の実施の形態とすることもできる。具体的には、図22及び図23に示すように、LED基板14を基板固定台18に固定して、さらに、この基板固定台18をベース部材10に固定することにより、LED基板14を、基板固定台18を介して、ベース部材10に配設することもできる。この基板固定台18は、図22及び図23に示すように、ベース部材10の外縁部から中心部に向かって前面側(LEDランプ本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側)に向けて傾斜して形成されている。この場合、複数の基板固定台18をベース部材10に配設して、全体として、環状となるように配列することができる。
これらの基板固定台18は、平面的に見た場合に、ベース部材10の中心部に近づくに連れ、幅が狭くなる略台形状に形成され、その略台形状の上底と下底に傾斜を付けるために裏側に凸部が設けられている。下底の端部である2箇所と、下底中央部から上底方向に設けられた凸部先端の1箇所の、合計3箇所でベース部材10に固定されている。3箇所で固定することにより片側支持を避けることができ、振動等に対する固定強度を向上させることができる。
また、この基板固定台18は、取付けられるLED基板14の発熱をベース部材10側に伝えないように、断熱性を有する樹脂材料を使用して、射出加工等によって作成される。基板固定台18は、強度を妨げない程度に、中心部に貫通穴を設けて、軽量化、対流によるLED基板14の放熱を促進している。なお、上述したように、複数の基板固定台18を組み合わせて、環状に配列することができるが、LED基板14を傾斜させて取り付けることができる構造であれば、必ずしも、複数の基板固定台18を用いた形態に限定されるものではなく、一体の基板固定台18として組み立て工数の削減を図ることもできる。
このように、LED基板14を、基板固定台18等により、ベース部材10の外周部から中心部に向かって前面側に傾斜して配置することにより、二次元的にはLED素子15の充分な取付面積を確保しつつ、前面側から見た場合の投影面積を小さくすることができ、充分な光量を確保しつつ、特に、径方向における省スペース化を図ることにより、さらなるコンパクト化を実現することができる。
・ 透光性カバー)
一方、このLEDランプ本体1に取り付けられる透光性カバー3は、図2及び図3、図14及び図15に示されるように、光を出射するセード31と、LEDランプ本体1の取付部分11とセード31の前面側開口部をつなぐ略円筒形のセンタースリーブ32から成り、特に図2に示すように、ベース部材10に嵌装されて、LEDランプ本体1を覆っている。
この場合、本発明においては、透光性カバー3は、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して、特に図14及び図15に示すように、円形のドーム形状のセード31と円筒形状のセンタースリーブ32とを一体として成形されている。これにより、製造工程を削減して、製造に要する手間とコストを削減することができると同時に、透光性カバー3のコンパクト化及び軽量化を実現することができる。
なお、透光性カバー3の材質として、ポリプロピレン(PP)を用いるのは、軽量化及びコストダウンを図る上で好適であることに加え、外部のリモコンから出される赤外線の信号を透過して、LED基板14に設けられたリモコン信号受光部14eまで、赤外線の信号を到達させるのに、好適だからである。また、透光性カバー3は、セード31を連続した曲面形状にすることや、セード31に高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、さらに全面で均一に発光させることができる。これにより、セード31は、出射光を光拡散して全面で均一に発光させることができる。
この透光性カバー3のベース部材10への嵌装は、ベース部材10のベース外縁部10c(図5参照)と、セード31のセード外縁部31aの外周に沿って設けられたセード受け部31b及びセード外縁部31aの複数の個所に設けられたセード留め具31cの間に挿入されたポリウレタン等のベース部材用弾性部材33(図21、図23参照)を介して行われる。この場合、図2に示すように、透光性カバー3をベース部材10に嵌装し、センタースリーブ32のスリーブ固定部32dをベース部材10に固定することにより、密閉する。従って、セード31の外径と、ベース部材10の外径は、ほぼ同じ大きさとすることができ、これにより、LEDランプ本体1と同様に、透光性カバー3のコンパクト化をも実現することができると同時に、コストダウンを図ることもできる。また、このベース部材用弾性部材33の弾性変形により、ベース部材10のベース外縁部10cの形状に追随して密着して嵌合することができるため、ベース部材10と透光性カバー3の間が密閉されて、LED照明装置100に粉塵や虫等の侵入を防ぐ効果も合わせて生じさせることができる。
なお、本発明のLED照明装置100においては、点灯基板13を配設した電源カバー19をベース部材10の背面に配設しているので、LED基板14は、LED基板14とセード31の中心部との距離、セード31のセード外縁部31aとの距離を均等にして、LED基板14をベース部材10に配設することが可能となり、透光性カバー3を全面均一に光らせることができる。
(3. センターキャップ)
更に、セード31の前面側に設けられたセード開口部31dを覆うセンターキャップ4は、図1及び図2、図16及び図17に示すように、透光性カバー3のセード開口部31dと嵌合して、LED照明装置100の光出射面を構成する。このセンターキャップ4は、特に、図16及び図17に示すように、円盤形状に形成され、前面にはセンターキャップ4を手により回動させて、セード開口部31dと嵌合させるために用いるキャップ凹部42と、センターキャップ4の外縁に対向して設けられたキャップ嵌合部41とを有している。
このセンターキャップ4のキャップ嵌合部41の透光性カバー3のセード開口部31dへの嵌合について、図18乃至図20を用いて説明する。図19に示す透光性カバー3のスリーブ嵌合部32aに、図20に示すキャップ嵌合部41が嵌合される。このスリーブ嵌合部32aは、図19に示すように、センタースリーブ32の内周面において前面側であるセード31のセード開口部31dに臨むようにして、相対向して2箇所設けられている。また、スリーブ嵌合部32aは、図19に示すように、キャップ嵌合部41のキャップ押圧片41b(図20参照)と接して押圧されるスリーブ留め部32bと、キャップ嵌合部41のキャップ留め片41aのキャップ凸部41c(図20参照)をロックするための凸形状のスリーブ凸部32cと、透光性カバー3内に粉塵や虫等の進入を防ぐフタ部材34から成っている。このスリーブ嵌合部32aを、透光性カバー3の一体成形により製造するためには、スリーブ嵌合部32aの一部に、開口部を設定する必要があることから、この製造上必要となった開口部に、別部材のフタ部材34により対応して、ベース部材10と透光性カバー3との間を密閉している。
一方、キャップ嵌合部41は、図20に示すように、スリーブ嵌合部32aのスリーブ留め部32bに接してこのスリーブ留め部32bを押圧するために、挿入側から徐々に厚くなりその後一定の厚さを保持するキャップ押圧片41bと、このキャップ押圧片41bと並んで挿入側よりキャップ押圧片41bより薄い一定の厚さを保持し、途中にロックするための凸形状のキャップ凸部41cを有するキャップ留め片41aから成っている。
センターキャップ4は、このキャップ嵌合部41をスリーブ嵌合部32aに挿入して、センターキャップ4を回動することにより、透光性カバー3のセード開口部31dに嵌合させる。キャップ押圧片41bが、スリーブ留め部32bに接してこのスリーブ留め部32bを押圧するとともに、キャップ留め片41aのキャップ凸部41cが、スリーブ凸部32cを乗り越えることにより、センターキャップ4がセード開口部31dに固定される。これにより、センターキャップ4を、セード開口部31dにロックして保持することができ、ロック機能を有する嵌合を実現することができる。
(4. その他)
以上のように、本実施形態では、セード31とセンタースリーブ32が一体で構成されている。これらによってLED照明装置は、軽量化とコストダウンでき、良好な意匠性を示している。なお、本実施形態では、LEDランプ本体の形状を円筒形にしたが、これに限定されず断面が4角形等からなる扁平な多角柱であってもよい。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明は、リビングや和室、更に、寝室や子供部屋等の各居室や廊下、玄関等の天井面や壁面等に沿って設置されるLED照明装置として、広く適用することができる。
1:LEDランプ本体
10:ベース部材
10a:ベース部材取付部
10b:ベース部材配線孔
10c:ベース外縁部
11:取付部分
11a:アダプタ受け部材
11b:アダプタ係止挿入部
11c:アダプタ前面開口部
11d:アダプタ背面開口部
11e:アダプタ受け部材配線孔
11f:アダプタ受け部材固定孔
12:天井面用弾性部材
13:点灯基板
13a:電子部品
14:LED基板
14a:基板凹部
14b:基板接続線
14c:発光用基板コネクタ
14d:電子部品
14e:リモコン信号受光部
14f:補助光源
14g:リモコン用基板コネクタ
15:LED素子
16:周方向リブ
16a:中央部側リブ
16b:周縁部側リブ
17:放射方向リブ
18:基板固定台
19:電源カバー
19a:電源カバー内縁部
19b:電源カバー外縁部
19c:電源カバー背面壁
19d:電源カバー内側壁
19e:電源カバー外側壁
19f:電源カバー開口部
3:透光性カバー
31:セード
31a:セード外縁部
31b:セード受け部
31c:セード留め具
31d:セード開口部
32:センタースリーブ
32a:スリーブ嵌合部
32b:スリーブ留め部
32c:スリーブ凸部
32d:スリーブ固定部
33:ベース部材用弾性部材
34:フタ部材
4:センターキャップ
41:キャップ嵌合部
41a:キャップ留め片
41b:キャップ押圧片
41c:キャップ凸部
42:キャップ凹部
5: 天井面
6: アダプタ
6a:係止部
6b:引掛刃
6c:止め具
6d:ボタン
7:配線器具
100:LED照明装置
本発明は、LED素子を光源に使用したLED照明装置に係り、特に天井面に設置された配線器具に接続される天井直付け型シーリングライトにおいて、光を出射させる透光性カバーの改良に関するものである。
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。更に最近は、天井直付け型のシーリングライトや、天井面から吊り下げられて室内を照らす吊下げ型照明機器においても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
このような天井直付けシーリングライトは、天井面に取り付けられた引掛シーリングボディ等の配線器具に、アダプタを介して照明装置を装着するものであり、特に最近は厚みの薄いシーリングライトが検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
具体的には、例えば、特許文献1に記載されている照明装置は、発光素子を光源とする光源部と、この光源部から光が照射され、光の透過率が相対的に小さい領域と、光の透過率が相対的に大きい領域とが混在するように形成された光透過制御部と、この光透過制御部に対応して設けられた多面体からなる光学製品とを具備する。これにより、グレアを抑制して演出効果を高め、照明装置として付加価値を高めることが可能な照明装置が提供される。
しかしながら、この特許文献1に記載されている照明装置においては、グレアを抑制するために光透過制御部や多面体からなる光学製品を具備している。このため、セードに対して光透過制御部や多面体からなる光学製品を具備しているので、本体の軽量化を図ることが難しく、コストダウンを図ることも難しくなる問題があった。
また、特許文献2に記載されている照明装置は、LEDを含んでなる光源と、光源に電力を供給する電源基板と、光源及び電源基板を保持する保持体と、光源を覆う透光性カバーとを備えており、保持中は、保持体を被取付部材に取付けるための穴をその略中央に有し、電源基板は、保持体の穴の周囲に設けられ、光源は、電源基板の周囲に設けられ、照明装置は、保持体の穴に対向して配置されるセンターカバーをさらに備える。このように、光源、電源部及び取付部を夫々被取付部材に対して互いに重なり合わないように保持体に配することにより、被取付部材からの突設高さを低減することができ、薄型化された照明装置が提供される。
しかし、この特許文献2に記載されている照明装置においては、光源、電源部及び取付部を夫々被取付部材に対して互いに重なり合わないように保持体に配設されているため、薄型化はできるが、特に径方向にコンパクトにすることが難しく、コストダウンを図ることも難しくなる問題があった。
さらに、特許文献3に記載されている照明器具は、主光源としての複数の発光素子が実装された基板と同一基板に、補助光源としての発光素子及び赤外線リモコン送信器から送信される制御信号を受信する赤外線リモコン信号受光素子が実装されている。このように、主光源と同一基板に、補助光源、赤外線リモコン信号受光素子を実装することにより、違和感を生じることなく、配線接続関係を簡素化できる照明器具が提供される。
しかし、この特許文献3に記載されている照明器具においては、主光源と同一基板に、補助光源、赤外線リモコン信号受光素子が実装されているため、配線接続関係を簡素化することはできるものの、一方で、発光素子の駆動信号と赤外線リモコン信号受光素子の信号が同一配線接続されているので、ノイズによる誤動作防止を図ることが難しくなる問題があった。
特開2013−80680号公報
特開2013−179093号公報
特開2012−160426号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、コンパクト化及び軽量化とコストダウンを実現しつつ、ノイズに対する誤動作を防止することができ、広く均一に照らせる、天井面の配線器具に簡単に取り付けられるLED照明装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、天井面等の被取付部に取り付けられるLEDランプ本体と、このLEDランプ本体を覆う透光性カバーと、この透光性カバーに嵌合されるセンターキャップとを備えたLED照明装置であって、LEDランプ本体は、被取付部の配線器具に取り付けられたアダプタに取付けられる取付部分を有するベース部材と、このベース部材に配設される点灯基板と、この点灯基板により点灯するLED素子と、このLED素子を実装したLED基板とを有し、透光性カバーは、光を出射するセードと、取付部分とセードの前面側に設けられたセード開口部をつなぐ略円筒形のセンタースリーブとから成り、セードとセンタースリーブとが一体に構成され、センターキャップは、キャップ嵌合部を有し、透光性カバーのセンタースリーブに設けられたスリーブ嵌合部に、キャップ嵌合部を嵌合することにより透光性カバーのセード開口部に嵌合され、スリーブ嵌合部は、透光性カバー内に粉塵や虫等の進入を防ぐフタ部材を有していることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、センターキャップは、透光性カバーのセンタースリーブとロック機構により嵌合されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第2の解決手段において、ロック機構は、センタースリーブの前面側に設けられ、凸形状を有するスリーブ凸部を備えたスリーブ嵌合部と、センターキャップに設けられ、センターキャップの回動によりスリーブ凸部を乗り越えてスリーブ凸部に係合して、センターキャップをセード開口部に固定する凸形状を有するキャップ凸部を備えたキャップ嵌合部とから成っていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、透光性カバーの外縁部は、ベース部材に、弾性部材を介して嵌装されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、補助光源とリモートコントロール信号受光部が、異なる別々のLED基板に設置されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、LED基板は、ベース部材の外縁部から中心部に向かって前面側に傾斜して配置されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第6の解決手段において、LEDランプ本体は、LED基板を支持する基板固定台を更に有し、この基板固定台は、ベース部材の外縁部から中心部に向かって前面側に傾斜していることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第7の解決手段において、基板固定台は、断熱性を有する部材から形成されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、セードとセンタースリーブが一体で構成されているため、コンパクト化されるとともに、製造に要する手間と時間を削減することができ、軽量化とコストダウンすることができると共に、センターキャップをセンタースリーブに嵌合するためのスリーブ嵌合部は、透光性カバー内に粉塵や虫等の進入を防ぐフタ部材を有しているため、このスリーブ嵌合部を、透光性カバーの一体成形により製造するためには、スリーブ嵌合部の一部に、開口部を設定する必要があることから、この製造上必要となった開口部に、別部材のフタ部材により対応して、ベース部材と透光性カバーとの間を密閉して透光性カバー内に粉塵や虫等の進入を防ぐことができる実益がある。
同時に、本発明によれば、上記のように、センターキャップは、ロック機構により、センタースリーブと嵌合されているため、確実な嵌合を行うことができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、透光性カバーの外縁部は、ベース部材に弾性部材を介して嵌装されているため、コンパクト化を図り、コストダウンできるとともに、この弾性部材の弾性変形によりベース部材の形状に追随して密着することができるため、ベース部材と透光性カバーの間が密閉されて、LED照明装置に粉塵や虫等の侵入を防ぐ効果も合わせて生じさせることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、補助光源とリモートコントロール信号受光部(以下、リモコン信号受光部と略称する。)が、異なる別々のLED基板に設置されているため、ノイズに対する誤動作防止策が図ることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、LED基板は、断熱性を有する基板固定台によりベース部材の外縁部から中心部に向かって前面側に傾斜して配置されているため、二次元的にはLED素子の充分な取付面積を確保しつつ、前面側から見た場合の投影面積を小さくすることができるため、充分な光量を確保しつつ、省スペース化を達成することができ、さらなるコンパクト化を実現することができる実益がある。
本発明のLED照明装置の外観斜視図である。
本発明のLED照明装置の垂直断面図である。
本発明のLED照明装置の分解斜視図である。
本発明のLED照明装置の透光性カバーを外した状態の平面図である。
本発明に用いられるベース部材の斜視図である。
本発明に用いられるベース部材の断面図である。
本発明に用いられる電源カバーの斜視図である。
本発明に用いられる電源カバーの断面図である。
本発明に用いられるアダプタの斜視図である。
本発明に用いられる取付部分の断面図である。
本発明に用いられるアダプタ受け部材の斜視図である。
本発明に用いられるアダプタ受け部材の断面図である。
本発明に用いられるLED基板の上面図である。
本発明に用いられる透光性カバーの斜視図である。
本発明に用いられる透光性カバーの断面図である。
本発明に用いられるセンターキャップの斜視図である。
本発明に用いられるセンターキャップの断面図である。
本発明に用いられるフタ部材の斜視図である。
本発明に用いられるスリーブ嵌合部の斜視図である。
本発明に用いられるキャップ嵌合部の斜視図である。
本発明のLED照明装置の断面図の一部拡大図である。
本発明に用いられる基板固定台の斜視図である。
本発明のLED照明装置の断面図の一部拡大図である。
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。
図1乃至図3は、本発明の照明装置100の実施の形態の一つを示し、この本実施形態に係わるLED照明装置100は、図1乃至図3に示すように、LEDランプ本体1と、このLEDランプ本体1に取り付けられてLEDランプ本体1を覆う透光性カバー3と、この透光性カバー3のセード31の前面側に設けられたセード開口部31dを覆うセンターキャップ4とから成っている。このLED照明装置100は、特に図2に示すように、天井面5にあらかじめ設置されているロゼットや引掛シーリングボディ等の配線器具7に、電気的かつ機械的に接続されるアダプタ6を備え、さらにアダプタ6にLEDランプ本体1が着脱自在に装着される。天井面5にLED照明装置100を装着する場合、電源カバー19の天井面5側に取付けられているポリウレタン等の天井面用弾性部材12を天井面5へ向けて押し込み、アダプタ6とLEDランプ本体1の取付部分11とを接続するように、LED照明装置100を押圧する。その後、透光性カバー3の前面側開口部に、センターキャップ4を嵌合して、LED照明装置100はシーリングライトとして使用可能となる。天井面用弾性部材12は、天井面5に接触させて、LED照明装置100の位置ずれや振動を防止することができる。この場合、被取付部としての配線器具7が天井面5に設けられていれば、天井面5に特別な補強を施すことなく、施工性良くLED照明装置100を取付けることができる。
(1.LEDランプ本体)
LEDランプ本体1は、図3及び図4に示すように、ベース部材10と、このベース部材10を天井面5等の被取付部の配線器具7に取り付けられたアダプタ6に取付ける取付部分11と、このベース部材10の背面側に設置された電源カバー19と、この電源カバー19に配設される点灯基板13からなっている。また、LEDランプ本体1は、図3及び図4に示すように、この取付部分11よりも外周側においてベース部材10の前面に配設されるLED基板14と、このLED基板14に実装されるLED素子15をも有している。
(1.−1 ベース部材)
LEDランプ本体1のベース部材10は、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって作成される。ベース部材10は、図2乃至図6に示すように、円盤形状で、特に図5に示すように中心部に円形のベース部材取付部10aが開口し、取付部分11が外部より目視出来るように形成されている。
また、ベース部材10には、図5に示すように、環状に加工された中央部側リブ16aと周縁部側リブ16bから成る周方向リブ16と、放射方向リブ17が加工されている。これらのリブ16、17を設けることにより、ベース部材10の強度を補強することができ、ベース部材10を構成する金属材料の厚みを薄くすることが可能になり、軽量化とコストダウンを実現することができとともに、放熱面積を増加することができる。
(1.−2 電源カバー)
電源カバー19は、図7及び図8に示すように、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって略円環状に作成される。この電源カバー19は、図7及び図8に示す電源カバー外縁部19bを、ベース部材10の背面に取り付けることにより、ベース部材10に取り付けられる。具体的には、電源カバー外縁部19bは、ベース部材10の周縁部側リブ16bの背面側の凸部に固定され、電源カバー内縁部19aは、取付部分11のアダプタ受け部材11aに固定される。また、電源カバー19の電源カバー外側壁19eは、図7及び図8に示すように、前面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、電源カバー背面壁19cの中央部には電源カバー開口部19fが形成されて、電源カバー開口部19fは、電源カバー背面壁19cより前面側に向かって縮閉するように傾斜状をなして電源カバー内側壁19dが設けられている。
(1.−3 点灯基板)
点灯基板13は、図2、図3及び図21に示すように、配線器具7からの交流電流を直流に変換してLED基板14に供給するために、電源カバー19の電源カバー背面壁19cの前面側に、台形状に配設されている。点灯基板13は、電子部品13aが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯基板13の電子部品13aが搭載されていない裏面を、電源カバー19の前面側に絶縁シートを介して配設することにより、点灯基板13から発生する熱を、電源カバー19を介して放熱することが可能となる。なお、この点灯基板13を構成する電子部品13aとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
(1.−4 取付部分)
取付部分11は、図10乃至図12に示すように、アダプタ6が挿通し係合するアダプタガイド部分であり、LEDランプ本体1をアダプタ6に、取り付ける部分である。この取付部分11は、図10に示すように、アダプタ6を挿入することができる開口空間を形成する電源カバー開口部19fと、ベース部材10のベース部材取付部10aと、本発明においては、更に、電源カバー19とベース部材10との間に挟まれるアダプタ受け部材11aとから成っている。この取付部分11は、図9に示すアダプタ6の係止部6aを、LEDランプ本体1を接続するアダプタ受け部材11aのアダプタ係止挿入部11bで受けて、固定する。アダプタ受け部材11aは、図10乃至図12に示すように、電源カバー19の内縁部19aとベース部材10のベース部材取付部10aの間に嵌装されて図示しないネジにより固定されることにより、電源カバー19とベース部材10との間に挟まれる。
アダプタ6は、図9に示すように、天井面5に設置された配線器具7に、上面側に設けられた引掛刃6bによって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、配線器具7に差し込み、回動して固定される。固定を保持させるために、アダプタ6の上面側に止め具6cが設けられている。止め具6cは、周壁のボタン6dを押入操作することにより解除されるようになっている。アダプタ6の周壁の両側には、一対の係止部6aが内蔵されたスプリングによって、常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部6aは、下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタ6からは、点灯基板13へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯基板13とコネクタを介して接続されるようになっている。
さらに、アダプタ受け部材11aには、図11及び図12に示すように、アダプタ6からの商用電源を点灯基板13に送るための配線と、点灯基板13からLED基板14への配線を通すためのアダプタ受け部材配線孔11eが2箇所設けられている。この2つのアダプタ受け部材配線孔11eの端部は、配線が金属材のベース部材配線孔10bに接触しないように、アダプタ受け部配線孔11eの周囲を凸形状としてベース部材配線孔10bの内側に嵌装させている。これにより、配線が金属材のベース部材配線孔10bに接触することがないので、配線の外的損傷を防ぐことができる。
また、このアダプタ受け部材11aは、例えば、リカーボネイト(PC)等の熱可塑性合成樹脂からから形成されている。この場合、取付部分11には、LED照明装置100の着脱時に大きな力が掛かるために、強度的に強い金属材等により構成されていることが多いところ、本発明では、この合成樹脂材から成るアダプタ受け部材11aを、金属材により作成されている電源カバー19の電源カバー内縁部19aとベース部材10のベース部材取付部10aで挟んでいるため、強度と軽量化の両方を兼ね備えることができる構造となっている。具体的には、アダプタ受け部材11aは、そのアダプタ背面開口部11dを、電源カバー開口部19fに嵌装して、電源カバー開口部19f側よりアダプタ受け部材固定孔11fにネジを挿通することにより、電源カバー19に固定される。一方、アダプタ受け部材11aは、そのアダプタ前面開口部11cを、ベース部材取付部10aに嵌装して、ベース部材取付部10a側よりネジを挿通することにより、ベース部材10に固定される。これにより、アダプタ受け部材11aは、図10に示すように、電源カバー19とベース部材10との間に挟まれる。
また、金属材の電源カバー19とベース部材10の間に、合成樹脂材のアダプタ受け部材11aを介在することにより、電源カバー内縁部19aとベース部材取付部10aを作成する金属材の絞り加工による曲げ加工量を抑えることが可能となり、工数とコストの削減も可能とすることができる。
(1.−5 LED基板)
LED基板14は、図3、図4、図13及び図21に示すように、所定の幅寸法を有した円弧形状の8枚の基板が基板接続線14bによりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。このLED基板14は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEH−3)から成り、片面側にLED素子15と電子部品14dが実装されている。このように分割された基板を用いることにより、基板の分割部分で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、このLED基板14は、特に図21に示すように、部分的に点灯基板13と直交する方向において位置するように、即ち、点灯基板13と垂直方向において部分的に重なるように、ベース部材10に配設されている。このため、LED照明装置100の直径を小さくして省スペース化によりLED照明装置100をコンパクトにすることができ、コストを低減することができる。
また、このLED基板15には、図4に示すように、LED素子15が、ベース部材10の垂直方向中心軸に対し、複数の円周上に配置され、一つの円周上のLED素子15が他の円周上のLED素子15と、千鳥状の関係を構成するように配置されている。それにより、LED基板14は、透光性カバー3が均一な明るさになる基板を構成し、ベース部材10に合成樹脂性のピン等により固定されている。LED基板14のLED素子15が搭載されていない裏面を、ベース部材10に固定されて熱的に結合されていることにより、LED基板14から発生する熱をベース部材10により放熱することが可能となる。これにより、LED素子15の効率を高めることもできるようになる。なお、LED素子15のLED素子搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、さらに光取り出し効率の改善することができる。
LED基板14は、図13に示すように、LED素子15が搭載されていない略サークル形状の中心部側で隣接するLED基板14と基板接続線14bにより接続されて、円環状に配設されている。基板接続線14bの両端部は、各基板に半田で接続されLED素子15に駆動用の電気を送っている。図13に示すように、このLED基板14の1つに、補助光源14fと点灯用の給電のための点灯基板13からの配線を接続する発光用基板コネクタ14cが設けられている。発光用基板コネクタ14cは、中心部側に配置されているので点灯基板13から取付部分11を通っての電源供給が行い易く、LED基板14内の配線長を最短にできる構成をとることができる。
補助光源14fは、図13に示すように、主光源であるLED素子15と同一基板に実装されて、通常は常夜灯用として用いられていることが多い。この補助光源14fは、主光源のLED素子15と同じ仕様のLED素子を使用することができ、また、他の調色仕様のLED素子を使用することもできる。この補助光源14fとして用いられるLED素子により、光の出射範囲が異なる場合がある。例えば、補助光源14fに、砲弾型のLED素子を用いる場合は、そのまま基板に実装しても、光の出射範囲が狭いので常夜灯として適している。しかし、チップ型のLED素子を用いる場合は、そのまま基板に実装して用いると、光の出射範囲が広すぎるので、常夜灯として用いる場合には、不都合な場合がある。その場合には、チップ型のLED素子を図示しない円筒形の筒で覆うことにより、光の出射範囲を変更することにより対応が可能となる。なお、補助光源14fは、図13に示すように、LED基板14の略サークル形状の中心部側に配設されており、これにより、多方向に均一な光を出射することができる。
また、図13に示すように、点灯基板13からの配線を接続する発光用基板コネクタ14cが設けられているLED基板14とは異なる別のLED基板14に、赤外線のリモコン信号受光部14eと、このリモコン信号受光部14eの作動のための給電を行う点灯基板13からの配線を接続するリモコン用基板コネクタ14gが設けられている。このリモコン用基板コネクタ14gは、図13に示すように、LED基板14の略サークル形状の中心部側に配置されているので点灯基板13から取付部分11を通っての配線が行い易く、LED基板14内の配線長を最短にできる構成をとることができる。また、このように、補助光源14fとリモコン信号受光部14eを、異なる別々のLED基板14に設置して、電源供給の配線とは別にリモコン信号の配線を行うことにより、ノイズに対する誤動作を防止することができる。
このリモコン信号受光部14eは、外部のリモートコントローラー(以下、リモコンと略称する。)からの信号を受光して、LED照明装置100を制御するものである。リモコンからは、照明装置動作信号、調光信号、調色信号、リモコンの周波数選択信号等が、送られる。リモコンの周波数選択信号は、例えば同じ部屋において同じ周波数を使用するリモコンがある場合に、他のリモコンの操作により動作してしまう誤動作を防ぐために設けられている。
また、図13に示すように、LED基板14の隣接する他のLED基板14と対向する端部の外周側に近い部分に、それぞれのLED基板14に略半円状の基板凹部14aが2箇所設けられている。この基板凹部14aは、電源カバー19をベース部材10に固定するためのネジが、周縁部側リブ16bに挿入されている部分で、ネジとLED基板14との距離をとることにより、LED基板14の絶縁延命距離を保つ役割を有する。
(1.−6 LED素子)
なお、このLED基板14に実装されるLED素子15としては、公知の種々のLEDを用いることができる。本実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なLED照明装置の構成となっている。
(1.−7 LEDランプ本体の組付)
上述したLEDランプ本体1を構成するベース部材10、電源カバー19、点灯基板13、LED基板14の相互の位置関係について、図21を参照しながら説明する。まず、図21に示すように、ベース部材10の背面側に円環状の電源カバー19に配設された点灯基板13が、取付部分11を囲むように配設されている。ベース部材10の前面側に8枚の円弧状のLED基板14が、取付部分11を囲むように配設されている。LED基板14は、点灯基板13と垂直方向において部分的に重なるようにベース部材10に配設されている。これらにより、本発明のLED照明装置100は、省スペース化することが可能になり、コンパクト化することができ、コストを削減することが可能となる。
(1.−8 LED基板の傾斜配置)
なお、図21に示す実施の形態では、LED基板14を、ベース部材10に直接配設したが、必ずしも、この態様に限定されるものではなく、さらなるコンパクト化を実現するために、他の実施の形態とすることもできる。具体的には、図22及び図23に示すように、LED基板14を基板固定台18に固定して、さらに、この基板固定台18をベース部材10に固定することにより、LED基板14を、基板固定台18を介して、ベース部材10に配設することもできる。この基板固定台18は、図22及び図23に示すように、ベース部材10の外縁部から中心部に向かって前面側(LEDランプ本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側)に向けて傾斜して形成されている。この場合、複数の基板固定台18をベース部材10に配設して、全体として、環状となるように配列することができる。
これらの基板固定台18は、平面的に見た場合に、ベース部材10の中心部に近づくに連れ、幅が狭くなる略台形状に形成され、その略台形状の上底と下底に傾斜を付けるために裏側に凸部が設けられている。下底の端部である2箇所と、下底中央部から上底方向に設けられた凸部先端の1箇所の、合計3箇所でベース部材10に固定されている。3箇所で固定することにより片側支持を避けることができ、振動等に対する固定強度を向上させることができる。
また、この基板固定台18は、取付けられるLED基板14の発熱をベース部材10側に伝えないように、断熱性を有する樹脂材料を使用して、射出加工等によって作成される。基板固定台18は、強度を妨げない程度に、中心部に貫通穴を設けて、軽量化、対流によるLED基板14の放熱を促進している。なお、上述したように、複数の基板固定台18を組み合わせて、環状に配列することができるが、LED基板14を傾斜させて取り付けることができる構造であれば、必ずしも、複数の基板固定台18を用いた形態に限定されるものではなく、一体の基板固定台18として組み立て工数の削減を図ることもできる。
このように、LED基板14を、基板固定台18等により、ベース部材10の外周部から中心部に向かって前面側に傾斜して配置することにより、二次元的にはLED素子15の充分な取付面積を確保しつつ、前面側から見た場合の投影面積を小さくすることができ、充分な光量を確保しつつ、特に、径方向における省スペース化を図ることにより、さらなるコンパクト化を実現することができる。
(2.透光性カバー)
一方、このLEDランプ本体1に取り付けられる透光性カバー3は、図2及び図3、図14及び図15に示されるように、光を出射するセード31と、LEDランプ本体1の取付部分11とセード31の前面側開口部をつなぐ略円筒形のセンタースリーブ32から成り、特に図2に示すように、ベース部材10に嵌装されて、LEDランプ本体1を覆っている。
この場合、本発明においては、透光性カバー3は、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して、特に図14及び図15に示すように、円形のドーム形状のセード31と円筒形状のセンタースリーブ32とを一体として成形されている。これにより、製造工程を削減して、製造に要する手間とコストを削減することができると同時に、透光性カバー3のコンパクト化及び軽量化を実現することができる。
なお、透光性カバー3の材質として、ポリプロピレン(PP)を用いるのは、軽量化及びコストダウンを図る上で好適であることに加え、外部のリモコンから出される赤外線の信号を透過して、LED基板14に設けられたリモコン信号受光部14eまで、赤外線の信号を到達させるのに、好適だからである。また、透光性カバー3は、セード31を連続した曲面形状にすることや、セード31に高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、さらに全面で均一に発光させることができる。これにより、セード31は、出射光を光拡散して全面で均一に発光させることができる。
この透光性カバー3のベース部材10への嵌装は、ベース部材10のベース外縁部10c(図5参照)と、セード31のセード外縁部31aの外周に沿って設けられたセード受け部31b及びセード外縁部31aの複数の個所に設けられたセード留め具31cの間に挿入されたポリウレタン等のベース部材用弾性部材33(図21、図23参照)を介して行われる。この場合、図2に示すように、透光性カバー3をベース部材10に嵌装し、センタースリーブ32のスリーブ固定部32dをベース部材10に固定することにより、密閉する。従って、セード31の外径と、ベース部材10の外径は、ほぼ同じ大きさとすることができ、これにより、LEDランプ本体1と同様に、透光性カバー3のコンパクト化をも実現することができると同時に、コストダウンを図ることもできる。また、このベース部材用弾性部材33の弾性変形により、ベース部材10のベース外縁部10cの形状に追随して密着して嵌合することができるため、ベース部材10と透光性カバー3の間が密閉されて、LED照明装置100に粉塵や虫等の侵入を防ぐ効果も合わせて生じさせることができる。
なお、本発明のLED照明装置100においては、点灯基板13を配設した電源カバー19をベース部材10の背面に配設しているので、LED基板14は、LED基板14とセード31の中心部との距離、セード31のセード外縁部31aとの距離を均等にして、LED基板14をベース部材10に配設することが可能となり、透光性カバー3を全面均一に光らせることができる。
(3. センターキャップ)
更に、セード31の前面側に設けられたセード開口部31dを覆うセンターキャップ4は、図1及び図2、図16及び図17に示すように、透光性カバー3のセード開口部31dと嵌合して、LED照明装置100の光出射面を構成する。このセンターキャップ4は、特に、図16及び図17に示すように、円盤形状に形成され、前面にはセンターキャップ4を手により回動させて、セード開口部31dと嵌合させるために用いるキャップ凹部42と、センターキャップ4の外縁に対向して設けられたキャップ嵌合部41とを有している。
このセンターキャップ4のキャップ嵌合部41の透光性カバー3のセード開口部31dへの嵌合について、図18乃至図20を用いて説明する。図19に示す透光性カバー3のスリーブ嵌合部32aに、図20に示すキャップ嵌合部41が嵌合される。このスリーブ嵌合部32aは、図19に示すように、センタースリーブ32の内周面において前面側であるセード31のセード開口部31dに臨むようにして、相対向して2箇所設けられている。また、スリーブ嵌合部32aは、図19に示すように、キャップ嵌合部41のキャップ押圧片41b(図20参照)と接して押圧されるスリーブ留め部32bと、キャップ嵌合部41のキャップ留め片41aのキャップ凸部41c(図20参照)をロックするための凸形状のスリーブ凸部32cと、透光性カバー3内に粉塵や虫等の進入を防ぐフタ部材34から成っている。このスリーブ嵌合部32aを、透光性カバー3の一体成形により製造するためには、スリーブ嵌合部32aの一部に、開口部を設定する必要があることから、この製造上必要となった開口部に、別部材のフタ部材34により対応して、ベース部材10と透光性カバー3との間を密閉している。
一方、キャップ嵌合部41は、図20に示すように、スリーブ嵌合部32aのスリーブ留め部32bに接してこのスリーブ留め部32bを押圧するために、挿入側から徐々に厚くなりその後一定の厚さを保持するキャップ押圧片41bと、このキャップ押圧片41bと並んで挿入側よりキャップ押圧片41bより薄い一定の厚さを保持し、途中にロックするための凸形状のキャップ凸部41cを有するキャップ留め片41aから成っている。
センターキャップ4は、このキャップ嵌合部41をスリーブ嵌合部32aに挿入して、センターキャップ4を回動することにより、透光性カバー3のセード開口部31dに嵌合させる。キャップ押圧片41bが、スリーブ留め部32bに接してこのスリーブ留め部32bを押圧するとともに、キャップ留め片41aのキャップ凸部41cが、スリーブ凸部32cを乗り越えることにより、センターキャップ4がセード開口部31dに固定される。これにより、センターキャップ4を、セード開口部31dにロックして保持することができ、ロック機能を有する嵌合を実現することができる。
(4. その他)
以上のように、本実施形態では、セード31とセンタースリーブ32が一体で構成されている。これらによってLED照明装置は、軽量化とコストダウンでき、良好な意匠性を示している。なお、本実施形態では、LEDランプ本体の形状を円筒形にしたが、これに限定されず断面が4角形等からなる扁平な多角柱であってもよい。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明は、リビングや和室、更に、寝室や子供部屋等の各居室や廊下、玄関等の天井面や壁面等に沿って設置されるLED照明装置として、広く適用することができる。
1:LEDランプ本体
10:ベース部材
10a:ベース部材取付部
10b:ベース部材配線孔
10c:ベース外縁部
11:取付部分
11a:アダプタ受け部材
11b:アダプタ係止挿入部
11c:アダプタ前面開口部
11d:アダプタ背面開口部
11e:アダプタ受け部材配線孔
11f:アダプタ受け部材固定孔
12:天井面用弾性部材
13:点灯基板
13a:電子部品
14:LED基板
14a:基板凹部
14b:基板接続線
14c:発光用基板コネクタ
14d:電子部品
14e:リモコン信号受光部
14f:補助光源
14g:リモコン用基板コネクタ
15:LED素子
16:周方向リブ
16a:中央部側リブ
16b:周縁部側リブ
17:放射方向リブ
18:基板固定台
19:電源カバー
19a:電源カバー内縁部
19b:電源カバー外縁部
19c:電源カバー背面壁
19d:電源カバー内側壁
19e:電源カバー外側壁
19f:電源カバー開口部
3:透光性カバー
31:セード
31a:セード外縁部
31b:セード受け部
31c:セード留め具
31d:セード開口部
32:センタースリーブ
32a:スリーブ嵌合部
32b:スリーブ留め部
32c:スリーブ凸部
32d:スリーブ固定部
33:ベース部材用弾性部材
34:フタ部材
4:センターキャップ
41:キャップ嵌合部
41a:キャップ留め片
41b:キャップ押圧片
41c:キャップ凸部
42:キャップ凹部
5: 天井面
6: アダプタ
6a:係止部
6b:引掛刃
6c:止め具
6d:ボタン
7:配線器具
100:LED照明装置