JP2014526251A - 流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させる方法 - Google Patents

流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させる方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014526251A
JP2014526251A JP2014529908A JP2014529908A JP2014526251A JP 2014526251 A JP2014526251 A JP 2014526251A JP 2014529908 A JP2014529908 A JP 2014529908A JP 2014529908 A JP2014529908 A JP 2014529908A JP 2014526251 A JP2014526251 A JP 2014526251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
cells
cell
animal
target cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014529908A
Other languages
English (en)
Inventor
ロバート ジェイ. ディステル,
イヴォン カイール,
Original Assignee
デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
スクリーンセル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド, スクリーンセル filed Critical デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
Publication of JP2014526251A publication Critical patent/JP2014526251A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K67/00Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New or modified breeds of animals
    • A01K67/027New or modified breeds of vertebrates
    • A01K67/0271Chimeric vertebrates, e.g. comprising exogenous cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2207/00Modified animals
    • A01K2207/12Animals modified by administration of exogenous cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2207/00Modified animals
    • A01K2207/20Animals treated with compounds which are neither proteins nor nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2267/00Animals characterised by purpose
    • A01K2267/03Animal model, e.g. for test or diseases

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

細胞を含む流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させるための方法および材料が、記載される。上記方法は、上記標的細胞をフィルタの上に単離する工程、次いで、上記標的細胞を含むフィルタを免疫不全非ヒト動物に移植する工程を包含し、ここで上記標的細胞の少なくとも一部は、増殖し得る。このような方法は、稀な循環細胞(例えば、末梢血サンプルから回収されたCTC)の数を増大させ、そして例えば、患者の腫瘍を評価し、上記細胞の転移能を評価し、異なる化学療法剤に対する上記細胞の応答性を決定するために使用され得る上記患者の腫瘍の個別化された動物モデルを作るために使用され得る。

Description

(関連出願への相互参照)
この出願は、2011年9月7日に出願された米国出願第61/531,848号(この開示は、その全体が参考として本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
技術分野
本発明は、細胞を含む流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させるための方法および材料、およびより具体的には、標的細胞をフィルタ上で単離し、次いで、上記標的細胞を含むフィルタを免疫不全非ヒト動物(ここで上記標的細胞のうちの少なくとも一部は、増殖し得る)に移植することによって、細胞を含む流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させるための方法および材料に関する。
(背景)
固形腫瘍を診断および処置することにおけるかなりの進歩にも拘わらず、転移性疾患は、癌関連死の第1位の原因のままである。転移発生の機構は、未だ十分に解明されていないが、患者の血流中の原発性腫瘍に由来する腫瘍細胞の循環は、転移カスケードにおける基本的中間事象である。循環腫瘍細胞(CTC)を検出することは、二次的腫瘍のより早期の検出、治療に対する応答のモニタリング、および疾患進行のモニタリングを含め、多くの理由から患者のケアにとって重要である。しかし、血中のCTCは非常に少数であるので(例えば、転移性癌を有する患者の末梢血中109個の細胞あたり約1 CTC)、CTCを捕捉し、検出し、増殖させるための方法および材料が継続して必要である。
(要旨)
本明細書は、細胞を含む流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させるための方法の発見に基づく。本明細書で記載されるように、標的細胞は、サイズに基づいてフィルタの上もしくはフィルタの中に保持され得、次いで、上記標的細胞を含むフィルタは、非ヒト動物、好ましくは、免疫不全非ヒト動物(ここで上記細胞が増殖し得る)へと移植され得る。このような方法は、稀な循環細胞(例えば、末梢血サンプルから回収されたCTC)の数を増大させ、そして例えば、患者の腫瘍を評価し、上記細胞の転移能を評価し、異なる化学療法剤に対する上記細胞の応答性を決定するために使用され得る上記患者の腫瘍の個別化された動物モデルを作るために使用され得る。
一局面において、本明細書は、細胞を含む流体サンプルに由来する標的細胞の数を増大させるための方法を特徴とする。上記方法は、1つまたはそれより多い標的細胞を含むフィルタを提供する工程であって、上記1つまたはそれより多い標的細胞は、上記フィルタを含む濾過デバイスを介して上記サンプルを通過させることによって、流体、標的細胞および非標的細胞含有サンプルから得られ、ここで上記フィルタにおける孔サイズは、上記標的細胞が上記フィルタ上でもしくは上記フィルタ中で保持されるようにするものである、工程;ならびに上記フィルタおよび上記フィルタ上の上記1つまたはそれより多い標的細胞を、非ヒト動物(例えば、免疫不全マウスのような免疫不全非ヒト動物)を移植する工程であって、ここで上記移植されたフィルタ上のもしくは上記移植されたフィルタ中の1つまたはそれより多い細胞のうちの一部もしくは全てが、上記動物において増殖する工程を包含する。上記濾過デバイスを介して上記サンプルを通過させる間に、実質的に全ての上記非標的細胞が、上記フィルタを介して通過し得る。上記免疫不全マウスは、重症複合免疫不全(SCID)自然変異(Prkdcscid)に関してホモ接合性であり得るか;ヌード自然変異(Foxn1nu/nu)に関してホモ接合性であり得るか;Rag1変異に関してホモ接合性であり得るか;Rag2変異に関してホモ接合性であり得るか;または上記Rag1変異および上記Rag2変異の両方に関してホモ接合性であり得る。
上記方法は、1〜4つのさらなるフィルタ(例えば、1つ、2つ、3つもしくは4つのさらなるフィルタ)を提供する工程であって、さらなるフィルタの各々は、1つまたはそれより多い標的細胞を含む、工程、および上記第1のおよびさらなるフィルタを、上記免疫不全非ヒト動物に移植する工程をさらに包含し得る。上記第1のおよびさらなるフィルタは、単一の濾過デバイスもしくは別個の濾過デバイスから得られ得る。上記方法は、上記フィルタおよび上記フィルタ上の上記1つまたはそれより多い標的細胞を移植する前に、上記フィルタを、互いの上部に実質的に重ねて、多層化培養デバイスを生成する工程をさらに包含し得る。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、上記フィルタおよび上記フィルタ上の上記1つまたはそれより多い標的細胞を移植する前に、上記フィルタおよび上記標的細胞を含む任意のさらなるフィルタの表面と、上記標的細胞に対して致死的効果も毒性効果もなく、液体からゲル相へと移行し得る組成物とを接触させる工程をさらに包含する。上記組成物は、1種以上の細胞外マトリクス(ECM)成分(例えば、再構成基底膜)を含み得る。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかにおいて、上記フィルタは、上記フィルタに固定化された1種以上の化合物を含み得る。本明細書に記載される方法のうちのいずれかにおいて、1種以上の化合物は、上記免疫不全動物に投与され得る。例えば、上記1種以上の化合物は、増殖因子、細胞外マトリクスタンパク質、酵素、レポーター分子、リポソーム、および核酸からなる群より選択され得る。上記増殖因子は、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、もしくはトランスフォーミング増殖因子(TGF)であり得る。上記細胞外マトリクスタンパク質は、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、もしくはヘパラン硫酸であり得る。上記レポーター分子は、メタロプロテイナーゼの基質であるフルオロフォア−クエンチャー二重標識プローブを含み得る。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかにおいて、上記方法は、上記免疫不全動物において上記細胞の増殖をモニターする工程をさらに包含し得る。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかにおいて、上記流体、細胞含有サンプルは、末梢血細胞を含み得るか、または尿、骨髄、リンパ、リンパ節、脾臓、脳脊髄液、管流体(ductal fluid)、生検標本、もしくは針生検吸引物に由来する細胞を含み得る。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかにおいて、上記方法は、上記移植する工程の前に、上記1つまたはそれより多い標的細胞を培養する工程を包含する。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかにおいて、上記標的細胞は、癌細胞、循環癌細胞、胎児細胞、もしくは幹細胞(例えば、内皮幹細胞もしくは間葉系幹細胞)であり得る。
別の局面において、本明細書は、少なくとも1つの移植されたフィルタであって、上記フィルタは、上記フィルタを含む濾過デバイスを介して通過させることによって、流体、標的細胞および非標的細胞含有サンプルから得られた複数の標的細胞を含み、ここで上記フィルタにおける孔サイズは、上記標的細胞が上記フィルタ上もしくは上記フィルタ中に保持されるようにする、フィルタを含む非ヒト免疫不全動物を特徴とする。上記動物はさらに、1〜4つのさらなる移植されたフィルタ(例えば、1つ、2つ、3つもしくは4つ)を含み得、上記さらなるフィルタの各々は、1つまたはそれより多い標的細胞を含む。上記第1のおよびさらなるフィルタは、単一の濾過デバイスもしくは別個の濾過デバイスから得られ得る。上記第1のおよびさらなるフィルタは、多層化三次元培養デバイスを生成するために、互いの上部に実質的に重ねられ得る。上記フィルタおよび上記標的細胞を含む任意のさらなるフィルタの表面は、上記標的細胞(例えば、ヒト標的細胞)に対して致死的効果も毒性効果もなく、液体からゲル相へと移行し得る組成物を含み得る。
本明細書はまた、試験細胞を含む流体サンプル中の腫瘍細胞の存在に関して試験するための方法を特徴とする。上記方法は、上記フィルタを含む濾過デバイスを介して通過させることによって、流体、試験細胞含有サンプルから得られた複数の試験細胞を含むフィルタを提供する工程であって、ここで上記フィルタにおける孔サイズは、上記試験細胞のうちの1以上が上記フィルタ上もしくは上記フィルタ中に保持されるようにする、工程;上記フィルタおよび上記フィルタ上もしくは上記フィルタ中の上記試験細胞のうちの1以上を、上記免疫不全非ヒト動物に移植する工程;ならびに上記免疫不全非ヒト動物を、腫瘍の存在もしくは非存在に関してモニターする工程であって、ここで腫瘍の存在は、上記試験細胞が腫瘍細胞を含んだことを示す工程、を包含する。上記試験細胞は、ヒト細胞であり得る。上記流体、細胞含有サンプルは、末梢血細胞を含み得るか、または尿、骨髄、リンパ、リンパ節、脾臓、脳脊髄液、管流体、生検標本、もしくは針生検吸引物に由来する細胞を含み得る。上記方法はさらに、腫瘍が存在する場合に、化学療法剤を上記非ヒト動物に投与する工程;および上記化学療法剤に対する応答性に関して上記腫瘍をモニターする工程を包含し得る。
別の局面において、本明細書は、細胞を含む流体サンプルに由来する標的細胞の数を増大させるための方法を特徴とする。上記方法は、流体、標的細胞および非標的細胞含有サンプルを提供する工程;上記サンプルを、濾過デバイスを介して通過させる工程であって、上記デバイスは、フィルタに固定化されたフィルタ支持体、上方開口部と下方開口部とを有する区画、および上記支持体に力を加え、上記支持体を外すための上記区画に対して可動式の手段を含む、工程;上記デバイスから、1つまたはそれより多い標的細胞を含む上記フィルタを取り外す工程;ならびに上記フィルタおよび上記フィルタ上もしくは上記フィルタ中の上記標的細胞を、上記免疫不全非ヒト動物に移植する工程であって、ここで上記移植されたフィルタ上もしくは上記移植されたフィルタ中の上記1つまたはそれより多い標的細胞のうちの一部もしくは全ては、上記免疫不全動物において増殖する、工程を包含する。
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で記載されるものと類似もしくは等価な方法および材料が本発明を実施するために使用され得るが、適切な方法および材料が以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体において参考として援用される。矛盾する場合、本明細書(定義を含む)が優先する。さらに、上記材料、方法および例は、例示に過ぎず、限定するとは意図されない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から、および特許請求の範囲から明らかである。
図1は、本明細書で記載される実施形態に従う、流体サンプルから標的細胞を回収するためのScreenCell(登録商標)濾過デバイスの斜視図である。 図2Aおよび2Cは、図1に図示される部品を組み立てた、図1の実施形態の垂直軸断面である。図2Aおよび2Cにおいて丸で囲まれた部分は、それぞれ、図2Bおよび2Dにおいて拡大図で示される。 図3A〜3Oは、貯蔵配置(3A)から、標的細胞を流体サンプルから単離および回収するためにデバイスを使用する各工程(3B〜3O)を通しての、図1のScreenCell(登録商標)濾過デバイスの立面図もしくは断面図である。 図4は、使用前のScreenCell(登録商標)濾過デバイスの一実施形態の斜視図である。 図5は、保護フィルムの除去後かつ吸引管(vacuum tube)の挿入前の、図4に図示されるScreenCell(登録商標)デバイスの実施形態を模式的に表す。 図6は、吸引管挿入後の図4および図5に図示されるScreenCell(登録商標)デバイスの実施形態を模式的に表す。 図7は、上記吸引管および保護シリンダーの除去の間の、図4〜6に図示されるScreenCell(登録商標)デバイスの実施形態を模式的に表す。 図8Aは、ScreenCell(登録商標)Cytoデバイスを介した濾過後の生きているH2030細胞の顕微鏡写真である。図8Bは、上記フィルタを培養培地中で4日間にわたって培養した後の、図8Aからの細胞の顕微鏡写真である。図8Aおよび図8Bの細胞は、8回の独立した実験の代表である;細胞を顕微鏡(×40)下で観察した。
種々の図面中の類似の参照記号は、類似の要素を示す。
(詳細な説明)
一般に、本明細書は、標的細胞および非標的細胞を含む流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させるための方法および材料に基づく。用語「細胞を含む流体サンプル」とは、細胞の懸濁物を含む液体をいう。非限定的例としては、生物学的流体(例えば、血液(例えば、末梢血もしくは臍帯血)、尿、リンパ、脳脊髄液、もしくは管流体)、または生理学的溶液(例えば、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、もしくは組織培養培地)に希釈されたこのような流体、または生物学的流体から(例えば、遠心分離によって)得られ、生理学的溶液中に懸濁された細胞が挙げられる。「細胞を含む流体サンプル」の他の例としては、骨髄吸引物、例えば、リンパ節もしくは脾臓からの針生検吸引物もしくは生検標本から得られる細胞懸濁物(生理学的溶液中の)が挙げられる。このような流体サンプルは、任意の哺乳動物被験体(ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、もしくはネコが挙げられる)から得られ得る。ヒト被験体に由来する流体サンプルは、特に有用である。上記流体サンプルが赤血球を含む実施形態において、上記赤血球は、例えば、塩化アンモニウムもしくはサポニンを含む緩衝液を使用して選択的に溶解され得るか、または例えば、密度勾配沈殿法もしくはヘタスターチ凝集(hetastarch aggregation)によって除去され得る。
本明細書で記載される場合、生きている標的細胞は、フィルタ上もしくはフィルタ中に、流体サンプルから回収され得、次いで、これらは、免疫不全非ヒト動物(ここで上記標的細胞は増殖し得る)に移植され得る。標的細胞は、胎児血液細胞、循環腫瘍細胞(CTC)、播種性腫瘍細胞(DTC)(すなわち、骨髄中の腫瘍細胞)、または幹細胞(例えば、癌幹細胞、間葉系幹細胞、もしくは内皮幹細胞)を含み得る。例えば、胎児血液細胞は、母体血液(必要に応じて、生理学的溶液に希釈される)のサンプルから回収され得、非侵襲性出生前診断のために使用され得る。癌(例えば、乳癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、黒色腫、膀胱癌、甲状腺癌もしくはリンパ腫)を有するかもしくは有すると疑われる患者から回収された標的細胞を含む1つ以上のフィルタは、さらなる特徴付け(ゲノムアッセイ、プロテオミクスアッセイ、免疫組織化学アッセイ、もしくは蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)アッセイのうちの1種以上を含む)のために標的細胞(フィルタ中もしくはフィルタ上に捕捉された標的細胞の後代を含む)の数を増大させるために、例えば、予後決定を補助するために、免疫不全非ヒト哺乳動物に移植され得る。免疫不全動物への移植はまた、上記標的細胞が腫瘍を開始し、転移する能力の決定および/または1種以上の化学療法剤への上記細胞の応答性の決定を可能にする。
非標的細胞は、上記標的細胞以外の細胞を含む流体サンプル中の細胞全てである。従って、例えば、上記標的細胞がCTCである血液において、非標的細胞は、赤血球、リンパ球(TおよびB)、単球、および顆粒球を含み、これら非標的細胞は、大部分の癌細胞より小さい。上記細胞を含む流体サンプルが、例えば、リンパ節組織から調製される細胞懸濁物であり、上記標的細胞が癌細胞である場合、非標的細胞は、リンパ球(TおよびB)、単球、マクロファージ、および顆粒球を含み、これら非標的細胞は、大部分の癌細胞より小さい。
濾過デバイス
標的細胞および非標的細胞を含む流体サンプルは、フィルタを含む濾過デバイスを介して通過させられ得、ここで上記フィルタにおける孔サイズは、上記標的細胞が上記フィルタ上もしくは上記フィルタ中で保持されるようにする。上記濾過デバイスを介して通過させるための上記サンプルを調製するために、上記サンプルは、代表的には、ウシ血清アルブミン、赤血球溶解剤(例えば、塩化アンモニウム、サポニン、もしくは炭酸水素カリウム)、殺生物剤(例えば、アジ化ナトリウムもしくは次亜塩素酸塩溶液(0.1〜2mM)、および必要に応じて、カルシウムチャネルブロッカー(例えば、アムロジピン、ベニジピン、もしくはバルニジピン)を補充した培養培地(例えば、RPMI 1640のようなRPMI、DMEM、もしくはMEM)を含む緩衝液で希釈され、1〜5分間(例えば、1分間、2分間、3分間、4分間、もしくは5分間)にわたってインキュベートされる。例えば、上記緩衝液には、0.2〜2g(例えば、0.2g、0.3g、0.4g、0.5g、0.6g、0.7g、0.8g、0.9g、1.0g、1.2g、1.4g、1.6g、1.8g、もしくは2.0g)のBSA、0.01〜0.1g(例えば、0.01g、0.02g、0.03g、0.04g、0.05g、0.06g、0.07g、0.08g、0.09g、もしくは1.0g)の赤血球溶解剤、0.1〜2mM(例えば、0.2mM、0.3mM、0.4mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM、0.8mM、0.9mM、1.0mM、1.2mM、1.4mM、1.6mM、1.8mM、もしくは2.0mM)の殺生物剤、および5〜30nM(例えば、5nM、10nM、15nM、20nM、25nM、もしくは30nM)のカルシウムチャネルブロッカーが補充され得る。インキュベートした後、細胞培養培地(例えば、RPMI)は、上記希釈されたサンプルに添加され、次いで、これは、上記デバイスを介して濾過される。上記サンプルを、上記濾過デバイスを介して通過させる間に、上記非標的細胞のうちの実質的に全て(すなわち、99%より高い)が、上記フィルタを通過する。上記流体サンプルの非標的細胞は、上記フィルタの下側に真空を付与することによって、上記フィルタを介して通過し得る。いくつかの実施形態において、上記サンプルの非標的細胞は、上記デバイス(これは、そのゴムキャップがいったん穿刺されたら、上記血液体積とチューブ中の真空との間に圧力差を確立し、血液を上記フィルタを介してチューブの中へと押しやる)のホルダーの内側に上記チューブを導入することによって、上記フィルタを通過するようにされる。
上記フィルタを含む濾過デバイスは、特定の構造に限定されず、上記デバイスが、a)上記細胞を含む流体サンプルを受容し得かつその孔サイズが、上記標的細胞を上記フィルタ上もしくはフィルタ中に保持するフィルタを支持し得る、およびb)上記サンプルを、上記フィルタを介して通過させた後に、上記流体を取り出すように構成されている限りにおいて、任意の形状、サイズ、もしくは材料のものであり得る。例えば、濾過デバイスは、以下のうちの1つ以上から構成され得る:1種以上のポリマー(例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、もしくはポリエーテルエーテルケトン(例えば、PEEKTM))から作られるプラスチック;金属合金(例えば、ステンレス鋼(例えば、手術用スチール(surgical steel));セラミック、ガラス;または複合材。ScreenCell(登録商標)(Paris, France)の濾過デバイスは特に有用であり、本明細書で記載される方法において使用された。米国特許公開番号20110070642、米国特許公開番号20110104670、米国特許公開番号20090081772、米国仮特許出願第61/417,526号、WO2011055091、WO2009106760、およびWO2009047436(これらの各々は、その全体において参考として援用される)に記載される濾過デバイスもまた参照のこと。
一実施形態において、上記濾過デバイスは、流体サンプルを受容するための区画、および上記区画の開口部の上に(少なくとも一時的に)取り付けられたフィルタを含む。上記濾過デバイスはさらに、上記区画の開口部の上に(少なくとも一時的に)取り付けられた針を含み得る。このような実施形態において、上記フィルタは、上記針と上記区画の内部容量との間に位置する。上記取り付けられた針は、吸引管(例えば、血液吸引管)のプラグを穿刺し、上記フィルタを介して液体を吸引するために、雰囲気圧に対して陰圧を作り出すように設計される。このような濾過デバイスは、さらなる培養および/もしくは免疫不全非ヒト動物への移植と適合した条件下で、フィルタ上に生細胞を単離および集めることを可能にする。
図1は、レザバもしくは区画102、端部部品104、シール106、支持体付きフィルタ108、可動式手段110、シール112およびプラグ114を含む濾過デバイス(ScreenCell(登録商標), Paris-France)の一実施形態を示す。上記区画102は、実質的に円筒形状である。その上端は、非浸透性であるような方法において上記プラグ114によってシールされ得る。上記区画102の下端は、その外側表面に、上記可動式手段110に脚をガイドする隙間がある不連続リングを有し、上記リングは、上記可動式手段110の本体をガイドする。
この可動式手段110は、形状がほぼ円筒形であり、2本の脚とともに供給され、これら脚は、上記端部部品104に向かって延び、かつ上記脚の間が分離している(この分離は、上記フィルタ支持体108の直径より小さい寸法である)ように、この方向で一緒に狭くなっている。実質的に図示されているように、この特定の形状(特に、互いに向かって湾曲している上記脚116の形状)は、上記可動式手段が上記フィルタ支持体108に向かって進む間に、上記可動式手段110が、上記端部部品104から外れた後に、上記フィルタ支持体が上記区画102からそのフィルタに沿って外されるように、上記フィルタ支持体108に圧力を加えることを可能にする。
上記可動式手段110の脚116の端部および上記区画102の下端は、細胞培養ボックスもしくはウェルの中に挿入されるように設計される。上記区画102の末端にある上記不連続リングの直径は、上記区画が細胞培養ボックスもしくはウェルの縁部の上で支持され得るように、設計される。 端部部品もしくはアダプター104は、上記区画102の下方開口部に位置する。端部部品もしくはアダプター104は、上記区画102の外壁をしっかりとつかみ、上記区画102より直径が小さい、下方の狭い開口部を有する。端部部品もしくはアダプター104は、取り外し可能であり、非透過性であり、滅菌されている。上記端部部品もしくはアダプター104の下方の狭い開口部は、針の開口の漏出がない機械的フィットを可能にするために十分長い(図3B〜3Dを参照のこと)。
上記区画102の下端(これは、側方突出部118を有する)の形状と調和した様式において、上記端部部品104は、公知の様式において上記突出部をしっかりつかむための回転ロッキング手段を有する。このようにして、上記端部部品104は、上記フィルタホルダーが濾過の間に適所に保持されることを可能にする。さらに、上記端部部品104は、上記フィルタをハネおよびあらゆる潜在的汚染から保護する。
取り付けられる場合、上記区画102の下端は、上記フィルタ支持体108(それ自体が正しい位置に保持されている)によって、一方では上記区画102の下端によって、他方では上記端部部品104によって保持される上記フィルタ上に吐出する開口部を有する。
一実施形態において、上記フィルタ支持体108は、リング様ディスクとして形作られる。上記フィルタは、微小穿孔され、上記フィルタ支持体108の下側に融合され、次いで、これに沿って上記区画102の下端へと挿入される。
上記フィルタ支持体108は、リング形状にされ得、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)のようなプラスチック、または手術用スチールのような金属合金から作られる。手術用スチールから作られたフィルタ支持体は、上記濾過デバイスにおいて特に有用である。上記リングの厚みは、スキャンを可能にするように設計される。上記フィルタ支持体は、集められた細胞が患者と関連づけられ得るように、識別子を含み得る。一実施形態において、上記フィルタ支持体の外径は、例えば、12〜13mm(例えば、12.6mm)であり得、上記フィルタ支持体108が取り付けられる上記フィルタの直径は、5.5〜6.5mm(例えば、5.9mm)であり得る。
一実施形態において、上記区画102、上記端部部品104および上記可動式手段110は、例えば、ポリプロピレンから構成される。上記シール106および112は、例えば、シリコーンから作られる。
図2Aおよび図2Cは、図1に示される実施形態の垂直軸方向の断面図である。図2Bおよび図2Dは、それぞれ、図2Aおよび図2Cの丸で囲った部分の拡大図である。
図3Aは、ScreenCell(登録商標)濾過デバイスを、その貯蔵構成において立面図で表す。図3Bは、針180(これは、吸引管プラグを穿刺するのをより容易にするように、別の非常に微細な斜角のついた端部182を有する)の開口181への、上記端部部品104の挿入を表す。上記針180の開口181は、優先的には、プラスチックから作られる。上記針180の端部182は、優先的には、金属製である。上記針180は、液体(示さず)、例えば、血液が、上記区画102へとその上方開口部を通って導入される前もしくは後のいずれかに、上記端部部品104に配置され得る。
図3Cは、上記針180が、いったん上記端部部品104に非浸透性に連絡されたら穿刺され始める上記吸引管185プラグ186を図示する。
図3Dは、陰圧吸引管185の内部を、上記フィルタ108を通って、上記目的の細胞を含む液体を保持する上記区画102の体積へと接続する上記針180によって完全に穿通されるプラグ186を図示する。上記吸引管185の内部容積は、濾過されるべき液体の体積より大きい。
濾過の間に、上記区画102に存在する上記流体サンプル中のいくつかの標的細胞(これは、直径がより大きい)は、上記液体内容物および上記標的細胞より直径が小さい細胞の実質的に全てが上記吸引管185へと上記フィルタ108を介して吸引される間に、上記フィルタ108によって保持される。
次に、図3Eおよび図3Fに図示されるように、上記端部部品104は、上記突出部118からそれを外すように回転された後に外される。次いで、図3Gおよび図3Hに図示されるように、上記区画102の端部は、細胞培養ボックスもしくはウェル130へと挿入される。
上記で説明されかつ図3Iにおいて図示されるように、上記可動式手段110の脚116に近い端部および上記区画102の下端は、細胞培養ボックスもしくはウェルへと挿入されるように設計される。対照的に、上記区画102の端部にある上記不連続リングは、上記培養ボックスもしくはウェル130の縁部に支持されることを可能にする直径を有する。
より正確であるために、図3Jおよび図3Kにおいて図示されるように、上記可動式手段110は、この位置において、上記区画102の軸に対して平行にさらに移動し得る。
図3L、3M、および3Nに図示されるように、この移動の間に、上記可動式手段の脚116は、オペレーターの指によって動かされる場合に、上記フィルタ支持体108に対して垂直下向きの圧力を加え、上記区画102の下端からそれを外す。次いで、上記フィルタおよびその支持体108は、上記細胞培養ボックスもしくはウェル130へと落ちる。
最後に、図3Oに図示されるように、上記区画102および上記可動式手段110は、細胞培養ボックスもしくはウェル130から外される。
図4〜7は、上記吸引管の保護ガイドシリンダーを使用するScreenCell(登録商標)濾過デバイスの特定の実施形態に関する。図4〜7は、上記区画102、上記可動式手段110、ならびに2部品接続手段504および520によって上記区画102に取り付けられる保護シリンダー502を示す。 上記保護シリンダーは、接続手段部品504、白くした部品(frosted part)506、透明部品508、および上記区画102に対向する開口部上に、保護フィルム510を含む。
部品520は、上記区画102の端部の内側に形成される。図7は、上記区画102に対して同軸関係にある円筒部品に対して側方に配置された4つの突起522を含む部品520の特定の実施形態を示す。この実施形態において、部品504は、上記突起の輪郭に対応する輪郭を有する4本の溝から構成される。これら溝524は、楕円の様式において、突起522に適応するように設計された開口部から、上記保護シリンダー502を図7中の矢印によって示されるように回転させることによって各突起522がその対応する溝524の中へと進みかつ上記保護シリンダー502が上記区画102へと締め付けられるように、上記保護シリンダー502の内部に向かって、延びる。
上記保護シリンダー502は、以下のように上記針180を有する上記端部部品に取り付けられる。上記針180は、上記区画502に面した部品である部品504の下方部分に埋め込まれる。部品504は、4つのスポークによって部品506に押し付けて取り付けられる(force−mounted)。上記スポークは、部品504に位置し、部品506に位置した4本の水へと挿入される。
部品506は、上記針180を分離および保護するように働く。上記透明部品508は、ユーザーが濾過の状態および完了を確認できるようにする。
上記保護フィルム510は、上記シリンダー502の下方開口部全体を覆ってシールし、上記シリンダー502から短い距離だけ延びる側方の部品とともに備えられる(図4に図示される)。この側方部品は、上記フィルム510が容易に外されることを可能にする。
上記保護フィルム510は、ユーザーが上記針180に接触しないように保護する。上記フィルム510はまた、上記ニードル180を詰まりおよび/もしくは汚染するリスクから保護する。
上記シリンダー502は、例えば、上記濾過デバイスが使用される目的(それぞれ、細胞学、分子生物学、および培養研究)に応じて青、緑もしくは黄に区別して着色され得る。
図5において、上記濾過されるべき液体が上記区画102へと導入され、上記フィルム510が外された後に、そのプラグ186に嵌められた上記吸引管185が上記保護ガイドシリンダー502に挿入されることに注意のこと。次いで、上記で説明されるように、上記針180が上記プラグ186を穿刺するように上記吸引管185に力が加えられる。
このように生成された組み立て体(図6に示される)において、上記吸引管185に最初に存在する陰圧は、上記区画102に存在する液体の濾過を生じる。
図7に図示されるように濾過が完了すると、上記保護シリンダー502およびこれが収容する上記針180は、いっしょに外される。
標的細胞を保持するためのフィルタ
本明細書で記載される方法において使用されるフィルタは、上記標的細胞が上記フィルタ上もしくは上記フィルタ中に保持されるようにする孔を含む。適切なフィルタは、50,000〜200,000孔/cmの間(例えば、75,000〜150,000孔/cm、90,000〜115,000孔/cm、もしくは95,000〜110,000孔/cm)を含み得、平均直径は、5.5μm〜約7.5μmである。一実施形態において、上記フィルタは、約100,000孔/cmを有し、平均直径は、約6.5μmである。任意の特定の適用において使用される孔サイズは、上記標的細胞および非標的細胞の相対的サイズに依存する。フィルタ上に保持されるべき標的細胞は、一般に、>20μmかつ<50μmの直径(もしくは最長寸法)を有する。当然のことながら、少なくとも、細胞を含む流体サンプル中の上記非標的細胞の大部分は、上記流体サンプル中の上記標的細胞の直径(もしくは最大寸法)より有意に小さくかつ目的のフィルタにおける孔の直径(もしくは最大寸法)より小さい直径を有する。
上記フィルタは、任意の生体適合性材料(例えば、生分解性もしくは非生分解性である生体適合性ポリマーが挙げられる)から構成され得る。代表的生体適合性ポリマーとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリ(エステルアミド)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(3−ヒドロキシプロパノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3−ヒドロキシヘプタノエート)およびポリ(3−ヒドロキシオクタノエート))、ポリ(4−ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(4−ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(4−ヒドロキシオクタノエート)および本明細書に記載される上記3−ヒドロキシアルカノエートもしくは4−ヒドロキシアルカノエートモノマーのうちのいずれかまたはこれらのブレンドを含むコポリマー)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(無水物)、ポリ(チロシンカーボネート)およびこれらの誘導体、ポリ(チロシンエステル)およびこれらの誘導体、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレンおよびエチレン−αオレフィンコポリマー、アクリルポリマーおよびコポリマー、ハロゲン化ビニルポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル)、ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリデン)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン)、ポリビニルエステル(例えば、ポリビニルアセテート)、ビニルモノマーと互いおよびオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、およびエチレン−ビニルアセテートコポリマー)、ポリアミド(例えば、ナイロン66およびポリカプロラクタム)、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリ(セバシン酸グリセリル)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(sec−ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(tert−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−プロピルメタクリレート)、ポリ(イソプロピルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨン、レーヨン−トリアセテート、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロハン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、コポリ(エーテル−エステル)(例えば、ポリ(エチレンオキシド/ポリ(乳酸)(PEO/PLA))、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、ホスホリルコリン、コリン、ポリ(アスピリン)、ヒドロキシル保有モノマー(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、もしくはヒドロキシプロピルメタクリルアミド)のポリマーおよびコポリマー、カルボン酸含有モノマー(例えば、メタクリル酸(MA)、アクリル酸(AA)、アルコキシメタクリレート、アルコキシアクリレート、もしくは3−トリメチルシリルプロピルメタクリレート(TMSPMA))。例えば、米国特許第7,887,572号を参照のこと。このようなポリマーのうちの1種以上から構成されるトラックエッチングフィルタは、特に有用である。なぜなら、上記トラックエッチング製造プロセスは、狭い孔サイズ分布を有するより正確な孔サイズを生じるからである。一実施形態において、上記フィルタは、ポリカーボネートフィルタである。一実施形態において、上記フィルタは、Whatman(Kent, UK)、EMD Millipore(Billerica, Massachusetts)、Membrane solutions(Plano, Texas)、もしくはit4ip(Seneffe, Belgium)製のポリカーボネートのトラックエッジ(track−edged)フィルタである。ポリカーボネートのトラックエッジフィルタは、有害な影響なく、免疫抑制マウスに移植され得る。
いくつかの実施形態において、上記フィルタ(例えば、ポリカーボネートフィルタ)の表面は、例えば、1種以上の化合物の固定化によって、もしくは上記表面をより親水性にする処理によって、改変され得る。例えば、増殖因子、細胞外マトリクスタンパク質、酵素、レポーター分子、リポソーム、もしくは核酸のうちの1種以上は、上記フィルタ上に固定化され得る。増殖因子の非限定的例としては、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、およびトランスフォーミング増殖因子(TGF)が挙げられる。細胞外マトリクスタンパク質の非限定的例としては、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、およびヘパラン硫酸が挙げられる。
一実施形態において、1種以上のレポーター分子が、上記細胞の培養の間にもしくは免疫不全非ヒト動物における移植の後に細胞増殖が検出され得るように、上記フィルタに固定化され得る。例えば、上記標的細胞が腫瘍細胞である場合、レポーター分子は、メタロプロテイナーゼ(MMP)の基質であるフルオロフォア−クエンチャー二重標識プローブを含み得る。例えば、MCA−Pro−Leu−Gly−Leu−DPA−Ala−Arg−NH(ここでMCAとは、メトキシクマリンをいい、DPAとは、ジニトロフェニルをいう)のような基質が使用され得る。腫瘍増殖と関連する大部分のMMPは、例えば、基質を切断し得る。蛍光MCAは、上記ペプチドがGly残基とLeu残基との間でMMPによって切断されるまで、DPAによってクエンチされる。蛍光MCAの検出は、上記細胞の増殖を示す。当業者は、フルオロフォアおよびクエンチャー分子の他の組み合わせが使用され得ることを認識する。
一実施形態において、上記フィルタ上に固定化された上記レポーター分子は、標的化リガンドに結合されるフルオロフォア−クエンチャー対に基づく、インビボで標的化され、活性化可能な光学的画像化プローブである。Ogawaら、Mol.Pharm.6(2):386〜395(2009)を参照のこと。このシステムを用いると、蛍光は、上記標的細胞の外側で上記フルオロフォア−クエンチャー相互作用によってクエンチされるが、リポソーム/エンドソーム中での上記フルオロフォア−クエンチャー対の解離によって、上記標的細胞内で活性化される。ローダミンコアフルオロフォアTAMRAおよびQSY7クエンチャー対は、インビボ画像化に特に有用である。適切な標的リガンドとしては、例えば、レセプターリガンド(例えば、アビジン(これは、D−ガラクトースレセプターに結合する非共有結合的に結合したホモテトラマー糖タンパク質である))が挙げられる。D−ガラクトースレセプターは、卵巣癌細胞、結腸癌細胞、胃癌細胞、および膵臓癌細胞を含む多くの癌細胞上で発現される。標的化リガンドはまた、腫瘍特異的抗原(例えば、いくつかの腫瘍の細胞表面で発現されるヒト上皮増殖因子レセプタータイプ2(HER2))に対して結合親和性を有する抗体もしくはその抗原結合フラグメントであり得る。Ogawaら、2009(前出)を参照のこと。
いくつかの実施形態において、抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、フィルタ上に固定化され得る。このような抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、上記サンプルを濾過する前もしくは後に、上記フィルタに固定化され得る。しかし、上記フィルタ上の上記抗体もしくはそのフラグメントの固定化は、上記濾過プロセスの間に標的細胞の選択に実質的に寄与しないことを認識する。しかし、このような抗体もしくはそのフラグメントは、上記細胞の培養の間に、もしくは免疫不全非ヒト動物における移植の後に増殖促進リガンドとして作用するために有用であり得る。
「抗体」とは、本明細書でこの用語が使用される場合、一般に重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含むタンパク質をいう。抗原認識および結合は、上記重鎖および軽鎖の可変領域内で起こる。1本の重鎖および1本の軽鎖を有する単一ドメイン抗体、ならびに軽鎖を欠いている重鎖抗体もまた、公知である。所定の抗体は、重鎖の5つのタイプ(α、δ、ε、γおよびμといわれ、その分類は、重鎖定常領域のアミノ酸配列に基づく)のうちの1つを含む。重鎖のこれら異なるタイプは、5つのクラスの抗体、それぞれ、IgA(IgA1およびIgA2を含む)、IgD、IgE、IgG(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む)およびIgMを生じる。所定の抗体はまた、軽鎖の2つのタイプ(κもしくはλといわれ、その分類は、軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列に基づく)のうちの1つを含む。IgG、IgD、およびIgE抗体は、一般に、2つの同一の重鎖および2つの同一の軽鎖ならびに2つの抗原結合ドメイン(antigen combining domain)(各々は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)から構成される)を含む。一般に、IgA抗体は、2つのモノマーから構成され、各モノマーは、2つの重鎖および2つの軽鎖から構成される(IgG、IgD、およびIgE抗体に関して);このようにして、上記IgA分子は、4つの抗原結合ドメインを含み、繰り返すと、各々は、VおよびVから構成される。特定のIgA抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖から構成されるという点でモノマーである。分泌型IgM抗体は、一般に、5つのモノマーから構成され、各々のモノマーは、2つの重鎖および2つの軽鎖から構成される(IgGおよびIgE抗体に関して);このようにして、上記IgM分子は、10の抗原結合ドメインを有し、繰り返すと、各々は、VおよびVから構成される。IgMの細胞表面形態もまた存在し、これは、IgG、IgD、およびIgE抗体に類似の2つの重鎖/2つの軽鎖構造を有する。
抗体の「抗原結合フラグメント」とは、本明細書でこの用語が使用される場合、上記で定義されるような完全抗体ではないが、少なくとも1つの抗原結合部位をなお保持する抗原結合分子をいう。抗体フラグメントは、しばしば、完全抗体の切断された部分を含むが、この用語は、このような切断されたフラグメントに限定されない。抗原結合フラグメントは、例えば、Fab、F(ab’)、Fv、および単鎖Fv(scFv)フラグメントを含み得る。scFvフラグメントは、上記scFvが由来する抗体の上記重鎖および軽鎖可変領域の両方を含む単一ポリペプチド鎖である。他の適切な抗体もしくは抗体結合フラグメントとしては、直線状抗体、多重特異的抗体フラグメント(例えば、二重特異的、三重特異的、および多重特異的抗体(例えば、ダイアボディー(Poljak Structure 2(12):1121〜1123(1994);Hudsonら、J.Immunol.Methods 23(1−2):177〜189(1994))、トリアボディー(triabody)、テトラボディー(tetrabody))、ミニボディー、キレート化組換え抗体(chelating recombinant antibodies)、イントラボディー(Hustonら、Hum.Antibodies 10(3−4):127〜142(2001);Wheelerら、Mol.Ther.8(3):355−366(2003); Stocks Drug Discov.Today 9(22):960〜966(2004))、ナノボディー、小型モジュラー免疫医薬(small modular immunopharmaceuticals)(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ科抗体(camelid antibody)、ラクダ科化抗体(camelized antibody)、およびVHH含有抗体が挙げられる。
増殖促進リガンドとして作用する抗体もしくはその抗原結合フラグメントの非限定的例としては、T細胞腫瘍に対する抗CD3抗体;B細胞腫瘍に対する抗Ig抗体;もしくはクラス1増殖因子レセプターのダイマー化を誘導し得る抗体が挙げられる。例えば、Fuhら(1992)Science 256:1677〜1680;Ruiら(1994)Endocrinology 135:1299〜1306;Schneiderら(1997)Blood 89:473〜482;Mahantaら(2008)PLoS One.3(4):e2054;およびSpaargarenら(1991)J Biol Chem.266(3):1733〜9を参照のこと。
免疫不全非ヒト動物におけるフィルタの移植
上記フィルタ上に1つまたはそれより多い標的細胞を回収した後、上記フィルタは、非ヒト動物、最も一般的には、免疫不全非ヒト動物(例えば、免疫不全齧歯類(例えば、免疫不全マウスもしくはラット))に移植され得る。上記免疫不全非ヒト動物は、重症複合免疫不全(SCID)自然変異(Prkdcscid)に関してホモ接合性であり得るか;ヌード自然変異(Foxn1nu/nu)に関してホモ接合性であり得るか;Rag1変異に関してホモ接合性であり得るか;Rag2変異に関してホモ接合性であり得るか;または上記Rag1変異および上記Rag2変異の両方に関してホモ接合性であり得る。このような免疫不全非ヒト動物(例えば、免疫不全マウス)は、例えば、The Jackson Laboratory (Bar Harbor, Maine)から市販されている。代表的には、上記フィルタは、上記免疫不全動物へと外科手術により皮下移植される。例えば、上記フィルタは、神経堤下に、副腎被膜の下に、腹腔中に、もしくは動物の側腹部に移植され得る。いくつかの実施形態において、増殖因子もしくは再構成基底膜マトリクスのような化合物は、上記フィルタが移植される前、移植している間、もしくは移植した後に、上記動物に投与され得る。
いくつかの実施形態において、1〜4つのさらなるフィルタは、上記非ヒト動物に移植され、ここで各フィルタは、1つまたはそれより多い標的細胞を含む。例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つのフィルタは、上記非ヒト動物に移植され得る。各フィルタは、単一の濾過デバイスから得られ得るか、または別個の濾過デバイスから得られ得る。代表的には、複数のフィルタが1匹の動物に移植される場合、上記フィルタの全ては、同じ患者から回収された細胞を含む。上記フィルタは、上記動物の異なる領域に、例えば、上記動物の各側腹部に、または側腹部と腹部とに、移植され得る。
いくつかの実施形態において、移植前に、上記フィルタの表面は、上記標的細胞に対して致死的効果も毒性効果もなく、例えば、生細胞を害する(例えば、上記細胞を死滅させるかもしくは上記細胞の増殖能を阻害する)化学物質も温度も使用することなく、液体からゲル相へと移行し得る組成物と接触させられ得る。さらに、上記組成物の構成要素は、上記細胞に対して毒性でも致死的でもなく、抗増殖性であるべきでもない。例えば、上記組成物は、架橋ポリマー鎖(起源において天然もしくは合成)から構成されるヒドロゲル(例えば、3DM, Inc(Cambridge, MA)製のPuramatrixTM(合成ペプチドマトリクス)、またはGlycosan BioSystems(Salt Lake City, UT)製のポリエチレン(グリコール)ジアクリレートベースの、ヒアルロン酸ベースの、もしくはコラーゲンベースのヒドロゲルであり得る。このようなヒドロゲルは、液体形態において上記フィルタへと適用され得、次いで、培養培地を添加することによって、ゲル相へと移行し得る。フィルタはまた、MatrigelTM(BD Biosciences)再構成基底膜マトリクスもしくはMatrigelTMおよび培養培地を含む組成物と接触させられ得る。上記組成物はまた、1種以上の細胞外マトリクス成分、例えば、プロテオグリカン(例えば、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、およびケラタン硫酸)、ヒアルロン酸、コラーゲンタイプIV、エラスチン、フィブロネクチン、およびラミニンを含み得る。増殖因子もしくは他の分子は、上記標的細胞の培養に必要とされる場合、上記組成物に添加され得る。
2つ以上のフィルタが移植される実施形態において、上記フィルタは、多層化三次元培養デバイスを生成するために互いの上部に実質的に重ねられ得る。上記フィルタを重ねる前に、上記フィルタの表面は、上記標的細胞に対して致死的効果も毒性効果もなく、液体からゲル相へと移行し得る上記の組成物と接触させられ得る。例えば、上記フィルタの表面は、再構成基底膜マトリクスと接触させられ得る。
いくつかの実施形態において、移植する前に、上記1つ以上のフィルタは、細胞培養デバイスの中に配置され得、例えば、生存度を評価するかもしくは細胞数を増大させるために、培養培地の存在下で培養され得る。いくつかの実施形態において、上記標的細胞の細胞数がいったん増大されたら、上記標的細胞は、上記フィルタから(例えば、洗浄によって)取り出され得、上記免疫不全動物に移植され得る。
上記1つ以上のフィルタを上記免疫不全非ヒト動物に移植した後、上記動物は、上記細胞の増殖もしくは腫瘍の発生について、モニターされ得る。例えば、細胞の増殖をモニターするために、上記移植されたフィルタは、上記で考察されるように、MMPの基質もしくはインビボ活性化可能な光学画像化プローブを含み得る。上記動物における腫瘍の発生は、上記流体サンプル中の腫瘍細胞の存在を確認し、上記細胞の転移能の指標となる。腫瘍は、動物から取り出され得、さらなるインビトロもしくはインビボの特徴付けに供され得る。例えば、腫瘍もしくは上記腫瘍から単離された細胞は、上記腫瘍および/もしくは細胞をさらに特徴付けるために、ゲノムアッセイ、プロテオミクスアッセイ、免疫組織化学アッセイ、もしくは他の分子アッセイに供され得る。いくつかの実施形態において、組織特異的および/もしくは腫瘍特異的試薬(例えば、抗体、プローブ、もしくはPCRプライマー)は、腫瘍もしくは上記腫瘍から単離された細胞を調べるために使用され得る。
腫瘍細胞の増殖が上記動物モデルにおいて確認された実施形態において、1種以上の化学療法剤に対する上記細胞の応答性は、上記目的の化学療法剤を上記動物に投与し、応答性をモニターすることによって(例えば、細胞増殖もしくは細胞死をモニターすることによって)、評価され得る。
本発明は、以下の実施例においてさらに記載され、以下の実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない。
(実施例1−ScreenCell(登録商標)濾過デバイスの使用)
この非限定的実施例は、ScreenCell(登録商標)製の濾過デバイス(ScreenCell(登録商標)細胞培養(CC))の一般的使用方法を提供する。上記デバイスは、19cm長であり、滑らかで平坦かつ親水性の表面を有する円形のトラックエッチングされたポリカーボネートフィルタ(例えば、Whatman、EMD Millipore、Membrane Solution、もしくはit4ip製)を含む。
上記フィルタは、上記フィルタ全体に無作為に分布した直径6.5μmの円形の孔を含む(1×10孔/cm)。上記デバイスの製造業者によれば、濾過する前に、および赤血球(RBC)を溶解するために、3〜6mlの血液サンプルを、それぞれ、3〜1mlのScreenCell(登録商標)LC緩衝液で希釈する。すなわち、3mlの血液を、3mlの緩衝液で希釈する一方で、6mlの血液サンプルを、1mlの緩衝液で希釈する。上記サンプルおよび希釈緩衝液を混合し、2分間にわたって室温においてインキュベートした後、それぞれ、総容積8.6mlにするように、2.6もしくは1.6mlの培養培地を添加し、次いで、上記サンプルを、吸引管を取り付けた上記濾過デバイスを介して通過させる。濾過は、通常、約2分間以内に完了する。濾過の最後に、上記ScreenCell(登録商標)デバイスのノズル/ホルダーを外し、上記濾過タンクから取り外し、上記濾過デバイスの底部分に位置したロッドを均等に押し出すことによって、上記フィルタを24ウェル組織培養プレートのウェルの中に放出する。適切な組織培養培地および増殖因子を、上記ウェルに添加し得る。上記ScreenCell(登録商標)CCデバイスフィルタの濾過面積は、上記濾過されたサンプルのトレーサビリティーを保証するために、数字コードつきの外科手術用inox(surgical inox)から作製されたOリングによって境界を定められる。
サンプルから得られた稀な細胞の数を増大させるために、細胞を、同じ希釈血液サンプルの複数の部分から回収し得る。各部分は、異なる濾過デバイスを介して濾過され得る。複数のフィルタが得られる場合、上記フィルタは、上記のように互いに対して連続して置かれ得る。例えば、フィルタは、濾過デバイスから外され得、1:1 Matrigel/培地(M/M)の100μl層の上に置かれ得る。各連続フィルタは、次のフィルタを置く前に70μlのM/Mで覆われる。上記プロセスの最後に、最後のフィルタを、70μlのM/Mで覆い、十分な容積の培養培地(例えば、ウシ胎仔血清(FCS)を含む培養培地)を添加して、積み重ねたフィルタを覆い、三次元培養デバイスを提供する。上記三次元デバイスは、上記細胞を移動および/もしくは培養するために使用され得、また、免疫不全動物に移植され得る。
(実施例2−CTCを検出するためのScreenCell(登録商標)デバイスの感度)
CTCを単離するためのScreenCell(登録商標)デバイス(実施例1に記載される)の感度を、以下のように評価した。25回の独立した実験を、固定H2030細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)からの腺癌非小細胞肺癌細胞株;Catalog No.CRL−5914TM)で行った。上記H2030細胞を、10% FCS補充RPMI 1640を含むフラスコ中で培養し、トリプシン処理によって回収した。細胞生存度を、トリパンブルー排除によって評価した。生存度が90%を超えると推定した場合、上記細胞を、以下に記載される実験において使用した。
ホルムアルデヒドで固定した後、上記H2030細胞を、健康なドナーから採血した末梢全血へと添加して、1mLの血液あたり2もしくは5個の固定したH2030細胞の最終濃度を得、実施例1に示されるように、上記ScreenCell(登録商標)デバイスを介して濾過した。平均濾過時間は、50秒であった。上記フィルタ上の細胞をヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、計数した。上記サンプルにおいて回収されたH2030細胞の実際の数に対する上記血液サンプルに添加されたH2030細胞の数を、表1および表2に示す。5個の細胞を添加したサンプルに関しては、回収されたH2030細胞の平均パーセンテージは、91.2%であり、平均4.56±0.71個の細胞が回収された。表1を参照のこと。5個の細胞を添加したサンプルにおいて、全25サンプルにおいて3個以上の細胞が検出された。2個の細胞を添加したサンプルに関しては、回収されたH2030細胞の平均パーセンテージは、74%であり、平均1.480±0.71個の細胞が回収された。表2を参照のこと。
細胞喪失のパーセンテージが上記濾過デバイスに関連したか否かを確認するために、H2030細胞を上記に示されるように回収し、固定し、濾過緩衝液を含むエッペンドルフチューブの中に直接ピペットで入れた。細胞を、Cytospin遠心分離機を使用して回収し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。これら条件下で、回収の平均パーセンテージは、2個の細胞を添加したサンプルに関しては82%、および5個の細胞を添加したサンプルに関しては88%であった。2個の細胞を添加したサンプルに関して、平均1.64±0.57個の細胞が回収された。5個の細胞を添加したサンプルに関しては、平均4.40±0.71個の細胞が回収された。直接的な細胞収集に対する上記ScreenCell(登録商標)デバイスの相対感度を、対応のない片側スチューデント検定について計算したP値(2個の添加された細胞および5個の添加された細胞について、それぞれ、0.19および0.20)、対応のない両側スチューデント検定について計算したP値(2個の細胞および5個の細胞について、それぞれ、0.39および0.41)、およびフィッシャー検定について計算したP値(2個の細胞および5個の細胞について、それぞれ、0.14および0.34)によって評価した。これら検定から、上記Screencell(登録商標)デバイスを介する、またはエッペンドルフチューブの中に直接マイクロピペットで入れられた細胞の直接収集による、2個もしくは5個の添加される腫瘍細胞の収集は、類似の感度を生じることが示された。上記Screencell(登録商標)デバイスおよび直接収集を使用する異なる系列の試験を介して、2個もしくは5個の添加された腫瘍細胞の25回の独立した収集の後に、類似の細胞数が失われた。実際に、上記Screencell(登録商標)デバイスを介して喪失した細胞のパーセンテージは、2個および5個の添加されたH2030細胞に関しては、それぞれ、26%(標準偏差(SD)は0.71、平均喪失細胞数は0.52であった)および9%(SDは0.65、平均喪失細胞数は0.44であった)であった一方で、直接収集を介したものは、18%(SDは0.57、平均喪失細胞数は0.36であった)および12%(SDは0.71、平均喪失細胞数は0.60であった)であった。対応のない片側スチューデント検定のp値から、ScreenCell(登録商標)Cytoデバイスを使用して、もしくは2個もしくは5個の腫瘍細胞での直接収集によって、類似の喪失細胞数が示された。
上記対応のない片側スチューデント検定のP値を使用して、上記ScreenCell(登録商標)デバイスを介して、もしくは直接収集によって、5個の添加した腫瘍細胞で得られた結果に対して2個の添加した腫瘍細胞で得られた結果を比較した場合に、有意差は見いだされなかった(2個の添加した腫瘍細胞および5個の添加した腫瘍細胞に関して、それぞれ、0.19対0.20)。さらに、上記対応のない片側スチューデント検定のP値を使用して、上記ScreenCell(登録商標)デバイスを介して(0.34)、もしくは直接収集によって(0.10)、5個の添加された腫瘍細胞で得られた結果に対して2個の添加された腫瘍細胞で得られた結果を比較した場合、有意差は見いだされなかった。まとめると、これら結果は、細胞がマイクロピペット操作(micropipetting)を介して本質的に失われたことおよび上記ScreenCell(登録商標)デバイスの回収率が100%に近かったことを示す。
(実施例3−ScreenCell(登録商標)デバイスを介した濾過後の細胞の生存度および培養)
5回の独立した実験を行って、実施例1のScreenCell(登録商標)CCデバイスを介した濾過後の腫瘍細胞の生存度を評価した。H2030細胞を、10% FCS補充RPMI 1640を含むフラスコ中で培養し、トリプシン処理によって回収した。50個の生きたH2030細胞を、実施例1に記載されるように、上記濾過デバイスを介して濾過した。トリパンブルー排除試験を使用して、濾過直後の生存細胞を計数した。図8Aは、ScreenCell(登録商標)Cytoデバイスを介した濾過後の生きたH2030細胞の顕微鏡写真である。平均%回収は、85%±9%であった。単離されたH2030細胞が組織培養において増殖する能力を、8回の独立した実験においてさらに評価した。各実験において、単離されたH2030細胞は、適切な組織培養条件下で、上記フィルタ上で増殖しかつ拡がる能力があった。図8Bは、培養培地中で4日間にわたって上記フィルタを培養した後の図8Aからの細胞の顕微鏡写真である。
(実施例4−フィルタ上の標的細胞の回収および免疫不全動物への上記フィルタの移入)
CTCがヒト患者からマウスへ移入され得ることを実証するために、ヒトHT29結腸直腸癌細胞を、50%コンフルエントになるまで増殖させ、トリプシン処理して、上記細胞を培養ディッシュの表面から外した。上記細胞をPBS中で洗浄し、希釈して、終濃度10,000細胞/μlを得た。正常なヒト血液を、滅菌EDTA Vacutainer中に集め、収集して60分間以内に使用した。1000個もしくは10,000個のHT29細胞のいずれかを、6mlの正常ヒト血液に添加し、上記血液を穏やかに混合した。次いで、HT29細胞を含む6mlの血液を、1mlのScreenCell(登録商標)LC希釈緩衝液で希釈し、2分間にわたって室温においてインキュベートした。2分間のインキュベーション後、1.6mlの培養培地を添加し、次いで、希釈血液8.6ml全体を、実施例1に記載されるScreenCell(登録商標)CCデバイスを介して濾過した。濾過の完了後、上記フィルタを、1枚の滅菌ガーゼの上に出した。滅菌鉗子を使用して、上記フィルタを、100μlの1:1比 Matrigel/培地を含む凝固パッドの上に置いた。この凝固M/Mパッドを使用して、外科手術手順の間に細胞を水和した状態に維持した。
上記フィルタを、Rag2−/−免疫不全マウスの皮膚の下に移植し、触診によって細胞増殖をモニターした。上記ScreenCell(登録商標)フィルタの両側に、3週間以内に腫瘍が発生した。上記マウスを屠殺し、腫瘍が付着した上記フィルタを取り出し、ペトリ皿の中に入れた。上記腫瘍の細胞を培養し、抗体で染色して、上記腫瘍がHT29細胞に由来することを確認した。Herrmannら(PLoS ONE,2010,5:1〜10)は、インビボで選択されたCD44high/CD24high/EpCAMhigh HT29細胞が癌幹細胞表現型を有したことを示す。
(他の実施形態)
本発明は、前述の詳細な説明および実施例とともに記載されてきたが、前述の説明および実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示し、限定しないことが意図される。他の局面、利点、および改変は、特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (44)

  1. 細胞を含む流体サンプルから標的細胞の数を増大させる方法であって、該方法は:
    a)1つまたはそれより多い標的細胞を含むフィルタを提供する工程であって、該1つまたはそれより多い標的細胞は、流体、標的細胞および非標的細胞含有サンプルから、該フィルタを含む濾過デバイスを介して該サンプルを通過させることによって得られ、ここで該フィルタにおける孔サイズは、該標的細胞を該フィルタ上もしくは該フィルタ中に保持するものである、工程;ならびに
    b)該フィルタおよび該フィルタ上の該1つまたはそれより多い標的細胞を、免疫不全非ヒト動物に移植する工程であって、ここで移植される該フィルタ上もしくは移植される該フィルタ中の該1つまたはそれより多い細胞のうちの一部もしくは全ては、該免疫不全動物中で増殖する、工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記濾過デバイスを介して前記サンプルを通過させる間に、実質的に全ての前記非標的細胞は、前記フィルタを通過する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記免疫不全非ヒト動物は、マウスである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記マウスは、重症複合免疫不全(SCID)自然変異(Prkdcscid)に関してホモ接合性であるか;ヌード自然変異(Foxn1nu/nu)に関してホモ接合性であるか;Rag1変異に関してホモ接合性であるか;Rag2変異に関してホモ接合性であるか;またはRag1変異およびRag2変異の両方に関してホモ接合性である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法は、1〜4つのさらなるフィルタを提供する工程であって、該さらなるフィルタの各々は、1つまたはそれより多い標的細胞を含む、工程、および該第1のおよびさらなるフィルタを前記免疫不全非ヒト動物に移植する工程を包含する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記1〜4つのさらなるフィルタは、1つのさらなるフィルタである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記1〜4つのさらなるフィルタは、2つのさらなるフィルタである、請求項5に記載の方法。
  8. 前記第1のおよびさらなるフィルタは、単一の濾過デバイスから得られたものである、請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記第1のおよびさらなるフィルタは、別個の濾過デバイスから各々得られたものである、請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
  10. 前記方法は、前記フィルタおよび該フィルタ上の前記1つまたはそれより多い標的細胞を移植する前に、該フィルタを互いの上部に実質的に重ねて、多層化培養デバイスを生成する工程をさらに包含する、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記方法は、前記フィルタおよび該フィルタ上の前記1つまたはそれより多い標的細胞を移植する前に、該フィルタおよび該標的細胞を含む任意のさらなるフィルタの表面と、該標的細胞に対して致死的効果も毒性効果もなく、液体からゲル相へと移行し得る組成物とを接触させる工程をさらに包含する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記組成物は、1種以上の細胞外マトリクス(ECM)成分を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記組成物は、再構成基底膜を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記フィルタは、該フィルタに固定化された1種以上の化合物を含む、請求項1〜4または11〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記さらなるフィルタは、該さらなるフィルタに固定化された1種以上の化合物を含む、請求項5〜10のいずれかに記載の方法。
  16. 1種以上の化合物は、前記免疫不全動物に投与される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記1種以上の化合物は、増殖因子、細胞外マトリクスタンパク質、酵素、レポーター分子、リポソーム、および核酸からなる群より選択される、請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記増殖因子は、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、もしくはトランスフォーミング増殖因子(TGF)である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記細胞外マトリクスタンパク質は、コラーゲン、ラミニン、ラミニン、フィブロネクチン、もしくはヘパラン硫酸である、請求項17に記載の方法。
  20. 前記レポーター分子は、メタロプロテイナーゼの基質であるフルオロフォア−クエンチャー二重標識プローブを含む、請求項17に記載の方法。
  21. 前記方法は、前記免疫不全動物における前記細胞の増殖をモニターする工程をさらに包含する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記流体、細胞含有サンプルは、末梢血細胞を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記流体、細胞含有サンプルは、尿、骨髄、リンパ、リンパ節、脾臓、脳脊髄液、管流体、生検標本、もしくは針生検吸引物に由来する細胞を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記方法は、前記移植する工程の前に、前記1つまたはそれより多い標的細胞を培養する工程をさらに包含する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記標的細胞は、癌細胞である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記標的細胞は、循環癌細胞である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記標的細胞は、胎児細胞である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記標的細胞は、幹細胞である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記標的細胞は、内皮幹細胞もしくは間葉系幹細胞である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  30. 少なくとも1つの移植されたフィルタを含む非ヒト免疫不全動物であって、該フィルタは、該フィルタを含む濾過デバイスを介して通過させることによって、流体、標的細胞および非標的細胞含有サンプルから得られる複数の標的細胞を含み、ここで該フィルタにおける孔サイズは、該標的細胞を該フィルタ上もしくは該フィルタ中に保持するものである、非ヒト免疫不全動物。
  31. 前記動物は、1〜4つのさらなる移植されたフィルタをさらに含み、該さらなるフィルタの各々は、1つまたはそれより多い標的細胞を含む、請求項30に記載の動物。
  32. 前記1〜4つのさらなるフィルタは、1つのさらなるフィルタである、請求項31に記載の動物。
  33. 前記1〜4つのさらなるフィルタは、2つのさらなるフィルタである、請求項31に記載の動物。
  34. 前記第1のおよびさらなるフィルタは、単一の濾過デバイスから得られたものである、請求項31〜33のいずれかに記載の動物。
  35. 前記第1のおよびさらなるフィルタは、各々別個の濾過デバイスから得られたものである、請求項31〜33のいずれかに記載の動物。
  36. 前記第1のおよびさらなるフィルタは、多層化三次元培養デバイスを生成するために互いの上部に実質的に重ねられる、請求項30〜35のいずれか1項に記載の動物。
  37. 前記フィルタおよび前記標的細胞を含む任意のさらなるフィルタの表面は、該標的細胞に対して致死的効果も毒性効果もなく、液体からゲル相へと移行し得る組成物を含む、請求項30または請求項35に記載の動物。
  38. 前記標的細胞は、ヒト標的細胞である、請求項30〜37のいずれか1項に記載の動物。
  39. 試験細胞を含む流体サンプル中で腫瘍細胞の存在について試験する方法であって、該方法は:
    a)フィルタを含む濾過デバイスを介して通過させることによって、流体、試験細胞含有サンプルから得られた複数の試験細胞を含む該フィルタを提供する工程であって、ここで該フィルタにおける孔サイズは、該試験細胞のうちの1つまたはそれより多くを該フィルタの上でもしくは該フィルタの中で保持するものである、工程;
    b)該フィルタおよび該フィルタの上もしくは該フィルタの中の該試験細胞のうちの1つまたはそれより多くを、免疫不全非ヒト動物に移植する工程;ならびに
    c)該免疫不全非ヒト動物を腫瘍の存在もしくは非存在に関してモニターする工程であって、ここで腫瘍の存在は、該試験細胞が腫瘍細胞を含んだことを示す、工程、
    を包含する、方法。
  40. 前記試験細胞は、ヒト細胞である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記流体、細胞含有サンプルは、末梢血細胞を含む、請求項39または請求項40に記載の方法。
  42. 前記流体、細胞含有サンプルは、尿、骨髄、リンパ、リンパ節、脾臓、脳脊髄液、管流体、生検標本、もしくは針生検吸引物に由来する細胞を含む、請求項39または40のいずれかに記載の方法。
  43. 前記方法は、d)前記腫瘍が存在する場合に、化学療法剤を前記非ヒト動物に投与する工程;およびe)該化学療法剤に対する応答性について該腫瘍をモニターする工程をさらに包含する、請求項39〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 細胞を含む流体サンプルに由来する標的細胞の数を増大させる方法であって、該方法は:
    a)流体、標的細胞および非標的細胞含有サンプルを提供する工程;
    b)該サンプルを、濾過デバイスを介して通過させる工程であって、該デバイスは、フィルタに固定されたフィルタ支持体、上方開口部と下方開口部とを有する区画、および該支持体に力を加え、該支持体を外すための該区画に対して可動式の手段を含む、工程;
    c)該デバイスから、1つまたはそれより多い標的細胞を含む該フィルタを取り外す工程;ならびに
    d)該フィルタおよび該フィルタの上もしくは該フィルタの中の該標的細胞を、免疫不全非ヒト動物に移植する工程であって、ここで移植された該フィルタ上のもしくは移植された該フィルタの中の該1つまたはそれより多い標的細胞のうちの一部もしくは全ては、該免疫不全動物において増殖する、工程、
    を包含する、方法。
JP2014529908A 2011-09-07 2012-09-07 流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させる方法 Pending JP2014526251A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161531848P 2011-09-07 2011-09-07
US61/531,848 2011-09-07
PCT/US2012/054241 WO2013036819A1 (en) 2011-09-07 2012-09-07 Methods of increasing the number of target cells recovered from a fluid sample

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014526251A true JP2014526251A (ja) 2014-10-06

Family

ID=46940591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014529908A Pending JP2014526251A (ja) 2011-09-07 2012-09-07 流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させる方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP2753926A1 (ja)
JP (1) JP2014526251A (ja)
CN (1) CN103917871A (ja)
CA (1) CA2847891A1 (ja)
WO (1) WO2013036819A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017181096A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日立化成株式会社 希少細胞を捕捉する方法
JP2020178661A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社オプトニクス精密 フィルタ装置、及びスライドグラス標本作製方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3045520A4 (en) * 2013-09-13 2017-04-26 Medinet Co., Ltd. Cell suspension filtration instrument and method for preparing drip infusion solution containing cell suspension
FR3012970B1 (fr) * 2013-11-12 2016-01-15 Biocarecell Dispositif de filtration destine a un liquide contenant des cellules en vue de les isoler.
GB201411615D0 (en) * 2014-06-30 2014-08-13 Ge Healthcare Uk Ltd Device and method for cell nuclei preparation
EP3214166A4 (en) * 2014-10-31 2018-07-04 National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology Cell isolation method and cell trapping filter
EP3561508A1 (en) 2014-12-08 2019-10-30 Dana Farber Cancer Institute, Inc. Apparatus and method for isolating target cells from a fluid sample

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001502537A (ja) * 1996-10-15 2001-02-27 ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア ヒト前立腺ガンの進行の動物モデル

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7053263B2 (en) * 1996-10-15 2006-05-30 The Regents Of The University Of California Mouse models of human prostate cancer progression
IL151287A0 (en) * 2000-02-24 2003-04-10 Xcyte Therapies Inc A method for stimulation and concentrating cells
EP1552741A1 (en) * 2004-01-09 2005-07-13 Institut Pasteur Non-human mammal model comprising heterologous nucleated cells-use for screening compounds
US7591841B2 (en) 2005-12-16 2009-09-22 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Implantable devices for accelerated healing
FR2921490B1 (fr) 2007-09-21 2010-09-10 Metagenex Procede et dispositif pour recueillir du materiel cellulaire de cellules isolees sur filtre
EP2238236B1 (fr) 2008-01-09 2017-03-29 Screencell Dispositif et procédé pour isoler et cultiver des cellules vivantes sur filtre ou extraire leur matériel génétique
FR2952069B1 (fr) 2009-11-04 2013-06-28 Metagenex Dispositif et procede pour isoler et/ou cultiver des cellules vivantes sur filtre ou extraire leur materiel genetique

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001502537A (ja) * 1996-10-15 2001-02-27 ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア ヒト前立腺ガンの進行の動物モデル

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ISABELLE DESITTER ET AL.: "A New Device for Rapid Isolation by Size and Characterization of Rare Circulating Tumor Cells", ANTICANCER RESEARCH, vol. 31, JPN6016035029, February 2011 (2011-02-01), pages 427-442 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017181096A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日立化成株式会社 希少細胞を捕捉する方法
JP2020178661A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社オプトニクス精密 フィルタ装置、及びスライドグラス標本作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2753926A1 (en) 2014-07-16
CA2847891A1 (en) 2013-03-14
WO2013036819A1 (en) 2013-03-14
CN103917871A (zh) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014526251A (ja) 流体サンプルから回収された標的細胞の数を増大させる方法
US20150110717A1 (en) Methods of increasing the number of target cells recovered from a fluid sample
Wan et al. Surface-immobilized aptamers for cancer cell isolation and microscopic cytology
Nelson et al. Preferential, enhanced breast cancer cell migration on biomimetic electrospun nanofiber ‘cell highways’
Hyun et al. Isolation and enrichment of circulating biomarkers for cancer screening, detection, and diagnostics
JP6595461B2 (ja) 孤発性細胞(Sporadic cells)を体液から分離するための方法、および前記方法を実行するための装置
US20170219593A1 (en) Methods and systems for cancer diagnosis and prognosis
US10379018B2 (en) Apparatus and method for isolating target cells from a fluid sample
CN1921803A (zh) 诊断拭子和活组织检查穿刺器,以及用在这些系统中的诊断帽
US8900843B2 (en) Kit and method for the capture of tumor cells
JP5774496B2 (ja) 癌組織由来細胞塊または癌細胞凝集塊の培養方法、評価方法および保存方法
JP5916991B2 (ja) 遺伝子異常細胞の解析方法
KR101588070B1 (ko) 특이적 결합분자생분해성 나노섬유 복합체 및 이의 제조방법
JP2019060869A (ja) がんの転移形成能に関与する因子および前記因子を用いたがん患者の予後予測方法
JP2017129425A (ja) 抗癌剤の評価方法
TWI618931B (zh) 使用細胞增殖法之循環腫瘤細胞的檢測、分離取得方法
JP5307426B2 (ja) 補体活性検査方法
Usui et al. A novel method for isolating lymphatic endothelial cells from lymphatic malformations and detecting PIK3CA somatic mutation in these isolated cells
KR20120060140A (ko) 생물학적 시료 내에서 표적 세포를 분리하는 방법
Korutla et al. Circulating T cell specific extracellular vesicle profiles in cardiac allograft acute cellular rejection
US20130260459A1 (en) Methods for Preserving Target Cells
Gallerani et al. DNA FISH
TWI485159B (zh) 一個微泡膜蛋白及其應用
Jaen et al. CXCR7 Protein Is Not Expressed on Human

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160908

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180131