JP2014236422A - 固体撮像素子および撮像装置 - Google Patents

固体撮像素子および撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014236422A
JP2014236422A JP2013117891A JP2013117891A JP2014236422A JP 2014236422 A JP2014236422 A JP 2014236422A JP 2013117891 A JP2013117891 A JP 2013117891A JP 2013117891 A JP2013117891 A JP 2013117891A JP 2014236422 A JP2014236422 A JP 2014236422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
row
reset
discharge
solid
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013117891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6134979B2 (ja
JP2014236422A5 (ja
Inventor
崇 後藤
Takashi Goto
崇 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013117891A priority Critical patent/JP6134979B2/ja
Priority to PCT/JP2014/002873 priority patent/WO2014196176A1/ja
Priority to KR1020157035513A priority patent/KR101760200B1/ko
Priority to TW103119302A priority patent/TWI611696B/zh
Publication of JP2014236422A publication Critical patent/JP2014236422A/ja
Publication of JP2014236422A5 publication Critical patent/JP2014236422A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6134979B2 publication Critical patent/JP6134979B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/40Extracting pixel data from image sensors by controlling scanning circuits, e.g. by modifying the number of pixels sampled or to be sampled
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/60Noise processing, e.g. detecting, correcting, reducing or removing noise
    • H04N25/616Noise processing, e.g. detecting, correcting, reducing or removing noise involving a correlated sampling function, e.g. correlated double sampling [CDS] or triple sampling
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/60Noise processing, e.g. detecting, correcting, reducing or removing noise
    • H04N25/65Noise processing, e.g. detecting, correcting, reducing or removing noise applied to reset noise, e.g. KTC noise related to CMOS structures by techniques other than CDS
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/76Addressed sensors, e.g. MOS or CMOS sensors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)

Abstract

【課題】画素部が2次元状に複数配列された固体撮像素子において、隣接する画素行間に形成される容量カップリングの影響を十分に抑制することができ、かつリセットkTCノイズが低減された適切な画像信号を取得する【解決手段】画素部10の蓄積部FDに蓄積された信号電荷を排出し、排出後、電荷蓄積期間経過時において蓄電部FDに蓄積された信号電荷を取得し、かつ信号電荷の取得後に蓄電部FDをリセットして蓄電部FDのリセットレベルを取得する電荷蓄積読出動作を行順次に行う際、各行の排出の前に、蓄電部FDから予備的な電荷の排出を行う予備排出を行い、かつn行目(nは自然数)の排出とn+1行目の予備排出とを同時に行い、画素部の列毎に設けられたフィードバック制御回路を用いて排出の際にフィードバック制御を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、光の照射を受けて電荷を発生する光電変換部を備えた固体撮像素子およびその固体撮像素子を備えた撮像装置に関するものである。
近年、固体撮像素子の高感度化、画素微細化に対応するために、シリコン基板の上方に一対の電極とこれらで挟まれた光電変換層を含む光電変換部を設け、この光電変換層で発生した電荷を上記一対の電極の一方からシリコン基板に移動させて蓄積し、この蓄積電荷に応じた信号を、シリコン基板に形成した信号読出し回路で読み出す光電変換層積層型の固体撮像素子が注目されている。
このような固体撮像素子として、たとえば特許文献1には、図21に示すように、光電変換部201と、光電変換部201において発生した電荷を蓄積するフローティングディフュージョンFD(以下、単にFDという)と、FDに蓄積された電荷に対応した電圧を出力する出力トランジスタ202と、FDに蓄積された電荷をリセットするリセットトランジスタ203と、出力トランジスタ202から出力された信号を信号線に選択的に出力する選択トランジスタ204とを備えた画素部200が2次元状に多数配列された固体撮像素子が提案されている。この固体撮像素子は、FDと光電変換部201との間にトランジスタが設けられていない、いわゆる3トランジスタの構成の回路であり、FDと光電変換部201とが電気的に直接接続されたものである。
ここで、上述したような固体撮像素子においては、画素部200の各行についてそれぞれ排出および電荷信号の読み出し動作が順次行われる。図22は、n行目〜n+2行目の画素部200の排出および電荷信号の読み出し動作のタイミングを示すものである。
図22に示すように、蓄積期間の開始時には、まず、不要電荷の排出が行われる。排出は、リセットパルスRSによって画素部200のリセットトランジスタ203がオンされ、FDに蓄積された電荷がリセットされることで行われる。
リセットトランジスタ203がオフされ、排出が完了するとこの時点からFDへの電荷の蓄積が開始する。そして、所定の電荷蓄積期間が経過した際に、画素部200に選択パルスRWが出力され、この選択パルスRWによって選択トランジスタ204がオンし、これによりFDに蓄積された信号電荷が出力トランジスタ202によって電圧信号に変換され、蓄積信号として信号線に出力される。その後、リセットトランジスタ203をオンすることで、FDがリセットされ、リセットされた後のFDの電位がリセット信号として信号線に出力される。蓄積信号とリセット信号との差分を画像信号として用いることで、固定パターンノイズの少ない画像の取得が可能となる。
上述したような画素部200の行毎の排出および電荷信号の読み出し動作が、画素部200の列方向に順次走査されて行われることによって1フレームの画像信号が取得される。
特開2011−54746号公報 国際公開第2012/137445号
ここで、上述したような固体撮像素子においては、図21に示すように、画素部の配線や基板の不純物領域などの寄生容量に起因して、異なる行の隣接する画素部200間において容量カップリングが発生してしまう。特に、画素部の微細化が進むと、画素部本来の容量が小さくなるのに加えて、レイアウトの制限も厳しくなるため、容量カップリングの影響が必然的に大きくなってしまう。
特に、上述した3トランジスタの構成では、画素ごとにFDが必要なこと、FDと光電変換部201との間にトランジスタが設けられておらず電気的に直接つながっていることから、隣接する画素部200のFD間の容量カップリングの影響が大きくなりやすい。この影響について説明する。
図23は図21に示す固体撮像素子において、全ての画素に均一な光が入射する条件で撮像を行った場合の駆動とFD電位の時間変化を示している。実線は容量カップリングが一切ない場合の理想的なFD電位を表し、破線は容量カップリングの影響を受けた場合のFDの電位変化を表す。隣接画素のFD電位の変化に伴い、着目画素のFD電位が変化してしまうのが、容量カップリングの影響がある場合の特徴である。
各行は図中の排出の時点でそれまでFDに蓄積していた電荷を排出し、読み出しの時点で排出から読み出しまでの蓄積期間にFDに蓄積した信号電荷を読み出す。ここで、n+1行目に注目すると、時刻t1において信号の読み出しが完了し、FDの電位が基準電位になる。その後、時刻t2において排出を行い、FDの電位を基準電位にした上で、蓄積を開始する。そして時刻t5において読み出しを行い、時刻t2から時刻t5の間にFDに蓄積した信号電荷に応じた信号を出力する。
一方、n行目に注目すると、時刻t2より前の時刻t3において排出を行い、蓄積を開始する。そして、時刻t2より後の時刻t4において読み出しを行う。すなわち、n行目の蓄積期間中(t3〜t4の間)にn+1行目の排出を行うことになる。
ここでn行目とn+1行目の間の容量カップリングが大きい場合、時刻t2におけるn+1行目のFD電位の大きな変化に伴い、n行目のFD電位も変化してしまう。容量カップリングがない場合には時刻t3から時刻t4まで単調にFD電位が変化するのに対し、容量カップリングが大きい場合、時刻t3から時刻t2まで単調にFD電位が変化した後、時刻t2において電位が一旦下がり、時刻t4までその電位から信号電荷の蓄積によってFD電位が上昇することになる。このため、時刻t4においてn行目の信号を読み出す際に、実線で示した本来の信号レベルに比べて、点線で示すような本来の信号レベルよりも低い信号レベルになってしまう。
このような信号レベルの異常は、読み出す信号に比べて排出する際の電位変化が大きいほどに目立ちやすい。このため、固体撮像素子に入射する光が大きく、フレーム期間に比べて蓄積期間が短いほどこの影響が顕著になる。この結果、信号量が小さい場合のS/Nの低下や、露光期間に対する信号の直線性(リニアリティ)の低下などの問題を引き起こす。
また、たとえば上述した固体撮像素子において、ベイヤー配列のカラーフィルタが設けられている場合には、画素部200の列方向について、赤フィルタ(R)と緑フィルタ(G)とが交互に配列された画素部の列と、青フィルタ(B)と緑フィルタ(G)とが交互に配列された画素部の列とが存在することになる。
このような固体撮像素子に対して、R光とG光とを含むY光が照射された場合、緑フィルタが設けられた画素部200が、赤フィルタが設けられた画素部200と同じ列にある場合には、図24の上段に示すように、赤フィルタが設けられた画素部200の排出によって、緑フィルタが設けられた画素部200のFDの電位が減少し、その電荷信号G1の大きさが小さくなることになる。
一方、緑フィルタが設けられた画素部200が、青フィルタが設けられた画素部200と同じ列にある場合には、図24の下段に示すように、青フィルタが設けられた画素部200には光が入射せず、そのFDの電位も変化しないため、青フィルタが設けられた画素部200の排出によって、緑フィルタが設けられた画素部200のFDの電位が影響を受けることはなく、上記電荷信号G1よりも大きい電荷信号G2が取得される。
すなわち、画素部200の列によって緑フィルタが設けられた画素部200の感度が異なるためカラーバランスが本来とは異なるものとなり、適切な画像信号を取得することができない。
また、たとえば上述した固体撮像素子においては容量カップリングに起因して残像が発生する。この影響を図25を用いて説明する。
まず、各行の排出前までに10000個の電子がFDに蓄積されており、隣接する行のカップリング率が1%の場合について説明する。なお、カップリング率とは、隣接する画素部200のFD間の電位変化の影響度のことである。例えば、カップリング率1%の場合、隣接画素の信号が変化した際に、その1%だけ信号が変化することを表している。カップリング率は寄生容量とFDの蓄積容量との比で決まり、画素部200のサイズが小さくなるほどレイアウトの自由度が下がり、カップリング率が高くなり易いことになる。
まず、n行目の排出によってn行目のFDに蓄積された10000個の電子は0個になる。しかしながら、次いで実行されるn+1行目のFDの排出により、n行目のFDは容量カップリングの影響を受けて、n+1行目のFDに蓄積されている10000個の電子が0個になるのに伴い、(0−10000)個の電子の1%の電子数に相当する電位となる。すなわち、n行目のFDは−100個の電子に相当する電位となる。そして、このあとn行目の読み出しが行われるため、n行目からは−100個の電子に相当する黒沈み残像が発生する。n+1行目についても同様に−100個の電子に相当する黒沈み残像が発生する。このように、隣接画素行間の容量カップリングに起因して蓄積電荷量×(−カップリング率)の残像が発生する。カップリング率が高いほど残像が顕著に大きくなる。
そこで、上述したような隣接画素行間の容量カップリングの影響を抑制するため、たとえば特許文献2においては、n+1行目の画素部のFDをリセットして基準電位とする際に、n行目の画素部のFDの電位を固定する方法が提案されている。
一方、上述した3トランジスタの固体撮像素子においては、排出および信号読出しのリセットの際に発生するリセットkTCノイズがキャンセルできないため問題となる。この問題に対して特許文献2においては、フィードバックリセットを行い、リセットkTCノイズを低減することが開示されている。
しかしながら、特許文献2には残像の抑制とリセットkTCノイズの低減を両立する構成については記載されていない。
本発明は、上記の事情に鑑み、隣接する画素行間に形成される容量カップリングの影響による残像を十分に抑制することができ、かつリセットkTCノイズが低減された適切な画像信号を取得することができる固体撮像素子およびその固体撮像素子を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像素子は、入射光の光量に応じた信号電荷を発生する光電変換部と、光電変換部において発生した信号電荷を蓄積する蓄積部と、蓄積部に蓄積された信号電荷に応じた電圧を出力する出力回路とを含み、光電変換部と蓄電部と出力回路の入力ノードとが電気的に接続された画素部が二次元状に複数配列され、蓄積部に蓄積された信号電荷を排出し、その排出後、電荷蓄積期間経過時において蓄電部に蓄積された信号電荷を取得し、かつ信号電荷の取得後に蓄電部をリセットして蓄電部のリセットレベルを取得する電荷蓄積読出動作を行順次に行うものであり、各行の排出の前に、蓄電部から予備的な電荷の排出を行う予備排出を行い、かつn行目(nは自然数)の排出とn+1行目の予備排出とを同時に行うものであり、画素部の列毎に、蓄電部が基準電位となるようにフィードバック制御を行うフィードバック制御回路が設けられ、排出およびリセットの際にフィードバック制御を行うものであることを特徴とする。
また、上記本発明の固体撮像素子においては、リセットの際にフィードバック制御を行うようにできる。
また、画素部を、出力回路と、信号電荷およびリセットレベルが出力される信号線との間に接続された行選択回路を備えたものとし、その行選択回路を、排出の際には導通し、予備排出の際には非導通となるようにできる。
また、n行目の排出とn行目以外の行のリセットとを異なるタイミングで行うようにできる。
また、フィードバック制御回路を、基準電圧を供給する電圧源と、電圧源が接続された反転増幅器とを備えたものとできる。
また、各行について、排出後であってリセットの前に、蓄電部から予備的な電荷の排出を行う読み出し予備リセットを行うようにできる。
また、n行目のリセットとn+1行目の読み出し予備リセットとを同時に行うようにできる。
また、行選択回路を、リセットの際には導通させ、読み出し予備リセットの際には非導通とさせることができる。
また、n行目の読み出し予備リセットの前に信号電荷を取得し、n+1行目の上記リセットの後にn行目のリセットレベルを取得するものとできる。
また、n+1行目の排出およびリセットの際に、n行目の蓄積部を電気的に浮いたフローティング状態にすることができる。
また、予備排出を行うためのパルス信号を出力する予備排出用シフトレジスタと、排出を行うためのパルス信号を出力する排出用シフトレジスタと、信号電荷の取得および読み出し予備リセットを行うためのパルス信号を出力する信号レベル取得・読み出し予備排出用シフトレジスタと、上記リセットを行うためのパルス信号を出力する読み出しリセット用シフトレジスタと、リセットレベルの取得を行うためのパルス信号を出力するリセットレベル取得用シフトレジスタとを設けることができる。
また、信号電荷およびリセットレベルが出力される各信号線に対して、それぞれ少なくとも3つの相関二重サンプリング処理回路を設けることができる。
また、画素部を、画素単位で区画された第1の電極と光電変換部を挟んで画素電極に対向して設けられた第2の電極とを備えたものとし、第2の電極を、全ての画素部について共通の電極とすることができる。
また、光電変換部を、有機光電変換膜を含むものとできる。
また、有機光電変換膜を、全ての画素部について共通なものとできる。
また、光電変換部からの信号電荷を正孔とすることができる。
また、光電変換部からの信号電荷を電子とすることができる。
また、蓄電部に保護回路を設けることができる。
本発明の撮像装置は、上記本発明の固体撮像素子を備えたことを特徴とするものである。
本発明の固体撮像素子および撮像装置によれば、各行の画素部の蓄電部の排出の前に、蓄電部から予備的な電荷の排出を行う予備排出を行い、かつn行目の排出とn+1行目の予備排出とを同時に行うようにしたので、図21で説明したようにn行目とn+1行目との間の容量カップリングが比較的大きい場合においても、n行目のFDの電位に対するn+1行目の予備排出の影響を小さくすることができ、適切な画像信号を取得することができる。なお、その理由については、後で詳述する。
また、排出およびリセットレベルを取得するためのリセットの際、画素部の列毎に設けたフィードバック制御回路を用いて蓄電部が基準電位となるようにフィードバック制御を行うようにしたので、リセットkTCノイズを低減してS/Nの高い画像信号を取得することができる。
すなわち、本発明の固体撮像素子および撮像装置は、隣接画素間の容量カップリングの影響の抑制と、リセットkTCノイズの低減との両方を実現できるものである。
本発明の固体撮像素子の第1および第2実施形態を構成する画素部を示す図 本発明の固体撮像素子の第1および第2実施形態の断面模式図 本発明の固体撮像素子の第1の実施形態の全体構成を示す図 本発明の固体撮像素子の第1の実施形態における予備排出、排出および電荷信号の読み出しのタイミングの一例を示す図 予備排出、排出および読み出しの際におけるリセットパルスRS(n−1)〜RS(n+1)および選択パルスRW(n−1)〜RW(n+1)を示す図 n行目の予備排出と同時にn−1行目の排出を行う際における各画素部のリセットトランジスタと選択トランジスタの状態を示す図 n行目の排出と同時にn+1行目の予備排出を行う際における各画素部のリセットトランジスタと選択トランジスタの状態を示す図 n行目の信号レベルを取得する際における各画素部のリセットトランジスタと選択トランジスタの状態を示す図 n行目の読み出しリセットを行う際における各画素部のリセットトランジスタと選択トランジスタの状態を示す図 本発明の固体撮像素子の第1の実施形態における残像の影響を説明するための図 本発明の固体撮像素子の第2の実施形態におけるn−1行目とn行目とn+1行目の予備排出、排出、読み出し予備リセットおよび読み出しリセットのタイミングの一例を示す図 本発明の固体撮像素子の第2の実施形態におけるn−1行目〜n+1行目の予備排出、排出、読み出し予備リセットおよび読み出しリセットの際のリセットパルスRS(n−1)〜RS(n+1)および選択パルスRW(n−1)〜RW(n+1)の一例を示す図 本発明の固体撮像素子の第2の実施形態の全体構成を示す図 n−1行目の読み出しリセットと同時にn行目の読み出し予備リセットを行う際における各画素部のリセットトランジスタと選択トランジスタの状態を示す図 n行目の読み出しリセットと同時にn+1行目の読み出し予備リセットを行う際における各画素部のリセットトランジスタと選択トランジスタの状態を示す図 n+1行目の読み出しリセットを行う際における各画素部のリセットトランジスタと選択トランジスタの状態を示す図 本発明の固体撮像素子の第2の実施形態における出力トランジスタのVthのバラツキの影響を説明するための図 画素部の読出し回路を鏡像関係でレイアウトした場合における蓄電部FDの位置関係を示す図 図18に示す蓄電部FDの位置関係の場合に、予備排出を行うことなく排出のみを行った場合の蓄電部FDの電位変化を示す図 第1および第2の実施形態の画素部の蓄電部FDに保護回路を設けた構成を示す図 従来の固体撮像素子の画素部の構成と容量カップリングとを示す図 従来の固体撮像素子の排出および電荷信号の読み出しを説明するためのタイミングチャート 従来の固体撮像素子における容量カップリングの影響を説明するための図 従来の固体撮像素子における容量カップリングによる偽信号の影響を説明するための図 従来の固体撮像素子における容量カップリングによる残像の影響を説明するための図
以下、図面を参照して本発明の固体撮像素子の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の固体撮像素子を構成する画素部を示す図である。本実施形態の固体撮像素子は、図1に示す画素部10を2次元状に多数配列したものである。
画素部10は、図1に示すように、光電変換部11と、フローティングディフュージョンFD(蓄積部に相当する)(以下、単にFDという)と、出力トランジスタ12(出力回路に相当する)と、リセットトランジスタ13と、選択トランジスタ14(選択回路に相当する)とを備えている。そして、出力トランジスタ12、リセットトランジスタ13および選択トランジスタ14は、それぞれnチャネルのMOSトランジスタで構成されている。なお、画素部10のサイズは5μm以下であることが望ましい。
光電変換部11は、画素電極104(第1の電極に相当する)と、画素電極104に対向して設けられた対向電極108(第2の電極に相当する)と、画素電極104と対向電極108との間に設けられた光電変換層107とを備えている。
画素電極104は、画素部10毎に区分された薄膜電極であり、たとえばITO、アルミニウム、窒化チタン、銅、タングステンなどのような透明または不透明な導電性材料から形成されるものである。画素電極104は、光電変換層107において発生した電荷を画素部10毎に捕集するものである。
対向電極108は、画素電極104との間で光電変換層107に電圧を印加し、光電変換層107に電界を生じさせるための電極である。対向電極108は、光電変換層107よりも光の入射面側に設けられており、対向電極108を透過して光電変換層107に光を入射させる必要があるため、入射光に対して透明なITOなどの導電性材料から形成される。なお、本実施形態における対向電極108は、全ての画素部10で共通の1枚の電極から構成されるものであるが、画素部10毎に分割する構成としてもよい。
光電変換層107は、入射光を吸収し、その吸収した光量に応じた電荷を発生する有機光電変換膜または無機光電変換膜を含むものである。なお、光電変換層107と対向電極108との間、または光電変換層107と画素電極104との間に、電極から光電変換層107へ電荷が注入されるのを抑制する電荷ブロッキング層などの機能層を設けるようにしてもよい。
本実施形態の画素部10においては、光電変換層107で発生した電荷のうち正孔が画素電極104に移動し、電子が対向電極108に移動するように、対向電極108に対してバイアス電圧が印加される。光電変換層107が十分に高い感度を発現するように、バイアス電圧としては、読出し回路の電源電圧Vdd(図1において出力トランジスタ12のドレインに供給されている電圧、たとえば3V)よりも高い電圧(5〜20V程度、たとえば10V)を用いることが望ましい。
FDは、画素電極104と電気的につながったn形不純物領域からなるものである。画素電極104に捕集された正孔の量に応じてFDの電位が変化するため、FDは電荷蓄積部として機能する。
出力トランジスタ12は、FDに蓄積された電荷信号を電圧信号に変換して信号線SLに出力するものである。出力トランジスタ12のゲート端子はFDに電気的に接続され、ドレイン端子は固体撮像素子の電源電圧Vddが接続されている。また、出力トランジスタ12のソース端子は選択トランジスタ14のドレイン端子に接続されている。本実施形態における画素部10は、FDと光電変換部11の画素電極104と出力トランジスタ12のゲート端子とが電気的に直接接続された、いわゆる3トランジスタ構成の回路である。
リセットトランジスタ13は、FDの電位を基準電位にリセットするものである。リセットトランジスタ13のドレイン端子にはFDが電気的に接続され、ソース端子にはリセットドレイン線RLが接続されている。リセットドレイン線RLは、画素部10の列毎に設けられるものであり、各列に属する複数の画素部10によって共用されるものである。また、各リセットドレイン線RLの一端にはフィードバック制御回路16が接続されている。
フィードバック制御回路16は、画素部10の列毎に設けられるものであり、反転増幅器16aと、基準電圧Vrefを供給する電圧源16bとを備えている。反転増幅器16aの反転入力端子(−)に信号線SLが接続され、非反転入力端子(+)に電圧源16bが接続され、出力端子にリセットドレイン線RLが接続されている。
リセットトランジスタ13のゲート端子に印加されるリセットパルスRSがハイレベルになると、リセットトランジスタ13がオンし、リセットトランジスタ13のソースからドレインに電子が注入される。そして、この電子の注入によってFDの電位が降下してFDの電位が基準電位にリセットされることになるが、このとき選択トランジスタ14がオンしている場合には、FDの電位が、出力トランジスタ12、選択トランジスタ14および信号線SLを介してフィードバック制御回路16に入力される。
そして、FDの現在の電位と電圧源16bから供給される基準電圧Vrefに基づいて、フィードバック制御回路16によってFDの電位がフィードバック制御される。このとき、出力トランジスタ12のゲインを1、出力トランジスタの閾値電圧をVthとすると、信号線SLの電位はVref、リセットドレイン線RLおよびFDの電位はVref+VthとなってFDの電位が一定の基準電位に維持される。このようにFDの電位をフィードバック制御することによって、リセットトランジスタ13のリセットkTCノイズを低減することができる。
選択トランジスタ14は、そのソース端子が信号線SLに接続されるものであり、各画素部10の出力トランジスタ12から出力される信号を列ごとに設けられた信号線SLに選択的に出力するためのものである。選択トランジスタ14のゲート端子に印加される選択パルスRWがハイレベルになると、選択トランジスタ14はオンし、これにより各画素部10の出力トランジスタ12から出力された信号が信号線SLに出力される。
図2は、図1に示した画素部10を2次元状に多数配列した固体撮像素子100の断面模式図である。なお、以下の説明では、図1に示した画素部10と同じ構成については同じ名称と符号を付している。
固体撮像素子100は、図2に示すように、基板101と、絶縁層102と、接続電極103と、画素電極104と、接続部105と、接続部106と、光電変換層107と、対向電極108と、封止層110と、カラーフィルタ111と、遮光層113と、保護層114と、対向電極電圧供給部115と、読出し回路116とを備えている。
基板101は、ガラス基板またはSi等の半導体基板である。基板101上には絶縁層102が形成されている。絶縁層102の表面には複数の画素電極104と1つ以上の接続電極103が形成されている。
光電変換層107は、上述したように受光した光に応じて電荷を発生するものである。光電変換層107は、複数の画素電極104を覆うように設けられている。光電変換層107は、画素電極104の上では一定の膜厚となっているが、画素部以外(有効画素領域外)では膜厚が変化していても問題ない。
対向電極108は、画素電極104と対向する電極であり、光電変換層107を覆うように設けられている。対向電極108は、光電変換層107よりも外側に配置された接続電極103の上にまで形成されており、接続電極103と電気的に接続されている。
接続部106は、絶縁層102に埋設されており、接続電極103と対向電極電圧供給部115とを電気的に接続するためのプラグなどである。対向電極電圧供給部115は、基板101に形成され、接続部106および接続電極103を介して対向電極108に所定の電圧を印加するものである。なお、対向電圧供給部115は、基板101に形成された構成ではなく、直接外部の電源とつながった構成としても良い。
読出し回路116は、図1に示したFDと、出力トランジスタ12と、リセットトランジスタ13と、選択トランジスタ14とを備え、絶縁層102中の金属配線(図示せず)で配線されたものである。読出し回路116は、複数の画素電極104の各々に対応して基板101に設けられており、対応する画素電極104で捕集された電荷に応じた信号を読出すものである。なお、読出し回路116は、絶縁層102内に配置された図示しない遮光層によって遮光されている。
封止層110は、対向電極108を覆うように設けられている。封止層110は光電変換層107が大気中の水や酸素によって劣化するのを防ぐために設けられており、単一層ではなく、複数の無機材料膜の積層などによって形成されていても良い。たとえば、原子層堆積法(ALCVD法)によって形成されたAlO膜と化学気相成膜法(CVD法)によって形成されたSiO膜の積層膜でも良い。
カラーフィルタ111は、封止層110上の各画素電極104と対向する位置に形成されている。遮光層113は、封止層110上のカラーフィルタ111を設けた領域以外に形成されており、有効画素領域以外に形成された光電変換層107に光が入射するのを防止するものである。カラーフィルタ111としては、たとえばベイヤー配列のカラーフィルタを用いることができるが、これに限らず、補色型のカラーフィルタやその他の公知なカラーフィルタを用いることができる。
保護層114は、カラーフィルタ111および遮光層113上に形成されており、固体撮像素子全体を保護するものである。
図3は、図2に示した固体撮像素子100の周辺回路を含む全体構成を示す図である。図3に示すように、本実施形態の固体撮像素子100は、垂直ドライバ121と、制御部122と、信号処理回路123と、水平ドライバ124と、LVDS125と、シリアル変換部126と、パッド127とを備えている。図3に示す画素領域は、図2に示した固体撮像素子100の画素部10が配列された領域を表している。
画素領域には、各画素部10の出力トランジスタ12から信号が出力される信号線SLと、上述したリセットドレイン線RLとが画素部10の列毎に設けられている。そして、上述したようにフィードバック制御回路16が、画素部10の列毎に設けられている。
制御部122は、タイミングジェネレータなどを備えたものであり、フレーム同期信号VDや行同期信号HDを出力するとともに、垂直ドライバ121や水平ドライバ124の動作を制御することによって画素部10における電荷信号の読出しなどを制御するものである。
垂直ドライバ121は、制御部122から出力されたフレーム同期信号VDおよび行同期信号HDに基づいて、読出し回路116に対してリセットパルスRSや選択パルスRWを出力し、読出し回路116の動作を制御するものである。特に、本実施形態の垂直ドライバ121は、いわゆる従来から行われているFDにおける蓄積電荷の排出の前に、FDの予備排出を行うとともに、n行目の排出と同時にn+1行目の予備排出を行うように読出し回路116を制御するものである。FDの予備排出については、後で詳述する。
信号処理回路123は、読出し回路116の各列に対応して設けられるものである。信号処理回路123は、対応する列から出力された信号に対し、相関二重サンプリング(CDS)処理を行ない、処理後の信号をデジタル信号に変換するADC回路を備えたものである。信号処理回路123で処理後の信号は、列毎に設けられたメモリに記憶される。
水平ドライバ124は、信号処理回路123のメモリに記憶された画素部10の1行分の信号を順次読出してLVDS125に出力する制御を行なうものである。
LVDS125は、LVDS(low voltage differential signaling)に従ってデジタル信号を伝送する。シリアル変換部126は、入力されるパラレルのデジタル信号をシリアルに変換して出力するものである。パッド127は、外部との入出力に用いるインターフェースである。
次に、本実施形態の固体撮像素子100の動作について説明する。
本実施形態の固体撮像素子100においては、画素部10の各行についてそれぞれ予備排出、排出、読み出し動作が順次行われる。また、画素部10の行毎の予備排出、排出および読み出し動作が、画素部10の列方向に順次走査されて行われる。なお、ここでいう読み出し動作には、排出後、電荷蓄積期間経過時においてFDに蓄積された信号電荷の取得と、その信号電荷の取得後にFDをリセットした際のリセットレベルの取得との両方が含まれるものとする。
図4は、本実施形態の固体撮像素子100のn−1行目(nは2以上の自然数)とn行目とn+1行目における予備排出、排出および読み出しのタイミングの一例を示すものである。また、図5は、n−1行目〜n+1行目までの予備排出、排出および読み出しの際におけるリセットパルスRS(n−1)〜RS(n+1)および選択パルスRW(n−1)〜RW(n+1)を示すものである。
図4に示すように、本実施形態の固体撮像素子100においては、n−1行目、n行目およびn+1行目に対して、予備排出、排出および読み出しを行順次で行う。また、このときn−1行目の画素部10の排出と同時にn行目の画素部10の予備排出を行い、n行目の画素部10の排出と同時にn+1行目の画素部10の予備排出を行う。以下、具体的な動作について、図6〜図9も参照しながら説明する。
まず、n行目の予備排出と同時にn−1行目の排出が行われる。n−1行目の排出の際には、垂直ドライバ121からn−1行目の画素部10に対して、排出のためのリセットパルスRS(n−1)が出力される。そして、図6に示すように、このリセットパルスRS(n−1)によって画素部10のリセットトランジスタ13がオンされ、FDの電位がリセットされて排出が行われる。このとき、垂直ドライバ121から選択パルスRW(n−1)が出力され、n−1行目の画素部10の選択トランジスタ14がオンされる。これにより、n−1行目の画素部10に対してフィードバックループが完成し、n−1行目の画素部10の出力トランジスタの閾値をVth(n−1)とすると、信号線SLの電位がVref、リセットドレイン線RLの電位がVref+Vth(n−1)、FDの電位がVref+Vth(n−1)となる。
一方、n行目の予備排出に注目すると、垂直ドライバ121からn行目の画素部10に対して、予備排出のための予備リセットパルスRS(n)が出力される。そして、図6に示すように、この予備リセットパルスRS(n)によって画素部10のリセットトランジスタ13がオンされ、FDの電位がリセットされて予備排出が行われる。ただし、この際にはn−1行目の画素部10に対してフィードバックループが成立しているため、n行目の画素部10に対してフィードバックループを成立させることはできない。このため、垂直ドライバ121から選択パルスRW(n)は出力されず、選択トランジスタ14はオンされない。したがって、n行目の画素部10のFDの電位は、リセットドレイン線RLの電位であるVref+Vth(n−1)にリセットされる。
ここで、n行目の予備排出の際にはn行目の画素部10のFDの電位が大きく変化する。しかしながら、n−1行目の画素部10ではリセットトランジスタ13がオンされているため、n−1行目の画素部10のFDの電位は固定されている。したがって、n−1行目の画素部10のFDはn行目の画素部10のFDの電位変化の影響を受けず、隣接画素間カップリングによる偽信号が発生しない。
次に、n行目の予備排出の後、n行目の排出の際には、垂直ドライバ121からn行目の画素部10に対して、排出のための排出リセットパルスRS(n)が出力される。そして、図7に示すように、この排出リセットパルスRS(n)によって画素部10のリセットトランジスタ13がオンされ、再びFDの電位が基準電位にリセットされて排出が行われる。そして、このとき、垂直ドライバ121から選択パルスRW(n)も出力され、これにより選択トランジスタ14がオンされてn行目の画素部10のFDの電位に対してフィードバック制御が行われる。この結果、n行目の画素部10のFDの電位はVref+Vth(n)にリセットされる。
そして、上述したn行目の排出と同時に、n+1行目の予備排出が行われる。n行目の予備排出の場合と同様に、n+1行目においても予備排出の際にはn+1行目のFDの電位のフィードバック制御は行われない。そして、n+1行目の画素部10のFDの電位はVref+Vth(n)にリセットされる。
このn+1行目の予備排出の際にもn+1行目の画素部10のFDの電位が大きく変化するが、n行目の画素部10ではリセットトランジスタ13がオンされているため、n牛御目の画素部10のFDの電位は固定されている。したがって、隣接画素間カップリングによる偽信号が発生しない。
次に、上述したn行目の画素部10の排出が行われた後、所定の電荷蓄積期間が経過した際に、垂直ドライバ121からn行目の画素部10に対して選択パルスRW(n)が出力される。そして、図8に示すように、この選択パルスRW(n)によって選択トランジスタ14がオンし、これによりFDに蓄積された信号電荷が出力トランジスタ12によって電圧信号に変換されて信号レベルとして信号線SLに出力される。
次に、垂直ドライバ121からn行目の画素部10に対して、リセットレベルを取得するための読み出しリセットパルスRS(n)が出力される。そして、図9に示すように、この読み出しリセットパルスRS(n)によって画素部10のリセットトランジスタ13がオンされ、再びn行目のFDの電位がフィードバック制御され、n行目の画素部10のFDの電位がVref+Vth(n)にリセットされる。その後、読み出しリセットパルスRS(n)がオフとなり、これによりリセットトランジスタ13がオフされてリセットが完了した直後の信号がリセットレベルとして信号線SLに出力される。
そして、信号処理回路123において信号レベルとリセットレベルとの差分が算出され、この差分を画像信号として用いる。
本実施形態では、予備排出の際にはn行目のFDの電位はVref+Vth(n−1)にリセットされる。一方、排出および読み出しの際にはn行目のFDの電位はVref+Vth(n)にリセットされる。すなわち、予備排出の際のFDの電位が、排出および読み出しの際のFDの電位とは異なる。しかし、予備排出した後のFDの電位は、その後の排出によって再度リセットされることから、この電位が異なっていても実用上問題はない。一方、排出および読み出しの際のFDの電位はフィードバック制御された同一の電位になっており、リセットkTCノイズが抑圧されている。したがって、本実施形態によれば、固定パターンノイズ、リセットkTCノイズとも少ない画像の取得が可能となる。
なお、このフィードバック制御によりkTCノイズをより効果的に抑制するため、図5に示すように、排出リセットパルスRSと読み出しリセットパルスRSをオフする際、そのパルス信号が徐々に立ち下がる(オフ状態となる)テーパーリセットを行うようにしてもよい。
上記説明では、n行目の画素部の動作を中心に説明したが、その他の行についても、上記と同様である。なお、上記第1の実施形態の固体撮像素子100は、所定の行において排出を行っている際にはフィードバック制御回路16によるフィードバックループが形成されるため、その他の行はフィードバック制御回路16に接続されない。すなわち、フィードバック制御が行われるn行目の排出とn行目以外の行の読み出しのリセットとは異なるタイミングで行われることになる。
次に、上記第1の実施形態の固体撮像素子における残像の抑制効果について、図10を参照しながら説明する。なお、ここでは残像の抑制効果の説明のため、各行の排出と読み出しとの間の新たな信号電荷の蓄積はないものとし、隣接画素間のカップリング率をa%として説明する。また、ここではn行目を中心として説明する。
まず、n行目の排出後のFDの電位は、n行目の排出におけるフィードバック制御によりVref+Vth(n)となる。
一方、n+1行目の排出直前のn+1行目のFDの電位は、n行目の排出後の電位となるのでVref−Vth(n)となる。そして、この電位の状態においてn+1行目の排出が行われると、排出後のn+1行目のFDの電位はフィードバック制御によりVref+Vth(n+1)になる。すなわち、n+1行目の排出の前後でFDの電位差は、
Vref+Vth(n)−{Vref+Vth(n+1)}=Vth(n)−Vth(n+1)
となる。
ここで、n行目の排出後のFDの電位は、上述したようにVref+Vth(n)となっているが、このときn行目のFDは電気的にフローティング状態であるので、n+1行目の排出による隣接画素間のカップリングの影響によって上述した電位差×カップリング率a%だけ影響を受けることになる。したがって、n+1行目の排出後のn行目のFDの電位は、
Vref+Vth(n)+{Vth(n)−Vth(n+1)}×a%
となる。
続いて、n行目の読み出しが行われ、上式のFDの電位に相当する信号が付加されて読み出されることになるが、上式の項には出力トランジスタ12の閾値電圧Vthとフィードバック制御回路16の基準電圧Vrefしか含まれていない。すなわち、読み出される信号には残像の影響による信号は付加されないので、残像の影響を受けることはない。
なお、ここではn行目の読み出し信号に対する残像の抑制効果について説明したが、n−1行目、n+1行目についても同様である。
また、本実施形態の固体撮像素子においては、図10に示すように、n+1行目の予備排出時にはn行目では排出が行われているので、n行目の電荷信号はn+1行目の予備排出の影響を受けず、n+1行目の予備排出完了時のn行目のFDの電位を基準電位Vref+Vth(n)とすることができる。また、n行目の予備排出時にはn−1行目では排出が行われているので、n−1行目の電荷信号はn行目の予備排出の影響を受けることがなく、n行目の予備排出完了時のn−1行目のFDの電位を基準電位Vref+Vth(n−1)にすることができる。すなわち、このような予備排出により、排出前の各行の電位を一定にすることができるため、隣接画素カップリングによって重畳される信号は、隣接画素に蓄積していた信号電荷量によらず一定である。
したがって、隣接画素間カップリングがある場合にも、残像だけでなく偽信号の発生も防止することができる。
本発明は、カップリング率が高くなるほど効果が大きく、特に、画素部10のサイズを5μm以下とした場合には、カップリング率が無視できないほど大きくなるので、本発明の効果が顕著である。
すなわち、上記実施形態の固体撮像素子100によれば、隣接画素間の容量カップリングの影響の抑制と、リセットkTCノイズの低減との両方を実現することができる。
また、上述したように固体撮像素子に対してベイヤー配列などのカラーフィルタを設けた場合でも、画素部の列によって緑フィルタが設けられた画素部の感度が異なるようなことがないので、適切なカラーバランスの画像信号を取得することができる。
次に、本発明の固体撮像素子の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態の固体撮像素子においては、上述したように残像の抑制効果を得ることができるが、一方で、各行の排出時における隣接画素間のカップリングの影響によって出力トランジスタ12の閾値電圧Vthに依存する信号が読み出し信号に付加されることになる。下表は、各行における読み出しにおいて取得される信号レベルとリセットレベルとこれらの差である画像信号とを示したものである。
上表に示すように最終的に取得される画像信号には、隣接する画素部10の出力トランジスタ12のVthの差分にカップリング率を積算した信号が付加されることになる。したがって、出力トランジスタ12のVthにバラツキが少なければ特に問題はないが、出力トランジスタ12のVthのバラツキが大きい場合や、カップリング率が高い場合には、Vthのバラツキに起因する画像信号のノイズが問題となる。たとえば、画素サイズが小さくなることによって、カップリング率が高くなった場合や出力トランジスタ12が微細化してVthのバラツキが大きくなった場合に問題となる。
第2の実施形態の固体撮像素子は、上述したような出力トランジスタ12のVthのバラツキに起因するノイズをキャンセルすることができるように構成されたものである。
具体的には、第2の実施形態の固体撮像素子は、上記第1の実施形態の固体撮像素子における各行の排出後、読み出しのリセットの前に、読み出し予備リセットをさらに行うようにしたものである。なお、本実施形態においては、読み出しの際のリセットを読み出しリセットという。
図11は、第2の実施形態の固体撮像素子のn−1行目とn行目とn+1行目とにおける予備排出、排出、読み出し予備リセットおよび読み出しリセットのタイミングの一例を示すものである。また、図12は、n−1行目〜n+1行目までの予備排出、排出、読み出し予備リセットおよび読み出しリセットの際におけるリセットパルスRS(n−1)〜RS(n+1)および選択パルスRW(n−1)〜RW(n+1)の一例を示すものである。なお、図11および図12においては、上段の左から右に向かって時間が進行し、その後、下段の左から右に向かって時間が進行しているものとする。
図11に示すように、第2の実施形態の固体撮像素子においては、n−1行目、n行目およびn+1行目に対して、予備排出、排出、読み出し予備リセットおよび読み出しリセットを行順次で行う。また、このとき第1の実施形態と同様に、n−1行目の排出と同時にn行目の予備排出を行い、n行目の排出と同時にn+1行目の予備排出を行う。そして、さらにn−1行目の読み出しリセットと同時にn行目の読み出し予備リセットを行い、n行目の読み出しリセットと同時にn+1行目の読み出し予備リセットを行う。
また、図11に示すように、n行の読み出し予備リセットの直前にn行目の信号レベルを取得し、n+1行目の読み出しリセットの直後にn行目のリセットレベルを取得する。図11においては各行における信号レベルの取得のタイミングを丸印で表し、リセットレベルの取得のタイミングをバツ印で表している。n−1行およびn+1行についても、n行目と同様のタイミングで信号レベルとリセットレベルが取得される。
図13は、第2の実施形態の固体撮像素子の周辺回路を含む全体構成を示す図である。なお、第2の実施形態の固体撮像素子は、画素部10の構成などは第1の実施形態の固体撮像素子と同様であり、以下、第1の実施形態の固体撮像素子と異なる点を中心に説明する。
第2の実施形態の固体撮像素子は、上述した各行における予備排出、排出、信号レベル取得、読み出し予備リセット、読み出しリセットおよびリセットレベル取得の各駆動に対応するリセットパルスおよび選択パルスを出力するための5つのシフトレジスタが設けられている。
具体的には、予備排出用シフトレジスタ121a、排出用シフトレジスタ121b、信号レベル取得・読み出し予備リセット用シフトレジスタ121c、読み出しリセット用シフトレジスタ121dおよびリセットレベル取得用シフトレジスタ121eを備えている。これらの5つのシフトレジスタは、制御部122におけるTG(タイミングジェネレータ)122aから出力された制御信号に基づいて、各行に対して予め設定されたタイミングでリセットパルスまたは選択パルスを出力するものである。
なお、信号レベル取得と読み出し予備リセットは、同じ行選択期間内において同じ行で行われるものであるので、これらに関しては1つのシフトレジスタからのパルス信号によって行うことができるが、これら以外の予備排出、排出、読み出しリセットおよびリセットレベル取得は、同じ行選択期間内においてそれぞれ異なる行で行われるため、各動作に対してそれぞれシフトレジスタが必要となる。
また、第2の実施形態の固体撮像素子の信号処理回路123は、各信号線SLに対して第1、第2および第3のCDS回路123a,123b,123cの3つのCDS回路(相関二重サンプリング処理回路)を備えている。このCDS回路は相関二重サンプリング処理を行うものである。
第2の実施形態の固体撮像素子においては、図11および図12に示すように、たとえばn−1行目の信号レベルを取得してからn−1行目のリセットレベルを取得するまでの間に、n行目の信号レベルとn+1行目の信号レベルを取得する必要があるので、3行の信号レベルを保持しておく必要がある。したがって、上述したように各信号線SLに対して第1、第2および第3のCDS回路123a,123b,123cをそれぞれ設けている。なお、CDS回路は、3つに限らず、各信号線SLに対して3つ以上のCDS回路を設けるようにしてもよい。
第1、第2および第3のCDS回路123a,123b,123cは、各行の信号レベル取得のタイミングで順次切り替えられる。たとえば、n−1行目の信号レベル取得時には第1のCDS回路123aによって信号レベルが取得され、n行目の信号レベル取得時には第2のCDS回路123bによって信号レベルが取得され、n+1行目の信号レベル取得時には第3のCDS回路123cによって信号レベルが取得される。そして、第1のCDS回路123aから第3のCDS回路123cまでの切り替えが3行の信号レベルの取得毎に順次繰り返される。
次に、第2の実施形態の固体撮像素子の詳細な動作について、図12および図14〜図16を参照しながら説明する。なお、各行の予備排出および排出の動作については、第1の実施形態の固体撮像素子と同様であるのでここでは説明を省略し、各行の排出以降の動作について説明する。また、ここではn行目の動作に注目して説明する。
まず、n行目について排出が終わった後、所定の電荷蓄積期間の経過時点において、n行目の信号レベルの取得が行われる。n行目の信号レベルの取得の際には、信号レベル取得・読み出し予備リセット用シフトレジスタ121cからn行目に対して選択パルスRW(n)が出力される。そして、この選択パルスRW(n)によって画素部10の選択トランジスタ14がオンし、これによりFDに蓄積された信号電荷が出力トランジスタ12によって電圧信号に変換されて信号レベルとして信号線SLに出力される。
次に、n−1行目の読み出しリセットと同時にn行目の読み出し予備リセットが行われる。n−1行目の読み出しリセットの際には、読み出しリセット用シフトレジスタ121dからn−1行目に対して、読み出しリセットのためのリセットパルスRS(n−1)が出力される。そして、図14に示すように、このリセットパルスRS(n−1)によってn−1行目のリセットトランジスタ13がオンされ、FDの電位がリセットされて排出が行われる。このとき選択パルスRW(n−1)も出力され、n−1行目の選択トランジスタ14がオンされる。これにより、n−1行目の画素部10に対してフィードバックループが完成し、FDの電位がVref+Vth(n−1)にリセットされる。
なお、図12に示すように、読み出しリセットの際には、リセットパルスRS(n−1)よりも後に選択パルスRW(n−1)が立ち下がる。すなわち、リセットトランジスタ13よりも後に選択トランジスタ14をオフするようにしている。これは選択トランジスタ14が先にオフすると、フィードバックループが成立しなくなってFDのリセットレベルが変動してしまう可能性があるからである。
一方、n行目の読み出し予備リセットに注目すると、読み出し予備リセット用シフトレジスタ121cからn行目に対して、読み出し予備リセットのための読み出し予備リセットパルスRS(n)が出力される。そして、図14に示すように、この読み出し予備リセットパルスRS(n)によってn行目のリセットトランジスタ13がオンされ、FDの電位がリセットされて読み出し予備リセットが行われる。ただし、この際にはn−1行目の画素部10に対してフィードバックループが成立しているため、選択パルスRW(n)は出力されず、選択トランジスタ14はオンされない。したがって、n行目の画素部10のFDの電位は、リセットドレイン線RLの電位であるVref+Vth(n−1)にリセットされる。
次に、n+1行目の読み出し予備リセットと同時にn行目の読み出しリセットが行われる。n行目の読み出しリセットの際には、上述したn−1行目の読み出しリセットと同様に、図15に示すように、n行目のリセットトランジスタ13と選択トランジスタ14がオンされる。これにより、n行目の画素部10に対してフィードバックループが完成し、FDの電位がVref+Vth(n)にリセットされる。
一方、n+1行目の読み出し予備リセットの際には、上述したn行目の読み出し予備リセットと同様に、n+1行目のリセットトランジスタがオンされ、選択トランジスタ14はオンされない。
ここで、n+1行目の読み出し予備リセットの際にはn+1行目の画素部10のFDの電位が変化する。しかしながら、n行目の画素部10ではリセットトランジスタ13がオンされているため、n行目の画素部10のFDの電位は固定されている。したがって、n行目の画素部10のFDはn+1行目の画素部10のFDの電位変化の影響を受けることはない。
次に、n行目のリセットレベルが取得されるが、このリセットレベルの取得は、n+1行目の読み出しリセットの後に行われる。このようなタイミングでリセットレベルを取得するのは、n行目の信号レベルからリセットレベルを減算して画像信号を取得した場合に、出力トランジスタ12のVthのバラツキの影響をゼロにするためであるが、詳細は後で説明する。
n+1行目の読み出しリセットの際には、上述したn−1行目およびn行目の読み出しリセットと同様に、図16に示すように、n+1行目のリセットトランジスタ13と選択トランジスタ14がオンされる。これにより、n+1行目に対してフィードバックループが完成し、FDの電位がVref+Vth(n+1)にリセットされる。
そして、n+1行目の読み出しリセットの後、リセットレベルの取得の際には、リセットレベル取得用シフトレジスタ121eから選択パルスRW(n)が出力され、これによりn行目の選択トランジスタ14のみがオンされる。これによりn行目の画素部10のFDの電位がリセットレベルとして信号線SLに出力される。
そして、信号処理回路123のCDS回路において信号レベルとリセットレベルとの差分が算出され、この差分が画像信号として取得される。
次に、上述したようにn−1行目〜n+1行目の画素部10を動作させた場合における出力トランジスタ12のVthのバラツキの抑制効果について、図17を参照しながら説明する。なお、ここではVthのバラツキの抑制効果の説明のため、各行の排出と読み出しの間の新たな信号電荷の蓄積はないものとし、隣接画素間のカップリング率をa%として説明する。また、ここではn行目を中心として説明する。
まず、n行目の排出後のFDの電位は、第1の実施形態で説明したように、n+1行目の排出によるn+1行目のFDの電位変化の影響により、
Vref+Vth(n)+{Vth(n)−Vth(n+1)}×a%
となる。
そして、n行目の排出後、所定の電荷蓄積期間の経過時点においてn行目の信号レベルが取得されるが、ここでは信号電荷の蓄積はないものと仮定しているので、上記のn行目の排出後のFDの電位に相当する信号が信号レベルとして取得される。
n行目の信号レベルの取得後、n行目の読み出し予備リセットが行われるが、このときn−1行目の読み出しリセットも同時に行われるので、読み出し予備リセット後のn行目のFDの電位は、図14に示すようにVref+Vth(n−1)となる。
次に、n行目の読み出しリセットが行われ、n行目のFDの電位は、図15に示すようにVref+Vth(n)となる。そして、n行目の読み出しリセットの後であってn行目のリセットレベルの取得の前に、n+1行目の読み出しリセットが行われる。n+1行目の読み出しリセットの直前のFDの電位は、図15に示すようにn行目の読み出しリセットのフィードバック制御によりVref+Vth(n)となっている。一方、n+1行目の読み出しリセットの直後のFDの電位は、図16に示すようにVref+Vth(n+1)となる。
そして、n+1行目の読み出しリセットが行われる際、n行目のFDは電気的にフローティング状態であるので、n行目のFDの電位は、n+1行目の読み出しリセットによる隣接画素間のカップリングの影響によって、n+1行目の読み出しリセットの前後の電位差×カップリング率a%だけ影響を受けることになる。したがって、n+1行目の読み出しリセット後のn行目のFDの電位は、図16に示すように、
Vref+Vth(n)+{Vref+Vth(n)−{Vref+Vth(n+1)}×a%=Vref+Vth(n)+{Vth(n)−Vth(n+1)}×a%
となる。
そして、n+1行目の読み出しリセット後、上式のFDの電位に相当する信号がリセットレベルとして読み出され、信号レベルからリセットレベルが減算されて画像信号が取得されるが、本実施形態によれば、図17に示すように信号レベルとリセットレベルともに、
Vref+Vth(n)+{Vth(n)−Vth(n+1)}×a%
となるので、画像信号としてはゼロが取得されることになる。
下表は、各行おいて取得される信号レベルとリセットレベルとこれらの差である画像信号とを示したものである。
上表に示すように、全ての行の画像信号をゼロとすることができる。
本実施形態によれば、n行目の読み出し予備リセットの前に信号レベルを取得しておき、n行目の読み出しリセットと同時にn+1行目の読み出し予備リセットを行うことによってn+1行目のFDの電位をVref+Vth(n)にし、その後、n+1行目の読み出しリセットによってFDの電位をVref+Vth(n+1)にした後に、n行目のリセットレベルを取得するようにしたので、信号レベルとリセットレベルとを同じ大きさにすることができ、すなわち、画像信号に対する出力トランジスタ12のVthのバラツキの影響をキャンセルすることができる。
また、上記第1および第2の実施形態の固体撮像素子100においては、各画素部10の読出し回路を画素部列方向について周期性を有するパターンでレイアウトするようにしてもよい。
たとえば、画素部の読出し回路を鏡像関係でレイアウトした場合、読出し回路は列方向について2行周期のパターンでレイアウトされることになり、隣接する画素間のカップリング容量も2行周期になる。
すなわち、図18に示す模式図のように、たとえばn行目(奇数行)とn+1行目(偶数行)の画素部10間の容量カップリングが相対的に大きくなり、n+1行目(偶数行)とn+2行目(奇数行)の画素部10間の容量カップリングが相対的に小さくなる。また、n+2行目(奇数行)とn+3行目(偶数行)の画素部10間の容量カップリングが相対的に大きくなる。
このような構成において、上述した予備排出を行うことなく、従来のように排出のみを行う場合のFDの電位変化を示したのが図19である。全ての画素に均一な光が入射する条件で撮像を行った場合の駆動とFD電位の時間変化を示している。図19で実線は容量カップリングが全くない場合の理想的な電位変化を示し、点線が実際の電位変化を示している。図18に示す容量カップリングの大きさに従って、図19に示すように、n+1行目の排出がn行目の画素部10,20のFDの電位に及ぼす影響とn+3行目の排出がn+2行目の画素部10,20のFDの電位に及ぼす影響は大きいが、n+2行目の排出がn+1行目の画素部10,20のFDの電位に及ぼす影響は小さいことになる。この結果、偶数行であるn+1行目およびn+3行目は容量カップリングがない場合とほぼ等しい出力が得られるのに対し、奇数行であるn行目およびn+2行目は容量カップリングがない場合とは大きく異なる出力になる。すなわち、n行目〜n+3行目までの画素部10,20に対して均一な光が入射したとしても、奇数行の画素部10,20と偶数行の画素部10,20とで読み出される電荷信号の大きさが異なり、読み出された画像上に1行おきの横筋が発生してしまう。
これに対し、上記実施形態の固体撮像素子において説明したようなタイミングで予備排出を行うようにすれば、上述した容量カップリングの影響を抑制することができるので、横筋の発生を防止することができる。
また、画素部10の読出し回路は、2行周期に限らず、たとえば3行周期や4行周期のパターンでレイアウトするようにしてもよい。要するに、列方向に隣接する画素間に形成される容量カップリングが、列方向について周期的に変化するようなパターンであれば如何なる周期構造でレイアウトしてもよく、このようにレイアウトされた場合、本発明の効果が顕著となる。
また、上記第1および第2の実施形態の固体撮像素子100においては、リセットトランジスタ13、出力トランジスタ12および選択トランジスタ14をnチャネルMOSトランジスタから構成し、画素電極104によって正孔を捕集するようにしたが、これに限らず、リセットトランジスタ13、出力トランジスタ12および選択トランジスタ14をpチャネルMOSトランジスタから構成するようにし、画素電極104で電子を捕集し、その電子の量に応じた電荷信号を、pチャネルMOSトランジスタで構成された信号読出し回路116で読み出すようにしてもよい。
上記第1および第2の実施形態のように画素電極104で正孔を捕集し、これをnチャネルMOSトランジスタで構成された信号読出し回路116で読み出す構成としたり、もしくは上述したように画素電極104で電子を捕集し、これをpチャネルMOSトランジスタで構成された信号読出し回路116で読み出す構成とした場合、画素電極によって電子を捕集し、これをnチャネルMOSトランジスタで構成された信号読出し回路によって読み出す構成とした場合と比較すると、FDの電圧振幅が大きい。このため、予備排出を行わない場合の排出時のFDの電位変化が大きいため、容量カップリングが隣接画素のFDの信号電荷に与える影響も大きいので、上述した予備排出の効果をより顕著に得ることができる。
ただし、このような構成の場合、FDの電位が上昇し過ぎて回路が破壊される可能性があるため、第1および第2の実施形態の画素部10のFDに対して、図20に示すように保護回路17を設けた構成としても良い。読出し回路116の構成部品が多くなるため、カップリング率が大きくなるが、本実施形態によればカップリング率による画質の低下を抑制できるので問題ない。
また、上述した実施形態の固体撮像素子は、種々の撮像装置に用いることができる。撮像装置としては、たとえばデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子内視鏡、カメラ付携帯電話などがある。
10 画素部
11 光電変換部
12 出力トランジスタ
13 リセットトランジスタ
14 選択トランジスタ
16 フィードバック制御回路
16a 反転増幅器
16b 電圧源
17 保護回路
104 画素電極
107 光電変換層
108 対向電極
116 読出し回路
121 垂直ドライバ
121a 予備排出用シフトレジスタ
121b 排出用シフトレジスタ
121c 信号レベル取得・読み出し予備リセット用シフトレジスタ
121d 読み出しリセット用シフトレジスタ
121e リセットレベル取得用シフトレジスタ
122 制御部
123 信号処理回路
123a 第1のCDS回路
123b 第2のCDS回路
123c 第3のCDS回路

Claims (19)

  1. 入射光の光量に応じた信号電荷を発生する光電変換部と、該光電変換部において発生した信号電荷を蓄積する蓄積部と、該蓄積部に蓄積された信号電荷に応じた電圧を出力する出力回路とを含み、前記光電変換部と前記蓄電部と前記出力回路の入力ノードとが電気的に接続された画素部が二次元状に複数配列され、
    前記蓄積部に蓄積された信号電荷を排出し、該排出後、電荷蓄積期間経過時において前記蓄電部に蓄積された信号電荷を取得し、かつ該信号電荷の取得後に前記蓄電部をリセットして該蓄電部のリセットレベルを取得する電荷蓄積読出動作を行順次に行うものであり、
    各行の前記排出の前に、前記蓄電部から予備的な電荷の排出を行う予備排出を行い、かつn行目(nは自然数)の前記排出とn+1行目の前記予備排出とを同時に行うものであり、
    前記画素部の列毎に、前記蓄電部が基準電位となるようにフィードバック制御を行うフィードバック制御回路が設けられ、前記排出の際に前記フィードバック制御を行うものであることを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記リセットの際に前記フィードバック制御を行うものである請求項1記載の固体撮像素子。
  3. 前記画素部が、前記出力回路と、前記信号電荷およびリセットレベルが出力される信号線との間に接続された行選択回路を備えたものであり、
    該行選択回路が、前記排出の際には導通し、前記予備排出の際には非導通となるものである請求項1または2記載の固体撮像素子。
  4. 前記n行目の前記排出と前記n行目以外の行の前記リセットとが異なるタイミングで行われるものである請求項1から3いずれか1項記載の固体撮像素子。
  5. 前記フィードバック制御回路が、基準電圧を供給する電圧源と、該電圧源が接続された反転増幅器とを備えたものである請求項1から4いずれか1項記載の固体撮像素子。
  6. 各行について、前記排出後であって前記リセットの前に、前記蓄電部から予備的な電荷の排出を行う読み出し予備リセットを行うものである請求項1から5いずれか1項記載の固体撮像素子。
  7. n行目の前記リセットとn+1行目の前記読み出し予備リセットとを同時に行うものである請求項6記載の固体撮像素子。
  8. 前記画素部が、前記出力回路と、前記信号電荷およびリセットレベルが出力される信号線との間に接続された行選択回路を備えたものであり、
    該行選択回路が、前記リセットの際には導通し、前記読み出し予備リセットの際には非導通となるものである請求項6または7記載の固体撮像素子。
  9. n行目の前記読み出し予備リセットの前に前記信号電荷を取得し、n+1行目の前記リセットの後にn行目の前記リセットレベルを取得するものである請求項6から8いずれか1項記載の固体撮像素子。
  10. n+1行目の前記排出および前記リセットの際に、n行目の前記蓄積部が電気的に浮いたフローティング状態である請求項6から9いずれか1項記載の固体撮像素子。
  11. 前記予備排出を行うためのパルス信号を出力する予備排出用シフトレジスタと、
    前記排出を行うためのパルス信号を出力する排出用シフトレジスタと、
    前記信号電荷の取得および前記読み出し予備リセットを行うためのパルス信号を出力する信号レベル取得・読み出し予備排出用シフトレジスタと、
    前記リセットを行うためのパルス信号を出力する読み出しリセット用シフトレジスタと、
    前記リセットレベルの取得をためのパルス信号を出力するリセットレベル取得用シフトレジスタとを備えた請求項6から10いずれか1項記載の固体撮像素子。
  12. 前記信号電荷およびリセットレベルが出力される各信号線に対して、それぞれ少なくとも3つの相関二重サンプリング処理回路が設けられている請求項6から11いずれか1項記載の固体撮像素子。
  13. 前記画素部が、画素単位で区画された第1の電極と前記光電変換部を挟んで前記画素電極に対向して設けられた第2の電極とを備え、
    前記第2の電極が、全ての前記画素部について共通の電極であることを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載の固体撮像素子。
  14. 前記光電変換部が、有機光電変換膜を含むものであることを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載の固体撮像素子。
  15. 前記有機光電変換膜が、全ての前記画素部について共通なものあることを特徴とする請求項14記載の固体撮像素子。
  16. 前記光電変換部からの信号電荷が正孔であることを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載の固体撮像素子。
  17. 前記光電変換部からの信号電荷が電子であることを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載の固体撮像素子。
  18. 前記蓄電部に保護回路が設けられていることを特徴とする請求項1から17いずれか1項記載の固体撮像素子。
  19. 請求項1から18いずれか1項記載の固体撮像素子を備えたことを特徴とする撮像装置。
JP2013117891A 2013-06-04 2013-06-04 固体撮像素子および撮像装置 Active JP6134979B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013117891A JP6134979B2 (ja) 2013-06-04 2013-06-04 固体撮像素子および撮像装置
PCT/JP2014/002873 WO2014196176A1 (ja) 2013-06-04 2014-05-30 固体撮像素子および撮像装置
KR1020157035513A KR101760200B1 (ko) 2013-06-04 2014-05-30 고체 촬상 소자 및 촬상 장치
TW103119302A TWI611696B (zh) 2013-06-04 2014-06-04 固體攝像元件及攝像裝置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013117891A JP6134979B2 (ja) 2013-06-04 2013-06-04 固体撮像素子および撮像装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014236422A true JP2014236422A (ja) 2014-12-15
JP2014236422A5 JP2014236422A5 (ja) 2016-01-21
JP6134979B2 JP6134979B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=52007833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013117891A Active JP6134979B2 (ja) 2013-06-04 2013-06-04 固体撮像素子および撮像装置

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6134979B2 (ja)
KR (1) KR101760200B1 (ja)
TW (1) TWI611696B (ja)
WO (1) WO2014196176A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105744183A (zh) * 2014-12-26 2016-07-06 松下知识产权经营株式会社 摄像装置
JP2016127593A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 撮像装置
US10484630B2 (en) 2016-11-28 2019-11-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Image sensor including feedback device to reduce noise during reset operation

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10324213B2 (en) * 2016-08-30 2019-06-18 Intel Corporation Capacitive proximity sensing

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147302A1 (ja) * 2011-04-28 2012-11-01 パナソニック株式会社 固体撮像装置及びそれを用いたカメラシステム
JP2013090219A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Sony Corp 撮像装置および撮像表示システム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5471515A (en) * 1994-01-28 1995-11-28 California Institute Of Technology Active pixel sensor with intra-pixel charge transfer
US5461425A (en) * 1994-02-15 1995-10-24 Stanford University CMOS image sensor with pixel level A/D conversion
US5631704A (en) * 1994-10-14 1997-05-20 Lucent Technologies, Inc. Active pixel sensor and imaging system having differential mode
US5892540A (en) * 1996-06-13 1999-04-06 Rockwell International Corporation Low noise amplifier for passive pixel CMOS imager
US6222175B1 (en) * 1998-03-10 2001-04-24 Photobit Corporation Charge-domain analog readout for an image sensor
US6493030B1 (en) * 1998-04-08 2002-12-10 Pictos Technologies, Inc. Low-noise active pixel sensor for imaging arrays with global reset
JP4444371B1 (ja) 2009-09-01 2010-03-31 富士フイルム株式会社 撮像素子及び撮像装置
JP5714982B2 (ja) * 2011-02-01 2015-05-07 浜松ホトニクス株式会社 固体撮像素子の制御方法
WO2012137445A1 (ja) 2011-04-08 2012-10-11 パナソニック株式会社 固体撮像装置の駆動方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147302A1 (ja) * 2011-04-28 2012-11-01 パナソニック株式会社 固体撮像装置及びそれを用いたカメラシステム
JP2013090219A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Sony Corp 撮像装置および撮像表示システム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105744183A (zh) * 2014-12-26 2016-07-06 松下知识产权经营株式会社 摄像装置
JP2016127593A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 撮像装置
US10141364B2 (en) 2014-12-26 2018-11-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including unit pixel cell
US10672827B2 (en) 2014-12-26 2020-06-02 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including unit pixel cell
US11482558B2 (en) 2014-12-26 2022-10-25 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including unit pixel cell
US10484630B2 (en) 2016-11-28 2019-11-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Image sensor including feedback device to reduce noise during reset operation

Also Published As

Publication number Publication date
TW201507475A (zh) 2015-02-16
WO2014196176A1 (ja) 2014-12-11
KR101760200B1 (ko) 2017-07-20
JP6134979B2 (ja) 2017-05-31
TWI611696B (zh) 2018-01-11
KR20160008632A (ko) 2016-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10567691B2 (en) Solid-state imaging device, method for driving solid-state imaging device, and electronic apparatus
JP6776011B2 (ja) 撮像装置及び撮像システム
US8816266B2 (en) Solid-state imaging device, method for driving solid-state imaging device, and electronic apparatus
JP6727938B2 (ja) 撮像装置、撮像装置の制御方法、及び撮像システム
JP5516960B2 (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および、電子機器
US9924106B2 (en) Image pickup apparatus and image pickup system with increased saturation charge quantity of pixels
WO2013140872A1 (ja) 固体撮像装置及び電子機器
US10645327B2 (en) Solid-state imaging device, method for driving solid-state imaging device, and electronic apparatus
JP6351423B2 (ja) 撮像装置及び撮像システム
JP2014078870A (ja) 固体撮像素子および撮像装置
WO2011083541A1 (ja) 固体撮像装置および撮像装置
JP6134979B2 (ja) 固体撮像素子および撮像装置
KR101732301B1 (ko) 고체 촬상 소자 및 촬상 장치
US9807329B2 (en) Imaging device and imaging system
JP2007129473A (ja) 固体撮像装置及び撮像システム
WO2011105018A1 (ja) 固体撮像装置及びカメラシステム
JP7160129B2 (ja) 撮像素子および撮像装置
JP2013197697A (ja) 固体撮像装置及び電子機器
JP7198675B2 (ja) 固体撮像素子、その駆動回路および撮像装置
JP2015076722A (ja) 固体撮像素子および撮像装置
JP5945463B2 (ja) 固体撮像装置
JP2011188530A (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151130

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6134979

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250