JP2014501522A - Phaで覆われた核 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1種以上のPHAを含むフィルムで覆われたか被覆された核に関する。本発明は、PHB−V型であることを特徴とするPHA、前記PHAを含むフィルムおよび組成物にも関する。さらに、本発明は、PHAおよびゾステル酸または生物活性分子を含むフィルムまたは組成物に関する。さらに、本発明は、PHAフィルムで覆われた表面(好ましくは核)、その生産方法、ならびに真珠貝の移植方法およびこの核を用いた真珠の生産方法に関する。最後に、本発明は、移植の失敗を減少させ、かつ/または本発明に係る核を用いて真珠の品質を高める方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、真珠養殖(真珠貝による真珠の生産)における被覆核の分野に関する。従って、本発明は、抗細菌性を有し、得られた真珠の品質の改良を可能にし、かつ真珠母貝への核の挿入後の死亡率および核拒絶現象を減少させる、均質なフィルムで被覆された核に関する。
真珠養殖は、養殖真珠を生産するために、自然環境でアコヤガイ属種の真珠貝を養殖することからなる人間の活動である。第一段階は、供与貝または母貝のいずれか一方として使用される真珠貝の採取および育成に関する。移植は、移植片(供与貝の外套膜の上皮の一部)(約4mm)を、真珠層ビーズすなわち核と共に、母貝の生殖腺に挿入する外科手術からなる。母貝に挿入されると、移植片の上皮端は増殖し、核を被覆する真珠袋を生成して生殖腺を完全に覆う。前記真珠袋は、核の周りに真珠層を堆積させ、それにより、真珠が生産される(Montagnani et al., 2009 Chembiochem. 2011 Sep 5;12(13):2033-43)。高品質な真珠を生産するためには、核の表面は、凸凹がなく、できるだけ均整のとれたものでなければならない。
死亡および核拒絶反応は、移植後約45日間に可変的割合で生じる。これらの現象は、外科手術後3週間以内に40〜50%の二枚貝に影響を与えるものであるが、感染症または不適当な移植技術に起因していると思われる。おそらく、核の挿入後の炎症反応の発生および、移植中に切開された組織の素早い治癒の欠如と相まって生じる病原菌による汚染が、核拒絶反応の主な原因であろう(Cochennec et al., 2010)。
従って、高品質な真珠の生産を保証すると共に、移植手術の失敗率を減少させる、特に死亡率および核拒絶反応を減少させる方法が必要とされている。
特開平05−219856号は、移植段階で、核と同時に、あるいは核によって、抗生物質に結合された水溶性ポリマーをその表面に含む固体材料を母貝に挿入することについて記載している。
特開平02−308869号は、特に、核表面の均質性を高めることにより、得られる真珠の品質を高めるため、ならびに拒絶反応および死亡現象を減少させるために、防汚剤に結合された合成ポリマーで被覆された核を使用し、例えば、様々な寄生虫による核のコロニー形成を防止することを主張している。
米国特許第6514614号は、抗菌活性を有する物質に結合された水溶性ポリマーによる核の被覆について記載しており、前記ポリマーは、前記核の挿入に対する摩擦および抵抗を効果的に減少させるために、海水によって部分的に溶解されている(溶解率は25%を超える)。
最後に、特開平03−183424号は、制御された速度で、水溶性ポリマー(または徐放投与を可能する任意の他の化合物)に結合された抗生物質を投与するために、前記ポリマーで核を被覆するためのシステムについて記載している。
しかし、上記刊行物において提案されている解決法では、それらが合成の被覆剤または抗生物質からなるか否かに関わらず、使用される成分の生分解性の欠如または不完全な生分解性のために、環境問題が引き起こされる。さらに、細菌耐性の発達により、抗生物質の使用によっても公衆衛生問題が引き起こされる。最後に、水溶性ポリマーの使用により、これらの化合物の長期的な作用の限界が生じると共に、水性媒体への二枚貝の浸漬後に、被覆化合物が次第に消失してしまう。
驚くべきことに、本発明者は、天然の生分解性かつ非水溶性ポリマーであるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)フィルムで核を被覆することにより、移植手術の失敗率を減少させ、得られる真珠の品質が高まることに気付いた。
いかなる理論にも縛られたくはないが、本発明者らは、PHAフィルムで核を被覆することにより核表面の均質化を高め、それにより、真珠の表面の凸凹の存在が制限されることを提唱している。さらに、PHAは、核への細菌の付着および細菌増殖を制限することができる。従って、前記PHAフィルムを殺菌剤または静菌剤(例えば、抗菌ペプチド(AMP)など)に結合することに加え、PHAのこの本質的な効果により、微生物汚染の発生は減少する。単独のPHAまたは殺菌剤もしくは静菌剤と結合されたPHAの存在により、移植工程の失敗は減少し、特に母貝の死亡率および前記母貝による核拒絶反応は減少する。
本発明は、1種以上のポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を含むフィルムで覆われたか被覆された核に関する。本発明の一実施形態によれば、前記PHAは、HBポリマー(PHB)、HVポリマー(PHV)またはHB−HVコポリマー(PHB−V)である。
本発明は、HB:HV比が50:50以上であって70:30未満であるPHB−V型であることを特徴とするPHAにも関する。
さらに、本発明は、上記PHAを含むかそれからなる組成物およびフィルムに関する。
本発明の別の目的は、PHAおよびゾステル酸を含む組成物またはフィルムである。
本発明の別の目的は、PHAと、治癒剤または抗炎症剤ならびに例えば化学抗生物質および抗菌ペプチドなどの殺菌剤または静菌剤の中から選択される1種以上の生物活性分子とを含む組成物またはフィルムである。
本発明は、表面を覆うための上記フィルムの使用にも関し、前記表面は、真珠養殖用の核または、例えば海水もしくは淡水などの水と接触し得る表面、好ましくは繰り返しもしくは長期間接触し得る表面であり、前記表面は、例えば、水産養殖、好ましくは養魚で使用される例えばプラスチックもしくは金属タンクなどのタンク、または二枚貝養殖のために使用される基板およびロープである。
従って、本発明の別の目的は、上記フィルムで被覆された表面であって、好ましくは核である表面である。
本発明は、前記表面を上記フィルムで覆う、被覆する、または裏打ちすることを含む、表面の保護方法にも関する。
さらに、本発明は、溶液の体積当たり0.1〜10重量%の濃度の1種以上のPHAを含むトリフルオロエタノール溶液に核を浸漬することからなる第1の工程を含み、前記第1の工程後に、任意に、1〜10MICの濃度の1種以上の殺菌剤または静菌剤を含む溶液に核を浸漬することからなる第2の工程を含む、上記核を得る方法に関する。
本発明は、溶液の総体積当たり0.05〜10重量%の濃度の1種以上のPHAと、1〜10MICの濃度の1種以上の殺菌剤または静菌剤とを含むトリフルオロエタノール溶液に核を浸漬することからなる単一の工程を含む、上記核を得るための第2の方法にも関する。
本発明の別の目的は、スプレーを用いて上記組成物を核に吹き付けるためのスプレーの使用からなる単一の工程を含む、上記核を得るための第3の方法である。
従って、本発明は、上記組成物を含むかそれからなるスプレーにも関する。
本発明の別の目的は、上記核を含む二枚貝、または本発明に係る方法のいずれかによって得られる二枚貝である。
本発明の別の目的は、供与貝の外套膜の上皮からなる移植片を上記核または上記方法のいずれかによって得られた核と共に真珠母貝の生殖腺に挿入することを含む、真珠母貝の移植方法である。
本発明は、上記移植方法を含む、養殖真珠から真珠を生産する方法にも関する。
さらに、本発明は、上記真珠の生産方法によって得られた真珠、本発明に係る核を含む真珠、または1つ以上の真珠層の下に本発明に係るフィルムを含む真珠に関する。
本発明の別の目的は、母貝への核の移植を含む、真珠の品質を高め、かつ/または、真珠母貝の死亡または真珠母貝による拒絶反応に対応する母貝への上記核の移植の失敗を減少させる方法である。
本発明は、移植の失敗を減少させ、かつ/または得られる真珠の品質を高めるための、本発明に係る核の使用にも関する。
真珠養殖では、移植工程時に母貝に挿入される核上への真珠層の堆積により、真珠が生産される。一般に、母貝の移植時になされた切開の治癒が不十分であったり、細菌の汚染により、核の移植工程での失敗率は高くなる。このように、真珠養殖に使用される核を、移植工程の失敗を減少させることができ、かつ核の表面の均質性を確保する被覆物で益々覆うことにより、高品質の真珠が得られる。
本発明は、1種以上のポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を含むフィルムで裏打ちまたは被覆された核に関する。本発明の一実施形態によれば、PHAフィルムは、核の周りで連続している。本発明の一実施形態によれば、PHAフィルムは、0.1〜200μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜50μmの厚さを有する。
いく種かの細菌が、制御条件下で、栄養の不均衡状態に応答して、PHA(ポリヒドロキシアルカン酸)を含むポリマーを合成することができることが明らかに実証された。
細菌性PHAは天然のポリエステルであり、100%生分解性であり、再生可能資源から得られる。これらの生体高分子は、過剰な炭素基質の存在下で細菌増殖のために必要な栄養源が制限されている場合に、顆粒形態で細菌細胞内に蓄積される。PHAの物理化学的特性は、その化学組成に依存しており、その化学組成は、細菌増殖およびPHA合成のために使用される炭素源の性質によって影響される。これらの生体高分子は工業規模で製造することができ、各微生物に特異的な複雑な組成により、数多くの工業分野において前記生体高分子の用途を提供する流体力学的、物理化学的および生物学的特性を有する。これらの特性のうち、接着性およびフィルム形成能が特に注目されている。PHAは、水溶性ではないという利点も提供する。
PHAは、以下の単量体単位の繰り返しからなるポリエステル型ポリマーであり、
Figure 2014501522
式中、Rは大きさが可変なアルキル基またはアルケニル基であり、mおよびnは整数であり、好ましくは、mは1または2に等しく、より好ましくは、mは1に等しい。
PHAは、3つのクラスに分けることができる。すなわち、最大5個の炭素原子を有するヒドロキシアルカン酸からなるPHAscl(短鎖長)、単量体単位が6〜12個の炭素原子を含むPHAmcl(中間鎖長)、および構成単位が12〜16個の炭素原子を含むPHAlcl(長鎖長)である。前者(scl)は硬くて脆いが、後者(mclおよびlcl)は、エラストマおよび接着剤のカテゴリに入る。
本発明の一実施形態によれば、本発明に使用されるPHAは、微生物マットからの細菌を発酵させることによって得られる。
一実施形態によれば、微生物マットからの細菌を発酵させる場合、制御条件(過剰な炭素源の存在下で細菌増殖のために必要な成分を制限することによって生じる栄養およびエネルギーの不均衡)下で、前記PHAを合成する。一実施形態によれば、本発明の日付において適用可能な分類法によれば、これらのPHAは、パイロコッカス属種、ビブリオ属種、アルテロモナス属種、シュードモナス属種またはシュードアルテロモナス属種の細菌によって合成されるものから選択される。万が一分類法が修正された場合、当業者であれば、本発明に使用されるPHAを推定するために、分類法の修正版を適応することができるであろう。これらの細菌は、従属栄養の好気性中温菌であると有利である。
本発明の一実施形態によれば、本発明に使用されるPHA産生細菌を、以下の条件(塩分35%、温度30℃、pH7.6)下で、窒素が少なく炭素源を多く含む培地で、1〜5日間好ましくは2〜4日間、より好ましくは約3日間培養する。
本発明の一実施形態によれば、細菌培地は、炭水化物もしくは脂肪酸型の1種以上の炭素源を含む。本発明の一実施形態によれば、炭素源は、グルコース、グリセリン、酢酸塩、安息香酸塩、オクタノン酸塩、ピルビン酸塩、プロピオン酸塩、吉草酸塩およびそれらの混合物を含む群から選択される。本発明の一実施形態によれば、培地中の総炭素源濃度は、1〜30g/l、好ましくは5〜20g/lの範囲で変動し、より好ましくは約10g/lである。一実施形態によれば、産生細菌によって産生されるPHAの性質は、炭素源の濃度、使用される炭素源の種類、および混合物の場合は使用される様々な炭素源の比によって変わる。
本発明の一実施形態によれば、有機および/または無機、好ましくは有機溶媒を用いる細菌ペレットの抽出を含む方法によって、産生細菌から本発明に使用されるPHAを抽出する。本発明の一実施形態によれば、PHAを、クロロホルムおよびジクロロメタンを含む群において選択される溶媒を用いる抽出と、その後のエチルアルコールでのPHAポリマーの沈殿によって回収する。
本発明の一実施形態によれば、本発明に使用されるPHAは、短鎖PHAである。短鎖PHAは、ヒドロキシ酪酸(HB)および/またはヒドロキシ吉草酸(HV)単量体からなる。短鎖PHAの例は、RがCHであって、mが1であるPHB(ポリヒドロキシ酪酸)、およびRがCHまたはCH−CHであってmが1であるPHB−V(ポリ(ヒドロキシ酪酸−コ−ヒドロキシ吉草酸))である。
本発明の一実施形態によれば、本発明に使用されるPHAは、HBポリマー(PHB)、HVポリマー(PHV)およびHB−HVコポリマー(PHB−V)を含む群から選択される。
本発明の別の目的は、HB:HV比が50:50以上であって70:30未満のPHB−V型PHAである。本発明の別の目的は、HB:HV比が50:50以上であって65:35未満のPHB−V型PHAである。本発明の別の目的は、HB:HV比が50:50以上であって60:40未満のPHB−V型PHAである。本発明の別の目的は、HB:HV比が50:50以上であって55:45未満のPHB−V型PHAである。本発明の別の目的は、HB:HV比が50:50に等しいPHB−V型PHAである。本発明の別の目的は、HB:HV比が64:36に等しいPHB−V型PHAである。
一実施形態によれば、本発明に係るPHB−Vは、接着性および/またはフィルム形成能を有する。
本発明の一実施形態によれば、本発明に係るPHB−Vは、水溶性ではない。
本発明の一実施形態によれば、本発明に係るPHB−Vは、微生物マットからの細菌を発酵させること、好ましくは微生物マットからの海洋細菌を発酵させることによって得られる。
本発明の一実施形態によれば、微生物マットからの細菌を発酵させる場合は、制御条件(過剰な炭素源の存在下で細菌増殖のために必要な成分を制限することによって生じる栄養およびエネルギーの不均衡)下で、本発明に係るPHB−Vを合成する。
一実施形態によれば、本発明の日付において適用可能な分類法によれば、PHB−Vは、パイロコッカス属種、ビブリオ属種、アルテロモナス属種、シュードモナス属種またはシュードアルテロモナス属種の細菌によって合成されるものから選択される。万が一分類法が修正された場合、当業者であれば、本発明に係るPHB−Vを推定するために、分類法の修正版を適応することができるであろう。これらの細菌は、従属栄養の好気性中温菌であると有利である。
本発明の一実施形態によれば、本発明に係るPHB−V産生細菌を、以下の条件(塩分35%、温度30℃、pH7.6)下で、窒素が少なく炭素源を多く含む培地で培養する。
本発明の一実施形態によれば、有機および/または無機、好ましくは有機溶媒を用いる細菌ペレットの抽出を含む方法によって、本発明に係るPHB−Vを産生細菌から抽出する。本発明の一実施形態によれば、PHB−Vを、クロロホルムおよびジクロロメタンを含む群において選択される溶媒を用いる抽出と、その後のエタノールでのPHAポリマーの沈殿によって回収する。
本発明の目的は、上記PHB−Vを含むかそれからなる組成物である。
本発明の別の目的は、本発明に係るPHB−Vを含むかそれからなるフィルムである。本発明の一実施形態によれば、PHB−Vフィルムは、0.1〜200μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜50μmの厚さを有する。
本発明の別の目的は、表面を覆うための本発明に係るPHB−Vを含むかそれからなるフィルムである。本発明の一実施形態によれば、前記表面は、真珠養殖用の核である。本発明の一実施形態によれば、前記表面は、例えば海水もしくは淡水などの水と接触し得る表面、好ましくは繰り返しもしくは長期間接触し得る表面である。本実施形態によれば、前記表面は、例えば、水産養殖、好ましくは養魚で使用される例えばプラスチックもしくは金属タンクなどのタンクの表面であってもよい。本発明のさらなる実施形態によれば、本発明に係るPHB−Vを含むからそれからなるフィルムで覆われた表面は、例えば、二枚貝養殖のために使用される基板およびロープのように真珠養殖で使用される。
本発明の別の目的は、本発明に係るPHB−Vを含むかそれからなるフィルムで表面を覆う、被覆する、または裏打ちすることを含む、表面の保護方法である。保護される表面を覆う、被覆する、または裏打ちすることにより、前記表面において、一次バイオフィルムの形成と、その後の望ましくない細菌性バイオフィルムの形成を防止することができる。一実施形態によれば、前記表面は、上述したものから選択される。
本発明に係るPHB−Vの組成物またはフィルムは、細菌増殖を阻害するのに有用であり得る。実際に、PHBおよびPHB−Vは、動物組織によって、あるいは、アルカリ性もしくは酸性条件によって、細菌および真菌の解重合酵素の作用によりβ−ヒドロキシ酪酸に分解される。様々な研究により、ヒドロキシ酪酸が、細菌増殖に対する阻害作用を有する短鎖揮発性脂肪酸であることが実証されている(Van Immerseel, 2003 and Defoirdt, 2007)。短鎖揮発性脂肪酸(ヒドロキシ酪酸の脂肪酸)は、細菌の細胞膜を透過し、細胞質のアルカリ性媒体中で解離することができ、よって、細胞内プロトン濃度を上昇させると思われる。従って、細菌細胞はその細胞内pHを最適なレベルに維持するためにエネルギーを使用する。このエネルギーは他の代謝プロセスのために使用することができないため、細胞増殖は阻害される。いかなる理論にも縛られたくはないが、本発明者は、母貝に導入される核を本発明に係るPHB−Vフィルムで被覆すると、前記母貝の組織は、PHB−Vをヒドロキシ酪酸に分解し、このようにして、細菌増殖を阻害するという仮説を提唱している。
一実施形態によれば、本発明に係るPHA、特にPHB−Vは、天然である。別の実施形態によれば、本発明に係るPHA、特にPHB−Vは、化学的または物理的に修飾されていてもよい。本発明の一実施形態によれば、硫酸基、スルホン酸基、酢酸基、乳酸基、コハク酸基、ピルビン酸基、または得られるPHAの疎水性/親水性バランスを修正する基であって、好ましくは、エポキシド、アルコール、カルボン酸基を含む群から選択される基を付加することにより、本発明に使用されるPHAは修正されている。本発明の別の実施形態によれば、本発明に使用されるPHAは、低分子量のポリマーを得るために、解重合によって修正されている。本発明の別の実施形態によれば、本発明に使用されるPHAは、例えばエキソポリサッカライド(EPS)などのポリマー、好ましくはオリゴマーを移植することによって修正されている。
いく種かの細菌が、制御条件下で、栄養の不均衡に応答して、エキソポリサッカライド(EPS)を含む細胞外ポリマーを合成できることが実証されている。エキソポリサッカライドは、一連の類似した炭水化物(一般に糖類という)によって形成される巨大分子として定義してもよい。これらのエキソポリサッカライドは、工業規模で製造することができ、数ある特性のうち、接着性(これらの分子の天然の機能に関連する)およびフィルム形成能を有する。
EPSは、数多くの微生物、例えばグラム陽性菌またはグラム陰性菌、古細菌、真菌類およびいく種かの藻類によって産生され得る。EPSは、グラム陽性菌またはグラム陰性菌、古細菌または藻類によって産生されると有利である。
EPSは、例えば、音波処理、遠心分離、アルカリ処理、エタノール抽出、酵素抽出などの周知の物理的もしくは化学的抽出方法によって、微生物培養物から抽出してもよい。
本発明の一実施形態によれば、Satpute et al.(Biotechnology Advances
2010, 38: 436-450)に記載されているように、EPSは、バシラス属、ハロモナス属、プラノコッカス属、エンテロバクター属、アルテロモナス属、シュードアルテロモナス属、ロドコッカス属、ズーグレア属、藍藻、ビブリオ属などの海洋生物によって産生されるものから選択してもよい。万が一分類法が修正された場合、当業者であれば、本発明に使用するのに適したEPSを推定するために、分類法の修正版を適応することができるであろう。
本発明の一実施形態によれば、EPSは、深海熱水生態系からの細菌を発酵させることによって得てもよい。より詳細には、これらのEPSは、深海熱水生態系からの細菌を発酵させる場合に、制御条件(炭水化物を多く含む栄養培地により、高い炭素/窒素比によって生成される栄養不均衡)下で合成されるものある(例えば、Guezennec, J. (2002). Deep-sea hydrothermal vents: A new source of
innovative bacterial exopolysaccharides of biotechnological interest, Journal
of Industrial Microbiology & Biotechnology 29: 204-208を参照)。
本発明の一実施形態によれば、EPSは、HE800、EPS721、MO245、GG1、HYD657、HYD1644、HYD1545、GY785、MS907、ST716、HYD721、GY772、HYD750、GY768、GY788、B1746、GY786、GY685、GY686、ST719、HYD1574、HYD1579、HYD1582、HYD1584、ST708、ST722、ST342、ST349、HYD1625およびHYD1666、好ましくは、MO245、HE800、GG1、HYD721およびST716の中から選択される。
一実施形態によれば、EPSは天然である。別の実施形態によれば、EPSは、化学的または物理的に(例えば、硫酸基、乳酸基、コハク酸基またはピルビン酸基を付加するなどによって)修正されていてもよい。
完全に予想外なことに、本発明者は、本発明に係るPHA、好ましくはPHB−Vフィルムで覆われた核を用いることにより、移植後の母貝の死亡率が低下することに気付いた。いかなる理論にも縛られたくはないが、本発明者は、核の表面にPHAフィルムが存在することにより表面の物理化学的特性が修正され、一次バイオフィルムの形成およびその後の望ましくない細菌性バイオフィルムの形成が制限されると提唱している。核の表面に望ましくないバイオフィルムが存在することにより、母貝の組織が細菌に汚染され、前記母貝が死亡する可能性がある。
本発明の別の目的は、PHAのバイオフィルム形成の阻害を強化する薬剤、好ましくはゾステル酸に結合された、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むかそれからなる組成物またはフィルムである。ゾステル酸は、表面でのバイオフィルムの形成を防止するのに適したものであると言われている(米国特許第5384176号、米国特許第607741号、これらは参照により組み込まれる)。
本発明の一実施形態によれば、PHAフィルムと上記薬剤との結合は、吸着現象またはPHAと前記薬剤との化学反応によるものである。
一実施形態によれば、ゾステル酸は天然である。別の実施形態によれば、ゾステル酸は、化学修飾された誘導体であってもよく、好ましくは、ゾステル酸誘導体は、米国特許出願公開第2007/128151号(参考により組み込まれる)に記載されているゾステル酸エステルである。好ましい一実施態様によれば、ゾステル酸誘導体は、ゾステル酸の酸誘導体である。
一実施形態によれば、ゾステル酸は、藻類のアマモから抽出される。
本発明の別の目的は、表面を覆うための、PHAのバイオフィルム形成の阻害を強化する薬剤、好ましくはゾステル酸に結合された、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むかそれからなるフィルムである。
一実施形態によれば、前記表面は核である。
一実施形態によれば、前記表面は、例えば海水もしくは淡水などの水と接触し得る表面、好ましくは繰り返しもしくは長期間接触し得る表面である。本実施形態によれば、前記表面は、例えば、水産養殖、好ましくは養魚で使用される例えばプラスチックもしくは金属タンクなどのタンクの表面であってもよい。本発明の別の実施形態によれば、本発明に係るPHB−Vを含むかそれからなるフィルムで覆われた表面は、例えば、二枚貝養殖のために使用される基板およびロープのように真珠養殖のために使用される。
本発明の別の目的は、上記のようにPHAのバイオフィルム形成の阻害を強化する薬剤、好ましくはゾステル酸に結合された、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むかそれからなるフィルムで表面を覆う、被覆する、または裏打ちすることを含む、表面の保護方法である。保護される表面を覆う、被覆する、または裏打ちすることにより、前記表面において、一次バイオフィルムの形成と、その後の望ましくない細菌性バイオフィルムの形成を防止することができる。一実施形態によれば、前記表面は、上述したものの中から選択される。
本発明の別の目的は、1種以上の生物活性分子に結合された、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むかそれからなる組成物またはフィルムである。
本発明の別の実施形態によれば、本発明に係るPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vフィルムと生物活性分子との結合は、吸着現象またはPHAと前記分子との化学反応によるものである。
一実施形態によれば、これらの生物活性分子は、コラーゲン、フィブリノーゲン、ラミニンまたは増殖因子などの治癒剤または抗炎症剤である。真珠養殖では、核に治癒剤または抗炎症剤を加えることにより、移植中に行われた切開の治癒の促進を高めたり、二枚貝の死亡に繋がる恐れのあるその炎症を制限したりすることができる。
別の実施形態によれば、これらの生物活性分子は、殺菌剤または静菌剤である。真珠養殖では、核に殺菌剤または静菌剤を加えることにより、核の拒絶反応または母貝の死亡に繋がる恐れのある前記母貝における細菌汚染の発生が制限される。
本発明の一実施形態によれば、殺菌剤または静菌剤は、例えばテトラサイクリン、カナマイシン、スルファモノメトキシン、アンピシリンなどの化学抗生物質の中から選択される。
本発明の別の実施形態によれば、殺菌剤または静菌剤は、抗菌ペプチド(AMP)の中から選択される。抗菌ペプチド(AMP)は、進化の過程で保存され、かつ生物界に広まった先天性免疫エフェクター分子である。近年では多種多様なAMPが同定されており、構造、大きさおよび作用様式の点で広い多様性を示している。AMPは一般に、カチオン性および疎水性アミノ酸の強い提示性を特徴としている。これらの分子は一般に、細菌細胞膜とのそれらの相互作用に不可欠な両親媒性を有する(Bulet et al. 2004)。AMPは、界面活性剤様効果によって細胞膜を透過性にするか孔を形成することにより、細菌壁を形成するペプチドグリカンの合成を阻害するか細菌代謝経路を阻害することにより、微生物を死滅させる(Brodgen 5 et al., 2005)。
一般に使用される化学抗生物質と比較して、AMPは、完全に生分解性であるという利点を提供する。それらは、その生物学的特性により、従来の化学抗生物質に代わる良好な候補であると思われる。実際に、それらは、媒体に関しては、広範囲な抗菌活性、低特異性、様々な作用様式および安全性を提供する。
AMPは、化学合成によって、あるいは細菌もしくは酵母の組換え系における発現(クローン化、発現、精製)によって産生してもよい。本発明の一実施形態によれば、AMPを化学合成によって合成する。本発明の別の実施形態によれば、AMPを、細菌もしくは真菌の組換え系、好ましくは酵母系での生物学的合成によって合成する。
本発明の一実施形態によれば、AMPは、αヘリックス直鎖状AMPファミリー、1種以上のアミノ酸の過剰提示を有するAMPファミリー、1つまたは2つのジスルフィド結合を有するβヘアピンAMPファミリー、3つ以上のジスルフィド結合を有するβシートおよびαヘリックス環状AMPファミリーに属していていもよい(Bulet et al., Immunological Reviews, 2004, 198: 169-184; Brogden,
Nature Review Microbiology, 2005, 3:238-250)。
αヘリックス直鎖状AMPの例としては、セクロピン、ストモキシン(stomoxin)、ポネリシン(ponericin)、スピニゲリン(spinigerin)、オキシオピニン、クピエニン、クラバニン、スチエリン、パルダキシン、ミスグリン、プレウロシジン、パラシン、オンコルヒンシン、モロネシジン、マガイニン、テンポリン、カテリシジン、インドリシジンが挙げられるが、これらに限定されない。
1種以上のアミノ酸、プロリン、アルギニン、グリシンまたはトリプトファンを多く含むAMPの例としては、バクテネシン、PR−39、アバエシン、アピダエシン、ドロソシン(drosocin)、ピルホコリシン(pyrrhocoricin)、Cg−Prp、プロフェニン(prophenin)、インドリシン(indolicin)が挙げられるが、これらに限定されない。
2〜4個のシステインを含むヘアピンAMPの例としては、タキプレシン、プロテグリン、タナチン、アンドロクトニン、ゴメシン、ポリフェムシン、ヘプシジン、ブレビニン、エスクレンチン、チゲリニンまたはバクテネシンが挙げられるが、これらに限定されない。
6個以上のシステイン残基を含むか開環を有する環状AMPの例としては、デフェンシン(脊椎動物、無脊椎動物または植物のデフェンシン)、テルミシン(termicin)、ヘリオミシン(heliomicin)、ドロソマイシン、ASABF、pBD、ペナエイジン(penaeidin)、ALF、ビッグデフェンシンが挙げられるが、これらに限定されない。
無脊椎動物のデフェンシンの例は、二枚貝デフェンシンCg−DefまたはイガイデフェンシンMGDである。
本発明の一実施形態によれば、AMPは、タキプレシンおよび二枚貝デフェンシンCg−Defの中から選択される。
本発明の別の目的は、表面を覆うために上記のように1種以上の生物活性分子に結合された、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むかそれからなるフィルムである。
一実施形態によれば、前記表面は核である。
本発明の別の実施形態によれば、前記表面は、例えば海水もしくは淡水などの水と接触し得る表面、好ましくは繰り返しもしくは長期間接触し得る表面である。本実施形態によれば、前記表面は、例えば、水産養殖、好ましくは養魚で使用される例えばプラスチックもしくは金属タンクなどのタンクの表面であってもよい。本発明の別の実施形態によれば、本発明に係るPHB−Vを含むからそれからなるフィルムで覆われた表面は、例えば、二枚貝養殖のために使用される基板およびロープのように真珠養殖で使用される。
本発明の一実施形態によれば、任意に、生物活性分子またはPHAのバイオフィルム形成の阻害を強化する薬剤、好ましくはゾステル酸に結合された、本発明に係るPHA、好ましくはPHB−Vを含むフィルムは、海水による洗浄に対して耐性を有し、4〜30℃の間で変動する温度で、3週間を超えて、好ましくは1ヵ月を超えて、より好ましくは6ヶ月を超えて安定している。このように、本発明に係るフィルムは、少なくとも3週間にわたって海水に接触している場合に溶解しない。
本発明は、上記のように、生物活性分子またはPHAのバイオフィルム形成の阻害を強化する薬剤、好ましくはゾステル酸に結合されていてもよい本発明に係る1種以上のポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、好ましくはPHB−Vを含むフィルムで裏打ちまたは被覆された核を得る方法にも関する。
本発明の一実施形態によれば、本発明に係る方法は、本発明に係るPHAフィルム、好ましくはPHB−Vフィルムで核を被覆することからなる第1の工程と、任意にその後に、上記のように、形成されたPHAフィルムを1種以上の他の分子と結合させることからなる第2の工程とを含む。
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むトリフルオロエタノール(CFCHOH、TFE)溶液に核を浸漬する第1の工程を含む。本発明の好ましい一実施形態によれば、前記PHA溶液は、TFE溶液の体積当たり、0.1〜10重量/体積%、より好ましくは0.5〜5重量/体積%、さらにより好ましくは1重量/体積%のPHA濃度を有する。
本発明の一実施形態によれば、1種以上のPHAを含む溶液に核を浸漬する前記第1の工程を、一定の温度、好ましくは室温(すなわち15〜25℃)、より好ましくは約20℃で行う。本発明の本実施形態によれば、1種以上のPHAを含む溶液に核を浸漬する前記第1の工程を、好ましくは10分〜3時間、より好ましくは20分〜1時間、さらにより好ましくは約30分間行う。
本発明の別の実施形態によれば、1種以上のPHAを含む溶液に核を浸漬する前記第1の工程を、一定の温度、好ましくは1〜10℃、より好ましくは約4℃で行う。本発明の本実施形態によれば、1種以上のPHAを含む溶液に材料を浸漬する前記第1の工程を、好ましくは10分〜3時間、より好ましくは20分〜1時間、さらにより好ましくは約30分間行う。
本発明の一実施形態によれば、次いで、被覆された核を真空乾燥する。
核を被覆するフィルムがゾステル酸などの1種以上の他の分子または例えば殺菌剤もしくは静菌剤などの生物活性分子を含む場合、上記第1の工程後に、前記分子を結合させる第2の工程を行う。本発明の一実施形態によれば、前記分子が殺菌性または静菌剤である場合、第2の工程は、1〜10MICの濃度の1種以上の殺菌剤または静菌剤を含む溶液にPHAフィルムで被覆された核を浸漬させることを含む。
本発明によれば、殺菌剤または静菌剤は、水、エタノール、TFEまたはその混合物(例えば水/TFEなど)などの生物学的に許容される極性の溶媒、好ましくはトリフルオロエタノール(CFCHOH)に溶解した溶液である。
本発明の一実施形態によれば、核を浸漬する第2の工程は、一定の温度、好ましくは1〜10℃、より好ましくは約4℃で行う。
本発明の一実施形態によれば、核を浸漬する前記第2の工程は、好ましくは1〜120時間、より好ましくは12〜96時間、さらにより好ましくは24〜72時間行う。
本発明の一実施形態によれば、次いで、被覆された核を真空乾燥する。
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、第1の浸漬工程と第2の浸漬工程との間に核をすすぐ工程を任意に含む。本実施形態によれば、10〜1000mlの体積の蒸留水、好ましくは100〜300mlの蒸留水、より好ましくは約200mlの蒸留水で核をすすぐ。
本発明は、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vと、例えば1種以上の生体分子、例えば1種以上の静菌剤または殺菌剤などの1種以上の他の分子とを含むフィルムで被覆された核を得る方法であって、PHAおよび静菌剤または殺菌剤を含むTFE溶液に核を浸漬する単一の工程を含む方法にも関する。
一実施態様によれば、PHAは、溶液の総体積当たり、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは1重量%の濃度で溶液中に存在する。
一実施形態によれば、殺菌剤または静菌剤は、1〜10MICの濃度で溶液中に存在する。
一実施形態によれば、この浸漬工程は、1〜10℃、好ましくは4℃の一定の温度で、1〜128時間、好ましくは12〜96時間、より好ましくは24〜72時間行う。
本発明は、任意に、PHAのバイオフィルム形成を阻害する作用を強化する薬剤(好ましくはゾステル酸)、治癒剤または抗炎症剤などの生物活性分子、および静菌剤または殺菌剤(好ましくはAMP)を含む群の中から選択される1種以上の他の分子に結合された、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むフィルムで核を被覆する方法であって、核の表面に本発明に係る組成物を吹き付けるためのスプレーの使用を含む方法にも関する。
本発明は、本発明に係るPHAを含むかそれからなり、好ましくはPHB−Vを含むかそれからなるスプレーに関する。
本発明は、PHAのバイオフィルム形成を阻害する作用を強化する薬剤(好ましくはゾステル酸)、治癒剤または抗炎症剤などの生物活性分子、および静菌剤または殺菌剤(好ましくはAMP)を含む群の中から選択される1種以上の分子に結合された、本発明に係る1種以上のPHA、好ましくは1種以上のPHB−Vを含むかそれからなるスプレーに関する。
本発明の一実施形態によれば、核は天然由来であり、前記核は、Ambelema属種に属するミシシッピイガイ(Mississippi
mussel)(好ましくはウネカワボタン)からの真珠層でできていることがより好ましい。核の例は、Aming(Standard
Aming)またはPoe Importから販売されているものである。
本発明の一実施形態によれば、前記核は、1〜20mm、好ましくは2〜15mm、より好ましくは2〜4mm、さらにより好ましくは2.1〜3.5mmの直径を有する。
本発明の一実施形態によれば、前記核は、2〜2.5BU、好ましくは約2.4BUの直径を有する。BUは、測定単位であり、1BUは、3.03mmに等しい。
本発明は、上記核を含む二枚貝または上記方法によって得られる二枚貝にも関する。好ましくは、二枚貝は、アコヤガイ属種、より好ましくはPinctada fucata、Pinctada maxima、Pinctada margaritifera種に属する。
本発明は、好ましくは上記属および種に属する真珠母貝に、上記のように任意にゾステル酸または生物活性分子に結合された、PHA、好ましくはPHB−Vフィルムで裏打ちまたは被覆された核を移植する方法にも関する。図1Aは、様々な移植工程を示す。本発明の一実施形態によれば、本移植方法は、手で真珠母貝を開く工程と、真珠母貝の組織を切開する工程と、生殖腺にアクセスする工程と、第3の工程において、上記のようにPHA、好ましくはPHB−Vフィルムで被覆されたか覆われた核と共に、供与貝の外套膜の上皮の一部からなる移植片(約4mm)を真珠母貝の生殖腺に挿入可能にする工程とを含む。
本発明は、上記方法に従って真珠母貝に核を移植する工程を含む、養殖真珠の生成または生産方法にも関する
本発明は、上記のように被覆された核または上記被覆方法に従って得られた核の使用を含む、真珠を得る方法にも関する
本発明の一実施形態によれば、真珠を得る方法は、本発明に係る核を供与貝の外套膜の上皮の一部と共に母貝の生殖腺に移植することを含む。
本発明の一実施形態によれば、前記真珠の生成もしくは生産方法または前記真珠を得る方法は、ドナー真珠貝および真珠母貝を得るために、好ましくは上記属および種に属する真珠貝の採取および育成を含む第1の工程を含む。
本発明の一実施形態によれば、次いで、供与貝または真珠母貝を掃除して、あらゆる寄生虫を除去する。
本発明の一実施形態によれば、前記真珠の生成もしくは生産方法または前記真珠を得る方法は、移植後に、真珠母貝を、好ましくは10〜24ヶ月間、好ましくは12〜20ヶ月間、より好ましくは16〜18ヶ月間養殖する工程をさらに含む。養殖期間の間、移植片の上皮層を増殖させ、生殖腺の内側を覆って、核を被覆する真珠袋を生成し、その後、核の周りに真珠層を堆積させ、それにより、真珠が生産される(図1B)。
本発明は、上記方法によって得られた真珠にも関する。
本発明は、本発明に従って覆われた核または本発明に係る方法によって得られた核を含む真珠にも関する。
本発明は、任意に、PHAのバイオフィルム形成を阻害する作用を強化する薬剤(好ましくはゾステル酸)、治癒剤または抗炎症剤などの生物活性分子、および静菌剤または殺菌剤(好ましくはAMP)を含む群の中から選択される1種以上の分子に結合された、PHAフィルムで核が覆われた真珠にも関する。
本発明は、真珠層の1つ以上の層の下に、任意に、PHAのバイオフィルム形成を阻害する作用を強化する薬剤(好ましくはゾステル酸)、治癒剤または抗炎症剤などの生物活性分子、および静菌剤または殺菌剤(好ましくはAMP)を含む群の中から選択される1種以上の分子に結合された、本発明に係るPHA、好ましくはPHB−Vフィルムを含む真珠にも関する。
本発明の一実施形態によれば、真珠は、好ましくは直径が2〜20mm、好ましくは直径が5〜15mm、より好ましくは直径が6.8〜10mmの大きさを有する。
驚くべきことに、本出願人は、任意に、PHAのバイオフィルムの形成を阻害する作用を強化する薬剤(好ましくはゾステル酸)および生物活性分子を含む群の中から選択される1種以上の分子に結合された、本発明に係るPHA、好ましくはPHB−Vフィルムで核を被覆することにより、移植手術の失敗率が低下することに気付いた。このように、本発明に係る被覆核を用いることにより、移植後30日以内の母貝の死亡率を低下させ、母貝における核の維持率を上昇させる(実施例3)。いかなる理論にも縛られたくはないが、本発明者らは、前記フィルムで核を被覆することにより、母貝における細菌汚染を減少させることを提唱している。さらに、前記PHAフィルムを、例えば抗菌ペプチド(AMP)などの殺菌剤または静菌剤に結合させることにより、微生物汚染の発生がさらに減少する。従って、単独または殺菌剤もしくは静菌剤と一緒にした本発明に係るPHA、好ましくはPHB−Vが存在することにより、移植工程の失敗が減少し、特に母貝の死亡率および前記母貝による核拒絶反応が減少する。
従って、本発明は、上記のように、母貝に本発明に係るPHA、好ましくはPHB−Vで被覆されたか覆われた核を移植することを含む、母貝に核を移植することに関して、真珠母貝の死亡率または真珠母貝による拒絶反応からなる失敗を減少させる方法にも関する。
本発明は、核を母貝に移植することに関して、真珠母貝の死亡率または真珠母貝による拒絶反応からなる失敗を減少させるための、上記のようにPHA好ましくはPHB−Vで被覆されたか覆われた核の使用にも関する。
本発明は、移植時に本発明に係る被覆核の使用を含む、移植時の核の拒絶反応を阻害する方法にも関する。
さらに、本発明は、移植時の本発明に係る被覆核の使用を含む、移植工程後の母貝の死亡率を低下させる方法に関する。本発明の一実施形態によれば、本発明に係る方法によって防止される死亡は、移植中に行われる切開の感染によるものである。
任意に、PHAのバイオフィルムの形成を阻害する作用を強化する薬剤(好ましくはゾステル酸)および上記生物活性分子を含む群の中から選択される1種以上の分子に結合された、PHA、好ましくはPHB−Vフィルムで真珠養殖用の核を被覆することにより、核表面の均質性が高まり、従って、表面の欠陥の出現を制限することによって、得られる真珠の品質が高まる。
本発明は、本発明に記載されているように核をフィルムで被覆することを含む、核の均質性を高める方法にも関する。
従って、本発明は、上記のようにPHA、好ましくはPHB−Vで被覆されたか覆われた核の使用を含む、真珠母貝の移植後に得られる真珠の品質を高める方法にも関する。
本発明は、得られる真珠の品質を高めるために、上記のようにPHA、好ましくはPHB−Vで被覆されたか覆われた核の使用にも関する。
(定義)
「核」という用語は、移植工程中に母貝に導入され、かつ真珠母貝による真珠層堆積のための基層として機能する、天然の化合物(例えば、ミシシッピイガイ、ウネカワボタンからの真珠層)または合成化合物(例えば、Bironiteでできている)で構成された、一般に球形の要素を意味する。前記核は、得られる真珠の品質を高めるために、特定の物質で被覆されていてもよい。
「真珠養殖」という用語は、一般にアコヤガイ属種に属する真珠貝を用いて養殖真珠を生産することを目的とした人間の活動を意味する。
「殺菌剤」という用語は、殺菌作用を有する、すなわち細菌の死滅を誘導する物質を意味する。
「静菌剤」という用語は、静菌作用を有する、すなわち細菌の発生、増殖および/または分裂を遮断する物質を意味する。
「一次フィルム」という用語は、周囲媒体からのタンパク質もしくはタンパク質断片、炭水化物、脂質類、無機物質(例えばミネラル塩)からなるコンディショニングフィルムを意味する。この一次フィルムは、細菌付着を刺激する。
「望ましくないバイオフィルム」という用語は、第1の可逆的付着工程、次いで不可逆的付着工程において一次フィルムに付着する微生物(一般に細菌)のフィルムを意味する。
「MIC」という用語は、一晩インキューベートした後の目に見える微生物の増殖を阻害する薬剤の最小濃度を意味する。薬剤のMICを求める方法は、従来技術において周知である。
「水産養殖」という用語は、水性環境、特に海、川または池の水性環境における人間の動植物生産活動をまとめたものを意味する。水産養殖は、特に、魚の生産(これを養魚という)、貝類の生産(特に貝の養殖または真珠養殖)、甲殻類の生産(特にザリガニ養殖およびエビ養殖)または藻類の生産(海藻養殖)に関する。
「真珠層」という用語は、アラゴナイト結晶(ほぼ90%の真珠層からなる)およびコンキオリンから形成される生体鉱物化された構造を意味し、ここで、アラゴナイトは、式CaCO+微量のSr、Pb、Znを有する化学化合物である。
移植片および真珠の形成の様々な工程を示す図である。A:移植。B:生殖腺における真珠袋および真珠の形成(挿絵:C. Montagnani)。 被覆されていない核(a)および被覆された核(bおよびc)の走査顕微鏡法によって得られた写真の集まりである。マークは、フィルムの存在を確認するための随意の裂け目からなる。
以下の実施例は、非限定的な方法で本発明を例示する本発明の特定の実施形態を示す。
実施例1:PHAフィルムの存在
核を細菌性PHB-V FAK1402を含むフィルムで覆った。FAK1402は、HB:HVが64:36に等しいPHB−V型PHAである。1重量/体積%の濃度で、生物工学的な発酵方法とその後の真空乾燥により得られるFAK1402が添加されたTFE溶媒に、20℃の一定の温度で10分間浸漬することによって、これらの核を得た。
走査顕微鏡法によって得られた図2は、明らかにフィルムの存在を実証している。図2aは、被覆されていない核を示す。図2bおよび図2cは、洗浄しない場合および水による洗浄後のそれぞれにおける、引裂き後のフィルムの存在を示す。
実施例2:抗菌活性
実験:
細菌由来のPHAフィルムによる表面の前処理の影響に関する研究のために、標準的な直径を有する核を使用した。
この核を、単独またはタキプレシン(AMP)と一緒にしたPHB-V FAK1402を含むフィルムで覆った。
これらの核は、以下の二段法によって得られる:
− 1重量/体積%の濃度で、生物工学的な発酵方法とその後の真空乾燥により得られるFAK1402が添加されたTFE溶媒に、20℃の一定の温度で10分間浸漬する工程、
− (任意に)PHAフィルムで被覆された核を、10MIC(すなわち70mg/l)のタキプレシンを含む溶液に浸漬した後、真空乾燥する工程。
これらの核に対して、従来の細菌増殖阻害試験を行った。すなわち、クロチョウガイから単離したビブリオ属の菌株の指数増殖期に、核を細菌溶液に接触させて入れた後、タヒチで、30℃で18時間移植を行った。次いで、細菌溶液をペトリ皿(Zobell寒天培地)に塗布し、コロニーを発生させた後、計数する。被覆されていない核を陰性対照として使用する。
結果:
被覆されていない核またはポリヒドロキシアルカン酸FAK1402フィルムのみで被覆された核は、細菌増殖に対する阻害効果を示さなかった。しかし、ポリヒドロキシアルカン酸FAK1402フィルムに結合された抗菌ペプチドで覆われた核は、殺菌活性を示した。
実施例3:移植実験における本発明に係る核の有効性
1.死亡率
被覆されていない核または、単独もしくはAMP(タキプレシン)と一緒にした本発明に係るPHA(ここでは、HB:HV比が64:36に等しいPHB−V)で被覆された核を、母貝の外套膜の上皮の一部(移植片)と共に、母貝に移植した。この実験のために64個の供与貝を使用した。1つの核型および1つのドナーにつき、8回の移植実験を行った。
母貝の死亡率は、被覆されていない核を移植した母貝に対する割合として、移植後30日目に評価した。その結果を以下の表に示す:
Figure 2014501522
PHAまたはPHA+AMPフィルムの存在により、母貝の死亡率がそれぞれ、ほぼ20%および30%阻害される。
2.移植維持
被覆されていない核または、単独もしくはAMP(タキプレシン)と一緒にした本発明に係るPHA(ここでは、HB:HV比が64:36に等しいPHB−V)で被覆された核を、上記のように移植実験で使用した。
移植後30日目に核の維持を測定した。その結果を以下の表に示し、被覆されていない核を移植した母貝に対して表す。
Figure 2014501522
PHAまたはPHA+AMPフィルムの存在により、母貝において6.5%を超えて核の維持が増加する。

Claims (20)

  1. 1種以上のポリヒドロキシアルカノアート(PHA)を含むフィルムで覆われたか被覆された核。
  2. 前記PHAは、HBポリマー(PHB)、HVポリマー(PHV)またはHB−HVコポリマー(PHB−V)である、請求項1に記載の核。
  3. HB:HV比が50:50以上であって70:30未満であるPHB−V型であることを特徴とするPHA。
  4. 請求項3に記載のPHAを含むかそれからなる組成物。
  5. 請求項3に記載のPHAを含むかそれからなるフィルム。
  6. PHAおよびゾステル酸を含む組成物またはフィルム。
  7. PHAと、治癒剤または抗炎症剤ならびに例えば化学抗生物質および抗菌ペプチドなどの殺菌剤または静菌剤の中から選択される1種以上の生物活性分子とを含む組成物またはフィルム。
  8. 真珠養殖用の核である表面、または例えば海水もしくは淡水などの水と接触し得る表面、好ましくは繰り返しもしくは長期間接触し得る表面、または例えば、水産養殖、好ましくは養魚で使用される例えばプラスチックもしくは金属タンクなどのタンクの表面、あるいは二枚貝養殖のために使用される基板およびロープである表面を覆うための請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルムの使用。
  9. 前記表面は好ましくは核である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルムで覆われた表面。
  10. 表面を請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルムで覆う、被覆する、または裏打ちすることを含む、表面の保護方法。
  11. 溶液の体積当たり0.1〜10重量%の濃度の1種以上のPHAを含むトリフルオロエタノール溶液に前記核を浸漬することからなる第1の工程を含み、前記第1の工程後に、任意に、1〜10MICの濃度の1種以上の殺菌剤または静菌剤を含む溶液に前記核を浸漬することからなる第2の工程を含む、請求項1、2または9のいずれか1項に記載の核を得る方法。
  12. 溶液の総体積当たり0.05〜10重量%の濃度のPHAと、1〜10MICの濃度の1種以上の殺菌剤または静菌剤とを含むトリフルオロエタノール溶液に前記核を浸漬することからなる単一の工程を含む、請求項9に記載の核を得る方法。
  13. 前記核に対してスプレーを用いて請求項4、6または7のいずれか1項に記載の組成物を吹き付けるためのスプレーの使用からなる単一の工程を含む、請求項1、2または9のいずれかに記載の核を得る方法。
  14. 請求項4、6または7のいずれか1項に記載の組成物を含むかそれからなるスプレー。
  15. 請求項1、2または8のいずれか1項に記載の核を含む二枚貝または請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法によって得られる二枚貝。
  16. 真珠母貝の生殖腺に、請求項1、2または9のいずれか1項に記載の核または請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法によって得られる核と共に、供与貝の外套膜の上皮からなる移植片を挿入することを含む、真珠母貝の移植方法。
  17. 請求項16に記載の方法を含む、養殖真珠の生産方法。
  18. 請求項17に記載の方法によって得られる真珠、請求項1、2または9のいずれか1項に記載の核を含む真珠、または真珠層の1つ以上の層の下に請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルムを含む真珠。
  19. 請求項1、2または9のいずれか1項に記載の核を母貝に移植することを含む、真珠の品質を高め、かつ/または前記母貝に核を移植することに関して、前記真珠母貝の死亡または前記真珠母貝による前記核の拒絶反応からなる失敗を減少させる方法。
  20. 移植の失敗を減少させ、かつ/または得られた真珠の品質を高めるための、請求項1、2または9のいずれか1項に記載の核の使用。
JP2013543863A 2010-12-14 2011-12-14 Phaで覆われた核 Pending JP2014501522A (ja)

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