JP2014515712A - ワンピース織りエアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術から既知の欠点を回避し、または少なくとも大きく低減するワンピース織りエアバッグを提案すること。
【解決手段】ガス充填可能な少なくとも1つのチャンバを画定する2つの対向する織物層を有する自動車用OPWエアバッグであって、前記織物層は縦糸と横糸とから構成され、少なくとも1つのスペースホルダを有し、該スペースホルダは前記織物層と織り込まれており、かつ膨張した状態で前記織物層の相互の間隔を制限し、前記スペースホルダは、複数の縦糸および/または横糸、いわゆるテザー糸により形成され、これらの糸は、膨張された状態に関して、割り当てられた織物層によって形成された面から出て、対向する織物層の方向に伸張し、当該対向する織物層の縦糸および/または横糸に織り込まれており、縦テザー糸がそれぞれ、前記対向する織物層に入り込む際にまずn本の横糸に織り込まれ、それからチャンバ内部で少なくともn+1本の横糸の上に浮遊して配される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、OPWエアバッグに関する。
EP1080996A2(特許文献1)から、対向する2つの織物層を備える自動車用のガスバッグないしはエアバッグが公知であり、ここで2つの織物層はガス充填可能なチャンバを画定し、織物層は縦糸と横糸とから構成され、織物層と縫製されたスペース(間隔)ホルダが設けられている。スペースホルダは、膨張された状態で織物層の相互の間隔を制限し、複数の縦糸により形成されている。これらの縦糸は、膨張された状態に関して、割り当てられた織物層によって形成される面から出て、対向する織物層の方向に伸張し、対向する織物層の横糸に織り込まれている。ここに記載されたスペースホルダは専門分野ではテザー(Tether)とも称され、ここでの役目はワンピース織りサイドカーテンエアバッグ(OPWサイドカーテン)の組み込み構成部材として、エアバッグの膨張時に間隔保持機能とエアバッグ縮小機能を引き受けることである。公知のエアバッグでは、浮遊して配される糸(ここでは縦糸)がそれぞれ対向する織物層へ、直角に延在する糸(ここでは横糸)に織り込まれる。
EP1080996A2には例として、断面がX字形を形成するスペースホルダが記載されている。この種のスペースホルダは、Xテザーとも称される。Xテザーは、膨張された状態で25%の面積縮小に作用する。ここでテザー領域には、「保持された」平面状のバッグ壁ないしは織物層とは異なりパラボラ状の湾曲部が発生する。収縮作用は浮遊して配されるテザー糸により吸収される。そこに開示されたスペースホルダは例えば縦テザー糸を有し、これらの縦テザー糸はすべて、それぞれの織物層に入り込む際に並んで同時に1本の同じ第1の横糸に織り込まれ、その1本の横糸で引っ張り込む(からみ合う)。
EP1080996A2
したがって上記1本の横糸に対する負荷は強烈であり、下記に論ずるような微細な亀裂を隣接する被覆部に引き起こし、または被覆部が織物層から局所的に剥離したりする。
特許文献1での欠点は、膨張プロセスの際に発生する種々異なる張力が、織り込みラインに沿った小さな亀裂の原因となること、ないしは被覆されている場合にはこの被覆部が広がって小孔が発生し、これによりエアバッグに漏れが生じることである。その負の結果は、エアバッグの有効機能時間(Standzeit)ないしはリークダウン(leak−down)時間の有意な低下である。サイドエアバッグがガス消失により弛む前に、サイドエアバッグは衝突時および衝突後、場合によりそれに続くロールオーバフェーズで、すなわち車両が場合により何回も宙返りする約5秒の間、膨張された状態を維持すべきであるから、上記の漏れは当該状況に対して致命的な結果を生じる。
サイドエアバッグの事故後有効機能時間に対する規則を規定する米国規格FMVSS226(放出軽減)の法的要請に関連して、従来技術に記載されたガスバッグの性能は上記の理由から十分ではない。
本発明の基礎とする課題は、従来技術から既知の欠点を回避し、または少なくとも大きく低減するOPWエアバッグを提案することである。
この課題は請求項1によるOPWエアバッグにより解決される。
本発明のエアバッグは対向する2つの織物層を備え、当該2つの織物層はガス充填可能な少なくとも1つのチャンバを画定し、前記織物層は縦糸と横糸から構成され、少なくとも1つのスペース(間隔)ホルダ(Abstandhalter)を有し、該スペースホルダは前記織物層と縫製されており、膨張された状態で前記織物層の互いの間隔を制限し、前記スペースホルダは、複数の縦糸および/または横糸、いわゆるテザー糸により形成され、これらの糸は、膨張された状態に関して、割り当てられた織物層によって形成される面から出て、対向する織物層の方向に伸張し、該対向する織物層の縦糸および/または横糸に織り込まれる。このようなエアバッグにおいて、縦テザー糸はそれぞれ、対向する織物層に入り込み際にまずn本の横糸に織り込まれ、その際に1つのかけ回し部分を形成し、その後、チャンバ内部で少なくともn+1本の横糸の上に浮遊して配されることを特徴とする。有利には本発明のエアバッグの膨張の際に発生する張力が、テザー糸の改善された織り込みにより低減され、ないしは複数の個所に静的に分散される。これにより膨張プロセスで、場合により施与された被覆部ないしはラミネート部のような組織における亀裂が回避される。その他に、FMVSS226の基準が、本発明による構造により、比較的に大きな長手方向の剛性を備える非対称エアバッグであっても満たされる。
本発明の別の有利な構成では、引き続き縦テザー糸がチャンバ外部で少なくともn+1本の横糸に上に浮遊して配され、それからこの縦テザー糸は少なくともさらなる経過で、対向する織物層にチャンバ形成織り(Kammerbindung、chamber weaves)で、とりわけ平織りL1/1で織り込まれる。これにより有利には、構造の柔軟性とエアバッグの亀裂耐性が、織物層におけるテザーの織り込み領域で向上する。
さらに本発明の有利な構成では、複数のスペースホルダないしはテザーが順次配列される際に、第1のスペースホルダ内で浮遊して配される縦テザー糸が次のスペースホルダ内では浮遊して配されず、そこではテザーとして機能しないようにすることにより、浮遊して配される縦テザー糸がシステマチックに交番する。これにより有利には、1つのスペースホルダのテザー糸の負荷が複数のテザー糸に、いっそう均等に分散される。これによりテザーを順次配列する際にも、浮遊して配されるテザー糸がシステマチックに交番することによって、すべての糸がテザー方向(長手方向)に均等かつ褶曲なしに織り込まれ、これにより長手方向の糸(縦糸)の緩みが回避される。対向する織物層にテザー糸が織り込まれる個所での剪断力も、3本の横糸によって吸収することができる。テザー構造全体がこれにより安定化し、より柔軟になる。このことは機能信頼性の向上につながる。ここでは有効機能時間(リークダウン時間)が上昇し、緩和作用が増大する。
本発明の別の有利な構成で、スペースホルダないしはテザーの領域内では、織り込まれてそれぞれの織物層内に残る糸と、浮遊して配される糸との(数の)比が≦6:1である。この比が最適であることが判明している。それより高い糸比、例えば7:1では、張力差が大きくなってしまう。有利には各4番目の糸がテザー長の上に浮遊して配される。
前記課題は、請求項5によるOPWエアバッグによっても解決される。この解決手段についての詳細は前記と同様であるが、ここではテザー糸が、縦糸に織り込まれる横糸である。一方、請求項1から4の解決手段では、縦テザー糸が横糸に織り込まれている。
本発明をよりよく理解し、本発明がどのように実施可能かを示すために、本発明を以下、実施例に基づき図面を参照して簡単に説明する。ここでエアバッグ、OPWエアバッグ、バッグ、カーテンバッグはそれぞれ同じもの、すなわちOPWエアバッグを表すものである。
図1は、従来技術のXテザーの基本構造を示す。 図2は、本発明のエアバッグの概略的部分断面と、湾曲領域において浮遊して配されるテザー糸のかけ回し部分(Anschlaufen)と、それぞれ対向する織物層への織り込みとを示す。 図3は、それぞれ続いて浮遊して配されるテザー糸の織り込みを、図2と同様に概略的に示す。 図4は、図3と図4による織り方の変形を示す平面図である。 図5は、従来技術のエアバッグの概略的部分断面図である。 図6は、図2と図3に類似する本発明の別の実施例におけるそれぞれ浮遊して配されるテザー糸の織り込みを概略的に示す図である。
図1は、Xテザーの基本構造を示し、膨張角αは41°20’であり、dからsに25%だけ短縮される。
100×cosα≒75%
h1=d×sinα(エアバッグ壁間でのエアバッグの厚さ)
s=d×cosα(短縮されたテザー長)
テザー長とテザー短縮との相間曲線(Korelationkurven)は、角度が45°のときに重なる。テザー起立角(Aufstellwinkel)のこの理論的導出(Ableitung)は、30%の短縮に相当することとなる。実際の膨張実験では、膨張角がα=41°21’であることが示された。すなわち短縮率は、平坦に置いたときの長さに対して25%であり、長さは75%になる。
cosα=0.75088×100=75%
LD−dyn測定によるシグマ値(Sigma−Wert)の計算と同じように、N/cm×0.70711(sin45°)の圧力印加が生じる。縦方向と横方向での引張負荷/cmはN/cm。
式 (N/cm×100)/(Fd/cm)=cN/Fd
により計算された糸の引張負荷は、テザー方向に対して横方向(横糸)で均一である。
テザー方向(縦糸)では全体で3つの異なる糸の引張負荷が存在する:
・全面積において(糸の全数/cmにより)
・湾曲部の細くなったエリアにおいて
・比3:1に対応して、引張負荷の1.33倍
・テザー糸に対しては、糸密度と間隔保持機能が小さく、長さ短縮率が次式により与えられるので、
(N/cm×100×2)/(Fd/cm)/4=cN/テザー糸
引張負荷は8倍となり、この引張負荷が剪断力として対向する織物層の受け取め糸(Aufnahmefaede)に作用する。
テザー糸の引張負荷では構造的(デニール、弾性率、糸比)に8倍の引張負荷が、フックの領域(Hoockeschen Bereich)においては<1%の伸びで発生することを考慮すべきである。
カーテンバッグの膨張時の厚さは以下から成る:すなわち
・2層のバッグ本体の厚さ(図1のh1)と、
・テザー領域におけるパラボラ状の湾曲部の前記厚さを超える高さ(図1のhF2ないしはh2)と、から成る。
バッグの高さの計算は、図1の例では以下のように行われる:
h1=d×sinα=63.83×0.66044
h1=42.17mm
s=d×cosα=63.83×0.75088
s=47.93mm
膨張プロセスでテザー糸は、dからsへの縮小に作用する。角度βの下での円弧面(セグメント)の弦長dは、比較的に大きな半径、ないしは比較的に長い弦を意味することとなる。したがって面(積)F1(円の弓形部分、Kreisabschnitt)は、面(積)F2(パラボラ部分)に等しくされる。
図2は、湾曲部の領域において浮遊して配されるテザー糸TF2のかけ回し部分(ないし結び目、Anschlaufungen)A2と、それぞれ対向する織物層への織り込みを断面図に示す。円はそれぞれXテザーの織り込み部分XTA1とXTA2を表す。dはテザー幅を表す。下方織物層Uから縦糸TF2は、複数の下方織物層の円としてマークされた横糸SUの周囲を(交互に)回り抜けて個所XTA1に達するが、その際2本の横糸SUの下方で、すなわちテザーゾーンが始まる個所で浮いて配され、次いで3本の横糸SUの上に浮いて配される。次に再び1本の横糸S1が織り込まれ、その後、テザー糸TF2は下方織物層Uから出て、上方織物層Oへと上方に経過(移行)する。そこでテザー糸は、テザーTの中央軸MAに対して点対称に上方織物層に織り込まれる。使用時にエアバッグが膨張すると、テザー糸TF2への張力が生じる。そしてテザー領域では、テザー糸TF2が横糸S1とS2の個所で引張力を生ぜしめ、横糸S1とS2はかけ回し点(hooking点)でバッグ中央に引き寄せられる。ガス充填可能なチャンバから見て本発明のテザー糸はそれぞれ、更なる(引き続く)3本の横糸の上に浮いて配されるから、織物面への張力は穏やかに作用する。
図3には、図2と同様の状況が示されており、ここでは浮遊して配されるテザー糸TF3のかけ回し部分A3が示されている。しかしここでテザー糸は、テザーTの中央軸MA(図2と4も参照)から見て、第1の横糸にかけ回されている。これらのかけ回しの他にパラボラ状の湾曲部の領域には、対向する織物層の全表面領域で最初の2本の横糸QFがテザー糸の横張力を交互に吸収することが示されている。
図4は、それぞれ対向する織物層への図2および図3(TF2とTF3)並びに図6(TF2からTF5)によるテザー糸のかけ回しないしは織り込みの変形例を平面図で示す。図4では左に、下方織物層の縦糸番号1から15が下から上に一列に示されている。浮遊して配されるテザー糸の間には、それぞれの織物層に織り込まれた「規則正しい」縦糸が糸比4/1で存在する。この例示は、下方織物層から上方織物層へ浮遊して配されるテザー糸を1つの角度方向で示す。図1のテザー基本構造に対応して、このことは反対の角度方向でも当てはまる。
図5は、従来技術のエアバックの一部の概略的断面図である。縦糸11は下方織物層12にL1/1で織り込まれ、自由に規定可能な点13で上方織物層14へ変わり、ここで縦糸は下方織物層12と同じようにL1/1で織り込まれる。ここでは全ての浮遊して配される縦糸は同じ横糸に織り込まれる。このことは膨張プロセスで張力を高める原因となり得る。この張力は織り込みラインに沿った小さな亀裂を引き起こし、適用時にバッグの機能不全を生じさせるおそれがある。
図6aからdは、Xテザーの湾曲部領域におけるTF2からTF5までのかけ回しの構造と、対向するそれぞれの織物層へのテザー糸の織り込みに対する例を断面図に示す。この単層の織り込みは通常、平織りで行われる。しかし畝織りもしくはパナマ織り、または前記3つの織り方の組み合わせを適用することもできる。ここでは浮遊して配される縦糸は、すべて同じ横糸にかけ回されるのではなく(図6a,6bおよび6c)、少なくとも2つの横糸を介して分散されていることに注意すべきである。このことの利点は、適用時の負荷を複数の横糸に分散できることである。特別の利点は、横糸が単に回転されるだけで、この横糸が3本または2本の横糸の上に浮遊して配される領域の区間をリリースできることである。長さを延長することにより、横糸への瞬間的な力負荷が低減され、テザーのかけ回し(フッキング)個所の負荷も小さくなる。
前記説明で本発明は、テザー糸がそれぞれ縦糸であり、横糸に織り込まれているように記載された。さらに請求項5から8による本発明では、テザー糸が横糸として織物層に入り込み、そこで縦糸と織り合わされるOPWエアバッグも含まれる。それぞれの方法では、どのようにOPWエアバッグを織り機上で織物ウェブに置くかが重要である。請求項5から8によるテザー領域では、糸システムが請求項1から4に対して(縦−横)反対になっている。
TF1〜5 テザー糸
A2,A3 テザー糸のかけ回し(フッキング)部分
XTA1,XTA2X テザーの織り込み(かけ回し)部分
U 下方織物層
O 上方織物層
S1,S2 横色
MA テザーの中央軸
QF 横糸
11 縦糸
12 下方織物層
13 規定可能な点
14 上方織物層
この課題は、請求項1によるOPWエアバッグにより解決される。
本発明の第1の視点(形態1)によれば、ガス充填可能な少なくとも1つのチャンバを画定する2つの対向する織物層を有する自動車用OPWエアバッグであって、前記織物層は縦糸と横糸とから構成され、少なくとも1つのスペースホルダを有し、該スペースホルダは前記織物層に織り込まれており、かつ膨張した状態で前記織物層の相互の間隔を制限し、前記スペースホルダは、複数の縦糸および/または横糸、いわゆるテザー糸により形成され、これらの糸は、膨張された状態に関して、割り当てられた織物層によって形成された面から出て、対向する織物層の方向に伸張し、当該対向する織物層の縦糸および/または横糸に織り込まれていること、縦テザー糸がそれぞれ、前記対向する織物層に入り込む際にまずn本の横糸に織り込まれ、それからチャンバ内部で少なくともn+1本の横糸の上に浮遊して配されること、を特徴とするエアバッグが提供される。
本発明の第2の視点(形態5)によれば、ガス充填可能な少なくとも1つのチャンバを画定する2つの対向する織物層を有する自動車用OPWエアバッグであって、前記織物層は縦糸と横糸とから構成され、少なくとも1つのスペースホルダを有し、該スペースホルダは前記織物層と織り込まれており、かつ膨張した状態で前記織物層の相互の間隔を制限し、前記スペースホルダは、複数の縦糸および/または横糸、いわゆるテザー糸により形成され、これらの糸は、膨張された状態に関して、それらに割り当てられた織物層により形成された面から出て、対向する織物層の方向に伸張し、当該対向する織物層の縦糸および/または横糸に織り込まれていること、横テザー糸はそれぞれ、対向する織物層に入り込む際にまずn本の縦糸に織り込まれ、その後、チャンバ内で少なくともn+1本の縦糸の上に浮遊して配されること、を特徴とするエアバッグが提供される。
本発明では、以下の展開形態が可能である。
(形態2)引き続き前記縦テザー糸が、少なくともさらなる経過で前記対向する織物層内に、チャンバ形成織り(Kammerbindung)により、とりわけ平織りL1/1により織り込まれる前に、チャンバの外部で少なくともn+1本の横糸の上に浮遊して配されることが好ましい。
(形態3)複数のスペースホルダないしはテザーが順次配列される際に、第1のスペースホルダ内で浮遊して配される縦テザー糸が次のスペースホルダ内では浮遊して配されないことにより、浮遊して配される縦テザー糸がシステマチックに交番することが好ましい。
(形態4)前記スペースホルダないしはテザーの領域内では、織り込まれてそれぞれの織物層内に残る糸と、浮遊して配される糸との比が≦6:1であることが好ましい。
(形態6)引き続き横テザー糸が、対向する織物層内での少なくともさらなる経過で、チャンバ形成織りにより、とりわけ平織りL1/1により織り込まれる前に、チャンバの外部で少なくともn+1本の縦糸に上に浮遊して配されることが好ましい。
(形態7)複数のスペースホルダないしはテザーが順次配列される際に、第1のスペースホルダ内で浮遊して配される横テザー糸が次のスペースホルダ内では浮遊して配されないことにより、浮遊して配される横テザー糸がシステマチックに交番することが好ましい。
(形態8)前記スペースホルダないしはテザーの領域内では、織り込まれてそれぞれの織物層内に残る糸と、浮遊して配される糸との比が≦6:1であることが好ましい。
本発明の別の有利な構成では、引き続き縦テザー糸がチャンバ外部で少なくともn+1本の横糸に上に浮遊して配され、それからこの縦テザー糸は少なくともさらなる経過で、対向する織物層にチャンバ形成織り(Kammerbindung、chamber weaves)で、とりわけ平織りL1/1で織り込まれる。(チャンバ形成織りとは、織物層が対向織物層とでチャンバを形成する織り方を言う。)これにより有利には、構造の柔軟性とエアバッグの亀裂耐性が、織物層におけるテザーの織り込み領域で向上する。
前記説明で本発明は、テザー糸がそれぞれ縦糸であり、横糸に織り込まれているように記載された。さらに請求項5から8による本発明では、テザー糸が横糸として織物層に入り込み、そこで縦糸と織り合わされるOPWエアバッグも含まれる。それぞれの方法では、どのようにOPWエアバッグを織り機上で織物ウェブに置くかが重要である。請求項5から8によるテザー領域では、糸システムが請求項1から4に対して(縦−横)反対になっている。
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。

Claims (8)

  1. ガス充填可能な少なくとも1つのチャンバを画定する2つの対向する織物層を有する自動車用OPWエアバッグであって、
    前記織物層は縦糸と横糸とから構成され、少なくとも1つのスペースホルダを有し、該スペースホルダは前記織物層に織り込まれており、かつ膨張した状態で前記織物層の相互の間隔を制限し、
    前記スペースホルダは、複数の縦糸および/または横糸、いわゆるテザー糸により形成され、これらの糸は、膨張された状態に関して、割り当てられた織物層によって形成された面から出て、対向する織物層の方向に伸張し、当該対向する織物層の縦糸および/または横糸に織り込まれていること、
    縦テザー糸がそれぞれ、前記対向する織物層に入り込む際にまずn本の横糸に織り込まれ、それからチャンバ内部で少なくともn+1本の横糸の上に浮遊して配されること、を特徴とするエアバッグ。
  2. 引き続き前記縦テザー糸が、少なくともさらなる経過で前記対向する織物層内に、チャンバ形成織り(Kammerbindung)により、とりわけ平織りL1/1により織り込まれる前に、チャンバの外部で少なくともn+1本の横糸の上に浮遊して配される、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 複数のスペースホルダないしはテザーが順次配列される際に、第1のスペースホルダ内で浮遊して配される縦テザー糸が次のスペースホルダ内では浮遊して配されないことにより、浮遊して配される縦テザー糸がシステマチックに交番する、ことを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ。
  4. 前記スペースホルダないしはテザーの領域内では、織り込まれてそれぞれの織物層内に残る糸と、浮遊して配される糸との比が≦6:1である、ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のエアバッグ。
  5. ガス充填可能な少なくとも1つのチャンバを画定する2つの対向する織物層を有する自動車用OPWエアバッグであって、
    前記織物層は縦糸と横糸とから構成され、少なくとも1つのスペースホルダを有し、該スペースホルダは前記織物層と織り込まれており、かつ膨張した状態で前記織物層の相互の間隔を制限し、
    前記スペースホルダは、複数の縦糸および/または横糸、いわゆるテザー糸により形成され、これらの糸は、膨張された状態に関して、それらに割り当てられた織物層により形成された面から出て、対向する織物層の方向に伸張し、当該対向する織物層の縦糸および/または横糸に織り込まれていること、
    横テザー糸はそれぞれ、対向する織物層に入り込む際にまずn本の縦糸に織り込まれ、その後、チャンバ内で少なくともn+1本の縦糸の上に浮遊して配されること、を特徴とするエアバッグ。
  6. 引き続き横テザー糸が、対向する織物層内での少なくともさらなる経過で、チャンバ形成織りにより、とりわけ平織りL1/1により織り込まれる前に、チャンバの外部で少なくともn+1本の縦糸に上に浮遊して配される、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ。
  7. 複数のスペースホルダないしはテザーが順次配列される際に、第1のスペースホルダ内で浮遊して配される横テザー糸が次のスペースホルダ内では浮遊して配されないことにより、浮遊して配される横テザー糸がシステマチックに交番する、ことを特徴とする請求項6に記載のエアバッグ。
  8. 前記スペースホルダないしはテザーの領域内では、織り込まれてそれぞれの織物層内に残る糸と、浮遊して配される糸との比が≦6:1である、ことを特徴とする請求項5から7までのいずれか一項に記載のエアバッグ。
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