JP2014527578A - 銅合金 - Google Patents

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Abstract

本発明は、熱機械的な処理がなされた銅合金であって、(重量%で)15.5〜36.0%のZn、0.3〜3.0%のSn、0.1〜1.5%のFe、選択的に更に0.001〜0.4%のP、選択的に更に0.01〜0.1%のAl、選択的に更に0.01〜0.3%のAg、Mg、Zr、In、Co、Cr、Ti、Mn、選択的に更に0.05〜0.5%のNi、残りが銅及び不可避の不純物で構成され、合金のミクロ構造が、メイン結晶集合組織層の割合が少なくとも10体積%の銅層、少なくとも10体積%のS/R層、少なくとも5体積%の黄銅層、少なくとも2体積%のゴス層、少なくとも2体積%の22RD立方体層、少なくとも0.5体積%の立方体層であることにより特徴付けられ、微細に分配された鉄を含有する粒子が合金マトリクス中に含有されている銅合金に関するものである。

Description

本発明は、請求項1の記載に基づく銅合金に関するものである。
接続コンタクトを含む電子部品は、情報技術の基礎を形成するものである。各接続コンタクトにおける最も重要な考察の1つは、最もわずかなコストでの実施形態の最適化である。絶え間ない価格圧力によって、電子機器産業においては、特に所望の特性を有し、加えて割安な代替的な材料についての要求が存在する。合金の所望の特性は、例えば高い導電性及び伝熱性並びに高い応力緩和抵抗性及び引張強さである。接続端子として、並びに他の電気的及び熱的な応用のために、その一般的に卓越した耐腐食性、高い導電性及び伝熱性並びに良好な支持特性及び摩耗特性により、典型的には銅合金が使用される。銅合金は、その良好な冷間加工特性又は熱間加工特性並びに良好な変形挙動によって適したものである。
特許文献1には、高い導電性、高い引張強さ及び高い降伏強さを有する通常の銅合金のためのすでにより安価な代替を示す銅合金が開示されている。この合金は、13〜15%の亜鉛、0.7〜0.9%のすず、0.7〜0.9%の鉄及び銅についての残りで構成されている。市場において現在比較的低価格の亜鉛により、基礎材料におけるコストを削減することが可能である。
特許文献2には、最大で15.0%の亜鉛の割合を有する銅合金が開示されている。鉄の含有量は、1.0%と2.0%の間にある。この組成により、十分な引張強さに関連して比較的良好な導電性が達成されている。
さらに、特許文献3には、より高い35.0%までの亜鉛含有量を有する銅−すず−鉄−亜鉛合金が開示されている。鉄の割合は、1.6%と4.0%の間にある。このとき、鉄の添加は、鋳込み後にすでに微粒化を達成するという機能を有している。
欧州特許第1290234B1号明細書 米国特許第3816109号明細書 米国特許第6132528号明細書
本発明の課題は、応力緩和抵抗性及び他の材料特性を更に発展させるために、銅合金を更に発展させることを基礎としている。特に、合金は、ストリップ材料として処理され、同時にわずかな価格において青銅CuSn4(C51100)及びCuSn6(C51900)の科学技術上の特性に合わせられるべきである。そのほか、製造過程は、できる限り簡易に形成されるべきである。引張強さについて値は600MPa、導電性は少なくとも20%IACSであるべきである。そのほか、ストリップとして処理された銅合金は、良好に曲げられることができるとともに、ばね材料として使用されることが可能である。
本発明は、請求項1の特徴によって再現される。引用する他の請求項は、本発明の好ましい形成及び発展形成に関するものである。
本発明は、熱機械的な処理がなされた銅合金であって、(重量%で)
15.5〜36.0%のZn、
0.3〜3.0%のSn、
0.1〜1.5%のFe、
選択的に更に0.001〜0.4%のP、
選択的に更に0.01〜0.1%のAl、
選択的に更にそれぞれ0.01〜0.3%のAg、Mg、Zr、In、Co、Cr、Ti、Mn、
選択的に更に0.05〜0.5%のNi、
残りが銅及び不可避の不純物で構成され、合金のミクロ構造が、
メイン結晶集合組織層の割合が
少なくとも10体積%の銅層、
少なくとも10体積%のS/R層、
少なくとも5体積%の黄銅層、
少なくとも2体積%のゴス層、
少なくとも2体積%の22RD立方体層、
少なくとも0.5体積%の立方体層であることにより特徴付けられ、微細に分配された鉄を含有する粒子が合金マトリクス中に含有されている銅合金を含むものである。
本発明による銅合金は、まず第1に、メイン構成要素の銅、亜鉛、すず及び鉄を有するストリップ、ワイヤ又は管状の材料である。15.5%と36.0%の間の亜鉛含有量は、特に基準に基づき、合金中に、容易に成形可能な単相の合金が含まれるように選択される。このとき、単相の基礎組織は、α相で構成されている。この基礎組織は、他の要素のできる限り微細な析出物を収容するのに適している必要がある。このとき、亜鉛含有量が36.0%を超えないようにすべきことが明らかである。なぜなら、そうでなければ不都合な相性状が合金中に現れるためである。好ましい形態においては、最大で32.0%の亜鉛含有量を上回らない。特に上記の値を超える亜鉛含有量においては、この関係において不都合なもろいβ相が生じてしまう。他方、30.0%の亜鉛を含有する合金のバリエーションの広範囲にわたる試験結果は、所望の特性がまだ保証されていることを示している。合金の重要な特性は、その応力緩和と応力腐食割れに対する耐久性である。他方、本発明による解決手段における経済的な観点も言及されるべきである。そして、特性が少なくともいままでに公知の合金に匹敵する、金属価格において好都合な合金を製造するために、現在まだ市場において十分に安価な要素である亜鉛が用いられるべきであるとともに使用可能である。したがって、本発明による合金は、従来の銅−すず−リン合金に比してよりわずかな価格を有している。材質特性も、この合金に方向付けされるべきである。
技術的な観点から、本発明による合金におけるより高いすず含有量は、剛性及び緩和抵抗性に作用を及ぼすものである。他方、すず含有量は、3.0%を上回らないべきである。なぜなら、これにより導電性及びたわみ性が不都合に影響を受けるためである。原理的には、すず濃度はできる限り低く抑えられるべきであるが、0.3%より小さな割合においては、合金特性に対する本質的な影響はもはや期待できない。
鉄は、析出粒子の形成及びこれに伴う通常の黄銅に対する緩和特性の改善のために役割を果たすものである。析出形成は、仕上げプロセス中に制御されるとともに最適化される。特に、この合金における析出は、熱間圧延中に、これにつづく集中的な冷却により生じる。合金中において効果的な硬化メカニズムは、まず第1に、要素である鉄によって担われている。
このとき、合金マトリクス中に存在する、鉄を含有する粒子は、マイクロメートル未満の範囲において形成される。選択的に合金中に含有された他の要素は、プロセス経過に関連して、合金の更なる特性改善が生じるか、又は製造プロセスにおいて溶融した相でその効果が表わされる。他の基本特性は、複数のストリップにおける、特に高い亜鉛含有量において改善されるたわみ性である。試験結果は、低い亜鉛含有量に対しても、また高い亜鉛含有量に対しても略同一の大きさの残留応力が合金中に生じることを示している。このとき、本質的なことは、本発明による合金においては、緩和抵抗性が、通常の黄銅に対して明らかに改善されるとともに、青銅に対する通常の値をわずかに下回るのみである。したがって、緩和抵抗性に関して、本黄銅合金は、市販のすず青銅の範囲にある。
本発明による合金においては、処理ステップに基づきメイン結晶集合組織層についての特別な組合せを証明する、特にそのミクロ構造に重要性がある。結晶集合組織は、異なる圧延プロセスにより、熱機械的な処理における製造時に生じる。圧延変形は、一方では冷間圧延ステップ及び中間焼きなまし、他方では他の冷間圧延ステップ及び中間焼きなましに関連した熱間圧延プロセスを含み得る。このとき、上記メイン結晶集合組織層を有する本発明による合金の形成は、それぞれの圧延度に関連した、微細に分配されつつ鉄を含有する粒子の形成にプロセス技術的に厳密に合わせる必要がある。これによってのみ、所望の特性の組合せの最高の状態が得られる。
意図された材料パラメータは、例えばばね要素の構成について意味がある。なぜなら、これによってばねの硬さ及びその負荷能力が決定されるためである。このとき、生じる結晶集合組織層と、これにより生じる機械的な異方性との間の密な関係が生じる。立方面心格子の金属は、通常、大きな圧延変形後、その積層欠陥エネルギーに依存して2つの異なる結晶集合組織タイプを形成する。アルミニウム及び銅のような中規模から高い積層欠陥エネルギーを有する金属においては、理想層、いわゆる黄銅層並びにS層及び銅層から成るいわゆる銅圧延結晶集合組織が存在する。第2の境界タイプはいわゆる合金圧延結晶集合組織であり、この合金圧延結晶集合組織は、多くの銅合金が属する低い積層欠陥エネルギーの金属材料で形成され、かつ、実質的に黄銅層で構成されている。最近の銅及び銅−亜鉛合金についての結晶集合組織試験並びに銅及びCuZn30について電子顕微鏡による試験は、CuZn30がミクロ構造及び結晶集合組織形成についてのより低い変形度において銅と同様に振る舞うとともに、使用されるツイン帯形成及びせん断帯形成の結果、中規模から高い圧延度において初めて典型的な黄銅圧延結晶集合組織が現れるという結果となった。それゆえ、より低い圧延度においては、より低い積層欠陥エネルギーを有する銅合金においても混合結晶集合組織タイプの発生があらかじめ考慮に入れられる。
したがって、本発明による合金のストリップにおいては、特に好ましい機械的特性の結晶集合組織及び異方性が現れる。比較的わずかな圧延度により、結晶集合組織タイプが、一方では銅層、及び他方では黄銅層の境界ケース間の混合結晶集合組織として形成される。それぞれ現れる好ましい特性は、これに直接依存している。
特別な利点は、本発明による合金の応力緩和に対する抵抗性がすず及び鉄を含有しない銅−亜鉛合金よりも本質的により良好であるとともに、合金が同時に銅−すず−リン合金よりも低い価格を有していることにある。驚くべきことに、本発明によるCu−Zn−Sn−Fe材料は、比較可能な製品において使用されるすず青銅よりも有利な軟化挙動を示す。強度損失は、再結晶化の開始と共にいずれにせよより低い結果となる。合金マトリクス中に存在する鉄を含有する粒子は、マイクロメートル未満の範囲において、良好なすずめっき可能性及びコネクタへの加工性が保証されるよう例外なく十分小さく形成されている。本マトリクス性状においては、熱によるすずめっき時に、合金マトリクスの銅を有する所望の金属間の相が形成され得る。後述のリフロー処理による電気すずめっきにおいても、好ましい金属間の相が均一に表面全体に形成される。均一にすずめっき可能な表面の重要な前提は、熱間圧延又は冷間圧延による機械的な変形時に小さな粒子がマトリクス中で圧延方向への本質的な伸長を受けないということである。本発明による解決手段の範囲内にないより高い鉄含有量と異なり、すずめっきを妨害する、より大きな鉄粒子の線状の拡散が生じない。
本発明の好ましい形態においては、0.7〜1.5%のすず、0.5〜0.7%の鉄の含有量とすることが可能である。したがって、上述の境界におけるよりわずかなすず含有量は特に好ましい。なぜなら、これにより合金の導電性及びたわみ性が更に改善されるためである。上述の鉄含有量は、特に微細な鉄粒子が合金マトリクス中に形成されるように選択されている。ただし、この粒子は、機械的な特性を本質的に改善するために、まだ重要性を有している。
好ましくは、亜鉛含有量が21.5〜31.5%であり得る。特にこの範囲においては、所望の単層の、α相で構成された合金を製造することが可能である。このような合金は、より容易に変形可能であり、また、鉄を含有する粒子の精緻な析出分配に適したものとなっている。さらに、好ましくは、亜鉛含有量が28.5〜31.5%であり得る。
本発明の他の好ましい実施形態においては、黄銅層及び銅層から成るメイン結晶集合組織層の割合の比率を1より小さくすることが可能である。類似の組成ではあるものの鉄の析出を伴わない従来の黄銅合金に対して、この比率は、この合金の特徴を示している。比較可能な試験において純粋なCuZn30合金が1.2を超える比率を有している一方、より低い銅層に対する黄銅層の比率においては、意図された機械的な特性がストリップ材料において形成される。ばね材料の剛性の高さ及び負荷能力は、これにより決定される。
好ましくは、黄銅層及び銅層から成るメイン結晶集合組織層の割合の比率が0.4〜0.90の間であり得る。この範囲においては、特に有利な合金の機械的な特性が形成される。
本発明の好ましい形態においては、少なくともμm当たり0.5粒子の密度において1μmより小さな直径を有する細緻に分配された鉄を含有する粒子が合金マトリクス中に存在し得る。粒子の大きさ及びその合金中における分配の組合せは、最終的に機械的な特性を特徴付けるものである。1μmより小さな直径による上述の細緻な分配は、99%を超えるまで形成されるとともに、まず第1に、好ましい特性に対して決定的である。通常の場合には、細緻に分配された鉄を含有する粒子の平均の粒子直径は、むしろ50〜100nmよりも小さい。このような小さな粒子が熱間圧延又は冷間圧延によって機械的な変形を受けると、この粒子が圧延方向への本質的な伸長を受けず、表面の良好なすずめっき可能性が実現される。
好ましくは、合金マトリクスの平均粒度を10μmよりも小さくすることができる。更に好ましくは、平均粒度が最大で5μmである。合金マトリクスの細緻に分配された鉄を含有する粒子の大きさに関連した粒度と、その分布の組合せにより、合金特性の最高の状態が、その機械的な負荷能力、導電性、応力緩和に対する抵抗性及びたわみ性に関して達成される。
本発明の他の実施例が表1〜表4に基づいて詳細に説明される。
表1は、検査された銅合金の重量パーセントでの組成である。
表2は、最終厚さにおける最後の冷間圧延及び250℃/3時間の焼きなましの後の表1に基づく合金の特性である。
表3は、最終厚さにおける最後の冷間圧延及び300℃/5分の焼きなましの後の表1に基づく合金の特性である。
表4は、表3に基づく合金の体積パーセントにおけるメイン結晶集合組織層である。
個々の例の組成及び比較例は、表1から分かり、最終状態の結果は、表2及び表3に含まれている。
<比較例1(CuZn23.5Sn1.0):微粒状>
合金構成要素は、黒鉛るつぼにおいて溶融され、つづいて、タンマン法によって鋼金型における実験ブロックへ鋳込まれた。実験ブロックの組成は、Cuが75.47%、Znが23.47%、Snが1.06%である(表1参照)。22mmの厚さへのフライス切削後、複数のサンプルは、700〜800℃で12mmに熱間圧延され、最終的には10mmにフライス切削された。
1.8mmへの冷間圧延後、合金は、500℃/3時間焼きなましされた。このとき、30〜35μmの粒度及び26.5%IACSの導電性において109MPaの降伏点が得られた。これにつづく0.33mmへの冷間圧延及び320℃/3時間の焼きなまし後、降伏点は、2〜3μmの粒度及び27.3%IACSの導電性において311MPaとなる。
最終厚さへの圧延及び300℃/5分での焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、19.3%のA10ひずみ及び25.1%IACSの導電性で541MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さtに対する最小の曲げ半径minBR(minBR/t垂直/平行)は、0.4/1.2となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の92.3%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の82.1%となる。先行する40%の冷間変形における、4.6%のA10ひずみ及び24.8%IACSの導電性及び1.5/7.5のminBR/t垂直/平行で、622MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の90.2%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の79.8%となる。
最終厚さへの圧延及び250℃/3時間での焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、9.8%のA10ひずみ及び25.3%IACSの導電性で586MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、0.4/2.8となる。
<比較例2(CuZn23.5Sn1.0):粗粒状>
組成は比較例1のものに対応しており、製造は比較例1と同様に冷間圧延で0.33mmまでである。しかし、比較例1と異なり、第2の焼きなましが320℃/3時間ではなく520℃/3時間で行われる。
520℃/3時間の焼きなまし後、45μmの粒度及び27.9%IACSの導電性において降伏点が106MPaとなる。
最終厚さへの圧延及び300℃/5分の焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、33.7%のA10ひずみ及び26.9%IACSの導電性で378MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2.4/1.6となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の94.7%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の93.0%となる。
先行の冷間変形の40%において、10.2%のA10ひずみ、26.5%IACSの導電性及び3.5/4.0のminBR/t垂直/平行で503MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の96.1%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の91.2%となる。
最終厚さへの圧延及び250℃/3時間の焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、29.5%のA10ひずみ及び27.3%IACSの導電性で402MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2.8/2.8となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の98.7%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の93.5%となる。先行の冷間変形の40%において、8.3%のA10ひずみ及び26.4%IACSの導電性及び4.5/6.0のminBR/t垂直/平行で517MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の96.8%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の91.9%となる。
比較例1の比較例2との比較は、第2の焼きなまし後、粗粒状の組織に比べて微粒状の組織の降伏点が200MPaだけ高いことを示している。後続の冷間変形により、いずれにせよ24%変形されたサンプルにおいてこの差が160MPaへ減少され、40%変形されたサンプルにおいて110MPaへ減少される。300℃/5分での焼きなまし後の最終状態において、比較可能な約520MPaの降伏点が40%の圧延を有する粗粒形成(503MPa)及び24%の圧延を有する微粒形成(541MPa)によって得られる。ここで、同時に、A10ひずみは、粗粒形成における10.2%に比して、微粒形成においてはより有利な19.3%である。微粒形成に対するストリップ厚さに関する最小の曲げ半径0.4/1.2は、3.5/4の粗粒形成に比べて類似のように有利である。応力緩和抵抗性のみが、粗粒状の組織について、100℃/1000時間の後96.1%残留応力(微粒状:92.3%残留応力)、120℃/1000時間の後91.2%残留応力(微粒状:82.1%残留応力)で若干有利である。
<例3(CuZn23.5Sn1.0Fe0.6):微粒状>
合金構成要素は、黒鉛るつぼにおいて溶融され、つづいて、タンマン法によって鋼金型における実験ブロックへ鋳込まれた。実験ブロックの組成は、Cuが74.95%、Znが23.40%、Snが1.06%、Feが0.59%である。表1参照。22mmの厚さへのフライス切削後、複数のサンプルは、700〜800℃で12mmに熱間圧延され、最終的には10mmにフライス切削された。組織は、熱間圧延後、<1μmの小さな粒子を示す。この<1μmの粒子は、EDXにより、Feを含有するものとして同一視される。1.8mmへの冷間圧延後、合金は、500℃/3時間で焼きなましされた。このとき、5〜15μmの粒度及び24.2%IACSの導電性において304MPaの降伏点が得られた。これにつづく0.33mmへの冷間圧延及び520℃/3時間の焼きなまし後、降伏点は、3〜4μmの粒度及び24.3%IACSの導電性において339MPaとなる。
最終厚さへの圧延及び300℃/5分での焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、10.5%のA10ひずみ及び22.9%IACSの導電性で623MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2.4/3.6となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の90.7%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の79.2%となる。
先行する40%の冷間変形における、6.5%のA10ひずみ及び22.8%IACSの導電性及び4/10のminBR/t垂直/平行で、686MPaの降伏点が得られた。
最終厚さへの圧延及び250℃/3時間での焼きなましの後、先行の冷間変形の24%において、9.4%のA10ひずみ及び23.2%IACSの導電性で632MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、3.2/4.8となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の90.8%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の80.1%となる。先行する40%の冷間変形における、2.8%のA10ひずみ、23.0%IACSの導電性及び5/10のminBR/t垂直/平行で、713MPaの降伏点が得られた。
比較例1におけるFeを有さない微粒状のバリエーションに比べて、Feを含有する微粒状のバリエーションは、300℃/5分での仕上げ焼きなまし後、82MPa(24%圧延)あるいは64MPa(40%圧延)だけより高い降伏点を示している。
両合金バリエーションにより、異なる製造ではあるものの比較可能な620MPaの降伏点を得ることができる。したがって、CuZn23.5Sn1.0Fe0.6は、24%の圧延及び300℃/5分での仕上げ焼きなまし後に623MPaの降伏点に達し、CuZn23.5Sn1.0は、40%の圧延及び300℃/5分での仕上げ焼きなまし後に622MPaの降伏点に達する。ただし、Feを含有するバリエーションにおいては、A10ひずみが10.5%であり、CuZn23.5Sn1.0における4.6%に比べて大きい。ストリップ厚さに対する最小の曲げ半径は、Feを含有するバリエーションにおいては2.4/3.6であり、これに対して、Feを含有しないバリエーションにおいては1.5/7.5であるのが類似して好ましい。これに対して、両バリエーションの応力緩和抵抗性は類似している。
5000:1及び10000:1のズームにおいて、1μm当たりの粒子の数が画像断面において正確にカウントされた。平面研削部の組織は、AsB検出器により走査型電子顕微鏡において現れた。鉄粒子の大部分の直径は、200nmより小さく、散発的に存在する粒子は>200nmかつ<1μmである。粒子密度は、平均で1.2/μmである。
<例4(CuZn23.5Sn1.0Fe0.6P0.2):微粒状>
合金構成要素は、黒鉛るつぼにおいて溶融され、つづいて、タンマン法によって鋼金型における実験ブロックへ鋳込まれた。実験ブロックの組成は、Cuが74.77%、Znが23.45%、Snが1.04%、Feが0.56%、Pが0.19%である。表1参照。22mmの厚さへのフライス切削後、複数のサンプルは、700〜800℃で12mmに熱間圧延され、最終的には10mmにフライス切削された。組織は、<1μmの小さな粒子を示す。追加的に、いくつかのより粗い>1μmの粒子がマトリクス中に存在している。粒子は、EDXにより、FePを含有するものとして同一視される。1.8mmへの冷間圧延後、合金は、500℃/3時間で焼きなましされた。このとき、10μmの粒度及び26.6%IACSの導電性において293MPaの降伏点が得られた。これにつづく0.33mmへの冷間圧延及び370℃/3時間の焼きなまし後、降伏点は、3〜4μmの粒度及び26.7%IACSの導電性において393MPaとなる。
最終厚さへの圧延及び300℃/3時間での焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、11.6%のA10ひずみ及び24.2%IACSの導電性で633MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2/4.8となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の91.2%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の81.3%となる。先行する40%の冷間変形における、3.1%のA10ひずみ、23.7%IACSの導電性及び3.5/11のminBR/t垂直/平行で、710MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の90.1%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の79.6%となる。
最終厚さへの圧延及び250℃/3時間での焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、9.5%のA10ひずみ及び23.6%IACSの導電性で641MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2/6となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の93.5%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の81.0%となる。先行する40%の冷間変形における、1.4%のA10ひずみ、23.8%IACSの導電性及び4.5/10.5のminBR/t垂直/平行で、723MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の92.9%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の78.4%となる。比較例1における微粒状のバリエーションに比べて、FePを含有する微粒状のバリエーションは、300℃/5分での仕上げ焼きなまし後、92MPa(24%圧延)あるいは88MPa(40%圧延)だけより高い降伏点を示している。
微粒状の両合金バリエーションにより、それぞれ24%の圧延及び300℃/5分での仕上げ焼きなまし後(CuZn23.5Sn1.0Fe0.6P0.2:Rp0.2=633MPa)及び40%の圧延及び300℃/5分での仕上げ焼きなまし後(CuZn23.5Sn1.0:Rp0.2=622MPa)に、比較可能な620〜630MPaの降伏点が得られる。ただし、FePを含有するバリエーションにおいては、A10ひずみが11.6%であり、CuZn23.5Sn1.0における4.6%に比べて大きい。ストリップ厚さに対する最小の曲げ半径は、FePを含有するバリエーションにおいては2.0/4.8であり、これに対して、Feを含有しないバリエーションにおいては1.5/7.5であるのが類似して好ましい。両バリエーションの応力緩和抵抗性は類似している。
<例5(CuZn23.5Sn1.0Fe0.6P0.2):粗粒状>
組成は例4のものに対応しており、製造は例4と同様に冷間圧延で0.33mmまでである。しかし、例4と異なり、第2の焼きなましが370℃/3時間ではなく520℃/3時間で行われる。このとき、10〜25μmの粒度及び26.7%IACSの導電性において降伏点が212MPaとなる。
最終厚さへの圧延及び300℃/5分の焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、23.1%のA10ひずみ及び24.5%IACSの導電性で534MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2.4/3.2となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の95.8%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の90.9%となる。先行の冷間変形の40%において、7.8%のA10ひずみ、24.1%IACSの導電性及び3.5/8.5のminBR/t垂直/平行で634MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の93.9%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の85.2%となる。
最終厚さへの圧延及び250℃/3時間の焼きなましの後、先行の冷間変形の24%において、17.8%のA10ひずみ及び24.7%IACSの導電性で544MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、3.2/4.0となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の95.1%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の90.1%となる。先行の冷間変形の40%において、4.3%のA10ひずみ、24.0%IACSの導電性及び4.5/8.5のminBR/t垂直/平行で642MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の95.0%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の86.4%となる。
例4の例5との比較は、第2の焼きなまし後、粗粒状の組織に比べて微粒状の組織の降伏点が180MPaだけ高いことを示している。後続の冷間変形により、24%変形されたサンプルにおいてこの差が60MPaへ減少され、40%変形されたサンプルにおいては40MPaへ減少される。300℃/5分での仕上げ焼きなまし後、粗粒と微粒の間の降伏点の差が100MPa(24%の変形度)及び75MPa(40%の変形度)となる。
300℃/5分での焼きなまし後の最終状態において、比較可能な約630MPaの降伏点が40%の圧延を有する粗粒形成(634MPa)及び24%の圧延を有する微粒形成(633MPa)によって得られる。ここで、同時に、A10ひずみは、粗粒形成における7.8%に比して、微粒形成においてはより有利な11.6%である。微粒形成に対するストリップ厚さに関する最小の曲げ半径2.0/4.8は、3.5/8.5の粗粒形成に比べて類似のように有利である。応力緩和抵抗性のみが、粗粒状の組織について、100℃/1000時間の後93.9%残留応力(微粒状:91.2%残留応力)、120℃/1000時間の後85.2%残留応力(微粒状:81.3%残留応力)で若干高い。
<例6(CuZn30Sn1.0Fe0.6):微粒状>
合金構成要素は、黒鉛るつぼにおいて溶融され、つづいて、タンマン法によって鋼金型における実験ブロックへ鋳込まれた。実験ブロックの組成は、Cuが68.26%、Znが30.16%、Snが1.03%、Feが0.55%である。表1参照。22mmの厚さへのフライス切削後、複数のサンプルは、700〜800℃で12mmに熱間圧延され、最終的には10mmにフライス切削された。組織は、熱間圧延後、<1μmの小さな粒子を示す。この<1μmの粒子は、EDXにより、Feを含有するものとして同一視される。1.8mmへの冷間圧延後、合金は、500℃/3時間で焼きなましされた。このとき、5μmの粒度及び23.1%IACSの導電性において339MPaの降伏点が得られた。
原則的には、上記例において挙げたタンマン法の他にも他の適当な鋳造法を用いることができる。特にこの関係においては、ストリップ鋳造が考慮に値する。
つづく0.33mmへの冷間圧延後、一部分が520℃/3時間で焼きなましされた。降伏点は、3〜4μmの粒度及び23%IACSの導電性において340MPaとなる。
最終厚さへの圧延及び300℃/5分での焼きもどしの後、先行の冷間変形の12%において、19.0%のA10ひずみ及び22.2%IACSの導電性で486MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、0/0となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の88%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の76.7%となる。
先行する18%の冷間変形における、21.3%のA10ひずみ、21.9%IACSの導電性及び0.9/0.4のminBR/t垂直/平行で、550MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の88.3%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の75.6%となる。
最終厚さへの圧延及び250℃/3時間での焼きなましの後、先行の冷間変形の12%において、18.5%のA10ひずみ及び22.6%IACSの導電性で505MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、0/0となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の87.3%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の76.2%となる。先行する18%の冷間変形における、19.9%のA10ひずみ、22.2%IACSの導電性及び0.9/0.6のminBR/t垂直/平行で、564MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の88.4%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の77.6%となる。
0.33mmへの冷間圧延後、更に別の部分が450℃/30秒で焼きなましされた。このとき、1〜2μmの粒度及び22.6%IACSの導電性において460MPaの降伏点が得られた。
最終厚さへの圧延及び300℃/5分での焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、9.0%のA10ひずみ及び21.8%IACSの導電性で649MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、1.6/6.4となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の77.9%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の61.0%となる。
先行する40%の冷間変形における、2.9%のA10ひずみ、21.5%IACSの導電性及び2/6.4のminBR/t垂直/平行で、704MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の77.5%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の61.8%となる。
最終厚さへの圧延及び250℃/3時間の焼きなましの後、先行の冷間変形の24%において、3.9%のA10ひずみ及び21.9%IACSの導電性で687MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2/4.8となる。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の77.4%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の61.5%となる。先行の冷間変形の40%において、1.5%のA10ひずみ、21.6%IACSの導電性及び4.0/9.2のminBR/t垂直/平行で765MPaの降伏点が得られた。応力緩和抵抗性は、100℃/1000時間の後、初期応力の76.8%となり、120℃/1000時間の後、初期応力の59.9%となる。
平面研削部の組織は、AsB検出器により走査型電子顕微鏡において現れた。5000:1及び10000:1のズームにおいて、1μm当たりの粒子の数が画像断面において正確にカウントされた。鉄粒子の少なくとも90%の直径は、200nmよりも小さい。10%未満で存在する鉄粒子については、200nm〜1μmの直径を有している。粒子密度は、平均でμm当たり0.9粒子である。
他のサンプルも、実物大で製造され、焼きもどされた。すずめっき可能性の評価のために、DIN EN 60068−2−20に基づきディップソルダリング試験が行われた。サンプルは酸洗いされた。はんだ槽は、235℃のSn60Pb40で構成されている。試験は、25mm/秒の浸漬速度及び5秒の保持時間で行われ、このとき、260g/lの純コロホニウムを有するはんだ付けフラックスが使用された。これにつづく目視検査においては、サンプルが良好と認められた。
隙間角度計により、表3の全てのサンプルにおいてメイン結晶集合組織タイプが、18%、24%及び40%の冷間変形及び300℃/5分の焼きなましがされた薄板においてX線回折式に算出された。これについて、オイラー空間における翼形中心線の強度分布及び包囲分布関数が解析された。それぞれメイン結晶集合組織層としての銅層、S/R層、黄銅層、ゴス層、22RD立方体層及び立方体層の割合は、表4に示されている。銅層に対する黄銅層の体積の比率は、全ての場合において1未満である。比較のために、比較合金CuZn30における銅層に対する黄銅層の体積の比率は、仕上げ変形時での47%の圧延度において1.38の値となる。S/R層という名称については、それぞれ圧延結晶集合組織あるいは再結晶集合組織から生じる、オイラー空間において同一の層と名付けられている。22RD立方体層は、オイラー空間においてφ=22°だけ回転された立方体層を表している。これらの名称は、実務において、サンプルの特徴付けやそのほか文献において使用される記載に対して同様に慣用されている。
<比較例7(CuZn10Sn1.7Fe1.7P0.025)>
Cuが86.29%、Znが10.21%、Snが1.70%、Feが1.74%、Pが0.025%の組成の127mm×820mmのブロックが連続鋳造され、890℃で14.7mmに熱間圧延された。1.4mmへの冷間圧延、450℃/2時間の焼きなまし、0.4mmへの冷間圧延、420℃/4時間の焼きなまし、0.254mmへの圧延及び280℃/4時間の焼きなましの後、8.7%のA10ひずみ及び1.6/2.0のV形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)において633MPaの降伏点が得られた。つづいて、2〜3μmの層厚を有するストリップが熱によりすずめっきされた。すずめっきの結果は欠陥のあるものであり、細孔及びすじが生じる。すずめっきされた表面上における線状の不等質性は長く延びるFeの列に起因するものであり、このFeの列においては、金属間の相の形成のためのCuが存在しない。
<比較例8(CuZn23.5Sn1.0Fe2.0)>
合金構成要素は、黒鉛るつぼにおいて溶融され、つづいて、タンマン法によって鋼金型における実験ブロックへ鋳込まれた。実験ブロックの組成は、Cuが73.82%、Znが23.19%、Snが1.04%、Feが1.95%である。表1参照。22mmの厚さへのフライス切削後、複数のサンプルは、700〜800℃で12mmに熱間圧延された。組織は、CuZn23.5Sn1.0Fe0.6に類似して、1μm未満の粒子を示す。追加的に、CuZn23.5Sn1.0Fe2.0においては、粗い、約5μmの大きな粒子が存在している。1μm未満の粒子も、5μmの大きな粒子も、EDXにより、Feを含有するものとして同一視される。
1.8mmへの冷間圧延後、合金は、500℃/3時間で焼きなましされた。このとき、2〜3μmの粒度及び24.2%IACSの導電性で362MPaの降伏点が得られた。これにつづく0.33mmへの冷間圧延及び520℃/3時間での焼きなまし後、2μmの粒度及び24.0%IACSの導電性で386MPaの降伏点となった。
最終厚さへの圧延及び300℃/5分での焼きもどしの後、先行の冷間変形の24%において、8.4%のA10ひずみ及び23.1%IACSの導電性で642MPaの降伏点が得られた。V形打ち型におけるストリップ厚さに対する最小の曲げ半径(minBR/t垂直/平行)は、2/5となる。
先行の冷間変形の40%において、5.0%のA10ひずみ、22.4%IACSの導電性及び2.5/9のminBR/t垂直/平行で712MPaの降伏点が得られた。
更なる製造の過程において、20μmを超える長さを有する長く延びた列が熱間圧延後に存在する約5μmの大きな粒子から生じる。
すずめっき可能性の評価のために、DIN EN 60068−2−20に基づき、300℃/5分で焼きもどしされたサンプルについてディップソルダリング試験が行われた。このサンプルは、酸洗いされるとともに、ブラッシングされた。はんだ槽は、235℃のSn60Pb40で構成されている。試験は、25mm/秒の浸漬速度及び5秒の保持時間で行われ、このとき、260g/lの純コロホニウムを有するはんだ付けフラックスが使用された。これにつづく目視検査においては、サンプルが強いディウェッティングにより不良と認められた。
サンプルの不良なすずめっき可能性についての原因は、長く延びたFeを含有する列である。この列においては金属間の相の形成のためのCuが存在しないとともに、すずめっきされたストリップにおける不都合な不等質性を招いてしまう。
Figure 2014527578
Figure 2014527578
Figure 2014527578
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Claims (8)

  1. 熱機械的な処理がなされた銅合金であって、(重量%で)
    15.5〜36.0%のZn、
    0.3〜3.0%のSn、
    0.1〜1.5%のFe、
    選択的に更に0.001〜0.4%のP、
    選択的に更に0.01〜0.1%のAl、
    選択的に更にそれぞれ0.01〜0.3%のAg、Mg、Zr、In、Co、Cr、Ti、Mn、
    選択的に更に0.05〜0.5%のNi、
    残りが銅及び不可避の不純物で構成され、合金のミクロ構造が、
    メイン結晶集合組織層の割合が
    少なくとも10体積%の銅層、
    少なくとも10体積%のS/R層、
    少なくとも5体積%の黄銅層、
    少なくとも2体積%のゴス層、
    少なくとも2体積%の22RD立方体層、
    少なくとも0.5体積%の立方体層であることにより特徴付けられ、微細に分配された鉄を含有する粒子が合金マトリクス中に含有されている、銅合金。
  2. 0.7〜1.5%のSn、
    0.5〜0.7%のFe
    の含有量によって特徴付けられた請求項1記載の銅合金。
  3. 21.5〜31.5%のZnの含有量によって特徴付けられた請求項1又は2記載の銅合金。
  4. 28.5〜31.5%のZnの含有量によって特徴付けられた請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金。
  5. 黄銅層及び銅層から成るメイン結晶集合組織層の割合の比率が1より小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅合金。
  6. 黄銅層及び銅層から成るメイン結晶集合組織層の割合の比率が0.4〜0.90の間であることを特徴とする請求項5記載の銅合金。
  7. 少なくともμm当たり0.5粒子の密度において1μmより小さな直径を有する細緻に分配された鉄を含有する粒子が前記合金マトリクス中に存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の銅合金。
  8. 前記合金マトリクスの平均粒度が10μmよりも小さいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅合金。
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