JP2014514329A - Peg化オリゴヌクレオチドの製造方法 - Google Patents

Peg化オリゴヌクレオチドの製造方法 Download PDF

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Abstract

治療用PEG化オリゴヌクレオチドを調製する方法について記載する。該方法は、治療用オリゴヌクレオチドが調製され得る効率を改善するために設計された、合成、切断および精製ステップを包含する。改善された効率での大規模調製のための方法についても記載する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、参照によりこの全体が本明細書に組み入れられている、2011年4月26日に出願された米国仮特許出願第61/479,226号の利益を主張する。
核酸は従来、生物学的過程において情報を与える役割を主に果たしていると考えられてきた。過去数十年の間に、核酸の三次元構造によって、核酸にタンパク質と相互作用して、タンパク質を調節する能力を与えられることが明らかになった。このような核酸リガンド、即ち「アプタマー」は、高い親和性および特異性で所与のリガンドに結合することができる短いDNAまたはRNAオリゴマーである。クラスとしてアプタマーの三次元構造は十分に可変性であるため、アプタマーは、モノマー性でもポリマー性でも実質的にいずれの化学化合物にも結合してリガンドとして作用できる。アプタマーは、特に癌治療および血液凝固の調節において、有望な新たな診断および治療用化合物として出現した。
何人かの第三者がアプタマーの同定、製造および使用を含む特許を出願および獲得している。GoldおよびTuerkは一般に、アプタマーを単離するためのSELEX法を最初に開発したと考えられているが、この方法は米国特許第5,670,637号明細書、同第5,696,249号明細書、同第5,843,653号明細書、同第6,110,900号明細書および同第5,270,163号明細書を含む幾つかの米国特許に記載されている。Thomas Bruiceらは、米国特許第5,686,242号明細書でアプタマーの製造方法を報告し、この方法は、スクリーニングシーケンス中に厳密にランダムなオリゴヌクレオチドを用いるため、TuerkおよびGoldが報告した元のSELEX法とは異なっている。米国特許第5,686,242号明細書でスクリーニングされたオリゴヌクレオチドには、SELEX法でスクリーニングされたオリゴヌクレオチドに存在するプライマーが欠如している。
Sullenger、Rusconi、KontosおよびWhiteはWO02/26932で、止血の調節および他の生物学的事象で有用な凝固因子、E2Fファミリ転写因子、Ang1、Ang2ならびにこれの断片およびペプチド、転写因子、自己免疫抗体および細胞表面受容体に結合するRNAアプタマーについて記載している。Rusconi et al,Thrombosis and Haemostasis 83:841−848(2000)、White et al,J.Clin Invest 106:929−34(2000)、Ishizaki et al,Nat Med 2:1386−1389(1996)およびLee et al,Nat.Biotechnol.15:41−45(1997)も参照のこと。
アプタマーが治療薬としての使用に好適となるためには、安価に合成され、安全であり、生体内で安定であることが好ましい。あらゆるリボースまたはデオキシリボースヌクレオチドで構成され、ホスホジエステル主鎖には修飾のないRNAおよびDNAアプタマーは、ヌクレアーゼによる分解に対するこれらの感受性のために、通例、生体内で安定ではない。ヌクレアーゼ分解に対する抵抗性は、2’位に修飾基を組み込むことによって大きく向上させることができる。
ヌクレアーゼによるクリアランスに加えて、オリゴヌクレオチド治療薬は、腎臓濾過による排除を受ける。よって、静脈内投与されたヌクレアーゼ抵抗性オリゴヌクレオチドは、濾過を遮断できない限り、通例、10分未満の生体内半減期を呈する。濾過の遮断は、血流から組織中への急速分散またはオリゴヌクレオチドの見かけの分子量を糸球体の有効サイズカットオフを超えて増加させることのどちらかによって実現できる。小型治療薬をポリアルキレンオキシドポリマーに結合させること(例えばPEG化)は、循環におけるアプタマーの滞留時間を劇的に延長して、これにより投薬頻度が低下し、血管標的に対する有効性が向上する。
食品医薬品局(FDA)および他の国際規制機関が規定した規格を満足するPEG化オリゴヌクレオチドの大規模製造は、患者に投与される最終生成物の合成、精製およびキャラクタリゼーションのための多くのステップを包含する。各ステップは、著しい量の時間と費用の両方がかかる。従って、この種類の治療薬の効率的で実現可能な製造方法を最適化する必要がある。
米国特許第5670637号明細書 米国特許第5696249号明細書 米国特許第5843653号明細書 米国特許第6110900号明細書 米国特許第5270163号明細書 米国特許第5686242号明細書 国際公開第2002/26932号
Rusconi et al,Thrombosis and Haemostasis 83:841−848(2000) White et al,J.Clin Invest 106:929−34(2000) Ishizaki et al,Nat Med 2:1386−1389(1996) Lee et al,Nat.Biotechnol.15:41−45(1997)
一態様において、ポリアルキレンオキシド(PAO)コンジュゲートオリゴヌクレオチドを調製する方法が提供される。一実施形態において、オリゴヌクレオチドはRNAアプタマーであり、アプタマーは2次構造を有する。また別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、中和剤またはアプタマーの活性制御剤である。
一実施形態において、オリゴヌクレオチドは、固相合成を使用して合成される。別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを使用して合成される。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、固体支持体上で非PEG化オリゴヌクレオチドを合成するステップ、固体支持体から非PEG化オリゴヌクレオチドを切断して、非PEG化オリゴヌクレオチドを脱保護するステップ、非PEG化オリゴヌクレオチドを脱塩するステップ、非PEG化オリゴヌクレオチドをPEG化してPEG化オリゴヌクレオチドを生成するステップ、PEG化オリゴヌクレオチドを精製するステップおよびPEG化オリゴヌクレオチドを脱塩するステップを含む。一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの脱塩は、限外濾過を含む。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、固体支持体上で非PEG化オリゴヌクレオチドを合成すること、固体支持体から非PEG化オリゴヌクレオチドを切断して、非PEG化オリゴヌクレオチドを脱保護すること、非PEG化オリゴヌクレオチドを塩交換すること、非PEG化オリゴヌクレオチドをPEG化してPEG化オリゴヌクレオチドを生成すること、PEG化オリゴヌクレオチドを精製することおよびPEG化オリゴヌクレオチドを脱塩することを含む。一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの塩交換は、限外濾過を含む。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、固体支持体上で非PEG化オリゴヌクレオチドを合成するステップ、固体支持体から非PEG化オリゴヌクレオチドを切断して、非PEG化オリゴヌクレオチドを脱保護するステップ、非PEG化オリゴヌクレオチドを脱塩および塩交換するステップ、非PEG化オリゴヌクレオチドをPEG化してPEG化オリゴヌクレオチドを生成するステップ、PEG化オリゴヌクレオチドを精製するステップおよびPEG化オリゴヌクレオチドを脱塩するステップを含む。一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの脱塩および塩交換は、限外濾過を含む。
一実施形態において、該方法は、PEG化オリゴヌクレオチドをフリーズドライするステップをさらに含む。別の実施形態において、凍結乾燥ステップは、限外濾過を使用してPEG化オリゴヌクレオチドを脱塩およびさらに精製するステップの後で行う。
別の実施形態において、PEG化オリゴヌクレオチドの精製は、PEG化オリゴヌクレオチドの分子量未満の分子量カットオフを有する限外濾過膜を用いる限外濾過を使用することを含む。また別の実施形態において、限外濾過膜は、約10kD、20kDまたは30kDの分子量カットオフを有する。また別の実施形態において、限外濾過膜は、約10kDから約20kDの、または約20kDから約30kDの分子量カットオフを有する。
一実施形態において、該方法は、固体支持体からの非PEG化オリゴヌクレオチドの切断および非PEG化オリゴヌクレオチドの脱保護の後に、非PEG化オリゴヌクレオチドのイオン交換精製を包含しない。別の実施形態において、該方法は、限外濾過を使用する非PEG化オリゴヌクレオチドの脱塩および/または塩交換の前に、非PEG化オリゴヌクレオチドのイオン交換精製を包含しない。
一実施形態において、PEG化オリゴヌクレオチドの精製は、アニオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の使用を含む。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾塩基部分を含む。
別の実施形態において、少なくとも1つの修飾塩基部分は、5−フルオロウラシル、5−フルオロシトシン、5−ブロモウラシル、5−ブロモシトシン、5−クロロウラシル、5−クロロシトシン、5−ヨードウラシル、5−ヨードシトシン、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミン−O−メチルチオウリジン、5−カルボキシメチルアミン−O−メチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルケオシン、イノシン、N6−イソペンチルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、6−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミン−O−メチルウラシル、5−メトキシアミン−O−メチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルケオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、5−メトキシシトシン、2−メチルチオ−N6−イソペンチルアデニン、ウラシルオキシ酢酸(v)、ブトキシソシン、シュードウラシル、ケオシン、2−チオシトシン、5−メチルチオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシルオキシ酢酸(v)、5−メチルチオウラシル、3−(3−アミノ−3−Nカルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)wおよび2,6−ジアミノプリンから成る群より選択される。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、1個以上の2’−O−メチル修飾ヌクレオチドを含む。別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドが1個以上の2’−O−メチル修飾および1個以上の2’−フルオロ修飾を含有する。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは2次構造を有する。別の実施形態において、2次構造は、少なくとも1個のステムおよび少なくとも1個のループを含む。別の実施形態において、2次構造は2個のステムおよび3個のループを含む。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドが1個以上の2’−O−メチルおよび1個以上の2’−フルオロ修飾を含有する。別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、少なくとも1個のステムおよび/または少なくとも1個のループ中に1個以上の2’−O−メチルおよび/または1個以上の2’−フルオロ修飾を含む。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のステム中の少なくとも1個のグアニンは、ヒドロキシル糖(2’−OH)を含む。別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のステム中の少なくとも1個のウリジンは、2’−フルオロまたは2’−O−メチルのどちらかによって修飾される。別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のステム中の少なくとも1個のシチジンは、2’−フルオロ修飾されている。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、スペーサを含む。別の実施形態において、スペーサはグリコールスペーサである。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、配列番号1−20の1つを含む。別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、配列番号1−20の1つより成る。また別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、本明細書の表1および2に記載したような修飾オリゴヌクレオチドの1つを含む。また別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、本明細書の表1および2に記載したような修飾オリゴヌクレオチドの1つより成る。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、PAOへのコンジュゲーションの前にリンカーにカップリングされて、リンカーコンジュゲート非PEG化オリゴヌクレオチドを生成する。一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは反応性アミノ基を有するリンカーを含み、ポリアルキレンオキシドは活性化エステル基によって官能化されている。別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドは、反応性チオ基を有するリンカーを含み、ポリアルキレンオキシドは、マレイミド基によって官能化されている。一実施形態において、活性化エステル基はNHSである。
一実施形態において、ポリアルキレンオキシドは活性化されていない。別の実施形態において、ポリアルキレンオキシドはカルボン酸部分をさらに含む。なお別の実施形態において、PAOのリンカーコンジュゲート非PEG化オリゴヌクレオチドへのコンジュゲーションは、コンジュゲーション反応に水溶性カップリング剤を含めることにより、インサイチューで行われる。一実施形態において、水溶性カップリング剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)である。別の実施形態において、水溶性カップリング剤は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDAC)である。
一実施形態において、リンカー含有非PEG化オリゴヌクレオチドは、リンカー前駆体をオリゴヌクレオチドにコンジュゲートする、またはさもなければ結合することによって生成される。別の実施形態において、リンカー前駆体は:6−(トリフルオロアセトアミド)ヘキサノール(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホルアミダイト、TFA−アミノC4 CEDホスホルアミダイト、5’−アミノ修飾剤C3 TFA、5’−アミノ修飾剤5、5’−アミノ修飾剤C12および5’チオール修飾剤C6(下に示すリンカー)から成る群より選択される。
一実施形態において、リンカーはヘキシルアミノリンカーである。
一実施形態において、ポリアルキレンオキシドは、ポリエチレングリコール(PEG)である。また別の実施形態において、PEGは、約20kDから約60kD、約20kD、約30kD、約40kD、約50kDまたは約60kDの分子量を有する。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、リンカー含有オリゴヌクレオチドの限外濾過をさらに含む。別の実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの限外濾過は、塩溶液に対するダイアフィルトレーションである。また別の実施形態において、塩はナトリウム塩またはカリウム塩である。
一実施形態において、限外濾過は、精製水の存在下で行う。別の実施形態において、限外濾過は、塩溶液の存在下での限外濾過の後に、精製水の存在下で行う。一実施形態において、塩は1価塩である。別の実施形態において、塩は、ナトリウム塩、カリウム塩またはリチウム塩である。また別の実施形態において、塩は、以下のアニオン:Cl、HSO 、BrO 、Br、NO 、ClO 、HSO 、HCO 、IO 、HPO 2−、ホルメート、アセテートまたはプロピオナートの1つの、ナトリウム、カリウムまたはリチウムである。また別の実施形態において、塩はナトリウムクロリドである。
一実施形態において、最終透過物は、0μS/cmを超え約75μS/cm未満の、約50μS/cm未満のもしくは約40μS/cm未満の、または約20μS/cmから約70μS/cmに、約20μS/cmから約50μS/cmに、もしくは約20μS/cmから約40μS/cmに及ぶ導電率を有する。
一実施形態において、最終透過物の重量オスモル濃度は、0mOsmを超え約4mOsm以下、約2mOsm以下、約1mOsm以下である。別の実施形態において、最終透過物の重量オスモル濃度は、約0.001mOsmから約1.0mOsmまで、約0.5mOsmから約2.0mOsmまで、または約0.5mOsmから約4.0mOsmまでに及ぶ。
一実施形態において、限外濾過は、0℃から約50℃の温度にて、または周囲温度、例えば約15℃から約30℃にて行う。
一実施形態において、リンカー含有オリゴヌクレオチドの限外濾過は、約1kDから約10kDの分子量カットオフ(MWCO)を有するメンブレンを使用して行う。また別の実施形態において、限外濾過は、1kDメンブレン、2kDメンブレン、3kDメンブレン、5kDメンブレン、8kDメンブレンまたは10kDメンブレンを使用して行う。別の実施形態において、限外濾過は、約1kDから約5kDまたは約3kDから約5kDの分子量カットオフを有するメンブレンを使用して行う。また別の実施形態において、限外濾過膜は、リンカー含有オリゴヌクレオチドの分子量より小さい分子量カットオフを有する。
一実施形態において、最終透過物の最終導電率は約50μS/cm以下である。別の実施形態において、最終透過物の最終重量オスモル濃度は、約1.0mOsm以下である。
一実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの濃縮は、リンカー含有非PEG化オリゴヌクレオチドの限外濾過によって行う。さらなる実施形態において、非PEG化オリゴヌクレオチドの濃縮は、蒸留によって行う。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドの製造方法は、ポリアルキレングリコール前駆体部分をリンカーコンジュゲート非PEG化オリゴヌクレオチドのリンカーにコンジュゲートすることをさらに含む。別の実施形態において、ポリアルキレングリコール前駆体は、ポリエチレングリコールである。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、イオン交換クロマトグラフィーによるPAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドの精製をさらに含む。一実施形態において、イオン交換クロマトグラフィーは、アニオン交換HPLCである。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、イオン交換クロマトグラフィーからの溶離液の限外濾過による精製をさらに含む。一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、限外濾過による濃縮をさらに含む。一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、限外濾過による精製の前にアニオン交換精製を用いない、PEG化混合物の限外濾過による精製を含む。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドは、蒸留により濃縮する。
一実施形態において、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドを製造する方法は、PAOコンジュゲートオリゴヌクレオチドをフリーズドライすることをさらに含む。
オリゴヌクレオチド組成物の合成および製造の工程を示す。 オリゴヌクレオチドのPEG部分へのリンカー部分を介したコンジュゲーションを示す。 オリゴヌクレオチドのPEG部分へのリンカー部分を介したコンジュゲーションを示す。 RB006の構造を示す。 RB007の構造を示す。 RB006およびRB007によって形成された複合体を示す。 オリゴヌクレオチド組成物の合成および精製のための工程1の幾つかの実施形態を示す。 オリゴヌクレオチド組成物の合成および精製のための工程2の幾つかの実施形態を示す。 本明細書に記載する工程で見られた幾つかの不純物の構造を示す。 オリゴヌクレオチド組成物の合成および精製のための工程1および工程2の幾つかの実施形態を示す。 PEG化反応混合物を分析するために行ったアニオン交換HPLC分析のスペクトルを示す。 PEG化反応混合物の限外濾過の後に保持液を分析するために行ったアニオンHPLCのスペクトルを示す。 PEG化反応混合物の限外濾過の後に透過物を分析するために行ったアニオンHPLCのスペクトルを示す。 PEG化反応混合物の限外濾過の後に保持液を分析するために行ったイオン対HPLCのスペクトルを示す。
後期臨床試験およびこれに続く商業マーケティングに対応するために必要とされる十分な量の薬剤を生成するために、生成物の品質を維持しながら、製造工程の堅牢性と収率を向上させるために、広範囲に及ぶ努力がなされている。さらに、全体の工程および品質をより良好に制御するために、主要な原料の厳密な制御が行われなければならない。
製造工程を通じて、様々なステップにおける生成物は、工程を通じて必要な品質および量を確保するために詳細にキャラクタリゼーションされる。このキャラクタリゼーションの結果として、さらなる開発および最適化から恩恵を受けることができる工程のステップを特定することが可能となる。
本明細書では、PEG化オリゴヌクレオチドアプタマーを製造するための、改良されたより効率的な方法の開発を開示する。驚くべきことに、PEG化反応を行う前の、オリゴヌクレオチド不純物除去のためのアニオン交換クロマトグラフィーを省略すると、アニオン交換精製をPEG化反応前に行った場合に生成されたものと区別できない最終物質が生じることがわかった。PEG化反応の前のアニオン交換精製が工程から省略され、リンカー含有および非リンカー含有オリゴヌクレオチドの未精製混合物を用いてPEG化反応が行われた場合に、リンカー含有オリゴヌクレオチドが維持されたことも予想外であった。さらに驚くべきことに、限外濾過により、アニオン交換精製でPEG化オリゴヌクレオチド生成物と共溶離する非PEG化オリゴヌクレオチド種を効率的に除去可能であることもわかった。
治療用オリゴヌクレオチドの製造は、オリゴヌクレオチド鎖の固相化学合成、粗オリゴヌクレオチドの切断および脱保護、分取アニオン交換クロマトグラフィーによる精製、脱塩と続いてのPEG化、未PEG化オリゴヌクレオチド不純物および未反応PAOを除去するための分取アニオン交換クロマトグラフィーによるPEG化オリゴヌクレオチドの精製、脱塩のための限外濾過ならびに最終生成物の濃縮および凍結乾燥を包含する多ステップ工程である。工程全体を図1の工程フローダイヤグラムに概略的に示す。
オリゴヌクレオチドの化学合成は、例えば、当分野で周知であるように、スホルアミダイトまたはホスホロチオエートの化学作用によって行うことができる。合成は、活性化モノマーの伸長ポリマーへの連続カップリングを包含し、伸長ポリマーの1つの末端は固体支持体マトリクスに共有結合されている。固相手法によって、固相の簡単な溶媒洗浄による、合成での各ステップにおける反応生成物の精製が容易になる。オリゴヌクレオチドは、支持体結合分子の5’末端を脱保護すること、支持体結合分子を入来するテトラゾール活性化ホスホルアミダイトモノマーと反応させること、生じた亜リン酸トリエステルをリン酸トリエステルに酸化することおよび「欠失配列」を形成する次の入来モノマーとの非連続カップリングを防止するためにいずれの未反応ヒドロキシル基もアセチル化(キャッピング)によって遮断することによって、3’末端から5’’末端に向かって連続的に構築される。このステップのシーケンスは、全長オリゴヌクレオチドが合成されるまで、次のカップリング反応のために反復される。
生体内での安定性が向上した治療用オリゴヌクレオチドの生成では、オリゴヌクレオチドは、当業者に公知の多種多様の修飾を使用して合成される。例えばCook et al.による米国特許第5,670,633号明細書および同第6,005,087号明細書は、RNAまたはDNA塩基配列に相補的である、熱安定性2’−フルオロオリゴヌクレオチドについて記載している。Cook et al.による米国特許第6,222,025号明細書および同第5,760,202号明細書は、2’−O置換ピリミジンおよび修飾ピリミジンを含有するオリゴマーの合成について記載している。さらなる記載は米国特許第7,531,524号明細書に見られ、これの内容はこれの全体が参照により組み入れられている。
次に担体部分、例えばポリアルキレンオキシド分子へコンジュゲートさせるために、適切なリンカー部分を添加することによってオリゴヌクレオチドの合成を完了させてよい。例えばアミノリンカー、例えば図2に示すC6ヘキシルアミノリンカーは、合成したオリゴヌクレオチドの5’末端に付加されてよい。使用してよい他のリンカーは、以下に記載され、これに限定されるわけではないが:
構造:
Figure 2014514329
の6−(トリフルオロアセトアミド)ヘキサノール(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホルアミダイト、
構造:
Figure 2014514329
のTFA−アミノC4 CEDホスホルアミダイト、
構造:
Figure 2014514329
の5’−アミノ修飾剤C3 TFA、
構造:
Figure 2014514329
の5’アミノ修飾剤5、
構造:
Figure 2014514329
の5’アミノ修飾剤C12、
構造
Figure 2014514329
の5’−チオール修飾剤C6を含む。
ポリエチレングリコール(PEG)は、生体活性化合物にコンジュゲートされて「不活性」担体として作用して、潜在的に(1)循環中の化合物の半減期を延長すること、(2)化合物の分布パターンを変化させること、および/または(3)化合物をカムフラージュすることによって、免疫原性を低下させて、化合物を酵素分解から保護することができる。PEGは、サイズが5から200KDの範囲に及ぶことが可能であり、医薬製剤で使用される代表的なPEGは、10から60KDの範囲にある。約30KDまでの直鎖PEGを生成することができる。30KDを超えるPEGの場合、複数のPEGを共に結合して(マルチアームまたは「分枝」PEG)、所望のサイズのPEGを生成することができる。分枝「mPEG2」アタッチメント(アミノ酸を介して結合された2個のmPEG)を有する化合物の一般的な合成は、Monfardini,et al.(1995)Bioconjugate Chem.6:62−69に記載されている。「分枝」PEG、即ち共通の反応性基に連結された1を超えるPEGまたはmPEGを含む化合物では、PEGまたはmPEGSは、アミノ酸、例えばリジンを通じて共に連結することができるか、またはこれらは例えばグリセリンを介して連結することができる。各mPEGが約10、約20または約30KDである分枝PEGでは、総質量は約20、約40または約60KDであり、該化合物はこれの総質量によって呼ばれる(即ち40kD mPEG2は、2個の連結された20kD mPEGである。)。40KDの総分子量のPEGは、PEG化化合物の生成での試薬として使用することができ、これに限定されるわけではないが、例えば、以下の構造の[N−(モノメトキシ20Kポリエチレングリコールカルバモイル)−N−(モノメトキシ20Kポリエチレングリコールカルバモイル)]−リジンN−ヒドロキシスクシンイミドが挙げられる:
Figure 2014514329
安定化化合物を調製するために使用できる、さらなるPEG試薬としては、一般式:
Figure 2014514329
の、40kDまたは60kDの総分子量を有する(各mPEGが約20または約30kDである場合)、他の分枝PEG N−ヒドロキシスクシンイミド(mPEG−NHS)が挙げられる。
記載した化合物のためのPEG試薬としては、一般式:
Figure 2014514329
の、mPEGが約20kDまたは約30kDである、非分枝mPEG−スクシンイミジルプロピオナート(mPEG−SPA)を挙げることができる。詳細な実施形態において、反応性エステルは、−O−CHCH−CO−NHSである。
さらなるPEG試薬としては、グリコールを通じて連結された分枝PEG:
Figure 2014514329
一般式:
Figure 2014514329
の非分枝スクシンイミジルアルファ−メチルブタノアート(mPEG−SMB)、
例えば以下の構造:
Figure 2014514329
のニトロフェニルカーボネート連結PEGが挙げられる。
チオール修飾リンカーと共に使用できるチオール反応性基を有するPEGとしては、mPEGが約10、約20または約30kDである、一般構造:
Figure 2014514329
の化合物が挙げられる。加えて、構造は、各mPEGが約10、約20または約30kDであり、総質量が約20、約40または約60kDである
Figure 2014514329
のように、分枝することも可能である。
分枝PEGとしては、一般構造:
Figure 2014514329
の化合物も挙げられる。
PEG化オリゴヌクレオチドを製造する改良工程の例として、RB006として公知のPEG化アプタマー生成物の製造のための代わりの工程の説明を以下に記載する。RB006は、オリゴヌクレオチドアプタマー:P−L−guggaCUaUaCCgCgUaaUgCuGcCUccacTを指し、ここでP=mPEG2−NHSエステル、分子量40kDa;L=C6 NHリンカー;G=2−OH G;g=2’−O−Me G;C=2−F C;c=2’−O−Me C;U=2−F U;u=2’−O−Me U;a=2−O−Me A;およびT=反転2’−H T(図3A、配列番号1を参照のこと)。RB006は、REG1の薬品構成要素であり、凝固第IXa因子を高い親和性および特異性で結合する、直接FIXa阻害剤である(米国特許第7,304,041号明細書およびDyke et al.,Circulation,114:2490−97(2006)を参照のこと)。RB006は、FXのFXaへのFVIIIa/FIXa触媒変換を遮断することによって抗凝固効果を誘発する。RB006は、長さが31ヌクレオチドの修飾RNAアプタマーであり、2’−フルオロおよび2’−O−メチル糖含有残基の存在によりエンドヌクレアーゼ分解に対して安定化され、3’反転デオキシチミジンキャップによりエキソヌクレアーゼ分解に対して安定化されている。アプタマーの核酸部は、これの血中半減期を延長するために、40キロダルトンのポリエチレングリコール(PEG)担体にコンジュゲートされている。
RB006の有利な特徴は、少なくともアプタマー部に相補的であることが可能な活性制御剤の投与によって、RB006の生体内効果を逆転させる能力である。本開示の目的のために、RB006の活性制御剤は、図3Bに示され、(5’−3’)配列:cgcgguauaguccac(配列番号2)を有する、RB007である。他の考えられる活性制御剤は:cgcgguauaguccccau(配列番号3);cgcgguauaguccc(配列番号4),cgcgguauaguccauc(配列番号5),cgcgguauagucag(配列番号6)、cgcgguauagucagg(配列番号7)、cgcgguauagucagag(配列番号8)もしくはcgcgguauaguccucac(配列番号9)を含む、オリゴヌクレオチド(5’−3’)配列またはこれのいずれかの修飾もしくは誘導体であってよい。ある実施形態において、活性制御剤は、上の配列の1つより本質的に成り、または上の配列の1つより完全に成る。
RB007は、RB006に効果的に結合して、よってRB006の抗FIXa活性を中和することができる。一実施形態において、RB007の2’−O−メチル修飾は、分子に中程度のヌクレアーゼ耐性を与え、この耐性は分子がRB006を探して結合できるようにするのに十分な生体内安定性を提供するが、生体内持続性の延長には対応しない。
現在説明している製造方法がいずれのオリゴヌクレオチドまたはアプタマーにも適用できることが理解される。本明細書に開示する方法を使用してPEG化形で調製できる、さらなるアプタマーおよびオリゴヌクレオチドの例を、下の表1および2に記載する。
Figure 2014514329
Figure 2014514329
GPVIならびに他の治療用アプタマーに結合してこれを調節するRB006、RB007、アプタマーに関連するさらなる教示は、米国特許第7,300,922号明細書;同第7,304,041号明細書、同第7,312,325号明細書;および同第7,531,524号明細書ならびに米国特許出願公開第2010/0311820号明細書に見出すことができ、これらの内容は、これらの全体が参照により本明細書に組み入れられている。
本発明から逸脱することなく多様な変更および修飾を行えることが当業者に明らかであるため、RB006を製造するための2つの方法が例証の目的で本明細書に記載されているが、範囲が制限されることを意図するものではない。さらに、下に記載する方法は、上述したように、他の治療用アプタマーならびにアプタマーを結合するオリゴヌクレオチドに使用できる。2つの製造方法は、工程1および工程2と呼び、以下で詳細に説明する。
表3には、工程1および工程2によるRB006の製造で使用する原料を挙げる。いずれの置換も重要と見なされないのは、試薬の化学反応性が同等であり、変化の影響として生成されたAPIの品質に対する影響は予想されないためである。
Figure 2014514329
工程1
PEG化オリゴヌクレオチドの1つの調製方法は、2つのアニオン交換精製ステップを含む。この工程は、本明細書では工程1と呼び、図4Aに概略を示し、5つの段階で説明する。段階1は、固体支持体上での合成および脱保護である。段階2は、PEG化のためのオリゴヌクレオチドを調製する工程を含み、アニオン交換HPLCによる精製を含む。精製はナトリウムカチオンを使用して行うため、精製ステップにより、アンモニウム塩およびアルキルアンモニウム塩とナトリウムとの塩交換も生じる。該段階における最終ステップは、PEG化反応前のオリゴヌクレオチドの脱塩である。段階3は、PEG化およびPEG化オリゴヌクレオチドの形成を含む。段階4は、アニオン交換HPLCによる精製および段階5でのフリーズドライ前の脱塩ステップを含む。
工程1、段階1
段階1は、RB005の固相合成と、続いての切断および脱保護を含んでいた。固相合成による31塩基オリゴヌクレオチドの構築の間に、カップリング反応の最終ステップは、PEG化のための部位特異的結合を提供するヘキシルアミノリンカーの付加である(図2Aを参照のこと)。PEG化前のヘキシルアミノリンカーを有する生じた全長生成物を、非PEG化アプタマー(RB005)と呼ぶ。粗オリゴヌクレオチドのキャラクタリゼーションによって、2つのクラスの不純物が明らかになった。第1のクラスは、ヘキシルアミノリンカーが欠如しているために非PEG化性である。第2のクラスはPEG化可能であり、ヘキシルアミノリンカーを含有する。非PEG化性不純物のキャラクタリゼーションによって、どちらもヘキシルアミノリンカーを含有する、より短い(N−1)およびより長い(N+1)配列が明らかになった。加えて、非PEG化アプタマーに密接に関連した分子量を有するPEG化性不純物も検出された。これらの不純物は、M−xおよびM+xと呼ばれ、MはRB005の分子量であり、xは分子量の減少または増大である。不純物が非PEG化性であるか、またはPEG化性であるかをキャラクタリゼーションするために、2組の実験を行った。
リンカー不含有オリゴヌクレオチドが非PEG化性であることを確認するために、ヘキシルアミノリンカーを用いずに合成した非PEG化アプタマー形を用いて実験を行った。このリンカー不含有非PEG化アプタマーをmPEG2 NHSエステルと標準反応条件下で化合させると、PEG化は示されなかった。粗合成においてPEG化可能である不純物を評価するために、モデル研究を行い、粗合成生成物mPEG2 NHSエステルの代用品を標準PEG化条件下で反応させて、生成物の分子量を高速液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって決定した。代用のNHSエステルは、mPEG2と同じコア構造を有し、同じ反応性を有することが予測されている。PEGの多分散性およびオリゴヌクレオチドからの電荷状態のために、RB005(RB06)に結合したmPEG2では、同じキャラクタリゼーションを行うことができなかった。生じたキャラクタリゼーションによって、N−1、M−x、M+xおよびN+1はPEG化性種と同定された。従って、続いて多様な製造段階にてN−1、M−x、M+xおよびN+1種のレベルを評価することが、該工程のキャラクタリゼーションの焦点である。
オリゴヌクレオチドのキャラクタリゼーションによって、合成サイクルパラメータのさらなる最適化によって、N−1およびN+1PEG化性不純物のレベルがより低下する可能性があることが示唆された。
工程1、段階2
工程1においてPEG化の前に利用したアニオン交換精製ステップは、非PEG化性およびPEG化性オリゴヌクレオチド不純物を除去して、脱保護ステップから試薬を除去することが予想された。しかし精製前後のサンプルの広範囲にわたる分析により、驚くべきことに、この精製ステップは、薬剤物質の最終品質に影響を及ぼすオリゴヌクレオチド不純物の除去では、部分的にのみ有効であることが指摘された。分析ではLC−MSおよびクロマトグラフィー技法の両方を利用した。
利用したLC−MS法により、相対イオンカウント%に基づく半定量的データが与えられる。このLC−MS法による分析により、アニオン交換の結果として、非PEG化アプタマーの純度に有意差がないことが確認された。表4に与えたデータは、アニオン交換精製の前後で不純物の分布にわずかな変化があること、しかし全体の純度は比較可能であることを示している。アニオン交換精製後のM−x工程関連の不純物の増加と、これに対応するM+98、N−1およびN+1不純物の減少がある。M−x不純物のより詳細な議論を以下で与える。
Figure 2014514329
要約すれば、非PEG化アプタマーの合成後の、しかしPEG化前のアニオン交換HPLCは、非PEG化アプタマーの品質を最小限改善したと思われる。さらに、PEG化ステップに向けて行われた非PEG化アプタマーの品質のいずれの有意な改善も、おそらく精製によってではなく、合成品質の継続的な改善によって達成できると考えられる。
工程1、段階3
工程1において、PEG化反応を、非PEG化アプタマー各当量に対してmPEG2 NHSエステル2当量を使用してアセトニトリルおよびホウ酸三ナトリウムの水性混合物中で行った。この反応は十分であると思われたが、PEG化アプタマー(RB006)の生成に必要なこの試薬の当量数を減少させるための開発努力が行われ、これにより下流処理の間に除去される未反応mPEG2のレベルが最小化される。PEG化速度は、pH、mPEG2 NHSエステルの溶解度、非PEG化アプタマーの溶解度および反応中に存在する水の量によって変わる。水が多すぎると反応性NHSエステルの加水分解が生じ、少なすぎるとオリゴヌクレオチドの沈殿が生じる。これらの条件のいずれも薬剤物質の品質に影響を及ぼさないが、PEG化反応の効率は損なわれる。
工程1、段階4
工程1で使用したPEGアプタマーのアニオン交換精製は、この精製が過剰なmPEG2および非PEG化性不純物を除去する能力を評価された。mPEG2の非アニオン性の性質によって、アニオン交換カラムが非反応性mPEG2を効率的に除去できるようになる。短い非PEG化性オリゴヌクレオチド不純物は、段階2のアニオン交換ステップ中に除去された。段階2で除去されなかった、非PEG化アプタマーに密接に関連する非PEG化性オリゴヌクレオチド不純物が、分取アニオン交換精製により段階4で効果的に除去されるのは、PEG化アプタマーのPEG部分によって、PEG化アプタマーが非PEG化アプタマーに密接に関連する非PEG化性オリゴヌクレオチド不純物よりもはるかに早く溶離されるためである。
バイアル内でRB006をフリーズドライするための包装要件に対応するためのPEG化アプタマーのさらなる濃縮は、水の蒸留によって達成された。
工程1、段階5
凍結および1次乾燥のための適切な貯蔵温度を決定するために、PEG化アプタマーの生理化学的特徴をフリーズドライ工程のスケールアップの一環として評価した。
工程2
工程1の多様な段階のキャラクタリゼーションに基づいて、後述のようにPEG化アプタマー製造の効率を上昇させるための変化を施した。工程1および工程2の並列比較を図4Bに示す。
工程2の製造工程を再び5段階で説明する。段階1は、固体支持体上での合成および脱保護である。段階2は、PEG化のための非PEG化アプタマーを調製する工程を含み、PEG化反応の前の限外濾過による生成物の脱塩を含む。段階3は、PEG化およびPEG化アプタマーの形成を含む。段階4は、アニオン交換HPLCによる精製ならびに段階5でのフリーズドライ前の限外濾過を使用する精製および脱塩を含む。
工程2、段階1
工程1では、非PEG化アプタマーの合成を3mmolスケールで行った。臨床研究および商業化の可能性のための物質要件により、工程2のスケールを拡大する必要があった。工程2における合成は、10および20mmolで行い、開発過程を通じて250mmolスケールおよび300mmol、350mmolまたは400mmolスケールなどのさらなるスケールアップが可能である。工程2では、より大規模なスケールの合成装置を利用した。合成の化学経路は、開始モノマーと共に不変のままであった。合成段階での純度は、工程1で達成された純度と比べて上昇した。表5に、合成のスケール、アニオンHPLCによる純度およびOD/mmolで報告された全長生成物(FLP)の収率をまとめる。使用目的および製造工程も示す。スケールアップ手順からの物質は、より小規模なスケールで生成した物質に匹敵する。粗品質は、前の臨床ロットと比較して、ロット#5で6%高かった。
Figure 2014514329
工程2、段階2
工程1では、アニオン交換クロマトグラフィーを使用して非PEG化性不純物を除去して、脱保護反応からのアミン塩をナトリウム塩と交換した。工程2では、非PEG化性不純物を段階4でアニオン交換と限外濾過の組合せによって除去した。表6において、非PEG化性不純物の除去工程を比較する。
Figure 2014514329
オリゴヌクレオチドの溶液を限外濾過メンブレンに通過させることによって限外濾過を行い、これにより合成および切断および脱保護からの残留物として存在し得る低分子量不純物、例えばアンモニウムおよびアルキルアンモニウム塩および溶媒がメンブレンを通過し、オリゴヌクレオチドはメンブレンを通過せずに保持される。限外濾過は、より低い分子量の不純物の、オリゴヌクレオチドに対する比を低下させる役割を果たす。限外濾過は、限外濾過メンブレンを通過する量を置き換えるための新たな溶媒(一般に水)を添加すること、または通過した量よりも少ない水を添加することによらずに、溶液中のオリゴヌクレオチドの濃度を上昇させるような方法で操作することができる。または、メンブレンを通過した溶媒と同等のまたはより多い量の溶媒を添加することが可能である。溶液は一般に、圧力上昇によって限外濾過膜を強制的に通過させられる。
限外濾過ステップは、望ましいナトリウム塩形のオリゴヌクレオチドを形成するためにおよびアルキルアンモニウムを含む、いずれの残留アンモニウムイオンも移動させるために、ナトリウム塩水溶液、例えばナトリウムクロリド溶液の存在下で行ってよい。
必要に応じて、複数回の限外濾過を行ってもよい。幾つかの実施形態において、限外濾過は、精製水の存在下で、特に限外濾過ステップの後にナトリウム塩の存在下で行う。精製水を用いた限外濾過は、一般に、オリゴヌクレオチドからアンモニウムおよび残留無機ナトリウム塩が実質的になくなるまで行う。
残留イオンの濃度は、導電率測定によって監視することが多く、最終透過物中の値は、75μS/cm未満、50μS/cmまたは40μS/cm未満、または約20μS/cmから約50μS/cmに及ぶ。別の実施形態において、最終透過物の最終重量オスモル濃度は、約4mOsm以下、約2mOsm以下、約1mOsm以下であり、約0.001から約1.0mOsmの、約0.5mOsmから約2.0mOsmの、または約0.5mOsmから約4.0mOsmの範囲に及ぶ。
上述の工程で使用した限外濾過メンブレンは、オリゴヌクレオチドの分子量よりも低くなるように選択された分子量カットオフを有することができる。アルキルアンモニウムイオンを溶液から除去することが望ましい実施形態において、アルキルアンモニウムイオンの分子量よりも高い分子量カットオフを用いてよい。多くの実施形態において、例えばおよそ4.5から12kDの分子量を有する代表的な15から40merのオリゴヌクレオチドによって、1kDから3kDの範囲の分子量カットオフが用いられる。
本発明による工程は、0℃から約50℃の温度にて、または周囲温度、例えば約15℃から約30℃にて行うことが多い。
工程2の段階4で非PEG化性不純物のアニオン交換精製を行うための根拠は、mPEG2 NHSエステルのヘキシルアミノリンカーとの反応の特異性によって左右される。合成の初期品質の改善およびM−x不純物の減少は、LC−MS分析によって裏付けられる。工程2は、工程1と比較して、非PEG化アプタマーの全体の品質を維持する。
工程間非PEG化アプタマーについて生成されたデータを表7にまとめる。非PEG化の分子量は理論的分子量と一致し、観測値は両方の工程で一致している。配列決定データにより、工程2は予想された配列に影響を及ぼさないことが指摘されている。工程1および工程2から生成された物質の純度をこの段階で直接比較できないのは、工程1のアニオン交換ステップで除去した不純物が工程2で存在しているためである。工程2において、不純物は段階4の終わりに除去される。
Figure 2014514329
上で論じたように、ヘキシルアミノリンカーを含有する不純物のみがPEG化性であり、工程1のアニオン交換精製ステップは、これらの不純物の除去に対して有する影響は最小限であった。LC−MS分析を使用して、この段階の工程1および工程2によって生成された物質中に存在するPEG化性不純物を同定および比較した。利用したLC−MS法により、相対イオンカウント%に基づく半定量的データが得られる。LC−MSデータにより、工程1および工程2からのPEG化生成物中に同じタイプの不純物が予想されることが示された。表8に、PEG化性不純物の算出質量および暫定的同一性を工程1および工程2の両方の相対的な純度レベルと共に示す。表8に、工程1および工程からの相対的な2N−1、M−x、非PEG化アプタマー、M+xおよびN+1種をまとめる。M−xおよびM+xという呼称は、非PEG化アプタマーに質量で密接に関連している不純物を指し、Mは非PEG化アプタマーの質量であり、xは質量の損失または増加である。N+1およびN−1という呼称は、追加のヌクレオチドが1個存在する種、またはヌクレオチドが1個消失した種のどちらかを指す。非PEG化性不純物は反応しないことが示されているため、これらは分析に含めず、データを非PEG化アプタマーに関して正規化する。
Figure 2014514329
不純物
両方の工程において、ヘキシルアミノリンカーを含有するN+1およびN−1不純物が観測された。不純物のN+1ファミリは二重カップリングから、N−1ファミリは内部欠失から生じる。M−94、M−52およびM−20種は、製造工程中に起こる2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの修飾と一致している。熱および塩基性pHによる溶解は、これらの不純物のレベルを上昇させることが示されている。工程に関連する不純物の分子量(M−x)は、以下の構造と一致している:
Figure 2014514329
種は、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの分解と一致している。
工程1において、不純物のM+98は、リンカー出発物質に関連する不純物と一致している。出発物質の不純物は、2官能性ヘキシルアミノリンカーホスホルアミダイトと暫定的に同定された。工程1では、この不純物は、PEG化の前に分取アニオン交換精製によって除去した。工程2では、以後、出発物質中のこの不純物の制御のためにガスクロマトグラフィー/FID QC法が行われてきた。この不純物は、原料段階で良好に制御され、工程2によって生成されたいずれのバッチにも存在していない。
Figure 2014514329
Figure 2014514329
要約すれば、まとめたLC−MSおよびクロマトグラフィーデータにより、精製工程から生じたM−xPEG化性不純物の減少および第1のアニオン交換精製ステップが除去されたときにN−1およびN+1の最小限の増加があることが示されている。LC−MSによるバッチ分析を表8に示す。同様に、工程2によって生成された臨床バッチ中に存在するすべての不純物は、以前のバッチに同等のまたはより低いレベルで存在している。工程2から生成された物質のLC−MSによる全体の純度は、工程1よりも良好である。
工程1において、アニオン交換精製を使用して、精製ステップ中に塩交換を行い、粗非PEG化アプタマーから1級アミンを除去した。アミン塩の存在下ではコンジュゲーションが進行しないため、これは重要な操作である。1kD分子量カットオフ(MWCO)メンブレンを使用して限外濾過を行った。工程2では、非PEG化性不純物の除去を段階4に移したため、ナトリウムクロリドに対するダイアフィルトレーションを含むように限外濾過ステップを変化させて、効率的なPEGコンジュゲーションに必要な塩交換を行った。加えて、1kDメンブレンを5kD MWCOメンブレンに代えて、流束速度を改善した。
工程2、段階3
工程1において、非PEG化アプタマー各当量に対してPEG−NHSエステル2当量を使用し、PEG化反応を、アセトニトリルおよびホウ酸三ナトリウムの混合物中で行った。PEG化アプタマーの生成に必要なこの試薬の当量数を減少させるための開発努力を行った。反応時間、温度、pH、PEG−NHS当量および溶媒を含む、PEG化のための多種多様の条件を評価した。研究の結果により、PEG化効率が異なる条件によって変化したが、生成されたPEG化生成物の不純物プロフィールは一定のままであることが示唆された。工程2において、ACN:DMSOおよびホウ酸三ナトリウムの混合物中でPEG−NHSエステル1.5−1.75当量を使用して、PEG化アプタマーを生成する。新たなPEG化条件の特異性を非リンカー含有非PEG化アプタマーおよびmPEG2 NHSエステルを用いて評価した。先に論じたように、リンカーなしのアプタマーは、PEG化条件下では非反応性であった。工程1に対する工程2によって生成された工程間物質の比較は、工程2に存在する非PEG化性不純物により複雑である。非PEG化性不純物を段階4で除去する。従って、2つの工程を使用して生成した物質の直接比較は、段階3では不可能であった。結果として、両方の工程によって生成された物質の品質の比較は、上述のようなバッチ履歴、表10およびさらなる分析キャラクタリゼーションに示したデータの検討によって達成される。
工程2、段階4
製造工程1において、段階4の精製のための分取アニオン交換HPLC条件は、段階2の間に用いた条件と同様であった。製造工程2において、段階4での精製条件は、工程1で使用した条件から最適化した;変化は、精製のための勾配の調節および段階3から生じた反応混合物の添加より成っていた。工程2で生成された工程間物質の工程1との比較は、非PEG化性不純物が存在することによって複雑であり、このため2つの工程を使用して生成した物質の直接比較は行わなかった。
製造工程1において、PEG化後の限外濾過は、5kD MWCOメンブレンを使用して行った。工程1での限外濾過ステップの主要な役割は、フリーズドライ前にRB006を脱塩および濃縮することであった。工程2において、すべての非PEG化オリゴヌクレオチドがフリーズドライ前に除去されるように、MWCOメンブレンを10または30kDに変化させた。加えて、分子量カットオフのこのような上昇により、ダイアフィルトレーション中の流束速度が改善するという利点が加わる。製造工程2の開発で重要な要素は、工程の非PEG化性不純物を除去する機能を評価することであった。これらの不純物の大部分はPEG化アプタマーのアニオン交換精製で除去されるが、非PEG化オリゴヌクレオチドがPEG化生成物と共溶離して、最終APIまで搬送できる可能性がある。30kD MWCOメンブレンが2kD−10kDの非PEG化性不純物を除去可能な範囲の試験を行うために、段階3からのPEG化反応混合物を、通常の精製工程を受けさせずに、30kD MWCOメンブレンに添加した。工程2に対する評価工程の概略図を図6に示す。
AX−HPLC アニオン交換HPLC)を使用して、PEG化反応混合物、UF透過物溶液およびUF透過物溶液を分析した。結果を図7から図9に示す。限外濾過後の物質の分析HPLCによって、工程がPEG化アプタマーと共溶離する種を含む非PEG化性不純物を除去する能力が明らかに示されている。図7に非精製PEG化反応混合物を示す。PEG化アプタマーの保持時間は14.3分である。19−20分の保持時間は、およそ10,000kDの分子量を有する全長生成物(N−1、N−2...リンカーなし)に密接に関連する非PEG化性不純物に相当する。図8には、保持液の分析により、PEG化反応混合物からの多数の種が除去されることが示されている。19−20分の保持時間を有する不純物は、UF工程によって除去される。加えて、図9には、透過物の分析を示す。透過物は、PEG化アプタマーに似た保持時間を持つ非PEG化性種も除去されることを示している。IP−HPLCおよびAX−HPLCは、限外濾過工程中に非PEG化性不純物の除去を監視するために組合せて使用される。
製造工程での10kD MWCOの使用を評価するために、PEG化オリゴヌクレオチドをアニオン交換HPLC(工程の段階3)によって精製し、次に10kDメンブレンを使用して限外濾過を受けさせた。次に物質を分析IP−HPLCによって分析し、この物質は非PEG化およびPEG化オリゴヌクレオチドに対して選択的であった。非PEG化性オリゴヌクレオチドは、2から6分の間で検出される。図10は、非PEG化性オリゴヌクレオチドが存在しないこと、ならびにHPLC精製および10kDメンブレンを利用する工程によって非PEG化性オリゴヌクレオチドが除去されることを示している。
段階4の終わりに工程2によって生成された物質の純度は、工程1によって生成された物質の純度に匹敵している。
工程2、段階5
工程1において、PEG化アプタマーを個々のバイアル中でフリーズドライした。工程2において、pRB006の物理的キャラクタリゼーションに基づいてフリーズドライのパラメータを最適化し、リオガードトレーを使用して物質をバルクでフリーズドライした。リオガードトレーの使用および生理化学的キャラクタリゼーションによって、バイアル中でのフリーズドライに対応するために必要とされるよりも低い濃度でPEG化アプタマーをフリーズドライすることが可能となった。各変化の根拠および生成物の品質に対する変化の潜在的影響について論じる。変化は、生成物の品質にほとんどまたは全く影響を及ぼすことなく、より強力な工程、スケールアップの可能性、より高い製造柔軟性および作業者の安全性に適応するように行った。工程1を使用して生成した物質および工程2を使用して生成した物質は、品質仕様を満足し、同様の不純物プロフィールを含有し、全体的な純度は同様であった。工程2を開発するために工程1の全5段階で行った変化により、生成物の品質は維持または改善されると同時に、スケールアップの容易さおよび実現可能性が高まった。
Figure 2014514329
方法は、アニオン交換HPLC、イオン対クロマトグラフィー逆相HPLCおよび2カラムGPCによる分析を含む。改善されたアニオン交換方法では、トリス緩衝剤/アセトニトリル/メタノール/pH8システムおよびナトリウムクロリド勾配、ディオネックスDNAPac PA−100(4×250mm)カラムを40℃にて1.5mL/分のフローで使用する。259nmにおいて検出する。該方法は、幾つかの合成により調製されたN+1およびN−1 PEG化不純物、RB006切断生成物ならびに20kDaおよび30kDa種によってPEG化されたRB006を分割することが示されている。該方法は、公称濃度(2.0mg/mL)の50%−120%および0.1%−10%の範囲にわたって線形である。改善された2カラムGPC方法は、直列にしたウォーターズウルトラハイドロゲル1000および500(7.8×300mm)カラムおよび20mM酢酸アンモニウムpH7.4を、周囲温度にて0.4mL/分のアイソクラティック溶離により使用する。検出は、蒸発光散乱(50℃ドリフト管、40 PSI窒素、ESI冷却)および259nmのUVによる。該方法は、分子量決定のために72kDaから12kDの範囲に及ぶ、一連のポリエチレンオキシドおよびポリエチレングリコール標準を利用する。該方法は質量範囲にわたって線形であり、検出限界は0.2%である。RB006の改善されたイオン対HPLC(IP−HPLC)分析は、35℃のカラム温度にて、pH8.5の、移動相A:100mMトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)、pH7.2、5%メタノールおよび移動相B:100m TEAA、pH 7.2、50%アセトニトリル、30%イソプロパノールの勾配を用いて、ウォーターズエクスブリッジBEH300 C4(4.6×100mm、3.5μm)カラムを使用して行う。流速は1.0mL/分であり、検出は259nmのUVによる。
別途定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって普通に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載したものと類似したまたは同等のいずれの方法および物質も本発明の実施または試験で使用できるが、例示的な方法および物質をここで記載する。本明細書で言及したすべての刊行物は、刊行物が関連して引用される方法および/または物質を開示および記載するために、参照により本明細書に組み入れられている。

Claims (11)

  1. 治療用PEG化オリゴヌクレオチドを調製する方法であって、
    (a)固体支持体上で非PEG化オリゴヌクレオチドを合成するステップ、
    (b)固体支持体から非PEG化オリゴヌクレオチドを切断するおよびオリゴヌクレオチドを脱保護するステップ、
    (c)限外濾過を使用して非PEG化オリゴヌクレオチドを脱塩するステップ、
    (d)PEG化オリゴヌクレオチドを生成するために非PEG化オリゴヌクレオチドをPEG化するステップ、
    (e)アニオン交換HPLCを使用してPEG化オリゴヌクレオチドを精製するステップならびに
    (f)限外濾過を使用してPEG化オリゴヌクレオチドを脱塩およびさらに精製するステップを含み、
    非PEG化オリゴヌクレオチドのイオン交換精製がステップ(b)と(c)の間で行われる、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、(g)最終生成物をフリーズドライするステップをさらに含む、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、非PEG化オリゴヌクレオチドが2次構造を含む、方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、2次構造がステムおよびループを含む、方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、非PEG化オリゴヌクレオチドが修飾ヌクレオチドを含む、方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、非PEG化オリゴヌクレオチドが2’−O−メチル修飾ヌクレオチドを含む、方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、非PEG化オリゴヌクレオチドが2’−フルオロ修飾ヌクレオチドを含む、方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、非PEG化オリゴヌクレオチドがステップdの前にリンカーにカップリングされる、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、非PEG化オリゴヌクレオチドがRB005を含む、方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、PEG化オリゴヌクレオチドがRB006を含む、方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、ステップ(f)が約10kDから約20kDまたは約20kDから約30kDの分子量カットオフを有する限外濾過膜を使用する、方法。
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