JP2014239742A - カテーテルチューブ - Google Patents

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幸紀 神谷
Yukinori Kamiya
幸紀 神谷
剛志 稲葉
Tsuyoshi Inaba
剛志 稲葉
浩 友岡
Hiroshi Tomooka
浩 友岡
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Abstract

【課題】内層と外層とが強固に接着したカテーテルチューブを提供する。【解決手段】接着性フッ素樹脂からなる内層と、前記内層の周囲に設けられたエラストマーからなる外層と、を含み、前記外層の内面の一部又は全部が前記内層の外面と接着していることを特徴とするカテーテルチューブ。【選択図】なし

Description

本発明は、カテーテルチューブに関するものである。
カテーテルチューブは、体内の腔、管、血管等に挿入する中空状の医療器具であり、例えば選択的血管造影剤あるいは塞栓物質等の注入、血栓の吸引、閉塞状態にある血管の通路確保、血管拡張術等に用いられるもので、通常チューブ体からなる。
このようなカテーテルチューブとしては、外層と内層とからなり、内層として潤滑性に優れた層を有する積層構造のカテーテルチューブが開発されている。
内層に用いられる材料には優れた潤滑性が要求されており、その材料としては、例えば、含フッ素エチレン性重合体(フッ素樹脂)、特に、耐薬品性、低摩擦性、電気絶縁性に優れることからポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が提案されている。
積層構造のカテーテルチューブは、上記内層上に耐食性に優れた金属素線や合成樹脂素線からなる補強層を形成することでトルク伝達性が付与され、さらに補強層の上に熱可塑性樹脂層を被覆することで、柔軟性が付与されている。
このような積層構造のカテーテルチューブには、内層の潤滑性、剛性及びトルク伝達性、柔軟性を具備させることが要求され、これらの機能を確実に具備させるためには、各層間の接着性を向上させることが重要となる。
特許文献1には、含フッ素エチレン性重合体を含む内層(A)と、(A)を被覆している熱可塑性樹脂を含む外層(C)とを備えたカテーテルチューブであって、前記含フッ素エチレン性重合体は、表面に反応性官能基を有する含フッ素エチレン性重合体であることを特徴とするカテーテルチューブが記載されている。
特許文献2には、ポリアミド系樹脂からなる層(A)、耐燃料透過性に優れた熱可塑性樹脂からなる層(B)、及び、接着性フッ素樹脂からなる層(C)を含む積層樹脂成形体であって、前記層(A)、前記層(B)及び前記層(C)は、この順に積層していることを特徴とする積層樹脂成形体が記載されている。
特開2007−392号公報 国際公開第2004/069534号パンフレット
本発明は、内層と外層とが強固に接着したカテーテルチューブを提供することを目的とする。
本発明は、接着性フッ素樹脂からなる内層と、前記内層の周囲に設けられたエラストマーからなる外層と、を含み、前記外層の内面の一部又は全部が前記内層の外面と接着していることを特徴とするカテーテルチューブである。
上記接着性フッ素樹脂は、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体であることが好ましい。
本発明のカテーテルチューブは、更に、内層及び外層との間に設けられた、金属又は樹脂から形成される補強層を含むことが好ましい。上記補強層がコイル、若しくは、金属素線又は合成樹脂素線が織り合わされた編組により構成されるものであることが好ましい。
本発明のカテーテルチューブは、外層と内層のみからなるものであってもよい。本発明のカテーテルチューブは、外層と内層のみからなるものであって、接着性フッ素樹脂が、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体であることも好ましい形態の一つである。
エラストマーは、ポリアミドエラストマー又はポリウレタンエラストマーであることが好ましい。
本発明のカテーテルチューブは、外層の外側の表面が親水性処理されていることが好ましい。
本発明のカテーテルチューブは、上記構成を有することから、内層と外層とが強固に接着する。
本発明のカテーテルチューブは、接着性フッ素樹脂からなる内層と、前記内層の周囲に設けられたエラストマーからなる外層と、を含み、前記外層の内面の一部又は全部が前記内層の外面と接着しているものである。
上記内層が特定のフッ素樹脂からなり、上記外層がエラストマーからなることによって、外層と内層とが強固に接着したカテーテルチューブが得られる。内層と外層とが強固に接着していることから、カテーテルチューブの耐キンク性、トルク伝達性、柔軟性が確実に発揮される。
また、内層がフッ素樹脂からなることによって、カテーテルチューブ内面の潤滑性が優れている。更に、外層がエラストマーからなることによって優れた柔軟性を有する。
上記内層は接着性フッ素樹脂からなる。上記内層の厚みはカテーテルチューブの用途によって適宜設定されるが、例えば、1〜100μmである。柔軟性の観点からは、5〜50μmであることが好ましい。
上記接着性フッ素樹脂は、フッ素含有エチレン性単量体に由来する単量体単位を有する重合体からなるものである。上記接着性フッ素樹脂としては、フッ素含有エチレン性単量体に由来する単量体単位とフッ素非含有エチレン性単量体単位とを有する重合体からなるものであってよい。本明細書において、上記接着性フッ素樹脂をなす重合体についての「単位」は、重合体の分子構造の一部分であって、単量体に由来する部分を意味する。例えば、テトラフルオロエチレン単位は、−CF−CF−で表される。
上記フッ素含有エチレン性単量体は、フッ素原子を有し、接着性官能基を有しないビニル基含有単量体であり、例えば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、フッ化ビニリデン〔VdF〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル〔VF〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕類、下記一般式(i):
CH=CX(CF(i)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは、1〜10の整数を表す。)で表される単量体等が挙げられる。
上記フッ素非含有エチレン性単量体は、フッ素原子を有さず、接着性官能基を有しないビニル基含有単量体であり、例えば、エチレン〔Et〕、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
上記接着性フッ素樹脂としては特に限定されないが、成形性に優れるものが好ましい。このようなものとしては、テトラフルオロエチレン系共重合体〔TFE系共重合体〕が好ましい。本明細書において、上記TFE系共重合体は、TFE単位を有する重合体である。
上記TFE系共重合体は、TFE単位とともに、TFE以外のその他のフッ素含有エチレン性単量体に由来する単量体単位の1種若しくは2種以上、及び/又は、フッ素非含有エチレン性単量体に由来する単量体単位の1種若しくは2種以上を有するものであってもよい。
上記TFE系共重合体としては、例えば、Et/TFE/HFP共重合体、Et/TFE共重合体、TFE/VdF/HFP共重合体、TFE/PAVE共重合体、TFE/HFP/PAVE共重合体等が挙げられる。
上記接着性フッ素樹脂としては、例えば、接着性官能基を有することにより、及び/又は、接着性官能基とは異なる分子構造上の部位が加熱により接着性を発揮する構造に変化することにより、接着性を有するもの等が挙げられる。
上記接着性フッ素樹脂としては、接着性に優れる点で、接着性官能基を有するものが好ましい。本明細書において、「接着性官能基」とは、上記エラストマーとの接着に関与し得る官能基を意味する。
上記接着性官能基としては、上記外層をなすエラストマーが有する極性官能基と反応し得るか又は水素結合等の分子間相互作用をし得るものであれば特に限定されないが、カルボニル基[−C(=O)−]を有するものであることが好ましい。
本明細書において、上記「カルボニル基を有する」とは、カルボニル基そのものである場合をも含む概念であり、上記接着性官能基は、カルボニル基であってもよい。
上記カルボニル基を有する接着性官能基としては、例えば、カルボニル基、カーボネート基、ハロゲノホルミル基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボニルオキシ基[−C(=O)O−]、酸無水物基[−C(=O)O−C(=O)−]、イソシアネート基、アミド基[−C(=O)−NH−]、イミド基[−C(=O)−NH−C(=O)−]、ウレタン結合[−NH−C(=O)O−]、カルバモイル基[NH−C(=O)−]、カルバモイルオキシ基[NH−C(=O)O−]、ウレイド基[NH−C(=O)−NH−]、オキサモイル基[NH−C(=O)−C(=O)−]等が挙げられる。
上記カルボニル基を有する接着性官能基としては、導入が容易であり、反応性が高い点から、カーボネート基及びハロゲノホルミル基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記カーボネート基は、一般に[−OC(=O)O−]で表される結合を有する基であり、−OC(=O)O−R基(式中、Rは、有機基、I族原子、II族原子、又は、VII族原子を表す。)で表されるものである。上記式中のRにおける有機基としては、例えばC〜C20アルキル基、エーテル結合を有するC〜C20アルキル基等が挙げられ、好ましくはC〜Cアルキル基、エーテル結合を有するC〜Cアルキル基である。
上記カーボネート基としては、例えば、−OC(=O)O−CH、−OC(=O)O−C、−OC(=O)O−C17、−OC(=O)O−CHCHOCHCH等が挙げられる。
上記ハロゲノホルミル基としては、−COY(式中、Yは、VII族原子を表す。)で表されるものであり、例えば−COF、−COCl等が挙げられる。
上記接着性官能基の数は、外層の種類、形状、必要とされる接着力、接着方法等の違いにより適宜選択されうるが、例えば、内層と外層との接着性が優れることから、炭素数10個あたり、150個以上であることが好ましく、250個以上であることがより好ましい。接着性官能基の数の上限は、成形性の観点から例えば3000個である。
上記接着性官能基の数は、赤外吸収スペクトル分析により求めることができる。より具体的には、接着性フッ素樹脂の白色粉末又は接着性フッ素樹脂の溶融押出しペレットの切断片を室温で圧縮成形して、厚さ50〜200μmのフィルムを作成し、このフィルムの赤外吸収スペクトル分析によって、各接着性官能基由来のピークの吸光度を測定し、下記式により接着性フッ素樹脂をなす重合体の主鎖炭素数10個あたりの接着性官能基の個数Nを算出する。
N=500AW/εdf
A:接着性官能基由来のピークの吸光度
ε:接着性官能基由来のピークのモル吸光度係数
W:接着性フッ素樹脂の組成から計算される単量体の平均分子量
d:フィルムの密度(g/cm
f:フィルムの厚さ(mm)
上記接着性フッ素樹脂は、接着性官能基を有するものである場合、接着性官能基をポリマー鎖末端又は側鎖の何れかに有する重合体からなるものであってもよいし、ポリマー鎖末端及び側鎖の両方に有する重合体からなるものであってもよい。ポリマー鎖末端に接着性官能基を有する場合は、ポリマー鎖の両方の末端に有していてもよいし、いずれか一方の末端にのみ有していてもよい。
上記接着性フッ素樹脂としては、上記接着性官能基を有するものである場合、ポリマー鎖末端に接着性官能基を有する重合体からなるものが、耐熱性、機械特性及び耐薬品性を低下させず、また、生産性、コスト面で有利であるので、好ましい。
上記接着性フッ素樹脂は、側鎖に接着性官能基を有する重合体からなるものである場合、接着性官能基含有エチレン性単量体を目的の接着性フッ素樹脂に応じた種類と配合のフッ素含有エチレン性単量体と、所望によりフッ素非含有エチレン性単量体とを共重合させることによって得ることができる。
なお、上記「接着性官能基含有エチレン性単量体」とは、接着性官能基を有するビニル基含有単量体を意味し、フッ素原子を有していてもよいし、有していなくてもよいが、接着性官能基を有しているという点において、上述した「フッ素含有エチレン性単量体」及び「フッ素非含有エチレン性単量体」とは異なる概念である。
上記接着性フッ素樹脂において、接着性官能基含有エチレン性単量体に由来する単量体単位は、全単量体単位の0〜5モル%であることが好ましく、0.1〜5モル%であることがより好ましい。
上記接着性フッ素樹脂は、ポリマー鎖末端に接着性官能基を有するものであって、接着性官能基がカルボニル基である重合体からなるものである場合、後述するように、パーオキシカーボネートを重合開始剤として用いて得ることができる。
上記接着性フッ素樹脂は、例えば、共押出により上記カテーテルチューブを成形する場合、共押出する材料が熱分解せずに溶融し得る温度において、流動することが可能な溶融粘度を持っていることが好ましい。例えば、ポリアミドエラストマーと共押出により積層する場合、上記ポリアミドエラストマーを好適に加熱溶融接着し得る温度の範囲は約150℃〜300℃であるので、上記接着性フッ素樹脂は、この温度の範囲において流動することができる溶融粘度を有していることが好ましい。
上記接着性フッ素樹脂の融点は、エラストマーとの接着性が優れることから、150〜270℃であることが好ましい。270℃を超えると、外層を形成するエラストマーの種類が限定される場合があり、好ましくない。
上記融点は、より好ましい下限が160℃であり、更に好ましい下限は180℃であり、より好ましい上限が250℃であり、更に好ましい上限は230℃である。
上記接着性フッ素樹脂のメルトフローレート[MFR]は、1〜100g/10分であることが好ましい。1g/10分未満であっても、100g/10分を超えても、接着性フッ素樹脂の溶融粘度と、上記外層を形成するエラストマーとの溶融粘度の差が大きくなるので、成形時に外層の厚みにムラが生じることがあり好ましくない。より好ましい上限は50g/10分である。
本明細書において、上記MFRは、特定の測定温度において、5kg荷重、オリフィス径2mm、ランド長8mmの条件で測定することにより得られる値である。上記特定の測定温度は、融点が200℃以上、270℃以下である高融点タイプの接着性フッ素樹脂の場合、297℃であり、融点が150℃以上、融点が200℃未満である低融点タイプの接着性フッ素樹脂の場合、265℃である。
本発明における接着性フッ素樹脂の好ましい具体例としては、下記共重合体(I)からなるもの、下記共重合体(II)からなるもの等が挙げられる。
(I)少なくとも、エチレン及びテトラフルオロエチレンを重合してなる共重合体、
(II)少なくとも、テトラフルオロエチレン及び下記一般式(ii)
CF=CF−Rf (ii)
(式中、Rfは、CF又はORfを表し、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表される少なくとも1種以上の単量体を重合してなる共重合体。
上記共重合体(I)としては、例えば、少なくとも、エチレン単位20〜80モル%、テトラフルオロエチレン単位20〜80モル%、及び、これらと共重合可能なその他の単量体単位0〜60モル%からなる共重合体等が挙げられる。
なお、本明細書において、共重合体(I)、共重合体(II)における各単量体単位についてのモル%は、共重合体の分子鎖を構成する単量体単位の合計モル数のうち、上述の接着性官能基含有エチレン性単量体に由来する単量体単位のモル数を除いたモル数を100モル%とし、この100モル%中に占める各単量体単位の割合である。
上記共重合体(I)におけるその他の単量体単位は、任意成分であり、得られるカテーテルの用途に応じて適宜共重合に供する。
上記共重合可能なその他の単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、トリクロロフルオロエチレン、プロピレン、下記一般式(iii):
CX =CX(CF (iii)
(式中、X及びXは、同一又は異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは、1〜10の整数を表す。)で表される単量体、下記一般式(iv):
CF=CF−ORf (iv)
(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表される単量体等が挙げられ、通常これらの1種又は2種以上が用いられる。
上記共重合体(I)のような共重合体からなる接着性フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性に優れており、更に、比較的容易に融点を下げることが可能であるので、融点が比較的低く耐熱性が低い有機材料との共押出が可能となりカテーテルを得やすいことから好ましい。
上記共重合体(I)としては、なかでも、
(I−1) 少なくとも、エチレン単位20〜55モル%、テトラフルオロエチレン単位30〜70モル%、及び、上記一般式(iii)で表される単量体単位0〜10モル%からなる共重合体、
(I−2)エチレン単位20〜55モル%、テトラフルオロエチレン単位30〜70モル%、ヘキサフルオロプロピレン単位1〜30モル%、並びに、上記テトラフルオロエチレンとも上記エチレンとも上記ヘキサフルオロプロピレンとも異なるその他の単量体単位0〜10モル%からなる共重合体、
(I−3)少なくとも、エチレン単位20〜55モル%、テトラフルオロエチレン単位30〜70モル%、及び、上記一般式(iv)で表される単量体単位0〜10モル%からなる共重合体が好ましい。なお、上記共重合体(I−1)における上記一般式(iii)で表される単量体単位、共重合体(I−2)におけるその他の単量体単位、及び、共重合体(I−3)における上記一般式(iv)で表される単量体単位は、いずれも任意成分であり、得られるカテーテルチューブの用途に応じて適宜共重合に供する。
上記共重合体(II)としては、例えば
(II−1)少なくとも、テトラフルオロエチレン単位65〜95モル%、及び、ヘキサフルオロプロピレン単位5〜35モル%からなる共重合体、上記テトラフルオロエチレン単位の好ましい下限は75モル%であり、上記ヘキサフルオロプロピレン単位の好ましい上限は25モル%である、
(II−2)少なくとも、テトラフルオロエチレン単位70〜97モル%、並びに、ヘキサフルオロプロピレン単位及び上記一般式(iv)で表される単量体単位の合計3〜30モル%からなる共重合体、
(II−3)少なくとも、テトラフルオロエチレン単位70〜95モル%、並びに、ヘキサフルオロプロピレン単位及び上記一般式(iv)で表される単量体単位の合計5〜30モル%からなる共重合体、
(II−4)少なくとも、テトラフルオロエチレン単位30〜80モル%、及び、ヘキサフルオロプロピレン単位とビニリデンフルオライド単位との合計20〜70モル%からなる共重合体等が挙げられる。
上記接着性フッ素樹脂としては、上記共重合体(I−2)が好ましく、中でも、形成される内層表面の潤滑性が優れるとともに、内層と外層との接着強度が優れることから、Et/TFE/HFP共重合体がより好ましい。
また、上記Et/TFE/HFP共重合体を使用することによって、内層と外層との接着性だけでなく、補強層と内層とを強固に接着させることができる。そのため、カテーテルチューブ全体として優れた強度が得られる。
更に、上記Et/TFE/HFP共重合体を用いることによって、共押出成形によりカテーテルチューブを製造することができるため、生産性を向上させることができる。例えば、内層としてPTFEを使用する場合、共押出成形によりカテーテルチューブを得ることができない。
上記Et/TFE/HFP共重合体は、Et単位30〜55モル%、TFE単位40〜60モル%、HFP単位1〜20モル%、並びに、TFE、Et及びHFPと共重合可能な他の単量体単位0〜10モル%からなる共重合体が好ましく、Et単位40〜50モル%、TFE単位40〜50モル%、HFP単位5〜15モル%、並びに、TFE、Et及びHFPと共重合可能な他の単量体単位0.1〜5モル%からなる共重合体がより好ましい。
TFE、Et及びHFPと共重合可能な他の単量体としては、例えば、上述したフッ素含有エチレン性単量体のうち、TFE及びHFP以外の単量体が挙げられる。中でも、成形性が優れることから、パーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)、パーフルオロブチルエチレン、及び、パーフルオロエチルエチレンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記接着性フッ素樹脂の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を使用し得る。
側鎖に接着性官能基を有する重合体からなる接着性フッ素樹脂を製造する場合、目的とする接着性フッ素樹脂に合わせた種類及び配合のフッ素含有エチレン性単量体と接着性官能基含有エチレン性単量体と、所望により、フッ素非含有エチレン性単量体とを共重合することにより得ることができる。
好適な接着性官能基含有エチレン性単量体としては、接着性官能基がカルボニル基を有するものである場合、パーフルオロアクリル酸フルオライド、1−フルオロアクリル酸フルオライド、アクリル酸フルオライド、1−トリフルオロメタクリル酸フルオライド、パーフルオロブテン酸等のフッ素を有する単量体;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸クロライド、ビニレンカーボネート等のフッ素を有さない単量体がそれぞれ挙げられる。
ポリマー鎖末端に接着性官能基を有する重合体からなる接着性フッ素樹脂を得るためには種々の方法を採用することができるが、接着性官能基がカルボニル基を有するものである場合、パーオキシカーボネートを重合開始剤として用いて上述の各単量体を重合する方法が、経済性の面、耐熱性、耐薬品性等品質の面で好ましい。
上記パーオキシカーボネートとしては、ジイソプロピルパーオキジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等が好ましい。
パーオキシカーボネートの使用量は、目的とする接着性フッ素樹脂の種類や組成、分子量、重合条件、使用するパーオキシカーボネートの種類によって異なるが、好ましくは、得られる接着性フッ素樹脂100質量部に対して0.05〜20質量部であり、特に好ましい下限は0.1質量部であり、特に好ましい上限は10質量部である。
上記接着性フッ素樹脂を得るための重合方法としては特に限定されず、例えば溶液重合、塊状重合、乳化重合等が挙げられるが、工業的にはフッ素系溶媒を用い、重合開始剤としてパーオキシカーボネートを使用した水性媒体中での懸濁重合が好ましい。
懸濁重合においては、フッ素系溶媒を水に添加して使用し得る。懸濁重合に用いるフッ素系溶媒としては、CHCClF、CHCClF、CFCFCClH、CFClCFCFHCl等のハイドロクロロフルオロアルカン類;CFClCFClCFCF、CFCFClCFClCF等のクロロフルオロアルカン類;CFCFCFCF,CFCFCFCFCF,CFCFCFCFCFCF等のパーフルオロアルカン類;パーフルオロシクロブタン等のパーフルオロシクロアルカン類等が挙げられ、なかでも、パーフルオロアルカン類、パーフルオロシクロアルカン類が好ましい。フッ素系溶媒の使用量は、懸濁性、経済性の面から、水に対して10〜100質量%とすることが好ましい。
上記接着性フッ素樹脂を得るための重合において、重合温度は特に限定されず、0〜100℃でよい。重合圧力は、用いる溶媒の種類、量及び蒸気圧、重合温度等の他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常0〜9.8MPaGであってよい。
上記接着性フッ素樹脂を得るための重合において、分子量調整のために、通常の連鎖移動剤、例えばイソペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;メタノール、エタノール等のアルコール;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素を用いてもよい。
上記外層はエラストマーからなる。外層の厚みは、カテーテルチューブの用途によって適宜設定されるが、通常、1〜100μmである。また、柔軟性が優れることから、5〜50μmであることがより好ましい。
本発明のカテーテルチューブにおいて、外層を形成するエラストマーとしては、優れた柔軟性を付与することができることから、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリエステルエラストマー、及び、シリコーンエラストマーからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ポリアミドエラストマーとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン1010、ナイロン1012、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的であり、その他、前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
ポリウレタンエラストマーとしては、長鎖ポリオールを主成分とするソフトセグメントとジイソシアネートと鎖延長剤からなるハードセグメントで構成された公知のポリウレタンエラストマーを用いることができる。長鎖ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、又はポリエーテルポリオールが主に使用され、ジイソシアネートとしては、TDI(トリレンジイソシアネート)、ピュアMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、又はHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)などが用いられる。鎖延長剤としては、低分子多価アルコール、又は芳香族ジアミンなどが用いられる。
ポリウレタンエラストマーの種類としては、長鎖ポリオールとTDI又はMDIなどのジイソシアネートを高分子化して得られる熱可塑性ポリウレタンエラストマーを有機溶剤で希釈した一液型のもの、あるいはポリイソシアネートを別系にて後から添加して硬化させる二液型のものを挙げることができる。その他、空気中の湿気でイソシアネートを反応させる湿気硬化型、熱溶融押出タイプのホットメルト型のポリウレタンエラストマーでもよい。
ポリオレフィンエラストマーとしては、ソフトセグメントとして、ポリエチレン、エチレンと少量のジエンとの共重合体、又は、これらの部分架橋物等を有し、ハードセグメントとしてポリプロピレン等を有するブロック共重合体や、エチレンとプロピレンとのエチレンを主体とするランダム共重合体等からなるポリエチレン系エラストマーや、プロピレンと少量のジエンとの共重合体やプロピレンとエチレンとのプロピレンを主体とするランダム共重合体等からなるポリプロピレン系エラストマー等を挙げることができる。
ポリエステルエラストマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的であり、その他、これらのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
シリコーンエラストマーとしては、例えば、架橋されたオルガノシロキサン重合体が挙げられる。
上記外層を形成するエラストマーとしては、濡れ性が高いことから、ポリアミドエラストマー又はポリウレタンエラストマーが好ましい。濡れ性が高いエラストマーを用いることによって、カテーテルが血管に馴染みやすくなる。
上記外層を形成するエラストマーは、水に対する接触角が90°以下であることが好ましく、60°以下であることがより好ましい。カテーテルチューブの外層を形成するエラストマーの水に対する接触角が小さいと、例えば、血管に馴染みやすく、カテーテルチューブを挿入した時の痛みを緩和させることができる。
本発明のカテーテルチューブの外層は、血管内又はガイドカテーテル内への挿入を容易にするため、親水性のコーティングが施されたものであってもよい。すなわち、本発明のカテーテルチューブの外層は、エラストマーからなる層の外面にコーティング層を含むものであってもよい。
上記親水性のコーティングは、カテーテルチューブの外面の全面に施してもよいし、必要に応じて外面の一部に施してもよい。
親水性のコーティングは、例えば、セルロース系高分子物質(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(ポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド)、水溶性ナイロン等の親水性ポリマーを外層の表面にコーティングすることで行うことができる。
上記コーティング方法としては特に限定されないが、例えば、上記水溶性ポリマーを溶剤に溶解させた後、水溶性ポリマーを溶解させた溶剤をカテーテルに噴霧する、あるいは水溶性ポリマーを溶解させた溶剤にカテーテルを浸漬する等の方法で、外層の表面にコーティングする方法が挙げられる。
本発明のカテーテルチューブは、更に、内層及び外層との間に設けられた、金属又は樹脂から形成される補強層を含むことが好ましい形態の一つである。上記補強層を含むことによって、カテーテルチューブが補強されるとともに、カテーテルチューブに適度な柔軟性を付与することができる。
上記金属としては、後述するコイルの材料、金属素線の材料が挙げられる。上記樹脂としては、後述する合成樹脂素線の材料が挙げられる。
本発明のカテーテルチューブは、内層が特定のフッ素樹脂からなり、内層と補強層とを強固に接着させることができる。従って、補強層を用いた場合であっても、カテーテルチューブ全体として優れた強度を有する。
上記補強層は、コイル、若しくは、金属素線又は合成樹脂素線が織り合わされた編組により構成されるものであることが好ましい。トルク伝達性、耐キンク性の観点から、上記補強層は、金属素線が織り合わされた編組により構成されるものであることが好ましい。
上記コイルの材料としては、ステンレス等が挙げられる。コイルの厚さは10〜100μm程度、幅は100〜1000μm程度であることが好ましい。
上記金属素線の材料としては、ステンレス、銅、タングステン、ニッケル、チタン、ピアノ線、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような超弾性合金、アモルファス合金等が挙げられる。これらの材料のうち、加工性、経済性、毒性がないこと等の理由から、ステンレス又は銅の使用が好ましい。
金属素線の直径は、5〜50μm程度であることが好ましい。
また内層との接着性をさらに向上させることを目的として、金属素線表面をリン酸塩、硫酸、クロム酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニング、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘアーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよい。
上記合成樹脂素線の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリオキシメチレン、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバー等が挙げられる。
合成樹脂素線の直径は、例えば、5〜50μm程度であることが好ましい。
上記金属素線及び合成樹脂素線は、素線単独で用いてもよいし、素線の集合体(例えば、素線を撚ったものや束ねたもの、さらには並列したもの)のいずれでもよい。本発明においては、合成樹脂素線のみを用いてもよいし、金属素線のみを用いてもいいが、合成樹脂素線と金属素線を併せて用いてもよい。
補強層の厚みは通常1〜100μmである。好ましくは5〜50μm、更に好ましくは10〜40μmである。補強層の厚みが小さすぎるとトルク伝達性が劣り、大きすぎると柔軟性を損ない好ましくない。
本発明のカテーテルチューブは、内層と外層との間に上述した補強層を有していてもよいし、補強層を有していなくともよい。
本発明のカテーテルチューブは、外層の内面の一部又は全部が前記内層の外面と接着しているものであるが、補強層を有していない場合には、通常、外層の内面の全部が内層の外面と接着する。
補強層を有している場合には、補強層であるコイル又は編組の隙間で外層と内層とが接着する。従って、外層の内面の一部が内層の外面と接着する。
本発明のカテーテルチューブは、補強層を有していない、例えば、上記内層及び外層のみからなることも好ましい形態の一つである。
補強層を有しておらず、内層及び外層のみからなる場合、共押出成形により本発明のカテーテルチューブを製造することができることから、生産性の点で有利である。
更に、本発明のカテーテルチューブは、上記内層及び外層のみからなり、接着性フッ素樹脂が、上記Et/TFE/HFP共重合体であることが好ましい。これにより、共押出成形によりカテーテルチューブを製造することができ生産性を向上させることができるとともに、内層と外層とが強固に接着する。
本発明のカテーテルチューブの内径は、通常、200〜1000μmである。好ましくは、400〜800μmである。
本発明のカテーテルチューブの外径は、通常、300〜3000μmである。好ましくは、600〜1200μmである。
本発明のカテーテルチューブの厚みは、通常、50〜1000μmである。好ましくは、100〜400μmである。
本発明のカテーテルチューブは、外層と内層との接着強度が10N/cm以上であることが好ましく、20N/cm以上であることがより好ましい。接着強度が上記範囲であることによって、耐キンク性、トルク伝達性、柔軟性等が確実に発揮される。
上記接着強度は、テストピースをテンシロン万能試験機にて、25mm/分の速度で180°剥離試験を行い、伸び量−引張強度グラフにおける極大平均を測定した値である。
本発明のカテーテルチューブは、X線透視下でのカテーテルの視認性を向上させる目的で、上記内層及び外層の両方又はいずれか一方が、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、タングステン酸ビスマス、粉末状タングステン、粉末状タンタル等のX線不透過性物質を含んでいてもよい。
以下に、本発明のカテーテルチューブの製造方法について説明する。
本発明のカテーテルチューブは、補強層を有しない場合、接着性フッ素樹脂及びエラストマーを共押出成形することにより作製することができる。
共押出成形の条件は、使用する接着性フッ素樹脂、エラストマーの種類等により適宜設定されるが、優れた接着性が得られることから、例えば、成形時の温度は、180〜300℃であることが好ましく、200〜280℃であることがより好ましい。
共押出成形によりカテーテルチューブを製造する場合、接着性フッ素樹脂は、Et/TFE/HFP共重合体であることが特に好ましい。接着性フッ素樹脂としてEt/TFE/HFP共重合体を用い、成形方法として共押出成形を選択することによって、本発明のカテーテルチューブを優れた生産性で製造することができる。例えば、フッ素樹脂の中でもPTFEを用いると、共押出成形することができない。
従って、カテーテルチューブが補強層を有しない場合、本発明のカテーテルチューブは、接着性フッ素樹脂がEt/TFE/HFP共重合体であり、共押出成形により得られたものであることが好ましい。
本発明のカテーテルチューブは、補強層を有する場合、例えば、金属線上に内層となる接着性フッ素樹脂を被覆して内層を形成し、内層表面に補強層を形成し、補強層上にエラストマーを被覆して外層を形成し、上記金属線を引き抜くことで製造することができる。
上記金属線の直径はカテーテルチューブの内径に応じて適宜設定すればよく、上記金属線には、例えば、銅線、ステンレス線等が用いられる。
上記内層を形成する方法としては、例えば、芯線被覆成形法等が挙げられる。内層を形成する時の温度は、220℃〜320℃であることが好ましく、240℃〜280℃であることがより好ましい。
上記補強層を形成する方法としては、従来公知の方法を使用することができる。
上記外層を形成する方法としては、例えば、芯線被覆成形法等が挙げられる。外層を形成する時の温度は、140℃〜280℃であることが好ましく、160℃〜240℃であることがより好ましい。
本発明のカテーテルチューブは、例えば、下記に例示する用途で好適に用いられる。
シースイントロデューサー、ダイレーター、PTCAバルーンカテーテル、PTCAガイディングカテーテル、血栓吸引カテーテル、血栓除去カテーテル、頭部血管用ガイディングカテーテル、血管内処置診断用カテーテル、PTAバルーンカテーテル、PTAガイディングカテーテル、PCIバルーンカテーテル、PCIガイディングカテーテル、マイクロカテーテル、ガイディングシース、中心静脈カテーテル(シングルルーメン)、中心静脈カテーテル(マルチルーメン)、中心静脈用カテーテル(トリプルルーメン)、頭部血管用ガイディングカテーテル、IABPバルーンカテーテル、気管カテーテル、胆管造影カテーテル、血液回路、人工心肺回路、シャントカテーテル、ロ−タブレーター用チューブ、内視鏡的経鼻胆管ドレナージカテーテル、膀胱瘻用カテーテル、腎瘻用カテーテル、血管造影用カテーテル、留置針、インフュージョンセット、輸液チューブ、閉鎖式輸液システム、輸液バッグ、血液バッグ、血液成分分離バッグ、血液成分分離バッグ用チューブ、胃管カテーテル、口腔・鼻腔用異物吸引カテーテル、気管内挿管用異物吸引カテーテル、ネラトンカテーテル、膀胱留置用カテーテル、膀胱温モニターカテーテル、尿道カテーテル、酸素カテーテル、人工血管、動脈カニューレ、静脈血脱血用カテーテル、ベントカテーテル、ステント、内視鏡処置具保護チューブ、内視鏡スコープチューブ、内視鏡トップオーバーチューブ、咽頭部通過用ガイドチューブ、冠動脈バイパス術用チューブ、ドレナージ用カテーテル<br>冠動脈灌流用カテーテル、IVカテーテル、イレウスチューブ、経皮経肝胆道ドレナージ術用チューブ、電気メス外装チューブ、超音波メス外装チューブ、剥離鉗子外装チューブ、ブラッドアクセスカテーテル、硬膜外麻酔用カテーテル、細胞培養用バッグ。
なお、上記「PCI(Percutaneous Coronary Intervention)」は「経皮的冠動脈治療」を表し、「PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)」は「経皮的血管内血管形成術」を表し、「PTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)」は「経皮的血管形成術」を意味する。
本発明のカテーテルチューブは外層と内層とが強固に接着しており、更に生体適合性が良好であるため、特に、耐キンク性という特性が要求される、マイクロカテーテルチューブ、ガイディング用カテーテルチューブとして好適である。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
本実施例では、下記方法で各種物性の評価を行った。
(1)フッ素樹脂の組成の測定
19F−NMR分析により測定した。
(2)融点(Tm)の測定
セイコー型示差走査熱量計〔DSC〕を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解
ピークを記録し、極大値に対応する温度を融点(Tm)とした。
(3)メルトフローレート(MFR)の測定
メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、265℃にて、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)あたりに流出するポリマーの質量(g)を測定した。
(4)接着強度の測定
作製したカテーテルチューブからテストピースを切り取り、テンシロン万能試験機にて、25mm/分の速度で180°剥離試験を行い、伸び量−引張強度グラフにおける極大平均を初期接着強度(N/cm)として求めた。
(5)カーボネート基の個数の測定
接着性フッ素樹脂の白色粉末又は接着性フッ素樹脂の溶融押出しペレットの切断片を室温で圧縮成形し、厚さ50〜200μmのフィルムを作成した。このフィルムの赤外吸収スペクトル分析によってカーボネート基〔−OC(=O)O−〕のカルボニル基由来のピークが1809cm−1(νC=O)の吸収波長に現れるので、そのνC=Oピークの吸光度を測定し、下記式(a)により接着性フッ素樹脂をなす重合体の主鎖炭素数10個あたりのカーボネート基の個数Nを算出した。
N=500AW/εdf(a)
A:カーボネート基〔−OC(=O)O−〕由来のνC=Oピークの吸光度
ε:カーボネート基〔−OC(=O)O−〕由来のνC=Oピークのモル吸光度係数。モデル化合物からε=170(l・cm−1・mol−1)とした。
W:接着性フッ素樹脂の組成から計算される単量体の平均分子量
d:フィルムの密度(g/cm
f:フィルムの厚さ(mm)
なお、赤外吸収スペクトル分析は、Perkin−Elmer FTIRスペクトロメーター1760X(パーキンエルマー社製)を用いて40回スキャンした。得られたIRスペクトルをPerkin−Elmer Spectrum for windows Ver.1.4Cにて自動でベースラインを判定させ、1809cm−1のピークの吸光度を測定した。なお、フィルムの厚さはマイクロメーターにて測定した。
(6)フルオロホルミル基の個数の測定
上記(5)と同様にして得られたフィルムの赤外スペクトル分析により、フルオロホルミル基〔−C(=O)F〕のカルボニル基由来のピークが1880cm−1(νC=O)の吸収波長に現れるので、そのνC=Oピークの吸光度を測定した。上記式(a)において、Aをフルオロホルミル基由来のνC=Oピークの吸光度とし、フルオロホルミル基由来のνC=Oピークのモル吸光度係数をモデル化合物によりε=600(l・cm−1・mol−1)とした以外は、上記式(a)を用いて上述の(5)カーボネート基の個数の測定と同様にしてフルオロホルミル基の個数を測定した。
(7)水に対する接触角
成形して得られたカテーテルチューブからテストピースを切り出し、DropMaster701(協和界面科学社製)を用いて接触角の自動計測を行った。
下記実施例及び参考例で用いた材料は下記の通りである。
・エチレン(Et)/TFE/HFP共重合体(Et/TFE/HFP/パーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)=45/45/9.5/0.5(モル比)、融点:195℃、MFR:25g/10分、カーボネート基数:炭素数10個あたり255個、フルオロホルミル基数:炭素数10個あたり5個)
・ポリアミドエラストマー(ポリエーテルブロックアミド、商品名:Pebax3533、アルケマ社製、水に対する接触角:57°)
・SUS板材(SUS304、日本テストパネル社製)
実施例1
下記共押出装置を用いて、下記の作製条件により、内層がEt/TFE/HFP共重合体からなり、外層がポリアミドエラストマーからなる2層構造のカテーテルチューブ(細物積層チューブ)を作製した。作製されたカテーテルチューブの内径は600μm、外径は900μmであり、内層の厚みは50μm、外層の厚みは100μmであった。また、上記方法で測定した外層と内層との接着強度は、30N/cm以上であり、剥離不可であった。
カテーテルチューブ作製条件
・共押出装置:マルチマニホールドダイを装着した多層共押出装置、PLA技研社製
・チューブ作製条件
内層シリンダ温度:180℃〜200℃
外層シリンダ温度:140℃〜180℃
ダイ温度:200℃〜220℃
ライン速度:16m/分
参考例1
Et/TFE/HFP共重合体のシートとSUS板材を240℃で溶融圧着させ剥離強度を測定したところ、接着強度が30N/cm以上で材料破壊となった。

Claims (7)

  1. 接着性フッ素樹脂からなる内層と、
    前記内層の周囲に設けられたエラストマーからなる外層と、を含み、
    前記外層の内面の一部又は全部が前記内層の外面と接着していること
    を特徴とするカテーテルチューブ。
  2. 接着性フッ素樹脂は、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求項1記載のカテーテルチューブ。
  3. 更に、内層及び外層との間に設けられた、金属又は樹脂から形成される補強層を含む請求項1又は2記載のカテーテルチューブ。
  4. 補強層は、コイル、若しくは、金属素線又は合成樹脂素線が織り合わされた編組により構成されるものである請求項3記載のカテーテルチューブ。
  5. 外層と内層のみからなる請求項1又は2記載のカテーテルチューブ。
  6. エラストマーは、ポリアミドエラストマー又はポリウレタンエラストマーである請求項1、2、3、4又は5記載のカテーテルチューブ。
  7. 外層の外側の表面が親水性処理されている請求項1、2、3、4、5又は6記載のカテーテルチューブ。
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