JP2014505895A - マイクロデバイス、被分析物の熱特性を判定する方法、反応に係る熱量を判定する方法 - Google Patents

マイクロデバイス、被分析物の熱特性を判定する方法、反応に係る熱量を判定する方法 Download PDF

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Abstract

本実施形態は、薄膜基板に支持された2つのマイクロチャンバーを備える小型電気機械システム(MEMS)に基づく熱量計を提供する。前記薄膜基板は、2つのマイクロチャンバー間の温度差を測定するように構成される熱電センサを含み、熱安定性かつ高強度の高分子ダイヤフラムをさらに含む。また、MEMSに基づく測量計を製造する方法及び、その測量計を用いて生体分子などの材料の熱感性や化学反応/物理の相互作用における熱力学性質を測定する方法も提供される。

Description

[関連出願の参照]
本出願は、2011年2月22日に出願された米国暫定特許出願番号61/445,414、2011年6月22日に出願された米国暫定特許出願番号61/500,011、2011年7月11日に出願された米国暫定特許出願番号61/506,509、2011年7月11日に出願された米国暫定特許出願番号61/506,514、2011年9月23日に出願された米国暫定特許出願番号61/538,725、2011年9月23日に出願された米国暫定特許出願番号61/538,729、2011年9月30日に出願された米国暫定特許出願番号61/542,147、2011年10月3日に出願された米国暫定特許出願番号61/542,651及び2011年12月19日に出願された米国暫定特許出願番号61/577,452の優先権の利益を享受し、その米国暫定特許出願の全内容は本出願において援用される。
[連邦政府の資金による研究についての声明]
この発明は、全米科学財団(National Science Foundation)から受賞され、書類番号DBI−0650020及びCBET−0854030に基づいて資金を受けている。米国政府は、この発明に対して一部の権利を有する。
示差走査熱量測定(DSC)は、熱活動の過程においてサンプルの温度の変化に伴って発生され、または必要な熱量を測定するための熱分析技術である。生化学システムに応用されたDSCは、様々な生体分子の相互作用と構造遷移の熱力学特性を判定するように無標識な方法を提供できる。ただし、DSC器械は扱いにくいし、多くのサンプル消耗が必要であるので、生体分子の特性化において、DSCの広範囲での応用が制限される。
小型電気機械システム(MEMS)は小さい集積デバイスまたはシステムであって、電気と機械的要素を結合する小さい機械デバイスである。MEMS技術は小型化、多様性とマイクロエレクトロ二クスを実現できる製造技術に基づくものである。
現在使用される多くの小型電気機械システム(MEMS)の熱量計は固相や、気相、液滴に基づく検出を提供する。しかし、既存のMEMS熱量計を用いて、明確的に定義された環境で液体サンプルを適切に対処することは困難である。
あるいは、流通式と連続流式のMEMS熱量計は、生物学の反応器としてのマイクロ流体のチャンバーまたはチャンネルを総合する。これらのデバイスは、制御可能な流体環境を提供でき、それに、生化学・熱力学の研究ための他のマイクロ流体機能性または感熱配置と容易な統合が許容される。ただし、連続流に起因する深刻な対流熱漏れによって制限されると共に、これらのデバイスは、依然として多数のサンプルを必要とする。
また、統合された発熱体と温度センシングが欠如しているため、既存の小型電気機械システム(MEMS)示差走査熱量測定(DSC)装置のキャリブレーションは、複雑である。温度変調式熱量測定(AC熱量測定)は、比較的短い周期的な温度変化の下での熱量測定に係る。この温度変調は生体分子の熱緩和を可能にするので、AC熱量測定が準平衡の条件での生体分子の相互作用を検出でき、また、変調周波数で広帯域バックグラウンドノイズに直面して生体分子の反応信号を抽出することも可能にしている。しかし、これらの試みは、溶液相における生体分子の特性化に適応されない固体薄膜と操作パラメータを含んでいる。
等温滴定熱量測定(ITC)は、生化学反応において反応物のモル比によって発生され、または必要とする熱量を測定でき、新薬発見や生物治療の開発などの領域に応用されている。しかし、従来のITC機器は、複雑な構造設計を有し、熱応答が遅いし及びサンプルと試薬の消耗が多数である。
本開示の一実施形態によって、一種のマイクロデバイスが提供される。このマイクロデバイスは、第1熱絶縁マイクロチャンバー、第2熱絶縁マイクロチャンバー及び薄膜基板を備える。前記第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーは、それぞれ試料室と基準室としてもいい。試料室と基準室は全く同じ体積と構成を有し、並列に設置されて、それぞれ薄膜基板に支持される。前記薄膜基板は、それぞれ試料室と基準室の下に位置され、試料室と基準室の温度差を測定することに用いられる熱電センサを備える。前記薄膜基板は、150℃より高い温度のガラス転移温度と250℃より高い温度の熱分解温度を有する材料で製造された高分子ダイヤフラムをさらに含んでもよい。
前記マイクロデバイスの実施形態において、熱電センサは熱電感度が80μV/℃より高い感度を有する熱電対を含む。他の実施形態において、前記熱電センサは異種材料の複数の細長いセグメントからなる薄層熱電対列として構成され、異種材料で作られた隣接セグメントが反対端によって接続されて熱電対の接点を形成する。例えば、前記異種熱電材料はNタイプとPタイプのテルル化ビスマス及びNタイプとPタイプのテルル化アンチモリを含んで良い。典型的な一実施形態において、熱電材料はビスマスアンチモリ(Sb−Bi)である。
前記薄膜基板の高分子ダイヤフラムの材料は、55MPaより高い引張強度と、500MPaより高いヤング率とを有する。例えば、前記高分子タイヤフラムは、ポリイミド、パリレン、ポリエステル及びポリテトラフルオロエチレンなどの材料によって製造されるが、これらの材料に限定されない。一実施形態において、高分子タイヤフラムはポリイミドによって製造される。
特定の実施形態において、マイクロデバイスの薄膜基板はさらにそれぞれ第1熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第1マイクロヒーターと第1温度センサ、及びそれぞれ第2熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第2マイクロヒーターと第2温度センサを備える。このような実施形態において、前記熱電センサの熱電対の接点は、それぞれ第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーの中心付近に位置し、それぞれ第1温度センサと第2温度センサと直交するように整列されている。マイクロヒーターと温度センサは、1つの析出金属・合金の薄層であってもよく、あるいは薄膜基板に含浸された金属・合金であってもよい。マイクロヒーターはマイクロチャンバーに均一加熱を提供する。
一実施形態において、マイクロデバイスのチャンバーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる囲壁によって定義される。マイクロデバイスの薄膜最上層は、PDMSの混合物からなり、また、高分子ダイヤフラムがPDMSで製造される。
一実施形態において、前記マイクロデバイスはさらに第1導入チャンネルと第2導入チャンネルを備える。第1導入チャンネルと第2導入チャンネルを流れている溶液はそれぞれ受動的カオス的混合を提供するように配置される。例えば、第1および/または第2導入チャンネルは、蛇行形状の部分を含み、さらに第1導入チャンネルと第2導入チャンネルを流れている溶液に十分な乱流を生じさせる多数の内部隆起を含む。
本開示の別の実施形態において、被分析物の熱特性を判定する方法が提供される。試料室においては被分析物を含有するサンプル物質が提供され、基準室においては被分析物を含有しない基準物質が提供される。あらかじめ決められた温度走査レートでマイクロデバイスを収容する熱容器に対する加熱する。試料室と基準室の間で測定された温度差に基づいて被分析物の熱特性を判定する。
前記方法の実施形態において、熱容器が加熱されている時、加熱電力に一時の周期的変化は提供される。前記加熱電力に一時的な周期的変化を提供することは、前記マイクロデバイスのマイクロヒーターを用いて一時的な変調加熱することによって実現される。
本開示の別の実施形態において、少なくとも2つの物質の間での反応に係る熱量を判定するための方法が開示される。試料室に第1物質と第2物質との混合物を含んだサンプル溶液が提供され、基準室に基準溶液が提供される。熱容器に定常な温度が保持される。試料室と基準室の間で測定された温度差に基づいて、予め決められた温度で行われた第1物質と第2物質の間での反応に係る熱量を判定する。
第1物質と第2物質の間での反応は化学反応、或いは物理的結合である。例えば、リガンドとタンパク質の結合である。熱容器の温度が変化するから、異なる温度での反応に係る熱量を判定することができる。同様に、2つの物質の濃度比も変化するから、異なる濃度比で測定された熱量に基づいて、反応化学量論を判定することができる。前記導入チャンネルを介して、サンプル溶液および/または基準溶液をそれぞれのチャンバーに投入すると、受動的な混合が得られる。
本開示の実施形態に係るマイクロデバイスの上面図[図1(a)]、等角図[図1(b)]及び断面図[図1(c)]等の概略図である。 図2(a)〜図2(e)は本開示の実施形態に係るマイクロデバイスの製造手順である。 本開示の実施形態に係るAC示差走査熱量測定の原理を示す概略図である。 図4(a)〜図4(b)は本開示の実施形態に係るマイクロデバイスの等温滴定熱量測定の概略図である。 一実施形態に係るマイクロデバイスの画像であって、そのうち、図5(a)はPDMS筐体構成と空隙、図5(b)は固体基板、図5(c)は薄膜基板に嵌め込まれた熱電対列、集積マイクロヒーターと熱電センサ、図5(d)は熱電対列の接点である。 本開示の実施形態に係り、マイクロデバイスを用いた熱量測定のテスト設定を示す概略図である。 本開示の実施形態に係り、熱容器の概略図に比べられ、特注された温度制御可能な熱容器の詳細を示す図である。 本開示の実施形態に係り、熱電対列の熱接点と冷接点の間での定常温度差に応答し、マイクロデバイスからの熱電対列の出力電圧を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、2つのチャンバー間での定常電力差に応答し、マイクロデバイスからの(熱電対列の出力電圧による)定常応答を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、電力段差に対するマイクロデバイスの一時的応答を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、温度走査でのリゾチームの変性が生じる場合の温度関数としてマイクロデバイスの出力を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、リゾチームの変性時の温度関数としてマイクロデバイスによって測定された局所比熱容量[図11(a)]とモルエンタルピー(図11(b)]の変化を示すプロットである。 本開示の実施形態[図10(a)]に係り、マイクロデバイスの出力を示し、変化する温度走査レートでのリゾチームの変性時、温度関数としてモルエンタルピーの変化を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、ACDSC熱量測定のための実験設定を示す概略図である。 本開示の実施形態に係り、熱接点と冷接点の間の定常温度差に応答し、マイクロデバイスの熱電対列の出力電圧を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、2つのチャンバー間での定常電力差に応答し、マイクロデバイスからの(熱電対列の電圧出力による)定常応答を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、電力段差に対するマイクロデバイスの一時的応答を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、マイクロデバイスの熱電対列の周波数依存性(基線が引き算された)を示すプロットであって、試料室はリゾチーム(20mg/mL)によって満たされ、基準室は0.1M グリシンと塩酸緩衝溶液(pH=2.5)によって満たされる。 本開示の実施形態に係り、異なるリゾチーム濃度及び異なるAC変調周波数でリゾチームの変性時の温度関数として、マイクロデバイスによって測定された熱電電圧の振幅[図18(a)]変化と相位[図18(b)]変化を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、異なるリゾチーム濃度及び異なるAC変調周波数でリゾチームの変性時の温度関数として、マイクロデバイスによって測定されたリゾチームの比熱容量を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、マイクロデバイスを用いて、リゾチームの変性過程でリゾチームの比熱容量に対するDC−DSC測量とAC−DSC測量の比較を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、等温滴定熱量測定のためのマイクロデバイスの特定要素を示す画像である。 本開示の実施形態に係り、等温滴定熱量測定のための実験設定を示す概略図である。 本開示の実施形態に係り、等温滴定熱量測定のためのマイクロデバイスのキャリブレーション結果、電力段差に対する一時応答[図23(a)]と定常電力差に対する定常応答[図23(b)]を示すプロットである。 本開示の実施形態に係り、5mM18−C−6と4mM塩化バリウム(それぞれ0.5μL)が注入された直後、脱イオン水によって滴定された5mM18−C−6の測定(清澄さのために4μVの補正で描かれた)に比べた場合、マイクロデバイスの時間分解出力を示すプロットである。 図25(a)と図25(b)は本開示の実施形態に係り、一連のモル比[図25(a)]で連続注入された5mM18−C−6と塩化バリウムの結合を等温滴定熱量測定したマイクロデバイスの出力を示すプロットであって、計算された5mM18−C−6と塩化バリウムとの結合の熱量をモル比の関数として示しており、近似曲線は、ワンサイト結合のモデルに基づくものである。 本開示の実施形態に係るマイクロデバイスの出力からそれぞれ計算された、23°Cと35°Cの温度でモル比の関数として18−C−6と塩化バリウムとの結合の生化学的熱量を示すプロットである。
本開示の一実施形態に係るマイクロデバイスが提供される。前記マイクロデバイスは第1熱絶縁マイクロチャンバー、第2熱絶縁マイクロチャンバー及び薄膜基板を備える。前記第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーはそれぞれ試料室と基準室と称してもいい。試料室と基準室は全く同じ体積と構成を有し、並列に設置されて、かつそれぞれ薄膜基板に支持される。前記薄膜基板はそれぞれ試料室と基準室の下に位置され、試料室と基準室の温度差を測定することに用いられる熱電センサを備える。
図1(a)〜図1(c)は、本開示の一実施形態におけるマイクロデバイスを示している。ここで、マイクロデバイスはMEMS DSCデバイスとも称されている。マイクロデバイス100は、熱量を測定するための試料物質および基準物質を収容することができる二つの全く同様なマイクロチャンバー110及び120を含む。容易に参照をできるように、これらのマイクロチャンバーはここで、試料室及び基準室とそれぞれ呼ばれてもいいし、また、「熱量測定チャンバー」または「チャンバー」だけと総称される。それぞれの試料室と基準室は微小流体チャンネルによって入口部(111,121)と、出口部(112,122)に接続される。チャンバーの筐体を構成する材料は、微細加工と熱絶縁に適正する任意の材料であってもいい。特定の実施形態では、ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、熱量測定用のチャンバーを製造する材料として選択され、製造およびパッケージングの容易さ、優れた生体適合性を持っているからである。空気室(130)はチャンバーに対する追加の熱絶縁を提供する。
2つのチャンバーは、薄膜基板(150)に支持される。チャンバーを囲む薄膜基板(150)と空気室(130)は、高感度熱量測定させる熱絶縁を提供する。薄膜基板(150)は複数の高分子層又はダイアフラム(151、152、153)を備えている。ダイヤフラム層151、152及び153は、図1(c)に示すように、集積されているが、説明のため、個別のダイヤフラム層として図1(b)に示される。ダイヤフラム層151及び152は、優れた熱絶縁特性、且つ繰り返しの熱量測定が必要となる熱サイクルに耐える熱安定性及び機械的安定性を有する材料によって製造される。特定の実施形態では、高分子ダイアフラムは、150℃より高い温度のガラス転移温度と250℃より高い温度の熱分解温度を有する材料によって製造される。例えば、これらの材料は、ポリイミド、パリレン、ポリエステルおよびポリテトラフルオロエチレンなどを使える。高分子ダイアフラムは、55MPaより高い引張強度と、500MPaより高いヤング率を有する。特定の実施形態では、ポリイミドはダイアフラム材料として選ばれ、機械的剛性(ヤング率2.5GPa)と熱安定性(ガラス転移温度:285℃)に優れているからである。
保護材料と薄膜基板との間の接着力を改善するために、界面層153は、層材料151及び/又は152の混合物、例えば、ポリイミド/ポリジメチルシロキサン(PDMS)の混合物によって製造される。薄膜基板は他の固体基板(160)、例えば、シリコンウェハーによって支持される。熱絶縁性を向上させるために、それぞれのチャンバーの横断面に対応する薄膜基板の底部の下方のエリアにおける固体基板は除去することができるので、薄膜基板のそれぞれのチャンバーの下にある部分は、前記固体基板に接触しない。(すなわち、薄膜基板のそれぞれのチャンバーの下にある部分は空気にのみ接触するから、最高の断熱器と考えられる。)
熱電センサは2つのチャンバーの間での温度差を測定するように、薄膜基板の中にコーティングされ、嵌め込まれ、あるいは含まれている。例えば、熱電対列の薄層はダイヤフラム層152と153の間に含まれる。図1(b)及び図1(c)に示されるように、熱電対列は複数の異なる材料の細長いセグメントを含み、異種材料の隣接セグメントが反対端によって接続され熱電対の接点171、172)を形成する。それぞれのチャンバーの下部に位置する熱電対列の接点は、各チャンバーの中心軸と整列される。熱電対列の材料は、多様な異種金属のペア、例えば、アンチモリビスマス(Sb−Bi)、あるいは他の高熱電効率を有するn型とp型ビスマステルル及びn型とp型アンチモンテルル物質を含むことができる。例えば、熱電センサは、熱電対ごとに熱電感度が80μV/℃より高い感度を有することができる。特定の実施形態では、アンチモン(ゼーベック係数:43μV/K)とビスマス(ゼーベック係数:−79μV/K)は、熱電対列の材料として選択され、高い熱電感度を有すると共に、製造が容易である。
薄膜基板はさらにそれぞれ2つのチャンバー(110,120)の下に整列された2つセットのマイクロヒーター(180)と温度センサ(190)を備えることができる。温度センサ(190)は、チャンバーの温度をリアルタイム監視でき、マイクロヒーターは、熱量校正のための安定電力差を発生するようにチャンバーに熱量を提供することができる。マイクロヒーター(180)と温度センサ(190)は、薄膜基板に嵌め込まれ、熱電対から絶縁的に直交することができる。例えば、それらはダイヤフラム層151及び152の間に嵌め込まれる。温度センサのコンタクトパッド(185)およびマイクロヒーターのコンタクトパッド(195)は、外部への電気的接続のため、チャンバー保護構造の外に伸びている。図1(b)及び1(c)に同じ層に示されたが、マイクロヒーター(180)と温度センサ(190)は、異なる層に配置することも可能である。精密な温度センシング、特に機器校正のために、熱電対列の接点(171、172)は、温度センサ(190)に整列されている。マイクロヒーター(180)はチャンバーに対する均一加熱を提供することができ、チャンバーの底部エリアの下にラビリンスパターンで均一加熱を提供する。マイクロヒーターの材料は多種の金属または金属合金から選ばれ、例えば、クロミウム/金(Cr/Au)を選択することができる。
一実施形態では、図1(a)〜図1(c)に説明されたマイクロデバイスは、以下の手順で製造できる。シリコンウェハーなどの固体基板(160)が提供される。ポリイミドなどの高分子フィルム(151)は、例えば、スピンコーティング[図2(a)]などによって固体基板上に塗布される。ペアとなる空気室(165)は、熱量測定用のチャンバーに対応する固体基板の裏面のエリアでTMTHによってエッチングされる。マイクロヒーター(180)と温度センサ(190)は、高分子ダイアフラムの硬化の後、金属または金属合金、例えば、Cr/Auの熱蒸発によって蒸着される。次に、もう一つの高分子ダイアフラム(152)をマイクロヒーターと温度センサの上面に塗布する[図2(b)]。そして、熱電対のような熱電センサは、基準リフトオフ法を用いて熱蒸発されるとともにパターニングされ、また、熱電センサはさらに別のポリマー層(153)、例えば、ポリイミド−ポリジメチルシロキサン(PDMS)混合物を含んだポリマー層によって塗布される[図2(c)]。チャンバー保護構造は、例えば、PDMSから微小成形技術を用いて薄膜基板の上面に形成され、熱量測定用のチャンバーが得られる[図2(d)]。また、チャンバーと入口及び出口(121/122)に接続するマイクロチャンネルのようなマイクロ流体構造も形成される[図2(e)]。そして、薄膜基板の裏面に位置する残留シリコン層は除去されるので[図2(e)]、各チャンバーの下に位置する独立薄膜基板部分が形成される。
本開示の別の実施形態において、被分析物の熱特性を判定する方法が提供される。この方法は以上のように説明したマイクロデバイスを提供し、マイクロデバイスを収容するための熱容器を提供し、第1マイクロチャンバーに被分析物が含まれたサンプル物質を投入し、第2マイクロチャンバーに被分析物が含まれない基準物質を投入し、あらかじめ決められた温度走査レートで熱容器を加熱し、第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーの間で測定された温度差に基づいて被分析物の熱特性を判定することを含む。マイクロデバイス及びマイクロデバイスを用いた熱量測定方法は、以下の実施例に基づいてさらに説明する。ここで注意すべきなのは、以下に述べられる任意の規定要素を含むマイクロデバイスは、そのマイクロデバイスを用いる方法に使用され、またその逆も挙げられる。
前記方法の実施形態において、図3に示すように、熱容器が加熱される時、一時の周期的変化又はAC変調加熱は、基準及びサンプル物質に導入される。これにより、生体分子の熱緩和、及び変調周波数で広帯域バックグラウンドノイズに直面して生体分子の相互作用信号が抽出されるように温度調整を行っている。この温度調整は、マイクロデバイスの薄膜基板に含まれたマイクロヒーターを用いて実現され、異なる周波数、振幅、およびオンチップ加熱のための他のパラメータを提供できる波発生器によって制御される。
本開示の別の実施形態において、少なくとも2つの物質間での反応における熱量を判定する方法が提供される。前記方法は、以上のように述べたMEMS DSCデバイスを提供することと、マイクロデバイスを収容するための熱容器を提供することと、第1熱絶縁マイクロチャンバーに第1物質と第2物質との混合物をサンプル溶液として投入することと、第2熱絶縁マイクロチャンバーに第1物質と第2物質との混合液の中での少なくとも1つが含まれない基準溶液を投入することと、第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーの間で測定された温度差に基づいて第1物質と第2物質の間での反応に係る熱量を判定することと、を含む。測定のとき、(マイクロデバイスを収容する)熱容器の温度は安定的に保持される。このため、この方法は等温滴定熱量測定方法とも呼ばれる。第1及び第2物質の間での反応は化学反応又は物理的結合であってもいい。
したがって、これらの二つの物質は、互いに反応性を有する化学物質、生体分子または他の分子などのいずれかのもので、例えば受容体リガンド、タンパク質−酵素、酸塩基等であって、二つの物質間の反応において測定可能な熱を生成または吸収できる。
図4は、等温滴定熱量計(ITC)に特に適しているマイクロデバイスの分解図である。マイクロデバイス(400)は、熱走査においての試料室と基準室の間の温度差を測定するための熱電対列(470)を有する薄膜基板(450)にそれぞれ位置する試料室(410)と基準室(420)とを備えている。
第1と第2物質(AおよびB)の混合を容易にするため、マイクロデバイスは、さらにそれぞれの試料室及び基準室(410,420)に対しての導入チャンネル(430,440)を備える。各導入チャンネルに2つの入口(431,432,441,442)を含む。それぞれの導入チャンネルは、チャンネルを流れている溶液に対する受動的カオス混合を提供するように構成されている。例えば、図4(a)及び4(b)に概略に示されるように、導入チャンネル(430,440)は蛇行形状の部分を含む。また、導入チャンネル(430,440)は、導入チャンネルを流れている溶液に十分な乱流を生じさせる内部隆起を含む。例えば、図4(a)に示すように、導入チャンネルは、天井にあるヘリンボーン形状の隆起を含む。
次の例では、開示されたマイクロデバイスおよび関連の製造及び使用方法をさらに説明するが、開示の範囲を限定することは意図していない。
実施例1:マイクロデバイスの製造
この例は、大体上述の図2に関する工程に従うマイクロデバイスの製造工程である。特に、6μmの厚さのポリイミド薄膜は(あらかじめ二酸化ケイ素によってコーティングされた)シリコンウェハー上によってスピンコートされる。熱量測定用のチャンバーに対応するウェハーの裏面のエリアにエッチングする水酸化テトラメチルアンモニウムとアンモニウム(TMAH)は、約50μmの厚さの残留ウェハー層を作成する。クロミウム/金薄膜(5/200μm)は、ポリイミドの硬化の後、ポリイミド層の上に熱蒸発によって蒸着される。
第2ポリイミド層は、マイクロヒーターと温度センサに塗布される。その後、アンチモン及びビスマス薄膜(0.5および1.2μm)は、50−接点を形成するために基準的なリフトオフ法を用いて、熱蒸発されると共にパターニングされる。ポリイミドおよびポリジメチルシロキサン(PDMS)の混合物を含む層は、さらに熱電対列の上に塗布される。チャンバー保護構造は、マイクロ成型技術を用いて、PDMSから薄膜基板の上に形成されるので、熱量測定用のチャンバーが得られる。各熱量測定用のチャンバーは、円筒形且つ1μLの体積(直径:2.5mm及び高さ:200μm)で、中心間距離の間隔が4ミリメートルである。二フッ化キセノン(XeFで)気相エッチングは、ウェハー基板にある残留シリコン層を薄膜基板の裏面から除去するために用いられる。集積された抵抗マイクロヒーターのそれぞれは、40Ωの公称抵抗値を、温度センサのそれぞれは55Ωの公称抵抗値を有する。図5は、PDMS保護構造と固体熱基板の画像、薄膜基板に嵌め込まれた熱電対や、集積化マイクロヒーターと温度センサの顕微鏡写真を示す。
実施例2:熱量測定
この例では、実施例1の製造されたマイクロデバイスは校正され、且つ特定の生体分子の熱力学特性、例えば、タンパク質の変性を測定することに用いられる。
A.原理
DSCは熱容量格差、すなわち、サンプルと基準物質の間での熱容量の差を温度の関数として測定できる。サンプル及び基準物質は同じ温度走査で、すなわち、その温度はその研究領域内に所定の速度で変化し、サンプル分子の発熱または吸熱の熱誘発活動はサンプルと基準物質との間で小さい温度差を起こす(すなわち、格差温度または温度格差)。この格差温度は格差パワーを反映するように検出される。
s及びPrはそれぞれ、サンプルおよび基準物質において生成された熱出力である。したがって、熱容量格差は次のようである。
前記CpsとCprは、サンプル及び基準物質の熱容量であり、次のように決められる。
Tは、サンプル及び基準物質が制御可能な温度の下での時間変化率で、Uは温度格差を検出するための熱電センサからの出力で、Sはデバイスの感度で、すなわち、単位の熱出力の格差によって生成された出力電圧であることを意味している。したがって、熱容量の差を分析することにより、サンプル材料の基本的な熱力学的性質を決定することができる。
B.デバイスのキャリブレーション
2つのチャンバー間での温度差を測定するために、熱電対は最初に校正されるべきである。このため、熱電対によって発生された電圧は、すぐに温度差に変換させることができる。図6(a)に示すように、MEMS DSCデバイスを校正する。オンチップマイクロヒーターは、直流電源(アジレント E3631A)によって駆動され、且つ熱量測定用のチャンバーにおいて安定的熱効率差が発生する。これに対し、温度センサは、熱量測定用のチャンバーにおいての温度を監視するためにデジタルマルチメータ(アジレント34410A)で読み出す。ナノボルト計(アジレントテクノロジー34420A)によって、2つのチャンバー間での温度差に比例する熱電対の出力電圧は測定される。LabVIEWに基づくプログラムを使って、パーソナルコンピュータを介して、MEMS DSCデバイスの温度制御および熱電の測量は自動になっている。
特注される温度制御可能な熱容器(200)は、複数の金属容器によって金属のステージを囲むように構成された。包装されたMEMS DSCデバイス(100)は、そのステージ上に位置する[図6(b)]。これによって、サンプル及び基準溶液の温度走査が可能となり、測定ノイズが最小化されるように環境からのデバイスパッケジの熱絶縁が提供される。デバイスステージの下に複数のペルチェデバイス(メルコアUT15−12−40−F2)が配置され、電源(アジレントE3631A)によってペルチェデバイスに熱量を増加し、ペルチェデバイスから熱量を除去する。オンチップ温度センサからの、例えば、比例−積分−微分算法に基づくフィードバックによれば、試料室及び基準室の温度は、ペルチェデバイスに印加する電圧を調整することで、閉回路内に制御される。
デバイスのキャリブレーションの時、試料室と基準室は、後でタンパク質の変性の測定に用いられる0.1M グリシンと塩酸緩衝溶液(pH2.5)によって満たされる。試料室の下のマイクロヒーターを作動させ、かつ基準室の下部のマイクロヒーターをオフ状態にさせることで、既知且つ安定的な電力差が発生する。温度センサは熱電対列の熱及び冷接点の温度を測定するために用いられる。熱効率差に対する一時且つ定常の応答[23(a)]を得るために、デバイス出力、すなわち、熱電対列の出力電圧は時間の関数として測定される。
試料室の下部のマイクロヒーターを使い、オンチップ加熱によって発生した熱及び冷接点間での種種の温度差でMEMS DSCデバイス内に集積された熱電対列の感度は校正される。熱電対列の電圧差は、温度差に高い線形関係を表し(図7)、50−接点熱電対列に対してトータル熱電感度値が6.3mV/℃であることも示された。各ビスマスアンチモン熱電対のゼーベック係数が125μV/Kである。また、各種の電力差によってMEMS DSC デバイスの定常応答が校正され、再度、非常に高い線形関係が現れたので、ほぼ安定的な応答性定数S=4.0mV/mWが観察された(図8)。
そして、デバイスの出力の約40nVのノイズの二乗平均平方根(RMS)が観察され、ベースラインノイズの電力差を決定するために用いられることに対応する約10nWの熱測定検出範囲にある。
MEMS DSCデバイスの一時応答を特性化するために、130mWのステップ電力差は最初に熱量測定用のチャンバーに印加され、次にデバイスの出力が平衡に達するとき除去された。熱電対列からの対応出力電圧(図9)は電力差が印加された時、時間の変化に伴って指数関数的に増大し、電力差が除去された時、時間の変化に伴って指数関数的に減衰してしまう。実験データを一次指数増大及び減衰関数にフィッティングすることで、熱時間定数は約2.0Sであることが計算で判った。
C、熱量測定
生体分子のDSC測定は、構成された試料室と基準室がそれぞれ生物学的標本と緩衝溶液で満たされたマイクロデバイスを用いて実現され、研究の範囲で走査された。デバイスの出力がリアルタイムで得られ、生体分子の熱電力を求めるとき、温度センサは熱量測定用のチャンバーの温度を監視するのに用いられる。DSC測定の前、デバイスがベースラインを出力し、すなわち、熱電対列の出力電圧に電力差が存在しない。温度走査が測定されたとき、熱量測定用のチャンバーは緩衝液によって満たされた。
生物学的標本と緩衝溶液は、内蔵の真空室によって脱気され、マイクロピペットによって測定され、シリンジポンプ(新時代のシリンジポンプシステム、NE1000)を用いて、溶液中に注入された。
校正されたMEMS DSCは、タンパク質の変性を特定するのに使用され、つまり、普通に見られる生体分子の構造変化を特定する。このため、熱容器によって、25W未満の消費電力、10−90℃の温度範囲、6℃/minの温度変化率で、MEMS DSCデバイスの温度走査が提供された。検証するために、0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH=2.5)に用意されたリゾチームを用いて、デバイスの出力は、試料室と基準室がそれぞれリゾチームと緩衝液によって充満される時、監視され、且つ温度範囲の25−75℃及び定常レートの5℃/minで走査された。
温度関数としてのベースライン減算によって校正された熱電対列の出力電力は、タンパク質の濃度比範囲の1−20mg/mLによって測定された(図10)。また、タンパク質の変性過程における吸熱性を反映している特定の温度範囲におけるデバイス出力の最小の濃度依存性が観察された。特に、1mg/mLのリゾチーム溶液濃度比でタンパク質の変性が検出された。これは、前に述べたMEMS DSCデバイスに比べ大きな進歩を示している。
さらに、較正されたデバイス感度(4.0mVの/mW)を使用して、チャンバー間での熱容量格差は、電圧差の測定(図10)から計算され、これによって、リゾチームの変性の過程におけるリゾチームの局所熱容量(c)[図11(a)]、トータルモルエンタルピーの変化(すなわち、モルごとのリゾチームに対するエンタルピー)(ΔH)及び融解温度(T、モルエンタルピーの変化がΔHの50%に達するときの温度として定義される)[図11(b)]などの熱力学特性を得ることができた。異なるタンパク質の濃度によってデバイスの出力振幅が異なっているが、タンパク質の変性過程における熱力学特性は、推定値に一致している。特に、輪郭形状cは、大体タンパク質の濃度に伴い影響されないが、ΔHは終始約450kJ/molで、および相応の融解温度Tが約55℃であることが判った。これらの結果は、典型的にリゾチームについてΔH = 377−439kJ/mol及びT=55−58.9℃の範囲での公開されたデータに一致しており、多くの異なるタンパク質濃度でのサンプルの消耗を低減することができ、MEMS DSCデバイスに関する生体分子の特性化の面での潜在的な用途が実証された。
また、温度走査レートのDSC測定に対するエフェクトも調べた。20mg/mLのリゾチームを0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH=2.5)に用意することを例として、リゾチームの変性の温度走査レートは1−6℃/minの範囲で変化した。熱電対列出力電圧(再度ベースライン減算によって補正された)[図12(a)]は、上述のタンパク質の変性に対して同一温度範囲において一貫的に減少したこと、及び温度走査レートでの振幅が増加したことを表す。これは、相変化で発生したこのより高い熱吸収からのより高い熱流束と一致している。
これらのデータは、その後、モルエンタルピーの変化を計算するために使用された[図12(b)]。温度走査速度の増加に伴って、デバイス出力の軽微の変化が観察されたが[図12(a)]、ΔH約50kJ/mol(すなわち、ΔHの平均値の±5%を意味する)という基準の変化及びTmの基準偏差が1℃未満[図12(b)]という条件でタンパク質の変性過程に関する熱力学的特性は、終始安定的であった。特に、1−5℃/minの温度走査につき、Tm値が変わらない。これは、公開されたMEMS DSCデバイスを用いた測定の一貫性を実証し、及び5℃/minの温度走査速度でリゾチーム変性処理を測定するのに十分であることを実証している。
実施例3:AC−DSC測定
この例では、現在公開された上述のマイクロデバイスに基づいて、AC−DSC測定を行う方法について説明する。このMEMS AC−DSC方法は、高い測定精度で低濃度の生体分子の測定を可能にし、これは、リゾチームの変性に対するAC−DSC測定に応用されることと同じである。
A.原理
AC−DSCは、熱容量差、すなわち、サンプル物質と基準物質の間での熱容量を監視することができる。これは、温度制御機能性を有する熱絶縁容器によって所定の定率で物質の温度を変化させ、且つサンプル及び基準物質(図3)に同じAC変調熱量を印加する一時の周期的変化を重ね合わせることによって実現される。熱容量は温度差、すなわち、サンプル物質と基準物質の間の温度差の測定によって得られる。
B.マイクロデバイスの製造、システムのセットアップ及びキャリブレーション
AC−DSC測定は、図1に概略的に示すマイクロデバイスを用いて行われていて、且つ実施例1で説明した手順により構成された。チャンバーの寸法及び体積、ポリイミド薄膜の厚さ、マイクロヒーターと温度センサの特性などを含む他のデバイスパラメータは、実施例1で説明したマイクロデバイスのパラメータと大体同じである。この例に使用されたビスマスとアンチモン熱電対列は、実施例1における50接点の代わりに、100接点を含む。
DSC測定システムは実施例2と同じように構成される。マイクロデバイスも内蔵の熱容器に位置される。熱容器におけるサンプルステージの温度は、商業用温度コントローラー(Lakeshore 331)によって実施された比例−積分−微分(PID)算法によって閉回路内に制御される。直流電源(アジレント E3631A)によって駆動されるオンチップマイクロヒーターは、一定の電源入力差を発生するときに用いられる。これに対し、波形発生器(アジレント33220A)によって発生された矩形波交流電圧は、変調加熱に対して印加される(図13)。温度センサは、デジタルマルチメータ(アジレント34410A)熱量測定用の各チャンバーにおいてリアルタイム温度を検出するときに用いられる。デバイスのキャリブレーションにおいて、熱電対列の出力電圧は、ナノボルト計(アジレントテクノロジー34420A)によって測定される。AC−DSCの測定において、熱電対列電圧の振幅及び位相は、波形発生器からの同じAC変調矩形波で参照されたロックイン増幅器(スタンフォードリサーチシステムSR830)によって測定される。AC−DSCの測定は、LabVIEWプログラムによって完全に自動化されている。
MEMSデバイスのDC性能を校正する方法は、実施例2で説明したものと実質的に同じである。デバイス出力におけるベースライン、すなわち、温度走査において、電源入力差が存在しない熱電対列の電圧は、熱量測定用のチャンバーが緩衝液によって満たされた状態で測定された。デバイスの変調周波数依存性とAC−DSCの測定とのキャリブレーションにおいて、試料室は生物試料溶液で満たされるのに対し、基準室は緩衝液で満たされる。生物学的標本と緩衝溶液は、内蔵の真空室によって脱気され、その後、マイクロピペットによって測定され、シリンジポンプ(新時代のシリンジポンプシステム、NE1000)を用いて、溶液中に注入された。
最初にMEMSデバイスにおける熱電対列は校正された。100−接点の熱電対列が13.0mV/℃の感度を有する結果が示され(図14)、約130μV/℃程度のゼーベック係数(各ビスマスとアンチモンの電熱接点)に対応している。その後、一定の電力差に対するデバイスの定常応答は測定され、且つ8.0mV/mWのDC応答率とともに高い直線関係が表された(図15)。その結果は、実施例2での50−接点のビスマスとアンチモン熱電対列からのキャリブレーション結果と一致している。また、デバイスの瞬時応答も測定された。熱量測定用のチャンバーは、それぞれ空気又は0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH=2.5)によって満たされ、且つ2つのチャンバーは、ステップ電力差(0.32 or 1.30Mw)に左右される。これらの測定結果は、図16に示される。熱電対列電圧が時間に対する依存性は、一次指数の増加によって表された。これにより、熱時定数は、2つのチャンバーともに空気で満たされた場合、0.8sであって、且つ2つのチャンバーともに緩衝液で満たされた場合、2.0sであった。これらの値は、印加された電力差の影響を受けずに従来のAC熱量測定より小さい。
また、印加された電力差に対応するデバイスの変調周波数依存性が研究された。タンパク質アンフォールディング過程におけるAC−DSC測定のアプリケーションをよりよくシミュレートするために、試料室は(20mg/mLの0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH=2.5))リゾチームによってサンプルとして満たされるのに対し、基準室はグリシン−塩酸緩衝液によって満たされた。チャンバーは一定温度の25℃、35℃または45℃に保持され、その後、AC加熱が行われる(電圧振幅:1V)。ベースライン減算補正した変調周波数に対する熱電対列電圧振幅の依存性は図17に示されている。ほぼすべての変調周波数での熱電対列電圧は温度と共に増加することが分かった。この現象を説明するために、タンパク質の熱容量の温度依存性を用いることができる。また、変調周波数範囲の0.5〜20Hzにおいて最大のデバイス出力(及びそれ故に感度)が現れた(図17)、よって、変調周波数を選択することで周囲への熱損失を減少できることを意味する。したがって、この範囲における変調周波数は以下のタンパク質アンフォールディング過程での熱量測定のために用いられる。以下に詳細に説明する。
C.AC−DSC測定
上記校正されたMEMS AC−DSCデバイスは、タンパク質アンフォールディングの熱挙動を測定するときに用いられた。例えば、異なる濃度(pH2.5の0.1Mグリシン−塩酸緩衝液10および20mg/mL)のリゾチームを使って、5℃/minのレートで熱量測定用のチャンバーの温度を25℃から82℃までの範囲で変化させ、一定の周波数(1、5または10Hz)で、3.5Vの加熱電圧振幅によるAC変調を行った。AC変調加熱からの周期的な温度変化は、約0.2℃程度の振幅を有する。
測定されて再度ベースライン減算によって校正された熱電対列の電圧振幅[図18(a)]は、アンフォールディング過程においての濃度依存性の減少が示され、それはタンパク質アンフォールディングの吸熱特性に一致している。また、異なるリゾチーム濃度での熱電対列の電圧振幅は異なっているが、熱電対列電圧の位相[図18(b)]は全体のアンフォールディング過程において全く同じ変化があった。しかし、二段タンパク質変性モデルが採用された場合、元のままで、アンフォール状態が保留されている。さらに、熱電対列電圧の振幅及び位相の変化は、変調周波数によって明らかな変化が示され、AC加熱に対するデバイスの非同期の熱応答にあるものだと考えられる。
しかし、熱電対列電圧の振幅及び位相の変化のプロファイルは、特定のタンパク質の濃度と異なる変調周波数で、ほぼ同じ形状である。MEMSに基づくAC−DSC測定のための周波数選択の適合性を示している。
アンフォールディング過程においてのリゾチームの表面融解温度(Tm)、すなわち、デバイス出力の位相変化が自分のピークになるときの温度は、55−58°C(図18)の範囲にあり、変調周波数による変化が発現された。同時に、温度関数としてタンパク質の熱容量(c)は熱電対列の電圧振幅によって計算された(図19)。全体のアンフォールディング過程において変調周波数によって誘発された僅かな変化cがあったが、c輪郭形状は変調周波数によって変化しないことが分かった。また、変調周波数ごとに、cの計算値は異なるタンパク質の濃度のとき大きな差異を示さない(図19)。よって、このAC−DSC測定は精確であることを意味している。タンパク質の元の状態とタンパク質のアンフォールドの状態との間での熱容量(Δc)差もあったが、変調周波数を考慮に入れない場合、3.0kJ/mol・Kとして計算された。これらの結果は、DC−DSC特性化によって実証された結果と一致している。温度変調を使用せずに同じMEMSデバイスでDC−DSC測定と比較されるとき(図20)、AC−DSCはより減少されたノイズレベル、向上された測定精度を提供することができる。したがって、低濃度の下で生体分子の相互作用を特性化できる可能性がある。
実施例4:MEMSに基づく等温滴定熱量測定
この例では、開示された上述のマイクロデバイスに基づく等温滴定熱量測定を実施するための方法について説明する。
A.原理
溶液相生化学的反応nA+nB←→C+ΔHを考える。ここでAとBは反応物(例えば、それぞれ、リガンドとサンプル)で、Cは製品である。この反応はエンタルピーΔHの変化に伴うものである。ITCにおいて、反応熱が測定されるとともに、既存のアリコートで滴定反応物または反応物を連続的にサンプルに添加する。その後、このデータは反応の熱特性を判定することに用いられた。これは、平衡結合定数 K=[C]/[A][B](角括弧は、各物質の濃度を示す)、化学量論N=N1/N2とエンタルピー変化ΔHとを含む。
B.デバイスセットアップ及びキャリブレーション
MEMS−ITCデバイスは、図4に概略的に示されたように用いられる。要するに、このデバイスは、2つの同じポリジメチルシロキサン(PDMS)を集積し、マイクロチャンバー(1μL)ごとに独立のポリイミド薄膜基板に位置し、熱絶縁のために空気室に囲まれる。チャンバーは、ビスマスとアンチモン(Sb−Bi)熱電対列によって集積され、且つ流入する液体の混合を引き起こすカオス乱流を発生するために蛇形チャンネルの天井にヘリンボーン形状の隆起を有する受動的カオス混合部を含む導入チャンネルを介して入口に接続される。MEMS−ITC デバイスの一部の使用された特徴は、図21に示されている。ITC測定について、2つの反応物は、ここで説明しやすくするため、リガンド及びサンプルとし、デバイスに投入され、最初に導入チャンネルで混合された後、反応が完了する熱量測定用の試料室に入れられる。一方、サンプルと純緩衝液(無リガンド)がともにデバイスに注入され、熱量測定用の基準室に入る前に混合物になっている。チャンバー間での温度差は、集積された熱電対列を用いて測定され、且つ反応からの熱出力を判定するために用いられ、熱力学的反応パラメータは熱出力によって計算される。このデバイスは、低ノイズ且つ熱電対列出力が測定される温度制御可能な熱容器(図22)に配置される。サンプルとリガンドは注射ポンプを使って注入される。デバイスの熱時定数が1.5sで、線性定常熱応答(感度:4.9mV/mW)を有することはキャリブレーション実験によって表示された(図23)。
C.ITC測定
このデバイスは、18−C−6及び塩化バリウムを含むモデル反応システムのITC測定ために用いられる。5mMのBaCl、及び4mMの18−C−6(それぞれ0.5mL)の注射液が注射後に明らかな遅延がない場合、これが反応物の完全な混合を示し、時間分解デバイスは、反応特有のスパイクを出力する(図24)。滴定を用いて、0.1から2までの変化((1)0.1,(2)0.4,(3)0.8,(4)1.0,(5)1.2,(6)1.6,(7 )2.0)のモル比(BaCl/18−C−6)で、マイナスのベースラインデバイスは、スパイクと滴定反応に一致することを示し、結合等温線を形成することが可能となった(図25)。ITC測定は、23℃〜35℃の範囲内において行われ(図26)、結果として生じる等温線は、温度によって減少する(下記表1参照)KとΔHを計算するために使用される。これらの結果は、次のことを示している。すなわち、開示されたMEMS−ITCデバイスを用いれば、従来器械(ca.1mM)のボリュームに比べ約3桁のサイズ縮小で従来機器に近い結果のサンプル濃度が検出可能となる。
ここでは、開示された主題の原理を説明するだけである。上記のいろいろな教示に鑑み、前記実施例に対する多くの修正および変更は当業者にとって明らかなことである。更に注意すべきなのは、明細書に用いられている言語が、主に可読性と指導性を得るために選ばれたものであって、関連発明の主題を描写/制限するためのものではない。したがって、ここで開示された内容は、開示主題の範囲を「説明」するだけであり、「限定」ではない。

Claims (38)

  1. 熱量測定用のマイクロデバイスであって、
    第1熱絶縁マイクロチャンバーと、
    第2熱絶縁マイクロチャンバーと、
    薄膜基板とを備え、
    前記第1熱絶縁マイクロチャンバーと前記第2熱絶縁マイクロチャンバーは全く同じ体積と構成を有し、並列に設置されて、それぞれ薄膜基板に支持され、
    前記薄膜基板は、第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーのフロアーを構成する第1側と、第1側と対向配置される第2側とを有し、
    前記薄膜基板は、それぞれ第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーの下に位置され、第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーの温度差を測定することに用いられる熱電センサを備え、
    前記薄膜基板は、150℃より高い温度のガラス転移温度と250℃より高い温度の熱分解温度を有する材料で製造された高分子ダイヤフラムを含むことを特徴とする熱量測定用のマイクロデバイス。
  2. 前記熱電センサは、各熱電対の熱電感度が80μV/℃より高い感度を有する少なくとも1つの熱電対を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  3. 前記熱電センサは、異種材料の複数の細長いセグメントからなる薄層熱電対列として構成され、異種材料の隣接セグメントが反対端によって接続されて熱電対の接点を形成することを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  4. 前記異種材料は、NタイプとPタイプのテルル化ビスマス及びNタイプとPタイプのテルル化アンチモリを含むことを特徴とする請求項3に記載のマイクロデバイス。
  5. 前記異種材料は、アンチモリとビスマスを含むことを特徴とする請求項3に記載のマイクロデバイス。
  6. 前記高分子ダイヤフラムの材料は、55MPaより高い引張強度と、500MPaより高いヤング率を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  7. 前記高分子ダイヤフラムに用いる材料は、ポリイミド、パリレン、ポリエステル及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  8. 前記薄膜基板は、さらに、
    それぞれ第1熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第1マイクロヒーターと第1温度センサと、
    それぞれ第2熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第2マイクロヒーターと第2温度センサとを
    備えることを特徴とする請求項3に記載のマイクロデバイス。
  9. 前記熱電センサの熱電対接点は、第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーのそれぞれの中心付近に位置し、それぞれ第1温度センサと第2温度センサと直交するように配置されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロデバイス。
  10. 前記熱電対列は、第1と第2マイクロヒーター及び第1と第2温度センサから垂直方向に離れて、これらのヒータとセンサと絶縁されていることを特徴とする請求項8に記載のマイクロデバイス。
  11. 前記第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーは、それぞれポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる囲壁によって定義されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  12. 前記薄膜基板は、第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーのそれぞれに当接する最上層を含み、また、前記最上層はPDMSの混合物からなり、高分子ダイヤフラムがPDMSで製造されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  13. 前記第1マイクロヒーター、第1温度センサ、第2マイクロヒーター、第2温度センサのそれぞれは、1つの析出金属・合金の薄層であってもよく、あるいは薄膜基板に含浸された金属・合金であることを特徴とする請求項8に記載のマイクロデバイス。
  14. 前記第1と第2マイクロヒーターは、第1と第2マイクロチャンバーに均一加熱を提供するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のマイクロデバイス。
  15. 前記マイクロデバイスは、さらに薄膜基板の第2側に当接するシリコンウェハー基板を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  16. 第1と第2マイクロチャンバーの断面に対応する前記薄膜基板の第2側のエリアは、空気以外の物質に接触しないことを特徴とする請求項15に記載のマイクロデバイス。
  17. 前記マイクロデバイスは、さらに第1導入チャンネルと第2導入チャンネルを備え、第1導入チャンネルと第2導入チャンネルを流通する溶液に受動的なカオス混合を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロデバイス。
  18. 前記第1導入チャンネルと第2導入チャンネルは、それぞれ1つの蛇行形状の部分を含むことを特徴とする請求項17に記載のマイクロデバイス。
  19. 前記第1と第2導入チャンネルは、第1導入チャンネルと第2導入チャンネルを流通する溶液に十分な乱流を生じさせる内部隆起を含むことを特徴とする請求項17に記載のマイクロデバイス。
  20. 被分析物の熱特性を判定する方法であって、
    第1熱絶縁マイクロチャンバーと、
    第2熱絶縁マイクロチャンバーと、
    薄膜基板とを備えるマイクロデバイスを提供し、
    前記第1熱絶縁マイクロチャンバーと第2熱絶縁マイクロチャンバーは、全く同じ体積と構成を有し、並列に設置されて、それぞれ薄膜基板に支持されており、
    前記薄膜基板は、第1と第2マイクロチャンバーのフロアーを構成する第1側と、第1側と対向配置する第2側とを有し、
    前記薄膜基板は、
    第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーのそれぞれの下に位置され、第1と第2熱絶縁マイクロチャンバー間の温度差を測定する熱電センサと、
    第1熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第1マイクロヒーターと第1温度センサと、
    第2熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第2マイクロヒーターと第2温度センサとを
    備え、
    前記薄膜基板は、150℃より高い温度のガラス転移温度と250℃より高い温度の熱分解温度を有する材料で製造された高分子ダイヤフラムを含み、
    この方法は、さらに、
    前記マイクロデバイスを収容するための熱容器を提供し、
    第1マイクロチャンバーに被分析物を含有するサンプル物質を投入し、
    第2マイクロチャンバーに被分析物を含有しない基準物質を投入し、
    あらかじめ決められた温度走査レートで熱容器を加熱し、
    第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーの間で測定された温度差に基づいて被分析物の熱特性を判定することを特徴とする被分析物の熱特性を判定する方法。
  21. 熱容器が加熱されている時、加熱電力に一時の周期的変化を提供することをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 前記加熱電力に一時的な周期的変化を提供することは、
    前記マイクロデバイスの第1マイクロヒーターと第2マイクロヒーターによってサンプル物質と基準物質に同一かつ一時的な変調加熱を提供することを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記一時的な変調加熱は、波形発生器によって制御されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 複数の変調周波数での熱電センサの出力を校正することをさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  25. 試料室の下部に整列されたマイクロデバイスの第1または第2マイクロヒーターを用いて、熱電センサの出力を校正し、第1マイクチャンバーと第2マイクロチャンバーとの間で定常差加熱電力を提供することをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
  26. 前記被分析物は、生体分子であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  27. 前記生体分子の熱特性は、生体分子の変性に関連付けられた熱特性であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 被分析物の熱特性を判定する方法であって、
    薄膜基板にそれぞれ支持され、全く同様に構成した2つの熱絶縁マイクロチャンバーを有するマイクロデバイスを提供し、前記薄膜基板は、
    第1と第2熱絶縁マイクロチャンバー間の温度差を測定する熱電センサを有し、
    前記マイクロデバイスを収容する熱容器を提供することと、
    被分析物を含有するサンプル物質を2つのマイクロチャンバーの中の1つに投入することと、
    被分析物を含有しない基準物質をもう1つのマイクロチャンバーに投入することと、
    予め決められた温度走査レートで熱容器を加熱することと、
    熱容器が加熱されている時、サンプル物質と基準物質に追加の一時的な変調加熱を提供することと、
    第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーの間で測定された温度差に基づいて、被分析物の熱特性を判定することと、
    を含むことを特徴とする被分析物の熱特性を判定する方法。
  29. 前記マイクロデバイスは、さらに
    それぞれ第1熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第1マイクロヒーターと第1温度センサと、
    それぞれ第2熱絶縁マイクロチャンバーの下に整列された第2マイクロヒーターと第2温度センサとを、
    備え、
    試料室の下部に整列されたマイクロデバイスの第1または第2マイクロヒーターを用いて、熱電センサの出力を校正し、第1マイクチャンバーと第2マイクロチャンバーの間で定常差加熱電力を提供することをさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 少なくとも2つの物質間での反応に係る熱量を判定する方法であって、
    第1熱絶縁マイクロチャンバーと、
    第2熱絶縁マイクロチャンバーと、
    薄膜基板とを備えるイクロデバイスを提供し、
    前記第1熱絶縁マイクロチャンバーと第2熱絶縁マイクロチャンバーは、全く同じ体積と構成を有し、並列に設置されて、それぞれ薄膜基板に支持されており、
    前記薄膜基板は、第1と第2マイクロチャンバーのフロアーを構成する第1側と、第1側と対向配置する第2側とを有し、
    前記薄膜基板は、それぞれの第1と第2熱絶縁マイクロチャンバーの下に位置され、第1と第2熱絶縁マイクロチャンバー間の温度差を測定する熱電センサを含み、
    前記薄膜基板は、150℃より高い温度のガラス転移温度と250℃より高い温度の熱分解温度を有する材料で製造された高分子ダイヤフラムを含み、
    この方法は、さらに
    前記マイクロデバイスを収容する熱容器を提供し、
    第1熱絶縁マイクロチャンバーに対し、第1物質と第2物質との第1濃度比での混合物を含んだサンプル溶液を投入し、
    第2熱絶縁マイクロチャンバーに対し、第1物質と第2物質のうちの少なくとも一つを含まない基準溶液を投入し、
    熱容器を第1予め決められた定常温度に保持し、
    第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーの間で測定された温度差に基づいて、第1濃度比と第1予め決められた定常温度での、第1物質と第2物質の間での反応に係る熱量を判定することを特徴とする、少なくとも2つの物質の間での反応に係る熱量を判定する方法。
  31. 第1物質と第2物質の間での反応は、化学反応、或いは物理的結合であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. 第1物質と第2物質の間での反応は、リガンドとタンパク質の結合であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
  33. 第1濃度比と異なる第2濃度比でサンプル溶液に対して第1と第2物質を提供し、第2濃度比で第1と第2物質の間での反応に係る熱量を判定することをさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
  34. 熱容器を第1予め決められた定常温度と異なる第2予め決められた定常温度に保持し、第2予め決められた定常温度で第1と第2物質の間での反応に係る熱量を判定することをさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
  35. 前記マイクロデバイスは、少なくとも2つの注入口を有する第1導入チャンネルと、第2導入チャンネルとを備え、
    サンプル溶液を第1熱絶縁マイクロチャンバーに注入することは、
    第1物質と第2物質からなる2種類の溶液を第1導入チャンネルの少なくとも2つの注入口にそれぞれ注入することと、
    サンプル溶液を第1導入チャンネルを通して第1熱絶縁マイクロチャンバーに流れさせることと、
    を含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
  36. 前記第1導入チャンネルは、蛇行形状の部分を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
  37. 前記第1導入チャンネルは、第1導入チャンネルを流通する溶液に十分な乱流を生じさせる複数の内部隆起を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
  38. 少なくとも2つの物質間の反応に係る熱量を判定する方法であって、
    全く同じように構成される2つの熱絶縁マイクロチャンバーを備えるマイクロデバイスを提供し、各熱絶縁マイクロチャンバーは、薄膜基板にそれぞれ支持されており、前記薄膜基板は、
    第1と第2熱絶縁マイクロチャンバー間の温度差を測定する熱電センサを有し、
    この方法は、
    前記マイクロデバイスを収容する熱容器を提供することと、
    第1熱絶縁マイクロチャンバーに対して、第1物質と第2物質との混合物をサンプル溶液として投入することと、
    第2熱絶縁マイクロチャンバーに対して、第1物質と第2物質のうち少なくとも一つを含まない基準溶液を投入することと、
    第1マイクロチャンバーと第2マイクロチャンバーの間で測定された温度差に基づいて、第1物質と第2物質間の反応に係る熱量を判定することと、
    を含むことを特徴とする2つの物質の間での反応に係る熱量を判定する方法。
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