JP2014504333A - ジルコニウム、銅、及び金属キレート化剤を含有する金属前処理用組成物、並びに金属基材の関連するコーティング - Google Patents

ジルコニウム、銅、及び金属キレート化剤を含有する金属前処理用組成物、並びに金属基材の関連するコーティング Download PDF

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Abstract

金属前処理コーティング用組成物中の銅をキレート化し、それによって前処理コーティング用組成物によってコーティングされた金属基材の塗装密着性を改善する金属キレート化剤を含む、金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物が開示される。この前処理コーティング用組成物は、金属キレート化剤を含まないものよりもポットライフが長く、従って、処理時間の広い許容範囲に対応することができる。キレート化剤は、金属基材上に付着した前処理皮膜中において、銅の平均合計原子%が、ジルコニウムの原子%に対して確実に1.1以下となるのに十分な量で存在する。この前処理コーティング用組成物は、様々な金属基材の処理に有用である。
【選択図】 図4

Description

(関連出願)
本出願は、2010年12月7日出願の米国特許仮出願第61/420,509号の優先権を主張するものであり、その全内容が参照されることによって本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本発明は、コーティング用組成物全般、特に、金属基材にコーティングする時間が延長された後であっても、塗装密着性を向上させることができるコーティング用組成物に関する。本発明はまた、このコーティング用組成物から得られた皮膜、これらのコーティング処理方法、及びコーティングされた基材にも関する。
前処理コーティングは、保護又は装飾コーティングの前に、金属基材、特に鋼鉄などの鉄を含有する金属基材へ実施されることが多い。前処理コーティングにより、金属基材に対する腐食の量が最小限に抑えられる。加えて、前処理コーティングは、続いて形成される塗装及びクリアコートなどの装飾皮膜の密着性に影響を与え得る。現行の前処理コーティング用組成物の多くは、リン酸の金属塩を主体としており、及び/又はクロム含有水洗液に依存している。リン酸の金属塩及びクロムの水洗溶液は、環境にとって有害である廃液流を発生させる。その結果、その廃棄に伴うコストは増加する一方である。リン酸の金属塩及びクロムの廃液を発生させることのない前処理コーティング用組成物及びそのような組成物で処理する方法を開発することが注目されている。また、商業目的物の多くが2種類以上の金属基材を含有することから、これらの前処理コーティング用組成物は、様々な金属基材上において、腐食を最小限に抑え、装飾皮膜の密着性を高めることに効果的であることも好ましい。例えば、自動車産業では、2種類以上の金属基材を含有する金属部材に依存する場合が多い。2つ以上の金属基材に効果的であるコーティング組成物を使用すれば、より能率性の高い製造プロセスが得られることになる。
本発明のコーティング用組成物は、これらが通常は、基材が洗浄された後、種々のプライマー及び装飾コーティングが行われる前に処理されることから、前処理コーティング用組成物と称される。自動車産業では、コーティングは、多くの場合、基材から外側へ向かう順で以下の層:耐腐食性のための前処理コーティング、電着塗装、次にプライマー層、ベースコート塗装、そして次にトップクリアコート、を含む。本出願では、特に断りのない限り、前処理コーティング後のコーティングはすべて塗装と見なされる。公知の前処理コーティング用組成物の1つとしては、ヘンケルアドヒーシブテクノロジー(Henkel Adhesive Technologies)から入手可能であるBonderite(登録商標)958である。Bonderite(登録商標)958は、亜鉛、ニッケル、マンガン、及びリン酸塩を含む、亜鉛−リン酸塩ベースの化成処理コーティング用組成物を提供する。現在、Bonderite(登録商標)958は、自動車産業において広く用いられている標準的な化成処理コーティング用組成物である。
化成処理コーティング分野の当業者に重金属であると知られている亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、及びクロムを含む化成処理や、リン酸塩の廃液流を発生させる化成処理コーティングから脱する試みとして、新しい種類の環境にやさしい化成処理コーティング用組成物が作り出されてきた。この新しい種類のコーティング用組成物は、一般に、コーティング用組成物中に溶解したジルコニウムを含有する処理浴との接触によって、金属基材上に付着するジルコニウム系化成処理皮膜を形成するものを含む。ジルコニウム系コーティング技術に基づくものであるこのような化成処理コーティング用組成物は、リン酸塩を含まず、ニッケルもマンガンも含まない。ジルコニウム系コーティングは、前処理コーティングとして自動車産業での使用が増加しつつある。
製造プラントの金属コーティングアセンブリラインは、高度に調整され、注意深くタイミングが決定されている全体プロセスの一部である。金属ワークは、寸法合わせのために切断され、成形され、洗浄され、前処理コーティング用組成物でコーティングされ、次にいくつかの上塗り層でコーティングされる。いくつかの異なる種類の金属がプロセスの一部を別々に通される場合があり、これらは互いに1つの工程に合わせられ、続いて異なる金属のアセンブリとして残りのプロセス工程を進められることになる。これらのプロセスは、1時間あたり何百ものピースに対して実行されるものであり、システムには、プロセスを通される金属ワークの正確な動きが要求される。時折、プロセスラインは停止する場合があり、時にはアセンブリライン中のプロセスの1つにおける問題に起因して突然停止する。ライン停止が発生した場合、ワークはラインの種々の工程中に、望ましい時間よりも非常に長く滞留してしまう。ワークの前処理浴中での滞留が長過ぎると、コーティングされたワークが要求される水準までの性能を示さないことがしばしば見られる。例えば、コーティングされたワークは、所望される耐腐食性、又は塗装密着性の特性を示さないことがある。このことは、スクラップ発生率の上昇、及び潜在的なリコールを引き起こし得るものであり、これは製造コストを上昇させ得る。従って、ポットライフがより長い前処理コーティング用組成物を提供することが望ましく、これは、耐腐食性又は塗装密着性という点で、コーティングされた金属ワークの性能を低下させることなく、金属ワークをより長い時間浴中に浸漬することが可能であることを意味する。
また、腐食防止の向上及び塗装密着性の改善という意味での前処理コーティングの機能性の向上を、広範囲に及ぶ金属基材にまで提供することも望ましい。同時に、このような改善に、既存の工業プロセス又はこれらのプロセスラインに用いられる設備の変更が不要であることも好ましい。
多くのジルコニウム系化成処理コーティング浴は、前処理コーティング及び/若しくはプロセスの特徴を改善するための添加剤として、又は水若しくはコーティングされる金属ワークからの微量金属として、銅を含有する。本発明者らは、その発生源に関わらず、前処理皮膜中に付着するジルコニウム系コーティング浴からの銅の量が他の皮膜成分に対して高すぎると、コーティングされた金属基材の性能に負の影響を及ぼし得ることを見出した。従って、この課題を解決するジルコニウム系コーティング浴を開発することが望ましい。
本発明は、いわゆるジルコニウム系であり、より長いポットライフ、及び耐腐食性を低下させることなく高められた塗装密着性を提供する金属前処理コーティング用組成物を提供するものである。本発明はまた、そのコーティング用組成物から得られた皮膜及びコーティングされた基材にも関する。
1つの実施形態では、水、並びに、溶解Zr、フッ化物源、銅キレート化剤、所望に応じて含んでよいケイ素、ホウ素及びイットリウムのうちの1つ以上を含む物質、及び所望に応じて添加してよい溶解Cuを含む、金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物が提供される。望ましくは、金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物の前記銅キレート化剤は、金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物と接触して形成される金属基材上のジルコニウム系皮膜中の銅の量を低減する能力を有し、前記銅キレート化剤の存在量は、それによって金属基材上に付着した前記皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下となるのに十分な量である。
1つの実施形態では:
A)50ppmから300ppmの前記溶解Zr、
B)0ppmから50ppmの前記添加された溶解Cu、
C)0ppmから100ppmのSiO
D)150ppmから2000ppmの全フッ化物、
E)10ppmから100ppmの遊離フッ化物、及び、
F)少なくとも10ppmの前記銅キレート化剤、
を含む金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物が提供される。
1つの実施形態では、添加された溶解Cuがコーティング用組成物中に存在し、銅キレート化剤は、25ppmから1500ppmの量で存在する。
1つの実施形態では、銅キレート化剤は、複数のカルボン酸及び/又はホスホン酸官能基を有する分子から選択される。望ましくは、銅キレート化剤は、アミノサリチル酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、シアヌル酸、ジエチレントリアミン−ペンタメチレンホスホン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジメチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ヒドロキシグルタミン酸、イミノジコハク酸、コウジ酸、乳酸、マロン酸、ニトリロ三酢酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ニトロサリチル酸、シュウ酸、ポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸、サリチル酸、酒石酸、及び前記酸の塩から成る群より選択される。
1つの実施形態では、上述の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物は、酒石酸及び/又はその塩を含む銅キレート化剤を有する。
本発明の別の態様は:
a)所望に応じて行ってよい金属基材を洗浄する工程;
b)金属基材に、前述の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物を適用し、それによって金属基材上に前処理皮膜を形成する工程であって;
銅キレート化剤が、金属基材上に付着した前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下となるのに十分な量で前記金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物中に存在する、工程;及び、
c)金属前処理コーティングされた金属基材を塗装する工程、
を含む、金属基材への塗装密着性を改善するための方法である。
本発明の別の態様は:
a)金属基材へ前処理コーティング用ジルコニウム系組成物を適用する前に、金属基材を、銅キレート化剤及び所望に応じて銅を含む前水洗(pre−rinse)と接触させる工程;
b)金属基材に、溶解Zr、フッ化物源、所望に応じて含んでよいケイ素、ホウ素及びイットリウムのうちの1つ以上を含む物質、並びに所望に応じて添加してよい溶解Cuを含む金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物を適用し、それによって金属基材上に前処理皮膜を形成する工程、を含み、
銅キレート化剤は、金属基材上に付着した前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下となるように、前処理コーティング用ジルコニウム系組成物によって金属基材上に付着する銅の量を制御するのに十分な量で前水洗(pre−rinse)中に存在する、前処理コーティング用ジルコニウム系組成物による前処理が施された金属基材の塗装密着性を改善するための方法である。
1つの実施形態では、銅キレート化剤は、少なくとも10ppm及び最大2000ppmの量で存在する。
本発明の別の態様は、コーティングされた金属基材を有する製造品であって、該製造品は、:金属基材;前記金属基材上に付着した、前記基材からの金属、ジルコニウム、酸素、銅、並びに所望に応じて含んでよい元素であるフッ素及び炭素を含む前処理皮膜、を含み;、金属基材上の前処理皮膜におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比は、1.1以下である。
1つの実施形態では、金属基材上の前処理皮膜におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が約0.9から0.02である製造品が提供される。
1つの実施形態では、前処理皮膜の外側表面から金属基材までの一連の深さにて測定された前記前処理皮膜中のCuの原子%が、前記深さのいずれにおいても33原子%を超えない製造品が提供される。
1つの実施形態では、前処理皮膜へ塗装された少なくとも1つの塗膜をさらに有し、その結果塗装されコーティングされた基材が形成され、該塗膜はASTM 3330M(2004年10月1日改定)に従って試験された場合に少なくとも95%の塗膜残留が達成される製造品が提供される。
1つの実施形態では、前処理皮膜へ塗装された少なくとも1つの塗膜をさらに有し、その結果塗装されコーティングされた基材が形成され、該塗膜はASTM B117(2007年12月15日改定)に従って試験された場合に1.9mm以下の平均クリープ腐食が達成される製造品が提供される。
1つの実施形態では、本発明は:50ppmから300ppmの溶解Zr、0ppmから50ppmの溶解Cu、0ppmから100ppmのSiO、150ppmから2000ppmの全フッ化物、10ppmから100ppmの遊離フッ化物、及びキレート化剤、を含む金属前処理コーティング用水性組成物に関する。
1つの実施形態では、本発明の前処理コーティング用ジルコニウム系組成物は、前処理皮膜を提供し、金属基材上の前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比は、1.1以下である。さらなる実施形態では、この比は、好ましさが増加する順序で、1.10から下方に、1.05、1.0、0.95、0.90、0.85、0.80、0.75、0.70、0.65、0.60、0.55、0.50に変動し、及び、好ましさが増加する順序で、0.0001、0.0005、0.0010、0.0050、0.010、0.050以上である。特定の実施形態では、例えば、コーティング組成物中に添加されたCuが存在しない場合、付着した皮膜中のZrに対するCuの比は、ゼロであり得る。
別の実施形態では、本発明は:金属基材を提供する工程;金属基材に、50ppmから300ppmの溶解Zr、0ppmから50ppmの溶解Cu、0ppmから100ppmのSiO、150ppmから2000ppmの全フッ化物、10ppmから100ppmの遊離フッ化物、及びキレート化剤を含む金属前処理コーティング用水性ジルコニウム系組成物を適用し、それによって、金属基材上に前処理皮膜を形成する工程であって、キレート化剤は、金属基材上の前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下となるような量で存在する、工程;並びに、金属前処理コーティングされた金属基材に塗装する工程、を含む、金属基材の塗装密着性を改善するための方法に関する。
前処理コーティングは、冷間圧延鋼(CRS)、熱間圧延鋼、ステンレス鋼、電気亜鉛めっき鋼(EG)、Galvalume(登録商標)などの55%アルミニウム−亜鉛合金コーティング鋼板、ガルバニール(完全合金化鉄−亜鉛めっきを有する鋼板)(HIA)、及び溶融亜鉛めっき鋼(HDG)などの亜鉛金属、亜鉛合金でコーティングした鋼鉄、AL6111などのアルミニウム合金、並びにアルミニウムめっき鋼基材を含む様々な金属基材上に用いることができる。本発明が提供する1つの利点は、本発明の前処理コーティング用組成物によって広範囲の金属基材の不動態化が可能であることから、2種類以上の金属基材を含有する部材を、単一プロセスで不動態化することができることである。
別の実施形態では、本発明は、基材からの金属、ジルコニウム、酸素、銅、並びに所望に応じて含んでよい元素であるフッ素及び炭素を含む前処理皮膜が前記金属上に付着した金属基材を含む、コーティングされた基材に関し;金属基材上の前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比は、1.1以下である。1つの実施形態では、コーティングされた基材は、前処理皮膜に塗装された少なくとも1つの塗膜をさらに含み、ここで、塗装されコーティングされた基材は、ASTM 3330M(2004年10月1日改定)に従って試験された場合に少なくとも95%の塗膜残留を達成する。
本発明のこれらの及びその他の特徴及び利点は、当業者であれば、好ましい実施形態の詳細な記述からより明らかとなる。請求項及び実施例を除いて、又は特に断りのない限りにおいて、物質の量、又は反応及び/若しくは使用の条件を示す本明細書における全ての数値量は、「約」の単語によって修飾されて本発明の最も広い範囲を述べるものとして理解されるべきである。記述された数値範囲内での実施が一般的に好ましい。また、本明細書全体を通して、特にそうでないことが示されない限りにおいて:パーセント、「部」、及び比の値は、重量基準であり;物質の1つの群又はクラスが、本発明と関連するある目的のために適切又は好ましいとする記述は、その群又はクラスのいずれか2つ以上の要素の混合物も、同等に適切又は好ましいものであることを示唆しており;化学的な意味での成分の記述は、その記述で指定されるいずれかの組み合わせへの添加の時点での成分か、又はその記述で指定される化学反応によってその場(in situ)で生成した時点での成分を意味し、及び混合後の混合物の成分間でのその他の化学的相互作用を必ずしも除外するものではなく:イオンの形態で物質を指定することは、組成物全体として電気的に中性とするために十分な対イオンの存在も加えて示唆しており(好ましくは、可能な限り、このように暗に指定される対イオンはいずれも、イオンの形態で明らかに指定されるその他の成分の中から選択されるべきであり;そうでなければ、そのような対イオンは、本発明の目的に有害に作用する対イオンを避ける以外は、自由に選択してよい);「塗装」の用語は、プライマー、ラッカー、エナメル、ワニス、シェラック、トップコートなどのより特化された用語によって表されるすべての類似のものを含み:並びに、「モル」の用語及びその変化形は、存在する原子の数及び種類によって定められる元素、イオン、及びその他のいずれの化学種にも、並びに十分に明らかにされた分子の化合物にも適用され得るものである。
詳細な説明に添付される図面を以下に記載する。図1A、1B、1C、及び1Dは、冷間圧延鋼上の前処理皮膜の走査型電子顕微鏡(SEM)イメージである。 図2Aは、いくつかの対象領域を丸で囲んだ、図1Aに示されるサンプルのSEMイメージであり、図2Bは、図2A中の丸で囲んだ領域の化学組成のグラフである。 図3Aは、いくつかの対象領域を丸で囲んだ、図1Bに示されるサンプルのSEMイメージであり、図3Bは、図3A中の丸で囲んだ領域の化学組成のグラフである。 図4は、本発明に係る図1Aの前処理コーティング用組成物のX線光電子分光分析のグラフである。 図5は、図1Bの前処理皮膜のX線光電子分光分析のグラフである。
本発明は、金属前処理コーティング用組成物、及びそれを用いて処理するための方法、並びに本発明によって形成される皮膜を含む製造品に関する。本発明は、限定されない例として、コーティング組成物中に溶解ジルコニウムを含有する処理浴との接触によって金属基材上に付着したジルコニウム系化成処理皮膜などのジルコニウム系化成処理コーティング前処理の性能の驚くべき改善を提供するものである。このような化成処理用コーティング組成物は、ジルコニウム及び酸素を含む皮膜を形成する、溶解ジルコニウム及び遊離フッ化物を含む水性コーティング浴によって例示される。このような浴は、通常、水性で、中性から酸性であり、溶解ジルコニウム、添加剤としての又は水若しくは金属基材からの微量元素としての溶解銅、及びフッ化物源を含む。所望に応じて存在してもよい成分としては、ケイ素(例:シリカ、シリケート、シラン)、ホウ素及びイットリウムのうちの1つ以上を含む物質が挙げられ、その特定の実施形態は、リン酸塩を含有せず、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、及びクロムも含有しない。
多くのジルコニウム系コーティング浴は、添加剤として、又は水若しくはコーティングされる金属ワークからの微量元素として、銅を含有する。本発明者らは、その発生源に関わらず、皮膜中に付着した、ジルコニウム系コーティング浴からの銅が、皮膜中に望ましくない形態を発生させる量、及び/又は望ましいレベルを超える量で存在する場合、コーティングされた金属基材の性能に負の影響を与え得ることを見出した。
多くの前処理コーティング用ジルコニウム系組成物が、本発明から恩恵を受けることができる。コーティング浴は、通常、水性で、中性から酸性であり、溶解ジルコニウム、溶解銅、フッ化物源、並びに硫酸塩及び/又は硝酸塩を例とする溶解金属に対する対イオンを含む。所望に応じて存在してもよい成分としては、ケイ素(例:シリカ、シリケート、シラン)、ホウ素及びイットリウムのうちの1つ以上を含む物質が挙げられる。前処理コーティング用ジルコニウム系組成物は、一般的には無機酸であるが所望に応じて有機酸であってもよい酸;及び/又はアルカリ源を含有していてもよい。酸及び/又はアルカリは、組成物中の他の成分の供給源であってもよく、pHの制御に用いてもよく、又はその両方であってもよい。本発明に係る前処理コーティング用ジルコニウム系組成物は、同様に、本明細書で述べる物質から成るか、本質的に成っていてもよい。
本発明に係るコーティング用組成物は、塗装密着性が改善され、耐腐食性は維持されたジルコニウム系皮膜を形成する。これらの及びその他の有益性は、浴又は濃縮物としてのコーティング用ジルコニウム系組成物へ、キレート化剤、好ましくは銅金属キレート化剤を添加して、前処理コーティング用ジルコニウム系組成物によって金属基材上に付着する銅の量を制御することによって達成される。このキレート化剤は、使用前の前処理コーティング用ジルコニウム系組成物中に銅が存在しない場合であっても、浴の劣化、並びに、先の洗浄若しくは水洗工程からなどの水からの、及び/又はコーティングされる金属ワークからの微量元素としての銅の浴中への混入により、後に銅が付着することを予防するための保護剤として、前処理コーティング用ジルコニウム系組成物に添加することができる。また、キレート化剤を含めることにより、塗装密着性又は腐食防止に負の影響を与えることなく広範囲の浸漬時間が可能となることから、前処理コーティング浴のポットライフも延長される。
本発明の1つの実施形態では、50ppmから300ppmの溶解Zr、0ppmから50ppmの溶解Cu、0ppmから100ppmのSiO、150ppmから2000ppmの全フッ化物、10ppmから100ppmの遊離フッ化物、及びキレート化剤を含む前処理コーティング用ジルコニウム系組成物が提供される。すなわち、組成物は:50、60、70、80、90、100、120、130、140、又は150ppmから160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、又は300ppmの溶解Zr;0、5、10、15、又は20ppmから25、30、35、40、45、又は50ppmの溶解Cu;0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50ppmから60、65、70、75、80、85、90、95、又は100ppmのSiO;150、170、190、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、700、800、900、又は1000ppmから1150、1170、1190、1200、1225、1250、1275、1300、1325、1350、1375、1400、1425、1450、1475、1500、1525、1550、1575、1600、1700、1800、1900、又は2000ppmの全フッ化物;10、15、20、25、30、35、40、45、又は50ppmから60、65、70、75、80、85、90、95、又は100ppmの遊離フッ化物、及びキレート化剤など、開示される範囲内の量を含んでよい。
本発明の別の実施形態では、100ppmから300ppmの溶解Zr、0ppmから50ppmの溶解Cu、0、25、50、75、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、又は2000ppmから2500、3000、4000、4500、又は5000ppmのSO、100ppmから1600ppmの全フッ化物、10ppmから200ppmの遊離フッ化物、及びキレート化剤を含む前処理コーティング用ジルコニウム系組成物が提供される。
キレート化剤は、ジルコニウム系皮膜内に付着する銅の量を低減する能力を有するいかなるキレート化剤であってもよい。キレート化剤は、銅金属キレート化剤であってもよい。本発明で用いることができ、その多くが複数のカルボン酸及び/又はホスホン酸官能基を有する分子である代表的なキレート化剤の部分的なリストには、以下のものが含まれる:アデニン、アデノシン、アラニン、アミノサリチル酸、アスコルビン酸塩/アスコルビン酸、アスパラギン酸塩/アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸塩/クエン酸、シアヌル酸、システイン、クプリゾン、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジエチレントリアミン−ペンタメチレンホスホン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジメチレンジアミン、ジメチレントリアミン、ジメチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジメチルグリシン、ジメチルグリオキシム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール、グルコン酸塩/グルコン酸、グルタミン酸塩/グルタミン酸、グリセロール、グリシン、グアニン、グアノシン、ヒスタジン、ヒスタミン、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ヒドロキシグルタミン酸、ヒドロキシルアミン、イミノジコハク酸塩、コウジ酸、乳酸塩/乳酸、ロイシン、マロン酸、マンニトール、メチルグリシン、モリブデン酸塩、ニトリロ三酢酸塩、ニトロサリチル酸、オルニチン、シュウ酸、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、フェニルアラニン、サリチル酸、サリチルアルドキシム、亜硝酸ナトリウム、ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム、酒石酸塩/酒石酸、トリエタノールアミン(TEA)、トリエチレントリアミン(TETA)、トリス(2−アミノエチル)アミン(ジエチレントリアミン)、又はチオアセトアミド。
これらのキレート化剤は、以下の方法に従って用いることができる:それらは、金属基材を前処理コーティング用ジルコニウム系組成物と接触させる前に適用される前水洗(pre−rinse)中に組み込んでもよい;キレート化剤は、上記で考察したように、前処理コーティング用ジルコニウム系組成物中に組み込んでもよい;キレート化剤はまた、金属基材を前処理コーティング用ジルコニウム系組成物と接触させた後に適用される後水洗(post−rinse)として適用してもよい。
キレート化剤は、付着した前処理皮膜中において、金属基材上の前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が、1.1以下、好ましくは0.9から0.02、最も好ましくは0.30から0.10であることを確実にするのに十分なレベルで用いられる。
コーティング組成物中のキレート化剤の量は、10ppmから2000ppmの範囲であってもよい。必要とされる量は、例えば、コーティング組成物中に存在する銅の量、コーティング浴の温度、コーティングされる基材、組成物が濃縮物であるか又は処理浴であるか、及び用いられる特定のキレート化剤によって影響される。複数の配位座を有するキレート化剤は、より低いレベルで用いてもよい。1つの実施形態では、キレート化剤は、コーティング浴中にて25ppm〜100ppmの範囲の量で存在する。その濃度が浴の性能に悪影響を及ぼさない限りにおいて、より多くのキレート化剤を添加してもよい。望ましくは、前処理コーティング用組成物中のキレート化剤の量は、付着した皮膜中の所望されるCu:Zr比を達成するのに十分な量であり、好ましくは、キレート化剤の量は、好ましさが増加する順序にて、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、又は75ppm、及び、好ましさが増加する順序にて、最大2000、1500、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100ppmである。
Zrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比は、好ましさが増加する順序で、1.10から下方に、1.05、1.0、0.95、0.90、0.85、0.80、0.75、0.70、0.65、0.60、0.55、0.50に変動してよい。いくつかの前処理コーティング用ジルコニウム系組成物では、銅は、組成物及び皮膜の望ましい一部である。そのようなコーティング組成物のいくつかでは、ジルコニウムに対する銅の比は、望ましくは、好ましさが増加する順序で、0.0001、0.0005、0.0010、0.0050、0.010、0.050以上である。
本発明のジルコニウム系前処理皮膜は、皮膜中の銅の量が、望ましくない皮膜形態及び性能不良をもたらすものでない限りにおいて、皮膜中に様々な成分を有していてもよい。
標準的な工業コーティングプロセスにおいて、前処理コーティング工程の浸漬浴時間は、約120秒であるが、アセンブリラインが停止している間、この時間は、10分間若しくはそれ以上となり得る。ライン停止のモデル化、及び種々のパラメータの試験のために、本発明者らは代替手順を開発した。本明細書で述べる実施例で用いたプロセスを、以下の表1に示す。
全てのデータに対する標準的な前処理プロセスは、特に断りのない限り、表1にて以下に記載する通りである。Parco(登録商標)Cleaner 1533Rは、ヘンケルアドヒーシブテクノロジーから入手可能であるアルカリ性洗浄剤である。Ridosol 1270は、塩基性非イオン性界面活性剤であり、ヘンケルアドヒーシブテクノロジーから入手可能である。ParcoのRidosolに対する重量比は、8.33から1とした。洗浄剤の劣化は、ティレノインダストリー(Tirreno Industries)から入手可能であるオイル状のTirroil 906を4g/Lで添加して洗浄剤を劣化させることによってモデル化した。ベースになる前処理組成物は、ジルコニウム系の前処理とした。塗装密着性試験のすべてで用いた電着塗料は、BASFから入手可能であるBASF Cathoguard 310Xとした。これは、自動車産業で用いられる標準的な塗料である。
Figure 2014504333
実施例1
実施例1で用いたジルコニウム系前処理浴は、180百万分率(ppm)のジルコニウム、30ppmの銅、35ppmの遊離フッ化物、400ppmの全フッ化物、42ppmのSiOを含んでおり;ジルコニウム系前処理浴のpHは、4.2に設定した。自動車製造において通常用いられるものであることから、市販の2つの異なるバッチの冷間圧延鋼(CRS1及びCRS2)を表1に従って処理した。各サンプルについて、ジルコニウム付着量を、1平方メートルあたりのZrのミリグラムとして測定した。
加えて、各サンプルについて、以下の手順を用いてBASF Cathoguard 310Xの塗装密着性を測定した。サンプル領域について、それぞれの方向に1mm間隔の6本のラインを用いてカミソリで基材レベルの深さまでクロスハッチングを行った。次に、長さ75mm、幅20mmの粘着テープ帯をクロスハッチング領域に貼った。このテープは、ASTM 3330M(2004年10月1日改定)によると、180°剥離強度値430N/mで鋼鉄に粘着接着する。5秒間から10秒間の接着の後、テープの末端部を掴み、塗膜に対して垂直方向に素早く引き上げた。基材に付着した状態で残った塗膜のパーセント(塗装密着性を示す)を、テープで覆った領域のパーセントとして測定した。実施例1の結果を以下の表2に報告する。
Figure 2014504333
この結果は、焼付け温度が電着塗装の密着性に影響を与えることを示すものであった。電着塗装の焼付け温度を350°F(176.7℃)から375°F(190.6℃)に上げると、塗装密着性が、特にCRS2基材で低下した。CRS2に対する結果はまた、CRS1と非常に異なるものでもあった。各CRSからのサンプルをさらに調べると、付着した前処理コーティング組成物における著しい相違が明らかとなった。
図1A及び図1Cは、上述のように、新品の1533/1270、Zr付着量143mg/m、及び焼付け温度375°F(190.6℃)を用いた、実施例1に従って前処理コーティング用組成物でコーティングしたCRS1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である(サンプル3)。図1A及び図1Bは、10000倍の倍率であり、図1C及び図1Dは、30000倍の倍率である。
図1B及び図1Dは、上述のように、新品の1533/1270、Zr付着量165mg/m、及び焼付け温度375°F(190.6℃)を用いた、実施例1に従って前処理皮膜でコーティングしたCRS2のSEM写真である(サンプル7)。サンプル7のCRS2サンプルは、塗装密着性が劣っていた。これらの写真から、図1A及び図1Cのサンプル3の付着した前処理皮膜は、図1B及び図1Dのサンプル7の前処理コーティング表面で見られるものと比較して、非常に小さい部分構造から構成されることが分かる。図1B及び図1Dの表面は、より大きく、より塊状に見える部分構造を有していた。
図2A及び図2Bは、図1A及び図1Cに示すサンプル3の表面についてさらに分析したものである。図2Aは、15000倍の倍率での前処理皮膜のSEM写真を示し、また、1、2、及び3と表示された3つの丸印も示す。これらの各領域をオージェ電子分光法(AES)により、各分析領域内に見出される元素とその濃度を同定した。結果は、ベースラインがオフセットされて比較が可能となるように、各領域に対してベースラインからの偏差を見ることで評価した。図2Bのy軸の単位は、(カウント/秒)×10であり、すなわち、y軸の量は、100,000倍ずつ増加するものとした。これらの結果は、3つの領域間で銅のレベルが異なることを示している。鉄、ジルコニウム、及び炭素のレベルは、3つの領域ですべて非常に類似していた。最大の部分構造である領域1は、銅のレベルが最も高かった。対照的に、非常に小さい部分構造である領域2は、その中に銅をほとんど含んでいなかった。最後に、2つのより大きい部分構造の間とした領域3は、領域1と2の間の銅レベルを示した。銅の実際のレベルは以下の通りであった:領域1は銅濃度が27原子%;領域2は銅濃度が5原子%;及び領域3は銅濃度が6原子%。この前処理皮膜(サンプル3)は、表2に示すように、良好な塗装密着性をもたらす。
図3A及び図3Bは、図1B及び図1Dに示す表面についてさらに分析したものである(サンプル7)。図3Aは、15000倍の倍率での前処理皮膜のSEM写真を示し、また、4及び5と表示された2つの丸印も示す。これらの各領域をAESにより、各分析点内に見出される元素とその濃度を同定した。結果は、ベースラインがオフセットされて比較が可能となるように、各領域に対してベースラインからの偏差を見ることで評価した。図3Bのy軸の単位は、(カウント/秒)×10であり、すなわち、y軸の量は、10,000倍ずつ増加するものとし、従って、図3Bの1単位は、図2Bの10単位に等しい。領域4は、大きい部分構造であり、AES分析から、この領域の銅濃度は非常に高く、図2A及び図2Bで示される大きい基礎構造の領域1で見出されたものよりも非常に高いことが示された。加えて、小さい基礎構造である領域5では、銅濃度は領域4よりも低いが、単位の相違を考慮すると、図2A及び図2Bの領域1と比較しても、それより非常に高いことが示された。図3Bのサンプル7に対する実際の値は、以下の通りであった:領域4は31原子%の銅濃度であり、及び領域5は25原子%の銅濃度であり、良好な塗装密着性を示したサンプル3よりも平均して非常に高いものであった。これらの結果から、付着した前処理皮膜中に過剰の銅が存在すると、塗装密着性が不良となり、これも塗装密着性には有益とはならないより大きい部分構造の形成が引き起こされたことが示される。良好な塗装密着性を有する前処理皮膜は、より小さくより少ない部分構造を有し、付着した銅がより少ない傾向を有していた。
図4及び図5は、それぞれ図2及び図3に示す2つの前処理皮膜サンプルの、X線光電子分光分析(XPS)による深さ分析の結果を図示するものである。この分析では、アルゴンビームを用いて皮膜を貫通させ、それが皮膜全体を移動するに従って、皮膜成分の原子パーセントを、コーティングの外側表面からの一連の深さにおいて測定した。分析のスポットサイズは、およそ2×2mmであった。鉄(Fe)の原子パーセントが50%を超えた時点で、ビームが下にあるCRS基材まで到達した。図4に戻ると、枠線が前処理皮膜を表しており、この皮膜の深さがおよそ145nmであり、一方、図5の皮膜の深さがおよそ220nmであったことが分かる。これらの図から、さらに、皮膜中のより高い銅濃度が、塗装密着性の不良と相関することも確認された。すなわち、図5は、不良な塗装密着性を示すサンプル7のグラフを示すものであるが、図4に示される、良好な塗装密着性を示す前処理皮膜であるサンプル3と比較して、付着した前処理皮膜中の銅濃度が非常に高いことが示された。図5(サンプル7)では、銅に対する原子パーセント及び曲線下面積のいずれも、図4(サンプル3)よりも非常に大きかった。図4におけるCuのピーク原子%は、33原子%であった。図5におけるCuのピーク原子%は、いずれの深さにおいても、42.73原子%であった。
さらなる試験では、前処理コーティング用組成物が、金属基材上に付着した前処理皮膜におけるジルコニウムの原子%に対する銅の原子%の平均合計比が1.1以下、より好ましくはその比が0.9から0.02、最も好ましくは0.3から0.1であることを確実にするのに十分なキレート化剤を有する場合に、塗装密着性の向上が見られることが明らかとなった。この比は、皮膜中のZr及びCuの全体の原子パーセントの平均から決定されるものであり、単一の深さでの比からのものではない。図4及び図5のデータから分かるように、金属基材に向かって皮膜組成物中を下へ移動するに従って、金属基材に到達するまで、皮膜成分の原子パーセントは深さによって変化しており、従って、全体を合計した平均原子%比を決定する必要がある。対照的に、図1B、図1D、図3、及び図5に示される付着した前処理皮膜組成物中に見られるZrの原子%に対するCuの原子%の全体としての平均合計比は、2.73であった。この結果から、発明者らは、前処理浴中に銅が存在する場合、前処理皮膜中の銅の量を制御すれば、塗装密着性を改善し、前処理コーティング用ジルコニウム系処理浴のポットライフも延長することができるという仮説を立てるに到り、これを以下の実施例2で試験した。
実施例2
実施例2において、基準となる前処理コーティング用組成物は、ジルコニウム系コーティング浴であり、Zrレベルは180ppm、Cuは30ppm、全フッ化物は400ppm、及び遊離フッ化物は35ppmであり、SiOのレベルは42ppmであった。試験する前処理コーティング用組成物は、基準浴と同じであるが、さらに、酒石酸として50ppm含むキレート化剤の酒石酸塩を含む。上記表1に記載のように、新品のParco(登録商標)1533で前洗浄し、水洗したCRSを基材とした。基準浴及び試験するジルコニウム系コーティング浴での浸漬時間は、4分間又は10分間とし、短時間及び長時間のライン停止のモデルとした。次に、各サンプルセットの一部を、上述のようにBASF Cathoguard 310Xでさらにコーティングし、375°F(190.6℃)で焼付けた。次に、焼付けたサンプルについて、上述のように塗装密着性を試験した。加えて、これらのサンプルについて、Zrの付着量をmg/mで測定した。最後に、前処理皮膜中のZr及びCuの平均原子パーセントを、各サンプルについて測定した。結果を以下の表3に示す。
Figure 2014504333
表3の結果から、浸漬時間を延長すると、Zr付着量、付着したZr量(平均原子%)、及び付着したCu量(平均原子%)の増加につながることが示された。50ppmで酒石酸塩を含むことにより、前処理皮膜におけるZr付着量、付着したZr量(平均原子%)、及び付着した銅の量(平均原子%)が減少した。より重要なことには、酒石酸塩の存在により、ジルコニウム系コーティング浴のポットライフが向上した。このことは、コーティング浴中に酒石酸塩が存在する場合には、10分間の浸漬後であっても、塗装密着性は100%が維持されている一方で、酒石酸塩の非存在下では、塗装密着性は、塗装された塗膜の90%又は50%まで大きく低下したという事実から分かる。このことは、ジルコニウム系前処理コーティング浴中で付着する銅がジルコニウムと比較して多すぎると、塗装密着性を低下させ、コーティング浴のポットライフを短縮し得ること、及びキレート化剤、特に銅金属キレート化剤は、塗装密着性及びポットライフを改善し得ることを示す。
実施例3
次の一連の実験では、金属キレート化剤である酒石酸塩を含めることによる、腐食性能に対する影響について試験した。ここでも、基材はCRSとした。CRSは、以下の表4に示すようにして処理した。ジルコニウム系コーティング浸漬浴中の処理時間は、2分間が業界で用いられる標準的な時間である。
別の基準となるサンプルとしてのCRSも、いずれもヘンケルアドヒーシブテクノロジーから入手可能である前処理コーティングBonderite(登録商標)958及びシーラーParcolene(登録商標)91により、製造元の指示に従って処理した。最終的な基準となるCRSサンプルとして、前処理コーティングは行わず、単にこれを新品のParco(登録商標)Cleaner 1533R/Ridosol 1270で洗浄、水洗した。次に、すべてのサンプルをBASF Cathoguard 310Xでコーティングし、水洗し、焼付けた。
Figure 2014504333
次に、サンプルに、CRS基材までケガキを行い、2つの腐食性能試験のうちの1つを施した。第一の試験は、ASTM B117(2007年12月15日改定)に従い、500時間行った。第二の試験は、31サイクル試験であり、サンプルパネルに、塩水噴霧を用いた24時間の試験手順を31サイクル施した。塩水噴霧は、0.9重量%の塩化ナトリウム、0.1重量%の塩化カルシウム、及び0.075重量%の炭酸水素ナトリウムを含み、pHが6から9であった。最初の8時間は、パネルを25℃及び相対湿度(RH)45%に維持し、この8時間の間に、0時間、1.5時間、3時間、及び4.5時間の時点にて4回の塩水噴霧を施した。続いて、次の8時間は、25℃から49℃及び100%RHに最初の1時間で上昇させて、49℃及び100%RHの状態にパネルを置いた。最後の8時間は、新しい条件に3時間で変化させて、60℃及び30%RH未満とした。このサイクルを合計で31回実施した。次に、パネルは、ケガキ線からの平均クリープ及び最大クリープについてミリメートルで評価した。ASTM B117試験の結果を表5に示す。31サイクル腐食試験の結果を表6に示す。
Figure 2014504333
Figure 2014504333
この結果は、酒石酸塩を含むことが、CRSに耐腐食性を付与するジルコニウム系前処理皮膜の能力に負の影響を与えなかったことを示している。ASTM B117の500時間試験では、酒石酸塩を用いたことによる結果は、標準的なジルコニウム系コーティング浴と少なくとも同等に良好であり、浴中でのCRSの滞留時間の延長については、僅かにより良好であり、キレート化剤によるポットライフの改善が裏付けられる。浸漬時間が長いことで腐食防止が低下することはなく、むしろ上昇する場合もある。31サイクル試験において、洗浄のみのサンプルでは、前処理コーティングを施したいずれの実施例よりも腐食が非常に大きくなっていることから、前処理コーティングを行うことによる有益性が示された。酒石酸塩の有無は、前処理コーティングの腐食防止能に影響を与えなかったと思われる。これらの結果は、酒石酸塩などのキレート化剤の存在が腐食防止に対して有害であった場合は、塗装密着性に対する有益な効果に対する負の効果のバランスを考える必要が出てきてしまうことから、重要である。
実施例4
次の一連の実験では、別のキレート化剤、トリエタノールアミン(TEA)の効果について試験した。基材はCRSとし、前処理コーティング及びBASF Cathoguardによる処理を、以下の表7に示すように行った。ここでも、ジルコニウム系コーティング浴は、180ppmのZr、30ppmのCu、35ppmの遊離フッ化物及び400ppmの全フッ化物、及び42ppmのSiOを含んでいた。次に、サンプルを、mg/mでのZr付着量、塗装密着性、及び500時間のASTM B117による腐食防止について試験した。基準として、実施例3に記載のようにして、Bonderite(登録商標)958及びParcolene(登録商標)91による前処理皮膜を有するサンプルも作製した。結果を以下の表8に示す。TEAは、酒石酸塩に用いたものと同じレベルである50ppmのみで試験した。
Figure 2014504333
Figure 2014504333
ここでの結果も、前処理コーティング浴中にキレート化剤、特に銅金属キレート化剤を含ませることによる塗装密着性に対する有益性を示している。50ppmのTEAの存在下にて、塗装密着性は、10分間という長い浸漬時間であっても、大きく向上した。この結果は、このTEA濃度において、腐食防止に対する負の影響が存在したことを示している。明らかに、銅金属キレート化剤の最適濃度は、キレート化剤の種類に依存している。また、50ppmのTEAによるZr付着量の低下もなかった。
上述の発明は、関連する法的基準に従って記載したものであり、従って、その記載は本質的に代表例であって、限定するものではない。開示される実施形態への変更及び改変は、当業者に明らかとなり、本発明の範囲内に含まれる。従って、本発明に与えられる法的保護の範囲は、以下の請求項を検討することによってのみ決定することができる。

Claims (15)

  1. 水、並びに、溶解Zr、フッ化物源、銅キレート化剤、所望に応じて含んでよいケイ素、ホウ素及びイットリウムのうちの1又は2以上を含む物質、及び所望に応じて添加してよい溶解Cuを含む、金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物。
  2. 前記銅キレート化剤が、前記金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物と接触して形成される金属基材上のジルコニウム系皮膜中の銅の量を低減する能力を有し、
    前記銅キレート化剤は、前記金属基材上に付着した前記皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下となるのに十分な量で存在する、請求項1に記載の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物。
  3. A)50ppmから300ppmの前記溶解Zr、
    B)0ppmから50ppmの前記添加された溶解Cu、
    C)0ppmから100ppmのSiO
    D)150ppmから2000ppmの全フッ化物、
    E)10ppmから100ppmの遊離フッ化物、及び、
    F)少なくとも10ppmの前記銅キレート化剤、
    を含む、請求項1又は2に記載の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物。
  4. 前記添加された溶解Cuが、前記コーティング組成物中に存在し、及び前記銅キレート化剤が、25ppmから1500ppmの量で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物。
  5. 前記銅キレート化剤が、複数のカルボン酸及び/又はホスホン酸官能基を有する分子から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物。
  6. 前記銅キレート化剤が、アミノサリチル酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、シアヌル酸、ジエチレントリアミン−ペンタメチレンホスホン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジメチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ヒドロキシグルタミン酸、イミノジコハク酸、コウジ酸、乳酸、マロン酸、ニトリロ三酢酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ニトロサリチル酸、シュウ酸、ポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸、サリチル酸、酒石酸、及び前記酸の塩から成る群より選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物。
  7. 前記銅キレート化剤が、酒石酸及び/又はその塩を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物。
  8. a)所望に応じて行ってよい金属基材を洗浄する工程;
    b)前記金属基材に、請求項1から7のいずれか一項に記載の金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物を適用し、それによって前記金属基材上に前処理皮膜を形成する工程であって;
    前記銅キレート化剤は、前記金属基材上に付着した前記前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下となるのに十分な量で前記金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物中に存在する、工程;及び、
    c)前記金属前処理コーティングされた金属基材に塗装する工程、
    を含む、金属基材の塗装密着性を改善するための方法。
  9. a)金属基材へ前処理コーティング用ジルコニウム系組成物を塗布する前に、金属基材を、銅キレート化剤及び所望に応じて銅を含む前水洗(pre−rinse)と接触させる工程;
    b)前記金属基材に、溶解Zr、フッ化物源、所望に応じて含んでよいケイ素、ホウ素及びイットリウムのうちの1又は2以上を含む物質、並びに所望に応じて添加してよい溶解Cuを含む金属前処理コーティング用ジルコニウム系組成物を適用し、それによって前記金属基材上に前処理皮膜を形成する工程;
    を含み、前記銅キレート化剤は、前記金属基材上に付着した前記前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下となるように、前記前処理コーティング用ジルコニウム系組成物によって前記金属基材上に付着する銅の量を制御するのに十分な量で前記前水洗(pre−rinse)中に存在する、前処理コーティング用ジルコニウム系組成物による前処理が施された金属基材の塗装密着性を改善するための方法。
  10. 前記銅キレート化剤が、少なくとも10ppm及び最大2000ppmの量で存在する、請求項8又は9に記載の金属基材の塗装密着性を改善するための方法。
  11. コーティングされた金属基材を有する製造品であって、
    該製造品は、金属基材;及び前記金属基材上に付着した、前記基材からの金属、ジルコニウム、酸素、銅、及び所望に応じて含んでよい元素であるフッ素及び炭素を含む前処理皮膜、を含み;前記金属基材上の前記前処理皮膜は、Zrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が1.1以下である、製造品。
  12. 前記金属基材上の前記前処理皮膜中におけるZrの原子%に対するCuの原子%の平均合計比が、約0.9から0.02である、請求項11に記載の製造品。
  13. 前記前処理皮膜の外側表面から前記金属基材までの一連の深さにて測定された前記前処理皮膜中のCuの原子%が、前記深さのいずれにおいても33原子%Cuを超えない、請求項11又は12に記載の製造品。
  14. 前記前処理皮膜へ塗装された少なくとも1つの塗膜をさらに有し、その結果塗装されコーティングされた基材が形成され、該塗膜はASTM 3330M(2004年10月1日改定)に従って試験された場合に少なくとも95%の塗装残留を達成する、請求項11、12、又は13のいずれか一項に記載の製造品。
  15. 前記前処理皮膜へ塗装された少なくとも1つの塗膜をさらに有し、その結果塗装されコーティングされた基材が形成され、該塗膜はASTM B117(2007年12月15日改定)に従って500時間試験された場合に1.9mm若しくはそれ未満の平均クリープ腐食を達成する、請求項11、12、又は13のいずれか一項に記載の製造品。
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