JP2014515692A - プラズマによる表面増大方法 - Google Patents
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Abstract
プラズマを用いた基板改質方法を開示する。本方法は、第1の電極4と第2の電極6とを準備することと、基板の一部分のみが電極4、6間にあるように基板を配置することと、基板か電極4、6の少なくとも一方かのどちらかを軸周りに回転させて、この回転中に基板の異なる部分が電極間を通過するようにすることとを含む。電極4、6間に基板の少なくとも電極4、6間を通過する部分に接触するプラズマ放電を生成するように、電極4、6の少なくとも一方に電圧が供給される。電極4、6と基板とは、回転によって、基板が電極4、6間を通過する速度が回転軸から離れる半径方向において変化し、かつ、プラズマ放電が基板を改質する速度が基板全体にわたって変化するように、配置される。
Description
本発明は、プラズマ放電プロセスを用いて基板の表面を改質するためのプロセスおよびシステムに関する。
ある特定の所定の表面特性を備えた基板が、その生物学的なおよびそれに関係する事象および試験に影響を与える場合があることが知られている。例えば、免疫系に関連するものを含むさまざまな種類の細胞、タンパク質および生体分子の挙動および反応が化学的および構造的な特性および性質に影響される場合がある。このような事象を制御することは、医療用インプラント、腫瘍学、幹細胞培養、深部静脈血栓症、薬剤送達、バイオマーカーの同定などのような領域において有用であり得る。典型的には、あらゆる形態の診断または治療に使用される基板は、生体環境またはテストプラットフォームとのある種の作用を容易にする固有の表面性質を有する。基板の表面とそれに関与する細胞または生体分子との間の相互作用を最適化するために、当該表面は何らかの方法で処理され得る。しかしながら、多くの場合において、このような処理手順は非常に時間がかかるうえに多くの資源を必要とする。
本発明は、上記の技術分野、ならびに、ナノテクノロジー部門、例えば、カーボンナノ材料、バイオセンサ、燃料電池、電池、ナノ化学、光触媒、太陽電池、ナノエレクトロニクスおよび薬剤送達用ナノ粒子のようなその他の技術分野において有用であり得る、改良された基板処理方法およびシステムを提供する。
本発明は、物理的性質、化学的性質、電気的性質、電子的性質、磁気的性質、機械的性質、耐摩耗性および耐食性を含む広範な機能的性質を所要の基板表面に発現させるために用いることができる。本明細書中に記載のプロセスを新素材のコーティング、漸変付着層、多成分付着層などを形成するために用いることもできる。したがって、本発明は、自動車産業、航空宇宙産業、ミサイル産業、電力産業、電子産業、バイオメディカル産業、繊維産業、石油産業、石油化学産業、化学産業、鉄鋼産業、セメント産業、工作機械産業および建設産業のような多くの産業にとって興味深いものである。
第1の局面によると、本発明は、請求項1に記載の基板改質方法を提供する。
プラズマ放電は、電極の一方に高電圧を印加することにより駆動されることが好ましい。用語「高電圧」は、電極間にプラズマ放電を生成するのに十分な電圧を意味する。プラズマは、上記高電圧を電極の少なくとも一方に供給することによって得られ得ることが理解されよう。好ましくは、プラズマ放電プロセスは大気圧または大気圧近傍で発生する。好ましくは、プラズマ放電プロセスは誘電体バリア放電プロセスである。
電極間のプラズマ条件を変更できるように、さまざまなパラメータを経時的に変化させ得る。そのため、本プロセスは、基板上の異なる領域に対して、異なる表面改質を行うかまたは同じ改質を異なる程度に行うのに用い得る。したがって、本システムは、基板上の比較的近接している場所において立て続けに、本質的に異なる化学的およびトポロジー的な変化を加えることを可能にする。例えば、本明細書中に記載の発明は、ユーザが同一の基板上で同時に多数の条件に対する試験を実施することができるように、ユーザが多様な界面化学特性またはトポグラフィーを有する基板を作成することを可能にする。これにより、全体的な試験要件が減り、かつ、最適な基板性質をより迅速に特定することが可能になる。また、このような多様な基板表面は、その基板に適用され得る細胞、タンパク質およびその他の生体分子の応答に変化を生じさせるために用いることができる。
好ましくは、高電圧が印加されると電極間のガスを通して放電が生じてプラズマが生成されるように、電極間にガスが存在する。電極と処理対象基板とは、基板または電極の片方が回転するのにつれて基板の一部分のみが電極間を通過し、その結果として常に基板の一部分のみがプラズマに暴露されてプラズマによって処理されるように配置される。
好ましくは、電極間で生成されたプラズマが回転軸に垂直な方向に延びる基板の領域に接触するように、第1および/または第2の電極は、回転軸に垂直な方向に延びる。
第1の電極の少なくとも一部分と第2の電極の少なくとも一部分とは、実質的に互いに平行であって、当該実質的に平行な部分間にギャップを規定することが好ましい。基板(または電極の一方もしくは両方)が回転軸周りに回転するにつれて、基板の一部がこのギャップを通過する。プラズマは両電極のこれらの平行な部分間に生成されて、このギャップ内の基板の表面を処理することが理解されよう。基板は、実質的に平坦であることが好ましく、基板の平面は、間で基板が回転する上記電極の部分と実質的に平行であることが好ましい。
好ましくは、基板は、基板の回転をもたらすように上記軸周りに回転(第2の電極に対して)するプラテン上に配置される。プラテンは、処理対象基板が載置される回転可能な円盤を含むことが好ましい。プラテンは、好ましくは、円形であり、上記回転軸を中心とする。あるいは、またはさらに、処理対象基板が円形であってもよい。
この回転可能なプラテンが第1の電極を含むことが好ましい。そのため、プラズマは、基板(第1の電極に載置されている)と第2の電極との間に生成されることが好ましい。第1の電極は、プラテンの回転軸を中心とし、したがって基板の回転軸をも中心とする円形電極であり得る。1つの構成においては、第1の電極が電気絶縁体で覆われ得る。この電気絶縁体は、基板が置かれる第1の電極の少なくとも表面を覆い得る。好ましくは、第1の電極は、電気絶縁体に完全に包まれる。第1の電極を電気的絶縁性を有するようにできない場合は、第2の電極が、プラズマ放電を起こさせる条件を生成するように調節される。例えば、プラズマ放電を起こさせるために、高電圧が第2の電極(第1の電極ではなく)に供給され得る。
第1および第2の電極は、チャンバまたはその他の形態のエンクロージャの内部に配置されることが好ましく、第2の電極は当該チャンバに対して静止したままである。やや好適な実施形態において、第2の電極は回転軸に対して半径方向に進退する方向に移動可能であり得る。
好ましくは、第2の電極は、第1の電極に沿って(基板の一部分を間に挟んで)、上記回転軸から半径方向外向きに延びる。したがって、第2の電極は、例えばワイヤ電極、筒状電極またはロッド電極のような細長い部材であることが好ましい。第2の電極は、上記回転軸の近くから半径方向外向きに延びることが好ましい。第2の電極は、第1の電極の外縁まで半径方向外向きに延びることが好ましい。第1の電極が回転プラテン内の円形電極であるときは、第2の電極は、上記回転軸から第1の電極の外縁まで延びることが好ましい。やや好ましくは、第2の電極が、上記回転軸から非半径方向にかつ/または非中心位置から配置されてもよい。プラズマは、電極間にある基板の部分を処理するように、第1および第2の電極の対向する部分間に生成される。
好ましくは、第2の電極のうち少なくとも第1の電極とプラズマを生成する部分は直線電極である。やや好ましくは、第2の電極のうち少なくともこの部分が他の形で湾曲または屈曲していてもよい。
第1および第2の電極は、基板の回転軸から半径方向外向きに延びることが好ましいので、基板が電極間の放電領域を通過する速度は、回転軸から離れる半径方向において変化する。回転軸から遠いほど、基板の角速度は、当該軸により近い場合の基板の角速度と比べて大きくなる。そのため、処理対象基板は、上記軸から遠いほど、電極間の放電領域を速く通過する。そのため、プラズマによって基板に送達されるエネルギー注入量は、回転軸からの距離の増加に伴って減少する。基板の内側領域を同じ基板の外側領域よりも多量に処理するというように、基板の異なる領域を異なる量で処理するために、この効果を用い得る。
第2の電極は、導管とその長さに沿った開口とを含む細長い部材であり得る。ガスはこの導管を通って送達され得、上記開口の配列は、ガスがこれらのさまざまな点において電極から出て第1および第2の電極間のギャップへ送達されるように位置し得る。このガスは、高電圧が電極に印加されたときにプラズマを生成するため、かつ/または、プラズマが生成されたときに基板の表面を改質するために用いられ得る。あるいは、またはさらに、ガスは、電極間のギャップから他のガスをパージするために用いられ得る。電極間におけるガスの使用は、以下でより詳細に説明する。
やや好ましくは、第2の電極は、電線(例えば、先端にボールが付いた電線)の先端のような点電極の形態をとり得る。この構成では、プラズマは、点電極と第1の電極との間に生成される。その場合は、点電極は、上記回転軸に対して半径方向に動かされる。この電極は、基板上の特定の離れた領域において放電を起こさせるために用いられ得る。
好ましくは、第2の電極は、第1の電極の垂直方向上方に、好ましくは基板の回転軸が垂直になるように、配置される。
高電圧は、電極間にプラズマを連続的に生成するように電極に印加され得る。これにより、電極間を通過する基板の全表面がプラズマに暴露され得る。あるいは、高電圧条件は、生成されるプラズマが回転する基板のうちの一部分のみに接触するように、順次「パルス」状に印加および解除され得る。電極に印加される高電圧は、プラズマ放電において生じる強度または出力を変化させるように経時的に変化させ得る。高電圧は、経時的に連続して変化させてもよく、1つまたは複数の段階で変化させてもよい。
高電圧は、時間的に間隔を置いて複数回の放電を生じさせるように、電極に繰り返し印加され得る。高電圧の印加頻度は、経時的に変化させ得る。
プラズマが生成されている間に第1および第2の電極間の距離を経時的に変化させ得る。高電圧は、プラズマを生成するように連続的に印加されてもよく、プラズマを繰り返し生成するように繰り返しパルス状に印加されてもよい。したがって、プラズマが連続的に生成されている間に、または、連続したパルス間で、電極間の距離を変化させ得る。このように電極間ギャップを変化させることによって、動的なプラズマ処理環境が提供される。電極間隔が小さいほど、放電フィラメントが分散される基板上の領域が小さくなり得る。電極間隔が大きいほど、フィラメントが作用する領域が大きくなり、異なる表面処理効果をもたらし得る。上記間隔を経時的に変化させることに加えて、またはその代わりに、電極間の間隔を、上記回転軸からの距離に応じて変化させ得る。好ましくは、電極間の間隔は、プラズマが生成される領域において5mm未満の間隔に維持される。
処理対象基板の一部分が、第1の電極と第3の(補助的な)電極との間を通過するように配置され得、基板を処理するプラズマを第1および第3の電極間に生成するように、これらの電極間に高電圧が印加され得る。第1および第3の電極に供給される高電圧は、第1および第2の電極に印加されるものとは異なる大きさであり得る。さらに、またはあるいは、高電圧が繰り返し印加される場合は、高電圧は第1および第2の電極への印加の頻度とは異なる頻度で印加され得る。
第4の電極またはさらなる電極が設けられ得ることが理解されよう。よって、処理対象基板の一部分が、第1の電極と第4の(または場合によりさらなる)電極との間を通過するように配置され得、基板を処理するプラズマを第1および第4の電極間に生成するように、これらの電極間に高電圧が印加され得る。第1および第4の電極に供給される高電圧は、第1および第2の電極に印加されるものとは異なる大きさであり得、かつ/または、第1および第3の電極に印加されるものと異なるものであり得る。さらに、またはあるいは、高電圧が繰り返し印加される場合は、高電圧は、第1および第2の電極への印加の頻度とは異なる頻度で、かつ/または、第1および第3の電極への印加の頻度とは異なる頻度で、印加され得る。
上記の電極のうちのいずれか1つまたは複数は、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウムまたは任意の適切な導体で作られ得る。上記の電極のうちのいずれか1つまたは複数は、電気的に絶縁され得る。好ましくは、第1の電極は接地電極である。あるいは、プラズマを生成するためにバイアス電圧が用いられる。例えば、バイアス電圧が第1の電極に印加され得る。
前述のように、電極間に電位差が印加されたときにプラズマを生成するように、ガスが電極間に存在していることが好ましい。このガスは、単一のガス源から供給されるものでもよく、異なるガス源から供給される異なる種類のガスの混合物でもよい。例えば、上記ガスは、空気のみから構成されてもよく、空気と別のガス源から供給される1つまたは複数の他のガスとの混合物でもよく、空気以外のガスのみから構成されてもよく、空気以外の異なるガスの混合物から構成されてもよい。これらのガスのうちの1つまたは複数は、蒸気の形態の少なくとも1種類の液体を含み得、この液体蒸気は、前述の送達構成のいずれかにおいてキャリアガスによって基板表面へ搬送され得る。
このガスまたは液体蒸気は、プラズマが生成されたときに基板を処理する化学物質を含むことが好ましい。例えば、上記ガスまたは液体蒸気は、プラズマに暴露されると化学官能基を含む方法で基板表面を改質するための機能性化学物質(例えば、アリルアミン)を含み得る。上記ガスまたは液体蒸気は、プラズマに暴露されたときの基板上での堆積および/またはグラフトおよび/または重合に適したモノマーまたはオリゴマー(例えば、ポリエチレングリコール)を含み得る。以下において、ガスまたは混合ガスへの言及は、液体蒸気を含めることによって得られるであろうものを含む。
プラズマが生成される領域におけるガス圧は、大気圧または大気圧付近であることが好ましいが、他の圧力のガスを本発明に使用することも考えられる。
好ましくは、ガスは、電極間のギャップに送達される。本方法は、電極間の空間への1つまたは複数のガスの流量を制御する手段を提供することが好ましい。好ましくは、異なるガス源からの複数の異なるガスを異なる流量で当該空間に流入させ、その結果として当該異なるガスごとに異なる濃度を有することが好ましい混合ガスが電極間に存在するようにする。これらの流量は、電極間の混合ガスにおいて上記異なるガスのそれぞれの所望のパーセンテージ濃度が得られるように制御され得る。これは、上記の特定の送達形態の使用と連携して行われ得る。
電極間の空間へガスを送達するための、異なる流量で動作する複数のガス流量制御器が設けられ得る。異なる種類のガス用のガス源が、上記ガス流量制御器のそれぞれに接続され得、各ガス源は、好ましくは、適切な弁によって上記流量制御器のうちの1つに接続される。その場合は、これらの弁は、単一の種類のガスが選択的に電極間のギャップに供給され得るように選択的に開閉される。あるいは、これらの弁は、2つ以上の異なるガスの組み合わせが電極間の空間に送達され得るように選択的に開閉される。
上記1つまたは複数の異なる種類のガスのそれぞれは、異なる流量で動作する上記複数の流量制御器へ供給され得る。そのため、上記弁は、任意の種類のガスを電極間のギャップに供給する流量制御器を選択するために選択的に開閉され得る。したがって、各種類のガスの流量を制御することができる。
上記弁の制御は、制御装置を用いて手動で行われるかまたはソフトウェアによってコンピュータインターフェースを介して自動で行われ得る。一実施形態においては、複数のガスを異なる流量で送達するための4つの流量制御器が設けられる。4つの流量制御器のそれぞれに、4つの異なる種類のガスのガス源が接続される。4つの供給源ガス管路のそれぞれと4つの流量制御器のそれぞれとの間にソレノイド弁が設けられ、4つの弁がそれらに対応する4つの流量制御器のそれぞれへの導入を制御するようになっている。各弁は、上記異なる供給源ガスのうちのいずれか1つを所定の流量で送達可能にするように、選択的に開閉され得る。これにより、その後に流れを合流させて、非常に広い濃度範囲で混合ガスを生成する機能が得られる。あるいは、異なる流れをそれぞれ別個の流路によって電極領域へ送達してもよい。流量制御器、供給源ガスおよび対応する弁の数は、必要に応じて増やし得る。
ガスを電極間の空間へ供給するための、ガス分配器が設けられることが好ましい。異なるガスが電極間の空間に導入される場合、それらのガスは、異なる経路を流れて導入され得る。電極間のギャップへの異なるガスの流れを互いに近接させて提供および制御するように構成された、ガス分配器が設けられてもよい。あるいは、複数の異なるガス流が、それらのガスを混合物として電極間の空間に提供する共通の導入管路に接続されてもよい。
単一のガスまたはガスの混合物は、プラズマが生成される電極間の空間に均一に供給され得る。これは、例えば、当該ガスまたはガスの混合物を電極間の空間に均一に供給するためのスロットまたはノズルを有するガス分配器を使用することによって達成され得る。
電極間において1つまたは複数のガスの流れを変化させることによって、プラズマ条件を変化させるかまたは1つまたは複数のガスの濃度を変化させ、したがって、改質につながる基板処理を変化させることが可能である。よって、上記ガスまたはガスの混合物は、プラズマが生成される電極間の空間に不均一に供給され得る。例えば、上記ガスまたはガスの混合物は、電極間の複数の場所において供給され得る。これは、上記1つまたは複数のガスを複数の開口を通じて供給することによって達成され得る。これらの開口は、同じサイズでもよく、異なるサイズでもよい。
さらに、またはあるいは、電極間の空間への上記ガスまたはガスの混合物の流量が、処理対象基板全体にわたって変化し得る。そのため、1つの領域ではより高い流量が電極間に提供され、別の領域ではより低い流量が電極間に提供され得る。この処理対象基板全体にわたる流量の変化は、連続的な変化であっても漸次の変化であってもよく、1つまたは複数の段階的な流量の変化を含んでいてもよい。ガス流の変化は、処理対象基板上にはっきりした局所的変化をもたらすように選択され得る。上記1つまたは複数のガスは、異なる流量を提供し、それに伴って、対応するプラズマ条件ひいては改質に影響を与えるように、異なるサイズを有する複数の開口を介して電極間の空間に供給され得る。
上記1つまたは複数のガスの流量を基板全体にわたって空間的に変化させることに加えて、またはその代わりに、上記ガスまたは混合ガスの流量を経時的に変化させ得る。さらに、またはあるいは、プラズマ条件に変化を生じさせるように、プラズマ処理中または連続するプラズマ処理の間にガス流の方向を変化させ得る。
好ましくは、プラズマ処理の前に電極間領域から他のガスをパージするために、同領域にガスが供給される。このパージガスは、電極への電位差の印加によってプラズマが生成されるときに存在する1つまたは複数のガスと同じでもよく、異なっていてもよい。パージガスは、処理対象基板の全体を覆うように供給されてもよく、主に電極間の領域を占めるように供給されてもよい。電極と基板とは、チャンバまたはその他のエンクロージャに収容されることが好ましく、パージガスは、プラズマ処理の前に当該チャンバ全体から他のガスをパージするのに用いられ得る。あるいは、パージガスは、基板と他のガスとの間に障壁を提供するために、処理対象基板を包むように制御され得る。この構成では、試料処理の前に当該チャンバ全体をパージすることが不要になる。
上記のように、第2の電極は、1つまたは複数のガスが当該電極から出ていくことを可能にするように穴、開口またはスロットを有して、ガス分布を直接提供し得る。あるいは、上記ガス分配器は、電極とは別部材として設けられてもよい。この別部材は、上記のようなガス流を可能にするために、スロットもしくは開口が形成されるかまたは穴を有し得る。第2の電極と1つまたは複数の別部材との両方が、組み合わされたガス分配器として作用し得ることも考えられる。例えば、それらのガス分配器のうちの1つはパージ時に使用されるガスを供給し得、別のガス分配器はプラズマ処理プロセス中に基板を改質するために使用されるガスを供給するために用いられ得る。
電極に印加される高電圧および/または電極間のギャップへのガス流はどちらも、フィードバック機構に基づいて制御され得る。これらのフィードバック機構は、電極間の放電の電気特性を検出したり、電極間の放電の分光学的性質を検出したり、電極間に存在するガスを分析(例えば、プラズマ処理前、プラズマ処理中またはプラズマ処理後に)したりする。
上記のように、電極と基板とは、チャンバまたはエンクロージャの内部に配置されることが好ましい。基板は、磁界によって動かし得る1つまたは複数の部材によって回転可能に支持されることが好ましい。基板を上記軸周りに回転させられるように上記支持部材を回転させる磁界を発生させるための磁気駆動ユニットが設けられ得る。磁気駆動ユニットは、チャンバの外部に配置されることが好ましく、磁界は、チャンバ壁を透過して、支持部材の回転を駆動し、したがって基板の回転を駆動する。好ましくは、支持部材は上記の回転可能なプラテンである。あるいは、第2の電極を上記軸周りに回転させてもよく、磁気駆動によって当該第2の電極を動かし得る。
上記のように、第1の電極を含む回転プラテンが基板を回転させるために用いられることが好ましい。本システムは、処理対象基板を保持するのに用いられるトレーをプラテンが受け入れるように設計される。このトレーは、基板を当該トレーに締着するかまたは他の方法でしっかりと固定することができるような形態であることが好ましい。このトレーは、基板の迅速な交換を可能にし、基板をその下にある、電気絶縁体によって覆われている場合があるプラテンとの不都合な相互作用から保護する。これによって、場合によってはあり得る装填チャンバとプラズマ処理チャンバまたはエンクロージャとの間での自動基板交換も、より容易になる。洗浄可能なトレーまたは連続した処理実行のたびに取り換え可能な母材を有するトレーを使用することによって、前の基板処理の実行によって生じた汚染の影響も取り除かれる。トレーの特質は、ホットエンボス加工や真空成形のようなプロセスによって基板を容易に前処理または後処理することも可能にする。トレーのフレームも、基板を液体で覆うことが要求される後続のプロセスにおいて容器側壁として作用し得る。
本発明のプラズマ処理は、直接に、あるいは、グラフトまたは重合を介して表面に追加の化学種を加えるためにある化合物と組み合わせて用いることによって、基板表面の界面化学特性、トポグラフィーまたはモルフォロジーを変えるのに用いられ得る。例えば、本処理は、基板表面の最上部領域の化学組成または粗さを変更し得、あるいは、表面上に載置された化合物を当該表面に結合させることを可能にし得る。一例によると、空気存在下で生成されたプラズマによってポリスチレン基板を加工したところ、当該基板のRa表面粗さが1.19nmから2.10nmへと変化した。上記のように、基板表面全体にわたって化学特性、トポグラフィーまたはモルフォロジーをさまざまな程度で変更するために、種々の方法が本プロセスにおいて用いられ得る。基板全体にわたって処理の程度を変化させるために、電極間のガス流を空間的および/または時間的に変化させること、電極間の間隔を空間的および/または時間的に変化させること、電極間の基板の速度または回転を変化させること、電極に印加される電流および/または電位差を変化させることならびに電流および/または電位差が電極に印加される頻度を変化させることのうちの1つまたは2つ以上の組み合わせが用いられ得る。
基板は、当該基板上の特定の位置に、プラズマ処理を受けるとグラフトもしくは重合を誘起するかまたは他の方法で基板の界面化学特性、モルフォロジーまたはトポグラフィーを増大させる生体分子または非生体分子を添加され得る。
好ましくは、プラズマ処理は、基板の融蝕処理を行うことが可能なガスを電極間に供給して電極に電位差を印加することにより、基板表面の粗さを増加させ得る。
好ましくは、プラズマが基板への化学官能基のグラフトを引き起こすように電極間にガスを供給して電極に電位差を印加することにより、化学官能基が基板にグラフトされ得る。化学官能基の基板へのグラフトの前に基板の表面を化合物でコーティングするために液体またはゲルが提供され得る。さらに、またはあるいは、基板は、当該基板に移動させる元素および/または化学官能基を有する保持部材(例えば、膜)上に置かれ得、その場合、プロセス中に化学部分の一部または全部を基板表面へ移動させるように、基板と基板保持部材との両方にプラズマが照射される。
プラズマ処理は、モノマーおよび/またはオリゴマーを基板表面に均質または不均質に堆積させ得る。さらに、またはあるいは、プラズマ処理は、モノマーおよび/またはオリゴマーを基板表面に均質または不均質に重合させ得る。
好ましくは、基板は、プラズマを用いて処理された後、基板が当該基板上の異なる点の周りを回転するように、上記回転軸に対して動かされ得る。そして、プラズマによって当該基板の同じ部分に2回目の処理が行われ得る。この手法は、異なる処理レベルのバンドを作成するために用いられ得る。
上記の種類のプラズマ処理のうちのいずれか2種以上が同一の基板に対して実施され得ることが理解されよう。これらの処理は、続いて行われるプロセスとして実施されてもよく、同時に行われてもよい。上記プロセスが同時に行われる場合、電極間のガスまたは混合ガスは、これら複数のプロセスが協奏的に行われるように選択される。
本発明は、基板の化学特性、トポグラフィーまたはモルフォロジーを基板表面下の特定の範囲の深さまで変えるために用いられ得ることが理解されよう。例えば、基板は、少なくとも5ナノメートル、少なくとも少なくとも10ナノメートル、少なくとも20ナノメートル、少なくとも40ナノメートル、少なくとも60ナノメートルまたは少なくとも120ナノメートルまで改質され得る。基板が改変される深さは、当該基板の領域によって異なり得る。
基板全体にわたって処理の深さを変化させるために、電極間のガス流を空間的および/または時間的に変化させること、電極間の間隔を空間的および/または時間的に変化させること、電極間の基板の速度または回転を変化させること、電極に印加される電流および/または電位差を変化させること、電極への電位差の印加頻度を変化させることのうちの1つまたは2つ以上の組み合わせが採用され得る。
好ましくは、基板は、プラズマで処理される前に前処理され得る。この前処理は、表面科学および表面工学の分野で一般に知られているプロセスによって行われ得る。例えば、基板は、限定されるわけではないが、エンボス加工、真空成形、リソグラフィ、射出成型、スパッタリング、化学処理(例えば、シラン誘導体を使用)、レーザアブレーション、ディップコーティング、スピンコーティング、イオンビームエッチング、打抜き、切断、取付、接着、溶接、機械的固定または基板キャリア内への収容のようなプロセスによって前処理され得る。
好ましくは、プラズマ処理後、製造された基板は、表面科学および表面工学の分野で一般に知られているプロセスによってさらに加工され得る。例えば、基板は、限定されるわけではないが、エンボス加工、真空成形、リソグラフィ、スパッタリング、化学処理(例えば、シラン誘導体を使用)、レーザアブレーション、ディップコーティング、スピンコーティング、イオンビームエッチング、打抜き、切断、取付、接着、溶接、機械的固定または基板キャリア内への収容のようなプロセスによって加工され得る。
本発明は、上記の方法を実施するためのシステムも提供する。よって、本発明は請求項30に記載のシステムも提供する。
本システムは、上記の方法の特徴のうちの任意の1つまたは組み合わせを含み得る。例えば、支持機構は、使用時に基板が載置される回転可能なプラテンを含み得、常に当該プラテンの一部のみが電極間を通過する。
上記のように、本発明者らは、加工の全体を通じて第1および第2の電極間の間隔を動的に変化させることがプラズマ条件の制御において有用であり得ることを認識した。この概念は、それ自体が発明であると考えられる。よって、第2の局面から、本発明は、請求項32に記載の基板改質方法も提供する。
本発明の第1の局面と関連して上記に示した特徴のうちの任意の1つまたは組み合わせは、本発明のこの第2の局面の好ましい特徴となり得る。本発明は、本発明の第2の局面に係る方法を実施するためのシステムも提供する。
上記のように、本発明者らは、電極間に不均一なガス流を供給することがプラズマ条件の制御において有利であり得ることを認識した。この概念は、それ自体が発明であると考えられる。よって、第3の局面から、本発明は請求項33に記載の基板改質方法を提供する。
本発明の第1の局面と関連して上記に示した特徴のうちの任意の1つまたは組み合わせは、本発明のこの第3の局面の好ましい特徴となり得る。例えば、ガスは、複数の開口を通って電極間の領域および基板へ供給され得、開口によって異なる流量を有し得る。本発明は、本発明の第3の局面に係る方法を実施するためのシステムも提供する。
上記のように、本発明者らは、ガスを電極の近くの導管から電極間の領域に供給することが有用であり得ることを認識した。この概念は、それ自体が発明であると考えられる。よって、第4の局面から、本発明は、請求項36に記載のプラズマを用いた基板改質方法を提供する。
本発明の第1の局面と関連して上記に示した特徴のうちの任意の1つまたは組み合わせは、本発明のこの第4の局面の好ましい特徴となり得る。本発明は、本発明の第4の局面に係る方法を実施するためのシステムも提供する。
上記のように、本発明者らは、磁気駆動装置を用いて基板を回転させることが有用であり得ることを認識した。この概念は、それ自体が発明であると考えられる。よって、第5の局面から、本発明は、請求項37に記載の基板処理チャンバ内で基板を回転させる方法を提供する。
本発明の第1の局面と関連して上記に示した特徴のうちの任意の1つまたは組み合わせは、本発明のこの第5の局面の好ましい特徴となり得る。例えば、上記機構は、基板を回転可能に支持し得、磁界が当該機構と基板とを回転させる。本発明は、本発明の第5の局面に係る方法を実施するためのシステムも提供する。
以下、図面を参照しながら、本発明の種々の実施形態を単なる例示として説明する。
図1は、本発明の考えられ得る一実施形態に係る装置の概略図を示す。
図2は、大気圧プラズマ反応器チャンバ2の一実施形態を示す。このチャンバは、接地電極として作用する回転可能なプラテン(4)と、当該プラテンの上方に離間して配置されたワイヤ電極(6)とを収容する。このワイヤ電極は、上記回転プラテンの半径に合わせて位置決めされている。プラズマ生成時に使用されるこれら2つの電極(4、6)の間の空間にガスを供給するためにガス分配器(8)が設けられる。使用時には、基板をこれら2つの電極の間のギャップに位置するように上記回転可能なプラテン上に載置し、プラテンを回転させることによってこの基板を回転させる。電極間にプラズマ放電を生成するように、上記プラテン電極とワイヤ電極との間に高電圧が印加される。
この構成は、生成されたプラズマ形態の放電領域を基板が通過する速度に変化を生じさせ、この通過速度はプラテンの半径に沿って変化する。この速度変化は、回転軸からの変位と直接関連し、プラテン上に載置された基板に印加されるエネルギー注入量および出力密度において対応する勾配をもたらす。
本発明は、電極間の条件が一例として示した誘電体バリア放電プラズマでのプラズマの生成および制御に必要な条件を含む、新規かつ進歩性を有する方法を提供する。誘電体バリア放電においては、電極、マイクロストリーマ(または好適な条件下ではグロー)として生成される放電の特性、および電極間の誘電体ギャップを埋めるガスの組成が重要な要素である。実際のプラズマ条件は、放電が通過するガス(空気またはその他のガス)の特質によるものである誘電体の性質によって大部分が決定される。
従来用いられている誘電体バリア放電システムにおいては、ガスが放電領域へ均一に提供される。界面化学特性および/またはトポグラフィーにおいて明確な局所的変化を生じさせることができる強化されたあるいは特異な誘電体バリア放電動作条件を生成する手段としての不均一なガス分布の提供は、本明細書において述べる本発明の一部である。好適な実施形態は、電極ギャップへの分散されたガス(空気またはその他のガス)送達という特異な形態と特定の速度および角度条件下での基板の回転とを組み合わせた処理システムを提供する。本質的には、作用電極(ワイヤ電極)に対して、その長さに沿った出口点を介してガス(空気またはその他のガス)が与えられる。これらの出口点は、作用電極に対する基板の移動の回転円弧を基準とした噴射点の位置に依存して流量が増加した場所を作る。図14は、離れた場所においてガスを供給するための複数の流路(10)を含むガス分配器(8)が上記ワイヤ作用電極(6)の上方に配置された一実施形態を示す。この構成は、これらの領域で生成される励起種において対応する局所的変化をもたらし、したがってこれらの点の近くの領域内で表面改質の程度を変化させるように、ワイヤ電極の長さ全体にわたってプラズマ条件を変更する。
各噴射点からのガス流は、ワイヤ電極の上方の分配器から出るガスの流れの方向を通過する接地電極(プラテン)の移動の影響を受ける。試料が位置する作用電極の半径にわたって、局所的な誘電体バリア放電動作条件の変位が、指数関数的に増加する速度で生じる。基板/プラテンアセンブリの回転運動がガスに及ぼす抗力は、回転方向におけるガス流挙動に影響を与える。その結果、回転方向に駆動されるガスは、中心から半径方向外向きに基板表面に近接して作用する比例した遠心力を受けることになる。そして、分配器からのガス流の速度とプラテンの回転速度との組み合わせを用いて、層流・乱流間の遷移を生じさせることができる。そのため、プラテンの速度と流入ガス分布の構成との両方を用いて、上記に示した特定の表面の場所の各領域におけるガス流およびガス濃度を制御することができる。このことは、誘電体バリア放電において発生することが知られている化学種の励起の程度に重大な変化を生じさせ、それゆえに、基板表面の改質にそれに対応する影響を及ぼす。
図15は、分配器からのガス流の変化と、その場のチャンバガスの進入の変化と、回転抗力の変化の効果と(全て電極間放電領域内で発生)の例を回転軸からの半径方向距離(mm単位)(x軸)の関数として表す3つのプロットを示す。
また、放電領域を通過する基板の半径方向変位が大きくなると、基板が受けるプラズマエネルギー注入量は、電極長さ全体にわたって回転中心から外へ向かって指数関数的に減少し、それによって、基板と相互作用する励起種の単位表面積当たりの濃度が対応して減少し、それにより、結果として達成される基板改質の程度に影響を与える。
図16は、エネルギー密度および抗力成分(電極間放電領域内)がどのように変化するかを回転軸からの半径方向距離(x軸)の関数として示す2つのプロットを示す。
これらの要素の制御された組み合わせによって、基板表面全体にわたって化学特性およびトポグラフィーを漸次に変化させることができる。
プラテンは、チャンバ壁を通して磁気駆動装置によって回転可能に駆動され得る。駆動モータ位置は、角度エンコーダを用いて制御ソフトウェアへとフィードバックされ得る。角度エンコーダは、ワイヤ電極の下のプラテンの回転位置を示すのに用いられ得る。
高電圧の作動は、特定のサイズのプラテンのある一定の扇形部分内で起こるように、ソフトウェアによって制御/開始され得る(ケーキを好きなサイズの扇形部分に切り分けるのと同じである)。
ソフトウェアは、プラテンの回転速度、放電において生じさせる強度/出力、またはプラテンの規定の扇形部分内で発生する放電のサイクル(繰り返し)数のうちのいずれか1つまたは複数を制御するのにさらに用いられ得る。このことは、同一のプラテン上に置かれた複数の基板を、出力、速度、およびサイクル数の点で操作者の要求に応じた種々のパラメータで処理するのに用いることができる。本方法は、選択領域内での処理が、回転軸から同じ半径方向距離にある基板上の各点においては(また、同じ制御パラメータ下で処理された所与の扇形部分内では)同じであるように制御することができる。処理の勾配は、回転プラテンの半径に沿って発生する。しかしながら、電極は、所望のエネルギー密度勾配を生じさせるために、プラテンの中心・外縁間で任意の向きに成形および配置し得、それによって基板表面上の改質のパターンに一致させ得ることが理解されよう。
プラテン、したがって基板の角位置を提供するために回転エンコーダが用いられ得る。いかなる被処理扇形部分内でも角回転によってコンピュータ制御された出力変化を可能にするために必要な情報を提供するために、回転エンコーダからのフィードバックが用いられ得る。これによって、回転方向において基板処理の程度にさらなる変化を与えることができる。したがって、基板は、表面処理において2次元の勾配、すなわち、半径方向の勾配に加えて円周方向の勾配を付与され得る。
基板表面の特定の領域に送達される放電出力を角回転によって変化させることは、3次元(3D)の制御された表面処理勾配をも包含し得、ここで、第3の次元(すなわち、試料表面下深さ)における処理の効果は、ナノメートル規模で計測される。あるいは、1層ずつ処理することにより所要の性質が含まれた3D構造が得られるように、層ごとの製造方法と併用し得る。
ここで、放電挙動をフィードバック機構によって制御し得ることも考えられる。例えば、放電の電気特性の分析からのフィードバック、放電の分光学的性質からのフィードバック、またはプラズマ処理中もしくはプラズマ処理後の分析ガスに基づくフィードバックに基づいて制御が行われ得る。
電極アセンブリは、基板の規定の区域内の局所的なまたは変化のある処理を達成するために、このような特定の領域内で放電の効果的なマスキングを達成するように構成され得る。
本好適な実施形態は、種々のガス環境および混合ガス環境で動作するように放電を制御する能力を有する。これによって、上記に示した基板表面上の層状処理効果を得ることが容易になり得る。例えば、融蝕処理効果を発揮するのに適した選択された混合ガスおよび放電パラメータを用いた処理によって表面粗さを生じさせ得る。同様に、選択されたガス/蒸気と表面液体/ゲルとの混合物および適切な放電パラメータを用いて、連続して化学官能基を表面にグラフトし得る。その後、化学特性を発現させ、適切な表面粗さを得るために、さらなる融蝕処理が用いられ得る。大気圧プラズマ処理された表面では、経年変化が化学官能性と濡れ性のようなそれに関連した性質に影響を与えることがよくある。そのため、基板表面特性のさらなる機能は、処理以降の経過時間と関連する。
好適な実施形態は、放電領域内へのガスまたは混合ガスの流れを制御する。図3は、好適な実施形態とともに用いることができるガス制御機構の一形態を示す。ガス流は、マスフローコントローラを用いて制御される。各マスフローコントローラは、正確に制御された流量レベルを提供するために、それぞれに異なる流量範囲(20L/分、5L/分、0.5L/分、および0.01L/分)で動作し、それによって、最終混合物中で各ガスを所定のパーセンテージ濃度で送達することを可能にする。これらのマスフローコントローラは、導入管路を介して放電チャンバに接続される。マスフローコントローラは、好適な制御装置を用いて手動で操作されてもよく、適切なソフトウェアルーチンによって自動的に操作されてもよい。本好適な実施形態では、4つのマスフローコントローラがこのような制御装置によって制御される。各マスフローコントローラに入る管路は、図3に示すように、手動スイッチを介して制御される4つのソレノイド弁を有する。これらは、コンピュータソフトウェアによって制御されてもよい。この場合、マスフローコントローラのそれぞれへ導入されるガスの迅速な切替えが可能になり、それによって、非常に幅広い濃度で混合ガスを生成する機能が得られる。ガスは、作用ワイヤ電極の位置の真上を流れるように運ばれるが、チャンバをパージするように送ることもできる。適切な混合ガスを用いれば、グロー放電を生成し得る。使用可能なガスの種類ならびにそれらの組合せおよび比率は、ステンレス鋼とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とによる流量制御設計を使用することにより、ほぼ無制限である。さらに、同じ流れ系統を用い、必要に応じて蒸発室とキャリアガスとを用いて、多くの液体を蒸気の形態で放電領域へ搬送し得る。これには、限定されるわけではないが、堆積および/またはグラフトもしくは重合に適した、シラン、アリルアミン、およびその他の機能性化学物質のような化学物質、モノマーまたはオリゴマー(ポリエチレングリコールなど)が含まれ得る。
さらなる実施形態において、基板と他のチャンバガスとの間に障壁を設けるために、プラテンの全表面を包むことが可能なようにガス流条件を制御することができる。この構成においては、試料処理の前にチャンバをパージすることが不要になる。プラテン回転運動の小さい表面積は、はるかに広い領域にわたって横断/動作することが要求される線形駆動機構で用いられるものと比較すると、この点において有利である。
同様または異なる電気条件(例えば、周波数、電圧、電流)で動作する放電によって基板処理方式全体の一部として基板表面を増大させることを可能にするために、さらなる電極がプラテン表面の上に固定され得る。
ワイヤ作用電極の代わりに、電極を通してガスをプラズマ領域へ直接送達することが可能な多孔電極構成を用いてもよい。やや好適な実施形態において、プラテン上方の電極は、先端にボールが付いた電線、石英管、またはその他の電極の形態をとり得る。先端にボールが付いた電線の場合は、電極がプラテンの半径を横断することができるように、電極を動かせるように備えておく。任意の種類の試料を処理表面上に保持するためにトレー式アセンブリを使用することは、バッチ間での試料の迅速な交換を可能にし、プラテンの表面を保護する。チャック、つまりトレーをプラテン電極上に保持するための機構は、簡単な手動または自動の試料交換を可能にするものであれば、いかなる好適な種類、例えば、真空式、磁気式など、のものであってもよい。トレーの特質は、ホットエンボス加工や真空成形のようなプロセスによって基板を容易に前処理または後処理することを可能にし得る。フレームは、基板表面を液体で覆うことが要求される加工技術においては好適な容器側壁としても作用する。本実施形態では、トレーはボルトを用いて組み立てられるが、スナップ嵌合式の締付け機構であれば、加工効率を向上させることができ、自動生産によく適している。
以上に説明したように、高電圧プラズマを提供し、基板がプラズマ領域を通過する速度を変化させるか、プラズマ領域内のガス濃度を変化させるか、またはプラズマ領域全体にわたるガス流制御を変化させることによって、基板の界面化学特性、トポグラフィー、モルフォロジーに、制御された繰り返し可能な変化を生じさせることができる。以下の図面は、好適な実施形態に係るシステムで加工した場合に証明された、モデルとしてのポリプロピレン(PP)フィルム基板の表面の元素組成における変化の一部を示すものである。
図4は、基本的なレベルの加工条件を用いて、空気中で、電極位置にガス流を誘導しないで処理されたPP基板についてのデータを示す。x軸は、プラテンの回転軸からの半径方向距離(ミリメートル単位)を表し、y軸は、検出された酸素および窒素のパーセンテージ濃度(X線光電子分光法で計測)を表す。ポリプロピレンの処理は、プラズマ出力140W、プラテン速度24RPMにて、1、4、16、および64サイクル行い、図示する化学特性を得た。なお、界面化学特性の概して漸進的な変化は、回転中心からの位置の関数として生じている。また、内側および外側の各半径方向位置における処理の効果は、サイクル数が変化するのに従ってかなり一致して変化している。これは、それぞれの場合に基板がさらされるプラズマエネルギー注入量が比較的類似しているからである。
図5Aおよび図5Bは、本プロセスを用いて処理したポリプロピレン基板に対して実施したX線光電子分光法(XPS)による分析からのデータを示す。各図において、x軸は、基板に沿った回転軸からの半径方向距離を表す。図5Aにおいて、y軸は、既に確立された計算技術を用いてピーク面積強度の定量化から求めた、基板表面上で検出された窒素および酸素の原子濃度を表す。図5Bにおいて、y軸は、ピーク面積から求めたXPSデータについての試料基板表面上の窒素および酸素の原子濃度を表す。図5Cは、改質基板上の酸素および炭素の濃度を、空気中でのプラズマ処理の領域内の等しい半径の円弧に沿った位置の関数として示し、条件の一貫性を示す。
これらの図は、ガス分配器に窒素を流れさせて動作する本明細書中に記載のプラズマ放電プロセスにおけるPPの処理に関連したいくつかの重要な特徴を示す。明らかに、回転軸からの半径方向距離が小さいほど、基板の回転の速度が遅く、それに伴ってプラズマからのエネルギー注入量が高いため、基板表面に導入された窒素および酸素両方の濃度が高い。そして、酸素および窒素の濃度は、回転軸からの距離が大きくなると、その領域における比較的低いエネルギー注入量に応じて、指数関数的に低下する。x軸上の半径方向位置に沿って外に向かうと、ガス分配器からの窒素流が支配的な要素になってくる。窒素の流れは、x軸の中央で最高となり、酸素対窒素比が最低となる。酸素は、当該中央領域から押し出されるので、38mm、46mm、および108mmの領域におけるプラズマ中で基板表面に蓄積し、導入される。これらの領域における酸素濃度は同様であるが、窒素濃度は、例えば46mmと108mmとでは、異なる。したがって、ガスの流れを慎重に制御し、かつ、プラズマ領域における基板通過速度勾配を用いることにより、基板表面の変化を特定の方法で調整することができる。これらの変化は、処理されたPPについてのデータセットから求められたXPSピーク面積およびピーク強度データの両方において顕著である。なお、表面上の窒素濃度の局所的変化は、特に全体窒素流がより高い放電区域の中央領域において、局所的なガス流濃度の増加に対応している。
図6は、基板表面の長さ方向の距離に応じた表面処理の違いを確認するものである、窒素による処理についての積み重ねられたXPS走査画像の例を示す。
図7は、処理中に基板の上方領域で生成されたマイクロストリーマの大気圧プラズマ「シース」の写真を示す。
図8は、図5Aおよび図5Bのプロットを作成するのに用いたものと同様の加工構成で作用するアンモニアと窒素との配合ガスを用いた処理についての、XPSにより求めたデータを示す。
ここでも、x軸は、回転軸からの基板に沿った半径方向距離を表し、y軸は、処理後の試料基板表面上の窒素および酸素について計算した原子濃度値を表す。
アンモニア−窒素配合ガスによる処理時、酸素は、窒素単独での加工の場合と同じように中央領域から追い出されてはいない。これは、窒素および酸素の含有量の変化が同じ傾向をたどっているからである。しかしながら、酸素対窒素比は、この関係が全範囲にわたって正比例しているわけではないことを示している。
図8は(図5A/図5Bとともに)、基板表面において化学物質濃度およびプラズマ条件に局所的勾配を作るためにガス流の局所的変化を用いることの利点を示している。
図10は、ガスを搬送するための中空管を含み、当該管に複数の開口が設けられたガス分配器の一形態を示す。上記開口は、当該孔の位置に近接した場所でプラズマ放電領域内の基板表面へガスを送達し、これにより、基板表面に沿った複数の点において局所的なガス流を提供する。この構成は、エネルギー注入量とガス流/濃度との複合効果を同一平面上で発揮させる。図10にはガス分配器の一実施形態が描かれているが、他の種類の局所的流れ制御機構が用いられてもよい。
図9は、本プロセスを用いてポリプロピレン基板を加工するためのやや局所的なガス流変化を生じさせるように設計されたガス分配器を用いる効果を示す。図9は、ワイヤ電極上の流れの動力学をやや局所的になるように調節することによって、この同じ平面全体にわたる界面化学特性の組成における変化を実現することができることを示している。この構成に関しては、窒素流は、図10に示すデータを取得するのに用いた孔の配列とは対照的に、スロットタイプのガス分配器を用いて提供した。
上記の種々の図面において提供されたデータは、放電領域内の勾配出力分布とガス流の分布とを組み合わせることにより、基板の長さに沿って変化する基板の界面化学特性の繰り返し可能な変化が生じるという証拠である。誘起される変化は、典型的には、本プロセスを用いるとほぼナノメートル規模で基板表面下に及ぶ。このため、基板のバルク性質に影響を与えることが所望の結果で、例えばプラズマ重合においてこれを達成するようにプロセスが制御されるのでない限り、本プロセスは、一般に基板のバルク性質に悪影響を与えることはない。同様に、一工程中に処理後の基板の長さ全体にわたって表面粗さを変化させる条件を生成することができる。
本発明は、上記の例で挙げた電極およびチャンバ/エンクロージャの寸法、ガス、流量、流れ分布動力学、出力レベルまたはサイクル数に限定されるものではなく、上記のデータは、化学物質濃度と表面勾配効果の生成との点からの、得られる可能性のある表面処理結果の単なる例示である。全体の化学組成を変更することに加えて、関係する表面化学結合の種類および特質も、本システムを用いて制御することができる。マクロ規模で発生する表面性質の微妙な変化を測定することで、その後の界面反応を予測するのに有用なデータを得ることができる。
本発明は、基板改質を制御するいくつかの方法を可能にする。
放電が生じる領域は、放電出力、分布、および処理サイクル数を変化させるように正確に制御され得る。
放電出力は、特定の領域の全体を通じて、またはいくつかの異なる領域において、時間とともに連続的または不連続に変更され得る。
放電領域にガスを通過させる方法は、基板全体にわたって漸次の流れ勾配を提供するように適合されていてもよく、規定の位置において流れに段階的な変化を生じさせるように適合されていてもよい。
ガス分配器は、異なる種類のガスの流れを互いに近接させることを可能にするように設計されてもよい。
プラズマ反応器チャンバは、単独で使用できる密閉チャンバでもよく、所与の製造/処理プロセスと統合されてもよい。ガス/蒸気濃度を提供し、湿度および温度のような動作条件を制御するために、前処理チャンバ環境が作られてもよい。本プロセスの通常動作は大気圧または大気圧付近で行われるが、プラズマ放電を起こさせるのに必要な条件の限度までであれば周囲環境を過大または過小に加圧することができる。
基板または他の基板支持装置は、作用電極、誘電体層または接地電極のいずれかと接続するフレーム内に締着されてもよく、それによって、システム内部で正確に位置決めされ、電極/誘電体層がガスギャップ/放電領域から物理的に離隔される。チャンバに一般的なバックグラウンド環境を提供するのに用いられるガスの流れ条件および含有量は、プラズマ処理プロセス中に用いられるガスのものとは異なっていてもよい。
処理中または異なる処理状況においてプラズマ条件を追加的に変化させるために、ガス流の起点および方向が、処理中または処理間に調節され得る。
基板のある特定の位置を本プロセスによって処理した後で、当該基板を作用電極の下の別のずれた位置へ移動させ、処理区域のバンド間に干渉効果を生じさせるために当該基板を再び処理し得る。
プラズマおよび/またはガス流は、電気、分光および残留ガス分析技術からのフィードバックによって監視および制御され得る。
他の形態のプラズマもしくはそれに関連した加工を用いてかまたは上記の勾配技術を用いてモノマーおよび/またはオリゴマーを均質または不均質に堆積および/または重合させるために、二次的または多重処理加工段階が実施されてもよい。
基板は、当該基板へ移動させた場合に有用となる元素および/または官能基を有する既知の化学特性の二次材料上に配置されてもよい。その場合は、本プロセスにおいて当該二次材料から化学部分のいくらかを基板表面へ移動させるように、基板および基板保持部材の両方にプラズマが照射される。
基板の回転の間中ずっと表面処理に変化を生じさせるために、電極ギャップは、プラズマ処理中またはプラズマ処理間に動的に変更され得る。これは、プラテン回転プロセスの間中いつでも作用電極高さを調節することが可能な好適な機構を用いて達成することができる。電極ギャップの変更は、ガスギャップ(ガス分配器とプラテンとの間)と明確に区別できてもできなくてもよい。さらに、これに合わせて、または別個の機能として、出力レベルを、これを加工中に動的に変化させるような方法で設定する(放電ギャップにかかる電圧を変更することにより)のに用いられる電圧信号を調節するために、代替的な機構を用いることができる。
電力および/または電極ギャップパラメータを、同期させてもさせなくても、調節することの重要な特徴は、処理区域のその後の分布および特定の強度である。例えば、電極ギャップが小さいほど、放電領域を含むマイクロフィラメントの数は多くなるが、分散される領域は小さくなり、より均質な表面処理になり得る。ギャップが大きいほど、フィラメントの数は少なくなるが、作用する領域は広くなり、フィラメント当たりの出力は大きくなるので、わずかながら均質さが少ない表面処理になり得る。出力レベルが高いと、処理の領域およびマイクロフィラメント当たりの出力が大きくなる。当然のことながら、化学結合エネルギーが変化するため、表面上に生じる表面化学官能基の相対濃度(単なる元素組成ではない)は、放電において消散したエネルギーに大きく依存することになる。一例として、窒素処理、アンモニア処理および同様の種類の処理において、第1級、第2級および第3級アンモニウム種が、ピリジニウム、イミダゾリウムおよび同様の成分とともに、基板表面を官能基化し得る。したがって、360度の所与のサイクルの全体を通じて動作パラメータの組合せを使用することによって、一段階のプロセスで基板をさまざまな複雑な化学組成で処理することができる。
図11は、基板の1回転中に電極ギャップおよび電力をどのように変化させ得るかの例を示す。y軸は、電極ギャップサイズおよび電力の変化の重なりを表し、x軸は、基板の回転角を表す。この例では、電極ギャップサイズは複数回振動し、電力は、基板が1回転するたびに、増加して減少している。このような場合においては、基板は、半径に加えて、当該基板の円周回りで、表面改質の効果が変化することになる。
前述の電極ギャップおよび電力の変化は、誘電体バリア放電(DBD)処理の効果を提供するように伝導する任意の形態の電極構成を用いることによっても、例えば、線形つまりリール・ツー・リール(reel-to-reel)方式において電極駆動系に連結された歯車機構とカムを用いることによっても、上記で得られた効果と同様の方法で達成することができる。これは、本発明の付加的な形態とみなすことができる。しかしながら、線形駆動において、特に垂直平面上では、基板通過速度の変更をこのサイズの基板全体にわたって有効であるように組み込むことも実現するのは、より困難である。
前述のように、この加工処理は、典型的には、基板表面領域下の数ナノメートルに及び、この改質領域/深さの範囲内の実際の基板改質程度および化学組成は漸進的である。この基板表面下の性質の漸次変化の特質は、表面近くのプラズマ条件を含むいくつかのパラメータによって決まる。加工後に起こる大気への暴露にも影響され得る。したがって、後処理条件の制御が必要になることがある。
回転中に動作パラメータを変更することを可能にするものであれば、いかなるシステム構成でも、表面上のすべての点が異なるように処理される、3次元的に生成される勾配を用いた円盤状の基板の処理方法を提供し得る。各円盤は、ある特定の基板についてのチャンバ/前処理、流れ/プロセスガス環境およびサイクル数の特定の1つの組合せから、あらゆる種類の改質を提供し得る。ここで説明した例においては、円盤の外縁で生じるエネルギー密度は、中央寄りの領域でのエネルギー密度の1/4である。なお、これは当該2点において上部電極に対する基板の速度が異なるためである。よって、明確に区別できる領域を作るために4の累乗のサイクル数を用いることが可能である。例えば、別々の領域において1、4、16、64、256サイクルで処理された基板は、この点で、非常に広範囲にわたるエネルギー密度をカバーすることになる。これに基づいて、加工中に放電領域上の窒素流を制御し、図12および図13に示す効果を得た。
図12は、基板表面上でXPSによって検出された炭素、酸素および窒素の元素組成の例をエネルギー密度(x軸)の関数としてプロットしたものを示す。3つの試料を、サイクル数を変化させながら、すなわち、4サイクル、15サイクル、60サイクルで、同様に処理した。4サイクルの処理についてのプラテンの中央領域内の位置を15サイクルの処理についての相対的外縁とみなす(そして、60サイクルについても同じようにする)ことにより、図12および図13に示す関係を推定した。
図13は、酸素対窒素比(質量で比較)を基板に沿った相対的(擬似的)な半径方向位置(ミリメートル単位で記録)に対してプロットしたものを示す。図示するように、調査した実験範囲全体にわたって酸素対窒素比の振動が検出され、プラテンの半径の方向に沿った効果のための有用な基準点となった。したがって、第1の電極の平面の全体にわたって表面変化を誘起させるために、システム設定の制御を用いることができる。
図17および図18は、窒素およびアンモニア環境中で処理されたPP基板についての積み重ねられた窒素および酸素XPS画像の例を示す。
図19は、局所的なガス流制御を用いた加工後のPP基板(PP027)上の表面改質勾配に沿った種々の位置においてTOF−SIMSによって検出された原子質量12、13、16、および17の強度を示す。
図20は、処理中にガス流位置決めを制御した結果として細片の中央領域における窒素と窒素:酸素比とが増加したことを示す積み重ねられたXPS画像の例を示す。
図21は、図2に示したもののような単一の細長い電極の代わりに多数の細長い電極が用いられ得る一実施形態の例の概略図を示す。これらの多数の細長い電極は、回転軸から外向きに延びるように配置され得る。
図22は、プラテン電極表面が化学的またはトポロジー的な表面パターンを含む一実施形態を示す。あるいは、プラテン電極の上の誘電体材料がこのようなパターンを含んでもよい。
図23は、基板の上方の電極の高さを変化させることによって電極間ギャップを変化させるための一実施形態を示す。本実施形態は、基板の上方に配置された電極が調節可能なばね式マウントに連結された電極保持部材に装着されることを除いて、図2に示したものに概ね相当する。ばね式マウントは、電極間ギャップを変更するように選択的に調節され得る。
図24(a)は、電極間の残留ガスの分析と当該ガス中の化学物質の濃度が経時的にどのように増加し得るかとの例を示す。これは、基板が時間とともにますます改質されていくにつれて、当該化学物質が基板に受け入れられにくくなり得るからである。図24(b)は、ガスを電極間に送達するために使用され得る装置の概略図を示す。化学物質をガス分配器に供給するためにバブリング装置または噴霧器が使用され得、ガス分配器はガスを電極間に分散させる。
図25は、図10に示したものと同様の一実施形態の概略図を示す。基板上方の電極は、内部に開口を有する細長い電極である。この電極を通してガスが供給され得、このガスは開口を通って電極から出て、プラズマ生成プロセスに用いられ得る。
図26は、ヘリウム酸素混合ガス中で電極にヘキサメチルジシロキサンを搬送してプラズマ処理を行ったPP基板についての積み重ねられたXPSデータの例を示す。
図27は、3Dの表面特徴を作成するために回転プロセスにおいて処理された基板の真空成形の一実施形態の例の概略図を示す。
図28は、プラズマプロセスにおいて処理される基板の前処理技術の実施形態の例の概略図を示す。
図29は、回転プロセスにおいて処理される基板の後処理技術の実施形態の例の概略図を示す。本図は、矢印が反対方向を向いている点を除いて図28と同様である。
図30は、本プラズマプロセスを用いて製造された基板上の種々の表面条件に対する細胞表面応答の例を示す。例えば、3つの異なるプラズマ条件にさらされた基板上に生体分子が堆積または固定化され得る。図30は、異なるプラズマ条件下で処理された基板によって細胞活動がどのように異なるかと、この活動がどのように経時変化するかを示している。
表面化学勾配は、幅広い産業および研究領域で有用である。例えば、本発明は、接着、コーティング、塗装、プラズマ処理、エッチング、堆積、MEMS、電気めっき、無電解めっき、光学、ポリシング、防食、防汚、洗浄、レーザ表面テクスチャリング、レーザアブレーション、スパッタリング、エンボス加工/成型、自己組織化単分子膜、エレクトロスピニング、スピンコーティング、薬剤開発、触媒、燃料電池、太陽電池、半導体、医薬品、診断および医療機器製造のような表面技術において有用であり得る。
本発明は、生体医工学の広範な領域においても有用であり得、実験室用設備、製品および補給品、生体材料、生体適合性コーティング/インプラント、生体組織工学、体外診断用医薬品、腫瘍学における化学療法、免疫療法、モノクローナル抗体療法およびワクチン療法、遺伝学、生体計測、ナノファブリケーション、心臓マッピング、創傷治癒、再生医学、ミクロスケールおよびナノスケールの器具、ならびにナノスケールの計測および分析に応用され得る。基板は、トレー・フレームセット、特殊なオートクレーブ可能なトレー・フレームセット、マルチウェル/流路基板および種々の形態の多数の試験器具とともにユーザに供給することができる。
本明細書に開示した表面処理プロセスは、サブミクロンからナノスケールの次元で発生する効果に依存する先進的なプロセスを商業的に利用可能にする機構を提供することができることに留意することが重要である。この点に関して、本システムは、技術が表面に特化したものである先述の顕微鏡および分光学分野における製品、企業、および市場との提携によく適合し得る。
なお、本明細書に記載のシステムにおいて用いられる大気圧プラズマの種類は誘電体バリア放電であるが、関係する原理は、すべての大気中の加工条件および通常の大気圧状態付近で動作するものに当てはまる。用語「誘電体バリア放電」および「大気圧プラズマ」は互換的に用いられることが多く、本開示においてもそのようなものとみなされるべきであり、本プロセスの一部として包含および保護され得るプラズマの種類における限定要素と考えられるべきではない。
Claims (42)
- プラズマを用いて基板を改質するための方法であって、
第1の電極および第2の電極を準備することと、
前記基板の一部分のみが前記電極間にあるように前記基板を配置することと、
前記基板か前記電極の少なくとも一方かのどちらかを軸周りに回転させ、前記回転中に前記基板の異なる部分が前記電極間を通過するようにすることと、
前記基板の少なくとも前記電極間を通過する部分に接触するプラズマ放電を前記電極間に生じさせるように、前記電極の少なくとも一方に電圧を供給することと、を含み、
前記電極と前記基板とは、前記回転によって、前記基板部分が前記電極間を通過する速度が前記回転軸から離れる半径方向において変化するように配置され、
前記基板の前記回転軸から遠い方の領域が前記電極間を通過し、前記プラズマ放電によって改質される速度が、前記基板の前記回転軸から近い方にある前記電極間を通過する領域よりも遅いように、前記電極が配置され、前記回転が行われる方法。 - 前記電極間に生成される前記プラズマが前記基板の前記回転軸に垂直な方向に延びる領域に接触するように、前記第1および/または第2の電極が前記回転軸に垂直な方向に延びる、請求項1に記載の方法。
- 前記基板が前記電極間を通過する速度が前記回転軸から離れる半径方向において変化するように前記電極と前記基板とが配置される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記プラズマが大気圧付近で生成される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記プラズマが誘電体バリア放電プロセスによって生成される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1の電極の少なくとも一部分と前記第2の電極の少なくとも一部分とが、実質的に互いに平行であり、それによって、これらの実質的に平行な部分間にギャップを規定し、
前記基板が、前記回転工程中にこのギャップを通過する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。 - 前記基板が、前記基板の回転をもたらすように前記軸周りに回転するプラテン上に配置される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記回転可能なプラテンが前記第1の電極を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記第1および第2の電極が、チャンバまたはエンクロージャの内部に配置され、
前記第2の電極は前記チャンバに対して静止したままであり、前記第1の電極は前記第2の電極に対して回転する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。 - 前記第2の電極が、前記第1の電極に沿って、前記回転軸から半径方向外向きに延びる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第2の電極が、ワイヤ電極、筒状電極またはロッド電極のような細長い部材である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1の電極および/または第2の電極が電気絶縁体で覆われる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記電極間に前記プラズマを生成するように前記電極に電位差または電流を印加し、
前記電流または電位差の大きさを経時的に変化させる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。 - 前記電極間に前記プラズマを生成するように前記電極に電位差または電流を繰り返し印加し、
前記電流または電位差の印加頻度を経時的に変化させる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。 - 前記第1および第2の電極間の距離を経時的に動的に変化させる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記プラズマが生成されている間、前記電極間の領域に1つまたは複数の種類のガスが供給される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記1つまたは複数のガスが、前記プラズマが生成されているときに前記基板を改質する少なくとも1種類の化学物質を含むかまたは搬送する、請求項16に記載の方法。
- 複数の異なる種類のガスを異なる流量で前記領域に流入させる、請求項16または17に記載の方法。
- 前記1つまたは複数のガスを前記電極間の領域に不均一に供給するためのガス分配器が設けられる、請求項16、17または18に記載の方法。
- 前記1つまたは複数のガスが前記電極間の複数の場所で供給される、請求項19に記載の方法。
- 前記ガス分配器が、複数の開口を有する細長い導管であって、当該開口は、当該導管の長さに沿って配置され、前記1つまたは複数のガスが当該開口を通って当該導管から出て前記第1および第2の電極間の領域へ送達されるように位置する導管を含む、請求項20に記載の方法。
- 前記第2の電極が前記ガス分配器を含み、
前記第2の電極は前記開口を有する細長い管である、請求項21に記載の方法。 - 前記電極間の領域への前記1つまたは複数のガスの流量が、前記基板全体にわたって変化するか、または、前記流量が、前記ガス分配器の開口によって異なる、請求項16から22のいずれか1項に記載の方法。
- 前記電極および基板がチャンバ内にあり、磁界によって回転させ得る1つまたは複数の部材によって前記基板が回転可能に支持され、
前記1つまたは複数の支持部材の回転を駆動し、したがって前記基板を回転させるために、前記チャンバの1つまたは複数の壁が磁界を透過させる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。 - 前記プラズマ処理が、好ましくは前記基板の領域によって異なる量で、前記基板表面の界面化学特性、トポグラフィーまたはモルフォロジーを変える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記プラズマが、化学官能基を含むように前記基板表面を改質するプロセス、モノマーもしくはオリゴマーを前記表面に堆積するプロセス、モノマーもしくはオリゴマーを前記表面にグラフトするプロセス、モノマーもしくはオリゴマーを前記表面に重合するプロセスまたは前記基板の表面粗さを変更するプロセスのうちの1つまたは複数によって前記基板を改質する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1および/または第2の電極が前記プラズマにさらされた後で補充される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記基板の異なる別々の領域が前記第1および第2の電極間を同時に通過するように、複数の前記第1の電極および/または複数の前記第2の電極を準備することを含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- 前記第1もしくは第2の電極の表面または前記第1もしくは第2の電極を覆う誘電体材料の表面が、当該表面上に化学的またはトポロジー的なパターンを有する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
- プラズマを用いて基板を改質するためのシステムであって、
第1の電極および第2の電極と、
処理対象基板を支持するための機構と、
前記基板か前記電極の少なくとも一方かのどちらかを軸周りに回転させるように構成され、使用時に前記回転中に前記基板の異なる部分が前記電極間を通過するようにする手段と、
前記基板の少なくとも前記電極間を通過する部分に接触するプラズマ放電を前記電極間に生成するように前記電極の少なくとも一方に電圧を供給するように構成された発電機と、を含むシステム。 - 前記支持機構が、使用時に前記基板が載置される回転可能なプラテンを含み、
常に前記プラテンの一部のみが前記電極間を通過する、請求項30に記載のシステム。 - プラズマを用いて基板を改質するための方法であって、
第1の電極および第2の電極を準備することと、
処理対象基板を前記電極間に準備することと、
前記基板の少なくとも前記電極間を通過する部分に接触するプラズマ放電を前記電極間に生成するように、前記電極の少なくとも一方に電圧を供給することと、
前記プラズマが生成されている間、前記電極間の間隔を経時的に動的に変化させることと、を含む方法。 - プラズマを用いて基板を改質するための方法であって、
第1の電極および第2の電極を準備することと、
処理対象基板を前記電極間に準備することと、
前記電極の少なくとも一方と前記基板との間に、前記基板の表面全体にわたって不均一にガスを供給することと、
前記基板の少なくとも前記電極間を通過する部分に接触するプラズマ放電を前記電極間に生成するように、前記電極の少なくとも一方に電圧を供給することと、を含む方法。 - 前記ガスが複数の開口を通って前記電極と前記基板との間の領域に供給される、請求項33に記載の方法。
- 前記ガスの流量が、開口によって異なる、請求項34に記載の方法。
- プラズマを用いて基板を改質するための方法であって、
第1の電極および第2の電極であって、当該電極の少なくとも一方が導管と当該導管から当該電極の外部へ延びる1つまたは複数の開口とを有する、第1および第2の電極を準備することと、
前記導管を通して、ガスを、前記少なくとも一方の電極から前記開口を通って流出するように供給することと、
前記電極間にプラズマ放電を生成するように前記電極の少なくとも一方に電圧を供給することと、
処理対象基板を、前記基板の表面を改質するために前記プラズマと接触するように配置することと、を含む方法。 - 基板処理チャンバまたはエンクロージャ内で基板を回転させる方法であって、
磁界の印加により動きを与えるように構成された、基板を動かすための機構を収容するチャンバまたはエンクロージャを準備することと、
前記機構を動かし、それによって前記基板を動かすように、前記チャンバまたはエンクロージャの1つまたは複数の壁を通して磁界を供給することと、を含む方法。 - 前記機構が前記基板を回転可能に支持し、前記磁界が前記機構と前記基板とを回転させる、請求項37に記載の方法。
- 3次元の表面形態を提供するために前記改質された基板を真空成形する後続の工程をさらに含む、請求項1から29または32から38のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラズマへの暴露前に前記基板を加工することをさらに含み、当該加工は、エンボス加工、真空成形、リソグラフィ、射出成型、スパッタリング、化学処理(例えば、シラン誘導体を使用)、レーザアブレーション、ディップコーティング、スピンコーティング、堆積、溶射、コーティング、イオンビームエッチング、打抜き、切断、取付、接着、溶接、機械的固定または基板キャリアへの収容のうちの1つまたは複数の技術によるものである、請求項1から29または32から39のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラズマへの暴露後に前記基板を加工することをさらに含み、当該加工は、エンボス加工、真空成形、リソグラフィ、射出成型、スパッタリング、化学処理(例えば、シラン誘導体を使用)、生体材料堆積、レーザアブレーション、ディップコーティング、スピンコーティング、堆積、溶射、コーティング、イオンビームエッチング、打抜き、切断、取付、接着、溶接、機械的固定または基板キャリアへの収容のうちの1つまたは複数の技術によるものである、請求項1から29または32から40のいずれか1項に記載の方法。
- 生体分子を前記基板上に堆積または固定化させる、請求項1から29または32から41のいずれか1項に記載の方法。
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