本出願は、本明細書において以下に記載される、式(I)で示されるBtkインヒビター化合物、その使用方法を提供する。
本出願は、式(I):
[式中、
---- は、単結合又は二重結合のいずれかであり;
各Xは、独立にCH、CH
2、CHX’又はNであり;
X’は、低級アルキルであり;
Rは、H、−R
1、−R
1−R
2−R
3、−R
1−R
3又は−R
2−R
3であり;
R
1は、アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル又は二環式複素環であり、その各々は、1つ以上の低級アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、シアノ、オキソ又は低級ハロアルキルで場合により置換されており;
R
2は、−C(=O)、−C(=O)O、−C(=O)NR
2’、−NHC(=O)O、−C(R
2’)
2、−O、−S、−C(=NH)NR
2’又は−S(=O)
2であり;
各R
2’は、独立にH又は低級アルキルであり;
R
3は、H又はR
4であり;
R
4は、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、低級アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル低級アルキル、二環式シクロアルキル、二環式ヘテロシクロアルキル、スピロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル又は二環式スピロヘテロシクロアルキルであり、その各々は、1つ以上の低級アルキル、ハロ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、アシル、シアノ、オキソ、スルホニル、低級アルキルスルホニル、グアニジノ、ヒドロキシルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、ハロ低級アルコキシ、ヘテロシクロアルキル又はハロ低級アルキルで場合により置換されており、ここで2つの低級アルキル基は、一緒になって環を形成していてもよく;
A、Y及びY
1の各々は、CH又はN(但し、A、Y及びY
1の少なくとも1つは、Nでなければならない)であり;
Y
2は、CH又はNであり;
Y
3は、H又はFであり;
Y
4は、Y
4a、Y
4b、Y
4c又はY
4dであり;
Y
4aは、H又はハロゲンであり;
Y
4bは、低級アルキルであり、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ及び低級アルコキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;
Y
4cは、低級シクロアルキルであり、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ及び低級アルコキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;そして
Y
4dは、アミノであり、1つ以上の低級アルキル、アルコキシ低級アルキル又はヒドロキシ低級アルキルで場合により置換されている]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性病状を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)で示されるBtkインヒビター化合物を投与することを含む方法、を提供する。
本出願は、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合した式(I)で示されるいずれか1つのBtkインヒビター化合物を含む、医薬組成物を提供する。
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用される「1つの(a)」又は「1つの(an)」物質(entity)という語句は、1つ以上のその物質を指し、例えば、1つの(a)化合物は、1つ以上の化合物又は少なくとも1つの化合物を指す。したがって、「1つ(a)」(又は「1つ(an)」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」という用語を、本明細書では互換的に使用することができる。
「本明細書において上記定義のとおり」という語句は、発明の概要又は最も広範囲の請求の範囲に提供される、各基についての最も広範囲の定義を指す。以下に提供する全ての他の実施態様において、各実施態様において存在しうるものでありかつ明確には定義されていない置換基は、発明の概要に提供される最も広範囲の定義を保持する。
本明細書で使用されるように、移行句中であろうと又は請求の範囲の主部中であろうと、「含む(comprise(s))」又は「含んでいる(comprising)」という用語は、無制限的意味を有すると解釈すべきである。すなわち、これらの用語は、「少なくとも有する」または「少なくとも含む」という語句と同義であると解釈すべきである。方法の文脈で使用する場合、「含んでいる(comprising)」という用語は、その方法が列挙された工程を少なくとも含むが、さらなる工程を含み得ることを意味する。化合物または組成物の文脈で使用する場合、「含んでいる(comprising)」という用語は、その化合物または組成物が列挙された特徴または成分を少なくとも含むが、更なる特徴または成分も含み得ることを意味する。
本明細書で使用されるように、他に特に示さない限り、「又は」という語は、「及び/又は」の「包括的な」意味で使用され、そして「いずれか/又は」の「排他的な」意味ではない。
「独立に」という用語は、ある変数が、同じ化合物内の同じか又は異なる定義を有する変数の存在又は非存在にかかわらず、いずれか1つの場合に適用されることを示すために本明細書では使用される。したがって、R”が2回出現し、かつ「独立に炭素又は窒素」として定義される化合物において、両方のR”が炭素であっても、両方のR”が窒素であっても、又は一方のR”が炭素であってそしてもう一方が窒素であることもできる。
任意の変数が、本発明において使用され又は特許請求される化合物を描写及び記述する任意の部分又は式中に1回より多く出現する場合、出現毎のその定義は、他の全ての出現でのその定義とは独立している。また、置換基及び/又は変数の組合せは、そのような化合物が安定な化合物となる場合に限り許される。
結合の末端の記号の「*」又は結合を貫いて描かれる「----」は各々、それが一部分である分子の残りの部分への、官能基又は他の化学部分の結合点を指す。即ち、例えば、以下のとおりである:
環系の中へと描かれる結合(明らかな頂点で接続されるのとは対照的に)は、この結合が、任意の適切な環原子に結合してもよいことを示す。
「場合による」又は「場合により」という用語は、本明細書中に使用されるとき、引き続き記述される事象又は状況が、生じ得るが生じる必要がないこと、ならびに、その記述が、その事象または状況が生じる場合とそれが生じない場合とを含むことを意味する。例えば、「場合により置換されている」とは、その場合により置換基されている部分には、水素原子又は置換基を組み込んでよいことを意味する。
「場合により結合」という語句は、結合が存在しても、しなくてもよく、その記載が一重、二重、又は三重結合を含むことを意味する。置換基が「結合」又は「不在」を意味する場合、置換基に結合している原子は直接接続している。
「約」という用語は、およそ、ほぼ、大体又は前後を意味するのに本明細書では使用される。「約」という用語が、数値範囲と併せて使用されるとき、これは、記載された数値の上下に境界を延長することにより、その範囲に修正を加える。一般に、「約」という用語は、表示値の上下20%の変動で数値に修正を加えるために本明細書では使用される。
式(I)で示される特定の化合物は、互変異性を示す場合がある。互変異性化合物は、2つ以上の相互転換可能な種として存在することができる。プロトトロピック互変異性体は、2つの原子間の共有結合した水素原子の移動によって生じる。互変異性体は、一般に平衡状態で存在し、個々の互変異性体を単離しようという試みは、通常、その化学的及び物理的性質が化合物の混合物と一致する混合物の生成に終わる。平衡の位置は、分子内の化学特性に依存する。例えば、アセトアルデヒドのような多くの脂肪族アルデヒド及びケトンでは、ケト型が優位を占めるが、一方、フェノール類では、エノール型が優位を占める。一般的なプロトトロピック互変異性体には、ケト/エノール(−C(=O)−CH− ⇔ −C(−OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH− ⇔ −C(−OH)=N−)及びアミジン(−C(=NR)−NH− ⇔ −C(−NHR)=N−)互変異性体がある。後者の2つは、ヘテロアリール及び複素環において特に一般的であり、そして本発明は、本化合物の全ての互変異性型を包含する。
本明細書で使用される技術及び科学用語は、他に定義しない限り、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味を有する。本明細書において、当業者に公知の種々の方法論及び材料が参照される。薬理学の一般原理を記載する標準的な参考文献の著作には、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が含まれる。当業者に公知の任意の好適な材料及び/又は方法を利用して、本発明を実施することができる。しかしながら、好ましい材料及び方法が記載される。後述の記載及び実施例において参照される材料、試薬などは、他に述べない限り、商業的供給源から入手可能である。
本明細書で記載される定義を追加して、化学的に関連する組み合わせ、例えば、「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」などを形成してもよい。「アルキル」という用語が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように、別の用語に続く接尾語として使用される場合、これは、特に指定された他の基より選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記で定義されたアルキル基を指すことを意図する。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがってベンジル、フェニルエチル、及びビフェニルを含む。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピルなどを包含する。したがって、本明細書において、「ヒドロキシアルキル」という用語は、下記で定義されるヘテロアルキル基のサブセットを定義するために使用される。−(ar)アルキルという用語は、非置換アルキル又はアラルキル基のいずれかを指す。用語(ヘテロ)アリール又は(het)アリールは、アリール基又はヘテロアリール基のいずれかを指す。
本明細書で使用される「スピロシクロアルキル」という用語は、例えば、スピロ[3.3]ヘプタンのようなスピロ環シクロアルキル基を意味する。本明細書で使用されるスピロヘテロシクロアルキルという用語は、例えば、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタンのようなスピロ環ヘテロシクロアルキルを意味する。
本明細書で使用される「アシル」という用語は、式−C(=O)R[式中、Rは本明細書で定義される水素又は低級アルキルである]の基を示す。本明細書で使用される「アルキルカルボニル」という用語は、式C(=O)R[式中、Rは本明細書で定義されるアルキルである]の基を示す。C1−6アシルという用語は、6個の炭素原子を含有する、基−C(=O)Rを指す。本明細書で使用される「アリールカルボニル」という用語は、式C(=O)R[式中、Rはアリール基である]の基を意味し;本明細書で使用される「ベンゾイル」という用語は、Rがフェニルである、「アリールカルボニル」基を意味する。
本明細書で使用される「エステル」という用語は、式−C(=O)OR[式中、Rは、本明細書で定義される低級アルキルである]の基を示す。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を含有する非分岐鎖又は分岐鎖状の飽和一価炭化水素残基を示す。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖状の炭化水素残基を示す。本明細書で使用される「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素からなるアルキルを指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチルを含む低級アルキル基、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキル」という用語が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように別の用語に続く接尾語として使用される場合、これは、その他の特に指定された基より選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記で定義されたアルキル基を指すことを意図する。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、そのフェニルアルキル部分の結合点がアルキレン基上に存在するであろうという理解の下、R’R”−基(ここで、R’は、フェニル基であり、そしてR”は、本明細書で定義されるアルキレン基である)を示す。アリールアルキル基の例には、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、R’がアリール基であることを除けば、同様に解釈される。「(het)アリールアルキル」又は「(het)アラルキル」という用語は、R’が場合によりアリール基又はヘテロアリール基であることを除けば、同様に解釈される。
「ハロアルキル」又は「ハロ−低級アルキル」もしくは「低級ハロアルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子(ここで、1個以上の炭素原子は、1個以上のハロゲン原子で置換されている)を含有する、直鎖又は分岐鎖状の炭化水素基を指す。
本明細書で使用される「アルキレン」又は「アルキレニル」という用語は、他に示さない限り、1〜10個の炭素原子の二価飽和直鎖状炭化水素基(例えば、(CH2)n)又は2〜10個の炭素原子の分岐鎖状飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CH2CH(i−Pr)CH2−)を示す。メチレンの場合を除いて、アルキレン基の空原子価(open valences)は、同じ原子に結合していない。アルキレン基の例には、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基(ここで、アルキルは、上記で定義されたとおりである)、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(それらの異性体を包含する)を意味する。本明細書で使用される「低級アルコキシ」は、先に定義された「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を示す。本明細書で使用される「C1−10アルコキシ」は、−O−アルキル(ここで、アルキルは、C1−10である)を示す。
「PCY3」という用語は、3つの環状部分で三置換されているホスフィンを指す。
「ハロアルコキシ」又は「ハロ−低級アルコキシ」もしくは「低級ハロアルコキシ」という用語は、1個以上の炭素原子が1個以上のハロゲン原子で置換されている、低級アルコキシ基を指す。
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子がヒドロキシル基により置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を示す。
本明細書で使用される「アルキルスルホニル」及び「アリールスルホニル」という用語は、式−S(=O)2R[式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、そしてアルキル及びアリールは、本明細書で定義されるとおりである]の基を指す。本明細書で使用される「ヘテロアルキルスルホニル」という用語は、式−S(=O)2R[式中、Rは本明細書で定義された「ヘテロアルキル」である]の基を示す。
本明細書で使用される「アルキルスルホニルアミノ」及び「アリールスルホニルアミノ」という用語は、式−NR’S(=O)2R[式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、そしてR’は、水素又はC1−3アルキルであり、そしてアルキル及びアリールは本明細書で定義されるとおりである]の基を指す。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜8個の炭素原子を含有する飽和炭素環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを指す。本明細書で使用される「C3−7シクロアルキル」は、炭素環中の3〜7個の炭素からなる低級シクロアルキルを指す。
本明細書で使用される、カルボキシ−アルキルという用語は、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を介するという理解の下、1個の水素原子がカルボキシルで置き換えられているアルキル部分を指す。用語「カルボキシ」又は「カルボキシル」は、−CO2H部分を指す。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」という用語は、ヘテロアリール基の結合点が芳香族又は部分不飽和環上に存在するであろうという理解の下、1個以上のN、O、又はSヘテロ原子を包含し、残りの環原子が炭素である、環あたり4〜8個の原子を含有する少なくとも1個の芳香族又は部分不飽和環を有する、5〜12個の環原子の単環式又は二環式基を意味する。当業者に周知のとおり、ヘテロアリール環は、その全てが炭素である対応のものよりも芳香族性が小さい。したがって、本発明の目的のためには、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香族特性さえあれば十分である。5〜6個の環原子及び1〜3個のヘテロ原子を有する単環式芳香族複素環を含むヘテロアリール部分の例には、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、5,6−ジヒドロ−4H−[1,3]オキサゾリル、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾリン、チアジアゾール及びオキサジアキソリン(これらは、場合により、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、チオ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル及びジアルキルアミノアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル及びカルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ及びアリールカルボニルアミノより選択される1個以上、好ましくは1又は2個の置換基で置換されていることができる)が挙げられるが、これらに限定されない。二環式部分の例には、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフチリジニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジニル及びベンゾイソチアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。二環式部分は、場合により、いずれの環においても置換されていることができるが、しかし結合点は、ヘテロ原子を含有する環上に存在する。
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」又は「複素環」という用語は、1個以上の環ヘテロ原子(N、O又はS(O)0−2より選択される)を包含する環あたり3〜8個の原子の、スピロ環系を含む、1個以上の環、好ましくは1〜2個の環よりなる一価飽和環状基を示し、そしてこれは、他に示さない限り、場合により、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ及びそれらのイオン形態より選択される、1個以上、好ましくは1又は2個の置換基で独立して置換されていることができる。複素環基の例には、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル及びイミダゾリニル及びそれらのイオン形態が挙げられるが、これらに限定されない。例はまた、例えば、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン又はオクタヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジンのような二環式であってもよい。
Btkインヒビター
本出願は、2009年6月24日出願の米国特許第7,902,194号、2010年2月24日出願の米国特許出願第12/711,312号及び2011年1月10日出願の米国特許出願第12/978,187号に関連しており、これらの開示が、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
一般式(I)で示される本化合物は、本明細書において記載したとおり、リンカー位置における標準的なアリール環リンカーのピリジルでの置き換えを組み込み、明確に区別され、予想外に改良された特性を付与する。例えば:1.)溶解性の一般的な増大、2.)両親媒性のベクトルが目立たなくなるために、骨格全体にわたる極性分布の均一性が増大すること及び3)血漿タンパク結合の一般的な改善が得られ、その結果、ヒト及びラット血漿における薬剤の遊離濃度が上昇する。
本出願は、式(I):
[式中、
---- は、単結合又は二重結合のいずれかであり;
各Xは、独立にCH、CH
2、CHX’又はNであり;
X’は、低級アルキルであり;
Rは、H、−R
1、−R
1−R
2−R
3、−R
1−R
3又は−R
2−R
3であり;
R
1は、アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル又は二環式複素環であり、その各々は、1つ以上の低級アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、シアノ、オキソ又は低級ハロアルキルで場合により置換されており;
R
2は、−C(=O)、−C(=O)O、−C(=O)NR
2’、−NHC(=O)O、−C(R
2’)
2、−O、−S、−C(=NH)NR
2’又は−S(=O)
2であり;
各R
2’は、独立にH又は低級アルキルであり;
R
3は、H又はR
4であり;
R
4は、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、低級アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル低級アルキル、二環式シクロアルキル、二環式ヘテロシクロアルキル、スピロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル又は二環式スピロヘテロシクロアルキルであり、その各々は、1つ以上の低級アルキル、ハロ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、アシル、シアノ、オキソ、スルホニル、低級アルキルスルホニル、グアニジノ、ヒドロキシルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、ハロ低級アルコキシ、ヘテロシクロアルキル又はハロ低級アルキルで場合により置換されており、ここで2つの低級アルキル基は、一緒になって環を形成していてもよく;
A、Y及びY
1の各々は、CH又はN(但し、A、Y及びY
1の少なくとも1つは、Nでなければならない)であり;
Y
2は、CH又はNであり;
Y
3は、H又はFであり;
Y
4は、Y
4a、Y
4b、Y
4c又はY
4dであり;
Y
4aは、H又はハロゲンであり;
Y
4bは、低級アルキルであり、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ及び低級アルコキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;
Y
4cは、低級シクロアルキルであり、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ及び低級アルコキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;そして
Y
4dは、アミノであり、1つ以上の低級アルキル、アルコキシ低級アルキル又はヒドロキシ低級アルキルで場合により置換されている]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
本出願は、Xが、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Xが、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合である、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、単結合である、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、そしてXが、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、単結合であり、そしてXが、CH2である、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、単結合であり、そしてXが、CHR’である、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、そしてXが、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、単結合であり、そしてXが、NHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、単結合であり、そしてXが、NR’である、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Aが、CHであり、Yが、CHであり、そしてY1が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Aが、Nであり、Yが、CHであり、そしてY1が、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Aが、CHであり、Yが、Nであり、そしてY1が、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Aが、CHであり、Yが、CHであり、そしてY1が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Xが、CHであり、Aが、CHであり、Yが、CHであり、そしてY1が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Xが、CHであり、Aが、CHであり、Yが、CHであり、そしてY1が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Hであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Aが、CHであり、Yが、CHであり、そしてY1が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Fであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Aが、CHであり、Yが、CHであり、そしてY1が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y4が、tert−ブチルであり、Y3が、Fであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Aが、CHであり、Yが、CHであり、そしてY1が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Aが、CHであり、Yが、CHであり、Y1が、Nであり、そしてY2が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y2が、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y2が、Nである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Yが、Nであり、そしてY1が、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y2が、CHであり、Yが、Nであり、そしてY1が、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y2が、CHであり、Yが、Nであり、そしてY1が、CHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Hである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Fである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY3が、Fである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y4が、シクロプロピルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、シクロプロピルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Fであり、そしてY4が、シクロプロピルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、シクロプロピルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y4が、ジメチルアミノである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、ジメチルアミノである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Fであり、そしてY4が、ジメチルアミノである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、ジメチルアミノである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、そしてR3が、モルホリニルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、モルホリニルであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、モルホリニルであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、モルホリニルであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、モルホリニルであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、R1であり、そしてR1が、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルであり、低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキル低級アルキルで場合により置換されている、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、R1であり、そしてR1が、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルであり、低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキル低級アルキルで場合により置換されており、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、R1であり、そしてR1が、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルであり、低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキル低級アルキルで場合により置換されおり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、R1であり、そしてR1が、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルであり、低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキル低級アルキルで場合により置換されており、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、R1であり、そしてR1が、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルであり、場合により低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキル低級アルキルで置換されおり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R3であり、R1が、ピリジルであり、そしてR3が、低級アルキルヘテロシクロアルキルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R3であり、R1が、ピリジルであり、R3が、低級アルキルヘテロシクロアルキルであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R3であり、R1が、ピリジルであり、R3が、低級アルキルヘテロシクロアルキルであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R3であり、R1が、ピリジルであり、R3が、低級アルキルヘテロシクロアルキルであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R3であり、R1が、ピリジルであり、R3が、低級アルキルヘテロシクロアルキルであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−Oであり、そしてR3が、ヘテロシクロアルキル低級アルキルであり、場合により1つ以上のハロで置換されている、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−Oであり、R3が、ヘテロシクロアルキル低級アルキルであり、場合により1つ以上のハロで置換されており、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−Oであり、R3が、ヘテロシクロアルキル低級アルキルであり、場合により1つ以上のハロで置換されており、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−Oであり、R3が、ヘテロシクロアルキル低級アルキルであり、場合により1つ以上のハロで置換されており、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−Oであり、R3が、ヘテロシクロアルキル低級アルキルであり、場合により1つ以上のハロで置換されており、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、そしてR3が、ジメチルアミノである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、ジメチルアミノであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、ジメチルアミノであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、ジメチルアミノであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−C(=O)であり、R3が、ジメチルアミノであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−S(=O)2であり、そしてR3が、メチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−S(=O)2であり、そしてR3が、メチルであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−S(=O)2であり、そしてR3が、メチルであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−S(=O)2であり、そしてR3が、メチルであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、Rが、−R1−R2−R3であり、R1が、ピリジルであり、R2が、−S(=O)2であり、そしてR3が、メチルであり、---- が、二重結合であり、Xが、Nであり、Y3が、Fであり、そしてY4が、tert−ブチルである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、---- が、二重結合であり、Y2が、Nであり、Xが、Nであり、Y1が、Nであり、Y3が、Fであり、Y4が、tert−ブチルであり、Aが、CHであり、そしてYがCHである、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、以下:
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(1’−メチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン;
6−{6−[2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ}−N,N−ジメチル−ニコチンアミド;
6−{6−[2−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ}−N,N−ジメチル−ニコチンアミド;
6−tert−ブチル−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オン;
2’−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オン;
2’−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オン;
6−[2’−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−5−イルアミノ]−N,N−ジメチル−ニコチンアミド;
2’−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オン;
6−tert−ブチル−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(1’−メチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(1’−エチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン;
2−(4−{5−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン;
2−(4−{5−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−6−tert−ブチル−2H−フタラジン−1−オン;
2−{4−[5−(5−アゼチジン−1−イルメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン;
6−シクロプロピル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−イソキノリン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−イソキノリン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−イソキノリン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−8−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(5−シクロプロピルメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−8−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オン;
4−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−1’−メチル−5’−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1’H−[2,3’]ビピリジニル−6’−オン;
4−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−5’−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1’−メチル−1’H−[2,3’]ビピリジニル−6’−オン;
6−tert−ブチル−2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン;
2−(8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロピオニトリル;
2−{2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル}−2−メチル−プロピオニトリル;
6−tert−ブチル−2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−2H−フタラジン−1−オン;及び
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−5−オキシ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン
からなる群より選択される、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は 自己免疫病状を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、リウマチ性関節炎を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、式Iの化合物を含む、医薬組成物を提供する。
本出願は、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合した、式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
本出願は、治療活性物質としての使用のための、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、炎症性障害の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、自己免疫障害の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、リウマチ性関節炎の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、喘息の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、炎症性障害の処置のための、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、自己免疫障害の処置のための、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、リウマチ性関節炎の処置のための、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、喘息の処置のための、式Iの化合物の使用を提供する。
本出願は、炎症性障害の処置における使用のための、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、自己免疫障害の処置における使用のための、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、リウマチ性関節炎の処置における使用のための、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、喘息の処置における使用のための、式(I)で示される化合物を提供する。
本出願は、本明細書において記載したとおりの化合物、方法又は組成物を提供する。
本出願は、本明細書において記載したとおりの化合物、方法又は組成物を提供する。
Btkインヒビター化合物
本発明に包含され、本発明の範囲内にある代表的な化合物の例は、以下の表に示される。後述のこれら実施例及び調製法は、当業者が本発明をより明確に理解し、かつ実施することができるように提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、単にそれを例示かつ代表するものと考えるべきである。
一般に、本出願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名の生成のためのバイルシュタイン研究所(Beilstein Institute)のコンピュータシステムである、AUTONOM(商標)v.4.0に基づく。描写される構造とその構造に与えられた名称の間に矛盾があれば、描写される構造をより重視されたい。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は点線により示されない場合、この構造又は構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものと解釈されたい。
表Iは、一般式(I)によるピリダジノン化合物の例を示す。
合成
一般合成スキーム
以下の一般スキームにおいて、Y3は、H又はFであることができ、Y4は、Y4a、Y4b、Y4c又はY4dであることができ;Y4aは、H又はハロゲンであることができ;Y4bは、低級アルキルであることができ、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ及び低級アルコキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており:Y4cは、低級シクロアルキルであることができ、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ及び低級アルコキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;そしてY4dは、アミノであることができ、1つ以上の低級アルキル、アルコキシ低級アルキル又はヒドロキシ低級アルキルで場合により置換されている。ここでXは、CH又はNであることができ、Rは、H、−R1、−R1−R2−R3、−R1−R3又は−R2−R3であることができ;R1は、アリール、ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであることができ、これらの各々は、1つ以上の低級アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、シアノ、オキソ又は低級ハロアルキルで場合により置換されていることができ;R2は、−C(=O)、−C(=O)O、−C(=O)NR2’、−NHC(=O)O、−C(R2’)2、−O、−S、−C(=NH)NR2’又は−S(=O)2であることができ;各R2’は、独立にH又は低級アルキルであることができ;R3は、H又はR4であることができ;R4は、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、低級アルキルヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール低級アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、低級アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル低級アルキル、二環式シクロアルキル、二環式ヘテロシクロアルキル、スピロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル又は二環式スピロヘテロシクロアルキルであることができ、これらの各々は、1つ以上の低級アルキル、ハロ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、アシル、シアノ、オキソ、スルホニル、低級アルキルスルホニル、グアニジノ、ヒドロキシルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、ハロ低級アルコキシ、ヘテロシクロアルキル又はハロ低級アルキルで場合により置換されていることができ、ここで、2つの低級アルキル基は一緒になって、環を形成していてよく;R’は、H、低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル又はヘテロシクロアルキル又は低級ハロアルキルであることができ;R3’は、H、低級アルキルであることができ、又は一緒になってスピロシクロアルキルを形成することができ;そしてR4’は、H、低級アルキルであることができ、又は一緒になってヘテロシクロアルキルを形成することができ、場合によりハロゲンで置換されている。
式中、Rは、H、低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル又はヘテロシクロアルキル又は低級ハロアルキルであることができる。
医薬組成物及び投与
本発明の化合物は、多種多様な経口投与剤形及び担体で処方しうる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、液剤、乳剤、シロップ剤又は懸濁剤の形態で行うことができる。本発明の化合物は、他の投与経路の中でもとりわけ、持続的(静脈内点滴)局所非経口的、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(透過促進剤を含みうる)、舌下、経鼻、吸入及び坐薬投与を含む他の投与経路により投与されたときに有効である。好ましい投与様式は、一般に、苦痛の度合い及び活性成分に対する患者の反応に応じて調節することができる、好都合な一日投与レジメンを使用する経口投与である。
本発明の化合物及びそれらの薬学的に使用しうる塩は、1種以上の従来の賦形剤、担体又は希釈剤と共に、医薬組成物の形態及び単位投薬形態にしてもよい。医薬組成物及び単位投薬形態は、追加の活性化合物又は成分を伴うか又は伴わない、従来の割合の従来の成分を含むものであってよく、そして単位投薬形態は、利用すべき所期の1日用量範囲に見合う、任意の好適な有効量の活性成分を含んでもよい。医薬組成物は、経口使用のために、錠剤又は充填カプセル剤などの固体として、半固体として、粉末として、徐放製剤として、あるいは液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤又は充填カプセル剤などの液体として;あるいは直腸内又は膣内投与用の坐剤の剤形で;あるいは非経口使用のために無菌注射剤の剤形で利用してもよい。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含む。「製剤」又は「投与剤形」という用語は、活性化合物の固体及び液体製剤の両方を含むことが意図されており、当業者は、活性成分が、標的臓器又は組織及び所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて、異なる製剤として存在することができることを理解するであろう。
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にもそれ以外でも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用である化合物を指し、獣医学的使用ならびにヒトに対する薬学的使用を許容しうる賦形剤を含む。本発明の化合物は単独で投与することができるが、一般的には、意図した投与経路及び標準的な製薬法に関して選択された1種以上の好適な医薬賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与される。
「薬学的に許容しうる」とは、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にもそれ以外でも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用であるものを意味し、そして獣医学用ならびにヒトに対する薬学的使用に許容しうるものを含む。
活性成分の「薬学的に許容しうる塩」の形態はまた、まず非塩形態においては存在しなかった望ましい薬物動態学的特性を活性成分に付与し、そして身体におけるその治療活性の点で活性成分の薬力学に良い影響を与えることさえある。化合物の「薬学的に許容しうる塩」という語句は、薬学的に許容することができ、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩には:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成される酸付加塩;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンにより置換されているか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合するかのいずれかの場合に形成される塩が挙げられる。
固体形態の製剤には、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩解剤又はカプセル化材料としても作用しうる1種以上の物質であってよい。粉末剤では、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。錠剤では、活性成分は、一般に、必要な結合能力を有する担体と好適な割合で混合され、所望の形状及び大きさに成形される。好適な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオバターなどが含まれるが、これらに限定されない。固体形態の製剤は、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してもよい。
液体製剤もまた経口投与に適しており、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体製剤が含まれる。これらには、使用の直前に液体形態の製剤に変換されることが意図される固体形態の製剤が含まれる。乳剤は、溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液で調製してもよく、あるいはレシチン、ソルビタンモノオレアート又はアカシアなどの乳化剤を含有してもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、好適な着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の周知の懸濁化剤などの粘性材料と共に水に分散することにより調製することができる。
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注入又は持続注入による)のために処方してもよく、アンプル、充填済注射器(pre-filled syringes)、小量注入容器に単位用量形態で、又は防腐剤を添加した複数回投与用容器中に存在してもよい。組成物は、油性又は水性溶剤中の懸濁剤、液剤又は乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとってもよい。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又は溶剤の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)が含まれ、そして防腐剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有してもよい。代替的には、活性成分は、好適な溶剤、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて使用前に構成されるための、滅菌固体の無菌分離によるか又は溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってもよい。
本発明の化合物は、軟膏、クリーム剤もしくはローション剤として又は経皮貼布として表皮に局所投与するために処方してもよい。軟膏及びクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加した水性又は油性基剤と共に処方してもよい。ローション剤は水性又は油性基剤と共に処方してもよく、一般に、1つ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤又は着色剤も含む。口腔内の局所投与に好適な製剤には、風味付けした基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性化剤を含むロゼンジ剤;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;ならびに好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が含まれる。
本発明の化合物は坐剤としての投与のために処方してもよい。脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物のような低融点ロウを最初に溶融し、活性化合物を、例えば撹拌により均質に分散する。次に均質溶融混合物を、都合のよい大きさの成形型に注いで、放冷及び固化させる。
本発明の化合物は膣内投与用に処方してもよい。活性成分に加えて、適切であることが当技術分野で公知である担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーが挙げられる。
本発明の化合物は、経鼻投与用に処方してもよい。液剤又は懸濁剤は、例えば点滴器、ピペット又はスプレーのような従来の手段により直接鼻腔に塗布する。製剤は単回又は複数回投与形態で提供しうる。後者の点滴器又はピペットの場合、これは、適切な所定量の液剤又は懸濁剤を患者が投与することで達成しうる。スプレーの場合、これは、例えば計量噴霧スプレーポンプにより達成しうる。
本発明の化合物は、特に、鼻内投与を含む、気道へのエアゾール投与用に処方してもよい。化合物は、一般に、例えば5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有する。このような粒径は、例えば微粉化など、当技術分野で公知の手段により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素、あるいは他の好適なガスのような好適な噴霧剤を用いた加圧パック内で提供される。エアゾールはまた、好都合には、レシチンなどの界面活性剤を含有しうる。薬物の用量は、計量弁により調節されうる。代替的には、活性成分は、乾燥粉末、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)のような好適な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供されうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ又はブリスターパックの単位用量形態で存在してもよく、これから粉末剤が吸入器により投与されうる。
所望であれば、製剤は、活性成分の徐放又は制御放出投与に適合するように、腸溶コーティングを用いて調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達装置内に処方することができる。これらの送達系は、化合物の徐放が必要であり、患者の治療レジメンに対するコンプライアンスが重要である場合に有益である。経皮送達系における化合物は、多くの場合、皮膚付着固体支持体に付着させる。目的の化合物はまた、浸透向上剤、例えばAzone(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。徐放出送達系は、手術又は注入により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えばシリコーンゴム、又は生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に化合物を封入する。
医薬担体、希釈剤及び賦形剤を伴った適切な製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton、Pennsylvaniaに記載されている。熟練した製剤科学者は、本発明の組成物を不安定にしたり、あるいはその治療活性を損なったりすることなく、特定の投与経路のための多数の製剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で製剤を変更しうる。
本発明の化合物を水又は他の溶剤中でより可溶性にするためのその変更は、例えば、わずかな変更(塩形成、エステル化等)により容易に達成することができ、それは十分に、当技術分野における通常の技術の範囲内である。また、患者における最大限の有益な効果のために本発明の化合物の薬物動態を管理する目的で、特定の化合物の投与経路及び投薬レジメンを変更することもまた、十分に、当技術分野における通常の技術の範囲内である。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、個体における疾患の症状を軽減するために必要な量を意味する。用量は、それぞれの特定の症例における個別の要件に適合される。用量は、治療される疾患の重篤度、患者の年齢及び身体全体の健康状態、患者が治療を受けている他の医薬、投与経路及び形態、ならびに関与する医師の好み及び経験のような多数の要因に応じて広い範囲で変化させることができる。経口投与では、1日あたり約0.01〜約1000mg/kg体重の1日投与量が、単独療法及び/又は併用療法で適切である。好ましい1日投与量は、1日あたり、約0.1〜約500mg/kg体重、より好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgの人に対する投与では、投与量範囲は、1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日投与量は、単回投与として又は分割投与で、典型的には1日あたり1〜5回投与で投与することができる。一般に、処置は、化合物の最適用量未満の少量の投与量で始められる。その後、投与量は、個別の患者に最適な効果が達成されるまで少量ずつ増加される。本明細書に記載されている疾患を処置する通常の技術を有する当業者は、過度の実験を行うことなく、個人的な知識、経験及び本出願の開示に拠り、所与の疾患及び患者のために、治療有効量の本発明の化合物を確認することが可能となるであろう。
医薬製剤は、好ましくは単位投薬形態である。そのような形態では、製剤は、適量の活性成分を含有する単位用量に細分化される。単位投薬形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤などの製剤の別個の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はロゼンジ剤自体であることができるか、あるいはそれはこれら任意のものの適切な数のパッケージ形態であることができる。
適応症及び処置方法
本明細書に記載のピリダジノン誘導体は、キナーゼインヒビター、特にBtkインヒビターである。これらのインヒビターは、哺乳動物において、Btk阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に対して応答性のある疾患を含む、キナーゼ阻害に対して応答性のある1つ以上の疾患を処置するのに有用であることができる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、本発明の化合物のBtkとの相互作用により、Btk活性の阻害、ひいてはこれらの化合物の薬学的有用性がもたらされると考えられる。したがって、本発明は、Btk活性の阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に対して応答性のある疾患を有する哺乳動物、例えば、ヒトの処置方法であって、かかる疾患を有する哺乳動物に、本明細書で提供される有効量の少なくとも1つの化学物質(chemical entity)を投与することを含む方法を包含する。有効濃度は、例えば、化合物の血液濃度をアッセイすることにより実験的に、あるいは生物学的利用能を計算することにより理論的に確定しえる。Btkに加えて、影響を受け得る他のキナーゼには、他のチロシンキナーゼ及びセリン/トレオニンキナーゼが含まれるが、これらに限定されない。
キナーゼは、増殖、分化及び死(アポトーシス)のような基本的な細胞過程を制御するシグナル伝達経路において注目に値する役割を果たす。異常なキナーゼ活性は、多発性癌、自己免疫性及び/又は炎症性疾患、ならびに急性炎症反応を含む広範な疾患に関与している。主要な細胞シグナル伝達経路におけるキナーゼの多面的な役割は、キナーゼ及びシグナル経路を標的とする新規な薬物を同定するための重要な機会を提供する。
実施態様は、自己免疫性及び/又は炎症性疾患、あるいはBtk活性及び/又はB細胞増殖の阻害に対して応答性のある急性炎症性反応を有する患者の処置方法を包含する。
本発明による化合物及び組成物を使用して影響を与えることができる自己免疫性及び/又は炎症性疾患には、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン(Sjogren)病、組織移植片拒絶及び移植器官の超急性拒絶、喘息、全身性エリテマトーデス(及び関連する糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA関連及び他の血管炎)、自己免疫性溶血及び血小板減少状態、グッドパスチャー(Goodpasture)症候群(ならびに関連する糸球体腎炎及び肺出血)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、敗血症性ショック、ならびに重症筋無力症が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に含まれるものは、本明細書で提供される少なくとも1つの化学物質を、抗炎症性薬剤と組み合わせて投与する処置方法である。抗炎症性薬剤には、NSAID、非特異的及びCOX−2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素インヒビター、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体アンタゴニスト、免疫抑制剤及びメトトレキサートが含まれるが、これらに限定されない。
NSAIDの例には、イブプロフェン、フルビプロフェン、ナプロキセン及びナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウムとミソプロストールとの組み合わせ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、ケトプロフェン、ナトリウムナブメトン、スルファサラジン、トルメチンナトリウム及びヒドロキシクロロキンが含まれるが、これらに限定されない。NSAIDの例には、セレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ及び/又はエトリコキシブのようなCOX−2特異的インヒビターも含まれる。
いくつかの実施態様において、抗炎症性薬剤は、サリチル酸塩である。サリチル酸塩には、アセチルサリチル酸又はアスピリン、サリチル酸ナトリウム、ならびにサリチル酸コリン及びサリチル酸マグネシウムが含まれるが、これらに限定されない。
抗炎症性薬剤はまた、コルチコステロイドであり得る。例えば、コルチコステロイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム又はプレドニゾンであり得る。
更なる実施態様において、抗炎症性薬剤は、金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィンのような金化合物である。
本発明はまた、抗炎症性薬剤が、代謝インヒビター、例えば、メトトレキサートのようなジヒドロ葉酸還元酵素インヒビター、又はレフルノミドのようなジヒドロオロト酸脱水素酵素インヒビターである実施態様を包含する。
本発明の他の実施態様は、少なくとも1つの抗炎症性化合物が、抗C5モノクローナル抗体(例えば、エクリズマブ又はパキセリズマブ)、TNFアンタゴニスト、例えば、抗TNFαモノクローナル抗体である、エタネルセプト又はインフリキシマブである組み合わせに関する。
本発明のさらに他の実施態様は、少なくとも1つの活性薬剤が、免疫抑制化合物、例えば、メトトレキサート、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン及びミコフェノール酸モフェチルより選択される免疫抑制化合物である組み合わせに関する。
BTKを発現するB細胞及びB細胞前駆体は、B細胞リンパ腫、リンパ腫(ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含む)、毛様細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性及び急性骨髄性白血病ならびに慢性及び急性リンパ性白血病を含むが、これらに限定されないB細胞悪性腫瘍の病理に関与している。
BTKは、B系列リンパ系細胞におけるFas/APO−1(CD−95)死誘導シグナル伝達複合体(DISC)のインヒビターであることが示されている。白血病/リンパ腫細胞の運命は、DISCにより活性化されるカスパーゼの相反するアポトーシス促進性効果とBTK及び/又はその基質を伴う上流の抗アポトーシス調節機構との間の均衡に存在しうる(Vassilev et al., J. Biol. Chem. 1998, 274, 1646-1656)。
Btkインヒビターが化学増感剤として有用であり、そしてそれゆえ他の化学療法薬、特にアポトーシスを誘導する薬物と組み合わせる際に有用であることも発見されている。化学増感Btkインヒビターと組み合わせて使用することができる他の化学療法薬の例には、トポイソメラーゼIインヒビター(カンプトテシン又はトポテカン)、トポイソメラーゼIIインヒビター(例えば、ダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン及びBCNU)、チューブリン指向剤(例えば、タキソール及びビンブラスチン)及び生物学的薬剤(例えば、抗CD20抗体のような抗体、IDEC8、免疫毒素、及びサイトカイン)が挙げられる。
Btk活性は、第9及び第22染色体の部分の転座によりもたらされるbcr−abl融合遺伝子を発現するいくつかの白血病にも関連している。この異常は、一般に、慢性骨髄性白血病に認められる。Btkは、bcr−ablキナーゼにより恒常的にリン酸化され、これが下流の生存シグナルを開始し、これがbcr−abl細胞におけるアポトーシスを回避する(N. Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005201(11):1837-1852)。
本発明の1つの実施態様は、炎症性及び/又は自己免疫病状を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の本出願のBtkインヒビター化合物を投与することを含む、方法である。
本発明の1つの実施態様は、リウマチ性関節炎を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の 本出願のBtkインヒビター化合物を投与することを含む、方法である。
本発明の1つの実施態様は、喘息を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の本出願記載のいずれかのBtkインヒビター化合物を投与することを含む、方法である。
本発明の1つの実施態様は、治療活性物質としての、本出願の化合物の使用である。
本発明の1つの実施態様は、炎症性及び/又は自己免疫病状の処置における使用のための、本出願の化合物である。
本発明の1つの実施態様は、リウマチ性関節炎又は喘息の処置における使用のための、本出願の化合物である。
本発明の1つの実施態様は、炎症性及び/又は自己免疫病状を処置するための、本出願の化合物の使用である。
本発明の1つの実施態様は、炎症性及び/又は自己免疫病状を処置するための医薬の製造ための、本出願の化合物の使用である。
一般的に使用される略語には、以下が挙げられる:アセチル(Ac)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、気圧(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカルボナート又はboc無水物(BOC2O)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、CAS登録番号/Chemical Abstracts Registration Number(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)、ジ−イソ−プロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)、ジ−イソ−ブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL又はDIBAL−H)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(Et2O)、エチルイソプロピルエーテル(EtOiPr)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート酢酸(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソ−プロパノール(IPA)、イソプロピルマグネシウムクロリド(iPrMgCl)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO2−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、n−ブチルリチウム(nBuLi)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、ジクロロ−((ビス−ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl2)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(Q−Phos)、室温(周囲温度、rt又はRT)、sec−ブチルリチウム(sBuLi)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMe2Si(TBDMS)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)、トリエチルアミン(TEA又はEt3N)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリフラート又はCF3SO2−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMe3Si(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−C6H4SO2−又はトシル(Ts)、N−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(XPHOS)。接頭辞ノルマル(n)、イソ−(i−)、第二級(sec−)、第三級(tert−)及びネオを包含する従来の命名法は、アルキル部分と共に使用される場合、その慣用の意味を有する(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979Pergamon Press, Oxford.)。
工程1. 6−ニトロ−3’,6’−ジヒドロ−2’H−[3,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
500mL丸底フラスコ中で、5−ブロモ−2−ニトロピリジン(6.56g、32.3mmol、当量:1)及びtert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(10g、32.3mmol、当量:1.00)を、ジオキサン(160ml)と合わせて、明黄色の溶液を得た。Cs2CO3(21.1g、64.7mmol、当量:2)及び水(6ml)を加えた。反応混合物をアルゴンで脱気してから、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(2.27g、3.23mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、そして15時間撹拌した。反応混合物をH2O 500mLに注ぎ、そしてEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、220g、ヘキサン中10%〜40%EtOAc)により精製して、ピンクの固体を得た。得られた固体をエーテルでトリチュレートして、所望の生成物を固体(4.8g)として得た。トリチュレーションからの濾液と最初のクロマトグラフィーからの混合画分とを合わせて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、220g、ヘキサン中20%〜40%EtOAc)により精製して、さらに生成物(2.2g)を得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.52 (s, 9 H) 2.59 (d, J=1.52 Hz, 2 H) 3.72 (t, J=5.56 Hz, 2 H) 4.19 (d, J=3.03 Hz, 2 H) 6.35 (br. s., 1 H) 7.97 (dd, J=8.46, 2.40 Hz, 1 H) 8.27 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 8.67 (d, J=2.27 Hz, 1 H).
工程2. 6−アミノ−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[3,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
500mL丸底フラスコ中で、EtOH(300ml)中のtert−ブチル4−(6−ニトロピリジン−3−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(4.9g、16.0mmol、当量:1.00)及び酢酸エチル(75ml)を、パラジウム担持炭素(1.32g、1.24mmol、当量:0.0773)と合わせた。反応混合物を水素で2回排気し、次に水素充填バルーンを取り付けた状態で、一晩撹拌した。LC/MS分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を窒素でパージし、そしてセライトを通して濾過した。セライトケークをEtOAcで数回洗浄した。無色の合わせた濾液と洗浄物とに、CH2Cl2を加え、そして溶液を蒸発乾固した。CH2Cl2を再び加え、そして溶液を真空下で濃縮して、定量的収率の所望の生成物を得た。(M+H)+ = 278 m/e.
工程3. 6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ)−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[3,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(3.59g、16.0mmol、当量:1.00)、tert−ブチル4−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート(4.45g、16.0mmol、当量:1.00)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(696mg、1.2mmol、当量:0.075)及び炭酸セシウム(18.3g、56.2mmol、当量:3.5)を、アルゴン雰囲気下、ジオキサン(150ml)中に懸濁した。最後にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(551mg、602μmol、当量:0.0375)を加えた。反応混合物を90℃で一晩で加熱した。反応混合物をセライトで濾過し、そしてセライトケークをジオキサンで数回洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を、真空下で濃縮し、そして得られた固体をEtOAcでトリチュレートし、エーテルで洗浄し、そして真空下50℃で一晩かけて乾燥させて、所望の生成物4.57gを白色の固体として得た。合わせた濾液と洗浄物とを蒸発乾固し、そしてCH2Cl2(4ml)に溶解し、そして粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、120g Analogixcolumn、20分かけてヘキサン中20%〜50%EtOAc)により精製して、さらに582mgを得た。全収率(5.15g、12.3mmol、収率76.4%)。(M+H)+ = 420 m/e; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.50 (s, 9 H) 1.54 - 1.69 (m, 3 H) 1.83(d, J=13.64 Hz, 2 H) 2.67(tt, J=12.38, 3.66 Hz, 1 H) 2.83 (t, J=13.14 Hz, 2 H) 3.82 (s, 3 H) 6.89 (d, J=8.59 Hz, 1 H) 7.51 (dd, J=8.46, 2.40 Hz, 1 H) 8.25 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 8.27 (br. s., 1 H) 8.30 (s, 1 H).
工程4a. 6−クロロ−2−メチル−4−(1’−メチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−2H−ピリダジン−3−オンの調製
tert−ブチル4−(6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イルアミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート(2.0g、4.76mmol、当量:1.00)を、ギ酸(40.0ml)及びホルムアルデヒド、37%(80.0ml)の溶媒混合物に溶解した。反応混合物を70℃で一晩、LCMS分析により反応の完了が判定されるまで撹拌し、次に周囲温度に冷ました。水を加え、そして得られた水性混合物をCH2Cl2で洗浄し、そしてCH2Cl2層を廃棄した。水層のpHを固体K2CO3を用いてpH=12に注意深く調整すると、固体が沈殿した。固体を濾過により回収し、水で洗浄し、そして真空オーブンで50℃で72時間かけて乾燥させ、所望の生成物1.4gを得た。(M+H)+ = 334 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.84 (dd, J=8.31, 3.02 Hz, 4 H) 1.99 - 2.19 (m, 2 H) 2.35 (s, 3 H) 2.42 - 2.68 (m, 1 H) 3.02 (d, J=12.09 Hz, 2 H) 3.81 (s, 3 H) 6.86 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.52 (dd, J=8.50, 2.46 Hz, 1 H) 8.16 - 8.33 (m, 3 H).
工程4b. 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドの調製
1Lの丸底フラスコ中で、6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(5.6g、25.4mmol、当量:1.00)をTHF(300ml)と合わせて無色の溶液を得た。水素化ナトリウム(1.12g、28.0mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を周囲温度で10分間撹拌した。2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(7.02g、28.0mmol、当量:1.1)を加え、そして反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応の完了が、LCMS分析により確認された。反応混合物を、飽和NH4Clでクエンチした。反応混合物を、H2O 200mLに注ぎ、そしてCH2Cl2で3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、次にNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。得られた鮮黄色の固体をフィルター漏斗に移し、そしてフラスコを少量のEtOAcで2回洗浄して、固体を確実に完全に漏斗に移した。液体を通して濾過した。固体をEtOAcで2回トリチュレートし、そして真空下で乾燥させて、所望の生成物をクリーム色の固体(8.09g、17.9mmol、収率70.5%)として得た。(M+H)+= 452 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 7.49 - 7.54 (m, 1 H) 7.54 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.03 (d, J=5.31 Hz, 1 H) 8.30 (d, J=2.53 Hz, 1 H) 8.37 (d, J=5.31 Hz, 1 H) 9.98 (s, 1 H).
工程5. 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−[1−メチル−5−(1’−メチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−3−カルバルデヒド
6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン(1.4g、4.19mmol、当量:1.00)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.17g、4.61mmol、当量:1.1)及び酢酸カリウム(1.23g、12.6mmol、当量:3)を、ジオキサン(60ml)中に懸濁した。反応混合物をアルゴン下で脱気した。X−PHOS(300mg、629μmol、当量:0.15)及び酢酸パラジウム(II)(47.1mg、210μmol、当量:0.05)を加え、そして反応混合物を窒素雰囲気下、100℃(外部温度)で1時間撹拌した。反応をLCMSで注意深くモニターした:アリコートをサンプリングし、そしてそれをメタノール中に溶解し、そして脱塩素副生物(M+1=300)の量を最小限にするように注意しながら、出発塩化物の消失と同時にボロン酸の出現(M+1=344)を探した。反応は、1時間後に完了した。加熱浴の温度を80℃に下げ、そしてフラスコを加熱浴から取り出したが、撹拌は続けた。2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒド(1.89g、4.19mmol、当量:1.00)及び炭酸カリウム(1.74g、12.6mmol、当量:3)を、続けて水(6.00ml)を加えた。トリシクロヘキシルホスフィン(118mg、419μmol、当量:0.1)及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(121mg、210μmol、当量:0.05)を加えた。反応混合物を激しく撹拌しながら80℃で加熱し、そして2時間撹拌し、そして次に反応混合物を周囲温度に冷ました。反応混合物を水に注ぎ、そして軽く振とうしてEtOAc(2X)中に抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄した。水相をCH2Cl2で3回抽出した。CH2Cl2及び酢酸エチル層を合わせ、そして合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質を、CH2Cl2 50ml中でスラリー化し、そしてEt2O200mlを加えた。固体を濾過し、そしてEt2Oで洗浄した。固体の第二のバッチが沈殿し、これを濾過により回収し、そしてエーテルで洗浄した。2つのバッチは、相似したLCMS及び1H−nmrスペクトル(これは、所望の生成物と一致した)を示し、これらを合わせて生成物1.62gを得た。(M+H)+= 623 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.42 (s, 9 H) 1.88 (br. s., 3 H) 2.39 (br. s., 3 H) 2.46 - 2.64 (m, 1 H) 3.05 (br. s., 2 H) 3.89 (s, 3 H) 6.91 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.38 - 7.66 (m, 3 H) 7.76 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 8.19 - 8.38 (m, 3 H) 8.81 (s, 1 H) 8.87 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 10.11 (s, 1 H)。
実施例1
工程6.6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(1’−メチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オン
250mLの丸底フラスコ中で、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−(1−メチル−5−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)ニコチンアルデヒド(1.62g、2.6mmol、当量:1.00)を、乾燥CH2Cl2(45ml)及び乾燥MeOH(20mL)と合わせて褐色の溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(177mg、4.68mmol、当量:1.8)を加え、そして反応物を周囲温度で1時間撹拌してから、飽和NH4Clでクエンチした。反応混合物をH2O 50mLで希釈し、そしてCH2Cl2(3×150mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー[CH2Cl2中のシリカゲル、80g、0%〜50%(60:10:1CH2Cl2:MeOH:NH4OH)]により精製して、僅かに不純な泡状物を得た。泡状物をEt2O30ml及びEtOAc10ml中でスラリー化し、そして重い撹拌バーでゆっくりと1時間撹拌して、白色の固体を得た。固体を濾過により回収し、真空下50℃で48時間乾燥させて、所望の生成物を白色の固体(880mg)として得た。(M+H)+ = 625 m/e.1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 1.87 (br. s., 3 H) 2.15 (br. s., 2 H) 2.39 (br. s., 3 H) 2.52 (t, J=7.74 Hz, 1 H) 3.04 (br. s., 2 H) 3.82 - 3.91 (m, 1 H) 3.93 (s, 3 H) 4.46 - 4.63 (m, 2 H) 6.93 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.42 - 7.59 (m, 3 H) 7.64 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 8.15 - 8.39 (m, 3 H) 8.70 (s, 1 H) 8.73 (d, J=4.91 Hz, 1 H)
工程1. 2−クロロ−5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジンの調製
100mL丸底フラスコを、アルゴン雰囲気下に置き、そして真空によりアルゴンで脱気した。溶媒(ヘキサン(4ml)及びトルエン12ml))をフラスコに加えた。N,N−ジメチルエタノールアミン(1.07g、1.21ml、12.0mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却した。N−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M 8.66ml、21.6mmol)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を−20℃に冷却した。(S)−3−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン(650mg、0.64ml、4.01mmol)を加えた。反応混合物を、−20℃で1時間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、そしてヘキサクロロエタン(3.8g、16.0mmol)をトルエン(8ml)中で加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。反応を飽和NaHCO3(4mL)で冷クエンチした。LCMSは、反応で得られた所望の位置異性体と望ましくない6−クロロピリジン生成物との比が6:1であることを示した。反応混合物を、H2O 50mLに注ぎ、そしてCH2Cl2(3×125mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中0%〜55%EtOAc)により精製して、所望の生成物(467mg、59%)を得た。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.56 - 2.05 (m, 3 H) 2.16 - 2.40(多重項及び重なっている一重項, 5 H) 3.09 (t, J=8.31 Hz, 1 H) 3.17 - 3.29 (m, 1 H) 7.23 - 7.32 (m, 1 H) 7.68 (dd, J=8.12, 2.45 Hz, 1 H) 8.30 (d, J=2.27 Hz, 1 H)
工程2. 5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミンの調製
75mL密閉管において、(S)−2−クロロ−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン(622mg、3.16mmol)及び2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(222mg、633μmol)をTHF(15ml)と合わせて、明黄色の溶液を得た。溶液をアルゴンで脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(290mg、316μmol)を加えた。LiHMDS(THF中1M溶液9.49ml、9.49mmol)を加えた。反応物をアルゴン雰囲気下に置き、そして密閉した。反応混合物を90℃に加熱し、そして15時間撹拌した。反応の完了を薄層クロマトグラフィーにより確認した。反応混合物を室温に冷まし、そしてEtOAcで希釈した。反応混合物を、飽和NH4Cl 150mLに注ぎ、そしてEtOAc(4×75mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質を段階勾配を有するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、10%〜50%(60:10:1 CH2Cl2:メタノール:NH4OH)/CH2Cl2)により精製して、所望の生成物(560mg、99%)を得た。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.57 - 2.03 (m, 3 H) 2.04 - 2.39(多重項及び重なっている一重項, 5 H) 2.92 (t, J=8.12 Hz, 1 H) 3.14 - 3.29 (m, 1 H) 4.40 (br. s., 2 H) 6.51 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.47 (dd, J=8.31, 2.27 Hz, 1 H) 7.95 (d, J=2.27 Hz, 1 H)
工程3. 6−クロロ−2−メチル−4−[5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オンの調製
50mLの丸底フラスコ中で、5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミン(560mg、3.16mmol)、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(847mg、3.79mmol)及び炭酸セシウム(3.09g、9.48mmol)を、ジオキサン(25ml)と合わせて、橙色の懸濁液を得た。4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(274mg、474μmol、当量:0.15)を、続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(145mg、158μmol、当量:0.05)を加えた。反応物をアルゴンで10分間脱気し、そして95〜105℃で4時間加熱した。アニリン出発物質は残存しなかった。反応混合物を、CH2Cl2 200mlで希釈した。MgSO4を加え、そして混合物を5分間撹拌した。反応物を濾過し、そしてフィルターケークをCH2Cl2で数回洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を真空下で濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、CH2Cl2中1%〜2%MeOH)により精製して、所望の生成物(522mg、52%)を得た。(M+H)+ = 320 m/e.
実施例2
工程4. 6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−[5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物85mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 611 m/e. 1H NMR 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.41 - 1.46 (m, 9 H) 2.19 (br. s., 3 H) 2.98 - 3.34 (m, 1 H) 3.88 (s, 1 H) 3.93 (s, 3 H) 4.46 - 4.64 (m, 2 H) 6.97 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.43 - 7.79 (m, 4 H) 8.21 - 8.38 (m, 3 H) 8.65 - 8.84 (m, 2 H)
(M+H)+ = 611 m/e.
I−3の調製
工程1. 6−クロロ−2−メチル−4−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オンの調製
(6−アミノピリジン−3−イル)(モルホリノ)メタノン(58g、280mmol、当量:1.00)、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(63.66g、285mmol、当量:1.02)及び(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(4.86g、8.4mmol、当量:0.03)を、加熱下、DMF(1.1l)に溶解した。炭酸セシウム(274g、840mmol、当量:3)を加えた。最後にPd2(dba)3(3.84g、4.2mmol、当量:0.015)をアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物を93℃(内部温度)に3時間に加熱した。温かい反応混合物を水/氷(10l)に注いだ。ベージュ色の沈殿を濾過により回収し、そして水(2l)で洗浄した。得られた固体をDCM(5l)に溶かし、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮して固体を得て、これをイソプロパノール(700ml)でトリチュレートし、濾過し、そして真空下で乾燥させて、所望の生成物(70.24g)をベージュ色の固体として得た。(M+H)+ = 350 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.56 - 3.79 (m, 8 H) 3.83 (s, 3 H) 6.96 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.77 (dd, J=8.31, 2.27 Hz, 1 H) 8.34 - 8.42 (m, 2 H) 8.47 (d, J=2.27 Hz, 1 H).
実施例3
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物165mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 641 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 3.54 - 3.84 (m, 8 H) 3.94 (s, 3 H) 4.57 (s, 2 H) 7.03 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.45 - 7.59 (m, 2 H) 7.64 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.79 (dd, J=8.69, 2.27 Hz, 1 H) 8.33 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.41 - 8.55 (m, 2 H) 8.74 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 8.77 (s, 1 H).
I−4の調製
工程1. 6−クロロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンの調製
丸底フラスコ中に、アルゴン下、油分散液中の95%水素化ナトリウム1.14g及びテトラヒドロフラン(Aldrich、無水、インヒビターなし)90mLを入れた。混合物を氷浴中に冷やし、そして5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−アミン 3.10gを一回で加えた。冷却浴を除去し、そして混合物を室温で撹拌した。15分間後、混合物を氷浴中に冷やし、そして4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン 4.103gを一度に加えた。冷却浴を除去し、そして混合物を室温で撹拌した。90分間後、混合物を氷浴中に冷やし、そして0.5M塩酸90mLを滴下(最初の数滴でガス発生、赤褐色から明黄褐色に色が変化、15分間添加)することによりクエンチした。冷却浴を除去し、混合物をさらに15分間撹拌し、そして固体を吸引濾過により回収し、水、次にエーテルで洗浄した。固体を一晩空気乾燥して、所望の生成物(5.05g)を明黄色の固体として得た。H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δ ppm 3.25 (s, 3 H) 3.69 (s, 3 H) 7.73 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 8.16 (dd, J=1.00 Hz, 1 H) 8.42 (s, 1 H) 8.83 (d, J=2.27 Hz, 1 H).
実施例4
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物65mgを白色の固体として得た。(M+H)+= 606 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 3.11 (s, 3 H) 3.96 (s, 3 H) 4.58 (s, 2 H) 7.09 (d, J=9.06 Hz, 1 H) 7.49 - 7.59 (m, 2 H) 7.64 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 8.11 (dd, J=8.69, 2.27 Hz, 1 H) 8.34 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.64 (s, 1 H) 8.75 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 8.91 (s, 2 H).
I−5の調製
工程1. 6−クロロ−N,N−ジメチル−ニコチンアミドの調製
500mL丸底フラスコ中で、6−クロロニコチノイルクロリド(8g、45.5mmol、当量:1.00)をアルゴン下、DCM(200ml)中に溶解し、そして0℃に冷却した。この溶液に、ジメチルアミン(THF中2M 90.9ml、182mmol、当量:4)を、温度を10℃未満に維持しながら15分間かけて滴下した。氷浴を除去し、そして反応物を3時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)、20%炭酸カリウム(200mL)及び水(100mL)で洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させた。溶媒を除去して黄色の油状物を得て、これを放置して凝固させた。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 2.76 - 3.27 (m, 6 H) 7.38 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.74 (dd, J=8.12, 2.46 Hz, 1 H) 8.46 (d, J=2.64 Hz, 1 H)
工程2. 6−アジド−N,N−ジメチル−ニコチンアミドの調製
500mL丸底フラスコ中で、6−クロロ−N,N−ジメチルニコチンアミド(8.15g、44.1mmol)をDMF(50.0ml)と合わせて褐色の溶液を得た。アジ化ナトリウム(3.44g、53.0mmol)を加え、そして反応混合物を120℃に加熱し、そして60時間撹拌した。反応混合物を、100mL H2Oで希釈し、そしてEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、H2O(1×50mL)、飽和NaCl(1×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮して黄色の油状物を得た。MeOHを加え、そして全混合物を濃縮凝固させた。粗生成物を真空下で一晩乾燥させた。ペースト状の固体をEtOAc/Hexから再結晶化させた。固体を濾過し、そして最少量のヘキサンで洗浄した。白色の粉体を真空下45℃で3時間乾燥させて、標記化合物2.23g(26%)を得た。1H NMR(300MHz, クロロホルム-d) δ: 8.95 (s, 1H), 8.09 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 9.1, 1.5 Hz, 1H), 3.15 (br. s., 6H).
工程3. 6−アミノ−N,N−ジメチル−ニコチンアミドの調製
250mLの丸底フラスコ中で、6−アジド−N,N−ジメチルニコチンアミド(2.26g、11.8mmol)を酢酸エチル(50ml)及びメタノール(30ml)と合わせて、黄色の溶液を得た。10%Pd/C(200mg、1.88mmol)を加え、そして反応混合物を排気し、そしてH2で2回満たした。反応混合物を、H2バルーン圧下25℃で17時間撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、そしてフィルターケーキをMeOHで洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、そしてクリーム色の固体を真空下45℃で3時間乾燥させて、標記化合物を定量的な収率で得た。(M+H)+ = 166 m/e. 1H NMR(300MHz, クロロホルム-d) δ: 8.21 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.3, 2.3 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.69 (br. s., 2H), 3.08 (s, 6H).
実施例5
6−{6−[2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ}−N,N−ジメチル−ニコチンアミドの調製
6−アミノ−N,N−ジメチル−ニコチンアミドを(6−アミノピリジン−3−イル)(モルホリノ)メタノンの代わりに用いた以外、実施例3と同様の手順で調製して、標記化合物163mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 599 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.43 (s, 9 H) 3.12 (s, 6 H) 3.94 (s, 3 H) 4.57 (s, 2 H) 7.00 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.48 - 7.59 (m, 2 H) 7.64 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.80 (dd, J=8.50, 2.08 Hz, 1 H) 8.32 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 8.42 - 8.51 (m, 2 H) 8.74 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 8.78 (s, 1 H).
I−6の調製
工程1. 2−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒド
50mLの丸底フラスコ中で、6−シクロプロピル−8−フルオロイソキノリン−1(2H)−オン(364mg、1.79mmol、当量:1.00)をTHF(13.00ml)と合わせて、僅かに濁った無色の溶液を得た。THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1Mの2.15ml、2.15mmol、当量:1.2)を加えた。周囲温度で20分間撹拌した。THF5mL中の2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(629mg、2.51mmol、当量:1.4)を加えた。反応混合物を65℃に加熱し、そして3時間撹拌してから、室温に放冷した。反応物を飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで1回、そしてジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、DCM中1%〜2%MeOH)により精製して、そして次にEtOAcで泡立て、所望の生成物(純度90%、423mg)を明黄色の粉体として得た。生成物をそのまま次の工程で用いた。(M+H)+ = 435 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.74 - 0.92 (m, 2 H) 1.03 - 1.20 (m, 2 H) 1.91 - 2.05 (m, 1 H) 6.56 (dd, J=7.74, 2.08 Hz, 1 H) 6.78 (dd, J=12.84, 1.51 Hz, 1 H) 7.02 (d, J=1.51 Hz, 1 H) 7.51 (d, J=7.93 Hz, 1 H) 7.89 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 8.25 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 9.91 (s, 1 H).
実施例6
工程2. 6−{6−[2−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ}−N,N−ジメチル−ニコチンアミドの調製
6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ)−N,N−ジメチル−ニコチンアミドを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに用い、さらに2−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物148mgを白色の固体として得た。(M+H)+= 582 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.81 - 0.93 (m, 2 H) 1.06 - 1.21 (m, 2 H) 1.90 - 2.14 (m, 1 H) 3.34 - 3.56 (m, 1 H) 3.94 (s, 3 H) 4.40 - 4.66 (m, 6 H) 6.51 - 6.62 (m, 1 H) 6.82 (d, J=12.84 Hz, 1 H) 7.02 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.07 (s, 1 H) 7.19 - 7.31 (m, 4 H) 7.61 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.80 (dd, J=8.31, 2.27 Hz, 1 H) 8.42 - 8.52 (m, 2 H) 8.69 (dd, J=4.91, 0.76 Hz, 1 H) 8.78 (s, 1 H).
工程1. 2,5−ジ−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オンの調製
バブラーに接続した添加漏斗と窒素注入口とを取り付けたN2でパージした1Lの3つ口フラスコ中で、N,4−ジ−tert−ブチルベンズアミド(5g、21.4mmol、当量:1.00)をTHF(200ml)と合わせて、明黄色の溶液を得た。反応物を−78℃に冷却した。シクロヘキサン中のsec−ブチルリチウム(1.4M 31.4ml、43.9mmol、当量:2.05)をゆっくりとN2流下で滴下した。黄色の溶液が得られた。反応混合物を、−15℃に1時間温めた。淡黄色の懸濁液が得られた。反応混合物を、−78℃に冷却し戻した。乾燥DMF(3.13g、3.32ml、42.9mmol、当量:2)を滴下した。反応混合物を室温に温まるにまかせた。飽和NH4Cl30mLをゆっくりと0℃で加えた。反応混合物をH2O 150mLに注ぎ、そしてEtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、ヘキサン中0%〜40%EtOAc)により精製して、所望の生成物(4.9g、88%収率)を得た。(M+H)+ = 262 m/e.
工程2. 6−tert−ブチル−2H−フタラジン−1−オンの調製
250mLの丸底フラスコ中で、2,5−ジ−tert−ブチル−3−ヒドロキシイソインドリン−1−オン(4.9g、18.7mmol、当量:1.00)を酢酸(60ml)と合わせて、無色の溶液を得た。反応物を90℃に加熱した。ヒドラジン一水和物(1.61g、1.57ml、20.6mmol、当量:1.1)を滴下した。反応物を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を、H2O 24mLで希釈し、そしてゆっくりと3時間かけて25℃に冷却した。反応混合物を乾固させない程度に濃縮した。反応混合物をジクロロメタン中に溶かした。反応混合物を、飽和NaHCO3 75mLに注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮して、純粋な生成物を白色の固体として得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、DCM中1%〜4%MeOH)により精製して、所望の生成物(3.7g)を白色の固体として得た。(M+H)+ = 203 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.32 (s, 9 H) 6.58 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 6.76 (dd, J=8.31, 1.89 Hz, 1 H) 7.06 (s, 1 H) 7.26 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 9.19 (br. s., 1 H).
工程3. 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドの調製
100mLの丸底フラスコ中で、6−tert−ブチルフタラジン−1(2H)−オン(700mg、3.46mmol、当量:1.00)をTHF(30ml)と合わせて、無色の溶液を得た。水素化ナトリウム(152mg、3.81mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、周囲温度で15分間撹拌した。THF10mL中の2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(956mg、3.81mmol、当量:1.1)の溶液を反応混合物に加え、そしてそれを周囲温度で3.5時間撹拌した。反応は完了しなかった。NaH50mgをさらに加えた。反応物をさらに1.5時間撹拌してから、飽和NH4Clを加えた。反応混合物をH2O 100mLに注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出した(5×50mL)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、ヘキサン中10%〜60%EtOAc)により精製して、僅かに不純な生成物を得た。生成物をEtOAcでトリチュレートして、所望の生成物をクリーム色の固体として得た。合わせた濾液及びトリチュレーションからの洗浄物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、ヘキサン中10%〜60%EtOAc)及びEtOAcでのトリチュレーションにより再精製して、さらに生成物をクリーム色の固体として得た。生成物の2つのバッチを合わせて、所望の生成物320mgを得た。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 7.74 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 7.89 (dd, J=8.50, 1.70 Hz, 1 H) 8.02 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 8.28 - 8.44 (m, 3 H) 9.92 (s, 1 H)(M+H)+= 434 m/e.
実施例7
6−tert−ブチル−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、そして2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物115mgを白色の固体として得た。(M-H)+ = 621 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.47 (s, 9 H) 3.58 - 3.87 (m, 6 H) 3.96 (s, 3 H) 4.57 (br. s., 2 H) 7.05 (dd, J=8.53, 0.50 Hz, 1 H) 7.65 (d, J=5.02 Hz, 1 H) 7.80(td, J=4.27, 2.26 Hz, 2 H) 7.95 (dd, J=8.41, 1.88 Hz, 1 H) 8.41 (s, 1 H) 8.47 (dd, J=5.02, 3.26 Hz, 2 H) 8.50 (s, 1 H) 8.77 (d, J=5.02 Hz, 1 H) 8.81 (s, 1 H).
実施例8
2’−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オンの調製
50mLの丸底フラスコ中で、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒド(105mg、233μmol、当量:1.00)及び1−メチル−3−(5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イルアミノ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オン(123mg、279μmol、当量:1.20)をジオキサン(5ml)と合わせて、明黄色の溶液を得た。水(1mL)を加え、炭酸カリウム(74.0mg、535μmol、当量:2.3)を加えた。反応物を溶液中にアルゴンを泡立て入れて5分間脱気した。トリシクロヘキシルホスフィン(6.53mg、23.3μmol、当量:.1)及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(6.69mg、11.6μmol、当量:0.05)を加えた。反応混合物を75℃に加熱し、そして1時間撹拌した。LCMS分析の判定によれば、ボロン酸エステルは消費された一方で、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドは依然残っていた。さらに1−メチル−3−(5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イルアミノ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オン 30mg及びリガンド 3mgならびに触媒を加え、そして反応混合物を75℃に加熱し、そして1時間撹拌した。
反応混合物を、H2O 50mLに注ぎ、そしてEtOAc(1X)及びMeOHを幾分(<5%)含むDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、24g、DCM中0.5%〜2%MeOH)により精製して、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−(1−メチル−5−(5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ニコチンアルデヒド 50mgを得た。
250mLの丸底フラスコ中で、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−(1−メチル−5−(5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ニコチンアルデヒド(50mg、78.4μmol、当量:1.00)を、ジクロロメタン(6ml)及びMeOH 2mLと合わせて、黄色の溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(3.56mg、94.1μmol、当量:1.2)を加えた。無色の溶液を周囲温度で1時間撹拌した。飽和NH4Cl 1mL、続いてH2O 5mLを加えた。混合物を5分間撹拌した。反応混合物をH2O 50mLに注ぎ、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、24g、DCM中1%〜3%MeOH)により精製して、所望の生成物(41mg)をオフホワイトの粉体として得た。(M+H)+ = 640 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.46 (s, 9 H) 3.50 - 3.85(一重項及び重なっている多重項, 11 H) 4.51 (br. s., 2 H) 6.90 (d, J=8.59 Hz, 1 H) 7.51 - 7.63 (m, 3 H) 7.71 (dd, J=8.59, 2.53 Hz, 1 H) 7.79 (d, J=2.53 Hz, 1 H) 8.26 (br. s., 1 H) 8.37 (d, J=1.52 Hz, 2 H) 8.70 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 8.82 (d, J=2.02 Hz, 1 H).
実施例9
2’−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オンの調製
50mLの丸底フラスコ中で、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒド(200mg、443μmol、当量:1.00)及び1−メチル−3−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イルアミノ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オン1(234mg、576μmol、当量:1.3)を、ジオキサン(5ml)中で合わせて、明黄色の溶液を得た。水(1mL)及び炭酸カリウム(141mg、1.02mmol、当量:2.3)を加えた。反応物を脱気し、溶液中にアルゴンを5分間泡立て入れた。トリシクロヘキシルホスフィン(12.4mg、44.3μmol、当量:.1)及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(12.7mg、22.2μmol、当量:0.05)を加えた。反応混合物を70℃に加熱し、そして3時間撹拌した。得られた反応混合物は、橙色の懸濁液であった。反応混合物を周囲温度に冷却し、EtOAcで希釈し、そして濾過した。得られた固体を、H2Oで3回、そして少量のEtOAcで3回、そしてエーテルで1回洗浄して、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−(1−メチル−5−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ニコチンアルデヒド154mgを得た。LCMSは、これが純粋な生成物であることを示した。(M+H)+= 603 m/e.
250mLの丸底フラスコ中で、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−(1−メチル−5−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ニコチンアルデヒド(154mg、256μmol、当量:1.00)を、ジクロロメタン(24ml)及びMeOH 2mLと合わせた。水素化ホウ素ナトリウム(14.5mg、383μmol、当量:1.5)を加え、そして反応懸濁液を周囲温度で1時間撹拌した。飽和NH4Cl 1mLを、次にH2O 5mLを加えた。混合物を5分間撹拌した。反応混合物をH2O 50mLに注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中1%〜3%MeOH)により精製して、所望の生成物(90mg)を白色の粉体として得た。(M+H)+ = 605 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.46 (s, 9 H) 3.10 (s, 3 H) 3.77 (s, 3 H) 4.51 (br. s., 2 H) 6.94 (d, J=8.59 Hz, 1 H) 7.48 - 7.65 (m, 3 H) 7.88 (d, J=2.53 Hz, 1 H) 8.00 (dd, J=8.59, 2.53 Hz, 1 H) 8.33 - 8.45 (m, 2 H) 8.71 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 8.82 (d, J=2.53 Hz, 1 H) 8.92 (d, J=2.53 Hz, 1 H).
工程1. 6−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イルアミノ)−N,Nジメチル−ニコチンアミドの調製
6−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルアミノ)ニコチン酸(3.7g、メチルエステルの加水分解から調製した(80:20純粋な酸:エステル、9.1mmol、1当量))、DIEA(1.77g、13.7mmol、1.5当量)、ジメチルアミン(2M 6.85mL、13.7mmol、1.5当量)及び(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(V)(6.06g、13.7mmol、1.5当量)を、THF 200mL中で合わせた。反応混合物を一晩撹拌し、次にほぼ濃縮乾固した。反応混合物を、NH4Cl/水(300mL)で希釈し、そしてEtOAc(3X250mL)で抽出した。有機相をNaHCO3/水(3X200mL)及び水(3X200mL)で洗浄した。次に合わせた有機相を濃縮して固体を得て、これをEtOH/Hexから再結晶化させて、所望の生成物(1.7g)を得た。(M+H)+ = 351, 353 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.11 (s, 6 H) 3.61 (s, 3 H) 6.80 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.03 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 7.69 (dd, J=8.69, 2.27 Hz, 1 H) 8.04 (s, 1 H) 8.42 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 8.74 (d, J=2.64 Hz, 1 H).
工程2. N,N−ジメチル−6−[1−メチル−2−オキソ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イルアミノ]−ニコチンアミドの調製
50mL丸底フラスコにおいて、6−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルアミノ)−N,N−ジメチルニコチンアミド(1.0g、2.85mmol、当量:1.00)及びビス(ピナコラト)ジボロン(795mg、3.13mmol、当量:1.1)を、1,4−ジオキサン(10.0ml)と合わせて、緑色の溶液を得た。反応混合物をすべて溶解するまで撹拌した。混合物をアルゴン下に置き、そして次に酢酸カリウム(838mg、8.54mmol、当量:3)を加えた。酢酸パラジウム(II)(12.8mg、56.9μmol、当量:0.02)及びX−PHOS(40.7mg、85.4μmol、当量:0.03)を反応混合物に加えた。混合物をアルゴン雰囲気下に置き、そして反応混合物を75℃に加熱し、そしてN2下1時間撹拌した。反応混合物を65℃に放冷し、次にセライトを通して濾過した。固体を温かいジオキサン(10ml)で洗浄し、そして周囲温度に冷ましてから、ヘキサン(30ml)を加えた。混合物を周囲温度で1時間置き、そして次に固体を濾過により回収し、そしてヘキサンで洗浄し、さらに真空オーブンで50℃で一晩乾燥させて、所望の生成物(227mg)を得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.36 (s, 12 H) 3.13 (s, 6 H) 3.66 (s, 3 H) 6.81 (d, J=8.59 Hz, 1 H) 7.43 (d, J=1.52 Hz, 1 H) 7.69 (dd, J=8.59, 2.53 Hz, 1 H) 7.96 (br. s., 1 H) 8.48 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.67 (d, J=1.52 Hz, 1 H).
実施例10
6−[2’−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−5−イルアミノ]−N,N−ジメチル−ニコチンアミドの調製
N,N−ジメチル−6−[1−メチル−2−オキソ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イルアミノ]−ニコチンアミドを、1−メチル−3−(5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イルアミノ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オンの代わりに用いた以外、実施例8と同様の手順で調製して、標記化合物54mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 598 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 3.11 (s, 6 H) 3.74 (s, 3 H) 4.49 (br. s., 2 H) 6.86 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.49 - 7.62 (m, 3 H) 7.70 (dd, J=8.50, 2.45 Hz, 1 H) 7.78 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 8.16 (br. s., 1 H) 8.36 (dd, J=8.88, 2.45 Hz, 2 H) 8.68 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 8.82 (d, J=2.27 Hz, 1 H).
実施例11
2’−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−3’−ヒドロキシメチル−1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オンの調製
2−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに用いた以外、実施例8と同様の手順で調製して、標記化合物 83mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 623 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.78 - 0.97 (m, 2 H) 1.09 - 1.23 (m, 2 H) 1.60 (br. s., 1 H) 1.94 - 2.10 (m, 1 H) 3.55 - 3.88(多重項及び重なっている一重項, 11 H) 4.29 - 4.62 (m, 2 H) 6.61 (dd, J=7.55, 1.89 Hz, 1 H) 6.79 - 6.96 (m, 2 H) 7.09 (d, J=1.51 Hz, 1 H) 7.21 - 7.27 (m, 1 H) 7.53 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 7.68 (dd, J=8.69, 2.27 Hz, 1 H) 7.96 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 8.26 (br. s., 1 H) 8.35 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 8.62 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 8.80 (d, J=2.27 Hz, 1 H).
実施例12
6−tert−ブチル−2−(3−ヒドロキシメチル−4−{1−メチル−5−[5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ピリジン−2−イル)−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−[5−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、そして2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物78mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 593 m/e.
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.47 (s, 9 H) 1.52 - 2.49(多重項及び重なっている一重項, 6 H) 2.99 - 3.38 (m, 1 H) 3.95 (s, 3 H) 4.01 (t, J=7.03 Hz, 1 H) 4.57 (d, J=6.02 Hz, 2 H) 7.00 (d, J=8.53 Hz, 1 H) 7.66 (d, J=5.02 Hz, 1 H) 7.73 (br. s., 1 H) 7.79 (d, J=1.76 Hz, 1 H) 7.94 (dd, J=8.41, 1.88 Hz, 1 H) 8.26 - 8.37 (m, 2 H) 8.40 (d, J=0.50 Hz, 1 H) 8.47 (d, J=8.53 Hz, 1 H) 8.72 - 8.81 (m, 2 H)
実施例13
6−tert−ブチル−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(1’−メチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オンの調製
2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物68mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 607 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.46 (s, 9 H) 1.75 - 2.26 (m, 5 H) 2.38 (br. s., 3 H) 2.44 - 2.61 (m, 1 H) 3.05 (d, J=10.20 Hz, 2 H) 3.93 (s, 3 H) 4.00 (t, J=6.99 Hz, 1 H) 4.55 (d, J=6.42 Hz, 2 H) 6.93 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.54 (dd, J=8.50, 2.45 Hz, 1 H) 7.64 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.77 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 7.92 (dd, J=8.50, 1.70 Hz, 1 H) 8.20 - 8.31 (m, 2 H) 8.39 (s, 1 H) 8.45 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 8.71 (s, 1 H) 8.74 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
I−14の調製
6−クロロ−4−(1’−エチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンの調製
250mLの丸底フラスコ中で、tert−ブチル4−(6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イルアミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート(620mg、1.48mmol、当量:1.00)を、ジクロロメタン(30ml)と合わせて、黄色の溶液を得た。TFA(3.37g、2.28ml、29.5mmol、当量:20)を加えた。反応物をN2下、周囲温度で24時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮してジクロロメタンに再溶解し、そして真空下で濃縮した。残留物をエーテル中でスラリー化し、そして真空下で濃縮して、TFA塩を得た。(M+H)+ = 320 m/e. 250mLの丸底フラスコ中で、得られたTFA塩をDCE(5.0ml)と合わせて、黄色の懸濁液を得た。ジクロロメタン10mLを加えて固体がほぼ溶液になるのを促進した。過剰なアセトアルデヒド(652mg、836μl,14.8mmol、当量:10.0)を加えた。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(471mg、2.22mmol、当量:1.5)を加えた。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。飽和NaHCO3を加え、そして反応混合物を5分間撹拌し、10%NaHCO3に注ぎ、ジクロロメタンで5回抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、24g、DCM中1%〜6%MeOH)により精製して、所望の生成物(400mg)を得た。(M+H)+= 348 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.18 (br. s., 3 H) 1.87 (br. s., 4 H) 2.07 (br. s., 1 H) 2.54 (br. s., 3 H) 3.16 (br. s., 2 H) 3.83 (s, 3 H) 6.88 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 7.55 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 8.17 - 8.38 (m, 3 H).
実施例14
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(1’−エチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−4−(1’−エチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル−6−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物61mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 639 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.03 - 1.24 (m, 3 H) 1.43 (s, 9 H) 1.69 - 2.20 (m, 6 H) 2.36 - 2.68 (m, 3 H) 3.12 (d, J=9.82 Hz, 2 H) 3.88 (t, J=7.18 Hz, 1 H) 3.92 (s, 3 H) 4.49 - 4.63 (m, 2 H) 6.92 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.46 - 7.59 (m, 3 H) 7.64 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 8.21 - 8.29 (m, 2 H) 8.32 (d, J=2.27 Hz, 1 H) 8.69 (s, 1 H) 8.73 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
工程1. エチル2−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)−2−メチルプロパノアートの調製
CH3CN300ml中の6−クロロピリジン−3−オール(40g、309mmol、当量:1.00)及びエチル2−ブロモ−2−メチルプロパノアート(63.2g、48.1ml、324mmol、当量:1.05)の溶液に、Cs2CO3(216g、664mmol、309mmol、当量:2.15)を加え、そして得られた反応混合物をアルゴン雰囲気下で48時間撹拌した。反応混合物を濾過し、そしてフィルターケークをEtOAcで十分洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を水(300ml)で希釈し、そして振とうして、それから有機相を回収した。水相をEtOAc(2×150ml)で逆抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空下で濃縮した。シリカの200gプラグを通して精製し、そして30%EtOAc/ヘキサンで溶出して、所望の生成物(51.1g)を明黄色の油状物として得た。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.27 (t, J=7.18 Hz, 3 H) 1.61 (s, 6 H) 4.24(q, J=7.18 Hz, 2 H) 7.12 - 7.25 (m, 2 H) 8.01 (d, J=2.64 Hz, 1 H).
工程2. 2−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)−2−メチルプロパナールの調製
窒素下、−20〜−30℃(CH3CN/CO2)に冷却した乾燥THF中のエチル2−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)−2−メチルプロパノアート(51.15g、210mmol、当量:1.00)の溶液に、LiAlH4の溶液(THF中1Mの294mL、294mmol、1.4当量)を10分間かけて滴下した。反応物を−20℃で1時間撹拌した。H2O(6.1mL)を徐々に添加し、続いて10分間撹拌し、5%NaOH(11.4ml)を徐々に添加し、続いて10分間撹拌し、そしてH2O(11.4mL)を徐々に添加し、続いて10分間撹拌することにより反応物をクエンチした。MgSO4を加えて水を吸収し、そして混合物をセライトプラグを通して濾過した。セライトケークをTHF(約400ml)で十分洗浄した。
濾過から得た固体アルミニウム塩を、THF(300ml)中で10分間撹拌し、濾過し、そしてTHFで十分洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を真空下で濃縮した。得られた残留物を、ジクロロメタン150mlに溶解し、そして同量の50%希釈ブラインで洗浄した。水相を逆抽出(2×100ml ジクロロメタン)した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空下で濃縮して、2−(6−クロロ−ピリジン−3−イルオキシ)−2−メチル−プロパン−1−オール(92%純度、41.17g)を明褐色の油状物として得た。
乾燥CH2Cl2 350mlを含有する、オーブンで乾燥させたフラスコを、アルゴン下で−78℃に冷却した。塩化オキサリル(31.0g、20.7mL,244mmol、当量:1.30)を加え、続いてDMSO(28mL,394mmol、2.1当量)を滴下した。混合物を10分間撹拌し、そして次にCH2Cl2 60mlに溶解した2−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)−2−メチルプロパン−1−オール(純度92%の物質41.17g、188mmol、当量:1.00)の溶液を徐々に滴下することにより加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌した。トリエチルアミン(105mL,751mmol、4当量)を加え、そして冷却浴を除去し、そして反応混合物を温めながら周囲温度まで1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(275mL)で希釈し、振とうし、そして有機相を回収し、同量のブラインで洗浄した。水相をDCM(2X150ml)で逆抽出した。合わせた有機物相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空下で濃縮した。この得られた残留物を、2%〜30%EtOAC/Hexの勾配で溶離するAnalogixMPLC(SF40−240Gカラム)で60分間かけて精製して、所望の生成物(37.1g)を明黄色の油状物として得た。(M+H)+ = 200 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 6 H) 7.07 - 7.34 (m, 2 H) 8.05 (d, J=3.02 Hz, 1 H) 9.79 (s, 1 H).
工程3. 5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−2−クロロ−ピリジンの調製
100気圧フラスコ中で、2−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)−2−メチルプロパナール(10g、50.1mmol、当量:1.00)、酢酸(5.7mL,100mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(22.3g、105mmol、当量:2.1)をジクロロメタン(58mL)に溶解し、そして0℃に冷却した。この溶液にアゼチジン(11.8mL,175mmol、3.5当量)を滴下により加えた。反応物を一晩55℃で加熱し、次に周囲温度に冷却した。反応混合物を、飽和NaHCO3 120ml及びジクロロメタン 80mlで希釈した。混合物を振とうし、そしてジクロロメタン層を回収した。有機層を5%NaHCO3(aq)の溶液100ml及び同量の50%希釈ブラインで再び洗浄した。水相をジクロロメタン 2×70mlで逆抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗生成物を100%DCM〜5%MeOH/DCM勾配で溶離するAnalogixMPLC(SF25-60g カラム)で精製して、所望の生成物:2−(6−クロロ−ピリジン−3−イルオキシ)−2−メチル−プロパン−1−オール(7.5g)の70:30の混合物を淡黄色の油状物として得た。次の工程でそのまま用いた。
工程4. 5−(1−(アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)ピリジン−2−アミンの調製
5−(1−(アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−2−クロロピリジン(3.5g、14.5mmol、当量:1.00)を、テトラヒドロフラン(78.0ml)中に溶解した。2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(1.02g、2.91mmol、当量:0.2、次にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.33g、1.45mmol、当量:0.1)をアルゴン雰囲気下で加えた。最後に、THF中の1M リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(43.6ml、43.6mmol、当量:3)を滴下した。反応混合物を、アルゴン雰囲気下、75℃で一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl 100mlに注ぎ、そしてEtOAc(100ml)で抽出した。有機相を50%希釈ブラインで洗浄した。水相を2X80ml EtOAcで逆抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質を、AnalogixMPLC(40gカラム(DCM中1%〜10%MeOHで溶離)で精製して、所望の生成物(1.66g)を褐色の粘性油状物として得た。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.18 (s, 6 H) 2.10(quin, J=7.08 Hz, 2 H) 2.54 (s, 2 H) 3.33 (t, J=6.99 Hz, 4 H) 4.25 (br. s., 2 H) 6.43 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.12 (dd, J=8.69, 2.64 Hz, 1 H) 7.79 (d, J=2.64 Hz, 1 H).
工程5. 4−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−クロロ−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンの調製
4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(2.18g、9.75mmol、当量:1.30)、5−(1−(アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)ピリジン−2−アミン(1.66g、7.5mmol、当量:1.00)、キサントホス(651mg、1.13mmol、0.15当量)及びCs2CO3(8.55g、26.3mmol、3.5当量)を、ジオキサン中で合わせ、そして反応混合物を真空下アルゴンで置き換えることにより脱気した。溶液に、Pd2(dba)3(515mg、563μM、0.075当量)を加え、そして混合物を再びアルゴンで脱気した。反応混合物を、アルゴン下、90℃で18時間撹拌してから、周囲温度に冷ました。反応混合物をセライトプラグを通して濾過した。セライトケークをTHF及びジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を真空下で濃縮した。粗生成物を、Analogix MPLC(60gカラム;0.5%〜15%MeOH/DCMで溶離)で精製して、所望の生成物(1.43g)を黄褐色の固体として得た。(M+H)+ = 364 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.24 (s, 6 H) 2.12(quin, J=7.08 Hz, 2 H) 2.59 (s, 2 H) 3.35 (t, J=6.99 Hz, 4 H) 3.81 (s, 3 H) 6.83 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.32 (dd, J=8.88, 2.83 Hz, 1 H) 8.09 (d, J=3.02 Hz, 1 H) 8.18 (s, 1 H) 8.25 (s, 1 H).
実施例15
2−(4−{5−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オンの調製
4−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−クロロ−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物99mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 655 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.25 (s, 6 H) 1.43 (s, 9 H) 2.13 (br. s., 2 H) 2.61 (br. s., 2 H) 3.37 (br. s., 4 H) 3.85 (t, J=6.99 Hz, 1 H) 3.92 (s, 3 H) 4.46 - 4.63 (m, 2 H) 6.91 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.34 (dd, J=9.06, 2.64 Hz, 1 H) 7.45 - 7.58 (m, 2 H) 7.64 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 8.09 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.24 - 8.37 (m, 2 H) 8.61 (s, 1 H) 8.73 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
実施例16
2−(4−{5−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−6−tert−ブチル−2H−フタラジン−1−オンの調製
4−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−クロロ−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに用い、そして2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物37mgをオフホワイト色の固体として得た。(M+H)+ = 637 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.27 (br. s., 6 H) 1.46 (s, 9 H) 2.16 (br. s., 2 H) 2.64 (br. s., 2 H) 3.39 (br. s., 4 H) 3.93 (s, 3 H) 3.97 (t, J=7.18 Hz, 1 H) 4.54 (d, J=6.42 Hz, 2 H) 6.91 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=7.55 Hz, 1 H) 7.64 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.77 (d, J=1.51 Hz, 1 H) 7.92 (dd, J=8.50, 1.70 Hz, 1 H) 8.09 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.28 (s, 1 H) 8.39 (s, 1 H) 8.45 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 8.63 (s, 1 H) 8.74 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
無水メタノール(20ml)中の5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1.13g、7.19mmol)の溶液に、0℃で、塩化チオニル(2.23g、1.37ml、18.7mmol)を滴下した。得られた溶液を、2時間加熱還流した。冷却した溶液を、蒸発乾固して、5−ニトロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(1.17g、95%)を白色の固体として得た。
無水ジメチルホルムアミド(20mL)中のメチル5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(1.87g、10.9mmol)の溶液に、炭酸カリウム(3.02g、21.9mmol)及びヨウ化メチル(2.02g、0.89mL,14.2mmol)を加え、そして得られた溶液を室温で18時間撹拌した。得られた混合物を水(1×150mL)で希釈し、そしてジクロロメタン(3×75mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。混合物を濾過し、そして蒸発させ、そして残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、ヘキサン中20%〜60%ジクロロメタン)により精製して、2−メチル−5−ニトロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル及び1−メチル−5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(1.64g、81%)の混合物を白色の固体として得た。
テトラヒドロフラン(20mL)中の2−メチル−5−ニトロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル及び1−メチル−5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(1.18g、6.37mmol)の溶液に、0℃で、水素化アルミニウムリチウム溶液(テトラヒドロフラン中1.0M、7.65mL、7.65mmol)を滴下した。得られた混合物を0℃で20分間撹拌した。この溶液に酢酸エチル(1mL)を、続いて硫酸ナトリウム十水和物のわずかな結晶を加えた。得られた混合物を30分間撹拌し、次に濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄し、そして濾液を蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、ヘキサン中50%〜70%酢酸エチル)により精製して、1−メチル−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(496mg、50%)を白色の固体として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 3.90 (s, 3 H) 4.53 (d, J=5.67 Hz, 2 H) 5.55 (t, J=5.48 Hz, 1 H) 6.93 (s, 1 H).
クロロホルム(10mL)中の(1−メチル−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(496mg、3.16mmol)の溶液に、0℃で、三臭化リン(854mg、0.30mL,3.16mmol)をシリンジを介して滴下した。得られた溶液を室温に温め、そして1時間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、そしてジクロロメタン(50ml)で希釈した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で塩基性(pH8.5)にした。層を分離し、そして水性層をジクロロメタンで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた混合物を濾過し、そして真空下で濃縮し、そして残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中20%〜40%酢酸エチル)により精製して、5−(ブロモメチル)−1−メチル−3−ニトロ−1H−ピラゾール(436mg、63%)を白色の固体として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 3.94 (s, 3 H) 4.85 (s, 2 H) 7.14 (s, 1 H).
テトラヒドロフラン(10mL)中の5−(ブロモメチル)−1−メチル−3−ニトロ−1H−ピラゾール(436mg、1.98mmol)の溶液に、アゼチジン(141mg、0.17mL,2.48mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(307mg、0.42mL,2.38mmol)を滴下し、そして得られた混合物を室温で24時間撹拌した。溶液を濃縮し、そして残留物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、水(50mL)で洗浄した。水性層を塩化メチレン(2×50mL)で抽出し、そして有機相を合わせ、そして硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた混合物を濾過し、蒸発させ、そして残留物をフラッシュクロマトグラフィー(40g、ジクロロメタン中1%〜5%メタノール)により精製して、5−(アゼチジン−1−イルメチル)−1−メチル−3−ニトロ−1H−ピラゾール(349mg、90%)を無色の油状物として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 1.97(quin, J=6.99 Hz, 2 H) 3.15 (t, J=6.99 Hz, 4 H) 3.59 (s, 2 H) 3.88 (s, 3 H) 6.89 (s, 1 H).
エタノール(20mL)中の5−(アゼチジン−1−イルメチル)−1−メチル−3−ニトロ−1H−ピラゾール(349mg、1.78mmol)の溶液を、パラジウム担持炭素(10%,50mg)で処理した。得られた混合物を、水素(1気圧)下48時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、そしてパッドをエタノールで洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、5−(アゼチジン−1−イルメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(292mg、99%)を、明黄色の油状物として得た。
1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 1.93(quin, J=6.89 Hz, 2 H) 3.06 (t, J=6.99 Hz, 4 H) 3.34 (s, 2 H) 3.46 (s, 3 H) 4.36 (s, 2 H) 5.25 (s, 4 H).
ジオキサン(10ml)中の5−(アゼチジン−1−イルメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(292mg、1.76mmol)、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(393mg、1.76mmol)、炭酸セシウム(2.00g、6.15mmol)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(152mg、0.26mmol)の溶液をアルゴンでフラッシュしてから、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(121mg、0.13mmol)を加え、そして得られた溶液を90℃で18時間加熱した。混合物を室温に冷まし、そしてジクロロメタン(50mL)及び水で希釈した。層を分離し、そして水性層をジクロロメタンで抽出した(2×25mL)。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた混合物を濾過し、そして真空下で濃縮した。形成された沈殿を濾過により単離し、エーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥させて、4−(5−(アゼチジン−1−イルメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(272mg、50%)を明黄色の固体として得た。(M+H)+ = 309 m/e.
1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 1.96(quin, J=6.99 Hz, 2 H) 3.11 (t, J=6.99 Hz, 4 H) 3.31 (s, 2 H) 3.63 (s, 3 H) 3.71 (s, 3 H) 6.07 (s, 1 H) 7.68 (s, 1 H) 9.53 (s, 1 H).
実施例17
2−{4−[5−(5−アゼチジン−1−イルメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オンの調製
4−(5−(アゼチジン−1−イルメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物70mgをオフホワイトの固体として得た。
(M+H)+ = 600 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.43 (s, 9 H) 2.12(quin, J=6.99 Hz, 2 H) 3.27 (t, J=6.80 Hz, 4 H) 3.55 (s, 2 H) 3.81 (s, 3 H) 3.90 (s, 3 H) 3.99 (t, J=7.18 Hz, 1 H) 4.54 (d, J=6.04 Hz, 2 H) 5.98 (s, 1 H) 7.42 - 7.57 (m, 2 H) 7.62 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.90 (s, 1 H) 7.93 (s, 1 H) 8.31 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.71 (d, J=5.29 Hz, 1 H).
アセトン(100mL)中のメチル5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(5.97g、35mmol)の溶液に、炭酸カリウム(24g、174mmol)及び1,2−ジブロモエタン(19.7g、9.02mL,105mmol)を加え、そして得られた溶液を2時間加熱還流した。得られた混合物を一晩室温に温まるにまかせ、濾過し、濃縮し、そして残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、400g、ヘキサン中酢酸エチル20%〜70%)により精製して、メチル1−(2−ブロモエチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボキシラート及び2−(2−ブロモ−エチル)−5−ニトロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(4.86g、50%)の11:2混合物を、明黄色の固体として得た。主な異性体成分。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 3.77 - 4.05 (m, 40 H) 5.02 (t, J=6.04 Hz, 16 H) 7.61 (s, 5.65 H) 7.70 (s, 1 H).
テトラヒドロフラン(100mL)中のリチウムボロヒドリド(755mg、34.7mmol)の懸濁液に、0℃で、THF 10mL中のメチル1−(2−ブロモエチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボキシラート(4.82g、17.3mmol)を徐々に加えた。得られた混合物を2時間、室温に温まるにまかせた。得られた混合物に、酢酸エチル(20ml)及び水(20ml)を加えた。二相性混合物を分離し、そして水性層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして得られた混合物を濾過し、そして真空下で濃縮して、2−(2−ブロモ−エチル)−5−ニトロ−2H−ピラゾール−3−イル]−メタノール及び(1−(2−ブロモエチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(4.24,97%)の粗混合物を、明黄色の油状物として得て、これをそのまま次の反応に用いた。
0℃に冷却したクロロホルム(100mL)中の(1−(2−ブロモエチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(4.24g、17mmol)の溶液に、三臭化リン(4.59g、1.6mL,17mmol)を滴下した。得られた溶液を室温に温め、そして2時間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、そしてジクロロメタン(50ml)で希釈した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性(pH8.5)にした(20mL)。層を分離し、そして水性層をジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた混合物を濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、SF40−240g、ヘキサン中15%〜40%EtOAc)により精製して、1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール(3.58g、67%)を白色の固体として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 3.92 (t, J=6.23 Hz, 2 H) 4.69 (t, J=6.23 Hz, 2 H) 4.89 (s, 2 H) 7.19 (s, 1 H).
250mLの丸底フラスコ中で、1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール(3.58g、11.4mmol、当量:1.00)をTHF(120ml)と合わせて、明黄色の溶液を得た。これにTHF中のメチルアミン、2.0M(40.0ml、80.1mmol、当量:7.00)を滴下した。そして反応混合物を室温で76時間撹拌した。この後、反応物を濃縮し、そして得られた固体をEtOAc(50mL)及び10%K2CO3水溶液(30mL)の混合物と一緒に撹拌した。層を分離し、そして水性層をEtOAc(2×30mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、そして真空下でほぼ濃縮乾固させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、240g、DCM中1%〜10%MeOH)により精製した。生成物を含有する画分を合わせて濃縮し、そしてMeOHから再結晶化させた。固体を濾取し、そしてエーテルで洗浄して所望の生成物(1.6g)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 2.38 (s, 3 H) 2.89 (t, J=5.67 Hz, 2 H) 3.61 (s, 2 H) 4.19 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 6.83 (s, 1 H).
エタノール(20mL)中の5−メチル−2−ニトロ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン(1.6g、8.7mmol)の溶液を、パラジウム担持炭素(10%,300mg)で処理し、そしてアルゴンでフラッシュした。得られた混合物を水素(1気圧)下、一晩撹拌した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、そしてパッドをエタノールで洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン(1.35g、定量的)を、明黄色の固体として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 2.30 (s, 3 H) 2.71 (t, J=5.67 Hz, 2 H) 3.37 (s, 2 H) 3.74 (t, J=5.67 Hz, 2 H) 4.46 (s, 2 H) 5.14 (s, 1 H).
ジオキサン(15ml)中の5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン(342mg、2.25mmol)、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(527mg、2.36mmol)、炭酸セシウム(2.2g、6.74mmol)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(195mg、0.34mmol)の溶液を、アルゴンでフラッシュしてから、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(154mg、0.17mmol)を加え、そして得られた溶液を、密閉管中110℃で18時間加熱した。混合物を室温に冷まし、そしてセライトを通して濾過した。ケークをジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を3M HClで希釈し、そして分離した。DCM層をHCl水溶液で逆抽出し、そして廃棄した。合わせたHCl水溶液抽出物を、3M NaOHで塩基性化した。得られた水相を、DCMで2回抽出した。合わせたDCM抽出物を真空下で濃縮し、そして得られた固体をエチルエーテルでトリチュレートし、濾過し、そして乾燥させて、6−クロロ−2−メチル−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン(455mg、69%)を、オフホワイトの固体として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm 2.35 (s, 3 H) 2.81 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 3.51 (s, 2 H) 3.63 (s, 3 H) 4.03 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 5.98 (s, 1 H) 7.71 (s, 1 H) 9.60 (s, 1 H).
実施例18
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物1.02gをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 586 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.43 (s, 9 H) 2.52 (s, 3 H) 2.94 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 3.66 (s, 2 H) 3.90 (s, 3 H) 3.97 (t, J=6.99 Hz, 1 H) 4.15 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 4.46 - 4.61 (m, 2 H) 5.84 (s, 1 H) 7.45 - 7.58 (m, 2 H) 7.62 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.91 (s, 1 H) 7.97 (s, 1 H) 8.31 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.71 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
実施例19
6−tert−ブチル−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに用い、そして2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物72mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 568 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.45 (s, 9 H) 2.54 (s, 3 H) 2.97 (br. s., 2 H) 3.68 (s, 2 H) 3.90 (s, 3 H) 4.08 (t, J=6.99 Hz, 1 H) 4.17 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 4.47 - 4.56 (m, 2 H) 5.86 (s, 1 H) 7.62 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.77 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 7.86 - 8.01 (m, 3 H) 8.38 (s, 1 H) 8.44 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 8.72 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
実施例20
6−シクロプロピル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−イソキノリン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに用い、そして2−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物33mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 569 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.81 - 0.93 (m, 2 H) 1.07 - 1.22 (m, 2 H) 1.95 - 2.09 (m, 1 H) 2.54 (s, 3 H) 2.96 (br. s., 2 H) 3.68 (br. s., 2 H) 3.92 (s, 3 H) 4.17 (t, J=5.43 Hz, 2 H) 4.24 (dd, J=10.48, 2.91 Hz, 1 H) 4.45 - 4.64 (m, 2 H) 5.91 (s, 1 H) 6.57 (dd, J=7.58, 2.02 Hz, 1 H) 6.83 (dd, J=12.63, 1.52 Hz, 1 H) 7.08 (d, J=1.52 Hz, 1 H) 7.26 (d, J=7.33 Hz, 2 H) 7.62 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 7.93 (s, 1 H) 8.01 (s, 1 H) 8.68 (d, J=5.05 Hz, 1 H).
I−21の調製
工程1. 2−ニトロ−5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジンの調製
250mLの丸底フラスコ中で、1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール(1.54g、4.92mmol、当量:1.00)を、CH3CN(60ml)と合わせて、明黄色の溶液を得た。これに、オキセタン−3−アミン(432mg、5.91mmol、当量:1.20)及びDIPEA(1.14g、1.55ml、8.86mmol、当量:1.80)を滴下し、そして反応混合物を室温で24時間撹拌した。
混合物を濃縮し、そして残留物をEtOAc(50mL)に溶かし、そして水(50mL)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、SF25−40g、ヘキサン中50%EtOAc〜100%EtOAc)により精製して、所望の生成物(674mg)を得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 2.94 - 3.01 (m, 2 H) 3.71 (s, 2 H) 3.87(quin, J=6.32 Hz, 1 H) 4.31 - 4.39 (m, 2 H) 4.67 - 4.75 (m, 2 H) 4.77 - 4.84 (m, 2 H) 6.68 (s, 6 H).
工程2. 5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミンの調製
250mLの丸底フラスコ中で、2−ニトロ−5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン(674mg、2.99mmol、当量:1.00)を、EtOH(50ml)と合わせて、明黄色の懸濁液を得た。反応混合物をアルゴンで3回真空フラッシュし、次に10%Pd/C(159mg、1.5mmol、当量:0.5)を加え、そして反応混合物を、水素バルーン下で一晩撹拌した。反応物をセライトパッドを通して濾過した。セライトパッドをエタノールで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を真空下で濃縮して、所望の生成物(555mg)を得た。(M+H)+ = 195 m/e.
工程3. 6−クロロ−2−メチル−4−(5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]−ピラジン−2−イルアミノ)−2H−ピリダジン−3−オンの調製
250mLの丸底フラスコ中で、5−(オキセタン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン(555mg、2.86mmol、当量:1.00)、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(638mg、2.86mmol、当量:1.00)、炭酸セシウム(3.26g、10.0mmol、当量:3.50)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(248mg、429μmol、当量:0.15)を、ジオキサン(40ml)と合わせ、そして反応混合物を、3×アルゴンで真空フラッシュした。ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(123mg、214μmol、当量:0.075)を加え、そして反応物を90℃で18時間加熱した。室温に冷ました後、それをジクロロメタン50mL及び水で希釈した。水性層をDCM(2×25mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、そして真空下でほぼ濃縮乾固した。得られた固体を濾過により回収し、そしてエチルエーテルで洗浄した。濾液中に形成された2番目の固体及び洗浄物を濾過により回収し、そしてエチルエーテルで洗浄した。合わせた個体を真空下で乾燥させて、所望の生成物(669mg)を個体として得た。(M+H)+= 337 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.01 (t, J=5.18 Hz, 2 H) 3.73 (s, 2 H) 3.81 (s, 3 H) 3.92 (t, J=6.44 Hz, 1 H) 4.26 (t, J=5.43 Hz, 2 H) 4.79 (d, J=6.57 Hz, 4 H) 5.77 (s, 1 H) 7.60 (s, 1 H) 7.88 (s, 1 H).
実施例21
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−(5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]−ピラジン−2−イルアミノ)−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物106mgを白色の固体として得た。(M+H)+ = 628 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 2.91 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 3.65 (s, 2 H) 3.83 (t, J=6.23 Hz, 1 H) 3.91 (s, 3 H) 4.18 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 4.54 (s, 2 H) 4.75(quin, J=6.52 Hz, 4 H) 5.89 (s, 1 H) 7.47 - 7.58 (m, 2 H) 7.62 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 7.91 (s, 1 H) 7.98 (s, 1 H) 8.32 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.71 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
I−22の調製
工程1. 5−エチル−2−ニトロ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジンの調製
100mLの丸底フラスコ中で、1−(2−ブロモエチル)−5−(ブロモメチル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール(0.7g、2.24mmol、当量:1.00)を、THF(25ml)と合わせて、明黄色の溶液を得た。これに、エチルアミン(THF中2M 7.83ml、15.7mmol、当量:7)を滴下し、そして、反応混合物を、周囲温度で12時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、そして得られた固体をEtOAc(250mL)及び10%水性K2CO3(200mL)の混合物と一緒に撹拌した。層を分離し、そして水性層をEtOAc(2×100mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中1%〜4%MeOH)により精製した。生成物を含有する画分を合わせて、そして濃縮して、所望の生成物(427mg)を得た。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.20 (t, J=7.18 Hz, 3 H) 2.68(q, J=7.18 Hz, 2 H) 3.01 (t, J=5.48 Hz, 2 H) 3.72 (s, 2 H) 4.29 (t, J=5.67 Hz, 2 H) 6.64 (s, 1 H).
工程2. 5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミンの調製
250mLの丸底フラスコ中で、5−エチル−2−ニトロ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン(427mg、2.17mmol、当量:1.00)を、EtOH(50ml)と合わせて、明黄色の懸濁液を得た。反応混合物をアルゴンで3回真空フラッシュし、次に10%Pd/C(115mg、1.08mmol、当量:0.5)を加え、そして反応混合物を水素バルーン下で一晩撹拌した。反応物をセライトパッドを通して濾過した。セライトパッドをエタノールで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を真空下で濃縮して、所望の生成物(350mg)を得た。(M+H)+= 167 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.16 (t, J=7.18 Hz, 3 H) 2.59(q, J=7.18 Hz, 2 H) 2.79 - 3.03 (m, 2 H) 3.57(重なっている一重項, 4 H) 3.87 - 4.12 (m, 2 H) 5.35 (s, 1 H).
工程3. 6−クロロ−4−(5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンの調製
250mLの丸底フラスコ中で、5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン(350mg、2.11mmol、当量:1.00)、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(471mg、2.11mmol、当量:1.00)、炭酸セシウム(2.4g、7.37mmol、当量:3.50)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(183mg、316μmol、当量:0.15)をジオキサン(40ml)と合わせ、そして反応混合物をアルゴンでフラッシュした。次にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(90.8mg、158μmol、当量:0.075)を加え、そして反応混合物を90℃で18時間加熱した。室温に冷ました後、それをジクロロメタン50mL及び水で希釈した。水性層をDCM(2×25mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中0%〜3%MeOH)により精製した。純粋な画分をEtOAcでトリチュレートした。混合画分及び濾液を、クロマトグラフィーにより精製して純粋な生成物を得て、これを、トリチュレートした固体と合わせて、所望の生成物(500mg)を得た。(M+H)+= 309 m/e.
1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.21 (t, J=7.18 Hz, 3 H) 2.67 (d, J=6.80 Hz, 2 H) 2.99 (br. s., 2 H) 3.69 (br. s., 2 H) 3.79 (s, 3 H) 4.16 (d, J=5.29 Hz, 2 H) 5.72 (s, 1 H) 7.56 (s, 1 H) 7.85 (s, 1 H).
実施例22
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−4−(5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物196mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 600 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.21(td, J=6.99, 2.27 Hz, 3 H) 1.43 (s, 9 H) 2.66 (d, J=6.80 Hz, 2 H) 2.98 (br. s., 2 H) 3.69 (br. s., 2 H) 3.90 (s, 3 H) 3.97 (t, J=6.99 Hz, 1 H) 4.15 (t, J=4.53 Hz, 2 H) 4.47 - 4.60 (m, 2 H) 5.85 (s, 1 H) 7.46 - 7.57 (m, 2 H) 7.62 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.89 (s, 1 H) 7.97 (s, 1 H) 8.31 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.71 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
工程1. 4,N−ジ−tert−ブチル−2−フルオロ−6−ヒドロキシメチル−ベンズアミドの調製
MeOH(100ml)及びCH2Cl2(150ml)の混合物中の2,5−ジ−tert−ブチル−7−フルオロ−3−ヒドロキシイソインドリン−1−オン(4.3g、15.4mmol、当量:1.00)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(582mg、15.4mmol、当量:1.00)を室温で加えた。反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。次に水素化ホウ素ナトリウム(582mg、15.4mmol、当量:1.00)を再び加え、そして反応混合物をさらに1時間撹拌した。この後、水素化ホウ素ナトリウム(582mg、15.4mmol、当量:1.00)をさらにもう一度加え、そして反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を(注意深く)HCl水溶液(10%、100mL)に注いだ。生成物をCH2Cl2(2×100mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、そして真空下で蒸発させて、生成物4.2g(収率97%)を得た。LC/MS, m/z 282[M+H]+. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.33 (s, 9 H) 1.49 (s, 9 H) 4.59 (s, 2 H) 6.02 (br. s., 2 H) 7.08 (dd, J=12.63, 1.77 Hz, 1 H) 7.22 (d, J=1.77 Hz, 1 H).
工程2. 4,N−ジ−tert−ブチル−2−フルオロ−6−メチル−ベンズアミドの調製
MeOH(100ml)中のN,4−ジ−tert−ブチル−2−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)ベンズアミド(4.3g、15.3mmol、当量:1.00)の溶液に、Pd−C 10%(50%wet)(1.19g)を加え、そして反応混合物をH2雰囲気(バルーン)下で3時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、そしてセライトパッドをEtOH(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を真空下で蒸発させて、生成物4.01gを白色の固体として得た(収率99%)。LC/MS, m/z 266[M+H]+. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (s, 9 H) 1.48 (s, 9 H) 2.41 (s, 3 H) 5.60 (br. s., 2 H) 6.90 - 6.95 (m, 1 H) 7.00 (d, J=0.51 Hz, 1 H).
工程3. 4−tert−ブチル−2−フルオロ−6−メチル−ベンズアミドの調製
TFA(48ml)(4×12mL,マイクロ波バイアル)中のN,4−ジ−tert−ブチル−2−フルオロ−6−メチルベンズアミド(4.01g、15.1mmol、当量:1.00)の溶液を、100℃で3時間マイクロ波支援条件下で撹拌した。4つのマイクロ波バイアルの中身を合わせ、真空下で蒸発させ、そして残留物を(注意深く)NaHCO3(100mL)の飽和水溶液に注ぎ、そして生成物をCH2Cl2(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、そして真空下で蒸発させた。粗物質を、クロマトグラフィー(SiO2、30分間でCH2Cl2100%〜30%AcOEt)により精製して、所望の生成物(2.55g、収率81%)を白色の固体として得た。LC/MS, m/z 210[M+H]+ . 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.32 (s, 9 H) 2.49 (t, J=0.63 Hz, 3 H) 5.86 (br. s., 2 H) 6.94 - 7.00 (m, 1 H) 7.05 (dd, J=1.26, 0.51 Hz, 1 H).
工程4. 4−tert−ブチル−n−[1−ジメチルアミノ−meth−(e)−イリデン]−2−フルオロ−6−メチル−ベンズアミドの調製
THF(49.2ml)中の4−tert−ブチル−2−フルオロ−6−メチルベンズアミド(1.28g、6.12mmol、当量:1.00)の溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(802mg、897μl,6.73mmol、当量:1.1)を加え、そして反応混合物を還流温度に3時間加熱した。反応混合物を真空下で蒸発乾固して、所望の生成物(1.6g、収率99%)を得た。粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で用いた。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (s, 9 H) 2.42 (s, 3 H) 3.16 (s, 3 H) 3.20 (s, 3 H) 6.93 (dd, J=11.75, 1.64 Hz, 1 H) 6.99 (s, 1 H) 8.57 (s, 1 H).
工程5. 6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オンカリウム塩の調製
THF(38mL)中の(E)−4−tert−ブチル−N−((ジメチルアミノ)メチレン)−2−フルオロ−6−メチルベンズアミド(1.6g、6.05mmol、当量:1.00)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(1Mの7.87ml、7.87mmol、当量:1.30)を加え、そして反応混合物を還流温度に2時間加熱した(沈殿が形成された)。反応混合物を室温に冷まし、そしてエーテル(40ml)を加えた。混合物を30分間撹拌した。固体を濾過により(真空下で)回収し、そしてエーテル(40ml)で洗浄して、生成物1.22gを白色の固体として得た(収率78%)。
LC/MS, m/z 220[M+H]+.
工程6. 6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オンの調製
DCM(200ml)中の6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オンカリウム塩(2.4g、9.29mmol、当量:1.00)の懸濁液に、HCl水溶液(100mL)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、そして真空下で蒸発させて、生成物を白色の粉体(1.9g)として収率93%で得た。LC/MS, m/z 220[M+H]+. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.70 (dd, J=7.20, 1.14 Hz, 1 H) 8.32 (dd, J=7.07, 5.81 Hz, 1 H) 8.42 (dd, J=13.89, 1.77 Hz, 1 H) 8.60 (d, J=1.77 Hz, 1 H).
工程7. 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドの調製
THF(11.1ml)中の6−tert−ブチル−8−フルオロイソキノリン−1(2H)−オン(225mg、1.03mmol、当量:1.00)の溶液に、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1M)(1.13ml、1.13mmol、当量:1.1)を室温で加えた。反応混合物を、同じ温度で20分間撹拌した。次にTHF(5mL)中の2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(335mg、1.33mmol、当量:1.3)を加えた。反応混合物を65℃に加熱し、そして3時間撹拌した。次に反応物をNH4Cl(30mL)の飽和水溶液に注ぎ、そして生成物を、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、そして真空下で蒸発させた。粗生成物をCH2Cl2(2mL)で希釈し、そしてクロマトグラフィー(SiO2、Hex:AcOEt、25分間で100%〜70%)により精製して、所望の生成物(350mg)を明黄色の粉体として得た。LC/MS, m/z 451[M+H]+. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.39 (s, 9 H) 6.65 (dd, J=7.58, 2.02 Hz, 1 H) 7.21 (dd, J=13.64, 1.77 Hz, 1 H) 7.31 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 7.55 (d, J=7.58 Hz, 1 H) 7.91 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 8.28 (d, J=5.31 Hz, 1 H) 9.94 (s, 1 H).
実施例23
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−イソキノリン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、そして2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物60mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 585 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.42 (s, 9 H) 2.55 (s, 3 H) 2.98 (br. s., 2 H) 3.70 (br. s., 2 H) 3.92 (s, 3 H) 4.18 (br. s., 2 H) 4.24 (dd, J=10.74, 3.16 Hz, 1 H) 4.44 - 4.63 (m, 2 H) 5.91 (s, 1 H) 6.64 (dd, J=7.58, 2.02 Hz, 1 H) 7.24 (dd, J=13.64, 1.77 Hz, 1 H) 7.28 (d, J=7.58 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 7.62 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 7.93 (s, 1 H) 8.00 (s, 1 H) 8.68 (d, J=5.05 Hz, 1 H).
実施例24
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−2H−イソキノリン−1−オンの調製
6−クロロ−2−メチル−4−(5−オキセタン−3−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]−ピラジン−2−イルアミノ)−2H−ピリダジン−3−オンを6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、そして2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物100mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 627 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.42 (s, 9 H) 2.84 - 2.96 (m, 2 H) 3.60 - 3.71 (m, 2 H) 3.80 - 3.87 (m, 1 H) 3.92 (s, 3 H) 4.19 (t, J=5.43 Hz, 2 H) 4.46 - 4.60 (m, 2 H) 4.70 - 4.75 (m, 2 H) 4.76 - 4.81 (m, 2 H) 5.96 (s, 1 H) 6.65 (dd, J=7.45, 2.15 Hz, 1 H) 7.21 - 7.27 (m, 2 H) 7.27 (d, J=7.8 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 7.62 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 7.92 (s, 1 H) 8.02 (s, 1 H) 8.68 (d, J=5.05 Hz, 1 H).
実施例25
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル}−8−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オンの調製
6−クロロ−4−(5−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、そして2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物65mgを明黄色の固体として得た。(M+H)+ = 599 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.17 - 1.27 (m, 3 H) 1.41 (s, 9 H) 2.68 (br. s., 2 H) 2.98 (br. s., 2 H) 3.70 (br. s., 2 H) 3.92 (s, 3 H) 4.14 (br. s., 2 H) 4.24 (dd, J=10.61, 3.28 Hz, 1 H) 4.43 - 4.63 (m, 2 H) 5.92 (s, 1 H) 6.64 (dd, J=7.58, 2.02 Hz, 1 H) 7.24 (dd, J=13.39, 1.77 Hz, 1 H) 7.28 (d, J=7.4 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=1.52 Hz, 1 H) 7.62 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 7.91 (s, 1 H) 8.00 (s, 1 H) 8.68 (d, J=5.05 Hz, 1 H).
実施例26
6−tert−ブチル−2−{4−[5−(5−シクロプロピルメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2}−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オンの調製
シクロプロピルメタンアミンをオキセタン−3−アミンの代わりに、工程1で用いた以外、実施例21と同様の手順で調製して、標記化合物100mgを淡黄色の固体として得た。(M+H)+ = 626 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.01 (d, J=4.15 Hz, 2 H) 0.42 (d, J=7.55 Hz, 2 H) 0.77 (br. s., 1 H) 1.22 (s, 9 H) 2.30 (br. s., 2 H) 2.86 (br. s., 2 H) 3.58 (br. s., 2 H) 3.69 (s, 3 H) 3.77 (t, J=7.18 Hz, 1 H) 3.96 (br. s., 2 H) 4.32 (d, J=7.18 Hz, 2 H) 5.65 (s, 1 H) 7.26 - 7.36 (m, 2 H) 7.41 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.68 (s, 1 H) 7.76 (s, 1 H) 8.10 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.50 (d, J=5.29 Hz, 1 H).
工程1. 2−(6−アミノ−ピリジン−3−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステルの調製
無水アセトニトリル(25ml)中の6−アミノピリジン−3−オールヒドロブロミド(2g、10.5mmol)及びエチル−2−ブロモ−2−メチルプロパナート(2.04g、10.5mmol)を含有するフラスコに、炭酸セシウム(10.7g、33mmol)を加え、そして物質をアルゴン雰囲気下で16時間撹拌した。水(60ml)及び酢酸エチル(60ml)を加え、そして物質を分液漏斗中で振とうした。有機相を回収し、そして水相を酢酸エチル(2×50ml)で逆抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して、金褐色の固体(1.626g)を得た。(M+H)+ = 225 m/e.
工程2. 2−[6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステルの調製
乾燥ジオキサン(60ml)中の2−(6−アミノ−ピリジン−3−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(1.365g、6.09mmol)、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(1.77g、7.91mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(528mg、0.913mmol)及び炭酸セシウム(6.94g、21.3mmol)を含有するフラスコを真空下で排気し、そしてアルゴンで満たし戻した(3回繰り返した)。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(418mg、0.457mmol)を加え、そしてフラスコを真空下で空にし、そしてアルゴンで満たし戻した(3回繰り返した)。フラスコを90℃に加熱した油浴中に置き、そして16時間アルゴン雰囲気下で撹拌した。フラスコを周囲温度に冷まし、そして物質をセライトプラグを通して濾過し、ジオキサンで十分すすいだ。揮発物を真空下で濃縮し、そして残留物を、5%〜25%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を明黄色〜褐色の粉体(2.035g)として得た。(M+H)+ =367 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (t, J=7.18 Hz, 3 H) 1.59 (s, 6 H) 3.80 (s, 3 H) 4.26(q, J=7.18 Hz, 2 H) 6.83 (d, J=9.06 Hz, 1 H) 7.26 - 7.30 (m, 1 H) 8.04 (d, J=3.02 Hz, 1 H) 8.18 (s, 1 H) 8.22 (s, 1 H).
工程3. 6−クロロ−4−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンの調製
2−[6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(1.23g、3.35mmol、当量:1.00)を、無水THF(25ml)に溶解し、そして窒素雰囲気下、−30℃(ドライアイス/アセトニトリル冷却浴)に冷却した。水素化アルミニウムリチウムの溶液(4.7ml、4.69mmol、THF中1.0M)を滴下により10分間かけて徐々に加えた。混合物を浴温度約−20℃で1時間撹拌した。水(0.1ml)を加え、そして周囲温度で10分間撹拌することにより、反応を注意深くクエンチした。次に水酸化ナトリウムの5%水溶液(0.19ml)を加え、そして混合物を10分間撹拌した。水(0.19ml)を加え、そして撹拌を10分間続けた。最後に、硫酸マグネシウムを加え、そして物質をセライトプラグを通してテトラヒドロフランで十分すすぎながら濾過した。合わせた濾液及び洗浄物をロータリーエバポレーターで約半分の量に濃縮した。酢酸エチル(50ml)及び水(70ml)を加え、そして物質を分液漏斗中で振とうした。有機相を回収し、そして水相を酢酸エチル(2×40ml)で逆抽出した。有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を熱ジクロロメタン/ヘキサンからトリチュレートして、所望の生成物を明黄色〜褐色の固体(1.041g)として得た。(M+H)+ = 325 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.28 (s, 6 H) 3.81 (s, 3 H) 6.92 (d, J=8.69 Hz, 1 H) 7.30 (s, 1 H) 7.36 (dd, J=8.69, 2.64 Hz, 1 H) 8.12 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.28 (s, 1 H).
工程4. 2−[6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−プロピオンアルデヒドの調製
DCM(100ml)中の6−クロロ−4−(5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)ピリジン−2−イルアミノ)−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(750mg、2.31mmol、当量:1.00)の懸濁液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(1.27g、3.00mmol、当量:1.30)を加えた。反応混合物を室温で約40分間撹拌した。エーテル(100mL)、続いてNaOH溶液(1M)50mlを加えた。混合物をさらに15分間撹拌し、そして分液漏斗に移した。有機層を同量のNaOH(1M)水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして真空下で蒸発させて、所望の生成物(668mg)を明褐色の粉体として得た。(M+H)+ = 323 m/e. 1H NMR(400 MHz、DMSO-d6) δppm 1.36 (s, 6 H) 3.68 (s, 3 H) 7.43 - 7.47 (m, 1 H) 7.51 - 7.55 (m, 1 H) 8.10 (dd, J=3.03, 0.51 Hz, 1 H) 8.27 (s, 1 H) 9.69 (s, 1 H) 9.82 (s, 1 H).
工程5. 6−クロロ−4−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンの調製
DCE(70ml)中の2−(6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イルアミノ)ピリジン−3−イルオキシ)−2−メチルプロパナール(665mg、2.06mmol、当量:1.00)の溶液に、3,3−ジフルオロアゼチジンヒドロクロリド(347mg、2.68mmol、当量:1.30)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(655mg、3.09mmol、当量:1.5)を加え、そして撹拌を18時間続けた。反応混合物を飽和NaHCO3溶液で希釈し、そしてDCM(5×20mL)で抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、そして真空下で濃縮した。得られた残留物をクロマトグラフィー(SiO2−50g、20分間でHex:AcOEt、7:3、次に30分間で50%)により精製して、所望の生成物(566mg)を白色の粉体として得た。(M+H)+ = 400 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.29 (s, 6 H) 2.79 (br. s., 2 H) 3.70 - 3.81 (m, 4 H) 3.83 (s, 3 H) 6.87 (dd, J=8.84, 0.51 Hz, 1 H) 7.32 (d, J=8.59 Hz, 1 H) 8.10 (d, J=2.78 Hz, 1 H) 8.22 (s, 1 H) 8.28 (s, 1 H).
実施例27
6−tert−ブチル−2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−8−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オンの調製
6−クロロ−4−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに用い、そして2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物 95mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 690 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (s, 6 H) 1.41 (s, 9 H) 2.80 (br. s., 1 H) 3.76 (br. s., 4 H) 3.94 (s, 3 H) 4.14 (dd, J=11.12, 3.03 Hz, 1 H) 4.45 - 4.67 (m, 2 H) 6.65 (dd, J=7.58, 2.02 Hz, 1 H) 6.96 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.24 (dd, J=13.64, 1.77 Hz, 1 H) 7.30 (d, J=7.33 Hz, 2 H) 7.31 - 7.36 (m, 2 H) 7.63 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 8.09 (d, J=2.78 Hz, 1 H) 8.31 (s, 1 H) 8.64 (s, 1 H) 8.71 (d, J=5.05 Hz, 1 H).
I−28の調製
工程1. 4−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒド
50mLの丸底フラスコ中で、2−クロロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(389mg、1.45mmol、当量:1.6)、6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(200mg、908μmol、当量:1.00)及び炭酸カリウム(251mg、1.82mmol、当量:2)を、DMSO(8ml)と合わせて黄色の溶液を得た。溶液をアルゴンで5分脱気した。ヨウ化銅(I)(173mg、908μmol、当量:1.00)を加えた。反応混合物を110℃に加熱し、そして2時間撹拌し、そして反応物を室温に放冷した。反応物をH2O/飽和NH4Cl(80mL)1:1で希釈し、そして得られた固体を濾過により回収した。固体をH2O/飽和NH4Cl 1:1で、次に水(2X)、そして次にEtOAc:ヘキサン(3:1、2X)で数回洗浄した。有機相は色々な色を示した。褐色の固体が残った。固体をEtOAcで、そして次にCH2Cl2で数回洗浄した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中5%〜30%EtOAc)により精製して、所望の生成物(170mg)を白色の固体として得た。(M+H)+ = 360 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.42 (s, 9 H) 7.40 - 7.65 (m, 3 H) 8.24 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.66 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 10.32 (s, 1 H).
実施例28
4−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−1’−メチル−5’−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1’H−[2,3’]ビピリジニル−6’−オンの調製
4−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドの代わりに用いた以外、実施例8と同様の手順で調製して、標記化合物54mgをオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.46 (s, 9 H) 3.57 - 3.86(一重項及び重なっている多重項, 11 H) 4.05 (br. s., 1 H) 4.52 (br. s., 2 H) 6.88 (d, J=8.53 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=5.27 Hz, 1 H) 7.55 - 7.64 (m, 2 H) 7.69 (dd, J=8.53, 2.26 Hz, 1 H) 7.91 (d, J=2.26 Hz, 1 H) 8.11 (s, 1 H) 8.36 (dd, J=11.29, 2.26 Hz, 2 H) 8.83 (d, J=5.02 Hz, 1 H) 9.05 (d, J=2.26 Hz, 1 H).
実施例29
4−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−5’−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1’−メチル−1’H−[2,3’]ビピリジニル−6’−オンの調製
4−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドの代わりに用いた以外、実施例9と同様の手順で調製して、標記化合物54mgをオフホワイトの固体として得た。1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (s, 9 H) 2.92 (s, 3 H) 3.61 (s, 3 H) 3.80 - 4.02 (m, 1 H) 4.36 (s, 2 H) 6.76 (d, J=9.06 Hz, 1 H) 7.21 (d, J=5.29 Hz, 1 H) 7.35 - 7.52 (m, 2 H) 7.73 - 7.90 (m, 2 H) 8.15 (s, 2 H) 8.19 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.60 - 8.73 (m, 2 H) 9.01 (d, J=2.27 Hz, 1 H).
実施例30
6−tert−ブチル−2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−4−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、そして2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物110mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 691 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.28 (s, 6 H) 1.44 (s, 9 H) 2.77 (br. s., 2 H) 3.75 (br. s., 4 H) 3.85 (t, J=7.07 Hz, 1 H) 3.93 (s, 3 H) 4.55 (br. s., 2 H) 6.92 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.31 (d, J=8.08 Hz, 1 H) 7.46 - 7.57 (m, 2 H) 7.64 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 8.08 (d, J=2.78 Hz, 1 H) 8.23 - 8.35 (m, 2 H) 8.63 (s, 1 H) 8.74 (d, J=4.80 Hz, 1 H).
工程1. 2−(3−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−2−メチル−プロピオニトリルの調製
2〜5℃で、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(1Mの326ml、326mmol、1.05当量)を、THF 360mL中の1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(60g、311mmol、1.0当量)及びイソブチロニトリル(25.8g、373mmol、1.2当量)の溶液に滴下した。20時間撹拌後、13%出発試薬が残ったので、さらに0.1当量のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを加えた。さらに6時間後、10%出発試薬が残ったので、さらに0.1当量のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド及び0.1当量のイソブチロニトリルを加えた。反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を、1N HCl溶液でクエンチし、次に濃縮して、THFの一部を除去した。反応混合物を、メチル−tert−ブチルエーテル(2回)で抽出し、そして真空下で濃縮して、粗生成物(75.3g)を得て、これをそのまま用いた。
工程2. 2−ブロモ−N−tert−ブチル−4−(シアノ−ジメチル−メチル)−6−フルオロベンズアミドの調製
THF180mL中の2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(30g、124mmol、1.0当量)の溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(1.8Mの82.6ml、149mmol、1.2当量)を−75℃で滴下した。反応混合物を−76℃で2時間撹拌した。tert−ブチルイソシアナート(18.4g、21.8ml、186mmol、1.5当量)を−75℃で滴下し、そして撹拌を2時間続けた。さらに0.5当量のtert−ブチルイソシアナートを加え、そして反応混合物を室温に徐々に温まるにまかせ、そして一晩撹拌した。反応混合物を水180mLでクエンチし、そして次にTHFを減圧下60℃で除去した。IPAを60℃で加え、そして生成物を、H2O 180mL及びIPA 120mLから60℃で結晶化させた。混合物をゆっくりと一晩室温に冷ました。結晶を濾過により回収し、H2O、H2O/IPA(1/1)及びヘプタンで洗浄し、そして一晩乾燥させて、2−ブロモ−N−tert−ブチル−4−(2−シアノプロパン−2−イル)−6−フルオロベンズアミド(34.7g、102mmol、収率82.1%)を白色の結晶質固体として得た(HPLC純度>99%)。
1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm1.34 (s, 9 H) 1.70 (s, 6 H) 7.47 (dd, J=10.01, 1.70 Hz, 1 H) 7.60 (s, 1 H) 8.34 (s, 1 H).
工程3. 2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロピオニトリルの調製
500mL丸底フラスコに2−ブロモ−N−tert−ブチル−4−(2−シアノプロパン−2−イル)−6−フルオロベンズアミド(34.5g、101mmol、1当量)及び炭酸カリウム(27.9g、202mmol、2当量)を入れ、そして続いてフラスコを窒素でパージ(3回)した。1,4−ジオキサン(242ml)及び水(34.5ml)を加えた。次にE−2−(2−エトキシビニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(28.0g、142mmol、1.4当量)をシリンジで加えた。反応混合物を40℃に加熱した。混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(2.33g、4.04mmol、0.04当量)及びトリシクロヘキシルホスフィン(2.27g、8.09mmol、0.08当量)を加え、そして得られた混合物を90℃(内部温度)/100℃(浴)で2時間、反応が完了するまで撹拌しながら加熱した。反応混合物を周囲温度に冷まし、そして20%NaHSO3溶液(150mL)でクエンチし、続いて2時間撹拌した。混合物をEtOAc(2回)で抽出し、MgSO4で乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。得られた生成物を、350mL圧力瓶中TFA(138ml)で溶解し、そして100℃(浴温度)に3時間加熱した。反応混合物をトルエンと一緒に丸底フラスコに移し、そしてTFAを減圧下で除去し、次に20%K2CO3溶液で塩基性化した。反応混合物をEtOAcで、次にDCMで抽出した。メチル−tert−ブチルエーテルから結晶化させて、2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル)−2−メチルプロパンニトリル(16.2g、収率69.6%)を褐色の固体として得た。1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δppm1.74 (s, 6 H) 6.60 (dd, J=6.99, 1.70 Hz, 1 H) 7.16 - 7.28 (m, 1 H) 7.36 (dd, J=13.03, 1.70 Hz, 1 H) 7.61 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 11.31 (br. s., 1 H).
工程4. 2−[8−フルオロ−2−(3−ホルミル−4−ヨード−ピリジン−2−イル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリルの調製
100mL丸底フラスコ中、2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル)−2−メチルプロパンニトリル(800mg、3.47mmol、1当量)を、THF(32.0ml)と合わせて黄色の懸濁液を得た。THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液1M(4.52ml、4.52mmol、1.3当量)を加えた。反応混合物を室温で15分間撹拌した。得られた琥珀色の溶液に、2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(1.31g、5.21mmol、1.5当量)を加えた。反応混合物を撹拌しながら50℃で15時間加熱した。反応混合物を、飽和NH4Cl 5mL及びH2O 100mLに注ぎ、そしてDCM(3×100mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、0%、次にDCM中0%〜0.5%MeOH)により精製し、続いてエーテル:ヘキサン(1:8)でトリチュレーションして、2−[8−フルオロ−2−(3−ホルミル−4−ヨード−ピリジン−2−イル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリルを淡黄色の固体(830mg)として得た。(M+H)+ = 462 m/e.
工程5. 2−(8−フルオロ−2−{3−ホルミル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−1−オキソ−1,2ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロピオニトリルの調製
6−クロロ−2−メチル−4−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オン(511mg、1.73mmol、1当量)、ビス(ピナコラト)ジボロン(485mg、1.91mmol、1.1当量)及び酢酸カリウム(511mg、5.2mmol、当量:3)を、ジオキサン(25ml)中に懸濁した。反応混合物をアルゴン下で脱気した。X−PHOS(124mg、260μmol、当量:0.15)及び酢酸パラジウム(II)(19.5mg、86.7μmol、0.05当量)を加え、そして反応混合物を、アルゴン雰囲気下、100℃(外部温度)で40分間、反応が完了するまで撹拌した。浴温度を80℃に下げた。フラスコを加熱浴から取り出したが、撹拌は続けた。2−(8−フルオロ−2−(3−ホルミル−4−ヨードピリジン−2−イル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル)−2−メチルプロパンニトリル(800mg、1.73mmol、1.0当量)及び炭酸カリウム(719mg、5.2mmol、3当量)を、続いてH2O 2.5mLを加えた。トリシクロヘキシルホスフィン(48.6mg、173μmol、0.1当量)及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(49.9mg、86.7μmol、0.05当量)を加えた。反応混合物を激しく撹拌しながら80℃で加熱し、そして1.5時間撹拌した。反応混合物を水に注いだ。ブラインを幾分加えてエマルションを分散させ、そして混合物をDCMで抽出した(4回)。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。得られた固体をEtOAc 10mL、続いてエーテル 75mLを加えることによりトリチュレートした。固体を濾過により回収し、そしてエーテルで数回洗浄して、淡緑/灰色の固体(800mg)を得た。(M+H)+ = 594 m/e. 生成物をさらに精製することなくそのまま次の工程で用いた。
実施例31
工程6. 2−(8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロピオニトリルの調製
25mLの丸底フラスコ中、2−(8−フルオロ−2−{3−ホルミル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−1−オキソ−1,2ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロピオニトリル(800mg、1.35mmol、1.0当量)を、乾燥DCM(25ml)及び乾燥メタノール(5mL)と合わせて明黄色の溶液を得た。反応混合物を0℃に冷却し、そして水素化ホウ素ナトリウム(91.8mg、2.43mmol、当量:1.8)を加えた。反応混合物を、0℃で40分間撹拌し、そして次に飽和NH4Cl 2mLで5分間撹拌しながらクエンチした。反応混合物を、H2O 100mLに注ぎ、そしてDCM(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗泡状物をDCM 20mL及びメタノール 15mLに溶かした。この混合物に、10%Pd/C(Degussa製品)200mgを加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。固体を濾過により除去し、そしてDCM中10%メタノールで数回洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、MeOH0%〜4%、各ピークが出現したところで勾配を維持した)により精製した。センターカット画分を濃縮し、ガラス状物を得て、これをエーテルでトリチュレートして、2−(8−フルオロ−2−{3−ヒドロキシメチル−4−[1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロプリピオニトリルを、オフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 596 m/e. 1H NMR(300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.81 (s, 6 H) 2.52 (s, 3 H) 2.94 (t, J=5.67 Hz, 2 H) 3.65 (d, J=2.27 Hz, 2 H) 3.90 (s, 3 H) 4.05 - 4.22 (m, 3 H) 4.42 - 4.60 (m, 2 H) 5.85 (s, 1 H) 6.66 (dd, J=7.55, 1.89 Hz, 1 H) 7.22 (dd, J=12.46, 1.89 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=7.55 Hz, 1 H) 7.53 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 7.62 (d, J=4.91 Hz, 1 H) 7.92 (s, 1 H) 7.99 (s, 1 H) 8.68 (d, J=4.91 Hz, 1 H).
実施例32
6−tert−ブチル−2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−2H−フタラジン−1−オンの調製
6−クロロ−4−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、そして2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−4−ヨード−ピリジン−3−カルバルデヒドを、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒドの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物149mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 673 m/e. 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.28 (br. s., 6 H) 1.46 (s, 9 H) 2.77 (br. s., 2 H) 3.75 (br. s., 4 H) 3.93 (s, 3 H) 3.98 (t, J=7.07 Hz, 1 H) 4.54 (br. s., 2 H) 6.93 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.31 (d, J=7.07 Hz, 1 H) 7.64 (d, J=5.05 Hz, 1 H) 7.78 (d, J=1.52 Hz, 1 H) 7.90 - 7.95 (m, 1 H) 8.07 (d, J=2.53 Hz, 1 H) 8.29 (s, 1 H) 8.39 (d, J=0.76 Hz, 1 H) 8.45 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 8.64 (s, 1 H) 8.75 (d, J=5.05 Hz, 1 H).
実施例33
2−{2−[4−(5−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル]−8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル}−2−メチル−プロピオニトリルの調製
6−クロロ−4−{5−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−1,1−ジメチル−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミノ}−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オンを、6−クロロ−2−メチル−4−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3(2H)−オンの代わりに、工程5で用いた以外、実施例1(工程5〜6)と同様の手順により調製して、標記化合物 135mgをオフホワイトの固体として得た。(M+H)+ = 701 m/e 1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (br. s., 6 H) 1.81 (s, 6 H) 2.81 (br. s., 2 H) 3.81 (br. s., 4 H) 3.93 (s, 3 H) 4.01 (dd, J=10.36, 3.28 Hz, 1 H) 4.43 - 4.62 (m, 2 H) 6.67 (dd, J=7.58, 2.02 Hz, 1 H) 6.93 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.23 (dd, J=12.25, 1.89 Hz, 1 H) 7.32 (br. s., 1 H) 7.37 (d, J=7.33 Hz, 1 H) 7.52 - 7.56 (m, 1 H) 7.64 (d, J=4.80 Hz, 1 H) 8.08 (d, J=2.78 Hz, 1 H) 8.31 (s, 1 H) 8.63 (s, 1 H) 8.71 (d, J=5.05 Hz, 1 H).
実施例34
2−(6−(2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−4−イル)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イルアミノ)−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン5−オキシドの調製
DCM(10ml)中の6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(3−(ヒドロキシメチル)−4−(1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)ピリジン−2−イル)フタラジン−1(2H)−オン(500mg、854μmol、1当量)の溶液に、3−クロロベンゾペルオキソ酸(191mg、854μmol、1当量)を加えた。反応混合物を18時間撹拌した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、そして1.0NNaOH(水溶液)で洗浄した。層を分離し、そして有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して液体を得て、これを真空下で一晩徐々に固化させて、低融点の黄色の固体を得た。固体を最小限のメタノールに溶解し、塩化メチレンで希釈し、そしてカラムに充填した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中60:10:1 DCM:MeOH:NH4OH 50%)により精製して、2−(6−(2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−4−イル)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イルアミノ)−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン5−オキシド(158.5mg、263μmol、収率30.9%)を黄色の固体として得た。(M+H)+ = 602 m/e. 1H NMR(300 MHz、メタノール-d4) d ppm 1.47 (s, 9 H) 3.45 (s, 3 H) 3.74(dt, J=12.46, 2.46 Hz, 1 H) 3.89 (s, 3 H) 4.07(td, J=11.80, 4.72 Hz, 1 H) 4.25 - 4.43 (m, 1 H) 4.45 - 4.62 (m, 2 H) 4.61 - 4.85 (m, 3 H) 6.13 (s, 1 H) 7.54 - 7.79 (m, 2 H) 7.87 (d, J=1.51 Hz, 1 H) 8.07 (s, 1 H) 8.50 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 8.66 (d, J=5.29 Hz, 1 H).
生物学的アッセイデータ
ブルトンチロシンキナーゼ(Btk)阻害アッセイ
本アッセイは、濾過による放射性33Pリン酸化生成物の捕捉である。Btk、ビオチン化SH2ペプチド基質(Src相同)及びATPの相互作用により、ペプチド基質のリン酸化がもたらされる。ビオチン化生成物は、結合ストレプトアビジンセファロースビーズである。全ての結合放射性標識化生成物を、シンチレーションカウンターにより検出する。
アッセイしたプレートは、96ウェルポリプロピレン(Greiner)及び96ウェル1.2μm親水性PVDFフィルタープレート(Millipore)である。ここで報告される濃度は最終アッセイ濃度である:10〜100μMの、DMSO中の化合物(Burdick and Jackson)、5〜10nM Btk酵素(Hisでタグ付け、完全長)、30μMペプチド基質(ビオチン−Aca−AAAEEIYGEI−NH2)、100μM ATP(Sigma)、8mMイミダゾール(Sigma、pH7.2)、8mMグリセリン−2−ホスファート(Sigma)、200μM EGTA(Roche Diagnostics)、1mM MnCl2(Sigma)、20mM MgCl2(Sigma)、0.1mg/mL BSA(Sigma)、2mM DTT(Sigma)、1μCi33P ATP(Amersham)、20%ストレプトアビジンセファロースビーズ(Amersham)、50mM EDTA(Gibco)、2M NaCl(Gibco)、2M NaCl w/1%リン酸(Gibco)、microscint-20(Perkin Elmer)。
IC50の決定は、標準的な96ウェルプレートアッセイテンプレートから生成されるデータを利用して、1化合物当たり10個のデータ点から計算する。1個の対照化合物及び7個の未知のインヒビターを各プレート上で試験し、各プレートで2回行った。典型的には、化合物を、100μMから開始し、3nMで終了する半対数で希釈した。対照化合物はスタウロスポリンであった。ペプチド基質の不在下でバックグラウンドを計数した。ペプチド基質の存在下で総活性を決定した。以下のプロトコルを使用して、Btk阻害を決定した。
1) 試料調製:試験化合物を、アッセイ緩衝液(イミダゾール、グリセリン−2−ホスファート、EGTA、MnCl2、MgCl2、BSA)中、半対数の増分で希釈した。
2) ビーズ調製
a.)ビーズを500gで遠心分離することにより濯ぐ。
b.)PBS及びEDTAでビーズを再構成して、20%ビーズスラリーを生成する。
3) 基質を含まない反応ミックス(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、33P ATP)及び基質を含むミックス(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、33P ATP、ペプチド基質)を、30℃で15分間プレインキュベートする。
4) アッセイを開始するために、酵素緩衝液(イミダゾール、グリセリン−2−ホスファート、BSA)中のBtk 10μL及び試験化合物10μLを、室温で10分間プレインキュベートする。
5) 基質を含まないか又は含む反応混合物30μLを、Btk及び化合物に加える。
6) 総アッセイミックス50μLを30℃で30分間インキュベートする。
7) アッセイ40μLをフィルタープレート中のビーズスラリー150μLに移して、反応を停止させる。
8) 30分後、以下の工程で、フィルタープレートを洗浄する。
a. NaCl 3×250μL
b. 1%リン酸を含有するNaCl 3×250μL
c. H2O 1×250μL
9) プレートを65℃で1時間又は室温で一晩、乾燥させる。
10) microscint-20 50μLを加え、シンチレーションカウンターで33P cpmを計数する。
cpmの生データから活性パーセントを計算する。
活性パーセント=(試料−bkg)/(総活性−bkg)×100
一部位用量反応シグモイドモデルを使用して、活性パーセントからIC50を計算する。
y=A+((B−A)/(1+((x/C)D))))
x=化合物濃度、y=活性パーセント、A=最小、B=最大、C=IC50、D=1(ヒルの傾き)
CD69発現により測定される全血中のB細胞活性化の阻害
ヒト血液中のB細胞のB細胞受容体媒介活性化を抑制するBtkインヒビターの能力を試験する手順は以下のとおりである:
ヒト全血(HWB)を、健康な志願者から、以下の制限(24時間薬物を摂取しない非喫煙者)で得る。血液を、静脈穿刺により、ヘパリンナトリウムで抗凝固処理したバキュテナー管に回収する。試験化合物を、PBS中の所望の開始薬物濃度の10倍に希釈し(20×)、続いてPBS中の10% DMSO中で3倍連続希釈を行って、9点用量反応曲線を生成する。各化合物の希釈物5.5μLを2mLの96ウェルV底プレート(Analytical Sales and Services、#59623-23)に二重に加え;PBS中の10% DMSO 5.5μLを、対照物及び非刺激ウェルに加える。HWB(100μL)を各ウェルに加え、混合の後、プレートを37℃、5% CO2、100%湿度で30分間インキュベートする。ヤギF(ab’)2抗ヒトIgM(Southern Biotech、#2022-14)(500μg/mL溶液の10μL、最終濃度50μg/mL)を、混合しながら、各ウェルに加え(非刺激ウェルを除く)、プレートを更に20時間インキュベートする。
20時間のインキュベーションの終わりに、試料を、蛍光プローブ標識抗体(PEマウス抗ヒトCD20 15μL、BD Pharmingen、#555623、及び/又はAPCマウス抗ヒトCD69 20μL、BD Pharmingen #555533)を用い、37℃、5% CO2、100%湿度で30分間インキュベートする。誘発制御、補償調節のための未染色かつ単一のステイン、及び初期電圧設定が含まれている。次に、試料を、1×Pharmingen溶解緩衝液1mL(BD Pharmingen # 555899)で溶解し、プレートを1800rpmで5分間遠心分離する。上澄みを吸引により除去し、残留ペレットを、さらなる1×Pharmingen溶解緩衝液1mLで再び溶解し、プレートを前述のとおり沈降させる。上澄みを吸い出し、残留ペレットをFACs緩衝液(PBS+1% FBS)中で洗浄する。最後の沈降の後、上澄みを除去し、ペレットをFACs緩衝液180μLに再懸濁する。試料を、BD LSR IIフローサイトメーターのHTS96ウェルシステム上で作動させるのに適した96ウェルプレートに移す。
使用する蛍光体に適切な励起及び発光波長を使用して、データを取得し、Cell Questソフトウェアを使用して陽性細胞値(%)を得る。結果を最初にFACS分析ソフトウェア(Flow Jo)により分析する。試験化合物のIC50は、抗IgMによる刺激の後、CD20−陽性でもあるCD69−陽性細胞の割合の50%減少する濃度(非刺激バックグラウンドについて8つのウェルを減算した後の8つの対照ウェルの平均)として定義される。IC50値を、XLfit software version 3、equation 201を使用して計算する。
このアッセイについての代表的な化合物データを、下記の表IIに列挙する。
B細胞活性化の阻害−Ramos細胞におけるB細胞FLIPRアッセイ
本発明の化合物によるB細胞活性化の阻害を、抗IgM刺激B細胞応答に及ぼす試験化合物の作用を測定することにより立証する。
B細胞FLIPRアッセイは、抗IgM抗体による刺激からの細胞内カルシウム上昇のインヒビター候補の作用を測定する、細胞に基づく機能的方法である。Ramos(ラモス)細胞(ヒトBurkittリンパ腫細胞株。ATCC番号:CRL-1596)を増殖培地(後述)で培養した。アッセイの1日前に、Ramos細胞を新鮮増殖培地(上記と同じ)に再懸濁して、組織培養フラスコ中で0.5×106/mLの濃度に設定した。アッセイ当日、細胞を計数し、そして組織培養フラスコ中で、1μM FLUO-3AM(TefLabs Cat-No. 0116、無水DMSO及び10%プルロニック酸中で調製)を補足した増殖培地中で、1×106/mLの濃度に設定して、37℃(4% CO2)で1時間インキュベートした。細胞外色素を除去するために、遠心分離(5分、1000rpm)により細胞を回収し、FLIPR緩衝液(後述)に1×106細胞/mLで再懸濁し、次に96ウェルのポリ−D−リシン被覆した黒色/透明プレート(BD Cat-No. 356692)中にウェル当たり1×105細胞で分注した。試験化合物を100μM〜0.03μMの範囲の種々の濃度(7濃度、詳細は後述)で加え、細胞と共に室温で30分間インキュベートさせた。Ramos細胞のCa2+シグナル伝達を、10μg/mL抗IgM(Southern Biotech、Cat-No. 2020-01)の添加により刺激し、FLIPR(Molecular Devices、480nm励起のアルゴンレーザーを有するCCDカメラを使用して96ウェルプレートの画像を捕捉)で測定した。
培地/緩衝液:
増殖培地: L−グルタミン(Invitrogen、Cat-No. 61870-010)、10%ウシ胎仔血清(FBS、Summit Biotechnology、Cat-No. FP-100-05);1mMピルビン酸ナトリウム(Invitrogen、Cat. No. 11360-070)を含む、RPMI 1640培地。
FLIPR緩衝液: HBSS(Invitrogen、Cat-No. 141175-079)、2mM CaCl2(Sigma、Cat-No. C-4901)、HEPES(Invitrogen、Cat-No. 15630-080)、2.5mM プロベネシド(Sigma、Cat-No. P-8761)、0.1% BSA(Sigma、Cat-No. A-7906)、11mMブドウ糖(Sigma、Cat-No. G-7528)。
化合物希釈の詳細:
100μMの最も高い最終アッセイ濃度を達成するために、10mM 化合物原液(DMSO中に調製)24μLをFLIPR緩衝液576μLに直接加える。試験化合物を、FLIPR緩衝液に希釈(Biomek 2000ロボット分注器を使用)することにより、以下の希釈スキームを得る:溶剤、1.00×10−4M、1.00×10−5、3.16×10−6、1.00×10−6、3.16×10−7、1.00×10−7、3.16×10−8。
アッセイ及び分析:
カルシウムの細胞内上昇は、最大−最小統計量(Molecular DevicesのFLIPR対照及び統計値エクスポートソフトウェアを使用して、刺激性抗体の添加に起因するピーク値から休止基線値を減算する)を使用して報告した。IC50を非線形曲線当て嵌め(GraphPad Prism software)を使用して決定した。
マウスのコラーゲン誘発関節炎(mCIA)
0日目に、マウスに、完全(Complete)フロイント(Freund)アジュバント(adjuvant)(CFA)中のII型コラーゲンの乳濁液を、尾の基部又は背中の幾つかの位置に皮内(i.d.)注射する。コラーゲン免疫後、およそ21〜35日で、マウスは関節炎を発症する。関節炎の発症は、21日目に不完全(Incomplete)フロイント(Freund)アジュバント(adjuvant)(IFA;i.d.)中のコラーゲンを全身投与して同期(追加免疫)する。追加免疫に対するシグナルである軽度関節炎(スコア1又は2;後述のスコアの説明を参照されたい)の発症について、20日後から毎日マウスを調べる。追加免疫後に、マウスのスコアをつけ、所定の時間(典型的には2〜3週間)及び投与頻度(毎日(QD)又は1日2回(BID))で、候補治療薬を投与する。
ラットのコラーゲン誘発関節炎(rCIA)
0日目に、ラットに、不完全フロイントアジュバント(IFA)中のウシII型コラーゲンの乳濁液を、背中の幾つかの位置に皮内(i.d.)注射する。7日目頃にコラーゲン乳濁液の追加免疫注射(i.d.)を、尾の基部又は背中の別の部位に行う。関節炎は一般に、最初のコラーゲン注射の12〜14日後に観察される。14日目以降は、後述(関節炎の評価)のように関節炎の進行について、ラットを評価することができる。2回目の抗原刺激の時点から開始し、そして所定の時間(典型的には2〜3週間)及び投与頻度(毎日(QD)又は1日2回(BID))で、候補治療薬をラットに予防的に投与する。
関節炎の評価:
両方のモデルで、以下に記載の基準による4つの足の評価を伴うスコアリングシステムを用いて足及び肢関節の炎症の進行を定量する:
スコア: 1=足又は1つの指の腫脹及び/又は発赤。
2=2つ以上の関節の腫脹。
3=3つ以上の関節が関係する足の大きな腫脹。
4=足及び指全体の重篤な関節炎。
評価は、基線測定については0日目に行い、最初の徴候又は腫脹が現れたら1週間に最大3回再び開始して実験の最後まで行う。動物あたり最大スコア16を与える、個々の足の4つのスコアを足すことにより、各マウスの関節炎指標を得る。
ラットのインビボ喘息モデル
オスのBrown-Norwayラットに、ミョウバン0.2mL中のOA(オボアルブミン)100μgを、週に1回で3週間(0、7、14日目)腹腔内(i.p.)投与して感作させる。21日目(最後の感作の1週間後)に、ラットにOAエーロゾルで抗原刺激(1%OAを45分間)する0.5時間前に、溶剤又は化合物処方のいずれかを毎日(q.d.)皮下投与し、抗原刺激の4又は24時間後に止める。殺処分時に、血清試験及びPKのために、全てのラットから血清及び血漿をそれぞれ採取する。気管カニューレを挿入し、PBSで3回肺を洗浄する。BAL液を、総白血球数及び白血球分画について分析する。細胞のアリコート(20〜100μL)中の総白血球数は、コールターカウンター(Coulter Counter)で測定する。白血球分画については、50〜200μLの試料をサイトスピン(Cytospin)で遠心分離して、スライドをDiff-Quikで染色する。光学顕微鏡下で標準形態学的基準を使用して、単球、好酸球、好中球、及びリンパ球の比率を計数し、パーセントとして表す。Btkの代表的インヒビターは、対照レベルと比較して、OA感作ラット及び抗原刺激ラットのBAL中の総白血球数の低下を示す。
前記の発明は、明瞭さ及び理解の目的のために、説明及び例として幾つかの詳細が記載されている。変更及び変形を添付の請求項の範囲内で実施してもよいことが、当業者には明白であろう。したがって、上記の記載は、例示的であり制限的ではないことを意図していることが理解される。したがって、本発明の範囲は、上記の記載に関して決定されるべきではなく、下記添付の特許請求項に関して、そのような特許請求が享受できる権利の同等物の包括的範囲と共に決定されるべきである。
本出願で引用された全ての特許、特許出願書及び出版物は、各個々の特許、特許出願書又は出版物が個々に示すのと同じ程度に、全ての目的についてその全体が参照により本明細書に組み込まれる。