JP2014516159A - 光学的トロンボエラストグラフィーシステム及び血液凝固基準の評価方法 - Google Patents

光学的トロンボエラストグラフィーシステム及び血液凝固基準の評価方法 Download PDF

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Abstract

生体液サンプルにおいて拡散した光のパラメータに基づいて血液凝固カスケードの材料パラメータを決定するための装置、方法及びコンピュータプログラム製品を提供する。一例において、生体液は血液サンプルを含む。前記サンプルによって散乱されたレーザー光は、反射及び/又は透過モードにおいて光学的システムによって収集される。そのようにして収集された光のなかのサンプルの画像が形成され、血液凝固及び線維素溶解と関連する数値的記述子を導出するために、レーザースペックル強度の変化を表すデータが処理される。特定の場合において、そのような数値的記述子は、血液サンプルの粘弾性特性の時間的ダイナミクスに基づいて導出される。
【選択図】図9

Description

(関連出願の相互参照)
本発明は、2011年5月26日に提出された「血液凝固基準の評価のための光学的トロンボエラストグラフィー(OTEG)機器」と称される米国仮特許出願第61/490,191号、2011年11月14日に提出された「レーザースペックルゆらぎに基づく組織の粘弾性特性の評価」と称される米国仮特許出願第61/559,549号の利益及び優先権を主張し、上記の各仮特許出願の全開示が参照することにより本明細書に盛り込まれる。
本発明は、例えば血液や血液成分、脳脊髄液、血漿、リンパ液、尿及び粘液などの生体液の材料特性のモニタリング及び測定のための光学システム及び方法に関する。
血液凝固プロセスにおける異常によって特徴付けられる一連の症状である出血性疾患又は血液凝固障害は、急性外傷、病気及び手術後の死亡率及び入院期間の増大と関連する。血液凝固障害は、複数の病理学的な、遺伝性の、外傷によって引き起こされた又は輸血によって引き起こされた症状に起因する場合があり、これにより命を脅かし得る凝固能亢進状態又は凝固性低下状態を引き起こす。血液凝固障害は、急性外傷及び患者の大出血の後にかなり頻繁に起こる。外傷によって引き起こされた血液凝固障害はしばしば止まらない内出血の根本にある原因であり、報告によれば、患者の死亡率を最大五倍増加させる。血液凝固症状を正常化するためには、全血又は組織因子濃縮物の注入を含む止血治療が不可欠である。患者内の血液凝固障害の早期発見及び治療エンドポイントをガイドするための止血治療中の凝固基準のモニタリングは重要であるが、同時に、標準臨床凝固検査法の応答時間が長いことが原因の一つで現在は問題がある。
トロンボエラストグラフィー(TEG)又は回転トロンボエラストメトリー(ROTEM)は、凝固プロセス中の凝血塊(blood clot)の材料特性の変化を測定することによって血液凝固ステータスを決定するために用いられるツールである。TEGアプローチでは、全血のサンプルが例えば振動カップなどのサンプルホルダ内に置かれ、サンプル内にシャフトが入れられ、そして凝血塊の発生及び形成のプロセス並びに凝血塊の堅さを表すデータを提供するために、血液凝固中にシャフト上に生じる機械的トルクの変化が測定される。TEGが血液凝固障害評価のためのツールを提供する一方で、現在少なくとも二つの考察がポイント・オブ・ケア設定においてTEGモダリティの適用を制限する。第一に、TEGでの凝血塊評価は、測定されるサンプルのバルク体積の機械的抵抗から生じるトルクの測定に基づいている。さらに、TEGは、凝血塊発生及び進行の初期ステージにおける極微凝血塊形成中の微小な局所的不均一性を検出するのに十分な感度を必ずしも提供するわけではない。しかしながら、凝固プロセスの開始は、TEGアプローチによって検出されずに残っている患者内の早期の血液凝固障害を診断するために重要である。第二に、較正及び機械的トルクの測定における機器の複雑さによって、ポイント・オブ・ケア設定における信頼性が高く迅速な使用が現実的な課題となっており、現場環境におけるTEGの適用が制限される。
凝固カスケード全体にわたって迅速な凝固評価を提供できるポイント・オブ・ケア及び実験装置は、止血治療のガイド及びモニタリング並びに治療エンドポイントの決定において極めて重要である。したがって、現在使用されている手法の欠点を克服するのに十分万能な血液凝固の特性評価のためのシステム及び方法が必要とされている。
本発明の実施形態は、血液サンプルと相互作用した光を受けるよう及び前記光のサンプルにおける散乱を表すデータを取得するよう構成された光学データ取得システムと、前記光学データ取得システムと動作可能に協働する、取得されたデータから血液凝固カスケードのパラメータを導き出すようプログラムされたプロセッサと、を含む血液凝固計測器システムを提供する。一実施形態において、光学データ取得システムは、サンプルと相互作用した光、例えばサンプルにおける光の散乱及び/又は干渉によって生じるレーザースペックルに対応する光、を取得するよう構成されている。光学データ取得システムは、通常、サンプルに当てられた光の散乱を表す画像を連続して取得するよう構成され、プロセッサはさらに、前記連続して取得された画像と関連したデータから、凝固時間(CT)、凝血塊形成時間(CFT)、最大凝血塊堅さ(MCF)、最大溶解(ML)、選択された時点における損失凝血塊安定性の凝血塊動態割合、合計凝固時間、凝固速度、線維素溶解時間、凝固コンプライアンスパラメータ、並びに場合によっては、前記データを表す曲線の最大振幅などの前記データに対応する最高及び/若しくは最低値、のうちの少なくとも一つを導き出すようプログラムされている。
一実施形態による計測器システムは、血液サンプルに光を照射するよう構成されたコヒーレント光又は蛍光光源をさらに含み、光学データ取得システムは、オプションで、前記光源からの、血液サンプルを透過した光を受けるよう構成されている。計測器システムは、オプションで、内部チャンバ及び開口を有する光学的透明セルを含む。セルは、開口を通って内部チャンバに除去可能に送られた血液サンプルを含むよう構成されている。オプションで、セルは、(i)内部チャンバに除去可能に送られた血液サンプルと接触するなどのために内部チャンバ内に配置された血液凝固剤及び(ii)前記光学的透明セルの温度を規定するよう構成された温度制御装置のうちの少なくとも一つで動作可能に補われてもよい。
プロセッサは、さらに、オプションで、前記血液サンプルのドップラーシフトした周波数、脱相関時定数(decorrelation time constant)、粘弾性パラメータ及び/若しくはスペックル定数パラメータのうちの少なくとも一つに基づいて血液凝固カスケードのパラメータを導出する並びに血液サンプルの散乱係数及び/若しくは吸収係数及び/若しくは屈折率などの血液サンプルの光学特性に基づいて(複数の)パラメータを導出するようプログラムされてもよい。特定の実施形態では、プロセッサは、さらに、血液サンプルの粘弾性係数の変化に基づいて、導出された血液凝固カスケードのパラメータの変化を決定するようプログラムされ、これらの変化は、オプションで、約0.001Pa(又は同等の最低値)から最低値より約6から7桁大きくてもよい値の間の範囲内である。粘弾性係数の変動範囲の具体的な限界は、一つには、例えばサンプルが置かれたキャリア(又は基板)の性質などの測定条件に依存する。一例において、全血が単独で基板なしで使用された場合、上記範囲は約0.001Paから約100Paである。さらに、光学データ取得システムは、オプションで、生体内で血液サンプルと相互作用した光を受けるよう構成されている。
本発明の実施形態は、さらに、血液凝固カスケードの材料パラメータを決定する方法を提供する。そのような方法は、(i)光学データ取得システムを用いて、光源からの、血液サンプルと相互作用した光を受ける工程、(ii)血液サンプルによる光の散乱を表すデータの分布を形成する工程、並びに(iii)ドップラーシフトした周波数、脱相関時定数、前記血液サンプルの粘弾性パラメータ及びスペックル定数のうちの少なくとも一つを含む形成されたデータに基づいて血液サンプルの材料パラメータを計算する工程を含む。一実施において、血液サンプルの材料パラメータの計算は、凝固時間(CT)、凝血塊形成時間(CFT)、最大凝血塊堅さ(MCF)、最大溶解(ML)、選択された時点における損失凝血塊安定性の割合、合計凝固時間、凝固速度、線維素溶解時間及び凝固コンプライアンスのうちの少なくとも一つの計算を含む。特定の場合において、そのような計算は、上述のおおよその範囲内の血液サンプルの粘弾性係数の時間変化を表すデータに基づいて実施される。
光を受ける工程は、生体内で血液サンプルと相互作用した光及び/又は光学的透明セルの開口を通って該光学的透明セルのチャンバ内に除去可能に配置された血液サンプルと相互作用した光を受けることを含む。後者の場合、前記方法は、オプションで、温度制御装置を用いて光学的透明セルの温度を定義すること並びに/又は形成されたデータ及び材料パラメータの時間の関数としての変化のうちの少なくとも一つを視覚化のために表示することを含む。
実施形態は、さらに、血液サンプルの材料パラメータを決定するためのコンピュータプログラム製品を提供し、該コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取り可能プログラムコードを有する、コンピュータが使える有形の非一時的媒体を含む。該コンピュータ読取り可能プログラムは、(i)光源からの、血液サンプルによる光の散乱を表す光学データを取得するためのプログラムコード及び(ii)取得されたデータに基づいて、凝固時間(CT)、凝血塊形成時間(CFT)、最大凝血塊堅さ(MCF)、最大溶解(ML)、選択された時点における損失凝血塊安定性の割合、合計凝固時間、凝固速度、線維素溶解時間及び凝固コンプライアンスのうちの少なくとも一つを計算するためのプログラムコードを含む。さらに、コンピュータプログラムコードは、約0.001Pa以上の血液サンプルの粘弾性係数の値の時間変化を表すデータに基づいて材料パラメータを計算するためのプログラムコードを追加で含んでもよい。コンピュータプログラム製品は、さらに、オプションで、(i)凝固中の与えられた血液サンプルの光学特性の変化並びに(ii)ヘマトクリット値、ヘモグロビン、脂質及び他の血液成分を補うために、プロセッサに、集めたデータのデータ補正をする方法を実行させるプログラムコードを含んでもよい。
本発明は、図面と併せて以下の発明の詳細を参照することによりより深く理解される。
生体液サンプルと相互作用した光の強度変化の測定を説明する図である。 本発明の実施形態に係わる、後方散乱形態で動作するよう構成されたレーザースペックルに基づくイメージングシステムの実施形態を示す。 レーザースペックルパターンの画像を示す。 (A)及び(B)は、それぞれ、図3のA及びBのレーザースペックルパターンに対応する時間依存スペックル強度変調曲線を示すグラフである。 (A)は、本発明の光学システムを使用して、血液凝固プロセス中に異なる時点で取得された画像データから計算されたレーザースペックル強度脱相関曲線を示すグラフであり、(B)は、本発明の実施形態に基づき、さまざまな材料特性を有する血液サンプルから取得された光学データから導出されたレーザースペックル強度脱相関曲線を示すグラフである。 本発明の光学的実施形態を使用した血液サンプル特性の測定から得られた明確に定義された実験データの相関関係及び関連した方法を用いて得られた明確に定義された実験データの相関関係を説明するグラフである。 本発明の実施形態に係わる血液凝固カスケードの時間分解特性解析のアルゴリズムを概略的に説明するフローチャートである。 血液凝固プロセス中のスペックル脱相関時間の変化の測定値を示すグラフである。 本発明の実施形態に係わる血液凝固カスケードの時間平均特性解析のアルゴリズムを概略的に説明するフローチャートである。 血液サンプルにより散乱した光の空間分布の正規化されたレミッタンスプロファイルの時間変化を説明するグラフである。 凝固/線維素溶解プロセス中の時間の関数としての血液凝固パラメータの変化を概略的に説明するグラフである。 凝固/線維素溶解プロセス中に時間の関数として測定された、血液サンプルによって散乱したレーザー光と関連するスペックルコントラスト比の変化を示すグラフである。 本発明の実施形態に係わるポータブル光学システムの図である。 図13(A)及び図13(B)の実施形態のサンプル含有部分の実施形態を説明する図である。 本発明の代替実施形態を説明する図である。 本発明の別の代替実施形態を説明する図である。
本発明の好ましい実施形態によれば、現在使用されている機械的TEG手法の限界を克服し、患者内の血液凝固障害の早期発見のための迅速、正確かつ高感度なツールを提供する新規の光学的方法及び装置が光学的トロンボエラストグラフィ(OTEG)のために開示される。本願は、動く機械的部品を動作させることを必要とせずかつ使用が容易な非接触式手法について議論する。
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「関連実施形態」又は同様の用語は、参照する「実施形態」と関連して記載された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書における「一実施形態において」、「実施形態において」及び同様の用語の表現は、必須ではないが、全て同じ実施形態を参照する。本開示は、単独で及び可能性として図面との関連で、本発明の全ての特徴を完全に記載することを意図していないことが理解されるべきである。
さらに、以下の開示は、本発明の特徴を対応する図面を参照して記載してもよく、同様の参照符号は可能性のある場所ならばどこであろうとも同じ又は同様の構成要素を表す。図中、描写された構造的構成要素は通常正確な縮尺ではなく、所定の部品は強調及び理解のために他の部品と比べて拡大されている。図面は、いずれも、本発明の全ての特徴の完全な記載を支持することを意図していないことが理解されるべきである。換言すれば、与えられた図面は通常本発明の特徴の一部、かつ通常は全てではない、を説明するものである。与えられた図面及びそのような図面を参照する記載を含む開示の関連部分は、通常、与えられた図面や議論を簡単化するため及びこの図面で取り上げられた特定の構成要素について議論するために、特定の見方における全構成要素又はこの見方に含むことができる全特徴を含まない。当業者であれば、一以上の具体的な特徴、構成要素、部品、構造、詳細若しくは特性を用いずに又は他の方法、部品、材料などを用いて本発明を実施することができることを認識するであろう。したがって、本発明の実施形態の具体的な詳細はそのような実施形態を記載する一つ一つの図面に必ずしも示されてはいないが、記載の内容を他の意味に解すべき場合を除き、この詳細が図中に存在することを意味してもよい。他の例では、議論している本発明の実施形態の側面が不明瞭となることを回避するために、周知の構造、詳細、材料又は動作は与えられた図面に示されていなくとも又は詳細に記載されていなくともよい。さらに、記載された本発明の一つの特徴、構造又は特性を任意の適切な様式で一以上のさらなる実施形態と組み合わせてもよい。
さらに、概略的なフローチャートの図が含まれる場合、通常、これは論理フローチャートである。このように、論理的フローの描写順序及び示されたステップは、記載された方法の一実施形態を示す。示された方法の一以上のステップ又はその一部と機能、論理又は効果が同等である他のステップ及び方法も考えることができる。さらに、採用されたフォーマット及び記号は、方法の論理ステップを説明するために与えられ、方法の範囲を限定するものでないことが理解されるべきである。さまざまな矢印の種類及び線の種類がフローチャートの図に採用されているが、これらは対応する方法の範囲を限定するものでないことが理解されるべきである。実際には、いくつかの矢印又は他の接続手段を、方法の論理フローのみを示すために使用してもよい。例えば、矢印は、描写された方法の列挙されたステップ間の持続期間が特定されていない待ち期間又はモニタリング期間を示してもよい。一般性を喪失することなく、プロセスステップ又は特定の方法が生じる順序は、示された対応するステップの順序に厳密に忠実であってもなくてもよい。
本開示に添付された特許請求の範囲に記載された発明は、本開示全体を踏まえて評価されることを意図している。
血液凝固プロセスのステータスを正確に、精密に、リアルタイムで評価できることは、非常に重要である。実際に、止血として知られる正常な凝固プロセスは、体の止まらない出血に対する防御メカニズムであり、凝固因子と称される数々の異なる血漿タンパクを伴う。凝固カスケードに関わるプロセスは、損傷の部位における血小板活性化及び血小板集積並びに血小板応答のモビリゼーションと、内因性及び外因性経路を介する凝固因子の促進による凝固プロセスの開始と、不溶性フィブリン塊の原因となるトロンビン依存性応答を介する凝固促進応答の伝搬と、凝固因子の不活性化による終了と、凝血塊を溶解するための線維素溶解と、を含む。血液凝固カスケード又はプロセスの欠陥は、自然発生の又は外傷後の長引く出血の原因となる凝固性低下状態を引き起こす場合があり、あるいは、凝固性亢進又は凝血塊性素因状態として現れて凝血塊形成の増加を引き起こす場合がある(例えば表1参照)。
Figure 2014516159
血液凝固障害は、遺伝によるもので凝固因子レベルの異常及び血小板機能低下が原因で生じる場合があり、あるいは病気や所定の抗炎症薬又は抗凝固薬の長期使用による後天性の場合がある。さらに、外傷によって引き起こされた血液凝固障害はしばしば急性外傷が原因で生じ、止まらない出血を伴い、死亡率が最大五倍増加する。血液凝固障害は、大量の全血輸血、又は血液希釈及び低体温症に続発する組織因子の濃縮によっても生じ得る。もし処置が適切に行われなければ、凝固障害は、貧血、危険な血液損失、ショック状態及び重要な臓器への障害などの生命に関わる状態を引き起こす可能性がある。場合によっては、異常凝固性亢進の全身活性化は、深部静脈凝固症、肺塞栓症又は発作などの致命的合併症を引き起こす可能性がある。したがって、数例が挙げられたこれらの状態と関連する死亡率及び高い罹患率を減少させるために、患者内の血液凝固障害の早期発見、止血治療中の血液凝固障害ステータスのモニタリング、治療のエンドポイントのガイド及びベッドサイドでの輸血プロトコルの最適化のための、血液凝固障害を識別及び測定する信頼性の高いシステム及び方法が重要であることは明らかである。
本発明の実施形態は主として血液凝固障害での応用を参照して記載されているが、他の応用(例えば、血液成分、特定の組織因子及び血清などの異なる組織要素に向けられるもの)もまた本発明の範囲内であることが理解される。さらに、実施形態の記載は、体の外部の血液サンプルの血液凝固基準の決定に関して記載されているかも知れないが、同じものを非侵襲的又は侵襲的に(カテーテル、プローブ、針などを介して)生体内測定(例えば、生体の血管系内)に使用することもまた本発明の範囲内である。
血液凝固のステータスは典型的に、血小板数並びにプロトロンビン、活性化部分トロンボプラスチン及びトロンビン時間を測定する標準臨床検査を用いて評価される。これらの検査は凝固障害を検出するために重要な情報を提供するものの、検査の実施及び検査結果の報告にはかなりの時間を要することから、患者の止血の効果的かつ高効率な制御が大幅に遅れてしまう可能性がある。さらに、これらの検査は、内因性及び外因性経路の個別段階における静的測定に制限されており、凝固カスケード全体の大域解析は提供しない。
ベッドサイドでの血液凝固障害の早期発見及び治療モニタリングのポイント・オブ・ケア評価の臨床的必要性に取り組むために、トロンボエラストグラフィー(TEG)器具類が開発され(例えば、Haemonetics社、TEM Internationalによって)、TEGにおいては、凝固及び線維素溶解中に凝血塊の材料特性の変化を測定することによって、血液凝固のステータスが決定される。これらのTEG測定は、機械的流量計の原理に基づいて実施され、該流量計は、例えばコンプライアンス、剛性、堅さ、弾力性、粘性又は粘弾性を含むさまざまなサンプル特性を評価するために、加えられた機械力に応答してサンプル誘発抵抗を測定する。現在使用されているTEGシステムにおいては、全血のサンプルがサンプルホルダ内に配置され、シャフトが血液サンプルに浸され、そして凝血塊の粘弾性の変化の時間トレースを提供するために血液凝固中に加えられた力に応答してシャフト上に生じた機械的トルクの変化が測定される(例えば、凝血塊発生の動態又は時間、形成、終了及び線維素溶解中並びに凝血塊の剛性/堅さ/コンプライアンス)。
組織の非破壊性解析の必要性を満たすために、レーザースペックル流動学(LSR)(レーザースペックルイメージング又はLSIと呼ばれることもある)が実証されている。LSRは動的光散乱(DLS)原理及び拡散波動分光学(DWS)原理に基づくものであり、これらの原理によれば、光散乱粒子の平均二乗変位(MSD)は材料の粘弾性感受性と関連する。サンプルはコヒーレント光で照らされ、高速度検出器(例えばCMOSカメラ)を用いて時間変化レーザースペックルパターンの画像が取得される。サンプルによって散乱されたコヒーレント光の干渉を反映する現象としてのレーザースペックルは、光散乱要素及び粒子のブラウン運動に敏感であり、このブラウン運動は光散乱要素を囲む媒体の粘弾性感受性の影響を受ける。スペックルパターン変化を測定する方法はいろいろあり、例えば時間変化及び時間平均化測定がある。時間変化又は時間分解スペックルは、スペックルパターンが相関を失う特有の時定数によって記載することができる。時間平均スペックルは、以下のように定義されるいわゆるスペックルコントラスト(又はコントラスト比)によって特徴付けることができる。
Figure 2014516159
ここで、σは測定されたスペックル放射照度分布の平均強度への標準偏位であり、Tはスペックルパターンの積分時間であり、ρは照明ビームの入射ポイントから測定された、スペックルパターンにわたる距離である。
関連技術はDLSを用いて媒体の性質を記述しようと試み、特に、均質媒体(複合流体)の機械的性質を、そのような媒体に外因的光散乱微粒子を導入することによって調べることができることを立証した。DLS原理によれば、光強度の時間変動変化は、媒体の単一スポットにおいて測定され、強度相関関数g2(t)を得るために時間と共に発展する複数の相互相関関数を平均化する。DLSにおいてはg2(t)は単一スポットに対して測定されるので、必要とされるデータ取得時間(数分から数時間のオーダー)はレーザースペックル強度変化の典型的な時間スケールよりも何桁も大きく、自然位置の組織(tissue in situ)の分析には実用的ではない。
光学的TEG又はOTEGと称され以下で議論するように本発明の実施形態によれば、媒体(例えば血液サンプルの場合)に内在光散乱中心によって生じるレーザースペックル変化を測定することにより組織の生物力学的性質を評価するために、本明細書においてLSR方法論が拡張される。
サンプルへの入射コヒーレント光は、サンプル内で動いている単一の光散乱要素又は複数の光散乱要素の何れかと相互作用する。入射光の光源は、集束され、コリメートされ又は広い範囲にわたって空間的に広げられる。オプションの光ファイバー又は導波管を介して単一の又は複数のスペックルスポットを同時にとらえるために、光強度及び光位相の変化が、光検知器アレイ又はCMOS若しくはCCDカメラを用いて検出される。検出された信号は、光コヒーレンス・トモグラフィー又はデジタルホログラフィー法などの光路長分解干渉アプローチを用いて取得してもよい。時間分解又は時間積分光学信号は、凝固及び線維素溶解の持続時間全体にわたって連続的又は有限時間間隔で断続的に測定される。
血液凝固プロセス中、凝血塊の剛性の増加によって血液の光散乱要素の変位が制限され、これにより、全血に比べて凝血塊に関するスペックル強度の変化がゆっくりとした速度となる。したがって、血液サンプルによって生成されたスペックル強度の変化速度を測定することにより、光散乱要素のMSDを粘弾性係数G*に関連付ける(例えば修正されたストークス・アインシュタイン式を用いて)ことよって、血液凝固中の粘弾性特性の変化が評価され、モニターされる。凝固プロセス中の凝血塊の発生及び成形は、記述した時間分解及び時間積分手法のうちの少なくとも一つを用いることによって光学的に測定される。
図1は、サンプルによるレーザースペックル強度変化の測定の原理を概略的に説明する図である。具体的な構成にもよるが、入射偏光高コヒーレント光110は、内在光散乱要素を有するサンプル120により反射され及び/又は透過する。サンプル120によって散乱された光によって生成されたレーザースペックルパターンの画像を表す画像データを時間の関数として取得するため並びに取得及び取得したデータを有形非一時的コンピュータ可読媒体に保存するために、光が、サンプル120と相互作用され、適切な検出器システム(134,138)によって検出される(ビーム124として反射アームにおいて及び/又はビーム128として透過アームにおいて)。そのような画像データは、サンプルと相互作用した光の強度変化などの、照らされたサンプル120と関連する検出光強度変化144、148を決定するために、さらに処理される。例えば、光強度変化は、干渉画像データ、レーザースペックル画像データ、並びにサンプルによって拡散した光及び/若しくはサンプル内で散乱した光及び/若しくはサンプルから反射した光及び/若しくはサンプルを透過した光を表すデータ、のうちの一以上を表す。
図2は、反射(後方散乱形態)で動作するよう構成された実験セットアップの実施形態200の図である。実施形態200は、光110を生成するレーザー源210(He−Neレーザー、10mW出力、〜20cmコヒーレント長など)を含み、該光110は、オプションで直線偏光板214及びビーム拡大器(5:1)218を含む光学列を通されると、レンズ222及びビームスプリッタ224を含む光学システム220を介して、サンプル120(特定の実施では血液サンプル)上におよそ50ミクロンのスポットに集束される。サンプル120によって散乱した光のレーザースペックルパターンとしてのサンプル120の画像の時系列が、焦点距離を調節可能なレンズを介して高速CMOSカメラ230(PixelLINK PL−761F、オタワ、カナダなど)を用いて、偏光板228を介して取得される(鏡面的に反射された光の取り込みを低減するために偏光板214と交差する向きで)。(サンプル120からレーザースペックルパターンを取得するためのCMOSカメラ230の使用は、複数のスペックルスポットの同時アンサンブル平均化によるg2(t)の測定における統計的精度を高め、これによりデータ取得時間が大幅に短縮される。)取得された画像化データは、保存され、コンピュータプロセッサ232などの予めプログラムされたプロセッサを用いて処理され、オプションで可視化のために必要なフォーマットでディスプレイ(非図示)に表示される。サンプル120による反射において散乱された光中の血液サンプル120の測定は、2秒の取得期間中に40x40画素のROIにおいて800fpsで(高速なサンプルダイナミクスが適切に検出されるのを確実にするため)実施される。(実施形態200の他のサンプルの記載及び対応する測定パラメータについては、以下に記載する。)当然ながら、図2に関連する実施形態を透過(又は前方散乱形態)で動作するように構成することもできる。図3に、図2の人間の血液サンプルから、凝固の開始からの時間t=0,5,10,15及び18分において、セットアップ200を用いて連続して取得されたレーザースペックルパターンA、B、C、D及びEの例を示し、血液凝固のプロセス中のスペックルパターンの目に見える変化を示す。
図4(A)、(B)に、人間の血液サンプル中の関心領域にわたって平均化された時間依存強度値を表す強度曲線410、420を示す。図4(A)において、光散乱粒子の速い速度によって、測定された強度の急激な変調が観測され、これは測定された信号における急激な位相シフトを生じさせる。これに比べて、図4(B)では、光散乱物の抑制された動き並びに進行中凝血塊の微細構造及び光学特性の変化によって、強度変化がより遅い速度であることが観測される。
スペックル強度脱相関曲線g2(t)によって与えられるスペックル変化の時間分解光強度の割合は、サンプル中の光散乱要素の平均変位に関連し、これは、血液サンプルの材料特性(粘性、弾性係数、剛性、コンプライアンス、強度及びオプションで他の特性)に関連する。したがって、時定数、τ、によって評価(一例において)されるg2(t)脱相関の割合は、サンプルの材料特性を表すものである。実際には、g2(t)は、時間分解系列を用いて第一フレーム内で測定されたスペックル強度の正規化された相互相関によって計算することができる。強度脱相関の時定数τは、有限の時間期間にわたるg2(t)の単一又は複数の指数フィッティングによって評価される。脱相関時定数τの展開は、血液凝固及び線維素溶解プロセス全体にわたって時間の関数として測定される。凝血塊動態、凝固時間、凝血塊堅さ、コンプライアンス、強度、線維素溶解時間などを含む血液凝固基準を定義するためのさまざまな基準は、τの展開対時間の曲線から測定される。例えば、低いτは全血サンプルにおいて観測され、凝固プロセスが開始するにつれ、凝血塊形成中の抑制された散乱物の動きによってτが増大し、最大の大きさに達し、その後線維素溶解プロセス中に減少する。測定することができる凝固パラメータは、これらに限定されないが、検査の開始からτの最小検出可能増加までの反応時間(又は凝固時間)、アルファ角並びに凝血塊形成速度及び凝固までの最大時間を表す凝血塊形成時間、τの最大大きさ又は凝血塊の強度、及び最大大きさに続く溶解時間を含む。機械的TEG又はROTEMによって得られたものと似たトロンボエラストグラフィー凝固パラメータは、凝固ダイナミクスの評価のための光学的方法を用いて本発明の実施形態を用いて同様に導出することができる。速度又はスペックル脱相関は、g2(t)曲線の傾きを測定することによって、あるいはg2(t)曲線を記述する他の多項式フィッティングルーチン又は相関関数を用いる他の曲線フィッティング法を用いることによって測定することができる。
スペックルコントラスト比及びスペックル強度脱相関の時定数は、時間的強度変化のパワースペクトル密度の観点で表現することもできる。
通常、血液などの生体液サンプルなどと相互作用して散乱された散乱光の散乱強度変化を表す光学データは、強度及び/又は光位相(又はフィールド)相互相関(又は自己相関)関数、g2(t)、を決定するために、相互相関手法を用いて解析することができ、前記相互相関関数は、光散乱粒子のMSD<Δr2(t)>の観点から、以下のように表わされる。
Figure 2014516159
ここで、kは血液サンプル中の波数であり、γは組織サンプルの(複数の)散乱粒子の(複数の)寸法及び光の偏光状態に関する実験パラメータであり、βは組織サンプルによって散乱された後に検出された光のコヒーレンスの度合いに対応するパラメータであり、3μa/(μs(1−g))はサンプルの光学特性を定義する(組織サンプルの吸収係数に関するμa及び組織サンプルの散乱係数に関するμsを介して定義する)。
式(1)の具体的なモデルについて、例えば、動いている粒子のMSDを材料の周波数依存バルク粘弾性係数G*(ω)に直接関係づける一般化ストークス・アインシュタイン式の修正された代数形式を用いて、以下の式により、G*(ω)が決定される。
Figure 2014516159
ここで、aは散乱粒子の特徴的な寸法であり、Γはガンマ関数であり、〈Δr2(1/ω)〉はt=1/ωでのMSDの大きさである。a(ω)の値は以下のように与えられる。
Figure 2014516159
弾性又は貯蔵係数と称されるG*(ω)の実部、G’(ω)は、組織サンプルの固体様性質の尺度を表す。与えられた歪み(strain)と位相がずれた虚部G”(ω)は粘性又は損失係数であり、組織サンプルによる粘性エネルギー散逸の尺度を表す。
例えば図2に示す画像化システムを用いて血液凝固中に異なる時点で取得された画像データから計算された図5(A)のレーザースペックル強度脱相関曲線A、B及びCは、式(1)及び(2)によれば、血液サンプルは主に凝固プロセスの初期に粘性があることを示す(例えば、tA≒0での凝固プロセスの初期に対応する曲線Aを参照)。したがって、曲線Aの減衰の初期の傾向は主にG”(ω)に影響される。凝固プロセスがさらに進むにつれて(曲線B及びCはそれぞれtB≒5min、tC≒18minとして決定される)、G’(ω)の寄与が増加することによってg2(t)は横ばい状態となる。図5(B)は、本発明の実施形態に基づき、さまざまな濃度の血液サンプル(例えば、それぞれ、凝血塊1(CaCl2)を含む血液サンプル、凝血塊2(組織因子+CaCl2)を含む血液サンプル及び全血を含む血液サンプル)から取得された光学データから導出されたスペックル強度脱相関曲線I、II及びIIIを示す。
関連技術はレーザースペックルに基づく手法をさまざまなポリマー及び組織を特性化するために使用する例を示しているものの、同様の光学手法を血液サンプルの特性化及び血液凝固のモニタリングに適用することについてはこれまで実証されていない。本発明は、LSRアプローチが直接的にかつリアルタイムでそのような特性化に適用可能なことを確実にするよう構成されたシステム及び方法を提供する。特に、ここで議論したOTEG手法の使用の適切性が図6(A)及び6(B)によって実証され、異なる赤血球体積画分/ヘマトクリット値(HCT)(即ち異なる条件で希釈された血液のサンプル)及び現在使用されているG*の流量計的測定値を有する三つの血液サンプルから得られたスペックル強度脱相関に関するデータが良好に対応することが示されている。図6(A)のスペックル強度脱相関曲線D、E、Fは、時定数値が、測定された血液サンプルの一連の希釈によって生じる粘弾性特性の一連の変化に影響されることを示す。特に、全血サンプル(曲線D)についての時定数値は80%血液(20%生理食塩水)及び60%血液(40%生理食塩水)、曲線E及びF、それぞれに対応する時定数値を大幅に超える。同様に、図6(B)を参照すると、TEG検査は、係数値が全血(曲線D’)について最も高く、80%及び60%への希釈に対応するもの(曲線E’及びF’)について減少したことを示す。例えば濃度の異なるPEG、PDMS及びフィブリンゲルなどの補助サンプルのOTEGに基づく測定とTEGに基づく測定の結果の比較を同様に実施することにより、粘弾性係数の広いダイナミックレンジにおけるさまざまなサンプルの粘弾性特性の決定に対する提案されたOTEG法の適用性を独立的に確認することができる。一実施形態において、血液サンプルの特性化は通常上述の値の範囲内の材料の粘弾性係数の決定に基づき実施され、一例では約0.001Paから約1MPaであり、別の例では約0.001Paから約10kPaである。
血液凝固カスケードの(複数の)パラメータの提案されたOTEGに基づく測定が、多数重なった(multiply)散乱光の光位相シフトの決定に基づくものであることから、本発明の実施形態は、測定されている血液サンプルの粘弾性の小さな変化(例えば、測定されている凝血塊の粘弾性の変化)に対する感度が高く、これによりの初期凝固変化の検出及び止血治療のモニタリングにおいて高精度を提供する。本発明の実施形態によれば、血液サンプルのパラメータを測定するためのシステム及び方法が、上で議論した値の範囲に含まれる、凝固カスケード中の血液サンプルの粘弾性係数の変化を検出するよう構成される。(一例において、粘弾性係数は10kPaを超えず、かる好ましくは約0.01Pa以上である。関連する例では、約0.001Pa以上である。)
提案されたOTEGに基づく手法を使用する血液サンプルの粘弾性特性の決定は、所定のサンプリング周波数での血液サンプルの粘弾性特性の時間依存変化をモニタリング及び/又は測定することによって凝固及び/又は線維素溶解基準を評価するために、血液凝固カスケード中の任意の時点にて実施することができる。一実施形態では、例えば、サンプリング周波数は、約10Hzから5kHzの間でもよい。特に、本発明の実施形態は、少なくとも血液サンプル中で凝血塊の形成が開始するまでの待ち時間として定義される凝固時間(CT)、血小板機能、フィブリノゲン及び凝固因子に影響される固体凝血塊が形成する速度に関する凝血塊形成時間(CFT)、フィブリン及び血小板凝血塊の絶対強度として定義される最大凝血塊堅さ(MCF)、最大溶解(ML)、選択された時点での損失凝血塊安定性の割合並びに合計凝固時間、凝固速度、線維素溶解時間及び凝固コンプライアンスなどの凝固の変化を表す他のパラメータを決定するよう構成されている。本発明の実施形態に基づいてスペックル強度変化データから決定された選択された血液凝固パラメータのダイナミクスを概略的に示す一般化されたグラフが、図11に示される。(必要に応じて、例えばヘマトクリット値又は脂質含量の変化などの血液サンプルの変化を修正するために、そのようなグラフに含まれるデータを時間ゼロでのパラメータの値によって正規化することができる。)
以下に、本発明の方法の実施形態の主なステップについて説明する。
図7に概略的に示される本発明の時間分解法の実施によれば、ステップ714において、コヒーレント光の光源からの光が検出される(ステップ710において血液サンプルと光が相互作用した後、後方散乱形態又は前方散乱形態の何れかにおいて)。(図3のレーザースペックルの画像は、血液サンプルによって散乱された光の画像化の例であり、一方で図4(A)、4(B)の強度プロファイルは対応する光強度変化の例である。)その後、ステップ718、720において、時間分解スペックル強度脱相関データ(図5(A)の曲線など)を決定するために並びに、オプションで、空間的に及び/若しくは時間的に平均化された時間分解スペックル強度脱相関を表す平均脱相関データ(例えば図5(B)を参照)を定義するために、取得された光学データが解析される。そのようなデータから、血液サンプルの粘弾性特性(G*,G’,G”)の性質に基づき、730参照、及び/又は時間分解スペックル強度脱相関と関連する時定数τの性質の決定に基づき、740参照、及び/又はサンプルに実施されたドップラー測定に基づき、750参照、血液サンプル(例えば凝血塊)パラメータがさらに決定される(760に示すように)。
血液サンプルの粘弾性特性の性質の決定は、ステップ730aにおける少なくともステップ720の平均脱相関データに基づくサンプルの粘弾性特性(G*,G’,G”)の決定、並びにステップ730bにおける血液凝固カスケード(凝固及び線維素溶解プロセス)中にそのような粘弾性特性を時間の関数としてさらにモニタリングすることを含む。測定された凝固パラメータは、これらに限定されないが、試験の開始からτの最小検出可能増加までの反応時間(又は凝固時間)、アルファ角並びに凝血塊形成速度及び凝固までの最大時間を表す凝血塊形成時間、τの最大大きさ又は凝血塊の強度、並びに最大大きさに続く溶解時間を含む。
また、時間分解スペックル強度脱相関を特性化する時定数の性質の決定は、通常、ステップ740aにおける脱相関曲線に基づく時定数の導出と、ステップ740bにおける血液凝固カスケード中の時定数の時間経過のモニタリング及び測定とを含む。時定数は、例えば、g2(t)曲線と十分に適合する単一又は複数指数均時間数を決定することによって計算することができる。図8に、人間の血液サンプルを用いて測定されたレーザースペックル脱相関と関連する時定数の時間依存変化の例を示す。
図9に概略的に示された血液サンプル特性化の別の実施は、時間平均アプローチを採用する。この時間平均アルゴリズムによれば、ステップ910において血液サンプルがコヒーレント光(例えばレーザー源など)の光源からの光で照射され、ステップ916において、サンプルとの相互作用の後に血液サンプルによって散乱された光が、その後、血液サンプルが凝固するにつれて時間平均の形で検出される。ステップ960での凝固する血液サンプル(凝血塊など)パラメータの決定は、ステップ920で実験的に決定されたスペックルコントラスト比を用いて及び/又はステップ940で血液サンプルと相互作用した光と関連する光レミッタンスのプロファイルの特性化を用いて、実施される。
一実施形態によれば、ステップ916で取得された光学データに基づいて、ステップ920aでスペックルコントラスト比が決定される。その後、ステップ920bにおいて、凝固カスケード中にコントラスト比の時間変化を表すデータを集めるために、本発明のOTEGシステムがスペックルコントラスト比をモニターし、これから、CT、CFT、MCF、ML、MTなどの血液凝固パラメータがその後ステップ960にて導出される。図12は、血液凝固カスケード中に得られた人間の血液サンプルのスペックルコントラスト比の時間依存性を示す。
関連する実施形態によれば、血液サンプルを特性化する散光レミッタンスプロファイル、即ちDRP、を決定するために、ステップ940aにおいて血液サンプルによって散乱された光の空間分布が測定される。全血を含む血液サンプルに対応する実験的に決定された(凝固プロセスの初期で)DRPの例が、図10の曲線1010によって示される。そのようなDRPが得られると、2007年9月12日に出願された米国特許出願番号11/854,199及び例えばNadkarmiらによる「レーザースペックルイメージの時空間解析によるアテローム斑の線維性被膜厚さの測定」,J.Biomed.Opt.,11,21006(2006)、これらは各々その開示が参照により本願に盛り込まれる、の教示に基づいて血液サンプルの光学特性の時間発展を決定するために、方法はステップ950に進んでもよい。代替的に又は追加で、ステップ960において求められている血液凝固パラメータにたどり着くために、ステップ940b、940cに示すように、進行する凝固プロセスと関連するDRPの形状の変更又は変化を連続的に測定することができる。さらに図10を参照すると、曲線1020は、全血サンプルの凝固に起因するDRP1010に比べて変化したDRPの例を示す。
通常、本発明の光学システムは、診療所で血液凝固カスケード及び凝血塊性質を特性化するよう構成された定置式システムとして又はより実用的でポータブルの(オプションでハンドヘルドの)システムとして実施することができる。そのようなポータブルの光学システムの例を図13(A)、13(B)に示す。反射(後方散乱)モードで動作するよう構成された図13(A)の実施形態1310は、コヒーレント光1322の光源1318(例えば、限定を意図しない例として785nm付近などの選択された(複数の)波長帯で動作する半導体レーザー)を囲むハウジング1314を含み、コヒーレント光1322は、光学システム1334(とりわけ光学部品を焦点合わせ及び/又はコリメートすることを含んでもよい)、オプションの光学偏光板1336及びビームスプリッタ1338を介して、血液サンプル1330を含むサンプル含有ユニット1328(オプションで使い捨てでかつ交換式)に送られる。入射光は、血液サンプル1330と相互作用すると、後方散乱され、光の後方散乱部分1340が、レンズ1348及び偏光板1350を含む光学列を介して検出器システム1342で検出される。レーザー源1318、サンプルホルダ1332及び検出器システム1342に動作可能に接続されたプロセッサ1356は、光学データ取得及び処理の順序を調整し、そしてオプションで取得された画像及び/又はデータ処理の結果をディスプレイ装置1360に表示するようプログラムされている。図13(B)は、サンプル含有ユニット1364を光が透過するモード(前方散乱)で動作するよう構成された本発明のOTEGシステムの実施形態を概略的に示す。測定中に動き又は振動の影響を軽減するために、オプションの防振プラットフォーム又はモジュールを、本発明の実施形態の少なくとも一つの要素又は装置と動作可能に協働させてもよい。
図14(A)に、図13(A)のサンプル含有ユニット1328の実施形態1410を示す。この実施形態1410は血液サンプル1416を含むよう構成されたチャンバ1414を有し、血液サンプル1416は、入口開口及び/又は溝1418などの開口部を介してチャンバ1414内に除去可能に送られるとともに、出口1420から排出される。チャンバ1414は、一方側で、光学的に透明な窓1422に隣接し、サンプル照射光はこの窓1422を介してチャンバ1414内部に届く。チャンバ1414は、オプションで、血液サンプル1416と凝固剤1424間の物理的接触を確保するよう凝固剤1424を重ねても又は被覆してもよい。チャンバは、数マイクロリットルから数ミリリットルの流体を収容するように適切に構成されているとともに、温度制御装置1430によって物理的に接触して支持されている。(サンプルホルダは、測定中に血液細胞の沈殿を防止するためにオプションの基板又はストリップを含んでもよい。したがって、装置を用いて分析をする前に、血液サンプルを基板上に配置する、基板に被覆させる又は基板内で懸濁させることができる。)
比較として、図14(B)に示すように、図13のサンプル含有ユニット1364の実施形態1440が、光の透過がゼロのチャンバ内に血液サンプル1416が閉じ込められる(例えば、実施において、光学窓のうちの一つを通ってサンプル1416へ入射したレーザー光がサンプル1416を通過した後に前方散乱様式で集められるよう、二つの光学窓1422a、1422b間に閉じ込められる)ことを確実にするように構成されている。図14(C)は、使い捨てのサンプル含有ユニット(ユニット1410又は1440など)の例の上面図である。
図15は、凝固中のサンプル特性の測定のための複合輸送手法に関する実施形態を示す。サンプル含有ユニットの具体的な実施例1510は、図示されるように、血液サンプルを複数の部分に空間的に分離するスリーブ又はサブチャンバ又は溝1514を有するチャンバを含むよう構成され、前記複数の部分は各々、例えばヘマクリット測定、脂質分析、近赤外分光計測並びに例えば蛍光特性の測定及び特性化などの異なるデータ取得及び処理モダリティを用いて測定及び特性化される。実施形態1510又は関連する実施形態を使用することによって、光学的血液凝固測定を含む血液の複合輸送分析が容易になる。血液凝固の評価のための光学的モジュールは、独立式装置として使用することができ、あるいは、さまざまな血液分析測定を補うために他の装置及び/又はシステムと物理的に統合又は少なくとも動作可能に協働することができる。
本発明の実施形態について、オプションで、メモリ内に保存された命令によって制御されるプロセッサを含んでいると記載した。メモリは、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ又は制御ソフトウェア若しくは他の命令及びデータを保存するのに適した任意の他のメモリ又はこれらの組み合わせでもよい。プロセッサによって実行される機能の一部は、フローチャート及び/又はブロック図を参照して記載してきた。当業者にとって当然ながら、フローチャート又はブロック図の各ブロックの全て若しくは一部又はブロックの組み合わせの機能、動作、決定などを、コンピュータプログラム命令、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせとして実施してもよい。また、当業者にとって当然ながら、本発明の機能を定義する命令又はプログラムは、書き込み不可保存媒体に永久的に保存された情報(例えばROMなどのコンピュータ内の読み取り専用メモリ装置又はCD−ROM若しくはDVDディスクなどのコンピュータI/O付属品によって読取り可能な装置)、書き込み可能保存媒体に可変に保存された情報(例えばフレキシブルディスク、取り出し可能フラッシュメモリ及びハードドライブ)又は有線若しくは無線コンピュータネットワークを含む通信媒体を介してコンピュータに送られる情報などを含む、しかしながらこれらに限定されない、多くの形でプロセッサに送られてもよい。さらに、本発明はソフトウェアに盛り込まれてもよく、一方で、本発明の実施に必要な機能が、例えば、いくつか例を挙げると、組み合わせ論理、特定用途向け集積回路(ASICs)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)又は他のハードウェア又はハードウェア、ソフトウェア及び/若しくはファームウェア部品のいくつかの組み合わせなどのファームウェア及び/又はハードウェア部品を用いて、部分的に又は全体として、オプションで又は代替的に盛り込まれてもよい。
本発明について、上述の実施形態の例を用いて記述したが、本明細書に開示した発明のコンセプトを逸脱することなく説明した実施形態を修正及び変更してもよいことは、当業者であれば理解するであろう。そのような変更の一例として、例えば、本発明のポータブルOTEGシステムのサンプル含有ユニットの具体的な実施例1510を、血液サンプルを複数の部分に空間的に分離するスリーブ又はサブチャンバ又は溝1514を有するチャンバを含むよう構成し、前記複数の部分が各々、例えばヘマクリット測定、脂質分析、近赤外分光計測並びに例えば蛍光特性の測定及び特性化などの異なるデータ取得及び処理モダリティを用いて測定及び特性化されるようにしてもよい。記載されたOTEG方法論の修正が図16に概略的に示される。図16の実施形態は、サンプルの活性音響、電磁気的又は機械的変調に対応する。ここで、光学検出器は、変調音響波1630にさらされた血液サンプル120によって散乱された光1624、1628を検出するよう構成されている。対応する音響的に変調された空間的及び時間的スペックルパターンが検出され、血液サンプル120の求められる(複数の)粘弾性特性を導出するために処理される。
血液凝固ステータスをモニターするための時間分解測定法に加えて、血液凝固基準を示すパラメータを導出するために、スペックル強度変化を有限時間又はカメラ露出時間にわたって積分することができる。例えば、上述のように、スペックルコントラスト比をモニターすることができ、検査の開始中の素早いブラウン運動ダイナミクスによる全血における有限露出時間にわたるスペックルぼけによってスペックルコントラストが低くなることが予想される。血液凝固形成が進行するにつれて、より堅い凝血塊の比較的制限されたダイナミクスにより、スペックルコントラストは増加する。上で定義された凝固基準は、同様に、凝固時間からのコントラストの依存状態から導出することができる。
凝固中の血液サンプルの光学特性の発展及び変調は、時間積分レーザースペックルパターンから測定することができ、この情報は、本発明のシステム及び方法を用いて血液凝固及び線維素溶解基準を評価するために、同様に利用することができる。CCD/CMOSカメラの量子効率及び利得が与えられたときに、血小板から送られて(remitted)CCD/CMOSセンサによって検出された拡散光子の総数は、約2秒の期間にわたって取得された時間平均スペックル画像によって測定される。サンプルについての径方向分解光子確率P(ρ)は、異なる半径のアニュラス、ρ、にわたって検出された光子の数を足し合わせ、その後、この値を、CCD/CMOS検出器の面積にわたって検出された光子の総数で正規化することによって生成される。P(ρ)曲線の半値全幅(FWHM)は、凝血塊についての情報を与えることができる。凝固形成が進むにつれ、FWHM値は、凝血塊発生に対応する値から、線維素溶解プロセス中のFWHMの変化に続いて達した横ばい状態値へと発展する。凝血塊光学特性を計算するには、凝固及び線維素溶解中に血液サンプルについての光学特性μa、μs及びgを抽出するために最小二乗最適化手順を用いて、半無限均一組織の場合において拡散モデルから計算される理論径方向光子確率を、測定された径方向光子確率P(ρ)に適合させてもよい。
したがって、本発明は、開示された(複数の)実施形態に限定されると見なされるべきではない。

Claims (19)

  1. 血液凝固計測器システムにおいて、
    血液サンプルと相互作用した光を受けるとともに、前記サンプルにおける前記光の散乱を表すデータを取得するよう構成された光学データ取得システムと、
    前記光学データ取得システムと動作可能に協働するとともに、前記取得されたデータから血液凝固カスケードのパラメータを導出するようプログラムされたプロセッサと、を備える
    ことを特徴とする血液凝固計測器システム。
  2. 前記光学データ取得システムが、前記血液サンプルのスペックルパターン画像を取得するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の血液凝固計測器システム。
  3. 前記血液凝固計測器システムが、前記血液サンプルに光を送るよう構成されたコヒーレント光の光源備えることを特徴とする請求項1に記載の血液凝固計測器システム。
  4. 前記光学データ取得システムが、前記送られた光の散乱を表す画像を連続的に取得するよう構成され、
    前記プロセッサは、前記連続的に取得された画像と関連するデータから、凝固時間(CT)、凝血塊形成時間(CFT)、最大凝血塊堅さ(MCF)、最大溶解(ML)、凝血塊動態、選択された時点における損失凝血塊安定性の割合、合計凝固時間、凝固速度、線維素溶解時間及び凝固コンプライアンスのうちの少なくとも一つを導出するようプログラムされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の血液凝固計測器システム。
  5. 前記光学データ取得システムが、前記コヒーレント光の光源からの、前記血液サンプルを透過した光を受けるよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載の血液凝固計測器システム。
  6. 前記血液凝固計測器システムが、内部チャンバ及び開口を有する光学的に透明なセルを備え、
    前記セルが、前記開口を介して前記内部チャンバに除去可能に送られた前記血液サンプルを収容するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の血液凝固計測器システム。
  7. 前記血液凝固計測器システムが、前記内部チャンバに除去可能に送られた前記血液サンプルと接触するよう前記内部チャンバ内に配置された血液凝固剤と、前記光学的に透明なセルの温度を定めるよう構成された温度制御装置と、のうちの少なくとも一つを備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の血液凝固計測器システム。
  8. 前記プロセッサが、ドップラーシフトした周波数、脱相関時定数、スペックルコントラスト、粘弾性パラメータ及び前記血液サンプルの光学特性を表すパラメータのうちの少なくとも一つに基づいて前記血液凝固カスケードのパラメータを導出するようプログラムされたことを特徴とする請求項1に記載の血液凝固計測器システム。
  9. 前記光学データ取得システムが、前記光源からの、血液サンプルと生体内で相互作用した光を受けるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の血液凝固計測器システム。
  10. 血液凝固カスケードのパラメータを決定する方法であって、
    光学データ取得システムを用いて、血液サンプルと相互作用した光を検出する工程と、
    前記血液サンプルによる光の散乱を表すデータの分布を記録する工程と、
    前記取得された画像と関連するデータに基づいて前記血液サンプルの材料パラメータを計算する工程と、ここで該データはドップラーシフトした周波数、脱相関時定数、スペックルコントラスト、粘弾性パラメータ及び前記血液サンプルの光学特性を表すパラメータを含む、
    を有することを特徴とする方法。
  11. 前記血液サンプルの材料パラメータを計算する工程が、凝固時間(CT)、凝血塊形成時間(CFT)、最大凝血塊堅さ(MCF)、最大溶解(ML)、選択された時点における損失凝血塊安定性の割合、合計凝固時間、凝固速度、線維素溶解時間及び凝固コンプライアンスのうちの少なくとも一つを計算することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記血液サンプルの材料パラメータを計算する工程が、約0.001Pa以上の前記血液サンプルの粘弾性係数を表すデータに基づいて前記材料パラメータを計算することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 前記光を検出する工程が、血液サンプルと生体内で相互作用した光を受けることを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. 前記光を検出する工程が、光学的に透明なセルの開口を介して前記光学的に透明なセルのチャンバに除去可能に送られた血液サンプルと相互作用した光を受けることを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  15. 前記工程が、温度制御装置を用いて前記光学的に透明なセルの温度を定める工程をさらに有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記方法が、形成された画像及び時間の関数としての前記材料パラメータの変化のうちの少なくとも一つを可視化のために表示する工程をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  17. 血液サンプルの材料パラメータを定義するためのコンピュータプログラム製品であって、
    前記コンピュータプログラム製品が、コンピュータ読取り可能プログラムコードを有するコンピュータ使用可能有形非一時的媒体を備え、
    前記コンピュータ読取り可能プログラムが、
    前記血液サンプルによる光の散乱を表す光学データを取得するためのプログラムコートと、
    取得されたデータに基づいて、凝固時間(CT)、凝血塊形成時間(CFT)、最大凝血塊堅さ(MCF)、最大溶解(ML)、選択された時点における損失凝血塊安定性の割合、合計凝固時間、凝固速度、線維素溶解時間及び凝固コンプライアンスパラメータのうちの少なくとも一つを計算するためのプログラムコードと、を含む
    ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
  18. 前記取得されたデータに対応する最高値を決定するためのプログラムコードをさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータプログラムコード。
  19. 約0.001Pa以上の前記血液サンプルの粘弾性係数を表すデータに基づいて材料パラメータを計算するためのプログラムコードをさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータプログラムコード。
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