JP2014237986A - 排水マス及びそれを用いた排水設備 - Google Patents
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Abstract
Description
通常、前記排水マスは、受口が設けられたマス本体を有している。そして、一の排水マスの受口と他の排水マスの受口とを連結管で繋ぐ等のように、複数の排水マス相互を管材で繋ぎ合わせることにより、排水主管が建物の屋外で該建物の基礎に沿うように敷設される。
更に前記排水マスには、分岐管が前記マス本体から分岐して設けられている。該分岐管は、その先端の開口が枝管接続部である枝管受口とされる。そして、建物の屋内から該建物の基礎を介して屋外へと伸びる排水枝管がエルボや管材等の継手を介して該枝管受口に接続されることにより、前記排水マスにおいて該排水枝管が前記排水主管に合流される。
従前の排水マスは、前記排水枝管を接続するための枝管受口が固定された構成となっているが、このような構成の場合、各設置箇所の状況や各排水枝管の接続角度に応じることが出来るように多数種の排水マスを用意したうえでそれぞれを使い分けしなければならない。また配管工事においても、各排水主管や各排水枝管の敷設状況や枝管受口の向きに応じることが出来るように、多数種の継手を用意したうえで使い分けなければならない。そして、斯様な多数種の排水マスの使い分け、多数種の継手の使い分け等が、排水設備の敷設に係る作業の複雑化及び煩雑化を招いている。
そこで、特許文献1〜5に示されるように、排水枝管を接続するための枝管受口の向きを変更可能とすることで、排水設備の敷設に係る作業の簡易化を目的とした排水マスが提供されている。
また上記従来構成の排水マスは、枝管接続部の向きを変更可能とするために該枝管接続部に回動機構等を設けているが、該回動機構等も含めて該排水マス全体を略一体的に成形している。このため、該排水マスを成形するための金型が複雑になる傾向がある。更に排水マスは上記したように各設置箇所の状況や各排水枝管の接続角度に応じることが出来るように多数種を用意しなければならず、製造の繁雑化と製造コストの高騰が問題になっている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、排水枝管の末端の位置に応じるように該排水枝管の末端が接続される位置を変更することができ、製造が簡易であって、排水設備の敷設に係る作業の簡易化を図ることができる排水マス及びそれを用いた排水設備を提供することにある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排水マス本体の発明において、前記枝管接続部において、前記接続筒と前記エルボ部との間には、該接続筒に対して該エルボ部を回動させる回動機構が設けられているとともに、該エルボ部の回動軸が前記排水主管の管軸と直交するように該回動機構による該エルボ部の回動方向が設定されていることを要旨とする。
請求項3に記載の排水設備の発明は、請求項1に記載の排水マスを複数使用して構成される排水設備であって、複数の排水マス本体の間を連結管で連結して排水主管を構成しつつ、各排水マス本体の枝管接続部に排水枝管をそれぞれ接続して構成され、前記枝管接続部に設けられた長さ調節部を用いることで、平面視における前記排水主管の管軸から前記エルボ部先端の開口中心までの長さを複数の排水マス相互で略等しくしたうえで、平面視における建物の基礎からマス本体までの距離が略等しくなるように前記複数の排水マスがそれぞれ配置されていることを要旨とする。
請求項4に記載の排水設備の発明は、請求項2に記載の排水マスを複数使用して構成される排水設備であって、複数の排水マスの間を連結管で連結して排水主管を構成しつつ、各排水マスの枝管接続部に排水枝管をそれぞれ接続して構成され、前記枝管接続部に設けられた長さ調節部を用いることで、平面視における前記排水主管の管軸から前記エルボ部先端の開口中心までの長さを複数の排水マス相互で略等しくしたうえで、平面視における建物の基礎からマス本体までの距離が略等しくなるように前記複数の排水マスがそれぞれ配置され、更に前記枝管接続部に設けられた回動機構を用いることで、該枝管接続部のエルボ部が前記排水枝管の末端に位置合わせされていることを要旨とする。
本発明の排水マスにおいて、排水枝管を接続する枝管接続部は、マス本体に形成された接続口に接続される筒状の接続筒と、該接続筒及び前記排水枝管の末端を繋ぐエルボ部とを有している。該枝管接続部の接続筒には、前記マス本体に形成された前記接続口の開口方向に沿って直線状に伸びる直管部分からなる長さ調節部が設けられており、該長さ調節部の端部を切断等することで、前記排水主管の管軸から前記排水枝管の末端の接続位置となる前記エルボ部先端の開口中心までの長さ、つまり該エルボ部の位置を変更することができる。そして、該エルボ部の位置を略自在に変更し、該排水枝管の末端に応じた位置とすることにより、該排水枝管の末端を該エルボ部に繋ぐ作業の簡易なものとすることができる。
更に前記長さ調節部は、前記接続筒の直管部分からなるものであることから、該長さ調節部を切断しても内径が変化したり、前記排水主管の管軸に対する前記エルボ部の平面視における差し出し方向が変わったりすることを抑えることができ、該排水マスによる排水性能の低下を抑制することができる。
加えて、前記枝管接続部は、前記マス本体で使用する金型とは異なる金型を使用し、該マス本体と別々に成形することが可能であるため、該マス本体は多数種としつつも、該枝管接続部として使用する部品については多数種のマス本体で共通化を図ることが可能である。従って、排水枝管を接続できるように排水マスを選ぶ必要が無く、また排水枝管の接続も従前のものに比して遜色がないことから、排水マスの製造の簡易化を図り、製造コストの高騰を抑えることができる。
また前記枝管接続部に前記接続筒に対して前記エルボ部を回動させる回動機構を設けたうえ、該エルボ部の回動軸が前記排水主管の管軸と直交するように該エルボ部の回動方向を設定することにより、前記排水枝管の接続位置となるエルボ部の上下位置を変更することができ、該排水枝管の末端に応じた位置となるように該エルボ部の位置を好適に変更することができる。
本発明の排水設備は、枝管接続部に設けられた長さ調節部を用い、平面視における排水主管の管軸からエルボ部先端の開口中心までの長さを複数の排水マス相互で略等しくしたうえで、平面視における建物の基礎からマス本体までの距離が略等しくなるように前記複数の排水マスをそれぞれ配置することにより、全ての排水マスで建物の基礎からエルボ部先端の開口中心までの距離が統一され、平面視におけるエルボ部の位置を略一列に揃えることができる。その結果、各排水マスについて一つ一つ測量等の繁雑な作業を行う必要がなく、基礎からエルボ部までの長さに応じた管長の管材を用意するのみで事足りるため、排水設備の敷設に係る作業が簡易なものになる。
また枝管接続部に設けられた回動機構を用い、該枝管接続部のエルボ部と排水枝管の末端を位置合わせすることで、該エルボ部への該排水枝管の接続が簡易なものになる。
本発明では、製造が簡易でありながら、排水枝管の末端の位置に応じるように該排水枝管の末端が接続される位置を変更することができるから、排水設備の敷設に係る作業の簡易化を図ることができる。
図1に示すように、排水マス10は、建物の基礎Fに沿って敷設された屋外の排水主管MDに、屋内から該基礎Fを貫通して敷設された排水枝管SDを合流させるために使用するものである。該排水マス10は、前記排水主管MDを構成するマス本体11と、前記排水枝管SDを接続するべく該マス本体11に設けられた枝管接続部12とを有している。
また前記マス本体11には、受口13の他にマス受口14が設けられており、該マス受口14を介してマス本体11の内部を清掃したり確認したりすることができるようになっている。
前記マス本体11には、前記枝管接続部12を接続するべく接続口16が形成されている。該接続口16は、前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と直交又は交差する開口方向となるように該マス本体11に形成される。通常は、接続口16の開口方向が異なるマス本体11が複数種類用意されており、排水マス10の設置位置や排水の状態等を考慮して使い分ける。
図2(a)に示す第1のマス本体11Aは、該マス本体11Aを真っ直ぐな円筒状とし、該マス本体11Aの両端開口をそれぞれ受口13としている。よって前記排水主管MDの管軸Atは該マス本体11の中心を通るように伸びる。該マス本体11からは筒状の分岐筒15が、前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と45度の角度をなして伸びるように形成されている。そして該分岐筒15の先端開口は、拡径されており、接続口16とされている。
図2(b)に示す第2のマス本体11Bは、該マス本体11Bを真っ直ぐな円筒状とし、該マス本体11Bの両端開口をそれぞれ受口13としている。よって前記排水主管MDの管軸Atは該マス本体11の中心を通るように伸びる。該マス本体11Bからは筒状の分岐筒15が、前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と直交して伸びるように形成されている。そして該分岐筒15の先端開口は、拡径されており、接続口16とされている。
図2(c)に示す第3のマス本体11Cは、該マス本体11Cを略L字型の曲管状とし、該マス本体11Cの一端側(図中で右端側)の開口を受口13としている。よって前記排水主管MDの管軸Atは該受口13の中心を通るように伸びる。また該マス本体11Cの他端側(図中で左端側)の開口は、その内部に内径を小さくするためのアダプター16aが内装されて接続口16とされ、前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と直交する開口方向とされている。
なお、図2(a)〜(c)中では受口13よりも接続口16を小径に例示しているが、本発明はこの例示の形態に限定されるものではなく、受口13と接続口16は、相互に同じ径としてもよく、相互に異なる径としてもよい。また排水主管MDと排水枝管SDについても、本実施形態では排水主管MDを大径に排水枝管SDを小径に例示しているが、本発明はこの例示の形態に限定されるものではなく、排水主管MDと排水枝管SDを同じ径としてもよい。従って、図2(c)に示す第3のマス本体11Cにおいては、排水主管MDと排水枝管SDを同じ径とした場合、アダプター16aが省略されて該マス本体11Cの他端側の開口をそのまま接続口16とする。
なおまた、前記接続口16は、前記マス本体11A,11Bに例示したように必ずしも分岐筒15を設けて形成することに限らず、マス本体の管壁に例えばホルソー等の道具を用いて穴を形成し、該穴を接続口16としてもよい。また前記分岐筒15の形成についても、マス本体の成形に際して金型を用いて該分岐筒をマス本体と一体的に形成してもよく、あるいはホルソー等の道具を用いてマス本体の管壁に穴を形成し、該穴に被せるように支管等の管材を接合する等して該分岐筒をマス本体と別体的に形成してもよい。
前記エルボ部18には、基端開口と先端開口の開口方向が90度を為すもの、60度を為すもの、45度を為すもの、30度を為すもの等、種々のものが使用可能である。中でも基端開口と先端開口の開口方向が90度を為すものとしたエルボ部18は、後述する回動機構20によって該エルボ部18を回動させても、該エルボ部18の先端開口は、該エルボ部18の回動軸Arに対して常に直交する方向を向くため、前記排水枝管SDを接続しやすいという利点を有する。
前記枝管接続部12にあっては、前記接続筒17の基端部を切除する等して該接続筒17を所定の長さに調節することにより、前記マス本体11から前記エルボ部18までの長さ、具体的には前記排水主管MDの管軸Atから該エルボ部18の先端の開口中心18aまでの長さを変更し、該エルボ部18を所望の位置に変更調節することが可能である(図1参照)。つまり、該枝管接続部12によれば、前記基礎Fから伸びる前記排水枝管SDの端部の位置に応じ、該エルボ部18を所望の位置に配置することができる。
通常、前記接続筒17は、前記マス本体11に形成された前記接続口16の開口方向に応じたものが複数種類用意されており、使用するマス本体11に応じて使い分ける。
図3(a)に示す枝管接続部12は、前記第1のマス本体11Aに対応したものであり、接続口16の開口方向が前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と45度の角度をなしていることに応じ、接続筒17は、基端側において、前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と45度の角度で直線状に伸びる直管部分からなる長さ調節部17Aと、先端部において、該長さ調節部17Aが該管軸Atに対して45度の角度を為すことに応じるように、該長さ調節部17Aに対して135度の曲げ角になるような曲管部分からなる連繋部17Bとによって構成されている。そして、基端の長さ調節部17A及び先端の連繋部17Bからなる前記接続筒17においては、その先端に取り付けられたエルボ部18は、前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と直交する方向へ常に差し出されるように構成されている。
前記エルボ部18の位置調節は、該接続筒17の長さ調節部17Aの基端部を切断等することにより行われる。つまり長さ調節部17Aは、直管状を為しているため、切断に際して煩雑な斜め切りする必要が無い。
図3(b)に示す枝管接続部12は、前記第2及び第3のマス本体11B,11Cに対応したものであり、接続筒17は、直管部分のみによって構成されている。よって、直管部分のみによって構成された該接続筒17においても、その先端に取り付けられたエルボ部18は、前記排水主管MDの管軸Atの伸びる方向と直交する方向へ常に差し出されるように構成されている。
また前記回動機構20による前記エルボ部18の回動方向は、該エルボ部18の回動軸Arが前記排水主管MDの管軸Atと直交する方向となるように設定されている。これは、該エルボ部18の回動軸Arが前記排水主管MDの管軸Atと直交する方向でなく交差する方向となっていた場合、該エルボ部18で前記排水枝管SDを接続する先端の開口が、前記基礎Fから突出する該排水枝管SDに対して斜め方向に回転してしまうことになり、却って該排水枝管SDの接続作業が繁雑になるためである。
さらに前記エルボ部18の基端の外周面上には、水漏れを防止するためのシールリング23が嵌着されている。加えて、前記接続筒17の先端面には凸体24が設けられるとともに、前記エルボ部18の外周面上で該凸体24と対応する位置にはストッパ25が設けられており、該凸体24に該ストッパ25が当接することにより、該接続筒17に対して該エルボ部18が必要以上に回動することを抑制している。
該排水設備にあっては、複数の排水マス10を基礎Fに沿って所定間隔おきに配し、それぞれのマス本体11A,11B,11Cの間を、図中に二点鎖線で示した連結管で連結することにより、排水主管MDが基礎Fに沿って略平行に伸びるように敷設される。
各排水マス10にあっては、それぞれの枝管接続部12において接続筒17に設けられた長さ調節部を利用することにより、平面視における排水主管MDの管軸Atからエルボ部18先端の開口中心18aまでの長さLAが全ての排水マス10について等しく設定される。すると、排水主管MDは、基礎Fに沿って平行に伸びているから、基礎Fからエルボ部18先端の開口中心18aまでの長さLBが全ての排水マス10で統一される。よって基礎Fからエルボ部18までの長さの管材を必要数だけ用意し、排水枝管SDの端部とエルボ部18とを順次接着するのみで、それぞれの排水マス10毎に寸法を合わせながら接着していく作業を省略することができる。
また該排水設備にあっては、接続筒17とエルボ部18との間に回動機構20が設けられていることから、例えば図1に示すように排水主管MDの管軸Atの伸びる方向で排水枝管SDの端部とエルボ部18とがずれている場合であっても、排水枝管SDの端部方向を向くように該エルボ部18を回動させることで、該排水枝管SDの端部と該エルボ部18とを最短距離で繋ぐことができる。
11 マス本体
12 枝管接続部
13 受口
14 マス受口
15 分岐筒
16 接続口
16a アダプター
17 接続筒
17A 長さ調節部
17B 連繋部
18 エルボ部
18a 開口中心
At 管軸
Ar 回動軸
F 基礎
MD 排水主管
SD 排水枝管
Claims (4)
- 建物の基礎に略沿って敷設された屋外の排水主管に、屋内から該建物の基礎を貫通して敷設された排水枝管を合流させるための排水マスであって、
前記排水主管の管軸の伸びる方向と略同じ開口方向の受口が設けられたマス本体と、前記排水枝管が接続される枝管接続部とを備えており、
前記マス本体には接続口が、前記排水主管の管軸の伸びる方向と直交又は交差する開口方向となるように形成されており、
前記枝管接続部は、前記接続口に接続される接続筒と、前記排水枝管を繋げるべく前記接続筒の先端に設けられたエルボ部とを有しており、
前記接続筒には前記接続口の開口方向に沿って直線状に伸びる直管部分を設け、該直管部分を、平面視における前記排水主管の管軸から前記エルボ部先端の開口中心までの長さを調節する長さ調節部として用いる
ことを特徴とする排水マス。 - 前記枝管接続部において、前記接続筒と前記エルボ部との間には、該接続筒に対して該エルボ部を回動させる回動機構が設けられているとともに、該エルボ部の回動軸が前記排水主管の管軸と直交するように該回動機構による該エルボ部の回動方向が設定されている
請求項1に記載の排水マス。 - 請求項1に記載の排水マスを複数使用して構成される排水設備であって、
複数の排水マスの間を連結管で連結して排水主管を構成しつつ、各排水マスの枝管接続部に排水枝管をそれぞれ接続して構成され、
前記枝管接続部に設けられた長さ調節部を用いることで、平面視における前記排水主管の管軸から前記エルボ部先端の開口中心までの長さを複数の排水マス相互で略等しくしたうえで、
平面視における建物の基礎からマス本体までの距離が略等しくなるように前記複数の排水マスがそれぞれ配置されている
ことを特徴とする排水設備。 - 請求項2に記載の排水マスを複数使用して構成される排水設備であって、
複数の排水マスの間を連結管で連結して排水主管を構成しつつ、各排水マスの枝管接続部に排水枝管をそれぞれ接続して構成され、
前記枝管接続部に設けられた長さ調節部を用いることで、平面視における前記排水主管の管軸から前記エルボ部先端の開口中心までの長さを複数の排水マス相互で略等しくしたうえで、
平面視における建物の基礎からマス本体までの距離が略等しくなるように前記複数の排水マスがそれぞれ配置され、
更に前記枝管接続部に設けられた回動機構を用いることで、該枝管接続部のエルボ部が前記排水枝管の末端に位置合わせされている
ことを特徴とする排水設備。
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