JP2014237593A - 歯科用接着性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】強固で安定的な接着性を示す歯科用接着材、歯科用接着性コンポジットレジン及び歯科用接着性セメントのいずれかとして用いられ、または歯科用前処理材としても用いることができる歯科用接着性組成物の提供。【解決手段】シルセスキオキサン構造を一部に有する重合性基含有ポリオルガノシロキサンとリン酸基又はカルボキシ基等の酸性基含有重合性単量体とからなり、さらに親水性重合性単量体と重合開始剤とを含むこともできる歯科用接着性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、歯科治療に用いられる歯科用接着性組成物に関する。
齲蝕等により損傷を受けた歯質において、それが、初中期の比較的小さい窩洞の場合には、審美性、操作の簡略性や迅速性の点から、コンポジットレジンによる直接修復を行うことが多い。一方、比較的大きな窩洞の修復には、金属やセラミックス、或いは歯科用レジンで作られた補綴物が多用されている。
これらコンポジットレジンや補綴物等の歯科用修復物は、一般に歯質への接着性を有していないため、これを歯質へ接着させるには、コンポジットレジンに対しては歯科用接着材が、補綴物に対しては歯科用セメントが併用される。なお、通常これらの歯科用接着材や歯科用セメントは、メタクリレート系重合性単量体を主成分とする重合性単量体組成物から構成される。
また、歯科用接着材や歯科用セメントは、一般に歯質への接着力が十分でなく、特に、歯質の損傷に応じて、エナメル質と象牙質のそれぞれに対して、高い接着力が求められることから、その使用に先立ち、歯面に対して次のような前処理を施している。即ち、(1)硬い歯質(主にヒドロキシアパタイトを主成分とするエナメル質)をエッチングするエッチング材を塗布し、更に、(2)プライマーと呼ばれる、歯質中に対する浸透促進剤としての歯科用前処理材の塗布を行っている。
ここで、前者のエッチングとしては、歯の表面を脱灰する酸水溶液が一般的であり、リン酸、クエン酸、マレイン酸等の水溶液が用いられている。また、後者のプライマーとしては、酸水溶液により脱灰して粗造化したエナメル質表面や、脱灰後に象牙質表面に露出したスポンジ状のコラーゲン繊維の微細な隙間に接着材を浸透させる必要があるため、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等の歯質との親和性の良い親水性の(メタ)アクリレート系重合性単量体と有機溶媒とを主成分とする組成物が用いられている。
また、前記(1)、(2)の機能を併せ持つエッチングプライマー(以降、歯科用前処理剤とも言う。)も提案されている。この歯科用前処理剤では一部に酸性基を有する重合性単量体を含み、この酸性基の作用により、一回の塗布操作のみで酸水溶液の脱灰機能とプライマーの浸透促進機能とを付与することができる。なお、歯科用前処理材塗付後、コンポジットレジンの場合はその上に接着材を塗布して重合硬化し、補綴物の場合はその上に歯科用セメントを塗布して重合硬化する(2ステップ型)。
こうした中、前記のような前処理材に関する操作性の煩雑さの軽減を目的として、歯科用接着材において前処理材を用いずとも高い接着性を示す、歯科用一液型接着材(以降、単に歯科用接着材とも言う。)が提案されている。この歯科用接着材では一部に酸性基を有する重合性単量体を含み、この酸性基の作用により、一回の塗布操作のみで酸水溶液の脱灰機能とプライマーの浸透促進機能とを付与することができ、さらに重合硬化することで高い接着性を発現する。この歯科用接着材は前処理材が不要なため、操作性に優れた接着材として用いることができる(例えば、特許文献1参照)。
更に、最近では、さらなる操作の煩雑さの軽減を目的として、前記歯科用前処理材や歯科用接着材の機能を付与したコンポジットレジン(以降、歯科用接着性コンポジットレジンとも言う。)や、前処理材の機能を付与した歯科用セメント(以降、歯科用接着性セメントとも言う。)が提案されている。特に、多価金属化合物を配合させた1ステップ型接着材は、歯質に対する接着性を向上させることができ、コンポジットレジンやセメントを、それ自体に歯質に対する接着性を付与させた歯科用接着性コンポジットレジンや歯科用接着性セメントとし、極めて優れた操作性を付与することができる(例えば、特許文献2〜4を参照)。
しかしながら、歯科用接着性コンポジットレジン及び歯科用接着性セメントにおいては、操作性と引き換えに、依然として接着性が低く、より強力な接着性が求められている。また、2ステップ型(歯科用前処理材)、歯科用一液型接着材を用いる場合においても、優れた接着性が得られるものの、エナメル質、象牙質に対する接着性に一長一短があり、エナメル質及び象牙質のいずれに対しても、満足できる接着性が求められている。更に、これらの接着性は、施術後、長期間に渡り安定していることが求められるが、耐水性、耐熱性、耐衝撃性(耐咀嚼性)が求められる口腔内においては、必ずしも十分ではなく、より安定した接着性が求められている。
ところで、重合性組成物に、ポリシロキサン構造を付与することで、重合化合物に高い硬度を付与する手法が提案されている(例えば、特許文献5,6参照)。
しかしながら、これらの手法では、酸性基含有重合性単量体との組み合わせにより、歯科用接着性組成物として用いることについて、何ら開示がなく、どのようなポリシロキサン構造が酸性基含有重合性単量体との関係で、有効な歯科用接着性組成物の組成足りえるかが不明であった。
歯科用前処理材、歯科用接着材、歯科用接着性コンポジットレジン、歯科用接着性セメントに使用可能な各歯科用接着性組成物では、酸性基含有重合性単量体の硬化による歯質への接着性が必要とされてきており、酸性基含有重合性単量体を含む組成にあって、より強固で安定的な接着性を示す歯科用接着性組成物としては、依然として満足できるものが存在しないというのが現状である。
特開平7−82115号公報 特開平10−236912号公報 特開平11−130465号公報 特開2008−156262号公報 特開2001−329064号公報 特表2003−507499号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、強固で安定的な接着性を示す歯科用接着性組成物を提供することを目的とする。
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)シルセスキオキサン構造を一部に有する重合性基含有ポリオルガノシロキサンと、(B)酸性基含有重合性単量体と、を含むことを特徴とする歯科用接着性組成物。
<2> シルセスキオキサン構造が、下記式(A−1)で表される構造である前記<1>に記載の歯科用接着性組成物。
ただし、前記式(A−1)中、前記Rは、重合性基を示し、前記Rは、アルキレン基及びアリーレン基のいずれかを示し、*は、隣接するケイ素原子との結合位置を示す。
<3> 式(A−1)で表されるシルセスキオキサン構造を有する化合物が、はしご型構造を有する化合物及び一部開いたかご型構造を有する化合物の少なくともいずれかを含む前記<2>に記載の歯科用接着性組成物。
<4> (A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンの数平均分子量が、500〜50,000である前記<1>から<3>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<5> (A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンにおける重合性基数とケイ素原子数との比、重合性基/ケイ素原子が、0.1〜1.0である前記<1>から<4>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<6> (B)酸性基含有重合性単量体の酸性基が、リン酸基及びカルボキシ基のいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<7> (B)酸性基含有重合性単量体が、下記一般式(B−1)及び(B−2)のいずれかで示される化合物を少なくとも含む前記<6>に記載の歯科用接着性組成物。
ただし、前記一般式(B−1)及び(B−2)で示される化合物中、前記Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。前記R及び前記Rは、アルキル鎖を表し、前記Rと前記Rの炭素数の合計が4以上20未満である。
<8> 更に、(C)親水性重合性単量体を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<9> 更に、(D)水を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<10> 更に、(E)揮発性有機溶媒を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<11> 更に、(F)重合開始剤を含む前記<1>から<10>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<12> 歯科用前処理材として用いられる前記<1>から<10>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
<13> 歯科用接着材、歯科用接着性コンポジットレジン及び歯科用接着性セメントのいずれかとして用いられる前記<1>から<11>のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、強固で安定的な接着性を示す歯科用接着性組成物を提供することができる。
(歯科用接着性組成物)
本発明の歯科用接着性組成物は、(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンと、(B)酸性基含有重合性単量体と、を含み、必要に応じて、(C)親水性重合性単量体、(D)水、(E)揮発性有機溶媒、(F)重合開始剤、その他の成分を含む。
<(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン>
前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンは、シルセスキオキサン構造を一部に有する。ここで、前記シルセスキオキサン構造とは、重合性基を有するSi(O1/2により形成された化学構造を示す。
前記シルセスキオキサン構造としては、前記化学構造を有する限り、特に制限はないが、下記式(A−1)で表される構造が好ましい。
ただし、前記式(A−1)中、Rは、重合性基を示し、Rは、アルキレン基及びアリーレン基のいずれかを示し、*は、隣接するケイ素原子との結合位置を示す。
前記重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、アリル基、エチニル基、スチリル基のようなものを挙げることができる。特に硬化速度の点からアクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基を有する化合物であるのが好ましい。
前記アルキレン基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。前記アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基等が挙げられる。これらの基としては、特に制限はないが、置換基を有していないことが好ましい。
前記アリーレン基の炭素数としては、6〜18であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが特に好ましい。前記アリーレン基の具体例としては、フェニレン基、ナフタレン基等が挙げられる。これらの基としては、特に制限はないが、置換基を有していないことが好ましい。
前記Rとしては、アルキレン基が好ましい。
なお、前記式(A−1)で表される複数のシルセスキオキサン構造単位間で、R及びRは、互いに独立して選択可能である。
前記シルセスキオキサン構造の分子構造としては、特に制限はなく、ケイ素原子間の結合に明確な規則性を示さないランダム構造、前記ケイ素原子間の結合がはしご状のはしご型構造、前記ケイ素原子間の結合がかご状のかご型構造、前記かご型構造において、かごの一部が開いた形状の一部開いたかご型構造が挙げられる。
これらの中でも、後述する前記(B)酸性基含有重合性単量体が分子内に立体的に入り込んで、前記(A)重合性含有ポリオルガノシロキサンと前記(B)酸性基含有重合性単量体の重合硬化体との複合構造を形成させ易い、前記はしご型構造及び前記一部開いたかご型構造が好ましく、前記はしご型構造がより好ましい。
なお、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン一分子中のシルセスキオキサン構造としては、前記ランダム構造、前記はしご型構造、前記かご型構造、一部開いたかご型構造のいずれかの単独構造であってもよいが、これらの構造が複数組み合わされた構造であってもよい。
前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンを含有させることにより、強固で安定的な接着性を示す理由は以下のように予想している。
即ち、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンは、Si−O−Siに由来する強固な骨格を有するため、一般の無機フィラーと同様に硬化後の接着性組成物の機械的強度を向上させることができる。また、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンは無機フィラーと異なり、重合性基を含有しており、かつ前記(B)酸性基含有重合性単量体と相溶する。このことにより、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンは、前記(B)酸性基含有重合性単量体との分子鎖の絡み合いや前記(B)酸性基含有重合性単量体と共重合が可能となることから、硬化後の接着性組成物の機械的強度をより向上させることができると考えられる。
前記ランダム構造としては、そのランダム性から一の構造に特定し難いが、例えば、下記式(A−2)で代表される構造が挙げられる。
また、前記はしご型構造としては、特に制限はなく、例えば、下記式(A−3)で代表される構造が挙げられる。
ただし、前記式(A−2)、前記式(A−3)中の前記Xは、前記式(A−1)中の前記R−Rで表される基を示し、*は、隣接するケイ素原子との結合位置を示す。
また、前記かご型構造としては、特に制限はなく、例えば、下記式(A−4)で代表される構造が挙げられる。なお、前記式(A−4)では、四角柱状のかご型構造を示しているが、五角柱状、六角柱状等の多角柱状のものも含まれる。
また、前記一部開いたかご型構造としては、特に制限はなく、例えば、下記式(A−5)、式(A−6)で代表される構造が挙げられる。なお、これらの式では、四角柱状のかご型構造を示しているが、五角柱状、六角柱状等の多角柱状のものも含まれる。また、開放構造の出現位置は、任意性を有する。
ただし、前記式(A−4)〜前記式(A−6)中の前記Xは、前記式(A−1)中の前記R−Rで表される基を示す。
前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンの数平均分子量としては、特に制限はないが、500〜50,000が好ましく、1,000〜30,000がより好ましい。前記数平均分子量が500未満であると、重合後の機械的強度が低く、接着性が低下することがあり、50,000を超えると、前記(B)酸性基含有重合性単量体との相溶性が低下し、その結果接着性が低下することがある。
また、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンにおける重合性基数とケイ素原子数との比、重合性基/ケイ素原子としては、特に制限はないが、0.1〜1.0が好ましく、0.3〜0.9がより好ましく、0.5〜0.8が特に好ましい。前記比が0.1未満であると、重合後の硬化性が低いことがあり、1.0を超えると、耐衝撃性が低下することがある。
なお、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンとしては、市販品から入手してもよく、公知の合成方法に基づき、合成したものを用いてもよい。
<(B)酸性基含有重合性単量体>
前記(B)酸性基含有重合性単量体は、1分子中に少なくとも1つの酸性基と少なくとも1つの重合性不飽和基を有する化合物を意味し、このような化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて公知の化合物から適宜選択して用いることができる。
前記酸性基は、pKa6以下である官能基を意味する。このような酸性基としては、特に制限はないが、歯質の脱灰作用が高く、歯質に対する接着力が高いリン酸基、カルボキシ基が好ましく、具体的には、次に示す基を挙げることができる。なお、酸無水物の基についても、加水分解した状態のものとして前記酸性基に含める。
また、前記重合性不飽和基としては、特に制限はなく、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、アリル基、エチニル基、スチリル基を挙げることができ、中でも、前記アクリロイル基、前記メタクリロイル基、前記アクリルアミド基、前記メタクリルアミド基が好ましい。
好適に用いることができる前記(B)酸性基含有重合性単量体の例としては、下記構造式に示す化合物の他、ビニル基に直接リン酸基が結合したビニルホスホン酸類、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸等を挙げることができる。
ただし、前記構造式で示される化合物中、前記Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
中でも、下記一般式(B−1)及び(B−2)のいずれかで示される酸性基含有重合性単量体が好ましい。
ただし、前記一般式(B−1)及び(B−2)で示される化合物中、前記Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。前記R及び前記Rは、アルキル鎖を表し、前記Rと前記Rの炭素数の合計が4以上20未満である。
前記歯科用接着性組成物においては、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンと組合わせの観点から、前記(B)酸性基含有重合性単量体として前記一般式(B−1)及び(B−2)で示される化合物が好ましいと考えられる。即ち、前記(B)酸性基含有重合性単量体として、前記一般式(B−1)及び(B−2)で示される化合物のような比較的鎖長の長い化合物を用いると、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンとの分子鎖の絡み合いが生じやすくなり、結果、接着性が向上すると考えられる。
前記一般式(B−1)で示される化合物としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート(「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタアクリロイルの意であり、以下も同様の表記とする)、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート等が挙げられる。
また、前記一般式(B−2)で示される化合物としては、例えば、ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート等が挙げられる。
なお、前記(B)酸性基含有重合性単量体としては、前述の化合物を1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<(C)親水性重合性単量体>
前記(C)親水性重合性単量体は、酸性基を有さず、1分子中に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの重合性不飽和基を有する水溶性の化合物を意味し、このような化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて公知の化合物から適宜選択して用いることができる。ここで、前記酸性基と前記重合性不飽和基とは、前記(B)酸性基含有重合性単量体で説明したものと同様のものが該当する。また、前記水溶性とは、20℃における水への溶解度が70以上であることを意味し、20℃において水と任意の割合で相溶するものであることが好ましい。
前記(C)親水性重合性単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートの意であり、以下も同様の表記とする)、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,4−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3,4−トリヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。このうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
<(D)水>
前記歯科用接着性組成物としては、歯質の脱灰を促進するために、前記(D)水を含んでいてもよい。前記(D)水としては、前記歯科用接着性組成物の保存安定性、生体適合性及び接着性を低下させる不純物を実質的に含まないことが好ましく、脱イオン水、蒸留水等を用いることが好ましい。
<(E)揮発性有機溶媒>
前記歯科用接着性組成物としては、接着に有効な成分を歯質に浸透させるとともに、浸透後、自身を気化させて除去可能とする観点から、前記(E)揮発性有機溶媒が配合されてもよい。
ここで、前記(E)揮発性有機溶媒は、室温で揮発性を有し、水溶性を示す有機溶媒が該当し、前記揮発性とは、760mmHgでの沸点が100℃以下であり、且つ20℃における蒸気圧が1.0KPa以上であることを意味する。また、前記水溶性とは、20℃での水への溶解度が20g/100mL以上であることを意味し、20℃において水と任意の割合で相溶することが好ましい。
このような前記(E)揮発性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトンなどを挙げることができる。中でも、生体に対する毒性を考慮すると、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンが好ましい。
なお、これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<(F)重合開始剤>
前記歯科用接着性組成物は、歯質の接着用に有用に使用される。特に、コンポジットレジンや補綴物等の歯科用修復物を歯質に接着させる際に使用される、歯科用接着材、歯科用接着性コンポジットレジン、歯科用接着性セメントとして有用であり、これら用途で用いる場合には、前記(F)重合開始剤が有効量配合される。前記重合開始剤としては、光重合型と化学重合型に分類され、目的に応じて適宜選択すればよい。また、前記光重合開始剤と前記化学重合開始剤を併用し、光重合と化学重合のどちらによっても重合を開始させることのできるデュアルキュアタイプとすることも可能である。
前記光重合開始剤としては、ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジケトン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のべンゾインアルキルエーテル類、2,4−ジエトキシチオキサントン、2−クロロチオキサントン、メチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のべンゾフェノン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体、更にアリールボレート化合物/色素/光酸発生剤の組み合わせが挙げられる。
前記α−ジケトン類としては、特に制限はないが、カンファーキノン、ベンジルが好ましい。また、前記アシルホスフォンオキサイド誘導体としては、特に制限はないが、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
なお、これらα−ジケトン類及びアシルホスフォンオキサイド誘導体は、単独でも光重合活性を示すが、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ラウリル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミン化合物と併用することがより高い重合活性を得られて好ましい。
また、前記アリールボレート化合物/色素/光酸発生剤の組み合わせによる光重合開始剤としては、特に制限はないが、前記アリールボレート化合物として、テトラフェニルホウ素ナトリウム塩等の化合物を、色素として3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニルビス(4−シアノ−7−ジエチルアミノ)クマリン等のクマリン系の化合物を、光酸発生剤として2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体、ジフェニルヨードニウム塩化合物等の化合物を組み合わせたものが好ましい。
前記化学重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機過酸化物及びアミン類の組み合わせ、有機過酸化物類、アミン類とスルフィン酸塩類の組み合わせ、酸性化合物とアリールボレート類の組み合わせ、バルビツール酸、アルキルボラン等からなる化学重合開始剤が挙げられる。なお、これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
こうした化学重合開始剤に使用される化合物として好適なものを以下に例示すると、前記有機過酸化物類としては、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ジt−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。
前記アミン類としては、第二級又は第三級アミン類が挙げられる。ここで前記第二級アミンとしては、N−メチルアニリン、N−メチル−p−トルイジン等が挙げられ、前記第三級アミンとしては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,Nジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等が挙げられる。
前記アリールボレート類としては、1分子中に少なくとも1つのホウ素−アリール結合を有していれば、特に制限はないが、保存安定性が高いことや取り扱いの容易さ、入手のし易さから、1分子中に4つのホウ素−アリール結合を有するアリールボレートが好ましい。
前記1分子中に4つのホウ素−アリール結合を有するアリールボレートとしては、例えば、テトラフェニルホウ素、テトラキス(p−クロロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニルホウ素、テトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、テトラキス(p−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルフェ二ル(ホウ素、テトラキス(m−ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素などのホウ素化合物の塩を挙げることができる。
前記ホウ素化合物と塩を形成する陽イオンとしては、例えば、金属イオン、第3級又は第4級アンモニウムイオン、第4級ビリジニウムイオン、第4級キノリニウムイオン、第4級ホスホニウムイオンを挙げることができる。
前記化学重合開始剤の中でも、前記酸性化合物とアリールボレート類の組み合わせに、+IV価のバナジウム化合物及び+V価のバナジウム化合物の少なくともいずれかを加えた化学重合開始剤は、重合活性が高いことから、特に好ましい。ここで、前記有機過酸化物を併用すると、重合活性をさらに高めることができ、更に好ましい。
前記バナジウム化合物の具体例としては、四酸化二バナジウム(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス((マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)等を挙げることができる。
<その他の成分>
前記歯科用接着性組成物としては、本発明の効果を損なわない限り、その他の成分を目的に応じて適宜配合させることができ、例えば、前記(B)酸性基含有重合性単量体、前記(C)親水性重合性単量体以外のその他の重合性単量体、フィラー、有機増粘材、重合禁止剤、重合調整剤、紫外線吸収剤、染料、帯電防止剤、顔料、香料等の各種添加剤を添加することが可能である。
−その他の重合性単量体−
前記その他の重合性単量体としては、分子中に少なくとも一つの重合性不飽和基を有する化合物が該当する。前記重合性不飽和基としては、前記(B)酸性基含有重合性単量体で説明したものと同様のものを挙げることができるが、特に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましい。
このような重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルオキシエチルアセチルアセテート、2−(メタ)アクリルオキシエチルアセテート、2−(メタ)アクリルオキシエチルプロピオネート、3−(メタ)アクリルオキシプロピルアセテート等のモノ(メタ)アクリレート系単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン、2,2’−ビス{4−[3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}プロパン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジポリエトキシメタノール等の多官能(メタ)アクリレート系単量体等を挙げることができる。なお、これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
−フィラー−
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のシリカ系無機フィラー、有機フィラー、無機有機複合フィラー等を用いることができる。
なお、これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記シリカ系無機フィラーには、シリカだけでなく、前記シリカと結合した周期表第2〜第14族の金属酸化物、シリカを主成分とする複合酸化物粒子が含まれる。前記複合酸化物粒子の場合、前記シリカの含有量としては、少なくとも10mol%以上であり、50mol%以上が好ましい。
前記シリカ系無機フィラーの具体例としては、前記シリカ、石英、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、多価金属化合物フィラー等が挙げられる。
前記シリカとしては、湿式シリカであってもよいが、ヒュームドシリカと呼ばれる乾式シリカが好ましい。また、前記多価金属化合物フィラーとしては、例えば、フルオロアルミノシリケートガラス等が挙げられる。
これらの中でも、X線造影性を有する前記シリカ−ジルコニア、前記バリウムガラスや、前記多価金属化合物フィラーが好ましい。
前記シリカ系無機フィラーの粒径、形状としては、特に制限はなく、一般的に歯科用材料として使用されている、例えば、球状や不定形の、平均粒子径0.01μm〜100μmの粒子を目的に応じて適宜使用することができる。
また、前記シリカ系無機フィラーの製造法による制限もなく、公知の溶射法、ゾルゲル法、火炎溶融法で製造されたものを用いることができるが、前記歯科用接着性組成物を歯科用接着材に適用する場合には、火炎溶融法で製造されたものが好ましく、歯科用接着性コンポジットレジン、歯科用接着性セメントに適用する場合には、ゾルゲル法で製造されたものが好ましく、球状のものがより好ましい。
前記シリカ系無機フィラーとしては、特に制限はないが、シランカップリング処理されていることが好ましい。ここで、使用されるシランカップリング剤としては、特に制限はなく、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、11−メタクリルオキシウンデシルトリメトキシシラン、11−メタクリルオキシウンデシルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
前記有機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、ポリアルキルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルメタクリレート共重合体、架橋型ボリアルキルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の有機高分子からなる粒子が挙げられるが、特にポリアルキルメタクリレートからなる粒子が好ましい。
また、前記有機無機複合フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、前記無機粒子と重合性単量体とを予め混合し、ぺースト状にした後、重合させ、粉砕して得られる粒状物が挙げられる。
<用途>
前記歯科用接着性組成物の用途としては、特に制限はなく、組成に応じて、歯科用前処理材、歯科用接着材、歯科用接着性コンポジットレジン及び歯科用接着性セメントのいずれにも用いることができる。
−歯科用前処理材−
前記歯科用前処理材は、歯質(特に象牙質)に対する接着成分の浸透性を向上させる目的で使用される。
前記歯科用前処理材の主な組成としては、例えば、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン、前記(B)酸性基含有重合性単量体、前記(C)親水性重合性単量体、前記その他の重合性単量体、前記(D)水、及び前記(E)揮発性有機溶媒が挙げられる。
前記歯科用前処理材における前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンの全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、重合後の硬化性が低下することがあり、40質量%を超えると、前記(B)酸性基含有重合性単量体との相溶性が低下し接着性が低下することがある。
前記歯科用前処理材における前記(B)酸性基含有重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、歯面の脱灰が不充分なことがあり、50質量%を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用前処理材における前記(C)親水性重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、歯面への浸透性が低下し、接着性が低下することがあり、40質量%を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用前処理材における前記その他の重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以下が好ましく、45質量%〜5質量%がより好ましい。50質量%を超えると、接着力が低下することがある。なお、前記その他の重合性単量体を含まない組成(0質量%)としてもよい。
前記歯科用前処理材における前記(D)水の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、5質量部〜30質量部が好ましく、7質量部〜25質量部がより好ましい。5質量部未満であると、歯面の脱灰が不充分となることがあり、30質量部を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用前処理材における前記(E)揮発性有機溶媒の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、10質量部〜300質量部が好ましく、20質量部〜200質量部がより好ましい。10質量部未満であると、歯面への浸透性が低下することがあり、300質量部を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
−歯科用接着材−
前記歯科用接着材は、コンポジットレジンや補綴物等の歯科用修復物を歯質に接着させる目的で使用される。
前記歯科用接着材の主な組成としては、例えば、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン、前記(B)酸性基含有重合性単量体、前記(C)親水性重合性単量体、前記その他の重合性単量体、前記(D)水、前記(E)揮発性有機溶媒、前記(F)重合開始剤、及び前記フィラーが挙げられる。
前記歯科用接着材における前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンの全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、重合後の硬化性が低下することがあり、40質量%を超えると、前記(B)酸性基含有重合性単量体との相溶性が低下することがある。
前記歯科用接着材における前記(B)酸性基含有重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、歯面の脱灰が不充分な ことがあり、50質量%を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着材における前記(C)親水性重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、歯面への浸透性が低下することがあり、40質量%を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着材における前記その他の重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以下が好ましく、45質量%〜5質量%がより好ましい。50質量%を超えると、接着力が低下することがある。なお、前記その他の重合性単量体を含まない組成(0質量%)としてもよい。
前記歯科用接着材における前記(D)水の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、5質量部〜30質量部が好ましく、7質量部〜25質量部がより好ましい。5質量部未満であると、 歯面の脱灰が不充分となることがあり、30質量部を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用前処理材における前記(E)揮発性有機溶媒の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、10質量部〜300質量部が好ましく、20質量部〜200質量部がより好ましい。10質量部未満であると、歯面への浸透性が低下することがあり、300質量部を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着材における前記(F)重合開始剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。0.01質量部未満であると、開始剤としての性能を発揮できないことがあり、10質量部を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着材における前記フィラーの配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、5質量部〜50質量部が好ましく、10質量部〜30質量部がより好ましい。5質量部未満であると、重合後の硬化性が低下することがあり、50質量部を超えると、塗付性が低下することがある。
−歯科用接着性コンポジットレジン−
前記歯科用接着性コンポジットレジンは、歯科用接着材とコンポジットレジンの機能を併せ持つ1ステップ型接着材として使用される。
前記歯科用接着性コンポジットレジンにおける主な組成としては、例えば、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン、前記(B)酸性基含有重合性単量体、前記(C)親水性重合性単量体、前記その他の重合性単量体、前記(F)重合開始剤、及び前記フィラーが挙げられる。
前記歯科用接着性コンポジットレジンにおける前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンの全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜36質量%がより好ましい。5質量%未満であると、重合後の硬化性が低下することがあり、40質量%を超えると、前記(B)酸性基含有重合性単量体との相溶性が低下することがある。
前記歯科用接着性コンポジットレジンにおける前記(B)酸性基含有重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、歯面の脱灰が不充分なことがあり、50質量%を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着性コンポジットレジンにおける前記(C)親水性重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、歯面への浸透性が低下することがあり、40質量%を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着性コンポジットレジンにおける前記その他の重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以下が好ましく、45質量%〜5質量%がより好ましい。50質量%を超えると、接着力が低下する ことがある。なお、前記その他の重合性単量体を含まない組成(0質量%)としてもよい。
前記歯科用接着性コンポジットレジンにおける前記(F)重合開始剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。0.01質量部未満であると、開始剤としての性能を発揮できないことがあり、10質量部を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着性コンポジットレジンにおける前記フィラーの配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、100質量部〜2,000質量部が好ましく、150質量部〜1,000質量部がより好ましい。100質量部未満であると、硬化体としての強度が低いことがあり、2,000質量部を超えると、組成物が不均一となることがある。
−歯科用接着性セメント−
前記歯科用接着性セメントは、歯科用接着材と歯科用セメントの機能を併せ持つ。
前記歯科用接着性セメントの主な組成としては、例えば、前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン、前記(B)酸性基含有重合性単量体、前記その他の重合性単量体、前記(F)重合開始剤、及び前記フィラーが挙げられる。
前記歯科用接着性セメントにおける前記(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンの全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜36質量%がより好ましい。5質量%未満であると、重合後の硬化性が低下することがあり、40質量%を超えると、前記(B)酸性基含有重合性単量体との相溶性が低下することがある。
前記歯科用接着性セメントにおける前記(B)酸性基含有重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。5質量%未満であると、歯面の脱灰が不充分なことがあり、50質量%を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着性セメントにおける前記その他の重合性単量体の全重合性単量体に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80質量%以下が好ましく、10質量%〜70質量%がより好ましい。80質量%を超えると、接着力が低下することがある。なお、前記その他の重合性単量体を含まない組成(0質量%)としてもよい。
前記歯科用接着性セメントにおける前記(F)重合開始剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。0.01質量部未満であると、開始剤としての性能を発揮できないことがあり、10質量部を超えると、重合後の硬化性が低下することがある。
前記歯科用接着性セメントにおける前記フィラーの配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全重合性単量体成分100質量部に対して、100質量部〜2,000質量部が好ましく、150質量部〜1,000質量部がより好ましい。100質量部未満であると、硬化体としての強度が低いことがあり、2,000質量部を超えると、組成物が不均一となることがある。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明の技術的思想は、これらにより何ら制限されるものではない。
先ず、(A)シルセスキオキサン構造を一部に含む重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例1〜4ついて説明する。
(重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例1)
撹拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール100g、メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン(以下、「γ―MPS」と略す)104g(360mmol)とエチルトリエトキシシラン32g(170mmol)を設置した後、1%塩酸40gを徐々に加えて、25℃で24時間撹拌した。析出した結晶を濾取、乾燥して白色固体の重合性基含有ポリオルガノシロキサン1(以下、「POSi1」と略す)を合成した。
POSi1に対して、1H−NMR(JNM−LA500、日本電子社製)測定を行ったところ、Siに結合したメチレン基(0.6ppm)とメタクリル基(5.9〜6.4ppm)のピーク面積の比から、重合性基数/ケイ素原子数の比は、0.8と算出された。
また、POSi1に対して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPCKF−804L、ジーエルサイエンス社製)を用いた分子量の測定を行ったところ、3つのピークが存在し、それぞれ数平均分子量(Mn)=4.8×10(存在比:33%)、数平均分子量(Mn)=2.7×10(存在比:48%)、数平均分子量(Mn)=1.2×10(存在比:19%)であった。
また、POSi1に対して、高速液体クロマトグラフィー分離後の質量分析(LC−MS)を行ったところ、数平均分子量(Mn)=1.2×10付近に、かご型構造又は一部開いたかご型構造が観測されたことから、ゲルパーミエーションクロマトグラフィでの数平均分子量(Mn)=1.2×10のピークは、かご型構造又は一部開いたかご型構造についてのピークであることが確認された。
本合成例1の合成方法では、かご型構造又は一部開いたかご型構造、及びはしご型構造のポリオルガノシロキサンが合成される。数平均分子量(Mn)=1.2×10のピークに基づく、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比は、前述の通り、19%であることから、POSi1は、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比が19%であり、はしご型構造の存在比が81%であるポリオルガノシロキサンであると推察される。
(重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例2)
反応器に、イソプロピルアルコール100gに代えてトルエン100gを設置したこと、及び、1%塩酸添加後、25℃で24時間撹拌することに代えてオイルバスを用いて70℃で24時間加熱撹拌したこと以外は、重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例1と同様にして、白色固体の重合性基含有ポリオルガノシロキサン2(以下、「POSi2」と略す)を合成した。
POSi2に対して、1H−NMR測定を行ったところ、Siに結合したメチレン基(0.6ppm)とメタクリル基(5.9〜6.4ppm)のピーク面積の比から、重合性基数/ケイ素原子数の比は、0.8と算出された。
また、POSi2に対して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いた分子量の測定を行ったところ、3つのピークが存在し、それぞれ数平均分子量(Mn)=3.4×10(存在比:31%)、数平均分子量(Mn)=1.7×10(存在比:29%)、数平均分子量(Mn)=1.3×10(存在比:40%)であった。
また、POSi2に対して、高速液体クロマトグラフィー分離後の質量分析を行ったところ、数平均分子量(Mn)=1.3×10付近と、数平均分子量(Mn)=1.7×10付近に、かご型構造又は一部開いたかご型構造が観測されたことから、ゲルパーミエーションクロマトグラフィでの数平均分子量(Mn)=1.3×10、1.7×10の各ピークは、かご型構造又は一部開いたかご型構造についてのピークであることが確認された。
本合成例2の合成方法では、かご型構造又は一部開いたかご型構造、及びはしご型構造のポリオルガノシロキサンが合成される。数平均分子量(Mn)=1.3×10及び1.7×10の各ピークに基づく、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比は、69%であることから、POSi2は、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比が69%であり、はしご型構造の存在比が31%であるポリオルガノシロキサンであると推察される。
(重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例3)
イソプロピルアルコールの使用量を100gから60gに変えたこと、γ―MPSの使用量を104g(360mmol)から52g(180mmol)に変えたこと、エチルトリエトキシシランの使用量を32g(170mmol)から50g(260mmol)に変えたこと以外は、重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例1と同様にして、白色固体の重合性基含有ポリオルガノシロキサン3(以下、「POSi3」と略す)を合成した。
POSi3に対して、1H−NMR測定を行ったところ、Siに結合したメチレン基(0.6ppm)とメタクリル基(5.9〜6.4ppm)のピーク面積の比から、重合性基数/ケイ素原子数の比は、0.4と算出された。
また、POSi3に対して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いた分子量の測定を行ったところ、3つのピークが存在し、それぞれ数平均分子量(Mn)=5.2×10(存在比:30%)、数平均分子量(Mn)=2.5×10(存在比:53%)、数平均分子量(Mn)=1.2×10(存在比:17%)であった。
また、POSi3に対して、高速液体クロマトグラフィー分離後の質量分析を行ったところ、数平均分子量(Mn)=1.2×10付近に、かご型構造又は一部開いたかご型構造が観測されたことから、ゲルパーミエーションクロマトグラフィでの数平均分子量(Mn)=1.2×10のピークは、かご型構造又は一部開いたかご型構造についてのピークであることが確認された。
本合成例3の合成方法では、かご型構造又は一部開いたかご型構造、及びはしご型構造のポリオルガノシロキサンが合成される。数平均分子量(Mn)=1.2×10のピークに基づく、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比は、前述の通り、17%であることから、POSi3は、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比が17%であり、はしご型構造の存在比が83%であるポリオルガノシロキサンであると推察される。
(重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例4)
γ―MPSの使用量を104g(360mmol)から5g(18mmol)に変えたこと、エチルトリエトキシシランの使用量を32g(170mmol)から50g(260mmol)に変えたこと以外は、重合性基含有ポリオルガノシロキサンの合成例1と同様にして、白色固体の重合性基含有ポリオルガノシロキサン4(以下、「POSi4」と略す)を合成した。
POSi4に対して、1H−NMR測定を行ったところ、Siに結合したメチレン基(0.6ppm)とメタクリル基(5.9〜6.4ppm)のピーク面積の比から、重合性基数/ケイ素原子数の比は、0.05と算出された。
また、POSi4に対して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いた分子量の測定を行ったところ、3つのピークが存在し、それぞれ数平均分子量(Mn)=4.2×10(存在比:32%)、数平均分子量(Mn)=2.8×10(存在比:43%)、数平均分子量(Mn)=1.3×10(存在比:25%)であった。
また、POSi4に対して、高速液体クロマトグラフィー分離後の質量分析を行ったところ、数平均分子量(Mn)=1.3×10付近に、かご型構造又は一部開いたかご型構造が観測されたことから、ゲルパーミエーションクロマトグラフィでの数平均分子量(Mn)=1.3×10のピークは、かご型構造又は一部開いたかご型構造についてのピークであることが確認された。
本合成例4の合成方法では、かご型構造又は一部開いたかご型構造、及びはしご型構造のポリオルガノシロキサンが合成される。数平均分子量(Mn)=1.3×10のピークに基づく、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比は、前述の通り、25%であることから、POSi4は、かご型構造又は一部開いたかご型構造の存在比が25%であり、はしご型構造の存在比が75%であるポリオルガノシロキサンであると推察される。
(A)シルセスキオキサン構造を一部に含む重合性基含有ポリオルガノシロキサン以外の成分として、実施例及び比較例の製造に用いた各成分並びにその略称及び略号については、以下の通りである。
(各成分並びにその略称及び略号)
<(B)酸性基含有重合性単量体>
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
PM2:ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェート
PM1:2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート
<(C)親水性重合性単量体>
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
<その他の重合性単量体>
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
BisGMA:ビス(メタクリロイルオキシヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン
UDMA: ウレタンジメタクリレート
D26E:ビスフェノールAジポリエトキシメタノール
<(D)水>
水:蒸留水
<(E)揮発性有機溶媒>
IPA:イソプロピルアルコール
<(F)重合開始剤>
CQ:カンファーキノン
DMBE:p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル
DEPT:ジエチル−p−トルイジン
BPO:過酸化ベンゾイル
BTPO:ビスアシルフォスフィンオキサイド
<その他の成分>
−フィラー−
FS1:火炎溶融法によるシリカ粒子(平均1次粒径18nm、メチルトリクロロシラン処理物)
MSa:ゾルゲル法によるシリカ−チタニア球状粒子(平均1次粒径0.07μm。γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン処理物)
MSb:ゾルゲル法によるシリカ−ジルコニア球状粒子(平均1次粒径0.4μm。γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン処理物)
MS1:MSaとMSbの1:1の混合物
(歯科用前処理材の製造/実施例1〜6及び比較例1〜3)
<実施例1>
下記組成に従い、各成分を均一になるまで攪拌混合し、歯科用前処理材としての実施例1に係る歯科用接着性組成物を製造した。
−組成−
・(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン POSi1 20g
・(B)酸性基含有重合性単量体 MDP 25g
・(C)親水性重合性単量体 HEMA 25g
・ その他の重合性単量体 3G 10g
BisGMA 20g
・(D)水 10g
・(E)揮発性有機溶媒 IPA 80g
<実施例2〜6/比較例1〜3>
後掲の表1に記載の組成に基づいて製造したこと以外は、実施例1と同様にして、歯科用前処理材としての実施例2〜6及び比較例1〜3に係る歯科用接着性組成物を製造した。
(接着性試験/歯科用前処理材)
実施例1〜6及び比較例1〜3に係る各歯科用接着性組成物(歯科用前処理材)に対し、以下に説明する接着試験片Iの作製方法による接着性試験を実施した。
先ず、屠殺後24時間以内に抜去した牛前歯を、流水下、#600のエメリーペーパーで研磨し、唇面と平行になるようにエナメル質平面及び象牙質平面を削り出した。
次に、これら平面に圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した後、エナメル質及び象牙質のいずれかの平面に直径3mmの円孔の開いた両面テープを固定した。
次に、厚さ0.5mm、直径8mmの孔の開いたパラフィンワックスを前記円孔上に同一中心となるように固定して模擬窩洞を形成した。
次に、この模擬窩洞内に実施例1〜6及び比較例1〜3に係る各歯科用接着性組成物を塗布し、10秒放置後、圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥し、その上に2ステップ型コンポジットレジン用接着材(トクソーマックボンドIIのボンディング材、トクヤマデンタル社製)を塗布して歯科用可視光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマ社製)にて10秒間光照射した。更に、その上に歯科用コンポジットレジン(エステライトΣクイック、トクヤマデンタル社製)を充填し、可視光線照射器により10秒間光照射した。
これにより、接着性試験に用いる接着試験片Iを作製した。
接着性試験片Iを熱衝撃試験機(TTS1LM、トーマス製)に入れ、4℃の水槽に1分間浸漬後、60℃の水槽に移し1分間浸漬し、再び4℃の水槽に戻す操作を、10,000回繰り返した。
その後、接着性試験片Iにステンレス製アタッチメントを接着し、引張り試験機(AG−1 50kN、島津製作所製)を用いて前記ステンレス製アタッチメントを引張り、エナメル質又は象牙質−前記各コンポジットレジン間での引張り接着強度を測定した。
なお、前記引張り試験機の引張りは、クロスヘッドスピードを1mm/minとして実施した。
また、この接着強度の測定では、前記歯科用接着性組成物ごとに前記接着試験片を4本ずつ作製して行い、その平均値を該当する接着強度の値とした。
接着強度の試験結果を下記表1に示す。
前掲の表1に示すように、実施例1〜6に係る各歯科用接着性組成物では、対エナメル質及び対象牙質のいずれにおいても、比較例1〜3に係る歯科用接着性組成物よりも高い接着強度を示すことを確認することができる。
(歯科用接着材の製造/実施例7〜20及び比較例4〜6)
<実施例7>
下記組成に従い、各成分を均一になるまで攪拌混合し、歯科用接着材としての実施例7に係る歯科用接着性組成物を製造した。
−組成−
・(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン POSi1 20g
・(B)酸性基含有重合性単量体 MDP 25g
・(C)親水性重合性単量体 HEMA 25g
・ その他の重合性単量体 3G 10g
BisGMA 20g
・(D)水 10g
・(E)揮発性有機溶媒 IPA 80g
・(F)重合開始剤 CQ 2g
DMBE 2g
・ その他の成分
フィラー FS1 10g
<実施例8〜20/比較例4〜6>
後掲の表2に記載の組成に基づいて製造したこと以外は、実施例7と同様にして、歯科用接着材としての実施例8〜20及び比較例4〜6に係る各歯科用接着性組成物を製造した。
(接着性試験/歯科用接着材)
実施例7〜20及び比較例4〜6に係る各歯科用接着性組成物(歯科用接着材)に対し、以下に説明する接着試験片IIの作製方法による接着性試験を実施した。
即ち、前記接着試験片Iの作製方法と同様の方法により形成した模擬窩洞内に、実施例7〜20及び比較例4〜6に係る歯科用接着性組成物を塗布し、10秒間放置後、圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥し、歯科用可視光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマ社製)にて10秒間光照射した。更に、その上に歯科用コンポジットレジン(エステライトΣクイック、トクヤマデンタル社製)を充填し、可視光線照射器により10秒間光照射して、接着試験片IIを作製した。
この接着試験片IIに対して、接着試験片Iに対する接着性試験と同様の接着性試験を行い、接着強度を測定した。
接着強度の試験結果を下記表2に示す。
前掲の表2に示すように、実施例7〜20に係る各歯科用接着性組成物では、対エナメル質及び対象牙質のいずれにおいても、比較例4〜6に係る各歯科用接着性組成物よりも高い接着強度を示すことを確認することができる。
(歯科用接着性コンポレットレジンの製造/実施例21〜26及び比較例7,8)
<実施例21>
下記組成に従い、各成分を均一になるまで攪拌混合し、歯科用接着性コンポジットレジンとしての実施例21に係る歯科用接着性組成物を製造した。
−組成−
・(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン POSi1 20g
・(B)酸性基含有重合性単量体 MDP 25g
・(C)親水性重合性単量体 HEMA 25g
・ その他の重合性単量体 3G 10g
BisGMA 20g
・(F)重合開始剤 CQ 2g
DMBE 2g
・ その他の成分
フィラー MS1 150g
<実施例22〜26/比較例7,8>
後掲の表3に記載の組成に基づいて製造したこと以外は、実施例21と同様にして、歯科用接着性コンポジットレジンとしての実施例22〜26及び比較例7,8に係る各歯科用接着性組成物を製造した。
(接着性試験/歯科用接着性コンポジットレジン)
実施例21〜26及び比較例7,8に係る各歯科用接着性組成物(歯科用接着性コンポジットレジン)に対し、以下に説明する接着試験片IIIの作製方法による接着性試験を実施した。
即ち、前記接着試験片Iの作製方法と同様の方法により形成した模擬窩洞内に、実施例21〜26及び比較例7,8に係る歯科用接着性組成物を充填し、接着試験片IIIを作製した。なお、重合開始剤が光重合開始剤である場合には、模擬窩洞内に歯科用接着性組成物を充填後、歯科用可視光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマ社製)にて10秒間光照射して重合硬化させた。
この接着試験片IIIに対して、接着試験片Iに対する接着性試験と同様の接着性試験を行い、接着強度を測定した。
接着強度の試験結果を下記表3に示す。
前掲の表3に示すように、実施例21〜26に係る各歯科用接着性組成物では、対エナメル質及び対象牙質のいずれにおいても、比較例7,8に係る歯科用接着性組成物よりも高い接着強度を示すことを確認することができる。
(歯科用接着性セメントの製造/実施例27〜32及び比較例9,10)
<実施例27>
先ず、下記組成Iに従い、各成分を均一になるまで攪拌混合し、ペースト状組成物Iを調製した。
−組成I−
・(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン POSi1 10g
・(B)酸性基含有重合性単量体 MDP 20g
・ その他の重合性単量体 UDMA 14g
D26E 6g
・(F)重合開始剤 DEPT 2.5g
BTPO 0.5g
・ その他の成分
フィラー MS1 115g
次いで、下記組成IIに従い、各成分を均一になるまで攪拌混合し、ペースト状組成物IIを調製した。
−組成II−
・(A)重合性基含有ポリオルガノシロキサン POSi1 10g
・ その他の重合性単量体 3G 16g
UDMA 16g
D26E 8g
・(F)重合開始剤 BPO 0.6g
・ その他の成分
フィラー MS1 115g
使用直前に、ペースト状組成物Iと、ペースト状組成物IIとを等量ずつ混合して、歯科用接着性セメントとしての実施例27に係る歯科用接着性組成物を製造した。
<実施例28〜32/比較例9,10>
後掲の表4に記載の組成に基づいて製造したこと以外は、実施例27と同様にして、歯科用接着性セメントとしての実施例28〜32及び比較例9,10に係る各歯科用接着性組成物を製造した。
(接着性試験/歯科用接着性セメント)
実施例27〜32及び比較例9,10に係る各歯科用接着性組成物(歯科用接着性セメント)に対し、以下に説明する接着試験片IVの作製方法による接着性試験を実施した。
即ち、前記接着試験片Iの作製方法と同様の方法により形成した模擬窩洞内に、実施例27〜32及び比較例9,10に係る歯科用接着性組成物を充填し、その上にステンレス製アタッチメントを接着させて接着試験片IVを作製した。
この接着試験片IVに対して、ステンレス製アタッチメントを接着せず、直接、引張り試験機に供したこと以外は、接着試験片Iに対する接着性試験と同様の接着性試験を行い、接着強度を測定した。
接着強度の試験結果を下記表4に示す。
前掲の表4に示すように、実施例27〜32に係る各歯科用接着性組成物では、対エナメル質及び対象牙質のいずれにおいても、比較例9,10に係る歯科用接着性組成物よりも高い接着強度を示すことを確認することができる。

Claims (13)

  1. (A)シルセスキオキサン構造を一部に有する重合性基含有ポリオルガノシロキサンと、
    (B)酸性基含有重合性単量体と、
    を含むことを特徴とする歯科用接着性組成物。
  2. シルセスキオキサン構造が、下記式(A−1)で表される構造である請求項1に記載の歯科用接着性組成物。
    ただし、前記式(A−1)中、前記Rは、重合性基を示し、前記Rは、アルキレン基及びアリーレン基のいずれかを示し、*は、隣接するケイ素原子との結合位置を示す。
  3. 式(A−1)で表されるシルセスキオキサン構造を有する化合物が、はしご型構造を有する化合物及び一部開いたかご型構造を有する化合物の少なくともいずれかを含む請求項2に記載の歯科用接着性組成物。
  4. (A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンの数平均分子量が、500〜50,000である請求項1から3のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  5. (A)重合性基含有ポリオルガノシロキサンにおける重合性基数とケイ素原子数との比、重合性基/ケイ素原子が、0.1〜1.0である請求項1から4のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  6. (B)酸性基含有重合性単量体の酸性基が、リン酸基及びカルボキシ基のいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  7. (B)酸性基含有重合性単量体が、下記一般式(B−1)及び(B−2)のいずれかで示される化合物を少なくとも含む請求項6に記載の歯科用接着性組成物。
    ただし、前記一般式(B−1)及び(B−2)で示される化合物中、前記Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。前記R及び前記Rは、アルキル鎖を表し、前記Rと前記Rの炭素数の合計が4以上20未満である。
  8. 更に、(C)親水性重合性単量体を含む請求項1から7のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  9. 更に、(D)水を含む請求項1から8のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  10. 更に、(E)揮発性有機溶媒を含む請求項1から9のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  11. 更に、(F)重合開始剤を含む請求項1から10のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  12. 歯科用前処理材として用いられる請求項1から10のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  13. 歯科用接着材、歯科用接着性コンポジットレジン及び歯科用接着性セメントのいずれかとして用いられる請求項1から11のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
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