JP2015000712A - 燃料電池スタック用搭載構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックを車両内の所望の設置部位に容易且つ効率的に設置させることを可能にする。【解決手段】燃料電池スタック10を搭載する搭載構造11では、燃料電池スタック10と車体フレーム12Sとの間に配置される取り付け部材13を備える。取り付け部材13は、該取り付け部材13の上面82aに沿って燃料電池スタック10を摺動させる摺動ガイド部86と、前記上面82aに沿って摺動された前記燃料電池スタック10を、前記取り付け部材13に固定する固定部92と、を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を備え、複数の前記燃料電池が積層される燃料電池スタックを、車両フレームに搭載するための燃料電池スタック用搭載構造に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の一方側にアノード電極が、前記電解質膜の他方側にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータによって挟持されることにより、発電セルが構成されている。この燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして、燃料電池電気自動車に搭載されている。
車載用燃料電池スタックでは、燃料電池スタックを車両に搭載する際に、例えば、締結構造の簡略化を図ることが望まれている。この種の技術として、例えば、特許文献1に開示されている車両搭載型燃料電池が知られている。
この車両搭載型燃料電池では、所定間隔を置いて積層配置される各燃料電池積層体の一側面には、全積層体共通の第1エンドプレートが固定されている。一方、各燃料電池積層体の他側面には、それぞれ積層体毎に第2エンドプレートが固定されている。そして、第2エンドプレートの外側には、各第2エンドプレートを積層方向へ押圧して燃料電池積層体の全長を調整する弾性部材を備えた全積層体共通のプレッシャープレートが設けられている。第1エンドプレートとプレッシャープレートの一部には、車両フレームにボルトにより固定される車両搭載部が設けられている。
特開2006−40753号公報
ところで、燃料電池スタックを搭載する車両では、例えば、フロントボックス(モータルーム)内の狭小なスペースに前記燃料電池スタックを収容する場合がある。その際、燃料電池スタックの搬入口であるモータルーム開口部が十分に開放されず、前記燃料電池スタックをフロントボックス内方の所望の設置部位に容易に搬入することができないおそれがある。従って、燃料電池スタックの搭載作業が煩雑化するとともに、効率的な搭載作業が遂行されないという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、燃料電池スタックを車両内の所望の設置部位に容易且つ効率的に設置させることが可能な燃料電池スタック用搭載構造を提供することを目的とする。
本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を備え、複数の前記燃料電池が積層される燃料電池スタックを、車両フレームに搭載するための燃料電池スタック用搭載構造に関するものである。
この搭載構造では、燃料電池スタックと車両フレームとの間に配置される取り付け部材を備えている。そして、取り付け部材は、該取り付け部材の上面に沿って燃料電池スタックを摺動させる摺動ガイド部と、前記上面に沿って摺動された前記燃料電池スタックを、前記取り付け部材に固定する固定部と、を設けている。
また、この搭載構造では、摺動ガイド部は、燃料電池スタックを上面に沿って車両前後方向に摺動させることが好ましい。
さらに、この搭載構造では、取り付け部材は、車両フレームに固定されるフレーム部材と、上面を構成し前記フレーム部材に固定されるとともに、摺動ガイド部及び固定部を設けるプレート部材と、を備えることが好ましい。
さらにまた、この搭載構造では、摺動ガイド部は、燃料電池スタックの底面に設けられる底面凸状部又は底面凹状部と、上面に設けられ前記底面凸状部が挿入される上面凹状部又は前記底面凹状部に挿入される上面凸状部と、を備えることが好ましい。
また、この搭載構造では、底面凸状部又は上面凸状部は、柱状体を有する一方、上面凹状部又は底面凹状部は、燃料電池スタックの摺動方向に延在する長尺状開口部を有することが好ましい。
本発明によれば、燃料電池スタックは、車両内において摺動ガイド部を介して取り付け部材の上面に沿って摺動可能である。このため、燃料電池スタックの設置位置が、車両の外部から容易にアクセスすることができない位置に設定されていても、良好に対応することができる。
すなわち、車両の外部から搭載スペースに搬入された燃料電池スタックは、取り付け部材の上面に沿って摺動されるだけ、設置位置に配置されることが可能になる。これにより、燃料電池スタックを車両内の所望の設置部位に対して容易且つ効率的に設置させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック用搭載構造が採用される燃料電池電気自動車の概略平面説明図である。 前記搭載構造の概略分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの一部分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記搭載構造の側面説明図である。 フレーム部材とプレート部材との連結構造の説明図である。 前記燃料電池電気自動車に前記燃料電池スタックを着脱する際の動作説明図である。 前記搭載構造を構成する取り付け部材にガイド部が設けられた状態の平面説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る搭載構造の平面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る搭載構造の平面説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の搭載構造11は、例えば、燃料電池電気自動車(燃料電池車両)12のフロントボックス(所謂、モータルーム)12fに設定される。
図1及び図2に示すように、フロントボックス12fには、一対の車体フレーム(車両フレーム)12Sが矢印A方向に延在しており、前記車体フレーム12Sには、取り付け部材13を介して燃料電池スタック10が搭載される。なお、燃料電池スタック10の収容場所は、フロントボックス12fに限定されるものではなく、例えば、車両中央部床下や後部トランク近傍であってもよい。
燃料電池スタック10は、燃料電池14と、積層された複数の前記燃料電池14を収容するケーシング16とを備える(図1〜図3参照)。燃料電池14は、図3に示すように、立位姿勢で燃料電池電気自動車12の車長方向(車両進行方向)(矢印A方向)に交差する車幅方向(矢印B方向)に積層される。
燃料電池14の積層方向一端には、第1ターミナルプレート20a、第1絶縁プレート22a及び第1エンドプレート24aが、外方に向かって順次配設される。燃料電池14の積層方向他端には、第2ターミナルプレート20b、第2絶縁プレート22b及び第2エンドプレート24bが、外方に向かって順次配設される。
横長形状(長方形状)の第1エンドプレート24aの略中央部(中央部から偏心していてもよい)からは、第1ターミナルプレート20aに接続された第1電力出力端子26aが外方に向かって延在する。横長形状(長方形状)の第2エンドプレート24bの略中央部からは、第2ターミナルプレート20bに接続された第2電力出力端子26bが外方に向かって延在する。
第1エンドプレート24aと第2エンドプレート24bの各辺間には、それぞれ各辺の中央位置に対応して一定の長さを有する連結バー28が配置される。連結バー28の両端は、ねじ30により固定され、複数の積層された燃料電池14に積層方向(矢印B方向)の締め付け荷重を付与する。
図4に示すように、燃料電池14は、電解質膜・電極構造体32と、前記電解質膜・電極構造体32を挟持するカソード側セパレータ34及びアノード側セパレータ36とを備える。
カソード側セパレータ34及びアノード側セパレータ36は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成される。カソード側セパレータ34及びアノード側セパレータ36は、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。なお、カソード側セパレータ34及びアノード側セパレータ36は、金属セパレータに代えて、例えば、カーボンセパレータを使用してもよい。
燃料電池14の長辺方向(矢印A方向)の一端縁部には、矢印B方向に互いに連通して、酸化剤ガス供給連通孔38a及び燃料ガス供給連通孔40aが設けられる。酸化剤ガス供給連通孔38aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する一方、燃料ガス供給連通孔40aは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給する。
燃料電池14の長辺方向の他端縁部には、矢印B方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔40bと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔38bとが設けられる。
燃料電池14の短辺方向(矢印C方向)の両端縁部一方側には、矢印B方向に互いに連通して、冷却媒体を供給するための2つの冷却媒体供給連通孔42aが、対向する辺に設けられる。一対の冷却媒体供給連通孔42aは、具体的には、酸化剤ガス供給連通孔38a及び燃料ガス供給連通孔40a側に設けられる。燃料電池14の短辺方向の両端縁部他方側には、矢印B方向に互いに連通して、冷却媒体を排出するための2つの冷却媒体排出連通孔42bが、対向する辺に設けられる。一対の冷却媒体排出連通孔42bは、具体的には、燃料ガス排出連通孔40b及び酸化剤ガス排出連通孔38b側に設けられる。
電解質膜・電極構造体32は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜44と、前記固体高分子電解質膜44を挟持するカソード電極46及びアノード電極48とを備える。
カソード電極46及びアノード電極48は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、例えば、固体高分子電解質膜44の両面に形成される。
カソード側セパレータ34の電解質膜・電極構造体32に向かう面34aには、酸化剤ガス供給連通孔38aと酸化剤ガス排出連通孔38bとに連通する酸化剤ガス流路50が形成される。酸化剤ガス流路50は、矢印A方向に延在する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)により形成される。
アノード側セパレータ36の電解質膜・電極構造体32に向かう面36aには、燃料ガス供給連通孔40aと燃料ガス排出連通孔40bとに連通する燃料ガス流路52が形成される。燃料ガス流路52は、矢印A方向に延在する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)により形成される。
アノード側セパレータ36の面36bと隣接するカソード側セパレータ34の面34bとの間には、冷却媒体供給連通孔42a、42aと冷却媒体排出連通孔42b、42bとに連通する冷却媒体流路54が形成される。この冷却媒体流路54は、電解質膜・電極構造体32の電極範囲にわたって冷却媒体を流通させる。
カソード側セパレータ34の面34a、34bには、このカソード側セパレータ34の外周端縁部を周回して第1シール部材56が一体成形される。アノード側セパレータ36の面36a、36bには、このアノード側セパレータ36の外周端縁部を周回して第2シール部材58が一体成形される。
第1シール部材56及び第2シール部材58としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
図3に示すように、第1エンドプレート24aには、酸化剤ガス供給マニホールド60a、酸化剤ガス排出マニホールド60b、燃料ガス供給マニホールド62a及び燃料ガス排出マニホールド62bが取り付けられる。酸化剤ガス供給マニホールド60a、酸化剤ガス排出マニホールド60b、燃料ガス供給マニホールド62a及び燃料ガス排出マニホールド62bは、酸化剤ガス供給連通孔38a、酸化剤ガス排出連通孔38b、燃料ガス供給連通孔40a及び燃料ガス排出連通孔40bに連通する。
第2エンドプレート24bには、図1に示すように、一対の冷却媒体供給連通孔42a及び一対の冷却媒体排出連通孔42bに連通する冷却媒体供給マニホールド64a及び冷却媒体排出マニホールド64bが取り付けられる。
ケーシング16は、図3に示すように、車幅方向(矢印B方向)両端の2辺(面)が第1エンドプレート24a及び第2エンドプレート24bにより構成される。ケーシング16の車長方向(矢印A方向)両端の2辺(面)は、横長プレート形状の前方サイドパネル66及び後方サイドパネル68により構成される。ケーシング16の車高方向(矢印C方向)両端の2辺(面)は、上方サイドパネル70及び下方サイドパネル72により構成される。
上方サイドパネル70は、横長プレート形状を有するとともに、搭載構造11を構成する下方サイドパネル72は、前記上方サイドパネル70よりも肉厚な横長プレート形状を有する。下方サイドパネル72の底面には、下方に膨出して柱状体であるピン部(底面凸状部)74が設けられる。ピン部74は、下方サイドパネル72の底面に対して、矢印B方向の中央部(又は一方にずれてもよい)に位置し且つ矢印A方向後方に離間して(又は中央でもよい)設けられる。下方サイドパネル72の底面には、所定の位置に複数のねじ孔(ねじ穴でもよい)76が形成される(図3参照)。
前方サイドパネル66、後方サイドパネル68、上方サイドパネル70及び下方サイドパネル72は、第1エンドプレート24a及び第2エンドプレート24bに設けられたねじ穴77に、孔部75を介してねじ78を螺入して固定される。
図2に示すように、取り付け部材13は、車体フレーム12Sに固定されるフレーム部材80と、前記フレーム部材80に固定されるプレート部材82とを備える。プレート部材82は、平板状を有し、矢印B方向の中央部(又は一方にずれてもよい)に位置し且つ矢印A方向後方に離間して(又は中央でもよい)長尺状開口部(上面凹状部)84を設ける。
図2及び図5に示すように、開口部84は、有底の溝形状又は貫通する孔形状を有し、矢印A方向に沿って長尺に形成される。開口部84には、下方サイドパネル72のピン部74が挿入されることにより、摺動ガイド部86が構成される。摺動ガイド部86は、燃料電池スタック10をプレート部材82の上面82aに沿って矢印A方向に摺動させる。なお、下方サイドパネル72に開口部(底面凹状部)84を設ける一方、プレート部材82の上面82aにピン部(上面凸状部)74を設けてもよい。
図2に示すように、プレート部材82には、所定の位置に複数の孔部88が形成される。各孔部88は、下方サイドパネル72のねじ孔76と同軸上に設定される。孔部88には、ねじ90が挿入され、前記ねじ90がねじ孔76に螺合することにより、プレート部材82に燃料電池スタック10を固定する固定部92が構成される。プレート部材82には、例えば、各角部近傍に、それぞれ2個(1個又は3個でもよい)のねじ孔94が形成される。
フレーム部材80は、それぞれ所定の長さに設定された4本の脚部96を有する。各脚部96は、燃料電池電気自動車12の車体フレーム12Sに、それぞれ一対のねじ98を介して固定される。フレーム部材80には、車長方向前方(矢印Af方向)の両端位置と車長方向後方(矢印Ab方向)の両端位置とに、それぞれ取り付け部100が設けられる。
取り付け部100は、フレーム部材80上にねじ102により固定される2枚のプレート104、106を備える。図2及び図6に示すように、プレート104は、平板状を有する一方、プレート106は、前記プレート104の上方を覆って門状に配置される。プレート104、106間には、弾性体、例えば、ゴム部材108a、108bに挟持されてブラケット110が設けられる。
ブラケット110の一端部110aは、ゴム部材108a、108b間に挟持されるとともに、前記ブラケット110の他端部110bには、例えば、2つ(数は適宜設定される)の孔部112が形成される。図6に示すように、各孔部112に挿入されたねじ114が、プレート部材82のねじ孔94に螺合する。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図3に示すように、第1エンドプレート24aの酸化剤ガス供給マニホールド60aから酸化剤ガス供給連通孔38aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。第1エンドプレート24aの燃料ガス供給マニホールド62aから燃料ガス供給連通孔40aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、図1に示すように、第2エンドプレート24bでは、冷却媒体供給マニホールド64aから一対の冷却媒体供給連通孔42aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、図4に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔38aからカソード側セパレータ34の酸化剤ガス流路50に導入される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路50に沿って矢印A方向に移動し、電解質膜・電極構造体32のカソード電極46に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔40aからアノード側セパレータ36の燃料ガス流路52に供給される。燃料ガスは、燃料ガス流路52に沿って矢印A方向に移動し、電解質膜・電極構造体32のアノード電極48に供給される。
従って、電解質膜・電極構造体32では、カソード電極46に供給される酸化剤ガスと、アノード電極48に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、電解質膜・電極構造体32のカソード電極46に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔38bに沿って矢印B方向に排出される。一方、電解質膜・電極構造体32のアノード電極48に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔40bに沿って矢印B方向に排出される。
また、一対の冷却媒体供給連通孔42aに供給された冷却媒体は、カソード側セパレータ34及びアノード側セパレータ36間の冷却媒体流路54に導入される。冷却媒体は、一旦矢印C方向内方に沿って流動した後、矢印A方向に移動して電解質膜・電極構造体32を冷却する。この冷却媒体は、矢印C方向外方に移動した後、一対の冷却媒体排出連通孔42bに沿って矢印B方向に排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2に示すように、取り付け部材13は、車体フレーム12Sに固定されるフレーム部材80と、前記フレーム部材80に固定されるプレート部材82とを備えている。プレート部材82には、矢印A方向に沿って長尺な開口部84が形成され、前記開口部84に下方サイドパネル72のピン部74が挿入されて摺動ガイド部86が構成されている(図2及び図5参照)。このため、燃料電池スタック10は、車両内の搭載スペースで、摺動ガイド部86を介してプレート部材82の上面82aに沿って矢印A方向に摺動可能である。
従って、図7に示すように、燃料電池電気自動車12のフロントカバー12cを上げてフロントボックス12fの開口部12foが開放される際、この開口部12foが狭い場合であっても、燃料電池スタック10を容易に取り付けることができる。すなわち、燃料電池スタック10は、先ず、開口部12foから下方に移送されてフロントボックス12f内に搬入される(矢印F1参照)。
燃料電池スタック10の底部は、プレート部材82の上面82aに載置されるとともに、前記底部に設けられたピン部74が開口部84に挿入される。次いで、燃料電池スタック10は、上面82aに載置された状態で、矢印Ab方向に摺動される(矢印F2方向)。このため、ピン部74は、開口部84に沿って矢印Ab方向に移動し、前記開口部84の端部に当接してさらなる移動が規制される。
そこで、図2及び図3に示すように、プレート部材82の孔部88にねじ90が挿入され、前記ねじ90がねじ孔76に螺合する。これにより、固定部92を介してプレート部材82に燃料電池スタック10が固定される。
一方、燃料電池スタック10を取り付け部材13から取り外す際には、上記の動作とは逆の動作を行えばよい。
このため、燃料電池スタック10の設置位置が、車両外部から容易にアクセスすることができない位置に設定されていても、良好に対応することができる。従って、燃料電池スタック10をフロントボックス12f内の所望の設置部位に対して容易且つ効率的に設置させることが可能になるという効果が得られる。
ところで、燃料電池スタック10と取り付け部材13との相対的な位置決めを行う必要がある際には、例えば、図8に示す構成が採用される。
取り付け部材13を構成するプレート部材82の上面82aには、燃料電池スタック10の矢印Ab側の両端に当接して該両端の位置決めを行う一対のガイド部材120が設けられる。ガイド部材120は、例えば、平面視でL字状を有する。
このため、特に、ピン部74及び開口部84の係合により、前記ピン部74を中心にして燃料電池スタック10に回転(矢印R方向)が発生し易い場合にも、前記燃料電池スタック10をプレート部材82に対して容易且つ正確に位置決めすることができる。従って、燃料電池スタック10の取り付け作業性が一層向上するという効果が得られる。
なお、ガイド部材120に代えて、プレート部材82に、直接、位置決めマーク(図示せず)を設けてもよい。マークは、矢印等でよく、プレート部材82の上面82aに刻印することができる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る搭載構造130の平面説明図である。なお、第1の実施形態に係る搭載構造11と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
搭載構造130では、プレート部材82の上面82aに長尺状開口部(上面凹状部)132が矢印A方向に沿って形成される。開口部132の矢印Ab方向の端部には、三角形状の先端部132aが設けられる。燃料電池スタック10の底面には、下方に膨出して断面三角形状のピン部(底面凸状部)134が設けられる。
ピン部134は、開口部132の先端部132aの開口形状と略同一寸法に設定され、前記開口部132に前記ピン部134が挿入されて摺動ガイド部136が構成される。なお、燃料電池スタック10の底面に開口部(底面凹状部)132を設ける一方、プレート部材82の上面82aにピン部(上面凸状部)134を設けてもよい。
このように構成される第2の実施形態では、開口部132にピン部134が挿入された状態で、燃料電池スタック10は、上面82aに沿って矢印Ab方向に摺動される。従って、ピン部134は、開口部132の先端部132aに移動し、前記先端部132aを形成する壁面に当接する。その際、ピン部134及び先端部132aは、三角形状を有しており、前記ピン部134が前記先端部132aに嵌合する。
これにより、ピン部134は、先端部132aに対して所望の角度姿勢で確実に固定される。このため、燃料電池スタック10は、プレート部材82に対して回転することがなく、一層正確且つ確実に位置決めされるという効果が得られる。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る搭載構造140の平面説明図である。
搭載構造140では、プレート部材82の上面82aに長尺状開口部(上面凹状部)142が形成される。開口部142は、矢印A方向に延在する第1直線部142a、矢印B方向に傾斜する傾斜部142b及び矢印A方向に延在する第2直線部142cを連続して有する。開口部142には、燃料電池スタック10のピン部74が挿入されて摺動ガイド部144が構成される。なお、燃料電池スタック10の底面に開口部(底面凹状部)142を設ける一方、プレート部材82の上面82aにピン部(上面凸状部)74を設けてもよい。
このように構成される第3の実施形態では、第1直線部142aにピン部74が挿入された状態で、燃料電池スタック10は、上面82aに沿って一旦、矢印Ab方向に摺動される。そして、ピン部74は、傾斜部142bに沿って矢印Ab方向に対し矢印B方向に傾斜して移動する。さらに、ピン部74は、第2直線部142cに沿って矢印Ab方向に移動する。
従って、燃料電池スタック10は、車長方向(矢印A方向)にスライドするとともに、車幅方向(矢印B方向)にもスライド可能である。これにより、例えば、燃料電池スタック10の側部に干渉物が存在している際、前記燃料電池スタック10を前後及び左右方向にスライドさせることができるという効果が得られる。
10…燃料電池スタック 11、130、140…搭載構造
12…燃料電池電気自動車 12f…フロントボックス
12S…車体フレーム 13…取り付け部材
14…燃料電池 16…ケーシング
24a、24b…エンドプレート 28…連結バー
32…電解質膜・電極構造体 34…カソード側セパレータ
36…アノード側セパレータ 38a…酸化剤ガス供給連通孔
38b…酸化剤ガス排出連通孔 40a…燃料ガス供給連通孔
40b…燃料ガス排出連通孔 42a…冷却媒体供給連通孔
42b…冷却媒体排出連通孔 44…固体高分子電解質膜
46…カソード電極 48…アノード電極
50…酸化剤ガス流路 52…燃料ガス流路
54…冷却媒体流路 72…下方サイドパネル
74、134…ピン部 76…ねじ孔
78、90…ねじ 80…フレーム部材
82…プレート部材 84、132、142…開口部
86、136…摺動ガイド部 88…孔部
92…固定部 100…取り付け部
120…ガイド部材 132a…先端部

Claims (5)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を備え、複数の前記燃料電池が積層される燃料電池スタックを、車両フレームに搭載するための燃料電池スタック用搭載構造であって、
    前記燃料電池スタックと前記車両フレームとの間に配置される取り付け部材を備え、
    前記取り付け部材は、該取り付け部材の上面に沿って前記燃料電池スタックを摺動させる摺動ガイド部と、
    前記上面に沿って摺動された前記燃料電池スタックを、前記取り付け部材に固定する固定部と、
    を設けることを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
  2. 請求項1記載の搭載構造において、前記摺動ガイド部は、前記燃料電池スタックを前記上面に沿って車両前後方向に摺動させることを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
  3. 請求項1又は2記載の搭載構造において、前記取り付け部材は、前記車両フレームに固定されるフレーム部材と、
    前記上面を構成し前記フレーム部材に固定されるとともに、前記摺動ガイド部及び前記固定部を設けるプレート部材と、
    を備えることを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の搭載構造において、前記摺動ガイド部は、前記燃料電池スタックの底面に設けられる底面凸状部又は底面凹状部と、
    前記上面に設けられ、前記底面凸状部が挿入される上面凹状部又は前記底面凹状部に挿入される上面凸状部と、
    を備えることを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
  5. 請求項4記載の搭載構造において、前記底面凸状部又は前記上面凸状部は、柱状体を有する一方、前記上面凹状部又は前記底面凹状部は、前記燃料電池スタックの摺動方向に延在する長尺状開口部を有することを特徴とする燃料電池スタック用搭載構造。
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