JP2014502493A - がん治療に対する耐性を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
配列番号1は、BIM_del_FおよびBIM_del_Rプライマーを用いて、記載される欠失を有するBIM遺伝子から増幅したPCR断片の配列である(長さ1,323bp)。
配列番号2は、BIM_del_FおよびBIM_del_Rプライマーを用いてのBIM野生型遺伝子からのPCR断片の配列である(長さ4,226bp)。
配列番号3は、Bim_del_Fフォワードプライマーの配列である(+chr2:111,599,051..111,599,070、hg18)。
配列番号4は、Bim_del_Rリバースプライマーの配列である(−chr2:111,603,257..111,603,276、hg18)。
配列番号5は、BIMにおける欠失:chr2:111,599,666〜111,602,568(hg18)の上流の1000bpフランキング配列chr2:111,598,666〜111,599,665の配列である。
配列番号6は、BIMにおける欠失:chr2:111,599,666〜111,602,568(hg18)の配列である。
配列番号7は、BIMにおける欠失:chr2:111,599,666〜111,602,568(hg18)の下流の1000bpフランキング配列chr2:111,602,569〜111,603,568の配列である。
我々は、1または複数のBIM多型核酸分子を含む単離ポリヌクレオチドについて記載する。これらは、対応するポリペプチドとともに、本文書において、「BIM(BCL2L11)遺伝子の多型バリアント」または単純に「BIM多型」として様々に記載される。
我々は、単離多型BIMポリペプチドについてさらに記載する。単離多型BIMポリペプチドは、BIMポリペプチドの生物活性を改変する薬剤をスクリーニングするためのアッセイにおいて有用であり得る。
多型または変異、例えば本明細書に記載するBIM多型についてDNAを分析するためにいくつかの異なる方法が、通常、用いられる。
個体に由来する(例えば個体から得られる)ポリヌクレオチド試料は、個体から採取された生体試料から得られる。個体からのポリヌクレオチドを含む任意の生体試料は、用いるのに適している。生体試料は、ポリヌクレオチドを単離するように処理してもよい。代わりに、全細胞または他の生体試料を、その中に含まれるポリヌクレオチドを単離することなく用いてよい。
ポリヌクレオチド試料を分析することによるBIM多型の検出は、いくつかの様式で行うことができる。試験核酸試料は、BIM多型(複数可)を含むことが知られている配列領域を増幅するプライマーを用いて増幅できる。ゲノムDNAまたはmRNAを、直接用いることができる。代わりに、対象の領域を適切なベクターにクローニングして、分析のために十分な量に成長させることができる。
最も決定的な方法は、DNAまたは転写されたmRNA(入手可能であれば)を配列決定して、実際の塩基配列を決定することである(MaxamおよびGilbert、1977;Sangerら、1977)。
個体における特定のDNA配列、例えばBIM(BCL2L11)遺伝子の多型バリアントをコードする遺伝子は、DNAの配列の欠失、重複する配列の挿入、配列の逆位または単一ヌクレオチドから別のものへの変換のような多くの異なる変化を受けることがある。特定のDNA配列中の変化は、4〜6ヌクレオチドの特異的DNA配列を認識する制限酵素を用いることにより追跡できる。
代わりにまたはさらに、RT−PCRを行うことができる。PCRは、よって、多型に特異的なプライマーを用いることにより多型が存在するかを決定するためにも用いてよい。
バリアント配列とのハイブリダイゼーションを用いて、BIM多型の存在を決定することもできる。
既知遺伝子内の多型の存在を決定するための質量分析の使用は、米国特許第5,869,242号に開示されている。
代わりに、オリゴヌクレオチドライゲーションを、多型を検出する手段として利用する様々な方法が当該技術において知られている。例えばRileyら(1990)Nucleic Acids Res.18:2887〜2890頁;およびDelahuntyら(1996)Am.J Hum.Genet.58:1239〜1246頁を参照されたい。
1本鎖高次構造多型(SSCP)分析は、多型を検出するための迅速で有効な方法である(Deanら、Cell 61:863頁、1990;GlavacおよびDean、Hum.Mutation 2:404頁、1993;Podusloら、Am.J.Hum.Genet.49:106頁、1992)。SSCPでは、ゲル上での異常な鎖の移動性は、遺伝子内の変異事象と関連する。
制限エンドヌクレアーゼフィンガープリンティング(REF)を、場合によってRT−PCRを行った後に行うこともできる。REFは、1本鎖高次構造多型(SSCP)法の改変であり、2kbの長さまでのDNA断片中の配列の変更を効率よく検出することを可能にする(LiuおよびSommer、1995)。
特定の遺伝子上の多型を検出するための別の方法は、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ドットブロット分析に従うことである(Conner,B.J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.、80、278〜282頁(1983))。この方法は、標的多型を挟むように設計されたフォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いたPCR増幅遺伝子断片の対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズ可能なDNA断片をドットブロット分析に供することにより行うことができる。この様式で、このようなDNA断片上の多型を検出できる。
多型がアミノ酸の変化を含む場合、分析される遺伝子の発現生成物を用いて多型の分析を行うことが可能である。この場合、多型部位に相当するアミノ酸を含有する限り、部分タンパク質または部分ペプチドを分析のための試料として用いることができる。多型部位にてアミノ酸を直接アッセイする方法または免疫学的方法をこの場合に用いてよい。エドマン法のような既知のアミノ酸配列分析法を前者において用いてよく、遺伝子の発現生成物に特異的な結合活性を有するモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いる方法、例えば酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA法)、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降法または免疫拡散法を後者において用いてよい。
特定の試料中の多型BIM核酸分子、例えば多型BIM mRNAまたは多型BIMポリペプチドの発現レベルを決定するために、いくつかの方法が利用可能である。診断をいくつかの方法により行って、患者の試料中の正常もしくは異常BIM mRNAの存在または非存在または量の変化を決定してよい。例えば、検出は、従来の方法に従って行われる、標識抗体を用いる細胞または組織学的切片の染色を利用してよい。細胞は、細胞質の分子を染色するために透過にされる。対象の抗体を細胞試料に加え、エピトープとの結合を可能にするのに十分な時間、通常少なくとも約10分間インキュベートする。抗体は、放射性同位体、酵素、蛍光剤、化学発光剤または直接検出のためのその他の標識を用いて標識してよい。代わりに、第2段階の抗体または試薬を用いてシグナルを増幅する。このような試薬は、当該技術において公知である。例えば、1次抗体をビオチンとコンジュゲートさせ、セイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲートアビジンを第2段階試薬として加えてもよい。代わりに、2次抗体を蛍光化合物、例えばフルオレセイン、ローダミン、テキサスレッドなどとコンジュゲートさせる。最終検出は、ペルオキシダーゼの存在下で色の変化を経る基質を用いる。抗体結合の非存在または存在は、解離細胞のフローサイトメトリー、顕微鏡観察、X線撮影法、シンチレーション計数などを含む様々な方法により決定してよい。多型BIMポリペプチドの存在および/またはレベルは、当業者に知られる任意の様式で検出および/または定量してもよい。
BIMは、BAM;BIM;BOD;BimL;BimEL;BIM−ベータ6;BIM−ベータ7;BIM−アルファ6;BCL2L11としても知られる。
遺伝子(転写産物) タンパク質
NM_207002 NP_996885
NM_138621 NP_619527
NM_006538 NM_006538
遺伝子(転写産物) タンパク質
uc002tgw.1 タンパク質なし
uc002tgx.1 タンパク質なし
uc010fkd.1 タンパク質なし
uc002tgy.1 タンパク質なし
uc002tgz.1 O43521
uc010fke.1 タンパク質なし
uc002tha.1 O43521
uc002thb.1 タンパク質なし
uc002thc.1 タンパク質なし
uc002thd.1 O43521
NM_207002.2
Homo sapiens BCL2様11(アポトーシス促進物質)(BCL2L11)、転写産物バリアント9、mRNA。
NM_138621.3
Homo sapiens BCL2様11(アポトーシス促進物質)(BCL2L11)、転写産物バリアント1、mRNA。
NM_006538.3
Homo sapiens BCL2様11(アポトーシス促進物質)(BCL2L11)、転写産物バリアント6、mRNA。
bim−アルファ1(uc002tgw.1)
Bim−アルファ1、完全cds。
RefSeq(NM_006538):
bim−アルファ1(uc002tgx.1)
Bim−アルファ1、完全cds。
RefSeq(NM_006538):
bim−アルファ1(uc010fkd.1)
Bim−アルファ1、完全cds。
RefSeq(NM_006538):
bim−アルファ1(uc002tgy.1)
Bim−アルファ1、完全cds。
RefSeq(NM_006538):
bim−アルファ1(uc002tgz.1)
BCL2様11転写産物バリアント9。
RefSeq(NM_006538)
bim−アルファ1(uc010fke.1)
Bim−アルファ1、完全cds。
RefSeq(NM_006538):
BCL2L11(uc002tha.1)
BCL2様11アイソフォーム9
RefSeq(NM_138621):
bim−アルファ1(uc002thb.1)
Bim−アルファ1、完全cds。
RefSeq(NM_006538):
bim−アルファ1(uc002thc.1)
Bim−アルファ1、完全cds。
RefSeq(NM_006538):
BCL2L11(uc002thd.1)
BCL2様11アイソフォーム9
RefSeq(NM_006538):
Rhead B、Karolchik D、Kuhn RM、Hinrichs AS、Zweig AS、Fujita P、Diekhans M、Smith KE、Rosenbloom KR、Raney BJ、Pohl A、Pheasant M、Meyer L、Hsu F、Hillman−Jackson J、Harte RA、Giardine B、Dreszer T、Clawson H、Barber GP、Haussler D、Kent WJ.The UCSC Genome Browser database:update 2010.Nucleic Acids Res.2010年1月;38(データベース版):D613〜9.Epub 2009年11月11日。
我々の発見は、以下の状況において臨床的利用性を有し得る。
他のがんの患者におけるBIM欠失の存在も、薬物耐性の発生についての予測因子および代替治療のための手引きとして用いることができる。
標準的プロトコール/DNA抽出用キット
血液からのDNA抽出のためにQiagen血液および細胞培養物DNA Midiキット(cat.No 13343)(詳細についてQIAGEN_Genomic_DNA_Handbook.pdfを参照されたい)
または
頬側スワブからのDNA抽出のためにMasterAmp(商標)頬側スワブDNA抽出キット。
プライマー(100uM) 各0.2μl
ゲノムDNA 1μl(50ng)
dNTP(10mM) 2.5μl
Jumpstart Taq 2.5μl(Sigma;Cat.D1313)
10×緩衝液 5μl
H2O 50μlまで加える
ステップ1:96℃、30秒
ステップ2:94℃、15秒
ステップ3:64℃、30秒
ステップ4:68℃、5分
ステップ5:ステップ2〜4を11回反復
ステップ6:94℃、15秒
ステップ7:60℃、30秒
ステップ8:68℃、5分
ステップ9:ステップ6〜8を17回反復
ステップ10:68℃、20分
16℃を永続
Bim_del_F AATACCACAGAGGCCCACAG(+chr2:111,599,051..111,599,070)
Bim_del_R GCCTGAAGGTGCTGAGAAAG(−chr2:111,603,257..111,603,276)
欠失なしで4,226bp
欠失ありで1,323bp
のサイズの生成物をUVスクリーン上で視覚化する。
臨床試料は、IRB承認プロトコールに従って、the Singapore General HospitalおよびUniversity of Malayaで診察された患者から得た。
ゲノムDNAをハイドロシェアにかけて5、7および9Kbの断片にし、配列決定ライブラリーの構築のために用い、大量並列SOLiDシーケンサー(表E1および以下の記載を参照されたい)を用いて配列決定した。
CML系統は、ATCC(MEG−01およびKU812)、JCRB(NCO2)およびDSMZ(KCL22、K562、KYO1、JK1、BV173およびNALM1)から得た。細胞を、ペニシリン、ストレプトマイシン、グルタミンおよび10%胎児ウシ血清を補ったRPMI1640培地で成長させ、37°、5%CO2の湿潤インキュベータ中でインキュベートした。
我々は、4つのフィラデルフィア(Ph)染色体陽性CML患者試料および1つのCML株化細胞を、DNA−PET分析のために選択した(図2A)。
我々は、278百万を超える重複のないPETに由来する72.1Gbのマッピング可能DNA配列を作製し、各ゲノムについて平均で109倍の物理的(断片)カバー範囲を達成した(上の表E1)。85.4%のPETが参照ゲノムと調和してマッピングされ、14.6%のPETはそのようにマッピングされなかった。後者を不調和性PET(dPET)として分類した。同じ2つのゲノム領域を接続する多重dPETのクラスタ分けにより、我々は、3,408の異なる構造変動(SV)を同定でき、かつ各dPETについてSVの型を定義できた(図10ならびに以下の表E2およびE3を参照されたい)。
急性転化期において見出されるさらなる染色体異常および分子異常が、臨床挙動に貢献すると考えられる。しかし、これらの事象の数的または構造的性質のいずれについての網羅的な評価も、特にコピー数の変化がないSVの検出について、技術的に難しい。したがって、我々は、急性転化期の発生の際に生じるSVの分析に注目することにした。ここで、表E4に示すように、我々は、急性転化期におけるSVの数の漸進的な増加を観察し、これは、核型決定およびFISH分析と良好に相関した(表E7ならびに図3Dおよび11)。我々は、次いで、SVの性質を類別し、2名の急性転化期患者におけるSVの最も顕著なカテゴリーが欠失(P098およびP022、n=81[全てのSVの58.7%])であり、続いて不対合逆位(n=24[17.4%])、孤立転座(n=12[8.7%])および直列重複(n=9[6.5%])であり、他のSVカテゴリーのそれぞれについて5%未満であったことを見出した(図2A)。急性転化期株化細胞K562は、予想されたように、急性転化期患者試料と比較して、より多くの再編成を示した(237に対してそれぞれ63および75)。K562において最も顕著なカテゴリーは直列重複であり(n=104[43.9%)、続いて欠失(n=71[30%])、不対合逆位(n=26[11%])および複雑な染色体内再編成(n=14[5.9%])であった。興味深いことに、2つの急性転化期試料およびK562株化細胞においてBCR−ABL1に加えて均衡転座は観察されなかった。
我々は、次に、耐性関連SVについて調べ、3つ全ての耐性試料に生じる2つの欠失と、3つのうち少なくとも2つにおける6つのSVとを見出した。2.5Kbのサイズの1つの欠失は、CMLとまだ結び付けられていない遺伝子であるZNF385Dのイントロン1内にあった。興味深いことに、3つ全ての耐性試料において観察された他方の欠失は、アポトーシス促進性遺伝子BCL2L11(BOD、BIML、BIMELまたはBIMとしても知られる)のイントロン2内にあった(図4A)。重要なことに、BIM上方制御を妨げることによりCMLがイマチニブ耐性になるので14〜16、イマチニブによるBIM上方制御は、この薬物がアポトーシスを誘発するために必要であると他者は報告している。我々は、この欠失をPCRおよび配列決定により確認し、3つ全ての試料において同一の2,903bpの欠失を見出し(図4Cおよび図4D)、このことは、欠失が生殖系列であり、よって多型を構成することを示唆した。したがって、我々は、国際HapMapプロジェクト17からの74の正常東アジア人試料をスクリーニングして、BIM欠失キャリアの頻度が17.6%であることを決定した(12のヘテロ接合性および1のホモ接合性個体;9.5%の対立遺伝子頻度)。BIM欠失は、再発性の体細胞性事象ではなく構造的多型であることがわかったが、我々は、3名全ての耐性患者が、イマチニブ感受性にとって必要な遺伝子である14〜16BIM欠失のキャリアであるという事実に興味を持った。
BIM遺伝子構造の分析は、欠失が、互いに排他的な様式でのエキソン3および4の選択的スプライシングをもたらす可能性を示唆した。この可能性は、欠失が、エキソン3のイントロン−エキソン境界の5’端の近傍(107bp)にあるとともに、エキソン3自体の中に停止コドンが存在することにより示唆された(図5A)。この仮説を試験するために、我々は、欠失を有する(n=12)および有さない(n=11)初代CML試料を得て、エキソン3含有転写産物およびエキソン4含有転写産物ならびに全般的なBIM転写についての読出しとしてのエキソン2含有転写産物(エキソン2は、全てのBIMアイソフォームに存在するので)18の発現レベルを測定した。図5Bに示すように、我々は、欠失が、エキソン3含有転写産物の増加とともにエキソン4含有転写産物の減少と関連するが、全般的なBIM転写は影響されなかったことを見出した。これらの結果は、正常個体からのリンパ芽球様株化細胞において反映され、このことは、欠失の影響が、系統非依存性であることを示した(図13)。
我々は、次に、東アジア人CML患者のより大きいコホートにおける多型の頻度を決定し、これが12.0%(158名のうち19名)に存在することを見出した。我々は、多型が、臨床耐性を予測できるという仮説についても試験した。この分析において、我々は、KCL22細胞により例示されるように多型の存在が、チロシンキナーゼ阻害剤に対する耐性を与えるために十分であるが、その非存在下では、耐性は、耐性を与えるBCR−ABL変異を保有するクローンの出現を必要とする24と推論した。
我々は、in vitroおよびin vivo両方でのチロシンキナーゼ阻害剤に対する臨床耐性と関連するBIM遺伝子のイントロン2における新規な多型について報告する。正常東アジア人集団における欠失キャリアの頻度は17.6%であり、2つの東南アジアの紹介センターで診察されたCML患者において12.0%である。このコホートでは、多型は、BCR−ABL変異の非存在下で、耐性を有する症例の4分の1(13/55または23.6%)を占めた。我々は、CMLの世界的な発生率において地理的な変動が欠如していること25に鑑みて、原因論的役割の可能性が低いと考えている。
TKIがNSCLC株化細胞を死滅させることができるようにするために、変異EGFR駆動型NSCLCがBIM発現を必要とすることが以前に示されている(CraggらPLOS Medicine、2007;CostaらPLOS Medicine、2007)。
EGFRに活性化変異を有するNSCLC株化細胞を同定する。
EGFRに活性化変異を有するNSCLC患者を同定する。
TKIがGIST株化細胞を死滅させることができるようにするために、c−KIT/PDGFR駆動型GISTがBIM発現を必要とすることが以前に示されている(GordonらJBC、2010)。
c−KITに活性化変異を有するc−KIT駆動型GIST株化細胞を同定する。
c−KITに活性化変異を有するGIST患者を同定する。
実施例H1〜H8は、BIM遺伝子中の共通の欠失多型が、慢性骨髄性白血病におけるイマチニブに対する内在性の耐性に貢献することを証明する。
倫理委員会承認
臨床CML試料は、the Singapore General Hospital、秋田大学医学部付属病院、the University of Malaya Medical Centreおよびthe National University Cancer Institute,Singaporeで診察された患者から得た。ドイツ人の対照試料は、the University Hospital of Bonnでの血液提供者から得た。マレー人、中国人およびインド人の対照試料は、最近行われた地方集団研究に由来した4、5。書面でのインフォームドコンセントおよび参加施設における施設調査委員会の承認を、本研究に試料を提供した全ての患者および正常個体から得た。
ペアタグを、SOLiDシステム分析パイプラインツールCorona Lite(Applied Biosystems)により、タグあたり2つの色コードミスマッチを可能にする色空間で参照配列(NCBI build 36)に対して個別にマッピングした。未解明の位置を有する参照配列のコンティグ(random_chr)および代替MHCハプロタイプを、マッピングのための参照から除外した。個別にマッピングしたタグを、Corona Liteにより対合させた。一方または両方のタグが多重のマッピング位置を有する場合、「レスキュー」とよばれるプロセスにより、調和性PETが創出できた(両方のタグが同じ染色体、同じ鎖、同じ向き、正しい5’→3’の順序および互いに予想される距離にある)。
ペアエンドタグ(PET)を、両方のタグが同じ染色体、同じ鎖、正しい5’から3’の順序および予想されるスパン範囲内にマッピングされる調和性PET(cPET)として類別した。スパン範囲は、Hillmerら1に記載されるようなスパン分布の勾配に基づいて決定した。cPET基準から却下されたPETは、不調和性PET(dPET)と分類した。同じ融合点に広がる異なるdPETをクラスタ分けするために、以下の手順を用いた。あるdPETの5’および3’タグのマッピング位置を、両方向に、それぞれのゲノムライブラリーの最大挿入サイズだけ拡張して、5’および3’ウィンドウを創出した。第2dPETの5’および3’タグが第1dPETの5’および3’ウィンドウ内にマッピングされたならば、2つのPETは、サイズ2のクラスタと定義し、5’および3’ウィンドウを、(最大ライブラリーサイズの)第2dPETのタグ拡張を含有するように調整した。その後、5’および3’タグがそれぞれこの5’および3’ウィンドウ内にマッピングされたdPETを、このクラスタに割り当て、必要であればウィンドウを調整した。融合点の周囲に一緒にクラスタ分けされるdPETの数を、クラスタサイズにより表した。クラスタの5’タグによりカバーされるゲノム領域を5’アンカーと定義し、クラスタの3’タグによりカバーされるゲノム領域を3’アンカーと定義した。500bp未満のアンカー領域を有するdPETクラスタを、さらなる分析から除外した。
我々は、一連の統計検定を用いて、低信頼度クラスタをさらなる分析から除外した。検定は、キメラ配列構築物または局所挿入サイズ変動から生じ得るdPETクラスタについてのライブラリー特異的閾値を決定する。特に、短い欠失を示すdPETクラスタは、非均一スパン分布のアーチファクトとして生じ得るので、我々は、ゲノム(最大ライブラリーサイズのビンに離散化される)上の「伸展」dPET(端が最大ライブラリーサイズより長く離れていることだけによる不調和性)の分布について2項分布モデルを用いて、最小クラスタサイズ閾値を見積もり、平均で1未満の偽陽性が予想されるようにした(ゲノムビンの数によりp値をボンフェローニ補正した)。具体的に、閾値(端が最大ライブラリーサイズの2倍未満隔たっているクラスタにのみ当てはめた)は:
と計算される。
いくつかの遺伝子座は、dPETクラスタの蓄積を示した。これらの遺伝子座では、特定のSVをあるdPETクラスタに割り当てることは誤り導く可能性があるので、我々は、切断点に基づく相互接続ネットワーク(スーパークラスタ分け1)を確立して、複雑な領域にある切断点を、孤立し、かつ複雑さが低いSVから分けた。切断点の近隣を決定するために、各dPETクラスタアンカー領域の始点および終点を、各ゲノムライブラリーの最大挿入サイズだけ、検索ウィンドウとして拡張した。近隣クラスタのウィンドウが互いにオーバーラップするならば、dPETクラスタをスーパークラスタに一緒に群分けした。この手順により、クラスタBを介してクラスタAからCへの間接的接続が可能になった。スーパークラスタに一緒に加えることができるdPETクラスタの数を、スーパークラスタサイズとして表した。3を超えるdPETクラスタを相互接続した場合、切断点の対は「複雑」と分類した(染色体内および染色体間)。この相互接続ネットワークを、低信頼度クラスタの除外(上を参照されたい)の後であるが、DNA−PETデータキュレーション(以下を参照されたい)の前に確立した。
未処理DNA−PETデータは、6つのCML試料において3,408の異なるSVを予測した(表H4)。
異なるゲノムにわたるクラスタの比較を、両側に10Kbだけ拡張した5’および3’アンカー領域のオーバーラップに基づいて行った。第2ライブラリーのクラスタの5’アンカー領域が、第1ライブラリーのクラスタの5’拡張アンカー領域とオーバーラップし、同じことが3’アンカー領域にもいえるならば、2つのクラスタを一緒に群分けし、アンカー領域の10Kb拡張を最も外側の開始および終了アンカー座標に従って調整した。切断点の位置を用いて、同定したSVを、がんでない個体のペアエンド配列決定研究7、8に基づく、公開されているSVと比較した。公開されているSVとオーバーラップする予測SVの画分を、より大きい事象に対するオーバーラップのパーセンテージにより算出した。遺伝子アノテーションは、UCSC(http://genome.ucsc.edu/;9)から2009年5月14日にダウンロードしたRefSeq遺伝子に基づいた。
急性転化期への移行における一貫した分子的知見は、BCR−ABLタンパク質自体のレベルの増加である3、10、11。このことは、BCR−ABL遺伝子増幅およびPh染色体の重複を含むいくつかの機構により生じる3、10、11。したがって、我々は、2つの慢性期試料(P145およびP308)と比較した場合に、急性転化期試料(P022、P098、K562)においてBCR−ABLについてのDNA−PETシグナルの増加を検出でき、我々は、これをFISHと相関させた(図19Bおよび図19C)。我々は、相互ABL−BCR転座を表すDNA−PETシグナルと段階との間の逆の相関も観察した(図19B)。der9上のABL−BCR再編成点の欠失について記載されており12、我々は、逆の相関の根底にある急性転化試料P098およびK562におけるABL−BCRの完全喪失(図19Bおよび19C)を検出した。
2)相互ABL−BCRではないBCR−ABL転座が、派生第9染色体の欠失により存在する
3)相互ABL−BCRではないBCR−ABL転座が、派生第9染色体の喪失または複雑な再編成により存在する
4)慢性期患者試料P145における4つの予測SVは、同じ患者の寛解試料(P440)において予測されず(寛解における非存在)、P145においてDNA−PETが示されなかった7つのSVがP440において予測された(慢性における非存在)。「寛解における非存在」カテゴリーにおいて、再編成点のうち2つはBCR−ABLおよびABL−BCRであり、2つの5Kb欠失がP440で見つからなかったが、両方の試料においてPCRにより同定された。「慢性における非存在」カテゴリーにおいて、欠失および孤立転座はPCRにより検証できず、リストから除外され、5つの残りの矛盾したSVは、慢性および寛解試料の両方でPCRにより検出でき、DNA−PETにより慢性試料において見つからなかった。
CML系統は、ATCC(MEG−01およびKU812)、独立行政法人 医薬基盤研究所 JCRB細胞バンク(NCO2)およびthe German Collection of Microorganisms and Cell Cultures(KCL22、K562、KYO−1、JK1、BV173およびNALM1)から得た。細胞は、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミンおよび10%FBSを補ったRPMI−1640培地で成長させ、37℃、5%CO2の湿潤インキュベータ中でインキュベートした。
細胞を0.75M KClで15分間、37℃にて処置することにより核を採集した。固定の後に、核をFISH用のスライド上に滴下した。BCR−ABL融合は、Vysis LSI(遺伝子座特異的識別子)BCR/ABL1 2重融合転座プローブ(Abbott Molecular)により検出した。LSI BCRプローブを、SpectrumGreenで標識し、LSI ABL1プローブを、SpectrumOrangeで標識した。LSI BCR/ABL1 2色2重融合転座プローブ(Abbott Molecular)を用いるFISHアッセイを、製造者の使用説明にわずかな改変を加えて、固定細胞に対して行った。簡単に述べると、スライドを一連のアルコール中で脱水し、同時変性を3分間、75℃にて行い、その後、37℃にて1晩ハイブリダイゼーションした。FISHシグナルの評価は、1000倍の倍率の下で蛍光顕微鏡(Olympus BX60)を用いて行った。それぞれの場合に、約200の間期の核をシグナルパターンについて評価した。
製造者の使用説明に従ってRNeasyミニキット(Qiagen)を用いて、トータル細胞RNAを抽出した。RNAを、Superscript III第1鎖合成システム(Invitrogen)を用いて逆転写し、iQ5マルチカラーリアルタイム検出システム(Bio−Rad)を、25μlの全反応容量で用いて定量的に評価した。プライマーを59℃にて20秒間アニーリングし、アンプリコンを72℃にて30秒間伸長した。定めたサイクルの総数は、40であった。β−アクチンまたはBIMのエキソン2Aの転写産物レベルを用いて、試料間を標準化した。以下のプライマーを用いた:BIMエクソン2A(順方向:ATGGCAAAGCAACCTTCTGATG;逆方向:GGCTCTGTCTGTAGGGAGGT)、BIMエクソン3(順方向:CAATGGTAGTCATCCTAGAGG;逆方向:GACAAAATGCTCAAGGAAGAGG)、BIMエクソン4(順方向:TTCCATGAGGCAGGCTGAAC;逆方向:CCTCCTTGCATAGTAAGCGTT)およびβ−アクチン(順方向:GGACTTCGAGCAAGAGATGG;逆方向:AGCACTGTGTTGGCGTAC−AG)。
ウェスタンブロッティングを、ヒトBIM、CrkL、pCrkL、カスパーゼ3、切断カスパーゼ3、PARP(全てCell Signaling Technologyから)およびβ−アクチン(Sigma)に対する抗体を用いて行った。検出は、ウサギ(Sigma)またはマウスIgG(Santa Cruz)に特異的なHRPコンジュゲート2次抗体を用いて行った。メンブレンは、Western Lightning化学発光試薬(PerkinElmer)を用いて視覚化した。
製造者の使用説明に従ってアネキシンV−FITC/7−AADキット(Beckman Coulter)を用いてアポトーシスを測定した。簡単に述べると、処置または未処置細胞を、アネキシンV−FITCおよび7−AADで、1×結合緩衝液中で15分間、室温にて染色し、次いで、フローサイトメトリーにより分析した。
E3含有BIM転写産物に対する小型干渉RNA(siRNA)(BIMγsiRNA1:CCACCAUAGUCAAGAUACA;BIMγsiRNA2:CAGAACAACUCAACCACAA)および陰性対照siRNA(ON−TARGETplus非ターゲティングsiRNA#1)を、Dharmacon Inc.から購入した。ヌクレオフェクションを、KCL22細胞に対して、Nucleofector溶液V(Lonza)をsiRNAの存在下で用いて行った。
我々は、HapMap13ホームページ(http://snp.cshl.org/)からダウンロードしたAffymetrixゲノムワイドヒトSNPアレイ6.0強度データを用いて、BIMにおける欠失多型のコピー数を推測した。2つの遺伝子型決定された単一ヌクレオチド位置が、欠失内にあった:SNP_A−4195083およびCN_173550。2つのマーカーの未処理強度を用いて、Kornら14により提案されるアルゴリズムと類似の混合ガウスモデルを用いてコピー数変動事象を求めた。この手順を用いて、我々は、コピー数を予測し、それにより、ヨーロッパ人(n=60)、ヨルバ族(n=60)および中国人/日本人(n=90)起源の無関係のHapMap試料における欠失の存在または非存在を予測した。我々は、次いで、以下の温度サイクル条件:96℃で30秒間、(94℃で15秒間、64℃で30秒間、68℃で5分間)×12、(94℃で15秒間、60℃で30秒間、68℃で5分間)×18、68℃で20分間を用いて、プライマーBim_del_F AATACCACAGAGGCCCACAGおよびBim_del_R GCCTGAAGGTGCTGAGAAAGならびにJumpStart RedAccuTaq LA DNAポリメラーゼ(Sigma)を用いるPCRにより、我々が有していた中国人/日本人DNA試料(n=74)における欠失の遺伝子型を決定した。欠失を有する(1,323bp)および欠失を有さない(4,226bp)得られたPCR生成物を、1%アガロースゲル上で分析した。我々は、PCRに基づく遺伝子型を用いて、ヨーロッパ人およびヨルバ族試料における遺伝子型召集についての単一ヌクレオチド強度カットオフを精密化し、頻度評価のために東アジア人試料のPCRにより検証された遺伝子型だけを用いた。
東アジア人患者の処置耐性の集団寄与分画を算出するために、我々は、PAF=(f(OR−1))/(f(OR−1)+1)(患者のうちの欠失キャリアの頻度(f=0.135)f、およびTKI処置に対して耐性の患者と感受性の患者との間の欠失キャリアのオッズ比(OR)(OR=3.19))を用いた。
pI−12スプライシング構築物を、Mariano Garcia−Blancoからの厚意として得た。標準的なクローニング技術を用いて、2つの他のミニ遺伝子構築物であるpI−12−WTおよびpI−12−MUTを構築した。簡単に述べると、BIMエキソン4とエキソン4の上流の659bp配列とを一緒に、KCL22ゲノムDNAから、5’−GCCGCTCGAGTCTCTCCATGTGGTGTTTG−3’をフォワードプライマーとしておよび5’−GCCGAAGCTTCCTCCTTGCATAGTAAGCGTT−3’をリバースプライマーとして用いて増幅した。PCR生成物を、XhoIおよびHindIIIで消化し、pI−12プラスミドのXhoIおよびHindIII部位にクローニングした。BIMエキソン3と欠失多型を有するおよび有さない上流領域とを、KCL22ゲノムDNAから、5’−GCCGGATATCATGGAAGGAACTGACCTGGTG−3’をフォワードプライマーとしておよび5’−GCCGATCGATGTAGGAAACTGGGTGAATGGC−3’をリバースプライマーとして用いて増幅した。4500bpおよび1597bpのサイズの2つのPCR生成物を得て、これらをゲル精製し、EcoRVおよびClaIで消化し、プラスミドのEcoRVおよびClaI部位にクローニングして、欠失多型を含有しないpI−12−WT構築物および欠失多型を含有するpI−12−MUT構築物を得た。
ZFNは、Sigma−Aldrich CompoZr TM ZFN Technology(USA)により注文製作された。このZFNは、欠失多型に相当する領域の5’端から551bp下流の部位を切断した(図14B)。修復鋳型は、2つのフランキングホモロジーアームだけを含有したが、BIM欠失多型領域を含有しなかった(図16A)。修復鋳型を、鋳型としてKCL22ゲノムDNAと、以下のプライマー:5’CATAAATACCACAGAGGCCCACAGC3’(このフォワードプライマーは、BIM欠失多型領域の5’端から619bp上流にある)、5’CCCTCGAAGACACCTCTATTGGGAGGC3’(このリバースプライマーは、BIM欠失多型領域の3’端の743bp下流にある)とを用いるPCRにより構築した。
野生型およびゲノム編集されたK562クローンを、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミンおよび20%FBSを補ったRPMI−1640培地で培養し、37℃、5%CO2の湿潤インキュベータ中でインキュベートした。6ウェルプレート中で、1×106細胞を各ウェルに2×105細胞/mlの密度で播種した。適当な薬物との48時間のインキュベーションの後に、細胞をウェスタン分析のために採集した(図16)。
2)46,XY,+8,t(9;22)(q34;q11.2),i(17)(q10)[cp2]/48,idem,+der(22)t(9;22)[7]/48,idem,+19[cp4]/48,idem,t(12;17)(p13;q11.2),+19[cp3]/49,idem,+8,+19[2]/46,XY[3]。
表H1.DNA−PET分析に用いた患者およびCML株化細胞(K562)の臨床病理学的特徴
1)配列決定した25bpタグの数
2)ヒト参照ゲノム(NCBI build 36)に対してマッピングした25bpタグの数
3)マッピングした25bpタグを対合した後に作製されたペアエンドタグ(PET)の数
4)非重複PET;両方のペアタグについて同じ始点を有するPETを、これらが同じPCR生成物に由来する(独立した生物学的情報でない)という仮定に基づいて除外した
5)調和性PET
6)非重複cPET(4を参照されたい)
7)cPETによる物理的カバー範囲;染色体位置を交差するcPET接続の平均数
8)非重複不調和性PET(4を参照されたい)
9)「低信頼度クラスタの除外」を通過した同じ潜在的再編成点の周囲のdPETのクラスタ。
1)SV統計は、dPETクラスタの数を反映する(逆位、挿入および均衡転座は、事象あたり2のdPETクラスタで構成される)
2)相互ABL−BCRではないBCR−ABL転座が、派生第9染色体の欠失により存在する
3)相互ABL−BCRではないBCR−ABL転座が、派生第9染色体の喪失または複雑な再編成により存在する
2)異なるゲノムにおける同じSVは1回計数する。
3)スーパークラスタサイズが100を超えるか、またはBlastスコアが2000を超えるか、またはBlastアラインメントがECタイプであるか、またはクラスタサイズが2〜5である(上記を参照されたい)dPETクラスタをふるい分けした
4)21名の正常個体の22の正常ライブラリーのDNA−PET情報および10の正常試料の公開されているペアエンド配列決定データ7、8によりデータをふるい分けした後。
1)SV統計は、dPETクラスタの数を反映する(逆位、挿入および均衡転座は、事象あたり2のdPETクラスタで構成される)
2)相互ABL−BCRではないBCR−ABL転座が、派生第9染色体の欠失により存在する
3)相互ABL−BCRではないBCR−ABL転座が、派生第9染色体の喪失または複雑な再編成により存在する。
4)慢性期患者試料P145における4つの予測SVは、同じ患者の寛解試料(P440)において予測されず(寛解における非存在)、P145においてDNA−PETが示されなかった7つのSVがP440において予測された(慢性における非存在)。「寛解における非存在」カテゴリーにおいて、再編成点のうち2つはBCR−ABLおよびABL−BCRであり、2つの5Kb欠失がP440で見つからなかったが、両方の試料においてPCRにより同定された。「慢性における非存在」カテゴリーにおいて、欠失および孤立転座はPCRにより検証できず、リストから除外され、5つの残りの矛盾したSVは、慢性および寛解試料の両方でPCRにより検出でき、DNA−PETにより慢性試料において見つからなかった。
1)両方の切断点にて同じ配列のマイクロホモロジーを太字で示し、左の切断点に割り当てる。2つのゲノム切断点の間の挿入配列を太字および下線で示す。
表H8.早期慢性期におけるファーストラインイマチニブに対する奏功の欧州LeukemiaNet(ELN)基準16
2)「2×ライブラリーサイズまで伸展」したものおよび「近傍閾値」内のものを除く全てのdPETクラスタについての最小dPETクラスタサイズ
3)サイズ2のdPETクラスタは、両方のアンカーが記載される距離以内(「伸展dPET」規則以外)であるならば、許容する。
以下は、実施例H1.材料および方法についての参考文献である。
慢性骨髄性白血病(CML)の患者のほとんどは、BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)での治療に応答する1。しかし、患者の15〜20%は、TKIに対して最適に応答せず2、TKI耐性を有する。代替治療に対する臨床耐性または感受性を予測するための信頼できるバイオマーカーは、現在のところない。今回、我々は、BIM遺伝子中の2.9Kb欠失多型により媒介される固有のTKI耐性の新規な機構を同定する。この欠失は、死滅促進性BH3ドメインを含有するBIMアイソフォームからスプライシングがなくなるように偏らせ、BH3含有転写産物を上方制御するTKIの能力を減退させた。このことにより、鈍いアポトーシス応答と固有のTKI耐性(BH3模倣薬を用いて克服できた耐性)が導かれた。興味深いことに、多型は、東アジア人個体に制限され(12.3%キャリア率)、アフリカ人および白人には存在しなかった(0%)。東アジア人CML患者(n=203)は、多型の存在と劣ったTKI応答との間の強い関連を示した(p=0.02)。我々の結果は、共通の欠失多型がどのようにしてTKI(広範囲のキナーゼ駆動型がんに対して効力が証明されたクラスの薬物)に対する臨床応答に影響できるかを示す。重要なことに、BIM機能に対する多型の影響を明らかにすることにより、我々は、BH3模倣剤がこの形のTKI耐性を克服できることを証明する。
CMLにおける新規なTKI耐性機構を同定するために、我々は、ペアエンドタグの大量並列DNA配列決定9、10(図14)を用いて、TKIに対して感受性または耐性である患者から得られた5つのCML試料のゲノムを調べた(表H1)。
BIM遺伝子構造を調べることは、欠失多型が、互いに排他的な様式でエキソン3および4のスプライシングをもたらすことを示唆し、この可能性は、エキソン3のイントロン−エキソン境界の5’端の近傍(107bp)にあるとともに、エキソン3自体の中に停止コドンおよびポリアデニル化シグナルが存在する(図15Aおよび図20)11ことにより示唆された。BIM発現に対する多型の影響を確認するために、我々は、ミニ遺伝子を構築して、欠失の存在下または非存在下でのエキソン4に対するエキソン3のスプライシングを測定し(図15B)12、欠失が、エキソン4よりもエキソン3へのスプライシングに少なくとも5倍好ましいことを見出した(図15C)。重要なことに、多型含有試料は、エキソン4含有転写産物に対して高いレベルのエキソン3含有転写産物を発現したが、全般的なBIM転写は影響されなかった(図15D)ので、患者からの初代CML細胞は同じ現象を示した。同様の結果が、正常HapMap個体から得られたリンパ芽球様株化細胞において観察され、このことは、細胞系統非依存性の影響を示した(図23)。アポトーシス促進性BH3ドメインは、エキソン4においてのみ見出され(図14A)、BIMアポトーシス機能のために必要である13、14ので、我々の観察結果は、TKI耐性についての新規な機構を示唆した。このモデルにおいて、TKI曝露の際に、多型含有CML細胞は、エキソン4含有BIM転写産物に対してエキソン3含有BIM転写産物の発現に有利となり、BH3含有BIMアイソフォームの発現を減少させ、その結果、BH3ドメイン依存性アポトーシスを減退させた。これらの研究を容易にするために、我々は、欠失を含有する日本人CML株化細胞KCL22を同定し15(図15E)、これらが、欠失非含有細胞と比較して、エキソン3/エキソン4転写産物の比の増加を示すことを確認した(図15F)。KCL22細胞は、また、TKI曝露の後のエキソン4含有転写産物の誘発の減少(図15G)と、主要BH3含有BIMアイソフォームであるBIMELタンパク質のより低いレベル(図15H)とを示した16。以前の報告15、17、18と一貫して、KCL22細胞は、効果のあるBCR−ABL阻害にもかかわらずイマチニブに対して耐性であり(図15Hおよび表H13)、イマチニブ曝露の際のアポトーシスシグナル伝達の減退を示した(図15I)。
我々は、次に、ジンクフィンガーヌクレアーゼにより促進される遺伝子ターゲティングを採用して、イマチニブ感受性K562 CML細胞のBIM遺伝子における欠失多型を精密に再現した(図15A)。我々は、次いで、BIMスプライシングおよび発現の変化ならびにTKIにより誘発されるアポトーシスについてこれらの細胞を分析した。我々は、欠失多型についてヘテロ接合性(K562−BIMイントロン+/−)またはホモ接合性(K562−BIMイントロン−/−)のサブクローンを作製し(図16B)、これらの細胞において、多型量依存性の様式で増加するエキソン3/エキソン4転写産物の比を確認した(図16C)。欠失多型含有細胞は、また、イマチニブ曝露の後のエキソン4含有転写産物の誘発の減少(図16D)、BIMELタンパク質の上方制御の減退およびアポトーシスシグナル伝達と細胞死の両方の減衰(図16E、図16Fおよび図16G)を示した。KCL22細胞においてと同様に、ABT−737をイマチニブに加えることにより、多型含有細胞においてアポトーシスを活性化する後者の能力が増強された(図16H)。これらをまとめると、我々の研究は、多型が、BH3含有BIMアイソフォームからスプライシングがなくなるように偏らせることによりイマチニブに対するアポトーシス応答を減退させ、CML細胞をイマチニブに対して元来耐性にするために十分であることを確立する。重要なことに、我々は、イマチニブに対するアポトーシス応答が、多型含有細胞において、BH3模倣薬により回復できることも示す。
次に、我々は、東アジア人CML患者におけるTKI応答に対する多型の影響について回顧的分析を行った。2つの独立する東アジア人(シンガポール/マレーシアおよび日本)コホートからの新しく診断された慢性期CML患者の群(n=203)を用いて、我々は、標準的な用量のイマチニブ(400mg/日)を用いるファーストライン治療に対する臨床応答を、欠失多型を有する個体と有さない個体との間で比較した。臨床応答は、欧州LeukemiaNet(ELN)基準(表H8)2に従って分類し、耐性患者は、ELN基準により「準最適応答者」または「失敗」と定義し、感受性患者は、ELNにより定義される「最適応答者」に相当した。
まとめると、我々の知見は、がんはそれらの体細胞により獲得された「駆動」変異に従って分類されるべきであるが、生殖系列多型は、「標的」治療に対するこのようながんの応答を直接調節でき、臨床転帰に影響できるという原理を証明する。重要なことに、我々は、共通BIM欠失多型がどのようにして、部分的に、均一に定義され処置されたCML患者の群において見られる不均質な応答の原因になり得るかを示す。著しいことに、多型は、東アジア諸国の個体においてのみ見出され、これらについて、ヨーロッパおよび北米と比較して(26%)、イマチニブに対する細胞遺伝学的不完全応答のより高い比率(約50%)が報告されている8。これらの人種の相違に対する欠失多型の相対的貢献を評価するために、我々は、多型が、東アジア人の症例における約23%の耐性(集団寄与分画)の根底にあると見積もった。このことは、これらの世界の2つの集団の間で観察される細胞遺伝学的完全応答比率における相違を部分的に説明し得る。
以下は、実施例H3〜実施例H8についての参考文献である。
実施例N1〜N4は、EGFR駆動型非小細胞肺がんにおけるBIM欠失多型と関連する無増悪生存期間の短縮を証明する。
倫理委員会承認
臨床NSCLC試料は、the National Cancer Centre、Singapore、東邦大学医療センター大森病院、日本、愛知県がんセンター、日本およびthe National University Cancer Institute、National University Health System、Singaporeで診察された患者から得た。書面でのインフォームドコンセントおよび参加施設における施設調査委員会の承認を、本研究に試料を提供した全ての患者から得た。
NSCLC細胞(PC9およびHCC2279)は、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミンおよび10%FBSを補ったRPMI−1640培地で成長させ、37℃、5%CO2の湿潤インキュベータ中でインキュベートした。ゲフィチニブおよびABT−737は、DMSOに再懸濁して−20℃にて保存した。
製造者の使用説明に従ってRNeasyミニキット(Qiagen)を用いて、トータル細胞RNAを抽出した。RNAを、Superscript III第1鎖合成システム(Invitrogen)を用いて逆転写し、iQ5マルチカラーリアルタイム検出システム(Bio−Rad)を、25μlの全反応容量で用いて定量的に評価した。プライマーを59℃にて20秒間アニーリングし、アンプリコンを72℃にて30秒間伸長した。定めたサイクルの総数は、40であった。β−アクチンまたはBIMのエキソン2Aの転写産物レベルを用いて、試料間を標準化した。以下のプライマーを用いた:BIMエクソン2A(順方向:ATGGCAAAGCAACCTTCTGATG;逆方向:GGCTCTGTCTGTAGGGAGGT)、BIMエクソン3(順方向:CAATGGTAGTCATCCTAGAGG;逆方向:GACAAAATGCTCAAGGAAGAGG)、BIMエクソン4(順方向:TTCCATGAGGCAGGCTGAAC;逆方向:CCTCCTTGCATAGTAAGCGTT)およびβ−アクチン(順方向:GGACTTCGAGCAAGAGATGG;逆方向:AGCACTGTGTTGGCGTAC−AG)。
ウェスタンブロッティングを、ヒトBIM、カスパーゼ3、切断カスパーゼ3、PARP、ホスホ−EGFR(Y1068)(全てCell Signaling Technologyから)およびβ−アクチン(Sigma)に対する抗体を用いて行った。検出は、ウサギ(Sigma)またはマウスIgG(Santa Cruz)に特異的なHRPコンジュゲート2次抗体を用いて行った。メンブレンは、Western Lightning化学発光試薬(PerkinElmer)を用いて視覚化した。
PC9またはHCC2279細胞を、24ウェルプレート中に、ウェルあたり5×105または1.6×10細胞にて3重に播種し、DMSO(薬物なし)、0.5μMゲフィチニブ、2.5μM ABT−737またはゲフィチニブとABT−737との組合せで処置した。トリパンブルー染色を行って、処置の48時間後の生存細胞の数を評価した。
肺腫瘍のFFPEスライドを、キシレンおよび無水エタノールでスライドを洗浄することによりパラフィン除去した。各スライドからの肺がん領域を掻きとり、1.5mlチューブに移し、QIAGEN QIAamp FFPE組織キットを用いてゲノムDNAを抽出した。EGFRエキソン18から21を、配列決定した。50ngのFFPE gDNAを、10μlのGoTaqホットスタートTaq無色マスターミックス(M5133、Promega)を含有する20ulの反応容量でのPCRにより増幅した。PCR条件は、95℃で5分間、35サイクルの95℃で50秒間、58℃で50秒間、72℃で60秒間のDNA増幅、および72℃で10分間の最終伸長であった。用いたPCRプライマーは、エキソン18(フォワード:TGGCACTGCTTTCCAGCATGG;リバース:CTCCCCACCAGACCATGAGAGG)、エクソン19(順方向:ATCACTGGGCAGCATGTGGCA;逆方向:CCTGAGGTTCAGAGCCATGGAC)、エクソン20(順方向:CATGCGAAGCCACACTGACGTG;逆方向:GCATGTGAGGATCCTGGCTC)、エクソン21(順方向:GATCTGTCCCTCACAGCAGG;逆方向:GGTGTCAGGAAAATGCTGGCTG)であった。PCR生成物を、エキソヌクレアーゼI(M0293L、New England Biolabs,Inc)−エビアルカリホスファターゼ(M8201、Promega)処置により精製した。精製PCR生成物を、フォワードおよびリバース方向に、ABI PRISM BigDyeターミネーターサイクル配列決定レディ反応キット(バージョン3)をABI PRISM 3730遺伝子分析機(Applied Biosystems、CA)において用いて配列決定した。クロマトグラムを、SeqScape V2.5および手動での調査により分析した。
DNAを、患者の血液試料から抽出するか、またはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)生検スライド/ブロックから回収した。血液からのゲノムDNAについて、我々は、以下の温度サイクル条件:96℃で30秒間、(94℃で15秒間、60℃で60秒間、68℃で10分間)×29、68℃で20分間を用いて、プライマーBim_del_F AATACCACAGAGGCCCACAGおよびBim_del_R GCCTGAAGGTGCTGAGAAAGならびにJumpStart RedAccuTaq LA DNAポリメラーゼ(Sigma)を用いる単一PCR反応により、試料中の欠失の遺伝子型を決定した。欠失(1,323bp)および野生型(4,226bp)対立遺伝子から得られたPCR生成物を、1%アガロースゲル上で分析した。
1次エンドポイントは、東アジア諸国からのEGFR TKIで処置されたEGFR変異NSCLC患者の無増悪生存期間(PFS)に対するBIM欠失多型の影響を調べることであった。PFSは、EGFR TKI治療の開始から腫瘍増悪または任意の原因での死亡のいずれかまでで算出した。TKI治療が副作用により停止されるならば、観察を検閲した。生存曲線を比較するKaplan−Meier検定のP値は、Wilcoxon検定およびログランク検定を用いて算出した。t検定およびFisherの正確検定を用いて、BIM欠失および野生型集団の臨床特徴間の差について検定した。
上皮増殖因子受容体(EGFR)中に活性化変異を有する全てではないが多くの非小細胞肺がん(NSCLC)患者は、EGFR阻害剤に応答する。しかし、EGFR阻害剤に対する初期の応答は、応答持続期間を予測しない。我々は、新規なBIM欠失多型が、株化細胞におけるEGFR阻害剤に対するアポトーシス促進性BIM応答を減退させ、患者における無増悪生存期間のかなりの短縮を予測することを報告する。
この疑問に答えることを補助するために、我々は、TKI感受性を増すEGFR変異を保有するが、不可解なことにTKI耐性である(既知の2次耐性を与える変異のいずれも欠くと定義される)NSCLC株化細胞を検索した。我々は、あるそのような系統であるHCC2279を同定でき、これは、特に、有効なEGFR阻害にもかかわらずアポトーシスを活性化できない16、17、19、20。我々は、HCC2779細胞におけるBIM欠失多型の存在を確認し(図25A)、BIM機能に対する欠失多型の影響を決定した。予想されたように、欠失は、多型を有さない細胞と比較して、エキソン4/BH3含有BIMアイソフォームに対するエキソン3含有BIMアイソフォームの発現が増加した(図25B)。さらに、TKI曝露は、対照細胞と比較して、転写産物およびタンパク質のレベルにてエキソン4/BH3含有BIMアイソフォームの発現の減少と、アポトーシスシグナル伝達の活性化の減退を伴った(図25Cおよび図25D)。TKI耐性は、BH3含有BIMタンパク質のレベルの減少によるとの見解と一貫して、BH3模倣薬であるABT−737の添加は、TKIにより誘発されるアポトーシスシグナル伝達および細胞死を増強した(図25Eおよび図25F)。これとは別に、我々は、イマチニブ感受性CML細胞に欠失多型を新規導入することが、このような細胞を元来イマチニブ耐性にするために十分であることも示し16、このことは、多型がHCC2279細胞におけるTKI耐性の大部分を担うことを示唆する。
次に、我々は、欠失が、EGFR活性化変異を有するNSCLC患者におけるEGFR TKIに対する応答の持続期間と相関するかという疑問を持った。欠失多型を有するかまたは有さない患者は、既知の予後因子に関して異ならなかった(表N1)。それにもかかわらず、多型の存在は、著しくより短い無増悪生存期間を予測でき、多型を有さない個体についての11.9カ月と比較して6.6カ月の中央値であった(n=141、p=0.0027)(図26)。Cox回帰モデルを用いる多変量分析では、TKI耐性エキソン20変異の存在(ハザード比=6.00、95%信頼区間2.05〜17.57、p=0.0011)18、19に加えて欠失多型(ハザード比=2.14、95%信頼区間1.30〜3.50、p=0.0026)だけが、より不良な無増悪生存期間についての独立した予後因子であることがわかった。
以下は、実施例N2〜実施例N4についての参考文献である。
Claims (16)
- がんもしくは骨髄増殖性疾患に対する感受性があるか、またはそれに罹患している個体がチロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性を生じる見込みがあるか、を予測する方法であって、5’から3’の順序で、配列番号5に示すヌクレオチド配列と、その直後に続く配列番号7に示すヌクレオチド配列とを含むBIM(BCL2L11)遺伝子の多型バリアントを前記個体が有するかを決定するステップを含み、好ましくは、前記BIM(BCL2L11)遺伝子の前記多型バリアントが、配列番号6に示すヌクレオチド配列を欠く方法。
- (a)前記BIM(BCL2L11)遺伝子の前記多型バリアントを有する前記個体の指標として、配列番号1に示す配列を含む核酸増幅生成物の存在を検出するステップ、または(b)前記BIM(BCL2L11)遺伝子の前記多型バリアントを欠く前記個体の指標として、配列番号2に示す配列を含む核酸増幅生成物の存在を検出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
- (a)配列番号3に示すヌクレオチド配列、もしくは(b)配列番号4に示すヌクレオチド配列、または例えばプライマーセットとしての(a)および(b)の組合せを、用いる核酸増幅生成物を含む、請求項1または2に記載の方法。
- (a)前記個体が前記BIM(BCL2L11)遺伝子の前記多型バリアントを有すると決定されるならば、前記個体が、チロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性を生じる見込みがあり、または(b)前記個体が前記BIM(BCL2L11)遺伝子の前記多型バリアントを有さないと決定されるならば、前記個体は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性を生じる見込みが低い、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- がんもしくは骨髄増殖性疾患の個体についての治療を選択する方法であって、請求項1から4のいずれかに記載の方法により、患者が、チロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性を生じる見込みがあるかを決定するステップと、前記個体がそのような耐性を生じる見込みがあると決定される場合に、
(a)前記患者のより頻度が高いモニタリング、
(b)より頻度が高い血液検査および骨髄検査、
(c)骨髄移植、
(d)ニロチニブもしくはダサチニブのようなより効力が高いチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の投与、
(e)例えばTKIとの組合せでのBH3模倣剤、例えばABT−263の投与、
(f)チロシンキナーゼ阻害剤、例えばイマチニブの用量の、例えば400mg/日の標準用量を超えて600または800mg/日までの増加、または
(g)BCL2群タンパク質の生存促進性効果を阻害する薬物を用いる処置
のいずれか1または複数を含む治療を選択するステップと
を含む方法。 - がんもしくは骨髄増殖性疾患の個体に対する特定の治療の成功の見込みを決定する方法であって、前記治療を、請求項5に記載の方法により決定された治療と比較するステップを含む方法。
- (a)前記がんもしくは骨髄増殖性疾患が、慢性骨髄性白血病(CML)を含み、チロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する前記耐性が、例えば、イマチニブのようなチロシンキナーゼ阻害剤に対する耐性のようなBCR−ABL非依存性TKI耐性を含むか、
(b)前記がんもしくは骨髄増殖性疾患が、消化管間質性腫瘍(GIST)を含み、チロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する前記耐性が、例えば、イマチニブのようなチロシンキナーゼ阻害剤に対する耐性のようなc−KIT/PDGFR非依存性TKI耐性を含むか、
(c)前記がんもしくは骨髄増殖性疾患が、非小細胞肺がん(NSCLC)を含み、チロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する前記耐性が、例えば、エルロチニブもしくはゲフィチニブのようなチロシンキナーゼ阻害剤またはその他のキナーゼ阻害剤、例えばスニチニブ、ニロチニブおよびソラフェニブに対する耐性のようなEGFR非依存性TKI耐性を含むか、
(d)前記がんもしくは骨髄増殖性疾患が、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症からなる群から選択されるような骨髄増殖性疾患を含み、チロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する前記耐性が、例えば、JAK阻害剤に対する耐性のようなJAK2非依存性TKI耐性を含むか、あるいは
(e)前記がんもしくは骨髄増殖性疾患が、血液悪性腫瘍、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症を含む)、固形腫瘍、小細胞肺がん、乳がん、結腸直腸がん、卵巣がん、メラノーマおよび神経芽腫からなる群から選択される、
請求項1から6のいずれかに記載の方法。 - 5’から3’の順序で、配列番号5に示すヌクレオチド配列と、その直後に続く配列番号7に示すヌクレオチド配列とを含む、BIM(BCL2L11)遺伝子の多型バリアント。
- 配列番号6に示すヌクレオチド配列を欠くことによって特徴付けられるBIM(BCL2L11)遺伝子の多型バリアント。
- 請求項8または9に記載のBIM多型バリアントから、例えば核酸増幅により得ることができる、配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列。
- このような多型を含む個体において、
(i)BCR−ABL再活性化がない慢性骨髄性白血病についてのチロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性(BCR−ABL非依存性TKI耐性)、
(ii)c−KIT/PDGFR再活性化がない消化管間質性腫瘍(GIST)についてのチロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性(c−KIT/PDGFR非依存性TKI耐性)、
(iii)EGFR再活性化がない非小細胞肺がん(NSCLC)についてのチロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性(EGFR非依存性TKI耐性)または
(iv)JAK2再活性化がない骨髄増殖性疾患についてのチロシンキナーゼ阻害剤を用いる処置に対する耐性(JAK2非依存性TKI耐性)
と関連する、請求項8もしくは9に記載のBIM(BCL2L11)遺伝子の多型バリアントまたは請求項10に記載のヌクレオチド配列。 - (a)配列番号3に示すヌクレオチド配列、もしくは(b)配列番号4に示すヌクレオチド配列、または(a)および(b)の組合せ、例えばプライマーセット。
- 個体における請求項8または9に記載のBIM(BCL2L11)多型の存在または非存在を検出する方法であって、配列番号1に示す配列または配列番号2に示す配列を含む核酸増幅生成物を、例えば請求項12に記載のプライマーセットを用いることにより検出するステップを含む方法。
- がんもしくは骨髄増殖性疾患に罹患している患者を処置する方法であって、前記がんもしくは骨髄増殖性疾患が、BCR−ABL非依存性TKI耐性CMLがん、c−KIT/PDGFR非依存性TKI耐性GISTがん、EGFR非依存性TKI耐性NSCLCがん、またはJAK2非依存性TKI耐性骨髄増殖性疾患であるかを、請求項1から7のいずれかに記載の方法により決定するステップと、請求項5に示す(a)〜(g)から選択されるステップを行うことにより前記患者を処置するステップとを含む方法。
- 配列番号1に示す配列を含む核酸増幅生成物を、例えば請求項5に記載のプライマーセットを用いることにより検出するステップを含む、請求項13または14に記載の方法。
- 添付の図面の図1から26を参照して実質的に上に記載され、かつ図1から26に示すような多型バリアント、ヌクレオチド配列または方法。
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