JP2014507564A - 白金族金属精鉱の精錬方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、BMR(卑金属精錬)プロセスからの白金族金属(PGM)に富む残渣を高温で焙焼して、不純物、典型的には揮発性元素(例えば、Se、Te、As、S、Bi及びOs)を除去し、焙焼生成物を得る方法に関するものである。焙焼生成物は、融剤を用いて製錬され、それにより、スラグ相及び合金相が形成され、また硫化物及び重金属(例えば、Pb及びTe)が蒸発し、さらに、安定な酸化化合物(例えば、SiO並びにFe、Ni、Co、Cu、Cr、Te及びBiの酸化物)がスラグ相に移行する。合金相及びスラグ相を分離し、それから、合金相を溶融して、ガス又は流体アトマイズ法で微細化することにより、水に溶解することができ、また湿式精錬でのPMR(貴金属精錬)プロセスにおける処理が可能である合金微粒子を形成する。

Description

[関連出願の相互参照]
本特許出願は、南アフリカ特許出願第2011/00894号に基づく優先権を主張す
るものであり、この特許出願の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
本発明は、通常、PGM及び硫化鉱物の殆どをスラリに濃縮する浮遊選鉱ステップを含む、白金族金属(PGM)(例えば、Pt、Pd、Rh、Ru及びIr)並びに金(Au)の生成に関するものである。浮遊選鉱は分離性に優れ、また代表的なPGMでは、1.8%〜4%の質量プル(精鉱と言われる給鉱での質量%)値と共に、80%を超える回収率が得られる。残念ながら、いくつかの元素(As、Se、Te、Bi、Cd、Hg及びPbといった元素)は、しばしば硫化物又はPGM鉱物と結合しており、またこれらの元素のいくつかは、浮遊選鉱により得られた精鉱と共に、キャリーオーバーされて、製錬所への給鉱材料となってしまう。
PGM生成における典型的な製錬ステップでは、精鉱をまず、交流(AC)炉又は直流(DC)炉において溶融し、ここで、硫化鉱物は酸化鉱物から分離され、別々の炉マット層及びスラグ層にそれぞれ形成される。これらの層は、炉内の異なる高さで別々に出鋼される。PGMは、マット相の方へ進む傾向にあり、製錬ステップにおける回収率は95%を超える。しかしながら、微量の不純物元素(As、Se、Te、Bi、Cd、Hg及びPb)も、マット相の方へ進み、回収率を変化させる。製錬ステップの後、FeSを炉マットから除去する転換ステップを行う。転換の際、(Oを富化した又は富化しない)空気を転炉に吹き入れて、それにより、FeSを酸化してFeO及びSOとする。転換中、溶融した卑金属硫化物の酸化及びわずかな脱硫も生じ得る。製錬操作から得られた最終生成物は、多くの場合、転炉マットと呼称される。転炉マットには、不純物(As、Se、Te、Bi及びPb)だけでなく、転換操作の副生成物であり、かつ、スラグのキャリーオーバー又は飛散のため存在している鉱物が含まれる。これには、通常、SiO並びにマグネタイト及びトレボライトといったスピネル型酸化物(又はその他の類似のNi/Cu/Feの酸化物)が含まれる。また、転炉マットには、(スラグのキャリーオーバー源と共に)微量のCr、CaO及びMgOも存在している。
転炉マットは、粉砕又は微細化されて、卑金属除去/精錬ステップに送られる。この卑金属除去/精錬ステップにおいて、硫化鉱物(多くの場合は、Ni、Cu及びFeの硫化物)が浸出して、PGM含有率が40%を超える残渣(無水ベース)が生成される。
別の方法においては、転炉マットを徐冷して、合金相中のPGMを卑金属硫化物から分離することもできる。徐冷の後に、合金−硫化物の塊を破砕し、合金を磁性を有する粗鉱片として回収する一方、卑金属硫化物を磁性を有さない精鉱として回収する。これら2つの相を物理的に完全に分離するのは殆ど不可能であるため、通常、酸及びアルカリを用いて合金相を酸化環境で処理し、それにより、卑金属不純物の連晶を除去する。その後、PGM合金精鉱は、PMRに直接送られる。
BMRプロセスは、主に硫化鉱物の除去を目的とするが、精錬所には、多くの場合、BMR残渣物を貴金属精錬所(PMR)に送る前に、当該残渣物からいくつかの不純物を除去することを目的とした系統が設けられている。これには、Se、Te、Pb、SiO及び酸化Fe/Ni複合物を除去する系統が含まれる。こうした系統は、通常、硫酸塩系の処理を行うBMRで用いられる。したがって、硫酸塩溶液マトリックス中/当該マトリックスから除去しやすい不純物は、BMRで処理するのが好ましい。逆に、塩化物、硝酸塩又はシアン化物溶液マトリックスを用いて除去しやすい不純物は、PMRで除去するのが好ましい。
Au及びAgと同様、PGM(例えば、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir及びOs)の生成における最終ステップは、貴金属精錬所で行われる。BMRで得られた貴金属精鉱は、通常、塩素及び塩酸環境で浸出され、それにより、PGMは可溶化する。それから、PGM含有溶液は、いくつかのプロセスを経て、構成成分である金属に分離される。こうしたプロセスには、様々な沈殿処理及び溶解処理の繰り返し、溶媒抽出、イオン交換または分子認識技術のいずれかが含まれる。
白金産業におけるPMRへの一般的な給鉱品位は、約40%〜75%であり、典型的には65%である(Pt、Pd、Rh、Ru、Ir及びAuの合計)。残りの含有物は、As、Pb、Se、Te、Bi、SiO、Fe/Ni酸化物、金属/硫化Fe、未浸出のBMS(卑金属硫化物)、BMRプロセスにおいて形成された安定な硫酸塩/水酸化硫酸塩、CaO、MgO、Cr及び結晶水の複合混合物又は化合物である。上記に挙げた不純物は、PMRプロセスで残渣を生じさせる、PMRプロセスの様々な流れに存在する。そうした残渣は、相応の処理コスト、貯蔵期間等をかけて再度処理する必要がある。また、不純物は、貴金属の全体としての回収率と、金属を市場に供給するまでの所要日数に悪影響を及ぼすこともある。
一般的に、PMRの主な給鉱材料の流れに含まれる全ての不純物は、(BMRプロセス又はPMRプロセスのいずれかに導入される系統を有する)湿式精錬処理ステップを通じて処理される。殆どの精錬所は、リサイクル/残渣/委託原料に関する乾式精錬処理ステップを有するが、主な給鉱材料の流れを、Cu、Ni及びSの大部分を除去した後で、当該材料をPMRプロセスのために溶解する前に、処理することを組み込んだ乾式精錬処理は存在しない。
本発明によれば、白金族金属(PGM)に富み(通常は、残渣中の貴金属の40質量%超が白金族金属である)、通常10質量%未満の卑金属を含む残渣を、高温で焙焼して、不純物、典型的には、揮発性の元素(例えば、Se、Te、As、S、BiおよびOs)を除去し、焙焼生成物を得るプロセスが与えられる。
好適には、上記の焙焼生成物を、融剤を用いて製錬し、それにより、スラグ相及び合金相が形成される。また、硫酸塩及び重金属(例えば、Pb及びTe)は蒸発し、安定な酸化物化合物(例えば、SiOやFe、Ni、Co、Cu、Cr、Te及びBiの酸化物)はスラグ相へと移行する。そして、その後、合金相及びスラグ相を分離する。
その後、上記の合金相を溶融し、ガス又は液体アトマイズ法により微細化することにより、水に溶解することができ、また湿式精錬でのPMR(貴金属精錬)プロセスにおける処理が可能である合金微粒子を形成することができる。
本発明の原理によれば、高温でも不活性であるPGM原料の性質(耐酸化性及び低い蒸気圧)を利用して、乾式精錬処理により、多様な不純物を除去することができる。また、大量のPGMにより、微細化可能なPGM合金相を(捕収剤を添加することなく)形成することができる。提案されたプロセスでは、6種の白金族元素(PGE:Pt、Pd、Rh、Ru、Ir及びAu)を90%以上含み、残存する不純物の殆どが金属のFe、Ni及びCuである合金を、生成することができる。
焙焼温度は、必要とされる化合物(例えば、TeO、SeO、TeO、As及びOs)の蒸発と、安定な化合物(例えば、硫酸塩)の分解が可能な程度に高くなければならない。例えば、500℃超1000℃未満の温度が必要であり、好適には、600℃以上900℃未満、さらに好適には、700℃〜850℃の温度である。温度が低いほど、PGM(特に、Pd、Ru、Rh及びIr)は酸化しやすくなり、PGM酸化物の蒸気圧は、純金属の蒸気圧に比べてオーダー単位で高くなる。PMG酸化物(特に、Ru)の蒸発を防ぐために、焙焼温度は900℃未満に維持しなければならない。焙焼ステップには、空気などの酸化剤を用いる酸化焙焼が含まれる。典型的には、残渣100gあたり100g〜150g、好適には130g〜150gの空気が加えられる。
揮発性成分は全て酸化物であり、それ故、空気中での酸化焙焼が必要であるが、焙焼条件は、元素の酸化状態及び鉱物学的な組成によって決定される。また、特定の元素の適正な酸化状態を形成するため、酸化焙焼の前又は後に、還元焙焼が必要であり得る。還元焙焼は、550℃〜650℃、典型的には約600℃の温度で、石炭又は石油コークスといった還元剤を用いて行われ得る。
また、安定な化合物(例えば、硫酸塩)の分解や、Pb(及びその他の重金属)のガス相への移行を行うとともに、安定な酸化物(例えば、SiO、Cr及びスピネル)のスラグ相への溶解を可能とするため、製錬ステップは、合金相の液相線温度(固相が全てなくなり、完全な溶融状態となる最低温度)よりも僅かに高い温度で行う必要がある。典型的には、製錬ステップは、1300℃〜1600℃、好適には1400℃〜1500℃の温度で行う。
好適には、製錬は、還元条件下で、通常は、炭素等の還元剤を添加して行われる。例えば、給鉱材料100gあたり5g〜15gの炭水化物(例えば、穀粉)を添加する。
また、Ca又はMgの酸化物、珪酸塩、アルミン酸塩又はアルカリ酸化物系の融剤(好適には、CaO−SiO−Al−NaO系の融剤)の低い融点及び粘性を利用して、合成スラグを溶融物に添加すべきである。例えば、融剤は、10質量%〜40質量%のSiO、5質量%〜15質量%のAl、30質量%〜50質量%のCaO及び15質量%〜25質量%のNaOを含み得る。スラグの添加は、焙焼生成物の供給100gあたり20g〜100gの範囲で変化させることができるが、典型的には、焙焼生成物の供給100gあたり50gのスラグを添加することで、スラグの性質は、安定なスピネル型化合物が焙焼給鉱材料中で溶解可能なものとなる。
製錬ステップは、捕収剤を添加することなく行うことができる。
誘導により製錬を行う場合には、セラミックを内張りしたグラファイト製の受入容器を坩堝として用いることが好適である。
好適には、製錬は、以下の3つのステップで行われる。
(1)還元溶融ステップ;
(2)圧力を低下、好適には10分〜30分の間、絶対圧力を0.5atm未満、典型的には約0.1atmに低下させて、Pb、Te及び/又はその他の重金属を除去するステップ;及び/又は
(3)Fe及びNiといった不純物が、確実かつ十分にスラグ相に分離されるように、KNO、Na、Oガス、空気、NaNO又はMnO(好適にはNaNO)といった酸化剤を添加するステップ。
合金の微細化は、ガス又は液体を用いた冷却によって行うことができる。高圧ウォータージェットが微細化の方法として確立されており、非常に微細な粒子(必要であれば、粒子径D50が約10ミクロン〜20ミクロン)を得ることができる。液体(例えば、水)を用いて行われる微細化では、急速冷却された準安定相の平坦ではない(しばしば凹みのある)粒子が形成され、こうした粒子は、大きな表面積を有しており、それにより、急速な溶解が可能となる。また、高圧不活性ガス(例えば、NあるいはAr)ジェット又は遠心ガス冷却を用いて、合金を約40ミクロンの粒子径D50に微細化することもできる。水を用いる場合に比べて、粒子はより球状化し、また冷却速度はより遅くなる。マテリアルハンドリング、溶解挙動及び金属の採算性により、用いる微細化のタイプが決定される。
本発明の方法は、
徐冷プロセスの後、
卑金属回収(BMR)プロセス中又は
卑金属回収(BMR)プロセス及び貴金属精錬(PMR)プロセスの間、
に組み入れることができる。
「徐冷」プロセスとは、マットを徐冷して、合金相中のPGMを卑金属硫化物から分離するプロセスを意味する。
「BMRプロセス」とは、大部分(95%超)の卑金属及び硫黄を給鉱物から除去する任意のプロセス(例えば、硫酸塩系の湿式製錬処理)を意味する。
本発明の方法に対する見方の一例としては、BMR処理で得られた精鉱を、Cuの除去を目的とした加圧浸出の直後に溶融するというものである。これにより、最終的に残留するBMS、SiO、Fe/Niの酸化物、金属/硫化Fe、Pb及び両性元素の除去を目的とした既存のBMRの一部を省くことができる。
「PMRプロセス」とは、PGMをPGM精鉱から分離、回収する湿式製錬処理ステップを意味する。
本発明による方法のフローチャートである。
本発明は、(Osを除くPGM以外の)不純物の除去に関して分離性に非常に優れ、PMR(貴金属回収)プロセスに供される給鉱材料から単一処理ステップで多数の不純物を除去する機能を有する、乾式精錬処理に関する。多数の不純物を単一ステップで除去することができるため、現行のBMR(卑金属回収)及びPMRプロセスの手順を、関連コストを低減させつつ簡略化することが可能である。
以下、乾式精錬処理により、不純物(例えば、以下に限定はされないが、As、Pb、Se、Te、Bi、SiO、Fe/Niの酸化物、金属/硫化Fe、未浸出の卑金属硫化物、安定な硫酸塩/水酸化硫酸塩、CaO、MgO及びCr)を、完全に又は部分的に、PMR給鉱材料から除去する方法について説明する。乾式精錬処理は、焙焼ステップと、それに続く製錬ステップとを含む。焙焼ステップでは、揮発性元素をガス相に移行させる(例えば、Se、Te、Os、S、Bi及びAs)。製錬ステップでは、安定な化合物(例えば、硫酸塩)の分解や、Pb(及びその他の重金属)のガス相への移行を行い、安定な酸化物(例えば、SiO、Cr及びスピネル)のスラグ相への溶解を可能とする。製錬ステップでは、合金相及びスラグ相が形成される。これらの相は、鋳造し、物理的に分離できる。PMRプロセスにおける合金の溶解を容易にするため、合金相は、再度溶融して、微細化することができる。
以下の表1に、本発明で提案する方法により扱われ得る典型的な給鉱材料を示す。方法の最適化を理解するには、鉱物学的なスペシエーション(鉱物中の化学種を明らかにすること)及び鉱物の組成が重要である。
焙焼ステップ
焙焼ステップの目的は、揮発性酸化物(主に、SeO、TeO、As、Os及びSO)を形成することにある。空気は、上記目的を達成する上で、十分強力な酸化剤である。空気は、関連コストなしに入手できるだけでなく、79%のNを含んでおり、このNは、揮発性化学種(特に、TeO)を除去するのに十分なガス体積を得るために重要な役割を果たしている。
研究を行った給鉱材料では、十分な除去を実現するために、給鉱材料100gあたり約140gの空気が必要であった。ガス流(体積)を増加させても、焙焼時間が長くなり、焙焼コストが増加することは別として、結果に殆ど差はないものと考えられる。
酸化焙焼ステップは、約800℃の温度で行うことが好適である。それより高い温度になると、安定な硫酸塩の分解には役立つが、900℃を超えると、Ruが(RuO及びRuOとして)いくらか損失することになる。Ru、Rh、Ir及びPdはいずれも、焙焼温度で酸化物を形成し、こうした酸化物(Pdを除く)の蒸気圧は、純金属の蒸気圧に比べてオーダー単位で高くなる。
焙焼温度は、給鉱材料の特性に応じて最適化する必要がある。一例として、Se/Te沈殿系統で生じたある浸出残渣は、約750℃で溶融を開始したため、焙焼温度を700℃までに限定した。焙焼系統では、Teは除去されず、低圧での製錬において十分に除去できる。
焙焼は、流動層(循環流動層反応器又は気泡流動層反応器)、回転式ドラム焙焼炉、多段焼却炉又は固定層(マッフル炉に手動で装荷される複数のトレイ)で行うことができる。高効率な流動層反応器が好適ではあるが、技術の選択には、粒子サイズと、所望の処理速度と、バッチ処理の必要性とが重要な役割を果たすと考えられる。考察した材料では、粒子懸濁を調整するために、マイクロアグロメレーションを行った。マイクロアグロメレーションに用いた結合剤は、製錬ステップにおいて、スラグ相に分解/溶解されるものと考えられる。焙焼熱は、電気/ガス又は燃焼により供給され得る。
考察した材料では、空気焙焼におけるAsの除去は、モデリングによる予測ほど効率的には行われなかった。この結果は、おそらく正しいものと考えられる。というのは、非揮発性のヒ酸塩(As5+)及び酸化に対する耐性が非常に高いスペリー鉱(砒白金鉱)が存在しており、給鉱材料中の想定化学種が不正確であったからである。Asを除去するためには、Asを3価に還元することが必要である。前還元焙焼は、石炭又は石油コークスを用いて約600℃で行われ得る。還元/酸化焙焼の2段ステップが必要な場合は、ガスの切り替えを単一の容器で容易に行うことが可能なバッチ反応が好適である。
図1を参照すると、BMR給鉱材料10、還元剤12及び不活性ガス14が、焙焼炉16での還元焙焼ステップ16Aで供給される。その後、同一の焙焼炉16に空気18が供給されて、上記還元焙焼ステップに続く酸化焙焼ステップ16Bが行われる。
800℃で焙焼した場合におけるガス相での典型的な回収率の値を、以下の表2に示す。殆ど全てのSe、As、O及びTe並びに大部分のSは、揮発させることができる。
焙焼中に発生する排ガス20は、有害な化学種(例えば、Se、As及びOsの酸化物並びにSO)を含んでいると考えられるため、捕集して、ガス洗浄/金属回収ステップ22に供する必要がある。このことについては、詳細に後述する。
溶融ステップ
焙焼ステップの後に、製錬ステップが行われる。焙焼炉16で生じた酸化材料24を、還元剤28、不活性ガス30及び融剤32と共に、製錬炉26に供給する。製錬により、合金相及びスラグ相が形成される。スラグ相は、SiO並びにFe、Ni、Co、Cu、Cr、Te及びBi等の酸化物を吸収することになる。また、硫酸塩/オキシ酸硫塩は分解し、その結果生じた酸化物はスラグ相に吸収されることになる。PGMは合金相に濃縮される。そして、この合金相を微細化することにより、PGMは、既存の分解系統を経て、PMR精錬系統に導入できる程度の反応性を有することとなる。
本発明の本実施形態において、製錬炉26は誘導炉である。ただし、AC及びDCの技術を用いることもできる。誘導溶融は、坩堝構造における、加熱及び冷却によるバッチ操作を容易にすると共に、圧力を変更するステップを、AC炉又はDC炉よりも容易に行うことができる。誘導溶融の事前試験結果では、熱は、受入坩堝を介して当該材料に伝達しなければならないことが示されている。というのは、焙焼材料に対して直接的に結合することはできないからである。受入坩堝としては、グラファイトが挙げられる。というのは、グラファイトは、何の問題もなく、1800℃までの温度とすることが容易にでき、また非常に速く加熱及び冷却することができるからである。研究により、グラファイトは溶融物と相互作用すること、またセラミックの坩堝(好適には、高いマグネシア含有量となる)を、グラファイトに内張りし、セラミックが溶融物と接触するようにして用いるべきであることが示された。
製錬は、合金の液相線温度(固相が全てなくなり、完全な溶融状態となる最低温度)より僅かに高い温度で行わなければならない。合金相の液相線温度は、様々なPGM金属の相対的な濃度、並びに卑金属(例えば、Cu及びNi)及びFeの合金化による効果により決定される。PGM(特に、Ruといった高融点金属)の含有量が多いほど、液相線温度は高くなる。研究したBMR浸出残渣について、Ruは、合金中で最後に溶解する金属であり、液相線温度は1430℃〜1450℃の間にある。試験研究により、1450℃〜1500℃の温度が適切であることがわかった。Pdは、白金族金属(PGM)グループの中で最も蒸気圧が高いため、温度が1500℃を超えると、Pdのある程度(1500℃で0.3%)の損失を招くことになる。
製錬操作は、3つの特徴的なステップとして説明することができる。3つのステップとは、(1)僅かに還元的な還元溶融ステップ26A、(2)圧力を低下させて、Pb、Te及びその他の重金属を除去する圧力低下ステップ26B及び(3)不純物(例えば、いくらかのFe及びNiを含む不純物)が確実かつ十分にスラグ相に分離されるように、酸化剤を添加するステップ26C、である。製錬はバッチ処理で行われるため、上記の3つのステップは、充填から鋳造までの間、連続的に調整することができる。鋳造は、最後の酸化ステップの後に行われる。
PGM酸化物(Ru、Ir及び、より低い程度のRh)の蒸気圧は、これらの酸化物が加熱中に損失を招くほど高いため、溶融前に、弱い還元剤28を、合成スラグ32(すなわち、スラグはそのままのスラグではなく、そこで得られた構成成分からなるスラグである)と共に添加し、焙焼した給鉱材料と混合する必要がある。還元剤は、炭水化物(例えば、小麦粉)とすることができ、また焙焼された給鉱材料100gあたり約5g〜10g程度でなければならない。還元条件が強すぎると、Fe及びNiの大部分を合金相へ移行させかねない。こうした元素は、いったん合金相に移行すると、選択的にその大部分を酸化させることは困難である。不活性ガス30を製錬炉26に供給し、不活性ガス雰囲気を、製錬操作全体にわたり、溶融物の上方で維持する必要がある。
全ての材料が溶融した後、溶融物の上方雰囲気の圧力を低下できる。これは、圧力チャンバを閉鎖し、当該チャンバ内を真空ポンプで真空に引くことで、容易に行うことができる。Pbは、しばしばPMR(特に、Rhの精錬中)において、特別な問題を生じさせる。要求されるPbの指定条件のため、ガス相へのPbの除去ステップを、溶融操作において含ませる必要がある。約95%のPb(並びにTe及びその他の重金属)の除去は、絶対圧力を約0.1atmに低下させることにより、非常に効果的に達成できる。Pbは、PbO及びPbの両方として蒸発する。10分〜30分の間、低圧で保持した後、真空を破壊することができる。圧力の低下を受け、約50%のAgがガス相となって失われる。
真空チャンバを開放し、溶融物に対する圧力を通常圧に戻した後、不純物が確実かつ最適にスラグ相へ分離されるように、酸化剤34をスラグに添加することができる。また、酸化剤の添加により、Fe、Ni及び、より少ない程度のCuも限定的に酸化され得る。焙焼生成物の供給100gあたり約2.5gの酸化剤を添加すれば、最終的に得られる合金のPGM品位を87%から92%に向上できる。酸化剤としては、NaNO及びMnOの両方が考えられるが、NaNOが好適である。
プラントでの特定の元素に対する指定条件が、溶融ステップの複雑性を高めてしまうことに留意することが重要である。合金中のPb及びNi等の許容値を緩和できる場合は、圧力低下ステップ及び酸化ステップの両方を省略することができる。僅かな還元溶融ステップにより、6種のPGEの品位が約85%である合金を生成することができる。
以下の表3は、焙焼生成物100gあたり7gの穀粉を添加し、1450℃で焙焼生成物の溶融ステップを行って得た、合金相への典型的な回収率を示すものである。当業者であれば、代わりの炭水化物を用いた場合に必要な質量添加量を再計算することができるであろう。
不要な酸化物を溶融物から吸収するため、合成スラグを溶融物に添加する必要がある。融剤としては、CaO−SiO−Al−NaO系の融剤が挙げられる。というのは、このような融剤は、低融点(提案したスラグ組成の場合、液相線温度は約1150℃)かつ低粘性(1450℃で約0.4log[ポイズ])で、あらゆる酸化物を吸収する能力には優れる一方、マグネシア系の内張りを吸収する能力は低いからである。(こういった添加の観点から)目標とするスラグ組成を、以下の表4に示す。
供給される焙焼生成物100gあたり合計で約50gの融剤といった、融剤の添加率が示される。この添加率は、スピネルを吸収する十分な吸収能力を得るために重要なものである。さもなければ、スピネルは固体として存在することとなる。スピネル(例えば、マグネタイト及びトレボライト)は、転換操作により存在しているが、中には、Mg、Fe、Ni、Al及びCrが存在することで焙焼中に形成されるものもある。
製錬操作終了時におけるスラグの粘度は、溶融物から吸収された酸化物(例えば、FeO、Fe、NiO及びMgO)により流動性が付加されるため、非常に低い(0.13log[ポイズ]と算出)。
焙焼系統からの排ガス処理
焙焼系統は、高温の濃縮ガス流20を発生させ、環境及び人間にとって有害なガス種を大量に含み得る。焙焼操作により、微粒子がガス相へある程度懸濁(分散)することは殆ど避けられないため、ガス系統には、微粒子分離ステップを設ける必要がある。理想的には、この微粒子除去ステップは、ガスがまだ高温の(当該ガス種の露点/凝固点より高い)間に行うべきである。セラミックキャンドルフィルタは、使用可能な高温微粒子除去装置の一例である。ガスから除去した微粒子24は、焙焼炉16に戻すことができる。
排ガスから殆どの有害ガス種を除去するために、(好適には、アルカリ系の)ウエット系統で洗浄を行うことができる。また、選択的に凝縮/逆昇華させることにより、いくつかの有益なガス種(Se、Te及びOs)を回収することができる。これには、還元と凝縮用の冷却表面が必要となる場合がある。
還元焙焼ステップが必要な場合、可燃性ガス種が存在するものとして設計を行う必要がある。排ガス処理は、法律、既存のインフラストラクチャ及び潜在的な金属の市場/価値により決定されるであろう。
焙焼及び製錬両方の排ガスを、プラントの既存の洗浄回路で処理することもできる(粒子回収後)。
溶融系統からの排ガス処理
製錬操作で生じる排ガス36は、炉の上部から抽出して、処理しなければならず、排ガス処理操作(ステップ38)で処理される。排ガス処理には、粒子の除去及び洗浄が必要な場合とそうでない場合がある。排ガス流は、焙焼操作の排ガス流又は既存のプラント系統の排ガス流を一体とすることができる。
焙焼溶融物及び酸化溶融物の金型での鋳造
溶融合金及びスラグ40は、製錬炉26から金型に流し込まれ、鋳造される(ステップ42)。通常、誘導炉(並びに、より小さなAC炉及びDC炉)は、溶融物を型に注ぎ込むため、油圧により傾斜させられる。また、バッチ操作では、炉底出鋼を行うことも可能である。
鋳造は、固定式の金型及び重力を利用したフローオーバー式のバケット金型構造のいずれかで行うことができる。固化処理の際に、金型の中身が取り出される。PGMのスラグへの損失が起きる主要なメカニズムは、PGMのスラグ相への溶解ではなく、鋳造処理の際の、合金粒子のスラグ相への懸濁(飛散)及び凝固である。鋳造の非常に重要な側面は、スラグを十分に流動化させて、それにより、合金が量的にスラグから溶融合金プールへと沈殿するのを容易にするという点にある。スラグと合金を容易かつ確実に分離するためには、それらの間にはっきりとした平面が必要であり、これは容易に実現できる。
固定式のAC炉又はDC炉の技術を溶融に用いる場合、必要に応じて開閉可能な出鋼孔を、耐火性の内張りに保持することができる(ただし、小さなAC炉及びDC炉の場合は、傾斜させることも可能である)。鋳造操作では、合金の懸濁を効果的に除去しつつ、スラグ及び合金を異なる高さから出鋼することができる。その利点は、スラグ中の貴金属がさらに減少し、また処理中に固定化する材料を制限できる点にある。
スラグ及び合金の手動による分離
合金及びスラグは、簡単な手動による分離プロセスで、分離される(ステップ44)。スラグは、容易に、合金相から機械的に分離することができる。鋳造を良好な管理の元で行った場合、スラグと合金の間の面は非常に平滑となり、分離は容易になる。その後、合金のインゴット及びスラグ片を手作業で分類し、後処理のためにバッチ化することもできる。合金のインゴットは、合金相に付随するスラグキャリーオーバーが殆どない清浄なものでなければならない。なぜなら、こうしたスラグも、微細化後、合金と共にPMR処理に供されることになるためである。
製錬炉へのスラグの返送
合金から分離されたスラグ46は、PGMをいくらか含んでいると考えられる。これは多くの場合、合金が、懸濁した小さい粒子の形で飛散したことによるものである。スラグ相中のPGMは、当該スラグを、プラントの製錬炉で再度、処理することにより回収され得る(既存の製錬操作、例えば、転換ステップ及びBMRの前に行われる精鉱の製錬を参照)。スラグから流出した卑金属硫化物材料は、捕収剤として働き、回収されたPGMは、再び転換ステップを経ることになる。典型的な製錬操作の回収率は98%超であるため、スラグが二巡すれば、殆どの損失は非常に効果的に回収されることが見込まれる。
微細化のための溶融
分離した合金48は、貴金属精錬所で溶解する必要がある。これを合金で効率的に行うためには、合金の表面積を十分に大きくして、表面に十分な反応性を持たせる必要がある。上記の目的は、合金を微細な粉末とする微細化(ステップ52)により、達成される。
合金の液体流を微細化するためには、合金を再度溶融する必要がある(ステップ50)。誘導炉の技術では、エネルギーを合金に直接的に付与及び伝達することができるため、上記目的のために最も適している。これにより、溶融プロセスは非常に高速かつ効率的になる。アルミナ製の坩堝で合金を溶融することが提案されるが、グラファイトを用いることもできる。溶融物の温度は、全ての合金が流体となる温度(液相線温度)から50℃を超える温度であってはならない。微細化のための溶融を行う際の所望の溶融温度は、1500℃〜1550℃程度である。合金及び坩堝の酸化を防ぐため、不活性ガス雰囲気を坩堝上部で維持する必要がある。
高圧のガス又は水スプレイに対し、(質量流量及び流れ方向の両方を)制御した合金の液体流を提供するため、グラファイト製の漏斗を用いることができる。こうしたグラファイト製の漏斗は、当該漏斗内での材料の凝固を防ぐために、誘導コイルにより再度加熱することができる。また、合金及び坩堝の酸化を防ぐため、グラファイト全体を不活性ガス雰囲気に維持する必要がある。漏斗は、流体金属を受け入れて、高圧ガス/ウォータージェットへと順番に送る。漏斗の温度は、1500℃に制御され得る。
誘導炉の上部には、ヒュームを除去するために抽気フードを設けなければならない。溶融物からのガスは、他のガス流(例えば、洗浄のための焙焼及び/又は一次製錬ステップにより生じたガス)と一体とすることもできる。このガス流から粒子を除去する必要があってはならない。
微細化
合金の微細化(ステップ52)は、ガス又は液体冷却により行うことができる。高圧ウォータージェットは微細化の方法として確立されており、これにより非常に微細な粒子(必要であれば、粒子径D50が約10ミクロン〜20ミクロン)を得ることができる。流体(例えば、水)を用いて行われる微細化では、急速冷却された準安定相の平坦ではない(しばしば凹みのある)粒子が形成され、こうした粒子は、大きな表面積を有しており、それにより、急速な溶解が可能となる。評価した材料では、高融点のPGM(Rh、Ir、Ru及びPt)の殆どを含む高融点相と、いくらかのPd及び残留したFe、Ni及びCuの殆どを含む第2相の少なくとも2つの相が、冷却中に形成した。
高圧ガスジェット又は遠心ガス冷却を用いて、合金を、D50が約40ミクロンとなるように微細化することもできる。水を用いる場合に比べて、粒子はより球状化し、また冷却速度はより遅くなる。マテリアルハンドリング、溶解挙動及び金属の採算性により、用いる微細化のタイプが決定される。
水を用いる場合は、水圧が60bar〜160barのウォータージェットを用いることが提案される。微細化における合金に対する水の比(重量対重量)は、5〜10の間とすることができる。合金に対する水の比を管理することで、合金スラリを、溶解容器に直接送り込むことができる。それが不可能な場合は、スラリから水を除去するための濾過ステップが必要となる。
PMR系統への溶解
微細化された合金は、直接、溶解処理(ステップ54)に送ることができる。ただし、溶解速度によっては、容器でのより優れた温度制御を行うことが必要となる場合もある。合金の反応性は通常のPMR給鉱材料よりも僅かに高く、また塩素による浸出の後、合金を有する溶液のより速い加熱が開始されたことが判明した。ただし、温度制御及び酸化還元電位制御は、実験室規模の通常のPMR給鉱材料と同程度のレベルで実現できた。
処理のバリエーション(ただし、本発明はこれらに限定されない)
本発明は、以下のいずれにも限定又は制限されない。
・炉マットから転炉マットを生成する方法、又は転炉マットの生成に先立つ任意の技術あるいは処理方法。
・PGMを転炉マットから濃縮する方法(卑金属を物理的に又は化学的に除去する方法)。
・(BMRを経たPGMの場合)BMRにおける処理ステップ‐例えば、Ni+Cuの除去のための大気と圧力浸出の間の技術選択。
・PGMにおける処理ステップ‐例えば、沈殿処理及び溶解処理の繰り返し、溶媒抽出、イオン交換又は分子認識技術の間での技術選択。
・炉のタイプ‐主要な溶融としては、AC、DC又は誘導。誘導が、微細化には最適であると考えられる(加熱速度及び直接的な結合による効率性)。
・製錬処理‐圧力制御の有無、スラグへの酸化剤添加の有無。
・坩堝/耐火物のタイプ
・微細化のタイプ‐冷却媒体としてガス又は流体。
・鋳造金型のタイプ‐重力を利用したオーバーフロー構造タイプ、単一の大きな金型等。
・スラグ洗浄方法‐既存の製錬操作に戻す、又は、溶融物を洗浄した別のスラグに導入して、スラグを廃棄する。
・焙焼炉のタイプ‐固定層、回転タイプ、多段焼却又は流動層による焙焼。
・焙焼要件のタイプ‐酸化焙焼の前又は後の還元焙焼の必要性。
・使用するガス洗浄及び固体回収のタイプ
・排ガス流からの有益な金属(Se、Te及びOs)の回収方法のタイプ(回収する場合)。
本発明による方法の大きな利点は、いかなる既存の貴金属精錬所にも適用できる点にあり、そこでの給鉱材料には、不純物(例えば、以下に限定はされないが、As、Pb、Se、Te、Bi、Cd、Hg、SiO、Fe/Ni酸化物、金属/硫化Fe、未浸出のBMS[卑金属硫化物]、CaO、MgO及びCr)が含まれている。
本発明の方法によれば、以下に挙げる効果が期待される。
・PMR処理で生成される残渣量を減少することができる。残渣物の委託/再処理に係る費用が低減できる。
・PMR処理の廃液量が、廃液におけるPGMの損失の減少に関連して、減少する。
・PGMの残渣及び廃液流でのPGMの固定が減少するため、PMR系統の一巡目の回収率が向上する。
・PMRの処理時間(より反応性が高く、高速な最初の浸出ステップから不純物除去ステップまで)を減少できる。これにより、プロセスのインベントリが減少すると共に、PMRの処理能力が増加する。
・不純物が存在すること(特に、断続的なPMRへの高SiO及び高Pbの給鉱)による、PMR操作の課題を解決できる。製錬ステップで、このような不純物を除去することにより、PMR給鉱品位を安定化でき、このプロセスのその他の部分では制御ステップを有さない。
・BMR及び/又はPMR処理は、湿式製錬処理による不純物除去ステップを省略することにより、簡略化できる。これにより、省略されたステップの廃液流が生成されなくなる(これに関連して、PGMの損失も減少する)。さらに、不純物除去ステップを省略することにより、労力及びコストの削減も達成できる。
・PMRへの給鉱における含有量のばらつきを低減できる。

Claims (35)

  1. 白金族金属(PGM)に富み、卑金属を含む残渣を、高温で焙焼して、Se、Te、As、S、Bi、Osといった不純物を除去し、焙焼生成物を得る焙焼ステップを含む、方法。
  2. 請求項1記載の方法において、前記残渣中の貴金属の40質量%超が白金族金属である、方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法において、前記残渣が10質量%未満の卑金属を含む、方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の方法において、焙焼温度が、500℃超1000℃未満である、方法。°
  5. 請求項4記載の方法において、前記焙焼温度が、600℃以上900℃未満である、方法。
  6. 請求項5記載の方法において、前記焙焼温度が、700℃〜850℃である、方法。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の方法において、前記焙焼ステップが、酸化剤を添加する酸化焙焼を含む、方法。
  8. 請求項7記載の方法において、前記酸化剤が空気である、方法。
  9. 請求項8記載の方法において、前記残渣100gあたり100g〜150gの空気を加える、方法。
  10. 請求項9記載の方法において、前記残渣100gあたり130g〜150gの空気を加える、方法。
  11. 請求項7乃至10いずれかに記載の方法において、前記焙焼ステップが、前記酸化焙焼の前又は後の還元焙焼を含む、方法。
  12. 請求項11記載の方法において、前記還元焙焼が、550℃〜650℃の温度で行われる、方法。
  13. 請求項12記載の方法において、前記還元焙焼が、約600℃の温度で行われる、方法。
  14. 請求項11乃至13のいずれかに記載の方法において、前記還元焙焼で還元剤を添加する、方法。
  15. 請求項14記載の方法において、前記還元剤は、石炭又は石油コークスである、方法。
  16. 請求項1乃至15いずれかに記載の方法により得られた焙焼生成物を、1300℃〜1600℃の温度で融剤を用いて製錬して、スラグ相及び合金相を形成し、該スラグ相及び該合金相は分離される、製錬ステップを含む、方法。
  17. 請求項16記載の方法において、前記焙焼生成物を、1400℃〜1500℃の温度で製錬する、方法。
  18. 請求項16又は17記載の方法において、前記製錬を還元条件下で行う、方法。
  19. 請求項18記載の方法において、前記製錬ステップで還元剤を添加する、方法。
  20. 請求項19記載の方法において、前記還元剤が炭水化物である、方法。
  21. 請求項20記載の方法において、前記還元剤が穀粉である、方法。
  22. 請求項21記載の方法において、給鉱材料100gあたり5g〜15gの穀粉を添加する、方法。
  23. 請求項16乃至22いずれかに記載の方法において、前記スラグが合成スラグである、方法。
  24. 請求項16乃至23いずれかに記載の方法において、前記融剤がCa又はMgの酸化物、珪酸塩、アルミン酸塩、アルカリ酸化物の融剤である、方法。
  25. 請求項24記載の方法において、前記融剤がCaO−SiO−Al−NaO融剤である、方法。
  26. 請求項25記載の方法において、前記融剤が、10質量%〜40質量%のSiO、5質量%〜15質量%のAl、30質量%〜50質量%のCaO及び15質量%〜25質量%のNaOを含む、方法。
  27. 請求項16乃至26いずれかに記載の方法において、前記スラグの添加が、前記焙焼生成物の供給100gあたり20g〜100gである、方法。
  28. 請求項27記載の方法において、前記スラグの添加が、前記焙焼生成物の供給100gあたり約50gである、方法。
  29. 請求項16乃至28いずれかに記載の方法において、前記製錬ステップを、捕収剤を添加することなく行う、方法。
  30. 請求項16乃至29いずれかに記載の方法において、誘導を用いて、セラミックを内張りしたグラファイト製の受入容器で製錬を行う、方法。
  31. 請求項16乃至30いずれかに記載の方法において、前記製錬は、
    1)還元溶融ステップ、
    2)圧力を低下、好適には10分〜30分の間、絶対圧力を低下させて、Pb、Te及び/又はその他の重金属を除去するステップ、及び/又は
    3)Fe及びNiといった不純物が確実かつ十分に前記スラグ相に分離されるように、KNO、Na、Oガス、空気、NaNO又はMnO(好適にはNaNO)といった酸化剤を添加するステップ、
    を含む、方法。
  32. 請求項31記載の方法において、前記絶対圧力を0.5atm未満に低下させる、方法。
  33. 請求項32記載の方法において、前記絶対圧力を約0.1atmに低下させる、方法。
  34. 請求項16乃至33いずれかに記載の方法で得られた合金生成物を溶融し、ガス又は流体アトマイズ法で微細化することにより、水に溶解することができ、また湿式精錬でのPMR(貴金属精錬)プロセスにおける処理が可能である合金微粒子を形成する、方法。
  35. 請求項1乃至34いずれかに記載の方法が、
    徐冷プロセスの後、
    卑金属回収(BMR)プロセス中又は
    前記卑金属回収(BMR)プロセスと前記PMRプロセスとの間
    に行われる、方法。
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