JP2014510534A - 動物細胞発現ベクター - Google Patents

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Abstract

本発明は、増加した遺伝子の発現能を有する動物細胞発現ベクターに関し、より詳細には、プロモータの5’末端、転写終結因子の3’末端、または前記プロモータの5’末端と前記転写終結因子の3’末端の両側に遺伝子の発現増加因子であるMAR因子およびSAR因子を含む動物細胞発現ベクターに関する。本発明に係る動物細胞発現ベクターは、従来の動物細胞発現ベクターより非常に優れた遺伝子の発現増加能を示すことで、前記動物細胞発現ベクターを用いて外来遺伝子のタンパク質発現を顕著に増加させることができる。特に、本発明に係る動物細胞発現ベクターは、MTX増幅がなくても高発現の細胞株の確保を可能にするため、非常に有用である。

Description

本発明は、増加した遺伝子の発現能を有する動物細胞発現ベクターに関する。
標的タンパク質を大量に発現、取得して医薬、産業などの用途に利用するために、微生物、植物、酵母、昆虫細胞、動物細胞などの様々な発現システムが用いられている。このうち、微生物は最も利用しやすいシステムであって、様々な応用に適する発現システムとして開発して商用化されている。
しかし、微生物発現システムは、いくつかの制限要因を有している。最大の制限要因は、微生物のタンパク質発現および修飾メカニズム(グリコシル化、リン酸化、アミド化)が動物細胞と相違しており、同じ遺伝子を微生物システムで発現させても発現するタンパク質の構造や特性が本来のタンパク質と完全に一致しないということである。そのため、微生物発現システムを用いた組み換えタンパク質の生成は、合成後に修飾がほとんど起こらず、不活性化するか、機能における顕著な差はなくても修飾や構造における部分的な差を有するタンパク質を発現することが非常に多い。また、微生物発現システムを用いた組み換えタンパク質の生産過程は、微生物の汚染、又は微生物の内毒素汚染などによって副次的な汚染物を除去しなければならないという不都合が伴う。
これに対し、動物細胞発現システムは、動物タンパク質を発現するために最も好適なシステムであるにもかかわらず、微生物発現システムより組み換えタンパク質の発現効率が低く、生産コストが高く、動物細胞の操作過程が煩雑であるため、容易に産業化されていない。現在用いられている産業用の動物細胞株としては、CHO(Chinese Hamster Ovary)、BHK(Baby Hamster Kidney)、骨髄腫(myeloma)などが挙げられ、当該遺伝子を含む発現ベクターをこれらの動物細胞株に形質導入して、標的の外来タンパク質を発現させる。
動物細胞は、グリコシル化をはじめ、様々なタンパク質修飾メカニズムを維持し、培養培地にタンパク質を分泌する場合、タンパク質の取得と精製過程がより容易である。ほとんどの動物細胞が培養過程で血清タンパク質などの複合的な添加物を必ず要する反面、CHO細胞は、血清およびタンパク質が添加されていない培地で培養できることにより、組み換えタンパク質の発現に最も好適な宿主として活用される。また、CHO細胞は、多くの先行研究によりその特性がよく知られており、成長速度が速く、大量培養のための懸濁培養(suspension culture)が可能であるという利点を有している。
通常、動物細胞で外来遺伝子を発現しようとする際、外来遺伝子と標識(marker)を有するベクターを同時に形質導入(transfection)させ、形質転換した細胞は、選択培地で培養して選別する。しかし、ほとんどの場合、これらの発現頻度は非常に低い。その理由の一つは、微生物システムとは異なり、動物細胞では、これらの外来遺伝子が宿主細胞内の染色体に挿入されなければならないという点である。また、外来遺伝子が宿主細胞の染色体に安定して挿入されている形質転換体(stable transfectants)を選別しても、その発現量を予測することは困難である。これは、各細胞ごとに遺伝子の挿入位置が異なり、挿入位置に応じて発現パターンが異なるためである。したがって、動物細胞内に挿入された外来遺伝子の数と遺伝子の発現量は、明確な相関関係を有しない(Grindley et al., 1987, Trends Genet. 3, 16-22; Kucherlapati et al., 1984, Crit. Rev. Biochem. 16, 349-381; Palmiter et al., 1986, Annu. Rev. Genet. 20, 465-499)。ほとんどの場合、動物細胞における遺伝子の発現は、挿入された周辺の核酸塩基によって抑制され、安定的に挿入された外来遺伝子(stably Integrated transgenes)であっても、時々、非常に低いレベルで発現する(Eissenberg et al., 1991, Trends Genet. 7, 335-340; Palmiter et al., 1986, Annu. Rev.Genet . 20, 465-499)。
このような遺伝子位置特異的な影響から外来遺伝子の発現を保護するための核酸因子の利用の可能性が様々なシステムから報告されてきた。前記核酸因子としては、緩衝部位(insulator)因子および核マトリックス付着領域(Nuclear Matrix Attachment Region:以下、「MAR」とする)または足場付着領域(Scaffold Attachment Region:以下、「SAR」とする)などを活用してもよい。これらの作用メカニズムは明らかになっていないが、トランスジーン(transgene)構造体に含まれている際、挿入位置とは無関係に遺伝子の発現を誘導して、その発現量が遺伝子のコピー数に応じて決まる(McKnight, R.A. et al., 1992, Proc. Natl. Acad. USA.89, 6943-6947)。カロスらは、ヒトアポリポタンパク質(apolipoprotein)B遺伝子のMAR因子を最小プロモータトランスジーン構造体(minimal promoter transgene construct)に組み合わせ、動物細胞で遺伝子の発現を誘導して、その転写体の発現を約200倍増加させた(Kalos et al., 1995, Mol. Cell. Biol. 15, 198-207)。同様に、脊椎動物細胞においてニワトリリゾチーム(chicken lysozyme)A遺伝子のMAR因子と、ヒトインターフェロンβ(interferon β)遺伝子のSAR因子なども宿主細胞染色体内の挿入位置とは無関係に外来遺伝子の発現を増加させる性質を有すると報告された(Eissenberg et al., 1991, Trends Genet. 7, 335-340; Klehr et al., 1991, Biochemistry 30, 1264-1270)。しかし、このような特定のβグロビンMAR因子、特定のCSP−B SAR因子または特定のインターフェロンβSAR因子の組み合わせを用いて、細胞株において実質的にタンパク質の生産を増加させるための試みや産業的な採算性が検証された事例はまだ報告されていない。
本背景技術の部分に記載の前記情報は、単に本発明の背景に対する理解を向上させるためのものであって、そのため、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって公知の先行技術を形成する情報が含まれていないことがある。
本発明の目的は、作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端および/または前記転写終結因子の3’末端に1コピー以上のMAR因子及びSAR因子を含む動物細胞発現ベクターを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記動物細胞発現ベクターで形質転換された組み換え動物細胞を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記動物細胞発現ベクターを用いた標的タンパク質の生産方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端および/または前記転写終結因子の3’末端に1コピー以上のMAR因子またはSAR因子を含む動物細胞発現ベクターを提供する。
また、本発明は、作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端および/または前記転写終結因子の3’末端に1コピー以上のβグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子およびインターフェロンβSAR因子からなる群から選択される遺伝子の発現増加因子を含む動物細胞発現ベクターを提供する。
また、本発明は、作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端および/または前記転写終結因子の3’末端に遺伝子の発現増加因子であるMAR因子およびSAR因子を含む動物細胞発現ベクターを提供する。
また、本発明は、作動可能に連結されたプロモータまたは転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端および/または前記転写終結因子の3’末端に遺伝子の発現増加因子であるβグロビンMAR因子およびCSP−B SAR因子を含む動物細胞発現ベクター(ここで、前記プロモータは、マウスEF1αプロモータ変異体であることを特徴とする)を提供する。
また、本発明は、前記動物細胞発現ベクターで形質転換された組み換え微生物を提供する。
また、本発明は、前記動物細胞発現ベクターで形質転換された組み換え動物細胞を提供する。
また、本発明は、前記組み換え動物細胞を培養して標的タンパク質を発現させてから回収することを特徴とする標的タンパク質の生産方法を提供する。
また、本発明は、配列番号34で表される塩基配列を有するマウスEF1αプロモータ変異体を提供する。
本発明の他の特徴および具現例は、下記の詳細な説明および添付の特許請求の範囲より、さらに明らかになる。
各ベクター別に含有された様々なMAR因子およびSAR因子の組み合わせを概略的に示す一構成図である。 pC(F)mEGM(R)発現ベクターの開裂地図である。 pM(R)mEGC(F)発現ベクターの開裂地図である。 pM(R)M(R)mEG発現ベクターの開裂地図である。 pI(F)SG、pI(R)SG、pSGI(F)、pSGI(R)、pC(F)SG、pC(R)SG、pSGC(F)、pSGC(R)、pM(R)SG、pM(F)SG、pSGM(F)、pSGM(R)ベクターを懸垂培養宿主細胞株に形質導入させた後、VEGF生産量をELISA法で測定した結果を示す図である。 pI(F)SG、pI(R)SG、pSGI(F)、pSGI(R)、pC(F)SG、pC(R)SG、pSGC(F)、pSGC(R)、pM(R)SG、pM(F)SG、pSGM(F)、pSGM(R)ベクターを懸濁培養宿主細胞株に形質導入させた後、VEGF生産量をELISA法で測定した結果を示す図である。 pI(F)SGM(F)、pI(R)SGM(R)、pI(R)SGI(F)、pI(R)SGI(R)、pI(R)SGC(F)、pI(R)SGC(R)、pC(F)SGM(F)、pC(F)SGM(R)、pC(F)SGI(F)、pC(F)SGI(R)、pC(F)SGC(F)、pC(F)SGC(R)、pC(F)C(F)SG、pM(R)SGC(F)、pM(R)SGC(R)、pM(R)SGI(F)、pM(R)SGI(R)、pM(R)SGM(R)、およびpM(R)M(R)SGベクターについてVEGF生産量をELISA法で測定した結果を示す図である。 pC(F)SGM(R)、pM(R)SGC(F)、およびpM(R)M(R)SGについてVEGF生産量をELISA法で測定した結果を示す図である。 図8のベクターのSV40プロモータをmEF1αプロモータ変異体で置換した後、VEGF生産量をELISA法で測定した結果を示す図である。ここで、pmEF1a promoterは、mEF1αプロモータ変異体を示す。 図9のベクターの標的タンパク質を組み換え抗体タンパク質で置換した後、組み換え抗体タンパク質の生産量を測定した結果を示す図である。ここで、pmEF1a promoterは、mEF1αプロモータ変異体を示す。 pM(R)SG、pMhEG、pMcEG、pMmEGおよびpMmEG(TA)の組み換え抗体タンパク質生産量を測定した結果を示す図である。
ここで特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野において熟練した専門家により通常理解されているものと同じ意味を有する。通常、本明細書で用いられる名称は、本技術分野においてよく知られており、通常使用されるものである。
本発明は、遺伝子の発現能が増加した動物細胞発現ベクターに関し、作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端、前記転写終結因子の3’末端、または前記プロモータの5’末端と前記転写終結因子の3’末端の両側に遺伝子の発現増加因子であるMAR因子およびSAR因子を含む動物細胞発現ベクターに関する。
本発明者らは、外来遺伝子の発現の際、遺伝子の発現量の著しい増加のために、動物細胞として知られているCHO(Chinese hamster ovary)細胞またはBHK(Baby hamster kidney)細胞などにおいて、宿主細胞染色体の位置特異的な阻害効果から外部遺伝子の発現を保護し、外部遺伝子の発現を増加させる因子を見出した。
具体的に、核マトリックス付着領域(nuclear matrix attachment region:以下MAR)とSAR(scaffold attachment region)を用いて、前記MAR因子またはSAR因子が、プロモータの5’末端部位または転写終結因子の3’末端に1コピー以上、または2コピー以上含まれるようにベクターを作製し、発現ベクターの性能を比較分析した。
まず、前記MAR因子またはSAR因子の塩基配列を確保するために、当該細胞からゲノム核酸を分離した後、ゲノム核酸対象PCR法およびサブクローニング法により大腸菌細胞ベクターにクローニングして、様々なMAR因子およびSAR因子を確保した。前記MAR因子およびSAR因子は、ヒトβグロビンMAR(Yu, J., Bock, J. H., Slightom, J. L. and Villeponteau, B., Gene 139(2), 139-145 (1994), gene bank #:L22754)、ヒトCSP−Β遺伝子フランキング(flanking)SAR(Hanson, R. D. and Ley, T. J., gene bank #:M62716)、およびヒトインターフェロンβ遺伝子フランキングSAR(Mielke, C., Kohwi, Y., Kohwi-Shigematsu, T. and Bode, J., Biochemistry 29, 7475-7485 (1990), gene bank #:M83137)からなる群から選択することが好ましい。
本発明において、前記動物細胞発現ベクターは、作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端および前記転写終結因子の3’末端それぞれに、βグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子およびインターフェロンβSAR因子からなる群から選択される遺伝子の発現増加因子を1コピー以上含む動物細胞発現ベクターであってもよい。
または、前記動物細胞発現ベクターは、作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端または前記転写終結因子の3’末端にβグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子およびインターフェロンβSAR因子からなる群から選択される遺伝子の発現増加因子を1コピー以上含む動物細胞発現ベクターであってもよい。
特に、前記遺伝子の発現増加因子は、2コピー以上を含んでもよく、プロモータの5’末端に2コピー以上の前記遺伝子の発現増加因子を含有するか、転写終結因子の3’末端に2コピー以上の遺伝子の発現増加因子を含有してもよい。または、プロモータの5’末端または転写終結因子の3’末端にそれぞれ1コピー以上の遺伝子の発現増加因子を含有させることで、著しい外来遺伝子の発現増加を誘導することができる。
なお、より好ましくは、前記プロモータの5’末端、前記転写終結因子の3’末端、または前記プロモータの5’末端及び前記転写終結因子の3’末端の両側に、遺伝子の発現増加因子であるMAR因子およびSAR因子の両方を含んでもよい。
本発明において、本発明における「プロモータ」は、ポリメラーゼに対する結合部位を含み、プロモータ下流遺伝子のmRNAへの転写開始活性を有する、暗号化領域の上流(upstream)の非翻訳領域の核酸配列を意味する。具体的に、「プロモータ」とは、転写開始点(+1)から20〜30塩基に対して上流に存在し、正確な位置からRNAポリメラーゼに転写を開始させる機能を担当するTATAボックスまたはTATAボックスに類似した領域が含まれるが、必ずしもこれらの領域の前後に限定されず、この領域以外に、発現調節のためにRNAポリメラーゼ以外のタンパク質が集合するために必要な領域を含んでもよい。本発明において、前記プロモータは、SV40プロモータまたはCMV来由のプロモータであってもよく、EF−1αプロモータを含んでもよく、これらのプロモータの変異体もまた本発明に含まれてもよい。ここでの変異体は、遺伝子の発現増加のために、プロモータ配列の一部を付加、欠失、または置換した変異体を意味する。
なお、前記プロモータは、外来遺伝子である標的遺伝子の発現を誘導するために作動可能に連結されており、ここで、「作動可能に連結された(operably linked)」とは、一般的な機能を果たすように、核酸発現調節配列と標的タンパク質をコードする核酸配列が機能的に連結されていることを意味する。組み換えベクターとの作動的連結は、当該技術分野において公知の遺伝子組み換え技術を用いて行ってもよく、部位特異的なDNA切断および連結には、当該技術分野において一般的に知られている酵素などを使用する。
本発明において、前記標的遺伝子は、発現しようとする外来産物をコードする遺伝子であって、組み換えタンパク質として発現可能なすべての種類のタンパク質を暗号化する遺伝子である。このようなタンパク質の代表的な例としては、インスリン、サイトカイン(インターロイキン、腫瘍壊死因子、インターフェロン、コロニー刺激因子、ケモカイン等)、エリトロポエチンなどが挙げられ、このような標的遺伝子は、前記ベクターに挿入できるように、制限酵素であるか切断部位が導入されている核酸配列である「クローニングサイト」を含む。
本発明において、遺伝子増加発現因子としては、βグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子、インターフェロンβSAR因子が挙げられ、ここで、「MAR(matrix attachment region)」とは、転写的に活性のDNAループドメインを核マトリックス(nuclear matrix)として知られたタンパク質ネットワークに一時的に付着させるDNA配列を指すものである(Pienta et al. (1991) Crit. Rev. Eukaryotic Gene Expres. 1:355-385)。MAR配列の例は当業界でよく知られている。
本発明において、前記転写終結因子には、従来知られている任意の転写終結因子が含まれてもよい。好ましくは、ガストリン転写終結因子であってもよく、これにpolyAが連結されたものであってもよい。例えば、ヒト成長ホルモンポリアデニレーションシグナル(polyA)、ウシ成長ホルモンポリアデニレーションシグナルまたはSV40ウイルスポリアデニレーションシグナルが含まれてもよい。
本発明者らは、mRNA安定性増加により発現ベクターの効率を向上させるために、遺伝子の転写終結において必須のpoly−Aシグナル、切断部位、及び終結部位が正確に知られているヒトガストリン(gastrin)遺伝子転写終結部位(terminator)を選別および作製して、本発明の発現ベクターに適用した。前記ガストリンは、HindIII制限酵素地図(map)において、poly−Aシグナル、切断部位、及び終結部位が含まれる603bpの断片からなっており、poly−Aシグナルと切断部位とは15bp離れており、終結部位は、poly−Aシグナルから約220bp離れて位置する。前記のように位置したガストリンの転写終結部位で転写が終結し、切断部位でmRNAの切断およびpoly−Aが生じる。
本発明において、前記動物細胞発現ベクターは、プロモータの5’末端または前記転写終結因子の3’末端に1コピーのβグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子またはインターフェロンβSAR因子を含むベクターであってもよい。
本発明において、前記遺伝子の発現増加因子の組み合わせは、例えば、図1に示された構成であってもよく、図1は動物細胞発現ベクターのうち、遺伝子の発現増加因子、プロモータ、PolyA、及びターミネーター(terminator)の結合順序を概略的に示したものであって、ここで、プロモータは、SV40、EF1−alphaプロモータ、又はEF1−alphaプロモータ変異体であり、そしてMAR/SARは、βグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子またはインターフェロンβSAR因子である。
本発明において、前記動物細胞発現ベクターは、プロモータの5’末端または前記転写終結因子の3’末端に、またはプロモータの5’末端および転写終結因子の3’末端にMAR因子およびSAR因子を含むベクターであってもよい。ここで、前記MAR因子と前記SAR因子は、互いに隣接するか互いにコーディング配列または非コーディング配列によって分離していることを特徴としてもよい。
本発明の一具体例として、前記動物細胞発現ベクターは、プロモータの5’末端に1コピーのβグロビンMAR因子を含み、そして前記転写終結因子の3’末端に1コピーのCSP−B SAR因子を含むベクターであってもよい。
本発明の一具体例として、前記動物細胞発現ベクターは、プロモータの5’末端に1コピーのβグロビンMAR因子を含み、前記転写終結因子の3’末端に1コピーのインターフェロンβSAR因子を含むベクターであってもよい。
本発明の一具体例として、前記動物細胞発現ベクターは、プロモータの5’末端に1コピーのCSP−B SAR因子を含み、前記転写終結因子の3’末端に1コピーのβグロビンMAR因子を含むベクターであってもよい。
本発明の一具体例として、前記動物細胞発現ベクターは、プロモータの5’末端に1コピーのインターフェロンβSAR因子を含み、前記転写終結因子の3’末端に1コピーのβグロビンMAR因子を含むベクターであってもよい。
本発明において、2コピーのβグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子、インターフェロンβSAR因子が含まれる場合、前記2コピーのMAR因子またはSAR因子は、好ましくは、互いに隣り合うように連続しているか比較的短いスペーサ領域によって離隔していてもよい。
本発明において、前記ベクターは、βグロビンMAR因子、CSP−B SAR因子、インターフェロンβSAR因子をはじめ、遺伝子の発現増加因子の正方向体または逆方向体を含むことを特徴としてもよい。ここで、それぞれの遺伝子の発現増加因子の方向性は、これらの因子の特定の組み合わせごとに好ましい方向体が異なる。
本発明の一実施例では、配列番号34の塩基配列を有するmEF1プロモータ変異体を用いた場合、MAR因子およびSAR因子を有するベクターにおける抗体生産性が、SV40プロモータを用いた場合より、すべてのベクターで5倍以上増加しており、特に、pC(F)mEGM(R)ベクターの生産性は、10倍以上増加することを確認した。このような結果は、SV40プロモータを用いた場合においてMTX増幅後に確保された生産性より、SV40プロモータをmEF1プロモータで置換してMTX濃度0nMの適応後に測定した生産性が、約2倍高く分析されたため、MTX増幅なしに高発現の細胞株の確保が可能になったことを示す。そのため、本発明は、mEF1プロモータ変異体を使用することを一つの特徴とする。したがって、本発明は、他の観点では、配列番号34で表される塩基配列を有するマウスEF1αプロモータ変異体に関する。
本発明は、他の観点では、前記動物細胞発現ベクターで形質転換された組み換え微生物または組み換え動物細胞に関する。
ここで、動物細胞は、通常知られている動物細胞株であるCHO細胞、Hela細胞、BHK細胞、NIH/3T3細胞、COS−1細胞、COS−7細胞、CHO−K1細胞、又はHEK293細胞などであってもよく、その他にも、SP2/0、NSO、又はPER.C6であってもよい。
本発明は、他の観点では、動物細胞発現ベクターを用いた標的タンパク質の生産方法に関し、前記組み換え動物細胞を培養して標的タンパク質を発現させ、回収することを特徴とする方法に関する。
本発明において、前記生産方法は、(a)前記動物細胞発現ベクターに前記プロモータによって発現が調節されるように標的遺伝子を挿入する段階と、(b)前記標的遺伝子が挿入された動物細胞発現ベクターで動物細胞を形質転換させる段階と、(c)前記形質転換された組み換え動物細胞を培養して標的タンパク質を発現させ、回収する段階と、を含むことを特徴としてもよい。
以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されると解釈しないことは、当業界において通常の知識を有する者にとって自明である。
≪実施例1.MARおよびSAR因子のクローニング≫
MAR/SAR DNAは、Hep G−2細胞株からDNA分離キット(Wizard Genomic DNA purification kit、Promega、米国)を用いてゲノム核酸(genomic DNA)を分離した後、PCR法により確保した。
前記で分離したゲノム核酸200ngを鋳型(template)として使用し、25pmoleの各プライマー、0.5mMのdNTP、ExTaq DNA重合酵素(Takara Shuzo Co.,Japan)を添加して重合酵素連鎖反応(PCR)を実施した。それぞれのMAR/SAR因子について用いられたプライマーの塩基配列とPCRにより得られたDNA断片の大きさは、下記表1のとおりである。重合酵素連鎖反応は、GeneAmp PCR system 9600(Perkin−Elmer Corp、米国)を用いて実施し、PCR条件は、下記表2に示した。
このように得られたヒトβグロビンMAR、CSP−B SAR及びインターフェロンβSARのPCR産物は、pT7blue(R)(Novagene、米国)またはpCR2.1(Invitrogen、米国)ベクターにサブクローニングした。ヒトβグロビンMARは、pT7blue(R)ベクターにサブクローニングし、CSP−B MARおよびインターフェロンβSARは、pCR2.1にサブクローニングした。
≪実施例2:動物細胞発現ベクターの製造≫
2−1:pSV−β−gal/version Iと、version IIベクターの製造
前記でpT7blue、pCR2.1ベクターにサブクローニングされたMARおよびSAR因子をpSV−β−galベクターのプロモータの前部に効率よくクローニングするために組み換えpSV−β−galバージョンI(version I)とバージョンII(version II)ベクターとを作製した。
pSV−β−galベクター(Promega社製、米国)のSV40プロモータを制限酵素Spe I−Sma I−Apa I−EcoR Iを含むプライマー(配列番号7)と、3’末端にHind IIIを含むプライマー(配列番号8)を作製してPCRを行った後、SV40プロモータを含む443bpのSpe I−Hind III断片をアガロースゲル(agarose gel)からBIO 101社製のgene clean III kitで分離精製して回収した後、この断片を同じ制限酵素であるSpe IとHind IIIで処理して開環したpBluescript SK(+)(米国のStratagene社製)ベクターに挿入連結し、まず、pBluescript/SV40 Iプロモータベクターを作製した。次に、前記で作製したpBluescript/SV40 Iプロモータベクターを制限酵素Sca IとHind IIIで処理して、SV40プロモータを含む断片を前記のような方法によりアガロースゲルから分離精製して回収した後、同じ制限酵素で処理して開環したpSV−β−galベクターに挿入連結することで、バージョンIベクターを完成した(pSV−β−gal/version I)。
配列番号7:Sense primer for constructing pSV−beta−gal/ver 1 vector
5’−GCACTAGTCC CGGGCCCATG ATTACGAATT CGCGCAGCACCAT−3’
配列番号8:Antisense primer for constructing pSV−beta−gal/ver 1 vector
5’−GCAAGCTTTT TGCAAAAGCC TAGGCCTCC−3’
また、組み換えpSV−β−galバージョンIIベクターを作製するために、pSV−β−galベクターをEcoR IとHind IIIで処理して、SV40プロモータを含む420bpのEcoR I/Hind III断片を前記のような方法により分離精製して回収した後、この断片を同じ制限酵素であるEcoR IとHind IIIで処理して開環したpBluescript SK(+)ベクターに挿入連結することで、pBluescript/SV40 IIプロモータベクターを作製した。次に、前記で作製したpBluescript/SV40 IIプロモータベクターを制限酵素Sca IとHind IIIで処理してSV40プロモータを含む断片を前記のような方法によりアガロースゲルから分離精製して回収した後、同じ制限酵素で処理して開環したpSV−β−galベクターに挿入連結することで、バージョンIIベクターを完成した(pSV−β−gal/version II)。
2−2:MAR/SAR因子およびβ−gal遺伝子を含むベクターの製造
実施例1で作製されたpT7blue/βグロビンMARベクターを制限酵素Spe IとSma Iで処理してβグロビンMAR因子を含有する3kbサイズのDNA断片をアガロースゲルから分離精製して回収した後、同じ制限酵素であるSpe IとSma Iで処理して開環した組み換えpSV−β−galバージョンIベクターに挿入連結して、βグロビンMAR因子クローニングを完了した(pMS−β−gal)。挿入されたβグロビンMAR因子の方向性を知るために、制限酵素βグロビンMAR因子に存在し、且つ組み換えpSV−β−galバージョンIベクターに存在する制限酵素Hind IIIで処理して逆方向体であることを確認した。
pCR2.1/インターフェロンβSARおよびpCR2.1/CSP−B MARからMAR/SAR因子を分離して、前記のような方法によりpSV/IまたはpSV/IIにクローニングした。インターフェロンβSARは、ApaI/SpeIを用いてpSV−β−gal/version Iにサブクローニングして、pSV−β−gal/インターフェロンβSAR(F)(pIS−β−gal)をそれぞれ製造した。CSP−B SARは、pCR2.1/CSP−B SARから、Spe IとSma I制限酵素を含むプライマー(配列番号9、配列番号10)を用いてPCRを行った後、Spe I/Sma I制限酵素で処理して分離し、同じ制限酵素で処理されたpSV−β−gal/ver IIにサブクローニングして、pSV−β−gal/CSP−B SAR(pCS−β−gal)を製造した。
配列番号9:CSP−B SAR Sense
5’−TTT ACT AGT GGA TCC CAT TCT CCT TGA−3’
配列番号10:CSP−B SAR Antisense
5’−TCC CCC GGG GAA TTC AAA CAA CTC AAT AGC−3’(30mer)Sma I
2−3:ガストリン遺伝子の転写終結部位の確保およびpSG−β−galベクターの製造
ガストリン遺伝子の転写終結部位(GTF)のうちセンス鎖(sense strand)を配列番号11で合成し、アンチセンス鎖(antisense strand)を配列番号12番で合成して、アニーリング(annealing)した。結合反応産物を制限酵素BamH IとPst Iで処理した後、予め同じ制限酵素で処理して開環したpSV−β−galベクター(Promega社製、米国)に連結挿入して、pSG−β−galベクターを完成した。
配列番号11:Sense sequence of gastrin termination site
5’−AGCGGATCCA GGATAATATA TGGTAGGGTT CATAGCCAGA GTAACCTTTT TTTTTAATTT TTATTTTATT TTATTTTGAG CTGCAG−3’
配列番号12:Antisense sequence of gastrin termination site used in pSG vector
5’−CTGCAGCTCA AAATAAAATA AAATAAAAAT TAAAAAAAAA GGTTACTCTG GCTATGAACCCTACCATATA TTATCCTGGA TCCGCT−3’
2−4:pM(R)SGベクターの製造
βグロビンMARリバースプライマーとSPA−GTFを同時に適用したベクターを重合酵素連鎖反応法(PCR)により製造した。pM(R)SGベクターを製造するために、実施例2−2のpMS−β−galと実施例2−3のpSG−β−galを鋳型とし、3セットの重合酵素連鎖反応を実施した後、反応産物を特定の制限酵素で処理して連結することで、pM(R)SGベクターを完成した。
(1)βグロビンMAR因子の重合酵素連鎖反応
pMS−β−galを鋳型とし、センスプライマーML1(配列番号13)とアンチセンスプライマーMR1(配列番号14)を用いてPCRを実施した。得られた反応産物を制限酵素Sac IIとCla Iで処理して切断した後、予め同じ制限酵素で処理して開環したpMS−β−galベクターに連結挿入して一段階のサブクローニングを完了し、中間ベクター産物であるpMS−β−gal/scベクターを作製した。
配列番号13:ML1 primer for amplifying human beta globin MAR element in pMS vector
5’−TCCCCGCGGC CCGGGCCTCC TGAGTAGCTG GGGACT−3’
配列番号14:MR1 primer for amplifying human beta globin MAR element in pMS vector
5’−TTGGGGCCCA TCGATTTTTC CTCTTTAGGT TCTC−3’
(2)マルチクローニングサイトおよび転写終結部位を含む重合酵素連鎖反応
センスプライマーTL1(配列番号15)とアンチセンスプライマーTR1(配列番号16)を用いてpSG−β−galベクターのガストリン転写終結部位のPCRを行った。反応産物を制限酵素処理することなく直接クローニングできるように作製されたTAクローニングベクターの一種であるpGEM−T Easyベクター(米国のPromega社製)にサブクローニングを実施し、ベクター作製中間産物であるpGEM−T/MCSp(A)ベクターを作製した。
配列番号15:TL1 primer of gastrin termination site in pSG vector
5’−GAAGATCTGT TAACTCGAGA ACTTGTTTAT TGCAGCTTA−3’
配列番号16:TR1 primer of gastrin termination site in pSG vector
5’−GTGCCAGCTT GCATGCCTGC−3’
(3)SV40プロモータとマルチクローニングサイト部分の重合酵素連鎖反応
センスプライマーPL1(配列番号17)とPR1(配列番号18)を用いてSV40プロモータとマルチクローニングサイト部分のPCRを行った。反応産物を制限酵素Apa IとBgl IIで処理した後、予め同じ制限酵素で処理して開環した前記で作製されたベクターpGEM−T/MCSp(A)ベクターに連結し、pGEM−T/SVMCSp(A)ベクターを中間産物として作製した。
配列番号17:PL1 primer for fusing SV40 virus promoter and multicloning site
5’−CCGGGCCCAT CGATAAGCTT GATCCCGCGC AGCACCATGG CCTGAA−3’
配列番号18:PR1 primer for fusing SV40 virus promoter and multicloning site
5’−GAAGATCTGC GGCCGCTAGC AAGCTTTTTG CAAAAGCCTA−3’
(4)pMSベクターおよびpMSGベクターの作製
(3)で作製したpGEM−T/SVMCSp(A)ベクターを制限酵素Cla IとBamH Iで処理して、SV40プロモータ、マルチクローニングサイトおよびSV40転写終結部位からなるDNA断片を分離精製した後、予め同じ制限酵素で処理して開環した(1)で作製したpMS−β−gal/scベクターに挿入し、pMSベクターを完成した。pM(R)SGベクターを作製するために、前記で作製したpSG−β−galベクターを制限酵素BamH IとSca Iで処理して、ガストリンのGTF塩基配列を有する950bpのDNA断片を分離精製した後、予め同じ制限酵素で処理して開環させたpMSベクターに連結挿入し、pM(R)SGベクターを完成した。
2−5:pSGベクターの作製
転写終結因子の3’末端にMAR/SAR因子を挿入するためにpSGベクターを作製した。pM(R)SG発現ベクターからSma IとCla Iで処理してMARを除去した後、Klenow処理を施して、平滑末端(blunt end)としてからまた接合させてpSGベクターを製造した。
2−6:pMSGおよびpSGMベクターの作製
pM(R)SG発現ベクターから、Sac IIとCla Iで処理してMAR(R)を分離した後、MAR(F)(MARの正方向体)を確保するために、Sac II/3Cla Iが含まれるようにプライマー(配列番号19、及び配列番号20)を作製し、PCRを行った。PCR産物は、アガロースゲルから分離した後、同じ制限酵素で処理されたpM(R)SGベクターに挿入し、pM(F)SGを作製した。
配列番号19:5’−TTTTCCGCGGTTTTCCTCTTTAG−3’
配列番号20:5’−TTTTATCGATCCTCCTGAGTAG−3’
一方、転写終結因子の3’末端にβグロビンMAR因子を含有した動物細胞発現ベクターであるpSGMを下記のような過程により作製した。
pSGMベクターを作製するために、MARの両末端にNar I制限酵素を含むようにプライマー(配列番号21、及び配列番号22)を作製してpM(R)SGを鋳型とし、PCRを行った。PCR産物はNar I制限酵素で処理し、同じ制限酵素で処理されたpSGベクターに挿入して、pSGM(R)およびpSGM(F)ベクターを製造した。
配列番号21:β−globin MAR Sense Nar I
5’−AAA AGG CGC CCC TCC TGA GTA GCT GGG ACT A−3’(31mer)
配列番号22:β−globin MAR antisense Nar I
5’−AAA AGG CGC CTT CTT CCT CTT TAG GTT CTC C−3’(31mer)
2−7:pISGおよびpSGIベクターの製造
プロモータの5’末端にインターフェロンβSAR因子を含有した動物細胞発現ベクターであるpISGと、転写終結因子の3’末端にインターフェロンβSAR因子を含有した動物細胞発現ベクターであるpSGIを下記のような過程により作製した。
pSV−β−gal/インターフェロンβSAR(F)(pI(F)S−β−gal)ベクターからβ−gal遺伝子部位を除去し、マルチクローニングサイト(MCS)、SV40転写終結部位およびガストリンのGTFを導入してpI(F)SGベクターを製造した。
pI(F)S−β−galベクターのβ−gal遺伝子部位を含むHind III Pst I断片を除去し、同じ制限酵素で処理されたpM(R)SGからHind III Pst I断片を分離した後、挿入してpI(F)SGを製造した。
pI(F)SGベクターは、EcoR I制限酵素で処理した後、インターフェロンβSAR因子をアガロースゲルから分離し、同じ制限酵素で処理されたpI(F)SGベクターにまた挿入した後、制限酵素地図(Enzyme mapping)によりpI(R)SGベクターを製造した。pSGIベクターを製造するために、Nar I制限酵素配列を含むlinker(配列番号23)をpGEM−T Easyに挿入し、pISGベクターから、SAR因子をEcoR I制限酵素で処理して、DNA断片を分離した後、変形されたTベクターに挿入した。またNar I制限酵素で切断した後、同じ制限酵素で処理されたpSGベクターに挿入して、pSGI(F)およびpSG(R)ベクターを作製した。
配列番号23:Linker
5’−GGC CGG CGC CGA ATT CGG CGC C−3’
2−8:pCSGおよびpSGCベクターの製造
プロモータの5’末端にCSP−B SAR因子を含有した動物細胞発現ベクターであるpCSGと、転写終結因子の3’末端にCSP−B SAR因子を含有した動物細胞発現ベクターであるpSGCを下記のような過程により作製した。
pSV−β−gal/CSP−B SAR(F)(pCS−β−gal)を鋳型とし、Cla IとSma I制限酵素を含むプライマー(配列番号24、及び配列番号10)を用いてPCRを行った後、Cla I、Sma I制限酵素で処理してCSP−B SAR DNA断片を得た。pM(R)SGベクターをCla I、及びSma I制限酵素で処理してMARを除去した後、同じ制限酵素で処理して確保されたCSP−B SARを挿入し、pC(R)SG vectorを作製した。
配列番号24:CSP−B SAR Sense Cla I
5’−AAA AAT CGA TAT GAC CAT GAT TAC GCC AAG−3’(30mer)
配列番号10:CSP−B SAR Antisense Sma I
5’−TCC CCC GGG GAA TTC AAA CAA CTC AAT AGC−3’(30mer)
pC(R)SGベクターからSac II制限酵素で処理されたCSP−B SAR因子は、同じ制限酵素で処理されたpSGベクターにまた挿入して、pC(F)SGベクターを作製した。
pSGCベクターを作製するために、CSP−B SARの両末端にNar I制限酵素を含むようにプライマー(配列番号25、配列番号26)を作製して、pC(F)SGを鋳型とし、PCRを行った。PCR産物は、Nar I制限酵素で処理し、同じ制限酵素で処理されたpSGベクターに挿入して、pSGC(F)およびpSGC(R)ベクターを作製した。
配列番号25:CSP−B SAR Sense Nar I
5’−AAA AGG CGC CGA ATT CAA ACA ACT CAA TAG C−3’(31mer)
配列番号26:CSP−B SAR Antisense Nar I
5’−AAA AGG CGC CAT GAC CAT GAT TAC GCC AAG−3’(30mer)
2−9:pMMSG、pMSGM、pMSGCおよびpMSGIベクターの製造
プロモータの5’末端にβグロビンMAR因子を2コピー含有した動物細胞発現ベクターであるpMMSGと、プロモータの5’末端および転写終結因子の3’末端にそれぞれβグロビンMAR因子を1コピーずつ含有した動物細胞発現ベクターであるpMSGMを下記のような過程により作製した。
pM(R)SGベクターを鋳型とし、MARの両末端にNar IとCla I制限酵素を含むプライマー(配列番号21、配列番号27)を用いてPCRを行い、PCR産物は、Nar IとCla I制限酵素で処理し、Cla I制限酵素で処理されたpM(R)SGベクターに挿入して、pM(R)M(R)SGベクターを製造した。
配列番号21:β−globin MAR Sense Nar I
5’−AAA AGG CGC CCC TCC TGA GTA GCT GGG ACT A−3’(31mer)
配列番号27:β−globin MAR Cla I
5’−AAA ATC GAT TT CTT CCT CTT TAG GTT CTC C−3’(31mer)
pM(R)SGM、pM(R)SGCおよびpM(R)SGIベクターを製造するために、pSGM(F)、pSGC(F)、pSGI(F)ベクターをNar I制限酵素で処理して、βグロビンMAR、CSP−B SAR因子またはインターフェロンβSAR因子をそれぞれ分離し、同じ制限酵素で処理されたpM(R)SGに挿入して、pM(R)SGM(R)、pM(R)SGC(F)、pM(R)SGC(R)、pM(R)SGI(F)およびpM(R)SGI(R)ベクターを製造した。
2−10:pI(R)SGI、pI(R)SGC、及びpI(R)SGMベクターの製造
プロモータの5’末端にインターフェロンβSAR因子1コピーを、転写終結因子の3’末端にβグロビンMAR、CSP−B SARおよびインターフェロンβSAR因子1コピーを含有した動物細胞発現ベクターは、下記のような過程により作製した。
pI(R)SGI、pI(R)SGC、及びpI(R)SGMベクターを製造するために、pSGI(F)、pSGC(F)およびpSGM(F)ベクターから、Nar I制限酵素で処理して、MAR/SAR因子をそれぞれ分離した。分離精製されたMAR/SAR因子は、Nar I制限酵素で処理されたpI(R)SGベクターに挿入して、pI(R)SGI(R)、pI(R)SGI(F)、pI(R)SGC(R)、pI(R)SGC(F)、pI(R)SGM(R)およびpI(R)SGM(F)ベクターを製造した。
2−11:pCCSG、pCSGI、pCSGC、およびpCSGMベクターの製造
プロモータの5’末端にCSP−B SAR因子を2コピー含有した動物細胞発現ベクターであるpCCSGは、下記のような過程により作製した。
CSP−B SAR因子を含んでいるpC(F)SGベクターは、Hind III制限酵素で処理して分離した後、セルフライゲーション(self ligation)させた。また、Nhe IおよびSpe I制限酵素で処理してCSP−B SAR因子を分離精製した後、Spe I制限酵素で処理されたpC(F)SGベクターに挿入して、pC(F)C(F)SGベクターを製造した。
pC(F)SGI、pC(F)SGC、pC(F)SGMベクターを製造するために、pSGI(F)、pSGC(F)およびpSGM(F)ベクターから、Nar I制限酵素で処理して、MAR/SAR因子をそれぞれ分離した。分離精製されたMAR/SAR因子は、Nar I制限酵素で処理されたpC(F)SGベクターに挿入して、pC(F)SGI(R)、pC(F)SGI(F)、pC(F)SGC(R)、pC(F)SGC(F)、pC(F)SGM(R)およびpC(F)SGM(F)ベクターを製造した。
2−12:マウスEF1αプロモータおよびその変異体を含む発現ベクターの製造
マウスEF1αプロモータは、DNA分離キット(DNeasy Blood & Tissue Kit、QIAGEN)を用いて、Mouse yolk sac tissueから確保されたゲノムDNA(genomic DNA)から分離した。
Maxime PCR Premix(i−pfu)(Intron biotechnology)に、200ngのゲノムDNA、10pmolの各プライマー(配列番号28、及び配列番号29)および水を総20μLになるように添加して重合酵素連鎖反応(PCR)を行った。反応条件は、サーマルサイクラー(thermal cycler)で、最初94℃で5分から、94℃で30秒、56℃で1分、72℃で3分間の重合反応につながる過程を25サイクル行い、最後に72℃で5分間重合反応を行って、分離キット(GeneAll Expin(商標) PCR SV、Geneall)を用いて分離精製した。
配列番号28:mEF1α−F
5’−TTT TAT CGA TAG CGG AGT AAG GAA GAG TAG−3
配列番号29:mEF1α−R
5’−TTT TGC TAG CAG CGG TGG TTT TCA CAA CAC−3’
pM(R)SG発現ベクターから、まずClaI、及びNheIを用いてSV40プロモータを除去した後、同じ制限酵素で処理されたマウスEF1αプロモータを挿入し、pMmEG発現ベクターを製造した。
マウスEF1プロモータのTATA box塩基配列であるTATATAAの5番目に位置したチミン(Thymine)をアデニン(Adenine)で置換するために、下記のような置換された塩基配列を含むPCRプライマーを作製して、1塩基対の変異(single base pair mutation)を誘導した(Jaeger E.,1997)。
pMmEG発現ベクターを鋳型とし、1番チューブに1番および3番プライマー(配列番号30、配列番号32)、2番チューブには2番および4番プライマー(配列番号31、配列番号33)をそれぞれ混合して1次PCRを行い、二つのチューブからのそれぞれの産物を精製した後、またその産物を混合してこれを鋳型とし、1番および4番プライマーを用いて2次PCRを同じ条件で行った。PCR産物をKpnI、SpeIで処理した後、分離キットを用いてマウスEF1αプロモータ変異体(mEF1α(TA))を確保した。pMmEG発現ベクターは、KpnI、及びSpeIで処理してマウスEF1αプロモータを除去した後、同じ制限酵素で処理されたマウスEF1αプロモータ変異体(配列番号34)を挿入し、pMmEG(TA)を作製した。
配列番号30:mEF−tata−1
5’−TCC CAG GGA CCG TCG CTA AAT TCT CAT AAC−3’
配列番号31:mEF−tata−2
5’−GAA CGG TAT AAA AGT GCG GCA GTC GCC TTG−3’
配列番号32:mEF−tata−3
5’−CAA GGC GAC TGC CGC ACT TTT ATA CCG TTC−3’
配列番号33:mEF−tata−4
5’−GCT CCG CTC AAA ACT CAA GGG GAC AAA TTC−3’
2−13:pmEG発現ベクターの製造
pC(R)SGベクターをSac I制限酵素で処理してCSP−B SARを除去した後、セルフライゲーション(Self−ligation)させた後、またCla IおよびNhe I制限酵素で処理してpGを製造した。pMmEGベクターをCla IおよびNhe I制限酵素で処理してマウスEF1α変異体を分離した後、同じ制限酵素で処理されたpGに挿入し、pmEGベクターを製造した。
2−14:pC(F)mEGM(R)/pM(R)mEGC(F)/pM(R)M(R)mEG発現ベクターの製造
発現効能の高いMAR/SARを2コピー含む発現ベクターにマウスEF1αプロモータ変異体を挿入し、下記のように発現ベクターを製造した。
pMmEG(TA)発現ベクターをCla IおよびNhe I制限酵素で処理してマウスEF1αプロモータ変異体を分離し、pC(F)SGM(R)、pM(R)SGC(F)、及びpM(R)M(R)SG発現ベクターを同じ制限酵素で処理してSV40プロモータを除去した後、分離されたマウスEF1αプロモータ変異体を挿入して、図2の開裂地図を有するpC(F)mEGM(R)、図3の開裂地図を有するpM(R)mEGC(F)、図4の開裂地図を有するpM(R)M(R)mEG発現ベクターを製造した。
ここで、製造された前記pC(F)mEGM(R)ベクター(配列番号35)の情報は、下記のとおりである。
≪実施例3:形質転換された細胞株の作製≫
3−1:懸垂培養宿主細胞株を用いた形質導入
DHFR遺伝子が欠損したCHO細胞株DG44(Dr.chasin、Columbia University)は、10%の血清(fetal bovine serum)が添加されたMEM培地(Minimum Essential Medium、Gibco BRL)で培養した。2×10個の細胞を培地2mLとともに6ウェルプレートに接種し、形質導入の過程まで37℃、5%のCO培養器で一晩培養した。
形質導入は、リポソーム法により行った。商用ベクターであるpSP72ベクターにDHFR遺伝子を導入したpDCH1Pベクターをそれぞれの試験用ベクターとともに100:1のモル比で同時に形質導入した。ベクター各2μgを脂肪界面活性剤(fat surfactant)の一種であるGeneJuice(MERCK、ドイツ)および無血清MEM培地と混合して、常温で45分間反応させた後、洗浄した細胞に培地とともに添加して6時間培養し、反応液を除去した。DHFR遺伝子を用いた形質転換細胞株の選別の際、ヌクレオシドが含まれていないMEM培地で2週間培養して初期適応細胞を確保した後、連続して10nMと100nM MTXに適応させて、それぞれ安定発現株(stable cell line)を確保した。
3−2:懸濁培養宿主細胞株を用いた形質導入
懸濁培養に適応されたCHO DG44宿主細胞株は、商業用の無血清培地で継代培養した。形質導入の前日に継代培養を行い、pDCH1Pベクターとそれぞれの試験用ベクターを電気穿孔法(Electroporation)によって形質導入した。DHFR遺伝子を用いた形質転換細胞株の選別は、ヌクレオシドが含まれていない商業用の無血清培地で2週間培養して初期適応細胞を確保し、連続してMTXに適応させ、それぞれ安定発現株(stable cell line)を確保した。
≪実施例4:実験例:発現力価確認実験≫
4−1:組み換えVEGFタンパク質を発現する発現ベクターの作製
前記でpT7blue、pCR2.1ベクターにサブクローニングされた組み換えタンパク質遺伝子を確保した後、前記実施例2で作製されたそれぞれのベクターは組み換えタンパク質遺伝子と同じ制限酵素で切断してから挿入して発現ベクターを作製した。
実施例2で作製されたベクターの遺伝子の発現に対する有効性を検証するために、VEGF(human Vascular Endothelial Growth Factor)の遺伝子をセンスプライマー(配列番号36)とアンチセンスプライマー(配列番号37)を用いてPCRした。PCR産物は、Nhe IおよびXho I制限酵素で処理してVEGF遺伝子を確保し、実施例で作製されたベクターを同じ制限酵素で切断してから挿入して発現ベクターを作製した。
配列番号36:vegf−5
5’−CTA GCTAGCCACCATGAACTTTCTGCTGTCTTGGG−3’
配列番号37:vegf−3
5’−GAAGATCTCACCGCCTCGGCTTGTCAC−3’
4−2:組み換え抗体タンパク質を発現する発現ベクターの作製
実施例で作製されたベクターの遺伝子の発現に対する有効性を検証するために、組み換え抗CD20抗体遺伝子の発現ベクターを作製した。
保有中の組み換え抗体の重鎖(Heavy chain)遺伝子は、Bgl IIおよびXho I制限酵素で処理し、軽鎖(Light chain)は、Nhe IおよびXho Iでそれぞれ処理した後、同じ制限酵素で処理された実施例のベクターに挿入して発現ベクターを作製した。
4−3:形質転換された懸垂培養細胞株の確立
前記発現ベクターをCHO DG44に導入した。2×10cellを6ウェルプレートに投入して37℃で5%のCOで24時間培養した後、前記発現ベクター2μgとDHFRミニ遺伝子を100:1の割合で混合した後、リポフェクタミンまたはDosperなどの脂質を用いた方法によりCHO細胞にともに導入した。導入してから約6時後、培養液を成長培地に変更し、また48時間培養した。
前記形質転換された細胞株は、細胞選別剤であるMTX(Methotrexate)を細胞培養選別培地(熱処理および透析されたFBSを10%含むヌクレオシドのないMEM−α培地)に、0nM、10nM、100nMの順に順次増加させた選別培地で培養することで、各MTX濃度に適応して健康に育つように各濃度段階で2×10cells/well(2mL)に接種して4日培養した後、培養液を回収してELISAキット(R&D Systems、DY293)を用いて吸光度を分析した。
pI(F)SG、pI(R)SG、pSGI(F)、pSGI(R)、pC(F)SG、pC(R)SG、pSGC(F)、pSGC(R)、pM(R)SG、pM(F)SG、pSGM(F)、及びpSGM(R)ベクターについてVEGF生産量を、吸光度を用いて測定した結果は、図5のとおりである。
4−4:形質転換された懸濁培養細胞株の確立およびVEGF生産性の測定
前記発現ベクターを懸濁培養に適応されたCHO DG44に導入した。5×10cells/mLの濃度でフラスコ培養容器に投入して37℃で5%のCOで24時間振とう培養した後、前記VEGF発現ベクターとpDCH1P発現ベクターを100:1の割合で混合した後、前記穿孔法でCHO細胞にともに導入した。導入してから約3日後、培養液を選別培地に変更し、更に2〜3週間培養した。
前記形質転換された細胞株は、細胞選別剤であるMTX(Methotrexate)を細胞培養選別培地に添加して培養し、各段階で適応が完了した細胞は、2×10cells/well(2mL)で6ウェルプレートに接種して4日間培養した後、培養液を回収して、ELISAキット(R&D System、DY293)を用いて吸光度を分析した。
まず、pI(F)SG、pI(R)SG、pSGI(F)、pSGI(R)、pC(F)SG、pC(R)SG、pSGC(F)、pSGC(R)、pM(R)SG、pM(F)SG、pSGM(F)、pSGM(R)ベクターについてVEGF生産量を吸光度を用いて測定し(図6)、実施例4−3の図5の結果と比較し、2コピー以上のMAR/SAR組み合わせを構成する因子を選別した。これにより、プロモータの上端にはI(R)、C(F)およびM(R)を選別し、転写終結因子の下端にはMARおよびSAR因子の正方向体および逆方向体の両方を含むように組み合わせた。
次に、前記選別された組み合わせにより、pI(R)SGM(F)、pI(R)SGM(R)、pI(R)SGI(F)、pI(R)SGI(R)、pI(R)SGC(F)、pI(R)SGC(R)、pC(F)SGM(F)、pC(F)SGM(R)、pC(F)SGI(F)、pC(F)SGI(R)、pC(F)SGC(F)、pC(F)SGC(R)、pC(F)C(F)SG、pM(R)SGC(F)、pM(R)SGC(R)、pM(R)SGI(F)、pM(R)SGI(R)、pM(R)SGM(R)、およびpM(R)M(R)SGベクターについてVEGF生産量を吸光度を用いて測定した結果、図7に示されたように、pC(F)SGM(R)、pM(R)SGC(F)、およびpM(R)SGM(R)が他のベクターより著しい高い水準の生産性を示すことが分かった。すなわち、MAR因子およびSAR因子をともに組み合わせた場合、高い標的タンパク質の発現を示すことが確認できた。特に、MAR因子を2個有するpM(R)M(R)SGよりpC(F)SGM(R)が極めて高い発現量を有することが分かった。これは、2個のMAR因子を含むことよりMAR因子およびSAR因子を組み合わせることが、さらに効果的であることを示し、このような組み合わせにより産業的採算性を有する水準のタンパク質の生産が可能になったことを意味する。
また、前記選別された3種のベクター(pC(F)SGM(R)、pM(R)SGC(F)、およびpM(R)M(R)SG)についてVEGF生産量をELISA法で測定し(図8)、これらのSV40プロモータをmEF1αプロモータ変異体で置換した実施例2−14の図2の開裂地図を有するpC(F)mEGM(R)(配列番号35)、図3の開裂地図を有するpM(R)mEGC(F)、図4の開裂地図を有するpM(R)M(R)mEG発現ベクターについて、VEGF生産量を吸光度を用いて測定した結果(図9)、図8および図9に示されたように、mEF1プロモータ変異体で置換した後、3種のベクターがいずれもVEGF生産性が5倍以上増加したことが分かり、特に、pC(F)mEGM(R)ベクターの生産性は、20倍以上増加した。
このような実験結果は、MAR因子およびSAR因子の組み合わせにマウスmEF1プロモータ変異体を適用させることによるシナジー効果として、極めて著しい効果の上昇をもたらすことを示す。
4−5:組み換え抗体タンパク質生産性の測定
一方、3種のベクターについて、実施例4−2の方法にしたがって組み換え抗体タンパク質のための発現ベクターを作製した後、実施例4−3および4−4の方法にしたがって抗体生産細胞株は同じ方法で形質転換させた後、選別培地で2〜3週間培養した。形質転換された細胞株は、2×10cells/well(2mL)で6ウェルプレートに接種して6日間培養した後、培養液を回収してELISAキット(PanGen Biotech.,PGK1002)を用いて抗体発現率を分析した。
結果、図10に示されたように、mEF1プロモータ変異体を用いた場合、3種のベクターのいずれも抗体生産性が、SV40プロモータを用いた場合より3倍以上増加し、特に、pC(F)mEGM(R)ベクターの生産性は、10倍以上増加した。
このような結果は、SV40プロモータを用いる場合においてMTX増幅後に分析された生産性より、SV40プロモータをmEF1プロモータで置換してMTX濃度0nMの適応後に分析された生産性が、約2倍高かったため、MTX増幅なしに高発現の細胞株の確保が可能になったことを示す。すなわち、本発明に係るMAR因子およびSAR因子の組み合わせにマウスmEF1αプロモータ変異体を組み合わせることで、従来技術より産業的に採算性のある水準まで生産性が高く向上することが確認できた。
一方、組み換え抗体の生産においてもマウスmEF1プロモータ変異体を適用する際、MAR因子とSAR因子を組み合わせた場合、2コピーのMAR因子を用いた場合より生産性が極めて著しく向上したため、このような実験結果は、MAR因子およびSAR因子の組み合わせにマウスmEF1プロモータ変異体を適用することで、シナジー効果が生じることを示す。
4−6:マウスEF1αプロモータ変異体の効果の確認
実施例2−12で作製したマウスEF1αプロモータの変異体の効率をテストするために、ヒトEF1αプロモータを挿入したpMhEGベクターおよびCHO(Chinese hamster ovary)EF1αプロモータを挿入したpMcEGベクターをさらに作製した後、マウスEF1αプロモータおよび前記実施例2−12の変異体と比較した。
まず、pMhEGベクターを次のように作製した。pEF/myc/cyto(Invitrogen)vectorのヒトEF1プロモ−タ部位を下記の配列番号38および39のプライマーを用いてPCRを行った。
配列番号38:5’−TCG ATC GAA TTC AAG TT CGT GAG G−3’
配列番号39:5’−GCT AGC GTG TTC ACG ACA CCT GAA ATG−3’
次に、PCR産物をClaI、及びNheI制限酵素で処理して1%のアガロースゲルから分離精製した後、同じ制限酵素で処理されたpM(R)SGベクターに挿入し、pMhEGを作製した。
なお、pMcEGベクターを次のように作製した。継代培養中のCHO DG44 cellをマイクロチューブに1×10cell投入して3,000rpmで1分間遠心分離して細胞を確保し、DNEASY Blood & Tissue Kit(QIAGEN)を用いてCHO genomic DNAを準備した後、下記の配列番号40および41のプライマーを用いてPCRを行い、CHO EF1 プロモ−タを取得した(Genbank accession number AY188393)。
配列番号40:chEF1A−F
5’−TAT CGA TAG TGG AGT CAG GAA GGG TAG−3’
配列番号41:chEF1A−R
5’−TGC TAG CAG CGG TGG TTT TCA CAA CAC−3’
PCR産物をClaI、及びNheI制限酵素で処理して1%のアガロースゲルから分離精製した後、同じ制限酵素で処理されたpM(R)SGベクターに挿入し、pMcEGを作製した。
次に、実施例2−4のpM(R)SG、実施例2−12のpMmEGおよびpMmEG(TA)と前記pMhEGベクターおよびpMcEGベクターを実施例4−5と同じ方法により組み換え抗体を生産した。
結果、図11に示されたように、マウスEF1αプロモータを用いた場合、ヒトEF1αプロモータやCHO EF1αプロモータを用いた場合より高い生産性を示し、配列番号34のマウスEF1αプロモータを用いた場合には、SV40プロモータを用いた場合およびマウスEF1αプロモータを用いた場合などより非常に著しい生産性の向上をもたらすことが確認できた。

Claims (22)

  1. 作動可能に連結されたプロモータおよび転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端、前記転写終結因子の3’末端、または前記プロモータの5’末端及び前記転写終結因子の3’末端の両側に、遺伝子発現増加因子であるMAR因子及びSAR因子を含む動物細胞発現ベクター。
  2. 前記MAR因子及び前記SAR因子は、互いに隣接するか互いにコーディング配列または非コーディング配列によって分離していることを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  3. 前記MAR因子または前記SAR因子は、正方向体または逆方向体を含むことを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  4. 前記MAR因子はβグロビンMAR因子であることを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  5. 前記MAR因子はGenBank番号L22754の塩基配列を有することを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  6. 前記SAR因子はCSP−BSAR因子またはインターフェロンβSAR因子であることを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  7. 前記CSP−BSAR因子はGenBank番号M62716の塩基配列を有することを特徴とする請求項6に記載の動物細胞発現ベクター。
  8. 前記インターフェロンβSAR因子はGenBank番号M83137の塩基配列を有することを特徴とする請求項6に記載の動物細胞発現ベクター。
  9. 前記プロモータは、SV40プロモータ、CMVプロモータまたはEF1−alphaプロモータであることを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  10. 前記プロモータは、マウスEF1−alphaプロモータ変異体であることを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  11. 前記プロモータ変異体は配列番号34で表される塩基配列を有することを特徴とする請求項10に記載の動物細胞発現ベクター。
  12. 前記転写終結因子の5’末端にpoly−Aシグナルが連結されていることを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  13. 前記プロモータにより発現が調節される標的遺伝子が挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の動物細胞発現ベクター。
  14. 作動可能に連結されたプロモータ及び転写終結因子を含む動物細胞発現ベクターであって、前記プロモータの5’末端、前記転写終結因子の3’末端、または前記プロモータの5’末端及び前記転写終結因子の3’末端の両側に、遺伝子発現増加因子であるβグロビンMAR因子およびCSP−B SAR因子を含む動物細胞発現ベクターであり、ここで、前記プロモータは、マウスEF1αプロモータ変異体であることを特徴とする動物細胞発現ベクター。
  15. 配列番号35の塩基配列を有するpC(F)mEGM(R)ベクターであることを特徴とする請求項14に記載の動物細胞発現ベクター。
  16. 前記プロモータにより発現が調節される標的遺伝子が挿入されていることを特徴とする請求項14に記載の動物細胞発現ベクター。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の動物細胞発現ベクターで形質転換された組み換え微生物。
  18. 請求項13または請求項16に記載の動物細胞発現ベクターで形質転換された組み換え動物細胞。
  19. 前記動物細胞はCHO細胞、Hela細胞、BHK細胞、NIH/3T3細胞、COS−1細胞、COS−7細胞、CHO−K1細胞、およびHEK293細胞からなる群より選択されることを特徴とする請求項18に記載の組み換え動物細胞。
  20. 前記動物細胞が、CHO細胞である、請求項19に記載の組み換え動物細胞。
  21. 請求項18の組み換え動物細胞を培養して標的タンパク質を発現させた後、回収することを特徴とする標的タンパク質の生産方法。
  22. 配列番号34で表される塩基配列を有するマウスEF1αプロモータ変異体。
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