JP2014512819A - 発現構築物および植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量の増強プロセス - Google Patents

発現構築物および植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量の増強プロセス Download PDF

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Abstract

吸収されたCおよびNは、大きく植物の生長および穀物の産出量に影響する。植物の炭素および窒素の状態を変化する以前の試みは、1つまたは2つの遺伝子を用いて試みられた。本発明は、3つの遺伝子の過剰共発現を同時に行うものであり、1つの遺伝子(PEPCase)はCOを効率よく補足し、他の2つは窒素の吸収に関する酵素(AspATおよびGS)にコードする。これらの結合された効果は、植物の炭素および窒素の状態および生産性を増強することである。
【選択図】なし

Description

以下に、本発明および実施方法を具体的に記載する。
本発明は、植物の炭素(C)、窒素(N)、バイオマスおよび産出量を増強する発現構築物に関する。
さらに、本発明は、酵素ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(本願明細書において、「PEPCase」と称す。)、グルタミンシンテターゼ(本願明細書において、「GS」と称す。)およびアスパラギン酸アミノ基転移酵素(本願明細書において、「AspAT」と称す。)由来の遺伝子の過剰共発現を利用する上記発現構築物を用いることにより植物のCレベルおよびNレベルの増強プロセスならびに続く植物のバイオマスおよび産出量における改善プロセスを提供する。特に、本発明は、上記タンパク質をコードしている核酸配列が植物細胞内で発現される遺伝子組み換え植物に関する。
より具体的には、本発明は、3つの遺伝子の過剰共発現に関する遺伝子構造を有する植物の形質転換に関し、ここで、1つの遺伝子PEPCaseはCOを補足することを担当する酵素をコードし、他の2つの酵素(AspATおよびGS)をコードすることは、Nの吸収に関し、ここでNの吸収はPEPCaseによるC骨格を必要とし、AspAT+GS+PEPCase遺伝子で形質転換された植物のアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana:シロイヌナズナ)を含む構成的プロモーターおよびこの植物のAspAT+GS+PEPCase遺伝子の発現を制御し、これにより植物のCおよびN、バイオマスおよび産出量の状況を増強する。
(背景技術および先行技術)
すなわち、本発明は、3つの遺伝子の過剰共発現を伴って形質転換された植物に関する。
AspAT、GSおよびPEPCaseは増強されたC含有量、N含有量、バイオマス構成要素および産出量構成要素をもたらす。
PEPCase(EC.4.1.1.31)は、HCO およびMg の存在下で、ホスホエノールピルビン酸のβカルボキシル化を触媒する、植物の至る所にある酵素であり、オキサロ酢酸(本願明細書において、「OAA」と称す。)および無機リン酸塩(本願明細書において、「Pi」と称す。)を産出し、主に、中間体を伴うトリカルボン酸回路を補充するアナプレロティック作用を有する。より高等植物において、異なる器官特異性のPEPCaseのいくつかのアイソフォームがあり、そして、アイソフォームは、開いた気孔、果実成熟および種子成熟を包含している様々な機能に関している。C4植物およびCAM植物の葉は、光合成の初期COの固定を触媒するPEPCaseを高レベルで含有する。C3植物の葉にみられるはるかに低レベルのPEPCaseは、細胞のpHの調整において、アナプレロティック作用に貢献し、役割を果たす。
GS(EC6.3.1.2)は、アンモニア(本願明細書において、「NH」と称す。)とグルタミン酸エステル(塩)(本願明細書において、「Glu」と称す。)とのATP依存型の縮合を触媒し、グルタミン(本願明細書において、「Gln」と称す。)を製造する。その後、グルタミン酸シンターゼ(GOGAT)は、Glnのアミド基をα−ケトグルタル酸に転換して2分子のGluを製造する。GlnおよびGluの両方は、タンパク質、核酸および葉緑素の主な有機窒素源である。
AspAT(EC2.6.1.1)は、アスパラギン酸(本願明細書において、「Asp」と称す。)のアミノ基のα−ケトグルタル酸への可逆的な転換を触媒し、OAAおよびGluを形成する。植物において、AspATは、以下の様々な代謝の役割を果たすといわれている:根でNH を吸収する間にC骨格を再利用して、アスパラギン(本願明細書において、「Asn」と称す。)およびウレイドなどの主な窒素輸送分子を生合成するためのアミド前駆体を提供し、シード充填する間、Asnの窒素を集め、アミノ酸のAsp族の生合成のための前駆体を与えるC4植物中を行き来する細胞内のCに加わる。
バイオマス生産、産出量または収穫(高)指数の点における植物の性能は内的要因および環境要因の数に依存する。これらすべての要因の間で、植物のCレベルおよびNレベルは植物生産性に影響を与える重要な要因の1つである。CおよびNの吸収の新たな詳細は、調節系が代謝要因および環境要因の両方に応じてこれらの栄養素の摂取および配給を調整するということを示唆する。植物の感覚はCおよびNの状況において変化し、この情報を、遺伝子発現における変化がもたらされる核へ伝達する。植物の生長および穀物の産出量は吸収されたCおよびNにより大きく影響を受けるので、効率的なCおよびNの吸収を設計する多くの試みが過去になされている。しかしながら、植物のC、N、バイオマスおよび産出量の状況における大きな改善を示す報告は未だなされていない。
表1は、異なる植物におけるCおよび/またはNならびにバイオマスを改善するための種々方法において利用されうる情報の状況を示す。
PEPCaseの高度の活性は、CO捕獲を促進し、そして炭素骨格をAspATおよびGSの統合活動を通して有機形態に窒素の経路に用いられるようにする。結果として、本発明者らは本発明の目的が、AspAT、GSおよびPEPCaseをコードする遺伝子の発現に付随して増加することにより得られ、本発明を構成する。
以下に、本発明の技術分野の状況および植物中の炭素および/または窒素レベルのどちらかを増強するために以前なされた試みを説明する。
非特許文献1では、トウモロコシのPEPCaseが、タバコ中のタバコ(Nicotiana plumbaginifolia)葉緑素a/b結合タンパク質遺伝子プロモーターの下で発現された。滴定酸度およびリンゴ酸のレベルが高い非形質転換体と比べて、最大2倍高いPEPCaseの活性が、遺伝子組み換え葉において観察された。
非特許文献2では、ソルガムのPEPCaseが、シロイヌナズナ中のCaMV35Sプロモーターの下で発現された。主な葉の形質転換体は、PEPCase活性において最大10倍の増加および、種子の乾燥重量および全タンパク質含有量において最大30%の増加を示した。しかしながら、当該形質転換体(初代および後代)は、植物毎に、種子生産において、いかなる改善された生長表現型または変性を示さなかった。しかしながら、これらの生化学的な差異は光合成速度またはCO補償点の点で大きな生理的な変化を起こさなかった。
また別の非特許文献3では、フィードバック阻害への感度を縮小するシアノバクテリアのシネココッカス ウルカヌス(Synechococcus vulcanus)ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(SvPEPCase)がシロイヌナズナにおけるCaMV35Sプロモーターの制御下で過剰発現した。T形質転換体の1/3はブリーチされた葉として厳しい表現型を示し、土壌で生育したときに生殖力がなかった。しかしながら、フィードバック阻害剤(L−リンゴ酸塩)にふつう敏感なC光合成のためにトウモロコシPEPCase(ZmPEPC)を形質転換したシロイヌナズナを有する表現型には見られなかった。SvPEPCの形質転換されたT植物の増殖阻害は、主にホスホエノールピルビン酸(PEP)(芳香族アミノ酸およびフェニルプロパノイドの合成のためのシキミ酸経路の前駆体の1つ)の減少した利用可能性に起因すると推測された。
また別の非特許文献4では、手つかずのトウモロコシPEPCase遺伝子がイネの葉において過剰発現した。遺伝子組み換えのイネの葉に導入されたPEPCaseは内因性のイネのPEPCaseと似て、タンパク質リン酸化を通して活性調節を行うが、トウモロコシ葉に発生するのとは対照的であり、光に下方制御され、暗所で上方制御される。形質転換されていないイネと比較して、PEPのレベルはわずかに低く、そして生産量(OAA)は遺伝子組み換えのイネにおいてわずかに高く、このことはトウモロコシPEPCaseが、脱リン酸化し、光への活性が低いが機能していることを示していた。14COラベルした実験は、トウモロコシPEPCaseは遺伝子組み換えのイネの光合成によるCO固定にあまり寄与していないことを示した。むしろ、そのことは、COの吸収速度をわずかに小さくした。この効果は光の当たるところでの呼吸の刺激に起因し、より低酸素濃度でより際立っていた。PEPCaseの過剰生成は直接はあまり光合成に影響を及ぼさないが、光の当たるところでの呼吸を刺激して間接的に光合成を抑制する。
また別の非特許文献5では、ダイズサイトソルのGS遺伝子GS15をCaMV35Sプロモーターと融合してセイヨウミヤコグサ(lotus corniculatus L.)内の恒常的発現を達成した。異なるNレジメの下で生長する遺伝子組み換え植物において、遊離型アミノ酸およびアンモニアの増加が、12mMのNH で培養された野生型の生育した植物と比較して、同じ条件下で遺伝子組み換え植物内の溶解性炭化水素の減少によって達成されるのが観察された。ラベル実験は、根に取り込むアンモニアとその後のアミノ酸の新芽への移動は、過剰発現したGS植物より低かった。しかしながら、形質転換植物における早い香りの発生は、植物がアンモニウムリッチな培地において生長したとき、早期に花が咲き、老化の速さにおけるGSの役割を示した。炭素骨格の限界およびNH 吸収を増強するエネルギーは予測された。
また別の非特許文献6では、CaMV35Sプロモーターの構築が行われているα−GSがタバコに導入された。遺伝子組み換え植物中の葉のGS活性は、転換されていない植物の最大6倍に増加した。N欠乏の下、GS遺伝子組み換え体は、多くのNの下の植物と区別できない速度で光合成の維持によってよりよく生長するのに対し、対照植物の光合成は、Nを欠乏することで40〜50%に抑制されている。しかしながら、最適なN受精条件下、光合成におけるGS過剰発現および生長の効果は見られなかった。
また別の非特許文献7では、エンドウの細胞性GSの過剰発現は、窒素、光および光呼吸に関して、研究された。葉において、異所的に細胞性GS1を過剰発現するタバコは、葉の新鮮重量、乾燥重量、および溶解性タンパク質における増加によって明らかに、Nの限定条件およびNの非限定的条件のもと、光に依存しない改善された生長性の表現型を示す。細胞性GS1遺伝子組み換え植物もCOの光呼吸の突発の増加および光呼吸中間体のレベルの増加を示し、光呼吸における変化を示す。しかしながら、植物生産性におけるGSの過剰発現による光呼吸の刺激の効果は考察されてなかった。
また別の非特許文献8では、大腸菌GS遺伝子(glnA)を伴う全長のcDNAをコードしたイネ(Oryza Sativa)の細胞性GS遺伝子(OsGS1;1およびOsGS1;2)は、構成的CaMV35Sプロモーターの下、イネ中で過剰発現された。GSの過剰発現した植物における増加した代謝レベルが得られ、葉におけるより高いGS活性および溶解性タンパク質濃度ならびにより多いアミノ酸および全植物中の全N含有量を示した。しかしながら、両方の穀物の産出生産性および全アミノ酸の減少は野生型植物と比べてGS過剰発現植物の種において観察された。
また別の非特許文献9では、CaMV35Sプロモーターの制御下でのパニクム(Panicum)ミトコンドリアの過剰発現および細胞性AspAT(mAspATおよびcAspATのそれぞれ)の効果が遺伝子組み換えタバコにおいて評価されている。mAspATまたはcAspAT形質転換植物は、それぞれ、非形質転換植物の約3倍または3.5倍高い葉におけるAspAT活性を有した。興味深いことに、両方の形質転換された植物の葉はPEPCaseのレベルを増加し、cAspATを伴う形質転換植物はその葉中のmAspATのレベルも増加していた。これらの結果は、遺伝子組み換えタバコ内のパニクムcAspATの増加した発現が、遺伝子組み換えタバコの内因性のmAspATおよびPEPCaseの発現を増強し、パニクムmAspATの増加した発現が内因性のPEPCaseの発現を増強することを示唆する。しかしながら、植物の生長および生産性におけるAspAT過剰発現の効果の説明はない。
また別の非特許文献10では、葉緑体、細胞性およびミトコンドリアのAspATアイソザイム、それぞれをコードしているイネ由来の3つのAspAT遺伝子(OsAAT1−3)および大腸菌(EcAAT)由来の1つのAspAT遺伝子が、CaMV35Sプロモーターの制御の下、イネにおいて過剰発現されている。当該OsAAT1、OsAAT2、およびEcAATの形質転換体は、主に葉のAspAT活性およびより多い種のアミノ酸ならびにタンパク質含有量の増加を示した。しかしながら、OsAAT3の過剰発現した植物中の葉のAspAT活性、種のアミノ酸含有量またはタンパク質含有量において優位な変化は見られなかった。
また別の非特許文献11では、AspAT5をコードしたダイズ由来の葉緑体AspATが、シロイヌナズナにおいて過剰発現を達成するためCaMV35Sプロモーターに結合された。形質転換体におけるAspAT5の発現は、T種における、遊離型グリシン、アラニン、アスパラギン、およびGluのそれぞれの含有量において、3倍、4倍、23倍、および50倍の増加をもたらす。しかしながら、バリン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、およびフェニルアラニンの含有量において数倍の現象も観測された。さらに、植物の生長および生産性において、AspAtの過剰発現の効果に関する報告はない。
また別の非特許文献12では、トウモロコシ由来のDof1転写因子の過剰発現は遺伝子組み換えシロイヌナズナにおけるNの吸収を改善する。Dof1を発現する植物はC骨格生産量、アミノ酸含有量の著しい増加、およびグルコースレベルの減少のため遺伝子をコードしている酵素の上方修正を示した。当該結果は、C代謝およびN代謝の密接な関係に基づく、C代謝およびN代謝の相対的な変更を示唆する。元素分析は、N含有量がDof1遺伝子組み換え植物において増加し、正味のNの吸収の促進を示唆することを明らかにした。しかしながら、植物バイオマスまたは産出量におけるCNの代替の効果は考察されなかった。
また別の非特許文献13では、NADK2変異体と共に、NADキナーゼ2の過剰発現をした遺伝子組み換えシロイヌナズナは、植物の代謝におけるNADPレベルを変更することの影響の調査が挙げられた。代謝産物のプロファイルは、NADP(H)濃度が、NADK2の過剰発現およびNADK2変異体においてNADK活性に比例していた。カルビン回路と関連するいくつかの代謝産物も、過剰発現体においてより高く、全ルビスコ活性における増加によりなされた。さらに、NADK2の過剰発現に起因する増強したNADP(H)の生成物は、Nの吸収を増加した。GlnおよびGlu濃度は、いくつかの他のアミノ酸と同様、過剰発現体において高かった。しかしながら、C代謝およびN代謝に影響するNADK2の役割において明らか証拠はない。
植物のCおよびNの状況における改善は生産性を改善することに大きく関係する。しかしながら、植物のCレベルおよびNレベルの増強ならびに続くバイオマスおよび産出量における改善を示す報告はまだされていない。
さらに、3つ遺伝子(すなわち、AspAT、GSおよびPEPCase)を過剰共発現して、CおよびN、バイオマスならびに産出量の状態を増強する試みはなされていない。
本発明の主な目的は、上記に詳述した先行技術で知られている欠点を未然に防ぐ、植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量を増強する発現構築物を提供することである。
本発明の別の目的は、AspAT(配列番号1)、GS(配列番号2)、およびPEPcase(配列番号3)の過剰共発現のための発現構築物を提供することであり、ここでPEPCaseはCOを効率よく補足し、他の2つの遺伝子をNの吸収における役割を有する酵素(AspATおよびGS)にコードし、PEPCaseの媒介した反応によって提供された炭素骨格を用いることで、結果的に、改善された植物のバイオマスおよび産出量を伴うCの状況およびNの状況を増強する。
また、本発明の別の目的は、遺伝子(AspAT、GSおよびPEPCase)の過剰共発現を示す遺伝子組み換え植物を生育することである。
また、本発明の別の目的は、遺伝子組み換え植物のAspAT、GSおよびPEPCase遺伝子の発現を評価することである。
また、本発明の別の目的は、遺伝子組み換え植物を、C、N、バイオマスおよび産出量の状況について、野生植物と比較して評価することである。
したがって、本発明は、配列番号1、配列番号2および配列番号3によって表されるヌクレオチド配列を含む遺伝子AspAT、GSおよびPEPCaseの共発現のため、配列番号7によって表される発現構築物を提供し、ここで、配列番号1はAspAT遺伝子を表し、配列番号2はGS遺伝子を表し、配列番号3はPEPCase遺伝子を表し、少なくとも1つの制御配列および転写ターミネーター配列に結合し、野生型または非形質転換植物と比べて、植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量を増強するのに有効である。
本発明の実施形態において、制御配列は配列番号4によって表されるのが好ましい。
本発明の別の実施形態において、転写ターミネーター配列は配列番号5によって表される。
一実施形態において、本発明は、ダイズ由来の細胞質AspAT遺伝子、タバコ由来の細胞質GS遺伝子およびトウモロコシ由来の細胞質PEPCase遺伝子から調製される発現構築物を提供する。
本発明の別の実施形態において、配列番号7を有するポリヌクレオチドは、植物中で過剰発現される。
本発明のさらに別の実施形態において、用いられる制御配列は、CaMV35Sプロモーター、ルビスコ(rubisco)プロモーター、ユビキチンプロモーター、アクチンプロモーターからなる群から選択される構成的プロモーターである。
本発明のさらに別の実施形態において、用いられるターミネーターは、NosターミネーターおよびCaMV3’UTRからなる群から選択されるのが好ましい。
本発明のさらに別の実施形態において、発現構築物の調整プロセスは、
i)配列番号10および配列番号11によって表されるプライマーを用いて配列番号1によって表されるcDNA配列をコードしている遺伝子を増幅する工程、配列番号8および配列番号9によって表されるプライマーを用いて配列番号2によって表されるcDNA配列をコードしている遺伝子を増幅する工程ならびに配列番号12および配列番号13によって表されるプライマーを用いて配列番号3によって表されるcDNA配列をコードしている遺伝子を増幅する工程;
ii)工程(i)で得られる配列番号1、2および3の増幅された生成物をpGEM−Tイージーベクターに独立にクローニングする工程;
iii)工程(ii)で得られた陽性クローンからプラスミドを独立にpCAMBIA1302と一緒に消化し、さらに消化された遺伝子生成物およびpCAMBIA1302をライゲーションし、大腸菌DH5α細胞に形質転換する工程;
iv)工程(iii)で得られた陽性コロニーからプラスミドの配列を決定して、AspAT::pCAMBIA1302;GS::pCAMBIA1302およびPEPCase::pCAMBIA1302のインフレームクローニングを確認する工程;
v)配列番号10および配列番号16;配列番号14および配列番号15ならびに配列番号17および配列番号18によって表されるプライマーを用いて工程(iv)で得られた生成物を増幅する工程;
vi)クローニングする工程、消化する工程、ライゲーションする工程および配列決定する工程を増幅されたGSコード配列に対して独立に再度行い、さらに消化されたGS+pCAMBIA1302を形成し、ならびに増幅されたAspATコード配列の陽性クローンのプラスミドをライゲーションしてAspAT+GS+pCAMBIA1302発現カセットを形成する工程;
vii)遺伝子AspA、GSおよびPEPCaseが独立したCaMV35SプロモーターおよびNos転写ターミネーターによって制御されるように、工程(vi)で得られるAspAT+GS+発現カセットで前もってクローニングされた目的pCAMBIA1302と、増幅されたPEPCaseコード配列の陽性クローンの消化されたプラスミドとをライゲーションして、配列番号7によって表される、単一植物の発現構築物AspAT+GS+PEPCaseを形成する工程、
を含むプロセスである。
本発明のさらに別の実施形態において、増強する工程が、
a)請求項1に記載の発現構築物でアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)菌種を形質転換する工程;
b)工程(a)で得られた組み換えアグロバクテリウム・ツメファシエンス菌種で外植体を形質転換する工程;
c)工程(b)の形質転換された外植体を選択して、野生型植物と比べて植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量を増強された所望の形質転換植物を得る工程:
を含む、発現構築物を用いて、植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量を増強するプロセスである。
本発明のさらに別の実施形態において、野生型と比べて、形質転換植物がPEPCase活性において約45〜50%、GS活性において少なくとも55%、およびAspAT活性において55〜60%の増加を示し、結果的に植物の炭素および窒素レベルを増加する、プロセスである。
本発明の別の実施形態において、得られるアグロバクテリウム(Agrobacterium)菌種は、ATCCナンバーアグロバクテリウム・ツメファシエンス(GV3101(pMP90RK)(C58誘導体)ATCC(登録商標番号:33970)(参照:Hayashi H,Czaja I,Lubenow H,Schell J,Walden R.1992年)を伴うGV3101からなる群から選択される。
本発明のまた別の実施形態において、形質転換植物は、穀類作物、豆類、野菜作物、油糧種子作物および観賞植物からなる群から選択される。
また別の実施形態において、形質転換植物は、シロイヌナズナ、トマト、ポテト、タバコ、トウモロコシ、小麦、イネ、コットン、マスタード、キマメ、ササゲ、エンドウ、サトウキビ、ダイズおよびソルガムからなる群から選択される。
さらに別の実施形態において、野生型と比べて、上記形質転換植物は、増加した種子の産出量および/または鞘の産出量によって示される増加した産出量および/またはバイオマスを示す。
さらに別の実施形態において、形質転換植物は、野生型または非形質転換植物と比べて、増加した新芽の新鮮重量、新芽の乾燥重量、根の新鮮重量および根の乾燥重量によって特徴づけられる増強された生長特性を示す。
本発明のまた別の実施形態において、形質転換された植物は、野生植物と比べて増強した炭素、窒素、バイオマスおよび産出量のレベルを示す。
本発明のさらに別の実施形態において、遺伝子組み換え植物中の過剰発現酵素の発現および機能が評価される。
本発明のまた別の実施形態において、用いられる選択可能なマーカーは、複製CaMV35Sプロモーターによって制御され、CaMV3’UTR(ポリAシグナル)によって停止されるハイグロマイシン耐性のための配列番号6によって表されるhpt遺伝子(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)である。
本発明の別の実施形態において、生化学的評価およびRT−PCRは、導入された遺伝子の発現を評価し、遺伝子組み換え植物中の過剰発現酵素の機能を評価するために行われた。
本発明のさらなる実施形態において、遺伝子組み換え植物は、同じ条件で栽培された野生植物と比較して異なる生長および産出量パラメーターを示した。
Hudspeth,R.L.、Grula,J.W.、Dai,Z.、Edwards,G.E.およびKu,M.S.B、「Expression of miaze phosphoenolpyruvate carboxylase in transgenic tobacoo(遺伝子組み換えタバコにおいてのトウモロコシ(Miaze)のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの発現)」、Plant Physiology、1992年、第98巻、p.458〜464 Lebouteiller,B.、Dupont,A.G.、Pierre,J.N.、Bleton,J.、Tchapla,A.、Maucourt,M.および Moing,A.、Rolin,D.、およびVidal,J.、「Physiologica l impacts of modulating phosphoenolpyruvate carboxylase levels in leaves and seeds of Arabidopsis thaliana(シロイヌナズナの葉および種におけるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼレベルの調節の生理学的影響)」、Plant Science、2007年、第172巻、p.:256〜272 Chen,L.M.、Li,K.Z.Miwa,T.およびIzui,K.、「Overexpression of a cyanobacterial phosphoenol pyruvate carboxylase with diminished sensitivity to feedback inhibition in Arabidopsis changes amino acid metabolism(シロイヌナズナ中のアミノ酸代謝を変化するフィードバック抑制に対する減少した感度を有するシアノバクテリアのホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの過剰発現)」、Planta、2004年、第219巻、p.440〜419 Fukayama,H.、Hatch,M.D.、Tamai,T.、Tsuchida,H.、Sudoh,S.、Furbank,R.T.およびMiyao,M.、「Activity regulation and physiological impacts of maize C(4)−specific phosphoenolpyruvate carboxylase overproduced in transgenic rice plants(遺伝子組み換えイネにおいて過剰生産されたトウモロコシC4)の具体的なホスホエノールピルビン酸 カルボキシラーゼの活性調節および生理学的影響)」Photosynthesis Research 、2003年、第77巻、p.227〜239 Vincent,R.、Fraisier,V.、Chaillou,S.、Limami,M.A.、Deleens,E.、Phillipson,B.、Douat,C,Boutin,J.P.およびHirel,B.、「Overexpression of a soybean gene encoding cytosolic glutamine synthetase in shoots of transgenic Lotus corniculatus L.plants triggers changes in ammonium assimilation and plant development(アンモニウム吸収および植物発育における変化をもたらす遺伝子組み換えのセイヨウミヤコグサの新芽におけるダイズ遺伝子をコードしている細胞性グルタミンシンテターゼをコードしているダイズ遺伝子の過剰発現)」、Planta、1997年、第201巻、p.424〜433 Fuentes,S.I.、Allen,D.J.、Ortiz−Lopez,A.およびHernandez,G.、「Overexpression of cytosolic glutamine synthetase increases photosynthesis and growth at low nitrogen conditions(低窒素条件で光合成および生長を増加する細胞性グルタミンシンテターゼの過剰発現)」、Journal of Experimental Botany 、2001年、第52巻、p.1071〜1081 Oliveira,I..、Brears,T.、Knight,T.、Clark,A.およびCoruzzi,G.、「Overexpression of cytosolic glutamine synthetase.Relation to nitrogen,light,and photorespiration(細胞性グルタミンシンテターゼの過剰発現、窒素、光および光呼吸との関連性)」Plant Physiology、2002年、第129巻、p.1170〜1180 Cai,H.、Zhou,Y.、Xiao,J.、Li,X.、Zhang,Q.およびLian,X.、「Overexpressed glutamine synthetase gene modifies nitrogen metabolism and abiotic stress response in rice(イネにおける窒素代謝および非生理的なストレス応答を変性する過剰発現したグルタミンシンテターゼ遺伝子)」、Plant Cell Reports、2009年、第28巻、p.527〜537 Sentoku,N.、Taniguchi,M.、Sugiyama,T.、Ishimaru,K.、Ohsugi,R.、Takaiwa,F.およびToki,S.、「Overexpressed glutamine synthetase gene modifies nitrogen metabolism and abiotic stress response in rice(キビのアスパラギン酸アミノ基転移酵素遺伝子を発現する遺伝子組み換えタバコの分析)」、Plant Cell Reports、2000年、第19巻、p.598〜603 Zhou,Y.、Cai,H.、Xiao,J.、Li,X.、Zhang,Q..およびLian,X.、「Over−expression of aspartate aminotransferase genes in rice resulted in altered nitrogen metabolism and increased amino acid content in seeds(変更した窒素代謝および増加した種中のアミノ酸含有量を招くアスパラギン酸アミノ基転移酵素遺伝子の過剰発現)」、Theoretical and Applied Genetics、2009年、第118巻、p.1381〜1390 Murooka,Y.、Mori,Y.およびHayashi,M.、「Variation of the amino acid content of Arabidopsis seeds by expressing soyabean aspartate aminotransferase gene(ダイズのアスパラギン酸アミノ基転移酵素遺伝子を発現してシロイヌナズナの種のアミノ酸含有量の変動)」、Journal of Bioscience and Bioengineering、2009年、第94巻、p.225〜230 Yanagisawa,S.、Akiyama,A.、Kawaka,H.、Uchimiya,H.およびMiwa,T.、「Metabolic engineering with Dofl transcription factor in plants:Improved nitrogen assimilation and growth under low−nitrogen conditions(植物におけるDof1転写因子を伴った代謝工学:改善した窒素の吸収および低窒素条件下での生長)」、Proceedings of the National Academy of Sceinces(USA)、2004年、第101巻、p.7833〜7838 Takahashi,H.、Takahara,K.、Hashida,S.、Hirabayashi,T.、Fujimori,T.、Kawai−Yamada,M.、Yamaya,T.、Yanagisawa,S.およびHirofumi Uchimiya,H.、「Pleiotropic Modulation of carbon and nitrogen metabolism in Arabidopsis plants overexpressing the NAD kinase2 gene(NAD キナーゼ2遺伝子を過剰発現するシロイヌナズナにおける炭素代謝および窒素代謝の多面的な調節)」、Plant Physiology、2009年、第151巻、p.100〜113
図1は、実施例1〜4に示すように、(a)AspAT、GSおよびPEPCaseの植物形質転換ベクターpCAMBIA1302のT−DNA領域の概略図、ならびに(b)個々の植物源由来のAspAT、GSおよびPEPCaseのコード配列の増幅の概略図を表す。 図2は、WT、L1およびL2のDNA分析(a)およびRNA分析(b)(ここで、WTは野生;L1およびL2は2つの異なる遺伝子組み換えラインの過剰共発現したAspAT、GSおよびPEPCaseである)を表す。 図3は、播種60日での、WTおよびAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物の新芽の新鮮重量(FW)(a)、新芽の乾燥重量(DW)(b)、根の新鮮重量(c)および根の乾燥重量(d)を表す。データは、各バーに記された標準偏差を有する5つの分離した生理的複製物の平均である。 図4は、播種42日でのWT、L1およびL2の(a)AspAT活性、(b)GS活性および(d)PEPCase活性を表す。 図5は、播種65日での異なる植物の部分のWT、LIおよびL2の(a)N含有量および(b)C含有量の分析を表す。データは3つの生理的複製物の平均を各バーで記した標準偏差を用いたものである。 図6は、播種75日での代表的なWTおよびAspAT+GS+PEPCase 遺伝子組み換え植物を表す。 図7は、播種75日でのWT、L1およびL2における、鞘の数(a)および種の産出量を表す。データは、各バーで記した5つの分離した生理的複製物の平均である。
本発明は、植物におけるCの代謝およびNの代謝の遺伝子工学に関する。特に、本発明は、増加したCおよびNのレベルを有し、これにより良好な生長およびバイオマス生産および増強された産出量を促進するためのCおよびNの吸収もしくはCおよびNの利用ならびに/またはCおよびNの発現に関する、酵素に付随する変更をしたAspAT、GSおよびPEPCaseの過剰共発現のための発現構築物に関する。
用語「ベクター」は、必要なときに、外来の資源からの遺伝子がライゲーションされかつ単離される核酸から作成される構成のことである。その構成は通常、プラスミド(すなわち、核酸を置換する染色体自体)であり、例えば大腸菌のバクテリア細胞で繁殖される。本発明におけるベクターは別の1つの資源から遺伝子を転換するために用いられた。
用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖を製造しうる核酸配列のことである。
用語「遺伝子発現」は、DNA(すなわち、デオキシリボ核酸の配列)によって選択して転写されたRNA(すなわち、リボ核酸配列)(すなわち、DNAによるRNAの合成プロセス)のレベルおよび量を意味する。遺伝子は、対照と比べてより多く転写されたとき、そのことは遺伝子の「過剰発現」といわれた。
用語「プロモーター」は具体的なDNA配列を意味し、通常、転写に関するDNA配列の上流(5’)に位置し、酵素RNAポリメラーゼが転写プロセスのため結合している。「構成的プロモーター」は全組織において、周囲環境に関しない全期間中の遺伝子の発現ならびに生物の発育段階に関する。
用語「発現カセット」は、(a)構成的プロモーター;(b)構成的プロモーターに3’位でクローニングした全3つの遺伝子、(c)コード配列に3’位に位置するポリアデニル化シグナル、を含むベクターを意味する。
用語「選択可能なマーカー」は、それ以外は有毒な抗生物質の存在下で細胞の生存を可能とする遺伝子を意味する。
用語「遺伝子組み換え植物」は、ゲノムに導入された遺伝子の安定な融合をした遺伝子工学的に形質転換された植物を意味し、後代に遺伝情報を伝えることができる。
「野生型」植物は、非形質転換植物である。
用語「T」は、同定され、対応する耐性遺伝子を含有する遺伝子組み換え植物のための選択試薬抗生物質の存在下での生長が選択される遺伝的な形質転換植物の第一セットを意味する。用語「T」は、前もって遺伝子組み換えに選択された、T世代植物の花の自己受精後に得られる世代の植物を意味する。「T」植物は、T植物から生産される、などである。
本発明は、以下の実施例により、より詳細に説明されるだろう。
以下の実施例は、本発明の説明を目的として示され、それゆえ本発明の範囲を限定するために解釈されるべきではない。
本発明で用いられたプライマーの配列を以下に示す。
(実施例1)
(AspAT遺伝子の増幅およびクローニング)
ヌクレオチド配列をコードしたダイズのサイトソルAspAT遺伝子(配列番号1)を、ヌクレオチド配列のNCBIデーターベース(GenBank Accession No.AF034210.1;(http://www.ncbi.nlm.nih.pov/nuccore/AF034210.1)から得た。ダイズからのRNAを、iRIS Plant RNAキットを用いて単離した(Ghawanaら、米国特許第0344NF2004/IN号明細書)。cDNAを、製造業者の取扱い説明に従って、2 U DNase I(増幅等級、米国インビトロジェン(Invitrogen)製)で消化した後、1μgのオリゴ(dT)12−18および逆転写酵素Superscript II(インビトロジェン)の400Uの存在下で、全RNA調剤(2μg)を用いて合成した。その後、AspATの全コード領域を、制限酵素部位BglII(AGATCT)のようなプライマーAspATBglIIF(配列番号10)およびAspATPmlIR(配列番号11)を用いてダイズcDNAから増幅し、PmlI(CACGTG)をAspATのコード配列に組み込んだ。Qiagen High Fidelity Taqポリメラーゼ酵素を以下の条件を用いてPCRのために用いた:3分間、94℃での初期変性、30秒間94℃を30回、30秒間59℃でアニーリング、1分20秒間72℃でエクステンション、7分間72℃で最終エクステンション。増幅した生成物を、pGEM−Tイージーベクター(米国プロメガ(Promega)社)にクローニングした。陽性クローン由来のプラスミドとpCAMBIA1302プラスミドを、BglIIおよびPmlIで消化し、アガロースゲル電気泳動から単離した消化生成物をライゲーションし、タカラバイオ社(日本)から入手した大腸菌DH5α細胞(カタログ番号第9057)に形質転換した。当該陽性コロニー由来のプラスミドを配列し、pCAMBIA1302のCaMV35Sプロモーター(配列番号4)およびNosターミネーター(配列番号5)の間に位置するAspATコード配列のフレームクローニング中で確認し、得られたベクターをAspAT::pCAMBIA1302として設計した。
(実施例2)
(GS遺伝子の増幅およびクローニング)
タバコのサイトソルGS遺伝子(配列番号2)をヌクレオチド配列のNCBIデーターベース(GenBank Accession No.X95932.1;(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/X95932.1))から得た。タバコ由来のRNAを、iRIS Plant RNAキットを用いて単離した(Ghawanaら、米国特許第0344NF2004/IN号明細書)。cDNAを、製造業者の取扱い説明に従って、2 U DNase I(米国インビトロジェン製、増幅等級)で消化した後、1μgオリゴ(dT)12−18および逆転写酵素Superscript II(インビトロジェン)の400Uの存在下で、全RNA調剤(2μg)を用いて合成した。GSの全コード領域を、制限酵素部位NcoI(CCATGG)(配列番号8)を伴ったプライマーGSNcoIFおよび制限酵素部位BstEII(GGTGACC)(配列番号9)を伴ったGSBstEIIRを用いてタバコのcDNAから増幅した。GSNcoIFプライマーを、BglIIサイトを除去するために、位置15の「A」ヌクレオチドを「G」で置換して変性した。
Qiagen High Fidelity Taqポリメラーゼ酵素を以下の条件を用いてPCRのために用いた:3分間、94℃での初期変性、30秒間94℃を30回、30秒間59℃でアニーリング、1分10秒間72℃でエクステンション、7分間72℃で最終エクステンション。増幅した生成物を、pGEM−Tイージーベクター(米国プロメガ社)にクローニングした。当該陽性コロニー由来のプラスミドとバイナリ―ベクターpCAMBIA1302をNcoIおよびBstEIIで消化し、アガロースゲル 電気泳動から単離した消化生成物を、GSをpCAMBIAベクターのCaMV35Sプロモーターの下流に位置させるようにライゲーションした。ライゲーションした生成物を大腸菌DH5α細胞に形質転換し、形質転換体を配列して、GSコード配列のフレームクローニング中で確認し、得られたベクターをGS::pCAMBIA1302として設計した。
(実施例3)
(トウモロコシPEPCase遺伝子の増幅およびクローニング)
ヌクレオチド配列をコードしたトウモロコシPEPCase遺伝子(配列番号3)をNCBIデーターベース(NCBI参照配列NM_001111948.1;(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NM 001111948))から得た。トウモロコシからのRNAを、iRIS Plant RNAキットを用いて単離した(Ghawanaら、米国特許第0344NF2004/IN号明細書)。cDNAを、製造業者の取扱い説明に従って、2 U DNase I(米国インビトロジェン製、増幅等級)で消化した後、1μgオリゴ(dT)12−18および逆転写酵素 Superscript II(インビトロジェン)の400Uの存在下で、全RNA 調剤(2μg)を用いて合成した。
PEPCaseの全コード領域を、制限酵素部位BglII(AGATCT)(配列番号12)を伴ったプライマーPEPCase BglII F(配列番号12)および制限酵素部位SpeI(ACTAGT)(配列番号13)を伴ったPEPCaseSpeIR(配列番号13)を用いてトウモロコシcDNAから増幅した。Q溶液(GCリッチテンプレートの増幅を促進する)を補なった、Qiagen High Fidelity Taqポリメラーゼ酵素を以下の条件を用いてPCRのために用いた:3分間、94℃での初期変性、30秒間94℃を32回、30秒間58℃でアニーリング、3分間72℃でエクステンション、7分間72℃で最終エクステンション。増幅した生成物を、pGEM−Tイージーベクター(米国プロメガ社)にクローニングした。陽性クローン由来のプラスミドとpCAMBIA1302プラスミドを、BglIIおよびSpeIで消化し、アガロースゲル電気泳動から単離した消化生成物をライゲーションし、次いで、大腸菌DH5α細胞に形質転換した。形質転換体を配列して、PEPCaseコード配列のフレームクローニング中で確認し、得られたベクターをPEPCase::pCAMBIA1302として設計した。
(実施例4)
(シングルpCAMBIA1302ベクター中、AspAT、GSおよびPEPCaseのための発現カセットのアセンブリ)(オーストラリアの「Centre for Application of Molecular Biology to International Agriculture(CAMBIA)」製)
単一の植物の形質転換ベクターpCAMBIA1302へのAspAT、GSおよびPEPCaseのそれぞれの発現カセットの増幅および融合の段階的方法は以下に説明する通りである:CaMV35Sプロモーター、下流のクローンGSおよびノパリンシンターゼ(本願明細書において、「Nos」と称す。)、ターミネーターを含むGS発現カセットを、プライマー35SSpeIF(配列番号14)およびNosTAscI,BbvCI,PmlIR(配列番号15)を用いて、GS::pCAMBIA1302ベクターから増幅した(実施例2)。プライマーを順方向プライマー中のSpeI(ACTAGT)、および逆方向プライマー中のAscI(GGCGCGCC)、BbvCI(CCTCAGC)およびPmlI(CACGTG)に組み込み、pCAMBIA1302ベクターのSpeIおよびPmlI部位にGS発現カセットのサブクローニングを促進し、同様にベクター骨格中の3’末端に追加の制限酵素部位(AscI、BbvCI)を作成するように設計した。Qiagen High Fidelity Taqポリメラーゼ酵素を以下の条件を用いてPCRのために用いた:3分間、94℃での初期変性、30秒間94℃を30回、30秒間59℃でアニーリング、2分間72℃でエクステンション、7分間72℃で最終エクステンション。増幅した生成物を、pGEM−Tイージーベクター(米国プロメガ社)にクローニングした。陽性クローン由来のプラスミドをSpeIおよびPmlIで消化し、消化した生成物を、アガロースゲル電気泳動から単離し、pCAMBIA1302ベクターのSpeIおよびPmlI部位にライゲーションした。ライゲーションした生成物を大腸菌DH5α細胞に形質転換し、形質転換体をプラスミドの配列決定によって確認した。
3’Nosターミネーター配列と共にAspATコード配列を、BglII(AGATCT)およびSpeI(ACTAGT)のそれぞれの制限酵素部位を有するプライマーAspATBglIIF(配列番号10)およびNosTSpeI(配列番号16)を用いて、AspAT::pCAMBIA1302ベクターから増幅した(実施例1)
Qiagen High Fidelity Taqポリメラーゼ酵素を以下の条件を用いてPCRのために用いた:3分間、94℃での初期変性、30秒間94℃を30回、30秒間59℃でアニーリング、2分間72℃でエクステンション、7分間72℃で最終エクステンション。増幅した生成物を、pGEM−Tイージーベクター(米国プロメガ社)にクローニングした。陽性クローン由来のプラスミドをBglIIおよびSpeIと共に消化において、消化pCAMBIA1302のCaMV35Sプロモーター(前もってGS発現カセットでクローニングしている)の下流にクローニングした。ライゲーションした生成物をその後、大腸菌DH5α細胞に形質転換し、形質転換体を配列して、AspATコード配列のフレームクローニング中で確認した。
PEPCase::pCAMBIA1302ベクター(実施例3)由来の下流のクローニングしたPEPCase遺伝子と共にCaMV35SプロモーターをAscI(GGCGCGCC)のための制限部位を有するプライマー35SAscIF(配列番号17)およびBbVCI(CCTCAGC)のための制限部位を有するPEPCaseBbVCIR(配列番号18)とを増幅した。
Qiagen High Fidelity Taqポリメラーゼ酵素を以下の条件を用いてPCRのために用いた:3分間、94℃での初期変性、30秒間94℃を30回、30秒間60℃でアニーリング、4分間72℃でエクステンション、7分間72℃で最終エクステンション。増幅した生成物を、pGEM−Tイージーベクター(米国プロメガ社)にクローニングし、陽性クローン由来のプラスミドをAscI(GGCGCGCC)およびBbVCI(CCTCAGC)で消化し、アガロースゲル電気泳動から単離した消化生成物を前もってGSおよびAspAT発現カセットでクローニングした消化pCAMBIA1302のNosターミネーター配列の上流にライゲーションした。当該ライゲーションした生成物を大腸菌DH5α細胞に形質転換し、そして形質転換体を配列して、PEPCaseコード配列のフレームクローニング中で確認した。得られた植物の発現ベクターをAspAT、GSおよびPEPCaseの過剰共発現のAspAT+GS+PEPCaseとして設計した。ハイグロマイシ耐性遺伝子(配列番号:.6)が遺伝子組み換え植物をスクリーニングするための選択可能なマーカーとして包含された。
発現構築物の概略図を図1に示され、遺伝子組み換え植物が、配列番号29、30、および31によって表されるタンパク質をより多く製造するような植物の形質転換のために、配列番号7によって表される。
(実施例5)
(遺伝子AspAT、GSおよびPEPCaseを過剰共発現する遺伝子組み換えの シロイヌナズナの生育)
(植物発現ベクター(AspAT+GS+PEPCase)の生産)
簡単に植物発現ベクターを以下の通り構築した:cDNA配列をコードしたダイズのAspAT遺伝子(配列番号1)、タバコのサイトソルGS遺伝子(配列番号2)およびトウモロコシのPEPCase遺伝子(配列番号3)を、最初に独立にpCAMBIA1302ベクターにクローニングした。AspAT、GSおよびPEPCaseのための発現カセット用元素を、その後増幅し、そして遺伝子AspAT、GSおよびPEPCaseがCaMV35SプロモーターおよびNos転写ターミネーターのそれぞれに制御されるようにデスティネーションpCAMBIA1302に集めた。
(アグロバクテリウム媒介植物形質転換:)
AspAT+GS+PEPCaseをATCC番号アグロバクテリウム・ツメファシエンス(GV3101(pMP90RK)(C58誘導体)ATCC(登録商標番号:33970 参照:Hayashi H,Czaja I,Lubenow H,Schell J,Walden R,、1992年)と一緒にアグロバクテリウム・ツメファシエンス菌種GV3101に、標準の三親性(triparental)交配方法を用いて形質転換した。
手短に言うと、組み換え構築AspAT+GS+PEPCaseを含む大腸菌DH5α細胞およびそれらの含むヘルパープラスミドpRK2013を一晩37℃で培養した。アグロバクテリウム株GV3101を48時間28℃で生育した。全部で3つの培養物を、その後ペレット化し、洗浄し、混合し、続いて抗生物質カナマイシン(50ug/mL)およびリファンピシン(50ug/mL)を補充したYEM(酵母エキスマンニトール)プレートにプレートした。抗生物質耐性コロニーをコロニーPCRで確認し、組み換え構築AspAT+GS+PEPCaseでアグロバクテリウムの形質転換を確実に行った。
コロンビア生態型のシロイヌナズナの種は、英国ハーペンデン、IACR−RothamstedのChristine H Foyer博士によって立派に得られた。
シロイヌナズナは、真空浸潤方法を用いてAspAT+GS+PEPCaseを含むアグロバクテリアで形質転換された。手短に言うと、液体5mLの培地を単一の形質転換されたアグロバクテリウムコロニーから作製し、繁殖期後期まで、28℃でカナマイシン(50ug/mL)およびリファンピシン(50ug/mL)を補充したYEM中で生育した。次に、1mLの菌液を、同じ構成物質で補充した100mLのYEB培地で希釈した。当該培養物を、600nmで高額密度が1.〜1.8に達するまで一晩生長した。当該細菌2000gを室温で20分間撹拌し、2%のショ糖、0.05%のMES(Sigma)および0.01%のSilwet L−77(米国、Lehle Seeds)を有する半分の強度のMS(Murashige and Skoog)培地を含有する、浸透用の溶液に懸濁させた。シロイヌナズナの花を菌液に浸し、10分間真空下で浸透した。その後植物を生長チャンバーに移動し、長期間制御して種のセットを生育させた(16時間、22〜23℃で光を当ておよび8時間20℃で暗くした)。
(第1の形質転換体Tの遺伝子組み換えシロイヌナズナの選択性)
形質転換植物由来の種の表面を2分間70%(v/v)のエタノール中に浸漬し、続いて10%(v/v)の次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸漬して殺菌した。その後、種を殺菌した蒸留水で4回洗浄し、ハイグロマイシンBを20μgml−1(Sigma No.H3274)の濃度で補完されたMS培地を含有する1%の寒天に植え付けた。その後、種を4℃の暗所で2時間層状にした。層状化の後、プレートを、発芽の間16時間の光および8時間の暗闇のサイクルで栽培箱に移した。14日後、ハイグロマイシン耐性苗を推定上の第1の形質転換体(T)として選択して、バーミキュライト、パーライトおよびココピートの混合物(1:1:1)を含有する鞘に移植し、生長および結実のための光、温度および湿度の条件を制御して成熟まで育てた。
(AspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物のTおよびTの生産性の向上)
の遺伝子組み換え植物から得られた種はMS+ハイグロマイシンB(20μgmL−1濃度)プレート上で発芽し、分離比3:1(ハイグロマイシンBに対する感度をスコアして)を示す遺伝子組み換えラインは遺伝子組み換え植物のTの生産性を上げるために選択された。ホモ接合の遺伝子組み換え植物はTの生産で得られ、異なる生理学および生化学的パラメーターを野生の対照植物と比較して評価される。
(実施例6)
(AspAT+GS+PEPCaseで形質転換されたアラビドプシス・タリアナのゲノムDNAの分析)
AspAT+GS+PEPCaseで形質転換された2つの独特の遺伝子組み換えライン由来のシロイヌナズナを植物ゲノムに導入遺伝子の挿入を検証するために選択した。ゲノムDNAをDNeasy植物のミニキット(キノゲン社(QIAGEN Co.))を用いて単離した。PCRをハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hpt)遺伝子(配列番号6)(pCAMBIA1302ベクター由来の植物選択マーカー)にプライマーhpt F(配列番号19)およびhpt R(配列番号20)のアニーリングを鋳型として単離したDNAを用いて実施し、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hpt)遺伝子(配列番号6)とした(pCAMBIA1302ベクター由来の植物選択マーカー)。
PCRサイクリング条件を3分間94℃で初期変性、30秒間94℃を28回、30秒間58℃でアニーリング、1分間72℃でエクステンション、7分間72℃で最終エクステンションによって定義した。
図2Aにおいて、WTが野生を表し、L1およびL2が2つの異なる遺伝子組み換えラインを表すという結果が示されている。hpt遺伝子の増幅はAspAT+GS+PEPCaseのシロイヌナズナへの挿入を確かめる遺伝子組み換えと共にのみ見られた。
(実施例7)
(逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応によるAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換えの評価)
形質転換体のRNA分析を、AspAT、GSおよびPEPCaseの発現を確かめるために行った。全RNAをiRISプラントRNAキットを用いて、遺伝子組み換え植物の葉および根から単離した(Ghawanaら、米国特許第0344NF2004/IN号明細書)。cDNAを製造業者の取扱い説明に従って、2 U DNase I(米国インビトロジェン、増幅等級)で消化した後、1μgのオリゴ(dT)12−18および逆転写酵素Superscript II(インビトロジェン)の400Uの存在下で、全RNA調剤(2μg)を用いて合成した。導入遺伝子の発現をAspAT、GSおよびPEPCaseのための遺伝子の具体的なプライマーを用いて評価し、PEPCase Exp F(配列番号21)、PEPCase Exp R(配列番号22)、GS Exp F(配列番号23)、GS Exp R(配列番号24)、AspAT Exp F(配列番号25)およびAspAT ExpR(配列番号26)を設定した。RT−PCR用の陽性対照として、26S rRNAをプライマー 26S F(配列番号27)および26S R(配列番号28)を用いて増幅した。その分析結果を図2Bに示し、ここで、WTは野生を表し、L1およびL2は2つの遺伝子組み換えラインを表す。RT−PCR生成物の増幅を導入された遺伝子の発現を確定する遺伝子組み換えにおいてのみ観察した。
(実施例8)
(野生型およびAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換えシロイヌナズナからの酵素アッセイ)
AspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物および野生植物の酵素アッセイを、以下の通り行った:
PEPCase活性測定:
氷結した葉の試料(200mg)を、50mMのTris−Cl緩衝液(pH7.5)、1.0mMのMgCl、5.0mMのDTT、1.0mMのPMSF、2%(w/v)のPVPP、10%(v/v)のグリセロールおよび0.1%(v/v)のトリトンX−10を含油する抽出緩衝液(1mL)中、乳鉢および乳棒ですりつぶした。抽出物を4℃で、10分間、12,000gで遠心分離し、その上清を酵素の活性の決定に用いた。PEPCaseを、過剰のMDHおよび乳酸脱水素酵素(Ashtonら、1990年)の存在下、340nmでの分光光度法で分析した。当該反応混合物は、50mMのTris−Cl(pH8.0)、5mMのMgCl、5mMのDTT、1mMのNaHCO、5mMのグルコース−6−リン酸塩、0.2mMのNADH、2単位のMDH、0.1単位の乳酸脱水素酵素および粗製抽出物を含有していた。
AspAT活性測定:
200mMのTris−Cl緩衝液(pH7.5)、2.0mMのEDTAおよび20%のグリセロールからなるAspAT用抽出緩衝液
酵素を、IrelandおよびJoy(1990)によって開示されているように、実質的にMDH−カップル反応において分析した。簡単に言うと、当該反応混合物は、10 mM2−オキソグルタル酸、2mMのアスパラギン酸、0.2mMのNADH、および50mMのHEPES緩衝液(pH8.0)を含有していた。当該反応は2−オキソグルタル酸の添加によって開始された。アッセイの制御を反応混合物から2−オキソグルタル酸を排除して行った。
GS活性測定:
GS(グルタミンシンテターゼ)を50mMのTris−Cl緩衝液(pH7.8)、1mMのEDTA、10mMのMgSO、5mMのグルタミン酸ナトリウム、10%(v/v)のグリセロールおよび不溶性PVPP(2%w/v)を含有する粉砕媒体中で抽出した。酵素アッセイを以前Leaら(1990)により開示されているように行い、その活性を、α−グルタミルヒドロキサメートで調製した標準曲線から計算した。
分析結果を図5A〜5Cに示す。PEPCase活性において約45〜50%、GS活性において55%およびAspAT活性において55〜60%の増加を、2つの独立したAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物を野生植物と比較して観察した。
(実施例9)
野生型およびAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換えシロイヌナズナ
におけるCおよびNの分析
AspAT+GS+PEPCaseを形質転換されたシロイヌナズナおよび野生型対照植物の種を20g/Lショ糖で補完された半分の濃度のMS培地において生長させた。14日たった種を、バーミキュライト、パーライトおよびココヤシの混合物(1:1:1)を含有する鞘に移植し、シロイヌナズナ生長チャンバー中、22℃で16時間光を当ておよび20℃で8時間暗闇に維持して長日性の条件で生長させた。ロゼット葉、幹、茎生葉、緑鞘を包含している異なる植物の部分を、65日経過した植物から採取し、80℃で48時間乾燥した。CおよびN元素の定量的な決定を標準物質としてスルファニルアミドを用いて、Elementar CHNS analyzerで行った。その結果を図6に示す。当該元素分析は、AspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物の葉の全炭素含有量およびN含有量が、野生植物と比べてAspAT、GSおよびPEPCaseの過剰共発現によりかなり増加していることを示した。
(実施例10)
野生型およびAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物における生長および産出量の調査
野生型およびAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物を異なる生育特性に対して分析した。新芽の新鮮重量および乾燥重量、根の新鮮重量および乾燥重量を60日たった植物のため記録した。評価した異なるパラメーターを通して、AspAT+GS+PEPCase植物は増強した生育特性を示した。特に、遺伝子組み換え植物は、より大きな面積を有するロゼットにつきより多くの葉を有する。遺伝子組み換え植物は、新芽の乾燥重量において60%の増加し、新芽の新鮮重量において約70%の増加を示し、根の新鮮重量および根の乾燥重量のそれぞれにおいて約40%および30%の増加が見られた(図3参照)。
72日経過したAspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換え植物の鞘の総数を計算し、非形質転換野生植物と比較した(図7a参照)。さらに全種の産出量(全種の重量/植物)も、遺伝子組み換え植物および対照植物について測定した。両方のパラメータを通して、AspAT+GS+PEPCase遺伝子組み換えシロイヌナズナは、図7bに示すように野生植物と比較して増加した産出量を示した。
本発明の利点
1.植物の炭素および窒素の状態を増強する努力がなされ、食事の安全への一歩である。
2.本発明は、PEPCaseの過剰発現が炭素骨格にAspATおよびGSの過剰発現を通して吸収された窒素を捕捉させる革新的なアプローチを提供する。
3.改善された炭素および窒素の捕獲に関する植物の能力は、植物の種および植物のバイオマス生産の両方の点で改善された植物の生産性にも反映された。

Claims (11)

  1. 配列番号1、配列番号2および配列番号3によって表されるヌクレオチド配列を含む、遺伝子AspAT、GSおよびPEPCaseの共発現のための配列番号7によって表される発現構築物であり、配列番号1はAspAT遺伝子を表し、配列番号2はGS遺伝子を表し、配列番号3はPEPCase遺伝子を表し、少なくとも1つの制御配列および転写ターミネーター配列に結合し、野生型または非形質転換植物と比べて、植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量を増強するのに有効である、発現構築物。
  2. 前記制御配列が配列番号4によって表され、および前記転写ターミネーター配列が配列番号5によって表される、請求項1に記載の発現構築物。
  3. 前記制御配列が、CaMV35Sプロモーター、ルビスコプロモーター、ユビキチンプロモーター、アクチンプロモーターからなる群から選択される構成的プロモーターである、請求項1に記載の発現構築物。
  4. 用いられる前記ターミネーターが、好ましくはNosターミネーターおよびCaMV 3’UTRからなる群から選択される、請求項1に記載の発現構築物。
  5. 配列番号7を有するポリヌクレオチドが植物中で過剰発現される、請求項1に記載の発現構築物。
  6. i)配列番号10および配列番号11によって表されるプライマーを用いて配列番号1によって表されるcDNA配列をコードする遺伝子を増幅する工程、配列番号8および配列番号9によって表されるプライマーを用いて配列番号2によって表されるcDNA配列をコードする遺伝子を増幅する工程ならびに配列番号12および配列番号13によって表されるプライマーを用いて配列番号3によって表されるcDNA配列をコードする遺伝子を増幅する工程;
    ii)工程(i)で得られる配列番号1、2および3の増幅された生成物をpGEM−Tイージーベクターに独立にクローニングする工程;
    iii)工程(ii)で得られた陽性クローンからプラスミドを独立にpCAM BIA 1302と一緒に消化し、さらに消化された遺伝子生成物およびpCAM BIA 1302をライゲーションし、大腸菌DH5α細胞に形質転換する工程;
    iv)工程(iii)で得られた陽性コロニーからプラスミドの配列を決定して、AspAT::pCAMBIA1302;GS::pCAMBIA1302およびPEPCase::pCAMBIA1302のインフレームクローニングを確認する工程;
    v)配列番号10および配列番号16;配列番号14および配列番号15ならびに配列番号17および配列番号18によって表されるプライマーを用いて工程(iv)で得られた生成物を増幅する工程;
    vi)クローニングする工程、消化する工程、ライゲーションする工程および配列決定する工程を増幅されたGSコード配列に対して独立に再度行い、さらに消化されたGS+pCAMBIA1302を形成し、増幅されたAspATコード配列の陽性クローンのプラスミドをライゲーションしてAspAT+GS+pCAMBIA1302発現カセットを形成する工程;
    vii)遺伝子AspA、GSおよびPEPCaseが独立したCaMV35SプロモーターおよびNos転写ターミネーターによって制御されるように、工程(vi)で得られるAspAT+GS+発現カセットで前もってクローニングされた目的pCAMBIA1302と、増幅されたPEPCaseコード配列の陽性クローンの消化されたプラスミドとをライゲーションして、配列番号7によって表される、単一植物の発現構築物AspAT+GS+PEPCaseを形成する工程、
    を含む、請求項1に記載の発現構築物の調製方法。
  7. 前記調製方法が、
    a)請求項1に記載の発現構築物でアグロバクテリウム・ツメファシエンス菌種を形質転換する工程;
    b)工程(a)で得られた組み換えアグロバクテリウム・ツメファシエンス菌種で外植体を形質転換する工程;
    c)工程(b)の形質転換された外植体を選択して、野生型植物と比べて植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量を増強された所望の形質転換植物を得る工程:
    を含む、請求項1に記載の発現構築物を用いて、植物の炭素、窒素、バイオマスおよび産出量を増強する方法。
  8. 前記形質転換植物が、シロイヌナズナ、トマト、ポテト、タバコ、トウモロコシ、小麦、イネ、コットン、マスタード、キマメ、ササゲ、エンドウ、サトウキビ、ダイズおよびソルガムを含む群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 野生型と比べて、前記形質転換植物がPEPCase活性において約45〜50%、GS活性において少なくとも55%、およびAspAT活性において55〜60%の増加を示し、結果的に植物の炭素および窒素レベルを増加する、請求項7に記載の方法。
  10. 野生型と比べて、前記形質転換植物は、増加した種子の産出量および/または鞘の産出量によって示される増加した産出量および/またはバイオマスを示す、請求項7に記載の方法
  11. 形質転換植物が、野生型または非形質転換植物と比べて、増加した新芽の新鮮重量、新芽の乾燥重量、根の新鮮重量および根の乾燥重量によって特徴づけられる増強された生長特性を示す、請求項7に記載の方法。
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