JP2014235259A - 光拡散シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材シートと概基材シートの少なくとも片面の上に、微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートであって、前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さいことを特徴とする凸部の光拡散シート。
【選択図】図1
Description
このようにして得られた光拡散シートの光拡散性は、微小球体が形成する光拡散層表面の凹凸形状に大きく影響を受ける。
光拡散層表面の凹凸形状は、前記微小球体の大きさと、前記微小球体の前記接着剤層表面からの突出高さにより決定される。
例えば光が出射する角度を光源の正面である0度を中心に30度まで照明しようとする場合、角度0〜30度の範囲では十分な照度を確保し、拡散角度30度を超える光は殆ど出射しない照明装置が理想である。
上述した微小球体の接着剤層表面からの突出量を調整することによって光拡散性を調整することができる。
微小球体の接着剤層表面からの突出量を小さくすれば粒子が形成する凸部が光拡散シート表面に占める面積の割合が小さくなり、光拡散性が低くなり、光源の輝点が視認されて眩しく感じられる問題、或いは、光透過型の表示装置においては表示の明るさにムラが生じる問題が発生する。
[2]前記微小球体が接着剤層によって前記基材シートに固着されて、前記微小球体と前記接着剤層からなる光拡散層を構成し、前記光拡散層の少なくとも一部を被覆する光拡散角度調整層を有する[1]に記載の光拡散シート。
[3]前記複数の微小球体の粒度分布が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍の範囲にある粒子径ピーク値を有する [1] または[2]に記載の光拡散シート。
[4]前記複数の微小球体の粒度分布がピーク値を2つ以上有する [1] 〜[3]のいずれかに記載の光拡散シート。
[5] 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍である[4]に記載の光拡散シート。
[6] 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も小さい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの0.3〜1倍である[4] または[5]に記載の光拡散シート。
[7]光拡散角度が10〜40度である[1]〜[6]のいずれかに記載の光拡散シート。
[8] 基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布して表面に凹凸形状を有する光拡散層を形成する工程と、前記光拡散層の少なくとも一部の上に樹脂を含有する塗工液を塗布して光拡散角度調整層を形成する工程を含む光拡散シートの製造方法。
[9]前記光拡散角度調整層を形成する工程において前記樹脂を含有する塗工液が塗布時の粘度が50mPa・s以下である [8]に記載の光拡散シートの製造方法。
[10] 前記光拡散角度調整層を形成する工程が、インクジェット方式によって塗工液を塗布して前記光拡散角度調整層を形成する[8] または[9]に記載の光拡散シートの製造方法。
[11]基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布する工程と、該塗布面に樹脂を含有する塗工液をインクジェット方式により塗布する工程を含む光拡散シートの製造方法。
前記複数の微小球体の粒度分布がピーク値を2つ以上有する場合は、前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も小さい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの0.3〜1倍であることが好ましい。
接着剤層3の厚みを上記範囲とすることにより、前記複数の微小球体と接着剤の混合物を前記基材シートに塗工して光拡散層を形成したときに、前記基材シートと前記複数の微小球体との接着力を確保し、前記基材シート面上に前記複数の微小球体を密に配置することができ、光源の光が拡散されずに通過する輝点の発生を防止することができる。
前記複数の微小球体の粒度分布においてピークが1つの場合、ピーク値の粒子径以上の微小球体は、光拡散層中に単層状態で存在していることが好ましく、その底部が基材シートに接地していることが好ましい。微小球体が単層状態でその底部を基材シートに接地して配置されていることによって、光拡散層の厚みを抑え、光拡散シートの光透過性を向上させ、本発明の光拡散シートを適用した照明装置において発光効率を上げることができる。
前記複数の微小球体の粒度分布においてピークが2つ以上の場合、最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径以上の粒子径を有する微小球体は、光拡散層中に単層状態で存在していることが好ましく、その底部が基材シートに接地していることが好ましい。
前記複数の微小球体の粒度分布は以下の方法で測定できる。
微小球体の分散液をレーザー回折・散乱法による粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社マイクロトラックMT3300EX2)により測定し、体積基準の粒度分布グラフを作成する。
レーザー回折・散乱法による粒度分布測定に代えて、光拡散シート表面の顕微鏡写真を画像処理ソフトで処理することにより、光拡散シート表面に存在する微小球体の輪郭を特定することにより、各微小球体の粒径を定め、微小球体の粒径頻度をカウントして体積基準の粒度分布グラフを作成することも可能である。
また、レーザー顕微鏡により光拡散シート表面を計測し得られたデータから光拡散シート上の凸部を球の一部と見なして計算することにより、凸部を形成している粒子の粒子径を算出することができる。
本発明において前記複数の微小球体の粒度分布のピークは以下のように定義する。
粒度分布グラフにおいて、最も高いピーク部の粒径の粒子頻度の5%以上の突出をピークと見なす。
光拡散シートに、LED光源からの光を、光拡散シートに対して垂直な角度で入射させる。LED光源の中心から光拡散シートに降ろした垂線の延長線上の測定点を光拡散角度0度とし、前記垂線と光拡散シートの出光面の交点を軸として測定点を前記垂線に対して1度づつずらして輝度を測定する。光拡散角度0度で測定したときの輝度の半分の値となる角度の2倍を光拡散角度とする。光拡散角度は例えば、散乱・光源配光特性測定装置(ジェネシア社製、GENESIA Gonio Far Field Profiler)を用いて測定することができる。
本発明の光拡散シートの製造方法は、基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布して表面に凹凸形状を有する光拡散層を形成する工程と、前記光拡散層の少なくとも一部の上に樹脂を含有する塗工液を塗布して光拡散角度調整層を形成する工程を含む。
本発明において凸部の裾野部とは、凸部を凸部高さの1/3の高さの上部、下部に分けたときの下部の斜面のことであり、裾野部の傾斜角とは下部斜面の断面の平均傾斜角である。
また、接着剤は熱可塑性樹脂であることが好ましい。本発明の光拡散層は接着剤に対する微小球体の体積比率が大きいため接着剤のみでは均一に微小球体を基材シート上に塗布するのに適した粘度の塗工液を得ることが困難である。
下記塗工液A1を透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「A4300」、厚さ:100μm)の片面に、乾燥後の塗布層の塗布量が8g/m2となるようにバーコーターにより塗布して、光拡散層を形成し、光拡散シートを得た。
(塗工液A1)
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg=105℃) 4質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−6;平均粒径6.4μm、ガラス転移温度なし) 13.2質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−12;平均粒径11.7μm、ガラス転移温度なし) 9.6質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−17;平均粒径16.1μm、ガラス転移温度なし) 1.2質量部
トルエン 72質量部
下記塗工液A1を透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「A4300」、厚さ:100μm)の片面に、乾燥後の塗布層の塗布量が8g/m2となるようにバーコーターにより塗布して、光拡散層を形成し、光拡散シートを得た。
(塗工液A1)
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg=105℃) 30質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−6;平均粒径6.4μm、ガラス転移温度なし) 13.2質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−12;平均粒径11.7μm、ガラス転移温度なし) 9.6質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−17;平均粒径16.1μm、ガラス転移温度なし) 1.2質量部
トルエン 46質量部
比較例1で得た光拡散シートの表面にUV硬化性アクリル樹脂組成物(塗布時粘度18mPa・s)を塗布量が0.4g/m2となるようにインクジェットプリンタを用いて、塗布し、光拡散角度調整層を形成し、光拡散シートを得た。
得た。
比較例1の光拡散層表面の凹凸形状をレーザー顕微鏡で測定したところ、球体の一部が突出した凸部の形状が確認できた。凸部は裾野部で傾斜面の傾斜角が最大となっていた。
実施例1の光拡散層表面の凹凸形状をレーザー顕微鏡で測定したところ、球体の一部が突出した凸部の形状が確認できた。凸部の傾斜面は裾野部で傾斜が緩やかになり終了していた。
比較例1の光拡散シートおよび実施例1の光拡散シートの光拡散角度を散乱・光源配光特性測定装置(ジェネシア社製、GENESIA Gonio Far Field Profiler)を用いて測定した。
実施例1の光拡散シートは、比較例1の光拡散シートに対し略同等の光拡散角度であった。
比較例2の光拡散シートの光拡散角度は比較例1に対し狭くなっていた。
前記光拡散角度の測定において、実施例1の光拡散シートの光拡散角度内の輝度は、同条件で測定した比較例1の光拡散シートの光拡散角度内の輝度に対して大きくなっていた。
LED光源の手前に光拡散シートを配置し、光拡散シートを観察した。実施例1および比較例1の光拡散の均一性は良好であった。比較例2の光拡散シートは、実用上問題となる輝点が観察された。
Claims (11)
- 基材シートと該基材シートの少なくとも片面の上に、微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートであって、前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さいことを特徴とする凸部の光拡散シート。
- 前記微小球体が接着剤層によって前記基材シートに固着されて、前記微小球体と前記接着剤層からなる光拡散層を構成し、前記光拡散層の少なくとも一部を被覆する光拡散角度調整層を有する請求項1に記載の光拡散シート。
- 前記複数の微小球体の粒度分布が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍の範囲にある粒子径ピーク値を有する請求項1または請求項2に記載の光拡散シート。
- 前記複数の微小球体の粒度分布がピーク値を2つ以上有する請求項1 〜3のいずれか1項に記載の光拡散シート。
- 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍である請求項4に記載の光拡散シート。
- 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も小さい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの0.3〜1倍である請求項4または5に記載の光拡散シート。
- 光拡散角度が10〜40度である請求項1 〜6のいずれか1項に記載の光拡散シート。
- 基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布して表面に凹凸形状を有する光拡散層を形成する工程と、前記光拡散層の少なくとも一部の上に樹脂を含有する塗工液を塗布して光拡散角度調整層を形成する工程を含む光拡散シートの製造方法。
- 前記光拡散角度調整層を形成する工程において前記樹脂を含有する塗工液が塗布時の粘度が50mPa・s以下である請求項8に記載の光拡散シートの製造方法。
- 前記光拡散角度調整層を形成する工程が、インクジェット方式によって塗工液を塗布して前記光拡散角度調整層を形成する請求項8または9に記載の光拡散シートの製造方法。
- 基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布する工程と、該塗布面に樹脂を含有する塗工液をインクジェット方式により塗布する工程を含む光拡散シートの製造方法。
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