JP2014530797A - N,n−ジメチル有機テンプレートを用いるゼオライト系材料の合成 - Google Patents

N,n−ジメチル有機テンプレートを用いるゼオライト系材料の合成 Download PDF

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Abstract

本発明は、YO2を含み必要ならX2O3を含む、好ましくはYO2とX2O3を含む構造を有するゼオライト系材料の製造方法であって、(1)アンモニウムカチオンが式(I):[R1R2NR3R4]+(I)をもつ一種以上のアンモニウム化合物を含み、さらに一種以上のYO2源と一種以上のX2O3源を含む混合物を与える工程と(2)(1)で与えられる混合物を結晶化させる工程とを含む方法[ただし、Yが四価元素であり、Xが三価元素であり、式(I)でR1とR2は、相互に独立して、置換または非置換メチルであり、R3とR4は、相互に独立して、置換または非置換(C3−C5)アルキルであり、工程(1)で与えられ工程(2)で結晶化される混合物中の式(I)のアンモニウムカチオンとYのモル比が0.25以上である]に関する。

Description

本発明は、ゼオライト系材料の製造方法とこのような方法で得られるゼオライト系材料に関する。本発明はまた、このような方法から得られるゼオライト系材料の利用に関する。
国際純正応用化学連合ゼオライト命名法委員会の規則に則り、国際ゼオライト学会の構造委員会によりモレキュラーシーブが分類されている。この分類法によると、構造がわかっている骨格型ゼオライトと他の結晶性の微多孔モレキュラーシーブには、3文字コードが付与され、Atlas of Zeolite Framework Types, 5th edition, Elsevier, London, England (2001)に記載される。
チャバザイトとレビンは、よく調べられているゼオライト系材料の例であり、チャバザイトは、一群のCHA骨格構造をもつゼオライト系材料の古くから知られている代表であり、レビンは、一群のLEV骨格構造をもつゼオライト系材料の古くからの代表である。このような骨格構造をもつ化合物と関連材料はともに、様々な用途に用いられており、特に広範囲の反応の不均一触媒としても使われている(例えば二つの重要な用途をあげると、メタノールからオレフィンへの転換触媒と酸化窒素NOxの選択的触媒的還元である)。CHAとLEV骨格型の両方をもつゼオライト系材料は、二重六員環(D6R)とケージをもつむ三次元8員環(8MR)空孔/流路系である。上記二つの構造間の違いは、二重六員環とケージの積み重ねに由来する。
合成チャバザイトとCHA型ゼオライトは構造指向剤を用いて合成され、通常特殊な有機テンプレート(例えば、アダマンチルアンモニウム系化合物)を用いて合成される。同じことが合成レビンとLEV型ゼオライトにも言え、これらも通常、特殊な構造指向剤(例えば、キヌクリジン系有機テンプレート)を用いて製造される。近年低コストの有機テンプレート(例えば、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド)がLEV型ゼオライトの合成に見いだされたが、チャバザイトとCHA型骨格をもつ関連材料にはそうではない。したがって、特にチャバザイトとCHA型骨格構造をもつ関連材料の合成に関して問題があり、これらの製造に高コストの有機テンプレート材料を使用する必要があった。
また、構造指向剤として用いられる高コスト材料が、テンプレート合成の結果得られるゼオライト系材料中に捕捉されるという事実から、上記問題がさらに顕著となってくる。したがって、実際の使用のためはに、例えばモレキュラーシーブとしてあるいは触媒中での使用のためには、材料中の空隙を開く必要がある。しかしながら、これら構造指向剤の完全除去は難しく、通常は高温下の焼成でのみ達成可能である。この方法は有機テンプレートを分解して循環使用を不可能とするため、製造コストを大幅に増加させる。
Campbellらにより(Chem. Commun. 1998, 16, 1725−1726)、ゼオライトERS−7に加えてMOR型とMTW型、LEV型、NON型の骨格構造をもつゼオライト系材料の合成に、N,N−ジメチルピペリジニウムを構造指向剤として使用されることが知られている。
上記方法に代えて、構造指向剤の不存在下での合成混合物のシーディングによる有機テンプレートを使用しない合成方法が開発された。例えばXieらによると(Chem. Commun. 2011,47,3945−3947)、有機テンプレートの不存在下でゼオライトベータ、レビン、輝沸石ゼオライトのシード指向性合成が報告されている。これらの方法は有機テンプレートを使用する製造方法に見受けられる問題、特に製造コストの問題と有機テンプレート除去の際に生成する廃棄物に関する環境問題を解決するが、このようなシード合成は、非常に少ない種類のゼオライトに限られる。特に、チャバザイトやCHA型骨格構造をもつ他のゼオライト系材料の製造に利用可能な有機テンプレート不使用の合成方法はない。
またシード合成は非常に特異な結晶生成物を与える。酸化物構造中に一種以上の骨格元素を有する結晶生成物、例えば酸化物中にSiとAlの両方を骨格元素として含むアルミノケイ酸塩の場合、SiとAlの比が、有機テンプレート使用の合成で得られるゼオライト系材料中の分布とは明らかに異なる。したがって、組成と構造の差のため、特に結晶生成物中の骨格元素の分布の差のため、有機テンプレート不使用の合成法で得られる生成物中には、特定の性質(例えば、有機テンプレート使用の合成法から得られるゼオライト系材料にみられる特異な触媒活性)が得られない。
したがって、有機テンプレート不使用の合成法でこれまで得ることのできなかった新たなゼオライト系材料を与えることのできる有機テンプレート使用の新規合成方法に対するニーズがある。また、製造コストの削減が可能な新規有機テンプレートを見つけたいというニーズも依然としてある。最後に、有機テンプレートを使用する新規合成方法で、特にゼオライトが広く使われているいろいろな用途、例えばモレキュラーシーブの分野や様々な化学変換用途の強力触媒としての用途で、新規の興味ある性質をもつ新規ゼオライト系材を与える方法に対するニーズが今も存在する。
Campbell et al., Chem. Commun. 1998, 16, 1725−1726 Xie et al., Chem. Commun. 2011, 47, 3945−3947 Pure Applied Chemistry" (1976), Vol. 45, pp. 71
したがって本発明の目的は、従来にない物理化学的性質を示す新規ゼオライト系材料を製造するための新規合成方法を見出すことである。意外にも、CHA型骨格構造をもつゼオライト系材料を得るのに、構造指向剤としてN,N−ジメチル有機テンプレートを使用できることが明らかとなった。
また極めて驚くべきことに、特定量で使用すると、このN,N−ジメチル有機テンプレートにより、従来にない特徴をもつLEV型骨格のゼオライト系材料が得られることが明らかとなった。例えば、特定のアルミノケイ酸塩構造物の場合、意外にも、構造指向剤として有機テンプレートを用いる合成から得られるものと同様の、従来にないSi:Alモルを示すLEV型骨格構造をもつゼオライト系材料が得られることがわかった。より具体的には、驚くべきことに、有機テンプレート使用による合成で得られるゼオライト系材料のユニーク物理的性質と化学的反応性が、従来達成されたことのないSi:Alモル比にまで延長できることがわかった。
最後に、驚くべきことに、N,N−ジメチル有機テンプレートの使用により層状構造をもつ新規ゼオライト系材料を得ることができることがわかった。
したがって、本発明は、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含む構造を有するゼオライト系材料の製造方法であって、上記方法が、
(1)アンモニウムカチオンが式(I):

[RNR (I)

で表される一種以上のアンモニウム化合物と、一種以上のYO源と一種以上のX源とを含む混合物を与える工程と;
(2)(1)で与えられる混合物を結晶化させる工程を含む方法に関する
[ただし、Yは四価元素であり、Xは三価元素であり、
式(I)で、
とRは、相互に独立して、置換または非置換の、好ましくは非置換のメチルであり、
とRは、相互に独立して、置換または非置換の、好ましくは非置換の(C−C)アルキル、好ましくはCまたはCアルキルであり、
より好ましくはRとRが、共通の(C−C)アルキル鎖を、より好ましくは共通の(C−C)アルキル鎖、より好ましくは共通の(C−C)アルキル鎖を形成し、
より好ましくは、上記共通のアルキル鎖が、置換または非置換の、好ましくは非置換のCまたはCアルキル鎖、さらに好ましくは置換または非置換の、好ましくは非置換のCアルキル鎖であり、
工程(1)で与えられ工程(2)で結晶化される混合物中の式(I)のアンモニウムカチオンのYに対するモル比が0.25以上であり、
上記モル比が、好ましくは0.25〜5の範囲に含まれ、より好ましくは0.25〜3、より好ましくは0.25〜2、より好ましくは0.3〜1.7、より好ましくは0.4〜1.5、より好ましくは0.45〜1.3、より好ましくは0.5〜1.2、さらに好ましくは0.55〜1.15の範囲に含まれる]。
特に、極めて驚くべきことに、高濃度のN,N−ジメチル有機テンプレートを使用すると、CHA型とLEV型の骨格構造をもつ新規のゼオライト系材料と層状構造をもつゼオライト系材料を与えることがあることがわかった。これらの発見は、まったく予期しないものである。これは、反応混合物中での構造指向剤、特に有機テンプレートの存在は、一般的には、材料(特にそうでなければ得られない材料)の特徴的な微多孔骨格の形成に単に必要なものであると考えられているためである。より具体的には、自己集合プロセスにより周囲にゼオライト系骨格を形成させるためには反応混合物中に十分な量が必要であると一般的に考えられている。ただし、コスト的な面からまた上記の使用に伴う環境的側面から、絶対必要量より多い量で使用しないことが望ましい。
したがって、本発明によれば、本発明の方法の工程(1)で与えられる一種以上のアンモニウム化合物の量は、上記混合物中での式(I)のアンモニウムカチオンとYのモルが1:4以上、即ち0.25以上となるように選ばれる。この点で、本発明では、工程(1)の混合物中で与えられる式(I)のアンモニウムカチオンの最大モル含量と、同じく上記混合物に含まれる一種以上のYO源中のYのモル含量との比に一般的な制限はないことに留意すべきである。したがって、工程(1)の混合物中に含まれる上記一種以上のアンモニウムカチオンとYのモル比が0.25以上であり、YOを含む構造を有するゼオライト系材料が工程(2)での結晶化が得られるなら、原則として、工程(1)で式(I)のアンモニウムカチオンを含む一種以上のアンモニウム化合物を適当ないずれの量で与えてもよい。例えば、工程(1)で与えられる一種以上のアンモニウム化合物の量は、混合物中に含まれる式(I)の一種以上のアンモニウムカチオンとYとのモル比が0.25〜5の範囲となるように選ばれる。なお、このモル比は0.25〜5の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.25〜3、より好ましくは0.25〜2、より好ましくは0.3〜1.7、より好ましくは0.4〜1.5、より好ましくは0.45〜1.3、より好ましくは0.5〜1.2の範囲である。特に好ましい実施様態では、工程(1)の混合物中に含まれる上記一種以上のアンモニウムカチオンとYのモル比が0.55〜1.15である。
さらに好ましい本発明の特定の実施様態では、工程(1)の混合物中に含まれる上記一種以上のアンモニウムカチオンとYのモル比が0.25〜5の範囲であり、好ましくは0.3〜3、より好ましくは0.4〜2、より好ましくは0.6〜1.7、より好ましくは0.8〜1.4、より好ましくは1〜1.2、さらに好ましくは1.1〜1.15の範囲である。あるいは、好ましい本発明の他の実施様態では、工程(1)の混合物中に含まれる上記一種以上のアンモニウムカチオンとYのモル比が0.25〜3の範囲であり、好ましくは0.3〜2、より好ましくは0.4〜1.2、より好ましくは0.45〜0.9、より好ましくは0.5〜0.7、さらに好ましくは0.55〜0.6の範囲である。
したがって、本発明のように異常に多量のN,N−ジメチル有機テンプレートを使用することで、このようなテンプレートを従来のように小量で使用して得られるものと比較してまったく異なる新規結晶生成物が得られることは、非常に予想外であった。特に、驚くべきことに、本発明のN,N−ジメチル有機テンプレートの場合、ゼオライト系材料に微多孔的特徴を与える構造指向剤を提供する効果に加えて、本発明の新規ゼオライト系材料の形成を可能とする極めて予想外の濃度効果が見いだされた。
本発明の意味では、「ゼオライト系材料」は、一般的にいずれかのゼオライト含有材料をいう。好ましい意味では、「ゼオライト系材料」は、一種以上のゼオライトをさす。本発明では、「ゼオライト」は、ミクロ細孔を含む高規則性の流路状またはかご状構造をもつ結晶性化合物である。本発明で用いられる「ミクロ細孔」は、“Pure Applied Chemistry” (1976), Vol. 45, p. 71 ff., 特にp. 79の定義に相当するものである。この定義では、ミクロ細孔とは、孔径が2Nm未満の細孔である。これらのゼオライトのネットワークは、共通の酸素結合により架橋されたYO四面体とXO四面体からできている。既知構造の総説が、例えば、W. M. Meier und D.H.Olson in “Atlas of Zeolite Structure Types”, Elsevier, 4th Ed., London 1996にみられる。本発明のゼオライト系材料が、ミクロ細孔に加えてメソ細孔及び/又はマクロ細孔を含んでいてもよい。また本発明のゼオライト系材料は、層状構造ゼオライトとその関連材料を含む。特に、層状構造をもつゼオライト系材料は、X線回折パターンにおいて、低回折角に一個以上の強い反射、好ましくは一個の強い反射を示し、好ましくは、その最も強い反射が、層状構造ゼオライト系材料由来の反射の中で最も小さな2θ値をもつことを特徴としている。本発明の特に好ましい意味では、「ゼオライト」は一種以上のアルミノケイ酸塩化合物であり、したがって「ゼオライト系材料」は一種以上のゼオライトを含む材料、より好ましくは一種以上のゼオライトそのものである。
また、本発明の方法で得られるゼオライト系材料中では、YOと、場合によりその中に含まれるXが、骨格構造により形成される空孔及び/又は空洞中に存在できる、一般的なゼオライト系材料に典型的な非骨格元素でなく、ゼオライト系材料の骨格構造中に構造成形元素として含まれている。
本発明によれば、下記式(I)のアンモニウムカチオンをもつ一種以上の化合物が、本発明の方法の工程(1)の混合物中に与えられる:

[RNR (I)

なお、上記アンモニウムカチオンは、YOとXを含む構造を有するゼオライト系材料の結晶化用の構造指向剤として作用する。式(I)において、RとRは、相互に独立して、置換または非置換メチルを示す。本発明の意味では、「非置換メチル」は、−CH基である。他方「置換メチル」は、得られる式(I)のアンモニウムカチオンが本発明の方法の工程(2)での結晶化の際に構造指向剤として作用するなら、考えられるいずれのメチル基の化学誘導体であってもよい。したがって、得られる式(I)のアンモニウムカチオンが、本発明の方法の工程(2)で、YOを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料の結晶化用有機テンプレートとして作用するなら、メチル基の一個以上の水素原子を化学的に変化させることができる。この点で、化学変換される水素原子の数に、また化学変換の種類に特に制限はない。したがって、例えば、基RとRの一方または両方のメチル基の1〜3個の水素原子、好ましくは1個または2個、さらに好ましくは1個の水素原子が、ハロゲンとOH、アルコキシ、NH、チオール、チオエーテル、ホルミル、アシル、またはその誘導体からなる群から選ばれる一種以上の化学官能基で、好ましくはFとCl、Br、OH、NH、チオール、またはその誘導体からなる群から、より好ましくはFとClとBrからなる群から選ばれる一種以上の化学官能基で置換されていてもよい。なお、メチル基の3個の水素原子の一個以上が、好ましくはこれら水素原子の1個または2個、さらに好ましくは1個がCl及び/又はFで、好ましくはFで置換されていることがさらに好ましい。しかし、本発明では、メチル基RとRの一方または両方、好ましくは両方が非置換メチル基−CHであることが特に好ましい。
また、式(I)中のRとRは、相互に独立して、置換または非置換(C−C)アルキル基をさす。本発明の意味では、「非置換アルキル」は、−C(2n+1)をさし、式中nは3〜5であり、好ましくは3または4である。RとRが共通のアルキル鎖を形成する好ましい実施様態では、「非置換アルキル」は、−C2n−を意味する。なお、nは4〜8であり、好ましくは4〜7、より好ましくは4〜6、より好ましくは4または5、さらに好ましくは5である。他方、「非置換メチル」と同様に、「非置換アルキル」は、得られる式(I)のアンモニウムカチオンが本発明の方法の工程(2)での結晶化の際に構造指向剤として作用するなら、考えうるいずれのアルキル基誘導体であってもよい。したがって、本発明の方法の工程(2)でYOを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料の結晶化用有機テンプレートとして使用できるならこのアルキル基の一個以上の水素原子が化学的に変化していてもよい。この点で、化学変換されるアルキル基の水素原子の数に、また化学変換の種類に特に制限はない。したがって、例えば、ある特定のアルキル基の約1〜7個の水素原子、好ましくは基RとRの一方または両方の1〜5個の、より好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個、さらに好ましくは1個の水素原子が、ハロゲンとOH、アルキル、アルコキシ、NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、チオエーテル、ホルミル、アシル、アルコキシカルボニル、またはその誘導体からなる群から選ばれる一種以上の化学官能基で、好ましくはFとCl、Br、OH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、NH、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、チオール、(C−C)チオエーテル、ホルミル、(C−C)アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、またはその誘導体からなる群から、より好ましくはFとCl、Br、OH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、またはその誘導体からなる群から、
より好ましくはFとClとBrからなる群から選ばれる一種以上の化学官能基で置換されていてもよい。さらに好ましくはアルキル基の一個以上の水素原子が、ある特定のアルキル基の好ましくは1〜5個の、より好ましくは1〜3個の、より好ましくは1または2個、さらに好ましくは1個の水素原子が、Cl及び/又はFで、好ましくはFで置換されている。しかし本発明では、メチル基RとRの片方または両方が、好ましくは両方が、非置換アルキル基−C(2n+1)(式中、nは3〜5、好ましくは3または4である)であることが特に好ましい。RとRが共通のアルキル鎖を形成する好ましい実施様態では、上記アルキル鎖が非置換アルキル鎖−C2n−(式中、nは4〜8、好ましくは4〜7、より好ましくは4〜6、より好ましくは4または5、さらに好ましくは5である)であることが特に好ましい。
本発明の特に好ましい実施様態では、工程(1)で与えられる一種以上のアンモニウム化合物が、置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピロリジニウム化合物とN,N−ジメチルピペリジニウム化合物、N,N−ジメチルヘキサヒドロアゼピニウム化合物、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のアンモニウム化合物を含む。上記の群の化合物の置換体と非置換体に関して、本願記載の本発明の式(I)のアンモニウムカチオンの好ましい実施様態と特に好ましい実施様態に対するのと同じことが、そこに含まれるアルキルアンモニウムカチオンの個々の置換基に当てはまる。したがって、式(I)のアンモニウムカチオンの好ましい実施様態、特に好ましい実施様態でそこに定義される基RとRに対して定義されると同様に、本発明のN,N−ジメチルピロリジニウム化合物、N,N−ジメチルピペリジニウム化合物、N,N−ジメチルヘキサヒドロアゼピニウム化合物に含まれるメチル基に関して、これらは、相互に独立して置換していても非置換であってよく、好ましくは非置換メチル基である。また、N,N−ジメチルピロリジニウム化合物とN,N−ジメチルピペリジニウム化合物とN,N−ジメチルヘキサヒドロアゼピニウム化合物中のC−とC−とC−アルキル鎖のそれぞれに関して、その置換体と非置換体に、式(I)のアンモニウムカチオンの好ましい実施様態と特に好ましい実施様態に対する、またそこに定義される基RとRに対するのと同じことがあてはまる。
工程(1)の混合物中に一種以上のアンモニウム化合物が与えられる本発明に好ましい実施様態では、これらの一種以上のアンモニウム化合物が、置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピペリジニウム化合物とN,N−ジメチルヘキサヒドロアゼピニウム化合物、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物であることがさらに好ましい。本発明によれば、工程(1)の混合物中に与えられる一種以上のアンモニウム化合物が、一種以上の置換または非置換の、好ましくは一種以上の非置換N,N−ジメチルピペリジニウム化合物を含むことがさらに好ましい。
したがって、本発明では、工程(1)で与えられる一種以上のアンモニウム化合物が、置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピロリジニウム化合物とN,N−ジメチルピペリジニウム化合物、N,N−ジメチルヘキサヒドロアゼピニウム化合物、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のアンモニウム化合物を含むことが好ましく、好ましくは、置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピロリジニウム化合物とN,N−ジメチルピペリジニウム化合物、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含むことが好ましい。このアンモニウム化合物が、一種以上の置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピペリジニウム化合物を含むことがさらに好ましい。
本発明では、ゼオライト系材料が工程(2)で結晶化させられる。上記材料は、YOを含む。なお、Yは、考えうるいずれかの四価元素をさし、Yは1個から数個の四価元素を示す。好ましい本発明の四価元素には、SiとSn、Ti、Zr、Ge、これらの2つ以上の組み合わせが含まれる。より好ましくは、Yは、Si、Ti、Zrか、上記四価元素のいずれかの組み合わせを示し、さらに好ましくはSi及び/又はSnを示す。本発明では、YがSiを示すことが特に好ましい。
したがって、本発明の好ましい実施様態では、Yが、SiとSn、Ti、Zr、Ge、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる。Yは好ましくはSiを含み、さらに好ましくはYがSiである。
また、本発明の方法では、YOを含むゼオライト系材料が工程(2)で結晶化できるのなら、一種以上のYO源は考えうるいずれの形で工程(1)で与えられてもよい。好ましくは、YOは、そのまま及び/又はYOを化学基として含む化合物として、及び/又はYOに(部分的または完全に)化学変換される化合物として供給される。
YがSiを示す、あるいはSiと一種以上の他の四価元素との組み合わせを示す本発明の好ましい実施様態では、好ましくは工程(1)で与えられるSiO源が、考えうるいずれの供給源であってもよい。したがって、例え、あらゆる種類のシリカ及び/又はケイ酸塩が使用でき、好ましくはヒュームドシリカ、シリカハイドロゾル、反応性で非晶質の固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキケイ酸塩または二ケイ酸塩、コロイダルシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル類、またはテトラアルコキシシラン、またこれらの化合物の少なくとも2種の混合物が使用できる。使用可能なケイ酸塩の中では、アルカリ金属ケイ酸塩が好ましい。より好ましくは水ガラス、より好ましくはナトリウム及び/又はケイ酸カリウム、さらに好ましくはケイ酸ナトリウムである。使用可能なシリカの中では、ヒュームドシリカが好ましい。特に好ましい実施様態では、上記の少なくとも一種のSiO源が、シリカ、好ましくはヒュームドシリカを含む。
したがって、本発明では、この一種以上のYO源が、シリカとケイ酸塩、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含むことが好ましい。好ましくは、この一種以上のYO源が、一種以上のシリカを含み、より好ましくはこの一種以上のYO源がヒュームドシリカを含み、さらに好ましくはYO源がヒュームドシリカを含む。
本発明によれば、工程(2)で結晶化させられるゼオライト系材料が、必要ならさらにXを含む。なお、Xは、考えうるいずれかの三価元素を示し、Xは1個また数個の三価元素を示す。好ましい本発明の三価元素には、AlとB、In、Ga、またこれらの組み合わせが含まれる。より好ましくは、XがAl、B、またはGa、または上記三価元素のいずれかの組合せを示し、さらに好ましくはAl及び/又はBを示す。本発明では、XがAlを示すことが特に好ましい。
したがって、本発明の好ましい実施様態では、Xが、AlとB、In、Ga、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる。Xは、好ましくはAl、B、またはGaを含み、より好ましくはXはAl及び/又はBを含み、さらに好ましくはXはAlまたはBである。
本発明の方法では、工程(1)で一種以上のX源が与えられる。一般に、Xを含むゼオライト系材料が工程(2)で結晶化できるのなら、Xは考えうるいずれの形ででも供給できる。Xが、そのまま及び/又はXを化学基として含む化合物として及び/又は本発明の方法中に(部分的または完全に)Xに化学変換される化合物として供給されることが好ましい。
XがAlまたはAlと一種以上の他の三価元素との組み合わせを示す本発明の好ましい実施様態では、工程(1)で与えられるAl源が、考えうるいずれの供給源であってもよい。例えば、いずれかの種類のアルミナとアルミン酸塩、アルミニウム塩(例えば、アルカリ金属アルミン酸塩)、アルミニウムアルコラート(例えば、アルミニウムトリイソプロピラート)、または水和アルミナ(例えば、アルミナ三水和物)、またはこれらの混合物が使用できる。このAl源が、アルミナとアルミン酸塩、好ましくはアルミン酸塩、より好ましくはアルカリ金属アルミン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。さらに好ましくは、このアルミン酸塩のアルカリ金属が、一種以上のアルカリ金属Mを含む。上記好ましいアルカリ金属アルミン酸塩の中で、少なくとも一種の供給源が、アルミン酸ナトリウム及び/又はカリウムを含むことが好ましくはアルミン酸ナトリウムを含むことがより好ましい。本発明の特に好ましい実施様態では、このAl源がアルミン酸ナトリウムである。
XがBまたはBと一種以上の他の三価元素の組み合わせを示す本発明の他の好ましい実施様態では、工程(1)で与えられるB源が、考えうるいずれの供給源であってもよい。例えば、B源として、フリーのホウ酸及び/又はホウ酸塩及び/又はホウ酸エステル(例えば、トリエチルボレートまたはトリメチルボレート)を与えることができる。本発明によれば、このB源が、フリーのホウ酸とホウ酸塩、ホウ酸エステル、これらの2つ以上の混合物、からなる群から選ばれる一種以上のホウ素含有化合物を含むことが好ましく、ホウ酸とホウ酸塩とこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のホウ素含有化合物を含むことがより好ましい。本発明の特に好ましい実施様態では、このB源がホウ酸である。
本発明の方法の特に好ましい実施様態では、工程(1)の混合物が、少なくとも一種のシリカをYO源として、少なくとも一種のアルミン酸塩をX源として含み、より好ましくは少なくとも一種のヒュームドシリカ及び/又は少なくとも一種のアルカリ金属アルミン酸塩を含み、上記好ましい実施様態のアルカリ金属は、好ましくはナトリウム及び/又はカリウムを含み、より好ましくはナトリウムを含み、このアルカリ金属はさらに好ましくはナトリウムである。特に好ましい本発明の他の実施様態では、工程(1)の混合物が、少なくとも一種のシリカをYO源として、一種以上のホウ素含有化合物をX源として含み、より好ましくは少なくとも一種のシリカとフリーのホウ酸とホウ酸塩、ホウ酸エステル、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のホウ素含有化合物を含み、特に好ましい実施様態では、工程(1)の混合物がヒュームドシリカとホウ酸を含む。
したがって、本発明では、上記の一種以上のX源が、アルミナとアルミン酸塩とこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含む。好ましくはこの一種以上のX源が、一種以上のアルミン酸塩、好ましくは一種以上のアルカリ金属アルミン酸塩を含み、より好ましくは一種以上のアルカリ金属アルミン酸塩(アルミン酸ナトリウム及び/又はカリウムを含む)、好ましくはアルミン酸ナトリウムを含み、さらに好ましくはこのX源が、アルミン酸ナトリウム及び/又はカリウムであり、好ましくはアルミン酸ナトリウムである。あるいは、この一種以上のX源が、ホウ酸とホウ酸塩、ホウ酸エステル、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物、好ましくはホウ酸とホウ酸塩とこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物であることが好ましく、さらに好ましくはこの一種以上のX源がホウ酸を含む。
本発明の好ましい実施様態では、工程(2)で結晶化されるゼオライト系材料がさらにZを含む、なお、Zは、考えうるいずれかの五価元素を示し、Zは1個または数kの五価元素を示す。上記の好ましい本発明の方法により得られるゼオライト系材料中で、その中に含まれるZは、ゼオライト系材料の骨格構造中で構造成形元素として含まれ、骨格構造により形成される空孔及び/又は空洞中に存在し、一般的なゼオライト系材料に典型的な非骨格元素として含まれているのではない。好ましい本発明の五価元素には、PとAs、Sb、Bi、V、Nb、Ta、またこれらの2つ以上の混合物が含まれる。より好ましくはZが、PとAs、V、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の元素を示し、より好ましくはZが、PまたはAsを含む。特に好ましい実施様態ではZがPを含み、ZがPであることが特に好ましい。
本発明の方法により得られるゼオライト系材料がYOに加えてZを含み、好ましくはYOとXの両方に加えてさらに必要ならXを含む本発明の好ましい実施様態では、上記Zが、同様にゼオライト系材料の骨格構造中に構造成形元素として含まれ、骨格構造により形成される空孔及び/又は空洞中に存在し、一般的なゼオライト系材料に典型的な非骨格元素として含まれているのではない。
したがって、本発明の好ましい実施様態では、このゼオライト系材料が、さらにYOとXに加えてZを含み、工程(1)で与えられる混合物がさらに一種以上のZ源(ただし、Zは五価元素である)を含む。上記の好ましい実施様態では、Zが、PとAs、Sb、Bi、V、Nb、Ta、またこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれることが特に好ましく、PとAs、V、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれることがより好ましい。より好ましくは、ZがPまたはAsを、好ましくはPを含み、さらに好ましくはZがPである。
ZがPを示すかPと一種以上の他の五価元素の組み合わせを示す本発明の好ましい実施様態では、工程(1)で与えられるP源が、考えうるいずれの供給源であってもよい。例えば、いずれかの種類の酸化リン、リン酸塩、リン系の酸、またはこれらの混合物が使用できる。このZ源が、リン酸塩とリン系の酸、これらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましく、工程(1)で与えられる一種以上のZ源が、一種以上のリン系の酸、好ましくはリン酸を含むことがさらに好ましい。本発明の特に好ましい実施様態では、このZ源がリン酸である。
一般に、本発明では、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとX含むゼオライト系材料が工程(2)で結晶化するなら、工程(1)で与えられる混合物のYO:Xモル比が考えうるいずれの値をとってもよい。一般的にはこのモル比は、約0.5〜300の範囲である。しかし本発明では、工程(1)で与えられる混合物のYO:Xモル比が、1から400以上の範囲であることが好ましく、好ましくは5〜300、より好ましくは10〜200、より好ましくは20〜150、さらに好ましくは40〜120の範囲である。本発明の方法では、工程(1)で与えられる混合物のYO:Xモル比が50〜100の範囲であることが特に好ましい。
したがって本発明の好ましい実施様態では、工程(1)の混合物のYO:Xモル比が、1から400以上の範囲であり、好ましくは5〜300、より好ましくは10〜200、より好ましくは20〜150、より好ましくは40〜120、さらに好ましくは50〜100の範囲である。
さらに好ましい本発明の特定の実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のYO:Xモル比が5〜400の範囲であり、好ましくは10〜300、より好ましくは50〜250、より好ましくは70〜200、より好ましくは80〜150、より好ましくは85〜120、さらに好ましくは90〜100の範囲である。あるいは、好ましい本発明の他の実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のYO:Xモル比が1〜300の範囲であり、好ましくは5〜200、より好ましくは10〜150、より好ましくは20〜100、より好ましくは30〜80、より好ましくは35〜70、より好ましくは40〜60、さらに好ましくは45〜55の範囲である。
さらに好ましい本発明の実施様態では、本発明の方法の得られた及び/又は得られるゼオライト系材料及び/又は本発明の材料そのものが、少なくとも一種のアルカリ金属Mを含み、好ましくはナトリウム及び/又はカリウムを、より好ましくはナトリウムを含む。このアルカリ金属は、本発明の方法の考えうるいずれのステージででも添加可能であるが、好ましくは工程(1)で添加される。より好ましくは、工程(2)で得られるYOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料中に含まれるアルカリ金属の全量が、本発明の方法の工程(1)で添加される。本発明の方法の特に好ましい実施様態では、このアルカリ金属が、部分的または全体的に、工程(1)で与えられる一種以上のYO源及び/又はX源中に含まれ、好ましくは全体が少なくとも一種のX源に含まれる。
本発明の方法では、工程(1)で与えられる混合物が、一種以上のヒドロキシドアニオンOH源を含むことができる。一般に、考えうるいずれのOH源も使用できる。この少なくとも一種の供給源は、好ましくは金属水酸化物を含み、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、さらに好ましくは水酸化ナトリウムを含む。この混合物がケイ酸塩をYO源として及び/又はアルミン酸塩をX源として含む本発明の方法の好ましい実施様態では、この混合物がOH源を含まないことが特に好ましく、特に水酸化物、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含まないこと、さらに好ましくは水酸化ナトリウムを含まないことが好ましい。
また、本発明の方法では、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料が工程(2)で結晶化できるのなら、工程(1)で与えられる混合物のpHに特に制限はない。したがって、例えば、本発明の方法の工程(1)で与えられる混合物のpHは、8〜14の範囲である。しかし本発明では、工程(1)で与えられる混合物のpHが、10〜14の範囲であることが好ましく、より好ましくは11〜14、より好ましくは12〜14、さらに好ましくは13〜14の範囲である。本発明の方法の特に好ましい実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のpHが13.6〜13.8の範囲である。
したがって、本発明では、本発明の方法の工程(1)で与えられる混合物のpHが、好ましくは8〜14の範囲であり、好ましくは10〜14、より好ましくは11〜14、より好ましくは12〜14、より好ましくは13〜14、さらに好ましくは13.6〜13.8の範囲である。
本発明の工程(1)では、この混合物を考えうるいずれの方法で製造してもよい。その際、動揺による混合が好ましく、撹拌による混合がより好ましい。
本発明では、本発明の方法の工程(1)の混合物が、さらに一種以上の溶媒を含むことが好ましい。この点で、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料が工程(2)で結晶化できるのであれば、考えうるいずれの溶媒を、考えうるいずれかの量で用いてもよい。したがって例えば、この一種以上の溶媒が、水と有機溶媒とこれらの混合物から選択でき、好ましくは蒸留水とアルコールとこれらの混合物からなる群から、より好ましくは蒸留水とメタノール、エタノール、プロパノール、これらの混合物からなる群から選択できる。本発明の特に好ましい実施様態では、水のみ、好ましくは蒸留水のみが、工程(1)の混合物中に溶媒として含まれている。
したがって、本発明の方法の好ましい実施様態では、工程(1)で与えられる混合物がさらに溶媒を含み、この溶媒が好ましくは水を、より好ましくは蒸留水を含み、さらに好ましくはこの溶媒が水、好ましくは蒸留水である。
YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料が工程(2)で結晶化できるのなら、好ましくは工程(1)の混合物中に与えられるこれらの一種以上の溶媒は、混合物中で適当ないずれの量で使用してもよい。したがって例えば、工程(1)で与えられる混合物のHO:YOモル比(ただし、YOは、工程(1)で与えられる少なくとも一種のYO源中に含まれるYOのモル量である)が1〜150の範囲のいずれかである。しかし本発明では、この混合物のHO:YOモル比が3〜100の範囲に含まれ、好ましくは5〜60、より好ましくは8〜45、より好ましくは10〜35であり、さらに好ましくはこのモル比が11〜30の範囲に含まれる。特に好ましい実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のHO:YOモル比が12〜28の範囲である。
さらに好ましい本発明の特定の実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のHO:YOモル比が15〜60の範囲であり、好ましくは18〜40、より好ましくは20〜35、より好ましくは22〜30、さらに好ましくは24〜28の範囲である。あるいは、他の好ましい本発明の実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のHO:YOモル比が1〜25の範囲であり、好ましくは3〜22、より好ましくは5〜20、より好ましくは8〜18、より好ましくは10〜15、さらに好ましくは11〜14の範囲である。
また、工程(1)で与えられる混合物のHO:YOモル比に関し、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料、が工程(2)で結晶化できるのであれば、工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比(ただし、Xは、工程(1)で与えられる少なくとも一種のX源中のXのモル量を示す)は、適当ないずれの値であってもよい。したがって例えば、工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比は、100〜8,000の範囲のいずれかである。本発明では、工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比は、好ましくは500〜5,000の範囲に含まれ、より好ましくは1,000〜3,600、さらに好ましくは1,100〜3,000の範囲に含まれる。特に好ましい実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比が、1,150〜2,700の範囲に含まれる。
さらに好ましい本発明の特定の実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比が100〜2,500の範囲であり、好ましくは500〜2,000、より好ましくは1,000〜1,700、より好ましくは1,100〜1,500、より好ましくは1,150〜1,400、さらに好ましくは1,200〜1,300の範囲である。あるいは、他の好ましい本発明の実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比が1,400〜9,000の範囲であり、好ましくは1,600〜7,500、より好ましくは1,800〜6,000、より好ましくは2,000〜4,500、より好ましくは2,200〜3,500、より好ましくは2,400〜3,000、さらに好ましくは2,500〜2,700の範囲である。
したがって、本発明の方法の好ましい実施様態では、工程(1)で与えられる混合物のHO:YOモル比が1〜150の範囲であり、好ましくは3〜100、より好ましくは5〜60、より好ましくは8〜45、より好ましくは10〜35、より好ましくは11〜30、さらに好ましくは12〜28の範囲であり、
及び/又は、好ましくは
工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比が100〜8,000の範囲であり、好ましくは500〜5,000、より好ましくは1,000〜3,600、より好ましくは1,100〜3,000、さらに好ましくは1,150〜2,700の範囲である。
一般に、工程(2)でYOとXを含むゼオライト系材料が工程(1)の混合物から結晶化が可能であるなら、本発明の方法の工程(1)の混合物を与えるための成分をいずれの順で加えてもよい。例えば、任意の溶媒と一種以上のアンモニウム化合物を添加し、次いで一種以上のX源を添加し、その後で一種以上のYO源を添加してもよい。
一般に、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料が工程(1)の混合物から結晶化できるのなら、本発明の方法の工程(2)は、考えうるいずれの方法で実施してもよい。したがって、この混合物は、適当ないずれの形の容器ででも結晶可能であり、その際必要なら撹拌手段が使用され、好ましくは容器の回転及び/又は撹拌により、より好ましくは混合物の撹拌により結晶化できる。本発明の方法では、工程(2)での結晶化を静的な条件で行うこともできる。
本発明の方法では、工程(2)での結晶化プロセスの少なくとも一部の間で、この混合物を加熱することが好ましい。YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料をこの混合物から結晶化できるのなら、一般にこの混合物を、考えうるいかなる結晶化温度に加熱することもできる。したがって例えば、工程(2)の混合物を、80〜250℃の範囲の温度に加熱できる。しかし本発明では、この温度が、好ましくは100〜200℃の範囲に含まれ、より好ましくは120〜180℃、より好ましくは130〜170℃、より好ましくは140〜160℃の範囲の温度に含まれる。特に好ましい実施様態では、工程(2)の結晶化プロセスで、この混合物を145〜155℃の範囲の温度に加熱する。
したがって本発明の方法では、工程(2)での結晶化の際に、工程(1)で与えられる混合物を、好ましくは80〜250℃の範囲の温度に加熱することが好ましく、より好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃、より好ましくは130〜170℃、より好ましくは140〜160℃、さらに好ましくは145〜155℃に加熱する。
本発明の方法の工程(2)でのこの好ましい加熱は、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料の結晶化に適当な考えうるいずれの方法で実施してもよい。一般に加熱を、一定の結晶化温度で行っても、異なる温度間で変動する温度で行ってもよい。結晶化温度まで徐々に加熱することが好ましく、その加熱速度は、好ましくは10〜100℃/hの範囲であり、より好ましくは20〜70℃/h、より好ましくは25〜60℃/h、より好ましくは30〜50℃/h、さらに好ましくは35〜45℃/hの範囲である。
本発明の好ましい実施様態では、工程(1)の混合物が、工程(2)で常圧より高い圧力にかけられる。本発明で使用されるこの「常圧」は、理想的な場合、101,325Paの圧力をいう。しかしながらこの圧力は、当業界の熟練者には既知の範囲で変動しうる。例えば、この圧力は95,000〜106,000Paの範囲であってよく、または96,000〜105,000、または97,000〜104,000、または98,000〜103,000、または99,000〜102,000Paの範囲であってよい。
工程(1)の混合物中に溶媒が存在する本発明の方法の好ましい実施様態では、工程(2)での加熱をソルボサーマル条件下で行うことがより好ましい。つまり、例えばオートクレーブ中かソルボサーマル条件を形成するのに適した他の結晶化容器中で加熱して、使用する溶媒の自己圧力下でこの混合物を結晶化させることが好ましい。したがって、溶媒が水、好ましくは蒸留水を含む特に好ましい実施様態では、工程(2)での加熱が水熱条件下で行われる。
したがって、本発明の方法の特に好ましい実施様態では、工程(2)での加熱がソルボサーマル条件下で、好ましくは水熱条件下で行われる。
所望の結晶化プロセスパラメーターが実現できるなら、特にこの特定の結晶化条件を必要とする好ましい実施様態が実現できるのなら、本発明で結晶化に使用する装置に特に制限はない。ソルボサーマル条件下で行われる好ましい実施様態では、いずれのタイプのオートクレーブや消化容器も使用できるが、ポリテトラフルオロエチレンのライニング装置が好ましい。
工程(2)でYOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料が結晶生成物として得られるなら、一般に、本発明の方法の工程(2)の結晶化プロセスの時間に特に制限は無い。したがって例えば、工程(2)の結晶化プロセスの時間が0.1〜20日の範囲に含まれていてもよい。しかし本発明の方法では、工程(2)の結晶化プロセスの時間が0.5〜15日であることが好ましく、より好ましくは1〜10日、より好ましくは2〜8日、より好ましくは3〜7日、さらに好ましくは4〜6日である。本発明の方法の特に好ましい実施様態では、工程(2)の結晶化プロセスの時間が、4.5〜5.5日の範囲である。
したがって、工程(2)での結晶化で混合物を加熱する本発明の方法の好ましい実施様態では、その時間が0.1〜20日の範囲であり、好ましくは0.5〜15日、より好ましくは1〜10日、より好ましくは2〜8日、より好ましくは3〜7日、より好ましくは4〜6日、さらに好ましくは4.5〜5.5日の範囲である。
工程(2)で混合物を加熱する本発明の好ましい実施様態では、YOとXを含むゼオライト系材料が結晶化する限り、上記加熱を結晶化プロセス全体で行っても、その一部以上で行ってもよい。結晶化期間全体にわたって加熱することが好ましい。
一般に本発明の方法は、必要なら、工程(1)で与えられる混合物から工程(2)で結晶化されたYOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料の後処理及び/又は他の物理変換及び/又は化学変換のための工程を含む。結晶化した材料を、例えばいずれ過の順序の単離及び/又は洗浄操作及び/又は乾燥操作及び/又は焼成操作及び/又はイオン交換操作にかけてもよく、工程(2)での結晶化で得られたゼオライト系材料を、少なくとも一回の単離操作と少なくとも一回の洗浄操作にかけられることが好ましい。本発明の意味では、「単離」は、ゼオライト系材料の分離を意味し、したがって本発明で定義される「分離」または「分離」工程を意味する。
したがって、本発明では、本発明の方法がさらに
(3)ゼオライト系材料を、好ましくは濾過により単離する工程、
及び/又は
(4)該ゼオライト系材料を洗浄する工程、
及び/又は
(5)該ゼオライト系材料を乾燥する工程の一つ以上を含むことが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施様態の工程(3)では、このゼオライト系材料を、工程(2)で得られた反応混合物から、考えうるいずれの手段で単離してもよい。例えば、濾過、限外濾過、透析、遠心分離及び/又はデカンテーション法のいずれの手段を用いてもよく、これらの2つ以上の組み合わせを用いてもよい。また、これらの濾過方法が吸引濾過工程及び/又は圧力濾過工程を含んでいてもよい。本発明の特に好ましい実施様態では、工程(3)でのゼオライト系材料の単離が一回以上の濾過工程を含み、より好ましくは工程(3)での分離が濾過で行われる。
工程(4)での一回以上の任意の洗浄操作において、考えうるいずれの溶媒を用いてもよい。使用可能な洗浄剤は、例えば、水やアルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはプロパノール)、またはこれらの2つ以上の混合物である。混合物の例は、2種以上のアルコールの混合物(例えば、メタノールとエタノール、またはメタノールとプロパノール、またはエタノールとプロパノール、またはメタノールとエタノールとプロパノール)、または水と少なくとも一種のアルコールの混合物(例えば、水とメタノール、または水とエタノール、または水とプロパノール、または水とメタノールとエタノール、または水とメタノールとプロパノール、または水とエタノールとプロパノール、または水とメタノールとエタノールとプロパノール)である。水、あるいは水と少なくとも一種のアルコール、好ましくは水とエタノール混合物が好ましく、蒸留水が単一の洗浄剤として極めて好ましい。
分離されたゼオライト系材料を洗浄剤で、好ましくは洗浄水で、標準ガラス電極で測定したpHが6〜8の範囲となるまで、好ましくは6.5〜7.5の範囲となるまで洗浄することが好ましい。
また、本発明の方法は、必要なら一つ以上の乾燥工程を持つことができる。一般に、考えうるいずれの乾燥手段を使用してもよい。乾燥操作は、好ましくはYOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料の加熱及び/又は真空の印加である。本発明の可能な実施様態では、一つ以上の乾燥工程が、ゼオライト系材料の噴霧乾燥を、好ましくは噴霧造粒を含んでいてもよい。
少なくとも一つの乾燥工程を含む実施様態では、乾燥温度が、好ましくは25℃〜150℃の範囲であり、より好ましくは60〜140℃、より好ましくは70〜130℃、さらに好ましくは75〜125℃の範囲である。乾燥時間は、好ましくは2〜60時間の範囲であり、より好ましくは6〜48時間の範囲、さらに好ましくは12〜24時間の範囲である。
一般に、本発明の方法に含まれる任意の単離及び/又は洗浄及び/又は乾燥操作は、考えられるいずれの順序で行ってもよく、また一回以上繰り返してもよい。
本発明の方法が、工程(2)により結晶化したにゼオライト系材料の少なくとも一部を単離する工程、好ましくは濾過により単離する工程(3)を少なくとも一つ含むことが好ましい。本発明の方法では、少なくとも一つの単離工程の後に、このゼオライト系材料を少なくとも一つの乾燥工程にかけることがさらに好ましく、このゼオライト系材料を少なくとも一つの乾燥工程の前に少なくとも一つの洗浄工程にかけることがより好ましい。ある特に好ましい実施様態では、工程(2)で結晶化したゼオライト系材料が、少なくとも一つの工程(2)で得られた反応混合物からゼオライト系材料を単離する工程(3)と、次いで少なくとも一つの洗浄工程と、次いで少なくとも一つの乾燥工程にかけられる。
他の好ましい本発明の方法の実施様態では、工程(2)で結晶化されるゼオライト系材料が、このゼオライト系材料を前もって単離、洗浄、または乾燥することなく直接、少なくとも一つの乾燥工程に、好ましくは噴霧乾燥及び/又は噴霧造粒にかけられる。本発明の方法の工程(2)で得られた反応混合物を直接噴霧乾燥または噴霧造粒ステージにかけることには、単離と乾燥が単一ステージでできるという長所がある。このため本発明のこの実施様態では、合成後の後処理工程数が最小となり、その結果、YOを、必要ならさらにX、好ましくはYOとXを含む材料が、極めて単純なプロセスで得られるより好ましいプロセスが提供される。
任意の工程(3)と(4)と(5)中の単離、洗浄及び/又は乾燥操作の一つ以上に加えて、あるいはこれに代えて、工程(2)で得られるゼオライト系材料を焼成工程(6)にかけることが好ましい。工程(2)で得られるゼオライト系材料中に存在する結晶構造に大きな変化がなく熱的に安定なゼオライト系材料が得られるなら、焼成は、原則として考えうるいずれの温度で行ってもよい。好ましい実施様態では、ゼオライト系材料の焼成が、250〜850℃の範囲の温度で行われ、より好ましくは350〜750℃、より好ましくは450〜650℃、より好ましくは460〜600℃、より好ましくは470〜560℃、さらに好ましくは500〜550℃の温度で行われる。
工程(2)で得られたゼオライト系材料を焼成する工程を含む本発明の好ましい実施様態では、焼成工程の実施時期に特に制限はない。したがって例えば、本発明の方法の工程(2)から得られるゼオライト系材料を、このゼオライト系材料を一つ以上の工程(3)で、好ましくは一つ以上の濾過工程で分離した後、焼成工程(6)にかけてもよい。しかし、単離の後で、このゼオライト系材料を先ず、一つ以上の洗浄工程(4)、好ましくは蒸留水での洗浄工程(4)にかけてから焼成操作(6)にかけることが好ましく、単離洗浄後のゼオライト系材料をさらに一つ以上の乾燥操作(5)にかけてから上記ゼオライト系材料を焼成操作(6)にかけることがさらに好ましい。あるいは、工程(2)で結晶化されるゼオライト系材料を、前もってこのゼオライト系材料を単離、洗浄、または乾燥することなく直接一つ以上の乾燥工程(4)にかけ、次いで直接焼成操作(6)にかけてもよい。上記他の好ましい実施様態では、工程(2)から得られるゼオライト系材料の直接乾燥が、好ましくは噴霧乾燥及び/又は噴霧造粒により行われ、さらに好ましくは噴霧造粒により行われる。
したがって好ましい実施様態では、本発明の方法はさらに、一つ以上の
(6)工程(2)または(3)または(4)または(5)で得られたゼオライト系材料を焼成する工程(なお、これらの工程(3)及び/又は(4)及び/又は(5)及び/又は(6)はどのような順序で行われてもよく、上記工程の少なくとも一つが好ましくは一回以上繰り返される)を含む。
本発明はまた、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含む合成ゼオライト系材料であって、本発明の方法で得ることのできるもの、あるいはYOと必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含むゼオライト系材料を与えるいずれかの方法により得られるものに関する。本発明の意味では、この「合成」材料と呼ばれる材料は、その材料が天然材料でないことを意味するのではない。特に「合成」材料は、単に人造材料であることを意味するのみであり、決してその材料が天然に存在することを排除するものではない。したがって例えば、本発明はまた、合成レビン及び/又は合成チャバザイトに関する。
したがって、本発明はまた、YOと必要ならXを含む、好ましくはYOとX含む構造を有する合成ゼオライト系材料であって、上記材料が本発明の方法ではで得られる及び/又は得られた、好ましくは得られるもので、特に本願に規定する好ましい実施様態、特に好ましい実施様態のものに関する。
また、本発明はまた、CHA骨格構造をもつYOとXを含む合成ゼオライト系材料(Yが四価元素であり、Xが三価元素である)であって、上記のCHA骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料が、必要なら本発明の方法で得られたものであり、特に本出願の好ましい実施様態と特に好ましい実施様態に規定されたものに関する。本発明の方法に関して上述のように、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料の骨格構造中に含まれるYOとXは、構造成形元素として含まれており、CHA骨格構造により形成される空孔及び/又は空洞中に存在し、一般的なゼオライト系材料に典型的な非骨格元素として含まれているのではない。
本発明では、本発明のCHA骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料がそのY:Xモル比に特徴があり、これは1〜10.5の範囲に含まれる。特にYとXは、ゼオライト系材料の骨格構造中にそれぞれ含まれる四価元素と三価元素である。好ましい実施様態では、このY:Xモル比が1〜9の範囲に含まれ、より好ましくはこのモル比が1〜7の範囲に含まれ、より好ましくは1〜6、より好ましくは1.5〜5、より好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3.75、より好ましくは2.5〜3.75、さらに好ましくは3〜3.75の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料のY:Xモル比が、3.25〜3.75の範囲に含まれる。
原則として、本発明のCHA骨格構造をもつゼオライト系材料が、考えうるいずれの四価元素Yを含んでいてもよいなお、Yは一種又は数種の四価元素である。本発明の好ましい四価元素には、SiとSn、Ti、Zr、Geが、またこれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。より好ましくは、Yは、Si、Ti、またはZr、あるいは上記四価元素のいずれかの組み合わせを示し、さらに好ましくはSi及び/又はSnを示す。本発明では、YがSiを示すことが特に好ましい。
また、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料は、適当ないずれかの三価元素Xを含んでいてもよい。なお、Xは一種又は数種の三価元素である。 好ましい本発明の三価元素には、AlとB、In、Ga、またこれらの組み合わせが含まれる。より好ましくは、Xは、Al、B、またはGa、または上記三価元素のいずれかの組合せをさし、さらに好ましくはAl及び/又はBをさす。本発明では、XがAlをさすことが特に好ましい。
本発明の好ましい実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料がさらにZを含む。なお、Zは、考えうるいずれかの五価元素をさし、Zは一種又は数種の五価元素である。本発明の方法に関して上述のように、好ましくはCHA骨格構造をもつゼオライト系材料の骨格構造中に含まれるZが、その中に構造成形元素として含まれており、CHA骨格構造により形成される空孔及び/又は空洞中に存在し、一般的なゼオライト系材料に典型的な非骨格元素として含まれているのではない。本発明の好ましい五価元素Zには、PとAs、Sb、Bi、V、Nb、Ta、またこれらの2つ以上の混合物が含まれる。より好ましくは、Zは、PとAs、V、またこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のエレメントをさし、より好ましくはZがPまたはAsを含む。その特に好ましい実施様態では、ZがPを含み、ZがPであることが特に好ましい。
Zを含むCHA骨格構造をもつゼオライト系材料の好ましい実施様態では、上記特定の実施様態は、(1+2p):(n−p)の比の値が1〜5.5の範囲に含まれるY:nX:pZモル比を持つことに特徴がある。上記実施様態での(1+2p):(n−p)比は、好ましくは1.5〜5の範囲に含まれ、より好ましくは1.5〜4.5の範囲、より好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3.75、より好ましくは2.5〜3.75、さらに好ましくは3〜3.75の範囲に含まれる。CHA骨格構造をもつゼオライト系材料がさらに一種以上の五価元素Zを含む特に好ましい実施様態では、(1+2p):(n−p)比の値が3.25〜3.75の範囲に含まれる。
したがって、本発明はまた、必要なら本発明の方法で、特に本願に記載の好ましい実施様態、特に好ましい実施様態で得られる及び/又は得られたCHA骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料であって、該ゼオライト系材料がYOとX(Yは四価元素であり、Xは三価元素である)を含み、該ゼオライト系材料のY:Xモル比が1〜10.5の範囲に含まれる、好ましくは1〜9、より好ましくは1〜7、より好ましくは1〜6、より好ましくは1.5〜5、より好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3.75、より好ましくは2.5〜3.75、より好ましくは3〜3.75、さらに好ましくは3.25〜3.75の範囲に含まれ、
該ゼオライト系材料が、必要ならさらにYOとXに加えてZ(Zは五価元素である)を含み、該ゼオライト系材料がY:nX:pZモル比で、その比率(1+2p):(n−p)比が1〜5.5の範囲に含まれ、好ましくは1.5〜5の範囲、より好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3.75、より好ましくは2.5〜3.75、より好ましくは3〜3.75、さらに好ましくは3.25〜3.75の範囲に含まれるものに関する。
本発明では、もしCHA骨格構造をもつゼオライト系材料中に含まれるゼオライトがYOとXを含み、このゼオライト系材料のY:Xモル比が1〜10.5の範囲に含まれるなら、さらにZを含む好ましい実施様態では、もしこの材料が、(1+2p):(n−p)の比が1〜5.5に範囲に含まれるようなY:nX:pZモル比を持なら、そのCHA骨格構造をもつゼオライト系材料中に含まれるゼオライトの種類に特に制限はない。特に、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料が、CHA骨格構造をもち、YO、X、また好ましくはさらにそこに含まれるZに関する上記の特徴を示す一種以上の特定のゼオライトを含んでいてもよい。本発明の好ましい実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料中に含まれる一種以上のゼオライトが、(Ni(deta)2)−UT−6、チャバザイト、|Li−Na| [Al−Si−O]−CHA、DAF−5、無水Na−チャバザイト、K−チャバザイト(Iran)、LZ−218、Linde D、LindeR、MeAPSO−47、Phi、SAPO−34、SAPO−47、SSZ−13、SSZ−62、UiO−21、ウィルヘンダーゾン沸石、ZK−14、ZYT−6、これらの2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる。
特に好ましい本発明の他の実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料が、骨格元素としてYOとXに加えてZを含まず、さらに好ましくは五価元素Zを含まない。上記他の好ましい実施様態では、ZはPをさし、より好ましくは、ZはP及び/又はAsをさし、より好ましくは、PとAs、V、またこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の五価元素Zをさし、さらに好ましくは、Zは、PとAs、Sb、Bi、V、Nb、Ta、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる。本発明の特に好ましい実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料が、その骨格中の構造成形元素としていずれの五価元素Zも含まない。
したがって本発明の他の好ましい実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料が、YOとXに加えて五価元素Zを含んでいない。
本発明では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料の表面積に特に制限はない。したがって例えば、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料のDIN66135に準じて求めたBET表面積は200〜700m/gのいずれかである。好ましくはDIN66135に準じて求めたこのBET表面積が、400〜650m/gの範囲であることが好ましく、450〜600m/gの範囲であることがさらに好ましい。本発明の特に好ましい実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料のBET表面積が500〜575m/gの範囲に含まれる。
CHA骨格構造をもつゼオライト系材料に加えて、本発明はまた、YOとX(なお、Yは四価元素で、Xは三価元素である)を含むLEV骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料に関する。なお、このLEV骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料は、特に本出願の好ましい実施様態と特に好ましい実施様態で規定されるようにして本発明の方法で得られるか直接得られたものである。本発明の方法に関して上述したように、LEV骨格構造をもつゼオライト系材料の骨格構造に含まれるYOとXは、構造成形元素として含まれており、LEV骨格構造により形成される空孔及び/又は空洞中に存在し、一般的なゼオライト系材料に典型的な非骨格元素として含まれているのではない。
本発明では、本発明のLEV骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料は、Y:Xモル比が1〜9.25の範囲にあることに特徴がある。特に、YとXは、それぞれゼオライト系材料の骨格構造中に含まれる四価元素と三価元素である。好ましい実施様態では、このY:Xモル比が2〜9の範囲に含まれ、より好ましくは上記モル比が2.5〜8.5の範囲に含まれ、より好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜7.5、より好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5、さらに好ましくは5〜6の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施様態では、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料のY:Xモル比が、5.25〜5.75の範囲に含まれる。
原則として、本発明のLEV骨格構造をもつゼオライト系材料が、考えうるいずれの四価元素Y(Yは一種又は数種の四価元素である)を有していてもよい。好ましい本発明の四価元素には、SiとSn、Ti、Zr、Ge、またこれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。より好ましくは、Yが、Si、Ti、またはZr、または上記四価元素のいずれかの組み合わせをさし、さらに好ましくはSi及び/又はSnをさす。本発明では、YがSiをさすことが特に好ましい。
また、このLEV骨格構造をもつゼオライト系材料が、いずれか適当な三価元素X(Xは一種又は数種の三価元素をさす)を含んでいてもよい。好ましい本発明の三価元素には、AlとB、In、Ga、またこれらの組み合わせが含まれる。より好ましくは、XがAl、B、またはGa、または上記三価元素のいずれかの組合せをさし、さらに好ましくはAl及び/又はBをさす。本発明では、XがAlをさすことが特に好ましい。
本発明の好ましい実施様態では、このLEV骨格構造をもつゼオライト系材料が、さらにZを含む。なお、Zは考えうるいずれかの五価元素をさし、Zは一種又は数種の五価元素をさす。本発明の方法に関して上述したように、好ましくはLEV骨格構造をもつゼオライト系材料の骨格構造中に含まれるZは、その中に構造成形元素として含まれており、LEV骨格構造により形成される空孔及び/又は空洞中に存在し、一般的なゼオライト系材料に典型的な非骨格元素として含まれているのではない。好ましい本発明の五価元素には、PとAs、Sb、Bi、V、Nb、Ta、またこれらの2つ以上の混合物が含まれる。より好ましくは、Zが、PとAs、V、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のエレメントをさし、より好ましくはZはPまたはAsを含む。特に好ましい実施様態ではZがPを含み、ZがPであることが特に好ましい。
Zを含むLEV骨格構造をもつゼオライト系材料の好ましい実施様態では、上記特定の実施様態が、比率(1+2p):(n−p)の値が1〜20の範囲に含まれるようなY:nX:pZモル比を持つことに特徴がある。上記実施様態の比率(1+2p):(n−p)は、好ましくは1〜15の範囲に含まれ、より好ましくは1〜10、より好ましくは2〜9、より好ましくは2.5〜8.5、より好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜7.5、より好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5、さらに好ましくは5〜6の範囲に含まれる。一種以上の五価元素Zを含むLEV骨格構造をもつゼオライト系材料の特に好ましい実施様態では、比率(1+2p):(n−p)の値が、5.25〜5.75の範囲に含まれる。
したがって、本発明はまた、LEV骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料であって、特にその、好ましい本願で規定される実施様態と特に好ましい実施様態により上記ゼオライト系材料が本発明の方法で得られるか及び/又は得られたものであり、そのゼオライト系材料がYOとX(なお、Yは四価元素であり、Xは三価元素である)含み、このゼオライト系材料のY:Xモル比が1〜9.25の範囲であり、より好ましくは2〜9、より好ましくは2.5〜8.5、より好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜7.5、より好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5、より好ましくは5〜6、さらに好ましくは5.25〜5.75であり、このゼオライト系材料がYOとXに加えてさらにZ(Zは五価の元素である)を含む場合、このゼオライト系材料がY:nX:pZモル比を示し、その(1+2p):(n−p)比の値が、1〜20の範囲に含まれる、好ましくはの範囲で1〜15、より好ましくは1〜10、より好ましくは2〜9、より好ましくは2.5〜8.5、より好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜7.5、より好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5、より好ましくは5〜6、さらに好ましくは5.25〜5.75の範囲に含まれる合成ゼオライト系材料に関する。
本発明では、LEV骨格構造をもつゼオライト系材料中に含まれるゼオライトがYOとXを含み、このゼオライト系材料のY:Xモル比が1〜9.25の範囲に含まれ、好ましい実施様態では、さらにZを含み、この材料のY:nX:pZモル比が、(1+2p):(n−p)比が1〜20の範囲となる量である限り、そのLEV骨格構造をもつゼオライト系材料中に含まれるゼオライトの種類に特に制限はない。特にこのLEV骨格構造をもつゼオライト系材料が、一種以上の特定のLEV骨格構造をもつゼオライトを含み、YO、X、また好ましくはさらにそこに含まれるZに関する上記の特徴を示してもよい。本発明の好ましい実施様態では、このLEV骨格構造をもつゼオライト系材料中に含まれる一種以上のゼオライトは、レビンとLZ−132、NU−3、RUB−1、ZK−20、ZSM−45、RUB−50、またこれらの2つ以上の混合物からなる群からから選ばれる。
本発明では、このLEV骨格構造をもつゼオライト系材料がRUB−50を含むことが特に好ましい。
特に好ましい本発明の他の実施様態では、このLEV骨格構造をもつゼオライト系材料が、YOとXに加えて骨格元素としてZを含まず、さらに好ましくは五価元素Zを含まない。上記他の好ましい実施様態では、ZがPをさし、より好ましくは、ZがP及び/又はAsをさし、より好ましくはPとAs、V、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の五価元素Zをさし、さらに好ましくはZが、PとAs、Sb、Bi、V、Nb、Ta、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる。本発明の特に好ましい実施様態では、このLEV骨格構造をもつゼオライト系材料が、その骨格中に構造成形元素としていずれの五価元素Zも含んでいない。
したがって本発明の他の好ましい実施様態では、このLEV骨格構造をもつゼオライト系材料が、YOとXに加えて五価元素Zを含まない。
また、このCHA骨格構造をもつゼオライト系材料とLEV骨格構造をもつゼオライト系材料に加えて、本発明はまた、YOと必要ならX(なお、Yは四価元素で、Xは三価元素である)を含む層状構造物をもつ合成ゼオライト系材料に関する。なお、この層状構造をもつ合成ゼオライト系材料が、特に本出願の好ましい実施様態と特に好ましい実施様態に規定されるようにして必要なら本発明の方法で得られたものであってもよい。本発明の方法に関して上述したように、層状構造をもつゼオライト系材料の骨格構造に含まれるYOと必要ならXは、その層状構造をもつゼオライト系材料の空孔及び/又は空洞及び/又は両界面に存在可能な非骨格元素ではなく、構造成形元素として含まれている。
本発明では、この層状構造をもつ合成ゼオライト系材料は、以下の反射を含むX線回折パターンをもつ:
Figure 2014530797
なお、X線回折パターン中の最大ピークの強度が100%である。
本発明の好ましい実施様態では、この層状構造をもつゼオライト系材料が、
以下の反射を含むX線回折パターンをもつ:
Figure 2014530797
なお、X線回折パターン中の最大ピークの強度が100%である。
原則として、本発明の層状構造をもつゼオライト系材料は、考えうるいずれの四価元素Y(なお、Yは一種又は数種の四価元素をさす)を含むことができる。好ましい本発明の四価元素には、SiとSn、Ti、Zr、Ge、またこれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。より好ましくは、Yは、SiとTiとZr、または上記四価元素のいずれかの組み合わせをさし、さらに好ましくはSi及び/又はSnをさす。本発明では、YがSiをさすことが特に好ましい。
また、この層状構造をもつゼオライト系材料が、必要ならいずれか適当な三価元素X(Xは、一種又は数種の三価元素をさす)を含むことができる。好ましい本発明の三価元素には、AlとB、In、Ga、またこれらの組み合わせが含まれる。より好ましくは、XがAl、B、またはGa、または上記三価元素のいずれかの組合せをさし、さらに好ましくはAl及び/又はBをさす。本発明では、XがAlをさすことが特に好ましい。
YがSiを含む本発明の特に好ましい実施様態では、この層状構造をもつゼオライト系材料が、好ましくは層状ケイ酸塩である。Xを含み、XがAlを含む好ましい実施様態では、この層状構造をもつゼオライト系材料が好ましくはアルミノケイ酸塩である。本発明の特に好ましい実施様態では、この層状構造をもつゼオライト系材料が、層状構造の構造成形元素として一種以上の三価元素Xをさらに含まない層状ケイ酸塩である。
したがって本発明はまた、YOと必要ならXを含む層状構造をもつ合成ゼオライト系材料(Yは四価元素であり、Xは三価元素である)であって、上記材料が必要なら本発明の方法で、特に本願に規定の好ましい実施様態と特に好ましい実施様態で得られる及び/又は得られ、上記材料が、少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンをもつものに関する。
Figure 2014530797
なお、X線回折パターン中の最大ピークの強度が100%である。
また、この層状構造をもつゼオライト系材料の好ましい実施様態では、Yは、好ましくは、SiとSn、Ti、Zr、Ge、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれ、より好ましくはYがSiを含み、さらに好ましくはYがSiである。
最後に、層状構造をもつゼオライト系材料の他の好ましい実施様態では、Xは、好ましくは、AlとB、In、Ga、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれ、より好ましくはXがAlまたはGaを含み、より好ましくはXがAlを含み、さらに好ましくはXがAlである。
用途の具体的なニーズに応じて、本発明のゼオライト系材料はそのままで、上記の分離法(例えば、デカンテーション、濾過、遠心分離、または吹き付け)から得られる粉、噴霧粉末または噴霧粒状物の形で使用できる。
多くの工業用途では、ユーザー側でゼオライト系材料を粉末または噴霧材料として使用するのでなく、即ち母液からの材料の分離、必要なら洗浄と乾燥、また続く焼成で得られるゼオライト系材料として使用するのでなく、さらに加工して成型物とすることが望ましいことが多い。このような成型物が、多くの工業用プロセスで、例えば本発明のゼオライト系材料が触媒または吸着剤として用いられる多くのプロセスで必要とされている。
したがって、本発明はまた、本発明のゼオライト系材料を含む成型物に関する。
一般に、この粉末または噴霧材料を、他の化合物を加えることなく、例えば適当な圧縮することにより、所望形状の成型物(例えば、タブレットや円柱、球などの成形物)を得るのができる。
粉末または噴霧材料を、適当な耐火性バインダーと混合するか、これで覆うことが好ましい。一般に適当なバインダーとは、バインダーの不存在化での物理吸着を超えて、結合対象のゼオライト系物質粒子を接着及び/又は結合させる全ての化合物をいう。このようなバインダーの例は、金属酸化物(例えば、SiO、Al、TiO、ZrOまたはMgO)または粘土、またはこれらの化合物の2つ以上の混合物である。使用可能な天然粘土には、モンモリロナイトとカオリンのファミリーであり、これらのファミリーには、サブベントナイトとカオリン(ディクシー、マクナミー、ジョージア、フロリダ粘土として知られる)または主たる鉱物構成成分がハロイサイト、カオリナイト、ジッカイト、ナクライト、またはアナウキサイトである他の粘土が含まれる。このような粘土は、採掘後の粗の状態であっても、または前もって焼成、酸処理または化学変換にかけたものであってもよい。また、本発明のゼオライト系材料は、多孔性マトリックス材料(例えば、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリアとシリカ−チタニア)を含んでいてよく、また三元系組成物(例えば、シリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシア、シリカ−マグネシア−ジルコニア)を含んでいてもよい。
したがって、本発明のゼオライト系材料は、粒子状触媒の充填床としての使用のため押出品、ペレット、タブレットまたはいずれの他の適当な形状の粒子の形で提供でき、あるいは、板やサドル、チューブなどの成形物の形で提供できる。
また好ましくは、粉末または噴霧材料、必要なら上記の適当な耐火性バインダーとの混合物またはそれで塗布したものを、例えば水でスラリーとし、これを適当な耐火性担体上に析出させてもよい。このスラリーは、他の化合物、例えば安定剤や脱泡剤、促進剤などを含んでいてもよい。通常、この担体は、よく「ハニカム」担体と呼ばれる、内部に延びる複数の微細な平行ガス流路をもつ一個以上の耐火体を含む部材を含んでいる。このような担体は公知であり、いずれか適当な材料、例えばコージェライトなどから作られている。
一般に上記のゼオライト系材料は、モレキュラーシーブ、吸着剤、触媒、触媒担体またはそのバインダーとして使用できる。例えばこのゼオライト系材料は、ガスまたは液体を乾燥させるための、また選択的な分子の分離(例えば炭化水素またはアミドの分離)のためにモレキュラーシーブとして利用でき、またイオン交換体として、化学担体として、吸着剤として、特に炭化水素またはアミドの分離のための吸着剤として、また触媒として利用できる。本発明のゼオライト系材料は、触媒として及び/又は触媒担体として、最も好ましく利用される。
本発明の意味では、本発明のゼオライト系材料、本願に記載の好ましい実施様態、特に好ましい実施様態のゼオライト系材料の利用は、個々の本発明のゼオライト系材料、即ちYOを含み必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含む合成ゼオライト系材料であって、本発明の方法で得られる及び/又は得られた、好ましくは得られた、特に本願に記載の本発明の方法の好ましい実施様態、特に好ましい実施様態にで得られた合成ゼオライト系材料と、さらにはCHA骨格構造をもつゼオライト系材料、またLEV骨格構造持つ、層状構造をもつゼオライト系材料の両方に関する。特に、本発明のゼオライト系材料の利用は、好ましくは、本発明のCHA骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料と本発明のLEV骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料、本発明の層状構造をもつゼオライト系材料、これらの2つ以上の組み合わせのいずれかの一種以上に関する。しかし本発明では、このゼオライト系材料に利用が、それぞれCHA骨格構造をもつゼオライト系材料、LEV骨格構造をもつゼオライト系材料、または層状構造をもつゼオライト系材料に関することが特に好ましい。
本発明のある好ましい実施様態では、本発明のゼオライト系材料が、触媒プロセスで、好ましくは触媒及び/又は触媒担体として、より好ましくは触媒として使われる。一般に本発明のゼオライト系材料は、考えうるいずれの触媒的プロセスででも触媒及び/又は触媒担体として使用できる。なお、少なくとも一種の有機化合物の変換を伴うプロセスが好ましく、より好ましくは少なくとも一個の炭素−炭素結合及び/又は炭素−酸素結合及び/又は炭素−窒素結合をもつ有機化合物、より好ましくは少なくとも一個の炭素−炭素結合及び/又は炭素−酸素結合をもつ有機化合物、さらに好ましくは少なくとも一個の炭素−炭素結合をもつ有機化合物の変換を伴うプロセスがより好ましい。本発明の特に好ましい実施様態では、このゼオライト系材料が、流動接触分解(FCC)プロセス中での触媒及び/又は触媒担体として使用される。
また本発明では、このゼオライト系材料が、非石油系供給原料からの軽質オレフィンの製造の触媒として、例えば酸素化物[例えば、低級アルコール(メタノール、エタノール)、エーテル(ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル)、エステル(ジメチルカーボネート、メチルホルメート)]のオレフィンへの変換、特に低級アルコールの軽質オレフィンへの変換の触媒として使用される。特に好ましい実施様態では、本発明のゼオライト系材料が、メタノールからオレフィン(MTO)への変換に使用される。
発明の他の一つの実施様態では、本発明のゼオライト系材料が、好ましくは少なくとも一個の窒素−酸素結合をもつ少なくとも一種の化合物の変換を含む触媒プロセスで使用される。本発明で特に好ましいのは、上記YOとXを含むゼオライト系材料の酸化窒素NOxの選択的還元のための選択的触媒的還元(SCR)プロセスのための利用、
NHの酸化、特にディーゼル系中のNHスリップの酸化のための利用、またNOの分解のための触媒及び/又は触媒担体としての利用である。本発明で用いられる「酸化窒素NOx」は、窒素の酸化物、特に一酸化二窒素(NO)、一酸化窒素(NO)、三酸化二窒素(NO3)、二酸化窒素(NO)、四酸化二窒素(NO4)、五酸化二窒素(NO5)、窒素過酸化物(NO3)をさす。本発明の特に好ましい実施様態では、少なくとも一個の窒素−酸素結合をもつ少なくとも一種の化合物の変換を伴う触媒的プロセス中で用いられるゼオライト系材料が、Cu及び/又はFeを含み、より好ましくはCuを含む。
したがって、本発明はまた、適当な還元条件下でNOxを含む流体を本発明のYOとXを含むゼオライト系材料を含む触媒と接触させて酸化窒素を選択的に還元する方法に関するとともに、適当な酸化条件下でNHを本発明のYOとXを含むゼオライト系材料に接触させることによるNHの酸化方法、特にディーゼル系内のNHスリップの酸化方法;適当な分解条件下でNOを含む流体を本発明のYOとXを含むゼオライト系材料を含む触媒に接触させることによるNOの分解方法;適当な条件下で排気流を本発明のYOとXを含むゼオライト系材料を含む触媒に接触させることによる最新排気処理システム(例えば、予混合圧縮着火燃焼(HCCl)のエンジンの排気を制御する方法;本発明のYOとXを含むゼオライト系材料が添加物として用いられる流動接触分解FCCプロセス;適当な変換条件下で有機化合物を本発明のYOとXを含むゼオライト系材料を含む触媒に接触させてその有機化合物を変換する方法;本発明のYOとXを含むゼオライト系材料を含む触媒が用いられる「固定型」プロセスに関する。
したがって、本発明はまた、酸化窒素NOxを選択的に還元する方法であって、酸化窒素NOxを含む、好ましくはさらにアンモニアと尿素を含むガス流を、本発明のゼオライト系材料または本発明で得られるあるいは得られたゼオライト系材料、好ましくは成型物触媒、さらに好ましくは適当な耐火性担体上にゼオライト系材料を付着させた成型物触媒に、さらに好ましくは「ハニカム」担体に接触させられる方法に関する。
本発明のゼオライト系材料または本発明で得られるあるいは得られたゼオライト系材料を含む触媒を用いて還元される酸化窒素は、いずれのプロセスから得られたものであってもよく、例えば排ガス流から得られたものであってもよい。特に、アジピン酸や硝酸、ヒドロキシルアミン誘導体、カプロラクタム、グリオキサール、メチル−グリオキサール、グリオキシル酸の製造工程からの排ガス流や、窒素含有材料の燃焼行程からの排ガス流があげられる。
本発明のゼオライト系材料または本発明で得られるあるいは得られたゼオライト系材料が、成型物触媒として、より好ましくは適当な耐火性担体上にゼオライト系材料が付着した成型物触媒、さらに好ましくは「ハニカム」担体上に付着した成型物触媒として、酸化窒素NOxの選択的還元に、即ち酸化窒素の選択的触媒的還元に使用されることが最も好ましい。特に本発明のゼオライト系材料を触媒活性物質として用いる酸化窒素の選択的還元は、アンモニアまたは尿素の存在下で行われる。固定型の動力プラントではアンモニアが還元剤として選ばれるが、移動型のSCRシステムでは尿素が還元剤として選ばれる。通常、このSCRシステムは、エンジンや車両設計に取り込まれ、また通常、以下の部品を含む:本発明のゼオライト系材料を含むSCR触媒;尿素貯蔵タンク;尿素ポンプ;尿素供給システム;尿素噴霧器/ノズル;それぞれの制御装置。
また本発明では、このゼオライト系材料が有機化合物用のモレキュラートラップとして使われることが好ましい。一般に、いずれの種類の有機化合物もこのゼオライト系材料中に捕捉される。なお、この化合物が可逆的に捕捉され、後でゼオライト系材料から回収できることが好ましく、加熱及び/又は減圧により−好ましくは無変換で−この有機化合物が放出されることが好ましい。またこのゼオライト系材料を、分子構造の微孔系を通過が可能な有機化合物の補足に用いることが好ましい。本発明のさらに他の実施様態では、この捕捉された化合物が少なくとも部分変換され、その化学誘導体及び/又は分解生成物が、好ましくはその熱分解生成物が放出されることが好ましい。
異なる目的のための特定の触媒的組成物または組成物を製造する場合、本発明のYOとXを含むゼオライト系材料を、少なくとも一種の他の触媒活性物質と、またはこの目的で活性をもつ材料と混合することもできる。また、YO:X比率で異なる、好ましくはSiO:Al比率で異なる、及び/又は一種以上の他の金属(例えば、一種以上の遷移金属)及び/又は特定量の他の金属(例えば、遷移金属)の存在あるいは非存在で異なる少なくとも2種の異なる本発明の材料を混合することができる。なお、特に好ましい実施様態では、この一種以上の遷移金属がCu及び/又はFeを含み、より好ましくはCuを含む。少なくとも2種の異なる本発明の材料を、少なくとも一種の他の触媒活性物質またはこの目的で活性をもつ材料と混合することもできる。
またこの触媒を支持体上に分散させてもよい。この支持体は、触媒製造に通常用いられている材料のいずれであってもよく、通常、セラミック製や金属製のハニカム構造を含む。支持体の、供給口または排出口側から内部を微細で平行なガス流路が延び、この流路が流体の内部流動に解放されている(ハニカムフロースルー支持体とよばれる)形のモノリス支持体など、いずれか適当な支持体を使用できる。この流路、即ち流体供給口から流体排出口に向かう実質的に直線状の流路、は、壁面で区切られており、この壁面に触媒材料が薄膜状で付着され、流路を流れるガスがこの触媒材料と接触するようになっている。このモノリス支持体の流路は薄壁の流路であり、いずれか適当な断面形状と大きさ(例えば、台形、長方形、正方形、曲線的、六角形、卵型、丸型等)をもつ。このような構造物は、断面の1平方インチ(2.54cm×2.54cm)当たり、約60個から約400個以上のガス導入部開口部(すなわち、セル)を持っている。
この支持体は、流路が交互にブロックされ、一方向(供給口方向)から入るガス流が流路壁面を通過して、他方向(排出口方向)の流路から排出される壁面流型のフィルター支持体であってもよい。触媒組成物を、このフロースルー型フィルターまたは壁面流型のフィルター上に塗布することもできる。壁面流型の支持体を使用する場合、得られたシステムは、ガス状汚染物質とともに粒子状物質を除くことができるようになる。この壁面流型のフィルター支持体は、公知の材料から、例えばコージェライト、アルミニウムチタネートまたは炭化ケイ素から製造できる。壁面流型支持体へのこの触媒組成物の負荷量は、支持体の性質、例えば空隙率や壁厚により決まるが、通常フロースルー支持体上の負荷量より小さい。
このセラミック基板は、いずれか適当な耐火性材料から製造でき、例えばコージェライトやコージェライト−アルミナ、窒化ケイ素、ジルコンムライト、リチア輝石、アルミナ−シリカマグネシア、ジルコンケイ酸塩、ミリマイト、珪酸マグネシウム、ジルコン、ペタル石、α−アルミナ、アルミノケイ酸塩等から製造できる。
本発明の実施様態の触媒に有用な支持体は、本質的に金属製のものであり、
一種以上の金属または金属合金からなる。この金属製支持体は、いろいろな形状で使用でき、例えば波板またはモノリスの形で使用できる。適当な金属製支持体には、耐熱金属や金属合金(例えば、チタンやステンレス鋼)や、鉄が多く含まれるあるいは主成分である他の合金が含まれる。このような合金は、ニッケル、クロム及び/又はアルミニウムの一つ以上を含むことができ、これらの金属の総量は、好ましくは、合金の少なくとも15質量%であり、例えば、10〜25質量%のクロム、3〜8質量%のアルミニウムと多くて20質量%のニッケルである。これらの合金は、また、少量の一種以上の他の金属(例えば、マンガン、銅、バナジウム、チタン等)を含むことができる。この表面またはこれらの金属支持体を高温下で、例えば1000 ℃以上で酸化し、支持体表面に酸化物層を形成して合金の耐腐食性を改善してもよい。このような高温での酸化により、耐火性金属酸化物支持体と触媒活性金属成分支持体との結合が強化される。
他の実施様態では、本発明のYOとXを含むゼオライト系材料を、連続気泡発泡体支持体上に付着させてもよい。このような支持体は公知であり、通常耐火性セラミック製または金属製材料から製造される。
特に好ましいのは、本発明のゼオライト系材料または本発明で得られるあるいは得られたゼオライト系材料を含む触媒を、
化学量論的に燃焼に必要な量より多い空気を用いる燃焼条件で運転する(リーンバーン)内燃機関、特にディーゼルエンジンからの排ガスより酸化窒素NOxを除去するのに使用することである。
したがって、本発明はまた、化学量論的燃焼必要量より多い空気を用いる燃焼条件で運転する(リーンバーン)内燃機関、特にディーゼルエンジンからの排ガスより酸化窒素NOxを除去する方法であって、本発明のゼオライト系材料または本発明で得られるあるいは得られたゼオライト系材料を含む触媒が触媒活性物質として用いられている方法に関する。
本発明はしたがって、本発明のゼオライト系材料の、特に触媒分野及び/又は排ガス処理分野での利用であって、記排ガス処理が工業排ガス処理と自動車排ガス処理を含むものに関する。これらの用途や他の用途では、本発明のゼオライト系材料は、例えば、モレキュラーシーブ、触媒、及び/又は触媒担体として使用できる。
本発明のゼオライト系材料を排ガス処理に用いる本発明の実施様態では、
このゼオライト系材料が、工業排ガスまたは自動車排ガスの処理に使われることが好ましく、上記用途でモレキュラーシーブとして用いられることがより好ましい。ある特に好ましい実施様態では、この排ガス処理に用いられるゼオライト系材料が、炭化水素トラップに含まれる。
したがって、本発明はまた、本発明のゼオライト系材料、また本願に記載の好ましい実施様態、特に好ましい実施様態のゼオライト系材のモレキュラーシーブとしての利用、また吸着剤としての、イオン交換のための、触媒及び/又は触媒担体としての、好ましくは酸化窒素NOxの選択的触媒的還元(SCR)用触媒としての、NHの酸化、特にディーゼル系のNHスリップの酸化のための、NOの分解のための、流動接触分解(FCC)プロセス中での添加物としての利用、あるいは有機変換反応の触媒としての、好ましくはアルコールのオレフィンへの、より好ましくはメタノールのオレフィン(MTO)への変換触媒としての利用に関する。
実施例1で得られた結晶のX線回折パターンを示している。 実施例2で得られた結晶のX線回折パターンを示している。 実施例3で得られた結晶のX線回折パターンを示している。 洗浄乾燥後の実施例3で得られた試料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
[発明を実施するための形態]
図面の説明
図中に示す粉末X線回折パターンは、単色化されたCuKα−1放射線を用いてブルカーAXS−D8アドバンスシリーズ2型X線回折装置で記録した。回折データは、SOL−XEエネルギー分散X線検出器で集めた。これら図では、角度2θ(°)を横軸に、強度を縦軸にプロットした。
各図で、x軸は2θの値を示し、左から、2、10、20、30、40、50、60、70°にマークを入れてある。各図で、y軸はLin(カウント)を示し、下から、図1では0〜始まり12163で終わり、図2では0から始まり12690で終わり、図3では0から始まり28361で終わる。
図4の写真は解像度が1000:1のもので、右下角に20μmの長さが示されている。下の写真は解像度が5000:1のものであり、右下角に5μmの長さが示されている。
実施例
実施例1:
N,N−ジメチルピペリジニウムカチオンを構造指向剤として用いるCHA骨格構造をもつゼオライト系材料の製造
24.0質量%のN,N−ジメチルピペリジンヒドロキシドを含む水溶液153.8gを評量して、ポリテトラフルオロエチレン容器に入れ、次いで1.4gのNaAlOを加え、得られた混合物を10分間撹拌した。次いでこの混合物に、撹拌下で合計14.8gのヒュームドシリカ(アエロジル200)を添加し、得られた混合物をさらに15分間撹拌して、pHが13.7の淡白色半透明混合物を得た。次いでこの混合物をオートクレーブに移し、150℃で120時間(5日間)結晶化させた。反応混合物を室温まで冷却後、この反応生成物として得られた白色固体を含む透明溶液をガラスフィルターで濾過し、残渣を2lの蒸留水で洗浄した。この白色固体を次いで120℃で16時間乾燥して、4.3gの白色粉末を得た。
エネルギー分散X線スペクトロスコピー(EDXS)により、この実施例1の結晶性生成物の電子プローブマイクロ分析を行った結果、Si:Alモル比は3.5であった。
図1に、濾過乾燥後の水熱合成で得られた結晶性生成物のX線回折(XRD)パターンを示す。特にこのXRDパターンは、CHA型骨格構造に典型的なものである。
次いで、2gの上記洗浄乾燥後の微結晶生成物を525℃で10時間熱処理して、1.9gの焼成材料を得た。77KでDIN66134の方法で、この焼成材料の窒素吸着等温図を測定した。データの分析の結果、ラングミュア法の等価表面積が718.63m/gであり、BET表面積が550.35m/gであった。
実施例2:
N,N−ジメチルピペリジニウムカチオンを構造指向剤として用いるLEV骨格構造をもつゼオライト系材料の製造
24.0質量%のN,N−ジメチルピペリジン水酸化物を含む水溶液154.2gを評量してポリテトラフルオロエチレン容器に入れ、次いで0.9gのNaAlOを添加し、得られた混合物を10分間撹拌した。次いでこの混合物に、撹拌下で合計14.8gのヒュームドシリカ(アエロジル200)を添加し、得られた混合物をさらに15分間撹拌して、pHが13.7の淡白色半透明混合物を得た。次いでこの混合物をオートクレーブに移し、150℃で120時間(5日間)結晶化させた。反応混合物を室温まで冷却後、この反応生成物として得られた白色固体を含む透明溶液をガラスフィルターで濾過し、残渣を2lの蒸留水で洗浄した。この白色固体を次いで120℃で16時間乾燥して、4.3gの白色粉末を得た。
図2に、濾過乾燥後の水熱合成で得られた結晶性生成物のX線回折(XRD)パターンを示す。特にこのXRDパターンは、LEV型骨格構造に典型的なものである。
実施例3:
N,N−ジメチルピペリジニウムカチオンを構造指向剤として用いる層状構造をもつゼオライト系材料の製造
24.0質量%のN,N−ジメチルピペリジンヒドロキシドを含む水溶液141.9gを評量して、ポリテトラフルオロエチレン容器に入れ、次いで0.6gのNaAlOを加え、得られた混合物を10分間撹拌した。次いでこの混合物に撹拌下で合計27.6gのヒュームドシリカ(アエロジル200)を添加し、得られた混合物をさらに15分間撹拌して、淡白色半透明混合物を得た。次いでこの混合物をオートクレーブに移し、150℃で120時間(5日間)結晶化させた。反応混合物を室温まで冷却後、この反応生成物として得られた白色固体を含む透明溶液をガラスフィルターで濾過し、残渣を繰り返し蒸留水で洗った。この白色固体を次いで120℃で16時間乾燥して、14gの白色粉末を得た。
図3に、濾過乾燥後の水熱合成で得られた結晶性生成物のX線回折(XRD)パターンを示す。2θが5.645°の最大反射から明らかなように、このゼオライト系材料は層状構造をもっている。
Figure 2014530797










Figure 2014530797
図4は、洗浄乾燥後の水熱合成で得られた結晶性生成物のSEM写真である。

Claims (28)

  1. YOを含み必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含む構造を有するゼオライト系材料の製造方法であって、
    (1)アンモニウムカチオンが式(I):

    [RNR (I)

    をもつ一種以上のアンモニウム化合物を含み、さらに一種以上のYO源と一種以上のX源を含む混合物を与える工程と
    (2)(1)で与えられる混合物を結晶化させる工程とを含む製造方法
    [ただし、Yが四価元素であり、Xが三価元素であり、
    式(I)で、
    とRは、相互に独立して、置換または非置換の、好ましくは非置換のメチルであり、
    とRは、相互に独立して、置換または非置換の、好ましくは非置換の(C−C)アルキル、好ましくはCまたはCアルキルであり、
    より好ましくはRとRが、共通の(C−C)アルキル鎖を、より好ましくは共通の(C−C)アルキル鎖、より好ましくは共通の(C−C)アルキル鎖を形成し、
    より好ましくは、上記共通のアルキル鎖が、置換または非置換の、好ましくは非置換のCまたはCアルキル鎖、さらに好ましくは置換または非置換の、好ましくは非置換のCアルキル鎖であり、
    工程(1)で与えられ工程(2)で結晶化される混合物中の式(I)のアンモニウムカチオンのYに対するモル比が、0.25以上であり、
    上記モル比が、好ましくは0.25〜5の範囲に含まれ、より好ましくは0.25〜3、より好ましくは0.25〜2、より好ましくは0.3〜1.7、より好ましくは0.4〜1.5、より好ましくは0.45〜1.3、より好ましくは0.5〜1.2、さらに好ましくは0.55〜1.15の範囲に含まれる]。
  2. 工程(1)で与えられる一種以上のアンモニウム化合物が、置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピロリジニウム化合物とN,N−ジメチルピペリジニウム化合物、N,N−ジメチルヘキサヒドロアゼピニウム化合物、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のアンモニウム化合物を含む、好ましくは置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピロリジニウム化合物とN,N−ジメチルピペリジニウム化合物とこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含む、
    さらに好ましくは一種以上の置換または非置換の、好ましくは非置換のN,N−ジメチルピペリジニウム化合物を含むアンモニウム化合物を含む請求項1に記載の製造方法。
  3. Yが、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、及びこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる、好ましくはYがSiを含む、さらに好ましくはYがSiである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記一種以上のYO源が、シリカとケイ酸塩とこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含む、好ましくは上記一種以上のYO源が一種以上のシリカを含む、より好ましくは上記一種以上のYO源がヒュームドシリカを含む、さらに好ましくは上記YO源がヒュームドシリカである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. Xが、Al、B、In、Ga、及びこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる、好ましくはXがAl、B、またはGaを含む、より好ましくはXがAl及び/又はBを含む、さらに好ましくはXがAlまたはBである請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 上記一種以上のX源が、アルミナとアルミン酸塩とこれらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含む、好ましくは上記一種以上のX源が、一種以上のアルミン酸塩、好ましくは一種以上のアルカリ金属アルミン酸塩、より好ましくは一種以上のアルミン酸ナトリウム及び/又はカリウム、好ましくはアルミン酸ナトリウムを含むアルカリ金属アルミン酸塩を含む、さらに好ましくは上記X源がアルミン酸ナトリウム及び/又はカリウムであり、好ましくはアルミン酸ナトリウムである請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. ゼオライト系材料の構造が、YOとXに加えてさらにZを含み、工程(1)で与えられる混合物がさらに一種以上のZ源(なお、Zは五価元素である)を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. Zが、P、As、Sb、Bi、V、Nb、Ta、及びこれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくはPとAs、V、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる、より好ましくはZがPまたはAs、好ましくはPを含む、さらに好ましくはZがPである請求項7に記載の製造方法。
  9. 工程(1)で与えられる混合物のYO:Xモル比が1から400以上の範囲であり、好ましくは5〜300、より好ましくは10〜200、より好ましくは20〜150、より好ましくは40〜120、さらに好ましくは50〜100の範囲である請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 工程(1)で与えられる混合物がさらに溶媒を含み、上記溶媒が好ましくは水を、より好ましくは蒸留水を含み、さらに好ましくは上記溶媒が水、好ましくは蒸留水である請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 工程(1)で与えられる混合物のHO:YOモル比が1〜150の範囲であり、好ましくは3〜100、より好ましくは5〜60、より好ましくは8〜45、より好ましくは10〜35、より好ましくは11〜30、さらに好ましくは12〜28の範囲であり、及び/又は、好ましくは工程(1)で与えられる混合物のHO:Xモル比が100〜8,000の範囲であり、好ましくは500〜5,000、より好ましくは1,000〜3,600、より好ましくは1,100〜3,000、さらに好ましくは1,150〜2,700の範囲である請求項10に記載の製造方法。
  12. 工程(1)で与えられる混合物のpHが8〜14の範囲に含まれ、好ましくは10〜14、より好ましくは11〜14、より好ましくは12〜14、より好ましくは13〜14、さらに好ましくは13.6〜13.8の範囲に含まれる請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 工程(2)での結晶化に、混合物の加熱、好ましくは80〜250℃の範囲の温度、より好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃、より好ましくは130〜170℃、より好ましくは140〜160℃、さらに好ましくは145〜155℃の範囲の温度での加熱が行われる請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. 工程(2)での加熱がソルボサーマル条件下で、好ましくは水熱条件下で行われる請求項13に記載の製造方法。
  15. 工程(2)での結晶化が、混合物の0.1〜20日間の加熱で行われる、好ましくは0.5〜15日、より好ましくは1〜10日、より好ましくは2〜8日、より好ましくは3〜7日、より好ましくは4〜6日、さらに好ましくは4.5〜5.5日間の加熱で行われる請求項13または14に記載の製造方法。
  16. さらに、
    (3)好ましくは濾過によりゼオライト系材料を単離する工程、
    及び/又は
    (4)該ゼオライト系材料を洗浄する工程、
    及び/又は
    (5)該ゼオライト系材料を乾燥する工程を含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. さらに、
    (6)工程(2)または(3)または(4)または(5)で得られるゼオライト系材を焼成する工程(なお、工程(3)及び/又は(4)及び/又は(5)及び/又は(6)はどの順序で行ってもよい)を一つ以上含み、上記工程の少なくとも一つが好ましくは一回以上繰り返される請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. YOを含み必要ならXを含む、好ましくはYOとXを含む構造を有する合成ゼオライト系材料であって、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法で得られるか及び/又は得られた、好ましくは得られた材料。
  19. CHA骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料であって、必要なら請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法で得られるか及び/又は得られた、好ましくは得られたものであり、該ゼオライト系材料がYOとX(Yが四価元素であり、Xが三価元素である)を含み、
    該ゼオライト系材料のY:Xモルが1〜10.5の範囲に含まれ、好ましくは1〜9、より好ましくは1〜7、より好ましくは1〜6、より好ましくは1.5〜5、より好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3.75、より好ましくは2.5〜3.75、より好ましくは3〜3.75、さらに好ましくは3.25〜3.75の範囲に含まれ、
    該ゼオライト系材料がYOとXに加えてさらにZ(Zは五価元素である)を含む場合、
    該ゼオライト系材料がY:nX:pZモル比をとり、
    その(1+2p):(n−p)比の値が1〜5.5の範囲に含まれ、好ましくは1.5〜5の範囲、より好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3.75、より好ましくは2.5〜3.75、より好ましくは3〜3.75、さらに好ましくは3.25〜3.75の範囲に含まれる材料。
  20. 該材料が、(Ni(deta)2)−UT−6とチャバザイト、|Li−Na| [Al−Si−O]−CHA、DAF−5、無水Na−チャバザイト、K−チャバザイト(Iran)、LZ−218、Linde D、LindeR、MeAPSO−47、Phi、SAPO−34、SAPO−47、SSZ−13、SSZ−62、UiO−21、ウィルヘンダーゾン沸石、ZK−14、ZYT−6、これらの2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる一種以上のゼオライトを含む請求項19に記載の合成ゼオライト系材料。
  21. LEV骨格構造をもつ合成ゼオライト系材料であって、
    上記ゼオライト系材料が、請求項1〜17のいずれか一項に記載の製造方法で得られるか及び/又は得られ、
    該ゼオライト系材料がYOとX(Yは四価元素であり、Xは三価元素である)を含み、
    該ゼオライト系材料のY:Xモル比が1〜9.25の範囲に含まれ、より好ましくは2〜9、より好ましくは2.5〜8.5、より好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜7.5、より好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5、より好ましくは5〜6、さらに好ましくは5.25〜5.75の範囲に含まれ、
    該ゼオライト系材料がYOとXに加えてさらにZ(Zは五価元素である)を含む場合、
    該ゼオライト系材料がY:nX:pZモル比を示し、
    その(1+2p):(n−p)比の値が1〜20の範囲に含まれ、好ましくは1〜15の範囲で、より好ましくは1〜10、より好ましくは2〜9、より好ましくは2.5〜8.5、より好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜7.5、より好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5、より好ましくは5〜6、さらに好ましくは5.25〜5.75の範囲に含まれる合成ゼオライト系材料。
  22. 該材料が、レビンとLZ−132、NU−3、RUB−1、ZK−20、ZSM−45、RUB−50、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれる一種以上のゼオライトを含む、好ましくはこのゼオライト系材料がRUB−50を含む請求項21に記載の合成ゼオライト系材料。
  23. Zが、PとAs、Sb、Bi、V、Nb、Ta、これらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくはPとAs、V、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれ、より好ましくはZが、PまたはAsを、好ましくはPを含み、さらに好ましくはZがPである請求項19〜22のいずれか一項に記載の合成ゼオライト系材料。
  24. 骨格構造が、YOとXに加えて五価元素Zを含まない請求項19〜23のいずれか一項に記載の材料。
  25. YOと必要ならX(Yは四価元素であり、Xは三価元素である)を含む層状構造をもつ合成ゼオライト系材料であって、上記材料が必要なら請求項1〜17のいずれか一項に記載の製造方法で得られるか及び/又は得られたものであり、上記材料が、少なくとも以下の反射をもつX線回折パターンをもつ材料。
    Figure 2014530797
    (なお、X線回折パターン中の最大ピークの強度が100%である)。
  26. Yが、SiとSn、Ti、Zr、Ge、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれ、好ましくはYがSiを含み、さらに好ましくはYがSiである請求項19〜25のいずれか一項に記載の材料。
  27. Xが、AlとB、In、Ga、これらの2つ以上の混合物からなる群から選ばれ、好ましくはXがAlまたはGaを含み、より好ましくはXがAlを含み、さらに好ましくはXがAlである請求項19〜26のいずれか一項に記載の材料。
  28. 請求項19〜26のいずれか一項に記載のゼオライト系材料の吸着剤としての利用、またイオン交換のための、モレキュラーシーブとしての、吸着剤としての、イオン交換のための、触媒及び/又は触媒担体としての、好ましくは酸化窒素NOxの選択的触媒的還元(SCR)用触媒としての;NHの酸化、特にディーゼル系のNHスリップの酸化のための;NOの分解のための;流動接触分解(FCC)プロセス中での添加物としての;または有機変換反応の触媒、好ましくはアルコールのオレフィンへの、より好ましくはメタノールのオレフィン(MTO)への変換触媒としての利用。
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