JP2014508946A - サンプル中のターゲット分子を検出及び定量化するための方法 - Google Patents

サンプル中のターゲット分子を検出及び定量化するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を同定及び定量化するための方法であって、以下の工程:a)分析するべきサンプルを支持体上に堆積させること;b)質量分析によってサンプルを分析して、前記サンプル中のターゲット分子のマススペクトルを得ること;c)ターゲット分子及びサンプルに特異的な吸光係数(TEC)によって、前記サンプル中のターゲット分子のマススペクトルに関連するシグナルに重み付けすること;及び場合によりd)重み付けしたターゲット分子のシグナルを使用して、サンプル中のターゲット分子の量を決定することを含む方法に関する。

Description

本発明は、質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法に関する。より具体的には、本発明は、質量分析イメージング、特にマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)イメージングを使用することによって、ターゲット分子をサンプル表面上で直接検出及び定量化するための方法を提供する。
一般に、本発明は、サンプル中の分子の定量化が有用又は必要なあらゆる分野において適用できる。例えば、薬学の分野において本発明を適用して、様々な生体組織における薬物の分布及び薬物動態を研究できる。加えて、農芸化学の分野において本発明を適用して、特に、植物及び/又は環境(土壌、周辺の地下水など)中の分子、例えば除草剤の毒性及び分解を評価できる。
技術水準
質量分析は、サンプル中の目的分子を検出及び同定するために化学的及び生化学的な分析で使用されている周知技術である。MALDIイメージングなどの質量分析による分子イメージングが近年開発されており、それにより、目的分子の分布を生体組織の切片上で直接可視化することが可能になる。MALDIイメージングの高感度性により、非常に多数の異なる分子の分布をサンプル表面上で同時に直接可視化することが可能になる。薬学の分野では、この技術により、例えば、処置中の様々な時点において、様々な器官における分子の分布を比較することが可能になる。
しかしながら、時間tにおいてこのようにして検出された分子の定量化を望む場合、伝統的方法又は機器的な方法によって、このイメージング技術と定量化学分析とを組み合わせる必要がある。この第2の定量化工程は、操作及び解釈の誤りの原因になり得る。また、それにより、目的分子の存在とサンプル中のその量的分布とを直接関連付けることはできない。
発明の説明
本発明は、質量分析を一般に使用して、1回の分析中にサンプル中のターゲット分子を検出及び場合により定量化する方法を提案する。好ましくは、サンプル中の前記ターゲット分子の分布及び少なくとも相対量を画像再構成するために、本発明の方法は、分子のマススペクトルに関連するシグナルをサンプル上で自動で直接取得することを可能にする質量分析イメージングを使用する。
この目的のために、本発明によれば、所定サンプル中の各ターゲット分子に特異的なターゲット分子の吸光係数(TEC)を定義し、この方法に組み込む。実際、所定濃度の所定分子は、それが検出されるサンプルに応じて、同じ強度のシグナルを発しない。同様に、所定サンプル中の同じ濃度の2つの異なる分子は、異なるシグナル強度を有する。TECを計算して組み込むことにより、分析するべきサンプル中のターゲット分子のマススペクトルに関連するシグナル強度の変動を認識及び考慮することが可能になる。次いで、サンプルの性質及び前記サンプル中の分子の位置に関係なく、前記分子について得られたシグナルが前記分子の濃度を表すように、TECを使用して前記シグナルを標準化できる。従って、分析サンプル中のターゲット分子について得られた質量分析結果から、分子を直接定量化することが可能である。
従って、本発明の一目的は、質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を同定及び/又は定量化するための方法であって、以下の工程:
a)分析するべきサンプルを支持体上に堆積させること;
b)質量分析によってサンプルを分析して、前記サンプル中のターゲット分子のマススペクトルを得ること;
c)ターゲット分子及びサンプルに特異的な吸光係数(TEC)によって、前記サンプル中のターゲット分子のマススペクトルに関連するシグナルに重み付けすること;及び場合により
d)重み付けしたターゲット分子のシグナルを使用して、サンプル中のターゲット分子の量を決定すること
を含む方法に関する。
本発明の方法は、サンプルが有機若しくは無機の液体又は固体であるかにかかわらず、質量分析計によって分析され得る任意の種類のサンプルに適用できる。本発明の方法はまた、質量分析で使用され得る任意の種類の支持体(スライド、プレート、膜など)に適用可能である。従って、この方法は、生体組織の分析に特に適している。この場合、典型的には約数マイクロメートルの厚さの組織切片を調製し、スライドなどの支持体上に堆積させて、質量分析計へのそれらの導入を可能にする。本発明の方法はまた、すべての生体液体、例えば血液、血漿、血清、唾液、脳脊髄液、尿などの分析に使用できる。本発明の方法はまた、環境サンプル、例えば土壌、水、植物などのサンプルの分析に使用できる。
工程a)において、サンプルは、任意の公知技術によって、すなわち手動で(例えば、ピペットによって)、又は自動で(例えば、スポッティング装置を使用することによって、又は散布若しくは昇華によって)堆積させることができる。サンプルは、サンプル支持体上に堆積させる前に希釈又は処理できる。
ターゲット分子の分析の工程b)は、特に直接質量分析(MS)又はタンデム質量分析(MS、MRM、SRM)を使用して、任意の質量分析法によって実施できる。
質量範囲及び/又はレーザー強度などの実験パラメーターを有利に設定して、強度、感度及び分解能の点からターゲット分子の検出を最適化する。
次いで、マススペクトルを取得する。
工程c)において、様々なスペクトル特性が、シグナル、特にマススペクトルのピーク強度、信号対雑音比(S/N)、ピーク面積などとして使用できる。
この方法の重要な工程は、測定したシグナルの標準化にある。この目的のために、サンプル中のターゲット分子のシグナルとして選択したスペクトル特性を、分子及びサンプルに特異的な吸光係数(TEC)によって重み付けする。この重み付けによりシグナルが標準化され、シグナルはシグナル発生源における分子の量だけに依存する。
TECは、サンプルの性質及び/又はサンプル上のターゲット分子の位置に応じたターゲット分子のシグナル強度のロス又はゲインを、不活性サンプル支持体上の前記分子のシグナル又は標準分子のシグナルと比較して表すものである。TECは、いくつかの要因、特にサンプルの起源(動物、植物、細菌、無機物)、表面の種類(組織、植物細胞、金属など)、化学環境、サンプルの化学的処理の有無などに依存する。生体組織のサンプルの場合、分子の吸光係数は、組織の吸光係数に対応する。
有利には、様々な目的領域を定義してそれらをTECの計算に使用するために、サンプルの組織学的、化学的又はその他の予備研究を行う。実際、TECは、サンプル、特に不均一サンプルの特定領域に関連付けることができる。
一実施態様では、TECは、以下の関係式:

又はその逆数

によって得られ得る。
シグナルは、選択したターゲット分子のマススペクトルのスペクトル特性、例えば質量分析計で得られた前記分子のピーク強度に対応する。当然のことながら、基準媒体中の及びサンプル上の分子について使用されるスペクトル特性は、同じものでなければならない。
TECは、基準媒体中の及び分析するべきサンプル上の同じ濃度のターゲット分子を使用して計算される。基準媒体中のターゲット分子の場所で、ターゲット分子の物理化学的特性と類似の物理化学的特性を有する関連分子を使用することも可能である。
このTECの計算について、基準媒体は、有利には、サンプル支持体のみに対応する。この目的のために、例えば、サンプル支持体上に堆積させる前に、分子を適切な媒体(有機溶媒、水又はその他のもの)に可溶化する。堆積後、分子の乾燥堆積物が前記支持体上で得られるように、溶媒を蒸発させる。次いで、サンプル支持体上の前記分子について得られたシグナルをTECに使用する。
信頼性のある係数を得るために、TEC値は、一般に、同じ条件下でターゲット分子を数回測定した結果の平均である。
好ましくは、所定の種類のサンプル中の所定のターゲット分子について吸光係数(TEC)を1回だけ計算し、所定の種類のサンプル中の前記ターゲット分子の各分析に再使用する。従って、有利には、いくつかの異なるサンプル中のターゲット分子のTECをリスト化するTECデータベースを所定のターゲット分子について作成し、様々なサンプル中の前記分子の各分析に使用できる。
あるいは、TEC値は、各分析の前に決定できる。
別の実施態様では、TECは、以下の関係式:

又はその逆数

によって得られ得る。
シグナルは、選択した分子のマススペクトルのスペクトル特性、例えば質量分析計で得られた前記分子のピーク強度に対応する。当然のことながら、標準分子及びターゲット分子について使用されるスペクトル特性は、同じものでなければならない。
本発明の文脈において、「標準分子」は、ターゲット分子と構造的に類似の分子を指す。好ましくは、標準分子の分子量は、得られるマススペクトルを容易に分析できるように、ターゲット分子の分子量と異なるものである。例えば、標準分子の分子量は、ターゲット分子の分子量と1〜17ダルトン異なる。有利には、全シグナルを飽和させないために、可溶化溶液(水性又は含溶媒)に溶解する標準分子の濃度を定義する。
特定の実施態様では、標準分子は、ターゲット分子の重水素化分子、すなわち、標準分子として重水素でラベリングされた分子、又は任意のその他の適切な同位体でラベリングされた分子である。ターゲット分子及びその重水素化された相補体(又は、同位体でラベリングされた対応する分子)を分析サンプル中で同時に評価する。それらのイオン化は同じであろうことを考慮すると、質量分析によってそれらを分析した結果、同位体の存在により質量の差異はあるが、同じシグナルが得られるであろう。同位体でラベリングされた分子の濃度は既知であるので、比を計算して相対量を出すことができる。
有利には、分析工程b)の前に、分子量も既知である既知濃度の標準分子を、分析するべきサンプルに加える。本発明の方法が、マトリックスの使用を必要とする質量分析イメージング技術、例えばMALDI又はマトリックス増強二次イオン質量分析(ME−SIMS)イメージングを使用する場合、使用前に、標準分子をマトリックスに加えることができる。マトリックス/標準分子の混合物をサンプル上に及びサンプル周辺上(すなわち、サンプル支持体上)に均一に堆積させて、TECの計算を可能にする。乾燥中に、混合物の共結晶化を肉眼で観察できる。
好ましくは、混合物を堆積させる前に均一化する。
標準分子を使用するこのTECはまた、マトリックス溶液を必要としないイメージング技術、例えばレーザー脱離/イオン化(LDI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザーアブレーションエレクトロスプレーイオン化(LAESI)又は二次イオン質量分析(SIMS)で使用できる。この場合、標準分子をマトリックスと混合せずに、同じ堆積装置を使用することによってサンプル及び支持体上に堆積させることができる。従って、サンプルには標準分子が含浸しており、これを研究用の基準として使用できる。
抑制効果を考慮しながらターゲット分子の分布のリアルな可視化を得るために、濃度が既知である標準分子について得られたシグナルを使用して、ターゲット分子のスペクトル特性を標準化する。加えて、標準分子について得られたシグナルを使用して、ターゲット分子のシグナルを標準分子のシグナルと比較することによって、サンプル中のターゲット分子の少なくとも相対量を推定してもよい。以下にさらに詳細に記載されるように、マトリックス効果を補正することも可能である。
工程d)において、サンプル中で測定した重み付けしたシグナルを使用して、前記分子を定量化してもよい。重み付けしたシグナルは、ターゲット分子について得られたシグナル強度が対応する計算TECに応じて増加又は減少したものに対応する。より正確には、重み付けしたシグナルは、サンプル中のターゲット分子のシグナルと関連TECとの比又はその逆数に対応する。
重み付けしたシグナルの値は、分子の濃度だけに依存する。従って、例えば、ターゲット分子の基準シグナルを参照することによって、ターゲット分子の量を決定することが可能である。
「ターゲット分子の基準シグナル」という表現は、サンプルの性質及びサンプル中のその位置に関係なく、既知濃度を表すシグナルを指す。基準シグナルは、既知量の所定分子について予め決定又は確立された平均又は中央値(又は、平均若しくは中央値の範囲)であり得る。それは標準曲線でもあり得る。
選択される方法に応じて、及び必要な場合は使用される基準シグナルに応じて、ターゲット分子の量を相対的又は絶対的に決定することが可能である。
例えば、基準シグナルは、可溶化分子が堆積したサンプル支持体などの基準媒体中の少なくとも3つの異なる既知濃度のターゲット分子(又は、ターゲット分子の物理化学的特性と類似の物理化学的特性を有する別の分子)を用いて、標準範囲を作成することによって得られる。分子を組織サンプル上に堆積させる場合、有利には、堆積及び可溶化媒体の蒸発後に、分子を前記組織上に吸着させる。
ターゲット分子のシグナルを標準化するために、ターゲット分子と異なる内部標準を標準範囲に導入できる。内部標準として使用される分子は、有利には、ターゲット分子の物理化学的特性と類似の物理化学的特性を有する。堆積前に、一定濃度のこの標準をターゲット分子の標準範囲に加える。
次に、各濃度のマススペクトルを分析する。前記各濃度について、比較シグナルとして選択したスペクトル特性を読み込む。有利には、各濃度点のマススペクトルを得た後に、選択した関連スペクトル特性を使用して、前記分子の検量線を作成できる。次いで、この検量線を参照して、分析サンプル中の濃度を正確に決定するのに十分である。
本発明の方法は、有利には、質量分析イメージングで使用できる。この場合、様々なイオン化源、例えばMALDI、レーザー脱離/イオン化(LDI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)などを様々な種類の分析器、例えば飛行時間型(TOF)、オービトラップ型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(FT−ICR)などと組み合わせて使用することが可能である。このイメージング技術により、サンプルについて得られたイオン密度図(前記サンプル中のターゲット分子の空間分布に対応する)上で、ターゲット分子を直接定量化することが可能になる。実際、前記イオン密度図上の重み付けしたシグナルを目的分子の特異的な基準シグナルと比較できる。
MALDI又はME−SIMSなどのある種の質量分析イメージング技術では、紫外線吸収有機小分子を含むマトリックスによって、分析するべきサンプルを予め覆うことが必要である。このマトリックスにより、サンプル上に存在する分子の脱離及びイオン化が可能になる。
本発明の方法は、選択されるマトリックスにかかわらず使用できる。これらのマトリックスは、固体形態(サンプル上で結晶化)又は液体形態で提供され、イオン性又は非イオン性である。マトリックスは、分析される質量範囲に従って選択される。それらは、一般に、溶媒/水溶液の混合物中で使用直前に調製される。
マトリックスを堆積させるための方法はいくつか考えられるが、特にピペットを使用して手動で堆積させることにより、正確な容量のマトリックスをサンプル上に直接堆積させることが可能になる。散布又は噴霧によってマトリックスを堆積させることも可能であり、この場合、マトリックスをロボットシステムによって又は手動で組織上に直接散布又は噴霧する。同様に、マトリックスを圧電ポンプシステム、音響ポンプシステム又はシリンジポンプシステムを介してサンプル上にスポットする微液滴による堆積が想定され得る。固体形態のマトリックスを堆積させるために、マトリックスを篩過によって堆積させることも可能である。
有利には、本発明の方法がMALDI質量分析イメージングを使用する場合、サンプル上のマトリックス堆積物の均一性を評価する工程が望まれ得る。実際、使用されるマトリックスに対応するシグナルは、前記マトリックス堆積物の質/均一性を示し得る。そして、サンプル表面上のマトリックスの欠陥は、研究サンプル中のターゲット分子のシグナルの検出不良及び強度損失と相関し得る。
マトリックスの均一性は、定性的基準に従って光学顕微鏡下でサンプル表面上の堆積物の均一性を観察することによって、及び/又は定量的基準に従ってサンプル上のマトリックスそれ自体に対するシグナルの変動をモニタリングすることによって評価できる。
定性的基準については、マトリックスが研究中の表面上に可能な限り均一に堆積していること、及びマトリックスが欠けている領域がないこと、及びその結晶化が最適であることが保証されなければならない。
マトリックス堆積物の均一性の定量的評価については、マトリックスは、サンプル分析中のシグナルがターゲット分子のシグナルと同じ方法で検出される分子それ自体であるとみなす。次いで、マトリックス分子のシグナルをその基準シグナルと比較する。マトリックスの基準シグナルは、この場合、基準マトリックス堆積物上、すなわち、マトリックスの基準シグナルを測定するのに特に使用されるサンプル上及びサンプル支持体上のマトリックスによって発せられるシグナルに対応する。
マトリックス堆積物の質の変動(これが、マトリックス堆積物のスペクトル特性に影響を与え得る)を考慮するために、これらの追加工程によって、ターゲット分子のシグナルを確認及び標準化する。
マトリックス堆積物の質はサンプルごとに変化し得るので、このようにマトリックス効果を考慮することは、ターゲット分子の存在の経時的な変化をモニタリングすることが望まれる場合に特に有利であり得る。
本発明の方法を使用して、例えばペプチド、ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、代謝産物などの任意の種類の分子、一般には、薬学的に活性な又はその他の活性な任意の分子であって、質量分析によってイオン化され得る分子を分析できる。本発明の方法は、小分子(特に、薬物)、すなわち分子量2000Da未満の分子の分析に特に有利である。
ターゲット分子が高分子量のタンパク質である場合、ターゲット分子を数個のペプチドに切断するために、ターゲット分子を酵素的及び/又は化学的に前処理することが可能である(図2)。次いで、酵素消化及び/又は化学分解/修飾から得られたペプチドの少なくとも1個(前記タンパク質を表すもの)について、検出及び定量化を行う。例えば、トリプシンを酵素として使用して、ターゲットタンパク質を予め同定された数個のペプチドに切断できる。化学的な前処理は、酸又は塩基による化学的加水分解、Maillard反応、イソペプチド又はリジノアラニンの形成などからなり得る。
同様に、検出工程b)の前に、分析するべきサンプルを少なくとも1つの溶媒及び/又は少なくとも1つの洗浄剤で処理して、ターゲット分子の検出を最適化することが可能である。例えば、クロロホルム(図1−a)で洗浄することにより、ある種の脂質を除去する。エタノール(図1−b)で洗浄することにより、低質量分子のより良い検出が可能になる。図1に図示される実験におけるこれらの2種類の洗浄により、ある種の分子、特に脂質を除去し、それにより新たなイオンを組織上で直接検出するのを促進する。
本発明の方法を使用して、同じサンプル上の少なくとも2つの異なるターゲット分子を同時に又は連続して検出及び定量化することもできる。
本発明の方法は、生体組織、植物組織又は動物組織の切片上でターゲット分子を検出及び定量化するのに特に適している。特に、動物全身の切片上での分析により、同じサンプル上で、前記動物の様々な組織におけるターゲット分子の分布を比較することが可能になる。
本発明によれば、ソースデータ、すなわち、ターゲット分子のTEC及びマトリックス効果は、これらの要素の全部又は一部を統合するコンピュータプログラムによる定量化を目的として標準化できる。質量分析イメージングの場合の画像処理において、このコンピュータプログラム又はデータ分析ソフトウェアは、有利には、必要な場合はマトリックス効果によって重み付けしたTEC値を使用する。
従って、本発明の別の目的は、例えば、質量分析から得られた生データの読み込み、並びに/又はTECの決定及び/若しくは検量線の決定、並びに/又はターゲット分子の定量値を得るための前記TEC若しくは前記検量線を使用した生データの標準化などのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読データ媒体に関する。有利には、これらのコンピュータ実行可能命令は、コンピュータシステムが本発明の方法の少なくとも工程c)を実行できるようにするのに適している。
データ媒体は、有利には、少なくとも2つの異なる種類のサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子についての少なくとも1つのTECデータベースを含む。好ましくは、動物全身の切片などの生体サンプルの場合、データベースは、前記サンプルの様々な組織における少なくとも1つのターゲット分子のTECをリスト化する。
データ媒体はまた、質量分析イメージングに使用される少なくとも1つのマトリックスの基準シグナルのデータベースを含み得る。従って、データ媒体を利用するイメージング方法を使用することによって、サンプルの分析時にマトリックス効果を考慮することが可能になる。
質量分析によって心臓組織を直接分析する際の2種類の洗浄効果の例。(a):マトリックス堆積物の前洗浄をせずに心臓組織から得られたシグナル。(b):マトリックス堆積前に90%エタノール洗浄を使用して(a)に隣接する切片上の心臓組織から得られたシグナル。(c):マトリックス堆積前に100%クロロホルム洗浄を使用して(a)に隣接する切片上の胃組織から得られたシグナル。 (a)基準支持体(スライド)及び(b)組織(ラット肝臓)上の消化モデルタンパク質(ウシ血清アルブミンと消化酵素としてトリプシン)のMALDI−TOFマススペクトル。m/z928フラグメント(YLYEIAR)の例:組織上のペプチドに対する質量シグナルの吸光度の観察(TEC=1.62)。 質量分析イメージングを使用する実行例による、本発明の方法の主要工程の略図。 マウス全身のプロプラノロール分布の研究において、組織吸光係数を計算するための手順。(a)様々な器官又はターゲット領域を可視化するための、コントロールマウスの矢状切片の光学画像(1−スライド単独、2−脳、3−腎臓、4−肺、5−肝臓、6−心臓)。(b)サンプル上のマトリックス及びサンプルから離れたマトリックスと混合した内部標準(プロプラノロール、m/z260の[M+H]イオン)の分布の質量分析画像、及び強度スケール。 腎臓におけるプロプラノロールの組織吸光係数を計算するための手順。図5A:腎臓の光学画像。ターゲット器官内で等寸法の目的領域(ROI)又は点領域の範囲を数箇所定める。図5B:ROI及び中間ROI(ROI平均)による内部標準の平均強度の表。 図6A:器官又はターゲット領域ごとのプロプラノロール強度を要約した表。図6B:器官又はターゲット領域ごとのプロプラノロール強度のヒストグラム。 組織吸光係数の計算。図7A:数学的関係:ターゲット器官ごとのプロプラノロールについて計算したTECを要約した表。図7B:ターゲット器官ごとのプロプラノロールについて計算したTECのヒストグラム。 ターゲット分子の検量線の決定。図8A:標準範囲の堆積物の光学画像。図8B:標準範囲の質量分析画像、ターゲット分子の分布。 図9A:ターゲット分子の標準範囲のROIの平均強度を要約した表。図9B:検定線のグラフ。図9C:相関係数及び直線方程式。 全身のターゲット分子(プロプラノロール)の質量分析画像上における定量化。図10A:ターゲット分子を注射した20分後におけるマウスの矢状切片の光学画像、及び様々な器官又はターゲット領域(2−脳、3−腎臓、4−肺、5−肝臓、6−心臓)の可視化。図10B:ターゲット分子(m/z260の[M+H]イオン)を注射したt=60分後における分布の質量分析画像(強度による)。図10C:ターゲット分子を注射したt=20分後における分布の質量分析画像をTECによって標準化し、ターゲット分子の単位面積あたりの量を得るための検定線に関連付けた後のもの。 ターゲット分子のMS画像上における定量化。様々な器官におけるターゲット分子の量を要約した表。TECを使用して、器官ごとの平均強度及びピクセルから後者を計算するための手順の説明。 腎臓におけるオランザピンの組織吸光係数を計算するための手順。図12A:コントロールマウス腎臓の矢状切片の光学画像。図12B:サンプル上のマトリックス及びサンプルから離れたマトリックスと混合した内部標準(オランザピン、m/z313.3の[M+H]イオン)の分布の質量分析画像、及び強度スケール。図12C:腎臓におけるオランザピンについて計算したTECのヒストグラム。 ターゲット分子の検量線の決定。図13A:標準範囲の質量分析画像、ターゲット分子の分布。図13B:オランザピンのMS画像に対する検定線、その方程式、その相関係数及びその検出限界、並びに定量化(fmol/mm2単位)の提示。 2時間処理した腎臓におけるターゲット分子(オランザピン)の質量分析画像を使用した定量化。図14A:ターゲット分子を投与した2時間後におけるマウス腎臓の矢状切片の光学画像。図14B:ターゲット分子(m/z313.3の[M+H]イオン)を投与したt=2時間後における分布の質量分析画像(強度による)。
次に、具体的な実施例及び上に示される図面を使用して、本発明の方法をさらに詳細に説明する。これらの実施例は例示的な目的のためにのみ示すものであり、決して本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
実施例1では、MALDI質量分析イメージングによって、マウスの様々な器官における薬物(プロプラノロール)の分布を研究する。当然のことながら、ほぼ同一の方法で、MALDI以外のイメージング装置、例えば以下のソースなどを使用できる:SIMS、DESI、DIOS、ICP、MALDI顕微鏡、SNOM、SMALDI、LA−ICP、ESI(組織上で液体抽出)、MILDI、JEDI、ELDIなど。
材料及び方法
材料
− 2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)(Sigma-Aldrich, Saint-Quentin Fallavier, France)
− トリフルオロ酢酸(TFA)(Sigma-Aldrich)
− メタノール(Sigma-Aldrich)
− プロプラノロール(Sigma-Aldrich)
動物
体重25〜40gの雄のスイスマウス(Charles River, France)を使用した。0.9%NaCl溶液に溶解させたプロプラノロールを静脈内経路によって7.5mg/kgの濃度で注射した。
注射20分後、CO窒息によって動物を屠殺した。
次いで、急速凍結用の液体窒素によって冷却した100%イソペンタン溶液に、動物を入れた。
次いで、動物を−80℃で保存した。
質量分析用のサンプルの調製
−26℃に冷却したCM1510Sクリオスタット(Leica Microsystems, Nanterre, France)を使用して、サンプル(コントロール及び投与組織)を厚さ20μmの層に薄片化した。次いで、切片を導電性ITO(インジウムスズ酸化物)スライド(Bruker Daltonics, Bremen, Germany)上に置いた。
最後に、切片をデシケーターの中に20分間置いた。
MALDIイメージングによる取得の準備
DHBマトリックスを、組織切片中のターゲット分子(プロプラノロール)の分析に使用した。このマトリックスは、メタノール/0.1%TFA(1:1、v/v)中、40mg/mlの濃度で調製した。SunCollect散布システム(SunChrome, Germany)を使用して、このマトリックス溶液を堆積させた。
マトリックスを堆積させる前に、投与組織切片から離れた同じスライド上に、プロプラノロールを水に溶解させた一定範囲の希釈物をピペット(1点あたり1μl)を使用して手動で堆積させた。希釈物のこの範囲は10pmol/μl〜0.02pmol/μlに及び、7点を含む。
TECの計算の準備
別の動物全身のコントロール組織切片上で、ACN/0.1%TFA(7:3、v/v)に溶解させた10mg/mlのCHCAマトリックス溶液も調製し、これに10pmol/μlのプロプラノロール溶液を加えた。SunCollect散布システム(SunChrome, Germany)を使用してこのマトリックス溶液を堆積させて、組織切片の表面を覆った。
MALDI画像の取得
Smartbeamレーザーを備えるAutoFlex Speed MALDI-TOF質量分析計(Bruker Daltonics, Bremen, Germany)を使用して、画像を得た。データは、ポジティブリフレクトロンモードで作成した。質量範囲100Da〜1000Daに対して、レーザー周波数1000Hz及び画像空間分解能300×300μm2で、各スポットについて合計700のスペクトルを得た。FlexImagingバージョン2.1ソフトウェアを使用して、画像を再構成した。
1−コントロールサンプル上のターゲット分子(プロプラノロール)のTECの計算
動物全身の矢状切片(上に詳述したように調製したものであり、コントロールサンプルとして使用する)をスライド上に置く。
内部標準として使用するプロプラノロール溶液を上記マトリックスと混合してから、得られた混合物をコントロールサンプル上に堆積させる。
次いで、コントロールサンプル上及び支持体スライド上の内部標準の分布画像を得るために、質量分析イメージングによってコントロールサンプルを分析する(図3B)。
有利には、コントロールサンプルの光学イメージングによって、様々な目的器官を予め配置できる(図3A)。
次いで、コントロールサンプルの質量分析画像上において、スライド上の各器官について、等寸法の目的領域(ROI)の範囲を数箇所定める。マススペクトルのピーク強度を基準シグナルとして選択した。各ROI及び各目的器官についての内部標準の平均強度を記録した。各器官については、すべての対応するROIについて得られた強度から、平均強度(ROI平均)を計算した。この平均ROIを使用して、研究した各器官におけるプロプラノロールの吸光係数を計算する。
図5は、腎臓についてのこれらの様々な工程の概略図を示す。
図6Aは、コントロールサンプルの様々な目的器官におけるプロプラノロールについて得られた平均ROIを要約したものであり、図6Bは、得られた対応するシグナル強度のヒストグラムを示す。
次いで、数式:

に従って、スライド及び各器官からの平均ROI値を使用して、TECを計算できる(図7A)。
従って、同じ濃度のプロプラノロールについては、予想シグナル(すなわち、スライド上のシグナル)と比較して、腎臓における関連シグナルを約13で割る。一方、肝臓の場合は4.82で、及び心臓の場合は7.96でこのシグナルを割るだけである。肺の場合は8弱で、及び脳の場合は6.18でこのシグナルを割る。
2−プロプラノロールの検量線
図8及び図9を使用するここに記載した例では、ターゲット分子(プロプラノロール)の基準シグナルは、7種類のプロプラノロール濃度の標準範囲について得られたシグナルに対応する。
プロプラノロール及びマトリックス溶液の液滴7個(7種類の異なるプロプラノロール濃度(0〜3pmol/μl)に対応する)を、ピペットを使用してスライド上に手動で堆積させ、乾燥させる。結果の読み込みを容易にするために、液滴を漸増濃度で堆積させ、十分に間隔を空けてあらゆる重複リスクを回避する。
同寸法のROIを使用して、これらの様々な濃度について得られた質量分析画像(図8B)を範囲内のすべての点について標準化し、これからプロプラノロールの平均基準強度又は基準シグナルを定義する。次いで、検定線(図9B)をプロットすることができ、その後、分析時に、プロプラノロールについて得られた任意のシグナル強度をピクセル単位で濃度に関連付けることが可能になる。
3−サンプルの質量分析画像上におけるプロプラノロールの直接定量化
質量分析イメージングによる分析を実施するために、動物全身の矢状切片(上に詳述したように調製したものであり、可能な場合は、TECの計算時にコントロールサンプルとして使用する切片と同一平面にある)をスライド上に置く(図10B)。
それぞれについて計算したTECに応じて、プロプラノロールについて得られたシグナル強度を各目的器官で増加させる。
動物全身の切片の質量分析画像であって、シグナル強度が絶対強度(すなわち、プロプラノロール濃度のみの強度)に対応する質量分析画像を得る(図10C)。画像を可視化することによってサンプル中のプロプラノロールの量を直接決定するために、プロプラノロールについて予め計算した検定線にこの画像を関連付けることができる。
従って、ここに記載した例では、プロプラノロールの分布が最も多く、ターゲット分子の総量が約5ngである脳とは対照的に、プロプラノロールは肝臓及び肺には実質的に存在しないことに注目するべきである。プロプラノロールは、1.28ng〜2ngの範囲の量で腎臓及び肺でも観察される。
実施例2
第2の例では、MALDI質量分析イメージングによって、マウスの腎臓における別の薬物(オランザピン)の分布を研究する。実質的に同一の方法で、任意のその他のイメージング装置を使用できる。
材料及び方法
材料
− ヒドロキシ桂皮酸(CHCA)(Sigma-Aldrich, Saint-Quentin Fallavier, France)、
− トリフルオロ酢酸(TFA)(Sigma-Aldrich)
− アセトニトリル、DMSO、水(Sigma-Aldrich)
− オランザピン(Lilly Research Laboratories, Eli Lilly and Co., Indianapolis, IN)
動物
体重25〜40gの雄のスイスマウス(Charles River, France)を使用した。オランザピンを8mg/kgの濃度で経口投与した。
投与2時間後、CO窒息によって動物を屠殺した。
次いで、急速凍結用の液体窒素によって冷却した100%イソペンタン溶液に、動物を入れた。
次いで、動物を−80℃で保存した。
質量分析用のサンプルの調製
上記実施例1の条件と同じ条件下で、サンプルを厚さ10μmの層に薄片化した(コントロール及び投与腎臓切片)。
MALDIイメージングによる取得の準備
CHCAマトリックスを、投与組織切片中のターゲット分子(オランザピン)の分析に使用した。このマトリックスは、ACN/0.1%TFA(7:3、v/v)中、10mg/mlの濃度で調製した。SunCollect散布システムを使用して、このマトリックス溶液を堆積させた。
マトリックスを堆積させる前に、投与組織切片から離れた同じスライド上に、オランザピンをDMSOに溶解させた一定範囲の希釈物をピペット(1点あたり1μl)を使用して手動で堆積させた。希釈物のこの範囲は60pmol/μl〜1pmol/μlに及び、7点を含む。
TECの計算の準備
(別の動物の)腎臓のコントロール組織切片上で、ACN/0.1%TFA(7:3、v/v)に溶解させた10mg/mlのCHCAマトリックス溶液も調製し、これに10pmol/μlのオランザピン溶液を加えた。SunCollect散布システムを使用してこのマトリックス溶液を堆積させて、組織切片の表面を覆った。
MALDI画像の取得
画像空間分解能が200×200μm2である以外は実施例1と同じ方法で、画像を得た。
1−コントロールサンプル上のターゲット分子(オランザピン)のTECの計算
コントロールの腎臓矢状切片(上に詳述したように調製したものであり、コントロールサンプルとして使用する)をスライド上に置く。内部標準として使用するオランザピン溶液を上記マトリックスと混合してから、得られた混合物をコントロールサンプル上に堆積させる。
次いで、コントロールサンプル上及び支持体スライド上の内部標準の分布画像を得るために、質量分析イメージングによってコントロールサンプルを分析する(図12B)。図12Aに示されるコントロールサンプルの光学画像により、目的器官、すなわち腎臓を可視化することが可能になる。
次いで、コントロールサンプルの質量分析画像上において、スライド上の腎臓について、等寸法の目的領域(ROI)の範囲を数箇所定める。マススペクトルのピーク強度を基準シグナルとして選択した。平均強度(ROI平均)は、実施例1のように計算する。この平均ROIを使用して、腎臓におけるオランザピンの吸光係数を計算する。
TEC(図12C)は、実施例1と同じ手順に従って計算する。従って、同じ濃度のオランザピンについては、予想シグナル(すなわち、スライド上のシグナル)と比較して、腎臓における関連シグナルを約22.2で割ると認められる。
2−オランザピンの検量線
図13に示されるオランザピンの基準シグナルは、7種類のオランザピン濃度の標準範囲について得られたシグナルに対応する。
オランザピン及びマトリックス溶液の液滴7個(7種類の異なるオランザピン濃度(0〜60pmol/μl)に対応する)を、ピペットを使用してスライド上に手動で堆積させ、乾燥させる。結果の読み込みを容易にするために、液滴を漸増濃度で堆積させ、十分に間隔を空けてあらゆる重複リスクを回避する。
同寸法のROIを使用して、これらの様々な濃度について得られた質量分析画像(図13A)を範囲内のすべての点について標準化し、これからオランザピンの平均基準強度又は基準シグナルを定義する。次いで、検定線(図13B)をプロットすることができ、その後、分析時に、オランザピンについて得られた任意のシグナル強度をpmol/mm2単位で濃度に関連付けることが可能になる。
3−サンプルの質量分析画像を使用したオランザピンの定量化
質量分析イメージングによる分析を実施するために、オランザピンで処理した腎臓の矢状切片(上に詳述したように調製したものであり、可能な場合は、TECの計算時にコントロールサンプルとして使用する切片と同一平面にある)をスライド上に置く(図14A)。このようにして得られる腎臓切片の質量分析画像上において、m/z313.3のイオン(図14B)を検出すると、オランザピンは主に髄質に局在している。
予め計算したTECに応じて、オランザピンについて得られたシグナル強度を腎臓で標準化する。次いで、腎臓におけるオランザピンの総濃度をpmol/mm2単位で得るために、オランザピンについて予め計算した検定線にこのデータを関連付けることができる。
分析した腎臓切片の厚さ及び表面積の情報を用いて、サンプル中の組織1グラムあたりのオランザピンの量(グラム単位)を決定することが可能である。
従って、ここに記載した例では、(3回の実験全体の)平均オランザピン濃度を41.1μg/g組織と計算できる。

Claims (20)

  1. 質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法であって、以下の工程:
    a)分析するべきサンプルを支持体上に堆積させること;
    b)質量分析によってサンプルを分析して、前記サンプル中のターゲット分子のマススペクトルを得ること;
    c)ターゲット分子及びサンプルに特異的な吸光係数(TEC)によって、前記サンプル中のターゲット分子のマススペクトルに関連するシグナルに重み付けすること;及び場合により
    d)重み付けしたターゲット分子のシグナルを使用して、サンプル中のターゲット分子の量を決定すること
    を含む、方法。
  2. 分析するべきサンプル中のターゲット分子の吸光係数(TEC)が、基準媒体中のターゲット分子のシグナルと、サンプル中のターゲット分子のシグナルとの比又はその逆数に対応する、請求項1に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  3. 分析するべきサンプル中のターゲット分子の吸光係数(TEC)が、サンプル中の標準分子のシグナルと、サンプル中のターゲット分子のシグナルとの比又はその逆数に対応する、請求項1に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  4. 同位体でラベリングされた既知濃度のターゲット分子を標準分子として使用する、請求項3に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  5. 質量分析イメージングを使用し、同位体でラベリングされた既知濃度のターゲット分子をマトリックスと混合してから、得られた混合物をサンプル及び支持体の両方に塗布する、請求項4に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  6. 同位体でラベリングされた既知濃度のターゲット分子をサンプル及び支持体の両方の上に堆積させる、請求項4に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  7. 分析するべき所定の種類のサンプル中の所定のターゲット分子についてTECを1回だけ計算し、所定の種類のサンプル中の前記ターゲット分子の各定量化に再使用する、請求項1又は2に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  8. ターゲット分子が、タンパク質、ペプチド、脂質、代謝産物、小分子、又は質量分析によってイオン化され得る任意の分子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  9. 分析サンプルが、有機サンプル又は無機サンプルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  10. ターゲット分子がタンパク質であり、検出工程b)の前に、前記ターゲット分子の酵素的及び/又は化学的な前処理を実施し、前記前処理から得られたペプチドの少なくとも1個について検出及び定量化を行う、請求項1〜9のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  11. 分析工程b)の前に、サンプルを少なくとも1つの溶媒及び/又は少なくとも1つの洗浄剤で処理して、ターゲット分子の検出を最適化する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  12. ターゲット分子のマススペクトルに関連するシグナルが、前記マススペクトルのピーク強度、ピーク面積又は信号対雑音比に対応する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  13. 質量分析イメージングを使用し、ターゲット分子のシグナル強度に分析サンプル上で直接重み付けして、前記サンプル中のターゲット分子の分布及び濃度を同時に可視化する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  14. 質量分析イメージングを使用し、分析工程b)の前に、サンプル上のマトリックス堆積物の均一性を基準マトリックス堆積物と比較して評価する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  15. 前記サンプル中の少なくとも2つの異なるターゲット分子を同時に検出及び定量化する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の質量分析イメージングによってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  16. サンプルが少なくとも1つの組織の切片であり、質量分析イメージングによってターゲット分子を組織上で直接検出及び定量化する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の質量分析によってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  17. サンプルが動物全身の切片であり、質量分析イメージングによってターゲット分子を前記切片上で直接検出及び定量化して、動物の様々な組織における前記ターゲットの分布を同時に比較する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の質量分析イメージングによってサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出及び定量化するための方法。
  18. コンピュータシステムが請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法の工程c)を実行できるようにするのに適したコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読データ媒体。
  19. 少なくとも2つの異なる種類のサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子についてのTECデータベースを含む、請求項18に記載のコンピュータ可読データ媒体。
  20. 質量分析イメージングに使用される少なくとも1つのマトリックスの基準シグナルのデータベースを含む、請求項18又は請求項19に記載のコンピュータ可読データ媒体。
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