JP2015000541A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015000541A
JP2015000541A JP2013126834A JP2013126834A JP2015000541A JP 2015000541 A JP2015000541 A JP 2015000541A JP 2013126834 A JP2013126834 A JP 2013126834A JP 2013126834 A JP2013126834 A JP 2013126834A JP 2015000541 A JP2015000541 A JP 2015000541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
sheet
msr
composite sheet
inner liner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013126834A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6130742B2 (ja
Inventor
健一 笠間
Kenichi Kasama
健一 笠間
智昌 工藤
Tomomasa Kudo
智昌 工藤
真一 上野
Shinichi Ueno
真一 上野
宏志 川端
Hiroshi Kawabata
宏志 川端
豪俊 津▲崎▼
Taketoshi Tsuzaki
豪俊 津▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2013126834A priority Critical patent/JP6130742B2/ja
Publication of JP2015000541A publication Critical patent/JP2015000541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6130742B2 publication Critical patent/JP6130742B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tyre Moulding (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

【課題】インナーライナとチェーファとを複合した複合シートの波打ち変形を抑制する。【解決手段】複合シート形成工程は、第1ゴム圧延ステップによる第1ゴムシート11aNと、第2ゴム圧延ステップによる第2ゴムシート11bNとを重ね合わせたシート状インナーライナ11Nの両側縁部に、シート状チェーファの内側縁部を重ね継ぎして複合シートを形成する継ぎステップを具える。前記複合シート形成工程は、前記第2ゴム圧延ステップに先駆け、第2ゴムの応力緩和試験のMSRを測定し、MSR値が基準値以上の場合のみ前記第2ゴム圧延ステップに投入するMSR判定ステップを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、シート状インナーライナとシート状チェーファとを複合した複合シートの波打ち変形を抑制し、製造ロスの発生を抑えうる空気入りタイヤの製造方法に関する。
一般的な空気入りタイヤの製造方法では、円筒状の成型ドラムの外周面上で、シート状インナーライナとシート状チェーファとを複合した複合シート、及びシート状カーカスプライを順次巻き付けて円筒状のカーカス積層体を形成する工程、その外周面上かつ両端部側にビードコアをセットする工程、並びに前記カーカス積層体を前記ビードコア間でトロイド状にシェーピングさせる工程などが含まれる。
図10(A)、(B)に示すように、前記複合シートaは、ブチルゴム系の第1ゴムb1を圧延して形成した第1ゴムシートbと、NR系の第2ゴムc1を圧延して形成した第2ゴムシートcとを重ね合わせてシート状インナーライナdを形成する重ね合わせステップ、及び前記シート状インナーライナdのタイヤ軸方向両側縁部に、シート状チェーファeの内側縁部を重ね継ぎする継ぎステップとをへて形成される。
前記継ぎステップ時においては、シート状インナーライナdと、シート状チェーファeとは同長さで重ね継ぎされる。しかし継ぎステップ後は、シート状インナーライナdには、シート状チェーファeに比して大きなシュリンク(縮み)が時間経過とともに発生する。これに対して、シート状チェーファeには、ゴム中に、リムズレ防止のための繊維材(例えばキャンパス布など)が埋設されているため、シュリンクは実質的に発生しない。
その結果、図10(C)に示されるように、複合シートaに波打ち変形fが発生する。この波打ち変形fが大きい複合シートaの場合には、タイヤ品質の観点からその使用ができなくなってしまい、製造ロスを招くこととなる。
そこで下記の特許文献1には、シート状インナーライナdの製造ラインにおいて、各部におけるロールの回転数に工夫を加え、重ね継ぎ前に強制的にシュリンクさせることにより、波打ち変形fを抑制することが提案されている。しかし、十分に満足しうる効果を得るには至っていない。
特開2010−173223号公報
本発明は、シュリンクのパラメータとしてゴムの応力緩和試験のMSRを採用し、圧延に先駆けて第2ゴムのMSRの判定を行うことを基本として、複合シートにおける波打ち変形の発生を抑制でき、タイヤの生産効率を向上させうる空気入りタイヤの製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスの半径方向内側に配される空気非透過性のインナーライナと、ビード底面に沿ってのびるリムズレ防止用のチェーファとを具える空気入りタイヤの製造方法であって、
未加硫のシート状インナーライナとシート状チェーファとを複合した複合シートを形成する複合シート形成工程を含み、
しかもこの複合シート形成工程は、
ブチルゴム系の第1ゴムを圧延して第1ゴムシートを形成する第1ゴム圧延ステップ、
NR系の第2ゴムを圧延して第2ゴムシートを形成する第2ゴム圧延ステップ、
前記第1ゴムシートと第2ゴムシートとを重ね合わせて前記シート状インナーライナを形成する重ね合わせステップ、
及び前記シート状インナーライナのタイヤ軸方向両側縁部に、前記シート状チェーファの内側縁部を重ね継ぎして前記複合シートを形成する継ぎステップを具えるとともに、
前記複合シート形成工程は、前記第2ゴム圧延ステップに先駆け、前記第2ゴムの応力緩和試験のMSR(Mooney stress-relaxation rate)を測定し、測定したMSR値が基準値以上の場合のみ前記第2ゴム圧延ステップに投入するMSR判定ステップを含むことを特徴としている。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記基準値は0.45以上であることが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記複合シート形成工程は、MSR値が基準値未満の場合、前記第2ゴムを練り直すことによってそのMSR値を下げる練り直しステップを具えることが好ましい。
前記「応力緩和試験のMSR(Mooney stress-relaxation rate)」は、ISO 289−4:2003に準拠して測定した130℃における値である。
未加硫ゴムのシュリンクの発生メカニズムは以下の通りである。図6に概念的に示すように、熱入れ状態J1において、ゴム分子gは丸まっており安定状態となっている。しかし圧延直後の状態J2においては、ゴム分子gはカレンダロール等によって圧延方向に伸ばされるため、不安定な状態となる。そして圧延後の時間経過状態J3においては、ゴム分子gは分子運動により、伸びた部分が次第に丸まって安定状態に戻っていく。このように圧延によってシート状に伸ばされた不安定状態のゴム分子gは、分子運動によって安定状態へと徐々に戻っていき、その過程がゴムのシュリンクとして観測される。
このような現象はゴムの緩和現象の一つとして知られており、以下の式(1)で表すことができる。
シュリンク量の時間的変化A=A × exp(−t/B)−−−式(1)
式中の「A」は、ゴムがどれだけシュリンクするかの値であって、ゴムの種類、種類が異なるゴムの配合比率、及びゴムの分子量等に影響する。又「B」はシュリンクの速度であって、ゴムの温度、ゴムの分子量等に影響する。「t」は時間である。
上記の式(1)から解るように、ゴムのシュリンクはゴムの分子量と関係があり、またゴムの分子量と関連がある指標としてMSRがある。このMSRは、ゴムの応力緩和の速さの指標であり、図7に概念的に示すように、まずゴムGに力Fを加えて変形させ、その変形を維持する場合、変形の維持に必要な力Fは、徐々に小さくなっていく。この力Fが小さくなる速さの指標が「MSR」であり、MSRが大きいほど、力Fが小さくなる速さが速くなる。
ここで、ゴムはその分子量が大きいと、分子鎖が長くなる。そのためゴムの伸長量と収縮量(シュリンク量)とは、ともに大きくなると考えられる。このことは、図8(A)に示す本発明者の実験結果によっても確認される。即ち、バンバリーミキサーを用い、練り時間を違えることにより分子量を違えた複数の未加硫ゴム(本例ではNRを使用。)を形成し、それらのシュリンク量(割合)をそれぞれ測定した。その結果、分子量とシュリンク量(割合)との間には、強い相関関係があることが確認された。又、分子量を違えた前記複数の未加硫ゴムのMSRを測定し、このMSRとシュリンク量(割合)との関係を調査した。その結果、図8(B)に示すように、MSRとシュリンク量(割合)との間にも、強い相関関係があり、このMSRをパラメータとすることで、シュリンク量(割合)を掌握しうることが究明された。
他方、図9に、本発明者が実験によって得た第1ゴムシート、第2ゴムシート、及びシート状インナーライナにおけるシュリンク量の経過時間による変化の一例が示される。同図に示されるように、NR系の第2ゴムの方が、ブチルゴム系の第1ゴムよりもシュリンク量が大である。従って、この第2ゴムのシュリンク量を低く抑えることで、シート状インナーライナにおけるシュリンク量を減じることが可能となる。
そのため本発明では、第2ゴム圧延ステップに先駆けて、第2ゴムのMSRを測定し、そのMSR値が基準値以上の場合のみ第2ゴム圧延ステップに投入している。これにより、シート状インナーライナにおけるシュリンク量を低く抑えることができ、複合シートにおける波打ち変形の発生を抑制することが可能となる。
本発明の製造方法によって形成された空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 (A)は複合シートの巻き付け工程を説明する断面図である。 複合シート形成工程における第1ゴム圧延ステップ、第2ゴム圧延ステップ、及び重ね合わせステップを概念的に示す側面図である。 複合シート形成工程における継ぎステップを概念的に示す斜視図である。 波打変形の発生状況を示すグラフである。 シュリンクの発生メカニズムを説明する概念図である。 MSRをイメージで捉える概念図である。 (A)はゴムの分子量とシュリンク量(割合)との関係を示すグラフ、(B)はMSR値とシュリンク量(割合)との関係を示すグラフである。 第1ゴムシート、第2ゴムシート、及びシート状インナーライナにおけるシュリンク量の経過時間による変化を示すグラフである。 (A)、(B)は、従来のシート状インナーライナ、及び複合シートを示す断面図、(C)は複合シートにおける波打ち変形を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の製造方法によって形成された空気入りタイヤ1の一実施例を示す断面図である。
図1に示すように、前記空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、前記カーカス6の半径方向内側に配される空気非透過性のインナーライナ11と、ビード底面4Sに沿ってのびるリムズレ防止用のチェーファ12とを具える。本例では、前記空気入りタイヤ1が、例えば乗用車用タイヤである場合が示されるが、これに限定されるものではなく、例えば自動二輪車用タイヤなど他のカテゴリの種々なタイヤに適用しうる。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90度の角度で配列させた1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aにより構成される。前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るに至るプライ本体部6aと、このプライ本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返部6bとを有する。プライ本体部6aとプライ折返部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびる断面三角形状の硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配される。
前記カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部には、トレッド補強層7が配される。このトレッド補強層7は、ベルト層9及び/又はバンド層10を具え、本例ではベルト層9とバンド層10との双方を具える場合が示される。
前記ベルト層9は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して、例えば10〜35度の角度で配列させた1枚上、本例では2枚のベルトプライ9A、9Bからなる。ベルト層9はベルトコードがプライ間相互で互いに交差することにより、ベルト剛性が高められトレッド部2を強固に補強する。
前記バンド層10は、バンドコードを、タイヤ周方向に螺旋状に巻回させた1枚上のバンドプライから形成される。バンドプライとして、ベルト層9のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ、及びベルト層9の略全巾を覆うフルバンドプライが適宜使用でき、本例では1枚のフルバンドプライ10Aからなる場合が示される。なおカーカスコード、ベルトコード、バンドコードとしては、従来と同様の周知のタイヤコードが適宜採用される。
前記インナーライナ11は、タイヤ内腔面TSに沿う内層部11aと、その外側に配される外層部11bとの2層構造をなす。このうち内層部11aは、空気非透過性のブチルゴム系の第1ゴムG1から形成される。このブチルゴム系の第1ゴムG1として、ブチルゴム、その誘導体であるハロゲン化ブチルゴム、及びゴム成分中に前記ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを60質量%以上含むブレンドゴムが採用される。ブレンドゴムの場合、残部ゴムとして、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IR(イソプレインゴム)等のジエン系ゴムが好適に採用される。
又外層部11bは、接着性に優れるNR系の第2ゴムG2から形成され、前記内層部11aとカーカス6との間の接着強度を高める。このNR系の第2ゴムG2は、NR(天然ゴム)、及びゴム成分中に前記NRを60質量%以上含むブレンドゴムが採用される。なおブレンドゴムの場合、残部ゴムとして、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IR(イソプレインゴム)等のジエン系ゴムが好適に使用できる。
前記チェーファ12は、ビード底面4Sに沿ってのびる基部12Aを少なくとも有する。本例のチェーファ12は、前記基部12Aのタイヤ軸方向内端で折れ曲がりタイヤ内腔面TSに沿って立ち上がる内の立上部12iと、基部12Aのタイヤ軸方向外端で折れ曲がりプライ折返部6bの外面に沿って立ち上がる外の立上部12oとを具える。
前記チェーファ12は、リムズレ防止のために繊維材によって補強されたゴムシート状をなす。本例では、チェーファ12として、有機繊維からなるキャンバス布をゴム被覆した所謂キャンバスチェーファからなる場合が示されるが、コード配列体をゴム被覆したものなど繊維材で補強された種々のものが採用しうる。前記繊維材には、アラミド、ナイロン、レーヨン等の有機繊維が好適に採用される。本例のチェーファ12では、前記内の立上部12iの上端は、インナーライナ11の前記内層部11aの下端と突き合わされて終端している。又、内の立上部12i及び基部12Aと、カーカスプライ6Aとの間にはインナーライナ11の外層部11bが介在し、この間の接着強度を高めている。
次に、上記空気入りタイヤ1の製造方法について説明する。
この製造方法は、複合シート形成工程SAを少なくとも含み、本例では、その後行われる複合シート巻付け工程SB、カーカスプライ巻付け工程SC、ビードコア装着工程SD、及びシェーピング工程SEをさらに具える。
前記複合シート形成工程SAは、未加硫のシート状インナーライナ11Nとシート状チェーファ12Nとを複合した複合シート13N(図3(B)に示す。)を形成する工程である。この複合シート形成工程SAは、第1ゴム圧延ステップSA1と、第2ゴム圧延ステップSA2と、重ね合わせステップSA3と、継ぎステップSA4とを具える。
図2(A)に示すように、第1ゴム圧延ステップSA1では、周知のカレンダー装置20を用い、前記第1ゴムG1を圧延して第1ゴムシート11aNを形成する。又第2ゴム圧延ステップSA2では、周知のカレンダー装置20を用い、前記第2ゴムG2を圧延して第2ゴムシート11bNを形成する。又重ね合わせステップSA3では、前記第1ゴムシート11aNと第2ゴムシート11bNとを重ね合わせてシート状インナーライナ11Nを形成する。
図中の符号21は、複数の冷却ドラム21Aが配列する冷却領域であって、前記シート状インナーライナ11Nは、複数の冷却ドラム21A間を通ることにより冷却される。図2(B)に示すように、第2ゴムシート11bNは第1ゴムシート11aNよりも巾広であり、シート状インナーライナ11Nの両側部には、第2ゴムシート11bNが第1ゴムシート11aNからはみ出すはみ出し部14が形成される。
なお冷却されたシート状インナーライナ11Nは、本例では、いったんロール状に巻き取られた後、次の継ぎステップSA4に送られるが、シート状のまま継ぎステップSA4に搬送することもできる。
図3(A)、(B)に示すように、継ぎステップSA4では、例えば圧着ローラ24を用い、シート状インナーライナ11Nのタイヤ軸方向両側縁部、厳密には前記み出し部14に、前記シート状チェーファ12Nの内側縁部を重ね継ぎし、これによって複合シート13Nを形成する
図4(A)に示すように、複合シート巻付け工程SBでは、前記複合シート13Nを周知構造の成型ドラム25の外周面上に巻き付ける。又図4(B)に示すように、前記カーカスプライ巻付け工程SCでは、前記複合シート13Nのさらに外側にシート状のカーカスプライ6ANを巻き付けて円筒状のカーカス積層体15を形成する。又前記ビードコア装着工程SDでは、カーカス積層体15の外周面上かつ両端部側にビードコア5をセットする。本例のビードコア5には、その半径方向外周面に予めビードエーペックス8が接合されている。
又図4(C)に示すように、シェーピング工程SEでは、ビードコア5、5間を近づけながら、このビードコア5、5間で前記カーカス積層体15をトロイド状にシェーピングさせる。これにより、カーカス積層体15の膨張部分と、予め半径方向外側で待機させたトレッド形成用のトレッドリング16とが接合され、未加硫の生タイヤ1Nが形成される。なお前記複合シート巻付け工程SB、カーカスプライ巻付け工程SC、ビードコア装着工程SD、及びシェーピング工程SEとしては、従来的な種々の方法が採用しうる。
そして本発明では、前記複合シート形成工程SAは、前記第2ゴム圧延ステップSA2に先駆け、前記第2ゴムG2の応力緩和試験のMSRを測定し、測定したMSR値が基準値以上の場合のみ第2ゴムG2を第2ゴム圧延ステップSA2に投入するMSR判定ステップ(図示しない)を含む。
前述したように、未加硫ゴムのMSR値とシュリンク量との間には、前記図8(B)に示されるような強い相関関係があり、このMSRをパラメータとすることでシュリンク量(割合)を掌握しうることが、発明者の研究の結果判明した。
従って、MSR判定ステップにより、シート状インナーライナ11Nのシュリンク量への影響が大きい第2ゴムのMSRを測定し、そのMSR値が基準値以上の場合のみ第2ゴム圧延ステップSA2に投入することで、シート状インナーライナ11Nにおけるシュリンク量を低く抑えることができ、複合シート13Nにおける波打ち変形を抑制することが可能となる。
前記基準値としては、0.45以上か好ましく、これを下回ると波打ち変形の抑制が十分に行えない傾向となる。なお基準値の上限は特に規制されない。
前述した如く、MSR値はゴム分子量、即ち分子鎖の長さに関係があり、例えばゴムの練り時間を多くしてゴムの分子鎖を短く切断することで、MSR値を高めることができる。従って、本例の複合シート形成工程SAでは、MSR値が基準値未満の第2ゴムG2に対しては、第2ゴムを練り直すことによってそのMSR値を下げる練り直しステップを具えることが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するため、MSR値を違えた複数の第2ゴムG2を準備するとともに、各第2ゴムG2を用いて図3(B)に示す構造の複合シートを試作し、その波打ち変形の発生状況を調査した。波打ち変形の発生状況は、前記複合シートをロール状に巻き取って保管し(保管時間3〜5時間)、その後この複合シートを、タイヤの製造ラインで使用する際に、複合シートが波打ち変形のために使用できなかったロールの発生率にて比較した。その結果を図5に示す。
なお第2ゴムG2のMSR値は、ゴム練り機(バンバリーミキサー)によるゴム練りの時間によって調整したものであり、ゴム組成は同一である。本例では、第1ゴムはブチルゴム100重量%からなり、第2ゴムはNR70重量%、SBR30重量%のブレンドゴムからなる。それぞれ、加硫剤、加硫促進剤、カーボンブラック等の周知の添加剤が、従来と同様に配合されている。又チェーファとしては、ナイロン製のキャンバス布をゴム被覆したキャンバスチェーファが用いられる。
MSR値は、ISO 289−4:2003に準拠し、ゴム練り機(バンバリーミキサー)にて混練りした第2ゴムG2を、ムーニービスコメータ(島津製作所製のSMV−300RT)にて、温度130℃におけるMSRを測定した。
図5に示すように、MSR値の高い第2ゴムを使用することで、波打ち変形により使用できない複合シートの発生件数を減じうるのが確認できる、特にMSR値を0.45以上とすることで、その効果が高く発揮されるのが確認される。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
4S ビード底面
5 ビードコア
6 カーカス
11 インナーライナ
11N シート状インナーライナ
11aN 第1ゴムシート
11bN 第2ゴムシート
12 チェーファ
12N シート状チェーファ
13N 複合シート
25 成型ドラム
G1 第1ゴム
G2 第2ゴム
SA 複合シート形成工程
SA1 第1ゴム圧延ステップ
SA2 第2ゴム圧延ステップ
SA3 重ね合わせステップ
SA4 継ぎステップ
SB 複合シート巻付け工程

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスの半径方向内側に配される空気非透過性のインナーライナと、ビード底面に沿ってのびるリムズレ防止用のチェーファとを具える空気入りタイヤの製造方法であって、
    未加硫のシート状インナーライナとシート状チェーファとを複合した複合シートを形成する複合シート形成工程を含み、
    しかもこの複合シート形成工程は、
    ブチルゴム系の第1ゴムを圧延して第1ゴムシートを形成する第1ゴム圧延ステップ、
    NR系の第2ゴムを圧延して第2ゴムシートを形成する第2ゴム圧延ステップ、
    前記第1ゴムシートと第2ゴムシートとを重ね合わせて前記シート状インナーライナを形成する重ね合わせステップ、
    及び前記シート状インナーライナのタイヤ軸方向両側縁部に、前記シート状チェーファの内側縁部を重ね継ぎして前記複合シートを形成する継ぎステップを具えるとともに、
    前記複合シート形成工程は、前記第2ゴム圧延ステップに先駆け、前記第2ゴムの応力緩和試験のMSR(Mooney stress-relaxation rate)を測定し、測定したMSR値が基準値以上の場合のみ前記第2ゴム圧延ステップに投入するMSR判定ステップを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記基準値は0.45以上であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記複合シート形成工程は、MSR値が基準値未満の場合、前記第2ゴムを練り直すことによってそのMSR値を下げる練り直しステップを具えることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法。
JP2013126834A 2013-06-17 2013-06-17 空気入りタイヤの製造方法 Active JP6130742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013126834A JP6130742B2 (ja) 2013-06-17 2013-06-17 空気入りタイヤの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013126834A JP6130742B2 (ja) 2013-06-17 2013-06-17 空気入りタイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015000541A true JP2015000541A (ja) 2015-01-05
JP6130742B2 JP6130742B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=52295359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013126834A Active JP6130742B2 (ja) 2013-06-17 2013-06-17 空気入りタイヤの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6130742B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112238634A (zh) * 2019-07-19 2021-01-19 住友橡胶工业株式会社 边缘检测装置及充气轮胎的制造方法
JP2021016992A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09272308A (ja) * 1996-04-08 1997-10-21 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP2007161889A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Canon Inc ゴム組成物及びこれを用いた導電性部材
JP2009167294A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2010173223A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd 未加硫ゴムシートの製造装置及び未加硫ゴムシートの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09272308A (ja) * 1996-04-08 1997-10-21 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP2007161889A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Canon Inc ゴム組成物及びこれを用いた導電性部材
JP2009167294A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2010173223A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd 未加硫ゴムシートの製造装置及び未加硫ゴムシートの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112238634A (zh) * 2019-07-19 2021-01-19 住友橡胶工业株式会社 边缘检测装置及充气轮胎的制造方法
EP3766679A2 (en) 2019-07-19 2021-01-20 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Edge detection device and production method for pneumatic tire
EP3766679A3 (en) * 2019-07-19 2021-01-27 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Edge detection device and production method for pneumatic tire
JP2021016992A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造方法
JP7331516B2 (ja) 2019-07-19 2023-08-23 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6130742B2 (ja) 2017-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4537806B2 (ja) 空気入りタイヤ、及びその製造方法
JP4392400B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5629356B2 (ja) 浮動式2プライタイヤ
JP5225364B2 (ja) ストリップ、その製造方法および空気入りタイヤの製造方法
JP2006159945A (ja) 空気入りタイヤ
JP6299110B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2012106403A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP2009083537A (ja) タイヤ用のカーカスプライ材料、及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP6130742B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
KR20120088489A (ko) 공기 타이어의 제조방법
JP4757699B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ
WO2009001931A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2007022283A (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP6306975B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP5557945B1 (ja) タイヤ製造方法
JP5903066B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2013099905A (ja) ベルト補強層素材の形成方法および、空気入りタイヤ
JP5965149B2 (ja) 空気入りタイヤおよびタイヤ用帯状部材
JP2011148392A (ja) タイヤ用チューブ
JP2013146932A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP6841697B2 (ja) タイヤ補強材及び空気入りタイヤ
WO2016031670A1 (ja) 剛性強化環およびそれを用いたタイヤ加硫方法
JP5084255B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP2010260446A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009241720A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6130742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250