JP2014521122A - 適応光学系を有する顕微鏡検査法 - Google Patents

適応光学系を有する顕微鏡検査法 Download PDF

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Abstract

収束された光ビームを操作する方法は、ビームの断面が個々のビームレットを含む励起光ビームをレンズによりサンプル内の焦点に収束させるステップを含む。レンズの後瞳での励起ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相は、波面変調素子により個々に変更され、個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、焦点から放射される放射光が検出される。個々のビームレットの方向は、焦点からの放射光が最大または最少になるように制御され、個々のビームレットの相対位相は、焦点からの放射光が増加するように制御される。
【選択図】図1

Description

本開示は顕微鏡検査法に関し、特に、適応光学系を有する顕微鏡検査法に関する。
光学顕微鏡法は、数世紀前の発明以来、注目すべきコントラスト機構およびハードウェアの実現とともに多くの段階を経て進化してきた。しかし、その使用の根本的な目的、すなわち、裸眼では識別不可能な特徴の解析を可能にするという点は変わっていない。その結果、より高い分解能の追及が近年における光学顕微鏡開発の焦点になり、従来の光学顕微鏡法の回折限界を打ち破るためにいくつかの方法が示されている。こうした努力にもかかわらず、正当に評価されない1つの事実が残っている。すなわち、多くの生物サンプルでは、高性能な研究用顕微鏡を以てしても、回折限界の分解能が実現されることは稀である。光学顕微鏡の理想的な画像性能では、励起光及び/又は放射光は、設定された浸漬媒体の光学特性と同じ光学特性を有するサンプルを通過する必要があり、このような条件からのずれがあると、収差として知られる光学的歪みが生じて、信号、画像忠実度、および分解能の劣化をもたらす。実際には、生物サンプルは不均質な光学特性を有しており、画像は生物組織内の深さが増すにしたがって次第に画質が低下する。例えば、2光子蛍光顕微鏡検査法などのポイントスキャン顕微鏡検査法においては、励起光の収差はサンプル内の焦点の拡大につながり、信号および解像度を同時に劣化させる。
したがって、現在の技術の問題点に対処し、新規かつ画期的な特長を提供するシステムおよび方法が必要とされる。
本開示は、光学系の後瞳に入射する光ビームの個々のビームレットの方向及び/又は位相を個々に制御する顕微鏡検査法技術を説明する。個々のビームレットは、後瞳に衝突する光が平面波ではなく、光学系およびサンプルを横断した後のビームレットがサンプル内で建設的に干渉して密に重なり合うように歪められた波となるように制御される。これにより、サンプル及び/又はシステムから生じる収差の適応光学系補正が行われる。
一般的な態様では、収束された光ビームを操作する方法において、ビームの断面が個々のビームレットを含む励起光ビームをレンズによりサンプル内の焦点に収束させる。レンズの後瞳での励起ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相は、波面変調素子により個々に変更され、個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、焦点から放射される放射光が検出される。個々のビームレットの方向は、焦点からの放射光が最大または最少になるように制御され、個々のビームレットの相対位相は、焦点からの放射光が増加するように制御される。
実施形態は、以下の特徴のうち1つまたは複数を含むことができる。例えば、焦点の位置をサンプル内の複数の異なる位置に変更することができ、焦点が異なる位置にあるときに焦点から放射される放射光を検出することができ、焦点の異なる位置から検出された放射光に基づき、サンプルの画像を生成することができる。
焦点が異なる位置にあるとき、レンズの後瞳での励起ビームの個々のビームレットの方向または相対位相を、波面変調素子により個々に変更することができる。個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、焦点から放射される放射光を検出することができる。個々のビームレットの方向は、焦点からの放射光が最大または最少になるように制御が可能であり、個々のビームレットの相対位相は、焦点からの放射光が増加するように制御が可能である。
励起光は第1の波長を有し、放射光は第1の波長よりも小さい第2の波長を有することができる。励起光は第1の波長を有し、放射光は第1の波長よりも大きい第2の波長を有することができる。
波面変調素子は反射型空間光変調器を含んでもよく、空間光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、活性層から反射される光と空間光変調器の他のインタフェースから反射される光との間に非ゼロ方向を誘導することができる。焦点からの放射光を最大または最少にするのに用いる個々のビームレットの方向を、個々のビームレットの少なくとも一部について、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更し、ビームレットの方向が変更された状態で、焦点からの信号の放射を観察し、観察された信号の放射に基づき、ビームレットの方向を決定することにより、決定することができる。
個々のビームレットの少なくとも一部について、少なくとも2つの位相値に亘ってビームレットの位相を変更することができる。そして、それぞれの位相値について、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更することができる。ビームレットの方向が変更された状態で、焦点からの信号の放射を観察し、観察された信号の放射に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になるビームレットの方向を決定することができる。
個々のビームレットの少なくとも一部について、以下を含むプロセスを少なくとも2回繰り返すことができる。レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更し、ビームレットの方向が変更された状態で、焦点からの信号の放射を観察し、観察された信号の放射に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になるビームレットの方向を決定する。
焦点からの放射光を増加させる個々のビームレットの相対位相は、個々のビームレットの少なくとも1つについて、レンズの後瞳での他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの位相を変更し、ビームレットの位相が変更された状態で、焦点からの信号の放射を観察し、観察された信号の放射に基づき、焦点からの信号光の放射を増加させるビームレットの相対位相を決定することにより、決定することができる。
個々のビームレットの少なくとも一部について、以下を含むプロセスを少なくとも2回繰り返すことができる。レンズの後瞳での他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの位相を変更し、ビームレットの位相が変更された状態で、焦点からの信号の放射を観察し、観察された信号の放射に基づき、焦点からの信号光の放射を増加させるビームレットの相対位相を決定する。
焦点からの放射光が最大または最少になる個々のビームレットの方向は、個々のビームレットの少なくとも1つについて、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更し、ビームレットの方向が変更された状態で、ビームレットの光学特性をディザ周波数でディザし、ビームレットの方向が変更された状態で、実質的にディザ周波数で、焦点からの信号の放射のスペクトル成分を観察し、ビームレットの方向の関数としての観察された信号の放射に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になるビームレットの方向を決定することにより、決定することができる。
レンズの後瞳での第1のビームレットおよび第2のビームレットの方向を同時に変更することができ、第1のビームレットの方向が変更された状態で、第1のディザ周波数で第1のビームレットの光学特性をディザし、第2のビームレットの方向が変更された状態で、第2のディザ周波数で第2のビームレットの光学特性をディザすることができる。第1および第2のビームレットの方向が変更された状態で、実質的に第1および第2のビームレットに対応する第1および第2のディザ周波数で焦点から放射される信号の放射のスペクトル成分を同時に観察することができ、各ビームレットに対応する、観察された信号の放射に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になる第1および第2のビームレットの方向を決定することができる。第1および第2のディザ周波数は無相関としてもよい。
ビームの断面は焦点に収束された少なくともN個(N>2)の個々のビームレットを含むことができ、レンズの後瞳にN個のビームレットを配して、サンプル内の焦点に収束させることができる。配されたN個のビームレットについて、レンズの後瞳でのN個のビームレットの方向を同時に変更し、ビームレットの方向が変更された状態で、N個のビームレットのそれぞれの光学特性を固有のディザ周波数でディザすることができる。N個のビームレットの方向が変更された状態で、実質的にN個のビームレットに対応するN個の固有のディザ周波数で焦点から放射される信号の放射のスペクトル成分を同時に観察することができる。N個のビームレットのそれぞれに対応する、観察された信号の放射に基づき、サンプルの焦点からの放射光が最大または最小になるN個のビームレットの方向を決定することができる。N個のビームレットの方向を第1の光学素子により変更し、N個のビームレットの光学特性を第2の光学素子によりディザすることができる。
励起光ビームが収束された焦点に参照ビームを収束させることができる。個々のビームレットの少なくとも一部について、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更し、変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットをレンズの後瞳から転換させることができる。ビームレットの方向が変更された状態で、かつ変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットがレンズの後瞳から転換された状態で、焦点からの信号の放射を観察することができる。観察された信号の放射に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になるビームレットの方向を決定することができる。レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更することは、ビームレットが反射される鏡の位置を変更することを含んでもよく、変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットを転換させることは、転換されたビームレットがデジタルマイクロミラーアレイの個々のマイクロミラーから反射される方向を選択することを含んでもよい。レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更することは、ビームレットが反射される鏡の位置を変更することを含んでもよく、変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットを転換させることは、1つまたは複数の個々のビームレットに対応する空間光変調器上の位置の1つまたは複数の位相ランプを選択して、1つまたは複数の個々のビームレットを転換させることを含んでもよい。レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更することは、ビームレットが反射される鏡の位置を変更することを含んでもよく、変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットを転換させることは、転換されたビームレットが可変鏡の個々の部分から反射される方向を選択することを含んでもよい。
方向及び/又は相対位相が異なりたP個(Pは整数)の個々のビームレットはレンズの後瞳で互いに重複する断面を有してもよく、P個の個々のビームレットの方向および相対位相を制御することは、レンズの後瞳でのQ個(Qは整数であり、Q>P)の異なる構成ビームレットの方向を個別に制御することを含んでもよい。
各個のビームレットの複数の先端角のそれぞれおよび複数の傾斜角のそれぞれについて、焦点の位置をサンプル内の複数の異なる位置に変更することができる。そして、複数の先端角のそれぞれ、複数の傾斜角のそれぞれ、および焦点のサンプル内における焦点の複数の異なる位置のそれぞれについて、焦点から放射される放射光を検出することができる。複数の先端角および傾斜角のそれぞれについて、複数の焦点の位置から検出された放射光に基づき、焦点の全位置に亘って合成したサンプルからの放射光が最大になるビームレットの先端角および傾斜角を決定することができる。
別の一般的な態様では、光学系の結像面上の焦点での光の強度を増加させる方法は、光学系のレンズにより、サンプルからの放射光のビームを集めることを含み、ここでレンズの後瞳から現れる放射光のビームの断面は個々のビームレットを含む。光ビームは結像面上の焦点に収束され、放射光ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相が焦点で波面変調素子により個々に変更される。個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、焦点での光の強度が検出され、焦点での光の強度を増加させるように個々のビームレットの方向および相対位相が制御される。
実施形態は、以下の特徴ののうち1つまたは複数を含むことができる。例えば、焦点は半透明マスクのピンホールに位置することができる。波面変調素子は反射型空間光変調器を含んでもよく、空間光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、活性層から反射される光と空間光変調器の他のインタフェースから反射される光との間に非ゼロ方向を誘導することができる。
焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの方向を変更することができ、ビームレットの方向が変更された状態で、焦点での光の強度を観察することができる。観察された強度に基づき、焦点での光の強度を増加させるビームレットの方向を決定することができる。
個々のビームレットの少なくとも一部について、少なくとも2つの位相値に亘ってビームレットの位相を変更することができ、そして、位相値のそれぞれについて、焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの方向を変更することができ、ビームレットの方向が変更された状態で、焦点での光の強度を観察することができ、観察された強度に基づき、焦点での光の強度を増加させるのに用いるビームレットの方向を決定することができる。
焦点での光の強度を増加させる個々のビームレットの相対位相は、個々のビームレットの少なくとも1つについて、焦点での他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの位相を変更し、ビームレットの位相が変更された状態で、焦点での光の強度を観察し、観察された強度に基づき、ビームレットの相対位相を決定することにより、決定することができる。
焦点での光の強度を増加させる個々のビームレットの方向は、個々のビームレットの少なくとも1つについて、焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの方向を変更し、ビームレットの方向が変更された状態で、ビームレットの光学特性をディザ周波数でディザし、ビームレットの方向が変更された状態で、実質的にディザ周波数で、焦点からの強度信号のスペクトル成分を観察し、ビームレットの方向の関数としての観察された強度信号のスペクトル成分に基づき、ビームレットの方向を決定することにより、決定することができる。
焦点での光の強度を増加させる個々のビームレットの方向は、個々のビームレットの少なくとも一部について、焦点での第1のビームレットおよび第2のビームレットの方向を同時に変更し、第1のビームレットの方向が変更された状態で、第1のディザ周波数で第1のビームレットの光学特性をディザし、第2のビームレットの方向が変更された状態で、第2のディザ周波数で第2のビームレットの光学特性をディザし、第1および第2のビームレットの方向が変更された状態で、実質的に第1および第2のビームレットに対応する第1および第2のディザ周波数で、焦点からの強度信号のスペクトル成分を同時に観察し、各ビームレットに対応する、観察された強度信号の放射のスペクトル成分に基づき、第1および第2のビームレットの方向を決定することにより、決定することができる。
ビームの断面は焦点に収束された少なくともN個(N>2)の個々のビームレットを含んでもよく、焦点での光の強度を増加させる個々のビームレットの方向は、N個のビームレットについて、焦点でのN個のビームレットの方向を同時に変更し、ビームレットの方向が変更された状態で、N個のビームレットのそれぞれの光学特性を固有のディザ周波数でディザし、N個のビームレットの方向が変更された状態で、実質的にN個のビームレットに対応するN個の固有のディザ周波数で、焦点からの強度信号のスペクトル成分を同時に観察し、N個のビームレットのそれぞれに対応する、観察された強度信号のスペクトル成分に基づき、N個のビームレットの方向を決定することにより、決定することができる。N個のビームレットの方向を第1の光学素子により変更し、N個のビームレットの光学特性を第2の光学素子によりディザすることができる。
別の一般的な態様では、顕微鏡システムは、ビームの断面が個々のビームレットを含む励起光ビームを生成するように構成される光源と、励起光ビームをサンプル内の焦点に収束させるように構成されるレンズと、レンズの後瞳での励起ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相を個々に変更するように構成される波面変調素子と、個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、焦点から放射される放射光を検出するように構成される検出器とを含む。波面変調素子はさらに、検出された放射光に応じて、個々のビームレットの方向を制御して焦点からの放射光を最大または最少にし、個々のビームレットの相対位相を制御して焦点からの放射光を増加させるように構成される。
実施形態は、以下の特徴ののうち1つまたは複数を含むことができる。1つまたは複数の調節可能な鏡を、焦点の位置をサンプル内の複数の異なる位置に変更するように構成することができ、プロセッサを、焦点の異なる位置から検出された放射光に基づき、サンプルの画像を生成するように構成することができる。励起光は第1の波長を有し、放射光は前記第1の波長よりも小さい第2の波長を有することができる。励起光は第1の波長を有し、放射光は第1の波長よりも大きい第2の波長を有することができる。
波面変調素子は反射型空間光変調器を含んでもよく、反射型空間光変調器は、光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、活性層から反射される光と空間光変調器の前面から反射される光との間に非ゼロ角度を誘導するように構成される。
波面変調素子はさらに、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳での個々のビームレットの少なくとも一部の方向を変更するように構成することができ、システムは、レンズの後瞳でのビームレットの方向が変更された状態で、かつレンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、サンプルから放射される、検出された放射光に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になる少なくとも一部の個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。
波面変調素子はさらに、少なくとも2つの位相値に亘って各個のビームレットの位相を変更してから、位相値のそれぞれについて、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更するように構成することができ、システムは、レンズの後瞳でのビームレットの方向が位相値のそれぞれで変更された状態で、サンプルから放射される、検出された放射光に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になる個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに含んでもよい。
波面変調素子はさらに、レンズの後瞳での他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、レンズの後瞳での各個のビームレットの位相を変更するように構成することができ、システムは、ビームレットの位相が変更された状態で、サンプルから放射される、検出された放射光に基づき、焦点からの信号光の放射を増加させるビームレットの相対位相を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに含んでもよい。
波面変調素子はさらに、個々のビームレットの少なくとも一部について、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更し、ビームレットの方向が変更された状態で、少なくとも一部の個々のビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成することができる。検出器はさらに、ビームレットの方向が変更された状態で、実質的にディザ周波数で放射光のスペクトル成分を検出するように構成することができ、システムは、変更されたビームレットの方向の関数としての検出された放射光のスペクトル成分に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になる少なくとも一部の個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに含んでもよい。
波面変調素子はさらに、個々のビームレットの少なくとも1つについて、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更するように構成することができ、システムは、ビームレットの方向が変更された状態で、少なくとも1つのビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成されるディザリング光学素子をさらに含んでもよく、検出器はさらに、ビームレットの方向が変更された状態で、ディザ周波数で放射光のスペクトル成分を検出するように構成される。1つまたは複数のプロセッサは、変更されたビームレットの方向の関数としての検出された放射光のスペクトル成分に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になる少なくとも1つのビームレットの方向を決定するように構成することができる。
波面変調素子は反射型空間光変調器を含んでもよく、ディザリング光学素子はデジタルマイクロミラーアレイまたは可変鏡を含んでもよい。波面変調素子はさらに、個々のビームレットの少なくとも一部について、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳での個々のビームレットの方向を同時に変更するように構成することができる。ディザリング光学素子は、ビームレットの方向が変更された状態で、少なくとも1つのビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成することができ、検出器は、ビームレットの方向が変更された状態で、ディザ周波数で放射光のスペクトル成分を検出するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサは、変更されたビームレットの方向の関数としての検出された放射光のスペクトル成分に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になる少なくとも1つのビームレットの方向を決定するように構成することができる。
波面変調素子はさらに、個々のビームレットの少なくとも一部について、レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、レンズの後瞳での個々のビームレットの方向を同時に変更するように構成することができ、ディザリング光学素子は、第1のビームレットの方向が変更された状態で、第1のディザ周波数で第1のビームレットの光学特性をディザし、第2のビームレットの方向が変更された状態で第2のディザ周波数で第2のビームレットの光学特性をディザするように構成することができる。検出器はさらに、ビームレットの方向が変更された状態で、実質的に第1および第2のディザ周波数で放射光のスペクトル成分を検出するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサは、変更されたビームレットの方向の関数としての検出された放射光のスペクトル成分に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になる第1および第2の個々のビームレットの方向を決定するように構成することができる。
ビームの断面は少なくともN個(N>2)の個々のビームレットを含んでもよく、レンズは、N個の個々のビームレットを焦点に収束させるように構成することができる。波面変調素子は、レンズの後瞳でのN個のビームレットの方向を同時に変更するように構成することができる。ディザリング光学素子は、ビームレットの方向が変更された状態で、N個の個々のビームレットの光学特性を固有のディザ周波数でディザするように構成することができ、検出器は、ビームレットの方向が変更された状態で、実質的にN個のディザ周波数で放射光のスペクトル成分を検出するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサは、変更されたビームレットの方向の関数としての検出された放射光のスペクトル成分に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になるN個の個々のビームレットの方向を決定するように構成することができる。
波面変調素子は、レンズの後瞳での各個のビームレットの方向を変更するように構成することができ、1つまたは複数の参照ビーム光学素子は、励起光のビームが収束された焦点に参照ビームを配すように構成することができる。転換光学素子は、変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットをレンズの後瞳から転換させるように構成することができる。検出器はさらに、ビームレットの方向が変更された状態で、かつ変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットをレンズの後瞳から転換させた状態で、焦点からの信号の放射を観察するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサは、観察された信号の放射に基づき、焦点からの放射光が最大または最少になるビームレットの方向を決定するように構成することができる。
転換光学素子は、個々のビームレットをレンズの後瞳から選択的に転換させるように構成されるデジタルマイクロミラーアレイを含んでもよく、レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更することは、ビームレットが反射される、アレイの1つまたは複数の鏡の位置を変更することを含んでもよい。
転換光学素子は空間光変調器であってもよく、空間光変調器は、転換される1つまたは複数の個々のビームレットに対応する、空間光変調器上の1つまたは複数の位相ランプを適用するように構成することができ、システムは、レンズの後瞳での変更されたビームレットの方向を変更するように構成される1つまたは複数の鏡を含んでもよい。
転換光学素子は可変鏡を含んでもよく、可変鏡は、1つまたは複数の個々のビームレットを転換させるために形状を変化させるように構成することができ、1つまたは複数の鏡は、レンズの後瞳での変更されたビームレットの方向を変更させるように構成することができる。
光源は、方向及び/又は相対位相が異なり、レンズの後瞳で互いに重複する断面を有するP個(Pは整数)の個々のビームレットを配することができる。波面変調素子は、レンズの後瞳でのQ個(Qは整数で、Q>P)の異なる構成ビームレットの方向をそれぞれ個別に制御することにより、P個の個々のビームレットの方向および相対位相を制御するように構成することができる。
波面変調素子は、反射型空間光変調器、可変鏡、またはデジタルマイクロミラーアレイを含んでもよい。
別の一般的な態様では、顕微鏡システムは、サンプルからの放射光のビームであり、個々のビームレットを含むビームを集めるように構成されるレンズと、焦点に放射光ビームを収束させるように構成される1つまたは複数の収束光学素子とを含む。波面変調素子は、焦点での放射光ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相を個々に変更するように構成される。検出器は、個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、焦点での光の強度を検出するように構成され、波面変調素子はさらに、検出された放射光に応じて、個々のビームレットの方向および相対位相を制御して焦点での光の強度を増加させるように構成される。
実施形態は、以下の特徴ののうち1つまたは複数を含むことができる。例えば、ピンホールを定義する半透明マスクは焦点に位置してもよい。
波面変調素子は反射型空間光変調器を含んでもよく、反射型空間光変調器は、空間光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、活性層から反射される光と空間光変調器の他のインタフェースから反射される光との間に非ゼロ方向を誘導するように構成される。
波面変調素子は、焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの方向を変更するように構成することができ、検出器は、ビームレットの方向が変更された状態で、焦点での光の強度を観察するように構成することができ、1つまたは複数のプロセッサは、観察された強度に基づき、焦点での光の強度を増加させるのに用いる個々のビームレットの方向を決定するように構成することができる。
波面変調素子はさらに、少なくとも2つの位相値に亘ってビームレットの位相を変更してから、位相値のそれぞれについて、焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの方向を変更するように構成することができる。検出器は、ビームレットの方向が変更された状態で、焦点での光の強度を観察するように構成することができ、1つまたは複数のプロセッサは、観察された強度に基づき、ビームレットの方向を決定するように構成することができる。
波面変調素子は、焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの位相を変更するように構成することができ、検出器は、ビームレットの位相が変更された状態で、焦点での光の強度を観察するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサは、観察された強度に基づき、焦点での光の強度を増加させるビームレットの相対位相を決定するように構成することができる。
波面変調素子は、焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、焦点でのビームレットの方向を変更するように構成することができる。ディザリング光学素子は、ビームレットの方向が変更された状態で、ビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成することができ、検出器は、ビームレットの方向が変更された状態で、実質的にディザ周波数で焦点での強度信号のスペクトル成分を観察するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサは、ビームレットの方向の関数としての観察された強度信号のスペクトル成分に基づきビームレットの方向を決定するように構成することができる。
放射ビームの断面は、焦点に収束された少なくともN個(N>1)の個々のビームレットを含んでもよく、波面変調素子は、焦点でのN個のビームレットの方向を同時に変更するように構成することができる。ディザリング光学素子は、ビームレットの方向が変更された状態で、N個のビームレットのそれぞれの光学特性を固有のディザ周波数でディザするように構成することができる。検出器は、N個のビームレットの方向が変更された状態で、実質的にN個のビームレットに対応するN個の固有のディザ周波数で、焦点からの強度信号のスペクトル成分を観察するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサは、N個のビームレットのそれぞれに対応する、観察された強度信号のスペクトル成分に基づき、焦点での光の強度を増加させるN個のビームレットの方向を決定するように構成することができる。
1つまたは複数の実施形態の詳細を添付図面および以下の説明に記載する。他の特徴は、説明および図面から、また特許請求の範囲から明らかになるであろう。
システム及び/又はサンプル収差の補正に適応光学系を用いるポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な顕微鏡システムの概略ブロック図である。
システム及び/又はサンプル収差の補正に適応光学系を用いるポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な顕微鏡システムの概略ブロック図である。
図3aは、対物レンズに衝突して収差なしで回折限界焦点に収束された平面波光ビームの概略図である。
図3bは、波の経路の不均一性による収差を受けた状態で対物レンズに衝突して非回折限界焦点に収束された平面波光ビームの概略図である。
図3cは、波の経路の不均質性による収差を受けた状態で対物レンズに衝突して回折限界焦点に収束された複数のビームレットから構成される歪み波光ビームの概略図であり、受ける収差はビームレットが対物レンズの後瞳に入射する角度および相対位相によって補償される。
励起ビームの焦点の空間的広がりを縮小させるのに適応光学系技術を用いるポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な顕微鏡システムの概略ブロック図である。
励起ビームの焦点の空間的広がりを縮小させるのに適応光学系技術を用いるポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な他の顕微鏡システムの概略ブロック図である。
励起ビームの焦点の空間的広がりを縮小させるのに適応光学系技術を用いるポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な他の顕微鏡システムの概略ブロック図である。
図7aは、対物レンズの後瞳でビームをセグメント化するのに用いる、波面変調素子上の3つの独立したマスクの概略図である。
図7bは、対物レンズの後瞳でビームをセグメント化するのに用いる、波面変調素子上の9つの独立したマスクの概略図である。
図7cは、対物レンズの後瞳で9つのセグメントを作成するために重複する、波面変調素子上の6つのマスクの概略図である。
図7dは、対物レンズの後瞳に18個のセグメントを作成するために互いに重複するように複数の位置に配置された、波面変調素子上の15個のマスクの概略図である。
サンプルを通過する光に収差を生じさせるサンプルの概略図である。
適応光学系技術を用いて収差を補正する広視野顕微鏡検査システムの概略図である。
適応光学系技術を用いて収差を補正する広視野顕微鏡検査システムの概略図である。
波面変調素子に適用されるフレネル・ゾーン・プレート・パターンの概略図である。
図11Aのフレネル・ゾーン・プレート・パターンを有する物体の画像化によって形成された物体の画像の概略図である。
波面変調素子に適用されるフレネル・ゾーン・プレート・パターンの配列の概略図である。
図11Cのフレネル・ゾーン・プレート・パターンの配列を有する物体の画像化によって形成された物体の画像の配列の概略図である。
サンプル内に光を収束させるプロセスのフローチャートである。
図1は、システム及び/又はサンプル収差の補正に適応光学系を用いるサンプルのポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な顕微鏡検査システム100の概略ブロック図である。ポイントスキャン顕微鏡検査法では、空間的広がりの極めて小さい点に光が収束され、この点から発生する信号光は非結像検出器(例えば、光電子増倍管)により検出される。物体の画像は、サンプル全域に亘って焦点を走査し、焦点の異なる位置から得られた信号光から計算により画像を構成することで形成される。サンプル内の焦点は、サンプルを固定位置に保持して焦点を走査することにより走査が可能であり、或いは、焦点を固定位置に維持してサンプルを移動させることにより、またはサンプルと焦点との両方を移動させる組み合わせにより、走査を行ってもよい。
システムは励起光源102を含む。実施形態の一例では、光源102は、近赤外線励起光ビームを発生するフェムト秒パルスチタンサファイアレーザ(例えば、Chameleon Ultra IIモデル、Coherent Inc.製)を含むことができる。励起光ビームは、1対のガルバノメータ104a、104bから反射され、励起光ビームとサンプル106における励起ビームの焦点との2次元(2D)ラスタ走査(x方向およびy方向の)を提供する。一実施形態では、ガルバノメータは、Cambridge Technology Inc.製の3mmビームアパーチャガルバノメータ、モデル番号6215Hを含むことができる。ガルバノメータ104a、104bは、2つの特注の30mm焦点距離のテレセントリックf−θレンズ108a、108bによって互いに光学的共役関係を有することができる。第3のレンズ110と特注の焦点距離150mmのテレセントリックf−θレンズ112とは、ガルバノメータ104bが波面変調素子(以下「WME」)114に対して共役となるように機能し、さらに励起ビームをWMEの寸法により良く合うように拡大する。サンプルは、励起ビームの焦点に対するサンプルの位置を移動させるのに用いることのできる移動ステージ上に置いてもよい。
一実施形態では、WME114は、液晶相のみの空間光変調器(例えば、1920×1080ピクセル、PLUTO−NIR空間光変調器、Holoeye Photonics AG製)を含むことができる。他の実施形態では、WME114は、可変鏡(例えば、Mirao52−e、Imagine Eyes,Inc.製)またはマイクロミラーのアレイ(例えば、Kilo−DM、Boston Micrmachines製)を含むことができる。WME114は、システムまたはサンプルから生じる収差の特殊AO補正を行うようにプログラミングが可能である。WMEとして反射型液晶相のみの空間光変調器(SLM)を用いることの利点は、ピクセル数が多い(例えば、1920×1080ピクセル)ために、滑らかに変化する線形位相ランプを各々が有する多くの小区域に容易に分割できるという点である。また、小区域がそれぞれ完全に独立しており、可変鏡のように機械的に結合されていないことも理由の一部である。WME114に対するガルバノメータ104aおよび104bの共役によって、WME114の各小区域での励起ビームの強度がビーム走査中も一定に保たれる。
WME114自体は、1対のレンズ116a、116bにより、励起ビームをサンプル106内の焦点120に収束させる顕微鏡対物レンズ118の後瞳面に対して共役関係を有する。一実施形態では、対物レンズ118は、16mm径の後瞳を有する20×NA1.0水浸対物レンズ(例えば、W Plan−APOCHROMATモデル、Carl Zeiss Inc.製)とすることができる。別の実施形態では、対物レンズ118は、20mm径の後瞳を有する16×NA0.8水浸対物レンズ(例えば、LWD 16×Wモデル、Nikon Corp.製)とすることができる。
対物レンズ118の後瞳面に対するWME114の共役関係によって、励起ビームの走査中およびサンプル106内の焦点120の走査中に、WME114で適用される補正位相パターンが後瞳を横切って移動しないことが保障される。レンズ116a、116b間の中間像面に位置する視野絞り122は、望ましくない、比較的高い回折次数からの光、WMEの前面からの鏡面反射(WMEがSLMなどの反射素子を含む場合)、およびサンプル106に入射しないよう意図された角度でWME114の小区域から反射される光などをブロックするように機能する。
ツァイス(Zeiss)対物レンズ(デザインNA1.0)に対しては、1/eビーム半径σをWME114で6.0mmにして、後瞳半径aに正規化されたフィルファクタσ/a=0.75の対物レンズ118の後瞳を用いることができる。ニコン(Nikon)対物レンズ(デザインNA0.8)については、正規化されたフィルファクタσ/a=1に対して、1/eビーム半径σをWME114で6.0mmにして、1/eビーム半径を対物レンズ118の後瞳で12.0mmとしてもよい。これらのフィルファクタによって、励起ビームの大部分に亘って位相補正を適用することができ、励起ビームエネルギーの大半が対物レンズ118に入射する。ツァイス対物レンズの比較的低いフィルファクタは対物レンズを生体内深部の撮像により適したものとし、一方、ニコンの場合の比較的高いフィルファクタは対物レンズNAをより効率的に利用して、分解能を最大にする。ツァイス対物レンズでは適応光学系補正に用いられるWME領域は長方形であるが、ニコン対物レンズではWME領域は正方形である。
対物レンズの真上の2色性ロング・パス・ビームスプリッタ124は、励起ビーム光をサンプル106に伝達し、サンプル106から放射される放射光の蛍光信号を反射することができる。反射された放射光は後に検出器126で検出することができる。検出器126は1つまたは複数の光電子増倍管チューブ(例えば、モデルH7422−40、Hamamatsu製)であってもよい。対物レンズ118は、z軸ステージ128によって、サンプル106に衝突する励起ビームの軸方向に移動させることができる。システム100は、1つまたは複数のプロセッサ及び/又はコンピュータデバイス150を含んでもよく、これらはシステムの他の素子を制御し、及び/又はシステムから得られる情報を処理するよう動作してもよい。例えば、プロセッサ及び/又はコンピュータデバイス150は、ミラーおよびレンズを含むシステム内の光学素子の位置及び/又は角度を制御してWME114の光学特性を制御するために、光源102の出力および周波数を制御するよう動作が可能である。また、プロセッサ及び/又はコンピュータデバイス150は、検出器126によって検出される光に関する情報を処理するよう動作が可能である。例えば、プロセッサ及び/又はコンピュータデバイス150は、検出された光に基づいてサンプル106の画像を作成してもよく、例えば、システムをポイントスキャン顕微鏡検査法に用いる場合、プロセッサ及び/又はコンピュータデバイス150は、焦点120がサンプル106内の複数の異なる位置にある場合の放射光の量および質に関する情報に基づいてサンプル106の画像を作成してもよい。
図2は、図1に示すシステム100のさらなる詳細を示す、顕微鏡システム100の概略ブロック図である。システムのさらなる詳細の一部には、アナログ・フィードバック・ループで、1)サンプルで所望のレーザー強度を設定し、2)レーザー強度を安定化し、c)ビームがサンプル106の走査に用いられていない場合に、あるいは走査中のxガルバノメータ104aのフライバック中に、励起ビームを削除するために、ビームピックオフ204(例えば、7940モデルビームピックオフ、Omega Optical製)、光検出器206(例えば、PDA100Aモデル光検出器、ThorLabs製)、および比例−積分−微分コントローラ(図示せず、例えば、SIM960コントローラ、Stanford Research Systems製)と結合可能な電気光学変調器(以下「EOM」)202(例えば、350−80LA EOMモデル、Conoptics Inc.製)が含まれる。励起ビームの出力を確実に制御可能なダイナミックレンジ(例えば、励起ビームのフルパワーの0.01%〜100%)をさらに拡大するために、一連の中性密度フィルタを有するフィルタホイール208(例えば、Lambda10−Bフィルタホイール、Sutter Instruments製)を用いてもよい。EOM202から顕微鏡対物レンズ118までの長い経路上での励起ビームの発散を最小にするために、2×ビーム拡大器210(例えば、BE02M−Bモデル、Thorlabs Inc.製)を用いてもよい。
顕微鏡対物レンズは、軸方向における画像化のための高速単一軸圧電屈曲ステージ218(例えば、P−733.ZCLステージモデル、Physik Instrumente,GmbH製)に取り付けが可能である。検出経路に沿って、蛍光は、まずレンズ220(例えば、LA1002−Aレンズ、Thorlabs製)によってコリメートされ、カスタム2色性ビームスプリッタ222(例えば、Q560DCXRビームスプリッタ、Chroma Technology Corp.製)によって赤色および緑色成分に分けられ、2つの新たなレンズ224、226(例えば、LA1002−Aレンズモデル、Thorlabs製)によって再収束され、そして2つのPMT226、228で検出される。緑色の蛍光を1対のフィルタ230(例えば、ガラスフィルタ:CG−BG−39−1.00−2モデル、CVI製、および帯域通過フィルタ:FF01−510/84モデル、Semrock製)によって第1のPMT226で選択し、赤色の蛍光を別のフィルタ対232(例えば、帯域通過フィルタ:FF01−617/73モデル、Semrock製、および帯域通過フィルタ:FF01−630/69モデル、Semrock製)によって第2のPMT228で選択することができる。2つのPMT226、228で測定される信号を昇圧するために、低ノイズ電流増幅器(例えば、DLPCA−200モデル増幅器、FEMTO Messtechnik,GmbH製)を用い、各ピクセルの時間的経過にともなって得られる増幅された電流スパイクを加算して、赤色および緑色画像の形成のためにデジタル化された2つの最終的な信号を生成するために、高速リセット・カスタム・アナログ積分器を用いることができる。
図1および図2のシステム100は、例えば、厚い組織における2光子蛍光顕微鏡検査法などを含むポイントスキャン顕微鏡検査法に用いてもよく、その場合、波長λを有する励起光のビームはサンプル106内の焦点に強く収束され、サンプル106の焦点が走査される間に、波長λ/2を有する放射光が焦点120から検出される。蛍光顕微鏡検査法や共焦点顕微鏡検査法などの他の顕微鏡検査法技術では、放射光の波長は励起光の波長以下であり、さらにポイントスキャン顕微鏡検査法を用いることもできる。サンプルの画像は、サンプル内の焦点の関数としての放射光信号に基づいて形成される。2光子顕微鏡検査法を含むポイントスキャン顕微鏡検査法では、収束された励起光の受ける収差が焦点120の強収束を劣化させ、したがって画像品質に影響を与える収差である。焦点120の空間強度プロファイルは電磁理論から算出することも可能であり、かつその理想的な回折限界からのずれは収差モードの無限級数により数学的に記述することも可能であるが、ここでは、本発明者らは、代わりに、収差補正のための直感的な適応光学系アルゴリズムにつながる、焦点形成の簡単な物理的モデルに従う。
このモデルでは、顕微鏡対物レンズ118の後瞳に入射するすべての光線が曲げられ、共通の位相を有して共有点で交わるときに、回折限界焦点120が生じるものと考える。すなわち、焦点は最大の建設的干渉点である。図3aはこのような状態を示しており、ここでは、平面波302として顕微鏡対物レンズ304に衝突するビームは顕微鏡対物レンズ304によって点306に収束され、ビームのビームレット308、310、312の各例は同じ焦点306に収束している。しかし、図3bに示すように、対物レンズ304と公称焦点306との間の経路に沿った屈折率の予期せぬ不均質性によってビームレット308、310、312が偏向される可能性があるため、これらのビームレットのすべてが焦点で交わるわけではない、及び/又はビームレット308、310、312の相対位相がシフトする可能性があり、したがって、個々のビームレットは焦点において他のビームレットとさほど建設的に干渉しない。
図3cに示すように、顕微鏡対物レンズの後瞳に対して光学的に共役な波面変調素子114などの能動光学素子を用いることで、このようなビームレットを個々に焦点306に戻すことができ、ビームレットの相対位相はサンプルに起因する収差をすべて効果的に無効にするように再び最適化され、これにより回折限界焦点306が得られる。このような能動光学素子を収差の補正に用いる場合、顕微鏡対物レンズの後瞳に衝突するビームは平面波でなく、対物レンズ304およびサンプルを通過し、空間的広がりの極めて小さい焦点に同相で強く収束する後瞳上の位置、後瞳の法線に対する角度、および互いに対する相対位相で後瞳に衝突するビームレット316、318、320を含む歪み波314である。当然ながら、ビームレットの無限連続体を個々に操作することはできないが、能動素子114を、それぞれが個別に調整可能な位相パターンを有するN個の小区域に分割し、これにより後瞳を傾斜角と相対位相オフセットとを個々に制御可能なN個のビームレットに分けることは可能である。後瞳全体で必要な補正位相パターンの複雑さが増すほど、より多くの小区域Nが正確な近似を得るために必要となる。しかし、大抵の収差については、通常N<100で回折限界性能の回復には足りる。
WME114の個々の小区域で変調されたビームレット(後瞳を照射するビームレットのすべてまたはすべてのビームレットのサブセットを含む)を共通焦点120に集めるには、1つのビームレットの波面のみを変更した状態で、当該1つを除くすべてのビームレットの波面(例えば、傾斜角および相対位相オフセット)を、例えば、変更されたビームレットに対応する能動素子114中の特定の1つの小区域に一連の位相ランプを適用することにより、固定して維持してもよい。走査したビームレットと他のすべての固定ビームレットとの間の干渉により、焦点120から集められた信号の強度が変調される。この集められた信号の変調は、信号を角度に対して(例えば、対物レンズ118の後瞳の法線方向に対して)プロットすることで可視化することができる。他の実施形態では、集められた信号の変調は、ビームレットの変位が、ビームレットが対物レンズの後瞳へ入射する角度と対物レンズの焦点距離とに直接的に関係する場合に、集めた信号を対物レンズの焦点面におけるビームレットの変位に対しプロットすることで、可視化することができる。実際には、ビームレットの角度を2次元で走査して、後瞳に入射する際のビームレットの最適な方向を決定することもできる。2方向における走査は、後瞳の法線方向に対する2つの角度に対してマッピングすることができる。これら2つの角度は、「先端角」および「傾斜角」とも称する。
走査したビームレットが、対物レンズ118を経てサンプル106から焦点120へ通過する際に不均一性の悪影響を全く受けない場合、ビームレットの先端角および傾斜角の関数としての集められた信号の2Dプロットは、走査したビームレットに対応する能動素子114の部分に適用されるゼロ位相ランプに対応する極大値を有する。しかし、不均一性の悪影響がある場合、走査したビームレット先端角/傾斜角の関数としての集められた信号のプロットは、以下を有する可能性がある。(1)走査したビームレットが固定ビームレットからの光と建設的に干渉する場合には、非ゼロ位相ランプを能動素子114の一部に適用して得られる極大値。(2)走査したビームレットが固定ビームレットからの光に対し破壊的に干渉する場合には、非ゼロ位相ランプを能動素子114の一部に適用して得られる極小値。(3)走査したビームレットの位相が固定ビームレットの位相に対して±π/2付近である場合には、比較的フラットな強度。後者のシナリオでは、走査したビームレットの位相をπ/2だけオフセットしてからビームレットの角度を再度走査することにより、例えば、シナリオ(1)または(2)に対応して、極大値または極小値がシフトされた画像を生成することができる。
3つのシナリオのいずれについても、ビームレットの先端角/傾斜角の関数としての信号の2Dプロットにおける極大値または極小値が、小区域に対応するビームレットの角度または方向を変更するために能動素子114の小区域に適用すべき位相ランプを示し、ビームレットの経路不均一性の悪影響を補償し、焦点120の空間的広がりを縮小させる。同様の処理を、対物レンズ118の後瞳に入射する励起ビームのすべてのビームレットに対して順次適用して能動素子114の各小区域に適用すべき位相ランプを決定し、すべての到来ビームレットの角度または方向(例えば、対物レンズ118の後瞳の法線方向に対する角度または方向)を変更することで、各ビームレットの経路における不均一性の悪影響を補償し、焦点120の空間的広がりが縮小させることができる。それぞれのビームレットの位相ランプを決定するプロセスは複数回繰り返して行ってもよく、これは、通常は焦点の初期状態が焦点に収差がある状態であり、個々のビームレットは最初に残りのビームレットを組み合わせて形成した不完全な焦点による干渉を受けるために、有用である。このように、すべてのビームレットについて1回ビームレットの角度または方向を調整した後、焦点の重心は処理開始前と異なる位置にある。したがって、複数のビームレットについて当該プロセスを2回以上繰り返すことで、各ビームレットは繰り返し毎に収差がさらに減少した焦点に干渉するため、継続的に焦点120の空間的広がりを縮小させることができる。
個々のビームレット(または、等価的には、個々のビームレットに対応する能動素子114の小区域上の位相ランプ)の所望の角度または方向(例えば、対物レンズ118の後瞳の法線方向に対する角度または方向)が決定された後、
個々のビームレットの相対位相を変更して、焦点120で建設的干渉を最大にする個々のビームレットの相対位相を決定することができる。別の実施形態では、個々のビームレットの位相を補正するために、個々のビームレットを集めて共通焦点で交わらせるために能動素子114によって適用されるビーム偏向角に関する情報を、対物レンズの後瞳全体の位相勾配測定値のアレイを規定するのに用いてもよい。これらの位相勾配測定値から、個々のビームレットが焦点120で建設的に干渉するために必要な後瞳での個々のビームレットの相対位相を、Panagopoulou, S.I., Neal, D. R., “Zonal matrix iterative method for wavefront reconstruction from gradient measurements,” J. Refract. Surg. 21,S563−S569(2005)、または、Ji, N., D.E. Milkie及びE. Betzig, “Adaptive optics pupil segmentation for high−resolution imaging in biological tissues,” Nature Methods, 2010.7(2):p.141−147に記載され、本明細書に参照によって援用される、波面全体の位相の空間的連続性に基づく既知の反復アルゴリズムによって決定することができる。
これらの適応光学系技術は、対物レンズ118が屈折率分布型(GRIN)レンズを含む場合に特に有用となり得る。GRINレンズは、生物組織に挿入して、通常、サンプルの外側にある従来の対物レンズを用いた光学画像化を行うことのできない、より深い領域の画像化を可能にするものであるため、望ましい。しかし、GRINレンズは、従来のレンズと比較して収差が大きい。本明細書に記載の適応光学系技術では、GRINレンズにおける収差を補償することができる。
一部の実施形態では、能動素子114は、個々のビームレットに対応する能動素子の小区域にそれぞれ異なる位相ランプを適用することによりビームレットの角度を走査する空間光変調器を含んでもよい。他の実施形態では、能動素子114は、個々のビームレットに対応するミラーまたはミラーアレイの領域の向きを変えることによりビームレットの角度を走査することのできる可変鏡(例えば、ピストンチップチルトミラー)またはマイクロミラーアレイであってもよい。
「オン」の小区域では、WMEがSLMなどの反射素子を含む場合、緩やかなグローバル位相ランプを適用して、WMEの前面から鏡面的に反射される、制御不可能な僅かな光から、WME114内で変調された光の大部分を分離することができる。グローバルランプはさらに、回折効率が不十分であるために変調されなかった光から、変調された光を分離することもできる。適応光学系補正の後、WME114の各小区域に固有の別のローカル位相ランプを、サンプル106に回折限界焦点120を作り出すのに必要な個々のビームレットの傾斜角および位相に対する必要な補正を可能にするグローバル位相ランプ上に重畳してもよい。一実施形態では、WMEの個々の画素は、256個の異なるグレースケール値の1つを用いてプログラミングが可能である。WMEの制御に用いられる8ビット・グレースケール・レベルと、ピクセルによって変調されたビームレットに生じる実際の位相シフトとの関係は、メーカーの推奨値に従って、較正によって決定される。
適合光学系プロセス中の先端角/傾斜角測定と位相測定との両方の部分に対して、すべての小区域が「オフ」である背景画像を出力レベルが変更すされる度に取得し、測定値の精度を保証するために、この背景画像を、同じ出力レベルで取得されたすべての後続の画像から差し引いてもよい。
一部の実施形態では、ビームレットの角度が変更され、かつ他のビームレットの角度が固定され維持された状態で、ビームレットの光学特性をディザ周波数でディザしてもよい(すなわち、周期的に、高速に変化させる)。そして、集められた信号を周波数に基づく技術で観察することができる。例えば、一部の実施形態では、ディザ周波数に合わせたロックイン増幅器を用いて、焦点から放射される信号をディザ周波数の関数として観察することもできる。他の実施形態では、検出された信号に高速フーリエ変換(「FFT」)を適用して、信号から周波数に依存する情報を取り出してもよい。例えば、ビームレットの角度を様々な角度に亘って走査する間、走査したビームレットの強度、位相、先端角/傾斜角、または偏波をディザ周波数でディザしてもよい。例えば、能動素子114が空間光変調器である場合、ビームレットの強度を、当該ビームレットに対応する空間光変調器の小区域の回折効率を変調し、さらに同時に空間光変調器の小区域に異なる位相ランプを適用してビームレットの角度を変更することにより、ディザすることができる。同様に、ビームレットの位相は、ビームレットの角度の変更を同時に行いながら、当該ビームレットに対応する空間光変調器の小区域によりディザすることができる。周波数に基づく検出を用いることで、実質的にディザ周波数である検出された信号(すなわち、中心周波数を有し、かつディザされた信号を雑音または異なるディザ周波数の他の信号から区別することのできる帯域を有する)のスペクトル成分を記録することができ、走査したビームレットと他の固定ビームレットとの間の干渉による、集められた信号の変調を比較的高い信号対雑音比で取り出すことができる。
一部の実施形態では、第1および第2のビームレット両方の角度を変更しながら、同時に第1のビームレットの光学特性を第1のディザ周波数でディザし、第2のビームレットの光学特性を第2のディザ周波数でディザすることができる。そして、周波数に基づく技術を用いて、集めた信号を第1および第2のディザ周波数で同時に観察し、第1および第2のビームレットの励起ビームの他のビームレットへの干渉に関する情報を取り出すことができる。このように、焦点の空間的広がりを縮小させるのに用いるべき第1および第2のビームレットの角度または方向を、順番にではなく、並行して決定することができる。
一部の実施形態では、第1および第2のビームレットを対物レンズの後瞳全体に亘って同時にスイープして焦点の位置または大きさを大幅に変化させてしまうことを避けるために、第1および第2のビームレットの角度における変化は通常は無相関である。さらに、周波数に基づく検出システムが、第2のビームレットの変調により、第1のディザ周波数で認識可能な信号を検出せず、周波数に基づく検出システムに合わせたロックイン増幅器が、第1のビームレットの変調により、第2のディザ周波数で認識可能な信号を検出しないように、第1および第2の周波数を無相関としてもよい。例えば、検出器の検出限界内で、第1のディザ周波数および第2のディザ周波数が互いに対して高調ではなく、及び/又は第1のディザ周波数の第2のディザ周波数に対する比は有理数ではない。
一部の実施形態では、対物レンズの後瞳でN個のビームレットの方向または角度を変更した状態で、N>2個のビームレットのそれぞれの光学特性を固有の周波数でディザすることができる。焦点から放射される信号は、N個のビームレットの方向または角度を変更した状態で、N個の固有のディザ周波数で同時に観察することができる。そして、観察された信号に基づき、焦点の空間的広がりを縮小するのに用いるべきN個のビームレットの方向または角度を並行して決定することができる。
一部の実施形態では、単一の焦点からの光の放射に基づいて個々のビームレットの最適な先端角および傾斜角を決定するよりも、サンプル内の複数の焦点を合成した情報に基づいて最適角度を決定する。例えば、複数の異なる先端角および傾斜角のそれぞれについて、焦点をサンプル内の複数の位置に走査してもよい。先端角および傾斜角のそれぞれについて、それぞれの焦点から放射光を検出することができる。特定のビームレットに対する最適な先端角および傾斜角は、複数の焦点のそれぞれから受信された、検出放射光に基づいて決定される。例えば、一部の実施形態では、特定のビームレットに対する最適な傾斜角を、すべての焦点に亘って合成した光の放射を最大にする先端角および傾斜角として決定してもよい。単一の焦点からの放射光の検出に基づいて個々のビームレットの最適な先端角および傾斜角を決定する、本明細書に記載の特定の実施形態(例えば、ビームレットの光学特性のディザリング等)は、複数の焦点に亘って合成した放射光の検出に基づいて最適な先端角および傾斜角を決定する場合にも用いることができる。
図4は、適応光学系技術を用いて励起ビームの焦点の空間的広がりを縮小させるポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な顕微鏡システム400の概略ブロック図である。システム400は光源402(例えば、レーザ)を含む。電気光学変調器404を、システムに到来するビームの強度を制御するのに用いてもよい。ミラー405は励起ビーム408をミラー430に向け、そして、ミラー432に向ける。ミラー432は、ビーム408を可変鏡434に向け、さらにシステム400において能動素子として機能し、対物レンズ414の後瞳に衝突する個々のビームレットの位相及び/又は先端角および傾斜角を変更する。可変鏡434による変調の結果生じるビームは1対のガルバノミラー426、428により反射され、対物レンズ414を介してサンプル内450に収束する。
可変鏡434は、アレイ中の個々のマイクロミラーが先端、傾斜およびピストン運動可能なマイクロミラーアレイを含んでもよい。個々のビームレットの角度を連続的または並行に変更する適応光学系技術を、可変鏡を用いて実行してもよい。一部の実施形態では、、個々のビームレットのディザリングを、強度変調(例えば、対物レンズ414の後瞳に入射させないように個々のビームレットの先端角及び/又は傾斜角を変更することによる変調)、または位相変調(例えば、マイクロミラーのピストン運動を制御して個々のビームレットのビーム経路408の長さを変更することによる変調)のいずれかで行ってもよい。上述したように、測定を並行して行うために、ミラー434の個々の小区域を制御して複数のビームレットを同時にディザしてもよい。
図5は、適応光学系技術を用いて励起ビームの焦点の空間的広がりを縮小させるポイントスキャン顕微鏡検査法に使用可能な別の顕微鏡検査法システム500の概略ブロック図である。システム500は光源502(例えば、レーザ)を含む。電気光学変調器504は、システムに到来するビームの強度を制御するのに用いることができる。1つまたは複数のプリズム510は光をデジタルマイクロミラーデバイス512に向けて屈折させる。マイクロミラーデバイス512は、1対のレンズ516A、516Bにより、ビーム506の先端角および傾斜角を変更するのに用いることのできる高速2次元ガルバノミラー518に対して光学的に共役である。他の実施形態では、光を直交軸に向ける2つのガルバノミラーをミラー518の代わりに用いてもよい。ガルバノミラー518は、1対のレンズ520A、520Bにより空間光変調器524に対して光学的に共役になることができる。また、空間光変調器524はシステム500内で能動素子として機能して、対物レンズ514の後瞳に衝突する個々のビームレットの先端角および傾斜角、及び/又は位相を変更することができる。空間光変調器524との接触の後、励起光のビームは、対物レンズ514の後瞳に対して光学的に共役でありサンプル550内の複数の異なる位置に励起ビームの焦点を走査するのに用いることができる2つのガルバノミラー526、528により反射される。
デジタルマイクロミラーデバイス512を空間光変調器524と共に用いて、比較的高レートでビームレットの光学特性をディザする一方で、比較的低レートでビームレットの先端角および傾斜角を変更してもよい。デジタルマイクロミラーデバイス512は、1つまたは複数の個々の鏡を用いてビームレットの経路を素早く変更することにより、サンプル550に到達する個々のビームレットの強度を変調するのに用いることができる。
デジタルマイクロミラーデバイス512の応答時間は空間光変調器524の応答時間よりも速いため、空間光変調器を用いて数十〜数百ヘルツの範囲のレートで先端角および傾斜角を変更する一方で、デジタル光変調器を用いて1〜100キロヘルツの範囲においてディザ周波数を適用することができる。可変鏡の応答時間も空間光変調器の応答時間に比較して速いため、一部の実施形態では、デジタルマイクロミラーデバイス512の代わりに可変鏡を用いて角度、位相または強度変調による高速ディザ周波数を実現することができる。
デジタルマイクロミラーアレイ512内におけるマイクロミラーの配置の仕方によって、デバイス512がコヒーレント光源502に対してブレーズド回折格子となるため、プリズム510がデジタルマイクロミラーデバイス512と共に用いられる。光源502が単波長光源ではない可能性があるため、デジタルマイクロミラーアレイ512から回折される異なる周波数成分は時間および空間の両方において分散し、これを補償しなければ、焦点で周波数が空間的に広がり、時間的に分離されてしまう。したがって、プリズム510は、デバイス512により発生した分散とは反対の極性を有する時間および空間の分散を生じさせる。プリズム以外の周波数フィルタを用いてそのような機能を実現してもよい。また、SLM524の代わりに例えば可変鏡やデジタルマイクロミラーアレイなどの他の能動素子を用いて励起ビームの個々のビームレットの先端角および傾斜角を変更し、空間的広がりの縮小した焦点を実現するのに用いるべきビームレットの最適角度または方向を決定してもよい。また、デジタルマイクロミラーアレイ512の代わりに他の能動素子を用いて励起ビームの個々のビームレットの光学特性を変調してもよい。例えば、ビームレットの位相を変更するのに可変鏡を用いることもできる。
サンプルを通して焦点を軸方向に(すなわち、励起ビームの軸に沿って)走査してサンプルの3次元画像を取得する場合、デジタルマイクロミラーデバイスや可変鏡(例えば、高速チップチルトピストン分割鏡)などの高速能動素子の使用と組み合わせて空間光変調器524を用いることもできる。例えば、高速能動素子を用いてビームレットの角度を変更してビームレットの最適角度を決定する場合、サンプル内をより深く画像化するほど収差が増加するため、高速能動素子により高速に決定した補正をサンプル内の所定の深さで空間光変調器に適用することができ、これにより、サンプル内の次の深さに進む場合、高速能動素子は追加的に発生した収差分を補正すればよい。
例えばデジタルマイクロミラーデバイスや可変鏡(例えば、高速チップチルトピストン分割鏡)などの高速能動素子を空間光変調器524と組み合わせて用いることで、高速能動素子の比較的早い速度を活用し、空間光変調器の比較的高い画素密度を活用することができる。例えば、高速能動素子が第1の位置にある場合に、高速能動素子を用いてビームレットの角度を変更して、ビームレットの最適角度を決定してもよい。そして、決定された最適角度に関する情報を空間光変調器に転送し、高速能動素子をデジタルマイクロミラーデバイスの隣接セグメント間の間隔の数分の1だけ、または可変鏡の隣接要素間の間隔の数分の1だけ平行方向に移動することができる。高速能動素子が新しい位置にある場合、当該素子を再度用いてビームレットの角度を変更し、ビームレットの最適角度を決定し、新しい位置にある高速能動素子について決定された最適角度に関する情報は、空間光変調器に転送される。高速能動素子が第1の位置および新しい位置にある場合に最適角度が決定されたビームレットのアレイは、対物レンズ514の後瞳で互いに水平方向にオフセットされる。高速能動素子を水平方向に移動させて新しいビームレットアレイの最適角度を決定するプロセスを複数回繰り返して、対物レンズ514の後瞳に亘る、ビームレットの最適角度のより高密度な測定値のセットを取得することもできる。最後に、これらの測定値を位相復元により合成して、サンプル内での焦点の空間的広がりを縮小させるために空間光変調器424に適用すべき、最終的な、高密度でサンプリングした補正波面を復元する。
異なる能動素子(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス512および空間光変調器524)を個々にまたは互いに組み合わせて用いて上述の適応光学系技術を実行してもよい。例えば、能動素子512、524のそれぞれを個々に用いて、図1〜3を参照して上に説明した適応光学系技術を実行してもよい。さらに、2つ以上の能動素子512、522の組み合わせを用いて、対物レンズ514により形成されるサンプル内の焦点の空間的広がりを縮小させる適応光学系技術を実行してもよい。
図6は、他の顕微鏡検査法システム600概略ブロック図であり、ここで対物レンズ614の後瞳全体または後瞳の大部分を照射する参照ビームは励起ビームの1つまたは複数の個々のビームレットと合成され、参照ビームと個々のビームレットとの間の干渉を観察して、焦点の空間的広がりを縮小させることのできる1つまたは複数の個々のビームレットの最適角度を決定することができる。
システム600は光源602(例えば、レーザ)を含む。電気光学変調器604は、システムに到来するビームの強度を制御するのに用いることができる。偏波ビームスプリッタ605は励起光ビームを分割して、光をデジタルマイクロミラーデバイス612に向けて屈折させる1つまたは複数のプリズム610に、ビーム606を向ける。マイクロミラーデバイス612は、1対のレンズ616A、616Bにより、ビーム606の先端角および傾斜角を変更するのに用いることのできる高速2次元ガルバノミラー618に対して光学的に共役である。他の実施形態では、光を直交軸に向ける2つのガルバノミラーをミラー618に代えて用いてもよい。ガルバノミラー618は、ビーム結合器622を介して、1対のレンズ620A、620Bにより空間光変調器624に対して光学的に共役になる。空間光変調器624はシステム600内で能動素子として機能し、対物レンズ614の後瞳に衝突する個々のビームレットの先端角および傾斜角、及び/又は位相を変更することができる。空間光変調器624との接触の後、励起光のビームは、対物レンズ614の後瞳に対して光学的に共役でありサンプル650内の複数の異なる位置に励起ビームの焦点を走査するのに用いることができる2つのガルバノミラー626、628により反射される。
ビームスプリッタ605は参照ビームとして機能する第2のビーム608を生成する。参照ビームは、遅延線630を通過してからビーム結合器622により反射され、ビーム606と合成される。そして、参照ビームは空間光変調器624で反射され、ガルバノミラー626、628で反射され、対物レンズ614からサンプル650内へと通過する。
この構成によれば、他のビームレットをデジタルマイクロミラーアレイ612の対応領域または空間光変調器の対応領域によりオフとし、「オフ」ビームレットが対物レンズ614の後瞳に衝突しないようにした状態で、励起ビーム606の個々のビームレットをデジタルマイクロミラーアレイ612の特定の対応領域によりディザすることができる。
個々の「オン」ビームレットが対物レンズの後瞳に入射する角度は、「オン」ビームレットを2次元でスイープ可能な高速ガルバノミラー618で高速に変更が可能であり、参照ビームとサンプルから放射される光の「オン」ビームレットとの間の干渉を、「オン」ビームレットの最適角度を決定するのに用いることができる。「オン」ビームレットが後瞳に入射する角度をチップチルトミラー618によって変更する一方で、ガルバノミラー626、628を「オン」ビームレットの対物レンズの後瞳上での固定位置を維持するのに用いることができる。このプロセスを対物レンズの後瞳に入射する励起ビームのすべてのビームレットについて繰り返し行い、そして個々のビームレットの最適角度に関する情報を空間光変調器624上にマッピングし、サンプル内に空間的広がりの縮小した焦点を実現することができる。ガルバノミラー618を用いて空間光変調器624よりも高速に個々のビームレットの角度を変更することができるため、個々のビームレットの最適角度を順番に決定するのに2次元チップチルトミラー618を用いることは、空間光変調器624を同様に用いるよりも高速である。
サンプルの焦点での励起ビーム光の収差の低減と、サンプルから得られる、結果として生成される画像の改善とは、通常は能動素子の小区域数Nの関数として単調増加し、Nは対物レンズの後瞳の個々のセグメントに対応するが、分解能および信号強度の改善はNのある値で限界に達する。良好な結果を取得するために必要な小区域数Nは、調査の対象となるサンプル、最適化されるパラメータ、および所望の最適化度の詳細に依存する。対物レンズの後瞳の個々のセグメントに対応する能動素子の小区域の密度は能動素子全体で均一である必要はない。むしろ、低い値のNを用いて収差を有する波面の初期の低分解能マップを作成してもよく、それからより高い密度の小領域を用いて微細構造を示唆する領域をサンプリングしてもよい。
顕微鏡システムの性能に影響を与える収差は、サンプル自体に限らず、光源と焦点との間の光路のどこからでも発生し得る。したがって、今後の実験において測定される収差の総量のうちサンプルに起因する成分を決定することができるように、これらの本質的な顕微鏡収差を特徴付けることができる。例えば、蛍光ビーズ参照物体について画像を取得してもよく、この場合の画像は、能動素子が平坦性を欠くことに大きく起因すると考えられる、著しい非点収差およびコマ収差を示す可能性がある。しかし、N=36個の独立した小区域について本明細書に記載の適応光学系補正および直接位相測定を適用した後、横方向(X−Y平面)および軸方向(X−Z、Y−Z、長軸Z、および短軸−Z平面)の両方におけるビーズ画像の半値全幅(FWHM)は、それらの回折限界値に近づきうる。
適応光学系プロセスが完了して、回折限界焦点を実現するのに適切な角度と位相とを対物レンズの後瞳で有する個々のビームレットを生じる能動素子の小区域に適用する位相が決定された後、能動素子の位相パターンは、最終補正波面、モジュロ2πを表す。この波面をより直感的な形で表示するために、測定中に使用されるグローバル位相ランプが差し引かれ、縁をカウントして、位相を小区域の境界を越えて連続するものと見なすことによって、位相がアンラップ(unwrap)される。最後に、サンプルのみによる収差を決定するために、システム収差に起因して、アンラップされた波面の一部が差し引かれる。
本明細書に記載の適応光学系補正を波面変調素子の個々の小区域に適用することに加え、図7a、7b、7c、および7dは、適応光学系補正に対する独立、重複、および段階的重複マスクアプローチの例を提供する。各図において、大きい方形は対物レンズ118の後瞳を表し、網掛けの長方形の部分はビーム偏向の測定中に特定点でオンにされる瞳の一部を表す。図7a及び7bに示す独立マスクアプローチでは、波面変調素子の異なる対応の小領域を用いてビームの適応光学処理を行うことで、対物レンズ118の後瞳が非重複領域にセグメント化される。各領域、すなわち「マスク」は、ビーム偏向測定中に個々に「オン」にされる。波面変調素子のマスクされた各小区域における補正波面は、他のすべての区域における平面とは別個の平面によって推定される。図7aは独立マスクアプローチを示し、ここでは、各々が全瞳領域の1/3に相当する、WME114に対する3つの非重複マスクがビーム偏向を個々に測定し、3つの瞳小区域の各々における収差を補正する。図7bは独立マスクアプローチを示し、ここでは、各々が瞳領域の1/9に相当する、WME114に対する9つの非重複マスクがビーム偏向を個々に測定し、9つの瞳小区域の各々における収差を補正する。
図7cに示す重複マスクアプローチでは、ビーム偏向測定中に個々に「オン」となるマスクは他のマスクと重複する。その結果、最終補正波面における平面小区域の総数は、マスク領域に対する瞳領域の比よりも大きい。しかし、これらの小区域における位相の最終値は、マスクの重複によって互いに完全に独立していない可能性がある。一方、所与のマスク領域について、または、等価的には、所与のレーザー出力について、重複マスクはより多くの小区域を用いることを可能にするため、これにより優れた補正が得られることが多い。従って、図7cは重複マスクアプローチを示し、ここでは、各々が瞳領域の1/3をカバーする、WME114に対する6つの重複マスクによって、9つの異なる瞳小区域の各々に対する固有の波面推定値が得られる。したがって、一般的に、P個の重複する個々のビームレットの方向及び/又は相対位相を変更することができる。ここで、Pは整数である。そして、P個の重複するビームレットを変更して検出される信号光に基づいて、対物レンズの後瞳でのQ個の構成ビームレットを個々に制御し、焦点からの放射光の強度を最大にすることができる。ここで、Qは整数であり、Pよりも大きい。
最後に、図7dに示す段階的重複マスクアプローチでは、マスクは同じ寸法を有するが、隣接するマスクから、マスクの寸法よりも小さい距離だけ離される。例えば、図7dに記載するパターンは、3×3および2×1の段階的重複マスクで示され、ここで、「3×3」は各マスクの寸法(すなわち、後瞳に亘る3つの水平マスク×3つの垂直マスク)を示し、「2×1」は段階パターン(各マスクの幅を2ステップで横断し、高さを1ステップでカバーするパターン)を示す。このアプローチは、位相勾配データの高密度アレイを一定間隔で測定できるので、位相復元に特に適している。したがって、段階的重複アプローチでは、収差のある波面は、小区域自体よりも小さい一連の離散ステップの小区域を用いて、各ステップで対物レンズの焦点面内のビーム偏向を測定し、これにより位相勾配を測定することによって、単一の「オン」小区域のサイズよりも小さいスケールで測定が可能である。図7dは段階的重複マスクアプローチを示し、ここでは、瞳領域の1/9をカバーするWME114のマスクは、マスクの幅の半分に等しい水平ステップと、マスクの高さに等しい垂直ステップとで移動する。ビーム偏向は、マスクの各位置で測定される。したがって、図7dは、瞳領域の1/9に対応するマスクにより18個の異なる瞳小区域の各々に対して固有の波面推定が行われるように、3×3および2×1の段階的重複マスクとして示されている。位相の復元は、段階的重複マスクの各位置で最適な位相オフセットを決定するのに用いることができ、勾配データと組み合わせて各測定点を中心とする領域において収差がある波面に最適な平面を決定してもよい。
重複および段階的重複マスクアプローチをさらに拡張して、例えば、後瞳のN=81個の小区域を後瞳の領域の1/9に相当するマスクを用いて規定できるようにしてもよい。当然ながら、所与の数N個の小区域について、独立したマスクアプローチは、小区域間の結合が残留する重複および段階的重複マスクアプローチよりも優れている。しかし、所与のマスク領域については、または、等価的には、所与のレーザー出力については、重複または段階的重複マスクには、より多くの小区域を用いることができ、優れた補正が得られることが多い。
前述のように、適応光学系は、ポイントスキャン顕微鏡検査法に用いることに加えて、広視野顕微鏡検査法によって得られる画像の品質を向上させるのにも用いることができる。広視野顕微鏡検査法では、サンプルの大きい領域が均一に照射され、関心領域全体が画像検出器(例えば、CCDカメラ)に同時に記録される。多くのポイントスキャン法では、励起光が収差の影響を主に受け、回折限界焦点の形成がブロックされる。前述のように、さらに放射経路が収差の主要な影響を受け、これによりサンプル内の各点から放射される信号の画像検出器の回折限界点への再収束が阻まれる。ポイントスキャン顕微鏡検査法は散乱生物組織に好ましく、広視野走査顕微鏡検査法はより一般的には透明な生物サンプルに適用されるが、いずれの場合にもサンプルに起因する収差は発生する。
例えば、図8に示すように、放射光の球面波面は、サンプル804の点802から放射が可能である。波面は、サンプル804における屈折率の不均質性によって歪む可能性がある(すなわち、収差が生じる)。そして、収差の生じた波面を顕微鏡対物レンズ806によってコリメートさせると、結果的に平面波ではなく、収差が生じた波面808が得られる。
ポイントスキャン顕微鏡検査法とは異なり、従来の広視野顕微鏡検査法は強いオプティカルセクショニング能力を欠く。したがって、通常は単一の培養細胞および極薄組織切片に対して用いられ、収差は概して問題にならない。しかし、選択的平面照明顕微鏡検査法(「SPIM」)や構造化照明顕微鏡検査法(「SIM」)など、軸方向でのセクショニング能力を有する広視野法の最近の開発によって、現在では厚いサンプルへの適用も可能であり、そこで放射光の収差を補正することが必要となる。
図9は、適応光学系技術を用いて収差を補正する広視野顕微鏡システム900の概略図である。放射光はシステム900の焦点面904から放射され、焦点面はサンプル902内にある。対物レンズ906は、サンプル902を通過することにより収差の生じる可能性のある放射光をコリメートし、1対の望遠レンズ908a、908bは収束された光を視野絞り910を通過させ、放射光ビームのウエストを拡張または縮小するのに用いることができる。そして、波面変調素子912は、放射光を検出器914に通す前に適応光学系技術を収差を有する波面に適用する。WME912は、ポイントスキャン顕微鏡検査法に関して上述した、同様の適応光学系技術を適用して、波面の異なる部分から形成された画像を用いて回折限界の完全な広視野波面を復元できるように焦点面904からの放射光ビームのビームレットの角度に個々のシフトを適用してもよい。励起光ビームに対し適応光学系技術を適用する上述のポイントスキャン顕微鏡検査法システムとは異なり、広視野顕微鏡検査法900では放射光ビームに対し適応光学系技術を適用する。
図10は広視野顕微鏡システム1000の概略図であり、適応光学系技術を用いて収差を補正するシステム1000をさらに詳細に示す。励起光源1002は、移動ステージ1008に取り付けられた対物レンズ1006を通過して、ビームスプリッタ1004からサンプル1010内へと反射される励起光を提供する。放射光は、対物レンズ1006の焦点面でサンプル1010から放射され、対物レンズ1006によって放射光ビームにコリメートされ、ミラー1012から望遠レンズシステム1014a、1014bに向けて反射される。前述したポイントスキャン顕微鏡検査法に用いられる適応光学系と同様に、対物レンズの後瞳に対して光学的に共役である波面変調素子1018は、放射光ビームの個々のビームレットを修正するための波面センサおよび位相制御デバイスの両方として機能する。他の実施形態では、上述の技術と同様に、図10に示す単一のWME1018を複数の能動素子と置き換えてもよい。WME1018によって変調される放射光は、放射光を画像化する検出器1020(例えば、CCD検出器)に向けられる。他の実施形態では、高速検出器1020(例えば、光電子増倍管チューブ)は、サンプルの画像を記録するのではなく、検出器により受信される放射光全体の信号強度を記録することができる。一部の実施形態では、システム1000は、放射光が通過する対物レンズ1008の結像面に対して共役である平面に位置する視野絞り1016(例えば、半透明マスクのピンホール)を含んでもよく、視野絞り1016によって、対物レンズ1006の焦点面から放射される光とサンプル1010内の他の面から放射される光とを識別することができる。
放射光のビームの個々のビームレットは(ビームレットがWME1018から反射される方向および位相の両方について)個々に制御可能であり、検出器1020に記録される、結果として生じた画像全体の強度を観察することができる。観察された強度に基づき、個々のビームレットの角度および位相を調整して分解能が回折限界に近い、あるいは適応光学系技術を用いない場合よりも回折限界に近い、画像を生成することができる。
図11に示すように、一実施形態では、単一のフレネル・レンズ・パターンをWME1018に適用することができる。そして、図11Bに示すように、フレネル・レンズ・パターンはサンプル1010の単一画像を形成するために放射ビームを検出器1020に収束させる。そして、図11Cに示すように、フレネルレンズのアレイをWME1018の複数の異なる小区域に適用して、放射光波面を、個々に制御可能な複数の異なるビームレットにセグメント化し、図11Dに示すように、検出器1020の画像平面で、サンプルの画像のアレイを生成することができる。完全な平面波放射波面の場合、画像のアレイは完全な格子状になる。しかし、理想的な格子位置からの個々の画像のずれは、個々の画像を作成するのに用いられる波面の部分の傾斜(および波面の当該部分に対応するビームレットの角度)の測定に用いることができる。したがって、理想的な格子位置からの個々の画像のずれの測定を用いて対物レンズ1006の後瞳全体の波面傾斜測定値のアレイを決定し、これから所望の補正波面を復元してもよい。この補正をWME81018に適用し、これに図11Aに示す単一のフレネル・レンズ・パターンを重ね合わせたものを用いて画像全体を検出器に収束させることで、サンプル1010の回折限界画像が検出器1020で復元される。
例えば、フレネル・レンズ・パターンをWME1018に適用しない一部の実施形態では、収束レンズをWME1018と検出器1020との間に置き、検出器1020に放射光を収束させてもよい。
2光子蛍光顕微鏡検査法と同様に、サンプル1010が視野位置に依存する収差を示さない場合、結果として得られる適応光学系補正は、視野のいたるところで回折限界分解能を復元することができる。収差が視野に依存する場合、視野全体で平均化された補正が得られ、この場合であっても信号および分解能は改善される。さらに、視野内の異なる部分の蛍光特徴を用いて画像のシフトを解析することにより視野に依存する収差を測定することもでき、適切な収差パターンを視野の各部分に順次適用して回折限界画像を復元してもよい。
図12は収束された光ビームを操作するプロセス1200のフローチャートである。プロセス1200では、断面が個々のビームレットを含む励起光ビームを、レンズによりサンプル内の焦点に収束させる(1202)。レンズの後瞳での励起ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相が波面変調素子により個々に変更される(1204)。個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で(1206)、焦点から放射される放射光が検出される。個々のビームレットの方向は焦点からの放射光が最大または最少になるように制御され(1208)、個々のビームレットの相対位相は焦点からの放射光を増加させるように制御される(1210)。
本明細書に記載する様々な技術の実施形態は、デジタル電子回路、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはこれらの組合せで実施することができる。実施形態は、コンピュータプログラム製品、すなわち、情報担体において、例えば、機械で読取可能な記憶デバイスにおいて、または伝播信号において、データ処理装置、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータによって実行するために、あるいはこれらの動作を制御するために、明白に具体化されるコンピュータプログラムとして実施してもよい。前述したコンピュータプログラムなどのコンピュータプログラムは、コンパイラ型言語、インタープリタ型言語を含む任意の形のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、あるいはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピュータ環境での使用に適した他のユニットとなど、任意の形式で展開が可能である。コンピュータプログラムは、1つのサイトまたは複数サイトに分散され、通信ネットワークによって相互に接続された、1台または複数台のコンピュータで実行されるように展開が可能である。
方法のステップは、入力データで動作し出力を発生することによって機能を実施するためにコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実施してもよい。方法のステップは、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施してもよく、また、装置をこれらとして実現してもよい。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用の両マイクロプロセッサと、あらゆる種類のデジタルコンピュータのいずれかのうち1つまたは複数のプロセッサとを含む。一般に、プロセッサは、リード・オンリー・メモリまたはランダム・アクセス・メモリ、またはこれらの両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの要素は、命令を実行する少なくとも1つのプロセッサと、命令およびデータを記憶する1つまたは複数のメモリデバイスとを含んでもよい。また、一般に、コンピュータは、データを記憶する1つまたは複数の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクを含んでいてもよく、あるいはこれらからデータを受け取り、またはこれらにデータを転送し、またはこれらの両方を行うよう動作可能に結合してもよい。コンピュータプログラム命令およびデータを具体化するのに適した情報担体は、例として、EPROM、EEPROMおよびフラッシュ・メモリ・デバイスなどの半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD−ROMやDVD−ROMディスクなど、あらゆる形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完してもよく、専用論理回路に組み込んでもよい。
ユーザーとのやり取りのために、実施形態は、例えばブラウン管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)モニタなど、ユーザーに情報を表示する表示装置、および、例えばユーザーがコンピュータに入力を行うことのできるキーボードや、マウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータで実施してもよい。ユーザーとやり取りに他の種類のデバイスを用いてもよい。例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであってもよく、ユーザーからの入力は音響、音声、触覚入力など、いかなる形態で受け付けてもよい。
前述の実施形態の特定の特徴は本明細書で説明した通りであるが、ここで多くの修正形態、代替形態、変更形態、および等価物が当業者に想起されるであろう。そこで、添付の特許請求の範囲は実施形態の真の趣旨に含まれるすべての修正形態および変更形態を網羅するものであることを理解されたい。

Claims (68)

  1. 収束された光ビームを操作する方法であって、
    サンプル内の焦点に、ビームの断面が個々のビームレットを含む励起光ビームをレンズにより収束させるステップと、
    レンズの後瞳での前記励起ビームの前記個々のビームレットの方向及び/又は相対位相を、波面変調素子により個々に変更するステップと、
    前記個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、前記焦点から放射される放射光を検出するステップと、
    前記個々のビームレットの方向を制御して前記焦点からの放射光を最大または最少にするステップと、
    前記個々のビームレットの相対位相を制御して前記焦点からの放射光を増加させるステップとを備える、前記方法。
  2. 前記焦点の位置を前記サンプル内の複数の異なる位置に変更するステップと、
    前記焦点が前記異なる位置にあるときに前記焦点から放射される放射光を検出するステップと、
    前記焦点の前記異なる位置から検出された放射光に基づき、前記サンプルの画像を生成するステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記焦点が前記異なる位置にあるときに、
    前記レンズの後瞳での前記励起ビームの前記個々のビームレットの方向または相対位相を、前記波面変調素子により個々に変更するステップと、
    前記個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、前記焦点から放射される放射光を検出するステップと、
    前記個々のビームレットの方向を制御して前記焦点からの放射光を最大または最少にするステップと、
    前記個々のビームレットの相対位相を制御して前記焦点からの放射光を増加させるステップとをさらに備える、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記励起光は第1の波長を有し、前記放射光は前記第1の波長よりも小さい第2の波長を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記励起光は第1の波長を有し、前記放射光は前記第1の波長よりも大きい第2の波長を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記波面変調素子は反射型空間光変調器を含み、
    前記空間光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、前記活性層から反射される光と前記空間光変調器の他のインタフェースから反射される光との間に非ゼロ方向を誘導するステップをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記焦点からの放射光を最大または最少にするのに用いる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点からの信号の放射を観察するステップと、
    前記観察された信号の放射に基づき、前記ビームレットの方向を決定するステップとを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    少なくとも2つの位相値に亘って前記ビームレットの位相を変更してから、前記位相値のそれぞれについて、
    前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点からの信号の放射を観察するステップと、
    前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記ビームレットの方向を決定するステップとをさらに備える、請求項7に記載の方法。
  9. 前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点からの信号の放射を観察するステップと、
    前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記ビームレットの方向を決定するステップとを含むプロセスを少なくとも2回繰り返すステップをさらに備える、請求項7または8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記焦点からの放射光を増加させる前記個々のビームレットの相対位相を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも1つについて、
    前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの位相を変更するステップと、
    前記ビームレットの位相が変更された状態で、前記焦点からの信号の放射を観察するステップと、
    前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの信号光の放射を増加させる前記ビームレットの相対位相を決定するステップとを含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの位相を変更するステップと、
    前記ビームレットの位相が変更された状態で、前記焦点からの信号の放射を観察するステップと、
    前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの信号光の放射を増加させる前記ビームレットの相対位相を決定するステップとを含むプロセスを少なくとも2回繰り返すステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
  12. 前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも1つについて、
    前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記ビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記ディザ周波数で、前記焦点からの前記信号の放射のスペクトル成分を観察するステップと、
    前記ビームレットの方向の関数としての前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記ビームレットの方向を決定するステップとを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記レンズの後瞳での第1のビームレットおよび第2のビームレットの方向を同時に変更するステップと、
    前記第1のビームレットの方向が変更された状態で、第1のディザ周波数で前記第1のビームレットの光学特性をディザするステップと、
    前記第2のビームレットの方向が変更された状態で、第2のディザ周波数で前記第2のビームレットの光学特性をディザするステップと、
    前記第1および第2のビームレットの方向が変更された状態で、前記第1および第2のビームレットに対応する前記第1および第2のディザ周波数で前記焦点から放射される信号の放射のスペクトル成分を同時に観察するステップと、
    各ビームレットに対応する、前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記第1および第2のビームレットの方向を決定するステップと、を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1および第2のディザ周波数は無相関である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ビームの断面は前記焦点に収束された少なくともN個(N>2)の個々のビームレットを含み、
    前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、
    前記レンズの後瞳に前記N個のビームレットを配するステップと、
    前記配されたN個のビームレットを前記サンプル内の焦点に収束させるステップと、
    前記配されたN個のビームレットについて、
    前記レンズの後瞳での前記N個のビームレットの方向を同時に変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記N個のビームレットのそれぞれの光学特性を固有のディザ周波数でディザするステップと、
    前記N個のビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記N個のビームレットに対応するN個の固有のディザ周波数で前記焦点から放射される信号の放射のスペクトル成分を同時に観察するステップと、
    前記N個のビームレットのそれぞれに対応する、前記観察された信号の放射に基づき、前記N個のビームレットの方向を決定するステップとを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記N個のビームレットの方向は第1の光学素子により変更され、前記N個のビームレットの光学特性は第2の光学素子によりディザされる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記励起光ビームが収束された焦点に参照ビームを収束させるステップと、
    前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記個々のビームレットの方向を決定するステップと、をさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更するステップと、
    前記変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットを前記レンズの後瞳から転換させるステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、かつ前記変更されたビームレット以外の前記1つまたは複数の個々のビームレットが前記レンズの後瞳から転換された状態で、前記焦点からの信号の放射を観察するステップと、
    前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記ビームレットの方向を決定するステップとを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するステップは、前記ビームレットが反射される鏡の位置を変更するステップを含み、
    前記変更されたビームレット以外の前記1つまたは複数の個々のビームレットを転換させるステップは、転換されたビームレットがデジタルマイクロミラーアレイの個々のマイクロミラーから反射される方向を選択するステップを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するステップは、前記ビームレットが反射される鏡の位置を変更するステップを含み、
    前記変更されたビームレット以外の前記1つまたは複数の個々のビームレットを転換させるステップは、前記1つまたは複数の個々のビームレットに対応する前記空間光変調器上の位置の1つまたは複数の位相ランプを選択して、前記1つまたは複数の個々のビームレットを転換させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更するステップは、前記ビームレットが反射される鏡の位置を変更するステップを含み、
    前記変更されたビームレット以外の前記1つまたは複数の個々のビームレットを転換させるステップは、転換されたビームレットが可変鏡の個々の部分から反射される方向を選択するステップを含む、請求項17に記載の方法。
  21. 方向及び/又は相対位相が異なるP個(Pは整数)の個々のビームレットは、前記レンズの後瞳で互いに重複する断面を有し、
    前記P個の個々のビームレットの方向および相対位相を制御するステップは、前記レンズの後瞳でのQ個(Qは整数であり、Q>P)の異なる構成ビームレットの方向を個別に制御するステップを含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 各個のビームレットの複数の先端角のそれぞれおよび複数の傾斜角のそれぞれについて、前記焦点の位置を前記サンプル内の複数の異なる位置に変更するステップと、
    前記複数の先端角のそれぞれ、前記複数の傾斜角のそれぞれ、および前記焦点の前記サンプル内における複数の異なる位置のそれぞれについて、前記焦点から放射される放射光を検出するステップと、
    前記焦点の前記複数の位置から検出された放射光に基づき、前記複数の先端角および傾斜角のそれぞれについて、前記焦点の全位置に亘って合成した前記サンプルからの放射光が最大になるビームレットの先端角および傾斜角を決定するステップとをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記ビームの断面における1つまたは複数のビームレットは前記焦点に収束されない、請求項1に記載の方法。
  24. 光学系の結像面上の焦点での光の強度を増加させる方法であり、
    前記光学系のレンズにより、サンプルからの放射光のビームを集めるステップであり、前記レンズの後瞳から現れる前記放射光のビームの断面が個々のビームレットを含むステップと、
    前記光ビームを前記結像面上の焦点に収束させるステップと、
    前記焦点での前記放射光ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相を、波面変調素子により個々に変更するステップと、
    前記個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、前記焦点での光の強度を検出するステップと、
    前記個々のビームレットの方向および相対位相を制御して、前記焦点での光の強度を増加させるステップとを備える、前記方法。
  25. 前記焦点は半透明マスクのピンホールに位置する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記波面変調素子は反射型空間光変調器を含み、前記空間光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、前記活性層から反射される光と前記空間光変調器の他のインタフェースから反射される光との間に非ゼロ方向を誘導するステップをさらに備える、請求項24または25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記焦点での光の強度を増加させるのに用いる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記焦点での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点での光の強度を観察するステップと、
    前記観察された強度に基づき、前記ビームレットの方向を決定するステップとを含む、請求項24から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    少なくとも2つの位相値に亘って前記ビームレットの位相を変更してから、前記位相値のそれぞれについて、
    前記焦点での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点での光の強度を観察するステップと、
    前記観察された強度に基づき、前記ビームレットの方向を決定するステップとをさらに備える、請求項27に記載の方法。
  29. 前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記焦点での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点での光の強度を観察するステップと、
    前記観察された強度に基づき、前記ビームレットの方向を決定するステップとを含むプロセスを少なくとも2回繰り返すステップをさらに備える、請求項27または28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記焦点での光の強度を増加させる前記個々のビームレットの相対位相を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも1つについて、
    前記焦点での前記他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの位相を変更するステップと、
    前記ビームレットの位相が変更された状態で、前記焦点での光の強度を観察するステップと、
    前記観察された強度に基づき、前記ビームレットの相対位相を決定するステップとを含む、請求項27から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記焦点での光の強度を増加させる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも1つについて、
    前記焦点での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの方向を変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記ビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記ディザ周波数で、前記焦点からの強度信号のスペクトル成分を観察するステップと、
    前記ビームレットの方向の関数としての前記観察された強度信号のスペクトル成分に基づき、前記ビームレットの方向を決定するステップとを含む、請求項24から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記焦点での光の強度を増加させる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、
    前記焦点での第1のビームレットおよび第2のビームレットの方向を同時に変更するステップと、
    前記第1のビームレットの方向が変更された状態で、第1のディザ周波数で前記第1のビームレットの光学特性をディザするステップと、
    前記第2のビームレットの方向が変更された状態で、第2のディザ周波数で前記第2のビームレットの光学特性をディザするステップと、
    前記第1および第2のビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記第1および第2のビームレットに対応する前記第1および第2のディザ周波数で前記焦点からの強度信号のスペクトル成分を同時に観察するステップと、
    各ビームレットに対応する、前記観察された強度信号の放射のスペクトル成分に基づき、前記第1および第2のビームレットの方向を決定するステップと、を含む、請求項24から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記ビームの断面は前記焦点に収束された少なくともN個(N>2)の個々のビームレットを含み、
    前記焦点での光の強度を増加させる前記個々のビームレットの方向を決定するステップをさらに備え、
    前記決定のステップは、前記N個のビームレットについて、
    前記焦点での前記N個のビームレットの方向を同時に変更するステップと、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記N個のビームレットのそれぞれの光学特性を固有のディザ周波数でディザするステップと、
    前記N個のビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記N個のビームレットに対応するN個の固有のディザ周波数で前記焦点からの強度信号のスペクトル成分を同時に観察するステップと、
    前記N個のビームレットのそれぞれに対応する、前記観察された強度信号のスペクトル成分に基づき、前記N個のビームレットの方向を決定するステップと、を含む、請求項24から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記N個のビームレットの方向は第1の光学素子により変更され、前記N個のビームレットの光学特性は第2の光学素子によりディザされる、請求項31から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. ビームの断面が個々のビームレットを含む励起光ビームを生成するように構成される光源と、
    前記励起光ビームをサンプル内の焦点に収束させるように構成されるレンズと、
    前記レンズの後瞳での前記励起ビームの前記個々のビームレットの方向又は相対位相を個々に変更するように構成される波面変調素子と、
    前記個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、前記焦点から放射される放射光を検出するように構成される検出器とを備える顕微鏡システムであり、
    前記波面変調素子はさらに、前記検出された放射光に応じて、前記個々のビームレットの方向を制御して前記焦点からの放射光を最大または最少にし、かつ前記個々のビームレットの相対位相を制御して前記焦点からの放射光を増加させるように構成される、前記顕微鏡システム。
  36. 前記焦点の位置を前記サンプル内の複数の異なる位置に変更するように構成される1つまたは複数の調節可能な鏡と、
    前記焦点の前記異なる位置から検出された放射光に基づき、前記サンプルの画像を生成するように構成されるプロセッサと、をさらに備える、請求項35に記載の顕微鏡システム。
  37. 前記励起光は第1の波長を有し、前記放射光は前記第1の波長よりも小さい第2の波長を有する、請求項35または36のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  38. 前記励起光は第1の波長を有し、前記放射光は前記第1の波長よりも大きい第2の波長を有する、請求項35または36のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  39. 前記波面変調素子は反射型空間光変調器を含み、前記反射型空間光変調器は、前記光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、前記空間光変調器の前面から反射される光と前記活性層から反射される光との間に非ゼロ角度を誘導するように構成される、請求項35から38のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  40. 前記波面変調素子はさらに、前記レンズの後瞳での他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記個々のビームレットの少なくとも一部の方向を変更するように構成され、
    前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向が変更された状態で、かつ前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記サンプルから放射される、前記検出された放射光に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記少なくとも一部の個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項35から38のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  41. 前記波面変調素子はさらに、少なくとも2つの位相値に亘って各個のビームレットの位相を変更してから、前記位相値のそれぞれについて、前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するように構成され、
    前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向が前記位相値のそれぞれで変更された状態で、前記サンプルから放射される、前記検出された放射光に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項40に記載の顕微鏡システム。
  42. 前記波面変調素子はさらに、前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での各個のビームレットの位相を変更するように構成され、
    前記ビームレットの位相が変更された状態で、前記サンプルから放射される、前記検出された放射光に基づき、前記焦点からの信号光の放射を増加させる前記ビームレットの相対位相を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項40に記載の顕微鏡システム。
  43. 前記波面変調素子はさらに、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更し、前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記少なくとも一部の個々のビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成され、
    前記検出器はさらに、前記ビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記ディザ周波数で前記放射光のスペクトル成分を検出するように構成され、
    前記変更されたビームレットの方向の関数としての前記検出された放射光のスペクトル成分に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記少なくとも一部の個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項35から39のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  44. 前記波面変調素子はさらに、前記個々のビームレットの少なくとも1つについて、前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記ビームレットの方向を変更するように構成され、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記少なくとも1つのビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成されるディザリング光学素子をさらに備え、
    前記検出器はさらに、前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記ディザ周波数で前記放射光のスペクトル成分を検出するように構成され、
    前記変更されたビームレットの方向の関数としての前記検出された放射光のスペクトル成分に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記少なくとも1つのビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項35に記載の顕微鏡システム。
  45. 前記波面変調素子は反射型空間光変調器を含み、
    前記ディザリング光学素子はデジタルマイクロミラーアレイまたは可変鏡を含む、請求項44に記載の顕微鏡システム。
  46. 前記波面変調素子はさらに、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記個々のビームレットの方向を同時に変更するように構成され、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記少なくとも1つのビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成されるディザリング光学素子をさらに備え、
    前記検出器はさらに、前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記ディザ周波数で前記放射光のスペクトル成分を検出するように構成され、
    前記変更されたビームレットの方向の関数としての前記検出された放射光のスペクトル成分に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記少なくとも1つのビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項35から45のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  47. 前記波面変調素子はさらに、前記個々のビームレットの少なくとも一部について、前記レンズの後瞳での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記レンズの後瞳での前記個々のビームレットの方向を同時に変更するように構成され、
    第1のビームレットの方向が変更された状態で、第1のディザ周波数で前記第1のビームレットの光学特性をディザし、第2のビームレットの方向が変更された状態で第2のディザ周波数で前記第2のビームレットの光学特性をディザするように構成されるディザリング光学素子をさらに備え、
    前記検出器はさらに、前記ビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記第1および第2のディザ周波数で前記放射光のスペクトル成分を検出するように構成され、
    前記変更されたビームレットの方向の関数としての前記検出された放射光のスペクトル成分に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記第1および第2の個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項35から45のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  48. 前記第1および第2のディザ周波数は無相関である、請求項47に記載の顕微鏡システム。
  49. 前記波面変調素子は前記ディザリング光学素子とは異なる、請求項47に記載の顕微鏡システム。
  50. 前記ビームの断面は少なくともN個(N>2)の個々のビームレットを含み、
    前記レンズは前記N個の個々のビームレットを前記焦点に収束させるように構成され、
    前記波面変調素子は、前記レンズの後瞳での前記N個のビームレットの方向を同時に変更するように構成され、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記N個の個々のビームレットのそれぞれの光学特性を固有のディザ周波数でディザするように構成されるディザリング光学素子をさらに備え、前記検出器はさらに、前記ビームレットの方向が変更された状態で、実質的にN個のディザ周波数で前記放射光のスペクトル成分を検出するように構成され、
    前記変更されたビームレットの方向の関数としての前記検出された放射光のスペクトル成分に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記N個の個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項35から44のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  51. 前記波面変調素子は前記ディザリング光学素子とは異なる、請求項50に記載の顕微鏡システム。
  52. 前記波面変調素子は、前記レンズの後瞳での各個のビームレットの方向を変更するように構成され、
    励起光のビームが収束された前記焦点に参照ビームを配すように構成される1つまたは複数の参照ビーム光学素子と、
    前記変更されたビームレット以外の1つまたは複数の個々のビームレットを前記レンズの後瞳から転換させるように構成される転換光学素子と、をさらに備え、
    前記検出器はさらに、前記ビームレットの方向が変更された状態で、かつ前記変更されたビームレット以外の前記1つまたは複数の個々のビームレットを前記レンズの後瞳から転換させた状態で、前記焦点からの信号の放射を観察するように構成され、
    前記観察された信号の放射に基づき、前記焦点からの放射光が最大または最少になる前記ビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項35から44のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  53. 前記転換光学素子は、前記個々のビームレットを前記レンズの後瞳から選択的に転換させるように構成されるデジタルマイクロミラーアレイを含み、
    前記レンズの後瞳でのビームレットの方向を変更するステップは、前記ビームレットが反射される、前記アレイの1つまたは複数の鏡の位置を変更するステップを含む、請求項52に記載の顕微鏡システム。
  54. 前記転換光学素子は前記空間光変調器であり、
    前記空間光変調器は、転換される前記1つまたは複数の個々のビームレットに対応する、前記空間光変調器上の1つまたは複数の位相ランプを適用するように構成され、
    前記レンズの後瞳での前記変更されたビームレットの方向を変更するように構成される1つまたは複数の鏡をさらに備える、請求項52に記載の顕微鏡システム。
  55. 前記転換光学素子は可変鏡を含み、前記可変鏡は、1つまたは複数の個々のビームレットを転換させるために形状を変化させるように構成され、
    前記レンズの後瞳での前記変更されたビームレットの方向を変更させるように構成される1つまたは複数の鏡をさらに備える、請求項52に記載の顕微鏡システム。
  56. 前記光源は、方向及び/又は相対位相が異なり、前記レンズの後瞳で互いに重複する断面を有するP個(Pは整数)の個々のビームレットを配し、
    前記波面変調素子は、前記P個の個々のビームレットの方向および相対位相を制御するように構成され、前記制御は、前記レンズの後瞳でのQ個(Qは整数で、Q>P)の異なる構成ビームレットの方向をそれぞれ個別に制御することを含む、請求項40から55のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  57. 前記波面変調素子は反射型空間光変調器を含む、請求項35から56のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  58. 前記波面変調素子は可変鏡を含む、請求項35から56のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  59. 前記波面変調素子はデジタルマイクロミラーアレイを含む、請求項35から56のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  60. サンプルからの放射光のビームであり、個々のビームレットを含む前記ビームを集めるように構成されるレンズと、
    焦点に前記放射光ビームを収束させるように構成される1つまたは複数の収束光学素子と、
    前記焦点での前記放射光ビームの個々のビームレットの方向及び/又は相対位相を個々に変更するように構成される波面変調素子と、
    前記個々のビームレットの方向または相対位相が変更された状態で、前記焦点での光の強度を検出するように構成される検出器と、を備える顕微鏡システムであり、
    前記波面変調素子はさらに、検出された放射光に応じて、個々のビームレットの方向および相対位相を制御して前記焦点での光の強度を増加させる、前記顕微鏡システム。
  61. ピンホールを定義する半透明のマスクをさらに備え、
    前記ピンホールは前記焦点に位置する、請求項60に記載の顕微鏡システム。
  62. 前記波面変調素子は反射型空間光変調器を含み、前記反射型空間光変調器は、前記空間光変調器の活性層から反射される光にグローバル位相ランプを適用して、前記活性層から反射される光と前記空間光変調器の他のインタフェースから反射される光との間に非ゼロ方向を誘導するように構成される、請求項60または61のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  63. 前記波面変調素子はさらに、前記焦点での前記他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの方向を変更するように構成され、
    前記検出器は、前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点での光の強度を観察するように構成され、
    前記観察された強度に基づき、前記焦点での光の強度を増加させるのに用いる前記個々のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項60から62のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  64. 前記波面変調素子はさらに、少なくとも2つの位相値に亘って前記ビームレットの位相を変更してから、前記位相値のそれぞれについて、前記焦点での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの方向を変更するように構成され、
    前記検出器は、前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記焦点での光の強度を観察するように構成され、
    前記観察された強度に基づき、前記ビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項63に記載の方法。
  65. 前記波面変調素子は、前記焦点での前記他のビームレットの位相が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの位相を変更するように構成され、
    前記検出器は、前記ビームレットの位相が変更された状態で、前記焦点での光の強度を観察するように構成され、
    前記観察された強度に基づき、前記焦点での光の強度を増加させる前記ビームレットの相対位相を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項63に記載の方法。
  66. 前記波面変調素子は、前記焦点での前記他のビームレットの方向が固定され維持された状態で、前記焦点での前記ビームレットの方向を変更するように構成され、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記ビームレットの光学特性をディザ周波数でディザするように構成されるディザリング光学素子をさらに備え、
    前記検出器は、前記ビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記ディザ周波数で前記焦点での強度信号のスペクトル成分を観察するように構成され、
    前記ビームレットの方向の関数としての前記観察された強度信号のスペクトル成分に基づき前記ビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項60から65のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
  67. 前記第1のおよび第2のディザ周波数は無相関である、請求項66に記載の方法。
  68. 前記放射ビームの断面は、前記焦点に収束された少なくともN個(N>1)の個々のビームレットを含み、
    前記波面変調素子は、前記焦点での前記N個のビームレットの方向を同時に変更するように構成され、
    前記ビームレットの方向が変更された状態で、前記N個のビームレットのそれぞれの光学特性を固有のディザ周波数でディザするように構成されるディザリング光学素子をさらに備え、
    前記検出器は、前記N個のビームレットの方向が変更された状態で、実質的に前記N個のビームレットに対応するN個の固有のディザ周波数で前記焦点からの前記強度信号のスペクトル成分を観察するように構成され、
    前記N個のビームレットのそれぞれに対応する、前記観察された強度信号のスペクトル成分に基づき、前記焦点での光の強度を増加させる前記N個のビームレットの方向を決定するように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに備える、請求項60から67のいずれか一項に記載の顕微鏡システム。
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