JP2014235947A - 燃料電池スタック用搭載構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単且つコンパクトな構成で、外部荷重に対して流体マニホールドの損傷を良好に抑制することを可能にする。
【解決手段】搭載構造11は、燃料電池スタック10を車両フレームに搭載する。燃料電池スタック10は、複数の発電セル20が積層される積層体22の積層方向両側に、エンドプレート28a、28bを配設する。エンドプレート28aには、冷却媒体供給マニホールド66aが設けられる。冷却媒体供給マニホールド66aと第1車両フレーム14LU1及び第2車両フレーム14LU2とは、ピン部材18a、18bにより連結される。
【選択図】図2
【解決手段】搭載構造11は、燃料電池スタック10を車両フレームに搭載する。燃料電池スタック10は、複数の発電セル20が積層される積層体22の積層方向両側に、エンドプレート28a、28bを配設する。エンドプレート28aには、冷却媒体供給マニホールド66aが設けられる。冷却媒体供給マニホールド66aと第1車両フレーム14LU1及び第2車両フレーム14LU2とは、ピン部材18a、18bにより連結される。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の燃料電池が積層される積層体の積層方向両側に、エンドプレートが配設される燃料電池スタックを、車両フレームに搭載するための燃料電池スタック用搭載構造に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の一方側にアノード電極が、前記電解質膜の他方側にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータによって挟持されることにより、発電セルが構成されている。この燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして、燃料電池電気自動車に搭載されている。
車載用燃料電池スタックでは、例えば、車両前方のエンジンコンパートメント(モータルーム)内において、モータを下方に配置し、前記モータの鉛直上方に燃料電池及びPCUを配置する構成が採用されている。その際、車両の衝突時に、燃料電池のためのクラッシュブルゾーンを確保することを可能にするために、例えば、特許文献1の燃料電池が知られている。
この燃料電池では、エンジンコンパートメント内には、モータと、前記モータの上方に配置されて前記モータに電力を供給する燃料電池とが配置されている。そして、燃料電池を支持する支持部であって、前記燃料電池を車両の高さ方向に回転可能に支持する支持部が設けられている。
このため、車両が衝突した際の衝撃により、燃料電池を前記車両の高さ方向に回転させることができ、前記燃料電池の水平方向への移動を抑制することが可能になる。従って、燃料電池全体の車両長さ方向の長さを短くすることができ、衝突の際に、エンジンコンパートメントにおけるクラッシャブルゾーンを広げることができる、としている。
しかしながら、上記の燃料電池では、前記燃料電池を回転可能に支持する支持部が設けられており、構成が複雑化するとともに、コストが高騰するという問題がある。しかも、燃料電池では、通常、反応ガスや冷却媒体を流通させる流体マニホールドが、例えば、エンドプレートに設けられている。流体マニホールドは、樹脂部材で構成される場合が多く、車両の衝突時に破損し易いという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単且つコンパクトな構成で、外部荷重に対して流体マニホールドの損傷を良好に抑制することが可能な燃料電池スタック用搭載構造を提供することを目的とする。
本発明は、燃料電池スタックを、車両フレームに搭載するための燃料電池スタック用搭載構造に関するものである。燃料電池スタックは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を備え、複数の前記燃料電池が積層される積層体の積層方向両側には、エンドプレートが配設されている。
エンドプレートには、燃料電池スタック内に供給される燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体の少なくとも1つの流体が流通される流体マニホールドが設けられている。そして、流体マニホールドと車両フレームとは、ピン部材により連結されている。
また、この搭載構造では、車両フレームには、流体マニホールドに係合するピン部材が一体に設けられることが好ましい。
さらに、この搭載構造では、ピン部材は、外周部に切り欠き部を設けることにより破断用小径部を有することが好ましい。
さらにまた、この搭載構造では、燃料電池は、立位姿勢で水平方向に積層され、一方のエンドプレートの上面及び下面には、流体マニホールドである第1上側流体マニホールド及び第1下側流体マニホールドを設けられることが好ましい。他方のエンドプレートの上面及び下面には、流体マニホールドである第2上側流体マニホールド及び第2下側流体マニホールドを設けられることが好ましい。
本発明によれば、燃料電池スタックに外部荷重が付与されると、流体マニホールドと車両フレームとを連結するピン部材が破断される。このため、流体マニホールドが損傷することがなく、流体の漏れ等を防止することができる。従って、簡単且つコンパクトな構成で、外部荷重に対して流体マニホールドの損傷を良好に抑制することが可能になる。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の搭載構造11は、例えば、燃料電池電気自動車(燃料電池車両)12のフロントボックス(所謂、モータルーム)12fに設定される。
フロントボックス12fには、図1〜図3に示すように、車幅方向(矢印B方向)の一方(矢印BR方向)に、車長方向(矢印A方向)に延在して第1車両フレーム14RU1及び14RD1が上下に平行に設けられる。第1車両フレーム14RU1及び14RD1の車長方向後方には、前記第1車両フレーム14RU1及び14RD1と直線上に延在する第2車両フレーム14RU2及び14RD2が設けられる。
図2示すように、第1車両フレーム14RU1と第2車両フレーム14RU2とは、それぞれ互いに対向する端面に、互いに近接する方向にピン部材16aとピン部材16bとが一体に膨出形成される。ピン部材16aと16bとは、同軸となるように配置されることが好ましい。第1車両フレーム14RD1と第2車両フレーム14RD2とは、それぞれ互いに対向する端面に、互いに近接する方向にピン部材16cとピン部材16dとが一体に膨出形成される。ピン部材16cと16dとは、同軸となるように配置されることが好ましい。ピン部材16a〜16dは、小径に設定され、後述する外部荷重が付与される際に、流体マニホールドとの連結部分から容易に破断するように設定される。
フロントボックス12fには、図1〜図3に示すように、車幅方向(矢印B方向)の他方(矢印BL方向)に、車長方向(矢印A方向)に延在して第1車両フレーム14LU1及び14LD1が上下に平行に設けられる。第1車両フレーム14LU1及び14LD1の車長方向後方には、前記第1車両フレーム14LU1及び14LD1と直線上に延在する第2車両フレーム14LU2及び14LD2が設けられる。
図2示すように、第1車両フレーム14LU1と第2車両フレーム14LU2とは、それぞれ互いに対向する端面に、互いに近接する方向にピン部材18aとピン部材18bとが一体に膨出形成される。ピン部材18aと18bとは、同軸となるように配置されることが好ましい。第1車両フレーム14LD1と第2車両フレーム14LD2とは、それぞれ互いに対向する端面に、互いに近接する方向にピン部材18cとピン部材18dとが一体に膨出形成される。ピン部材18cと18dとは、同軸となるように配置されることが好ましい。
図3及び図4に示すように、燃料電池スタック10は、複数の発電セル20が水平方向(矢印B方向)に積層された積層体22を備える。積層体22の積層方向一端(矢印BL方向)には、ターミナルプレート24a、インシュレータ(絶縁プレート)26a及びエンドプレート28aが積層方向外方に向かって、順次、配設される)。積層体22の積層方向他端(矢印BR方向)には、ターミナルプレート24b、インシュレータ(絶縁プレート)26b及びエンドプレート28bが積層方向外方に向かって、順次、配設される。
エンドプレート28a、28bは、横長(縦長でもよい)の長方形状を有するとともに、各対向する辺の間には、連結バー30が配置される。各辺に設けられる連結バー30は、それぞれの両端をエンドプレート28a、28bの内面にボルト32を介して固定され、複数の積層された発電セル20に積層方向(矢印B方向)の締め付け荷重を付与する。なお、燃料電池スタック10では、エンドプレート28a、28bを端板とする筐体を備え、前記筐体内に積層体22を収容するように構成してもよい。
発電セル20は、図5及び図6に示すように、電解質膜・電極構造体34が、第1セパレータ36及び第2セパレータ38に挟持される。第1セパレータ36及び第2セパレータ38は、例えば、カーボンセパレータにより構成される。なお、第1セパレータ36及び第2セパレータ38は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属薄板を波形にプレス成形して構成される金属セパレータを採用してもよい。
発電セル20の矢印A方向(図6中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印B方向に互いに連通して、酸化剤ガス供給連通孔40a及び燃料ガス排出連通孔42bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。酸化剤ガス供給連通孔40aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する一方、燃料ガス排出連通孔42bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。
発電セル20の矢印A方向の他端縁部には、矢印B方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔42a、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔40bが、矢印C方向に配列して設けられる。
発電セル20の矢印C方向の上端縁部には、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔44aが設けられる。発電セル20の矢印C方向の下端縁部には、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔44bが設けられる。
第1セパレータ36の電解質膜・電極構造体34に向かう面36aには、酸化剤ガス供給連通孔40aと酸化剤ガス排出連通孔40bとに連通して矢印A方向に延在する酸化剤ガス流路46が設けられる。第2セパレータ38の電解質膜・電極構造体34に向かう面38aには、燃料ガス供給連通孔42aと燃料ガス排出連通孔42bとに連通して矢印A方向に延在する燃料ガス流路48が設けられる。
互いに隣接する発電セル20を構成する第1セパレータ36の面36bと、第2セパレータ38の面38bとの間には、冷却媒体供給連通孔44aと冷却媒体排出連通孔44bとを連通して矢印C方向に延在する冷却媒体流路50が設けられる。
第1セパレータ36と第2セパレータ38とには、第1シール部材52と第2シール部材54とが、一体的又は個別に設けられる。第1シール部材52及び第2シール部材54としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が使用される。
電解質膜・電極構造体34は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜56と、前記固体高分子電解質膜56を挟持するカソード電極58及びアノード電極60とを備える。
固体高分子電解質膜56は、カソード電極58及びアノード電極60よりも大きな平面寸法を有している。なお、電解質膜・電極構造体34は、カソード電極58とアノード電極60とが互いに異なる平面寸法に設定される段差MEAを構成してもよい。
カソード電極58及びアノード電極60は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜56の両面に形成されている。
図4に示すように、ターミナルプレート24a、24bの略中央には、積層方向外方に延在する端子部62a、62bが設けられる。端子部62a、62bは、インシュレータ26a、26b及びエンドプレート28a、28bを貫通して外部に突出する。
インシュレータ26a、26bは、絶縁性材料、例えば、ポリカーボネート(PC)やフェノール樹脂等で形成される。図5に示すように、インシュレータ26a、26bの中央部には、積層体22側の端部が開口される凹部63a、63bが形成される。凹部63a、63bには、ターミナルプレート24a、24bが収容される。
図4に示すように、エンドプレート28aの上部には、インシュレータ26aに形成された冷却媒体供給連通孔44aに連通する一対の(又は1つの)冷却媒体入口流路64aが形成される。冷却媒体入口流路64aは、開口断面略L字状に屈曲形成される。冷却媒体入口流路64aの水平部分は、エンドプレート28aの垂直面に対して上部側の位置で開口するとともに、冷却媒体供給連通孔44aに対向して連通する。冷却媒体入口流路64aの鉛直部分は、エンドプレート28aの上面(上部側面)28auに開口する。
エンドプレート28aの下部には、インシュレータ26aに形成された冷却媒体排出連通孔44bに連通する一対の(又は1つの)冷却媒体出口流路64bが形成される。冷却媒体出口流路64bは、開口断面略L字状に屈曲形成される。冷却媒体出口流路64bの水平部分は、エンドプレート28aの垂直面に対して下部側の位置で開口するとともに、冷却媒体排出連通孔44bに対向して連通する。冷却媒体出口流路64bの鉛直部分は、エンドプレート28aの下面(下部側面)28adに開口する。
エンドプレート28aの上面28auには、冷却媒体供給マニホールド(第1上側流体マニホールド)66aが装着され、前記エンドプレート28aとボルト、接着又は一体成形等により一体に結合される。エンドプレート28aの下面28adには、冷却媒体排出マニホールド(第1下側流体マニホールド)66bが装着され、前記エンドプレート28aとボルト、接着又は一体成形等により一体に結合される。冷却媒体供給マニホールド66a及び冷却媒体排出マニホールド66bは、例えば、樹脂部材により構成される。
冷却媒体供給マニホールド66aは、一対の冷却媒体入口流路64aに連通するとともに、冷却媒体供給管68aに接続される。図2及び図3に示すように、冷却媒体供給マニホールド66aは、第1車両フレーム14LU1と第2車両フレーム14LU2との間に配設される。冷却媒体供給マニホールド66aの長手方向両端には、第1車両フレーム14LU1のピン部材18aと第2車両フレーム14LU2のピン部材18bとが嵌合する溝部70a、70aが形成される。各溝部70aは、少なくとも上面28au側が開放されることが好ましい(図4参照)。
図4に示すように、冷却媒体排出マニホールド66bは、一対(又は1つ)の冷却媒体出口流路64bに連通するとともに、冷却媒体排出管68bに接続される。図2及び図3に示すように、冷却媒体排出マニホールド66bは、第1車両フレーム14LD1と第2車両フレーム14LD2との間に配設される。冷却媒体排出マニホールド66bの長手方向両端には、第1車両フレーム14LD1のピン部材18cと第2車両フレーム14LD2のピン部材18dとが嵌合する溝部70b、70bが形成される。各溝部70bは、少なくとも下面28ad側が開放されることが好ましい(図4参照)。エンドプレート28aは、第1車両フレーム14LD1及び第2車両フレーム14LD2に載置される(図2及び図3参照)。
図4に示すように、エンドプレート28bの上部には、インシュレータ26bに形成された酸化剤ガス供給連通孔40aに連通する酸化剤ガス入口流路72aと、燃料ガス供給連通孔42aに連通する燃料ガス入口流路74aとが形成される。酸化剤ガス入口流路72aは、開口断面略L字状に屈曲形成される。酸化剤ガス入口流路72aの水平部分は、エンドプレート28bの垂直面に対して上部側の位置で開口するとともに、酸化剤ガス供給連通孔40aに対向して連通する。酸化剤ガス入口流路72aの他端部は、エンドプレート28bの上面(上部側面)28buに開口する。
燃料ガス入口流路74aは、開口断面略L字状に屈曲形成される。燃料ガス入口流路74aの水平部分は、エンドプレート28bの垂直面に対して上部側の位置で開口するとともに、燃料ガス供給連通孔42aに対向して連通する。燃料ガス入口流路74aの他端部は、エンドプレート28bの上面(上部側面)28buに開口する。
エンドプレート28bの下部には、インシュレータ26bに形成された酸化剤ガス排出連通孔40bに連通する酸化剤ガス出口流路72bと、燃料ガス排出連通孔42bに連通する燃料ガス出口流路74bとが形成される。酸化剤ガス出口流路72bは、開口断面略L字状に屈曲形成される。酸化剤ガス出口流路72bの水平部分は、エンドプレート28bの垂直面に対して下部側の位置で開口するとともに、酸化剤ガス排出連通孔40bに対向して連通する。酸化剤ガス出口流路72bの他端部は、エンドプレート28bの下面(下部側面)28bdに開口する。
燃料ガス出口流路74bは、開口断面略L字状に屈曲形成される。燃料ガス出口流路74bの水平部分は、エンドプレート28bの垂直面に対して下部側の位置で開口するとともに、燃料ガス排出連通孔42bに対向して連通する。燃料ガス出口流路74bの他端部は、エンドプレート28bの下面(下部側面)28bdに開口する。
エンドプレート28bの上面28buには、第2上側流体マニホールドである酸化剤ガス供給マニホールド76a及び燃料ガス供給マニホールド78aが一体に又は個別の部品を一体化して装着される。酸化剤ガス供給マニホールド76a及び燃料ガス供給マニホールド78aとエンドプレート28bとは、ボルト、接着又は一体成形等により一体に結合される。エンドプレート28bの下面28bdには、第2下側流体マニホールドである酸化剤ガス排出マニホールド76b及び燃料ガス排出マニホールド78bが一体に又は個別の部品を一体化して装着される。酸化剤ガス排出マニホールド76b及び燃料ガス排出マニホールド78bとエンドプレート28bとは、ボルト、接着又は一体成形等により一体に結合される。
酸化剤ガス供給マニホールド76a、燃料ガス供給マニホールド78a、酸化剤ガス排出マニホールド76b及び燃料ガス排出マニホールド78bは、例えば、樹脂部材により構成される。
酸化剤ガス供給マニホールド76aは、酸化剤ガス入口流路72aに連通するとともに、酸化剤ガス供給管80aに接続される。燃料ガス供給マニホールド78aは、燃料ガス入口流路74aに連通するとともに、燃料ガス供給管82aに接続される。
図2及び図3に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド76a及び燃料ガス供給マニホールド78aは、第1車両フレーム14RU1と第2車両フレーム14RU2との間に配設される。酸化剤ガス供給マニホールド76aの長手方向一端(開放側端部)及び燃料ガス供給マニホールド78aの長手方向一端(開放側端部)には、第1車両フレーム14RU1のピン部材16aと第2車両フレーム14RU2のピン部材16bとが嵌合する溝部84a、84aが形成される。各溝部84aは、少なくとも上面28bu側が開放されることが好ましい(図4参照)。
図4に示すように、酸化剤ガス排出マニホールド76bは、酸化剤ガス出口流路72bに連通するとともに、酸化剤ガス排出管80bに接続される。燃料ガス排出マニホールド78bは、燃料ガス出口流路74bに連通するとともに、燃料ガス排出管82bに接続される。
図2及び図3に示すように、酸化剤ガス排出マニホールド76b及び燃料ガス排出マニホールド78bは、第1車両フレーム14RD1と第2車両フレーム14RD2との間に配設される。酸化剤ガス排出マニホールド76bの長手方向一端(開放側端部)及び燃料ガス排出マニホールド78bの長手方向一端(開放側端部)には、第1車両フレーム14RD1のピン部材16cと第2車両フレーム14RD2のピン部材16dとが嵌合する溝部84b、84bが形成される。各溝部84bは、少なくとも下面28bd側が開放されることが好ましい(図4参照)。エンドプレート28bは、第1車両フレーム14RD1及び第2車両フレーム14RD2に載置される(図2及び図3参照)。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図3及び図4に示すように、酸素含有ガス等の酸化剤ガスは、エンドプレート28bの酸化剤ガス供給管80aから酸化剤ガス供給マニホールド76aに導入された後、酸化剤ガス供給連通孔40aに供給される。水素含有ガス等の燃料ガスは、エンドプレート28bの燃料ガス供給管82aから燃料ガス供給マニホールド78aに導入された後、燃料ガス供給連通孔42aに供給される。純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体は、エンドプレート28aの冷却媒体供給管68aから冷却媒体供給マニホールド66aに導入された後、冷却媒体供給連通孔44aに供給される。
図6に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔40aから第1セパレータ36の酸化剤ガス流路46に導入される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路46に沿って水平方向(矢印A方向)に流動しながら、電解質膜・電極構造体34を構成するカソード電極58に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔42aから第2セパレータ38の燃料ガス流路48に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路48に沿って水平方向(矢印A方向)に流動しながら、電解質膜・電極構造体34を構成するアノード電極60に供給される。
従って、電解質膜・電極構造体34では、カソード電極58に供給される酸化剤ガスと、アノード電極60に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード電極58に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔40bに沿って矢印B方向に排出される。一方、アノード電極60に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔42bに沿って矢印B方向に排出される。
また、冷却媒体供給連通孔44aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ36及び第2セパレータ38間の冷却媒体流路50に導入された後、矢印C方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体34を冷却した後、冷却媒体排出連通孔44bから排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2に示すように、冷却媒体供給マニホールド66aは、溝部70a、70aにピン部材18a、18bが嵌合されて第1車両フレーム14LU1と第2車両フレーム14LU2との間に保持されている。冷却媒体排出マニホールド66bは、溝部70b、70bにピン部材18c、18dが嵌合されて第1車両フレーム14LD1と第2車両フレーム14LD2との間に保持されている。
一方、酸化剤ガス供給マニホールド76a及び燃料ガス供給マニホールド78aは、溝部84a、84aにピン部材16a、16bが嵌合されて第1車両フレーム14RU1と第2車両フレーム14RU2との間に保持されている。燃料ガス排出マニホールド78b及び酸化剤ガス排出マニホールド76bは、溝部84b、84bにピン部材16c、16dが嵌合されて第1車両フレーム14RD1と第2車両フレーム14RD2との間に保持されている。
ここで、図1に示すように、燃料電池電気自動車12の前方側部から矢印BL方向に外部荷重Fが付与されると、燃料電池スタック10に前記外部荷重Fが作用する。
その際、冷却媒体供給マニホールド66aを支持するピン部材18a、18bが破断され、前記冷却媒体供給マニホールド66aは、第1車両フレーム14LU1及び第2車両フレーム14LU2から分離される。同様に、冷却媒体排出マニホールド66bを支持するピン部材18c、18dが破断され、前記冷却媒体排出マニホールド66bは、第1車両フレーム14LD1及び第2車両フレーム14LD2から分離される。
従って、冷却媒体供給マニホールド66a及び冷却媒体排出マニホールド66bは、外部荷重Fにより大きな衝撃を受けることがなく、良好に保護することができる。これにより、冷却媒体供給マニホールド66a及び冷却媒体排出マニホールド66bが損傷し、冷却媒体が漏れ出ることを可及的に阻止することが可能になる。
一方、酸化剤ガス供給マニホールド76a及び燃料ガス供給マニホールド78aは、ピン部材16a、16bが破断されて第1車両フレーム14RU1及び第2車両フレーム14RU2から分離される。同様に、燃料ガス排出マニホールド78b及び酸化剤ガス排出マニホールド76bは、ピン部材16c、16dが破断されて第1車両フレーム14RD1及び第2車両フレーム14RD2から分離される。
このため、酸化剤ガス供給マニホールド76a及び酸化剤ガス排出マニホールド76bは、外部荷重Fにより大きな衝撃を受けることがなく、良好に保護することができる。従って、酸化剤ガス供給マニホールド76a及び酸化剤ガス排出マニホールド76bが損傷し、酸化剤ガスが漏れ出ることを可及的に阻止することが可能になる。
また、燃料ガス供給マニホールド78a及び燃料ガス排出マニホールド78bは、外部荷重Fにより大きな衝撃を受けることがなく、良好に保護することができる。これにより、燃料ガス供給マニホールド78a及び燃料ガス排出マニホールド78bが損傷し、燃料ガスが漏れ出ることを可及的に阻止することが可能になる。
このため、第1の実施形態では、簡単且つコンパクトな構成で、外部荷重Fに対して各流体マニホールドの損傷を良好に抑制することが可能になるという効果が得られる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る搭載構造100の概略構成を示す斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る搭載構造11と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
搭載構造100では、ピン部材16a〜16d及び18a〜18dに代えて、ピン部材102を採用する。ピン部材102は、外周部に切り欠き部を設けることにより破断用小径部102aを有する。
従って、第2の実施形態では、ピン部材102は、外部荷重Fの付与によって破断用小径部102aで一層容易且つ確実に破断することができる。これにより、簡単且つコンパクトな構成で、外部荷重Fに対して各流体マニホールドの損傷を可及的に抑制することが可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
10…燃料電池スタック 11、100…搭載構造
12…燃料電池電気自動車 12f…フロントボックス
14LD1、14LU1、14LD2、14LU2、14RD1、14RD2、14RU1、14RU2…車両フレーム
16a〜16d、18a〜18d、102…ピン部材
20…発電セル 22…積層体
28a、28b…エンドプレート 34…電解質膜・電極構造体
36、38…セパレータ 40a…酸化剤ガス供給連通孔
40b…酸化剤ガス排出連通孔 42a…燃料ガス供給連通孔
42b…燃料ガス排出連通孔 44a…冷却媒体供給連通孔
44b…冷却媒体排出連通孔 46…酸化剤ガス流路
48…燃料ガス流路 50…冷却媒体流路
52、54…シール部材 56…固体高分子電解質膜
58…カソード電極 60…アノード電極
64a…冷却媒体入口流路 64b…冷却媒体出口流路
66a…冷却媒体供給マニホールド 66b…冷却媒体排出マニホールド
70a、70b、84a、84b…溝部
72a…酸化剤ガス入口流路 72b…酸化剤ガス出口流路
74a…燃料ガス入口流路 74b…燃料ガス出口流路
76a…酸化剤ガス供給マニホールド 76b…酸化剤ガス排出マニホールド
78a…燃料ガス供給マニホールド 78b…燃料ガス排出マニホールド
102a…破断用小径部
12…燃料電池電気自動車 12f…フロントボックス
14LD1、14LU1、14LD2、14LU2、14RD1、14RD2、14RU1、14RU2…車両フレーム
16a〜16d、18a〜18d、102…ピン部材
20…発電セル 22…積層体
28a、28b…エンドプレート 34…電解質膜・電極構造体
36、38…セパレータ 40a…酸化剤ガス供給連通孔
40b…酸化剤ガス排出連通孔 42a…燃料ガス供給連通孔
42b…燃料ガス排出連通孔 44a…冷却媒体供給連通孔
44b…冷却媒体排出連通孔 46…酸化剤ガス流路
48…燃料ガス流路 50…冷却媒体流路
52、54…シール部材 56…固体高分子電解質膜
58…カソード電極 60…アノード電極
64a…冷却媒体入口流路 64b…冷却媒体出口流路
66a…冷却媒体供給マニホールド 66b…冷却媒体排出マニホールド
70a、70b、84a、84b…溝部
72a…酸化剤ガス入口流路 72b…酸化剤ガス出口流路
74a…燃料ガス入口流路 74b…燃料ガス出口流路
76a…酸化剤ガス供給マニホールド 76b…酸化剤ガス排出マニホールド
78a…燃料ガス供給マニホールド 78b…燃料ガス排出マニホールド
102a…破断用小径部
Claims (4)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を備え、複数の前記燃料電池が積層される積層体の積層方向両側には、エンドプレートが配設される燃料電池スタックを、車両フレームに搭載するための燃料電池スタック用搭載構造であって、
前記エンドプレートには、前記燃料電池スタック内に供給される燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体の少なくとも1つの流体が流通される流体マニホールドが設けられるとともに、
前記流体マニホールドと前記車両フレームとは、ピン部材により連結されることを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。 - 請求項1記載の搭載構造において、前記車両フレームには、前記流体マニホールドに係合する前記ピン部材が一体に設けられることを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
- 請求項1又は2記載の搭載構造において、前記ピン部材は、外周部に切り欠き部を設けることにより破断用小径部を有することを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
- 請求項1又は3のいずれか1項に記載の搭載構造において、前記燃料電池は、立位姿勢で水平方向に積層され、
一方の前記エンドプレートの上面及び下面には、前記流体マニホールドである第1上側流体マニホールド及び第1下側流体マニホールドを設けられるとともに、
他方の前記エンドプレートの上面及び下面には、前記流体マニホールドである第2上側流体マニホールド及び第2下側流体マニホールドを設けられることを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013118237A JP2014235947A (ja) | 2013-06-04 | 2013-06-04 | 燃料電池スタック用搭載構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020053141A (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック及びエンドプレート |
-
2013
- 2013-06-04 JP JP2013118237A patent/JP2014235947A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020053141A (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック及びエンドプレート |
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