JP2014241291A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、このような誘導加熱コイルは、樹脂などにより形成されたコイルベースに他の機能部品と共に取り付けられて、コイルユニットとして誘導加熱調理器の本体に設けられる(例えば、特許文献1)。
例えば、導線を楕円状に巻回して楕円形状に形成したものや、上記の誘導加熱コイルの様に、一度リング形状に形成したものをリングの径方向から挟み込むように力を加えて、円盤形状とは異なる異形状(扁平形状、まゆ形状、楕円形状など)に形成したものが提案されている。
つまり、誘導加熱コイルの曲がり半径が大きい部位と比較して、誘導加熱コイルの曲がり半径が小さい部位には、曲がり半径が大きくなる方向に働く応力が強い。
従って、誘導加熱コイル内部に働く応力が部位によって異なり、誘導加熱コイルの外形状が崩れやすい(変形しやすい)という課題があった。
図1〜図2を参照すると、本実施の形態の加熱調理器は、外郭を構成する加熱調理器本体1(以下、本体1)と、本体1の上部開口面を覆うように取り付けられ、外周に外枠を有するトッププレート2と、トッププレート2の後部の外枠に着脱自在に設けられた吸排気口のカバー3と、本体1の前面に配置された操作部4と、本体1の前面に操作部4と隣接して設けられたグリル扉5を備えている。
また、グリル扉5は、魚などを調理するグリル庫の開口を被うものであり、使用者がグリル扉5に設けられた取手を手前に引くことで開くことができる。
また、コイルユニット6とコイルユニット7に挟まれた前方の位置には、ラジエントヒーターが設けられているヒーターユニット8が位置している。
尚、ヒーターユニット8に代えて、コイルユニット7の外径より小さいコイルユニットを用いてもよい。
コイルベース61は、中央に位置する中央支持体62と、この中央支持体62を中心に放射状に伸びる複数の梁部62aと、この梁部62aの端部と連結されたリング形状の側板62bと、中央支持体62と側板62bの間の隣り合う梁部62aを環状につなぐ環状部62cを有し、平面視形状が円盤状となるように樹脂により一体に形成されている。
中央支持体62は、本実施の形態において、梁部62aが集まるような部位が位置しているが、中央が開口して、この開口を囲む環状に形成された部位でもよい。
つまり、コイルベース61には、環状部62cと中央支持体62との間に、梁部62aと中央支持体62と環状部62cに囲まれた開口62xが形成されている。
このように、コイルベース61の梁部62aを構成することにより、コイルベース61の強度を確保すると共に、機能部品の取付け位置や冷却風の風路を確保することが可能となっている。
このような構成は、本実施の形態のようにコイルベース61の外側に複数の加熱コイル66を設けることで、コイルベース61の外周側の重量が増えるコイルユニットに有効な構成である。
この防磁リング75は、コイルユニット6の外に加熱コイル64,65,66から生じる磁束を漏れ難くするためのもので、組立作業時に、作業者がコイルユニット6の上下がわかるように、コイルユニット6の上位置にリングを閉じるかしめ部75aが位置している。
そして、この環状部62cは、後述する略円状のリングに形成された加熱コイル64と加熱コイル65の配置領域と、異形状のリング形状の加熱コイル66の搭載領域を、コイルベース61の内側と外側に分けるように、中央支持体62を中心とした円状に形成されている。
つまり、環状部62cの内側に加熱コイル64と加熱コイル65が配置され、外側に異形状のリング形状の加熱コイル66が均等に配置される。また、この環状部62cは、梁部62aに接続されている。
尚、この切り欠き部62dの凹は、中央支持体62側に向いて開口している。
また、コイルベース61の上側面、つまり、梁部62aに設けられたフェライト63が位置する側の反対側には、後述する加熱コイル64、65、66が設けられる。
このように開口62fを形成することで、加熱コイルをコイルベースに固定するための接着剤の塗布部位を形成して、梁部62aの外部への接着剤のはみ出しを防止することができる。
これにより、各加熱コイル64,65,66と梁部62aが上下に重なる部位にも、冷却風を流下させることができ、加熱コイルの冷却が可能となる。
前述したように、梁部62aの下側には、フェライト63が設けられるが、このフェライト63は、上方に一部が突出する凸部63aを有し、梁部62aの凹部62gにこの凸部63aが入り込むことで、フェライト63の位置決め及び固定が成されている。
この開口62hは、コイルベース61へのフェライト63の装着状態を確認するフェライト装着状態確認部であり、この開口62hを通してフェライト63を見ることで、フェライト63が、確実に梁部62a(コイルベース61)に取付けられているか否かをコイルベース61の上面側から確認することができる。
この開口62hは、フェライト63の装着状態を確認することができれば良いことから、場合によっては、梁部62aを開口させずに、フェライト63が梁部62aを通して透けて見える程度の部材の厚さにしてもよい。
また、本実施の形態のように凸部63aに開口62hを形成することで、作業者により確認位置を近づけて、フェライト63を確認しやすく構成できるが、凸部63aを形成しないで、開口62hを形成しただけでも、フェライト63の有無は確認可能である。
これによって、コイルユニット6から漏れる磁束を防止でき、操作部4に設けられた回路基板上の電子部品や、加熱コイル64、65、66に高周波電流を供給するための回路基板上の電子部品などへ悪影響を与えないように防いでいる。
次に、加熱コイル66は、円盤状であるコイルベース61の周方向に延びた略まゆ型形状である異形状であるリング状に形成され、加熱コイル65の周囲に周方向に等間隔に例えば4個配置されている。
まず、加熱コイル66の元となるコイルを、導線となる線材を巻回することにより所定のリング形状に作成する。
例えば、本実施の形態の場合、まずコイルを略楕円形状に形成する。そして、この加熱コイル66の元となるコイルをプレス加工などにより、所定の異形状に整え、前述したような異形状であるリング状の加熱コイル66が成形される。
このプレス加工を経た段階において、異形状であるリング状に成形されたコイルには、プレス加工する前の形状に戻ろうとする応力(残留応力)が残留している。
この加熱処理を施すことによって、加熱コイル66の素材の再結晶化を促進して残留応力が緩和し、実使用時の温度帯においての変形防止を可能にしている。この加熱処理後の加熱コイル66の材料には、再結晶化による粒成長が見られる。
つまり、加熱コイル66には、若干、残留応力が残った状態となっている。そこで、次に説明するように加熱コイル66に形状保持手段を取り付けることにより、若干残っている残留応力に対応している。
図9を参照すると、前記のようにプレス加工と熱処理によって構成された前述の加熱コイル66は、形状保持手段であるテープ71によって、加熱コイル66の辺を束ねて保持することにより、加熱コイル66に残る残留応力による元の形状へと戻ろうとする広がりを防ぐと共に、その加熱コイル66の外周壁面に形成された垂直面66a(図7参照)が保持される。
また、楕円のように、同じ複数の湾曲部と、この湾曲部同士を繋ぐ湾曲していない部分とを組み合わせたものも同様に異形状の加熱コイルということができる。
前記のように、崩れやすい加熱コイル66の外形状を、テープ71を用いて、束となってリング状を形成している導線を束ねるように巻きつけて保持する方法として、次のような方法がある。
このようにテープ71を加熱コイル66に巻き付ければ、1つの巻き付け位置で加熱コイル66の残留応力などによる広がりを防ぐことが可能となる。
このときテープを巻回する位置は、湾曲する曲率半径rが小さい湾曲部66bに近い位置となるようにするとよい。つまり、加熱コイル66の湾曲がきつい位置の手前側にテープを巻回するとよい。
尚、湾曲部66bの近くにテープ71を巻回して加熱コイル66を保持する形態について、図5及び図6のように、1つの長辺のみにテープ71を巻回しても同様な効果を得ることができる。
このようなテープ71の巻き付け方法であれば、加熱コイル66が元の形状に復元しようとする力により生じるコイルの束なりの乱れを防止することが可能であると共に、湾曲部及び加熱コイル全体の広がりを防止することができる。
この端子台69は、コイルベース61の裏面に配置されており、口出し線66cは口出し位置から梁部62aの間を通り、コイルベース61の裏面へと導かれる。
尚、本実施の形態で使用するテープ71は、例えば、熱や変形に強いガラスクロステープが使用されている。
例えば、部分的に湾曲部が形成されている加熱コイルや、湾曲部と湾曲部を直線で繋いだ形状のコイル(三角形状、四角形状)や、陸上競技場のトラックのような形状やオーバル形状のものに対しても、本発明は有効である。
図7を参照すると、実施の形態1で説明した変形リング形状の加熱コイル66は、所定の形状に整える為のプレス加工などの際に、外周壁面が平面となるように加工される。特に本実施の形態においては、コイルの外周壁面は、コイルベース61の各加熱コイルの搭載面に対して、垂直な面(以下、「垂直面66a」という)となるようにプレス加工される。
ここでいう、垂直面66aとは、完全な面を意味するものではなく、加熱コイル66の外周壁面を構成する線材の外側の面を繋ぐ面が、略平面に構成されていればよい。
図5〜図7を参照すると、加熱コイル66は、コイルベース61の側板62bから中央支持体62方向に突出して形成されたリブ状の位置決め凸部67と、この位置決め凸部67と環状部62cに囲まれて形成される取付けエリアに設けられる。
尚、加熱コイル66は、コイルベース61のコイルの取付けエリアに対して垂直方向から取り付けられる。つまり、加熱コイル66の取り付け方向は、垂直面66aと平行となっている。
まず、コイルベース61に形成された位置決め凸部67と、この位置決め凸部67と対向している環状部62cとで形成されるエリアに嵌め込まれる。このとき、加熱コイル66に巻回されたテープ71は、梁部62aと上下の位置関係になるように配置される(例えば、図5〜図6参照)。
つまり、加熱コイル66のコイルベース61の配置位置を形成する部位と、加熱コイル66を構成する導線との間に、形状保持手段であるテープ71が介在することとなる。
更に、位置決め凸部67と加熱コイル66の間には、加熱コイル66をコイルベース61に取付けた時には、若干のクリアランスが形成されている。
従って、加熱コイル66が取り付けエリアに嵌め込まれる際に、加熱コイル66の垂直面66aと各位置決め凸部67及び環状部62cの垂直面は平面が合わさることで、加熱コイル66をコイルベース61に対して、正しく容易に嵌め込むことが可能である。
これにより、加熱コイル66の取り付け工程の作業性を向上させることができる。
また、位置決め凸部67と加熱コイル66の間には、加熱コイル66をコイルベース61に取付けた時には、若干のクリアランスが形成されるように構成されているので、加熱コイル66のように製造上の大きさのばらつきがあるものであっても、確実に取付けることができる。
特にこの実施の形態の場合、加熱コイル66の外周面は梁部62aの搭載面に対して垂直に構成されていると共に、外周面と接する位置決め凸部67も梁部62aの搭載面に対して垂直に構成されているので、位置決め凸部67は互いに平行に合わさり、より確実に加熱コイル66を保持することができる。
Claims (5)
- 外郭を構成する本体と、
前記本体の上面に設けられ、調理容器が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に設けられるコイルユニットを備え、
前記コイルユニットは、コイルベースと、該コイルベースの上方に設けられる複数の誘導加熱コイルを有し、
前記コイルベースは、中央支持体と該中央支持体を中心に放射状に伸びる梁部を有し、
前記梁部は、上方に向けて開口する凹部が形成されており、該梁部の上方に前記誘導加熱コイルが設けられる誘導加熱調理器。 - 外郭を構成する本体と、
前記本体の上面に設けられ、調理容器が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に設けられるコイルユニットを備え、
前記コイルユニットは、コイルベースと、該コイルベースの上方に設けられる複数の誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルから生じる磁束の磁路となるフェライトを有し、
前記コイルベースは、中央支持体と該中央支持体を中心に放射状に伸びる梁部を有し、
前記梁部は、下方に向けて開口する前記フェライトを取付ける凹部が形成され、該凹部には前記梁部の上面と通ずる開口が形成される誘導加熱調理器。 - 外郭を構成する本体と、
前記本体の上面に設けられ、調理容器が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に設けられるコイルユニットを備え、
前記コイルユニットは、コイルベースと、該コイルベースの上方に設けられる複数の誘導加熱コイルを有し、
前記コイルベースは、中央支持体と、該中央支持体を中心に放射状に伸びる複数の梁部と、隣り合う前記梁部を前記中央支持体を基準に環状につなぐ環状部を有し、
前記環状部は、前記誘導加熱コイルを配置する領域を前記コイルベースの内側の領域と外側の領域とに分ける誘導加熱調理器。 - 前記コイルベースに前記複数の誘導加熱コイルが配置された状態において、前記環状部の内側に配置された前記誘導加熱コイルと外側に配置された前記誘導加熱コイルに挟まれた部位には、切り欠き部が形成されている請求項3に記載の誘導加熱調理器。
- 前記環状部は、該環状部の外側に配置される誘導加熱コイルの位置決めとなる請求項3に記載の誘導加熱調理器。
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