JP2015000874A - 粘着剤組成物 - Google Patents

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【課題】湿熱条件下においても白化しない耐湿熱白化性、電子機器の伝送遅延を抑止できる低誘電率と、さらには段差追従性にも優れた粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】炭素数が10〜24である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体を20〜99重量%、アミド基含有単量体を0.1〜7重量%含有する単量体を重合することによって得られ、重量平均分子量が40万未満であるアクリルポリマーを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は粘着剤組成物に関するものであり、より詳しくは湿熱条件下においても白化しない耐湿熱白化性と、電子機器の伝送遅延を抑止できる低誘電率の両立に関する。
近年、スマートフォン等情報機器端末においては、デバイスの微細化が進み、データ送信の高速化が求められている。その一環として電気信号の高周波数化が進行しているが、電気信号に高周波数成分が増えると伝送経路に遅延が生じやすくなる。伝送遅延を抑止するためには部材の低誘電率化が有効であることから、使用される粘着剤も誘電率が低いことが求められるようになっている。粘着剤を低誘電率化するためには、ポリマーの構成成分として疎水性モノマーの割合を高めればよい。
一方、電子機器においては、粘着剤はディスプレイのような視認可能な部位にも使用されるため、透明性が強く要求されている。また、高温高湿のような過酷な条件下においても白化しないことが要求されている。この耐湿熱白化性を向上させる方法として、種々の親水性単量体を用いた粘着剤が知られているが、親水性単量体を用いると樹脂の誘電率は高くなる傾向にあるため、耐湿熱白化性と低誘電率を両立させることは困難であった。
また、ディスプレイの組立てに用いられる場合、額縁印刷部の段差を隙間なく充填できないと空気層が残り外観が悪くなるため、段差追従性も併せて要求される。
特許文献1には、誘電率を低くした粘着剤が開示されているが、耐湿熱白化性能との両立については検討されていない。
特開2012-246477号公報
本発明の課題は、湿熱条件下においても白化しない耐湿熱白化性、電子機器の伝送遅延を抑止できる低誘電率と、さらには段差追従性にも優れた粘着剤組成物を提供することである。
本発明は炭素数が10〜24である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体を20〜99重量%、アミド基含有単量体を0.1〜7重量%含有する単量体を重合することによって得られ、重量平均分子量が40万未満であるアクリルポリマーを含有することを特徴とする粘着剤組成物である。
本発明の粘着剤組成物は耐湿熱白化性に優れるため、電子機器に使用しても透明性を維持でき外観に優れる。また、低誘電率であるためデバイスが微細化し、データ送信が高速化しても伝送遅延を抑止でき、スマートフォン等情報機器端末に使用される粘着剤として有用である。
本発明の粘着剤組成物は、炭素数が10〜24である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体を20〜99重量%、アミド基含有単量体を0.1〜7重量%含有する単量体を重合することによって得られ、重量平均分子量が40万未満であるアクリルポリマーを含有する。
炭素数が10〜24である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体として、直鎖アルキル基を有する単量体、分岐アルキル基を有する単量体、環状アルキル基を有する単量体などが挙げられる。
直鎖アルキル基を有する単量体としては、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分岐アルキル基を有する単量体としては、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
環状アルキル基を有する単量体としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、テルペン系(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これら炭素数が10〜24である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体を単量体全体に対して20〜99重量%用いる必要があり、40〜99重量%用いることがより好ましい。20重量%未満であると得られる粘着剤の誘電率が高くなり、99重量%を超えると耐湿熱白化性が劣る。
アミド基含有単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
アミド基含有単量体は単量体全体に対して0.1〜7重量%用いる必要がある。0.1重量%未満であると耐湿熱白化性が劣り、7重量%を超えると粘着剤の誘電率が高くなる。
アクリルポリマーを構成する単量体として、その他、公知の(メタ)アクリル系単量体や(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な単量体を用いることができる。また、これらを組み合わせてアクリルポリマーのTgを−30℃以下にすることが好ましい。アクリルポリマーのTgを−30℃以下にすることで、段差追従性を向上できる。
炭素数が9以下である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレートなどが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルコキシエステルとしては、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシプロピル、メタクリル酸3−メトキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシブチル、メタクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキレングリコールとしては、アクリル酸エチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸プロピレングリコール、アクリル酸ポリプロピレングリコール、メタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸プロピレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アリールとしては、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェニルなどが挙げられる。
さらに、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどの飽和脂肪酸ビニル系単量体、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレートなどの多官能単量体が挙げられる。
前記アクリル系単量体を例えば溶媒中で重合開始剤とともに加熱することによってアクリルポリマーを合成できる。アクリルポリマーの重量平均分子量は40万以下である必要があり、40万を超えると段差追従性が低下する。
なお、本願発明における重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミネーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値を言う。サンプルは、試料をテトラヒドロフランに溶解して0.1重量%の溶液とし、水を加えた超音波洗浄装置に10分間放置した後、0.20μmのメンブレンフィルターで濾過した濾液を用いた。
分析装置:SHIMADZU社製、LC20AD
カラム:SHIMADZU社製 GPC−80M ×2
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
入口圧:10kgf
検出器:示差屈折計(RI)
カラム温度:40℃
注入量:50μl
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計
標準試料:ポリスチレン
アクリルポリマー合成時に用いる溶媒としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネートなど有機溶剤が挙げられる。ただし、これら以外の溶媒を使用しても何ら差し支えなく、また、2種以上の溶媒を併用してもよい。
なお、本願発明の粘着剤組成物は水への溶解度が10g/100mL(20℃)以下の溶剤を含有することが低誘電率化の点から好ましく、アクリルポリマー合成時にこのような溶剤を用いた場合はそのまま粘着剤として使用できる。なお、アクリルポリマー合成時には水への溶解度が10g/100mL(20℃)を超える溶剤を用いて、合成後に水への溶解度が10g/100mL(20℃)以下の溶剤に置換してもよいが、工程が煩雑となる。
水への溶解度が10g/100mL(20℃)以下の溶剤としては、酢酸エチル、トルエンなどが挙げられる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メトキシプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、[1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)]、などのアゾ系化合物、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、エチルメチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド等の有機化酸化物系化合物等を使用することができる。
また、過酸化物系化合物はN,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルトルイジン等の還元剤を併用することによりレドックス重合を行うことも可能である。
重合開始剤は、通常アクリル系単量体100重量部に対して0.05〜3重量部使用される。重合開始剤の使用量を増加させれば得られるポリマーの分子量を小さくなり、重合開始剤の使用量を減少させれば得られるポリマーの分子量は大きくなる傾向にある。
本発明の粘着剤組成物は、周波数1MHzにおける比誘電率が3以下であることが好ましい。比誘電率の測定方法としては、粘着剤層(粘着シートからシリコーン処理を施したPETフィルムを剥離したもの)を積層して、約200μmの積層粘着剤層を形成し、当該積層粘着剤層を、以下の装置により比誘電率を測定した。測定は3サンプルの測定値の平均を誘電率とした。
測定方法:LCRメータ(装置:Wayne Kerr 6440B インピーダンスアナライザ使用)
周波数:1MHz
バイアス電圧:2V
測定環境:23±1℃、50±1%RH
本発明の粘着剤組成物には、さらに架橋剤を加えることができる。架橋剤としては、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が挙げられる。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート系、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノボルネンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の上記芳香族ジイソシアネートの水添物などが挙げられる。また、これらのアダクト型、イソシアヌレート型、ビウレット型など多官能化したポリイソシアネート構造物や、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、トリメチロールプロパン変性ポリイソシアネート等の反応生成物であってもよい。
エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N’N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙がられる。
その他、金属錯体化合物を加えてもよい。金属錯体化合物は、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属に、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物等が挙げられる。具体例としては、アルミニウムにアセチルアセトンが配位したナーセムアルミ(日本化学産業社製、商品名)が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物には、紫外線吸収剤、近赤外吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤及び濡れ性調製剤等の各種添加剤が含まれていても良い。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。
実施例1
撹拌機、還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに単量体としてn−デシルメタクリレート(DMA)95重量部、アクリルアミド(AAm)4重量部および4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)1重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.23部、溶剤として酢酸エチル77部を添加して30分以上窒素ガスを導入し、重合系内の酸素を除去した。75℃まで1℃/1minの速度で昇温し、75±1℃に保ったまま4時間攪拌後、アゾビスバレロニトリル0.06部を加えて反応温度を80℃に昇温し2時間80±1℃を保ち熟成した。反応終了後、酢酸エチルにて反応液を希釈し、淡黄色透明の粘性液体である実施例1のポリマー溶液を得た。粘度は4000mPa・s、固形分は50%、重量平均分子量は240,000であった。
実施例1のポリマー溶液の固形分100重量部に対し、架橋剤として多官能イソシアネート化合物であるコロネートHX(日本ポリウレタン工業社製、商品名)1.5重量部を加え、さらに酢酸エチル23重量部を加えて固形分45%に調製し、実施例1の粘着剤組成物を調製した。
実施例2〜9、比較例1〜4
実施例1で用いた材料の他、単量体としてIDMA(iso-デシルメタクリレート)、LMA(ラウリルメタクリレート)、STMA(ステアリルメタクリレート)、ISTA(iso-ステアリルアクリレート)、NVP(N-ビニルピロリドン)、DAAM(ジアセトンアクリルアミド)、DMAAm(ジメチルアクリルアミド)、BA(ブチルアクリレート)、2EHA(2−エチルヘキシルアクリレート)を用い、溶剤としてトルエン、MEK(メチルエチルケトン)を用い、架橋剤として多官能イソシアネート化合物であるコロネートL、コロネートHL(ともに日本ポリウレタン工業社製、商品名)を用いて表1記載の配合にてポリマーの重合および配合を行った他は実施例1と同様に行い、固形分45%である実施例2〜9、比較例1〜4の各粘着剤組成物を調製した。
粘着シートの作製
各粘着剤組成物を離型フィルム上に乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、90℃で20分間加熱乾燥後、離型フィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム)と貼り合わせ、さらに23℃で7日間エージングを行い、基材レスの粘着シートを作成した。
耐湿熱白化性
各粘着シートをPETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4300、厚さ50μm)に貼り合わせ、幅25mm、長さ100mmのフィルム片を作成した。フィルム片の離型フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてガラス上に、ラミネーターを用いて貼着した。これを60℃、95%RH環境下で400時間放置し、23℃、50%RHにて1時間冷却した後のヘーズを測定した。なお、ヘーズは東洋精機製作所(株)製HAZE−GARDIIを用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
○:ヘーズが1.5未満(ほとんど白化が確認されず、耐湿熱白化性良好)
×:ヘーズが1.5以上(白化性不良で使用できない)
段差追従性
PETフィルム上に、銀インキを用いてシルクスクリーンコーターにて幅1cmで段差が40μmになるように印刷した。23℃、50%RH雰囲気でこの試験用粘着テープの剥離ライナーを剥がし、当該印刷フィルム(サイズ40mm×長さ100mm)の印刷面を跨ぐようにラミネーターを用いて貼着した。これをオートクレーブ内で50℃、0.5MPaで20分間処理した後、23℃、50%RH環境下にて24時間放置した後、段差が埋まっているか以下の基準で目視評価した。ラミネーター貼着後、およびオートクレーブ処理直後に段差が埋まっていれば段差追従性良好(○)とし、オートクレーブ処理直後に段差が埋まっていなければ段差追従性不良(×)とした。
実施例の各粘着剤組成物は誘電率が低く、耐湿熱白化性および段差追従性も良好であった。一方、比較例の各粘着剤組成物においては、誘電率が高かったり、耐湿熱白化性や段差追従性が十分ではなかった。

Claims (4)

  1. 炭素数が10〜24である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体を20〜99重量%、アミド基含有単量体を0.1〜7重量%含有する単量体を重合することによって得られ、重量平均分子量が40万未満であるアクリルポリマーを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 水への溶解度が10g/100mL(20℃)以下の溶剤を含有することを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. アクリルポリマーのTgが−30℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着材組成物。
  4. 周波数1MHzにおける比誘電率が3以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の粘着剤組成物。
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