JP2015000958A - ゴム保護コーティング用組成物及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム表面を被覆した場合に、長期間良好な外観を保つことが可能であり、かつ、形成される被膜とゴム表面との接着性が高い、ゴム保護コーティング用組成物を提供する。【解決手段】天然樹脂及び合成樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂成分、及び環状化合物を含む、ことを特徴とするゴム保護コーティング用組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム保護コーティング用組成物、及びタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤのサイドウォールは、主鎖中の二重結合の含有割合の高い天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどの高不飽和度ゴムを主要ゴム成分とするゴム組成物で形成されていた。かかる高不飽和度ゴムの二重結合は、オゾンと反応して解重合する可能性があるので、放置または走行に撚り、ゴム表面におけるクラック発生の原因となることが知られている。これを防ぐために、サイドウォールのゴム組成物にはアミン系の老化防止剤やワックス等のクラック改良剤が配合されていた。しかしながら、アミン系老化防止剤は、サイドウォール表面にブルームすると茶褐色に変色する特徴があり、また、ワックスは表面にブルームすると白色を呈し、いずれの場合もサイドウォール部の外観を損ねてしまう、という問題があった。
上記の問題を解決するために、例えば特許文献1には、(a)成分Iと呼ばれるポリマーであって、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びビニルエステルの群より選ばれた少なくとも1種のモノマーに基づくホモポリマー又はコポリマーでありかつガラス転移温度が0℃よりも低いポリマー;及び(b)親水性シリカ並びにアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー及びビニルモノマーの群より選ばれた少なくとも1種のモノマーに基づくホモポリマー又はコポリマーからなる群より選ばれた成分IIであって、前記ホモポリマー又はコポリマーのガラス転移温度が25℃よりも高い成分II:の水性エマルジョンを含む水性組成物でタイヤのゴム表面を被覆して、上記のブルームを防止する方法が提供されている。
しかしながら、特許文献1に記載の水性組成物は、外観の向上が充分とはいえず、また、弾性体であるゴムに塗布した場合の塗膜の柔軟性及び追従性の低さから、ゴムからの剥離が生じやすい、という問題があった。
そこで、本発明は、ゴム表面を被覆した場合に、長期間良好な外観を保つことが可能であり、かつ、形成される被膜とゴム表面との接着性が高い、ゴム保護コーティング用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、長期間良好な外観性が保たれるタイヤを提供することを目的とする。
本発明のゴム保護コーティング用組成物は、天然樹脂及び合成樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂成分、及び環状化合物を含有する、ことを特徴とする。
上記ゴム保護コーティング用組成物でゴム表面を被覆することで、形成された塗膜中の樹脂成分と環状化合物の働きにより、ゴム成分中の老化防止剤等のゴム表面へのブルームを抑制することが可能であり、これにより長期間ゴム表面の良好な外観を保つことが可能である。この場合、環状化合物がアミン系老化防止剤の分子を包接する性質を有するため、老化防止剤のゴム表面へのブルームを低減することができる。そのため、配合される樹脂成分は、ゴムへの追従性に着目して、より広く選択することが可能である。したがって、上記組成物で形成される被膜は、柔軟性と追従性が高く、弾性体たるゴムとの接着性が高いものとすることができる、という利点を有するものである。
上記ゴム保護コーティング用組成物でゴム表面を被覆することで、形成された塗膜中の樹脂成分と環状化合物の働きにより、ゴム成分中の老化防止剤等のゴム表面へのブルームを抑制することが可能であり、これにより長期間ゴム表面の良好な外観を保つことが可能である。この場合、環状化合物がアミン系老化防止剤の分子を包接する性質を有するため、老化防止剤のゴム表面へのブルームを低減することができる。そのため、配合される樹脂成分は、ゴムへの追従性に着目して、より広く選択することが可能である。したがって、上記組成物で形成される被膜は、柔軟性と追従性が高く、弾性体たるゴムとの接着性が高いものとすることができる、という利点を有するものである。
本発明のゴム保護コーティング用組成物において、前記合成樹脂は、アクリレート樹脂またはウレタン樹脂であることが好ましい。樹脂成分として、アクリレート樹脂またはウレタン樹脂を使用することにより、ゴムへの追従性を向上させることが可能である。
前記環状化合物は、極性官能基を有し、かつ、前記極性官能基が環状構造の中心側に向かって結合している構造であることが好ましい。極性基が環状構造の中心側に向かっていることで、環状構造内にアミン系老化防止剤分子を包摂しやすい、という利点を有する。
前記環状化合物は、包接化合物であることが好ましい。組成物中に包摂化合物を配することで、より効率よくアミン系老化防止剤分子を包摂しやすくなる。
本発明のタイヤは、上記いずれかのゴム保護コーティング用組成物でサイドウォール部の少なくとも一部を被覆して形成された、ことを特徴とする。また、好適には、前記組成物で形成された被膜上に、着色層が設けられる。上記のゴム保護コーティング組成物で被覆されたタイヤにおいては、そのサイドウォール部の美観が長期間保たれる、という利点を有する。
本発明によれば、ゴム表面を被覆した場合に、長期間良好な外観性を保つことが可能であり、かつ、形成される被膜とゴム表面との接着性が高い、ゴム保護コーティング用組成物を提供することができる。また、本発明は、長期間良好な外観性が保たれるタイヤを提供することができる。
(ゴム保護コーティング用組成物)
本発明のゴム保護コーティング用組成物(以下、単に「組成物」とも称する)は、天然樹脂及び合成樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂成分、及び環状化合物を含む、ことを特徴とする。環状化合物は、その内部の化学構造(空孔サイズや親和性)に基づいて、様々な有機化合物を取り込んで複合体を形成することが知られている。発明者らは、この特性により、ゴム保護コーティング用組成物に環状化合物を配合することによって、ゴム内部から表面への老化防止剤の拡散を防止出来ることを見出した。すなわち、老化防止剤の分子サイズや極性に適した空孔構造を有する環状化合物をサイドウォール部保護膜中に混合することで、表面へと拡散する老化防止剤を保護膜内で捕捉し、再表面への析出を抑えることができる。
現在市場で最も汎用されている老化防止剤としては、N−phenyl N‘−1,3−dimethylbutyl phenylenediamine(6C)およびそれらの類縁体といった、アミン系化合物が知られる。本発明の組成物は、特に、このアミン系化合物の拡散を防止するのに適した構成を有するものである。
以下、当該組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
本発明のゴム保護コーティング用組成物(以下、単に「組成物」とも称する)は、天然樹脂及び合成樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂成分、及び環状化合物を含む、ことを特徴とする。環状化合物は、その内部の化学構造(空孔サイズや親和性)に基づいて、様々な有機化合物を取り込んで複合体を形成することが知られている。発明者らは、この特性により、ゴム保護コーティング用組成物に環状化合物を配合することによって、ゴム内部から表面への老化防止剤の拡散を防止出来ることを見出した。すなわち、老化防止剤の分子サイズや極性に適した空孔構造を有する環状化合物をサイドウォール部保護膜中に混合することで、表面へと拡散する老化防止剤を保護膜内で捕捉し、再表面への析出を抑えることができる。
現在市場で最も汎用されている老化防止剤としては、N−phenyl N‘−1,3−dimethylbutyl phenylenediamine(6C)およびそれらの類縁体といった、アミン系化合物が知られる。本発明の組成物は、特に、このアミン系化合物の拡散を防止するのに適した構成を有するものである。
以下、当該組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<環状化合物>
本発明のゴム保護コーティング用組成物は、環状化合物を含有する。組成物中の環状化合物の含有量は、1〜50重量%、特に10〜40重量%、さらに20〜30重量%とすることが好ましい。環状化合物の含有量を1重量%以上とすることで、ゴム表面の老化防止剤のブルーム抑制効果を充分に奏することができ、また、50重量%以下とすることで、該組成物がゴム表面に安定した被膜を形成することが可能となる。例えば、6Cのようなアミン系老化防止剤においては、そのアミノ基と極性基とが相互作用することができる。
本発明のゴム保護コーティング用組成物は、環状化合物を含有する。組成物中の環状化合物の含有量は、1〜50重量%、特に10〜40重量%、さらに20〜30重量%とすることが好ましい。環状化合物の含有量を1重量%以上とすることで、ゴム表面の老化防止剤のブルーム抑制効果を充分に奏することができ、また、50重量%以下とすることで、該組成物がゴム表面に安定した被膜を形成することが可能となる。例えば、6Cのようなアミン系老化防止剤においては、そのアミノ基と極性基とが相互作用することができる。
本発明の組成部中の環状化合物としては、その構造中に、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基及びアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基を有するものを好適に使用できる。環状構造における極性官能基の位置や立体配置は特に制限されるものではないが、環の中心側に向かって結合していることが好ましい。環の中心側、すなわち内側に極性基が向かうことによって、より効果的に被捕捉化合物を取り込むことができる。このような化合物としては、シクロデキストリン、カリックスアレーン、クラウンエーテル等を好適に使用できる。
本発明の組成物に好適に配合可能なシクロデキストリンは、下記式(1)で表される。
上記式(1)で表されるシクロデキストリンとしては、α−シクロデキストリン(m=1、R=H)、β−シクロデキストリン(m=2、R=H)、γ−シクロデキストリン(m=3、R=H)等が知られる。これらの他に、6位の水酸基にアルキル基、フェニル基等の各種置換基を導入した誘導体も好適に使用でき、配合する樹脂成分に応じて置換基構造を適宜選択できる。また、重合性官能基を導入して、樹脂成分のポリマー鎖にグラフトさせて用いてもよい。
本発明の組成物に好適に配合可能なカリックスアレーンは、下記式(2)で表される。
上記式(2)で表されるカリックスアレーンとしては、カリックス[4]アレーン(m=1、R=H)、カリックス[5]アレーン(m=2、R=H)等が知られる。各フェノール部位の芳香族部分が疎水性化合物を捕捉する。また、これらの他に、4位にアルキル基、フェニル基等の各種置換基を導入した誘導体も好適に使用でき、配合する樹脂成分に応じて置換基構造を適宜選択できる。また、重合性官能基を導入して、樹脂成分のポリマー鎖にグラフトさせて用いてもよい。
本発明の組成物に配合するクラウンエーテル類としては、例えば、下記式(3)、(4)で表されるものを好適に使用できる。
上記式(3)で表されるのが、12−クラウン−4,15−クラウン−5,18−クラウン−6であり、式(4)で表されるのが、ジベンゾ−18−クラウン−6である。クラウンエーテル中の酸素原子により、老化防止剤のフェニルアミン部位と相互作用して、その分子を捕捉する。式4のR部位に重合性官能基を導入して、樹脂成分のポリマー鎖にグラフトさせて用いてもよい。
上記式(3)で表されるのが、12−クラウン−4,15−クラウン−5,18−クラウン−6であり、式(4)で表されるのが、ジベンゾ−18−クラウン−6である。クラウンエーテル中の酸素原子により、老化防止剤のフェニルアミン部位と相互作用して、その分子を捕捉する。式4のR部位に重合性官能基を導入して、樹脂成分のポリマー鎖にグラフトさせて用いてもよい。
<樹脂成分>
本発明のゴム保護コーティング用組成物は、天然樹脂及び合成樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂成分を含有する。組成物中の樹脂成分の含有量は、50〜99重量%、特に90〜60重量%、さらに80〜70重量%とすることが好ましい。
本発明のゴム保護コーティング用組成物は、天然樹脂及び合成樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂成分を含有する。組成物中の樹脂成分の含有量は、50〜99重量%、特に90〜60重量%、さらに80〜70重量%とすることが好ましい。
樹脂成分は、天然樹脂、合成樹脂から適宜選択可能であるが、特に、合成樹脂の使用が好ましい。合成樹脂の中でも、特にアクリレート樹脂またはウレタン樹脂を好適に使用できる。また、樹脂成分は、疎水性であることが好ましい。アクリレート樹脂、ウレタン樹脂は、ゴムとの親和性が高くて弾性率が低いため、ゴム表面に被膜を形成した場合に高い接着性を奏し、かつゴムの変形に追従しやすい。そのため、組成物による被膜のゴム表面への高い密着性を確保することが可能となる。また、疎水性とすることで、樹脂成分中の環状化合物の分散性を高めることができる。
樹脂成分としては、特に疎水性ポリアクリレートを好適に使用することができる。ここで、疎水性ポリアクリレートは、エネルギー硬化型であることが好ましい。具体的には、該疎水性ポリアクリレートは、下記一般式(5)
または下記一般式(6)
(式(5)及び(6)中のAはジエン系オリゴマーを示し、R1は水素原子またはメチル基を示す。)
で表される末端に(メタ)アクリロイル基を有する反応性モノマーを光重合開始剤や熱ラジカル発生剤によるラジカル重合反応により重合することで得られるものが好ましい。
上記式中のAのジエン系オリゴマーとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン―ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル―ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、ポリウレタンが挙げられる。
また、(メタ)アクロイル基を有する反応性モノマーとしては、側鎖が疎水性官能基を有するものを用いることができる。具体的には,メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート,などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。ここで、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基とメタクリロイル基を両方包含し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの両方を包含する。
で表される末端に(メタ)アクリロイル基を有する反応性モノマーを光重合開始剤や熱ラジカル発生剤によるラジカル重合反応により重合することで得られるものが好ましい。
上記式中のAのジエン系オリゴマーとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン―ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル―ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、ポリウレタンが挙げられる。
また、(メタ)アクロイル基を有する反応性モノマーとしては、側鎖が疎水性官能基を有するものを用いることができる。具体的には,メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート,などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。ここで、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基とメタクリロイル基を両方包含し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの両方を包含する。
光重合開始剤としては、アミノアセトフェノン類、ベンゾイン誘導体類、ベンジルケタール類、ヒドロキシアセトフェノン類、アミノアセトフェノン類などが挙げられる。熱ラジカル発生剤としては、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイドなどを用いることができる。
樹脂成分をウレタン樹脂とする場合においては、2液硬化型ウレタン樹脂(ポリオール及びイソシアネート)を好適に使用可能である。使用されるポリオールの好適例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールが挙げられる。また、使用されるイソシアネートの好適例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が挙げられる。組成物の調製方法としては、予めポリオールと環状化合物を混合した1液と、イソシアネートを含む2液を使用直前に混合することが好ましい。
<その他の成分>
本発明の組成物には、樹脂成分、環状化合物の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、分散剤等の配合剤を配合してもよい。
本発明の組成物には、樹脂成分、環状化合物の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、分散剤等の配合剤を配合してもよい。
本発明の組成物は、上記配合物を、10〜35℃の条件下で、バンバリーミキサー、メカニカルスターラー等で混合することにより、生成することができるものである。
(被膜)
前記組成物を用いて、タイヤ等のゴム表面に被膜を形成する方法については特に限定されない。例えば、前記組成物を加硫済みのゴム表面上に、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、タンポ印刷等の方法で塗布した後に、塗布層に光照射または加熱して硬化させることで、ゴム表面に被膜を形成することができる。また、予め前記組成物を、剥離フィルム等の上に塗布し、光照射または加熱して硬化させて得たフィルムをゴム加硫時に挿入するインモールド成型により、被膜をゴム表面に設けてもよい。
前記組成物を用いて、タイヤ等のゴム表面に被膜を形成する方法については特に限定されない。例えば、前記組成物を加硫済みのゴム表面上に、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、タンポ印刷等の方法で塗布した後に、塗布層に光照射または加熱して硬化させることで、ゴム表面に被膜を形成することができる。また、予め前記組成物を、剥離フィルム等の上に塗布し、光照射または加熱して硬化させて得たフィルムをゴム加硫時に挿入するインモールド成型により、被膜をゴム表面に設けてもよい。
前記被膜の厚さについては、特に限定はされないが、例えば、タイヤの部材として用いられる場合には、5〜100μmの範囲、特に50〜100μmの範囲であることが好ましい。5μm未満の場合、タイヤのゴム表面のブルーム抑制効果が充分に得られない可能性があり、また、100μmを超えると製造コストが大きくなるためである。
本発明の組成物で形成された被膜上には、さらに、着色剤を塗布する等の方法で、着色層を形成してもよい。この場合、タイヤサイドの黒色を隠ぺいするために白色層を先に形成し、その上にカラー層を1〜3色形成するのが好ましい。白色層の厚さは、配合する白色顔料の量にもよるが10〜40μm程度、カラー層の厚さは、5〜30μm程度が好ましい。
本発明の組成物で形成された被膜上には、さらに、着色剤を塗布する等の方法で、着色層を形成してもよい。この場合、タイヤサイドの黒色を隠ぺいするために白色層を先に形成し、その上にカラー層を1〜3色形成するのが好ましい。白色層の厚さは、配合する白色顔料の量にもよるが10〜40μm程度、カラー層の厚さは、5〜30μm程度が好ましい。
(タイヤ)
本発明によるタイヤは、サイドウォール部表面の少なくとも一部に上述した組成物を含む被膜を有することを特徴とする。被膜の形成は、組成物の塗布等、公知の方法で実現可能である。また、サイドウォールに全体に被膜を形成することが好ましいが、着色層を設ける必要のある一部領域のみに形成されていてもよい。また、加硫済みのタイヤに被膜を形成してもよく、未加硫のグリーンタイヤにフィルム状とした組成物膜を設置して加硫して形成してもよい。前記被膜を有することにより、老化防止剤等のブルームによるサイドウォール部の外観性の低下を防止することが可能である。さらに、前記被膜上に着色層が形成される場合には、その変色が長期間防止され、着色の美観性を維持することが可能である。
本発明によるタイヤは、サイドウォール部表面の少なくとも一部に上述した組成物を含む被膜を有することを特徴とする。被膜の形成は、組成物の塗布等、公知の方法で実現可能である。また、サイドウォールに全体に被膜を形成することが好ましいが、着色層を設ける必要のある一部領域のみに形成されていてもよい。また、加硫済みのタイヤに被膜を形成してもよく、未加硫のグリーンタイヤにフィルム状とした組成物膜を設置して加硫して形成してもよい。前記被膜を有することにより、老化防止剤等のブルームによるサイドウォール部の外観性の低下を防止することが可能である。さらに、前記被膜上に着色層が形成される場合には、その変色が長期間防止され、着色の美観性を維持することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜10及び比較例1〜2)
(1)ゴム保護コーティング用組成物試験片の調製
表1に示す配合処方によって、各配合成分を混合して、各種組成物を調製した。
表1中の「ポリウレタン」としては、具体的には、2,4−TDIと、アジピン酸、1,4ブタンジオール、エチレングリコールの重縮合ポリマーを使用した。また、「ポリアクリル酸エステル」としては、スチレン−ブタジエンコポリマージアクリレート、イソボニルアクリレート、及び4−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの光重合化合物を使用した。
(1)ゴム保護コーティング用組成物試験片の調製
表1に示す配合処方によって、各配合成分を混合して、各種組成物を調製した。
表1中の「ポリウレタン」としては、具体的には、2,4−TDIと、アジピン酸、1,4ブタンジオール、エチレングリコールの重縮合ポリマーを使用した。また、「ポリアクリル酸エステル」としては、スチレン−ブタジエンコポリマージアクリレート、イソボニルアクリレート、及び4−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの光重合化合物を使用した。
(組成物評価)
(1)伸縮性
上記の組成物を硬化させてフィルム状の試験片とし、各試験片について、JIS K 7161(1994)に準拠して、50mm/分の速度で引張った際の破断伸びを測定した。試験片のサイズは、縦50mm×横10mm×厚さ0.5mmとした。測定結果は表1に示した通りであった。
(1)伸縮性
上記の組成物を硬化させてフィルム状の試験片とし、各試験片について、JIS K 7161(1994)に準拠して、50mm/分の速度で引張った際の破断伸びを測定した。試験片のサイズは、縦50mm×横10mm×厚さ0.5mmとした。測定結果は表1に示した通りであった。
(2)色調変化
表2に示す原材料(老化防止剤を含む)を、バンバリーミキサーにより混合して、ゴム組成物を調製し、ゴム部材(縦100mm×横50mm×厚さ2.0mm)を作製した。各ゴム部材の表面に、表1の各組成物を塗布して硬化させ、厚さ0.1mmの被膜を形成した。さらに、各被膜上に白色顔料(ターナー色彩株式会社社製ラバーペイント白色)を塗布して硬化させ、厚さ0.1mmの着色層を形成し、三層の積層体を作成した。各積層体の試験片を、60℃環境下で放置し、1日ごとに室温に戻して3J/cm2の市外項を照射した後、着色層表面の色度を分光測色計CM−700d(コニカミノルタ(株)製)を用いて測定した。試験開始20日後の各試験片表面の色調変化(ΔE)を表1に示す。
表2に示す原材料(老化防止剤を含む)を、バンバリーミキサーにより混合して、ゴム組成物を調製し、ゴム部材(縦100mm×横50mm×厚さ2.0mm)を作製した。各ゴム部材の表面に、表1の各組成物を塗布して硬化させ、厚さ0.1mmの被膜を形成した。さらに、各被膜上に白色顔料(ターナー色彩株式会社社製ラバーペイント白色)を塗布して硬化させ、厚さ0.1mmの着色層を形成し、三層の積層体を作成した。各積層体の試験片を、60℃環境下で放置し、1日ごとに室温に戻して3J/cm2の市外項を照射した後、着色層表面の色度を分光測色計CM−700d(コニカミノルタ(株)製)を用いて測定した。試験開始20日後の各試験片表面の色調変化(ΔE)を表1に示す。
(タイヤ評価)
表1に示す実施例1、比較例1の組成物を調製し、市販のタイヤ(エコピアEX10)のサイドウォール部表面にそれぞれ塗布して硬化させ、サイドウォール部表面に膜厚100μmの被膜を形成した。次いで、着色剤(ターナー色彩株式会社社製ラバーペイント白色)を膜厚50μmとなるように塗布した。該タイヤを60℃の条件下で300時間静置し、外観の変化を目視で確認した。
表1に示す実施例1、比較例1の組成物を調製し、市販のタイヤ(エコピアEX10)のサイドウォール部表面にそれぞれ塗布して硬化させ、サイドウォール部表面に膜厚100μmの被膜を形成した。次いで、着色剤(ターナー色彩株式会社社製ラバーペイント白色)を膜厚50μmとなるように塗布した。該タイヤを60℃の条件下で300時間静置し、外観の変化を目視で確認した。
表1の結果から、本発明の実施例については、いずれも被膜が充分な伸縮性を有することが破断伸び試験の結果より明らかとなった。また、比較例と比較して、実施例は、色調変化が小さく、ゴム表面の外観性を良好に保つことが可能であることが分かった。
前述のようにして、サイドウォール部に実施例1、比較例1の組成物被膜と着色層を形成したタイヤについて、外観の安定性を試験(外観変化を目視で確認)した結果、比較例1では一部に着色層に褐変が生じていたのに対し、実施例1においては着色層の変色がほとんど見られなかった。
本発明によれば、タイヤのサイドウォール部表面等、ゴム物品の表面に本発明のゴム保護コーティング用組成物の被膜を形成することによって、ゴム表面の変色等を防止し、良好な外観を長期間保持することが可能である。したがって、タイヤ製造その他のゴム物品製造の産業分野において利用可能な発明である。
Claims (6)
- 天然樹脂及び合成樹脂からなる群より選択される1以上の樹脂成分、及び環状化合物を含む、ことを特徴とするゴム保護コーティング用組成物。
- 前記合成樹脂は、アクリレート樹脂またはウレタン樹脂である、請求項1記載のゴム保護コーティング用組成物。
- 前記環状化合物が極性官能基を有し、かつ、前記極性官能基が環状構造の中心側に向かって結合している、請求項1記載のゴム保護コーティング用組成物。
- 前記環状化合物が包接化合物である、請求項3記載のゴム保護コーティング用組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム保護コーティング用組成物でサイドウォール部の少なくとも一部を被覆した被膜を有する、ことを特徴とするタイヤ。
- 前記被膜上に、さらに着色層を有する、請求項5記載のタイヤ。
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JP2013126901A JP2015000958A (ja) | 2013-06-17 | 2013-06-17 | ゴム保護コーティング用組成物及びタイヤ |
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- 2013-06-17 JP JP2013126901A patent/JP2015000958A/ja active Pending
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