JP2014529330A - 単一ユニットクロマトグラフィー抗体精製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、中間精製およびポリッシングの工程を少なくとも含む、バイオリアクターにおいて生成されるタンパク質混合物からの抗体の精製方法であって、当該中間およびポリッシング工程は、フロースルー様式での、インラインのアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)処理および混合様式クロマトグラフィー(MiMo)処理を含む、方法に関する。本発明はさらに、アニオン交換クロマトグラフィー部分および混合様式クロマトグラフィー部分の両方を連続的に連結して含む単一操作ユニットであって、当該ユニットは、アニオン交換クロマトグラフィー部分の上流端において入口を含みかつ混合様式クロマトグラフィー部分の下流端において出口を含み、当該ユニットはまた、アニオン交換クロマトグラフィー部分と混合様式クロマトグラフィー部分との間にも入口を含む、単一操作ユニットに関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、抗体の単一ユニット精製のための方法およびこの方法において使用され得る装置に関する。
薬学的用途における使用のための、細胞培養によって産生されるモノクローナル抗体の精製は、多数の工程を要するプロセスである。こうした抗体は、基本的に、あらゆる潜在的に有害な汚染物質(例えば、抗体を産生する細胞に由来するタンパク質およびDNA)、培地成分(例えば、インスリン、PEGエーテルおよび消泡剤)ならびに存在する可能性のあるあらゆる感染因子(例えば、ウイルスおよびプリオン)から分離されるべきものである。
抗体をこれらのタンパク質を産生する細胞の培養物から精製するための典型的なプロセスは、BioPharm International June 1,2005,“Downstream Processing of Monoclonal Antibodies:from High Dilution to High Purity”に記載されている。
抗体は細胞(例えば、ハイブリドーマ細胞または形質転換宿主細胞(チャイニーズハムスター卵巣(CHO:Chinese Hamster Ovary)細胞、マウス骨髄腫由来NS0細胞、ベビーハムスター腎臓細胞およびヒト網膜由来PER.C6(登録商標)細胞など))により産生されるので、粒状細胞物質が、精製プロセスの好ましくは初期に、細胞ブロスから除去されなければならないであろう。プロセスのこの部分は、本明細書において、「清澄化」として示される。その後にまたは清澄化工程の一部として、抗体は、およそ少なくとも約80%まで、通常は結合と溶出のクロマトグラフィー工程(IgGの場合はしばしば固定化プロテインAを使用)を用いて、精製される。本明細書において「捕捉」として示されるこの工程は、抗体の最初のかなりの精製をもたらすだけでなく、体積のかなりの減少、したがって生成物の濃縮ももたらし得る。代替的な捕捉方法は、例えば、膨張床吸着(Expanded Bed Adsorption:EBA)、二液相分離(2−phase liquid separation)(例えばポリエチレングリコールを使用)またはリオトロピック塩(例えば、硫酸アンモニウム)による分画沈殿である。
清澄化および捕捉に続いて、抗体は、さらに精製される。一般的に、少なくとも2つのクロマトグラフィー工程が、残留不純物を十分に除去するために、捕捉後に必要とされる。捕捉に続くクロマトグラフィー工程は、しばしば中間精製工程と呼ばれ、最後のクロマトグラフィー工程は、一般にポリッシング工程と呼ばれる。一般的に、これらの工程は、各々、バッチ方式で単一ユニット操作として行われ、一般的に、これらの工程のうちの少なくとも1つは、結合と溶出の様式で実施される。さらに、それぞれのクロマトグラフィー工程は、例えばpH、導電率などに関して、特異的な負荷条件を必要とする。したがって、負荷物(load)を要求条件に合うように調整するために、追加の処理が、それぞれのクロマトグラフィー工程に先立って行われなければならない。この上述の全てにより、プロセスが複雑かつ時間のかかるものとなっている。これらの工程の間に一般に実質的に除去される不純物は、プロセス由来の汚染物質(例えば、宿主細胞タンパク質、宿主細胞核酸、培地成分(存在する場合)、プロテインA(存在する場合)、菌体内毒素(存在する場合)、および微生物(存在する場合))である。抗体のそのような精製のための種々の方法が、最近の特許文献に記載されている。
国際公開第2010/062244号パンフレットは、モノクローナル抗体などのタンパク質の単離および精製のための水性二相抽出強化沈殿法(aqueous two phase extraction augmented precipitation process)に関するものである。その後の抗体のさらなる精製については、2つの選択肢、すなわち(1)結合および溶出の様式でのカチオン交換クロマトグラフィーと、それに続くフロースルー様式でのアニオン交換、または(2)最初のフロースルー様式でのマルチモード(または混合様式)クロマトグラフィーと、それに続くフロースルー様式でのアニオン交換が記載されている。選択肢(2)の2つのクロマトグラフィーユニットは1つの単一ユニット操作として動作せず、いずれもポリッシング目的では用いられない。
国際公開第2005/044856号パンフレットは、ヒドロキシアパタイト樹脂を任意選択でアニオン交換クロマトグラフィーと組み合わせて用いる、抗体調製物からの高分子量凝集体の除去に関するものである。両方のクロマトグラフィー処理とも、とりわけフロースループロセスとして記載されたが、しかしそれらは、別個の操作として実施されると記載された。
国際公開第2011/017514号パンフレットは、連続するインラインのカチオン交換クロマトグラフィー工程およびアニオン交換クロマトグラフィー工程による抗体および他のFc含有タンパク質の精製に関するものである。両方のクロマトグラフィー処理とも、一般的には結合および溶出の分離として実施されたが、第2の工程は、フロースループロセスとして操作され得る。
国際公開第2005/082483号パンフレットは、2つの連続する混合様式クロマトグラフィー工程による抗体の精製に関するものであり、この精製において、第1の工程のクロマトグラフィー材料は、カチオン交換基および芳香族基の両方を有する混合様式カチオン交換樹脂であり、これらの結合基(bind)により抗体が結合され得、第2の工程のクロマトグラフィー材料は、混合様式アニオン交換樹脂である。第2のクロマトグラフィー工程は、フロースルー様式で行われ得る。この2つのクロマトグラフィー工程は、別個の操作として記載されている。
上記の方法の欠点は、長い操作時間、高い変動費および高い固定費(人件費による)である。
アニオン交換クロマトグラフィー部分およびカチオン交換クロマトグラフィー部分の両方を含む単一操作ユニットを示す。
本発明の一実施形態によれば、細胞培養産生抗体からの残留不純物の非常に効率的な除去が、共にフロースルー様式である連続的なインラインのアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)および混合様式(MiMo)クロマトグラフィーを使用することによって達成され得る。MiMoクロマトグラフィー工程前のAEX工程からのフロースルー物の(例えば、好適な緩衝液の混合による)インラインコンディショニングが、pHおよび導電率に関してMiMoクロマトグラフィーに適した条件にフロースルー物を調整するために使用される。
この新規方法の利点は、操作時間および人件費の大きな削減、したがってより低い操作費用である。また、十分な結合容量を不純物に対してのみ必要とし生成物に対しては必要としないフロースルー様式で全てのユニットを操作するので、より小さい(したがってより費用がかさまない)クロマトグラフィーユニットが必要とされる。
したがって、本発明は、中間精製およびポリッシングの工程を少なくとも含む、バイオリアクターにおいて生成された細胞ブロスからの抗体の精製方法であって、その新規精製工程が、合わせた連続的なインラインのAEXおよびMiMoクロマトグラフィーを含む、方法として規定され得る。これは、分離混合物をフロースルー画分として生成するAEXクロマトグラフィー工程と、連続的インラインで、それに続く、精製抗体調製物をフロースルー画分として生成するMiMoクロマトグラフィー工程とを適用することにより実施され得、その精製抗体調製物は、少なくとも1つのさらなる精製工程に供される。
したがって、本発明の文脈において、「分離混合物」は、本発明に従う第1のクロマトグラフィー工程の結果として生じる溶液であり、「精製抗体調製物」は、本発明に従う第2のクロマトグラフィー工程の結果として生じる溶液である。本出願の全体にわたってこの用語法に従うことが意図される。
概してバイオリアクターにおいて生成された細胞ブロスは、第1のクロマトグラフィー工程に先立って、清澄化される(すなわち、あらゆる細胞物質(例えば、全細胞および細胞破片)から分離される)であろう。
また、第1のクロマトグラフィー工程に先立って、pHおよび導電率についてこの第1の工程に最適な条件を確保するために、コンディショニング溶液が、細胞ブロスまたは抗体含有溶液に添加され得る。
特定の実施形態において、本発明に従う方法は、AEXおよびMiMoによる合わせたクロマトグラフィーを、単一ユニット操作として行うことを含む。
本発明の場合の文脈において、「抗体(antibody)」および複数形「抗体(antibodies)」により、抗原を特異的に結合する能力を有する任意のタンパク質が意味される。抗体(または免疫グロブリン)はその天然形態において、抗原刺激(例えば、細菌、ウイルス、寄生生物、または移植臓器)に応答して血液またはリンパ中に分泌され、抗原をそれに特異的に結合することによって中和する、B細胞の表面にあるY字形のタンパク質である。本明細書において使用される場合の用語抗体はまた、天然または人工抗体の抗原結合部分をも含む。用語抗体はまた、天然抗体と同様の相互作用機構に基づき抗原と特異的に結合する能力を有する非天然の(したがって人工の)タンパク質をも含み、したがって、例えばある種(例えばマウス)に由来する抗原結合部分と別の種(例えばヒト)に由来する非抗原結合部分とからなる、キメラ抗体をも含む。
「混合様式クロマトグラフィー(MiMo)」により、タンパク質の吸着および/または脱着のために2種以上の相互作用が生じる材料を利用する種類のクロマトグラフィーが意味される。これらの相互作用は、以下の種類、すなわち、アニオン、カチオン、疎水性、アフィニティ、π−π、好硫黄性、サイズ排除のものであり得る。混合様式材料の周知の例は、ヒドロキシアパタイト(金属アフィニティ、アニオン相互作用およびカチオン相互作用)、Capto(商標)adhere(アニオン相互作用および疎水性相互作用)およびMEP HyperCel(商標)(カチオン相互作用および疎水性相互作用)である。
「連続的なインラインのAEXおよびMiMo」により、AEXおよびMiMoが、AEXデバイスの流出物が中間的な保存なしにMiMoデバイス中に供給されるように連続的に連結されていることが意味される。
本明細書において、「フロースルー画分」により、実質的に溶出流体と同じ速度でクロマトグラフィーカラムから出て行く、負荷された抗体含有画分の少なくとも一部が意味される。この画分は、溶出の間、カラムには実質的に保持されない。したがって、条件は、抗体ではなく不純物がそれぞれのクロマトグラフィー材料に結合されるように選択される。
大規模生産目的のために、本発明に従う(フロースルー様式を用いた)方法は、結合および溶出を用いた先行開示された方法よりもはるかに速い、所望の抗体の分離を提供することが見出された。
本発明によれば、抗体を含有する分離混合物は、インラインでコンディショニングされる。この目的のために、分離混合物に、本発明に従う第2のクロマトグラフィー工程における最適な性能が得られるようにその組成および/または特性(例えば、pHおよび/もしくは導電率ならびに/または特定のイオン成分の存在および量)を変更するために適量の好適なコンディショニング溶液が補充される。
上で引用した先行技術文献のいずれにおいても、2つのクロマトグラフィー工程の間におけるインラインコンディショニングは適用も示唆もされなかったのであるが、驚くべきことに、非常に良好な分離結果が、本発明に従う第2のクロマトグラフィー工程に入る前の流体(分離混合物)のインラインコンディショニングを用いて達成され得ることが見出された。
したがって、本発明は、中間精製およびポリッシングの工程を少なくとも含む、バイオリアクターにおいて生成されるタンパク質混合物からの抗体の精製方法であって、当該中間精製およびポリッシング工程は、連続的なインラインの、分離混合物をフロースルー画分として生成するアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)と、それに続く、精製抗体調製物をフロースルー画分として生成する混合様式クロマトグラフィー(MiMo)とを含み、当該精製抗体調製物は、少なくとも1つのさらなる精製工程に供され、ここで、混合様式クロマトグラフィー前の分離混合物には、混合様式クロマトグラフィー工程における抗体からの不純物の除去のためにpHおよび/もしくは導電率ならびに/または特定のイオン成分の濃度もしくは種類を調整するために、適量の好適な調整溶液が補充される、方法に関する。
本明細書において、用語「コンディショニング溶液」および「調整溶液」は相互交換可能に使用され、本発明に従う第2の(MiMo)クロマトグラフィー工程に分離混合物を供給するのに先立って分離混合物に添加される溶液を意味する。
本明細書において、「適量の好適な調整溶液」により、分離混合物と混合された場合にMiMo材料への関連不純物の大部分の吸着をもたらすが生成物の実質的な結合を促進しない、任意選択で1種または複数種の塩または任意の他の添加剤を含有する任意の酸性、中性またはアルカリ性溶液が意味される。それぞれの精製プロセスについて、調整溶液中の最適なpH、塩系の好ましい種類および最適な量が確立されなければならない。
好ましくは、上述の溶液のpHは、抗体を含有する分離混合物のものと同じであり、最適な導電率値は、適量の1種または複数種の塩の添加または分離混合物中に存在する塩の希釈の結果であろう。塩のアニオンは、好ましくは、リン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、塩素酸イオン、ヨウ化物イオンおよびチオシアン酸イオンからなる群から選択され得る。塩のカチオンは、好ましくは、アンモニウムイオン、ルビジウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンおよびバリウムイオンからなる群から選択され得る。好ましい塩は、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムである。使用され得る他の添加剤は、MiMoクロマトグラフィー工程を最適化されるのに役立つ、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、または当該技術分野において知られている任意の他の化合物である。
酸性調整溶液のための酸性成分は、クエン酸(またはその一塩基性もしくは二塩基性ナトリウム塩もしくはカリウム塩)、リン酸(またはその一塩基性もしくは二塩基性ナトリウム塩もしくはカリウム塩)、酢酸、塩酸、硫酸などの化合物から選択され得る。
アルカリ性調整溶液のためのアルカリ性成分は、水酸化ナトリウムまたはカリウム、(またはその一塩基性もしくは二塩基性ナトリウム塩もしくはカリウム塩)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどの化合物から選択され得るが、当該技術分野において知られている任意の他のアルカリ性成分がこの目的のために使用され得る。
好ましくは、必要とされる調整溶液は、生成物の最小限の希釈をもたらすように、少量で補充されるものである。
好ましくは、この場合の分離混合物への適量の適切な調整溶液の補充は、単一ユニット操作の一部であり、例えば、MiMoクロマトグラフィー工程前のプロセス流れへの(例えば、混合チャンバーへの)上述の調整溶液のインライン混合による。
本発明に従うAEXクロマトグラフィーは、樹脂を含有する典型的な充填床カラム、モノリス材料を含有するカラム、適切なクロマトグラフィー媒体を含有するラジアルカラム、吸着膜ユニット、または、アニオン交換体として機能するのに適切な媒体およびリガンドを用いる当該技術分野において知られている任意の他のアニオン交換クロマトグラフィーデバイスによって具現化され得るAEXユニットにおいて行われ得る。AEXカラムにおいて、クロマトグラフィー材料は、強カチオン性または弱カチオン性リガンドが結合した粒状保持体として存在し得る。膜型アニオン交換体は、強カチオン性または弱カチオン性リガンドが結合した1枚または複数枚のシートの形態の保持体からなる。保持体は、有機材料もしくは無機材料または有機および無機材料の混合物からなり得る。好適な有機材料は、アガロースベースの媒体およびメタクリレートである。好適な無機材料は、シリカ、セラミックおよび金属である。膜形のアニオン交換体は、親水性ポリエーテルスルホン含有AEXリガンドからなり得る。好適な強AEXリガンドは、例えば第四級アミン基に基づく。好適な弱AEXリガンドは、例えば第一級、第二級もしくは第三級アミン基に基づくか、または当該技術分野において知られている任意の他の好適なリガンドである。
本発明に従うMiMoクロマトグラフィーは、樹脂を含有する典型的なカラム、モノリス材料に基づくカラム、適切なクロマトグラフィー媒体を含有するラジアルカラム、吸着膜ユニット、または、混合様式材料として機能するのに適切なリガンドを用いる当該技術分野において知られている任意の他の混合様式クロマトグラフィーデバイスによって具現化され得るMiMoユニットにおいて行われ得る。MiMoカラムにおいて、クロマトグラフィー材料は、MiMoリガンドが結合した粒状保持体として存在し得る。膜様のクロマトグラフィーデバイスは、MiMoリガンドが結合した1枚または複数枚のシートの形態の保持体からなる。保持体は、有機材料もしくは無機材料または有機および無機材料の混合物からなり得る。好適な有機保持体は、例えば親水性炭水化物(例えば、架橋アガロース、セルロースまたはデキストラン)または合成コポリマー材料(例えば、ポリ(アルキルアスパルトアミド)(poly(alkylaspartamide))、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびエチレンジメタクリレートのコポリマー、またはアシル化ポリアミン)からなる。好適な無機保持体は、例えばシリカ、セラミックおよび金属である。膜形MiMoは、親水性ポリエーテルスルホン含有MiMoリガンドからなり得る。MiMoリガンドの好適な例は、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、4−メルカプトエチルピリジン、ヘキシルアミノ、フェニルプロピルアミノ、2−メルカプト−5−ベンズアミダゾール(benzamidazole)スルホン酸、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン、または、マルチモード機能性を有する当該技術分野において知られている任意の他のリガンドである。
本発明の方法に従って精製され得る抗体は、6.0以上、好ましくは7.0以上、より好ましくは7.5以上の等電点pHを有する抗体である。これらの抗体は、Gクラス、AクラスまたはMクラスの免疫グロブリンであり得る。抗体は、ヒトもしくは非ヒト(例えば、齧歯類)またはキメラ(例えば、「ヒト化」)抗体であり得るか、上述の免疫グロブリンのサブユニットであり得るか、免疫グロブリン部分と別の(非免疫グロブリン)タンパク質に由来するまたはそのような別のタンパク質と同一の部分とからなるハイブリッドタンパク質であり得る。
驚くべきことに、合わせたAEXおよびMiMoクロマトグラフィーの結果としてもたらされる抗体材料は、概して少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、より好ましくは少なくとも99.9%、なおさらに好ましくは少なくとも99.99%という、非常に高い純度(タンパク質含有量をいう)を有するであろう。
本発明に従うAEXクロマトグラフィー工程は、好ましくは、中性または僅かにアルカリ性のpHで実施される。この工程は、DNA、宿主細胞タンパク質、プロテインA(存在する場合)、ウイルス(存在する場合)、タンパク質(proteinacous)培地成分(例えば、インスリンおよびインスリン様成長因子)(存在する場合)などの、負に帯電した不純物を除去するであろう。
MiMoクロマトグラフィー工程の間に、主要な残りの大分子不純物(large molecular impurities)(主として生成物凝集体)が、適切なpH条件および導電率条件を適用すればそれらは生成物が貫流する間にクロマトグラフィーデバイスに結合するという性質を利用して、除去されるであろう。
続いて、あらゆる残留低分子量不純物を除去し、緩衝液を最終製剤緩衝液(final formulation buffer)と交換し、所望の最終生成物濃度を調整するために、その(高度に)精製された抗体調製物は、概して、限外濾過およびダイアフィルトレーションによって処理されなければならないであろう。
さらに、その精製された抗体調製物は、概して、存在する可能性のある感染因子(例えば、ウイルスおよび/またはプリオン)の完全な除去を確実なものにするためにも処理されなければならないであろう。
本発明はまた、アニオン交換クロマトグラフィー部分(AEX)および混合様式クロマトグラフィー部分(MiMo)の両方を連続的に連結して含む単一操作ユニットに関する。この単一操作ユニットはさらに、第1のイオン交換クロマトグラフィー部分の上流端において入口を含み、かつ第2のイオン交換クロマトグラフィー部分の下流端において出口を含む。この単一操作ユニットはまた、第1のイオン交換クロマトグラフィー部分と第2のイオン交換クロマトグラフィー部分との間に連結部も含み、これが、分離混合物へのコンディショニング溶液の供給のための入口をさらに含む。
本発明に従うプロセスの間の液体流れは、任意の市販のデュアルポンプクロマトグラフィーシステム(例えば、ÅKTAエクスプローラー(GE)、BIOPROCESS(GE)の任意のデュアルポンプHPLCシステム)または図1の図に従う任意の特製のデバイスによって確立され得る。こうしたクロマトグラフィーデバイスの多くは、単一のクロマトグラフィーユニット(すなわち、カラムまたは膜)を操作するように設計されている。簡単な改造により、追加の連結が、ポンプA後かつ混合チャンバー前に第1のイオン交換ユニットを設けるために行われ得る。
図1は、基本構成を示すものである。図1に示されるような位置の任意選択のプレフィルターを加えた2つのクロマトグラフィーデバイスの連続的なインライン連結は、場合によっては望ましくない圧力増大に繋がり得る。したがって、状況によっては、追加の技術的改良(例えば、AEXユニット後の追加のポンプおよびAEXユニット前の減圧デバイス)が、この図に含まれなければならないことがあり得る。
[図面の説明]
図1.アニオン交換クロマトグラフィー部分およびカチオン交換クロマトグラフィー部分の両方を含む単一操作ユニット。緩衝液Aは、AEX工程の最適な操作に適したコンディショニングおよび洗浄用緩衝液である。緩衝液Bは、酸性溶液を含有しており、MiMo工程の操作に最適な条件を得るために必要とされる、負荷物/緩衝液Aに対する比で混合される。この混合比は、一定の体積混合流量(fixed volumetric mixing flow)を用いて達成され得る、またはフィードバックループによって例えばpH出力に基づき自動制御され得る。MCは、任意の種類の静的混合機を含有し得る、任意選択の混合チャンバーである。
L=負荷物
PA=ポンプA
PB=ポンプB
AEX=アニオン交換ユニット
MiMo=カチオン交換ユニット
pH=pHセンサー
σ=導電率センサー
PF=任意選択のプレフィルター
[実施例]
[材料および方法]
全ての実験を、CHO細胞株によって産生されたIgGを用いて実施した。化学的に規定された培地を用い、XD(登録商標)様式(Genetic Engineering & Biotechnology news,Apr 1 2010,No.7参照)で、培養を実施した。
プロテインAを用いるRhobust(登録商標)EBA技術(Innovations in Pharmaceutical Technology,March 2011参照)を用いて、粗XD(登録商標)採取物の清澄化および捕捉を単一工程として実施した。その生成物を、35mM NaCl、0.1M アセテート(pH3.0)の溶出緩衝液を用いて溶出させた。その溶出液は、5g/LのIgGを含有するものであり、2〜8℃で保存した。
こうして得られた材料を用いて、次の6つの実験をそれぞれ実施した。1.ヒドロキシアパタイト樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーにおける凝集体の選択的結合(preferential binding)のための条件を確立する(実験1)。2.ヒドロキシアパタイト樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーを、インライン混合を用いてフロースルー様式で行う(実験2)。3.AEXとヒドロキシアパタイト樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーとを1つの単一ユニット操作として組み合わせる(実施例1)。4.フロースルー様式でのアニオン−HIC樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーにおける最適条件を確立する(実験3)。5.アニオン−HIC樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーを、インライン混合を用いてフロースルー様式で行う(実験4)。6.AEXとアニオン−HIC樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーとを1つの単一ユニット操作として組み合わせる(実施例2)。
フロースルー様式でのAEXクロマトグラフィーの最適条件は、以前に決定されており、それを実施例1および実施例2の実験において適用した。
タンパク質(生成物)濃度は、UV/Vis分光法を用い、280nm(A280)および1.63の吸光係数で吸光度を測定することによって求めた。
単量体IgGおよび凝集体の濃度は、標準的な手順に従って、サイズ排除クロマトグラフィー(HP−SEC)によって測定した。
HCPは、CHO HCP ELISA Assay,3G(Cygnus Technologies)により測定した。
[実験1]
[ヒドロキシアパタイト樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーにおける凝集体の選択的結合のための条件の確立]
この実験のために、予備精製したIgGを、脱塩水で導電率が≦5mS/cmとなるように希釈し、2M Tris pH9.0を用いてpH6.5に調整した。結合−溶出様式でのMiMoクロマトグラフィーを実施した。4cmの床長さのHA Ultrogel(登録商標)Hydroxyapatite Chromatography Sorbent(Pall,Life Sciences)を充填したVL11(Millipore)カラムを、ÅKTAエクスプローラーで使用した。カラムを、10mM リン酸ナトリウム(pH7.0)を3mL/分の流量で用いて平衡させ、洗浄した。生成物を、2mL/分の流量で負荷した。初期負荷物は、2.6g/LのIgGおよび2.2%の初期量の凝集体を含有していた。負荷後、生成物を、10mM リン酸ナトリウム(pH7.0)(緩衝液A)および10mM リン酸ナトリウム、1M NaCl(pH7.0)(緩衝液B)を用いて0%から100%までの直線勾配で溶出させた。
溶出工程中の各画分を回収し、凝集体の存在およびタンパク質(生成物)含有量について、導電率の関数として分析した。
Figure 2014529330

各試料についての分析結果(表1に示す)は、26.9mS/cmの導電率値までは、溶出液は、凝集体を含有していないか、ほんの僅かな量の凝集体しか含有していないことを明確に示した。
[実験2]
[インライン混合を用いてのフロースルー様式でのヒドロキシアパタイト樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーにおける凝集体除去]
この実験のために、予備精製したIgGを、脱塩水で導電率が2.4mS/cmとなるように希釈し、2M Tris pH9.0緩衝液を用いてpH7.4に調整した。4cmの床長さのHA Ultrogel(登録商標)Hydroxyapatite Chromatography Sorbent(Pall,Life Sciences)を充填したVL11(Millipore)カラムを、ÅKTAエクスプローラーで使用した。カラムを、脱塩水および10mM リン酸ナトリウム、0.8M NaCl(pH7.4)(緩衝液B)で平衡させた。脱塩水と緩衝液Bとを、30%の緩衝液Bの一定体積比で、5mL/分の流量でインライン混合した。平衡後、生成物を負荷した。導電率を25mS/cmの値に調整するために、負荷の間中、生成物流れを緩衝液Bとインライン混合した。生成物流れと緩衝液Bとは、30%の緩衝液Bの一定体積比で、1mL/分の流量で混合した。初期負荷物は、0.78g/LのIgGおよび2.97%の初期量の凝集体を含有していた。
フロースルー物の各画分を回収し、凝集体の存在およびタンパク質(生成物)含有量について分析した。
Figure 2014529330

これらの試料の分析結果(表2に示す)は、生成物含有負荷物と30%の一定体積比での10mM リン酸ナトリウム、0.8M NaCl(pH7.4)とのインライン混合を用いてフロースルー様式でヒドロキシアパタイト樹脂を用いての≦1%に至るまでの凝集体の除去を明確に示した。
[実施例1]
[AEXとヒドロキシアパタイト樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーとを1つの単一ユニット操作として用いてのIgGの精製]
ÅKTAエクスプローラーを使用して、AEXユニットおよびMiMoユニットを、図1の図に示されているように連続的に連結した。AEXには、Sartobind Qカプセル(1mL)を使用し、MiMoには、4cmの床長さのHA Ultrogel(登録商標)Hydroxyapatite Chromatography Sorbent(Pall,Life Sciences)を充填したVL11(Millipore)カラムを使用した。生成物負荷前のAEXユニットの連結に先立つコンディショニングについては、MiMoユニットを、脱塩水(ポンプAによりポンプ輸送される)および10mM リン酸ナトリウム、0.8M NaCl(pH7.4)(緩衝液B)で平衡させた。脱塩水と緩衝液Bとは、30%の緩衝液Bの一定体積比で、5mL/分の流量でインライン混合した。AEXユニットを、それをシステムに連結する前に、100mLの0.05M Tris(pH7.4)緩衝液でフラッシュし、平衡させた。各ユニットの平衡を別個に行わない実験が行われ得る。
この実験のために、予備精製したIgGを、脱塩水で導電率が2.4mS/cmとなるように希釈し、2M Tris pH9.0緩衝液を用いてpHをpH7.4に調整し、そして0.22μmで濾過した。予備精製したIgGの負荷を、1mL/分の速度でポンプ輸送することによって開始した。緩衝液Bを、30%の体積比で、同じ流量でポンプ輸送した。0.6g/LのIgGを含有する240mLの量を負荷した。負荷を終えた後、洗浄を開始するために、AEXユニットを取り外した。AEXユニットを洗浄のために取り外す必要がない実験が行われ得る。MiMoユニットを、10mM リン酸ナトリウム(pH7.4)(緩衝液A)および緩衝液Bの0%から30%までの直線勾配を用いて洗浄し、0.5M リン酸ナトリウム、1.5NaCl(pH6.8)の緩衝液でストリッピングした。負荷物、フロースルー物および洗液を、凝集体の存在、HCP含有量およびタンパク質(生成物)含有量について分析した。負荷物は、2179ng/mg IgGのHCP濃度を有していた。フロースルー物と洗液との画分は、447ng/mg IgGのHCP濃度を有していた。負荷物中の凝集体の量は2.93%であり、フロースルー物と洗液とにおいては0.76%であった。ストリッピング物(strip)は、54.97%の凝集体を含有していた。フロースルー物と洗液とにおける全生成物回収率は88.2%であり、フロースルー物と洗液とストリッピング物とでは90%であった。
この実験は、分離混合物に適量の適切な調整溶液をインライン補充した場合に、1つの単一ユニット操作として動作する連続的なインラインのアニオン交換クロマトグラフィーとそれに続くMiMo(ヒドロキシアパタイト)クロマトグラフィーとの使用によって、99.2%という抗体材料の最終純度が達成されるということを示している。負荷物の初期純度は97%であった。
[実験3]
[フロースルー様式でのアニオン−HIC樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーにおける最適条件の確立]
この一連の実験ために、予備精製したIgGを、脱塩水で導電率が2.29mS/cmとなるように希釈し、2M Tris pH9.0緩衝液を用いてpHをpH7.4に調整した。6.3の床長さのCapto(商標)adhere(GE Healthcare)を充填したVL11(Millipore)カラムを、ÅKTAエクスプローラーで使用した使用した。カラムを、25mM リン酸ナトリウム(pH7.4)(緩衝液A)および100mM リン酸ナトリウム(pH7.4)(緩衝液B)で平衡させ、洗浄した。緩衝液Aと緩衝液Bとは、別個の実験として0%、5%、15%および25%の体積比で、5mL/分の流量でインライン混合した。平衡後、生成物を負荷した。負荷の間中、生成物流れを緩衝液Bとインライン混合した。生成物流れと緩衝液Bとは、別個の実験として0%、5%、15%および25%の緩衝液Bの体積比で、3mL/分の流量でインライン混合した。初期負荷物は、緩衝液Bとのインライン混合による希釈前において1.09g/LのIgGを含有し、3.13%の初期量の凝集体を含有していた。カラムを、100mM リン酸ナトリウム(pH3.0)緩衝液でストリッピングした。
異なる緩衝液B比におけるフロースルー物の画分を回収し、凝集体の存在およびタンパク質(生成物)含有量について分析した。
Figure 2014529330

試料の分析結果(表3に示す)は、生成物含有負荷物をリン酸塩調整緩衝液とインライン混合した場合の、アニオン−HICのMiMo樹脂における<1%に至るまでの凝集体の除去を明確に示した。
[実験4]
[インライン混合を用いてのフロースルー様式でのアニオン−HIC樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーにおける凝集体除去]
この実験のために、予備精製したIgGを、脱塩水で導電率が2.4mS/cmとなるように希釈し、2M Tris pH9.0緩衝液を用いてpH7.4に調整した。6.3の床長さのCapto(商標)adhere(GE Healthcare)を充填したVL11(Millipore)カラムを、ÅKTAエクスプローラーで使用した。カラムを、25mM リン酸ナトリウム(pH7.4)(緩衝液A)および100mM リン酸ナトリウム(pH7.4)(緩衝液B)で平衡させ、洗浄した。緩衝液Aと緩衝液Bとは、15%の緩衝液Bの一定体積比で、5mL/分の流量でインライン混合した。平衡後、生成物を負荷した。負荷の間中、生成物流れを緩衝液Bとインライン混合した。生成物流れと緩衝液Bとは、15%の緩衝液Bの一定体積比で、3mL/分の流量でインライン混合した。初期負荷物は、0.93g/LのIgGおよび3.15%の初期量の凝集体を含有していた。カラムを、100mM リン酸ナトリウム(pH3.0)緩衝液でストリッピングした。
Figure 2014529330

これらの試料の分析結果(表4に示す)は、30%の一定体積比での100mM リン酸ナトリウム(pH7)のインライン混合を用いてのフロースルー様式でのアニオン−HICのMiMo樹脂における実験全体にわたる、フロースルー物中≦1%に至るまでの凝集体の除去を明確に示した。凝集体の割合はフロースルー物のバルクであり、0.18%であった。
[実施例2]
[AEXとアニオン−HIC樹脂を用いたMiMoクロマトグラフィーとを1つの単一ユニット操作として用いてのIgGの精製]
ÅKTAエクスプローラーを使用して、AEXユニットおよびMiMoユニットを、図1の図に示されているように連続的に連結した。AEXには、Sartobind Qカプセル(1mL)を使用し、MiMoには、6.3の床長さのCapto(商標)adhere(GE Healthcare)を充填したVL11(Millipore)カラムを使用した。生成物負荷前のAEXユニットの連結に先立つコンディショニングについては、MiMoユニットを、25mM リン酸ナトリウム(pH7.4)(緩衝液A)および100mM リン酸ナトリウム(pH7.4)(緩衝液B)で平衡させた。緩衝液Aと緩衝液Bとは、15%の緩衝液Bの一定体積比で、5mL/分の流量でインライン混合した。AEXユニットを、それをシステムに連結する前に、100mLの0.05M Tris(pH7.4)緩衝液でフラッシュし、平衡させた。各ユニットの平衡を別個に行わない実験が行われ得る。
この実験のために、予備精製したIgGを、脱塩水で導電率が2.29mS/cmとなるように希釈し、2M Tris pH9.0緩衝液を用いてpHをpH7.4に調整し、そして0.22μmで濾過した。予備精製したIgGの負荷を、3mL/分の速度でポンプ輸送することによって開始した。緩衝液Bを、15%の体積比で、同じ流量でポンプ輸送した。0.91g/LのIgGを含有する479mLの量を負荷した。負荷を終えた後、洗浄を開始するために、AEXユニットを取り外し、流れを緩衝液Aに戻してラインに注入(prime)した。AEXユニットを洗浄のために取り外す必要がない実験が行われ得る。洗浄後、ポンプAにより100mM リン酸ナトリウム(pH3.0)緩衝液を添加することによってMiMoユニットをストリッピングし、ポンプBを停止した。負荷物、フロースルー物および洗液を、凝集体の存在、HCP含有量およびタンパク質(生成物)含有量について分析した。負荷物は、1711ng/mg IgGのHCP濃度を有していた。フロースルー物と洗液との画分は、206ng/mg IgGのHCP濃度を有していた。負荷物中の凝集体の量は3.13%であり、フロースルー物と洗液とにおいては0.18%であった。ストリッピング物は、14.23%の凝集体を含有していた。フロースルー物と洗液とにおける全生成物回収率は82.9%であり、フロースルー物と洗液とストリッピング物とでは99.9%であった。
この実験は、分離混合物に適量の適切な調整溶液をインライン補充した場合に、1つの単一ユニット操作として動作する連続的なインラインのアニオン交換クロマトグラフィーとそれに続くMiMo(アニオン−HIC)クロマトグラフィーとの使用によって、99.72%という抗体材料の最終純度が達成されるということを示している。負荷物の初期純度は96.8%であった。
[使用した略語]
280 280nmでの(光)吸収
AEX アニオン交換
BHK細胞 ベビーハムスター腎臓細胞
CHO細胞 チャイニーズハムスター卵巣細胞
EBA 膨張床吸着
HCP 宿主細胞タンパク質
HIC 疎水性相互作用クロマトグラフィー
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
IgG 免疫グロブリンG
MiMo 混合様式
TFF 接線流濾過
Tris トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン

Claims (10)

  1. 中間精製およびポリッシングの工程を少なくとも含む、バイオリアクターにおいて生成されるタンパク質混合物からの抗体の精製方法であって、前記中間精製およびポリッシング工程は、連続的なインラインの、分離混合物をフロースルー画分として生成するアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)と、それに続く、精製抗体調製物をフロースルー画分として生成する混合様式クロマトグラフィー(MiMo)とを含み、前記精製抗体調製物は、少なくとも1つのさらなる精製工程に供され、ここで、混合様式クロマトグラフィー前の前記分離混合物には、前記混合様式クロマトグラフィー工程における前記抗体からの不純物の除去のためにpHおよび/もしくは導電率ならびに/または特定のイオン成分の濃度もしくは種類を調整するために、適量の好適な調整溶液が補充される、方法。
  2. アニオン交換クロマトグラフィーおよび混合様式クロマトグラフィーが、連続的に連結された2つの別個のデバイスにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記連続的なインラインのAEXおよびMiMoが、単一ユニット操作として行われる、請求項1に記載の方法。
  4. MiMo前の前記分離混合物に、適量の塩または塩の組み合わせが補充される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. MiMo前の前記分離混合物に、適量の硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムが補充される、請求項4に記載の方法。
  6. MiMoクロマトグラフィー前の前記分離混合物に、適量の酸性溶液が補充される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. MiMoクロマトグラフィー前の前記分離混合物に、クエン酸(またはその一塩基性もしくは二塩基性ナトリウム塩もしくはカリウム塩)、リン酸(またはその一塩基性もしくは二塩基性ナトリウム塩もしくはカリウム塩)、酢酸、塩酸または硫酸を含有する適量の溶液が補充される、請求項6に記載の方法。
  8. 混合様式クロマトグラフィー前の前記分離混合物に、適量のアルカリ性溶液が補充される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  9. MiMoクロマトグラフィー前の前記分離混合物に、水酸化ナトリウムもしくはカリウム、(またはその一塩基性もしくは二塩基性ナトリウム塩もしくはカリウム塩)またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含有する適量の溶液が補充される、請求項8に記載の方法。
  10. アニオン交換クロマトグラフィー部分および混合様式クロマトグラフィー部分の両方を連続的に連結して含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法において使用され得る単一操作ユニットであって、前記アニオン交換クロマトグラフィー部分の出口は、前記混合様式クロマトグラフィー部分の入口に連結されており、前記ユニットは、前記アニオン交換クロマトグラフィー部分の上流端に入口を含みかつ前記混合様式クロマトグラフィー部分の下流端において出口を含み、前記ユニットはまた、前記アニオン交換クロマトグラフィー部分と前記混合様式クロマトグラフィー部分との間にも入口を含む、単一操作ユニット。
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