JP2014235435A - 金融機関向け電子記録債権処理方法及びシステム - Google Patents

金融機関向け電子記録債権処理方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】電子記録債権を用いる一括ファクタリングにおいて、銀行システム内の一括ファクタリングサーバから決済銀行に対して口座間送金決済に係る決済情報を通知するための方法を提供する。
【解決手段】一括ファクタリングサーバが、記録機関システムから支払期日が到来する個々の電子記録債権の決済情報を受信して、支払企業及びSPC単位かつ支払期日単位で合計して口座間送金決済を行うための送金情報を生成するステップと、送金情報を決済銀行の端末に送信するステップと、債務者である支払企業の決済口座からSPCの決済口座へ、前記支払企業及びSPC単位かつ支払期日単位で合計された電子記録債権の総額の債権金額の口座間送金決済が行われた後、口座間送金決済の決済結果を決済銀行の端末から受信すると、口座間送金決済済みの個々の電子記録債権に対する支払等記録請求データを生成し、記録機関システムに伝送するステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、金融機関向け電子記録債権処理方法及びシステムに関し、より詳細には、複数の金融機関にわたる一括ファクタリングにかかる電子記録債権を処理するための方法及びシステムに関する。
近年、企業間の取引においては、手形の代替手段として売掛債権の一括ファクタリング(一括決済)が用いられている。一括ファクタリングでは、銀行やファイナンス会社などのファクタリング会社が、原債権者である仕入先企業が有する売掛債権を、支払企業(債務者)の与信力を判断した上で買い取り、仕入先企業の代わりに支払企業から債権の回収を行う。売掛債権がファクタリング会社に譲渡されると、仕入先企業(原債権者)は、ファクタリング会社に債権の支払期日前に債権の資金化(前払)を依頼することができる。ファクタリング会社は、仕入先企業(原債権者)から支払期日前に債権の資金化依頼を受けると、元の債権金額(満額)から所定の割引額を減じた金額を仕入先企業に支払い、支払期日の受取であれば債権金額(満額)の資金の支払いを行う。
一方、支払企業(債務者)は、本来支払期日にファクタリング会社に債権金額(満額)を支払えば良いが、支払企業によっては、余剰資金がある場合など自己の手元資金の都合から、支払期日より前にファクタリング会社に債権相当額の資金を支払って、弁済を行いたいケースもある。このような場合、支払企業は、仕入先企業から期日前資金化の依頼があった債権相当額について、支払期日前にファクタリング会社に資金の支払(すなわち、早期弁済)を行うことができる。そして、早期弁済を行った後、支払企業は、残りの債権金額、すなわち、元の債権金額から早期弁済額を控除した金額を支払期日にファクタリング会社に支払い、弁済(期日弁済)することになる。これにより全ての債権の決済が完了し、一括ファクタリングの対象となった債権全体を消滅させることができる。
上述のような手形の代替手段としての一括ファクタリングは、売掛債権を対象とするだけでなく、電子記録債権を対象としても用いられている(特許文献1)。電子記録債権の場合、電子記録債権の発生記録や譲渡記録、支払等記録は、電子債権記録機関(以下、「記録機関」という)の記録原簿に電子的に記録される。例えば、仕入先企業を原債権者とし、支払企業を債務者とする電子記録債権を発生させる場合、債権者及び/又は債務者が記録機関に電子記録債権の発生記録の請求を行う。電子記録債権がファクタリング会社に譲渡されるときは、譲渡人及び/又は譲受人が記録機関に対して電子記録債権の譲渡記録の請求を行う。電子記録債権の支払期日が到来し、債務者−最終債権者で口座間送金決済により債権金額の支払いが行われると、決済銀行である債務者の取引金融機関から記録機関に対して決済結果の連絡が行われることにより自動的に支払等記録が記録され、その結果、債務者はその電子記録債権の消滅を第三者に対抗できることになる。なお、売掛債権の場合は、支払期日に支払企業とファクタリング会社との間で本旨に沿った決済が完了すると、その時点で債権は消滅するが、電子記録債権では、決済が完了した電子記録債権について記録機関への支払等記録を行わなければ、その電子記録債権の消滅を第三者に対抗できない(すなわち、電子記録債権が消滅したことの公示として「支払等記録」が記録機関に記録される)。
企業間の取引においては、(特に大企業の場合)支払企業は、多数の仕入先企業を有し、これらの多数の仕入先企業に対して電子記録債権を発生させることが多い。特許文献1に開示される一括ファクタリングのスキームによれば、ある支払企業を債務者とし、多数の個々の仕入先企業を原債権者とする電子記録債権について、発生記録と同時に、ファクタリング会社(以下、「SPC」(Special Purpose Company:特別目的会社)という)への譲渡記録が行われる。例えば、一括ファクタリングサーバは、支払企業の端末から一括ファクタリングにかかる債権が特定された明細データを受け取ると、記録機関のデータベースにおいて電子記録債権の発生を記録するための発生記録請求データと、各々の債権がSPCに譲渡されたことを記録するための譲渡記録請求データとを含む請求データとを作成して、記録機関に送信するので、一括ファクタリングにかかる電子記録債権の発生記録及び譲渡記録が同時に行われる。
特許第5142228号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような従来のスキームによれば、電子記録債権の債務者である支払企業が、電子記録債権の記録機関システムと連携した一括ファクタリングを行う銀行システムを有する金融機関を決済銀行として利用していること、すなわち、支払企業が、電子記録債権の記録機関システムと連携した一括ファクタリングを行う銀行システムを有する金融機関に電子記録債権の債務者としての決済口座を有している必要がある。理論上は、一括ファクタリングを行う金融機関が、記録機関よりシステムインターフェイス等の開示を受けて、電子記録の請求や口座間送金決済を行う体制を整備して電子記録債権を活用した一括ファクタリングを支払企業に提供できる余地もあるが、その場合、金融機関側の負担が非常に大きい。特に電子記録債権の口座間送金決済ついては、法制上、支払企業、支払企業の決済銀行、記録機関の三者であらかじめ口座間送金決済契約を締結し、記録機関が支払期日までに口座間送金決済の対象となる個々の電子記録債権の決済情報を支払企業の決済銀行に対して通知し、当該支払期日に決済銀行が支払企業の口座からSPCの口座に当該電子記録債権の債権金額を送金する手続を行い、決済銀行から記録機関に対し当該電子記録債権に係る債務の全額について送金処理された旨の通知があった場合には記録機関は当事者の請求によらず、職権で個々の電子記録債権について支払等記録を行うことが求められている。したがって、電子記録債権の記録機関システムと連携した一括ファクタリングを行う銀行システムを有していない金融機関を決済銀行として用いる支払企業は、事実上このような電子記録債権を活用した一括ファクタリングサービスを利用することができない。
また、支払企業側としては、自己の手元資金の都合により早期弁済を行いたい場合もあることが想定される。一方、電子記録債権を対象とした決済スキームでは、通常、電子記録債権の支払期日における口座間送金決済よる支払が予定されており、弁済が行われれば債務者の決済銀行を経由して、請求によらずに自動的に記録機関で支払等記録が記録されるという同期的管理が確保されている。しかしながら、電子記録債権の支払期日より前に、支払企業が任意で早期弁済を行う場合には、相手方である債権者による支払等記録の請求がないかぎり支払等記録は記録されないため、弁済後は債権者による自発的な支払等記録の請求を待つしかなく、債務者の意に反して、支払等記録が行われるまでの間に、債権者がその電子記録債権に関して第三者を譲受人とする譲渡記録の請求を行ってしまった場合には、支払企業は原則譲受人への支払を対抗できず、二重払リスクが発生することになる。このため、支払期日より前は、弁済後債権者から確実に支払等記録の請求がなされることが確保されないかぎり、支払企業は、電子記録債権の早期弁済を行うことができないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電子記録債権の記録機関システムと連携していない金融機関においても、一括ファクタリングにかかる電子記録債権の処理を可能にするとともに、支払期日前の支払企業による早期弁済における二重払リスクを極小化して、一括ファクタリングを行うことができる電子記録債権処理方法及びシステムを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、第1の側面においては、電子記録債権を用いる一括ファクタリングにおいて、銀行システム内の一括ファクタリングサーバから決済銀行に対して口座間送金決済に係る決済情報を通知するための方法を提供する。銀行システムの一括ファクタリングサーバは、電子記録債権の記録原簿を備えた記録機関システムと接続され、さらに仕入先企業の端末と、支払企業の端末と、電子記録債権の一括ファクタリングを行うSPCの端末と、債務者である前記支払企業が決済口座を有する、前記銀行システムとは異なる決済銀行の端末とネットワークを介して接続される。本方法は、一括ファクタリングサーバが、支払期日までに記録機関システムから支払期日が到来する個々の電子記録債権の決済情報を受信したとき、決済情報に基づいて、個々の電子記録債権を、決済銀行に決済口座を有する支払企業及びSPC単位かつ支払期日単位で合計して口座間送金決済を行うための送金情報を生成するステップと、送金情報を決済銀行に送信するステップと、決済銀行によって送金情報に基づいて、決済銀行を介して債務者である支払企業の決済口座からSPCの決済口座へ、前記支払企業及びSPC単位かつ支払期日単位で合計された電子記録債権の総額の債権金額の口座間送金決済が行われた後、口座間送金決済の決済結果の報告を決済銀行から受信すると、口座間送金決済済みの個々の電子記録債権に対する口座間送金決済による支払等記録請求データを生成し、生成した支払等記録請求データを記録機関システムに伝送するステップとを含む。
この構成によれば、記録機関システムと連携した一括ファクタリングシステムを有していない金融機関においても、記録機関と提携の上決済銀行となることによって、自身に決済口座を有する支払企業に対して電子記録債権を活用した一括ファクタリングを提供することが可能になる。なお、SPCは、通常決済銀行が設立又はアレンジした債権買取会社であることから、SPCの端末は決済銀行自身が管理していてもよい。
本発明のさらなる側面にかかる方法は、一括ファクタリングサーバが支払企業の端末から受信した一括ファクタリングにかかる明細データに基づいて、記録機関システムを介して記録原簿に対して、電子記録債権について支払企業を債務者とし仕入先企業を原債権者とする発生記録及び仕入先企業を譲渡人としSPCを譲受人とする譲渡記録が同時に行われた場合には、一括ファクタリングサーバが、SPCに譲渡された一括ファクタリングにかかる電子記録債権の債権明細をSPC端末に対し送信するステップと、一括ファクタリングサーバが、仕入先企業の端末から期日前資金化の依頼を受信した場合には、一括ファクタリングサーバが、期日前資金化を依頼された電子記録債権に期日前資金化依頼済みであることを示すフラグを立てた債権明細をSPCの端末に対し送信するステップと、支払期日に口座間送金決済が実施され、記録機関システムにて口座間送金決済に基づく支払等記録が行われた場合には、一括ファクタリングサーバが、支払等記録済であることを示すフラグを立てた債権明細をSPCの端末に対し送信するステップとをさらに含む。
この構成によれば、記録機関システムと連携した一括ファクタリングシステムを有していない金融機関のSPCにおいても、SPCが電子記録債権を買取り、買取代金を原債権者である仕入先に対して支払い、支払期日に支払企業から電子記録債権を回収したことを認識して、これら一連の会計処理を行うことが可能になる。また、SPCは、原債権者である仕入先から、電子記録債権の期日前資金化の依頼がなされたため支払期日前に資金を前払いする必要があることを認識することにより、SPCはあらかじめ仕入先に対する期日前資金化に対応するための資金を準備することができ、また各支払期日における支払企業からの電子記録債権の回収を管理して、仕入先から買い取った支払企業宛ての電子記録債権の残高を把握して与信管理を行うことができる。
本発明のさらなる側面にかかる方法は、一括ファクタリングサーバにおいて、支払期日までの間に仕入先企業の端末から期日前資金化の依頼を受信した場合には、期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権の債権金額を原債権者である仕入先企業に支払うための振込データの作成指示を、SPCの端末から受信するステップと、振込データの作成指示を受信すると、SPCが仕入先企業である各原債権者に支払うべき支払額を算出するステップであって、各原債権者がそれぞれ有していた電子記録債権の債権金額から所定の割引率に基づく割引額及び送金手数料等の諸費用を減ずることによって支払額を算出するステップと、SPCを振込依頼人とし、仕入先企業である各原債権者を受取人とし、算出された支払額を振込金額とする1つ又は複数の振込明細を含む振込データを作成するステップと、振込データをSPCの端末に伝送するステップとをさらに含み、支払期日までに仕入先端末からの期日前資金化の依頼を受信しなかった場合においては、支払期日までに期日前資金化の依頼を受けていない電子記録債権の債権金額をSPCが原債権者である仕入先企業に支払うための振込データの作成指示を、SPCの端末から受信するステップと、振込データの作成指示を受信すると、SPCが各仕入先企業である各原債権者に支払うべき支払額を算出するステップであって、各仕入先企業がそれぞれ有していた電子記録債権の債権金額から所定の費用を控除して支払額を算出するステップと、SPCを振込依頼人とし、各仕入先企業を受取人とし、算出された支払額を振込金額とする1つ又は複数の振込明細を含む振込データを作成するステップと、作成した振込データをSPCの端末に伝送するステップとをさらに含む。
この構成によれば、記録機関システムと連携した一括ファクタリングシステムを有していない金融機関のSPCにおいても、電子記録債権を活用した一括ファクタリングの買取代金を原債務者である仕入先に対して支払うための振込データ(総合振込データ)を生成することが可能になる。
本発明の第2の側面では、銀行システム内の一括ファクタリングサーバにおいて、支払企業からSPCに対する電子記録債権の早期弁済を処理する方法を提供する。本方法は、銀行システムの一括ファクタリングサーバにおいて、支払企業の端末から電子記録債権の早期弁済可否の照会を受信すると、支払企業がSPCに対して早期弁済可能な電子記録債権を識別し、早期弁済可能な電子記録債権のそれぞれの債権金額に基づいて早期弁済可能額を算出するステップと、算出した早期弁済可能額を支払企業の端末に提示するステップと、支払企業の端末から早期弁済額と早期弁済日とを含む早期弁済依頼を受信するステップと、早期弁済依頼に基づいて、早期弁済対象の個々の電子記録債権を決定するステップと、SPCの端末に、少なくとも早期弁済予定額と早期弁済予定日とを含む早期弁済予定通知を提供するステップと、早期弁済予定日までに支払企業から早期弁済額の総額の入金があったことの報告をSPCの端末から受信すると、早期弁済対象の個々の電子記録債権に対するSPCの請求による支払等記録請求データを生成し、生成した支払等記録請求データを記録機関システムに伝送するステップとを含む。
この構成によれば、電子記録債権の債務者である支払企業は、一括ファクタリングにかかる電子記録債権について、支払期日前にSPCに対して早期弁済を行うことができ、SPCにおいて早期弁済の予定日までに早期弁済予定額全額の入金が確認された場合には、早期弁済の対象となった個々の電子記録債権について、SPCの請求に基づく記録機関システムの記録原簿への支払等記録により電子記録債権を消滅させることができる。したがって、支払企業は、SPCに対して支払期日前に早期弁済を行うか、従来通りの支払期日に弁済するか、自己の手元資本の都合に応じて選択することが可能になる。なお、SPCの事務は通常決済銀行が委託を受けて管理しているため、支払企業から早期弁済額の総額の入金がなされれば、決済銀行の管理によりSPCは決済結果を報告する体制が確保されているといえる。
本発明のさらなる側面にかかる方法おいて、早期弁済可能額を算出するステップは、仕入先企業から電子記録債権の全体に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権と、債権金額の一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権とを早期弁済可能な債権として識別し、債権金額の全体又は一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権の債権金額を合計することによって行われる。なお、支払企業の端末から、債権金額の一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権を含む早期弁済依頼を受信して、早期弁済予定日までに支払企業から、債権金額の一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権を含む早期弁済額の総額の入金があったことの報告をSPCの端末から受信した場合には、債権金額の一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権について、資金化依頼済みの部分にかかる電子記録債権と、資金化未済の部分にかかる電子記録債権に分割するためのSPCの請求による分割記録請求データ、及び分割後の電子記録債権を含む早期弁済対象の個々の電子記録債権に対するSPCの請求による支払等記録請求データを生成し、生成した分割記録請求データ及び支払等記録請求データを同時に記録機関システムに伝送する。
上記構成によれば、仕入先企業から電子記録債権の一部に対してのみ期日前資金化の依頼があった場合にも、期日前資金化の依頼があった部分については、支払企業による早期弁済が可能になるため、早期弁済の対象が拡大され、支払企業にとってより利便性の高い資金管理が可能になる。
本発明のさらなる側面にかかる方法において、早期弁済対象の電子記録債権を決定するステップは、支払企業の端末から任意の早期弁済額での早期弁済依頼を受信したことに応答して、早期弁済可能な個々の電子記録債権の債権金額を、SPCによって指定された優先順位に従って順次加算するステップと、次の債権金額を加算すると合計債権金額が早期弁済額を超えるかどうか判断するステップと、次の債権金額を加算すると合計債権金額が早期弁済額を超えるとき、次の債権金額の一部を加算した後の合計債権金額が早期弁済額と一致するように、次の電子記録債権の一部を最後の債権金額として認識するステップと、合計債権金額に最後の債権金額が加算された電子記録債権の一部を、早期弁済対象の電子記録債権として決定するステップとを含む。なお、支払企業の端末から、最後の債権金額が加算された電子記録債権の一部を含む早期弁済依頼を受信して、早期弁済予定日までに支払企業から、最後の債権金額が加算された電子記録債権の一部を含む早期弁済額の総額の入金があったことの報告をSPCの端末から受信した場合には、最後の債権金額が加算された電子記録債権について、早期弁済額の対象となる電子記録債権と、早期弁済額の対象にならない電子記録債権に分割するためのSPCの請求による分割記録請求データ、及び分割後の電子記録債権を含む早期弁済対象の個々の電子記録債権に対するSPCの請求による支払等記録請求データを生成し、生成した分割記録請求データ及び支払等記録請求データを同時に記録機関システムに伝送する。
上記構成によれば、電子記録債権を分割することにより、支払企業の指定に応じて、端数のない所望(ラウンドナンバー)での債権金額について早期弁済を行うことが可能になる。
本発明のさらなる側面にかかる方法は、支払企業の端末から、電子記録債権の早期弁済依頼を受信する前に、仕入先企業の端末から、SPCに譲渡された一括ファクタリングにかかる電子記録債権に対する期日前資金化の依頼を受信するステップと、期日前資金化を依頼された電子記録債権に、期日前資金化依頼済みであることを示すフラグを立てるステップと、原債権者である仕入先企業から一括ファクタリングにかかる電子記録債権に対して期日前資金化の依頼を受けたことを、支払企業の端末に通知するステップとをさらに含む。
上記構成によれば、債務者である支払企業は、原債権者である仕入先企業によって期日前資金化の依頼がなされた電子記録債権について、早期弁済をするか否か検討することが可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、電子記録債権の債務者である支払企業は、一括ファクタリングにかかる電子記録債権について、SPCに対して支払期日前に早期弁済を行うか、従来通りの支払期日に弁済するか、自己の手元資本の都合に応じて選択することが可能になる。
また、SPC及び支払企業が決済口座を有する金融機関が記録機関システムを備えていない場合にも、SPC及び支払企業は、記録機関システムを備えた銀行システムを介して電子記録債権にかかる資金の支払等を行うこと可能になる。
さらに、一部のみ期日前資金化の依頼があった電子記録債権も早期弁済の対象し、また支払企業による早期弁済金額の指定を可能にすることにより、より柔軟で利便性の高い一括ファクタリングサービスを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかるシステム環境の構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる一括ファクタリングサーバ及び記録機関システムの構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる電子記録債権の発生記録及び譲渡記録の処理方法を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態にしたがって、支払期日前にSPCが仕入先企業へ資金の入金を行う際の処理を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態にしたがって、支払期日にSPCが仕入先企業へ資金の入金を行う際の処理を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態にしたがって、支払企業がSPCへ早期弁済を行う際の処理を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態にしたがって、支払企業がSPCへ期日弁済を行う際の処理を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態にかかる早期弁済可能額の算出処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にしたがって支払企業端末に表示可能な取引メニュー画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態において、支払企業端末から一括ファクタリングサーバに伝送される電子記録債権の明細データ、一括ファクタリングサーバによって生成される債権データ、及び記録請求データのデータ構造の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にしたがってSPC端末に表示可能な取引メニュー画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態において、SPC端末が総合振込データをダウンロードする際に表示される画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる、早期弁済の入金確認を報告するための回収管理画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる電子記録債権の支払等記録請求データの例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる口座間送金決済の処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態にかかるシステム環境の構成を示す。債務者である支払企業の端末1、及び原債権者である仕入先企業の端末2は、ネットワーク6を介して銀行システム4に接続される。銀行システム4は、ネットワーク6を介して接続された支払企業端末1、仕入先企業端末2などの端末の認証等を行い、これらの端末と銀行システム4とのインターフェースとして機能するウェブサーバ11と、ウェブサーバ11に接続され、電子記録債権にかかるサービスを提供する一括ファクタリングサーバ12と、一括ファクタリングサーバ12に接続され、記録機関として機能する記録機関システム13とを備える。銀行システム4は、支払企業が決済口座を有する金融機関である決済銀行のシステム5とネットワーク7を介して接続される。決済銀行システム5は、例えば、ウェブサーバ14、EBシステム15、及び勘定系システム16を備えている。債権買取会社であるファクタリング会社の端末3は、ネットワーク(図示せず)を介して決済銀行システム5に接続されるか、又は、決済銀行自身がファクタリング会社となる場合には、決済銀行システム5内に配置される。なお、以下では、ファクタリング会社を、SPC(Special Purpose Company:特別目的会社)と呼ぶ。SPCは、通常決済銀行がアレンジして設立された債権買取専門会社であるが、決済銀行の関連会社等で他にも事業を行っているファイナンス会社、リース会社であってもよい。また、決済銀行自身がSPCの位置付けで電子記録債権の譲受金融機関となってもよい。なお、SPCの電子記録債権の決済口座は決済銀行内に設けられていることが前提である。
図2に、本発明の一実施形態にかかる一括ファクタリングサーバ及び記録機関システムの構成を示す。一括ファクタリングサーバ12は、支払企業端末1から、支払企業が債務者となる電子記録債権の明細データを受け付け、及びSPC端末3から一括ファクタリングに関する契約内容を含むマスタデータを受け付けて、受け付けたデータを処理する受付処理部21と、SPC端末3から受信したマスタデータを記憶するマスタデータ記憶部24と、支払企業端末1から受信した電子記録債権の明細データに基づいて生成される債権データを記憶する債権データ記憶部25とを備える。一括ファクタリングサーバ12は、支払企業端末1からの電子記録債権の明細データに基づいて、記録機関システム13に対して電子記録債権の発生記録請求、譲渡記録請求、支払等記録請求などを行うための記録請求データを生成する記録処理部22と、支払企業がSPCに支払うべき弁済額(早期弁済額及び期日弁済額)や、SPCが仕入先企業に支払うべき支払額(前払額及びび期日支払額)などを算出し、決済情報を生成する決済処理部23とを備える。さらに、一括ファクタリングサーバ12は、決済処理部23によって生成された決済情報を格納する決済情報記憶部26を備える。
記録機関システム13は、一括ファクタリングサーバ12の記録処理部22から発生記録請求、譲渡記録請求、又は支払等記録請求などの記録請求データを受け付ける請求受付簿31と、受け付けた記録請求データを電子的に記録する記録原簿32とを備える。
次に図3を参照して、本発明の一実施形態にかかる電子記録債権の発生記録及び譲渡記録の処理方法を説明する。ここでは、支払企業と、支払企業の仕入先企業と、SPCとの間で、支払企業が債務者、個々の仕入先企業が原債権者の電子記録債権を、SPCに一括譲渡する旨の契約が既になされていることを前提とする。
まず、ステップS302において、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、SPC端末3から支払企業と仕入先企業とSPCとの間で交わされた契約内容に基づくマスタデータを受け取り、マスタデータ記憶部24に格納する。マスタデータには、例えば、債務者である支払企業について買い取り可能な債権の限度額や、電子記録債権の譲受人となるSPCの情報(例えば、識別情報、口座情報)、契約で定められた割引率などが含まれる。SPCは、電子記録債権の決済の口座を複数有し、支払企業毎に異なる決済口座を使用することができるが、各支払企業に対していずれの決済口座を使用するかをマスタデータで指定することができる。
ステップS304において、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、支払企業端末1から、支払企業が債務者となる電子記録債権の明細データを受け取る。
ここで、図9及び10を参照する。図9は、本発明の一実施形態にしたがって支払企業端末に表示可能な取引メニュー画面の一例を示し、図10は、支払企業端末から一括ファクタリングサーバに伝送される電子記録債権の明細データ、一括ファクタリングサーバによって生成される債権データ、及び記録請求データのデータ構造の一例を示している。支払企業端末1は、銀行システム4のウェブサーバ11から提供される画面情報を使用して取引メニュー画面900を表示することができる。支払企業端末1は、例えば、取引メニュー画面900の「債務データのアップロード」902が選択され、支払企業が債務者となる電子記録債権の発生記録請求及び譲渡記録請求に必要な情報が入力されると、入力された情報を電子記録債権の明細データとして一括ファクタリングサーバ12に伝送することができる。図10(A)に例示するように、明細データは、例えば、支払企業の情報(支払企業コード、属性情報、口座情報など)、当座貸越可能日、支払期日、ファクタリング会社を識別するSPCコードなどの情報を含むヘッダ部と、仕入先企業コード、仕入先企業の口座情報、及び債権金額など各仕入先企業に対して発生させる各電子記録債権に関する情報を含む債権明細部とを含む。
図3に戻ると、受付処理部21は、支払企業端末1から電子記録債権の明細データを受信すると、ステップS306において、電子記録債権の明細データから個々の電子記録債権の債権データを生成し、債権データ記憶部25に格納する。債権データは、例えば、図10(B)に図示されるように、電子記録債権ごとに、債務者情報、債権者情報、発生記録日、支払期日、及び債権金額など、電子記録債権の発生記録に用いられるデータを含む発生記録部と、譲受人情報や譲渡記録日など、電子記録債権の譲渡記録に用いられるデータを含む譲渡記録部とを含む。受付処理部21は、明細データに含まれる支払企業の情報(例えば、支払企業コード、支払企業の属性情報、支払企業の口座情報など)、及び仕入先企業の情報(仕入先企業コード、仕入先企業の口座情報)から、それぞれ発生記録部の債務者情報(例えば、当事者コード(債務者)、債務者の属性情報、債務者の口座情報など)、債権者情報(例えば、当事者コード(債権者)、債権者の口座情報)を作成する。また、明細データに含まれるSPCコードや、当事者コード(債権者)情報、及びマスタデータに含まれるSPCの情報などに基づいて、仕入先企業(原債権者)を譲渡人、SPCを譲受人として、譲渡記録部のデータを生成する。なお、発生記録及び譲渡記録は、それぞれ債務者・債権者の請求、譲渡人・譲受人の請求を必要とするため、発生記録部及び譲渡記録部はそれぞれ、債務者と債権者の請求者コード、譲渡人と譲受人の請求者コードを含む。
なお、明細データが一括ファクタリングサーバ12にアップロードされた後、債務者である支払企業からの承認を必要とするように構成することもできる。支払企業は、例えば、支払企業端末1上に表示される取引メニュー画面900の「債務データの承認」901を選択することにより、一括ファクタリングサーバ12にアップロードした電子記録債権の明細データの内容を確認することができる。
また、一括ファクタリングサーバ12は、支払企業(債務者)からアップロードされた明細データの債権金額の合計が、支払企業に対して設定された買取可能限度額以下であるかどうかの判定を行うように構成することもできる。そして、債権金額の合計が買取可能限度額を超えると判定した場合、一括ファクタリングサーバ12は、限度額超過によるエラー情報を支払企業端末1に送信することができる。なお、支払企業に対する買取可能限度額はマスタデータに含まれる。
ステップS308において、一括ファクタリングサーバ12の記録処理部22は、生成された債権データから、記録機関システム13への発生記録請求及び譲渡記録請求を行うための記録請求データを生成し、生成した記録請求データを記録機関システム13の請求受付簿31に送信する。記録請求データは、図10(C)に例示されるように、電子記録債権毎の発生記録請求データと、譲渡記録請求データとを含む。発生記録部は、電子記録債権を一意に識別する債権コード、請求者コード(債務者)/請求者コード(債権者)、当事者コード(債務者)/当事者コード(債権者)、債権金額である支払金額、支払期日、発生記録日などの情報を含み、譲渡記録部は、請求者コード(譲渡人)/請求者コード(譲受人)、当事者コード(譲渡人)/当事者コード(譲受人)、譲渡記録日などの情報を含む。
記録機関システム13は、請求受付簿31において一括ファクタリングサーバ12からの記録請求データを受信すると、ステップS310において、各電子記録債権の発生記録と譲渡記録を記録原簿32に電子的に記録する。
その後、一括ファクタリングサーバ12の記録処理部22が、記録機関システム13から各電子記録債権の発生記録及び譲渡記録が行われたことの記録結果を受信すると(ステップS312)、一括ファクタリングサーバ12は、電子記録債権の発生記録及び譲渡記録が完了したことを、支払企業端末1、仕入先企業端末2、及びSPC端末3に通知することができる(ステップS314)。この通知は、ウェブサーバ11を介したWeb通知として、あるいは電子メールによって支払企業端末1、仕入先企業端末2、及びSPC端末3に提供することができる。なお、記録機関システム13で記録原簿32に電子記録債権の譲渡記録が完了すると、その電子記録債権の債権者は、仕入先企業(譲渡人)からSPC(譲受人)に代わる。
次に、図4、5を参照して、本発明の一実施形態にしたがって、SPCが仕入先企業に支払いを行うための処理を説明する。図4は、本発明の一実施形態にしたがって、仕入先企業が期日前資金化を依頼した場合に、電子記録債権の支払期日前に、SPCが仕入先企業に債権相当額の資金の前払いを行うための処理を示す。仕入先企業2は、一括ファクタリングサーバ12から、電子記録債権の発生記録及びSPCへの譲渡記録が行われたことの通知を受け取ると、その電子記録債権について、支払期日前に資金の前払いを受けるかどうかを判断する。
電子記録債権の支払期日前に資金の前払いを受けようとする場合、仕入先企業は、仕入先企業端末2を使用して、一括ファクタリングサーバ12に対して、自身が原債権者となっていた電子記録債権の譲渡代金につき期日前資金化を依頼することができる(ステップS402)。電子記録債権の期日前資金化の依頼は、例えば、仕入先企業端末2において表示される取引メニュー(図示せず)から「期日前資金化の手続き」を選択し、所望の電子記録債権の債権金額を指定又は選択して期日前資金化を依頼することができる。一括ファクタリングサーバ12は、仕入先企業端末2によって「期日前資金化の手続き」が選択されたことに応答して、その仕入先企業が原債権者となっていた電子記録債権の譲渡代金の債権データを債権データ記憶部25から抽出し、仕入先企業端末2に提供することができる。なお、下述するように、仕入先企業は、電子記録債権の全体(すなわち、債権金額の全額)に対応する譲渡代金ついて期日前資金化を依頼するだけでなく、電子記録債権の一部のみ(すなわち、債権金額の一部金額)に対応する譲渡代金について期日前資金化を依頼することもできる。
一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、仕入先企業端末2から電子記録債権にかかる期日前資金化の依頼を受信すると、ステップS404において、その電子記録債権について仕入先企業から期日前資金化の依頼が行われたことをSPC端末3に通知する。一括ファクタリングサーバ12は、この通知を、ウェブサーバ11を介したWeb通知として、あるいは電子メールによってSPC端末3に提供することができる。また、一括ファクタリングサーバ12は、仕入先企業から期日前資金化の依頼の受付状況を支払企業端末1にも通知することができる。仕入先企業から期日前資金化の依頼があった電子記録債権については、支払企業からSPCへの早期弁済が可能になるため、期日前資金化の依頼の受付状況は、仕入先企業へ資金を支払うSPCだけでなく、支払企業にも通知する必要がある。期日前資金化の依頼を受けた場合の支払企業による早期弁済の処理については、以下で図4を参照して後述する。一括ファクタリングサーバ12は、個々の仕入先企業端末2から期日前資金化の依頼を受ける毎に、SPC端末3及び支払企業端末1に期日前資金化の依頼の受付状況を通知することができる。
ステップS406において、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、債権データ記憶部25に格納されている債権データのうち、期日前資金化が依頼された電子記録債権に対応する譲渡代金の債権データに、期日前資金化が依頼されたことを示すフラグを立てる。
仕入先企業から期日前資金化の依頼を受けると、SPCは、その仕入先企業へ債権相当額(前払額)を振り込む必要がある。SPCはSPC端末3から、ステップS408において、振込データの作成日を指定して、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21に、仕入先企業に前払額を支払うための振込データを作成するように指示する。SPC端末3から振込データの作成指示を受信すると、一括ファクタリングサーバ12の決済処理部23は、ステップS410において、SPCが期日前資金化の依頼を行った各仕入先企業に支払うべき金額(前払額)を算出する。支払額(前払額)は、電子記録債権に対応する債権金額、及びマスタデータ記憶部24に格納されたマスタデータで指定された割引率に基づいて算出される(例えば、前払額=債権金額−割引額)。決済処理部23は、次いで、ステップS412において、SPCを振込依頼人とし、仕入先企業を受取人とし、ステップS410で算出した前払額を振込金額とする振込データを生成する。振込データは、単一又は複数の受取人宛てに一括して振込みを行うことができる、一般社団法人全国銀行協会が制定するレコードフォーマットに従った総合振込データとして生成される。
ここで、図11及び12を参照する。図11は、SPC端末3に表示可能な取引メニュー画面の一例を示し、図12は、SPC端末3が総合振込データをダウンロードする際に表示される画面の一例を示している。SPCが、例えば、仕入先企業に資金の振込みを行うための振込データの作成を開始するため、SPC端末3上に表示される取引メニュー画面1100から「総合振込データのダウンロード」1101を選択すると、SPC端末3上に画面1200が表示される。SPC端末3の画面1200において、総合振込データを作成する作成日が指定され、振込データの作成が指示されると(S408)、一括ファクタリングサーバ12は、SPCが仕入先企業に支払うべき金額(前払額)を算出して振込データを生成する(S410)。SPCは、支払企業毎に決済口座を割り当てるなど、複数の決済口座を有することがあるが、総合振込データについては、個々の振込明細は決済口座単位で作成される。例えば、図12の例において、総合振込データ送付表1210では、決済口座毎に複数の振込明細がまとめられており、振込指定日が2012年9月26日の振込みは、合計32件、振込金額(すなわち、支払額の合計)は¥143,784,070であることを示している。そして、例えば、口座番号「8780001」を決済口座とする振込には、振込明細一覧表1220に示されるような、個々の仕入先企業に対する4件の振込明細が含まれる。
図4に戻ると、SPC端末3から総合振込データのダウンロードが指示されると、総合振込データは、一括ファクタリングサーバ12からSPC端末3に伝送される(ステップS414)。SPC端末3は、総合振込データをダウンロードすると、ダウンロードした総合振込データを決済銀行システム5(例えば、EBシステム15)に伝送して、総合振込を依頼する(ステップS416)。その後、決済銀行システム5によって、勘定系システム16を介して仕入先企業への振込みが実行され、前払額が仕入先企業の入金口座に入金される(ステップS418)。
図5は、本発明の一実施形態にしたがって、電子記録債権の支払期日に、SPCが仕入先企業に債権相当額の支払いを行うための処理を示す。
ステップS502において、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21が、SPC端末3から、仕入先企業に債権相当額を支払うための振込データの作成指示を受ける。一括ファクタリングサーバ12の決済処理部23は、ステップS504において、電子記録債権の支払期日に、SPCが各仕入先企業に支払うべき支払額を算出する。支払期日においては、期日前資金化済みの電子記録債権の譲渡代金は既に仕入先企業への支払が終了しているため、SPCは、期日前資金化が未済の電子記録債権の債権金額を支払えばよい。一括ファクタリングサーバ12は、例えば、SPCが債権者となっている電子記録債権の債権データのうち、期日前資金化フラグが立っていない債権データを抽出し、抽出した債権データの債権金額から支払額を算出する。支払期日にSPCが仕入先企業に支払う場合、支払額は、債権金額の満額あるいはほぼ満額(例えば手数料のみを控除)の金額となる。
決済処理部23は、次いで、ステップS506において、SPCを振込依頼人、仕入先企業を受取人、ステップS504で算出した支払額を振込金額とする振込データを生成する。なお、上記同様、振込データは、各仕入先企業へ各支払額を振り込むための振込明細を単一又は複数含んだ総合振込データとして生成される。そして、SPC端末3から総合振込データのダウンロードを指示されると、生成した総合振込データをSPC端末3に伝送する(ステップS508)。
SPC端末3は、総合振込データをダウンロードすると、ダウンロードした総合振込データを決済銀行システム5(例えば、EBシステム15)に伝送して、総合振込みを依頼する(ステップS510)。その後、決済銀行システム5によって勘定系システム16を介して、仕入先企業への振込みが実行され、支払額が仕入先企業の入金口座に入金される(ステップS512)。なお、支払期日における総合振込データも、図11、12に関連して上記したように作成してダウンロードすることができる。
続いて、図6、7を参照し、本発明の一実施形態にしたがって、支払企業がSPCへ弁済を行うための処理を説明する。図6は、支払企業がSPCに電子記録債権の支払期日前に早期弁済が行う場合の処理を示している。早期弁済は、仕入先企業から期日前資金化の依頼があったときのみ可能になるため、図4のステップS402〜S406と同様に、仕入先企業端末2が一括ファクタリングサーバ12に電子記録債権の期日前資金化を依頼し、一括ファクタリングサーバ12は、期日前資金化の依頼があったことを支払企業端末1に通知する。
支払企業は、期日前資金化の依頼通知を受けたことに応答して、一括ファクタリングサーバ12に早期弁済可能額を照会することができる(ステップS602)。例えば、支払企業端末1上に表示される取引メニュー900から、「早期弁済可能額照会」904を選択することによって、早期弁済可能額の照会を行うことができる。早期弁済可能額が照会されると、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、ステップS604において早期弁済可能額を算出し、算出した早期弁済可能額を、ステップS606において支払企業端末1に提示する。早期弁済可能額の算出方法については、図8を参照して後述する。
ステップS608において、支払企業端末1は、早期弁済日(決済日)、早期弁済金額、及び決済口座などを指定して、一括ファクタリングサーバ12に早期弁済を依頼することができる。一実施形態において、支払企業は、早期弁済依頼の早期弁済金額として、弁済を行う上限額を指定することもできる。上限額は、早期弁済可能額以下の任意の金額とすることができる。また、支払企業は、早期弁済の対象とする債権の優先順位を指定することができ、一実施形態において、支払企業は、例えば、個々の電子記録債権の債権金額を降順(又は昇順)で上限額に達するまで積み上げた上で債権の弁済を行うことを指定することができる。一括ファクタリングサーバ12は、指定された優先順位に応じて早期弁済対象の債権を選択する。なお、支払企業は、個々の電子記録債権を指定して早期弁済を依頼することはできず、早期弁済対象の債権は、支払企業が早期弁済を依頼するときまでに仕入先企業から期日前資金化の依頼があった電子記録債権から選択されることになる。
支払企業端末1から、早期弁済日、早期弁済金額、及び決済口座情報などを含む早期弁済依頼を受信すると、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、ステップS610において、早期弁済対象の電子記録債権を決定し、早期弁済予定であることを示すフラグを立てる。例えば、支払企業が個々の電子記録債権の債権金額を降順(又は昇順)で上限額に達するまで積み上げた上で債権を弁済することを指定したとき、受付処理部21は、合計の債権金額が支払企業によって指定された早期弁済金額を超えない範囲で、債権金額の降順(又は昇順)に、仕入先企業による期日前資金化依頼済みの債権データ(すなわち、早期弁済可能な債権データ)から債権データを抽出し、抽出した債権データに早期弁済予定であることを示すフラグを立てる。
上記実施形態によれば、支払企業によって指定された優先順位に従って抽出した電子記録債権の債権金額を順次加算した合計の債権金額が、指定された弁済金額(弁済の上限額)を超えない範囲で、早期弁済対象の電子記録債権が決定される。したがって、支払企業は、指定した弁済金額の範囲内で早期弁済を行うことができる。しかしながら、支払企業によっては、例えば端数のない所望の弁済金額通りの金額で早期弁済を行いたいことがあることも考えられる。そこで、別の実施形態では、電子記録債権を分割することによって、指定の弁済金額通りの金額の電子記録債権の早期弁済を可能にする。この実施形態では、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、仕入先企業による期日前資金化の依頼済みの債権データ(早期弁済可能な債権データ)から、指定の優先順位に従って早期弁済対象の債権データを抽出して債権金額を順次加算していき、次の債権金額を合計債権金額に加算すると、指定の早期弁済金額を超えることとなる債権データを特定する。そして、次の債権金額を加算すると合計債権金額が指定の早期弁済金額を超えるとき、次の債権金額の一部を加算した後の合計が指定の早期弁済金額に一致するように、次の電子記録債権の一部を最後の債権金額として認識する。例えば、指定の早期弁済金額が1億円である場合、それまでの債権金額の合計が9千万円であり、次の優先順位の電子記録債権の債権金額が3千万円であれば、そのうちの1千万円の部分を早期弁済対象の債権とした上で、最終的に当該の電子記録債権について1千万円と2千万円の電子記録債権に分割した後に、分割後の1千万円の電子記録債権について支払等記録を行う必要がある。なお、電子記録債権を分割するためには、債権者による分割記録請求に基づき、記録機関システム13にて分割記録が行われる必要がある。そこで、支払企業端末1から指定があった早期弁済金額に一致させるために最後の債権金額が加算された電子記録債権の一部を含む早期弁済依頼を受信して、早期弁済予定日までに支払企業から、最後の債権金額が加算された電子記録債権(3千万円)の一部を含む早期弁済額の総額の入金があったことの報告をSPC端末3から受信した場合には、最後の債権金額が加算された電子記録債権(3千万円)について、早期弁済額の対象となる電子記録債権(1千万円)と、早期弁済額の対象にならない電子記録債権(2千万円)に分割するためのSPCの請求による分割記録請求及び分割後の電子記録債権に対するSPCの請求による支払等記録請求があったものとみなして、一括ファクタリングサーバ12の記録処理部22は、分割記録請求データ及び支払等記録請求データを生成して記録機関システム13の請求受付簿31に送信する。その後、記録機関システム13の記録原簿32に分割記録と支払等記録が同時に実施される。本実施形態によれば、電子記録債権の債権金額の大小に関わらず、支払企業の望みに応じた所望の金額について早期弁済を行うことが可能になるため、特に有利である。
一括ファクタリングサーバ12の決済処理部23は、ステップS612において、早期弁済にかかる決済情報を生成して決済情報記憶部26に格納する。決済情報は、早期弁済予定日、早期弁済予定額、決済口座情報、及び弁済区分(早期弁済又は期日弁済)などの情報を含む。
ステップS614において、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、支払企業が早期弁済予定であることをSPC端末3に通知する。早期弁済予定通知には、例えば、早期弁済を行う支払企業の情報、早期弁済予定日、早期弁済予定額、及び決済口座などの情報が含まれる。
支払企業は、早期弁済予定日までに、決済口座であるSPCの口座に早期弁済予定額を送金する。早期弁済予定日までに支払企業からSPCの口座に早期弁済予定額が送金されると、SPCは、一括ファクタリングサーバ12に入金確認を報告する。SPCは、例えば、SPC端末3の取引メニュー1100の「電子記録債権回収管理」1102から回収管理画面を表示させて、早期弁済の入金確認を報告することができる。
ここで、図13を参照する。図13は、本発明の一実施形態にかかる、早期弁済の入金確認を報告するための回収管理画面の一例を示しており、特に後記のとおり、SPCが決済銀行から口座間送金決済における報告処理を委託されている場合を併せて示している。回収管理画面1300は、例えば、SPC端末3の取引メニュー1100から「電子記録債権回収管理」1102が選択されると表示される(ステップS616)。回収管理画面1300において、決済日が指定されると、一括ファクタリングサーバ12の決済処理部23は、指定された決済日(早期弁済日)の電子記録債権の決済情報を決済情報記憶部25から取り出して画面1300に表示させる。表示される決済情報は、決済日(早期弁済日)、支払企業名、決済口座の情報、弁済区分(早期弁済)、回収予定額(弁済予定額)、及び決済状態(例えば、保留、確認、停止)などを含む。SPCは、表示された決済情報のうち、支払企業からの(早期弁済により)入金が完了した項目を選択し、確認ボタンを押下して決済状態を「保留」から「確認」にする。これにより、早期弁済により債権が回収されたこと、すなわち支払企業による入金確認が一括ファクタリングサーバ12に報告される。(ステップS618)なお、図13の例において、決済情報の状態が「確認」の場合は、「入金確認済みにつき、支払等記録が行われる」ことを意味し、「保留」は、「一時的に入金が確認できなかったが、近日中に入金確認が可能である」ことを示し、「停止」は「支払企業が決済不能」になったことを示す。
図6に戻ると、一括ファクタリングサーバ12は、SPC端末3から早期弁済額の入金確認報告を受信すると、早期弁済された電子記録債権を特定し(ステップS620)、該当する個々の電子記録債権につき譲受人であるSPC単独による支払等記録請求があったものとして、記録処理部22が、特定した電子記録債権の支払等記録請求データを生成する(ステップS622)。次いで、記録処理部22が、生成した支払等記録請求データを記録機関システム13の請求受付簿31に送信する(ステップS624)。記録機関システム13の請求受付簿31は、支払等記録請求データを受信すると、記録原簿32に対してその電子記録債権の支払等記録を行う(ステップS626)。その後、一括ファクタリングサーバ12が、ステップS628において記録機関システム13から記録結果を受信すると処理は終了する。これにより該当する電子記録債権は消滅する。上記したように、本発明の別の実施形態では、支払企業により所望の早期弁済金額が指定されているとき、早期弁済対象の電子記録債権の債権金額の合計を指定の早期弁済金額に一致させた後、個々の電子記録債権について支払等記録を行うために、電子記録債権を分割する必要がある。この実施形態では、一括ファクタリングサーバ12は、SPC端末3から早期弁済額の入金確認報告を受けると(S618)、支払企業によって早期弁済金額が指定されているかどうかを判断し、早期弁済金額が指定されている場合、報告された入金額が指定の早期弁済金額とが一致すれば、早期弁済の対象とする電子記録債権を決定して、電子記録債権の分割記録を行う。すなわち、支払企業によって指定された早期弁済金額通りの金額が入金された場合、早期弁済金額(入金額)と、早期弁済済みとする電子記録債権の債権金額の合計とが一致するように、所定の優先順位に従って加算していった結果、早期弁済金額(入金額)を超えることとなる最後の電子記録債権について分割記録請求データを生成する。なお、分割記録請求においては、当初契約に基づき入金確認報告をもってSPC(債権者)から単独で分割記録請求があったものとみなして、分割記録請求データを生成する。そして、一括ファクタリングサーバ12は、分割された電子記録債権の支払等記録請求データを含め、早期弁済対象の電子記録債権それぞれの支払等記録請求データを生成し、分割記録請求データとともに記録機関システム13の請求受付簿31に送信する(ステップS622、624)。その後、記録機関システム13において、記録原簿32に分割記録と支払等記録が同時に実施される(ステップS626)。
図7に、支払企業からSPCへ電子記録債権の支払期日に弁済が行われる場合の処理を示す。支払期日における支払企業からSPCへの電子記録債権の債権金額の支払は、口座間送金決済によって行われる。
ステップS702において、記録機関システム13は、例えば、支払期日の2営業日前など、まもなく支払期日が到来する電子記録債権を記録原簿32から抽出する。なお、早期弁済された電子記録債権については、早期弁済額の入金確認報告後に支払等記録によって債権が消滅しているため、ステップS702では抽出されない。
次いで、ステップS704において、記録機関システム13は、抽出した電子記録債権について口座間送金決済を行うことができるように、その電子記録債権に関する口座間送金決済の依頼通知電文を一括ファクタリングサーバ12に伝送する。口座間送金決済では、法制上個々の電子記録債権について、少なくとも当該電子記録債権の支払期日・債権金額・債務者口座・債権者口座を含む情報が提供される必要があり、これに対応するものである。例えば、各電子記録債権の決済日(支払期日)、債務者(支払企業)の口座情報、債権者(SPC)の口座情報、及び債権金額などの情報が含まれる。
その後、ステップS706において、一括ファクタリングサーバ12の決済処理部23は、支払期日に債務者(支払企業)の決済口座から債権者(SPC)の決済口座へ債権金額の口座間送金を行うための振込データを作成する。ある支払期日に債務者(支払企業)が債権者(SPC)に支払いを行うべき電子記録債権が複数存在する場合があるが、決済処理部23は、同一支払期日における同一債務者と同一債権者との間の複数の電子記録債権をまとめて1度の口座間送金決済により決済を行うことができるようする。例えば、決済処理部23は、同一支払期日、同一債務者、同一債権者の電子記録債権について、債権金額の合計を振込金額とし、支払企業の決済口座を出金口座、SPCの決済口座を入金口座として、支払期日を決済日とする口座間送金決済の振込データを作成することができる。なお、上記振込データは、合計された振込金額による単一の総合振込データとして生成されるが、単一の振込明細に集約されているため、振込指示の内容が確認できる振替伝票等であってもよい。
作成した振込データは、決済銀行システム5にダウンロードされ(ステップS708)、決済銀行システム5が、ダウンロードした振込データをEBシステム15により処理(もしくは振込伝票等により処理)し、支払企業の口座から振込金額を引き落としてSPCの口座に入金することにより口座間送金決済を実行する(ステップS710)。これにより、支払企業の口座からSPCの口座への資金移動が行われる。
その後、決済銀行システム5は、弁済額の入金を確認し、一括ファクタリングサーバ12に弁済額の入金確認報告を行う(ステップS712)。その後、期日弁済が行われた個々の電子記録債権を特定し(ステップS714)、記録処理部22は、特定した電子記録債権の支払等記録請求データを生成して、記録機関システム13の請求受付簿31に伝送する(ステップS716、718)。そして、記録機関システム13の記録原簿32への支払等記録が行われることにより、その電子記録債権は消滅する(ステップS720)。一括ファクタリングサーバ12が、記録機関システム13から記録結果を受け取ると(ステップS722)、処理は終了する。
図15に口座間送金決済の詳細な処理を示す。まず記録機関13と外部の金融機関が提携することにより、ステップS1500において当該外部の金融機関が決済銀行として一括ファクタリングサーバ12のマスタデータに登録される。また、決済銀行と関連付けられて、SPCが一括ファクタリングサーバのマスタデータに登録される。マスタデータは、例えば、図3のステップS302において、SPC端末3から一括ファクタリングサーバ12に送信され、マスタデータ記憶部24に記憶される。また、SPCと、決済銀行に口座を有する支払企業と、支払企業の仕入先企業との三者間で一括ファクタリング契約が締結された後、決済銀行及びSPCと関連付けられて支払企業が一括ファクタリングサーバ12のマスタデータに登録され、決済銀行及びSPC並びに支払企業と関連付けられて仕入先が一括ファクタリングサーバ12のマスタデータに登録される。なお、支払企業の電子記録債権の決済口座は決済銀行内に設けられていることが前提である。併せて法制上、口座間送金決済による支払を行うためには、あらかじめ支払企業、決済銀行、記録機関の三者間で口座間送金決済に係る契約を締結する必要があるため、同契約を締結する。
ステップS1502において、個々の電子記録債権の支払期日が到来するまでの間に、記録機関システム13おいて記録原簿32から特定の支払期日にかかる電子記録債権の明細が抽出され、記録機関システム13から一括ファクタリングサーバ12に対して口座間送金決済の依頼通知電文が送信される。口座間送金決済では、法制上個々の電子記録債権について、少なくとも当該電子記録債権の支払期日・債権金額・債務者口座・債権者口座を含む情報が提供される必要があり、これに対応するものである。
ステップS1504において、一括ファクタリングサーバ12は、決済銀行システム5に対して、記録機関システム13から受信した口座間送金決済の依頼通知電文に基づく決済情報を通知する。その際、一括ファクタリングサーバ12の決済処理部23は、同一支払期日、同一決済銀行、同一SPC、同一支払企業でサマリーした決済情報に変換を行い、当該総額でサマリーされた決済情報につき、口座間送金決済の依頼番号を付した上で、決済銀行に通知する。依頼番号が付された決済情報は、支払期日に決済銀行によって、支払企業からSPCに対して行われる単一の口座間送金決済の送金データとなる。通常、銀行における決済処理においては、預金規定等により、同日に複数の引落明細があり預金残高に満たなかった場合には、引落処理の順番や充当については銀行の裁量に委ねられているが、口座間送金決済についても、当事者間の合意により、支払期日における支払企業の複数の電子記録債権の支払の全てを一括して送金処理できない場合、決済銀行は一部の電子記録債権の支払に係る送金を行わないとの合意も可能である。このような合意に基づき、ステップS1506において、決済銀行システム5は依頼番号単位で支払企業の口座からSPCの口座に対する送金処理を行う。
ステップS1508において、決済銀行システム5は、処理した送金結果に基づいて、一括ファクタリングサーバ12に対し、依頼番号単位で送金結果を通知する。なお、決済銀行とSPCとの間で、SPCが、決済銀行から口座間送金決済における報告処理を委託されている場合、SPCは、自ら自身の口座に対する送金処理が完了したことを確認の上、ステップS1508において、決済銀行システム5の代わりに一括ファクタリングサーバ12に対して、送金結果を通知することができる。例えば、SPCは、決済銀行の委託先として、記録機関による取引メニュー表示の権限設定の承認を受けた上で、SPC端末3に表示される取引メニュー1100の「電子記録債権回収管理」1102から回収管理画面1300を表示し、入金確認を報告することができる。
ステップS1510において、決済銀行システム5から直接、又は決済銀行システム5からSPC端末3を介して依頼番号単位での送金処理完了の通知を受信した一括ファクタリングサーバ12は、個々の電子記録債権の全てについて口座間送金決済による送金が完了したものとして、記録機関システム13における請求受付簿31に対して、個々の電子記録債権について口座間送金決済に基づく支払等記録を実施するための口座間送金決済通知の電文を送信する。なお、決済銀行システム5から直接、又は決済システム5からSPC端末3を介してより依頼番号単位での送金処理中止の連絡を受信した場合、又は送金処理保留のまま一定期間を経過した場合は、一括ファクタリングサーバ12は、記録機関システム13における請求受付簿31に対して、口座間送金決済不可通知の電文を送信する。
ステップS1512において、記録機関システム13の請求受付部31では口座間送金決済に基づく支払等記録に必要な支払人(通常は支払企業)・支払日(通常は支払期日)・支払の様態・記録番号・電子記録年月日等の情報を付加した上で、支払期日以降に記録原簿32に対して支払等記録請求データが送信され、記録原簿32にて、個々の電子記録債権への支払等記録が実施される。なお、上記したように、上記決済銀行システム5と一括ファクタリングサーバ12の間の通知・連絡については、記録機関の承認があれば、決済銀行から委託を受けたSPC3が決済銀行に代わって処理を行ってもよい。SPCは譲受金融機関であり支払期日時点での口座間送金決済の可否を確実に知りうる立場であると同時に、通常決済銀行自身がアレンジして設立した会社であるからである。
図8は、本発明の一実施形態にしたがって、早期弁済可能額を算出する処理を示す。処理は、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21が、(例えば、図6のS602において)支払企業端末1から「早期弁済可能額照会」の選択を受信すると開始する。
ステップS802において、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、支払企業の識別情報(企業コード)に基づいて、債権データ記憶部25から、早期弁済可能額を照会した支払企業が債務者となっている債権データを抽出する。
次いで、受付処理部21は、ステップS804において、抽出した債権データのうち、早期弁済可能額の照会が行われたときまでに仕入先企業による期日前資金化の依頼が行われた電子記録債権の債権データを識別する。例えば、債権データに期日前資金化依頼済みフラグが立っているかどうかに基づいて、早期弁済の対象となる債権データを識別することができる。
その後、一括ファクタリングサーバ12の決済処理部23は、ステップS806において、識別された期日前資金化依頼済み債権データの債権金額を合計して早期弁済可能額を算出する。早期弁済可能額の算出においては、さらに、期日前資金化によってSPCが得ることとなる割引額と、SPCの手数料も考慮されることがある。例えば、決済処理部23は、オプションとして、SPCが得ることとなる割引額のうちSPCの手数料を控除した金額を、支払企業に還元することができる(ステップS808)。なお、期日前資金化における割引率及びSPCの手数料はマスタデータにおいて規定されるが、これには支払企業とSPCとの間の早期弁済の前提条件が関連付けられており、支払企業とSPCとの間で、期日前資金化依頼済みの電子記録債権につき支払企業が一括ファクタリングサーバ12を介して早期弁済依頼を実施すれば、あらかじめ決められた条件でSPCは当該早期弁済を承認するという合意の存在が前提となっている。
上述したように、支払企業による早期弁済は、仕入先企業から期日前資金化の依頼があった電子記録債権についてのみ可能となり、早期弁済可能額は、仕入先企業から期日前資金化の依頼があった電子記録債権の債権金額の合計額である。言い換えると、支払企業は、仕入先企業から期日前資金化の依頼がなされた電子記録債権の合計債権金額を限度として早期弁済を行うことができ、それを超える金額は、支払期日前に弁済することはできない。ところが、仕入先企業は、債権金額全体ではなく、債権金額の一部金額についてのみ期日前資金化を依頼することもある(例えば、元の債権金額が1千万円の場合に、4百万円のみ期日前資金化を依頼するなど)。現状、電子記録債権を活用した一括ファクタリングにおいて、このような一部期日前資金化が依頼された債権を支払企業による早期弁済の対象とすることはできない。
そこで、本発明の別の実施形態では、支払企業から早期弁済依頼があった場合、その支払企業が債務者となっている電子記録債権のうち、一部の期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権があるかどうかを確認し、一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権についても早期弁済の対象とするために、支払企業からの一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権を含む早期弁済依頼を受け付けて、SPCから一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権を含む早期弁済金額の入金確認報告があった場合には、一部期日資金化依頼済みの電子記録債権について資金化依頼済みの部分と資金化未済の部分に分割するように構成する。一部のみ期日前資金化を行った債権についても早期弁済可能とすることができれば、早期弁済の対象が拡大されるため、支払企業にとってより利便性の高い資金管理が可能になる。
本実施形態において、仕入先企業は、仕入先企業端末2から、例えば、債権金額(前払額)を指定するなどして、電子記録債権の一部について期日前資金化を依頼することができる。一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、仕入先企業端末2から電子記録債権の一部に対する期日前資金化の依頼を受信すると、電子記録債権について仕入先企業から一部の期日前資金化の依頼が行われたことをSPC端末3(及び支払企業端末1)に通知するとともに、債権データ記憶部25に格納されている債権データのうち、一部資金化依頼された電子記録債権の債権データに一部期日前資金化が依頼されたことを示すフラグを立て、期日資金化依頼済みの金額と、資金化依頼未済の金額とを特定するデータを付加する。その後、一括ファクタリングサーバ12の受付処理部21は、支払企業端末1から早期弁済可能額照会を受信すると、支払企業の企業コードに基づいて、債権データ記憶部25からその支払企業が債務者となっている債権データを抽出する。次いで、フラグに基づいて、抽出した債権データのうち、期日前資金化依頼済みの電子記録債権の債権データ及び一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権の債権データを識別する。この時点では一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権は、資金化依頼済みの部分に対応する部分と、資金化未済の部分で構成されている。その後、当該電子記録債権は、一部早期弁済可能な電子記録債権として識別され、その債権金額の資金化依頼済みの部分は、早期弁済可能額に加算される。例えば、電子記録債権の債権金額が1千万円のうち、4百万円が期日前資金化依頼済みであった場合、資金化依頼済み金額に対応する4百万円が早期弁済可能と認識され、未資金化金額に対応する6百万円は早期弁済可能とは認識されないことになる。支払企業による早期弁済金額の入金後に一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権の資金化依頼済みの部分について支払等記録を実施するためには、支払等記録を実施する前に、分割記録により資金化依頼済みの部分に対応する電子記録債権と、資金化未済の部分に対応する電子記録債権に分割をしておく必要がある。分割記録が実施されるためには、法令上債権者単独による分割記録請求が必要であり、SPCによる分割記録請求が行われることになるが、早期弁済の対象に一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権が含まれる場合には、一括ファクタリングサーバ12がSPC端末3からの早期弁済額の入金確認報告を受けた場合、一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権については、支払等記録請求に先立って当初契約に基づきSPC(債権者)単独による分割記録請求があったものとみなして、一括ファクタリングサーバ12は分割記録請求データを作成する。次いで、記録機関システム13の請求受付簿31に分割記録請求データが送信され、記録原簿32にて分割記録が行われる。記録機関システム13では、一部期日前資金化依頼済みの電子記録債権を早期弁済の対象とするための分割記録請求と、その後の実際の早期弁済にかかる支払等記録請求とについて、整合性を保った順序で電子記録が実施されるように管理され、上記分割記録と支払等記録が記録原簿32に同時に実施される。
図14に、本発明の実施形態にかかる電子記録債権の支払等記録請求データの例を示す。図14(A)は、早期弁済された電子記録債権について生成される支払等記録請求データを示し、図14(B)は、口座間送金決済により期日弁済された電子記録債権について生成される支払等記録請求データを示す。口座間送金決済にかかる電子記録債権の期日弁済の場合、支払等記録は記録機関の職権により記録原簿に記録されるが、早期弁済にかかる電子記録債権の支払等記録は、債権者からの請求により記録される。したがって、早期弁済にかかる電子記録債権の支払等記録請求データには、債権者であるファクタリング会社(SPC)のコードが請求者コードとして含まれる。なお、SPCコードは、支払企業が早期弁済依頼を行う際に、特定された電子記録債権の債権データに含まれる債権者コードから転記することができる。早期弁済にかかる支払等記録請求データにはさらに、支払等金額、支払日、及び支払等の様態などの項目も含まれる。支払等金額には早期弁済金額(額面金額)が記録され、支払日には早期弁済日が記録される。また、支払等記録請求データの支払等の様態には、例えば、「当事者の合意による早期弁済」と記録される。
一方、口座間送金決済にかかる電子記録債権の支払等記録は、債権者からの請求を必要とせず、記録機関は決済銀行からの決済結果の通知をもって職権により記録することができる。したがって、口座間送金決済にかかる支払等記録請求データは、早期弁済にかかる支払等記録請求データとは異なり、請求者コードを含まない。口座間送金決済にかかる支払等記録請求データの支払等金額には債権金額(額面金額)が記録され、支払日には支払期日が記録される。また、支払等記録請求データの支払等の様態には、例えば「支払」と記録される。
1 支払企業端末(債務者端末)
2 仕入先企業端末(原債権者端末)
3 SPC端末(ファクタリング会社端末)
4 銀行システム
5 決済銀行システム
6、7 ネットワーク
11 ウェブサーバ
12 一括ファクタリングサーバ
13 記録機関システム
14 ウェブサーバ
15 EBシステム
16 勘定系システム
21 受付処理部
22 記録処理部
23 決済処理部
24 マスタデータ記憶部
25 債権データ記憶部
26 決済情報記憶部
31 請求受付簿
32 記録原簿

Claims (14)

  1. 電子記録債権を用いる一括ファクタリングにおいて、銀行システム内の一括ファクタリングサーバから決済銀行に対して口座間送金決済に係る決済情報を通知するための方法であって、前記銀行システムの前記一括ファクタリングサーバは、電子記録債権の記録原簿を備えた記録機関システムと接続され、さらに仕入先企業の端末と、支払企業の端末と、電子記録債権の一括ファクタリングを行うSPC(Special Purpose Company)の端末と、債務者である前記支払企業が決済口座を有する、前記銀行システムとは異なる決済銀行の端末とネットワークを介して接続され、前記一括ファクタリングサーバが、
    支払期日までに前記記録機関システムから支払期日が到来する個々の電子記録債権の決済情報を受信したとき、前記決済情報に基づいて、個々の電子記録債権を、前記決済銀行に決済口座を有する支払企業及びSPC単位かつ支払期日単位で合計して口座間送金決済を行うための送金情報を生成するステップと、
    前記送金情報を前記決済銀行の端末に送信するステップと、
    前記送金情報に基づいて前記決済銀行によって、前記決済銀行を介して債務者である前記支払企業の決済口座から前記SPCの決済口座へ、前記支払企業及びSPC単位かつ支払期日単位で合計された電子記録債権の総額の債権金額の口座間送金決済が行われた後、口座間送金決済の決済結果の報告を前記決済銀行の端末から受信すると、口座間送金決済済みの個々の電子記録債権に対する口座間送金決済による支払等記録請求データを生成し、生成した支払等記録請求データを前記記録機関システムに伝送するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記一括ファクタリングサーバが前記支払企業の端末から受信した一括ファクタリングにかかる明細データに基づいて、前記記録機関システムを介して、前記記録原簿に対して、電子記録債権について前記支払企業を債務者とし前記仕入先企業を原債権者とする発生記録及び前記仕入先企業を譲渡人とし前記SPCを譲受人とする譲渡記録が同時に行われた場合には、前記一括ファクタリングサーバが、前記SPCに譲渡された一括ファクタリングにかかる電子記録債権の債権明細を前記SPCの端末に送信するステップと、
    前記一括ファクタリングサーバが、前記仕入先企業の端末から期日前資金化の依頼を受信した場合には、前記一括ファクタリングサーバが、前記期日前資金化を依頼された電子記録債権に期日前資金化依頼済みであることを示すフラグを立てた債権明細を前記SPCの端末に送信するステップと、
    支払期日に口座間送金決済が実施され、前記記録機関システムにて口座間送金決済に基づく支払等記録が行われた場合には、前記一括ファクタリングサーバが、支払等記録済であることを示すフラグを立てた債権明細を前記SPCの端末に送信するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記一括ファクタリングサーバが、支払期日までの間に前記仕入先企業の端末から期日前資金化の依頼を受信した場合には、期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権の債権金額を前記原債権者である前記仕入先企業に支払うための振込データの作成指示を、前記SPCの端末から受信するステップと、
    前記一括ファクタリングサーバが、振込データの作成指示を受信すると、前記SPCが仕入先企業である各原債権者に支払うべき支払額を算出するステップであって、各原債権者がそれぞれ有していた電子記録債権の債権金額から所定の割引率に基づく割引額及び送金手数料等の諸費用を減ずることによって支払額を算出するステップと、
    前記一括ファクタリングサーバが、前記SPCを振込依頼人とし、前記仕入先企業である各原債権者を受取人とし、算出された支払額を振込金額とする1つ又は複数の振込明細を含む振込データを作成するステップと、
    前記一括ファクタリングサーバが、前記作成した振込データを前記SPCの端末に伝送するステップとをさらに含み、
    前記一括ファクタリングサーバが、支払期日までに前記仕入先端末からの期日前資金化の依頼を受信しなかった場合においては、
    支払期日までに期日前資金化の依頼を受けていない電子記録債権の債権金額を前記SPCが前記原債権者である前記仕入先企業に支払うための振込データの作成指示を、前記SPCの端末から受信するステップと、
    振込データの作成指示を受信すると、前記SPCが仕入先企業である各原債権者に支払うべき支払額を算出するステップであって、各仕入先企業がそれぞれ有していた電子記録債権の債権金額から所定の費用を控除して支払額を算出するステップと、
    前記SPCを振込依頼人とし、各仕入先企業を受取人とし、算出された支払額を振込金額とする1つ又は複数の振込明細を含む振込データを作成するステップと、
    前記作成した振込データを前記SPCの端末に伝送するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 銀行システム内の一括ファクタリングサーバにおいて、支払企業からSPCに対する電子記録債権の早期弁済を処理する方法を提供するものであって、前記銀行システムの前記一括ファクタリングサーバは、電子記録債権の記録原簿を備えた記録機関システムと接続され、さらに仕入先企業の端末と、前記銀行システムとは異なる銀行に決済口座を有する債務者である支払企業の端末と、電子記録債権の一括ファクタリングを行うSPCの端末とネットワークを介して接続され、前記一括ファクタリングサーバが、
    前記支払企業の端末から電子記録債権の早期弁済可否の照会を受信すると、前記支払企業が前記SPCに対して早期弁済を実施することが可能な電子記録債権を識別し、早期弁済可能な電子記録債権のそれぞれの債権金額に基づいて早期弁済可能額を算出するステップと、
    前記算出した早期弁済可能額を前記支払企業の端末に提示するステップと、
    前記支払企業の端末から早期弁済額と早期弁済日とを含む早期弁済依頼を受信するステップと、
    前記早期弁済依頼に基づいて、早期弁済対象の個々の電子記録債権を決定するステップと、
    前記SPCの端末に、少なくとも早期弁済予定額と早期弁済予定日とを含む早期弁済予定通知を提供するステップと、
    早期弁済予定日までに前記支払企業から早期弁済額の総額の入金があったことの報告を前記SPCの端末から受信すると、早期弁済対象の個々の電子記録債権に対する前記SPCの請求による支払等記録請求データを生成し、生成した支払等記録請求データを前記記録機関システムに伝送するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  5. 前記早期弁済可能額を算出するステップは、前記仕入先企業から電子記録債権の全体に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権と、債権金額の一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権とを早期弁済可能な債権として識別し、債権金額の全体又は一部に対して支払期日前の資金化依頼を受けた電子記録債権の債権金額を合計することによって行われることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記支払企業の端末から任意の早期弁済額での早期弁済依頼を受信したことに応答して、
    早期弁済可能な個々の電子記録債権の債権金額を、前記SPCによって指定された優先順位に従って順次加算するステップと、
    次の債権金額を加算すると合計債権金額が前記早期弁済額を超えるかどうか判断するステップと、
    次の債権金額を加算すると合計債権金額が早期弁済額を超えるとき、次の債権金額の一部を加算した後の合計債権金額が早期弁済額と一致するように、次の電子記録債権の一部を最後の債権金額として認識するステップと、
    合計債権金額に最後の債権金額が加算された電子記録債権の一部を、早期弁済対象の電子記録債権として決定するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. 前記支払企業の端末から、電子記録債権の早期弁済依頼を受信する前に、前記仕入先企業の端末から、前記SPCに譲渡された一括ファクタリングにかかる電子記録債権に対する期日前資金化の依頼を受信するステップと、
    前記資金化依頼された電子記録債権に、期日前資金化が依頼済みであることを示すフラグを立てるステップと、
    原債権者である前記仕入先企業から一括ファクタリングにかかる電子記録債権に対して期日前資金化の依頼を受けたことを、前記支払企業の端末に通知するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  8. 電子記録債権を用いる一括ファクタリングにおいて、決済銀行に対して口座間送金決済に係る決済情報を通知するための銀行システム内の一括ファクタリングサーバであって、電子記録債権の記録原簿を備えた記録機関システムと接続され、さらに仕入先企業の端末と、支払企業の端末と、電子記録債権の一括ファクタリングを行うSPCの端末と、債務者である前記支払企業が決済口座を有する、前記銀行システムとは異なる決済銀行の端末とネットワークを介して接続され、
    支払期日までに前記記録機関システムから支払期日が到来する個々の電子記録債権の決済情報を受信し、前記決済情報に基づいて生成される送金情報を前記決済銀行の端末に送信する受付処理部と、
    前記決済情報に基づいて、個々の電子記録債権を、前記決済銀行に決済口座を有する支払企業及びSPC単位かつ支払期日単位で合計して口座間送金決済を行うための送金情報を生成する決済処理部と、
    前記送金情報に基づいて前記決済銀行によって、前記決済銀行を介して債務者である前記支払企業の決済口座から前記SPCの決済口座へ、前記支払企業単位及びSPC単位で合計された電子記録債権の総額の債権金額の口座間送金決済が行われた後、口座間送金決済の決済結果の報告を前記決済銀行の端末から受信すると、口座間送金決済済みの個々の電子記録債権に対する口座間送金決済による支払等記録請求データを生成し、生成した支払等記録請求データを前記記録機関システムに伝送する記録処理部と
    を備えたことを特徴とするサーバ。
  9. 前記受付処理部は、
    前記支払企業の端末から受信した一括ファクタリングにかかる明細データに基づいて、前記記録機関システムを介して、前記記録原簿に対して、電子記録債権について前記支払企業を債務者とし前記仕入先企業を原債権者とする発生記録及び前記仕入先企業を譲渡人とし前記SPCを譲受人とする譲渡記録が同時に行われた場合には、前記SPCに譲渡された一括ファクタリングにかかる電子記録債権の債権明細を前記SPCの端末に送信し、
    前記仕入先企業の端末から期日前資金化の依頼を受信した場合には、前記一括ファクタリングサーバが、前記期日前資金化を依頼された電子記録債権に期日前資金化依頼済みであることを示すフラグを立てた債権明細を前記SPCの端末に送信し、
    支払期日に口座間送金決済が実施され、前記記録機関システムにて口座間送金決済に基づく支払等記録が行われた場合には、前記一括ファクタリングサーバが、支払等記録済であることを示すフラグを立てた債権明細を前記SPCの端末に送信するように構成されることを特徴とする請求項8に記載のサーバ。
  10. 前記受付処理部は、
    支払期日までの間に前記仕入先企業の端末から期日前資金化の依頼を受信した場合には、期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権の債権金額を前記原債権者である前記仕入先企業に支払うための振込データの作成指示を、前記SPCの端末から受信し、前記振込データの作成指示を受信したことに応答して、前記SPCが仕入先企業である各原債権者に支払うべき支払額を算出するものであって、各原債権者がそれぞれ有していた電子記録債権の債権金額から所定の割引率に基づく割引額及び送金手数料等の諸費用を減ずることによって支払額を算出し、
    前記SPCを振込依頼人とし、仕入先企業である各原債権者を受取人とし、算出された支払額を振込金額とする1つ又は複数の振込明細を含む振込データを作成し、
    前記作成した振込データを前記SPCの端末に伝送するように構成され、支払期日までに仕入先端末からの期日前資金化の依頼を受信しなかった場合においては、
    支払期日までに期日前資金化の依頼を受けていない電子記録債権の債権金額を前記SPCが前記原債権者である前記仕入先企業に支払うための振込データの作成指示を、前記SPCの端末から受信し、
    振込データの作成指示を受信すると、前記SPCが仕入先企業である各原債権者に支払うべき支払額を算出するものであって、各仕入先企業がそれぞれ有していた電子記録債権の債権金額から所定の費用を控除して支払額を算出し、
    前記SPCを振込依頼人とし、各仕入先企業を受取人とし、算出された支払額を振込金額とする1つ又は複数の振込明細を含む振込データを作成し、
    前記作成した振込データを前記SPCの端末に伝送するようにさらに構成されることを特徴とする請求項8に記載のサーバ。
  11. 支払企業からSPCに対する電子記録債権の早期弁済を処理する銀行システム内の一括ファクタリングサーバであって、電子記録債権の記録原簿を備えた記録機関システムと接続され、さらに仕入先企業の端末と、前記銀行システムとは異なる銀行に決済口座を有する債務者である支払企業の端末と、電子記録債権の一括ファクタリングを行うSPCの端末とネットワークを介して接続され、
    前記支払企業の端末から電子記録債権の早期弁済可否の照会を受信し、前記支払企業の端末から早期弁済額と早期弁済日とを含む早期弁済依頼を受信する受付処理部であって、前記早期弁済可否の照会に応答して、算出された早期弁済可能額を前記支払企業の端末に提示し、及び前記早期弁済依頼に基づいて早期弁済対象の個々の電子記録債権を決定し、前記SPCの端末に、少なくとも早期弁済予定額と早期弁済予定日とを含む早期弁済予定通知を提供するように構成された受付処理部と、
    前記支払企業が前記SPCに対して早期弁済を実施することが可能な電子記録債権を識別し、早期弁済可能な電子記録債権のそれぞれの債権金額に基づいて早期弁済可能額を算出する決済処理部と、早期弁済予定日までに前記支払企業から早期弁済額の総額の入金があったことの報告を前記SPCの端末から受信すると、早期弁済対象の個々の電子記録債権に対する前記SPCの請求による支払等記録請求データを生成し、生成した支払等記録請求データを前記記録機関システムに伝送する記録処理部と
    を備えたことを特徴とするサーバ。
  12. 前記決済処理部は、前記仕入先企業から電子記録債権の全体に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権と、債権金額の一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権とを早期弁済可能な債権として識別し、債権金額の全体又は一部に対して期日前資金化の依頼を受けた電子記録債権の債権金額を合計することによって、前記早期弁済可能額を算出することを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
  13. 前記受付処理部は、前記支払企業の端末から任意の早期弁済額での早期弁済依頼を受信したことに応答して、
    前記早期弁済可能な電子記録債権の債権金額を、前記SPCによって指定された優先順位に従って順次加算し、
    次の債権金額を加算すると合計債権金額が前記早期弁済額を超えるかどうか判断し、
    次の債権金額を加算すると合計債権金額が早期弁済額を超えるとき、次の債権金額の一部を加算した後の合計債権金額が早期弁済額と一致するように、次の電子記録債権の一部を最後の債権金額として認識し、
    合計債権金額に最後の債権金額が加算された電子記録債権の一部を、早期弁済対象の電子記録債権として決定する
    ように構成されることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
  14. 前記受付処理部は、前記支払企業の端末から、電子記録債権の早期弁済依頼を受信する前に、前記仕入先企業の端末から、前記SPCに譲渡された一括ファクタリングにかかる電子記録債権に対する期日前資金化の依頼を受信すると、
    前記期日前資金化を依頼された電子記録債権に、期日前資金化依頼済みであることを示すフラグを立て、原債権者である前記仕入先企業から一括ファクタリングにかかる電子記録債権に対して期日前資金化の依頼を受けたことを、前記支払企業の端末に通知するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
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