JP2014534121A - 自転車用空気圧縮装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、自転車（２）用空気圧縮装置（１）であって、前記自転車が駆動クランクセット（２００）を備え、少なくとも一つの圧縮空気蓄積カートリッジ（３）と、前記カートリッジ（３）に接続され、前記クランクセット（２００）との噛合手段（７）、ならびに、各々がエアピストン（８０、９０）を備える、少なくとも一つの第一の圧縮用チャンバ（８）および第二の圧縮用チャンバ（９）によって構成された圧縮手段（６）とを含む装置において、前記噛合手段（７）は各ピストン（８０、９０）に結合され、それらの並進ストロークを駆動し、そのことによって、それらのそれぞれのチャンバ（８、９）を圧縮すること、および、前記第一のチャンバ（８）は前記第二のチャンバ（９）に接続され、そのことによって、この第一のチャンバ（８）内の圧縮空気を前記第二のチャンバの圧縮時に前記第二のチャンバ（９）へと移送することを特徴とする装置に関する。【選択図】図４

Description

本発明は、圧縮空気の圧縮および蓄積に関する。さらに詳細には、本発明は、後で使用する目的で圧縮空気を圧縮および蓄積するためにペダル運動を利用して、自転車に適用される。

公知のように、自転車の車輪のタイヤチューブをふくらませることは、ピストンの形状のポンプを使用した吸気により手動で行われる。この作業は、面倒で物理的に制限がある。このふくらませる作業を容易にするために、圧縮空気を閉じ込めるカートリッジによって、タイヤチューブを急速かつ容易にふくらませることが可能となる。しかしながら、一度空になると、カートリッジは再充填または交換されるまで使用不可能になる。

こうした状況から、後でタイヤチューブをふくらませることに使用される圧縮空気を圧縮および蓄積するために、自転車の使用時にペダル運動を利用することが考案された。

検討された解決法は、圧縮空気用タンクを構成するために、互いにはんだ付けされた中空の管によって構成された、自転車のフレームそのものを利用することであった。仏国特許発明第２６２４０８５号明細書および仏国特許発明第４５９９８９号明細書には、圧縮空気用タンクの役割を果たすために、気密性にした、フレームを構成する管の少なくとも一区間を使用することが記載されている。この区間には孔が開けられており、そこに圧縮空気の充填および抜き取りを可能にする弁が取り付けられている。さらに、この区間のところには圧力計が取り付けられていることがあり、圧力、そして、このタンクに含まれる空気の量を示す。

この解決法の主な欠点は、フレームの充填を外部の空気圧縮システムによって実施しなければならないことにある。さらに、フレームは完全にこのために専用でなければならず、したがって、どのタイプの自転車とも両立できない。

国際公開第９６／２２２１６号では、常に、自転車のフレームの一区間によって構成されている気密性の容器を充填するために、ペダル漕ぎによって作動する空気圧縮手段を付加して、この欠点を解消しようと試みている。さらに詳細には、圧縮手段は、自転車のクランクセットと連結された単一のピストンによって構成されており、クランク機構に応じてカムを形成し、それによって、クランクセットの回転を前記ピストンの並進運動に変換して、搭載されたタンクを充填する。

この解決法は、もう一度フレームをタンクとして使用するという欠点に加えて、１０バール（１００００００Ｐａ）を超える、十分な圧力まで空気を圧縮するためにピストンを操作するのに必要な力があまりに大きすぎ、したがって、自転車の乗り手にとって大きすぎる、ペダル漕ぎに対する抵抗をもたらす、という技術的に重大な問題を起こす。さらに、そのような圧縮力は長さが極めて長いか、または、直径が極めて大きいピストンを必要とすることになる。最終的に、圧縮力は極めて高い熱応力、特に、ピストンを破損してユーザを火傷させる恐れのあるピストンの加熱を引き起こすことになる。

欧州特許第０５０７００７号明細書には、ピストンを操作し、圧縮空気用タンクを充填するために、クランクセットの回転を使用する、さらに別の空気圧縮システムが記載されているが、圧縮空気のエネルギーを利用して、特に登り坂でペダル漕ぎを容易にすることが目的である。単一のピストンは、前述の問題と同じ問題を起こし、このタイプのシステムを技術的に実現不可能にする。

本発明は、自転車用空気圧縮装置を提案して、従来技術の欠点を解消することを目的としており、「低圧」および「高圧」の、少なくとも二つの圧縮ピストンを使用して、低圧ピストン内の圧縮空気を高圧ピストン内に移送し、その圧縮を容易にする。

つまり、そのような装置は、前記自転車が備えるクランクセットと協働し、少なくとも一つの圧縮空気蓄積カートリッジと、前記カートリッジに接続され、
−前記クランクセットとの噛合手段、ならびに、
−各々がエアピストンを備える、少なくとも一つの第一の圧縮用チャンバおよび第二の圧縮用チャンバによって構成された圧縮手段とを含み、前記噛合手段が各ピストンに結合され、それらの並進ストロークを駆動し、そのことによって、それらのそれぞれのチャンバを圧縮すること、および、前記第一のチャンバが前記第二のチャンバに接続され、そのことによって、この第一のチャンバ内の圧縮空気を前記第二のチャンバの圧縮時に前記第二のチャンバへと移送することを特徴とする。

そのような二つまたはそれ以上のピストンを用いる解決法によって、数十バール、特に２５〜３５バールの圧縮空気を得るための圧縮に必要な力を減少させることが可能となる。さらに、二つのピストンを使用することによって、圧縮力を原因とする熱応力は減少し、その熱応力は二つのピストン各々に分散させられる。

さらに、その他の補足的な特徴によると、前記噛合手段は前記第一のピストンの少なくとも一つの第一の駆動輪および前記第二のピストンの少なくとも一つの第二の駆動輪を含むことがあり、前記輪は前記クランクセットと噛合する輪によって、取り付けられて回転駆動され、各ピストンはそれらのそれぞれの駆動輪に中心をずらして連結されて取り付けられ、それによってクランク機構が構成される。

好ましくは、前記噛合手段は前記クランクセットとの固定手段を備える噛合ディスクを含むことがあり、前記ディスクには、前記噛合輪が備える歯形に相補的な形状および寸法の歯形に応じた歯がつけられている。

一実施態様によると、前記装置は前記噛合輪の前記ディスクとの噛合による連結の制御手段を含むことがあり、その手段によって前記連結を手動でつなぐ、または切ることが可能となる。

別の実施態様によると、前記制御手段は前記カートリッジの内圧の測定手段を含むことがあり、所定の閾値を超えると前記連結の切断を自動的に操作する。

さらに、前記第一のチャンバは、圧縮空気の圧力が前記第二のチャンバによって圧縮された空気の圧力を下回るような寸法を含み得る。

さらに、第一のチャンバは、第二のチャンバに、前記第一のチャンバから前記第二のチャンバへの圧縮空気の通過のみを可能とする逆流防止弁を介して接続され得る。

別の実施態様によると、前記噛合輪は、前記プレートの歯形と直接噛合して協働するように、特定の相補的な形状を有する単一の輪の形状を示すことがあり、前記輪の歯はローブのように細長い形状を有する。

類似しているが異なる実施態様によると、前記噛合輪は、歯形を呈する輪の形状を示すことがあり、前記輪の周りに巻き付けられたリンクチェーンはその歯形の上で協働する。

添付図面を参照して、本発明の非限定的な実施態様についての下記の詳細な説明によって、本発明の他の特徴および利点が明らかになるであろう。

図１は、自転車のクランクセットと噛合する圧縮装置の、一実施態様の全体的な概略図である。 図２は、第一の実施態様による装置のみの概略的な斜視図である。 図３は、前記第一の実施態様による、その圧縮空気の蓄積カートリッジを除いた、前記装置のメカニズムを明らかにする概略的な透視図である。 図４は、別の実施態様による、その圧縮空気の蓄積カートリッジを除いた、前記装置のメカニズムを明らかにする概略的な透視図である。 図５は、図４の実施態様による、前記装置の前記自転車のクランクセットとの噛合の詳細な概略図である。 図６は、連結されていない状態の装置の、異なる別の実施態様の概略図である。 図７は、クランクセットと連結された状態の装置の、図６に類似した図である。 図８は、装置のさらに別の実施態様の詳細な概略図である。

本発明は、自転車２用の空気圧縮装置１に関する。

さらに詳細には、そのような装置１は、後の利用、特に車輪のタイヤチューブをふくらませるためのみならず、場合によっては前記自転車２が備える、エアダンパシステムの空気の補給のためにも、空気を蓄積する目的でペダル漕ぎを利用して、空気を圧縮する。

そのため、自転車２は、ペダル２０３に連結する軸２０２の周りにフレーム２０７に対して回転式に取り付けられた少なくとも一つのプレート２０１によって構成された駆動クランクセット２００を備える。公知のように、ペダル２０３に力をかけると軸２０２およびプレート２０１の回転が引き起こされ、プレートは、チェーン２０４を有する噛合システムによって、回転式に取り付けられた後輪２０６に連結する少なくとも一つのピニオン２０５を作動させる。

本発明による圧縮装置１は、クランクセット２００のところで、クランクセットと噛合して協働し、ペダル漕ぎの際にその回転を利用して空気を圧縮するために、自転車２の推進システムに適合する。

そのため、前記装置１は、少なくとも一つの圧縮空気蓄積カートリッジ３を含む。図２に見られるように、前記カートリッジ３は、一つの端部に、その充填およびそれを空にすることをそれぞれ確実に行う、空気の入口および出口の孔を備える円筒形の気密性のタンクの形状を示し得る。

有利には、前記装置１は、前記自転車２のフレーム２０７に対して取り外し可能に備え付けられ得る。

図３に示された第一の実施態様によると、装置１は貫通する二つの穴５を備える支持台４に取り付けられることがあり、それによって、標準的には例えばボトルホルダーのように、様々な備品を収容するために、自転車２のフレーム２０７内に設けられたねじ穴と協働するねじ（図示せず）の通過が可能となる。

前記ねじ穴の様々な軸距に適合させるために、穴５を細長く備え付けることがある、ということが分かるであろう。

図２および図４に示された別の実施態様によると、二つの半円の形状を示す二つのリング４０は、その端部各々でねじ留めによって協働して、自転車２のフレーム２０７の管を締めることによって装置１の固定を確実に維持する。

つまり、装置１は容易に外すことができ、それが盗まれることを回避する。さらに、第二の実施態様によると、管状の横断面を有する複数のタイプのフレームに、それを正確に位置づけることができる。

さらに、前記装置１は、図７および図８に見られるように、ほぼ平行六面体の形状で、特に丸みをおびた隅および角を有する、保護ジャケットまたはハウジングによって囲まれ得る。そのようなハウジングは、自転車２に装置１を固定するため、その保守のため、またはカートリッジ３を外すために、内部にアクセスできるように取り外し可能なまたは連結された面を有し得る。

そのため、前記カートリッジ３はまた、特にクリップタイプまたは弾力性を有するロックタイプの、すぐに留められる留め具による固定を用いて、装置１に対して取り外し可能に取り付けられ、そのことによって、特にふくらませる作業時に迅速かつ簡単に操作するための、その位置づけおよび特にその引き抜きが可能となる。つまり、このカートリッジ３が取り外し可能であることによって、ユーザは自身の自転車２の車輪のみならず、別の自転車、特に同伴者の自転車の車輪をも再度ふくらませることができる。

前記装置１は、有利には、前記カートリッジ３に接続された圧縮手段６を含む。これらの手段６は、少なくとも、前記クランクセット２００との噛合手段７と、少なくとも一つの第一の圧縮用チャンバ８および第二の圧縮用チャンバ９とによって構成されており、圧縮用チャンバは各々、エアピストン、すなわち、各チャンバ８、９の内部を滑動する第一のピストン８０および第二のピストン９０を備えている。

さらに詳細には、前記噛合手段７は、各ピストン８０、９０に結合されており、それらのそれぞれのチャンバ８、９を圧縮するように、それらの並進運動を導く。

図面に示された特定の実施態様によると、前記第一のチャンバ８は、圧縮空気の圧力が前記第二のチャンバ９によって圧縮される空気の圧力を下回るような寸法を含む。結局、第一のピストン８０は第二のピストン９０よりも低圧縮を呈する。

好ましくは、同一のストロークでは、チャンバ８を伴う前記第一のピストン８０は、チャンバ９を伴う第二のピストン９０よりも大きい直径を呈し得る。非限定的な例として、同じ長さでは、前記第一のピストン８０は直径１８ミリメートルを呈し、一方、第二のピストン９０は直径８ミリメートルを有する。

つまり、第一のピストン８０を圧縮するのに必要な力は、第二のピストン９０を圧縮するのに必要な力よりも小さくなければならない。前述のデータによると、第一のピストン８０は空気を約２６バールの圧力に圧縮し、一方、第二のピストンは空気を２５バール以上、特に２５〜３５バール、好ましくは２６〜３５バールの圧力に圧縮する。したがって、第一のピストン８０は第二のピストン９０よりも低圧のピストンである。

有利には、第二のピストン９０のより高圧な圧縮を可能にするため、装置１は、第二のチャンバの圧縮時に、第一のチャンバ８から第二のチャンバ９へと、圧縮空気を移送することを想定する。そのために、前記第一のチャンバ８は前記第二のチャンバ９に接続される。要するに、第一のチャンバ８内で空気を圧縮するのに必要な最小の力によって、第二のチャンバ９を部分的に充填することが、つまり、第二のチャンバ９の圧縮に必要な力を減少させることが可能となる。

より正確には、動作時に、ピストン８０および９０は位相がずれていることがある。言い換えれば、第一のピストン８０のそのチャンバ８内での並進は、第二のピストン９０のそのチャンバ９内での並進に対してずれている。このずれによって、第二のピストンの圧縮が開始する時またはその途中である時に、第一のピストン８０の圧縮は、確実に、開始するまたはその途中である、さらには終了され得る。

好ましい実施態様によると、第一のピストン８０の圧縮は、第二のピストン９０の圧縮が開始する時に終わる。そのために、ピストン８０および９０は噛合手段７に対して１８０度位相がずれている。

前記第一のチャンバ８が、各圧縮用チャンバ８、９の端部に気密式に結合された、特に連結ゴム管という形の、少なくとも一つの導管１４を介して第二のチャンバ９に接続される、ということが分かるであろう。

さらに、第一のチャンバ８は逆流防止弁を介して第二のチャンバ９に接続されることができ、そのことによって、前記第一のチャンバ８から前記第二のチャンバ９への圧縮空気の通過のみが可能となり、あらゆる逆流を回避する。

さらに、前記第二のチャンバ９は少なくとも一つの似たような導管１５を介して前記カートリッジ３に接続される。結合は気密式に行われ、逆流防止弁も有することがあり、このことによって、第二のチャンバ９からカートリッジ３への圧縮空気の流れの移動のみが可能となる。また、導管１５とカートリッジ３との間の結合は、特にねじ留めによって取り外し可能なように、また、例えば円環タイプのような、気密性のパッキングを使用して、気密式に行われる。手動でまたは自動的に作動する弁は、カートリッジの開閉を制御し得る。つまり、カートリッジ３を、自転車２または別の自転車のタイヤチューブの弁、ダンパ、またはその他に結合させて、別の場所で利用するために、カートリッジ３を外すことが可能である。

有利には、好ましい実施態様によると、前記噛合手段７は、前記第一のピストン８の少なくとも一つの第一の駆動輪１０、および前記第二のピストン９の少なくとも一つの第二の駆動輪１１を含む。さらに、前記輪１０、１１は、前記クランクセット２００と噛合する輪１２によって、取り付けられて回転駆動される。要するに、前記噛合輪１２は前記クランクセット２００によって回転駆動され、その回転運動を前記輪１０、１１各々に伝える。

好ましくは、図２〜図５に示された実施態様によると、噛合輪１２と駆動輪１０、１１との間の伝達は、入力部の噛合輪１２に対して出力部の輪１０および１１の回転速度を加速させることを可能とする強化装置１３を介して行われる。

好ましい実施態様によると、前記強化装置は、直径がより小さく、第一のピストン８０の駆動輪１０の回転軸１００の周りに連結して取り付けられた、歯のついた輪１３０の形状を示す。

さらに、駆動輪１１は、軸１００に対して平行に延びて、軸１１０の周りに回転式に取り付けられ、前記輪１１は駆動輪１０と噛合して協働する。

好ましい実施態様によると、前記輪１０および１１が同一の直径を呈し、同じ速度で回転する、ということが分かるであろう。別の実施態様によると、前記輪は異なる直径を呈することがあり、互いに対して相対的な回転速度を変化させる。

さらに、各ピストン８、９は、クランク機構を構成するように、それらのそれぞれの駆動輪１０、１１に中心をずらして連結されて取り付けられる。このタイプのシステムはカムとして動作し、輪１０、１１の回転運動をピストン８、９の並進運動に変換する。

図面に示された実施態様によると、各ピストン８、９は、ロッド１０１、１１１を介してそれぞれの駆動輪１０、１１に接続されている。

さらに、特に図４で見られるが、前述したように１８０°位相をずらすことは、ロッド１０１の端部を、輪１０の表面に対して連結し突出する軸の周りに、回転式に取り付けることであり、一方、ロッド１１１の端部は、輪１１の表面に対して連結し突出する軸の周りに、回転式に取り付けられ、前記軸は前記輪１０、１１のそれぞれの回転軸１００、１１０の両側に、機械的に互いに反対側に配置される。

好ましくは、前記軸は輪１０と１１との間の噛合点に対して対称に位置する。さらに、ピストン８０、９０を整列させ、その一つをもう一つの上に配置して、角度の戻りを免れるために、輪１０、１１は同一平面に整列している。

そのため、噛合による連結を可能にするために、様々な輪１０、１１、１２および１３０は、周縁部に相補的な形状および寸法の歯形を呈する。

図２〜図５に示された実施態様による補足的な特徴によると、前記噛合手段７は噛合ディスク１６を含み、噛合ディスクには、前記噛合輪１２が備える歯形に相補的な形状および寸法の歯形に応じた歯がつけられている。そのうえ、前記ディスク１６は、前記クランクセット２００との固定手段、さらに詳細には、特に寸法がより大きいそのプレート２０１との固定手段を備え、前記ディスク１６および前記プレート２０１は、したがって連結される。

好ましい実施態様によると、噛合ディスク１６は、プレート２０１内および前記ディスク１６内に対向して設けられた対応する孔を貫通するねじとナットの対によって前記プレート２０１に連結され、周縁部に歯がついた、リング状の王冠の形状を示す。この取り付けは、クランクセット２００に対して、ディスク１６を外部に向けて配置するように行われる。ディスク１６がまた、前記プレート２０１の直径より大きい外径を示す、ということが分かるであろう。

特定の実施態様によると、前記ディスク１６は２４０個の歯を有する王冠の形状を示し、一方、噛合輪１２は４０個の歯を含む。強化装置の歯のついた輪は、それ自体、１３個の歯を有する。これら特定の歯形によって、１８／４６の伝達比を得ることが可能となる。

図６〜図８に示された別の実施態様によると、クランクセット２のプレート２０１との噛合は、ディスク１６無しで直接行われる。そのために、噛合手段７は、強化装置１３の歯のついた輪１３０を介さず、噛合輪１２の代わりに単一の輪７０を含む。

図６および図７に示された第一の変形例によると、前記輪７０は、プレート２０１と直接協働するように、特定の相補的な形状を呈する。特に、前記輪７０は、プレート２０１の尖った歯形と相補的に協働するための歯７１によって構成された歯形を呈する。特に、輪７０の歯７１は、ローブのように細長い形状であり得る。

図８に示された別の実施態様によると、前記輪７０は歯形を呈し、リンクチェーン７２はその歯形の上で協働する。このチェーン７２はチェーン２０４に類似しているが、長さはより短い。このリンクチェーンは、好ましくは同一のリンクを含む。

要するに、チェーン７２は輪７０の歯形の上に噛合して取り付けられ、それによって、一方では前記輪７０の周りに連結され、もう一方ではプレート２０１の歯形が輪７０の歯形の代わりに前記チェーン７２と噛合することが可能となる。

正確な一実施態様によると、前記チェーン７２は１４個のリンクを含む。

また、使用中に、自転車２のチェーン２０４は、プレート２０１とは別のプレートに位置づけされ、プレート２０１を噛合させず、輪７０の噛合を受ける。輪７０が一度噛み合わされると、チェーン２０４が寸法の小さいプレートの上にあるので、駆動、そして結局は圧縮のために自転車の乗り手が必要とする労力は、より小さい。さらに、回転トルクの減速によって、力は、必要な圧力を用いてチャンバ８、９内で空気を確実に圧縮できる。

さらに、前記輪７０は、歯止めに取り付けられることがあり、ペダルを逆に漕ぐ場合にいかなる抵抗をも免れず、停止時の抵抗を制限する。輪７０はまた、クラッチを切ることができるように考案され得る。

つまり、規格化された歯形を有する、いずれのタイプのプレート２０１も、チェーン７２および輪７０と噛合して協働することができ、現存するあらゆる自転車２との装置１の普遍的な適合性を確実にする。この適合性によって、クランクセット２０１のところで部品を加えたり前記自転車２の構造を変更したりせずに、自転車２において、装置１を簡単に取り付けたり調整することが可能となる。

つまり、動作時には、クランクセット２００の回転は、噛合ディスク１６を同じ速度で回転させる。噛合輪１２または輪７０との連結によって、特に、歯のついた輪１３０、ピストン８の駆動輪１０、および、駆動輪１０の作用下におけるピストン９の駆動輪１１を介して、それを回転させ、より大きい回転速度で駆動する。そのとき、ピストン８０、９０は並進移動し、共同でそれらの圧縮作業を行い、第一のピストン８０は、ピストン９０が戻る時に、１８０°のずれを介して、その圧縮段階の前に、チャンバ８からチャンバ９へと圧縮した空気を移送する。

補足的な特徴によると、装置１は前記噛合輪１２の前記ディスク１６との噛合による連結の制御手段（図示せず）を含み、その手段によって前記連結を手動でつなぐ、または切ることが可能となる。図６および図７に見られる一実施態様によると、装置１の一部分は、連結されていない状態からクランクセット２００に連結された状態まで動くように、また逆の場合も同じように、平行移動して取り付けられ操作される。

また、前記制御手段は、前記カートリッジ３または前記「高圧」チャンバ９の内圧の測定手段を含むことがあり、所定の閾値を超えるとディスク１６と輪１２との間の連結の切断を自動的に操作する。特に、この閾値は、前記カートリッジ３の充填に対応する、最大圧力値に相当する。この圧力閾値を超えると、切断が始まり、ディスク１６を輪１２から離す。

また、前記圧力閾値を超過する時、特に３５バールを超えると、圧縮空気の流れを解放するために、弁を加えることがあり得る。

また、装置１は、特に、輪１０、１１が噛合するところと、ロッド１０１、１１１が移動するところで、保護用シェル１７によって少なくとも一部分が囲まれており、これら構成要素を保護し、これら機械部品の運動時の動作中にユーザをあらゆる危険から回避させる。

このため、装置１を構成する部品は、その重量を減少させるように、プラスチック材料、および／または複合材料、および／または金属材料、特にアルミニウムで構成され得る。これらの部品はまた、特殊な表面処理を受けることがあり、その強度およびその耐用期間を増大させる。

つまり、本発明による装置１は、低圧および高圧の二つのピストン８０、９０での圧縮を介して圧縮空気を確実に蓄積し、同時に、また組み合わされて作動し、高圧での圧縮を容易にする。

さらに、前記装置１は、ペダルを漕ぐ時だけでなく、ペダルを逆に漕ぐ場合でも、すなわちクランクセット２００の回転の二方向において、確実に作動する。

１ 空気圧縮装置
２ 自転車
３ カートリッジ
７ 噛合手段
８ 第一の圧縮用チャンバ
９ 第二の圧縮用チャンバ
１０ 第一の駆動輪
１１ 第二の駆動輪
１２ 噛合輪
１６ 噛合ディスク
８０ 第一のピストン
９０ 第二のピストン
２００ クランクセット

仏国特許発明第２６２４０８５号明細書 仏国特許発明第４５９９８９号明細書 国際公開第９６／２２２１６号 欧州特許第０５０７００７号明細書

Claims (9)

1. 自転車（２）用空気圧縮装置（１）であって、前記自転車が駆動クランクセット（２００）を備え、少なくとも一つの圧縮空気蓄積カートリッジ（３）と、前記カートリッジ（３）に接続され、
   −前記クランクセット（２００）との噛合手段（７）、ならびに、
   −各々がエアピストン（８０、９０）を備える、少なくとも一つの第一の圧縮用チャンバ（８）および第二の圧縮用チャンバ（９）
   によって構成された圧縮手段（６）とを含む装置において、前記噛合手段（７）が各ピストン（８０、９０）に結合され、それらの並進ストロークを駆動し、そのことによって、それらのそれぞれのチャンバ（８、９）を圧縮すること、および、前記第一のチャンバ（８）が前記第二のチャンバ（９）に接続され、そのことによって、この第一のチャンバ（８）内の圧縮空気を前記第二のチャンバの圧縮時に前記第二のチャンバ（９）へと移送することを特徴とする装置。
2. 前記噛合手段（７）が前記第一のピストン（８０）の少なくとも一つの第一の駆動輪（１０）および前記第二のピストン（９０）の少なくとも一つの第二の駆動輪（１１）を含み、前記輪（１０、１１）が前記クランクセット（２００）と噛合する輪（１２）によって、取り付けられて回転駆動され、各ピストン（８０、９０）がそれらのそれぞれの駆動輪（１０、１１）に中心をずらして連結されて取り付けられ、それによってクランク機構が構成されることを特徴とする、請求項１に記載の圧縮装置（１）。
3. 前記噛合手段（７）が前記クランクセット（２００）との固定手段を備える噛合ディスク（１６）を含み、前記ディスク（１６）には、前記噛合輪（１２）が備える歯形に相補的な形状および寸法の歯形に応じた歯がつけられていることを特徴とする、請求項２に記載の圧縮装置（１）。
4. 前記噛合輪（１２）が、前記プレート（２０１）の歯形と直接噛合して協働するように、特定の相補的な形状を有する単一の輪（７０）の形状を示し、前記輪（７０）の歯（７１）がローブのように細長い形状を有することを特徴とする、請求項２に記載の圧縮装置（１）。
5. 前記噛合輪（１２）が、歯形を呈する輪（７０）の形状を示し、前記輪（７０）の周りに巻き付けられたリンクチェーン（７２）がその歯形の上で協働することを特徴とする、請求項２に記載の圧縮装置（１）。
6. 前記噛合輪（１２）の前記ディスク（１６）または前記プレート（２０１）との噛合による連結の制御手段を含み、その手段によって前記連結を手動でつなぐ、または切ることが可能となることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一つに記載の圧縮装置（１）。
7. 前記制御手段が前記カートリッジ（３）の内圧の測定手段を含み、所定の閾値を超えると前記連結の切断を自動的に操作することを特徴とする、請求項６に記載の圧縮装置（１）。
8. 前記第一のチャンバ（８）が、圧縮空気の圧力が前記第二のチャンバ（９）によって圧縮された空気の圧力を下回るような寸法を含むことを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一つに記載の圧縮装置（１）。
9. 第一のチャンバ（８）が、第二のチャンバ（９）に、前記第一のチャンバ（８）から前記第二のチャンバ（９）への圧縮空気の通過のみを可能とする逆流防止弁を介して接続されることを特徴とする、請求項８に記載の圧縮装置（１）。

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