JP2014234536A - ステーブクーラー、ステーブクーラーの製造方法、および、ステーブクーラーを備えた高炉 - Google Patents

ステーブクーラー、ステーブクーラーの製造方法、および、ステーブクーラーを備えた高炉 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストでありながらも、製品寿命を長くすることができるステーブクーラー、ステーブクーラーの製造方法、および、ステーブクーラーを備えた高炉を提供する。
【解決手段】銅または銅合金製の本体102の内部に、冷却媒体が流通する冷却流路108が形成されたステーブクーラー100は、本体102の表面102aに接合された銅または銅合金製の芯金122と、芯金122よりも耐摩耗性の高い材質で構成され、芯金122が挿通孔124aに挿通されて芯金122に嵌合保持された嵌合部材124と、を有する突起体120を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、炉壁を冷却するステーブクーラー、ステーブクーラーの製造方法、および、ステーブクーラーを備えた高炉に関する。
高炉の炉体内部は極めて高温となるため、炉体内部には、炉体の壁面すなわち炉壁を冷却して保護するステーブクーラーが、炉体の内周面に沿って多数設置される。こうしたステーブクーラーは、冷却媒体が流通する冷却流路が本体に形成されており、冷却流路に冷却媒体を流通させることで炉壁を冷却する。一般的に、ステーブクーラーは、鋳鉄、鋳鋼、鋼板等の鉄系の材質で構成される鉄系ステーブクーラーと、銅または銅合金材で構成される銅系ステーブクーラーとに大別される。
従来、ステーブクーラーは、鋳鉄へ鋳込まれた管により冷却流路を形成した鋳鉄製のものが一般的であった。しかしながら、近年主流となっている高微粉炭吹き込み操業では、炉内の熱変動が繰り返されるため炉内熱負荷が大きく、鋳鉄製のステーブクーラーでは十分に冷却性能を確保できなくなっている。ステーブクーラーの冷却性能が不足すると、炉壁の炉内側表層が高温になり、ステーブクーラーの材質劣化や損耗が進行したり、あるいは熱応力によって反りが発生し、炉内プロフィールに支障を来たしたりする。さらには、ステーブクーラー自体に亀裂が発生して破損することにより、ステーブクーラーの取替頻度が高くなり、炉命が短くなってしまうという問題があった。
こうした背景から、近年では、銅系ステーブクーラーが広く採用されている。銅系ステーブクーラーは、鉄系ステーブクーラーよりも熱伝導率や延性などの物性に優位であるため、低温で均一な温度分布となり、発生熱応力を抑制でき、変形量も減少するため、ステーブクーラーの受けるダメージを軽減することができる。しかしながら、その反面、銅系ステーブクーラーは、鉄系ステーブクーラーよりも耐摩耗性が低いという弱点を有している。
高炉においては、炉体の上部から鉄鉱石やコークス等の炉内充填物が投入、降下されるが、例えば炉腹部等、ステーブクーラーの設置位置によっては、炉内充填物としてまだ固体状態の硬い焼結鉱粒が、炉体の中心に臨むステーブクーラーの本体表面に接触する。このように、炉内充填物の接触摩耗により、ステーブクーラーの本体表面が損耗すると、ステーブクーラーの本体が表面側から徐々に削られ、最終的には本体内部に形成された冷却流路が破壊される。
そこで、銅系ステーブクーラーについて、銅または銅合金製の本体表面に、硬化肉盛層を溶接したり(特許文献1)、本体よりも硬度の高い複数の耐摩耗性突起を回転摩擦接合により接合したり(特許文献2)することで、ステーブクーラーの長寿命化を図る技術が提案されている。
特開2001−192715号公報 特開2011−219825号公報
しかしながら、銅は熱伝導性が高いため、上記特許文献1に示される技術では、溶接時のアーク熱が母材全体へ逃げてしまい、溶接部の局部的な加熱が困難であり、十分な溶込みが得られなかったり、溶接材の溶融金属が球状となってビードが形成できなかったりするおそれがある。そのため、上記特許文献1に示されるステーブクーラーにおいては、銅母材との熱膨張差異の大きさから、硬化肉盛層の溶接時に割れが発生するなど、溶接欠陥が生じやすく、硬化肉盛層が早期に脱落、消失し、結果的にステーブクーラーが短命となってしまうという課題がある。また、上記のように、硬化肉盛層を形成するための溶接作業は施工上の課題が多く、人海戦術による溶接施工が必要となり、ステーブクーラーの製造コストが大幅に上昇してしまうという問題があった。
一方、上記特許文献2に示される技術では、母材よりも硬度の高い耐摩耗性突起を回転摩擦接合により接合するため、接合作業時に、母材接合面を200℃〜800℃といった高温に予熱する必要がある。回転摩擦接合を行う際には、母材を自動摩擦圧接機のテーブル上に載置しなければならないが、こうした機械装置のテーブル上で母材の加熱、保熱が必要となる作業環境下では、極めて困難な作業が要求されることとなり、製造コストの大幅な上昇を来たすこととなる。
また、回転摩擦接合によって接合された耐摩耗性突起は、材料的に熱伝導性が高くないことから、炉体内部において、ステーブクーラーの本体からの冷却が十分に届かない。そのため、耐摩耗性突起は、高温雰囲気に晒されて過大な熱がかかり、熱による材質の劣化が生じ、耐摩耗機能が低下する。こうして、耐摩耗性突起は、早晩、損耗、脱落することとなり、ステーブクーラーの本体が熱によって膨張、収縮を繰り返し、塑性変形を受けて破損することとなる。
本発明の目的は、低コストでありながらも、製品寿命を長くすることができるステーブクーラー、ステーブクーラーの製造方法、および、ステーブクーラーを備えた高炉を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のステーブクーラーは、銅または銅合金製の本体の内部に、冷却媒体が流通する冷却流路が形成されたステーブクーラーであって、本体の表面に接合された銅または銅合金製の芯金と、芯金よりも耐摩耗性の高い材質で構成され、芯金が挿通孔に挿通されて芯金に嵌合保持された嵌合部材と、を有する突起体を備えていることを特徴とする。
また、芯金は、本体の表面に摩擦接合されているとよい。
また、芯金は、本体の表面に接合される基端側から突出方向先端に向けて径が漸増するテーパ形状であるとよい。
また、嵌合部材は、焼き嵌めによって芯金に嵌合されているとよい。
また、嵌合部材は、外形が多角形状であるとよい。
また、突起体は、本体の表面に複数設けられているとよい。
また、本体には、本体の幅方向に間隔を維持して設けられた複数の突起体で構成される突起体群が形成され、突起体群は、本体の幅方向に直交する高さ方向に複数設けられているとよい。
また、高さ方向に隣り合う2つの突起体群は、一方の突起体群を構成する突起体と、他方の突起体群を構成する突起体とが、本体の幅方向にずれて位置しているとよい。
上記課題を解決するために、本発明のステーブクーラーの製造方法は、銅または銅合金製の芯金に、芯金よりも耐摩耗性の高い材質で構成された嵌合部材を嵌合し、嵌合部材が嵌合された芯金を、銅または銅合金製のステーブクーラー本体に接合することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明のステーブクーラーを備えた高炉は、銅または銅合金製の本体の内部に冷却媒体が流通する冷却流路が形成され、炉壁に設置された設置状態において、本体の表面が、炉壁によって囲繞された空間の中心側に臨み、本体の背面が、炉壁の内周面に臨むステーブクーラーを備えた高炉であって、ステーブクーラーは、本体の表面に接合された銅または銅合金製の芯金と、芯金よりも耐摩耗性の高い材質で構成され、芯金が挿通孔に挿通されて芯金に嵌合保持された嵌合部材と、を有する突起体を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、低コストでありながらもステーブクーラーの損耗防止による長寿命化を図ることで高炉の寿命を長くすることができる。
高炉を説明するための概念図である。 ステーブクーラーの設置状態を示す概略断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 (a)は、ステーブクーラーの炉内側から見た正面図であり、(b)は、(a)のIV(b)−IV(b)線断面図であり、(c)は、(b)の部分拡大図である。 第1変形例のステーブクーラーを説明する図である。 第2変形例のステーブクーラーを説明する図である。 第3変形例のステーブクーラーを説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、高炉1を説明するための概念図である。図1に示す高炉1は、金属原料である鉄鉱石を溶融して銑鉄を生成するものであり、鉄鉱石、コークス等の燃料となる還元剤、不純物を除去する石灰石等(以下、鉄鉱石、還元剤、石灰石等の混合物を単に「炉内充填物」と称する)を貯留する原料槽2を備えている。原料槽2に貯留された炉内充填物は、装入コンベヤ4によって炉体6の炉頂部に搬送され、炉頂部から炉体6上部に設けられたホッパー8に装入される。
ホッパー8の下方には、当該ホッパー8から落下する炉内充填物を傾斜面上で滑らせながら下方に落下させる分配シュート10が設けられている。この分配シュート10は、一端がホッパー8の中心部の真下に位置するように配置されており、一端側を中心軸として図中破線で示す矢印方向に回転する。これにより、ホッパー8から落下した炉内充填物は、分配シュート10のトラフ形状の傾斜面上を滑りながら落下するとともに、炉体6の円周方向に分散して装入されることとなる。
炉体6の下部には羽口12が設けられており、この羽口12から炉体6の内部に熱風が導入される。炉体6に導入された熱風は、炉体6を上昇するが、分配シュート10から落下する炉内充填物中のコークスが熱風によって燃焼すると、一酸化炭素(還元剤)が生じ、コークスの炭素成分が鉄から酸素を奪う還元反応とともに、二酸化炭素および熱を生じて、この反応が熱源となって鉄鉱石を溶融する。炉内充填物の落下過程では、こうした反応が連続的に行われ、炉体6の下部に到達するころに燃焼温度が最高となり、炉体6の底部で高温液体状の銑鉄が得られる。なお、炉体6の炉頂部にはガス導管14が接続されており、高温の高炉ガスが炉体6からガス導管14に排出される。
また、炉体6の内部は極めて高温となることから、炉体6の内部には、所謂「鉄皮」と呼ばれる炉壁6aを冷却して保護するステーブクーラー100が設置される。このステーブクーラー100は、炉壁6aの内周面に沿って多数設置される。以下に、ステーブクーラー100の構成について図2〜図4を用いて詳述する。
図2は、ステーブクーラー100の設置状態を示す概略断面図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。図2および図3に示すように、本実施形態のステーブクーラー100は、高炉1の炉壁6aの内周面に間隙を維持して配置される銅または銅合金の圧延板製の本体102を備えている。
以下では、炉壁6aの内周面に本体102が配置された設置状態において、炉壁6aによって囲繞された空間の中心側に臨む面を表面102aとし、炉壁6aに間隙を維持して対面する面、換言すれば、炉壁6aに臨む面を背面102bとする。また、図3に示すように、ステーブクーラー100の設置状態において、炉壁6aの周方向に位置する本体102の両側端部を側面102cとする。そして、両側面102cを結ぶ方向を本体102の幅方向(図中x方向)とし、ステーブクーラー100の設置状態において、炉体6の炉頂部側に位置する上面と、炉体6の下部側に位置する下面とを結ぶ方向を本体102の高さ方向(図中y方向)とし、表面102aと背面102bとを結ぶ方向を本体102の厚さ方向(図中z方向)として説明する。
図2に示すように、本体102の背面102bには、ボルト部スペーサー104を介してボルト106が固定されており、このボルト106によってステーブクーラー100が炉壁6a内に固定して設置される。
また、図2および図3からも明らかなように、本体102の内部には、冷却媒体が流通する複数(本実施形態では4つ)の冷却流路108が形成されている。各冷却流路108は、本体102の上面側から下面側へと本体102の高さ方向(y方向)に直線状に延在しており、各冷却流路108は、本体102の幅方向(x方向)に所定の間隔を隔てて平行に配列されている。各冷却流路108の下端側には給水管110が接続され、各冷却流路108の上端側には排水管112が接続されている。このとき、本体102と給水管110および排水管112との接続部位であって、本体102の背面102bと炉壁6aとの間には、配管部スペーサー114が設けられている。また、炉壁6aの炉外側には、本体102の熱変形時に給水管110や排水管112にストレスがかからないように、ガスシール機能を有するコンペンセーター116が設けられている。
上記の構成により、給水管110から冷却流路108に冷却媒体が供給されると、本体102の内部において、炉壁6aの高さ方向(y方向)の下部側から上部側へと冷却媒体が流通し、排水管112から炉体6の外部へと冷却媒体が排出される。これにより、本体102の内部を冷却媒体が流通する過程で、炉体6の炉壁6aが冷却されることとなる。
図4(a)は、ステーブクーラー100の炉内側から見た正面図であり、図4(b)は、図4(a)のIV(b)−IV(b)線断面図であり、図4(c)は、図4(b)の部分拡大図である。図4に示すように、本体102の表面102aには、突起体120が複数設けられている。この突起体120は、本体102の表面102aに接合された芯金122と、この芯金122に嵌合保持された嵌合部材124とを備えて構成される。
芯金122は、ステーブクーラー100の本体102と同様、銅または銅合金製の部材で構成され、先端122aが、本体102の表面102aから突出するように、基端122bが、本体102の表面102aに接合されている。また、芯金122は、先端122aの直径が、基端122bの直径よりも大きい略円錐形状であり、基端122b側から突出方向先端に位置する先端122aまで径が漸増するテーパ形状となっている。
嵌合部材124は、芯金122が挿通される挿通孔124aを備えた、外形が多角形状(本実施形態では正六角形)のリング材で構成され、芯金122が挿通孔124aに挿通された状態で、芯金122に嵌合保持される。挿通孔124aは、芯金122の外周面に圧接する寸法関係を維持しており、芯金122に嵌合部材124が嵌合保持された状態で、芯金122の先端122a側に位置する面124bと、芯金122の先端122aとが面一となるように形成されている。また、嵌合部材124の厚さ(z方向)は、芯金122の突出方向(z方向)の長さよりも短く、嵌合部材124の面124cと、本体102の表面102aとの間には空隙が形成されている。
なお、嵌合部材124は、芯金122よりも耐摩耗性が高ければよく、その具体的な材質は特に限定されるものではない。嵌合部材124は、鋳鋼製、鋳鉄製、耐熱もしくは耐摩耗性金属材料が望ましく、特には、炉頂ホッパーや原料切出しホッパー類のライナー等で使用実績の多い、耐摩耗性に優れた高Cr(クロム)系鋳鉄が好適である。また、耐酸化性に優れ、耐熱鋼としてよく使用されるNiとCrのバランスが25Cr−20NiのSUS310Sも好適である。他にも、Cr含有率が18〜20%のSUS304も特に好適である。これは、Cr含有率が18〜20%の鋼の線膨張率と、芯金122の材質である銅の線膨張率が近似しているためである。本実施形態では、互いに異なる材質の芯金122と嵌合部材124とが嵌合状態で高温雰囲気下に晒されるため、互いに線膨張率が近似した材質で芯金122と嵌合部材124とを構成することにより、両者の乖離を抑制することができる。
上記のように、芯金122および嵌合部材124を備える突起体120は、図4(a)に示すように、所謂、千鳥状に配列されている。より詳細に説明すると、突起体120は、本体102の幅方向(x方向)に間隔を維持して複数(本実施形態では5または6個)設けられており、これら本体102の幅方向(x方向)に一直線上に整列配置された複数の突起体120によって、突起体群120Xが形成されている。この突起体群120Xは、本体102の幅方向(x方向)に直交する高さ方向(y方向)に複数設けられている。このとき、本体102の幅方向(x方向)に隣り合う2つの突起体120の間隙の中心に、本体102の高さ方向(y方向)において1つ下方に位置する突起体120の中心が位置している。換言すれば、本体102の高さ方向(y方向)に隣り合う2つの突起体群120Xは、一方の突起体群120Xを構成する突起体120と、他方の突起体群120Xを構成する突起体120とが、本体102の幅方向(x方向)にずれて位置している。
仮に、突起体120が、本体102の高さ方向(y方向)に一直線上に位置してしまうと、本体102の幅方向(x方向)に隣り合う2つの突起体120の間隙に入り込んだ炉内充填物が、本体102を上下方向一直線状に、すなわち、局所的に選択損耗させるおそれがある。本実施形態のように、複数の突起体120を、所謂「千鳥状」に位置させることで、本体102の局所的な損耗を有効に回避することが可能となる。
なお、本体102の幅方向(x方向)に隣り合う2つの突起体120の離間距離S1や、本体102の高さ方向(y方向)に近接する2つの突起体120の離間距離S2は、炉内充填物の粒径の2/3〜3/3以上であるとよい。これは、突起体120をあまり密に配置すると、突起体120の間隔(隙間)に炉内充填物が堰き止められにくくなり、所謂、ストーンボックス効果が上がらないおそれがあるからである。
次に、図4を参照しながら、上記のステーブクーラー100の製造方法について説明する。このステーブクーラー100を製造するにあたっては、まず、銅または銅合金製の圧延板材からなる本体102、上記した形状、材質からなる芯金122および嵌合部材124をそれぞれ製造する。そして、芯金122に嵌合部材124を焼き嵌めによって嵌合し、突起体120を作製する。具体的には、嵌合部材124を加熱して膨張させた状態で、芯金122を挿通孔124aに挿入した後に冷却する。この冷却によって嵌合部材124は元のサイズまで収縮し、嵌合部材124は芯金122に強固に嵌合されることとなる。
このようにして、芯金122と嵌合部材124との間に強力な摩擦力を生じさせた突起体120を作製したら、次に、突起体120を、本体102の表面102aに摩擦圧接(回転摩擦接合)により接合する。具体的には、芯金122の基端122bが、本体102の表面102aに平行に対向するように、旋盤の如く不図示の回転装置のチャック部に、突起体120の嵌合部材124をチャッキング(クランプ)し、突起体120を芯金122の軸回りに高速回転させる。そして、芯金122の基端122bを本体102の表面102aに接触させる。こうして、芯金122と本体102との接触部位を摩擦熱によって溶融または軟化させた後、芯金122を本体102の表面102aに向けて押し込む(アプセットする)ことで、摩擦圧接によって、本体102に芯金122すなわち突起体120が接合される。
上記のように、芯金122と本体102とは、いずれも銅または銅合金製であり、互いに同一の材質からなる芯金122を本体102に摩擦接合することから、異種材を摩擦接合する場合に比べて、接合面の接合不良、割れや変形が少なく、安定した強度を確保することができる。また、突起体120を本体102に摩擦接合する際には強大な回転トルクが生じるが、芯金122と嵌合部材124とが焼き嵌めによって強固な摩擦力を保持しているので、摩擦接合によって嵌合部材124が芯金122から脱落することもない。さらには、本実施形態では、嵌合部材124の外形が(正)多角形状であることから、回転装置のチャック部が嵌合部材124をチャッキング(クランプ)しやすく、摩擦接合の際に生じる強大な回転トルクにも耐え得るチャッキング(クランプ)力を確保することができる。
なお、芯金122を本体102に摩擦接合すると、図4(c)に示すように、芯金122の基端122b側が、押し込み(アプセット)時に径方向に膨らんでバリ130が発生するが、このバリ130の厚みを考慮したうえで、芯金122と嵌合部材124との寸法設計を行えばよい。
以上のように、本実施形態のステーブクーラー100によれば、本体102の表面102aに、耐摩耗性の高い嵌合部材124を備えた突起体120が設けられているので、銅系ステーブクーラーの弱点である耐摩耗性が向上し、本体102の損耗を抑制して、ステーブクーラー100の長寿命化を図ることができる。しかも、芯金122は、基端122bから先端122aに向かって径が漸増するテーパ形状であり、また、芯金122と嵌合部材124とが焼き嵌めによって強固に嵌合されていることから、嵌合部材124が脱落しにくく、さらには、本体102の冷却能が嵌合部材124にも伝達しやすく、よって嵌合部材124の損耗を抑制することができる。
また、本実施形態のステーブクーラー100によれば、突起体120が、所謂「千鳥状」に配列されており、しかも、嵌合部材124の外形が(正)多角形状となっていることから、炉内充填物が嵌合部材124上に堆積しやすい。嵌合部材124上に堆積した炉内充填物は、突起体120を保護する保護層となり、所謂、ストーンボックス効果が機能することから、突起体120ひいてはステーブクーラー100のより一層の長寿命化を実現することができる。
なお、従来のステーブクーラーでは、炉内面側にリブとあり溝の凹凸を形成するため、リブ高さに相当する分厚い銅または銅合金製の平板状板材を必要とする。そして、リブ即ちあり溝(凹部)を機械加工で切削除去するので、ステーブクーラー母材材料の歩留まりが悪化し、材料コストと機械加工を要する製造コストが極めて高くなる。これに対して、上記のステーブクーラー100は、銅または銅合金製の平板状板材に突起体120を摩擦圧接して形成されるので製造が容易であることから、製造コストを大幅に低減することができ、また、設計変更によって、突起体120の配置、形状、サイズ等を容易に変更することもできる。こうした設計自由度の高さから、ステーブクーラー100を設置する位置等に応じて、突起体120の大きさや密度を適宜変更すれば、ステーブクーラー100の耐久性をより高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、芯金122をテーパ形状としたが、図5に示す第1変形例の突起体200のように、円柱形状の芯金202を用いてもよい。また、上記実施形態では、嵌合部材124の外形が(正)多角形状である場合について説明したが、この第1変形例の突起体200のように、外形が円形リング状の嵌合部材204を用いることも可能である。
さらには、上記実施形態では、突起体120が所謂「千鳥状」に配列されている場合について説明したが、図6に示す第2変形例のように、複数の突起体120を、本体102の高さ方向に一直線上に配列してもよい。なお、図7に示す第3変形例のように、上記第1変形例の突起体200を、第2変形例と同様に、本体102の高さ方向に一直線上に配列してもよく、その数や配置は適宜設計可能である。
また、上記実施形態では、嵌合部材124を芯金122に焼き嵌めで接合することとしたが、嵌合部材124と芯金122との接合方法はこれに限らない。例えば、芯金122と嵌合部材124とを溶接によって接合してもよいし、ボルトとナット対偶等の接合方法を用いて両者を接合してもよい。
本発明は、炉壁を冷却するステーブクーラー、ステーブクーラーの製造方法、および、ステーブクーラーを備えた高炉に利用することができる。
1 高炉
6a 炉壁
100 ステーブクーラー
102 本体
102a 表面
102b 背面
108 冷却流路
120、200 突起体
120X 突起体群
122、202 芯金
122a 先端
122b 基端
124、204 嵌合部材
124a 挿通孔

Claims (10)

  1. 銅または銅合金製の本体の内部に、冷却媒体が流通する冷却流路が形成されたステーブクーラーであって、
    前記本体の表面に接合された銅または銅合金製の芯金と、該芯金よりも耐摩耗性の高い材質で構成され、該芯金が挿通孔に挿通されて該芯金に嵌合保持された嵌合部材と、を有する突起体を備えていることを特徴とするステーブクーラー。
  2. 前記芯金は、前記本体の表面に摩擦接合されていることを特徴とする請求項1に記載のステーブクーラー。
  3. 前記芯金は、前記本体の表面に接合される基端側から突出方向先端に向けて径が漸増するテーパ形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のステーブクーラー。
  4. 前記嵌合部材は、焼き嵌めによって前記芯金に嵌合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のステーブクーラー。
  5. 前記嵌合部材は、外形が多角形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のステーブクーラー。
  6. 前記突起体は、前記本体の表面に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のステーブクーラー。
  7. 前記本体には、該本体の幅方向に間隔を維持して設けられた複数の前記突起体で構成される突起体群が形成され、
    前記突起体群は、前記本体の幅方向に直交する高さ方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のステーブクーラー。
  8. 前記高さ方向に隣り合う2つの前記突起体群は、一方の該突起体群を構成する突起体と、他方の該突起体群を構成する突起体とが、前記本体の幅方向にずれて位置していることを特徴とする請求項7に記載のステーブクーラー。
  9. 銅または銅合金製の芯金に、該芯金よりも耐摩耗性の高い材質で構成された嵌合部材を嵌合し、
    前記嵌合部材が嵌合された前記芯金を、銅または銅合金製のステーブクーラー本体に接合することを特徴とするステーブクーラーの製造方法。
  10. 銅または銅合金製の本体の内部に冷却媒体が流通する冷却流路が形成され、炉壁に設置された設置状態において、該本体の表面が、該炉壁によって囲繞された空間の中心側に臨み、該本体の背面が、該炉壁の内周面に臨むステーブクーラーを備えた高炉であって、
    前記ステーブクーラーは、
    前記本体の表面に接合された銅または銅合金製の芯金と、該芯金よりも耐摩耗性の高い材質で構成され、該芯金が挿通孔に挿通されて該芯金に嵌合保持された嵌合部材と、を有する突起体を備えていることを特徴とするステーブクーラーを備えた高炉。
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