JP2014514615A - 防曇コーティングの前駆体コーティング、及び、エッチングに適切なものとする一時的な層を含んでなる光学物品 - Google Patents

防曇コーティングの前駆体コーティング、及び、エッチングに適切なものとする一時的な層を含んでなる光学物品 Download PDF

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Abstract

本発明は、基板であって、その基板の主要表面の少なくとも1つが、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングと、このコーティングと直接接触する、防曇コーティングの前駆体コーティングとによってコーティングされ、防曇コーティングの前駆コーティングは、その表面にシラノール基を含んでなるコーティング上での、ポリオキシアルキレン基と、シラノール基との共有結合を確立することが可能である少なくとも1種の基とを有する少なくとも1つの化合物Aの堆積によって形成され、防曇コーティングの前駆体コーティングは、上記化合物Aが、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングにグラフト化される内部部分と、洗浄及び/又は拭き取りによって除去が可能であり、化合物Aの堆積から得られる外部部分とを含み、防曇コーティングの前駆体コーティングが、一時的な層の全重量に対して、少なくとも50重量%のシリカを含む少なくとも1層の一時的な層によってコーティングされる、基板を含んでなる光学物品、好ましくは眼用レンズに関する。そのような物品は、一時的な層の存在によってエッジングに適切なものとされる。本発明はまた、エッジング方法及び上記物品の調製方法にも関する。

Description

本発明は、コーティングであってその表面にシラノール基を含んでなるコーティングによってコーティングされ、その表面が一時的な防曇対策の有効かつ永続的な適用を可能にするために変性されている光学物品、特に、眼用レンズのエッジング又はサイジングに関する。本発明は、エッジングに適切なものとされたそのような物品、調製方法及びこの物品のエッジング方法に関する。
プラスチック及びガラスなどの数多くの支持体は、それらの表面の温度が外気の露点より低い温度まで低下した時に曇りに覆われるという不都合を示す。それは特に、輸送車両又はビルの窓、鏡、眼鏡レンズなどの眼用レンズなどを形成するために使用されるガラスで生じる。これらの表面における曇りの形成によって、重大な妨害を生じるおそれのある水滴による光の散乱のため、透明性の低下がもたらされる。
非常に湿性の環境における曇りの形成、すなわち、支持体上の微細水滴の凝縮を防止するために、この支持体の外面に、水に対する低い静的接触角(典型的に10°以下)を有する親水性コーティングを堆積することが可能である。これらの永続的な防曇コーティングは、その親水性特性が、別のコーティング又は支持体に永続的に結合した親水性化合物からもたらされており、曇りに対してスポンジとして作用し、そして透明な印象を与える非常に薄いフィルムを形成することによって、水滴が支持体表面に接着することが可能となる。これらのコーティングは、水の吸収の結果、膨張し、軟化し、そして機械的により弱くなる。
別の解決策は、反射防止特性及び防曇特性を組み合わせることを可能にし、層に永続的な防曇特性をもたらす界面活性剤から部分的に構成される、低い屈折率を有する薄い多孔性層を使用することにある。
防曇特性は、外層として、(疎水性及び撥油性)汚れ付着防止コーティングを含んでなる眼鏡レンズに、スプレー又はワイプの形態で入手可能な商業的な一時的解決策を適用することによっても得ることができる。数回の拭き取り作業後、これらの親水性材料は除去されるため、短期間にわたる防曇特性を得ることが可能である。
より有利な解決策は、防曇コーティングの前駆体コーティングの表面への一時的な親水性解決策の適用によって防曇コーティングを得ることにあり、これは永続的な防曇コーティングの代替物に相当する。
仏国特許出願公開第10.53269号明細書には、少なくとも1個の加水分解性基を有する、ポリオキシアルキレン基及び少なくとも1個のケイ素原子を有するオルガノシラン化合物のグラフト化によって得られた防曇コーティングの前駆体親水性コーティングの、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングによってコーティングされた光学物品の外面における堆積が記載されている。一時的コーティングである適切な防曇コーティングは、前駆体コーティングの表面における界面活性剤の適用後に得られる。防曇コーティングの前駆体コーティングは、典型的に5nm以下の厚さを有する。この最終厚さは、オルガノシラン化合物の適切な量を直接堆積することによって得ることができる。
しかしながら、本発明者らは、同じ最終厚さに達するために、シラノール基を含んでなるコーティングの表面に過剰量のオルガノシラン化合物を堆積させ、そして堆積されたがグラフト化されないこの化合物の過剰量を除去することによって、防曇コーティングの前駆体コーティングを形成することが好ましいことを見出した。本発明者らは、過剰量のオルガノシラン化合物の除去を必要としない厚さを有するグラフト化されたオルガノシラン化合物の層が直接形成された場合、いくつかの場合では、不均等な堆積層及び防曇コーティングの前駆体コーティングが得られる可能性があり、その表面は界面活性剤液体溶液に対して十分な親和性を有さず、それは所望の防曇特性を有しない、一般により耐久性のないコーティングがもたらされることを見出した。そのような再現性の課題は、製造工程が産業的に操作可能であるように、絶対に回避されなければならない。
眼用レンズなどの光学物品の仕上げの最終段階は、エッジング又はトリミングの操作であり、設置されることが意図される眼鏡フレームにレンズを取り付けるために必要な寸法に形成するため、レンズのスライス又は周辺を機械加工することにある。
エッジングは、上記で定義されるような機械加工を実行するダイヤモンドホイールを含んでなるグラインダー上で一般に実行される。この操作の間、軸方向に作用する締め付けデバイスによって、レンズは保持される。ホイールに関するレンズの相対的な運動は、所望の形状を製造するために、一般にデジタル的に制御される。明らかであるように、この運動の間、レンズが堅固に保持されることが必須である。
このため、エッジング操作の前に、レンズにおいてブロック化操作が実行され、すなわち、保持手段又はブロックがレンズの凸面に配置される。典型的に、自動接着性ディスク、例えば両面接着性パッドなどの保持パッド(又は固定パッド)が、ブロックとレンズの凸面との間に配置される。接着性パッドによってレンズが接着するブロックは、次いで、グラインダーの取り付け軸に機械的に固定され、そして軸アームは、ブロックの反対側のレンズの表面に中心力を適用することによって、レンズをロックする。機械加工の間、接線トルク応力がレンズ上で生じ、これは、レンズを保持するためのシステムが十分に有効でない場合、ブロックに対してレンズの回転をもたらす可能性がある。レンズが良好に保持されるかどうかは、主に、保持パッド/レンズ界面の凸面に良好な接着力があるかどうか次第である。
低い表面エネルギー(典型的に14mJ/m未満、一般に12mJ/m以下)を示すフルオロシラン型材料を典型的にベースとする疎水性及び/又は撥油性汚れ付着防止外層を含んでなる光学物品は、パッド/凸面界面の接着力がそれによって不利益に影響を受けることが見られ、それは満足なエッジング操作を困難にするため、直接エッジングすることが不可能である。
表面エネルギーは、Owens−Wendt法(Estimation of the surface force energy of polymers,Owens D.K.and Wendt R.G.,(1969),J.Appl.Polym.Sci.,13,1741−1747)に従って測定される。
エッジングの間、レンズは2°を超える、好ましくは多くとも1°のオフセットが生じてはならず、したがって、レンズの表面へのパッドの接着力は、満足なエッジングを得るために必須である。管理の悪いエッジング操作の間のレンズのスリッピングの結果は、レンズの純然な損失である。
疎水性及び/又は撥油性外部コーティングが提供されるレンズのエッジングの上記困難を解決するため、これらのコーティング上に有機又は無機の性質の一時的なコーティング、特に、MgFの一時的な層、ポリマー性質の剥離可能なコーティング又はポリマー性質の一時的な接着性フィルムを形成することが提供された。これらの一時的な層は、特に、欧州特許第1392613号明細書、欧州特許第1633684号明細書、国際公開第2005/015270号パンフレット、国際公開第03/057641号パンフレット、特開2004−122238号公報及び国際公開第03/092957号パンフレットに記載される。
本発明者らは、外層として過剰量で堆積された、すなわち、その厚さがグラフト化された層よりも厚い防曇コーティング前駆体を含んでなる光学物品は、この層が高い表面エネルギーを有するが、エッジングすることが困難であることを見出した。そのような層は、パッドの良好な特性を可能にすることなく、エッジング操作の間の物品のスリッピングをもたらす。
本発明の目的は、好ましくは3nmを超える厚さを有し、エッジングに適切である防曇コーティングの前駆体コーティングを含んでなる光学物品の調製である。
また本発明は、防曇コーティングの前駆体コーティングによってコーティングされた光学物品のエッジング方法であって、信頼性が高く、エッジング操作の非常に高い成功率を保証し、問題のエッジング操作の間のレンズのスリピングのいずれの課題も回避することを可能にする方法の開発を目的とする。
本発明の初めに、本発明者らは、上記光学物品のエッジングの間に見られる課題が、過剰量の防曇コーティング前駆体の堆積から実際に起こることを実証した。この課題は、エッジングを実行する前に堆積された防曇コーティングのための過剰量の前駆体化合物を完全に除去することによって解決することができることが考えられ得る。しかしながら、この解決策は、エッジングが正しく実行可能であるための除去操作が光学物品の表面の徹底的なクリーニングを必要とし、これは技術的に複雑であるため、産業的に満足できるものではない。パッドの特性を改善するために、親水性層と接着性パッドとの間に配置される接着性フィルム(それらが径の小さいフィルムであり、接着性パッドの径より大きく、レンズの直径未満である場合、ステッカーと呼ばれる)の使用は、それ自体では満足できるものではない。これは、眼鏡製造業者に追加的な費用をもたらし、そして取り扱う上で、その表面に折り目を形成することのないステッカーの堆積は、注意を要する操作であるため、眼鏡製造業者に課題をもたらす。
本発明の目的は、提起される課題を解決するために特別に組成物が設計され、過剰量で堆積された防曇コーティングの前駆体コーティングと固定デバイスとの間に挿入され、そしてエッジング操作の後に除去されなければならない一時的な層の使用によって達成される。
したがって、本発明は、基板であってその主要な表面の少なくとも1つが、その表面にシラノール基を含んでなる第1のコーティングと、このコーティングと直接接触する、防曇コーティングの前駆体である第2のコーティングとによってコーティングされ、防曇コーティングの前駆体である第2のコーティングは、その表面にシラノール基を含んでなる第1のコーティング上での、
− ポリオキシアルキレン基と、
− シラノール基との共有結合を確立することが可能である少なくとも1種の基と
を有する少なくとも1つの化合物Aの堆積によって形成され、防曇コーティングの前駆体である第2のコーティングは、化合物Aの堆積から得られる、前記化合物Aがその表面にシラノール基を含んでなるコーティングにグラフト化される内部部分と、洗浄及び/又は拭き取りによって除去が可能である外部部分とを含んでなり、防曇コーティングの前駆体である第2のコーティングが、一時的な層の全重量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、そしてなお良好には少なくとも70重量%のシリカを含んでなる少なくとも1層の一時的な層によってコーティングされる、基板を含んでなる光学物品に関する。
また本発明は、そのような物品の製造方法、及びエッジング方法に関する。
本特許出願において、基板/コーティング「上」のコーティング、又は基板/コーティング「上」に堆積されたコーティングは、(i)基板/コーティングより上に配置され、(ii)基板/コーティングと必ずしも接触しているわけではなく、すなわち、1種又は複数種の中間コーティングが、基板/コーティングと問題のコーティングとの間に配置されていてもよく(しかしながら、好ましくは前記基板/コーティングと接触している)、そして(iii)基板/コーティングを必ずしも完全に被覆するわけではないコーティングとして定義される。「層1が層2の下に位置する」場合、層2は層1より基板から遠くなることが理解されよう。同様に、「外部」層は、「内部」層より基板から遠くなる。
用語「防曇コーティング」は、本特許出願において、このコーティングによってコーティングされた透明なガラス基板が、前記コーティングを備えていない前記基板上で曇りがもたらされる条件に配置された場合、即座に、コーティングされたガラスを通して観察している観察者に、視力スケールを5メートル離れたところに配置して、>6/10thの視力を可能にするコーティングを意味するものとして理解される。コーティングの防曇特性を評価することを可能にする試験は、実験項に記載される。曇りをもたらす条件で、防曇コーティングは、それらの表面で曇りを示さず(理想的なケースで視覚的歪がない、又は視覚的歪があるが、上記測定条件で>6/10thの視力がある)、或いはそれらの表面で曇りを示し得るが、それでもなお、曇りによって生じる視力への妨害にもかかわらず、上記測定条件で>6/10thの視力を可能にし得る。非防曇コーティングは、曇りをもたらす条件に暴露される場合に>6/10thの視力を可能にせず、そして一般に上記測定条件で凝縮のベールを示す。
用語「防曇ガラス」は、本特許出願において、上記で定義される「防曇コーティング」を備えたガラスを意味するものとして理解される。
したがって、親水性コーティングである本発明による防曇コーティングの前駆体は、本発明の意味の範囲内の防曇コーティングであるものとみなされない。実際に、防曇コーティングのためのこの前駆体は、上記測定条件で>6/10thの視力を可能にしない。
用語「一時的な防曇コーティング」は、少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる液体溶液の、上記防曇コーティングの前駆体コーティングの表面での適用後に得られる防曇コーティングを意味するものとして理解される。一時的な防曇コーティングの耐久性は、一般に、その表面が拭き取られる作業によって限定され、界面活性剤分子は、コーティングの表面に永続的に付着しないが、多少永続的な様式で単純に吸着される。
本発明にしたがって調製された光学物品は、前面主要表面及び背面主要表面を有する基板、好ましくは透明基板を含んでなり、前記主要表面の少なくとも1つは、その表面、好ましくは両主要表面にシラノール基を含んでなるコーティングを含んでなる。基板の「背面表面」(一般に凹)という用語は、物品が使用される時に、着用者の目により近い表面を意味することが理解される。反対に、基板の「前面表面」(一般に凸)という用語は、物品が使用される時に、着用者の目から遠い表面を意味することが理解される。
本発明による物品は、スクリーン、自動車産業若しくは構造産業のための窓、又は鏡などの曇りの形成に直面し得るいずれの光学物品でもあり得るが、好ましくは光学レンズ、さらに良好には眼鏡用の眼用レンズ、又は光学若しくは眼用レンズのためのブランクである。
これは、眼鏡レンズと対照的に曇り形成の課題に本質的に直面しない生きている組織と接触する眼内レンズ又はコンタクトレンズなどの物品を除く。
本発明の、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングを、裸の基板、すなわち、コーティングしてない基板の主要表面の少なくとも1面上、又はすでに1種又は複数種の官能性コーティングによってコーティングされた基板の主要表面の少なくとも1面上に形成することができる。
本発明による光学物品の基板は、鉱物又は有機ガラス、例えば、熱可塑性又は熱硬化性プラスチックから製造された有機ガラスであり得る。
特に好ましい基板の種類は、ポリ(チオウレタン)、ポリエピスルフィド、及びアルキレングリコールビス(アリルカルボネート)の重合又は(共)重合から生じる樹脂である。後者は、例えば、PPG Industries(Orma(登録商標)lenses,Essilor)によって、商標名CR−39(登録商標)で販売される。
いくつかの用途において、基板の主要表面が、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングの堆積の前に、1種又は複数種の官能性コーティングによってコーティングされることが望ましい。従来は光学部品で使用されるこれらの官能性コーティングは、限定されることなく、衝撃耐性プライマーの層、摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性コーティング、極性コーティング、光互変性コーティング又は着色コーティング、特に、摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性層によってコーティングされた衝撃耐性プライマーの層であることが可能である。
その表面にシラノール基を含んでなるコーティングは、摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性コーティング上で堆積することができる。摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性コーティングは、眼用レンズの分野で摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性コーティングとして従来から使用されるいずれの層でもあり得る。
摩耗及び/又はスクラッチに耐性のあるコーティングは、好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート又はシランをベースとする硬質コーティングであって、一般に、一度硬化されたコーティングの硬度及び/又は屈折率を増加させる意図の1種又は複数種の無機充填剤を含んでなる。用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味するものとして理解される。
本発明で推薦されるコーティングの間でも、欧州特許第0614957号明細書、米国特許第4211823号明細書及び米国特許第5015523号明細書に記載されるエポキシシラン加水分解物をベースとするコーティングが記載されてよい。
摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性コーティングの厚さは、一般に、2〜10μm、好ましくは3〜5μmで変化する。
摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性コーティングの堆積の前に、基板上に、最終製品においてその後の層の衝撃強度及び/又は接着力を改善するプライマーコーティングを堆積することが可能である。
このコーティングは、眼用レンズなどの透明なポリマー材料から製造された物品に従来から使用される任意の衝撃耐性プライマー層であり得る。
好ましいプライマー組成物の間で、特開昭63−141001号公報及び特開昭63−87223号公報に記載されるものなどの熱可塑性ポリウレタンをベースとする組成物、米国特許第5015523号明細書に記載されるものなどのポリ(メタ)アクリルプライマー組成物、欧州特許第0404111号明細書に記載されるものなどの熱硬化性ポリウレタンをベースとする組成物、米国特許第5316791号明細書及び欧州特許第0680492号明細書に記載されるものなどのポリ(メタ)アクリルラテックス又はポリウレタン型のラテックスをベースとする組成物が記載されてもよい。
プライマー層は、一般に、硬化後に、0.2〜2.5μm、好ましくは0.5〜1.5μmの厚さを有する。
ここで、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングを説明する。用語「その表面にシラノール基を含んでなるコーティング」は、本来その表面にシラノール基を有するコーティング、又は表面活性化処理の後にシラノール基が生じるコーティングを意味するものとして理解される。したがって、このコーティングは、シロキサン又はシリカをベースとするコーティングであり、例えば、限定されないが、シリカ層、特にアルコキシシランなどのオルガノシランをベースとするソルゲルコーティング、又はシリカコロイドをベースとするコーティングである。特に、摩耗耐性及び/又はスクラッチ耐性コーティング、或いは好ましい実施形態に従うと、外層がその表面にシラノール基を有する単層反射防止コーティング又は多層反射防止コーティングであることが可能である。用語「スタックの外層」は、基板から最も遠い層を意味するものとして理解される。
シラノール基を生じさせるため、又はコーティングの表面におけるそれらの割合を少なくとも増加させるために任意に使用される表面活性化処理は、真空下で一般に実行される。エネルギー及び/又は反応実体による衝撃であることが可能であり、例えば、イオンビーム(Ion Pre−Cleaning又はIPC)又は電子ビーム、コロナ放電処理、イオン破砕、UV処理又は真空プラズマ処理である。酸又は塩基表面処理及び/又は溶媒による処理であることもできる。これらの処理のいくつかを組み合わせることができる。
用語「エネルギー実体」(及び/又は「反応実体」)は、特に、1〜300eV、好ましくは1〜150eV、なお良好には10〜150eV、さらに良好には40〜150eVの範囲のエネルギーを有するイオン実体を意味するものとして理解される。エネルギー実体は、イオン又はラジカル、或いは光子又は電子などの実体などの化学実体であり得る。
その表面にシラノール基を含んでなるコーティングは、好ましくは、シリカ(シリカを含んでなる)をベースとし、そして理想的には一般に気相堆積によって得られるシリカ(SiO2)の層からなる低い屈折率を有する層である。前記シリカをベースとする層は、好ましくは500nm以下、良好には2〜110nm、そして好ましくは5〜100nmで変化する厚さを有する。
その表面にシラノール基を含んでなるコーティングは、好ましくは、少なくとも70重量%のSiO、良好には少なくとも80重量%のSiO、なお良好には少なくとも90重量%のSiOを含んでなる。上記のとおり、最適の実施において、100重量%のシリカを含んでなる。
その表面にシラノール基を含んでなるコーティングは、アルコキシシラン、例えばテトラエトキシシラン、又はオルガノシラン、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシランをベースとするソルゲルコーティングであることもできる。そのようなコーティングは、シラン加水分解物及び高(>1.55、好ましくは>1.60、良好には>1.70)、又は低(≦1.55)屈折率を有する任意にコロイド状材料を含んでなる液体組成物を使用することによって、液体ルートによって堆積によって得られる。層がシランをベースとするハイブリッド有機/無機マトリックスを含んでなり、マトリックスが分散されたコロイド状材料であって、各層の屈折率を調節することが可能である、そのようなコーティングは、例えば、仏国特許第2858420号明細書に記載される。
本発明の一実施形態に従うと、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングは、摩耗耐性コーティング上に堆積され、好ましくは、この摩耗耐性コーティング上に直接に堆積されたシリカをベースとする層である。
好ましい実施形態を構成する本発明の別の実施形態に従うと、本発明による光学物品は、反射防止コーティングを含んでなる。そのようなコーティングが存在する場合、一般に、本発明の意味の範囲内のその表面にシラノール基を含んでなるコーティングを構成する。この反射防止コーティングは、光学分野、特に眼科光学の分野で従来から使用されるいずれかの反射防止コーティングであり得るが、ただし、その表面にシラノール基を含んでなることを条件とする。
反射防止コーティングは、光学物品の表面で堆積されるコーティングとして定義され、最終光学物品の反射防止特性を改善する。可視スペクトルの比較的広い部分で、物品/空気界面における光の反射を低下させることが可能である。
また周知であるように、反射防止コーティングは、従来は、誘電体物質の単層又は多層スタックを含んでなる。これらは好ましくは多層膜コーティングであり、高い屈折率(HI)を有する層と低い屈折率(LI)を有する層を含んでなる。
本特許出願において、反射防止コーティングの層は、その屈折率が1.55より高い、好ましくは1.6以上、良好には1.8以上、なお良好には2.0以上である場合、高い屈折率を有する層であると記載される。反射防止コーティングの層は、その屈折率が1.55以下、好ましくは1.50以下、良好には1.45以下である場合、低い屈折率を有する層であると記載される。特に明記されない限り、本発明で引用される屈折率は、550nmの波長に関して、25℃で表される。
HI及びLI層は、それぞれ、当該技術において周知の高い屈折率及び低い屈折率を有する従来の層であり、堆積の組成、厚さ及び方法については、特に、国際公開第2010/109154号パンフレットに記載されている。
好ましくは、反射防止コーティングの全体の厚さは1マイクロメートル未満、良好には800nm以下、なお良好には500nm以下である。反射防止コーティングの全体の厚さは、一般に100nmより厚く、好ましくは150nmより厚い。
その表面にシラノール基を含んでなるコーティングにおける防曇コーティングの前駆体形成の前に、防曇コーティングの前駆体の接着力を増加させることが意図された物理的又は化学的活性化処理をこのコーティングの表面に行うことが標準的である。これらの処理は、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングの活性化に関して上述のものから選択することができる。
本発明に従うと、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングは、ここで記載される防曇コーティングの前駆体コーティングと直接接触する。
用語「防曇コーティングの前駆体」は、本特許出願において、その表面で、フィルムを形成するための界面活性剤を含んでなる液体溶液の適用によって、本発明の意味の範囲内の防曇コーティングを構成するコーティングを意味するものとして理解される。前駆体コーティングと界面活性剤をベースとする溶液のフィルムによって形成される組み合わせが、適切に防曇コーティングを構成する。
防曇コーティングの前駆体コーティングは、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングにおける、ポリオキシアルキレン基と、シラノール基との共有結合を確立することが可能な少なくとも1個の基とを有する少なくとも1種の化合物Aの十分な量の堆積によって形成される。本発明に従うと、化合物Aの堆積によって、前記化合物Aが、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングに永続的に(単純な吸着によってではなく)グラフト化される内部部分と、洗浄及び/又は拭き取りによって除去が可能である外部部分とを含んでなる防曇コーティングの前駆体コーティングが形成される。
そのような構造に達するために、シラノール基を含んでなるコーティングの表面に過剰量の化合物Aを堆積させることが必要である。そのような構造に達するために堆積パラメーターを調節することは、当業者の範囲内である。
用語「過剰量」は、シラノール基を含んでなるコーティングの表面で化合物Aのグラフト化層を形成するために必要とされる量よりも多い化合物Aの量を意味するものとして理解される。
したがって、防曇コーティングの前駆体コーティングは、好ましくは3nm以上、より良好には≧5nm、なおより良好には≧8nmと理想的には≧10nmの厚さを有するコーティングである。その厚さは、好ましくは100nm未満、より良好には≦50nm、なおより良好には≦20nmである。典型的に3〜100nm、好ましくは5〜50nmの範囲にある。
防曇コーティングの前駆体コーティングの外部部分は、洗浄及び/又は拭き取りによって除去可能であり、このことは、特に、石鹸水(界面活性剤を含む)によってスポンジを使用して、次いで脱イオン水で洗浄することによって、そして/又は乾燥しているか、又はアルコール、典型的にイソプロピルアルコールで任意に含浸されるCEMOI(商標)、Wypall(商標)又はSelvith(商標)布を使用して、典型的に20秒以内で拭き取ることによって除去されることを意味する。この拭き取り操作の後には、脱イオン水でさらにすすぐことと、布切れを用いての最終拭き取りを任意に行うことができる。
化合物Aは、その反応性基によって、堆積されたコーティングの表面に存在するシラノール基との共有結合を確立することが可能である。この基は、限定されないが、イソシアネート、アクリレート、メタクリレート、ハロアルキル、カルボン酸、スルホン酸、アシルクロリド、クロロスルホニル、クロロホルメート又はエステル基、少なくとも1個の加水分解性基又はエポキシド官能基、例えばグリシジル基を含んでなる基を有するケイ素原子、好ましくは、少なくとも1個の加水分解性基を有するケイ素原子である。
化合物Aは、好ましくはオルガノシラン化合物であり、そのシラノール基と共有結合を確立することが可能な基は、少なくとも1個の加水分解性基を有するケイ素原子である。そのポリオキシアルキレン鎖は、一端又は両端で、好ましくは一端で、少なくとも1個の加水分解性基を有する少なくとも1個のケイ素原子を含んでなる少なくとも1個、好ましくは1個のみの基によって官能化される。このオルガノシラン化合物は、好ましくは、少なくとも2つの加水分解性基、好ましくは3つの加水分解性基を有するケイ素原子を含んでなる。好ましくは、ウレタン基を含まない。好ましくは次式:
Si(X)3−m (I)
(式中、Y基は、同一であるか、又は異なって、炭素原子を介してケイ素に結合した一価の有機基であり、X基は、同一であるか、又は異なって、加水分解性基又はヒドロキシル基であり、Rは、ポリオキシアルキレン官能基を含んでなる基であり、そしてmは0、1又は2に等しい整数であり、好ましくはm=0である)の化合物であり得る。
X基は、好ましくは、アルコキシ基−O−R、特に、C〜Cアルコキシ基、Rがアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基、好ましくはメチル又はエチル基であるアシルオキシ基−O−C(O)R、Cl及びBrなどのハロゲン、又はトリメチルシロキシ基(CHSiO−、及びこれらの基の組み合わせから選択される。好ましくは、X基は、アルコキシ基、特にメトキシ又はエトキシ基、より良好にはエトキシ基である。
mがゼロでない場合に存在するY基は、好ましくは、飽和又は不飽和炭化水素基、好ましくはC〜C10炭化水素基、より良好にはC〜C炭化水素基、例えば、メチル又はエチルなどのアルキル基、ビニル基又はアリール基、例えば、フェニル基、であって、特に1個又はそれ以上のC〜Cアルキル基によって任意に置換されるものである。好ましくは、Yはメチル基に相当する。
好ましい実施形態によると、式Iの化合物は、トリエトキシシリル又はトリメトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基を含んでなる。
オルガノシラン化合物(R基)のポリオキシアルキレン基は、好ましくは、80個未満の炭素原子、より良好には60個未満の炭素原子、さらにより良好には50個未満の炭素原子を含んでなる。R基は、好ましくはこれらの同一条件を満たす。
基は、一般に式−L−Rを有し、式中、Lは、炭素原子を介して式I又はIIの化合物のケイ素原子に結合した二価基であり、そしてRは、R基に含まれる酸素原子を介してL基に結合したポリオキシアルキレン基を含んでなる基である。L基の非限定的な例は、任意に置換される直鎖又は分枝状アルキレン基であり、シクロアルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、アミド基又はこれらの基の組み合わせ、例えば、シクロアルキレンアルキレン、ビスシクロアルキレン、ビスシクロアルキレンアルキレン、アリーレンアルキレン、ビスフェニレン、ビスフェニレンアルキレン又はアミドアルキレン基であり、その例は、CONH(CH基、又は−OCHCH(OH)CH−及び−NHC(O)−基である。好ましいL基は、アルキレン基、好ましくは直鎖アルキレン基、好ましくは10個以下の炭素原子、より良好には5個未満の炭素原子を有するもの、例えば、エチレン及びプロピレン基である。
好ましいR基は、ポリオキシエチレン基−(CHCHO)−、ポリオキシプロピレン基又はこれらの基の組み合わせを含んでなる。
好ましい式Iのオルガノシランは、次式II:
(X)3−mSi(CHn’−(L')m’−(OR)−O−(L’’)m’’−R' (II)
(式中、R’は、水素原子、直鎖又は分枝状であり、1個又はそれ以上の官能基によって任意に置換され、そして1個又はそれ以上の二重結合を追加的に含んでなることが可能であるアシル基又はアルキル基であり、Rは、直鎖又は分枝状アルキレン基、好ましくは直鎖アルキレン基、例えば、エチレン又はプロピレン基であり、L’及びL’’は二価基であり、X、Y及びmは上記で定義されたとおりであり、n’は1〜10、好ましくは1〜5の整数であり、nは2〜50、好ましくは5〜30、より良好には5〜15の整数であり、m’は0又は1、好ましくは0であり、そしてm’’は0又は1に等しく、好ましくは0である)の化合物である。
L’及びL’’基は、存在する場合、上記の二価の基Lから選択することが可能であり、そして好ましくは−OCHCH(OH)CH−基又は−NHC(O)−基に相当する。この場合、−OCHCH(OH)CH−又は−NHC(O)−基は、それらの酸素原子(−OCHCH(OH)CH−基に関して)又はそれらの窒素原子(−NHC(O)−基に関して)を介して、隣接する基(CHn’(L’基の場合)及びR’(L’’基の場合)に結合される。
−O−(L’’)m’’−R'基は、好ましくはアルコキシ基(m’’=0、R’=アルキル)、理想的にはメトキシ基である。
好ましくは、式(I)又は(II)の化合物は、少なくとも1個の加水分解性基を有する1個のケイ素原子を含んでなる。
一実施形態によると、m=0であり、加水分解性基Xはメトキシ又はエトキシ基を示す。n’は、好ましくは3に等しい。別の実施形態によると、R’は、5個未満の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基を示す。R’は、脂肪族又は芳香族アシル基、特にアセチル基を示すことも可能である。
最後に、R'は、Rが上記で定義されるX基などの加水分解性基であり、そしてn’’が上記で定義されるn’基などの整数である−(CHn’’Si(R基などのトリアルコキシシリルアルキレン又はトリハロシリルアルキレン基を示すことができる。そのようなR’基の例は−(CHSi(OC基である。本実施形態において、オルガノシラン化合物は、少なくとも1個の加水分解性基を有する2個のケイ素原子を含んでなる。
好ましい実施形態によると、nは3に等しいか、又は6〜9、9〜12、21〜24、25〜30、好ましくは6〜9で変化する。
式IIの化合物の例として、Gelest Inc.又はABCRから販売される式CHO−(CHCHO)6−9−(CHSi(OCH(III)及びCHO−(CHCHO)9−12−(CHSi(OCH(IV)の2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン化合物、式CHO−(CHCHO)−(CHSi(OCH(VIII)の化合物、n=21〜24である式CHO−(CHCHO)−(CHSi(OCの化合物、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリクロロシラン、式CHC(O)O−(CHCHO)6−9−(CHSi(OCHの2−[アセトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、式CHC(O)O−(CHCHO)6−9−(CHSi(OCの2−[アセトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン、式HO−(CHCHO)6−9−(CHSi(OCHの2−[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、式HO−(CHCHO)6−9−(CHSi(OCの2−[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン、式HO−(CHCHO)8−12−(CHSi(OCH及びHO−(CHCHO)8−12−(CHSi(OCの化合物、(ポリプロピレンオキシド)−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]及び2個のシロキサン頭部を含んでなる化合物、例えば、式(V)の(ポリエチレンオキシド)−ビス[3−(トリエトキシシリルプロポキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]、n=10〜15である式(VI)の(ポリエチレンオキシド)−ビス[N−(トリエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]及び式(VII)の(ポリエチレンオキシド)−ビス(トリエトキシシリルプロピル):
が記載されてもよい。
式IIの好ましい化合物は、[アルコキシ(ポリアルキレンオキシ)アルキル]トリアルコキシシラン又はそれらのトリハロ類似物(m=m'=m’’=0、R'=アルコキシ)である。
好ましくは、本発明のオルガノシラン化合物は、フッ素原子を有しない。典型的に、防曇コーティングの前駆体コーティングのフッ素の重量による含有量は、5重量%未満、好ましくは1重量%未満、そしてより良好には0重量%である。
好ましくは、本発明による化合物Aのモル質量は、400〜4000g/mol、好ましくは400〜1500g/mol、より良好には400〜1200g/mol、なおより良好には400〜1000g/molの範囲である。
本発明の一実施形態によると、防曇コーティングの前駆体は、防曇コーティングの前駆体の全重量に対して、80重量%より多く、好ましくは90重量%より多くの本発明によるオルガノシラン化合物を含んでなる。一実施形態によると、防曇コーティングの前駆体は、前記オルガノシラン化合物の層からなる。
好ましくは、本発明の防曇コーティングの前駆体は、コーティングの全重量に対して、5重量%未満の金属酸化物又は半金属酸化物(例えばシリカ又はアルミナ)を含んでなり、そしてより良好にはそれを含まない。防曇コーティングの形成のために使用されるオルガノシラン化合物が真空下で堆積される場合、好ましくは、欧州特許第1324078号明細書に記載される少なくとも1種の有機化合物と、少なくとも1種の無機化合物との同時蒸着の技術に従うと、金属酸化物は同時蒸着されない。
本発明の防曇コーティングの前駆体は、好ましくは、10°より厳密に高く、そして厳密に50°未満、好ましくは45°以下、より良好には≦40°、なおより良好には≦30°、そして理想的には≦25°の水との静的接触角を有する。この接触角は、好ましくは15°〜40°、より良好には20°〜30°の範囲である。その表面エネルギーは好ましくは少なくとも15mJ/mであり、そしてより良好には少なくとも25mJ/mである。これらの異なる値は、最初に堆積された防曇コーティングの前駆体(化合物Aの過剰量を含む)、そして/又は本発明の一時的な層の除去から得られる防曇コーティングの前駆体、好ましくは両方によって確認される。
シラノール基を含んでなるコーティング表面の化合物Aの堆積は、通常の技術に従って、好ましくは、気相又は液相堆積、理想的には気相堆積によって、真空蒸着によって実行可能である。蒸着及び堆積の速度に対するより良好な制御を及ぼすために、化合物Aを、蒸着させる前に溶媒に予め溶解することができる。
本発明の一実施形態によると、前駆体コーティングは、化合物Aがオルガノシランである場合、化合物Aの加水分解物を含んでなる組成物の適用によって堆積される。この場合、グラフト化の前にシロキサンプレポリマーの形成を制限するために、(酸性水溶液、典型的にHClの添加によって)加水分解を実行した後、加水分解後かなり迅速に、典型的に2時間以内、好ましくは1時間以内、より良好には30分以内に組成物を適用することが勧められる。しかしながら、気体ルートによって前記オルガノシランを堆積させることが好ましい。
本発明による化合物Aの堆積後、拭き取りによって除去することが可能なコーティングの外部部分は、洗浄によっても拭き取りによっても好ましくは除去されず、又は部分的にしか除去することができず、したがって、この前駆体コーティングは、エッジングの間の保持パッドへの接着力の課題を示す。
本発明による少なくとも1層の一時的な層は、防曇コーティングの前駆体コーティング上に直接形成される。同一又は異なる材料をベースとする本発明によるいくつかの一時的な層を、お互いの上に形成することができる。
一実施形態によると、防曇コーティングの前駆体コーティングは、お互いに接着する2層の同一又は異なる一時的な層によってコーティングされる。各一時的な層は、この一時的な層の全重量に対して少なくとも50重量%のシリカを含んでなる。
しかしながら、単一のみ、又は2種の一時的な層、理想的には1種のみを使用することが好ましい。本説明は、簡潔さのため、この観点から本質的に記載されるが、複数の一時的な層を使用する場合にも適用される。
この層は、一時的な層の全重量に対して、少なくとも50重量%のシリカ、好ましくは少なくとも60重量%のシリカ、より良好には少なくとも70重量%のシリカを含んでなる。好ましくは少なくとも80重量%のシリカ、より良好には少なくとも90重量%のシリカ、なおより良好には少なくとも95重量%のシリカを含んでなる。本発明の一実施形態によると、一時的な層はシリカの層からなる。
一時的な層がシリカのみを含んでならない場合、好ましくは、金属酸化物、好ましくはアルミナ(Al)などの誘電体物質である他の材料を含んでなる。
SiO及びAlの混合物を含んでなる一時的な層が使用される場合、好ましくは、この層のSiO+Alの全重量に対して、1重量%〜10重量%、より良好には1重量%〜8重量%、なおより良好には1重量%〜5重量%のAlを含んでなる。例えば、2重量%〜4重量%のAlによってドープされたSiO、又は2.5重量%〜5重量%のAlによってドープされたSiO、或いは4重量%〜8重量%のAlによってドープされたSiOを使用することができる。Umicore Materials AGによって販売されるLima(登録商標)4又はLima(登録商標)8、或いはMerck KGaAによって販売される材料L5(登録商標)などの商業的に入手可能なSiO/Al混合物を使用することができる。
本発明による一時的な層の材料は、防曇コーティングのために前駆体コーティングの表面特性に悪影響を及ぼさず、そしてエッジング段階の後のその後の操作の間に除去することが可能である。防曇コーティングの前駆体コーティングの表面に残渣が残ることなく、一時的な層の回収が実行されるように、この一時的な層の材料は満足な凝集力を有する。
一般に、一時的な層は、物品の処理の様々な段階の間の防曇コーティングの前駆体コーティングの特性における任意のその後の有害な変化を防ぐために十分な厚さを有する。その厚さは、好ましくは≧5nm、より良好には≧10nm、好ましくは≦200nm、より良好には≦100nm、なおより良好には≦50nmである。典型的に5〜200nm、好ましくは10〜100nmの範囲である。
一時的な層は、好ましくは、50°未満、より良好には40°未満、なおより良好には30°未満の水に対する静的接触角を示す。その表面エネルギーは好ましくは少なくとも15mJ/m、そしてより良好には少なくとも25mJ/mである。
一時的な層は、蒸気相(真空蒸着)又は液相で、例えば、噴霧、遠心分離又は浸によって、いずれかの適切な従来の方法によって堆積することができる。
一時的な層は、好ましくは、気体ルートによって、特に真空蒸着によって堆積される。これは、真空処理による堆積が一時的な層の厚さの正確な制御を可能にして、分散を最小化するからである。これは、利用可能な他の技術的解決策による場合には必ずしも必要とされない。加えて、この真空処理は、特に光学物品が反射防止コーティングを備える場合、光学物品の処理のための工業的方法に直接組み込むことが可能であるという利点を示す。
好ましくは、一時的な層の堆積は、堆積段階の間に追加的な気体を供給することなく真空チャンバーで実行される。この堆積技術は、回避することが好ましく、気体−圧力調節堆積として知られており、限定されないが、アルゴン、酸素又はそれらの混合物などの追加的な「パッシブ」気体を層の堆積の間真空堆積チャンバへ導入することにある。この圧力を調節された堆積は、イオン促進された堆積と異なる。
一時的な層は、防曇コーティングの前駆体コーティングを少なくとも部分的に被覆するように形成される。
堆積は、接着性の保持パッド/ブロックシステムを受け取ることが意図される光学物品の表面の全表面上に、又は保持パッド/ブロックシステムの部分上に実行されることができる。特に、一時的な層は、保持パッドの接触を受け取ることが意図される範囲のみ、例えば物品の中心部に適用することができる。
一時的な層は、目標とする表面に均一に被覆することができ、すなわち、連続構造を示すことができるが、しかし、非連続構造を示すこともでき、例えば、網目構造の形態を取ることができる。この種類の構造は、一時的な層の堆積を所望の範囲に限定するため、物品の表面でマスクの適用によって得ることができる。
一時的な層によって被覆される範囲は、この層と保持パッドとの間の接触面が、パッドに対するレンズの接着力を確実にするために十分であるようなものである。一般に、一時的な層は、パッドが接着する光学物品の表面、すなわち、レンズである場合、その凸面表面の少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より良好には少なくとも30%、さらにより良好には少なくとも40%、そして好ましくは表面の全てを被覆する。
本発明による一時的な層の堆積の後、エッジングのために適切な光学物品が得られる。この一時的な層は、好ましくは光学物品の外層、すなわち、空気と接触するその層を構成する。しかしながら、後者の上で、他の一時的なフィルム又は層を堆積することが可能であり、これは、物品において、好ましくは15mJ/m以上の表面エネルギーを参照して、光学物品、特に、例えば、ラテックスから形成されるポリマー性質のフィルムのエッジングを可能にする。
本発明で使用される一時的な層は、数多くの利点を示す。これは、光学物品の透明性に影響を及ぼさず、この一時的な層によってコーティングされた物品において、レンズメーターでの電力の従来の測定を実行することが可能なままである。可変焦点レンズの当業者によって一般に使用される様々なマーキングインクの手段によって、マーキングを受けることができる。また、特に、物品が紙封筒で保管されて流通される眼用レンズである場合、物品の貯蔵及び取り扱いの間に生じる摩擦作用に耐えるために一般に十分な機械強度も有する。
欧州特許出願第1664906号明細書に記載されるように、静電ルートによって一時的な層の表面上に粘着性フィルムを堆積させることが可能である。
また本発明は、
− 光学物品の表面に接着する接着性パッドの手段によって光学物品を保持デバイスに取り付ける工程と(ブロック化)、
− エッジングデバイスにおいて、光学物品が接着性パッドによって接着する保持デバイスに取り付ける工程と、
− 光学物品の周辺を機械加工することによって光学物品をエッジングする工程と、
− 光学物品を回収した後(非ブロック化)、一時的な層を除去する工程と
を含んでなる上記で定義される光学物品のエッジング方法に関する。
光学物品が眼鏡レンズである場合、エッジング段階によって、フレームの寸法及び形状に形成することが可能である。
一方で防曇コーティングの前駆体コーティングへのその良好な接着力のため、そして他方で物品の表面のパッドの標準及び接線の接着力を改善することによって、一時的な層又は被覆層によって、エッジング操作の間に保持パッドを光学物品に直接適用すること、及び強固に保持することが可能である。この理由から、スリッピング及びオフセット、並びに非ブロック化の現象は回避され、信頼性が高いエッジングを実行することが可能となる。
加えて、エッジング後、非常に良好に物品を保持することが可能になる。これは、光学物品における主要なエッジング操作の後、繰り返しエッジング操作及び/又はドリリング操作を実行することが望ましいためであり、ドリルされた領域は、例えば、眼鏡レンズの場合、眼鏡フレーム側面断片への接着点として作用する。これらの後者の段階に関して、特に国際公開第2009/071818号パンフレット、そして特にレンズのドリリングに関して記載されるが、ブロック/接着性の保持パッドアセンブリに関して、正孔をドリリングするためのドリルを配置することを可能にする参照点を構成するため、物品の表面上の位置に保持することが必須である。
この方法の間に使用可能であるブロック及び非ブロック段階及び保持システムは、当業者にとっては従前通りであり、欧州特許第1392613号明細書及び国際公開第2010/055261号パンフレットに詳細に記載されている。
本発明によるエッジング方法によって、2°及び最適には1°以下の最大オフセットを受けた光学物品が提供される。
一時的な層が除去される前に、エッジング段階の後には、繰り返しエッジング段階及び/又はドリリング段階が任意に続き得る。
本発明による一時的な層は、エッジングの後、非常に容易に除去することが可能な利点を示す。
この層の除去の段階は、液体媒体で、又は拭き取りによって、特に乾燥拭き取りによって、又はこれらの2つの手段の組み合わせの使用によって実行することができる。この段階は、上記洗浄及び拭き取り段階から選択することができる。液体媒体中での除去のための他の方法は、国際公開第03/057641号パンフレットに特に記載される。布又は布切れによる拭き取りは、好ましい除去技術である。
堆積された過剰量の化合物A、すなわち、拭き取りによって除去可能な防曇コーティングの前駆体コーティングの外部部分の除去ももたらす一時的な層の除去後、実際にグラフト化された化合物Aを含んでなる防曇コーティングの前駆体コーティングの内部部分のみが、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングの表面に残存する。したがって、グラフト化されてない分子は除去される。
この除去段階の後に残存する防曇コーティングの前駆体コーティングの厚さは、好ましくは5nm以下、より良好には3nm以下である。したがって、光学物品の表面に堆積された化合物Aは、好ましくは、単分子又は実質的に単分子層を形成する。
この方法は、さらに、一時的な層の除去後、及びそれによって一時的な防曇コーティングへの接近を可能にする拭き取りによって除去可能な防曇コーティングの前駆体コーティングの外部部分の除去後に得られる防曇コーティングの前駆体コーティングの表面における、少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる液体溶液のフィルムの堆積の追加的な段階を含んでなることができる。
したがって、優れた防曇特性を有する光学物品は回収され、このことは、本発明による一時的な層が、物品の防曇特性に対して、いずれの悪影響も及ぼさないことを意味する。そして、防曇コーティングの特性の耐久性に影響を及ぼさない。
この溶液は、それらが可視の曇りを形成しないように、レンズの表面上に水滴を分散させることに役立つ均一な層をそれらの表面で生じさせることによって、曇りに対する一時的な保護を有するレンズを提供する。
界面活性剤溶液の適用は、いずれかの既知の技術によって、特に浸漬、遠心分離又は噴霧によって実行可能である。
界面活性剤溶液は、好ましくは、防曇コーティングの前駆体の表面で、この溶液の液滴の堆積によって、次いで、好ましくは前記前駆体コーティングの全てを被覆するために拡散することによって適用される。
適用された界面活性剤溶液は、一般に、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より良好には2重量%〜8重量%の界面活性剤を含んでなる水溶液である。
様々な種類の界面活性剤を使用することができる。これらはイオン性(カチオン性、アニオン性若しくは両性)又は非イオン性、好ましくは非イオン性又はアニオン性であることが可能である。しかしながら、これらの異なる部類に属する界面活性剤の混合物を想定することができる。好ましくは、ポリ(オキシアルキレン)基を含んでなる界面活性剤が使用される。
スプレー又はワイプの形態で入手可能な界面活性剤を含んでなる商業的なクリーニング溶液が有利には使用される。防曇特性を与える商業的に入手可能な界面活性剤溶液は、NanofilmからのClarity Defog it(登録商標)溶液である。
本発明の防曇コーティングは、好ましくは、10°以下、より良好には5°以下の水に対する静的接触角を示す。
本発明は、
a)基板であってその主要表面の少なくとも一面が、その表面にシラノール基を含んでなるコーティングによってコーティングされた基板を提供する工程と、
b)その表面にシラノール基を含んでなるコーティングに前記化合物Aがグラフト化されている内部部分と、洗浄及び/又は拭き取りによって除去が可能である外部部分とを含んでなる防曇コーティングの前駆体であるコーティングを得るために、好ましくは真空蒸着によって、ポリオキシアルキレン基と、シラノール基との共有結合を確立することが可能な少なくとも1個の基とを有する少なくとも1種の化合物Aを前記コーティング上で堆積させる工程と、
c)好ましくは真空蒸着によって、一時的な層の全重量に対して少なくとも50重量%のシリカを含んでなる少なくとも1層の一時的な層を、防曇コーティングの前駆体であるコーティング上に堆積する工程と
を含んでなる、上記で定義された光学物品、好ましくは眼用レンズの調製方法に関する。
以下の実施例は、さらに詳細に本発明を説明するが、限定は暗示されない。特に明記しない限り、本特許出願において示される全ての厚さは、測定された物理的厚さである。
1.使用される材料及び光学物品
シリカは、Optron Inc.によって供給される顆粒の形態で使用される。シリカとアルミナの混合物は、Umicore及びMerck KGaAによって供給された。防曇コーティングの前駆体を形成するために実施例で使用されるオルガノシラン化合物は、6〜9個のエチレンオキシド単位(実施例1〜4、6、7)及び450〜600g/molのモル質量を有する、式(III)の2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシランである(CAS番号:65994−07−2、参照:SIM6492.7、Gelest Inc.から供給)。
様々な層(反射防止、防曇コーティングの前駆体コーティング、一時的な層)を堆積させることを可能にする真空蒸着デバイスは、Satis 1200 DLFデバイスである(プロセスを開始させる時の開始圧力:3.5×10−3Pa)。
本発明による実施例で使用されるレンズは、欧州特許第614957号明細書の実施例3に定義される組成物を堆積させて硬化させることによって、記載される順番の材料の真空蒸着によって摩耗耐性コーティング上で堆積された5層ZrO/SiO/ZrO/ITO/SiO(層のそれぞれの厚さ:29、23、68、6.5及び85nm、それぞれの堆積速度:0.32、0.7、0.32、0.13、1.05nm/秒)を含んでなる反射防止コーティングによってコーティングされる、3ミクロン程度の厚さを有する摩耗耐性コーティングによってそれ自体コーティングされた、1ミクロン単位の厚さを有するポリウレタン衝撃耐性プライマーをその表面のそれぞれに含んでなる、ポリ(ビスフェノールAカルボネート)製のレンズ基板(補正−8.00ジオプター、+2.00シリンダー)を含んでなる。ZrO層は、イオン補助なしでパッシブO(6.10−3Pa)の導入によって堆積する。ITO層は、パッシブOの寄与なしで、酸素イオン(2A、120V)のイオン補助下で堆積する。ITO層は、スズ(In:Sn)によってドープされた酸化インジウムの電気伝導層である。
反射防止コーティングの堆積の前に、摩耗耐性コーティングを含んでなるレンズに、真空下、3.5×10−5ミリバールの圧力で(1分、3A、150V)、典型的にアルゴンイオンによるイオン衝撃を実行することを含む表面活性化(IPC)処理を行う。
実施例において、防曇コーティングの前駆体の堆積の前に、反射防止コーティングにいずれの活性化処理も行わない。
2.防曇コーティングの前駆体の気相堆積
堆積は、ジュール効果熱供給源を使用する真空蒸着によってレンズの反射防止コーティング上に実行する。150μlの式(III)のシロキサン化合物を銅皿へ注ぎ入れ、そしてこの皿を、伝導性タンタル製の加熱支持体に置く。式(III)のシロキサン化合物の蒸着圧力は、一般に、5.10−4から8.10−4Paまで変化する(堆積速度:0.3nm/秒)。この試験によって、13°の水に対する静的接触角を有する9〜15nmの厚さを有する層(シロキサン化合物の過剰量を含む)が得られる。
3.一時的な層の堆積
7、12、24又は48nmの厚さを有する本発明による一時的な層又は比較の層を、真空チャンバー中での真空蒸着によって、上記防曇コーティングの前駆体コーティング上に形成した(堆積速度:0.7nm/秒)、P=3.10−3Pa、パッシブ気体又はイオン補助の寄与なし。一般に青っぽい外観(拭き取り及び/又は洗浄後に消滅する)を示す眼用レンズが得られる。一時的な層の厚さ及び屈折率によって他の色も可能である。本発明による一時的な層は、22〜23°の水に対する静的接触角を有する。
そのように調製された物品の性能を、調製の1週間後に、以下の項目に記載の4つの試験を行うことで評価した。
4.調製された物品の性能の評価
a)非ブロック化試験
非ブロック化試験は、レンズの凸面表面にブロック+保持パッドアセンブリを接着し、次いで、エッジングの間に一般に使用される水への曝露を再現するために、45秒間、蛇口水による散水(25℃の水)に組み合わせることを含む。試験を通して、レンズ上のブロック+保持パッドアセンブリの挙動を観察する。評価システムは以下の通りである:
0=不十分な保持パッドの挙動
1=良好な保持パッドの挙動であるが、保持パッドは容易に外れる
2=良好な保持パッドの挙動であるが、保持パッドは外れるのが困難である
b)拭き取りによる一時的な層の除去に関する試験
除去と、外層として防曇コーティングの前駆体コーティングを含んでなるレンズを得る目的で、Selvith(商標)型の布切れを使用して、一時的な層を手で拭き取る。評価システムは以下の通りである:
0=乾燥した、又は湿った布切れで除去するのが不可能な一時的な層
1=乾燥した、又は湿った布切れで除去するのが困難な一時的な層
2=乾燥した布切れで除去するのが容易な一時的な層
c)防曇性能の試験
この試験を受けるレンズは、項目b)に記載される一時的な層の除去に関して、予め試験を行った。Nanofilmによって製造される界面活性剤(イソプロパノール中の溶液中のポリエチレングリコール)を含んでなる溶液Clarity(登録商標)Defog Itを、その後、1回のみ、これらのレンズの表面に適用する。
その後、温度(20〜25℃)及び湿気50%に調節された環境に24時間レンズを配置された。
次いで、レンズを、55℃で水を含有する加熱された容器上に15秒間配置する。直後に、5mに位置する視力スケールを、試験されるレンズを通して観察する。観察者は、以下の基準に従って視力(透過で)を評価する:
2=曇りがない、視覚による歪みがない(視力=10/10th
1=視力>6/10thを可能にする曇り及び/又は視覚による歪み
0=視力<6/10thを可能にする曇り及び/又は視覚による歪み
実際に、グレード0又は1を得るために、10/10ビジョンを有し、目の前に配置されたレンズを有する着用者は、5メートルに配置されるSnellen Optotypeチャートの6/10ライン上の文字「E」の向きを区別することが可能でなければならない(Fax Internationalから入手可能なArmaignac scale Tridents,ref.T6)。
この試験によって、着用者が、茶、コーヒー又はシチュー鍋の沸騰水の上に顔を持ってくる日常生活の条件をシミュレーションすることが可能である。
d)エッジング試験
Essilor Kappaグラインダー上で実行されるエッジング試験、及びこの操作の間にレンズが生じたオフセットを測定するためのプロトコルは、国際公開第2009/071818号パンフレットに詳細に説明されている。この試験の間、使用される接着性保持パッド(直径24mmのLeap II、3MからのGAM200)を一時的な層と直接接触させる。レンズは、2°以下のオフセットを示す場合、エッジング試験を合格したと見なされる。
5.結果
a)一時的な層を構成する材料の性質の影響の研究
表1に、本発明による、すなわち、8重量%の範囲内のシリカ、又はシリカとアルミナとの混合物をベースとする一時的な層は、満足な結果を導くことを示す。実施例1〜4のレンズは、良好な条件でのエッジングを可能にし、困難なく除去することが可能である一時的な層を有し、そしてこの層の除去後に、レンズが予想される防曇性能を有する。
一時的な層が蒸着の間、パッシブ酸素の寄与で蒸着するか、しないかにかかわらず、結果は満足できるものある。
加えて、アルミナ又は酸化スズなどの材料は、それらが一時的な層として純粋で使用される場合、レンズの防曇性能に有害であることがわかった。このことは、防曇コーティングの前駆体が、一時的な層の除去の間、混入されるか分裂することによって説明されてよい。アルミナは、さらに、除去するのが困難である一時的な層を構成する。防曇性能の試験の間にいくつかのレンズに関して得られた不十分な結果は、一時的な層が完全に除去されなかったという事実によって説明することができることに留意すべきである。
本発明による一時的な層としての使用に適切でない他の層は、クロム、ITO及びTiOから構成される層である。
一時的な層の厚さは、限定された影響を有するパラメーターである。場合によっては、一時的な層の厚さの増加が、防曇、除去又は非ブロック化グレードをわずかに低下させることがわかった。一時的な層を形成する材料の性質は、ほとんどの重要なパラメーターを残す。
実施例1〜4のレンズの非ブロック化及び除去に関する性能、並びに防曇性能は、それらの調製後、少なくとも1ヶ月保持されたことが確認された。最適条件下で機能するために、1ヶ月の期間内で本発明による一時的な層を備えたレンズをエッジングすることが推薦される。極端に長い時間を越えると、本発明による一時的な層は、除去するのがわずかに困難になるが、非ブロック化試験及び防曇性能の評価の試験の間に、これが性能劣化によって影響されることはない。
一時的な層の前駆体材料の蒸着速度が、調製されるレンズの性能にほとんど影響を及ぼさないこともわかった。
一時的な層の除去後、防曇コーティングの前駆体コーティングは、35〜37°程度の静的接触角を有する(実施例1〜4)ことに留意すべきである。
エッジング試験に関しては(12nmの厚さの防曇コーティングの前駆体及び7nmの厚さのSiO/Al L5(登録商標)の一時的な層を有するレンズ上で実行される)、本発明によるレンズは、いずれのオフセットも生じない。ブロックは、接着剤から分離することが困難であり、部分的にレンズの凸面に接着したまま残る。エッジング終了時のパッドの良好な挙動から考慮して、これらのレンズに、繰り返しのエッジング操作又はドリリング操作を実行することが可能である。いずれか一時的な層も含まないレンズがエッジング試験に不合格であったことが確認された。
b)防曇コーティングの前駆体コーティングの厚さの影響の研究
表2に、防曇コーティングの前駆体の厚さを変更することによって、光学物品の性能を調節することが可能であることを示す。したがって、防曇コーティングの前駆体コーティングの厚さを増加させることによって、一時的な層の除去の容易さを改善し、防曇性能を改善するが、エッジングに対する適性を低下させる。
しかしながら、一時的な層を形成する材料の性質は、ほとんどの重要なパラメーターを残す。
したがって、良好な防曇性能を有し、そして除去することが容易であるエッジングを促進する一時的な層を有する、完全に安全にエッジングすることができる生成物を同時に得るため、本発明による少なくとも50重量%のシリカを含んでなる一時的な層の厚さ、及び過剰に堆積された防曇コーティングの前駆体の厚さを最適化することが可能である。
b)本発明による2層の一時的な層を重複することによる影響の研究
表3に、3つの試験が実行される間に満足な結果をもたらす、一時的な二層を製造するために、厚さが最適化されていない、本発明による2層の一時的な層を重複することが可能であることを示す。

Claims (16)

  1. 基板であって、前記基板の主要表面の少なくとも1つが、その表面にシラノール基を含んでなる第1のコーティングと、このコーティングと直接接触する、防曇コーティングの前駆体である第2のコーティングとによってコーティングされ、前記第2のコーティングは、前記第1のコーティング上での、
    − ポリオキシアルキレン基と、
    − シラノール基との共有結合を確立することが可能である少なくとも1種の基と
    を有する少なくとも1つの化合物Aの堆積によって形成され、
    前記第2のコーティングは、前記化合物Aの前記堆積から得られる、前記化合物Aが前記第1のコーティングにグラフト化される内部部分と、洗浄及び/又は拭き取りによって除去が可能である外部部分とを含んでなることと、
    前記第2のコーティングが、一時的な層の全重量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、そしてなお良好には少なくとも70重量%のシリカを含んでなる少なくとも1層の前記一時的な層によってコーティングされることとを特徴とする、基板を含んでなる光学物品。
  2. 前記一時的な層が、空気と接触する前記光学物品の外層であることを特徴とする、請求項1に記載の光学物品。
  3. 前記防曇コーティングの前記前駆体コーティングが、3〜100nm、好ましくは5〜50nmの範囲の厚さを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学物品。
  4. 前記化合物Aがオルガノシランであり、そのシラノール基と共有結合を確立することが可能な基が、少なくとも1個の加水分解性基を有するケイ素原子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学物品。
  5. 前記オルガノシラン化合物が、次式:
    Si(X)3−m (I)
    (式中、前記Y基は、同一であるか、又は異なって、炭素原子を介して前記ケイ素に結合した一価の有機基であり、前記X基は、同一であるか、又は異なって、加水分解性基又はヒドロキシル基であり、Rは、ポリオキシアルキレン官能基を含んでなる基であり、そしてmは0、1又は2に等しい整数である)の化合物であることを特徴とする、請求項4に記載の光学物品。
  6. 前記一時的な層が、前記一時的な層の全重量に対して、1重量%〜10重量%のアルミナ、好ましくは1重量%〜8重量%のアルミナを含んでなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学物品。
  7. 前記一時的な層がシリカの層からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学物品。
  8. 前記一時的な層が、5〜200nm、好ましくは10〜100nmの範囲の厚さを有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学物品。
  9. 前記防曇コーティングの前記前駆体コーティングが15mJ/m以上の表面エネルギーを有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学物品。
  10. その表面にシラノール基を含んでなる前記コーティングが、反射防止コーティングであるか、又は摩耗耐性コーティング上に堆積されたシリカをベースとする層であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学物品。
  11. 光学レンズ、好ましくは眼用レンズを構成することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学物品。
  12. 前記第2のコーティングが、前記一時的な層の全重量に対して、少なくとも50重量%のシリカを含んでなる単一の一時的な層によってコーティングされることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学物品。
  13. 前記第2のコーティングが、2層の同一又は異なる一時的な層によってコーティングされ、前記2層の同一又は異なる一時的な層が互いに接着しており、各一時的な層が、この一時的な層の全重量に対して、少なくとも50重量%のシリカを含んでなることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学物品。
  14. − 前記光学物品の前記表面に接着する接着性パッドの手段によって前記光学物品を保持デバイスに取り付ける工程と、
    − エッジングデバイスにおいて、前記光学物品が前記接着性パッドによって接着する前記保持デバイスを取り付ける工程と、
    − 前記光学物品の周辺を機械加工することによって前記光学物品をエッジングする工程と、
    − 前記光学物品を回収した後、前記一時的な層を除去する工程と
    を含んでなることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学物品のエッジング方法。
  15. 前記防曇コーティングの前記前駆体コーティングの厚さが、前記一時的な層の除去後、5nm以下、好ましくは3nm以下であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. a)基板であって、前記基板の主要表面の少なくとも一面が、その表面にシラノール基を含んでなる第1のコーティングによってコーティングされた基板を提供する工程と、
    b)前記第1のコーティングに前記化合物Aがグラフト化されている内部部分と、洗浄及び/又は拭き取りによって除去が可能である外部部分とを含んでなる防曇コーティングの前駆体である第2のコーティングを得るために、好ましくは真空蒸着によって、ポリオキシアルキレン基と、シラノール基との共有結合を確立することが可能な少なくとも1個の基とを有する少なくとも1種の化合物Aを前記第1のコーティング上で堆積させる工程と、
    c)好ましくは真空蒸着によって、前記一時的な層の全重量に対して少なくとも50重量%のシリカを含んでなる少なくとも1層の一時的な層を、前記防曇コーティングの前駆体である前記第2のコーティング上に堆積する工程と
    を含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学物品の調製方法。
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