JP2014501495A - 3−ヒドロキシアルカン酸の組合わせ酵素変換によるアルケンの製造 - Google Patents

3−ヒドロキシアルカン酸の組合わせ酵素変換によるアルケンの製造 Download PDF

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Abstract

本発明は、アルケンを生物学的方法を通じて生成するための方法に関する。より詳細には、本発明はアルケン(たとえば、プロピレン、エチレン、1−ブチレン、イソブチレンまたはイソアミレン)を3−ヒドロキシアルカノエートタイプの分子から製造するための方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルケンを生物学的方法により製造するための方法に関する。より詳細には、本発明はアルケン(たとえば、プロピレン、エチレン、1−ブチレン、イソブチレンまたはイソアミレン)を3−ヒドロキシアルカノエートタイプの分子から製造するための方法に関する。
多数の化合物が現在は石油化学から得られる。アルケン(たとえば、エチレン、プロピレン、各種ブテン類、あるいはペンテン類)がプラスチック工業において、たとえばポリプロピレンまたはポリエチレンの製造のために、また他の化学工業分野および燃料分野で用いられている。
最も簡単なアルケンであるエチレンは、工業有機化学の中枢にある:それは世界中で最も広く製造されている有機化合物である。それは特に、主要プラスチックであるポリエチレンの製造に用いられる。エチレンは反応(酸化、ハロゲン化)によって多くの工業的に有用な製品に変換することもできる。
プロピレンも同様に重要な役割をもつ:それの重合によりプラスチック材料であるポリプロピレンが得られる。抵抗性、密度、硬さ、変形性、および透明性に関してこの製品の技術的特性は比類がない。ポリプロピレンの世界的生産は、それが1954年に発明されて以来、増加し続けている。
ブチレンは4つの形態で存在し、それのひとつであるイソブチレンは、自動車燃料のアンチノック添加剤であるメチル−tert−ブチル−エーテル(MTBE)の組成の一部となる。イソブチレンはイソオクテンの製造にも使用でき、次いでこれを還元してイソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン)にすることができる;イソオクタンのきわめて高いオクタン価によって、それはいわゆる“ガソリン”エンジン用の最良の燃料となる。
アミレン、ヘキセンおよびヘプテンは、二重結合の位置および立体配置に応じて多様な形態で存在する。これらの製品は実際の工業用途をもつが、エチレン、プロピレンまたはブテン類より重要度は低い。
これらすべてのアルケンが現在は石油製品の接触分解により(または、ヘキセンの場合はフィッシャー−トロプシュ法の派生法により、石炭もしくはガスから)製造されている。したがって、それらのコストは当然、石油の価格に指数連動する。さらに、接触分解は時にはかなりの技術的難点を伴い、それがプロセスの複雑さおよび製造コストを高める。
上記の問題とは別に、プラスチックの生物製造(“バイオプラスチック”)は成長分野である。このブームは、石油の価格に関連した経済的関心により、また地球規模(カーボンニュートラル(二酸化炭素を排出しない)製品)および地域(廃棄物管理)の両方の環境問題によって後押しされている。
バイオプラスチックの主要ファミリーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ファミリーである。これらは、酸基とアルコール基の両方を含む分子の縮合により得られるポリマーである。縮合は、下記モノマーのアルコールに対する酸のエステル化により行なわれる。このエステル結合は一般的なプラスチックのポリマー中に存在する炭素−炭素の直接結合ほど安定ではなく、これはPHAが数週間ないし数カ月間という生分解性をもつ理由の説明となる。
PHAファミリーには、特に3−ヒドロキシブチレートのポリマーであるポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)、および3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバレレートとの交互ポリマーであるポリ−3−ヒドロキシブチレート−バレレート(PHBV)が含まれる。
PHBは、細菌、たとえばアルカリゲネス・ユートロフス(Alcaligenes eutrophus)およびバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)のある菌株により自然界で産生される。一般にPHBまたはPHAに導く統合された合成経路をもつ実験細菌、たとえば大腸菌(E. coli)が構築された。その化合物またはそれのポリマーは、特定の実験条件下で細菌質量の最高80%を占める(Wong MS et al., Biotech. Bioeng.99 (2008), 919-928)。工業的規模でのPHB製造が1980年代に試みられたが、発酵によりその化合物を製造するコストは高すぎると当時考えられた。遺伝子修飾された植物(産生細菌中に存在するPHB合成経路の鍵酵素が組み込まれたもの)におけるこれらの化合物の直接製造を伴うプロジェクトが進行しており、より低い操作コストになる可能性がある。
地球化学サイクルと調和する持続可能な工業操作という背景で、燃料として、または合成樹脂の前駆物質として使用できるアルカンまたは他の炭化水素分子を生物製造することが求められている。発酵法および蒸留法が既に食品加工工業に存在していたので、第1世代のバイオ燃料はエタノールの発酵製造にあった。第2世代のバイオ燃料の製造が探索期にあり、これには特に長鎖アルコール(ブタノールおよびペンタノール)、テルペン、直鎖アルカンおよび脂肪酸の製造が含まれる。最近の2つの総説が、この分野の研究の全般的概観を提示している: Ladygina N et al., Process Biochemistry, 2006, 41:1001; およびWackett LP, Current Opinions in Chemical Biology, 2008, 21:187。
アルケン化学物質ファミリーにおいて、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)はテルペンモチーフであり、これは重合によりゴムになる。バイオ燃料などの有用製品として、またはプラスチック製造のために、他のテルペンが化学的経路、生物学的経路または混合経路により開発される可能性がある。最近の文献に、テルペンファミリーからの製品を工業的収率で効率的に製造するためにメバロン酸経路(多くの生物におけるステロイド生合成の鍵中間体)を使用できることが示されている(Withers ST et al., Appl. Environ. Microbiol., 2007, 73:6277)。
アルケン、特に末端アルケン[2位においてモノ-またはジ-置換されたエチレン:HC=C(R)(R)]の製造は、これまで広範には研究されていないように思われる。酵母ロドトルラ・マイニュータ(Rhodotorula minuta)によるイソバレレートからイソブチレンへの変換が記載されている(Fujii T. et al., Appl. Environ. Microbiol., 1988, 54:583)が、ターンオーバー価がきわめて低いことを特徴とするこの反応の効率(kcatが1×10−5sec−1である)は、工業利用が可能になるにはほど遠い。その反応機構はFukuda H et al.(BBRC, 1994, 201(2):516)によって解明され、シトクロムP450酵素を伴い、これがオキソフェリル基Fe=Oの還元によりイソバレレートを脱カルボキシル化する。この反応は、どの時点でもイソバレレートのヒドロキシル化を伴わない。イソバレレートはロイシン異化の中間体でもある。この経路による大規模なイソブチレン生合成は、1分子のイソブチレンを形成するために1分子のロイシンを合成および分解する必要があるので、著しく不都合に思われる。また、この反応を触媒する酵素は補因子としてヘムを使い、このため細菌における組換え発現および酵素パラメーターの改善にはほとんど役立たない。これらすべての理由で、先行技術のこの経路を工業利用の基礎として採用できる可能性はきわめて少ないように思われる。イソバレレートからイソブチレンをかろうじて自然産生できるものとして他の微生物が記載されている;得られる収率はロドトルラ・マイニュータで得られるものよりさらに低い(Fukuda H. et al, Agric. Biol. Chem., 1984, 48:1679)。
同じ研究でプロピレンの自然産生も記載された:多くの微生物がプロピレンを産生できるが、この場合もきわめて低い収率においてである。植物によるエチレンの産生は以前から知られている(Meigh et al, 1960, Nature, 186:902)。解明された代謝経路によれば、メチオニンがエチレンの前駆物質である(Adams and Yang, PNAS, 1979, 76:170)。2−オキソグルタレートの変換も記載されている(Ladygina N et al., Process Biochemistry 2006, 41:1001)。2炭素分子であるエチレンの産生に4または5炭素分子である前駆物質を消費するので、これらの経路は材料およびエネルギーからみて工業利用に好ましくないように思われる。
したがって、アルケン、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブチレン、イソブチレン、1−アミレンまたはイソアミレンを製造するための効率的な方法が求められている。
WO 2010/001078には、デカルボキシラーゼ活性をもつ酵素で3−ヒドロキシアルカン酸を酵素変換することによりアルケンを製造するための方法が記載されている。そのような方法は、石油製品の使用を避けてプラスチックおよび燃料の製造コストを低下させるのに役立ち、かつ炭素を固体形態で貯蔵できることにより地球環境にかなりの影響をもつ可能性があるので、有利である。WO 2010/001078に記載されている方法は3−ヒドロキシアルカノエートを酵素変換することによるアルケンの製造を可能にするが、特にそれを工業目的に適したものにするためにそのプロセスの効率に関してなお改善が求められている。本出願はこの要求に対処する。
WO 2010/001078
Wong MS et al., Biotech. Bioeng.99 (2008), 919-928 Ladygina N et al., Process Biochemistry, 2006, 41:1001 Wackett LP, Current Opinions in Chemical Biology, 2008, 21:187 Withers ST et al., Appl. Environ. Microbiol., 2007, 73:6277 Fujii T. et al., Appl. Environ. Microbiol., 1988, 54:583 Fukuda H et al. (BBRC, 1994, 201(2):516) Fukuda H. et al, Agric. Biol. Chem., 1984, 48:1679 Meigh et al, 1960, Nature, 186:902 Adams and Yang, PNAS, 1979, 76:170 Ladygina N et al., Process Biochemistry 2006, 41:1001
本発明は、3−ヒドロキシアルカノエートから出発して、生物学的プロセス、特に酵素プロセスによりアルケン化合物を製造するための方法を記載し、その際、製造速度の効率を高めるために2タイプの酵素を組み合わせる。より具体的には、本発明は、下記のものにより3−ヒドロキシアルカノエートをアルケンに変換することを含むことを特徴とする、アルケンの製造方法に関する:
(i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素;および
(ii)第1酵素と異なる第2酵素であって、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素。
本発明はまた、3−ヒドロキシアルカノエートからアルケン化合物を製造するための、少なくとも2種類の酵素の使用、またはその組合わせの酵素を産生する微生物の使用に関するものであり、その際、1種類の酵素は前記に特定した(i)から選択され、他の酵素は前記に特定した(ii)から選択される。
本発明はまた、少なくとも2種類の酵素を産生する生物、好ましくは微生物に関するものであり、その際、1種類の酵素は前記に特定した(i)から選択され、他の酵素は前記に特定した(ii)から選択される。
図1は、3−ヒドロキシプロピオネートモチーフを示す。 図2は、メバロン酸二リン酸デカルボキシラーゼにより触媒される反応を示す。 図3は、3−ヒドロキシアルカノエートの例を示す。 図4は、2つの酵素段階を組み合わせることによる3−ヒドロキシアルカノエートからのアルケンの製造を示す。 図4は、2つの酵素段階を組み合わせることによる3−ヒドロキシアルカノエートからのアルケンの製造を示す。 図4は、2つの酵素段階を組み合わせることによる3−ヒドロキシアルカノエートからのアルケンの製造を示す。 図5は、メバロン酸二リン酸デカルボキシラーゼの触媒部位の構造的な補足を目的とした反応に使用できる補因子を示す。 図6は、アルケンをグルコースから製造するための統合方法を示す。 図7は、相補アッセイにおけるMDPデカルボキシラーゼのスクリーニングを示す。第2酵素なしでピクロフィルス・トリダス(P. torridus)酵素単独(0.1mg)により触媒された反応を基準として採用した。 図8は、3−ヒドロキシイソバレレート(HIV)からイソブテン(IBN)への変換について、ピクロフィルス・トリダスおよびストレプトコッカス・ゴルドニイ(S. gordonii)由来のMDPデカルボキシラーゼ酵素の組合わせ効果を示す。HIVと100μgのピクロフィルス・トリダスMDPデカルボキシラーゼとのプレインキュベートした反応混合物に添加したストレプトコッカス・ゴルドニイMDPデカルボキシラーゼの濃度の関数として、IBN産生を測定した。 図9は、ストレプトコッカス・ゴルドニイMDPデカルボキシラーゼの酵素ホモログのスクリーニングを示す。サーモプラズマ・アシドフィラム(Th. acidophilum)(0.1mg)酵素単独(第2酵素なし)による反応について得られたイソブテンのピーク面積を基準として用いた(比率=1)。ストレプトコッカス属に由来するMDPデカルボキシラーゼは、ピクロフィルス・トリダス門(P. torridus phylum)の酵素単独と併用した場合に特に有効である。 図10は、340nmにおける吸収の低下によるNADH消費をモニタリングするADP定量アッセイのスキームを示す。 図11は、ピクロフィルス・トリダスMDPデカルボキシラーゼにより触媒されたホスホトランスフェラーゼ反応について、その速度を基質濃度の関数としてプロットしたものを示す。反応の最初の30分間にわたる動態から初速度を計算した。 図12は、下記のアッセイにおける3−ヒドロキシイソバレレートからのイソブテンの産生を示す: 酵素なし; ストレプトコッカス・ミチス(S. mitis)MDPデカルボキシラーゼの存在下; サーモプラズマ・アシドフィラムMDPデカルボキシラーゼの存在下; サーモプラズマ・アシドフィラムとストレプトコッカス・ミチス両方の酵素の存在下。 図13は、3−ホスホノキシイソバレレートの化学合成のスキームを示す。 図14は、ATPの存在下および不存在下での3−ホスホノキシイソバレレートからのイソブテンの産生について、アッセイのGC分析を示す。
アッセイ:
1. 酵素なし、0mM ATP;
2. 2mg/mlの酵素、0mM ATP;
3. 酵素なし、10mM ATP;
4. 2mg/mlの酵素、10mM ATP。
本明細書中で用いる“3−ヒドロキシアルカノエート”は、下記の一般式:
n+12n+2
(1<n<7)に相当し、共通モチーフとしての3−ヒドロキシプロピオネート(図1)および場合により1または2個のアルキル置換基を炭素3上に含む分子を表わす。そのアルキル残基またはアルキル基は直鎖状または分枝状であってよい。本明細書中で用いる用語“アルコイル”と“アルキル”は同じ意味をもち、互換性がある。同様に、用語“残基”と“基”は同じ意味をもち、互換性がある。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル基はそれらのアルキル基の例である。炭素3は、2個のアルキル置換基が異なる場合はキラル中心になる。2形態のうち一方、たとえばR形が自然界で産生する主形態であったとしても、この定義には2つのキラル形態が含まれる。3−ヒドロキシアルカノエートの例を図3に提示する。場合により、アルキル置換基が炭素2上に付加されてもよく、その場合はそれもキラルとなる(2個のアルキル置換基が異なる場合)。同様に、本発明における3−ヒドロキシアルカノエート基質の立体構造にはすべての立体異性体が含まれる。好ましい態様において、3−ヒドロキシアルカノエートは3−ヒドロキシプロピオネートに相当するか、あるいは3−ヒドロキシプロピオネートのバリアントもしくは誘導体に相当し、その際、炭素3上の2個の水素原子のうち1個もしくは2個が炭素原子と水素原子だけから構成されるモチーフにより置換され、それらの置換基の炭素原子数は1から5まで、好ましくは1から3までであり、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルである。本明細書中で用いる添字“オエート(oate)”は、互換性をもってカルボキシレートイオン(COO)またはカルボン酸(COOH)のいずれかを表わすことができる。それはエステルを表わすためには用いられない。具体的態様において、3−ヒドロキシアルカノエートは次式により示される:HO−CO−CH−C(R)(R)−OHまたはO−CO−CH−C(R)(R)−OH。
用語“3−ホスホノキシアルカノエート”は、下記の一般式:
n+12n+3
(1<n<7)に相当し、共通モチーフとしての3−ホスホノキシプロピオネートおよび場合により1または2個のアルキル置換基を炭素3上に含む分子を表わす。
本明細書中で用いる用語“アルケン”は、炭素と水素だけから構成され、1つの炭素−炭素二重結合を含み、モノ非置換基炭化水素C2n(nは少なくとも2に等しい)の化学式をもつ分子を表わす。好ましくは、nは少なくとも3、4、5または6に等しい。最も好ましくは、nは最大6である。したがって、一般に用語“アルケン”は、式C2n(1<n<7)に対応する分子を表わす。
好ましい態様において、アルケンは構造式HC=C(R)(R)により表わされ、式中のRおよびRは独立して、アルケン分子中の炭素原子の総数が最大6となるように水素原子および直鎖または分枝アルキル基からなる群から選択される。
本発明による好ましいアルケン化合物の例は、特にエチレン、プロピレン、イソブチレンおよびイソアミレン(図4)、または1−ブチレンおよび1−アミレンである。
本明細書中で用いる“炭素源”は、本発明による生物が基質として利用できるいずれかの炭素化合物を表わす。その用語には、グルコースもしくは他のいずれかのヘキソース、キシロースもしくは他のいずれかのペントース、ポリオール、たとえばグリセロール、ソルビトールもしくはマンニトール、またはポリマー、たとえばデンプン、セルロースもしくはヘミセルロース、またはポリ−3−ヒドロキシアルカノエート、たとえばポリ−3−ヒドロキシブチレートが含まれる。それは、微生物の増殖を可能にするいずれかの基質、たとえばホルメートであってもよい。生物が光合成を行なうことができる場合には、それはCOであってもよい。
本明細書中で用いる“組換え体”は、染色体遺伝子もしくは染色体外遺伝子または調節モチーフ、たとえばプロモーターの付加、除去または修飾による、あるいは生物の融合による、あるいはいずれかのタイプのベクター、たとえばプラスミドの付加による、生物の人為的な遺伝子修飾を表わす。用語“組換え発現”は、好ましくは、それの宿主に対して外因性またはヘテロロガスな由来のタンパク質、すなわち産生宿主において自然界では生じないものを産生させるための、あるいは修飾または変異した内因性タンパク質を産生させるための、遺伝子修飾を伴うタンパク質産生を表わす。
本明細書中で用いる“過剰発現”または“過剰発現性の”は、宿主生物において、好ましくはそれを発現させる生物とは異なる生物に由来するタンパク質を、宿主生物において起きるそのタンパク質の自然発現と比較して少なくとも10%、好ましくは20%、50%、100%、500%、及びそれ以上増加して組換え発現させることを表わす。この定義は、そのタンパク質の自然発現がない場合も含む。
“補助基質(co-substrate)”は、酵素反応にその特定のパラメーター、特にその活性を改善するために添加する化合物または分子であり、その物質と主基質は等しい量で消費される。したがって、補助基質は主基質のものに匹敵する濃度で反応に添加されなければならない。酵素に応じて、補助基質の存在がその酵素反応に要求される場合がある。
“補因子(cofactor)”は、酵素反応にその特定のパラメーター、特にその活性を改善するために添加する物質であり、その物質は反応中に消費されず、したがって酵素の量に比例して低濃度で添加する必要があるにすぎず、したがってその濃度は“触媒量”と呼ばれる。
アミノ酸配列の“一部”は、その配列の少なくとも10、好ましくは少なくとも20、30、40または50の連続するアミノ酸残基を含むフラグメントを表わす。
本明細書中で用いる“相同性”は、2配列間の同一性パーセントにより測定した2配列間に類似性があることを表わす。好ましい態様において、用語“相同性”は、配列同一性を意味する。
化合物は、しばしば幾つかの公的または一般的な名称で知られる。本明細書中では、分子の一般名が好ましい。したがって:
− “エチレン”は、エテンを表わすために用いられる;
− “プロピレン”は、プロペンを表わすために用いられる;
− “ブチレン”は、ブテンを表わすために用いられる;
− “イソブチレン”は、2−メチルプロペンまたはイソブテンを表わすために用いられる;
− “アミレン”は、ペンテンを表わすために用いられる;
− “イソアミレン”は、2−メチル−ブタ−1−エンまたはイソペンテンを表わすために用いられる;
− “プロピオネート”は、プロパン酸またはプロパノエートイオンを表わすために用いられる;
− “ブチレート”は、ブタン酸またはブタノエートイオンを表わすために用いられる;
− “バレレート”は、ペンタン酸またはペンタノエートイオンを表わすために用いられる。
本発明は、3−ヒドロキシアルカノエートから出発して生物学的プロセス、特に酵素プロセスによりアルケン化合物を製造するための方法を記載し、その際、生産速度の効率を高めるために2種類の酵素を組み合わせる。より具体的には、本発明は下記のものにより3−ヒドロキシアルカノエートをアルケンに変換することを含むことを特徴とする、アルケンの製造方法に関する:
(i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素;および
(ii)第1酵素と異なる第2酵素であって、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素。
前記のように、WO 2010/001078には、デカルボキシラーゼ活性をもつ酵素で3−ヒドロキシアルカン酸を酵素変換することによりアルケンを製造するための方法が記載されている。WO 2010/001078には、全般的に、デカルボキシラーゼ活性をもつ酵素、たとえばメバロン酸二リン酸(MDP)デカルボキシラーゼ(E.C.4.1.1.33)による3−ヒドロキシアルカノエートからアルケンへの変換は、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換し、次いでこれを脱カルボキシル化して対応するアルケンに導くことにより行なわれると記載されている。種々の3−ヒドロキシアルカノエートを用いてMDPデカルボキシラーゼにより行なわれる全般的反応を図2Bに示す。
種々のデカルボキシラーゼ、特にメバロン酸二リン酸デカルボキシラーゼが前記の2段階を種々の効率で触媒すること、すなわち、あるデカルボキシラーゼは第1段階を他のデカルボキシラーゼより高い効率で触媒し、あるデカルボキシラーゼは第2段階、すなわち脱カルボキシル化段階に対して優先性を示し、したがって対応する酵素類を組み合わせることによって、WO 2010/001078に記載される3−ヒドロキシアルカノエートからアルケンへの変換効率が著しく増大することが今回見出された。したがって本発明は特に、酵素による3−ヒドロキシアルカノエートからのアルケンの産生においてより高い効率を達成する方法、すなわちそのような酵素による産生の効率を改善するための方法に関する。
用語“3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する酵素”は、3−ヒドロキシアルカノエートをリン酸化して対応する3−ホスホノキシアルカノエートにすることができる酵素を意味する。このリン酸基は、好ましくはATP分子に由来する。
この活性は、たとえば付随する実施例、特に実施例5の記載に従って測定できる。したがって1つの可能性は、各酵素を3−ヒドロキシアルカノエートおよびATPと共にインキュベートし、ADPの産生(それは対応する3−ホスホノキシアルカノエートの産生を反映する)を測定することである。ADPの産生を測定するためのアッセイは当業者に既知である。これらの方法のひとつは、実施例5に記載するピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼアッセイである。この場合、アッセイは、ADP量に比例するNADH吸収低下の速度を340nmで測定する。好ましい態様において、用語“3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する酵素”は、3−ヒドロキシイソバレレートおよびATPを3−ホスホノキシイソバレレートおよびADPに変換することができる酵素を意味する。よりさらに好ましくは、そのような酵素は、10mM以下のKで、たとえば5mM以下、好ましくは1mM以下、よりさらに好ましくは0.1mM以下のKで、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する反応、好ましくは3−ヒドロキシイソバレレートおよびATPを3−ホスホノキシイソバレレートおよびADPに変換する反応を触媒することができる。特に好ましい態様において、そのような酵素は、少なくとも0.2s−1のkcatで、好ましくは少なくとも0.5s−1のkcatで、特に好ましくは少なくとも1.0s−1のkcatで、より好ましくは少なくとも2.0s−1のkcatで、よりさらに好ましくは少なくとも5.0s−1のkcatで、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する反応、好ましくは3−ヒドロキシイソバレレートおよびATPを3−ホスホノキシイソバレレートおよびADPに変換する反応を触媒することができる。
特に好ましい態様において、3−ヒドロキシイソバレレートおよびATPを3−ホスホノキシイソバレレートおよびADPに変換する能力は、実施例5に記載するアッセイで測定される。
用語“3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素”は、3−ホスホノキシアルカノエートを脱カルボキシル化および脱リン酸化することにより対応するアルケンに導く反応を触媒することができる酵素を意味する。
この活性は、たとえば付随する実施例、特に実施例8の記載に従って測定できる。したがって1つの可能性は、各酵素を対応するホスホノキシアルカノエートと共に、原則として脱カルボキシル化および脱リン酸化が可能な条件下でインキュベートし、対応するアルケンの産生を、好ましくはガスクロマトグラフィーにより検出することである。好ましい態様において、用語“3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素”は、好ましくは実施例8に記載する条件下で、3−ホスホノキシイソバレレートをイソブテンに変換できる酵素を意味する。よりさらに好ましくは、そのような酵素は、100mM以下のKで、たとえば75mM以下のKで、または50mM以下、好ましくは10mM以下、もしくは5mM以下、もしくは1mM以下、よりさらに好ましくは0.1mM以下のKで、3−ホスホノキシアルカノエートを対応するアルケンに変換する(脱カルボキシル化および脱リン酸化により)反応を触媒することができる。特に好ましい態様において、そのような酵素は、少なくとも10−6−1のkcatで、好ましくは少なくとも10−4−1のkcatで、たとえば少なくとも10−3−1のkcatで、または少なくとも10−2−1のkcatで、たとえば少なくとも10−1−1のkcatで、たとえば少なくとも0.2s−1のkcatで、好ましくは少なくとも0.5s−1のkcatで、特に好ましくは少なくとも1.0s−1のkcatで、より好ましくは少なくとも2.0s−1のkcatで、よりさらに好ましくは少なくとも5.0s−1のkcatで、3−ホスホノキシアルカノエートを対応するアルケンに変換する反応、好ましくは3−ホスホノキシイソバレレートをイソブテンに変換する反応を触媒することができる。
特に好ましい態様において、3−ホスホノキシイソバレレートをイソブテンに変換する能力は、実施例8に記載するアッセイで測定される。
好ましい1態様において、前記の(i)および(ii)に述べた酵素は、NCBIまたは同等のエンジンによりCOG3407ドメインをもつとみなされる酵素である。
本発明による方法の好ましい態様において、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素(i)は、下記のものからなる群から選択される:
(A)SEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(B)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(C)SEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;および
(D)SEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質。
SEQ ID NO:1は、ピクロフィルス・トリダス(Picrophilus torridus) DSM 9790由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号AAT43941; Swissprot/TrEMBL寄託番号Q6KZB1)。
SEQ ID NO:2は、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号CAC12426; Swissprot/TrEMBL寄託番号Q9HIN1)。
SEQ ID NO:3は、サーモプラズマ・ボルカニウム(Thermoplasma volcanium)由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号BAB59465; Swissprot/TrEMBL寄託番号Q97BY2)。
SEQ ID NO:4は、フェロプラズマ・アシダルマヌス(Ferroplasma acidarmanus)fer1由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号ZP_05571615)。
本発明による方法のさらに他の好ましい態様において、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する第2酵素(ii)は、下記のものからなる群から選択される:
(a)SEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(b)SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(c)SEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(d)SEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(e)SEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(f)SEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(g)SEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(h)SEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(i)SEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
(j)SEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;および
(k)SEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがSEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質。
SEQ ID NO:5は、ストレプトコッカス・ゴルドニイ(Streptococcus gordonii)からクローニングした酵素のアミノ酸配列を示す。SEQ ID NO:6は、ストレプトコッカス・ゴルドニイ株Challis、亜株CH1由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号AAT43941; Swissprot/TrEMBL寄託番号A8UU9)。SEQ ID NO:7は、ストレプトコッカス・インファンタリウス(Streptococcus infantarius)亜種インファンタリウス ATCC BAA−102由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号EDT48420.1; Swissprot/TrEMBL寄託番号B1SCG0)。SEQ ID NO:8は、ヒト(Homo sapiens)由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号AAC50440.1; Swissprot/TrEMBL寄託番号P53602.1)。SEQ ID NO:9は、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号CAI97800.1; Swissprot/TrEMBL寄託番号Q1GAB2)。SEQ ID NO:10は、ストレプトコッカス・ミチス(Streptococcus mitis)(株B6)由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号CBJ22986.1)。SEQ ID NO:11は、ストレプトコッカス・ガロリティカス(Streptococcus gallolyticus)UCN34由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号CBI13757.1)。SEQ ID NO:12は、ストレプトコッカス・サンギニス(Streptococcus sanguinis)SK36由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号ABN43791.1)。SEQ ID NO:13は、ストレプトコッカス属の種M143由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号EFA24040.1)。SEQ ID NO:14は、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)89/1591由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号EEF63672.1)。SEQ ID NO:15は、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)SK126由来の酵素のアミノ酸配列を示す(GenBank寄託番号EEK09252)。
本発明による方法の好ましい態様において、第1酵素(i)は前記の(A)に定めたものであり、第2酵素(ii)は前記に述べた(a)または(b)に定めたものであり、よりさらに好ましくは第2酵素は前記の(f)、(g)、(h)、(i)、(j)または(k)に定めたものである。実施例に示すように、これらの酵素の組合わせは本発明によるアルケン化合物の製造に特に有効である。
本発明による方法の他の好ましい態様において、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する第2酵素(ii)は、下記の表に挙げるタンパク質のいずれかから、またはそのようなタンパク質のアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、それがそのタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質から選択される。
前記のように、各SEQ ID NOまたは表1に挙げた具体的に述べるアミノ酸配列をもつタンパク質を使用できるだけでなく、NCBIまたは同等のエンジンによりCOG3407ドメインをもつとみなされるタンパク質、より好ましくは、そのアミノ酸配列が具体的に述べたアミノ酸配列と少なくとも15%の相同性を示し、かつ具体的に述べたアミノ酸配列をもつタンパク質の活性と少なくとも同じ高さであるそれぞれの酵素活性をもつタンパク質も使用できる。好ましい酵素は、有利には少なくともx%の相同性をもち、ここでxは20、25、20、35、40、45、50、55および60からなる群から選択される。さらに好ましい態様において、酵素は、SEQ ID NO:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15に示す配列のうちのいずれかまたは表1に示す配列のうちのいずれかに対して、少なくとも65%の配列相同性、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは75%、よりさらに好ましくは少なくとも80、85、90、95、96、97、98または99%の配列相同性をもつ。配列相同性パーセントは、種々の方法で、当業者に既知のソフトウェアプログラム、たとえばCLUSTAL法もしくはBLASTおよび派生ソフトウェアにより、または配列比較アルゴリズム、たとえばNeedleman and Wunsch(J. Mol. Biol., 1970, 48:443)もしくはSmith and Waterman(J. Mol. Biol., 1981, 147:195)により記載されたものを用いて決定できる。
指示した程度の相同性を示すそのようなタンパク質は、自然界に存在するかまたは合成により製造された他の酵素であってもよい。それらには特に、本発明に従ってアルケンを産生する能力により選択できる酵素が含まれる。したがって、選択試験は、精製された酵素またはその酵素を産生する微生物を反応の基質と接触させ、そして各化合物、すなわち3−ホスホノキシアルカノエートまたはアルケンの産生を測定することを含む。そのような試験を実験のセクションに記載する。そのような選択試験は、3−ホスホノキシアルカノエートまたはアルケンに変換すべき基質に対して最適な酵素活性を備えた酵素、すなわち1種類以上の3−ヒドロキシアルカノエートまたは3−ホスホノキシアルカノエートに対して最適な活性をもつ酵素をスクリーニングするためにも使用できる。
そのようなスクリーニング方法は当業者に周知であり、たとえばタンパク質工学技術、たとえば遺伝子のランダム変異誘発、多重変異誘発、部位特異的変異誘発、DNAシャッフリング、合成シャッフリング、インビボ進化、または完全合成、続いて目的とする酵素活性のスクリーニングを含む。
したがって、本発明に用いる酵素は天然または合成のものであってよく、化学、生物学または遺伝学の手段により作製できる。たとえばそれの活性、抵抗性、特異性の改善、精製、または支持体上へのそれの固定化のために、それを化学修飾することもできる。
3−ヒドロキシアルカノエートから3−ホスホノヒドロキシアルカノエートを経てアルケンに変換するための前記反応を触媒することができる酵素は、しばしば、メバロン酸二リン酸(MDP)デカルボキシラーゼ(酵素命名法E.C.4.1.1.33)の系統発生スーパーファミリーに分類できる酵素であることが見出された。MDPデカルボキシラーゼは、コレステロールの生合成に関与する酵素である。そのような酵素は、動物、真菌、酵母および若干の細菌を含めた多様な生物から分離されている。それは、ある植物により発現する可能性もある(Lalitha et al., Phytochemistry 24 (11), (1985), 2569-2571)。この酵素をコードする多数の遺伝子がクローニングおよび配列決定されている。これらの酵素は、一般に300〜400のアミノ酸から構成され、ATPを補助基質として使い、これが反応中にADPと無機ホスフェートに変換される。このホスフェート基はATP分子からメバロン酸二リン酸の第三級アルコールへ伝達され、ADPが放出される。3−ヒドロキシル基においてリン酸化されたこの反応中間体は、次いでホスフェート基の離脱を受けて、生理的な場合にはイソペンテニル二リン酸を放出する(図2)。
したがって、好ましい態様において、前記の(i)または(ii)に定めた酵素はMDPデカルボキシラーゼである。本発明に関して、MDPデカルボキシラーゼは、少なくとも5−ジホスホ−3−ホスホメバロネートからイソペンテニル−5−ジホスフェートおよびCOへの変換を触媒することができる酵素、あるいは少なくともメバロネートジホスフェートおよびATPを5−ジホスホ−3−ホスホメバロネートおよびADPに変換する反応を触媒することができる酵素であると定義される。好ましくは、そのような酵素は両反応を触媒することができる。
他の好ましい態様において、前記の(i)に定めた酵素は(i)(B)に定めた酵素である。SEQ ID NO:2に示すこの配列は、サーモプラズマ・アシドフィラムにおいて同定された酵素である。Genbankにおいて、この酵素はメバロン酸二リン酸デカルボキシラーゼとして分類される。しかし、Chen and Poulter(Biochemistry 49 (2010), 207-217)から、サーモプラズマ・アシドフィラムには、メバロン酸−5−一リン酸デカルボキシラーゼの作用を伴う別のメバロン酸経路が存在することが知られている。したがって、SEQ ID NO:2により表わされる酵素は実際にはメバロン酸−5−一リン酸デカルボキシラーゼである可能性がある。他の古細菌についても同じことが言える可能性がある。したがって、他の好ましい態様において、前記の(i)または(ii)に定めた酵素はメバロン酸−5−一リン酸デカルボキシラーゼである。そのような酵素は、メバロネート−5−モノホスフェートをイソペンテニルピロホスフェートに変換することができる。
好ましい態様において、本発明は:
− 3−ヒドロキシプロピオネートを、3−ホスホノキシプロピオネートを経てエチレンに変換する;または
− 3−ヒドロキシブチレートを、3−ホスホノキシブチレートを経てプロピレンに変換する;または
− 3−ヒドロキシバレレートを、3−ホスホノキシバレレートを経て1−ブチレンに変換する;または
3−ヒドロキシ−3−メチルブチレート(または3−ヒドロキシイソバレレート)を、3−ホスホノキシ−3−メチルブチレート(3−ホスホノキシイソバレレート)を経てイソブチレンに変換する;または
3−ヒドロキシ−3−メチルバレレートを、3−ホスホノキシ−3−メチルバレレートを経てイソアミレンに変換する。
本発明による方法は、インビトロで、分離された酵素(または、さらに1種類以上の補因子を含む酵素系)の存在下に実施できる。インビトロは、好ましくは無細胞系を意味する。
1態様において、本方法に用いる酵素は、3−ヒドロキシアルカノエートをアルケンに変換するために精製された形態で用いられる。しかし、酵素および基質の調製および精製のコストは高いので、そのような方法はコストがかかる可能性がある。
したがって、他の好ましい態様において、タンパク質精製コストを節約するために、本方法に用いる酵素は精製されていない抽出物として、あるいは溶解していない細菌の形態で反応中に存在する。しかし、そのような方法に伴うコストは、基質を調製および精製するコストのためなおかなり高い場合がある。
したがって、好ましい1態様において、天然または組換え酵素(精製または未精製)を用いて、3−ヒドロキシアルカノエートをアルケンに変換する。これを行なうために、基質の存在下に、酵素を活性にする生理化学的条件下で酵素をインキュベートし、十分な期間、インキュベーションを続ける。インキュベーション終了時に、場合により、アルケン生成物もしくは遊離ホスフェートの形成を測定するための、または3−ヒドロキシアルカノエート基質もしくはATPの消失を測定するための、当業者に既知の検出システム、たとえばガスクロマトグラフィーまたは比色試験を用いて、アルケンの存在を測定する。
好ましい態様において、補因子は、自然界での反応を最も良く模倣するように、または触媒裂溝(catalytic cleft)における立体的もしくは電子的な補足(complementation)を提供するように添加される。たとえば、本発明による方法に用いる酵素のひとつが自然界でメバロネートジホスフェート(MDP)を基質として使う酵素である場合、一般に3−ヒドロキシアルカノエートはMDPのフラグメントに対応するので、3−ヒドロキシアルカノエートの構造には酵素−基質結合に際して触媒裂溝に大きな空間が空の状態で残る。基質が欠けた部分に代わってこの空間を補因子で充填するのは、MDP分子を最も近似した状態で模倣するという目的をもつ。補因子は反応中に修飾されないので、したがってそれは触媒量で添加されるにすぎない。反応の基質が3−ヒドロキシプロピオネートである場合、補足的な補因子はプロピルジホスフェートであろう。基質が3−ヒドロキシブチレートまたは3−ヒドロキシ−3−メチルブチレートである場合、補足的な補因子はエチルジホスフェートであろう。基質が3−ヒドロキシバレレートまたは3−ヒドロキシ−3−メチルバレレートである場合、補足的な補因子はメチルジホスフェートであろう。これらの種々の分子を図5に示す。時には、反応の補足的な補因子が他の基質の反応にプラスの作用をもつ場合がある。一般に、補因子はリン酸無水物(phosphoanhydryde)を含むいずれかの分子であっよく、したがって、一般式R−POH−O−POをもち、ここでRは特にH、好ましくは1から10個までもしくは1から5個までの炭素原子をもつ直鎖、分枝もしくは環状のアルキル基、または他のいずれかの一価有機基である。メチレンジホスホネートモノエステルに対応する類似のモチーフであって一般式R−O−POH−CH−PO(この場合は、加水分解されないという利点をもつメチレン橋によりリン酸無水物(phosphyanhydryde)が置き換えられている)をもつものも、本発明の一部である。より一般的には、補因子は前記分子のモノホスフェート類似体、さらにはホスフェートを含まない類似体、あるいは酵素の触媒部位に立体障害または電子補足をもたらすことにより反応収率を改善しうる他のいずれかの分子であってもよい。補因子は、有利にはピロホスフェートイオン、メチルジホスフェート、エチルジホスフェート、またはプロピルジホスフェートからなる群から選択される。
好ましい態様において、変換は補助基質の存在下で行なわれ、その補助基質は好ましくはリン酸無水物を含む化合物であり、好ましくはATP、rNTP、dNTP、もしくはこれらの分子のうち幾つかの混合物、ポリホスフェートまたはピロホスフェートである。補助基質は一般に宿主内に存在する。しかし、他の特定の態様において、好ましくはATP、rNTP、dNTP、または幾つかのrNTPもしくはdNTPの混合物、ポリホスフェート、および好ましくはピロホスフェート、またはリン酸無水物(図2の一般式X−POにより表わされる)を含む化合物からなる群から選択される補助基質を反応に添加することができる。
脱カルボキシル化段階、すなわち前記に(ii)として定めた反応はATP消費を必要としないが、反応に際してATPの存在が有益な可能性があることが示された。これを実施例7に、3−ホスホノキシイソバレレートを基質として用いて証明した。ATPは、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼのATP結合部位にATPが結合することにより、タンパク質のフォールディングに対する作用をもつと推測される。事実、これは肉眼で見ることができる:精製した酵素は沈殿する傾向があり、ATPの添加はこの作用を阻止する。ATPだけでなく、他の類似化合物、たとえばdATP、ADP、AMP、または他のNTP類もしくはdNTP類も、この効果をもつと考えられる。したがって、好ましい態様において、本発明による方法は、ATP、dATP、ADP、AMP、またはATP以外のNTP類もしくはdNTPを補助基質として用いて実施される。
他の好ましい態様において、本発明による方法は、それらの酵素を産生する生物、好ましくは微生物の存在下での培養により実施される。したがって、そのような本発明の態様において、前記の(i)および(ii)に特定した酵素を産生する生物、好ましくは微生物を用いる。好ましい態様において、(微)生物は、その宿主が産生する(i)および(ii)に特定した酵素がその産生宿主に対してヘテロロガスであるという点で、組換え体である。したがって、この方法は、酵素を分離または精製する必要なしに培養培地中で直接実施できる。特に有利な様式では、溶液中に存在する炭素源からアルケンを直接製造するために、1種類以上の3−ヒドロキシアルカノエートを内在産生する自然または人為的な特性をもち、かつ前記の(i)および(ii)に特定した酵素をも自然または人為的に発現または過剰発現する(微)生物を使用する。
たとえば、本発明による方法は、1種類以上の3−ヒドロキシアルカノエートを産生する微生物[たとえば、アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)またはバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、あるいはそれ(それら)の産物を産生するように遺伝子修飾した大腸菌(E. coli)株]であって、前記の(i)および(ii)に定めた酵素を過剰発現するように遺伝子工学的に操作した微生物を用いて実施でき、それらの酵素は好ましくは宿主微生物とは異なる生物に由来する。遺伝子修飾は、たとえばそれらの酵素をコードする対応遺伝子を染色体に組み込み、その酵素を酵素コード配列の上流にプロモーターを含むプラスミド(プロモーターとコード配列は、好ましくは異なる生物に由来する)から発現させること、あるいは当業者に既知である他のいずれかの方法にある。あるいは、他の細菌または酵母が特定の利点をもつ場合があり、それらを選択できる。たとえば、酵母、たとえばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、好極限性(extremophilic)細菌、たとえばサーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、またはクロストリジウム科(Clostridiae)に属する嫌気性細菌、微小藻類、または光合成細菌を使用できる。
本発明に用いる生物は、原核生物または真核生物であってもよく、好ましくは、それらは細菌、酵母、真菌もしくは糸状菌などの微生物、または植物細胞もしくは動物細胞である。特定の態様において、微生物は細菌、好ましくはエシェリキア属(Escherichia)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)またはバチルス属(Bacillus)のもの、よりさらに好ましくは大腸菌(Escherichia coli)、アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)またはバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)種のものである。
他の好ましい態様において、微生物は、1種類以上の3−ヒドロキシアルカノエートを内在産生しかつそれらをアルケンに変換するように修飾されたエシェリキア属、好ましくは大腸菌種の組換え細菌である。
さらに他の好ましい態様において、微生物は真菌、より好ましくはサッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、アスペルギルス属(Aspergillus)またはトリコデルマ属(Trichoderma)の真菌、よりさらに好ましくはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)種のもの、またはトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)種のものである。特に好ましい態様において、微生物は組換え酵母であり、3−ヒドロキシアルカノエートを産生し、かつ前記の(i)および(ii)に特定した酵素を発現するのでそれらをアルケンに変換する。
好ましい態様において、本発明による方法は、前記の(i)および(ii)に特定した酵素を発現する光合成微生物を利用する。好ましくは、微生物は光合成細菌、または微小藻類である。よりさらに好ましくは、そのような微生物は、1種類以上の3−ヒドロキシアルカノエートを内在産生する自然または人為的な特性をもつ。この場合、微生物は溶液中に存在するCOからアルケンを直接産生することができるであろう。
本発明による方法において、前記の(i)に定めた酵素を産生する1微生物、および前記の(ii)に定めた酵素を産生する他の微生物を使用することも考慮される。さらに、他の態様において、少なくとも1種類の微生物が1種類以上の3−ヒドロキシアルカノエートを産生することができ、あるいは別態様において、1種類以上の3−ヒドロキシアルカノエートを産生することができる更なる微生物をその方法に使用する。
他の好ましい態様において、本発明による方法は、前記の(i)および(ii)に定めた酵素を発現する多細胞生物を利用する。そのような生物の例は植物または動物である。
特定の態様において、本方法は、微生物を標準培養条件(30〜37℃、1気圧で、その細菌を好気性増殖させることができる発酵槽内において)または非標準条件(たとえば、好熱生物の培養条件に対応する高温)で培養することを伴う。
さらに他の好ましい態様において、本発明の方法は、微好気性(microaerophilic)条件で実施される。これは、アルケン炭化水素を含有する排出気体中の残留酸素濃度を最小限に抑えるように、注入空気の量が制限されることを意味する。
他の好ましい態様において、本発明による方法はさらに、反応から排出する気体状アルケンを採集する工程、すなわちたとえば培養物から排出する生成物を回収する工程を含む。したがって、好ましい態様において、本方法は反応中に気体状のアルケンを回収するシステムの存在下で実施される。
実際には、短いアルケン、特にエチレン、プロピレンおよびブテン異性体は、室温および大気圧で気体状態をとる。したがって本発明による方法は、液体培養培地からの生成物の抽出、すなわち工業的規模で実施する際には常に著しくコストがかかる工程が必要ない。気体状炭化水素の排出および貯蔵、ならびにその後に行なう可能性があるそれらの物理的分離および化学変換は、当業者に既知であるいずれかの方法に従って実施できる。
具体的な態様において、本方法は、気相中に存在するアルケン(たとえば、プロピレン、エチレンまたはイソブチレン)を検出することも含む。空気その他の気体の環境中に生成する化合物の存在は、少量であっても、多様な手法を用いて、特に紫外もしくはフレームイオン化検出を備えたガスクロマトグラフィーシステムの使用により、または質量分析との連携により検出できる。
特定の態様において、より長い鎖のアルケン、またはより長い鎖のアルカンが生成するように、本発明による方法により生成したアルケンを当業者に既知の手法を用いて縮合させ、次いで場合によっては還元する。たとえば、イソブチレンを用いてイソオクタンを合成することができる:この反応の実施に成功するための接触法については既に十分に記載されている。
他の態様において、本発明による方法は、炭素源、たとえばグルコースを3−ヒドロキシアルカノエートに変換し、続いてこの3−ヒドロキシアルカノエートを対応するアルケンに変換することを特徴とする。この方法の種々の段階を図6に概説する。
特定の態様において、本方法は、酵素または適切な物理化学的方法を用いてポリヒドロキシアルカノエートを3−ヒドロキシアルカノエートに変換し、続いてこの3−ヒドロキシアルカノエートを対応するアルケンに変換することを特徴とする。場合により、ポリヒドロキシアルカノエートは、高収率のポリヒドロキシアルカノエートを産生するようにその代謝経路が改変された微生物または植物により産生されたものである。
他の態様において、本発明による方法は、大気COから、または培養培地に人為的に添加したCOから、アルケンを生成することを含む。この場合、本方法は、光合成を行なうことができる生物、たとえば微小藻類において実施される。
本発明はまた、脱カルボキシル化および脱リン酸化による変換を触媒することができる酵素の使用により3−ホスホノキシアルカノエートを対応するアルケンに酵素変換する工程を含む、アルケンの製造方法に関する。
そのような方法に用いるのに好ましい酵素に関して、前記に述べた本発明による方法の(ii)に関連して前記に述べたと同じものが適用される。
さらに、同様に本発明による方法について前記に述べた他の好ましい態様に関して、アルケンを3−ホスホノキシアルカノエートから製造するための方法に同じものが適用される。
本発明はまた、少なくとも2種類の酵素を産生する生物、好ましくは微生物に関するものであり、その際、1種類の酵素は前記に特定した(i)から選択され、他の酵素は前記に特定した(ii)から選択される。好ましい態様において、少なくとも1種類の前記酵素をコードする少なくとも1種類の核酸分子の導入により遺伝子修飾されているという意味で、そのような生物は組換え生物である。好ましくは、そのような核酸分子はその生物に関してヘテロロガスであり、これはそれが自然界ではその生物に存在しないことを意味する。
したがって、本発明はまた、前記の(i)に定めた酵素をコードする核酸分子を含み、かつ前記の(ii)に定めた酵素をコードする核酸分子を含む生物、好ましくは微生物に関する。好ましい態様において、それらの核酸分子のうち少なくとも1種類はその生物に関してヘテロロガスであり、これはそれが自然界ではその生物に存在しないことを意味する。微生物は好ましくは細菌、酵母または真菌である。他の好ましい態様において、生物は植物、またはヒト以外の動物である。他の好ましい態様に関して、本発明による方法に関連して前記に述べたと同じものが適用される。
さらに、本発明はまた、本発明による微生物、適切な培養培地、および3−ヒドロキシアルカノエート化合物またはその微生物により3−ヒドロキシアルカノエート化合物に変換できる炭素源を含む組成物に関する。
本発明はまた、アルケン化合物を3−ヒドロキシアルカノエートから製造するための、1種類の酵素が下記の(i)から選択されかつ他の酵素が下記の(ii)から選択される少なくとも2種類の酵素の組合わせの使用、あるいは本発明による生物、好ましくは微生物の使用、または本発明による組成物の使用に関するものであり、その際、(i)および(ii)は下記のものである:
(i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素;および
(ii)第1酵素と異なる第2酵素であって、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素。
記載した種々の構成要素の好ましい態様に関して、本発明による方法に関連して前記に述べたと同じものが適用される。
本発明の他の観点および利点を以下の実施例に記載する;それらは説明のために提示され、限定のためのものではない。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである。
実施例1:MDPデカルボキシラーゼライブラリーのクローニング、発現および精製
真核、原核および古細菌にわたるジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(MDPデカルボキシラーゼ)ファミリーの代表的なものをコードする55遺伝子のライブラリーを構築し、試験して、イソブテン(IBN)産生を改善するための最も活性な候補を同定した。
クローニング、細菌培養およびタンパク質発現
メバロン酸二リン酸(MDP)デカルボキシラーゼEC 4.1.1.33をコードする遺伝子を、真核遺伝子の場合はpET 25bベクター(Novagen)内に、原核遺伝子の場合はpET 22b(Novagen)内にクローニングした。一続きの6ヒスチジンコドンをメチオニン開始コドンの後に挿入して、精製のためのフアィニティータグを付与した。コンピテント大腸菌BL21(DE3)細胞(Novagen)を、これらのベクターで熱ショック法に従って形質転換した。これらの形質転換細胞を、振とうしながら(160rpm)、ZYM−5052自動誘導培地(Studier FW, Prot.Exp.Pur. 41, (2005), 207-234)において6時間、37℃で増殖させ、28℃で一夜(約16時間)タンパク質発現を続けた。細胞を4℃、10,000rpmで20分間の遠心により採集し、ペレットを−80℃で凍結した。
タンパク質の精製および濃縮
200mlの培養細胞からのペレットを氷上で融解し、5mlのNaHPO pH8(300mMのNaCl、5mMのMgClおよび1mMのDTTを含有)に再懸濁した。20μlのリゾナーゼ(lysonase)(Novagen)を添加した。細胞を室温で10分間インキュベートし、次いで氷上に戻して20分間おいた。3×15秒間の音波処理により細胞溶解を完了した。細菌抽出物を次いで4℃、10,000rpmで20分間の遠心により澄明にした。澄明にした細菌溶解物をPROTINO−1000 Ni−TEDカラム(Macherey−Nagel)に装填して、6−Hisタグ付きタンパク質を吸着させた。カラムを洗浄し、目的とする酵素を4mlの50mM NaHPO pH8(300mMのNaCl、5mMのMgCl、1mMのDTT、250mMのイミダゾールを含有)で溶離した。溶出液を次いで濃縮し、Amicon Ultra−4 10kDaフィルターユニット(Millipore)で脱塩し、0.25mlの50mM Tris−HCl pH7.4(0.5mMのDTTおよび5mMのMgClを含有)に再懸濁した。タンパク質濃度をブラッドフォード(Bradford)法により定量した。こうして精製したタンパク質の純度は40%から90%までの範囲であった。
実施例2:MDPデカルボキシラーゼライブラリーのスクリーニング
MDPデカルボキシラーゼを相補アッセイにより評価した。ピクロフィルス・トリダス(P. torridus)MDPデカルボキシラーゼを、ライブラリーからの各被験酵素と一緒にインキュベートした。
酵素アッセイを下記の条件下で実施した:
50mM Tris HCl pH7,0
10mM MgCl
20mM KCl
40mM ATP
50mM 3−ヒドロキシイソバレレート(HIV)
pHを7.0に調整した。
100μgのピクロフィルス・トリダス由来MDPデカルボキシラーゼおよび1mgの被験MDPデカルボキシラーゼを、1mlの反応混合物に添加した。100μgのピクロフィルス・トリダスMDPデカルボキシラーゼのみを含有する反応混合物を基準として用いた。混合物を次いで振とうせずに45℃で90時間、密閉バイアル(Interchim)内でインキュベートした。
1mlの気相を採集し、FID検出器およびCP SilicaPlotカラム(Varian)を備えたHP5890ガスクロマトグラフ(HP)に注入した。市販のイソブテンを基準として用いた。
このスクリーニング法により、イソブテン産生率を高める幾つかのMDPデカルボキシラーゼ酵素が同定された。図7に示すように、下記のMDPデカルボキシラーゼについて、より高いイソブテン産生がみられた:
候補1:
寄託番号Genbank : CAI97800
寄託番号SwissProt/TrEMBL : Q1GAB2
生物:ラクトバチルス・デルブリュッキイ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)ATCC 11842
候補2:
寄託番号Genbank : AAC50440.1
寄託番号SwissProt/TrEMBL : P53602.1
生物:ヒト(Homo sapiens)
候補3:
寄託番号Genbank : ABV09606
寄託番号SwissProt/TrEMBL : A8AUU9
生物:ストレプトコッカス・ゴルドニイ(Streptococcus gordonii)株Challis 亜株CH1
イソブテンの最高産生は、ストレプトコッカス・ゴルドニイ由来の精製MDPデカルボキシラーゼでみられた。
これは、アッセイに存在した2種類の酵素(一方はピクロフィルス・トリダス由来、他方はストレプトコッカス・ゴルドニイ由来)が相補的に、IBNをHIVから産生する2段階反応を行なったことを指摘する:ATPから末端ホスホリル基を3−ヒドロキシイソバレレートのC3−酸素へ伝達すること、そしてその後に続く中間体3−ホスホノキシイソバレレートの脱リン酸化−脱カルボキシル化の組合わせ。
実施例3:イソブテン産生収率に対する酵素濃度の影響
ストレプトコッカス・ゴルドニイMDPデカルボキシラーゼ濃度の影響を下記の条件下で評価した:
50mM Tris HCl pH7,0
10mM MgCl
20mM KCl
40mM ATP
50mM 3−ヒドロキシイソバレレート(HIV)
pHを7.0に調整した。
100μgのピクロフィルス・トリダス由来MDPデカルボキシラーゼおよび種々の量(0から1mgまで)のストレプトコッカス・ゴルドニイ由来MDPデカルボキシラーゼを、1mlの反応混合物に添加した。混合物を次いで振とうせずに45℃で90時間、密閉バイアル(Interchim)内でインキュベートした。
1mlのヘッドスペース相を採集し、FID検出器およびCP SilicaPlotカラム(Varian)を備えたHP5890ガスクロマトグラフ(HP)に注入した。市販のイソブテンを基準として用いた。
ストレプトコッカス・ゴルドニイMDPデカルボキシラーゼ酵素濃度を増大させると、イソブテン産生量が増加した(図8)。
実施例4:ストレプトコッカス・ゴルドニイMDPデカルボキシラーゼホモログのライブラリーのスクリーニング
NCBIが提供するBLASTオンラインプログラムを用いて、非重複(non redundant)タンパク質配列データベースに対比して配列を検索し、ストレプトコッカス・ゴルドニイ酵素に対する高い配列類似性(>40%の同一性)をもつ酵素のリストを作成した。得られたリストには18の候補が含まれていた。
上記の種のゲノムおよびストレプトコッカス・ゴルドニイのゲノムから推論したMDPデカルボキシラーゼ酵素の配列を、大腸菌のコドン利用に一致するオリゴヌクレオチド コンカテネーション(concatenation)により作製した。一続きの6ヒスチジンコドンをメチオニン開始コドンの後に挿入して、精製のためのアフィニティータグを付与した。こうして合成した遺伝子をpET25b発現ベクター(ベクターはGENEART AGにより構築された)内へクローニングした。大腸菌株BL21(DE3)を形質転換した後、実施例1に記載したプロトコルに従ってタンパク質を産生させた。次いで実施例2に記載した方法により、ピクロフィルス・トリダス酵素の代わりにサーモプラズマ・アシドフィラム(Th. acidophilum)MDPデカルボキシラーゼを用いて、これらの酵素をアッセイした。このスクリーニング操作により、イソブテン産生についてストレプトコッカス・ゴルドニイ酵素より効率的な酵素が同定された(図9);特にストレプトコッカス・インファンタリウス(S. infantarius)、ストレプトコッカス・ガロイティカス(S. gallolyticus)、ストレプトコッカス属種M143、ストレプトコッカス・サリバリウス(S. salivarius)、ストレプトコッカス・スイス(S. suis)、ストレプトコッカス・サンギニス(S. sanguinis)、およびストレプトコッカス・ミチス(S. mitis)由来のMDPデカルボキシラーゼ酵素。
実施例5:ホスホトランスフェラーゼ活性の特性分析
HIVからのIBN産生に付随するADPの放出を、ピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼ連結アッセイにより定量した(図10)。ピクロフィルス・トリダス、サーモプラズマ・アシドフィラム、ストレプトコッカス・インファンタリウス、ストレプトコッカス・ミチスに由来するMDPデカルボキシラーゼを、それらがHIVをリン酸化してADPを放出する能力について評価した。
被験酵素反応を下記の条件下に40℃で実施した:
50mM Tris HCl pH7,0
10mM MgCl
100mM KCl
5mM ATP
0,2mM NADH
0,5mM ホスホエノールピルベート
3U/ml 乳酸デヒドロゲナーゼ
1,5U/ml ピルビン酸キナーゼ
0〜50mM 3−ヒドロキシイソバレレート(HIV)
pHを7.0に調整した。
個々の酵素(0.05から1mg/mlまでの濃度のもの)の添加により各アッセイを開始し、340nMにおける吸収を追跡することによりNADHの消失をモニターした。
ピクロフィルス・トリダス門(P. torridus phylum)由来およびストレプトコッカス属由来のMDPデカルボキシラーゼは、HIVの存在下で再現性のあるADP産生増大を生じた。図11は、ピクロフィルス・トリダス酵素について収集したデータに対応するミカエリス−メンテン(Michaelis-Menten)プロットの例を示す。動力学的パラメーターを次表に示す。
ピクロフィルス・トリダス門由来の酵素は、ストレプトコッカス属由来のものより高いホスホトランスフェラーゼ活性を示した。
実施例6:2種類の酵素を組み合わせることによる3−ヒドロキシイソバレレートからのイソブテン産生
目的とする酵素反応を下記の条件下で実施した:
50mM Tris HCl pH7,5
10mM MgCl
20mM KCl
40mM ATP
50mM HIV
pHを7.5に調整した。
100μgのサーモプラズマ・アシドフィラム由来MDPデカルボキシラーゼおよび500μgのストレプトコッカス・ミチス由来MDPデカルボキシラーゼを、1mlの反応混合物に添加した。2種類のうち1種類の酵素のみを含む対照反応を並行して実施した。アッセイ物を振とうせずに37℃で密閉バイアル(Interchim)内でインキュベートした。
142時間のインキュベーション期間にわたってサンプリングした部分標本を分析することにより、IBNの産生を測定した。
1mlの気相を採集し、FID検出器およびCP SilicaPlotカラム(Varian)を備えたHP5890ガスクロマトグラフ(HP)に注入した。市販のイソブテンを基準として用いた。
イソブテン産生の動態を図12に示す。サーモプラズマ・アシドフィラム由来MDPデカルボキシラーゼは、HIVからのイソブテン産生を触媒した。ストレプトコッカス・ミチス由来MDPデカルボキシラーゼの添加は、142時間のインキュベーション後のイソブテン産生を3倍増加させた。
ストレプトコッカス・ミチス由来MDPデカルボキシラーゼ単独では6日間のインキュベーション後に少量のイソブテンを産生したにすぎず、ホスホトランスフェラーゼ活性が低いことを指摘する。
したがって、2つの反応段階を相補的に行なう2種類の酵素を組み合わせることによって、イソブテン産生を増加させることができる。
実施例7:3−ホスホノキシイソバレレート(PIV)からのイソブテン産生に対するATPの効果
化合物3−ホスホノキシイソバレレート(PIV)を、3−ヒドロキシイソバレレートから図13に示したスキームに従ってSYNTHEVAL(フランス)により化学合成した。
イソブテン産生のアッセイを下記の条件下で実施した:
50mM Tris HCl pH7,5
10mM MgCl
20mM KCl
0mM ATP(アッセイNo.1およびNo.2)
10mM ATP(アッセイNo.3およびNo.4)
25mM 3−ホスホノキシイソバレレート
pHを7.5に調整した。
2mgの精製したストレプトコッカス・ミチス由来MDPデカルボキシラーゼを0.5mlの反応混合物に添加することにより反応を開始した。酵素の不存在下で対照反応を行なった(アッセイNo.1およびNo.3)。
混合物を振とうせずに37℃で26時間、2mlの密閉バイアル(Interchim)内でインキュベートした。
1mlの気相を採集し、FID検出器およびCP SilicaPlotカラム(Varian)を備えたVarian 430−GCガスクロマトグラフに注入した。市販のイソブテンを基準として用いた。
10mMのATPを反応混合物に添加すると、3−ホスホノキシイソバレレート(PIV)からのイソブテン産生が120倍増大した(図14)。
実施例8:3−ホスホノキシイソバレレート(PIV)からのイソブテン産生の動力学的パラメーター
イソブテン産生の動力学的パラメーターを下記の条件下で測定した:
50mM Tris HCl pH7,5
10mM MgCl
50mM KCl
40mM ATP
0〜100mM 3−ホスホノキシイソバレレート
pHを7.5に調整した。
1mgの精製したストレプトコッカス・ミチス由来MDPデカルボキシラーゼを0.5mlの反応混合物に添加することにより反応を開始した。次いで混合物を振とうせずに37℃で44時間、2mlの密閉バイアル(Interchim)内でインキュベートした。
1mlの気相を採集し、FID検出器およびCP SilicaPlotカラム(Varian)を備えたVarian 430−GCガスクロマトグラフに注入した。市販のイソブテンを基準として用いた。
精製したストレプトコッカス・ミチス由来MDPデカルボキシラーゼを用いたアッセイは、補因子としてのATPの存在下で、バックグラウンドレベル(3−ホスホノキシイソバレレートの自然分解)を160〜400倍上回るIBN産生増大を示した(次表を参照)。
ストレプトコッカス・ミチス由来精製MDPデカルボキシラーゼは、60mMより高いKおよび少なくとも1.3×10−3 sec−1のkcatをもつことが認められた。

Claims (19)

  1. 下記の(i)および(ii)により3−ヒドロキシアルカノエートをアルケンに変換することを含むことを特徴とする、アルケンの製造方法:
    (i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素;および
    (ii)第1酵素と異なる第2酵素であって、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素。
  2. (i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素が、
    (A)SEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (B)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (C)SEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;および
    (D)SEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質、
    からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. (ii)3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する第2酵素が、
    (a)SEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (b)SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (c)SEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (d)SEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (e)SEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (f)SEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (g)SEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (h)SEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (i)SEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (j)SEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (k)SEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質、
    からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 3−ヒドロキシプロピオネートをエチレンに変換する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 3−ヒドロキシブチレートをプロピレンに変換する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 3−ヒドロキシバレレートを1−ブチレンに変換する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 3−ヒドロキシ−3−メチルブチレートをイソブチレンに変換する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  8. 3−ヒドロキシ−3−メチルバレレートをイソアミレンに変換する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 変換工程をインビトロで無細胞系において実施することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 方法を、請求項1に記載の(i)および(ii)に定める酵素を産生する微生物の存在下で実施することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の(i)および(ii)に定める酵素を産生する多細胞生物の使用を特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 反応物から排出するガス状アルケンを採集する工程を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 少なくとも2つの酵素を産生し、1つの酵素が(i)から選択され、他の酵素が(ii)から選択され、(i)および(ii)が下記の通りである、多細胞生物または微生物:
    (i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素;および
    (ii)第1酵素と異なる第2酵素であって、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素。
  14. 請求項13に記載の微生物、適切な培養培地、および3−ヒドロキシアルカノエート化合物または該微生物により3−ヒドロキシアルカノエート化合物に変換されることができる炭素源を含む、組成物。
  15. 3−ヒドロキシアルカノエートからアルケン化合物を製造するための、1つの酵素が下記の(i)から選択されかつ他の酵素が下記の(ii)から選択される少なくとも2つの酵素の組合わせの使用、または請求項13に記載の微生物の使用、または請求項14に記載の組成物の使用であって、(i)および(ii)が下記の通りである使用:
    (i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素;および
    (ii)第1酵素と異なる第2酵素であって、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する酵素。
  16. (i)3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を有する第1酵素が、
    (A)SEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:1に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (B)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (C)SEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:3に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;および
    (D)SEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ヒドロキシアルカノエートを対応する3−ホスホノキシアルカノエートに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質、
    からなる群より選択される、請求項14に記載の使用。
  17. (ii)3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を有する第2酵素が、
    (a)SEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (b)SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (c)SEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:7に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (d)SEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (e)SEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:9に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (f)SEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (g)SEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:11に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (h)SEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:12に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (i)SEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;
    (j)SEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:14に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質;および
    (k)SEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、またはSEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列と少なくとも15%同一であるアミノ酸配列を含み、3−ホスホノキシアルカノエートをアルケンに変換する活性を示し、該活性がSEQ ID NO:15に示すアミノ酸配列を有するタンパク質の対応する活性と少なくとも同じ高さであるタンパク質、
    からなる群より選択される、請求項15または16に記載の使用。
  18. 脱カルボキシル化および脱リン酸化を介して変換を触媒することができる酵素の使用により、3−ホスホノキシアルカノエートを対応するアルケンに酵素的に変換する工程を含む、アルケンの製造方法。
  19. 方法を、ATP、dATP、ADP、AMP、ATP以外のNTP、dNTPまたはピロホスフェートを補助基質として用いて実施することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項または請求項18に記載の方法。
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