JP2015000850A - 有機アルコキシシランの製造方法 - Google Patents

有機アルコキシシランの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 一酸化ケイ素を原料に用いて、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造するための新規な方法を提供する。【解決手段】 一酸化ケイ素と炭酸ジアルキルとを、塩基性触媒を用いて、密閉系又は加圧下で加熱処理することで、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造する方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、有機アルコキシシランの製造方法に関する。
一酸化炭素は、炭化ケイ素の生成過程(SiO2+C→SiO+CO, SiO+2C→SiC+CO)で生成することが知られている(非特許文献1)。一酸化炭素について、高温での蒸気圧が高い性質を利用して、気相からの窒化ケイ素や炭化ケイ素の超微粉体の製造原料としての利用(特許文献1、2)、薄膜を製造する蒸発源としての利用(特許文献3)、結晶質酸化ケイ素ナノワイアの製造原料としての利用(特許文献4)が行われている。また、一酸化炭素の製造方法として、銅系の触媒を添加することにより、包装用フィルム蒸着用物質及びリチウム二次電池負極活物質として有効な一酸化ケイ素の製造方法が知られている(特許文献5)。
また、シリカと炭酸ジアルキルとの反応については、アルカリ触媒の存在下でテトラアルコキシシランが生成することが知られている(特許文献6)
特開昭59−50601号公報 特開昭63−103815号公報 特開2003−246670号公報 特開2002−154819号公報 特開2005−53750号公報 特開2012−196934号公報
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しかしながら、上記先行技術では、二酸化ケイ素の粉末に、金属ケイ素又は炭素の粉末を混合する方法、金属ケイ素を蒸発させ一部酸化する方法について記載されているが、原料としては単に二酸化ケイ素やケイ素が記載されているのみである。特許文献5は若干具体的ではあるが、それでも二酸化ケイ素粉末としてヒュームドシリカが好ましいと記載されているのみである。また、特許文献6ではシリカと炭酸ジアルキルとを用いてテトラアルコキシシランを製造する方法が開示されているが、これは一酸化ケイ素を原料として用いたものではない。
本発明の目的は、一酸化ケイ素を原料に用いて、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造するための新規な方法を提供することにある。
本発明者は、一酸化ケイ素に炭酸ジアルキルを反応させること、及び、その際、塩基性触媒を用いて密閉系又は加圧下で加熱処理することにより、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造することができることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は、一酸化ケイ素と炭酸ジアルキルとを、塩基性触媒を用いて、密閉系又は加圧下で加熱処理することで、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造する方法である。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は一実施形態において、前記一酸化ケイ素を、ケイ酸植物中に含まれるシリカを金属ケイ素と混合して加熱処理することで作製する。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は別の一実施形態において、前記ケイ酸植物として、籾殻に含まれるシリカを用いる。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記籾殻に含まれるシリカを、原料の籾殻を酸性溶液でリーチングした後、加熱処理することで作製する。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記一酸化ケイ素を、前記ケイ酸植物中に含まれるシリカを金属ケイ素と混合して、0.05MPa以下の不活性ガス雰囲気下で、800〜1600℃の加熱処理することで作製する。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記塩基性触媒として、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ金属の塩を用いる。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記塩基性触媒の添加量が、前記シリカに対してアルカリ金属イオンとして0.1〜10at%である。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記塩基性触媒としてNaOH、Na2CO3、KOH、K2CO3、RbOHもしくはRb2CO3を用いる。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記炭酸ジアルキルを、前記一酸化ケイ素1モルに対して2〜30モルの割合で用いる。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記密閉系又は加圧下における圧力を0.2MPa以上、10MPa以下とする。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記密閉系又は加圧下における反応温度を200〜500℃とする。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記炭酸ジアルキルが、炭酸ジメチルまたは炭酸ジエチルである。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は更に別の一実施形態において、前記有機アルコキシシランが、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、及び、アリルアルコキシシランからなる群から選択されるいずれか1種である。
本発明によれば、一酸化ケイ素を原料に用いて、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造するための新規な方法を提供することができる。
実施例1に係る各反応温度におけるSiO2のSiOへの転化率を示すグラフである。 実施例2に係る各反応温度に対する反応系内の圧力を示すグラフである。
本発明の有機アルコキシシランの製造方法は、一酸化ケイ素と炭酸ジアルキルとを、塩基性触媒を用いて、密閉系又は加圧下で加熱処理することで、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造する。
一酸化ケイ素(SiO)は、以下の2つの反応(1)、(2)のいずれかで生成される。
上記反応(1)、(2)は、反応物であるSiO2の性状、例えば、反応性によって生成するSiOの生成速度も変化し、その結果、SiOが固体になり、析出するSiOの形態も変化する。一酸化ケイ素の構造については、2SiO→SiO2+Siの不均化反応により、Si金属とSiO2との混合物と考えられたり、二量体、三量体、四量体として(Si−O)nの環状構造を有し、Si−Si結合を有すると報告されている(栗原浩一、“非晶質シリカからの中距離構造”、応用物理、Vol.74, No.7, (2005), pp.917-923.)。このように、上記構造を有する一酸化ケイ素は、Si−O結合のみの二酸化ケイ素と異なり、Si−O結合の他にSi−Si結合を有する。従って、炭酸ジメチル等の炭酸ジアルキルと塩基性触媒の存在下で反応させると、Si原子に四つのメトキシ基(アルコキシ基)が結合するSiO2とは異なり、Si原子の四つの配位子のうち、一つ以上の配位子がメチル基(アルキル基)となると考えられる。このため、一酸化炭素を用いて炭酸ジアルキルと反応させることにより、一つ以上のアルキル基をSiに直接導入することができる。
一酸化ケイ素は、ケイ酸植物中に含まれるシリカを金属ケイ素と混合して加熱処理することで作製することができる。ここで、ケイ酸植物中のシリカとは、稲、麦、サトウキビ、トウモロコシ、竹、ススキ、トクサなどのケイ酸植物生体内に含まれるケイ酸イオンを源とするシリカを指す。特に、ケイ酸植物の一つである稲の籾殻には約20重量%、稲わらには約10重量%のシリカが含まれている。従って、ケイ酸植物中のシリカは、毎年、稲作などの耕作や自然サイクルによって生産される無尽蔵のシリカである。
ケイ酸植物中のシリカが存在する個所には、根から吸収した水分や養分を上部に送る導管の壁や籾殻のように表皮細胞の外側のクチクラがある。ここではケイ酸植物中で最もシリカを多く含む籾殻(シリカ分は約20重量%)について説明する。籾殻とは、稲の籾の外皮をいう。稲は土壌や灌漑水からシリカを水溶性ケイ酸イオンとして根を通して取り込み、籾殻、茎及び葉に蓄積する。
稲に蓄積されるシリカのうち、籾殻中のシリカは15重量%である。灌漑水から稲に取り込まれるシリカは稲に蓄積するシリカの20重量%、土壌から取り込まれるシリカは80重量%である。籾殻中のシリカのみを利用した場合、土壌中のシリカが減少することはなく、毎年の稲作に影響を与えない。
また、籾殻中のシリカは表皮細胞の外側のクチクラに蓄積する。従って、籾殻中のセルロースなどの有機質は腐食しにくく、肥料にもなりにくく、有効に利用されてはいない。さらに、籾殻中のシリカ分は籾殻の約20重量%であり、茎や葉部中より多く存在する。よって、ケイ酸植物中のシリカを得るのに、籾殻は好適である。
なお、シリカの性状は、稲の種類に限定されず、ジャポニカ種またはインディカ種であっても差異はない。
籾殻シリカは、籾殻中のセルロース、ヘミセルロースまたはリグニンなどの有機質、およびシリカ以外の無機質を取り除くことにより得られる。籾殻には約5重量%の不純物が含まれているが、そのまま500℃以上の温度で燃焼させることで籾殻シリカが得られる。この場合、炭素は5重量%、酸化カリウム、酸化カルシウム等の不純物は6重量%以下残り、籾殻シリカの純度は89重量%以上で、表面積は100m2/g以下となる。
この籾殻シリカの二酸化ケイ素に対し、等モルのSi金属を混合し、一酸化ケイ素を製造するが、生成物中には1重量%以下の不純物を含む。これに対し、塩酸等の酸性溶液で籾殻をリーチングし、不純物を取り除くと、炭素2重量%以下、酸化カリウム、酸化カルシウム等の不純物は0.1重量%以下残り、籾殻シリカの純度は99重量%以上と、より高純度となる。さらに、リーチングした籾殻で製造したSiO2表面積は燃焼温度で異なるが、100〜333m2/g以下と、より広い表面積となる。そして、生成する一酸化炭素の純度は100重量%となる。
粒径45μm以下のケイ砂の29m2/g、非晶質シリカ(ケイ酸ナトリウム溶液に酸を加えて沈殿させて得た市販シリカ)の3.5m2/gと比べても、籾殻シリカの表面積は大きい。この籾殻シリカに金属シリコン粉末を混合させ、0.05MPa以下、より好ましくは0.1Pa以下のアルゴン等の不活性ガスの減圧下で、800〜1600℃の加熱処理をすることで一酸化ケイ素を析出させることができる。加熱温度はより好ましくは1000〜1500℃である。また、このときの昇温速度は1℃/分以上、より好ましくは5〜50℃/分、所定温度での保持時間は0分以上、より好ましくは0〜3時間である。
籾殻を不活性ガス雰囲気中で400℃以上の温度で処理すると、籾殻に含まれるセルロース、リグニン等の有機質が分解して炭素になる。例えば、籾殻の500℃の加熱処理によれば、二酸化ケイ素は60重量%、炭素は40重量%となる。上記のようにリーチングして不純物を減少させた籾殻炭化物では、二酸化ケイ素は50重量%、炭素は50重量%程度となる。この籾殻炭化物のまま用いてもよく、もしくは、籾殻炭化物を燃焼させてSiO2/Cモル比を1.0に調整して用いてもよい。
籾殻シリカ以外に、シリカ源としては、ケイ酸ナトリウム溶液に塩酸を溶液を加え、シリカキセロゲルを作製し、これを乾燥したシリカ(市販シリカとも呼ぶ)、ケイ砂等のシリカも使用可能である。
表面積の大きい籾殻シリカに金属ケイ素を混合した原料、籾殻炭化物原料は比重が小さく、多孔質で、反応管内を減圧下にするときに飛散しやすいので、原料をペレットにするか、反応管を5〜90度に傾斜させて、減圧下、加熱すると原料が飛散することはない。
生成する一酸化ケイ素は加熱炉の中心にある原料から炉外の真空ポンプ間に設置した管内壁に析出させてもよい。一酸化ケイ素析出部の管内には内壁と隙間が無いように内筒を挿入してもよく、一酸化ケイ素析出物は内筒内壁に付着させてもよい。析出管の内筒の内壁の温度は1100℃〜室温になるように設定し、析出温度で一酸化ケイ素が取り出せるようにしておいてもよい。各析出温度で一酸化ケイ素の形態は異なっており、形態が薄膜から平均粒径0.3μmの細かい粒子が凝集した形態まで採集することができる。
上記の方法で調整した一酸化ケイ素と、炭酸ジアルキルとを密閉系又は加圧下で塩基性触媒を用いて加熱して反応させる。その場合、一酸化ケイ素1モルに対し、炭酸ジアルキルは2〜30モルの割合、好ましくは、2.1〜3モルの割合で用いることが望ましい。この範囲内で炭酸ジアルキルを配合することにより、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン等の、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランが高い収率で得られるとともに、炭酸ジアルキルの無駄な消費量を節減することができる。
この密閉系又は加圧下における圧力を0.2MPa以上、10MPa以下とするのが好ましい。0.2MPa以上とすることにより、炭酸ジアルキルや生成物であるテトラアルコキシシラン等の有機アルコキシシランの全量もしくは一部を液相に保って触媒を融解し、イオン状態に保つことでシリカに反応させやすくすることができる。そのため、反応速度が高まる。当該圧力は、より好ましくは0.4〜2MPaであり、このようにすることで当該反応速度がより一層高まる。
上記触媒としては、塩基性を示すアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ金属の塩を用いることができる。アルカリ金属のうち、原子番号が大きいほど、そのアルカリ金属の水酸化物や塩は塩基性が強くなる。塩基性が強いアルカリ金属の水酸化物もしくは炭酸塩を用いることにより、高い収率で有機アルコキシシランを得ることができる。より好ましくは、NaOH、Na2CO3、KOH、K2CO3、RbOHもしくはRb2CO3が用いられ、その場合には、反応速度をより一層高めることができるとともに、より高い収率で有機アルコキシシランを得ることができる。触媒添加量は、シリカに対してアルカリ金属イオンとして0.1〜10at%(原子基準濃度)が好ましく、1〜7at%がより好ましい。
上記密閉系又は加圧下における反応に際しての温度は、200〜500℃であるのが好ましく、300〜425℃であるのがより好ましい。また、当該反応温度が350〜425℃であれば、有機アルコキシシランの収率をより高くするとともに、分解を良好に抑制することができる。
上記密閉系又は加圧下における反応に際して用いる反応容器は、密閉系又は加圧下で一酸化ケイ素と炭酸ジアルキルとを上記触媒の存在下で反応させることができるものであれば、特に限定されず、バッチ反応系でも流通系でもよい。また、バッチ反応系を用いると、炭酸ジアルキルや一酸化ケイ素を無駄に消費することを抑制できるという利点がある。
本発明で用いられる炭酸ジアルキルとしては、特に限定されないが、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジノルマルプロピル、炭酸ジイソプロピルなどを挙げることができる。好ましくは、炭酸ジメチルまたは炭酸ジエチルが用いられる。その場合には、有機アルコキシシランを速やかにかつ高い収率で得ることができる。
(有機アルコキシシラン)
本発明では、上記反応により、有機アルコキシシランとして、例えばアルキルアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、及び、アリルアルコキシシランからなる群から選択されるいずれか1種を得ることができる。より具体的には、例えば、テトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン等を得ることができる。このようにして得られた有機アルコキシシランは、無機物質の表面処理やセラミックの合成、ゾルゲル法による球状シリカの合成、樹脂のシリコーン変性によるハイブリッド化、触媒や担体などに使用することができる。
次に、本発明に係る実施例を以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
水洗した籾殻に3%(v/v)の塩酸溶液を加え、2時間還流リーチングを行い、不純物を除去した後、窒素100mL/分の気流中、昇温速度5℃/分で昇温させ、600℃で1時間保持して炭化させた。さらに、炭化の際と同じ温度において、空気中で3時間加熱して籾殻シリカを製造した。得られた籾殻シリカの純度は99.8重量%で、表面積は333m2/gであった。
次に、上記のようにして調製された籾殻シリカに、金属ケイ素(粒径75μm以下)をモル比1:1になるように秤量し、遊星型ボールミルで攪拌混合した。混合試料1gを片側を封じたムライト製反応管に充填した。長さ50cmの反応管を30度傾斜させて、加熱炉内に装着した。加熱炉は長さ40cmで、試料部を加熱炉の中心にし、加熱炉外の30cmの反応管内部に外径15.5mmの石英ガラス管を挿入し、これをSiO析出管とした。反応管とSiO析出管内部をアルゴンで置換した後、3×10-2Paの真空環境にし、1000〜1500℃まで15℃/分の昇温速度で加熱した。1000〜1500℃の所定温度に達した後、直ちに15℃/分の降温速度で室温まで冷却した。図1に、各反応温度におけるSiO2のSiOへの転化率〔(生成したSiOのモル数/原料SiO2のモル数)×100(%)〕を示す。比較のために、結晶性がアモルファスで径が45μmの真球状のシリカを用いた場合の結果も示す。図1によれば、反応温度1300℃以上では籾殻シリカのSiOへの転化率が高いことがわかる。
(実施例2)
籾殻シリカにグラファイトをSiO2/C=1(モル比)となるように混合し、SiO2+Siと同様な反応を行った。図2に、この際の温度に対する反応系内の圧力を示す。籾殻シリカでは、1500℃では減量が50%となり、SiO2のSiOへの転化率は50%であった。また、市販シリカの場合は、SiO2のSiOへの転化率は20%であった。
(実施例3)
2CO3を、SiO(実施例2で籾殻シリカとグラファイトから調製したSiO、及び、市販のSiO(Wako製、純度99.9%)に対してそれぞれK分で5at%となるように添加し、均一な粉末試料とするために、めのう乳鉢を用いて40分間混合した。SiO分が0.1gとなるように、炭酸ジエチル(Wako製、特級):n−ヘプタン=5:2(体積比)となるように調整した混合溶液0.6mLを測り採り、あらかじめDMC:n−ヘプタン=5:2(体積比)となるように調整した混合溶液0.6mLとシリカをオートクレーブに入れ、オートクレーブ内が不活性ガス雰囲気となるように、He、Arガス0.6078MPaの圧力下で5回置換した。
オートクレーブに入れたそれぞれの試料は電気炉で350℃で120分間加熱した後、オートクレーブを室温まで冷却し、オートクレーブ内の反応溶液を取り出した。加熱前後の溶液はガスクロマトグラフィーを用いて分析し、テトラメトキシシランの収率〔(生成したテトラメトキシシランのモル数/原料SiOのモル数)×100(%)〕を求めた。
この結果、実施例2で籾殻シリカとグラファイトから調製したSiOを用いた場合は、テトラメトキシシランの収率が8%程度であった。また、生成物の構造解析を1H−NMRで行った。1H−NMRでは、各サンプル50μLを、重アセトン650μLで溶解させて測定を行い、メチルトリメトキシシランの収率〔(生成したメチルトリメトキシシランのモル数/原料SiOのモル数)×100(%)〕を求めた結果、3%程度であった。
一方、市販シリカから製造した一酸化ケイ素を用いて同様の反応を行った場合は、テトラメトキシシランの収率は6%程度であり、メチルトリメトキシシランの収率は1%程度であった。
このように、籾殻シリカから製造した一酸化ケイ素の方が、活性が高くなることが認められた。

Claims (13)

  1. 一酸化ケイ素と炭酸ジアルキルとを、塩基性触媒を用いて、密閉系又は加圧下で加熱処理することで、ケイ素原子に有機基が1つ以上結合した有機アルコキシシランを製造する方法。
  2. 前記一酸化ケイ素を、ケイ酸植物中に含まれるシリカを金属ケイ素と混合して加熱処理することで作製する請求項1に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  3. 前記ケイ酸植物として、籾殻に含まれるシリカを用いる請求項2に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  4. 前記籾殻に含まれるシリカを、原料の籾殻を酸性溶液でリーチングした後、加熱処理することで作製する請求項3に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  5. 前記一酸化ケイ素を、前記ケイ酸植物中に含まれるシリカを金属ケイ素と混合して、0.05MPa以下の不活性ガス雰囲気下で、800〜1600℃の加熱処理することで作製する請求項2〜4のいずれか一項に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  6. 前記塩基性触媒として、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ金属の塩を用いる請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  7. 前記塩基性触媒の添加量が、前記シリカに対してアルカリ金属イオンとして0.1〜10at%である請求項6に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  8. 前記塩基性触媒としてNaOH、Na2CO3、KOH、K2CO3、RbOHもしくはRb2CO3を用いる請求項6又は7に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  9. 前記炭酸ジアルキルを、前記一酸化ケイ素1モルに対して2〜30モルの割合で用いる請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  10. 前記密閉系又は加圧下における圧力を0.2MPa以上、10MPa以下とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  11. 前記密閉系又は加圧下における反応温度を200〜500℃とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  12. 前記炭酸ジアルキルが、炭酸ジメチルまたは炭酸ジエチルである請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
  13. 前記有機アルコキシシランが、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、及び、アリルアルコキシシランからなる群から選択されるいずれか1種である請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機アルコキシシランの製造方法。
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