JP2001165881A - 物質を熱的に分析するための方法及びその装置 - Google Patents

物質を熱的に分析するための方法及びその装置

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JP2001165881A JP2000291448A JP2000291448A JP2001165881A JP 2001165881 A JP2001165881 A JP 2001165881A JP 2000291448 A JP2000291448 A JP 2000291448A JP 2000291448 A JP2000291448 A JP 2000291448A JP 2001165881 A JP2001165881 A JP 2001165881A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 周波数選択的励起に制限されることなく、事
象からの反応を検出することができる、物質を熱的に分
析するための方法を提供する。 【解決手段】 電気的加熱パワーPが、パワー制御器1
8によって熱源1,2のヒータに供給される。パワー制
御器は、その制御入力端子に差動増幅器19の出力から
供給される加熱パワー制御信号に従って、加熱パワーの
量を制御する。差動増幅器の反転入力端子には、信号線
10上の温度計からの温度Tを表わす信号が供給され
る。差動増幅器の非反転入力端子には、第1の制御信号
と第2の制御信号FSIP(t)が印加される。第
1の制御信号Tは、プログラマー内に、時間関数とし
て選択されたれた温度プログラムを通して熱源を駆動す
るように設定される。特に、第1の制御信号Tは、一
定の加熱速度を有した線形温度プログラムとして設定さ
れ、熱源の温度Tを、初期値から最終温度値の間で直
線状に駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物質を熱的に分析
する方法に関し、該方法は、前記物質の試料を提供する
過程と、熱源を提供し前記試料と熱源との間に熱流を生
じさせる過程と、前記熱源を時間の関数として加熱条件
を制御する過程と、前記試料と熱源との間の熱流を表わ
す信号と、前記熱流に関連した温度を表わす信号とを測
定する過程と、前記測定した熱流の信号と温度の信号と
の間の関数関係を計算する過程とからなる。また、本発
明は、前記方法を実行するようになった装置にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】物質の熱的分析においては、物質の試料
が熱源によって加熱され、熱源と試料との間の熱流が計
算され、これにより、物質の、特に熱容量、熱の反応相
転位、開始温度等の構造的情報及び組成情報が得られ
る。特に、精度とダイナミックレンジのために、差分法
又は差動的手法である、例えば示差スキャニング熱測定
(DSC)が現在は用いられている。これらの差動的方
法では、基準物質が、分析の対象である試料に対して対
称的に熱流の中に配置され、分析は試料と基準物質との
間の差動的熱流に基づいて行われる。
【0003】ヨーロッパ特許公開公報EP055936
2A1は、周期的な温度変調に重ねられた温度の直線上
昇に応じて熱源の温度を変化させるように、熱源の温度
が所定の温度制御プログラムに従って制御される差動的
方法を開示する。差動的な熱流から、熱源温度の直線的
に変化する成分と変調成分とによってそれぞれ生じる二
つの分離した信号成分を得るために、非畳み込み手法が
用いられている。
【0004】国際出願公開公報WO95/33199と
国際出願公開公報WO95/33200は同様に、熱源
の温度が所定の温度制御プログラムによってドライブさ
れる差動的方法を開示する。この温度制御プログラム
は、第1のケースにおいては同一持続時間の二つの直線
的に変化する部分と、第2のケースにおいては周期的に
変化する部分によって重畳された直線的に変化する部分
とからなる。差動的な熱流信号、該差動的熱流信号と熱
源のプログラム化された温度との間の相差は、実部及び
虚部信号部分とをそれぞれ分離して求めるために計算さ
れる。
【0005】これらの従来技術の方法では、試料の熱励
起は、線形又は周期関数、あるいはこれら二つの関数の
組合せによって起こるものである。その結果、励起周波
数に一致した熱事象のサブグループが、全ての起こり得
る事象の全体グループの中から選択的に励起される。こ
れらの選択的に励起される事象は、同じ周波数のもので
あるか、または、励起の形式及び試料の状態にもよる
が、励起周波数の整数倍(高次高調波)に一致した事象
である。このように、試料の反応は周波数依存性を有す
るものである。
【0006】
【発明の課題】本発明の目的は、周波数選択的励起に制
限されることなく、事象からの反応を検出することがで
きる、物質を熱的に分析するための方法を提供すること
である。本発明の更なる目的は、この方法を実施するこ
とが可能な装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】方法に関して言えば、こ
の目的は、前記制御過程が確率的に前記加熱条件を変更
することを含む点において、本発明により達成される。
【0008】本発明によれば、加熱条件、例えば熱源の
加熱パワー又は加熱温度を確率的に変化させることによ
り、励起がある周波数に選択的に制限されないようにな
る。物質試料の反応は、物質試料中のどれだけの事象が
励起と時関連状態にあるかに依存する。確率的な励起
は、緩和関数を直接測定することを許容する。緩和関数
は、パルス状外乱への物質の時間反応を表わす。試料物
質の時間依存励起は、周波数依存励起とは対照的に、試
料物質の異なる特徴及び性質をもたらし、熱伝導路での
検出を可能にする。
【0009】理論的には、従来の周波数依存励起と本発
明による確率的励起の結果は、フーリエ変換により数学
的には関連付けることはできる。しかしながら、実際上
はこれは不可能である。数学的な関係を計算するには、
周波数及び時間においてゼロから無限大の範囲で、誤差
が無い測定値が要求されことになる。実際上はこのよう
なことは実現できないので、数学的関係の計算は情報の
損失を蒙ることになる。さらに、この関係は、試料物質
が測定中に線形の性状を呈する時にのみ当てはまる。し
かしながら、線形な性状と言う仮定は一般的になり得な
い。
【0010】本明細書において使用される用語“加
熱”、“熱流”、“熱源”及びこれらに関連した用語
は、加熱又は冷却の何れかを意味するものと理解すべき
である。後者の冷却の場合には、“熱源”は、例えば試
料に対して熱的に結合される冷却剤源となる。
【0011】本発明の一つの実施例では、前記制御過程
は、前記熱源を時間の関数として所定の温度を呈するよ
うにさせる第1の制御入力と、前記第1の制御入力によ
る前記熱源の加熱条件を確率的に変化させるための第2
の制御入力とに基づいて行われる。
【0012】加熱条件を確率的に変化させるための前記
第2の制御入力は、熱源の温度、加熱速度、加熱パワー
又は熱流の相当量の変更に関するものとして定義するこ
ともできる。数量的に又は電気的に生じさせることがで
きる。
【0013】熱源を時間の関数で所定の温度を呈するよ
うにさせる第1の制御入力は、加熱速度がゼロで、熱源
の温度が選択された温度値で一定となるように制御され
る等温ケースに相当するものである。より一般的なケー
スでは、第1の制御入力は、対応する温度対時間関数
が、確率的に変化する第2の制御入力よりも、かなり遅
く時間と共に変化する。特に興味深い特別なケースで
は、熱源の温度を第1の制御入力によって、選択された
一定加熱速度を意味する線形温度プログラムにしたがっ
て変化させるものを含む。
【0014】本発明の他の実施例によれば、方法は更
に、前記熱源の温度を測定する過程と、前記第1の制御
入力に前記第2の制御入力を重畳させたものと、前記熱
源の測定した温度との間の差を表わす信号を、前記熱源
の加熱パワー制御信号として用いる過程とを有する。こ
の場合、熱源の測定された温度は、第1及び第2の制御
入力の重畳したものと比較され、この比較の結果として
得られた差は、熱源の加熱パワーの制御に用いられる。
この場合、重畳された第1及び第2の入力は、熱源の加
熱温度に対応するものである。
【0015】更に他の実施例では、本発明による方法
は、前記熱源の温度を測定する過程と、前記熱源の測定
した温度をフィルタリングし、前記熱源の変化されてい
ない加熱パワーに関連した平均温度を求める過程と、前
記第2の制御入力を前記第1の制御入力と前記平均温度
との間の差に重畳したものを表わす信号を、前記熱源の
ための加熱パワー制御信号として利用する過程とを有す
る。この場合、熱源の平均温度は第1の制御入力と比較
され、前記第2の制御入力は、熱源の加熱パワーを制御
するために、その比較の結果に重畳される。したがっ
て、第1の制御入力は熱源の平均温度に対応し、他方、
第2の制御入力は、第1の制御入力に相当する平均温度
に確率的な変化をもたらすものである。
【0016】好ましくは、熱流を表わす前記信号は、前
記試料と前記熱源との間、及び前記基準物質と前記熱源
との間の熱流の差に相当する差動信号である。こうする
ことにより、既知の基準物質への熱の流入・流出に対す
る、試料への熱の流入・流出の差だけが分析の目的に使
用され、また、絶対値の測定が必要でないために、高い
精度と広いダイナミックレンジを提供することができ
る。
【0017】熱源の温度または試料温度のそれぞれは熱
流に関連した温度として使用できる一方、前記基準物質
の温度が測定され、前記熱流に関連した温度を表わす信
号として用いられることが好ましい。
【0018】他の基本的なこととして、本発明による方
法は、選択された時間間隔における、前記熱流に関連し
た前記測定した温度から得た前記測定された熱流と加熱
速度との少なくとも一方の平均成分を得る過程と、前記
熱流と加熱速度のうちの少なくとも一方の動的成分を、
前記測定した熱流、または得た加熱速度と前記それぞれ
得られた平均成分との間の差として得る過程と、前記選
択された時間間隔における、前記熱流に関連した前記測
定した温度の平均温度を得る過程と、前記動的成分の少
なくとも一つを前記得られた平均温度の関数として表わ
す過程とを有する。
【0019】この種の計算方法により得られた動的成分
は、熱源の加熱パワーの確率的変化に関係し、他方、平
均成分は、第2の制御入力によって生じた確率的変動が
平滑化される状態で、第1の制御入力によって制御され
る加熱パワーに関係する。平均化処理において選択され
る時間間隔の長さは、正当な平均値を得るには十分な長
さの時間ではあるが、しかし、物質の分析において求め
られる励起反応を抑制する程には長くない値として、測
定の形式に応じて適宜決められる。
【0020】計算方法の更に特定の特徴は、従属クレー
ム8から13に記載されている。
【0021】本発明による方法を遂行するために、熱源
と、試料配置場所を有し、前記熱源と前記試料配置場所
の試料との間に熱流を生じさせるようになった試料ホル
ダーと、前記熱源の加熱条件を時間の関数として制御す
る制御装置と、前記試料配置場所の前記試料と前記熱源
との間の熱流を表わす信号を測定するための手段と、前
記熱流に関連した温度を表わす信号を測定するための手
段と、前記測定された熱流信号と温度信号との間の関数
関係を計算するための手段とを有する物質を熱的に分析
する装置は、本発明によれば、前記制御装置が前記加熱
条件を確率的に変化させる手段を有していることを特徴
とする。
【0022】一つの実施例では、前記制御装置は、時間
の関数として、前記熱源の所定温度プログラムを表わす
第1の制御信号を設定するための手段と、時間的に確率
的に変化する第2の制御信号を発生し、これにより、前
記第1の制御信号によって生じた前記加熱条件を確率的
に変化させるための手段とを有する。
【0023】前記第1及び第2の制御信号を設定するた
めの両手段は、実際にはマイクロコンピュータと言う手
段によって具現化してもよい。この場合、第2の制御信
号は、マイクロコンピュータ内に実装された乱数発生器
に基づいて生成することができる。これに代えて、時間
的に確率的に変化する第2の制御信号を発生させるため
のそれ専用の電子部品としても良い。
【0024】
【好適実施例の説明】以下、添付図面を参照しながら、
本発明による物質を熱的に分析する方法を、その方法を
遂行するように構成された装置に関連して例示的に説明
することとする。図1から分かる通り、物質を熱的に分
析する装置は、銀からなる基本的に中空の円筒オーブン
ブロック1と、前記オーブンブロック1に加熱パワーを
与えるための平板抵抗ヒータ2とを具備する。これに代
えて、加熱ワイヤー巻線をオーブンブロック1の外側円
筒表面上に巻きつけ、抵抗加熱をもたらしてもよい。オ
ーブンブロック1の上端部の蓋アセンブリ3は、オーブ
ンブロック1の内部4内へのアクセスを許すべく、ブロ
ック1を開放又は閉鎖するために、自動的な移動が可能
となっている。
【0025】ディスク形状の基板5が、オーブンブロッ
ク1内にこれと熱的接触を保った状態で設けられてい
る。基板5は、試料パン6及び基準物質パン7をそれぞ
れ支持するように、試料ホルダーと基準物質ホルダーと
して形成された二つの環状領域を有する。試料ホルダー
及び基準物質ホルダーの各環状領域には、試料パン6と
基準物質パン7との間の温度差を検出するための、熱電
対機構が形成されている。検出される温度差は従って、
試料パン6と基準物質パン7にそれぞれ収納され、これ
らの互いに熱接触状態にある試料物質と基準物質との間
の温度差に相当する。温度差を表わす電気信号は、信号
線8により、外部に送り出される。オーブンブロック1
の底部部分に設けられた白金温度計9は、熱源1,2の
温度を検出し、それに応じた電気信号は、信号線10に
よって外部に送り出される。
【0026】参照番号11,12,13は、パージガス
供給パイプ、パージガス排出パイプ、ドライガス供給パ
イプをそれぞれ示し、他方、参照番号14,15,16
は、冷却フランジ、冷却フィンガー、白金温度計をそれ
ぞれ示す。耐熱材17が、冷却機構14,15とヒータ
2との間に設けられている。
【0027】図2を参照すると、電気的加熱パワーP
が、パワー制御器18によって熱源1,2のヒータ2に
供給される。パワー制御器18は、その制御入力端子に
差動増幅器19の出力から供給される加熱パワー制御信
号に従って、加熱パワーの量を制御する。差動増幅器1
9の反転入力端子には、信号線10上の温度計9からの
温度Tを表わす信号が供給される。差動増幅器19の
非反転入力端子には、第1の制御信号Tと第2の制御
信号FSIP(t)が印加される。第1の制御信号Tは、プ
ログラマー内(図示せず)に、時間関数として選択され
た温度プログラムを通して熱源1,2を駆動するように
設定される。特に、第1の制御信号Tは、一定の加熱
速度を有した線形温度プログラムとして設定され、これ
により、熱源1,2の温度Tを、初期値から最終温度
値の間で直線状に駆動する。
【0028】第2の制御信号FSIP(t)は、マイクロプロ
セッサー又はこれに代わるハード結線された電子式発生
器(共に図示せず)により、数的に発生させることがで
きる確率的な信号である。確率的な第2の制御信号は従
って、以下の式(1)に従った確率的に変化する加熱速
度βSIP(t)に相当する。
【数1】
【0029】この構成では、図2に示される制御ループ
は、熱源1,2の測定された温度T を、第1の制御信
号によって設定された温度Tと第2の制御信号によっ
て表される確率的な温度変化FSIPとの合計と比較する
ように動作し、これにより、熱源の温度Tが制御され
ることになる。
【0030】図3に概略的に示される実施例は、図2の
実施例の変形であり、図2と図3の同一部分には同一の
参照番号又は符号が用いられている。図3の実施例は図
2の実施例とは次の二つの点で異なる。即ち、フィルタ
ー20が信号線10の途中に設けられている点と、確率
的に変化する第2の制御信号FSIP(t)が差動増幅器19
の出力信号に直接印加されている点である。他の点では
図3は図2と類似しており、図2の上記説明がそのまま
適用される。
【0031】フィルター20は、その出力側に、第2の
制御信号FSIP(t)によって生じた熱源温度Tfの確率的
変化分を平滑にした平均温度信号<Tf>を発生する。
【0032】この構成では、差動増幅器19は、平均温
度信号によって表わされる平均温度<Tf>を、第1の
制御信号によって設定されたプログラム化された温度T
pと比較し、そして確率的に変化する第2の制御信号F
SIP(t)は差動増幅器19の出力信号に重畳される。これ
により、熱源1,2の平均温度値<Tf>に影響を与え
ることになる。
【0033】図4の実施例は、図3に示す実施例に対し
て、確率的に変化する第2の制御信号FSIP(t)がパワー
制御器18のパワー制御出力に直接重畳されている点が
違うのみである。この場合、第2の制御信号FSIP(t)は
確率的に変化する加熱速度β SIPに比例する。
【0034】従来の熱量測定で良く知られている通り、
試料と熱源との間の熱流は試料温度と熱源温度との差に
比例し、他方、差動方法による場合には、差動的熱流
は、試料温度と基準物質温度との差に比例する。図1の
実施例における試料と基準物質との間の温度差を表わす
信号線8の信号は、従って、差動的熱流Φm(t)を表わす
(ここで、下付きのmは測定された熱流であることを示
す)。これは、熱流Φm(t)を時間の関数として示す図5
に表わされている。なお、図5では、時間間隔Δtをカ
バーする部分を付加的に拡大して示されている。熱流Φ
m(t)と温度の間の関数関係を求めるためと、確率的変化
に関連した動的成分と平均温度に関連する平均成分の間
を区別するために、平均化処理を含む、測定した信号の
分析が行われなければならない。この分析は、図1の試
料パン6及び基準物質パン7に設けられた熱電対によっ
て検出された試料及び基準物質温度のうちの何れか一つ
に関して行うことができる。これに代えて、この分析
は、図1の温度計9によって検出される熱源温度Tf
関して行うこともできる。上で述べた三つの温度値を用
いるに際しては、いかなる差も、校正されることが考慮
されても良い。
【0035】有効な分析方法の一つは、以下の式(2),
(3),(4)に従って、適当に選択された時間間隔Δtにおい
て測定された熱流及び加熱速度(測定された温度の時間
導関数)の自己相関関数αΦΦ(t),αββ(t)と相互相
関関数を計算することである。
【数2】 上記式において、tnは測定値が取られた、時間におけ
るN個の時点から選択されるものである。これは、N個
の自己相関関数及び相互相関関数の最大値を導く。式
(2)〜(4)の自己及び相互相関関数に関連した温度T
nは、以下の式(5)による時間間隔Δtの平均温度であ
る。
【数3】
【0036】上記自己及び相互相関関数により、熱流及
び加熱速度それぞれの平均値Φ0及びβ0が、極限化処理
による以下の式(6)により求まる。
【数4】
【0037】上記式(6)中の無限極限は、適当に長い時
間間隔Δtを意味するものと理解されなければならな
い。さらに、試料の熱事象は、測定の開始時の時間間隔
Δtでは起こらないものと理解すべきである。
【0038】上記の極限化計算処理により、加熱速度及
び熱流の平均値Φ0及びβ0が決まる。これに代えて、以
下の式(7)に従って平均化することにより決めることも
できる。
【数5】
【0039】従って、時間間隔Δtの長さは、測定され
たカーブの全長の各部分に対して最良の値とすることが
できる。時間間隔Δtの長さは、試料の特徴によって変
えても良い。平均の熱流において変動が無いか又はごく
僅かな変動だけがある部分においては、時間間隔Δt
は、相対的に速い熱事象が起こる部分に比べて、長く設
定しても構わない。
【0040】動的成分は、平均成分を差し引くことによ
り、次の式(8)、(9)、(10)で求まる。
【数6】
【0041】図6は、350ケルビン度の温度におい
て、ポリスチレン内の確率的に変化する励起によって生
じる熱流及び加熱速度の動的成分を表わす。
【0042】 路を特徴づける。図7は、図6の動的成分から計算され
た非修正緩和関数を示す。
【0043】修正緩和関数は校正によって得られる。校
正関数g(t)は、熱事象が生じない(例えば、測定開始
時)温度で測定された相関関数と、加熱速度自己相関関
数の 式(11)による畳み込み処理で計算することができる。
【数7】
【0044】物理的観点から、全ての温度に対する緩和
関数の知識は、十分且つ強力な情報である。時間に依存
した処理を通して物理的モデルを検証し、試料の動的性
状に関する情報を得ることは、特に好ましいことであ
る。そのような広範囲な情報は、もし複数の周波数が用
いられたとしても、周波数に依存した分析では得ること
ができない。
【0045】もし試料の修正された緩和関数が分かって
おり、且つ非修正緩和が決まれば、校正関数を決めるこ
とができる。この関数を用いることにより、試料の熱伝
達態様又は熱量測定が特徴付けられる。
【0046】これに代わるもう一つの計算方法は、フー
リエ変換である。この目的のために、確率的に変化する
動的成分Φsは、最初は、フィルタリング又はその他の
平均化処理により分離されていなければならない。測定
された各時間間隔Δtにおいて、熱流の動的成分は、式
(12)により、加熱速度の動的成分に関係する。
【数8】
【0047】上の畳み込み積分は、例えば、Φs(t,Tn)
とβSIP(t,Tn)のフーリエ変換
【数9】
【0048】校正の後、図8に示されるような曲線が得
られた。図8は、ガラス転移領域中の各種温度における
ポリスチレンの複合熱容量の標準化された実部を示す。
図8の中に挿入されている小さい図は、測定された曲線
から得られた80mHzでの温度依存性を示す。
【0049】他の計算方法は狭帯域バンドパスフィルタ
ーを使用することであり、これを用いることにより、測
定された曲線から周波数依存パラメータを得ることがで
きる個々の情報を取り出すことができる。
【0050】更に他の方法は、測定装置のモデルを開発
することである。このモデルは、装置内の熱流の微分方
程式を導く。さらに、試料の物理的及び化学的性状のモ
デルが明らかにされる。得られた方程式は、測定装置の
方程式と組み合わされる。微分方程式の解として、測定
装置を表わすパラメータと試料を表わすパラメータとを
含む方程式が得られる。測定装置を特徴付けるパラメー
タは実験的に決定されれば良い。そして、測定された熱
流Φm又はこれに代わる確率的に変化するその動的成分
Φsは、動的加熱速度βSIPを用いたモデル方方式に適用
すれば良い。こうすることにより、試料を特徴付るパラ
メータを得ることができる。
【0051】加熱状態の確率的変化をもたらす方法手段
には種々のものがある。図9には、基本的には図1に示
される装置に類似した装置が概略的に示されている。な
お、同図には、図1の構成要素と一致する構成要素に
は、同じ参照番号を用いて示されている。図9の構成に
おいて、オーブンブロック1と一体的に形成された流路
部材21は、オーブンブロック1の内部に突き出してい
る。流路部材21の端部22はディスク様の形状をして
おり、試料パン6及び基準物質パン7をそれぞれ支持す
る。流路部材21はオーブンブロック1と同一の熱伝導
材料からなり、オーブンブロック1と試料パン6との
間、又はオーブンブロック1と基準物質パン7との間そ
れぞれの熱結合を相当強いものとする。
【0052】前記試料パン6及び基準物質パン7に近い
位置の端部22に設けられる熱電対構造体23は、試料
パン6と基準物質パン7との間の温度差を検出する。検
出された温度差に応じた信号は、信号線8によって外部
に送り出される。この温度差信号は差動熱流Φを表わ
す。オーブンブロック1内の白金温度計9からの信号
は、オーブンの温度Tを表わす。
【0053】装置は、図2〜図4に示され上で説明した
方法の一つに従って制御されれば良い。これに代わるも
のとして、ヒータ(クーラー)2の加熱パワー(冷却パ
ワー)Pは、P=P0(t)+FSIP(t)に従って制御されて
も良い。ここで、P0は定数、又は温度Tと差動熱流Φ
が測定され計算されている間の非確率的時間プログラム
に従って変化しても良い。
【0054】他の方法では、差動熱流は確率的関数とし
て与えられても良く、そして、加熱パワーは温度Tが測
定されている間、それに応じて制御される。
【0055】図10に示す構成は図9に示す構成に相当
するものであり、同一構成要素は同一参照符号又は番号
で示されている。図10において、流路部材21の端部
22には、試料パン6及び基準物質パン7のそれぞれに
近い場所の温度T及びTを検出するための追加の温
度センサーが設けられている。
【0056】図9の装置を制御する上の方法は、図10
に示す装置にも使用することができる。この場合、温度
、Tの何れか、又はこれらの温度の総和は、図9
の代替例において制御変数又は測定変数として使用され
る温度Tに代わって使用することができる。
【0057】図11に示される構成は、図10に示され
る構成の全ての要素を、同一の参照符号で示すものとし
て有している。図11の実施例において、ヒータ2は、
非確率的基礎加熱のみを提供する第1加熱装置として動
作する。さらに、基礎加熱を確率的に変化させるための
第2加熱装置26,27が、試料パン6及び基準物質パ
ン7のそれぞれに近い場所で、流路部材21の端部22
のところに設けられている。第2加熱装置26,27に
よって与えられる確率的加熱パワーは、それぞれ、
、Pとして示されている。さらに、図11の例で
は、分離した熱電対23,23’が、試料パン6と基準
物質パン7に設けられている。こうすることにより、試
料パンと基準物質パンに関する熱流ΦとΦが検出さ
れ、分離して制御されて良い。図9又は図10を参照し
て説明した上の何れの制御方法を使用することもでき
る。
【0058】図12の実施例は、図11の抵抗ヒータ2
6,27に代えて、第2の加熱装置として放射源を使用
している。試料パン6及び基準物質パン7にそれぞれ位
置合わせされた窓部28,29が、オーブンブロック1
に形成されており、こうすることにより、これらの放射
源が試料パン6及び基準物質パン7上に確率的に変化す
る加熱パワーP,Pを照射するようになっている。
【0059】図9〜図12に示す構成において、流路部
材21は熱流を伝導するために用いられており、その結
果、熱源に対して試料と基準物質の熱結合を強固なもの
とする。これに対して、図13の構成は、オーブンブロ
ック1の内部4の雰囲気を介して、試料6と基準物質7
のオーブンブロック1への弱い熱結合のみを利用するも
のである。オーブンブロック1の温度Tは、ヒータ2の
加熱パワーPを制御することにより、所望の温度プログ
ラムに維持される。第2加熱装置26,27は、確率的
な加熱を提供する。温度センサー24,25からの温度
,Tは、第2加熱装置26,27からの必要な加
熱パワーP,Pが測定され且つ計算されている間、
確率的に変化するように予め決められても良い。これに
代えて、P,Pは、温度T及びT、又はそれら
の組み合わせが測定され且つ計算されている間、確率的
に変化する制御変数としても良い。
【0060】種々の他の変更が行われても良い。特に、
図12に類似する放射源は、図13の抵抗型ヒータに代
えて、第2加熱装置26,27として用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による方法を遂行するための装置
における主要部分の概略図である。
【図2】図2は図1の装置における熱源の制御のための
手段の概略図である。
【図3】図3は制御手段の他の実施例を示す概略図であ
る。
【図4】図4は制御装置の更に他の実施例を示す概略図
である。
【図5】図5は熱流を時間の関数として表わす測定信号
を示す図である。
【図6】図6は時間の関数として熱流の動的成分及び加
熱速度をそれぞれ示す図である。
【図7】図7は非修正緩和関数を示す図である。
【図8】図8はガラス転移領域における異なる温度で
の、ポリスチレンの複合熱容量の実部を示す図である。
【図9】図9は図1の装置の変更例を示す図である。
【図10】図10は図1の装置の他の変更例を示す図で
ある。
【図11】図11は図1の装置の更に他の変更例を示す
図である。
【図12】図12は図1の装置の更に他の変更例を示す
図である。
【図13】図13は図1の装置の更に他の変更例を示す
図である。
【符号の説明】
1 オーブンブロック 2 ヒータ 3 蓋アセンブリ 4 内部 5 基板 6 試料パン 7 基準物質パン 8 信号線 9 温度計 10 信号線 11 パージガス供給パイプ 12 パージガス排出パイプ 13 ドライガス供給パイプ 14 冷却フランジ 15 冷却フィンガー 16 白金温度計 17 熱抵抗器 18 パワー制御装置 19 差動増幅器 20 フィルター 21 流路部材 22 端部 23,23’ 熱電対構造体 24,25 温度センサー 26,27 第2加熱装置 28,29 窓部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レリンガー ディルク ドイツ デー−64331 ウェイタースタッ ト ハイドンストラーセ 11

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質を熱的に分析する方法であって、該
    方法は、 前記物質の試料を提供する過程と、 熱源を提供し、前記試料と前記熱源との間に熱流を生じ
    させる過程と、 前記熱源の加熱条件を時間の関数として制御する過程
    と、 前記試料と前記熱源との間の前記熱流を表わす信号と、
    前記熱流に関連した温度を表わす信号とを測定する過程
    と、 前記測定した熱流の信号と温度の信号との間の関数関係
    を計算する過程とからなり、 前記制御過程が前記加熱条件を確率的に変化させる過程
    を有する、 ことを特徴とする分析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分析方法において、前記
    制御過程は、前記熱源を時間の関数として所定の温度と
    なるようにさせる第1の制御入力と、前記第1の制御入
    力によって生じる前記熱源の加熱条件を確率的に変化さ
    せる第2の制御入力とに基づき遂行することを特徴とす
    る分析方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の分析方法において、該方
    法は更に、 前記熱源の温度を測定する過程と、 前記第1の制御入力を前記第2の制御入力に重畳したも
    のと、前記熱源の測定した温度との間の差を表わす信号
    を、前記熱源の加熱パワー制御信号として用いる過程
    と、 を有することを特徴とする分析方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の分析方法において、該方
    法は更に、 前記熱源の温度を測定する過程と、 前記熱源の測定された温度をフィルタリングし、前記熱
    源の変化されていない加熱パワーに関連した平均温度を
    得る過程と、 前記第2の制御入力と、前記第1の制御入力と前記平均
    温度との間の差とを重畳したものを表わす信号を、前記
    熱源の加熱パワー制御信号として用いる過程と、 を有することを特徴とする分析方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の
    分析方法であって、前記熱流を表わす信号は、前記試料
    と前記熱源との間、及び前記基準物質と前記熱源との間
    の熱流の差に相当する差動信号であることを特徴とする
    分析方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の分析方法であって、前記
    基準物質の温度は、前記熱流に関連した前記温度を表わ
    す信号として測定され且つ利用されることを特徴する分
    析方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の
    分析方法であって、前記測定された熱流信号と温度信号
    との間の関数関係を計算する前記過程は、 選択された所定時間間隔において前記熱流に関連した、
    測定された前記温度から得られた測定された前記熱流と
    加熱速度のうちの少なくとも一方の平均成分を得る過程
    と、 前記測定された熱流又は得られた加熱速度それぞれと、
    前記各得られた平均成分との間の差として、前記熱流と
    加熱速度のうちの少なくとも一方の動的成分を得る過程
    と、 前記選択された時間間隔において、前記熱流に関連した
    前記測定された温度の平均温度を得る過程と、 前記動的成分の少なくとも一つを前記得られた平均温度
    の関数として表わす過程と、 を有することを特徴とする分析方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の分析方法において、前記
    熱流に関連して測定された前記温度から得られた測定さ
    れた前記熱流と加熱速度のうちの少なくとも一方の平均
    成分を得る過程は、前記熱流と加熱速度の自己相関関数
    又は相互相関関数の少なくとも一方を計算する過程を有
    し、前記動的成分の少なくとも一つは、前記自己相関関
    数又は相互相関関数のそれぞれ一つと、前記自己相関関
    数又は相互相関関数の極限値との差として計算されるこ
    とを特徴とする分析方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の分析方法において、該方
    法は更に、前記物質中に温度事象が無い所定の時間間隔
    に応じた、前記相関関数の少なくとも一つに基づいて校
    正関数を計算する過程を有することを特徴とする分析方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の分析方法において、前
    記物質の少なくとも一つの緩和関数は、前記校正関数と
    前記相関関数の少なくとも一つのの畳み込み積分として
    計算されることを特徴とする分析方法。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至請求項10の何れかに記
    載の分析方法において、熱流及び加熱速度の前記得られ
    た動的成分は更に、フーリエ変換の手法によって計算さ
    れることを特徴とする分析方法。
  12. 【請求項12】 請求項7記載の分析方法において、前
    記動的成分の少なくとも一つは、フィルタリングによっ
    て得られることを特徴とする分析方法。
  13. 【請求項13】 請求項7記載の分析方法において、前
    記動的成分の少なくとも一つは、前記熱源の性状、及び
    前記試料と前記熱源との間の熱流路の性状を表わすモデ
    ル方程式から得られることを特徴とする分析方法。
  14. 【請求項14】 物質を熱的に分析する装置であって、
    該装置は、 熱源(1,2)と、 試料位置(6)を有する試料ホルダー(5)であって、
    前記熱源(1,2)と前記試料位置(6)内の試料との
    間に熱流が生じるように構成されている試料ホルダー
    (5)と、 前記熱源(1,2)の加熱条件を時間の関数として制御
    するための制御装置(18,19)と、 前記試料位置内の前記試料と前記熱源との間の前記熱流
    を表わす信号を測定するための手段(8)と、 前記熱流に関連した温度を表わす信号を測定するための
    手段(8)と、 前記測定された熱流信号と温度信号との間の関数関係を
    計算する手段とを有し、 前記制御装置が前記加熱条件を確率的に変化させるため
    の手段を有することを特徴とする分析装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の分析装置において、
    前記制御装置は、前記熱源(1,2)の所定温度プログ
    ラムを時間の関数として表わす第1の制御信号(T
    を設定するための手段と、前記第1の制御信号(T
    によって生じる前記加熱パワーを確率的に変化させるた
    めに、時間において、確率的に変動する第2の制御信号
    (FSIP)を発生するための手段と、を有することを特
    徴とする分析装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の分析装置において、
    前記熱源(1,2)は、前記第1及び第2の制御信号
    (T,FSIP)が一方の入力に印加されると共に、前
    記熱源(1,2)の測定された温度(T)を表わす信
    号が他方の入力に印加されている差動増幅器(19)の
    出力信号によって制御されることを特徴とする分析装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の分析装置において、
    前記制御装置(18,19)は、前記熱源(1,2)の
    測定された温度を表わす信号がその入力側に印加され、
    そして前記熱源(1,2)の平均温度<T>を表わす
    信号をその出力側に生成するフィルタ(20)を有し、
    前記熱源(1,2)は、前記第1の制御信号(T)が
    その一方の入力側に印加されると共に、前記平均温度信
    号<T >が他方の入力側に印加されている差動増幅器
    (19)の出力信号に重畳される前記第2の制御信号
    (FSIP)によって制御されることを特徴とする分析装
    置。
  18. 【請求項18】 請求項14乃至請求項17の何れかに
    記載の分析装置であって、該装置は更に、前記熱源
    (1,2)に熱結合された基準物質位置(7)を具えた
    基準物質ホルダー(5)であって、前記熱源(1,2)
    と前記基準物質ホルダー(7)内の基準物質との間の熱
    流の発生を可能とする基準物質ホルダー(7)と、前記
    試料位置と基準物質位置(6,7)との間の温度差を測
    定するための手段(8)と、を有することを特徴とする
    分析装置。
  19. 【請求項19】 請求項14乃至請求項18の何れかに
    記載の分析装置であって、該装置は更に、熱伝導材料か
    らなり、前記熱源(1,2)と、前記試料及び基準物質
    位置(6,7)の少なくとも一つとの間で前記熱流を伝
    達するための流路部材(21)を有することを特徴とす
    る分析装置。
  20. 【請求項20】 請求項14乃至請求項19の何れかに
    記載の分析装置において、前記熱源は、基本的な加熱を
    提供するために設けられた第1の加熱装置(2)と、前
    記第1の加熱装置(2)によって提供された前記基本加
    熱条件を確率的に変化させるために設けられた第2の加
    熱装置(26,27)とを有することを特徴とする分析
    装置。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の分析装置において、
    前記第2の加熱装置(26,27)は、前記試料及び基
    準物質位置(6,7)の少なくとも一つに対して、近接
    した空間関係をもって配置されていることを特徴とする
    分析装置。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の分析装置において、
    前記第2の加熱装置は、前記試料位置及び基準物質位置
    (6,7)の少なくとも一つの上に向けて設けられた放
    射源であることを特徴とする分析装置。
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