JP2014235259A - 光拡散シート - Google Patents

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康一 片山
俊哉 桂木
Toshiya Katsuragi
俊哉 桂木
正人 川村
Masato Kawamura
正人 川村
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Abstract

【課題】基材シート上に微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートにおいて、少ない電力消費量で所望する範囲を必要とされる明るさで均一に照らすことができる照明装置を実現できる光拡散シートを提供する。
【解決手段】基材シートと概基材シートの少なくとも片面の上に、微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートであって、前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さいことを特徴とする凸部の光拡散シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部から入射された光を散乱させて外部に放射させるための光拡散シートに関するものである。
周知のように、LED照明器具などの照明器具や、レーザーディスプレー装置あるいは液晶ディスプレーなどの各種表示装置、そのほか各種光学機器などにおいては、光源からの光を拡散させるための光拡散シートを、光の経路中や外部への光の出射側に配設しておくことが行なわれている。
例えばLED照明器具においては、LED光源特有の眩しさを軽減するため、ガラスや樹脂などの透光性カバーに光拡散シートを貼着しておくことが行なわれている。またレーザーディスプレー装置においては、レーザー光源からのレーザー光を、導光板の端部に入射させ、その導光板から外部に文字や図形などを光学的に表示させることが行なわれているが、その場合、導光板内で光が散乱されるように、レーザー光が入射される導光板の端面に、光拡散シートを配設しておくことが行なわれており、さらにレーザー光を用いた場合に限らず、各種光学的表示装置における導光板の表面(表示面側)に光拡散シートを配設しておくことが行なわれている。
この種の光拡散シートとしては、最近では、例えば特許文献1に示されているように、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの軟質な樹脂からなる基材シート(フィルム)の表面(通常は片面)に、ビーズと称される多数の透明な微小球体を分散させて接着剤により固着した拡散層を形成したものが、広く使用されるようになっている。
このような光拡散シートの製造方法としては、微小球体(ビーズ)と概微小球体を基材シートに接着するための接着剤を溶媒に分散した塗工液を基材シート表面に塗工した後、乾燥して溶媒を蒸発させ、接着剤層によって微小球体が基材シート表面に接着された光拡散層を形成する方法がある。
このようにして得られた光拡散シートの光拡散性は、微小球体が形成する光拡散層表面の凹凸形状に大きく影響を受ける。
光拡散層表面の凹凸形状は、前記微小球体の大きさと、前記微小球体の前記接着剤層表面からの突出高さにより決定される。
前記微小球体の前記接着剤層表面からの突出高さの制御は、前記塗工液中の微小球体と接着剤の配合比率を変えることにより行われる。微小球体に対する接着剤の配合比率を下げると、前記微小球体の前記接着剤層表面からの突出量が大きくなり、拡散角度が大きくなる。逆に、微小球体に対する接着剤の配合比率を上げると、前記微小球体の前記接着剤層表面からの突出量が小さくなり、拡散角度が小さくなる。
特にLEDのような点光源を用いた照明や光透過型表示装置においては、点光源の眩しさを緩和できる程度の光拡散角度で照度や表示の明るさを少電力で維持したいという要求がある。
例えば光が出射する角度を光源の正面である0度を中心に30度まで照明しようとする場合、角度0〜30度の範囲では十分な照度を確保し、拡散角度30度を超える光は殆ど出射しない照明装置が理想である。
上述した微小球体の接着剤層表面からの突出量を調整することによって光拡散性を調整することができる。
しかしながら、微小球体が接着剤層表面から突出した凸部の形状は、頂上部から裾野へ行くに従い傾斜角度が大きくなる。この為、微小球体が接着剤層表面から突出した凸形状の裾野付近から出射する光は、光拡散シート面に対し水平に近い角度で放出さる。即ち、必要とされる拡散角度を超えて出射されてしまう。
微小球体の接着剤層表面からの突出量を小さくすれば粒子が形成する凸部が光拡散シート表面に占める面積の割合が小さくなり、光拡散性が低くなり、光源の輝点が視認されて眩しく感じられる問題、或いは、光透過型の表示装置においては表示の明るさにムラが生じる問題が発生する。
特許第3430098号公報
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、基材シート上に微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートにおいて、少ない電力消費量で所望する範囲を必要とされる明るさで均一に照らすことができる照明装置を実現できる光拡散シートを提供することを課題としている。
前述のような課題を解決するため、本発明の光拡散シートおよび光拡散シートの製造方法は、以下の構成を含む。
[1]基材シートと概基材シートの少なくとも片面の上に、微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートであって、前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さいことを特徴とする凸部の光拡散シート。
[2]前記微小球体が接着剤層によって前記基材シートに固着されて、前記微小球体と前記接着剤層からなる光拡散層を構成し、前記光拡散層の少なくとも一部を被覆する光拡散角度調整層を有する[1]に記載の光拡散シート。
[3]前記複数の微小球体の粒度分布が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍の範囲にある粒子径ピーク値を有する [1] または[2]に記載の光拡散シート。
[4]前記複数の微小球体の粒度分布がピーク値を2つ以上有する [1] 〜[3]のいずれかに記載の光拡散シート。
[5] 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍である[4]に記載の光拡散シート。
[6] 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も小さい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの0.3〜1倍である[4] または[5]に記載の光拡散シート。
[7]光拡散角度が10〜40度である[1]〜[6]のいずれかに記載の光拡散シート。
[8] 基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布して表面に凹凸形状を有する光拡散層を形成する工程と、前記光拡散層の少なくとも一部の上に樹脂を含有する塗工液を塗布して光拡散角度調整層を形成する工程を含む光拡散シートの製造方法。
[9]前記光拡散角度調整層を形成する工程において前記樹脂を含有する塗工液が塗布時の粘度が50mPa・s以下である [8]に記載の光拡散シートの製造方法。
[10] 前記光拡散角度調整層を形成する工程が、インクジェット方式によって塗工液を塗布して前記光拡散角度調整層を形成する[8] または[9]に記載の光拡散シートの製造方法。
[11]基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布する工程と、該塗布面に樹脂を含有する塗工液をインクジェット方式により塗布する工程を含む光拡散シートの製造方法。
本発明の光拡散シートは、基材シートと概基材シートの少なくとも片面の上に、微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートであって、前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さくなるように調整されているため、所望の範囲を高効率で拡散することができ、かつ、揮点を生じるような欠陥の極めて少ない光拡散シートである。
本発明の一実施形態である光拡散シートの微小球体によって形成された複数の凸部を含む光拡散シートの一部の断面を拡大して示す模式図である。 本発明の別の実施形態である光拡散シートの微小球体によって形成された複数の凸部を含む光拡散シートの一部の断面を拡大して示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の光拡散シートは、図1に示すように、基材シート1と基材シート1の少なくとも片面の上に、微小球体2によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートであって、前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さくなるように調整されている。破線5は前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角を求めるための補助線である。(図1の例では、最大傾斜角は略90度である)。破線6は、前記裾野部の傾斜面の傾斜角を求めるための補助線である。
本発明の光拡散シートは、接着剤層3によって、基材シート1の上に微小球体2が固着され、光拡散角度調整層4によって前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さくなるように調整されていることが好ましい。光拡散角度調整層4は、本発明の効果が得られていれば、前記凸部の裾野部のみに形成されていてもよく、図2のように微小球体2が形成する凸部の頂上付近の外観を変化させない程度に前記裾野以外の部分を薄く覆っていても良い。
接着剤層3の厚みは、基材シート上に固着された微小球体同士の間に存在する接着剤の厚みのことである。微小球体の形状が突起として光拡散層上に現れている程度に微小球体の表面を薄く覆っている部分は接着剤層の厚みに加えない。
前記複数の微小球体の粒度分布を測定したときに、粒子径ピーク値が前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍の範囲となるようにすることが好ましい。微小球体のグレード(平均粒子径)の選択、および塗工液中の微小球体と接着剤の配合比の調整により、前記範囲に調整することができる。
前記複数の微小球体の粒度分布がピーク値を2つ以上有する場合は、接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍であることが好ましい。
前記複数の微小球体の粒度分布がピーク値を2つ以上有する場合は、前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も小さい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの0.3〜1倍であることが好ましい。

接着剤層3の厚みを上記範囲とすることにより、前記複数の微小球体と接着剤の混合物を前記基材シートに塗工して光拡散層を形成したときに、前記基材シートと前記複数の微小球体との接着力を確保し、前記基材シート面上に前記複数の微小球体を密に配置することができ、光源の光が拡散されずに通過する輝点の発生を防止することができる。
前記複数の微小球体と接着剤の混合物を前記基材シートに塗工して光拡散層を形成するときに、前記混合物中の前記複数の微小球体に対する前記接着剤の比率が多過ぎると前記基材シート面上に前記複数の微小球体を密に配置することができないとともに、結果として接着剤層3の厚みと微小球体の粒子径ピーク値とのが上記範囲外となる。
本発明の光拡散シートは、前記光拡散層の少なくとも一部の上に光拡散角度調整層を有することによって、光拡散の角度を調整し、照明装置に適用したとき、照明装置が照らす範囲の照度を上げることができる。
前記光拡散角度調整層は、前記光拡散層中の複数の微小球体が接着剤によって良好な配置状態で固定された後に塗布される。
前記複数の微小球体の粒度分布においてピークが1つの場合、少なくとも、ピーク値の粒子径以上の微小球体の少なくとも一部を前記光拡散角度調整層が被覆した形状の凸部が前記光拡散角度調整層上に形成されている。
前記複数の微小球体の粒度分布においてピークが1つの場合、ピーク値の粒子径以上の微小球体は、光拡散層中に単層状態で存在していることが好ましく、その底部が基材シートに接地していることが好ましい。微小球体が単層状態でその底部を基材シートに接地して配置されていることによって、光拡散層の厚みを抑え、光拡散シートの光透過性を向上させ、本発明の光拡散シートを適用した照明装置において発光効率を上げることができる。
前記複数の微小球体の粒度分布においてピークが2つ以上の場合、最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径以上の粒子径を有する微小球体の少なくとも一部を前記光拡散角度調整層が被覆した形状の凸部が前記光拡散角度調整層上に、形成されている。
前記複数の微小球体の粒度分布においてピークが2つ以上の場合、最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径以上の粒子径を有する微小球体は、光拡散層中に単層状態で存在していることが好ましく、その底部が基材シートに接地していることが好ましい。
前記光拡散角度調整層の表面から突出している凸部の状態は、表面形状を測定可能なレーザー顕微鏡により測定できる。また、レーザー顕微鏡の測定データから凸部を球の一部と見なして計算することにより、凸部を形成している粒子の粒子径を算出することができる。
基材シートは、光拡散層を支持すると同時に光を透過させるものであり、種々の形状の面に沿わせ得る程度の柔軟性を有していればよい。その材質は特に限定されないが、通常は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、あるいはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、ポリエステル、ポリアミドなどが使用される。また基材シートの厚みも特に限定されないが、通常は12〜250μm程度が望ましい。
光拡散層の微小球体は、基材シートの側から光拡散層に入射された光を拡散させるための主体となるものであって、その粒体の形状は、通常は球体(真球あるいはそれに近い楕円球体など)が好ましいが、それに限られるものではなく、一般的な光拡散シートに用いられる粒体形状を任意に適用することができる。またその微小球体の材料としては、後に改めて説明するように、ガラス転移温度が90℃以上の樹脂あるいはガラスなどを用いることが望ましく、通常はポリスチレン樹脂が用いられる。また微小球体の粒径は、特に限定するものではないが、通常は1μm〜30μmの範囲のものが使用できる。
光拡散層の微小球体としては、その粒度分布を測定したときにピーク値を1つ有する場合は、ピーク値の粒径が4〜25μmの範囲のものが好ましく使用できる。ピーク値の粒径が4μm未満であると得られる光拡散シートの光透過性が低下する場合がある。ピーク値の粒径が25μmを超えると光拡散シートを用いた照明装置において、粒子が輝点として視認され光拡散シートとして適さない場合がある。
光拡散層の微小球体としては、その粒度分布を測定したときにピーク値を2つ以上有する場合は、粒径が最も大きいピーク値の粒径が8〜25μmの範囲にあり、粒径が最も小さいピーク値の粒径が2〜10μmの範囲にあるものが好ましく使用できる。各ピーク値の粒径を上記範囲に調整することによって、光透過性と光拡散性がともに良好な光拡散シートが得られる。
前記微小球体の材料としては、光透過性が高いものが使用される。具体的には、特に限定されないが、例えばポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ナイロンなどを使用することができ、さらには石英系ガラスなどのガラス材料を使用することができる。ここで、透明性や屈折率が高いなどの点からは、特にポリスチレンを使用することが好ましい。
前記微小球体の材料としては、ガラス転移温度90〜140℃の熱可塑性樹脂或いは、90℃未満で軟化または脆化が生じることがない内部架橋型樹脂組成物が好ましい。
また接着剤の具体的な樹脂の種類は、ガラス転移温度を90〜140℃の範囲内に調整可能な透明な樹脂であってかつ微小球体との密着性が良好な樹脂であればよく、特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂 およびこれらの共重合樹脂などを使用することができる。ここで、透明性、屈折率の点からは、特にアクリル樹脂を使用することが好ましい。
光拡散層の接着剤のガラス転移温度が高いほど、高温雰囲気や高温多湿雰囲気でのブロッキング現象発生防止効果が大きくなるが、ガラス転移温度が140℃を越える場合は、可撓性が低下し、前記中間製造物をコイル状に巻き取った際に、前記微小球体が前記基材シートから脱落し、所望する光拡散層表面の凹凸状態が得られ、光拡散性が低下する場合がある。
前記光拡散角度調整層の材料としては、光透過性が高く前記光拡散層とのの密着性が良好な樹脂であればよく、特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂 およびこれらの共重合樹脂などを使用することができる。
前記光拡散角度調整層の材料としては、塗布時の状態において、前記光拡散層表面に突出した前記微小球体の形状をトレースするように被覆するものが好ましい。具体的には、前記微小球体の前記光拡散層表面から突出した部分は、外観が前記微小球体の原型と略同じ形状となるように薄く被覆するか、全く被覆せず、前記微小球体同士の隙間に入り込んで微小球体によって形成された複数の凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さくなるように形成することができるものが好ましい。
(粒度分布の測定方法)
前記複数の微小球体の粒度分布は以下の方法で測定できる。
微小球体の分散液をレーザー回折・散乱法による粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社マイクロトラックMT3300EX2)により測定し、体積基準の粒度分布グラフを作成する。
レーザー回折・散乱法による粒度分布測定に代えて、光拡散シート表面の顕微鏡写真を画像処理ソフトで処理することにより、光拡散シート表面に存在する微小球体の輪郭を特定することにより、各微小球体の粒径を定め、微小球体の粒径頻度をカウントして体積基準の粒度分布グラフを作成することも可能である。
また、レーザー顕微鏡により光拡散シート表面を計測し得られたデータから光拡散シート上の凸部を球の一部と見なして計算することにより、凸部を形成している粒子の粒子径を算出することができる。
(粒度分布におけるピークの定義)
本発明において前記複数の微小球体の粒度分布のピークは以下のように定義する。
粒度分布グラフにおいて、最も高いピーク部の粒径の粒子頻度の5%以上の突出をピークと見なす。
(光拡散角度の測定方法)
光拡散シートに、LED光源からの光を、光拡散シートに対して垂直な角度で入射させる。LED光源の中心から光拡散シートに降ろした垂線の延長線上の測定点を光拡散角度0度とし、前記垂線と光拡散シートの出光面の交点を軸として測定点を前記垂線に対して1度づつずらして輝度を測定する。光拡散角度0度で測定したときの輝度の半分の値となる角度の2倍を光拡散角度とする。光拡散角度は例えば、散乱・光源配光特性測定装置(ジェネシア社製、GENESIA Gonio Far Field Profiler)を用いて測定することができる。
(光拡散シートの製造方法)
本発明の光拡散シートの製造方法は、基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布して表面に凹凸形状を有する光拡散層を形成する工程と、前記光拡散層の少なくとも一部の上に樹脂を含有する塗工液を塗布して光拡散角度調整層を形成する工程を含む。
(凸部の裾野部)
本発明において凸部の裾野部とは、凸部を凸部高さの1/3の高さの上部、下部に分けたときの下部の斜面のことであり、裾野部の傾斜角とは下部斜面の断面の平均傾斜角である。
前記光拡散層を形成する工程は、塗工液が溶媒を含有するものであることが好ましい。
また、接着剤は熱可塑性樹脂であることが好ましい。本発明の光拡散層は接着剤に対する微小球体の体積比率が大きいため接着剤のみでは均一に微小球体を基材シート上に塗布するのに適した粘度の塗工液を得ることが困難である。
前記光拡散層形成用の塗工液の塗布の方法、及び固化の方法としては各種公知の塗工技術および乾燥技術を用いることができる。塗工方法としては、例えば、バーコート法、エアードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、トランスファーコート法、コンマコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、マルチロールコート法、ディップコート法、ロッドコート法、キスコート法、ゲートロールコート法、落下カーテンコート法、スライドコート法、ファウンテンコート法、およびスリットダイコート法などが挙げられる。
前記光拡散角度調整層を形成する工程において、前記樹脂を含有する塗工液は、塗布時の粘度が50mPa・s以下である ことが好ましい。50mPa・s以下の低粘度の樹脂塗工液を塗布することによって、微小球体によって形成された複数の凸部の形状は、頂上付近は球面を保ったまま、裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さくなるように調整することが容易となる。
前記光拡散角度調整層を形成する工程が、インクジェット方式によって前記樹脂塗工液を塗布して前記光拡散角度調整層を形成する方法であることが好ましい、インクジェット方式は、非接触塗布方式であるため、光拡散層の表面形状を破壊することなく塗布することができる。
また、前記光拡散角度調整層は、光拡散層の表面に塗布される固形分が少量であるため、溶媒分散型の塗工液を用いると、溶媒が光拡散層の樹脂を溶解して微小球体の脱落が発生する場合があるため、溶媒を用いない、或いは溶媒の使用比率が低い、エネルギー線硬化型の樹脂組成物を用いることが好ましい。
本発明の光拡散シートは、両面に光拡散層および光拡散角度調整層を有していてもよく、一方の面に光拡散層および光拡散角度調整層を有し、他方の面に貼り付き防止の為のスティッキング防止層、カール防止層、粘着層などを有していても良い。
以下に本発明の実施例を、比較例とともに示す。
〔比較例1〕
下記塗工液A1を透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「A4300」、厚さ:100μm)の片面に、乾燥後の塗布層の塗布量が8g/mとなるようにバーコーターにより塗布して、光拡散層を形成し、光拡散シートを得た。
(塗工液A1)
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg=105℃) 4質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−6;平均粒径6.4μm、ガラス転移温度なし) 13.2質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−12;平均粒径11.7μm、ガラス転移温度なし) 9.6質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−17;平均粒径16.1μm、ガラス転移温度なし) 1.2質量部
トルエン 72質量部
〔比較例2〕
下記塗工液A1を透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「A4300」、厚さ:100μm)の片面に、乾燥後の塗布層の塗布量が8g/mとなるようにバーコーターにより塗布して、光拡散層を形成し、光拡散シートを得た。
(塗工液A1)
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg=105℃) 30質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−6;平均粒径6.4μm、ガラス転移温度なし) 13.2質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−12;平均粒径11.7μm、ガラス転移温度なし) 9.6質量部
架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業株式会社製 SBX−17;平均粒径16.1μm、ガラス転移温度なし) 1.2質量部
トルエン 46質量部
〔実施例1〕
比較例1で得た光拡散シートの表面にUV硬化性アクリル樹脂組成物(塗布時粘度18mPa・s)を塗布量が0.4g/mとなるようにインクジェットプリンタを用いて、塗布し、光拡散角度調整層を形成し、光拡散シートを得た。
得た。
実施例1および比較例1によって得られた光拡散シートについて、次のように、表面観察を行い、更に光拡散性評価を行った。
〔表面形状観察〕
比較例1の光拡散層表面の凹凸形状をレーザー顕微鏡で測定したところ、球体の一部が突出した凸部の形状が確認できた。凸部は裾野部で傾斜面の傾斜角が最大となっていた。
実施例1の光拡散層表面の凹凸形状をレーザー顕微鏡で測定したところ、球体の一部が突出した凸部の形状が確認できた。凸部の傾斜面は裾野部で傾斜が緩やかになり終了していた。
〔光拡散角度の測定〕
比較例1の光拡散シートおよび実施例1の光拡散シートの光拡散角度を散乱・光源配光特性測定装置(ジェネシア社製、GENESIA Gonio Far Field Profiler)を用いて測定した。
実施例1の光拡散シートは、比較例1の光拡散シートに対し略同等の光拡散角度であった。
比較例2の光拡散シートの光拡散角度は比較例1に対し狭くなっていた。
〔輝度比較〕
前記光拡散角度の測定において、実施例1の光拡散シートの光拡散角度内の輝度は、同条件で測定した比較例1の光拡散シートの光拡散角度内の輝度に対して大きくなっていた。
〔光拡散の均一性〕
LED光源の手前に光拡散シートを配置し、光拡散シートを観察した。実施例1および比較例1の光拡散の均一性は良好であった。比較例2の光拡散シートは、実用上問題となる輝点が観察された。
実施例1および比較例1の評価結果から明らかな通り、本発明の光拡散シートは、少ない電力消費量で所望する範囲を必要とされる明るさで均一に照らすことができる照明装置を実現できる優れた光拡散シートであった。
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例を説明したが、本発明はこれらの実施形態、実施例に限定されないことはもちろんである。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
1・・・基材シート、2・・・微小球体、3・・・接着剤層、4・・・光拡散調整層、5・・・凸部傾斜面の最大傾斜角を測定するための補助線、6・・・凸部裾野部の傾斜角を測定するための補助線。

Claims (11)

  1. 基材シートと該基材シートの少なくとも片面の上に、微小球体によって形成された複数の凸部を有する光拡散シートであって、前記凸部の裾野部の傾斜角が、前記凸部が形成する傾斜面の最大傾斜角よりも小さいことを特徴とする凸部の光拡散シート。
  2. 前記微小球体が接着剤層によって前記基材シートに固着されて、前記微小球体と前記接着剤層からなる光拡散層を構成し、前記光拡散層の少なくとも一部を被覆する光拡散角度調整層を有する請求項1に記載の光拡散シート。
  3. 前記複数の微小球体の粒度分布が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍の範囲にある粒子径ピーク値を有する請求項1または請求項2に記載の光拡散シート。
  4. 前記複数の微小球体の粒度分布がピーク値を2つ以上有する請求項1 〜3のいずれか1項に記載の光拡散シート。
  5. 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も大きい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの1.2〜20倍である請求項4に記載の光拡散シート。
  6. 前記接着剤層の厚さが前記ピーク値のうち最も小さい粒子径を示すピーク値の粒子径が、前記接着剤層の厚さの0.3〜1倍である請求項4または5に記載の光拡散シート。
  7. 光拡散角度が10〜40度である請求項1 〜6のいずれか1項に記載の光拡散シート。
  8. 基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布して表面に凹凸形状を有する光拡散層を形成する工程と、前記光拡散層の少なくとも一部の上に樹脂を含有する塗工液を塗布して光拡散角度調整層を形成する工程を含む光拡散シートの製造方法。
  9. 前記光拡散角度調整層を形成する工程において前記樹脂を含有する塗工液が塗布時の粘度が50mPa・s以下である請求項8に記載の光拡散シートの製造方法。
  10. 前記光拡散角度調整層を形成する工程が、インクジェット方式によって塗工液を塗布して前記光拡散角度調整層を形成する請求項8または9に記載の光拡散シートの製造方法。
  11. 基材シートの少なくとも片面の上に、複数の微小球体と接着剤とを含有する塗工液を塗布する工程と、該塗布面に樹脂を含有する塗工液をインクジェット方式により塗布する工程を含む光拡散シートの製造方法。
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