JP2014505027A - ラクトン類の開環重合において使用するための、n−複素環式カルベンをベースとするジルコニウム錯体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規のN−複素環式カルベンをベースとするジルコニウム(またはハフニウム)錯体、およびラクトン類の開環重合用触媒としてのそれらの使用を報告する。これらの新規触媒は強固かつ多用途であり、そしてポリマーの分子量および/または立体化学に対して制御力を発揮し、そして高い反応性を示す(低温用途を参照)。特に、前記の新規触媒は、高められた活性と、同時に、従来技術により使用された触媒よりも良好な選択性の両方を示す。

Description

近年、ポリ乳酸(PLA)、およびポリカプロラクトンもしくはポリブチロラクトンのような関連ポリマー類は、これらの非常に多方面への応用範囲およびこれらの生物分解性により、注目されている。100%再生可能な資源、例えば、トウモロコシおよびテンサイから誘導される場合、PLAおよび関連のポリエステル類は、油をベースとするポリマーの代わりとして、環境保護に関して依然として興味深いものである。それにもかかわらず、その優れた特性バランスにもかかわらず、商業的使用はこれまで高い製造コストと、ポリオレフィン性の同等物と比較した場合の乏しい性能プロファイルとによって限定されてきた。現在まで、PLAは日用品用途において石油ベースのプラスチックに取って代わることにおいて限定的な成功を収めているだけである(最も初期の使用は縫合糸のような生物医学的用途に限定されている)。
いずれにしても、主要企業によって現在行われている、方法の開発の近年の進展により(非特許文献1)、将来製造コストは著しく減少し、PLAは発展可能な大規模なプラスチックとなるであろう。
PLAは、乳酸の直接縮合により、および環式のラクチドダイマーの開環重合の両方により製造することができる。直接縮合経路は平衡反応なので、重合の最終段階で微量の水を除去するのが難しく、これが通常、この手法によって得ることができる最終的な分子量を限定してしまう。
三井東圧化学が高分子量PLAを得るための、直接エステル化工程において水を除去するために高沸点溶媒を用いる共沸蒸留方法の特許を取得しているが(特許文献1)、これまでの研究のほとんどは開環重合に焦点を当ててきた。
Cargill Dow LLCは、乳酸をベースとするポリマーの製造のための低コストの連続的方法を開発した。該方法は、溶液におけるよりも溶融物中においてラクチドおよびPLAの両方を合成する多くの環境的および経済的利点を組み合わせている(特許文献2および関連。Cargill,Inc.(1993))。この方法は、低分子量PLAプレポリマーを製造するために、水性の乳酸の連続的な縮合反応で開始される。
次いで、分子間環化反応の速度および選択性を増加させるために、前記プレポリマーをスズ触媒を用いてラクチド立体異性体の混合物に転化する。溶融ラクチド混合物を続いて減圧蒸留によって精製する。最終的に、PLA高分子量ポリマーが、溶融物におけるスズ触媒による開環ラクチド重合を用いて製造され、これはコスト的かつ環境的に不利な溶媒の使用を完全に排除する。
先行技術から公知の不利な点は特に、ラセミおよびメソラクチドを分離するために減圧蒸留によるさらなる精製段階が必要であるため(時間だけでなくエネルギーも消費する)、いくつもの段階が必要であることである。
オクタン酸スズを用いるラクチドの重合は、通常、2つの乳酸分子をポリマー鎖の伸張している末端に加えるためのラクチド開環を伴う配位−挿入メカニズムにより起こると考えられている。オクタン酸スズを触媒とするラクチドの重合では、高分子量ポリマー、良好な反応速度およびラセミ化レベルの低さが、通常観察される。
重合の典型的な条件は、180±210℃、100±1000ppmのオクタン酸スズ濃度、および約95%転化率に達するのに2±5時間、である。重合は第一に触媒とラクチドの両方において行われる。しばしば、ヒドロキシル含有開始剤、例えば1−オクタノールが、分子量を制御するためと、反応を促進させるための両方に使用される。ラクチドと他の環式モノマー、例えばカプロラクトンは、類似の反応条件を用いて製造できる。末端成長重合メカニズムなので、これらのモノマーは、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーを製造するために使用することができる。
前記オクタン酸塩が触媒する重合が良好な転化率をもたらしたとしても、天然生成物をベースとするポリマーにおける毒性およびスズの存在を無視することはできない。さらに該方法は比較的高い温度を必要とする。
ポリエステル合成における共通の副反応はトランスエステル化であり、ここでは、ポリマー鎖の切断および再形成が、モノマー変換の関数として理論的に説明されてきた分子量分布の拡大をもたらす。トランスエステル化の程度は、LA重合系に関する重要な選択基準である。トランスエステル化の最小化は特に、トランスエステル化がコポリマーの構造的な完全性を損ねる個々のA−Bブロックコポリエステルの製造において望まれている。トランスエステル化の発生は、より活性であり従って選択性がより低い重合触媒にとって特に問題となり得る。LAの重合における立体選択性は、3つの立体異性体として存在し、材料特性はポリマーの立体規則性に強く依存するので、立体選択性はまた制御のためにも重要である。重合触媒がモノマーまたはポリマーのキラル中心のエピマー化に影響を及ぼさない限り、アイソタクチックPLA(PDLAまたはPLLA)を、それぞれ純粋なD−またはL−LAを用いることにより入手することができる。
選択性の問題は、金属アルコキシド中心を増加させることが個々の立体異性体をつなぐことを優先させ得るD/L−LA混合物の重合にとって、より重要である。アイソタクチックポリマーセグメントは、そのような立体選択的な反応によってもたらされる。模範的なLA重合に関する一般的な実験基準の一部を考慮すると、理想的な触媒の特性には、高い活性、成長に対して速い開始、トランスエステル化が最小限であること、およびLA立体異性体の任意混合物から調製されるPLAの立体化学的純度を制御する能力が含まれる。明確に特定されている触媒系における構造/活性関係の系統的解析が、これらの有益な特徴を有する重合触媒の設計には重要である。
均一系触媒作用のための配位子設計は、結合単位の金属中心への特異的な結合特性、および個々の明確に特定されている分子形状のターゲッティングの開発に基づいている。これは、多座配位子系を構成するビルディングブロック分子の立体特性および電子特性の組み合わせによる。この手法は頻繁に新規分子触媒の開発に利用される。
N−複素環式カルベンは、均一系触媒の開発のための新しい配位子ファミリーとして登場した。これらはNCN炭素を通した強力なo供与体であり、ホスフィン類似体として現在広く使用されている。これらがほとんどの後期遷移金属と形成するM−C結合は、動力学的に不活性であることが証明されており、従って、該結合によりこれらは配位子設計のための特権的なモチーフとなっている。対照的に、前周期遷移金属とのNHC配位子の使用は、ひとつには高酸化状態の遷移金属からのN−複素環式配位子の解離が容易なので、時折である。この前提が、前周期遷移金属およびNHCの化学の研究をより困難にしている。従って、配位子解離の傾向を減少させるために、アニオン性配位子によって囲まれた中性のカルベン供与体を導入する潜在的に二座もしくは三座のNHC供与体系が有望な補助的な配位子として考えられる。
米国特許第5,194,473号 三井東圧(1990年) 米国特許第5,258,488号
Technische biopolymere, Hans−Josef Endres and Andrea Siebert−Raths, ISBN978−3−446−41683−3, (2009)
本発明の目的は、新規のN−複素環式カルベンをベースとするジルコニウム(またはハフニウム)錯体を開発すること、およびラクトン類の開環重合用触媒としてのそれらの使用である。当該新規触媒は強固かつ多用途であり、そしてポリマーの分子量および/または立体化学に対して制御力を発揮し、そして高い反応性を示す(低温用途を参照)。特に、前記の新規触媒は、高められた活性と、同時に、従来技術により使用された触媒よりも良好な選択性の両方を示す。ポリマー性材料の物理的特性はその分子量と直接関連しているので、ポリマー分子量の制御は本発明の合成方法において非常に重要である。
驚くべきことに、特定のジ(ヒドロキシアリール置換)N−複素環式カルベン配位子(潜在的に三座([L,X2]−型キレート))を有する、これらの配位子を組み入れた新しい一連のジルコニウム(またはハフニウム)錯体が、環式エステル類
Figure 2014505027
の開環重合を触媒するために最も効率的であり、選択的な化合物であることが見出された。更に驚くべきことに、これらは、他(Zelikoff, Ayellet L.; Kopilov, Jacob; Goldberg, Israel; Coates, Geoffrey W.; Kol, Moshe. Chem. Com., (2009), (44), 6804−6806; Romain, Charles; Brelot, Lydia; Bellemin−Laponnaz, Stephane; Dagorne, Samuel. Organometallics (2010), 29(5), 1191−1198)で報告された相当のチタンをベースとする錯体の性能(選択性、ターンオーバー)よりも際立っており、開環重合条件下でより高い安定性および堅牢性を示す。
従って、本発明は、N−複素環式カルベンをベースとするジルコニウム(またはハフニウム)錯体、およびラクトン類の開環重合のための触媒としてのそれらの使用に関する。
より具体的には、本発明は、ここで記載されるN−複素環式カルベンをベースとするジルコニウムまたはハフニウム錯体を使用することによる、主モノマー単位としてのラクチド、カプロラクトンをベースとするポリエステル類を得るための触媒的方法に関する。
以下の文において、特に言及しない限り「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはI、好ましくはF、ClまたはBr、より好ましくはFまたはCl、さらにより好ましくはClを表し;「アルキル」は直鎖または分岐アルキルを表し;そして「アルコキシ」は、直鎖および分岐アルコキシを表し;特に言及しない限りいずれのアルキルおよびシクロアルキル基も、置換されていないかまたはハロゲンによって置換されている。
本発明は、式(I)の化合物に向けられる:
Figure 2014505027
[式中、
MはZrまたはHfから選択され、
R1は、ハロゲン(Cl、Br、F、I)、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、ベンジル(Bn)、アリールオキシ、ベンジルオキシまたは式N(R7)(R8)のアミドから選択され、
R2は任意であって、配位性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、水、アセトニトリル、ジメチルアミンまたは他の弱配位性配位子であり、
Xはハロゲン(Cl、Br、F、I)、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、ベンジル(Bn)、アリールオキシ、ベンジルオキシまたは式N(R7)(R8)のアミドから選択され、
R3およびR4は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、ハロゲン(Cl、Br、F、I)によって場合により置換されている前記アルキル基;C−C10アルコキシ、非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択され、
R5およびR6は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、ハロゲン(Cl、Br、F、I)によって場合により置換されている前記アルキル基;非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択され、
R5およびR6は、場合により一緒に連結して不飽和もしくは飽和の5〜6員環を形成していてもよく、前記環は1つまたはそれ以上のキラル中心を有することができ、
R7およびR8は、互いに独立して、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択される。]。
好ましい態様において、本発明は式(I)
[式中、MはZrから選択される。
R1はCl、Br、C−Cアルコキシ、アリールオキシから選択される。
R2は任意であって、配位性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアミンである。
XはCl、Br、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、C−Cアルキルまたはベンジルから選択される。
R3およびR4は互いに独立に、水素、CH、C、C、Cからなる群から選択される。
R5およびR6は互いに独立に、水素、CH、C、C、Cからなる群から選択される。
R5およびR6は、場合により一緒に連結して不飽和もしくは飽和の5〜6員環を形成していてもよい。飽和の場合、この環は2つのキラル中心を有することができる。使用できる典型的な原料は、R,R−S,S−R,Sシクロへキシレンジアミンである。
R7およびR8は互いに独立に、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキルからなる群から選択される。]
の化合物に向けられる。
N−複素環式カルベンを導入したキレート配位子(二座または三座)によって担持されたジルコニウムおよびハフニウム錯体を用いて行われた配位子および錯体の調製はこれまで、「遊離の」カルベンキレート配位子塩とMClまたはClM(OR)−x(M=Zr、Hf)との反応を伴う「古典的な」塩メタセシス経路によってずっと生成されてきた。この方法はしかしながら、2つの大きな欠点を有する:
(i)キレート配位子の金属への配位の前に、多くの場合に安定性に乏しい「遊離の」カルベンの生成が避けられない、および
(ii)ホモレプティックのビス付加錯体が形成し得る。
該して、これらの2つの要因は、反応の収率を大幅に低下させ得る。
本発明において、ビスフェノレート−N−複素環式カルベン4族錯体のまっすぐに進み、高収率のワンステップ合成が、o−ヒドロキシアリール置換イミダゾリニウムとClZr(OR)−xとの反応に伴うアルコールの脱離経路により開発された(図3)。上記手法により、種々の4族クロロおよび/またはアルコキシド誘導体を入手することができる。
特に、後者のクロロ錯体は、優れた収率で、対応するアルキルおよび/またはアルコキシド誘導体に容易に転化することもできる(図5)。従って、イミダゾリニウム前駆体から出発する1つまたは2つの合成段階において、幅広い種類のビスフェノレート−N−複素環式カルベン4族錯体に高収率で容易に到達することができる。あるいは、ジルコニウム誘導体の場合に図6に例証されるように、o−ヒドロキシアリール置換イミダゾリニウムプロ配位子の脱プロトン化、および後続のMClでの塩メタセシスによって、アルコール脱離法で得られるよりも低い収率ではあるが、対応の金属錯体を得ることができる。
式(I)のジルコニウムおよびハフニウム錯体は、好ましくは、1当量の金属前駆体(例えば金属アルコキシド、金属アミド、金属アルキルもしくは金属ハロゲン前駆体のような)の溶液と、1当量の対応する配位子の沸騰溶液との反応により製造される。析出物を標準的な方法に従って単離する。
前記方法に使用される溶媒は、好ましくは、C−Cアルコール類、ジアルキルエーテルオキシド類、アルキルニトリル類、芳香族化合物、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンまたはこれらの溶媒の混合物からなる群から選択される。2、3の例を挙げると、THF,トルエンのような非プロトン性溶媒、または例えばジクロロメタンのようなハロゲン化溶媒が特に好ましい。
前記方法は、10〜150℃の範囲の温度で、好ましくは室温〜140℃の温度で実施される。反応混合物は次いで、少なくとも数分間、最大24時間攪拌される。反応時間および反応温度は、モノマーおよび溶媒(使用する場合)に依存する。反応はニートで行うことができる。
特記しない限り、全ての操作は、標準的なSchlenk技術を用いる乾燥窒素の不活性雰囲気下において実施した。溶媒は、標準的な方法によって精製および乾燥した。全ての試薬は市販されており、一般に認められているように使用した。1Hおよび13C NMRスペクトルをBruker Avance 300 spectrometerにおいて300MHzおよび75MHzで記録し、溶媒の残存プロトンのピークを参照として用いた。赤外スペクトルは、FT−IR Perkin Elmer 1600において得た。マススペクトルは、「service de spectrometrie de masse de l’Universite Louis Pasteur」によって記録した。元素分析は「service commun d’analyse elementaire of the Strasbourg Chemistry Department」によって行った。
配位子合成:N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾリウムクロリド(1)
MeOH(150ml)におけるN,N−ビス(2−ヒドロキシ−5 3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチレンジアミン(5.0g,10.7mmol)の溶液に、2.10mlの濃HCl(10M)を空気中において室温で滴加した。白色の固体が完全に溶解した後で、溶液を減圧下で蒸発させ、真空下で乾燥させることにより、対応のジヒドロクロリド塩を得た。これは単離せず、特徴付けも行わなかった。得られた固体にトリエチルオルトホルメートを添加し(50ml)、フラスコを室温でN下において1日撹拌した。ジエチルエーテル(50ml)を添加し、白色の固体をろ過し、ジエチルエーテルで2回洗浄することにより、所望の生成物(5.22g,10.1mmol,94%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.32(s,2H),8.16(s,1H),7.37(d,J=2.3Hz,2H),6.95(d,J=2.4Hz),4.64(s,4H),1.43(s,18H),1.29(s,18H);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ158.8,148.7,143.1,140.3,125.3,123.9,119.7,51.7,35.5,34.3,31.1,29.3.HRMS(ESI)m/z:found479.3632,calcd for[C3147]+479.3638。
N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−オクタヒドロベンゾイミダゾリウムクロリド(2)。MeOH(40ml)におけるN,N−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(2.0g,3.8mmol)の溶液に、0.8mlの濃HCl(10M)を空気中において室温で滴加した。白色の固体が完全に溶解した後で、溶液を減圧下で蒸発させ、真空下で乾燥させることにより、対応のジヒドロクロリド塩を得た。これは単離せず、特徴付けも行わなかった。得られた固体にトリエチルオルトホルメートを添加し(10ml)、フラスコを室温でN下において1日撹拌した。ジエチルエーテル(20ml)を添加し、白色の固体をろ過し、ジエチルエーテルで2回洗浄することにより、所望の生成物(1.42g,2.5mmol,66%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ9.31(s,2H),8.33(s,1H),7.36(d,J=2.4Hz,2H),6.86(d,J=2.4Hz,2H),4.59(m,2H),2.3−19(m,4H),1.42(s,18H),1.29(s,18H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ159.9,149.1,142.8,141.4,125.5,123.3,119.5,70.9,35.6,34.3,31.4,29.6,27.8,23.9.HRMS(ESI)m/z:found531.3949,calcd for[C3551]+531.3951。
N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾイミダゾリウムクロリド(3)。MeOH(50ml)におけるN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−1,2−フェニレンジアミン(4.9g、9.5mmol)の溶液に、1.9mlの濃HCl(10M)を窒素下において室温で滴加した。1時間撹拌後、固体をろ過により単離し、ヘキサンで洗浄し、乾燥した(約5gの対応するジヒドロクロリド塩)。得られた固体にトリエチルオルトホルメートを添加し(50ml)、フラスコを室温でN下において1日撹拌した。ジエチルエーテル(20ml)を添加し、固体をろ過し、MeOH/ジエチルエーテルから再結晶化することにより、所望の生成物(2.1g,3.7mmol,39%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ9.28(s,2H),9.04(s,1H),7.61−7.57(m,4H),7.55(d,J=2.4Hz,2H),7.15(d,J=2.4Hz,2H),1.48(s,18H),1.34(s,18H));13C NMR(75MHz,CDCl3)δ149.3,143.0,141.8,141.4,132.4,127.8,126.9,120.9,114.5,35.85,34.5,31.5,29.6.HRMS(ESI)m/z:found527.3637,calcd for[C3547]+527.3638。
ジルコニウムおよびハフニウム錯体合成
LZr(Cl)(OPr)(THF)、L=配位子(1)
Zr(OPr)PrOH(752.6mg,1.94mol)のTHF溶液(5mL)を室温で、撹拌した塩化イミダゾリウム塩1(1.0g,1.94mmol)のTHF溶液(100ml)に、ピペットによって添加した。ジルコニウム試薬の添加後に、最初の無色溶液がゆっくりと黄/緑色に変化した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発乾固することにより、NMR分光法によって決定されるように、適量でLZr(Cl)(OPr)(THF)の黄/緑色の固体残渣が得られた。必要に応じて、THF/ペンタン(1/5)の再結晶によって、精製段階を適用することができる(1.14g,80%収率)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ:7.21(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),6.98(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),4.48−4.21(m,4H,NCH),4.18(hept,J=6.2Hz,1H,OPr),3.76−3.63(m,4H,THF),1.77−1.69(m,4H,THF),1.56(s,18H,Bu),1.37(s,18H,Bu),0.94(d,J=6.3Hz,6H,CH−OPr).13C NMR(75MHz,CDCl)δ:200.0(NCN),149.1(Cipso,O−アリール),139.8(Cquat,アリール),138.2(Cquat,アリール),130.6(Cquat,アリール),119.8(CH,アリール),112.7(CH,アリール),73.9(CH,OPr),70.2(CH,THF),48.1(CH,NCH),36.0(CquatBu),34.8(CquatBu),31.9(CHBu),30.2(CHBu),26.6(CH,OPr),25.7(CH,THF)。
LHf(Cl)(OPr)(THF)、L=配位子(1)
Hf(OPr)PrOH(230.5mg,0.485mol)のTHF溶液(4mL)を室温で、撹拌した塩化イミダゾリウム塩1(250.0mg,0.485mmol)のTHF溶液(20ml)に、ピペットによって添加した。ハフニウム試薬の添加後に、最初の無色溶液がゆっくりと黄/緑色に変化した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発乾固することにより、黄/緑色の固体残渣が得られた。粗製生成物のTHF/ペンタン(1/5)からの再結晶化後に、純粋なLHf(Cl)(OPr)(THF)が黄色の固体として得られた(267.1mg,67%収率)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ:7.22(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),6.97(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),4.46−4.22(m,5H,NCH and OPr),3.79−3.70(m,4H,THF),1.73−1.66(m,4H,THF),1.55(s,18H,Bu),1.37(s,18H,Bu),0.92(d,J=6.3Hz,6H,CH−OPr).13C NMR(75MHz,CDCl)d:203.7(NCN),149.4(Cipso,O−アリール),139.7(Cquat,アリール),138.9(Cquat,アリール),130.7(Cquat,アリール),119.9(CH,アリール),112.6(CH,アリール),72.8(CH,OPr),71.5(CH,THF),48.1(CH,NCH),35.9(CquatBu),34.8(CquatBu),31.9(CHBu),30.2(CHBu),26.9(CH,OPr),25.6(CH,THF)。
LZr(OPr)、L=配位子(1)
グローブ・ボックスにおいて、LiOPr(THFにおける2M溶液、68.2μL,0.136mmol)を室温で、予め冷却した(−35℃)クロロイソプロポキシジルコニウム錯体LZr(Cl)(OPr)(THF)(100.0mg,0.136mmol)のTHF溶液(15mL)に、マイクロシリンジによって添加した。数分以内に、最初の淡い黄色の溶液がより明るくなった。反応混合物を室温に温め一晩撹拌することにより、黄色溶液が得られた。蒸発乾固、それに続くトルエンの添加、および得られた懸濁液のガラス・フリット上のCeliteを通したろ過により、蒸発後に、粗製の淡い緑色の固体が得られた。後者の固体をペンタンで洗浄することにより、NMR分光法によって決定されるようにLZr(OPr)が得られる。
H NMR(300MHz,CDCl)δ:7.05(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),6.91(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),4.46−4.00(m,6H,NCH and CH−OPr),1.36(s,18H,Bu),1.29(d,J=6.3Hz,6H,CH−OPr),1.26(s,18H,Bu),0.68(d,J=6.3Hz,6H,CH−OPr).δ:201.8(NCN),151.1(Cipso,O−アリール),138.2(Cquat,アリール),137.7(Cquat,アリール),130.9(Cquat,アリール),119.3(CH,アリール),112.2(CH,アリール),71.8(CH,OPr),70.2(CH,OPr),47.9(CH,NCH),36.0(CquatBu),34.8(CquatBu),31.9(CHBu),30.9(CHBu),27.1(CH,OPr),26.3(CH,OPr)。
LZr(Cl)(NMe)(THF)、L=配位子(1)
予め冷却した塩化イミダゾリウム塩L(250.0mg,0.485mmol)のTHF溶液(25mL,−78℃)を、−78℃に冷却したZr(NMe2)4(129.8mg,0.485mmol)のTHF溶液(5mL)に、シリンジによって滴加した。ジルコニウム試薬の添加後に、最初の無色溶液がゆっくりと黄/緑色に変化し、続いて、室温に温め、一晩撹拌した。蒸発乾固することにより、黄/緑色の残渣が得られ、これをTHF/ペンタン(1/5)における再結晶化後に、純粋なLZr(Cl)(NMe)(THF)が黄色の粉末として得られた。
H NMR(300MHz,CDCl)δ:7.26(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),7.03(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),4.52−4.24(m,4H,CH),3.66−3.52(m,4H,THF),2.82(s,6H,N−CH),1.68−1.62(m,4H,THF),1.60(s,18H,Bu),1.37(s,18H,Bu).13C NMR(75MHz,CDCl)δ:202.9(NCN),148.2(Cipso,O−アリール),140.4(Cquat,アリール),138.4(Cquat,アリール),131.3(Cquat,アリール),119.9(CH,アリール),112.9(CH,アリール),70.6(CH,THF),48.2(CH,NCH),45.4(CH,NCH),36.0(CquatBu),34.9(CquatBu),31.9(CHBu),30.5(CHBu),25.6(CH,THF)。
LZr(Cl)(NMe)(HNMe)、L=配位子(1)
予め冷却した塩化イミダゾリウム塩L(250.0mg,0.485mmol)のCHCl溶液(25mL,−78℃)を、−78℃に冷却したZr(NMe(129.8mg,0.485mmol)のTHF溶液(5mL)に、シリンジによって滴加した。ジルコニウム試薬の添加後に、最初の無色溶液がゆっくりと黄/緑色に変化し、続いて、室温に温め、一晩撹拌した。蒸発乾固することにより、緑色の残渣が得られ、これのジクロロメタン/ペンタン(1/5)における再結晶化後に、純粋なLZr(Cl)(NMe)(HNMe)が緑色の粉末として得られた(186.4mg、60%収率)。
H NMR(300MHz,C)δ:7.54(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),6.81(d,J=2.2Hz,2H,アリール−H),3.36−3.19(m,4H,CH),3.14(s,6H,N−CH),1.88(s,18H,Bu),1.42(s,18H,Bu),1.69(br,6H,HNMe)。
LZr(Cl)(Bn)、L=リガンド(1)
予め冷却したZr(Bn)(177.0mg,0.388mmol)のトルエン溶液(25mL,−35℃)を、−35℃に冷却した塩化イミダゾリニウム塩L(200.0mg,0.388mmol)のトルエン懸濁液(20mL)に、シリンジによって滴加した。ハフニウム試薬の添加後に、最初の無色溶液がゆっくりと黄色に変化し、続いて、室温に温め、一晩撹拌した。蒸発乾固することにより、黄色の残渣が得られ、これのペンタンでの洗浄後に、LZr(Cl)(Bn)が淡黄色の粉末として得られた。
H NMR(300MHz,CD2Cl2):δ7.30(d,2H,J=2.2Hz,アリール−H),6.93(d,2H,J=2.2Hz,アリール−H),6.65−6.45(m,3H,Bn),6.28−6.17(m,2H,Bn),4.26−4.00(m,4H,CH),2.89(s,2H,Bn),1.66(s,18H,tBu),1.39(s,18H,tBu).13C NMR(75MHz,CD2Cl2)204.3(Cquat,NCN),147.3(Cquat),142.0(Cquat),138.2(Cquat),131.9(Cquat),131.7(Cquat),131.6(CH),128.6(CH),124.0(CH),119.8(CH),112.2(CH),62.5(CH,Bn),48.5(CH,NCH),36.0(Cquat,tBu),35.0(Cquat,tBu),31.9(CH,tBu),30.3(CH3,tBu)。
Zr(Bn)、L=配位子(1)
グローブ・ボックスにおいて、BnMgCl(Et0における1M溶液、144.0μL,0.144mmol)を室温で、予め冷却した(−35℃)クロロベンジルジルコニウム錯体LZr(Cl)(Bn)(100.0mg,0.144mmol)のトルエン溶液(15mL)に、マイクロシリンジによって添加した。数分以内に、最初の淡い黄色の溶液が曇った。反応混合物を室温に温め一晩撹拌した。得られた懸濁液のガラス・フリット上のCeliteを通したろ過、それに続く蒸発乾固により粗製の淡黄色固体が得られた。後者の固体をジクロロメタン/ペンタン(1/5)において再結晶化させることにより、NMR分光法によって決定されるように純粋なLZr(Bn)が得られた(78mg、78%収率)。
H NMR(300MHz,CD2Cl2):δ7.27(d,2H,J=2.2Hz,アリール−H),6.92(d,2H,J=2.2Hz,アリール−H),6.83−6.74(m,4H,Bn),6.72−6.64(m,2H,Bn),6.62−6.55(m,4H,Bn),4.10(s,4H,CH2),1.94(s,4H,Bn),1.66(s,18H,tBu),1.39(s,18H,tBu).13C NMR(75MHz,CD2Cl2)205.8(Cquat,NCN),148.0(Cquat),140.9(Cquat),139.0(Cquat),137.3(Cquat),131.9(Cquat),129.3(CH),129.0(CH),122.2(CH),119.4(CH),112.7(CH),55.0(CH2,Bn),48.4(CH2,NCH2),36.1(Cquat,tBu),34.9(Cquat,tBu),31.9(CH3,tBu),30.5(CH3,tBu)。
Hf(Cl)(Bn)
予め冷却したHf(Bn)(210.8mg,0.388mmol)のトルエン溶液(5mL,−35℃)を、−35℃に冷却した塩化イミダゾリニウム塩L(200.0mg,0.388mmol)のトルエン懸濁液(20mL)に、シリンジによって滴加した。ハフニウム試薬の添加後に、最初の無色溶液がゆっくりと黄色に変化し、続いて、室温に温め、一晩撹拌した。蒸発乾固することにより黄色の残渣が得られ、これをペンタンで洗浄した後に、LHf(Cl)(Bn)が黄色の粉末として得られた。
H NMR(300MHz,CD2Cl2):δ7.32(d,2H,J=2.2Hz,アリール−H),6.91(d,2H,J=2.2Hz,アリール−H),6.65−6.57(m,1H,Bn),6.56−6.47(m,2H,Bn),,6.31−6.23(m,2H,Bn),4.27−3.98(m,4H,CH),2.64(s,2H,Bn),1.67(s,18H,tBu),1.39(s,18H,tBu).13C NMR(75MHz,CD2Cl2)209.1(Cquat,NCN),147.8(Cquat),141.8(Cquat,),138.7(Cquat),132.4(Cquat),131.5(Cquat),131.5(CH),128.3(CH),124.0(CH),119.9(CH),112.3(CH),65.9(CH,Bn),48.5(CH,NCH),35.9(Cquat,tBu),35.0(Cquat,tBu),31.9(CH3,tBu),30.3(CH3,tBu)。
開環重合(ROP)工程
全体的な重合手順。
バイアルにZrまたはHf開始剤を仕込み、必要に応じて溶媒に溶解した。その後、X当量(X=M/I)のモノマーを添加し、反応混合物を考慮された温度で所望の時間加熱した。続いて、該溶液をMeOHでクエンチし、蒸発乾固した。H NMRにより、モノマーのポリマーへの転化が示された。得られた物質をNMR分光法、SECおよびMALDI−TOF質量分析により調べた。
− LZr(Cl)(OPr)(THF)、L=配位子(1)を開始剤として用いるラセミラクチドの構造制御重合:
Figure 2014505027
Figure 2014505027
− LZr(Cl)(OPr)(THF)、L=配位子(1)を開始剤として用いるβ−ブチロラクトンおよびε−カプロラクトンの重合:
Figure 2014505027
− LHf(Cl)(OPr)(THF)、L=配位子(1)を開始剤として用いるrac−ラクチドの立体制御された重合:
一般的な重合手順を用いて、100当量のrac−ラクチドをジクロロメタンにおいて15時間、室温で、約75%の転化率で重合した。Prは>0.95であることが見出された。
− LZr(Cl)(Bn)(THF)、L=配位子(1)を開始剤として用いるrac−ラクチドの立体制御された重合:
一般的な重合手順を用いて、20当量のrac−ラクチドをジクロロメタンにおいて15時間、室温で重合し、完全に転化した。

Claims (4)

  1. ラクトンの開環重合用触媒として使用するための、式(I)で表されるN−複素環式カルベン:
    Figure 2014505027
    [式中、
    MはZrまたはHfから選択され、
    R1は、ハロゲン、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、ベンジル(Bn)、アリールオキシ、ベンジルオキシまたは式N(R7)(R8)のアミドから選択され、
    R2は任意であって、配位性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、水、アセトニトリル、ジメチルアミンまたは他の弱配位性配位子であり、
    Xはハロゲン(Cl、Br、F、I)、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、ベンジル(Bn)、アリールオキシ、ベンジルオキシまたは式N(R7)(R8)のアミドから選択され、
    R3およびR4は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、ハロゲン(Cl、Br、F、I)によって場合により置換されている前記アルキル基;C−C10アルコキシ、非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択され、
    R5およびR6は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、ハロゲン(Cl、Br、F、I)によって場合により置換されている前記アルキル基;非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択され、
    R5およびR6は、場合により一緒に連結して不飽和もしくは飽和の5〜6員環を形成していてもよく、前記環は1つまたはそれ以上のキラル中心を有することができ、
    R7およびR8は、互いに独立して、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択される]。
  2. MがZrから選択され、
    R1がCl、Br、C−Cアルコキシ、アリールオキシから選択され、
    R2が任意であって、配位性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアミンであり、
    XがCl、Br、C−Cアルコキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、C−Cアルキルまたはベンジルから選択され、
    R3およびR4が互いに独立に、水素、CH、C、C、Cからなる群から選択され、
    R5およびR6が互いに独立に、水素、CH、C、C、Cからなる群から選択され、
    R5およびR6は、場合により一緒に連結して不飽和もしくは飽和の5〜6員環を形成していてもよく、飽和の場合、この環は2つのキラル中心をすることができ、使用できる典型的な原料は、R,R−S,S−R,Sシクロへキシレンジアミンであり、
    R7およびR8が互いに独立に、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキルからなる群から選択される、
    請求項1記載のN−複素環式カルベン。
  3. 式(I)
    Figure 2014505027
    で表される化合物の製造方法であって、少なくとも1当量のZrもしくはHf金属塩の溶液を、1当量の対応する配位子の沸騰溶液と反応させ、溶液を10〜150℃の範囲の温度で最大24時間攪拌する、製造方法。
  4. 溶媒が、C−Cアルコール類、ジアルキルエーテルオキシド類、アルキルニトリル類、芳香族化合物、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンまたはこれらの溶媒の混合物からなる群から選択される、請求項3記載の方法。
    式(I)
    Figure 2014505027
    [式中、
    MはZrまたはHfから選択され、
    R1は、ハロゲン、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、ベンジル(Bn)、アリールオキシ、ベンジルオキシまたは式N(R7)(R8)のアミドから選択され、
    R2は任意であって、配位性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、水、アセトニトリル、ジメチルアミンまたは他の弱配位性配位子であり、
    Xはハロゲン(Cl、Br、F、I)、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリール、ベンジル(Bn)、アリールオキシ、ベンジルオキシまたは式N(R7)(R8)のアミドから選択され、
    R3およびR4は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、ハロゲン(Cl、Br、F、I)によって場合により置換されている前記アルキル基;C−C10アルコキシ、非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択され、
    R5およびR6は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、ハロゲン(Cl、Br、F、I)によって場合により置換されている前記アルキル基;非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択され、
    R5およびR6は、場合により一緒に連結して不飽和もしくは飽和の5〜6員環を形成していてもよく、前記環は1つまたはそれ以上のキラル中心を有することができ、
    R7およびR8は、互いに独立して、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、非置換フェニルまたは置換フェニル(ハロゲン、C−C10アルキルまたはニトロである置換基を有する)からなる群から選択される]
    で表される化合物を触媒として使用することを特徴とする、ラクチドをベースとするポリエステルの製造のための触媒的方法。
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