JP2000104106A - 冶金炉用ステーブ - Google Patents

冶金炉用ステーブ

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JP2000104106A
JP2000104106A JP10291411A JP29141198A JP2000104106A JP 2000104106 A JP2000104106 A JP 2000104106A JP 10291411 A JP10291411 A JP 10291411A JP 29141198 A JP29141198 A JP 29141198A JP 2000104106 A JP2000104106 A JP 2000104106A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 破損または損耗した既設の鋳鉄製ステーブと
交換して設置される場合にも、裏風の発生による鉄皮側
耐火物の損耗が適切に防止できる銅または銅合金製の冶
金炉用ステーブを提供する。 【解決手段】 銅または銅合金製のステーブ本体の内部
に冷媒用通路を有する冶金炉用ステーブにおいて、ステ
ーブ本体の鉄皮側となる面に、ステーブ本体幅方向に沿
ったリブをステーブ本体高さ方向で間隔をおいて複数条
設け、より好ましくはリブをステーブ本体の上端及び下
端位置とその間の1箇所以上の位置に設けたことを特徴
とし、既設の鋳鉄製ステーブに隣接して設けた場合に当
該鋳鉄製ステーブと略同等の厚みを出すことができるた
め、炉内側のプロフィルを維持し、裏風の発生を防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は高炉等の冶金炉に用
いられるステーブに関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の炉壁構造は、鉄皮の内側に内部冷
却機構を備えたステーブ(クーリングステーブ)を耐火
物を介して設け、このステーブの内側に炉内耐火物が保
持される構造となっている。従来、高炉用のステーブと
しては鋳鉄製のものが広く用いられており、またその中
でも冷却パイプを鋳鉄で鋳包んだ構造のものが一般的で
ある。
【0003】高炉を一定期間操業すると炉内耐火物が破
損等によりステーブから脱落し、ステーブが炉内部に直
接曝されるケースが多くなる。この状態になると、特に
溶融スラグが存在する高炉下部(朝顔部、切立部、シャ
フト下部)の高熱負荷領域ではステーブ本体内に高い熱
応力が発生して亀裂を生じ易く、この亀裂が冷却パイプ
に伝播して漏水事故を起こし易い。また、このような破
損を生じなくても、炉内耐火物脱落後に高炉内部に晒さ
れるステーブ本体は次第に損耗し、遂にはこの損耗が冷
却パイプに達することになる。このため高炉の長期間の
操業中には、上記破損や損耗を生じたステーブを新たな
ステーブと交換する必要がある。
【0004】既設のステーブを新たなステーブと交換す
る場合、銅製(または銅合金製、以下同様)ステーブを
用いることが好ましい。銅は鋳鉄に較べて熱伝導度が大
きいため、銅製ステーブは本体内部の温度が常に低く維
持される利点があるが、特に、その高い冷却能のために
高炉下部の高熱負荷領域において以下のような作用が得
られる。すなわち、高炉下部の高熱負荷領域においてス
テーブ本体から炉内側耐火物が脱落した場合でも、ステ
ーブ表面に溶融スラグが接触するとすぐに凝固してステ
ーブ表面に難剥離性の凝固スラグ層が生成する。この難
剥離性の凝固スラグ層は熱伝導度が非常に小さいため、
炉の高熱負荷から銅製ステーブを保護し、且つステーブ
による炉内からの抜熱も適切に抑制される。
【0005】したがって、高炉の長寿命化、高熱負荷領
域での過冷却によるエネルギー損失の低減化、炉壁構造
の簡素化とこれによるコスト低減を図るためには銅製ス
テーブが最適であると言え、このため破損し或は損耗し
た既設の鋳鉄製ステーブを新たなステーブを交換する場
合にも、新たなステーブとしては銅製ステーブを用いる
ことが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、銅製ステー
ブは鋳鉄製ステーブに較べて熱伝導度が大きいため、既
設の鋳鉄製ステーブの一部を銅製ステーブと交換する場
合、鋳鉄製ステーブよりも厚みが小さい銅製ステーブ
(例えば、鋳鉄製ステーブの厚みが約200〜300m
mであるとすると、銅製ステーブの厚みは約150m
m)を用いることになる。しかし、このように厚みの小
さい銅製ステーブを既設の鋳鉄製ステーブに隣接して設
置した場合、炉内側のプロフィルが害されるため所謂裏
風が発生し、この裏風がステーブの背面(鉄皮側)に回
り込むことによりステーブ背面側の耐火物が損耗すると
いう問題を生じる。
【0007】一方、従来、高炉用に単体で使用される銅
製ステーブとしては、圧延材または鍛造材を機械加工し
て得られるタイプのもの(例えば、特公昭63−562
83号公報)と冷却パイプを鋳銅で鋳包んだタイプのも
のが知られ、また、鋳鉄製ステーブと組み合わせて使用
される銅製ステーブとしてジャケット式のものも知られ
ている。
【0008】しかし、これら従来の銅製ステーブには以
下のような問題がある。まず、圧延材または鍛造材を機
械加工して得られる銅製ステーブは、機械加工が複雑で
製造コストが高く、しかも形状の自由度が小さい等の欠
点がある。具体的には、例えば以下のような問題点を挙
げることができる。 (1) ステーブ本体には炉内径に応じた曲率を付けること
が必要であるが、圧延材等を機械加工してステーブを製
造する際にこのような曲率を付けることは、製造コスト
等の面で極めて難しい。このためにステーブ本体は平板
状の設計にせざるを得ず、その結果、炉の稼動内容積が
小さくなる。
【0009】(2) ステーブの背面に鉄皮に固定するため
のボスやリブを設ける必要があるが、これらは別部品を
加工して溶接しなければならず、その分コスト高とな
る。 (3) ステーブの背面側にリブを設けたり、冷却稼働面側
に耐火物や凝固スラグを保持するための突起や溝を設け
る場合には、厚い板材から削り出す必要があるため製造
コストが高くなる。 (4) ステーブを炉腹(切立)からシャフトにかけての部
位に適用する場合、ステーブの形状を縦方向で“くの
字”状とする必要があり、このための切削加工や曲げ加
工が必要になり、製造コストが高くなる。
【0010】さらに、圧延材または鍛造材を機械加工し
て得られる銅製ステーブでは、ステーブ内部の冷媒用通
路は孔開け加工により形成する必要があり、この冷媒用
通路のコーナー部を形成するには、通路を直交するよう
に孔開け加工した後、それらの一端を栓溶接する必要が
あるが、このようにして設けられる通路のコーナー部は
L型となるため、通路を流れる冷媒(通常、冷却水)の
圧力損失が大きくなり、エネルギーロスが大きいという
問題がある。また、このようなL型のコーナー部では冷
却水の淀みを生じるため、この部分の通路内面に付着物
が生じやすく、このような付着物が経時的に成長すると
冷却水の圧力損失の原因となり、また冷却水とステーブ
間での伝熱効率が低下し、冷却水による冷却作用が低下
してしまう。さらに、上記のような冷却水の淀みを生じ
ると冷却水流の乱れによって気泡が発生し、この気泡も
冷却水による冷却作用を低下させる。そして、上記のよ
うな圧力損失が著しくなると冷却水流速にも影響を与
え、この影響や上記冷却作用の低下はステーブの機能を
低下させる原因にもなる。
【0011】また、冷却パイプを鋳包む鋳銅製のステー
ブには以下のような問題があり、特に下記(1)〜(3)の問
題を生じるため、その実際上の使用は困難である。 (1) 冷却パイプとこれを鋳包む鋳物部とは溶着せず、せ
いぜい密着程度の状態であるため、通常は両者間に隙間
が形成される。この隙間の存在ために冷却パイプと鋳物
部との間の熱伝導が十分でなく、炉内側からの熱負荷に
より鋳物部が破損を生じ易い。そして、この鋳物部の破
損により剥き出しとなった冷却パイプが変形、摩耗を生
じ、遂には破損して漏水を生じてしまう。 (2) 鋳込み時の熱により冷却パイプが再結晶し、冷却パ
イプの強度が低下して破損の原因となる場合がある。
【0012】(3) 銅製の冷却パイプの融点と銅鋳物の融
点が同じであるため、鋳込み温度によっては冷却パイプ
を溶損させてしまう場合がある。これを避けるために鋳
込み温度を下げるとガス欠陥が生じ易い。また、こよう
な問題を回避するために冷却パイプだけを鉄製にした場
合には、鉄の熱伝導度が小さいためステーブ全体の冷却
能が低下してしまう。 (4) ステーブ内部の冷媒用通路を形成するためには、冷
却パイプを高精度に曲げ加工する必要があり、また時に
複雑な形状に曲げ加工する必要もあることから、製造コ
ストが高い。 (5) 冷却パイプを鋳包む際にパイプを正確に位置決めす
ることが難しく、設計通りの製品が得られない場合があ
る。特に、冷却パイプの曲げ部においては鋳込み前の曲
率寸法が伸び、寸法精度が悪化する場合がある。
【0013】また、鋳鉄製ステーブと組み合わせて使用
されているジャケット式の鋳銅製ステーブを、仮に単体
で用いた場合にも以下のような問題がある。 (1) 各ステーブに供給できる冷却水量にはポンプ能力の
制約から一定の限度があるが、ジャケット式の鋳銅製ス
テーブは冷媒用通路の断面積が大きいため、必然的に冷
却水流速が小さくなる。一般に炉内からの熱負荷に耐え
るためには冷媒用通路内の冷却水は1〜3m/sec程
度の流速が必要であるが、ジャケット式の鋳銅製ステー
ブでは1m/sec未満(一般に0.3m/sec以
上、1m/sec未満)の冷却水流速しか得られず、こ
のため炉内からの熱負荷により溶損する恐れがある。
【0014】(2) ジャケット式の鋳銅製ステーブでは独
立した冷媒用通路を多系統設けようとすると構造が複雑
化し、また、上述したように冷媒用通路の1本当りの断
面積が大きいため、通常は2系統程度の冷媒用通路しか
設けることができない。このためステーブが部分的に溶
損した場合でも冷媒用通路の機能が全面的に失われてし
まう危険がある。また、部分的な溶損により冷媒用通路
からの漏水を生じたような場合でも、点検や補修のため
に冷却水の供給を停止或いは減少させるとステーブが全
面的に溶損してしまう恐れがあり、漏水の点検や補修さ
えも行うことができない。
【0015】(3) ジャケット構造では、冷媒用通路のタ
ーン部が多くなるため冷却水の圧力損失が高くなり、エ
ネルギーロスが大きい。また、ステーブの背面に鉄皮に
固定するための取付用ボス(取付孔)を設ける必要があ
るが、ジャケット構造ではこのボスの一部が冷媒用流路
に張り出し、これが冷却水の抵抗となるため、冷却水の
圧力損失を生じる要因となる。さらに、ジャケット構造
のコーナー部では冷却水の淀みを生じるため、この部分
の通路内面に付着物が生じやすく、このような付着物が
経時的に成長すると冷却水とステーブ間での伝熱効率が
低下してしまう。また、上記のような冷却水の淀みを生
じると冷却水流の乱れによって気泡が発生し、この気泡
が冷却水による冷却作用を低下させる。そして、これら
の問題はステーブの機能を低下させる原因にもなる。
【0016】したがって本発明の目的は、このような従
来技術の課題を解決し、破損し或いは損耗した既設の鋳
鉄製ステーブと交換して設置される場合にも、裏風の発
生による鉄皮側耐火物の損耗が適切に防止できる銅また
は銅合金製の冶金炉用ステーブを提供することにある。
また本発明の他の目的は、特に高炉下部の高熱負荷領域
に適用された場合でも長期間に亘って適正な機能を維持
することができ、しかも上述したような従来の銅製ステ
ーブの問題も生じない冶金炉用ステーブを提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決できる銅または銅合金製のステーブの構造につい
て検討を重ね、その結果、ステーブ本体の鉄皮側となる
面に所定の条件でリブを突設することにより、上述した
裏風の発生を適切に防止でき、しかも、鉄皮側の耐火物
の冷却や保持にも有効であることを見い出した。
【0018】さらに、本発明者らは、高熱負荷領域に適
用された銅製ステーブが、炉内側耐火物の脱落後でもス
テーブ表面に凝固スラグ層が生成されることにより適正
な機能を維持することができ、特に高炉の高熱負荷領域
に適用されるステーブとして最適であるという観点か
ら、上記従来技術のような問題を生じない銅製ステーブ
を得るために種々の検討を重ねた結果、銅または銅合金
製のステーブ本体を一体的に鋳造し、この鋳造時に中子
によって冷媒用通路を同時形成して得られる鋳銅製ステ
ーブが、従来技術のような問題を生じることなく、しか
も予想を上回る極めて優れた性能を発揮できることを見
い出した。
【0019】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1] 銅または銅合金製のステーブ本体の内部に冷媒用通
路を有する冶金炉用ステーブにおいて、ステーブ本体の
鉄皮側となる面に、ステーブ本体幅方向に沿ったリブを
ステーブ本体高さ方向で間隔をおいて複数条設けたこと
を特徴とする冶金炉用ステーブ。 [2] 上記[1]の冶金炉用ステーブにおいて、リブを、ス
テーブ本体の上端及び下端位置と、その間の1箇所以上
の位置に設けたことを特徴とする冶金炉用ステーブ。
【0020】[3] 上記[1]または[2]の冶金炉用ステーブ
において、ステーブ本体が一体的に鋳造された銅または
銅合金製の鋳造体で構成され、該ステーブ本体内部に鋳
造時に形成された冷媒用通路を有することを特徴とする
冶金炉用ステーブ。 [4] 上記[3]の冶金炉用ステーブにおいて、冷媒用通路
の屈曲部に曲率が付されていることを特徴とする冶金炉
用ステーブ。 [5] 上記[4]の冶金炉用ステーブにおいて、屈曲部の曲
率が冷媒用通路の代表内径の3倍以上であることを特徴
とする冶金炉用ステーブ。
【0021】[6] 上記[4]または[5]の冶金炉用ステーブ
において、冷媒用通路が、主通路部と、この主通路部の
各端部に曲率をもったコーナー部を介して連成され若し
くは曲率をもって連成された入側通路部及び出側通路部
とからなり、これら入側通路部及び出側通路部の各端部
が冷媒の入口と出口をそれぞれ構成していることを特徴
とする冶金炉用ステーブ。 [7] 上記[3]〜[6]のいずれかの冶金炉用ステーブにおい
て、ステーブ本体内部に、鋳造時に形成された2系統以
上の独立した冷媒用通路を有することを特徴とする冶金
炉用ステーブ。
【0022】[8] 上記[3]〜[7]のいずれかの冶金炉用ス
テーブにおいて、冷媒用通路の断面積が2500mm2
以下であることを特徴とする冶金炉用ステーブ。 [9] 上記[3]〜[8]のいずれかの冶金炉用ステーブにおい
て、ステーブ本体の略中心またはその近傍を通る断面で
あって、冷媒用通路の複数の主通路部の軸方向と直交す
る方向でのステーブ本体の断面において、冷媒用通路の
合計断面積sとステーブ本体(但し、リブを除いたステ
ーブ本体部分であって、且つステーブ本体の冷却稼働面
および/または鉄皮側となる面に突起および/または溝
が形成されている場合には、当該突起および/または溝
が形成された部分の厚みを除いたステーブ本体部分)の
断面積Sとの比s/Sが、0.05〜0.15であるこ
とを特徴とする冶金炉用ステーブ。
【0023】[10] 上記[1]〜[9]のいずれかの冶金炉用
ステーブにおいて、ステーブ本体の冷却稼働面の略全面
に突起および/または溝が形成されていることを特徴と
する冶金炉用ステーブ。 [11] 上記[1]〜[10]のいずれかの冶金炉用ステーブにお
いて、ステーブ本体の冷却稼働面に炉内側耐火物が固定
されていることを特徴とする冶金炉用ステーブ。 [12] 上記[1]〜[11]のいずれかの冶金炉用ステーブにお
いて、リブが設けられたステーブ本体の鉄皮側となる面
に、キャスタブルを施工することで耐火物層を設けたこ
とを特徴とする冶金炉用ステーブ。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明の冶金炉用ス
テーブの一実施形態を示すもので、図1は背面図(鉄皮
側から見た背面図)、図2は側面図、図3は図2中のI
II−IIIに沿う断面図である。図において、1は銅
または銅合金製のステーブ本体(以下、銅製のステーブ
本体を例に説明する)、2a〜2dはステーブ本体1の
内部に形成された冷媒用通路であり、通常、ステーブ本
体1の冷却稼動面aには、図2及び図3に仮想線で示す
ような炉内耐火物3が適宜な固定手段により固定され
る。この固定手段は任意であるが、例えば、ステーブ本
体1の冷却稼動面aに複数の棒状の支持金具を突設し、
この支持金具を炉内耐火物3を構成する各耐火物煉瓦に
形成された取付孔に挿入することで、炉内耐火物3をス
テーブ本体1に支持、固定する構造等が採用できる。
【0025】スーブ本体1の鉄皮側となる面(背面)に
は、ステーブ本体幅方向に沿ったリブ10がステーブ本
体高さ方向で間隔をおいて複数条突設されている。先に
述べたように銅製ステーブは鋳鉄製ステーブに較べて熱
伝導度が大きいため、これを既設の鋳鉄製ステーブの一
部と交換する場合、鋳鉄製ステーブよりも厚みが小さい
もの(例えば、鋳鉄製ステーブの厚みが約200〜30
0mmであるとすると、銅製ステーブの厚みは約150
mm)を用いることになる。したがって、上記のような
リブ10を設けることにより、既設の鋳鉄製ステーブに
隣接して設ける場合に、この既設の鋳鉄製ステーブと略
同等の厚みを出すことができ、これにより炉内側のプロ
フィルを維持し、裏風の発生を防止できる。
【0026】図4は、本発明のステーブを既設の鋳鉄用
ステーブの一部と交換し、既設の鋳鉄用ステーブに隣接
して設けた場合の構造を模式的に示しており、Aが本発
明のステーブ、A′が既設の鋳鉄製ステーブ、Bは鉄
皮、9はステーブ背面側の耐火物、11はステーブAを
鉄皮Bに固定する固定金具である。同図に示されるよう
に、本発明の銅製ステーブAは背面側にリブ10を有す
るために隣接する鋳鉄製ステーブA′と略同等の厚みが
確保され、このため炉内側のプロフィルに大きな段差は
生じていない。
【0027】また、本発明の銅製ステーブAと隣接する
既設の鋳鉄製ステーブA′が図の仮想線a′に示すよう
に損耗してきた場合にも、リブ10があるため裏風が銅
製ステーブAの背面側に回り込むことが防止される。さ
らに、これら複数条のリブ10はステーブ背面側の耐火
物9を冷却し且つこれを保持する機能を有する。すなわ
ち、耐火物9は上下のリブ10間で冷却され且つ保持さ
れるため、損耗や脱落等を生じることなく長期間にわた
って安定的に維持される。また、本発明のステーブはス
テーブ本体1の厚みが小さく、リブ10により厚みを確
保する構造であるため、ステーブ本体1の重量の軽減と
製造コストの低減を図ることもできる。
【0028】各リブ10の高さ(ステーブ厚み方向での
高さ)は、既設の鋳鉄製ステーブと交換して使用する場
合には、適用される箇所での隣接する既設の鋳鉄製ステ
ーブの厚さを考慮し、炉内側のプロフィルが維持される
ように選定される。また、リブ10の形成数は任意であ
るが、ステーブ背面側の耐火物への裏風の回り込みを防
止し、且つステーブ背面側の耐火物の冷却・保持機能を
十分に得るためには、ステーブ本体1の上端及び下端に
各1条と、それらの間に少なくとも1条、好ましくは2
条以上設けることが好ましい。
【0029】また、従来では既設のステーブを新たなス
テーブと交換する場合、新たなステーブを固定金具で鉄
皮内側に固定した後、ステーブの背面側(すなわち、ス
テーブと鉄皮との間)にキャスタブルを注入する方法が
採られている。このステーブの交換作業は炉の休風時間
を利用して行っているが、キャスタブルの注入に比較的
長い時間を要するため、限られた休風時間内ではステー
ブ背面側の隅々までキャスタブルが行渡らず、このため
ステーブ背面側の一部に空洞が生じるおそれがある。
【0030】これに対して、本発明の冶金炉用ステーブ
を施工するに当っては、予め炉外においてステーブの鉄
皮側となる面(背面)に直接キャスタブルを施工して耐
火物層を設け、このキャスタブルが施工されたステーブ
を鉄皮内側に設置することができ、これによりステーブ
設置後のキャスタブルの注入を省略し或いは注入する場
合でも極く短時間で施工を完了することができる。すな
わち、本発明のステーブは背面にリブ10を有するた
め、ステーブの背面に直接キャスタブルを施工しても、
リブ10がキャスタブルで形成された耐火物層を保持す
ることができ、このため予めキャスタブルを施工して耐
火物層を設けておくことが可能である。そして、このよ
うな施工方法を採用できることにより、従来の施工法の
ようにステーブ背面側の耐火物層に空洞が生じるような
おそれはほとんどない。
【0031】本発明の冶金炉用ステーブは、ステーブ本
体が一体的に鋳造されたステーブ、圧延材または鋳造材
を機械加工して得られたステーブ、冷却パイプを鋳銅で
鋳包んだタイプのステーブ、ジャケットタイプのステー
ブ等のうちのいずれのタイプのものでもよいが、特にス
テーブとして最も優れた機能を有し、高炉下部の高熱負
荷領域に適用された場合でも長期間に亘って適正な機能
を維持することができるという点からは、ステーブ本体
が一体的に鋳造されたタイプのものが最も好ましい。図
1〜図3に示す実施形態もこのタイプのステーブであ
り、ステーブ本体1が一体的に鋳造された銅または銅合
金製の鋳造体で構成され、このステーブ本体1の内部に
鋳造時に形成された冷媒用通路2a〜2dを有してい
る。
【0032】このような構造のステーブでは、ステーブ
本体1の鋳造時において断面積の小さい中子を用いて冷
媒用通路2を同時形成する。先に述べたように従来の鋳
銅製ステーブとしては、冷却パイプを鋳包んだ鋳銅製ス
テーブとジャケット式の鋳銅製ステーブが知られている
だけであり、本実施形態のようにステーブ本体1が一体
的に鋳造された鋳造体で構成され、且つ冷媒用通路2が
断面積の小さい中子によってステーブ本体鋳造時に同時
形成された構造のものは全く知られていない。
【0033】ステーブ本体1の内部に形成する冷媒用通
路2の本数は任意であるが、冷媒用通路の一部が損傷し
た場合でも冷却機能を維持することを考慮した場合、ス
テーブ本体1の内部には2系統以上の独立した冷媒用通
路を形成することが好ましく、本実施形態では4系統の
独立した冷媒用通路2a〜2dが形成されている。これ
らの冷媒用通路2にはその一端側から冷却水等の冷媒
(以下、冷却水を例に説明する)が導入され、この冷却
水はステーブ本体内部を冷却した後、冷媒用通路の他端
側から排出される。
【0034】冷媒用通路2は、冷却水の圧力損失をでき
るだけ少なくし且つ冷却水に淀みを生じることを防止す
るため、コーナー部等の屈曲部には全て曲率を持たせる
ことが好ましい。本実施形態の冷媒用通路2a〜2d
は、ステーブ長手方向または幅方向に沿った直線状の主
通路部20と、この主通路部20の各端部に所定の曲率
をもったコーナー部23を介して連成され若しくは所定
の曲率をもって連成された入側通路部21及び出側通路
部22とからなり、これら入側通路部21及び出側通路
部22の各端部が冷却水の入口4と出口5をそれぞれ構
成している。これら入口4と出口5には、図示しない配
管が溶接等により接続される。
【0035】冷媒用通路2a〜2dの各コーナー部23
や入側通路部21及び出側通路部22自体の曲率R(屈
曲部の曲率R)は、冷却水の圧力損失を極力少なくし、
且つ冷却水の淀みを生じさせないという観点から、代表
内径の3倍以上とすることが好ましい。これらの曲率R
が代表内径の3倍未満では、通路を流れる冷却水の圧力
損失によるエネルギーロスが大きくなるため好ましくな
い。また、屈曲部の曲率Rが小さいと冷却水の淀みを生
じやすくなるため、この部分の通路内面に付着物が生じ
やすく、このような付着物が経時的に成長すると冷却水
の圧力損失の原因となり、また冷却水とステーブ間での
伝熱効率が低下し、冷却水による冷却作用が低下してし
まう。さらに、上記のような冷却水の淀みを生じると冷
却水流の乱れによって気泡が発生しやすくなり、この気
泡も冷却水による冷却作用を低下させる。そして、上記
のような圧力損失が著しくなると冷却水流速にも影響を
与え、この影響や上記冷却作用の低下はステーブの機能
を低下させる原因にもなる。
【0036】なお、冷媒用通路2の主通路部20は本実
施形態のような直線状以外に適宜な形態を採ることがで
き、例えば、湾曲状やS字状であってもよいし、また、
途中のコーナー部に上記のような曲率を持たせることに
より2以上の直線状を有する主通路部としてもよい。冷
媒用通路2a〜2dの断面形状に特別な制限はなく、円
形、四角形、楕円形、多角形等、任意の断面形状を採用
し得る。
【0037】また、冷媒用通路2内での冷却水流速を確
保するために、冷媒用通路2a〜2dの断面積(径方向
断面積)は2500mm2以下(より望ましくは、20
00mm2以下)とすることが好ましい。先に述べたよ
うに通路内での冷却水流速(冷却水線速度)が1m/s
ec未満であると、ステーブの冷却能が低下するため炉
内からの熱負荷によりステーブが溶損する恐れがある
が、冷媒用通路2に冷却水を供給するための一般的なポ
ンプ能力からして、冷媒用通路2の断面積が2500m
2を超えると冷却水流速1m/sec以上を確保でき
なくなる恐れがある。
【0038】炉体に適用されるステーブは、ステーブ本
体1から炉内側耐火物3が脱落した場合でも、その冷却
能によって冷却稼働面に難剥離性で低熱伝導度の凝固ス
ラグ層を生成させ、この凝固スラグ層によって炉内から
の高熱負荷に耐え得るようにすることが必要であり、こ
れによって高炉下部の高熱負荷領域に適用された場合で
も溶損や割れ等を生じることなく長期間に亘って適正な
機能を維持することができる。しかし、ステーブ本体1
の冷却稼働面に生成した凝固スラグ層は、難剥離性では
あるものの、例えば突発的な熱衝撃が加えられたような
場合には剥離を生じることがある。このような場合、ス
テーブ本体1の冷却稼働面にスラグを付着させて凝固ス
ラグ層を速やかに再生成させる必要があり、この凝固ス
ラグ層の再生成が遅れるとステーブ本体が炉内側からの
高熱負荷に耐えることができなくなり、溶損や割れのを
生じやすくなる。
【0039】図5は、ステーブ本体1の冷却稼働面に形
成された凝固スラグ層が剥離を生じた場合について、剥
離前後におけるステーブ本体内部の温度の推移と、凝固
スラグ層が剥離後、再生成(再付着)するまでの再生成
時間tを示している。これによれば、凝固スラグ層の剥
離が生じた直後にはステーブ本体1の温度は80℃前後
から一挙に200℃まで上昇し、この温度からスラグが
再付着し始めるに従って温度が徐々に低下し、一定時間
(再生成時間t)が経過後、80℃前後の定常的な温度
に戻る。
【0040】そして、このように凝固スラグ層が剥離し
た際の炉内側からの高熱負荷によるステーブ本体の破損
(溶損や割れ)を防止するためには、凝固スラグ層の再
生成時間tをなるべく短くする必要があり、そのために
は冷媒用通路2内を流れる冷却水流速を一定レベル以上
に維持することが不可欠である。図6は、冷媒用通路2
内を流れる冷却水流速と剥離を生じた後の凝固スラグ層
の再生成時間tとの関係を示したもので、冷却水流速が
1m/sec未満では、凝固スラグ層の再生成時間tが
長すぎるためステーブ本体1に高熱負荷による破損を生
じるケースがあることが判る。これに対して、冷却水流
速が1m/sec以上ではステーブ本体1に高熱負荷に
よる破損を生じることは殆どない。なお、冷却水流速が
4m/secを超えてもそれ以上の効果は期待できない
ため、経済性の面から冷却水流速は4m/sec以下と
することが好ましい。
【0041】また、ステーブ本体1の適正な冷却能を確
保するためには、ステーブ本体の断面における冷媒用通
路2の断面積(合計断面積)の割合を所定の範囲にする
ことが好ましい。すなわち、図7に示すようにステーブ
本体1の略中心またはその近傍を通る断面であって、冷
媒用通路2の複数の主通路部20の軸方向と直交する方
向でのステーブ本体1の断面A−Aにおいて、冷媒用通
路2の合計断面積sとステーブ本体1の断面積Sとの比
s/Sが0.05〜0.15であることが好ましい。
【0042】なお、図7に示すようにステーブ本体1の
前記断面積Sは、リブ10を除いたステーブ本体部分の
断面積であって、且つステーブ本体1の前面(冷却稼働
面a)および/または背面(鉄皮側となる面)に突起お
よび/または溝(図7の場合は溝6)が形成されている
場合は、その突起および/または溝が形成された部分の
厚みxを除いたステーブ本体部分の断面積とする。上記
の比s/Sが0.05未満では、ステーブの冷却能が低
いため炉内側からの熱負荷によりステーブが溶損する恐
れがある。一方、比s/Sが0.15を超えてもそれ以
上の効果は期待できず、またステーブ本体の強度を低下
させるおそれもある。
【0043】ステーブ本体1の冷却稼働面aの略全面に
は、炉内側耐火物3が脱落した後の冷却稼働面aに先に
述べたような凝固スラグ(冷却稼働面aに接触して凝固
したスラグ)を付着させ、これを保持するための溝6が
形成されている。この溝6の形成の態様(溝の深さや形
成密度等)は任意であり、また、この溝6に代えて或い
は溝6とともに突起を設けることもできる。また、本実
施形態では前記溝6の内部に耐火物7が充填されること
により冷却稼働面側が平坦化され、この面に炉内側耐火
物2が取り付け固定されている。
【0044】本実施形態のようにステーブ本体が一体的
に鋳造された鋳造体により構成されたステーブは、ステ
ーブ本体1の内部に形成された冷媒用通路2の内面が鋳
造体としての比較的粗い表面(鋳肌面)を有している。
そして、このように冷媒用通路2の内面が粗い表面を有
することが、ステーブ本体が銅または銅合金製であるこ
とと相俟って、ステーブの冷却能の面で以下に述べるよ
うな大きな利点となることが判った。
【0045】すなわち、先に述べたような圧延材または
鍛造材を機械加工して得られる従来タイプのステーブ
は、機械加工による穿孔によって冷媒用通路を設けるも
のであるため、冷媒用通路の内面は粗さの小さい平滑な
加工面となる。ところで、ステーブに対して非定常的な
極めて高い熱負荷が作用した場合(例えば、先に述べた
ように冷却稼動面の凝固スラグ層が剥離した場合)に
は、冷媒用通路内を流れる冷却水の核沸騰現象を利用し
て熱を奪い、ステーブ本体1を速かに冷却することが好
ましい。そして、この冷却水の核沸騰現象は、伝熱面
(この場合は、冷媒用通路の内面)が粗であるほうが生
じ易い。
【0046】したがって、冷媒用通路の内面が平滑な加
工面である上記従来タイプのステーブ本体では核沸騰現
象が生じにくく、このため高い熱負荷が作用した場合に
ステーブ本体が高温になりやすく、また、温度の降下速
度も小さい。これに対して、冷媒用通路2の内面が粗い
鋳肌面である本発明のステーブ本体では、冷媒用通路内
で核沸騰現象が容易に生じ、これにより瞬時に多量の熱
を奪い、ステーブ本体1の温度を速かに低下させること
ができる。そして、このような作用効果の違いは、ステ
ーブ本体の素材が熱伝導度が高い銅または銅合金である
場合に特に顕著であり、したがって、本発明の一実施形
態である一体鋳造型のステーブは圧延材または鍛造材を
機械加工して得られる従来タイプのステーブに較べて、
優れた冷却能を有していると言える。
【0047】ステーブ本体1を銅合金により構成する場
合、例えばJIS H 5100に規定されたCuC1、
CuC2、CuC3等が用いられ、また、ステーブ本体
1を銅合金により構成する場合、例えばクロームジルコ
ン銅、ベリリウム銅等の低合金銅が用いられる。その他
図面において、8はステーブ本体1の背面の複数箇所に
形成された取付孔であり、この取付孔8は鋳造時に或い
は鋳造後の孔開け加工により形成することができる。本
発明のステーブAは、図4に示すように耐火物9を介し
て鉄皮Bの内側に配され、前記取付孔8に嵌挿される固
定金具11により鉄皮Bに固定される。
【0048】本発明の一実施形態である一体鋳造型のス
テーブは、銅または銅合金を素材としてステーブ本体1
を一体的に鋳造し、この鋳造時に中子によって冷媒用通
路2を同時形成することにより製造されるもので、一般
には中子としては砂中子が用いられる。また、一体鋳造
型のステーブは冷却水の流速を高めるために冷媒用通路
2の断面積を比較的小さくするため、鋳造の際に砂中子
に熱が部分的に集中すると砂中子の形状が保てなくなる
恐れがあり、従来からあるような中子砂(SiO2を主
体とする砂)を用いる製造方法では、断面積の小さい冷
媒用通路2を確実に形成することは殆ど不可能である。
【0049】断面積の小さい冷媒用通路2を確実に形成
するためには、高熱伝導率で且つ熱容量が大きく、しか
も耐火性がある砂中子を用いる必要があり、これによっ
てはじめて一体鋳造型のステーブを製造することが可能
となる。そのような中子砂としては、熱伝導率:0.5
〜1.5kcal/m・hr・℃、耐火度ゼーゲルコー
ン(SK):17〜37、熱膨張率(500℃):0.
5〜1.5%、融解点1750〜2000℃程度の物性
を有するZrO2を主体とした砂(所謂ジルコンサン
ド)を用いることが好ましい。また、鋳造方法として
は、中子砂内に金属パイプを挿通させ、このパイプ内に
空気等の冷媒を吹き込んで中子を冷却しつつ鋳造を行う
ことが好ましい。そして、このような特別な材質の砂中
子を採用することと上記の特別な鋳造方式を採用するこ
との組み合せにより、断面積:2500mm2以下とい
う小断面積の冷媒用通路を有する一体鋳造型のステーブ
を製造することが可能となる。
【0050】以上のような一体鋳造型の冶金炉用ステー
ブは、従来の銅製ステーブに較べて以下のような利点を
有している。 (1) 高炉下部の高熱負荷領域に適用された場合でも溶損
や割れ等を生じることなく長期間に亘って適正な機能を
維持することができ、しかも炉内側耐火物3が脱落した
場合でも、その優れた冷却能によって冷却稼働面に難剥
離性で低熱伝導度の凝固スラグ層が形成されるため炉内
からの高熱負荷に耐えることができ、且つ炉内からの抜
熱も適切に抑制される。
【0051】(2) ステーブ本体1の内部に形成された冷
媒用通路2の内面が鋳造体としての比較的粗い表面(鋳
肌面)を有しているため、非定常的に高い熱負荷が作用
した場合でも冷媒用通路内で核沸騰現象が容易に生じ、
これにより瞬時に多量の熱を奪い、ステーブ本体1の温
度を速か低下させることができ、ステーブ本体の素材が
熱伝導度が高い銅または銅合金であることと相俟って、
優れた冷却効果を発揮できる。
【0052】(3) ステーブ本体1が一体的に鋳造された
鋳造体で構成され、その内部の冷媒用通路2もステーブ
本体鋳造時に形成されものであるため、従来の圧延材ま
たは鍛造材を機械加工して得られる銅製ステーブのよう
な複雑な機械加工を全く行う必要がなく、しかも鋳造体
であるため機械加工により得られるステーブのように製
造コスト上の問題を生じることなく、ステーブ本体1の
形状、構造を任意に選択できる。また、冷媒用通路2の
コーナー部23等の屈曲部にも任意の曲率Rを付けるこ
とができ、冷媒用通路2を流れる冷却水の圧力損失を適
切に防止することができるとともに、通路内での冷却水
の淀みの発生も防止できる。
【0053】(4) 鋳造により冷媒用通路2がステーブ本
体1の内部に直接形成されるため、冷却パイプを鋳包む
従来の鋳銅製ステーブのような問題、すなわち、冷却パ
イプと鋳物部間の隙間に起因した鋳物部や冷却パイプの
破損、冷却パイプを曲げ加工する際の加工精度の確保、
鋳造時のパイプ曲げ部の伸びによる寸法精度の悪化、鋳
造時の熱による冷却パイプの強度低下や溶損等の問題を
全く生じる恐れがない。
【0054】(5) 冷媒用通路2をステーブ本体1の鋳造
により小断面積に構成するので、従来のジャケット式の
鋳銅製ステーブに較べて冷媒用通路2内での冷却水流速
を高めること(冷却水流速1m/s以上)ができ、炉内
からの高熱負荷に耐えることができる高い冷却能が得ら
れる。また、この高い冷却能によって、突発的な熱衝撃
等によって冷却稼動面に付着していた凝固スラグ層が剥
離した場合でも、凝固スラグ層を速かに再生成させるこ
とができ、炉内の高熱負荷によるステーブの破損を適切
に防止できる。
【0055】同じく冷媒用通路2をステーブ本体1の鋳
造により小断面積に構成するので、独立した多系統の冷
媒用通路を設けることができ、ステーブが部分的に溶損
した場合でも冷媒用通路2の機能が全面的に失われてし
まう危険が小さく、また、ステーブの部分的な溶損によ
り冷媒用通路2からの漏水を生じたような場合でも、一
部の冷媒用通路2での冷却水の供給を停止或いは減少さ
せことにより、定常的な操業を継続しつつ容易に漏水等
の点検・補修を行うことができる。
【0056】(6) また、従来のジャケット式の鋳銅製ス
テーブのようなターン部の多い複雑な冷媒用通路ではな
く、直線状の冷媒用通路2を形成することができ、且つ
通路の途中に鉄皮取付用のボスの一部が張り出すような
こともないため、冷却水の圧力損失が少ない。このよう
に本発明の一実施形態である一体鋳造型の冶金炉用ステ
ーブは優れた機能を有しているため、高炉において最も
熱負荷の高い領域である溶融スラグ存在領域(通常、高
炉の朝顔部、切立部、シャフト下部)に適用するステー
ブとして特に好適である。
【0057】また、本発明の冶金炉用ステーブは、スク
ラップ溶解炉等の高炉以外のシャフト炉型冶金炉、さら
には溶融還元炉、電気炉等の種々の冶金炉に適用するこ
とができる。なお、本発明の冶金炉用ステーブは、先に
説明したように既設の鋳鉄製ステーブとの交換用として
特に好適なものであるが、その使用形態はこれに限定さ
れるものではなく、新設の冶金炉に適用できることは言
うまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように本発明の冶金炉用ステ
ーブは、破損し或いは損耗した既設の鋳鉄製ステーブと
交換して設置される場合にも、裏風の発生によるステー
ブ背面側の耐火物の損耗を適切に防止できる。また、本
願の請求項3に係る発明では、高炉下部の高熱負荷領域
に適用された場合でも溶損や割れ等を生じることなく長
期間に亘って適正な機能を維持することができ、しかも
炉内側耐火物が脱落した場合でも、その優れた冷却能に
より冷却稼働面に難剥離性で且つ低熱伝導度の凝固スラ
グ層が形成されるため、炉の高熱負荷に適切に耐えるこ
とができ、且つ炉内からの抜熱も適切に防止することで
きる。加えて、冷媒用通路を含めてステーブ本体が鋳造
により一体的に製作されるものであるため、簡易且つ低
コストに製造することができる利点がある。
【0059】また、本願の請求項4、5に係る発明で
は、冷媒用通路の屈曲部に曲率が付されているため、通
路内を流れる冷却水の圧力損失を最小限に抑えて冷却水
の適正流速を確保することができ、しかも冷却水の淀み
も生じないため、この淀みに起因した圧力損失や気泡発
生による冷却作用の低下等を生じることがない。
【0060】本願の請求項6に係る発明では、冷媒用通
路が、主通路部と、この主通路部の各端部に曲率をもっ
たコーナー部を介して連成され若しくは曲率をもって連
成された入側通路部及び出側通路部とからなり、且つこ
れら入側通路部及び出側通路部の各端部が冷媒の入口と
出口をそれぞれ構成しているため、冷却水によるステー
ブ内の冷却を効率的に行なうことができるとともに、冷
媒用通路通路内を流れる冷却水の圧力損失を最小限に抑
えて冷却水の適正流速を確保することができ、しかも冷
却水の淀みも生じないため、この淀みに起因した圧力損
失や気泡発生による冷却作用の低下等を生じることがな
い。
【0061】本願の請求項7に係る発明では、ステーブ
本体内部に鋳造時に形成された2系統以上の独立した冷
媒用通路を有しているため、ステーブが部分的に溶損し
た場合でも冷媒用通路の機能が全面的に失われてしまう
危険が小さく、また、部分的な溶損により冷媒用通路か
らの漏水を生じたような場合でも、一部の冷媒用通路の
冷却水の供給を停止或いは減少させことにより、定常的
な操業を継続しつつ容易に漏水等の点検・補修を行うこ
とができる。
【0062】本願の請求項8に係る発明では、冷媒用通
路の断面積が2500mm2以下であため通路内を流れ
る冷却水の流速を高めることができ、これにより炉から
の高熱負荷に耐えることができる高い冷却能が得られ
る。また、この高い冷却能によって、突発的な熱衝撃等
によって冷却稼動面に付着していた凝固スラグ層が剥離
した場合でも、凝固スラグ層を速かに再生成させること
ができ、炉内の高熱負荷によるステーブの破損を適切に
防止できる。本願の請求項9に係る発明では、ステーブ
本体の断面における冷媒用通路の断面積の割合を所定の
範囲にすることにより、ステーブ本体のより適正な冷却
能を確保することができる。
【0063】本願の請求項10に係る発明では、ステー
ブ本体の冷却稼働面に突起および/または溝が形成され
ているため、炉内側耐火物が脱落した場合でも冷却稼働
面に凝固スラグ(冷却稼働面に接触して凝固したスラ
グ)を確実に付着、保持することができ、この低熱伝導
度の凝固スラグ層によって高熱負荷に適切に耐えること
ができるとともに、炉内からの抜熱も適切に抑制するこ
とできる。本願の請求項12に係る発明では、鉄皮内側
にステーブを設置した後のキャスタブルの注入を省略し
或いは注入する場合でも極く短時間で施工を完了するこ
とができるため、ステーブ背面側の耐火物層に空洞が生
じることを適切に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冶金炉用ステーブの一実施形態を示す
背面図
【図2】図1に示す冶金炉用ステーブの側面図
【図3】図1中のIII−III線に沿う断面図
【図4】本発明の冶金炉用ステーブを炉の鉄皮の内側に
取付けた状態で示す側面図
【図5】ステーブ本体の冷却稼働面に生成した凝固スラ
グ層が剥離を生じた場合において、剥離前後におけるス
テーブ本体内部の温度の推移と、凝固スラグ層が剥離
後、再生成(再付着)するまでの再生成時間tを示すグ
ラフ
【図6】冷媒用通路内を流れる冷却水流速と剥離を生じ
た後の凝固スラグ層の再生成時間tとの関係を示すグラ
【図7】ステーブ本体の略中心またはその近傍を通る断
面であって、冷媒用通路の複数の主通路部の軸方向と直
交する方向でのステーブ本体の断面A−Aを示す説明図
【符号の説明】
1…ステーブ本体、2,2a〜2d…冷媒用通路、3…
炉内側耐火物、4…入口、5…出口、6…溝、7…耐火
物、8…取付孔、9…耐火物、10…リブ、11…固定
金具、20…主通路部、21…入側通路部、22…出側
通路部、23…コーナー部、A…ステーブ、B…鉄皮、
a…冷却稼動面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 周雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 塚本 守 東京都西多摩郡瑞穂町大字二本木447 後 藤合金株式会社内 Fターム(参考) 4K015 CA04 CA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金製のステーブ本体の内部
    に冷媒用通路を有する冶金炉用ステーブにおいて、ステ
    ーブ本体の鉄皮側となる面に、ステーブ本体幅方向に沿
    ったリブをステーブ本体高さ方向で間隔をおいて複数条
    設けたことを特徴とする冶金炉用ステーブ。
  2. 【請求項2】 リブを、ステーブ本体の上端及び下端位
    置と、その間の1箇所以上の位置に設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の冶金炉用ステーブ。
  3. 【請求項3】 ステーブ本体が一体的に鋳造された銅ま
    たは銅合金製の鋳造体で構成され、該ステーブ本体内部
    に鋳造時に形成された冷媒用通路を有することを特徴と
    する請求項1または2に記載の冶金炉用ステーブ。
  4. 【請求項4】 冷媒用通路の屈曲部に曲率が付されてい
    ることを特徴とする請求項3に記載の冶金炉用ステー
    ブ。
  5. 【請求項5】 屈曲部の曲率が冷媒用通路の代表内径の
    3倍以上であることを特徴とする請求項4に記載の冶金
    炉用ステーブ。
  6. 【請求項6】 冷媒用通路が、主通路部と、この主通路
    部の各端部に曲率をもったコーナー部を介して連成され
    若しくは曲率をもって連成された入側通路部及び出側通
    路部とからなり、これら入側通路部及び出側通路部の各
    端部が冷媒の入口と出口をそれぞれ構成していることを
    特徴とする請求項4または5に記載の冶金炉用ステー
    ブ。
  7. 【請求項7】 ステーブ本体内部に、鋳造時に形成され
    た2系統以上の独立した冷媒用通路を有することを特徴
    とする請求項3、4、5または6に記載の冶金炉用ステ
    ーブ。
  8. 【請求項8】 冷媒用通路の断面積が2500mm2
    下であることを特徴とする請求項3、4、5、6または
    7に記載の冶金炉用ステーブ。
  9. 【請求項9】 ステーブ本体の略中心またはその近傍を
    通る断面であって、冷媒用通路の複数の主通路部の軸方
    向と直交する方向でのステーブ本体の断面において、冷
    媒用通路の合計断面積sとステーブ本体(但し、リブを
    除いたステーブ本体部分であって、且つステーブ本体の
    冷却稼働面および/または鉄皮側となる面に突起および
    /または溝が形成されている場合には、当該突起および
    /または溝が形成された部分の厚みを除いたステーブ本
    体部分)の断面積Sとの比s/Sが、0.05〜0.1
    5であることを特徴とする請求項3、4、5、6、7ま
    たは8に記載の冶金炉用ステーブ。
  10. 【請求項10】 ステーブ本体の冷却稼働面の略全面に
    突起および/または溝が形成されていることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記
    載の冶金炉用ステーブ。
  11. 【請求項11】 ステーブ本体の冷却稼働面に炉内側耐
    火物が固定されていることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9または10に記載の冶金炉
    用ステーブ。
  12. 【請求項12】 リブが設けられたステーブ本体の鉄皮
    側となる面に、キャスタブルを施工することで耐火物層
    を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9、10または11に記載の冶金炉用ステ
    ーブ。
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