JP2015001536A - 非磁性一成分トナー、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置 - Google Patents

非磁性一成分トナー、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置 Download PDF

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聖次郎 石丸
Shojiro Ishimaru
聖次郎 石丸
真一 矢追
Shinichi Yaoi
真一 矢追
中村 安成
Yasushige Nakamura
安成 中村
田中 知明
Tomoaki Tanaka
知明 田中
石塚 大輔
Daisuke Ishizuka
大輔 石塚
宏太郎 吉原
Kotaro Yoshihara
宏太郎 吉原
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Abstract

【課題】帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができる非磁性一成分トナーを提供すること。【解決手段】トナー母粒子、及び、脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子、を含有し、前記無機酸化物粒子の体積平均粒径が、100〜1,000nmであり、前記トナー母粒子の帯電性と前記無機酸化物粒子の帯電性とが逆極性であることを特徴とする非磁性一成分トナー。また、前記トナー母粒子が正帯電性を有し、前記無機酸化物粒子が負帯電性を有することが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、非磁性一成分トナー、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置に関する。
近年、電子写真プロセスは、情報化社会における機器の発達や通信網の充実により、複写機のみならず、オフィスのネットワークプリンター、パソコンのプリンター、オンデマンド印刷のプリンター等にも広く利用され、白黒、カラーを問わず、高画質、高速化、高信頼性、小型化、軽量化、省エネルギー性能がますます強く要求されてきている。
電子写真プロセスは、通常、光導電性物質を利用した感光体(像保持体)上に種々の手段により電気的に静電荷像を形成し、この静電荷像をトナーを用いて現像し、感光体上のトナー画像を中間転写体を介して又は介さずに紙等の記録媒体に転写した後、この転写画像を記録媒体に定着する、という複数の工程を経て、定着画像を形成している。
電子写真による現像方式の1つとして、一成分現像方式がある。一成分現像方式は、磁性トナーを用いた磁性一成分現像方式と、非磁性トナーを用いた非磁性一成分現像方式に大別され、カラー化の観点から、非磁性一成分現像方式が選択されることが多い。
特許文献1には、着色樹脂微粒子と外添剤を含み、前記外添剤が脂肪酸及び/又は脂肪酸金属塩により処理された無機微粉末を含むことを特徴とするトナーが開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも結着樹脂、着色剤を含むトナー粒子と無機微粒子を有するトナーにおいて、該無機微粒子は、ゾルゲル法によって形成された微粒子であり、該無機微粒子の高温高湿環境放置;30℃/80%環境下で72時間放置後の含水分率MHHと常温低湿環境放置;23℃/5%環境下で72時間放置後の含水分率MNLの比MHH/MNLが1.0〜2.0であり、常温低湿環境放置後の含水分率MNLが0.1%以上3.0%未満であり、個数平均粒径が80〜200nmであることを特徴とするトナーが開示されている。
更に、特許文献3には、平均1次粒子径が100nm以下の酸化チタンを、脂肪酸金属塩、並びにチタンカップリング剤あるいはアルミネートカップリング剤で表面処理した酸化チタンを含有し、表面処理された酸化チタンの平均2次粒子径が150〜800nmであることを特徴とする電子写真用トナーが開示されている。
特開2003−43733号公報 特開2006−308642号公報 特開2009−3083号公報
本発明が解決しようとする課題は、帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができる非磁性一成分トナーを提供することである。
上記の課題は、以下の<1>及び<8>〜<11>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<7>と共に以下に記載する。
<1>トナー母粒子、及び、脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子、を含有し、前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が、100〜1,000nmであり、前記トナー母粒子の帯電性と前記無機酸化物粒子の帯電性とが逆極性であることを特徴とする非磁性一成分トナー、
<2>前記トナー母粒子が正帯電性を有し、前記無機酸化物粒子が負帯電性を有する、<1>に記載の非磁性一成分トナー、
<3>クリーニングブレードレス画像形成装置用非磁性一成分トナーである、<1>又は<2>に記載の非磁性一成分トナー、
<4>前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が、120〜800nmである、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナー、
<5>前記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナー、
<6>前記トナー母粒子が、乳化凝集法により製造されたトナー母粒子である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナー、
<7>前記無機酸化物粒子が、超臨界二酸化炭素中において、脂肪酸金属塩を含む被覆層を無機酸化物粒子の表面に形成する被覆層形成工程を備えた製造方法で製造された無機酸化物粒子である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナー、
<8><1>〜<7>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナーを含むことを特徴とする静電荷像現像剤、
<9>画像形成装置に着脱可能であり、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナーを収容し、かつ前記非磁性一成分トナーを保持して搬送する現像手段を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ、
<10>像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記像保持体表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程、を含み、クリーニングブレードによるクリーニング工程を含まず、前記トナーが<1>〜<7>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナーであることを特徴とする画像形成方法、
<11>像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体表面に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーにより前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体表面に転写する転写手段と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、クリーニングブレードを有さず、前記トナーが<1>〜<7>のいずれか1つに記載の非磁性一成分トナーであることを特徴とする画像形成装置。
上記<1>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができる非磁性一成分トナーを提供することができる。
上記<2>に記載の発明によれば、前記トナー母粒子が負帯電性を有し、前記無機酸化物粒子が正帯電性を有する場合に比して、帯電維持性により優れる非磁性一成分トナーを提供することができる。
上記<3>に記載の発明によれば、クリーニングブレードレス画像形成装置を使用する場合、帯電維持性により優れ、画像における白点発生をより抑制することができる非磁性一成分トナーを提供することができる。
上記<4>に記載の発明によれば、前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が120nm未満であるか、又は、800nmを超える場合に比して、帯電維持性により優れ、画像における白点発生をより抑制することができる非磁性一成分トナーを提供することができる。
上記<5>に記載の発明によれば、前記脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛でない場合に比して、帯電維持性により優れ、画像における白点発生をより抑制することができる非磁性一成分トナーを提供することができる。
上記<6>に記載の発明によれば、前記トナー母粒子が乳化凝集法により製造されたトナー母粒子でない場合に比して、帯電維持性により優れ、画像における白点発生をより抑制することができる非磁性一成分トナーを提供することができる。
上記<7>に記載の発明によれば、前記無機酸化物粒子が超臨界二酸化炭素中において、脂肪酸金属塩を含む被覆層を無機酸化物粒子の表面に形成する被覆層形成工程を備えた製造方法で製造された無機酸化物粒子でない場合に比して、帯電維持性により優れ、画像における白点発生をより抑制することができる非磁性一成分トナーを提供することができる。
上記<8>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができる静電荷像現像剤を提供することができる。
上記<9>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができる非磁性一成分トナーを備えたプロセスカートリッジを提供することができる。
上記<10>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができる画像形成方法を提供することができる。
上記<11>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
本実施形態で好適に使用されるタンデム方式の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 本実施形態の非磁性一成分トナー又は非磁性一成分現像剤を用いた現像装置の一例を示す概略模式図である。
以下に、本実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、「X〜Y」との記載は、XからYの間の範囲だけでなく、その両端であるX及びYも含む範囲を表す。例えば、「X〜Y」が数値範囲であれば、数値の大小に応じて「X以上Y以下」又は「X以下Y以上」を表す。
1.非磁性一成分トナー
本実施形態の非磁性一成分トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、トナー母粒子、及び、脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子、を含有し、前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が、100〜1,000nmであり、前記トナー母粒子の帯電性と前記無機酸化物粒子の帯電性とが逆極性であることを特徴とする。
本実施形態の非磁性一成分トナーは、非磁性一成分接触現像用トナーであることが好ましい。また、本実施形態の非磁性一成分トナーは、クリーニングブレードレス画像形成装置用非磁性一成分トナーであることがより好ましく、非磁性一成分接触現像方式のクリーニングブレードレス画像形成装置用トナーであることが特に好ましい。上記態様であると、本実施形態の効果がより発揮される。
更に、本実施形態の非磁性一成分トナーは、乳化凝集法により製造された非磁性一成分トナーであることが好ましい。
非磁性一成分現像方式の画像形成装置、特に、非磁性一成分現像方式のクリーニングブレードレス画像形成装置では、帯電維持性悪化の原因に、画像形成中に混入する紙粉がトナーと付着することにより、トナーの帯電性能が低下することが確認されている。また、使用する紙が炭酸カルシウムを含む紙である場合は、前記紙粉の主成分が、炭酸カルシウムとなり、導電性であるため、特にトナーの帯電性能が低下すると推定される。
また、非磁性一成分現像方式では、二成分現像とは異なり、キャリアのように帯電性の維持に寄与する粒子は存在しないため、トナーの帯電性能の低下が顕著である。
従来の改善手段としては、脂肪酸金属塩粒子を外添する方法が提案されている。
改善するメカニズムについては、脂肪酸金属塩粒子が紙粉を捕捉することによってトナーと紙粉の付着が抑制され、トナーの帯電性能が低下しないためと推定されている。しかしながら、脂肪酸金属塩粒子をトナーに外添すると、以下のような問題があることを本発明者らは見いだした。
脂肪酸金属塩粒子は、他の外添剤とも付着性が高く、特にトナーと逆極性で遊離によりマイクロキャリアとして帯電を付与する中〜大粒径無機酸化物(100〜1,000nm)粒子と付着しやすく、凝集化して画像上に白点が発生しやすい。
凝集化は、脂肪酸金属塩が無機酸化物粒子の表面処理材として使用されるシリコーンオイル等を吸着して無機酸化物粒子へと付着し、凝集へと成長すると推定される。
本発明者らは鋭意検討した結果、トナー母粒子、及び、脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子、を含有し、前記無機酸化物粒子の体積平均粒径が、100〜1,000nmであり、前記トナー母粒子の帯電性と前記無機酸化物粒子の帯電性とが逆極性であることを特徴とする非磁性一成分トナーとすることにより、帯電維持性に優れ、画像における白点発生を抑制することができることを見いだした。
その詳細な機構は明らかではないが、非磁性一成分現像方式の画像形成装置において、トナー母粒子の帯電性と逆極性であり、かつ平均一次粒径が100〜1,000nmである脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子を添加することで、前記無機酸化物粒子がマイクロキャリア機能によるトナーへの帯電付与と、大粒径かつ脂肪酸金属塩を表面に有することにより、混入した紙粉を十分捕捉することにより、トナーの帯電維持性を改善し、画像上の白点発生が抑制されると推定される。
本実施形態の非磁性一成分トナーは、トナー母粒子の帯電性と無機酸化物粒子の帯電性とが逆極性であり、トナー母粒子の帯電極性は、負帯電であっても、正帯電であってもよいが、トナー母粒子が正帯電性を有し、かつ無機酸化物粒子が負負帯電性を有することが好ましい。
1−1.トナー母粒子
本実施形態の非磁性一成分トナーにおいて、トナー母粒子は、結着樹脂を少なくとも含有し、必要に応じて着色剤、離型剤等を含有する。
前記トナー母粒子は、結着樹脂及び離型剤を含有することが好ましく、結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有することがより好ましい。
(1)結着樹脂
トナー母粒子が含有する結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、更にはこれらの混合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合樹脂、又は、これらと前記ビニル樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂は、例えば、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を、単独又は適宜組み合わせて公知の方法により得られる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂及びこれらの共重合樹脂を結着樹脂として使用する場合、重量平均分子量Mwが20,000以上100,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上30,000以下の範囲のものを使用することが好ましい。
これらの中でも、結着樹脂としては、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂、又は、ポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂が特に好ましい。また、結着樹脂を正帯電にするためには特に制限はないが、例えば、結着樹脂を構成する重合性単量体に含窒素の化合物を用いたり、メラミンのような含窒素樹脂を結着樹脂に混合して用いることができる。
本実施形態に使用されるポリエステル樹脂は、ポリオール成分とポリカルボン酸成分から重縮合により合成されることが好ましい。なお、本実施形態においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。更に、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
三価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、エチレン性不飽和二重結合を有するジカルボン酸成分を含有することがより好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有するジカルボン酸は、エチレン性不飽和二重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いられる。このようなジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、二価の多価アルコールとしては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(平均付加モル数1.5〜6)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
三価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂(「非結晶性ポリエステル樹脂」ともいう。)では、前記した原料モノマーの中でも、二価以上の第二級アルコール及び/又は二価以上の芳香族カルボン酸化合物が好ましい。二価以上の第二級アルコールとしては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセロール等が挙げられる。これらの中では、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が好ましい。
二価以上の芳香族カルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸及びトリメリット酸が好ましく、テレフタル酸及びトリメリット酸がより好ましい。
前記ポリエステル樹脂の酸価は、1〜50mgKOH/gであることが好ましく、5〜50mgKOH/gであることがより好ましく、8〜50mgKOH/gであることが更に好ましい。上記範囲であると、定着特性及び帯電安定性に優れるので好ましい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の一価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の一価のアルコールも用いられる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。また、金属触媒やブレンステッド酸触媒等の重縮合触媒を使用することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造してもよい。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150℃〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価や分子量に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造される。
結着樹脂のガラス転移温度は、40℃以上80℃以下の範囲にあることが好ましい。ガラス転移温度が上記範囲であることにより、最低定着温度が維持されやすくなる。
トナー母粒子における結着樹脂の含有量としては、特に制限はないが、トナーの全重量に対して、10〜95重量%であることが好ましく、25〜90重量%であることがより好ましく、45〜85重量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、定着性、帯電特性等に優れる。
(2)着色剤
本実施形態において、得られる画像の着色を目的として、トナー母粒子は着色剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、公知のものを用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性等の観点から任意に選択すればよい。
着色剤は、染料であっても顔料であってもよいが、耐光性や耐水性の観点から、顔料であることが好ましい。また、着色剤は有色着色剤に限定されるものではなく、白色着色剤、金属色を呈する着色剤であってもよい。
例えばシアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが用いられる。
マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同70、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同185、同202、同206、同207、同209、同238等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが用いられる。
イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同93、同97、同128、同155、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが用いられる。
また、ブラックトナーにおいては、その着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、Mn含有の非磁性粉などが用いられる。また、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合して、ブラックトナーとしてもよい。
着色剤としては、表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用してもよい。上記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等のカラートナーが調製される。
着色剤の使用量は、特に制限はないが、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜15重量部であることがより好ましい。また、着色剤として、これらの顔料や染料等を1種単独で使用する、又は、2種以上を併せて使用することができる。
なお、本実施形態において、着色剤を含有しないクリアトナー(透明トナー)を含むトナーセットとしてカラー画像を形成してもよい。光沢付与が望まれるカラートナー像に対し、その上ないし周辺に転写定着することで良好な光沢画像を得るためのクリアトナーとして好適に使用される。
(3)離型剤
本実施形態において、トナー母粒子は離型剤を含有することが好ましい。
離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス又はエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンワックスや、エステルワックスが好ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベフェニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
これらの中でも、ポリオレフィンワックスが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレンなどのα−オレフィン、又は、シクロヘキセン、ノルボルネンなどの環状オレフィンのホモポリマー、コポリマー、共重合体を単独/又は混合したものが挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン、又は、エチレン−プロピレン共重合体がより好ましく、ポリエチレンワックスが特に好ましい。上記態様であると、帯電維持性により優れ、得られる画像における白点発生がより抑制される。
離型剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
離型剤の含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましく、3〜15重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、良好な定着及び画質特性の両立が可能である。
(4)帯電極性
本実施形態において、トナー母粒子及びトナーの帯電性を制御するため、トナー母粒子表面を表面処理してもよいし、トナー母粒子に帯電制御剤を添加してもよい。
トナー母粒子がより正帯電となるように表面処理する方法としては、ポリアリルアミン類やポリアミノプロピルビグアナイド(ポリヘキサナイド)等をトナー母粒子表面に付着又は反応させる方法が好適に挙げられる。
前記ポリアリルアミン類やポリアミノプロピルビグアナイドにおけるアミノ基やビグアナイド基は、塩を形成していてもよい。
また、前記ポリアリルアミン類におけるアミノ基は、第1級アミノ基、第2級アミノ基、及び/又は、第3級アミノ基であってもよい。
ポリアリルアミン類としては、ポリアリルアミン、アリルアミン塩重合体、メチルジアリルアミン塩重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ポリジアリルアミン、ジアリルアミン塩重合体等が挙げられる。
また、市販のポリアリルアミン類としては、ニットーボーメディカル(株)製のPAAシリーズ及びPASシリーズ等が挙げられる。
また、ポリアリルアミン類やポリアミノプロピルビグアナイド等によるトナー母粒子の表面処理方法としては、トナー母粒子を含む分散液にポリアリルアミン類やポリアミノプロピルビグアナイド等を添加し、分散液のpHを5〜7に調整して、当該pHで維持し、表面処置を行う方法が好ましく挙げられる。
ポリアリルアミン類やポリアミノプロピルビグアナイドの添加量は、トナー母粒子の全重量に対し、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜2重量%であることがより好ましく、0.05〜0.1重量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、正帯電量がより多く、また、正帯電安定性に優れるトナーが容易に得られる。
また、トナー母粒子に添加してもよい帯電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩、及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料;高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物、アミノアクリル系樹脂、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
また、負帯電性の帯電制御剤としては、例えば、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/又はスルホニル基を含有する樹脂等が挙げられる。
これらの帯電制御剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤の添加量は、トナー母粒子の全重量に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。添加量が上記範囲内であると、良好な帯電性が得られる。
(5)その他の成分
本実施形態において、トナー母粒子は上記の成分に加え、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、特に制限はなく、無機粒子、有機粒子、滑剤、研磨剤等が例示される。
トナー母粒子の形状係数SF1が、110以上140以下が好ましく、125以上135以下がより好ましく、130以上135以下が更に好ましい。
トナー母粒子の形状係数SF1は、下記式により求められる。
・式:形状係数SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナー母粒子の絶対最大長、Aはトナー母粒子の投影面積を各々示す。
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡(SEM)画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナー母粒子の光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個のトナー母粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
ここで超臨界二酸化炭素を利用する脂肪酸金属塩の被覆方法を説明する。
脂肪酸金属塩を含む被覆層を芯材粒子の表面に形成する場合、超臨界二酸化炭素中で行うと、脂肪酸金属塩は超臨界二酸化炭素中に溶解した状態となる。ここで、超臨界二酸化炭素は界面張力が極めて低いという特性を持つことから、超臨界二酸化炭素中に溶解した状態の脂肪酸金属塩は、超臨界二酸化炭素と共にシリカ粒子の表面に拡散し易くなり、芯材粒子の表面全体に偏在しにくい状態で付着すると考えられる。また、芯材粒子が、例えば、ゾルゲルシリカ粒子のように表面に細孔を有する粒子であったとしても、超臨界二酸化炭素中での被覆層の形成であれば、超臨界二酸化炭素の上記特性により、超臨界二酸化炭素中に溶解した状態の脂肪酸金属塩が、ゾルゲルシリカ粒子の表面のみならず孔部の奥深くまで拡散され易くなり、ゾルゲルシリカ粒子の表面全体に付着すると考えられる。その結果、芯材粒子表面と被覆層との接触面積は向上し、これらの密着性が高まると考えられる。
他の製造過程において超臨界二酸化炭素を利用する、芯材粒子に脂肪酸金属塩を被覆する製造方法について、本実施形態に係る脂肪酸金属塩粒子の製造方法は限られるわけではなく、例えば、1)被覆層形成工程のみ超臨界二酸化炭素を使用する態様、2)予め乾式シリカ粒子を準備し、これに被覆層形成工程を順次行う態様、3)各工程を個別に行う態様等であってもよい。
1−2.無機酸化物粒子
本実施形態の非磁性一成分トナーは、脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子を含有し、前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が、100〜1,000nmであり、前記トナー母粒子の帯電性と前記無機酸化物粒子の帯電性とが逆極性である。
なお、本実施形態において、平均一次粒径が100〜1,000nmであり、トナー母粒子の帯電性と逆極性であり、かつ脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子を、「特定無機酸化物粒子」ともいう。
無機酸化物粒子表面に脂肪酸金属塩を付着させる方法としては、特に制限はなく、公知の方法が用いられる。
特定無機酸化物粒子における無機酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、シリカが特に好ましい。特定無機酸化物粒子がシリカ粒子であると、帯電維持性により優れ、得られる画像における白点発生がより抑制される。
特定無機酸化物粒子が表面に有する脂肪酸金属塩としては、炭素数10以上の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩が好ましい。
また、前記脂肪酸金属塩における脂肪酸は、飽和脂肪酸であることが好ましく、直鎖飽和脂肪酸であってもよく、分岐飽和脂肪酸であってもよく、また、環状構造を有していてもよく、特に限定されないが、直鎖飽和脂肪酸又は分岐飽和脂肪酸であることが好ましく、直鎖飽和脂肪酸であることがより好ましい。
また、前記脂肪酸金属塩における脂肪酸の炭素数は、10〜24であることが好ましく、12〜22であることがより好ましく、14〜22であることが更に好ましく、16〜20であることが特に好ましい。
前記脂肪酸金属塩における脂肪酸と金属塩を形成する金属としては、特に限定されないが、2価以上の金属であることが好ましく、2〜4価の金属であることがより好ましく、2価又は3価の金属であることが更に好ましく、2価の金属であることが特に好ましい。2価以上の金属塩であると、吸湿性が低いので好ましい。
具体的には、コバルト、マンガン、鉛、鉄、亜鉛、ジルコニウム、錫、銅、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、希土類元素、ニッケル、バリウム、カリウム、ナトリウム、リチウムが例示され、これらの中でも、入手容易性等の観点から、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、ジルコニウム、錫、鉄、カルシウム、マグネシウムであることが好ましく、亜鉛、カルシウム、マグネシウムであることがより好ましく、亜鉛であることが特に好ましい。
本実施形態における脂肪酸金属塩として、具体的には例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸インジウム、ステアリン酸ガリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、パルチミン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、ウンデシレン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等が挙げられる。
本実施形態における脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸金属塩が好ましく挙げられ、ステアリン酸亜鉛が特に好ましく挙げられる。
特定無機酸化物粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
特定無機酸化物粒子の体積平均粒径は、100〜1,000nmであり、120〜800nmであることがより好ましく、120〜500nmであることが更に好ましい。上記範囲であると、帯電維持性により優れ、得られる画像における白点発生がより抑制される。
また、特定無機酸化物粒子の体積平均粒径は、紙粉の補足力、及び、得られる画像における白点の発生をより抑制する観点から、200nm以上であることが好ましく、250nm以上であることがより好ましく、300nm以上であることが更に好ましい。
特定無機酸化物粒子の添加量としては、トナー母粒子100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましく、0.5〜5重量部であることが更に好ましい。
特定無機酸化物粒子の体積平均粒径や、後述する他の外添剤の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置により好適に測定される。レーザー回析式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製LA−920が好ましく挙げられる。
トナーから特定無機酸化物粒子を検出及び解析する方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行えばよいが、以下に示す方法が好適に用いられる。
例えば、トナーに直接又は分散液中にて超音波を照射し、特定無機酸化物粒子や外添剤とトナー母粒子とを分離する。各粒子の分離は、例えば、篩分や遠心分離等が好ましく挙げられる。
また、分離した特定無機酸化物粒子に対し、蛍光X線測定及びEDX(エネルギー分散型X線分析)マッピングを行い、粒子表面の金属元素及び脂肪酸由来の炭素原子を観測する方法が好適に挙げられる。
更に、分離した特定無機酸化物粒子から抽出等により脂肪酸金属塩を分離し、脂肪酸金属塩を特定してもよい。
また、分離した特定無機酸化物粒子を紫外線顕微鏡により観察し、無機酸化物のみからなる粒子であるか、脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子であるかを特定してもよい。
無機酸化物粒子は、分散性のよい公知の粒子が用いられ、例えば、無機粒子が挙げられる。無機酸化物粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化鉄、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、チタン酸バリウム、から構成される粒子が挙げられる。無機粒子は、上記の中でも、シリカ、酸化チタンから構成される粒子が好ましく、帯電性が向上する観点から、シリカから構成される粒子(以下、シリカ粒子と称する。)がより好ましい。シリカ粒子としては、湿式(例えば、ゾルゲル法等)、乾式(例えば、気相法等)のいずれの方式により得たシリカ粒子でもよく、例えば、ゾルゲルシリカ粒子、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフェームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子の粒度分布が揃い易くなる結果、脂肪酸金属塩粒子の流動性が向上し、かつ、帯電性が維持された脂肪酸金属塩粒子が得られる観点から、ゾルゲル法により得られるゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
1−3.他の外添剤
本実施形態の非磁性一成分トナーは、前記特性無機酸化物以外の外添剤(「他の外添剤」ともいう。)を含有することが好ましい。
他の外添剤としては特に限定されず、公知の外添剤から適宜選択すればよく、無機粒子及び有機粒子が例示されるが、無機粒子であることが好ましい。
無機粒子の材質としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ粒子や酸化チタン粒子が好ましい。
有機粒子の材質としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等の粒子が挙げられる。
他の外添剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、特に限定されないが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましい。
他の外添剤の体積平均粒径は、1〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましく、5〜100nmであることが更に好ましく、5nm以上100nm未満であることが特に好ましい。
また、他の外添剤の体積平均粒径は、前記特性無機酸化物の体積平均粒径よりも小さいことが好ましい。
他の外添剤の添加量としては、トナー母粒子100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましく、0.5〜5重量部であることが更に好ましい。
(トナーの製造方法及びトナー物性)
<トナー物性>
トナーの体積平均粒径は、2μm以上12μm以下が好ましく、2.5μm以上10μm以下がより好ましく、3μm以上9μm以下が更に好ましい。トナーの体積平均粒径が上記範囲内であると、流動性に優れ、また、高解像度な画像が得られる。
なお、トナー、トナー母粒子等の粒子の平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて好適に測定される。この場合、粒子の粒径レベルにより、最適なアパーチャーを用いて測定される。粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50pと定義する。体積平均粒径はD50vとして算出され、数平均粒径はD50pとして算出される。
<トナーの製造方法>
本実施形態において、トナーの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により製造すればよい。
例えば、結着樹脂、着色剤、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等の成分を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練し、この後、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂を乳化させ、形成された分散液と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂を得るための単量体、着色剤、及び、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂、着色剤、及び、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等;が使用される。また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造を形成する製造方法を行ってもよい。
これらの中でも、本実施態様の非磁性一成分トナーは、乳化凝集法により製造されたトナーであることが好ましい。また、本実施態様におけるトナー母粒子は、乳化凝集法により製造されたトナー母粒子であることが好ましい。
特定無機酸化物粒子や他の外添剤をトナー母粒子へ外添する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。具体的には例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いて乾式でトナー母粒子表面に付着する方法、外添剤を液体に分散させた後、スラリー状態のトナーに添加し乾燥させ表面に付着する方法、又は、湿式方法として、乾燥トナーにスラリーをスプレーしながら乾燥する方法が挙げられる。
2.静電荷像現像剤
本実施形態の静電荷像現像剤は、本実施形態の非磁性一成分トナーを少なくとも含有すする。必要に応じて、他の公知の成分を含有していてもよい。
また、本実施形態の静電荷像現像剤は、非磁性一成分現像剤であり、非磁性一成分接触現像方式による静電荷像現像剤として好適に用いることができ、また、クリーナレス(現像同時クリーニング)方式を用いた画像形成装置に用いることが特に好ましい。
3.プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
本実施形態の画像形成方法は、像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像ロール上に現像剤層を形成し、前記像保持体に接触して静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記被転写体に前記トナー像を定着する定着工程と、を含み、前記トナーが本実施形態の非磁性一成分トナー、又は、前記現像剤が本実施形態の静電荷像現像剤であることを特徴とする。
また、本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像保持体の表面に静電潜像を形成させる露光手段と、前記静電潜像を、トナーを含む現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を被転写体の表面に転写する転写手段と、前記被転写体の表面に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を有し、前記トナーが本実施形態の非磁性一成分トナー、又は、前記現像剤が本実施形態の静電荷像現像剤であることを特徴とする。
前記各工程及び各手段は、それ自体一般的であり、例えば、特開2012−203369号公報等に記載されている。なお、本実施形態の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ基等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記潜像形成工程は、像保持体(感光体)上に静電潜像を形成する工程である。
前記現像工程は、現像剤保持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、本実施形態の静電荷像現像トナーを含んでいれば特に制限はない。
前記転写工程は、前記トナー画像を被転写体上に転写する工程である。また、転写工程における被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体が例示できる。
前記定着工程では、例えば、加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により、転写紙上に転写したトナー像を定着して複写画像を形成する方式が挙げられる。
被記録媒体としては、公知のものを使用することができ、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される紙、OHPシート等が挙げられ、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本実施形態の画像形成方法は、像保持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング工程を有していてもよいが、クリーニング工程を有しないことが好ましい。
また、本実施形態の画像形成装置は、像保持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング手段を有していてもよいが、クリーニング手段を有しないことが好ましい。
本実施形態の画像形成方法においては、更にリサイクル工程をも含む態様でもよい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施される。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムに適用してもよい。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して該像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体の表面に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を有し、前記トナーを含む現像剤は、本実施形態の静電荷像現像トナーを含むことが好ましい。
なお、本実施形態の画像形成装置は、上記のような像保持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じて、除電手段等を含んでいてもよい。
前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。また、転写手段における被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体が例示できる。
前記像保持体、及び、前記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した手段のうちの複数を同時に行ってもよい。
非磁性一成分現像剤を用いて現像する画像形成装置の一例について、図1及び図2を用いて以下に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成方法により画像を形成するための、タンデム方式の画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置100は、ハウジング50内において4つの電子写真感光体(像保持体)1Y、1M、1C、1Kが中間転写ベルト20に沿って相互に並列に配置されている。電子写真感光体1K、1C、1M、1Yは、例えば、電子写真感光体1Yがイエロー、電子写真感光体1Mがマゼンタ、電子写真感光体1Cがシアン、電子写真感光体1Kがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール2Y、2M、2C、2K、現像装置4Y、4M、4C、4K、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K、が配置されている。この場合には、それぞれの電子写真感光体と現像装置が同一のユニットすなわち、プロセスカートリッジとして装着できるように構成されている。1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kはそれぞれ中間転写ベルト20を介して電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kに当接している。
更に、ハウジング50内の所定の位置には露光装置3が配置されており、露光装置3から出射された光ビームを帯電後の電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写の各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト20上に重ねて転写される。
ここで、帯電ロール2Y、2M、2C、2Kは、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて感光体に電圧を印加し、感光体表面を予め定められた電位に帯電させるものである(帯電工程)。なお、本実施形態において示した帯電ロールの他、帯電ブラシ、帯電フィルム若しくは帯電チューブなどを用いて接触帯電方式による帯電を行ってもよい。また、コロトロン若しくはスコロトロンを用いた非接触方式による帯電を行ってもよい。
露光装置3としては、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。
現像装置4Y、4M、4C、4Kには、後述する非磁性一成分トナー又は非磁性一成分現像剤を接触させて現像する一般的な現像装置を用いて行うことができる(現像工程)。そのような現像装置としては、非磁性一成分トナー又は非磁性一成分現像剤を用いる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを選択することができる。一次転写工程では、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kに、像保持体上のトナーと逆極性の1次転写バイアスが印加されることで、像保持体から中間転写ベルト20へ各色のトナーが順次1次転写される。
中間転写ベルト20は駆動ロール22、バックアップロール24により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール26は、中間転写ベルト20を介してバックアップロール24と当接するように配置されている。
2次転写ロール26に、中間転写ベルト20上のトナーと逆極性の2次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト20から被記録媒体Pへトナーが2次転写される。バックアップロール24と2次転写ロール26との間を通った中間転写ベルト20は、例えば駆動ロール22の近傍に配置されたクリーニングブレードを有するクリーニングユニット30或いは、除電器(不図示)により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。また、ハウジング50内の所定の位置にはトレイ(被記録媒体トレイ)40が設けられており、トレイ40内の紙などの被記録媒体Pが移送ロール30により中間転写ベルト20と2次転写ロール26との間、更には相互に当接する2個の定着ロール28の間に順次移送された後、ハウジング50の外部に排紙される。また、本実施形態の画像形成装置は、クリーニングユニット30を有しない装置がより好適に挙げられる。
次に、現像装置について詳述する。
図2に示すように、現像装置4は、不図示の駆動源によって矢印A方向に回転可能な像保持体1と当接するように配置され、像保持体(感光体)1の回転に伴い矢印B方向に従動回転可能な現像ロール52と、現像ロール52に接続されたバイアス電源54と、現像ロール52の回転方向において現像ロール52と像保持体1との当接部よりも下流側の位置に、現像ロール52に圧接するように配置され、現像ロール52の回転に対して逆行するように矢印C方向に回転可能な現像剤かき取り部材56と、現像ロール52の回転方向において、現像ロール52と現像剤かき取り部材56との圧接部よりも下流側且つ現像ロール52と像保持体1との当接部の上流側の位置に、現像ロール52に当接するように配置されたトナー層規制部材58と、現像ロール52の像保持体56が配置された側と反対側に位置し、現像ロール52が配置された側に開口部を有する筐体62と、筐体62内に配置されたアジテーター60とから構成される。
なお、トナー層規制部材58は、筐体62の開口部を閉鎖するように、その一旦が筐体62の開口部に固定されている。また、筐体62の開口部のトナー層規制部材58が取り付けられている側(開口部上側)と反対側(開口部下側)は、現像ロール52や現像剤かき取り部材56の下側を覆うように構成されている。ここで、現像剤(静電荷像現像剤)64は、筐体62の下側に堆積するように配置されており、現像ロール52の下側と筐体62の開口部下側との間の空間を隙間なく満たすと共に、トナーかき取り部材56を覆うように堆積している。また、現像剤64は筐体62内に設けられたアジテーター60により、適宜、筐体62内部から、現像ロール1が配置された筐体62開口部側へと供給されるようになっている。
現像に際しては、まず、筐体62内の現像剤64が、アジテーター60から現像剤かき取り部材56により現像ロール52表面に供給される。次に、現像ロール52表面に付着した現像剤64が、トナー層規制部材58によって、現像ロール52表面に均一な厚みのトナー層を形成するように付着する。なお、このとき、現像ロール52上には、非磁性一成分トナー及び外添剤回収剤が均一な厚みのトナー層を形成するように付着している。続いて、静電潜像(不図示)が形成された像保持体1表面と、バイアス電源54によりバイアス電圧が印加された現像ロール52との間の電位差に応じて、現像ロール52表面に付着している現像剤64中の非磁性一成分トナーが、像保持体1側に移着し、静電潜像が現像される。なお、現像を終えた後の現像ロール52表面に残留している現像剤64は、現像剤かき取り部材56によってかき取られる。
また、本実施形態において、像保持体の外添剤を、現像ロールを介して現像装置に回収するクリーニング工程を更に含むことが好ましい。図2を参照して説明すれば、本実施形態において転写工程後に像保持体1に残留する外添剤(不図示)は、像保持体1と現像ロール52との接触により、現像ロール52へと移行し、現像装置4に回収されることが好ましい。これにより、像保持体のクリーニング手段やクリーニング工程を別途設けることなく、像保持体の転写残トナーがクリーニングされる。このとき、像保持体1と接触する現像ロール52上には、外添剤回収剤が存在しており、この外添剤回収剤と外添剤が接触することで外添剤が像保持体1から外添剤回収剤表面への移行し、これによって外添剤は外添剤回収剤と共に現像装置4に回収される。
なお、上記のクリーニング工程において、感光体上の転写残トナーも現像ロールを介して現像装置に回収されることが好ましい。
本実施形態において、像保持体と現像ロールは図2に示すように、順方向に回転しながら接触することが好ましい。順方向に回転しながら接触することにより、接触時間をより多くすることができる。
また、このとき、像保持体に対する現像ロールの相対速度が1.1倍〜2.5倍であることが好ましい。すなわち、像保持体の回転速度を1としたとき、現像ロールの回転速度が1.1〜2.5であることが好ましい。現像ロールの回転速度を像保持体の回転速度よりも速くすることにより、現像量(感光体に移行する非磁性一成分トナーの量)を増やすことができるので好ましい。
像保持体に対する現像ロールの相対速度は、1.1倍〜2.5倍であることが好ましく、1.15倍〜2.0倍であることがより好ましく、1.2倍〜1.8倍であることが更に好ましい。
本実施形態において、画像形成装置は、プロセスカートリッジを備えることが好ましい。すなわち、それぞれの電子写真感光体と現像装置がプロセスカートリッジとして装着できるように構成されていることが好ましい。
本実施形態のプロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱され、本実施形態の静電荷像現像剤を収容し、かつ像保持体の表面に形成された静電潜像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備えることを特徴とする。
以下に実施例を参照して本実施態様について更に説明するが、本実施態様はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を表す。
<トナー及びトナー母粒子の体積平均粒径の測定方法>
トナー及びトナー母粒子の体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定した。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、まず、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを前記電解液100ml以上150ml以下中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000とした。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、重量又は体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径をそれぞれ重量平均粒径又は体積平均粒径と定義する。
<分子量の測定>
分子量の測定には、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行う。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等を用いた。
<分散液中の粒子及び外添剤の平均粒径の測定>
分散液中の粒子や外添剤の平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)により測定した。
<樹脂分散液中の樹脂粒子、又は、樹脂のガラス転移温度の測定>
樹脂のガラス転移温度Tgの測定には、示差走査熱量計((株)島津製作所製、DSC50)を用いた。
<非結晶性(非晶性)ポリエステル樹脂1の作製>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:10モル%
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:40モル%
テレフタル酸:50モル%
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ、精留塔を備えたフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく撹拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0重量%を投入した。更に生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃で更に2.5時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移温度が62℃、重量平均分子量(Mw)35,000である非結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
非結晶性ポリエステル樹脂1を100重量部とメチルエチルケトン45重量部と、イソプロピルアルコール10重量部とを三口フラスコに収容し、撹拌しながら45℃に加熱して樹脂を溶解させた後、10重量%アンモニア水溶液25重量部を加え、更にイオン交換水400重量部を徐々に加えて転相乳化を行い、その後減圧し、脱溶媒することで、体積平均粒径が150nmの非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を作製した。なお、この分散液の樹脂粒子濃度が30重量%となるように水分量を調整した。
<結晶性ポリエステル樹脂1の作製>
セバシン酸50モル%、1,6−ヘキサンジオール50モル%、ジブチル錫オキサイド0.3重量%とをフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し結晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂1の吸熱ピーク温度は70℃であった。なお、吸熱ピーク温度は、(株)島津製作所製:DSC−60Aを用いて測定した。
結晶性ポリエステル樹脂1を100重量部とメチルエチルケトン60重量部と、イソプロピルアルコール20重量部とを、撹拌しながら45℃に加熱して樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液25重量部を加え、更にイオン交換水400重量部を徐々に加えて転相乳化を行い、その後減圧し、脱溶媒することで、体積平均粒径が174nmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を作製した。なお、この分散液の樹脂粒子濃度が30重量%となるように水分量を調整した。
<離型剤分散液の調製>
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP9、融点77℃):60重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK):4重量部
・イオン交換水:200重量部
以上の成分を混合した溶液を120℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が250nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。なお、この分散液の離型剤濃度が30重量%となるように水分量を調整した。
<着色剤分散液の調製>
・カーボンブラック(キャボット社製:BP1300):50重量部
・非イオン性界面活性剤ノニポール400(花王(株)製):5重量部
・イオン交換水:200重量部
以上の成分を混合溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散し、この分散液の着色剤濃度が25重量%となるように水分量を調整して、着色剤分散液を得た。
<トナー母粒子1の調製>
非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)600重量部と、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)85重量部と、着色剤分散液100重量部と、離型剤分散液110重量部と、カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50)1.5重量部とを丸型ステンレス製フラスコに収容し、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.7に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30重量部を添加し、その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した。加熱用オイルバス中で1℃/分で45℃まで加熱し、45℃で2時間保持した後、この分散液中に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を緩やかに340重量部追加して、更に1時間保持した。
その後、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを7.5に調整した後、撹拌を継続しながら1℃/分で85℃まで加熱して3時間保持した後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、これを濾過し、イオン交換水で洗浄した後、得られたウェットケーキをイオン交換水によりリスラリーし、10重量%トナー母粒子分散液とした。
表面処理剤としてポリアリルアミン(ニットーボーメディカル(株)製PAA−HCl−10L、アリルアミン塩酸塩重合体、重量平均分子量:20,000)をイオン交換水で希釈し、ポリアリルアミン1重量%溶液を調製した。
得られたトナー母粒子分散液を撹拌しながら、前記ポリアリルアミン溶液をトナー成分100重量%に対して0.05〜0.1重量%添加した。その後、硝酸溶液を用いてpHを5〜7に調整し、1時間以上撹拌しながら放置した。なお、途中pHが変動した場合はpH5〜7に調整した。処理後、通水洗浄・乾燥し、正帯電のトナー母粒子1を得た。
<トナー母粒子2の調製>
非結晶性ポリエステル樹脂1:71部
結晶性ポリエステル樹脂1:15部
カーボンブラック(キャボット社製:BP1300):6部
帯電制御剤(オリヱント化学工業(株)製、商品名BONTRON N−01):2部
パラフィンワックス(日本精鑞(株)製、商品名HNP9):6部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級した。
熱風球形化装置「サーフュージングシステムSFS−3型」(日本ニューマチック工業(株)製)にて熱風処理を行い、体積平均粒径D50が6.8μmのトナー母粒子2を得た。
<シリカ母粒子1の作製>
撹拌翼、滴下ノズル、及び温度計を有する容積2.5Lのガラス製反応容器にメタノール400部、10%アンモニア水(NH4OH)70部を入れ、撹拌混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液のアルカリ触媒の濃度(すなわち、NH3の濃度。NH3〔mol〕/(NH3+メタノール+水)〔L〕)は、0.71mol/Lであった。
−シリカ粒子生成工程(シリカ粒子懸濁液の調製)−
テトラアルコキシシランとして、テトラメトキシシラン(TMOS)を準備した。また、アルカリ触媒として、触媒(NH3)濃度3.8%のアンモニア水(NH4OH)を準備した。
アルカリ触媒溶液の温度を25℃に調整し、アルカリ触媒溶液を窒素置換した。その後、アルカリ触媒溶液を120rpmで撹拌しながら、TMOS192部と、3.8%アンモニア水152部とを、同時に滴下を開始して60分かけて滴下し、シリカ粒子の懸濁液(シリカ粒子懸濁液)を得た。
この際、TMOSの1分間当たりの供給量は、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0012mol/(mol・min)とした。
3.8%アンモニア水の供給量は、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.51mol/(mol・min)とした。
その後この懸濁液から溶媒を留去し、球状のシリカ母粒子1を得た。
<シリカ1の作製>
シリカ母粒子1を100重量部とメタノール2,000重量部とを混合し、これにシリコーンオイル(信越化学工業(株)製、KF−96)40重量部を溶解後、よく混合し、加熱しながら減圧した後、乾燥した。その後、得られた乾燥物を解砕し、シリカ1を得た。
<シリカ母粒子2の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0013mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.62mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で球状のシリカ母粒子2を得た。
<シリカ2の作製>
被覆層形成用溶液として、ステアリン酸亜鉛とトルエンとを以下の条件で混合し、被覆層形成用溶液を調製した。 ステアリン酸亜鉛10重量部をトルエン90重量部に加え、80℃で20分間撹拌して被覆層形成用溶液を調製し、シリカ母粒子2の分散液の溶媒除去工程と共に、シリカ母粒子に対して、脂肪酸金属塩を含む被覆層の形成を行った。
なお、被覆層の形成には、二酸化炭素ボンベ、二酸化炭素ポンプ、エントレーナーポンプ、撹拌機付きオートクレーブ(容量500ml)、圧力弁を具備した装置を用いた。
まず、撹拌機付きオートクレーブ(容量500ml)へ、シリカ粒子2の分散液を300部投入し、攪拌機を100rpmで回転させた。その後、オートクレーブ内を液化二酸化炭素を注入し、ヒーターにより昇温しながら二酸化炭素ポンプにより昇圧し、オートクレーブ内を150℃、15MPaの超臨界状態とした。圧力弁でオートクレーブ内を15MPaに保ちながら二酸化炭素ポンプより超臨界二酸化炭素を流通させ、メタノールと水を除去した。次に、流通した超臨界二酸化炭素の流通量(積算量:標準状態の二酸化炭素の流通量として測定)が500部となった時点で、超臨界二酸化炭素の流通を停止した。その後、ヒーターにより温度150℃、二酸化炭素ポンプにより圧力15MPaを維持し、オートクレーブ内で二酸化炭素の超臨界状態を維持させた状態で、ヘキサメチルジシラザン30重量部をエントレーナーポンプを用いてオートクレーブ内に添加し30分間保持し疎水化処理した。その後、被覆層形成用溶液1を120重量部、エントレーナーポンプを用いてオートクレーブ内に添加し、撹拌しながら、更に30分間保持した。その後、撹拌を停止し、圧力弁を開けてオートクレーブ内の圧力を大気圧まで開放し温度を室温(25℃)まで下げた。このようにしてステアリン酸亜鉛を被覆したシリカ2を得た。
<シリカ母粒子3及びシリカ3の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0015mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.65mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で球状のシリカ母粒子3を得、シリカ2と同様の方法で処理を行いシリカ3を得た。
<シリカ母粒子4及びシリカ4の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0033mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.81mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で球状のシリカ母粒子4を得、シリカ2と同様の方法で処理を行いシリカ4を得た。
<シリカ5の作製>
シリカ母粒子4を用い、ステアリン酸亜鉛の代わりにラウリン酸亜鉛を用いた以外はシリカ4と同様の方法で処理を行いシリカ5を得た。
<シリカ6の作製>
シリカ母粒子4を用い、ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸マグネシウムを用いた以外はシリカ4と同様の方法で処理を行いシリカ6を得た。
<シリカ母粒子5及びシリカ7の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0012mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.28mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で凝集したシリカ母粒子5を得た。シリカ母粒子5を100重量部、メタノール2,000重量部に分散し、これにステアリン酸亜鉛40重量部を溶解後、よく混合し、加熱しながら減圧した後、乾燥した。その後、得られた乾燥物を解砕し、脂肪酸金属塩が表面に付着したシリカ7を得た。
<シリカ母粒子6及びシリカ8の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0015mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.28mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で凝集したシリカ母粒子6を得、ステアリン酸亜鉛の代わりにヘキサメチルジシラザン15重量部とアミノシランカップリング剤(東レ−ダウコーニングシリコーン社製、Z−6011)25重量部を用いた以外はシリカ7をと同様の方法で処理を行いシリカ8を得た。
<シリカ9の作製>
シリカ母粒子6を用い、シリカ7と同様の方法で処理を行いシリカ9を得た。
<シリカ母粒子7及びシリカ10の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.0033mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.26mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で凝集したシリカ母粒子7を得、シリカ3と同様の処理を行いシリカ10を得た。
<シリカ11の作製>
シリカ母粒子7を用い、シリカ7と同様の処理を行いシリカ11を得た。
<シリカ母粒子8及びシリカ12の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.032mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.23mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で凝集したシリカ母粒子8を得、シリカ3と同様の処理を行いシリカ12を得た。
<シリカ13の作製>
シリカ母粒子8を用い、シリカ7と同様の処理を行いシリカ13を得た。
<シリカ母粒子9及びシリカ14の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.079mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.22mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で凝集したシリカ母粒子9を得、シリカ3と同様の処理を行いシリカ14を得た。
<シリカ母粒子10及びシリカ15の作製>
TMOSの1分間当たりの供給量を、アルカリ触媒溶液中のメタノール総量(mol)に対して、0.195mol/(mol・min)とし、3.8%アンモニア水の供給量を、TMOSの1分間当たりの総供給量に対して0.21mol/(mol・min)とする以外はシリカ母粒子1を同様の方法で凝集したシリカ母粒子10を得、シリカ7と同様の処理を行いシリカ15を得た。
<シリカ20の作製>
シリカ粒子(日本アエロジル(株)製、A130、体積平均粒径16nm)100重量部に対し、アミノシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、Z−6011)25重量部を混合したメタノール溶液125重量部を添加し、エバポレーターで撹拌しながら25℃、1時間放置した。その後60℃でメタノールを留去し、留去後100℃で15分放置し、これを粉砕し、さらに40℃で24時間真空乾燥させて体積平均粒径16nmのシリカ20を得た。
<実施例1〜11、及び、比較例1〜5>
表1に記載のトナー母粒子、外添剤1、外添剤2をヘンシェルミキサーで周速30m/sで3分混合し、トナーをそれぞれ得た。
<評価>
画像の白点及び帯電維持性の評価は、非磁性1成分接触現像方式かつ現像同時クリーニング方式を採用した富士ゼロックス(株)製DocuPrint P300dを評価に適した改造機を用い、低温低湿環境下(10℃,湿度25%)にて、用紙にXC4200紙(ゼロックス社製)を用い、全面ハーフトーン画像を1,000枚出力した。
<白点>
評価は1,000枚までの最後の10枚について、白点の数を以下の基準にて評価した。Cまでが許容範囲である。
A:10枚の白点の合計が1個以下。
B:10枚の白点の合計が2個以上4個以下。
C:10枚の白点の合計が5個以上9個以下。
D:10枚の白点の合計が10個以上。
<帯電維持性>
1,000枚出力後に低温低湿環境下から高温低湿環境下(30℃、湿度20%)に代え、24時間放置後、同様にハーフトーン画像を10枚出力し、1,000枚目と高温低湿環境下の10枚目の濃度を比較した。評価は(10枚目の濃度/1,000枚目の濃度)であり、以下の基準で行い、Cまでが許容範囲である。なお、画像濃度はマクベス濃度計を用い測定した。
A:0.97以上。
B:0.94以上、0.97未満。
C:0.90以上、0.94未満。
D:0.90未満。
Figure 2015001536
なお、表1中の粒径は、特に断りのない限り、体積平均粒径を表す。
1、1Y、1M、1C、1K:電子写真感光体(像保持体)、2Y,2M、2C、2K:帯電ロール、3:露光装置、4、4Y、4M、4C、4K:現像装置、5Y、5M、5C、5K:1次転写ロール、20:中間転写ベルト、22:駆動ロール、24:バックアップロール、26:2次転写ロール、28:定着ロール、30:クリーニングユニット、32:移送ロール、40:トレイ(被記録媒体トレイ)、50:ハウジング、52:現像ロール、54:バイアス電源、56:現像剤かき取り部材、58:トナー層規制部材、60:アジテーター、62:筐体、64:現像剤、100:画像形成装置

Claims (11)

  1. トナー母粒子、及び、
    脂肪酸金属塩を表面に有する無機酸化物粒子、を含有し、
    前記無機酸化物粒子の体積平均粒径が、100〜1,000nmであり、
    前記トナー母粒子の帯電性と前記無機酸化物粒子の帯電性とが逆極性であることを特徴とする
    非磁性一成分トナー。
  2. 前記トナー母粒子が正帯電性を有し、前記無機酸化物粒子が負帯電性を有する、請求項1に記載の非磁性一成分トナー。
  3. クリーニングブレードレス画像形成装置用非磁性一成分トナーである、請求項1又は2に記載の非磁性一成分トナー。
  4. 前記無機酸化物粒子の体積平均粒径が、120〜800nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナー。
  5. 前記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナー。
  6. 前記トナー母粒子が、乳化凝集法により製造されたトナー母粒子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナー。
  7. 前記無機酸化物粒子が、超臨界二酸化炭素中において、脂肪酸金属塩を含む被覆層を無機酸化物粒子の表面に形成する被覆層形成工程を備えた製造方法で製造された無機酸化物粒子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナー。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナーを含むことを特徴とする
    静電荷像現像剤。
  9. 画像形成装置に着脱可能であり、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナーを収容し、かつ前記非磁性一成分トナーを保持して搬送する現像手段を備えることを特徴とする
    プロセスカートリッジ。
  10. 像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
    前記像保持体表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程、
    前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程、を含み、
    クリーニングブレードによるクリーニング工程を含まず、
    前記トナーが請求項1〜7のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナーであることを特徴とする
    画像形成方法。
  11. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体表面に静電潜像を形成させる露光手段と、
    トナーにより前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
    前記トナー像を前記像保持体から被転写体表面に転写する転写手段と、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、
    クリーニングブレードを有さず、
    前記トナーが請求項1〜7のいずれか1項に記載の非磁性一成分トナーであることを特徴とする
    画像形成装置。
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