JPH11293312A - 冶金炉用ステーブ - Google Patents

冶金炉用ステーブ

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JPH11293312A
JPH11293312A JP10267299A JP26729998A JPH11293312A JP H11293312 A JPH11293312 A JP H11293312A JP 10267299 A JP10267299 A JP 10267299A JP 26729998 A JP26729998 A JP 26729998A JP H11293312 A JPH11293312 A JP H11293312A
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stave
passage
furnace
cooling
refrigerant
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JP10267299A
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Takashi Sumikama
隆志 炭竃
Bungo Iino
文吾 飯野
Kazumasa Wakimoto
一政 脇元
Mamoru Tsukamoto
守 塚本
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JFE Engineering Corp
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GOTO GOKIN KK
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉の高熱負荷領域に適用された場合でも長期
間に亘って適正な機能を維持することができる冶金炉用
ステーブを提供する。 【解決手段】 銅または銅合金製のステーブ本体を一体
的に鋳造し、この鋳造時に中子によって冷媒用通路を同
時形成して得られるステーブが、炉の高熱負荷領域に適
用した際に優れた性能を発揮できることを見い出しなさ
れたもので、ステーブ本体が一体的に鋳造された銅また
は銅合金製の鋳造体で構成され、該ステーブ本体内部に
鋳造時に形成された冷媒用通路を有することを特徴と
し、特に好ましくは、冷媒用通路が、主通路部とこの主
通路部の各端部に曲率をもったコーナー部を介して連成
され若しくは曲率をもって連成された入側通路部及び出
側通路部とからなり、これら入側通路部及び出側通路部
の各端部が冷媒の入口と出口をそれぞれ構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は高炉等の冶金炉に用
いられるステーブに関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の炉壁構造は、鉄皮の内側に内部冷
却機構を備えたステーブ(クーリングステーブ)を設
け、このステーブの内側に炉内耐火物が保持される構造
となっているが、高炉を一定期間操業すると炉内耐火物
が破損等によりステーブから脱落し、ステーブが炉内部
に直接曝されるケースが多くなる。したがって、ステー
ブはこのような炉内耐火物の脱落後も炉内部の熱負荷に
耐え得るものでなければならない。
【0003】従来、高炉用のステーブとしては鋳鉄製の
ものが広く用いられており、またその中でも冷却パイプ
を鋳鉄で鋳包んだ構造のものが一般的である。しかし、
このような鋳鉄製ステーブは鋳鉄の熱伝導度が小さいた
めに冷却能が低い。このため特に溶融スラグが存在する
高炉下部(朝顔部、切立部、シャフト下部)の高熱負荷
領域ではステーブ本体内に高い熱応力が発生して亀裂を
生じ易く、この亀裂が冷却パイプに伝播して漏水事故を
起こし易い。
【0004】このような冷却パイプの破損を防止するた
め、冷却パイプと鋳物部とを非融着にすることが一般化
しているが、このような構造ではステーブの冷却能がさ
らに低下してしまう。これを補うためにステーブに対す
る冷却水量の増加、冷却パイプ本数の増加、ステーブ本
体の2重化等の対応が考えられるが、ステーブ構造の複
雑化、高コスト化をもたらすため好ましくない。また、
このような対応をしても高炉下部の高熱負荷領域に適用
した場合の冷却効果は十分でなく、高炉の長寿命化、微
粉炭多量吹込みなどによる操業条件の苛酷化に伴い、そ
の問題が顕在化してきた。
【0005】一方、冶金炉用ステーブとしては銅製(ま
たは銅合金製)ステーブが知られている。銅は鋳鉄に較
べて熱伝導度が大きいため、銅製ステーブは本体内部の
温度が常に低く維持される利点があるが、特に、その高
い冷却能のために高炉下部の高熱負荷領域において以下
のような作用が得られる。すなわち、高炉下部の高熱負
荷領域においてステーブ本体から炉内側耐火物が脱落し
た場合でも、ステーブ表面に溶融スラグが接触するとす
ぐに凝固してステーブ表面に難剥離性の凝固スラグ層が
生成する。この難剥離性の凝固スラグ層は熱伝導度が非
常に小さいため、炉の高熱負荷から銅製ステーブを保護
し、且つステーブによる炉内からの抜熱も適切に抑制さ
れる。
【0006】したがって、高炉の長寿命化、高熱負荷領
域での過冷却によるエネルギー損失の低減化、炉壁構造
の簡素化とこれによるコスト低減を図るためには、高炉
用ステーブ、特に高炉の高熱負荷領域に適用するステー
ブとしては銅製ステーブが最適であると言える。従来、
高炉用に単体で使用される銅製ステーブとしては、圧延
材または鍛造材を機械加工して得られるタイプのもの
(特公昭63−56283号公報)と冷却パイプを鋳銅
で鋳包んだタイプのものが知られ、また、鋳鉄製ステー
ブと組み合わせて使用される銅製ステーブとしてジャケ
ット式のものも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
銅製ステーブには以下のような問題がある。まず、圧延
材または鍛造材を機械加工して得られる銅製ステーブ
は、機械加工が複雑で製造コストが高く、しかも形状の
自由度が小さい等の欠点がある。具体的には、例えば以
下のような問題点を挙げることができる。
【0008】(1) ステーブ本体には炉内径に応じた曲率
を付けることが必要であるが、圧延材等を機械加工して
ステーブを製造する際にこのような曲率を付けること
は、製造コスト等の面で極めて難しい。このためにステ
ーブ本体は平板状の設計にせざるを得ず、その結果、炉
の稼動内容積が小さくなる。 (2) ステーブの背面に鉄皮に固定するためのボスやリブ
を設ける必要があるが、これらは別部品を加工して溶接
しなければならず、その分コスト高となる。 (3) 炉内側の冷却稼働面に耐火物や凝固スラグを保持す
るための突起や溝を設ける場合には、厚い板材から削り
出す必要があるため製造コストが高くなる。
【0009】(4) 鋳鉄製ステーブを備えた既設の炉に対
して銅製ステーブを新たに取り付け、既設の鋳鉄製ステ
ーブと併用する場合には、炉内側のプロファイルを維持
する必要から銅製ステーブの厚みを鋳鉄製ステーブの厚
みに合せる必要があるが、この場合には銅製ステーブの
厚みは250mmにもなり、圧延材等からの削り出しで
はコスト高となり、場合によっては材料の入手が不可能
な場合もある。 (5) ステーブを炉腹(切立)からシャフトにかけての部
位に適用する場合、ステーブの形状を縦方向で“くの
字”状とする必要があり、このための切削加工や曲げ加
工が必要になり、製造コストが高くなる。
【0010】さらに、圧延材または鍛造材を機械加工し
て得られる銅製ステーブでは、ステーブ内部の冷媒用通
路は孔開け加工により形成する必要があり、この冷媒用
通路のコーナー部を形成するには、通路を直交するよう
に孔開け加工した後、それらの一端を栓溶接する必要が
あるが、このようにして設けられる通路のコーナー部は
L型となるため、通路を流れる冷媒(通常、冷却水)の
圧力損失が大きくなり、エネルギーロスが大きいという
問題がある。また、このようなL型のコーナー部では冷
却水の淀みを生じるため、この部分の通路内面に付着物
が生じやすく、このような付着物が経時的に成長すると
冷却水の圧力損失の原因となり、また冷却水とステーブ
間での伝熱効率が低下し、冷却水による冷却作用が低下
してしまう。さらに、上記のような冷却水の淀みを生じ
ると冷却水流の乱れによって気泡が発生し、この気泡も
冷却水による冷却作用を低下させる。そして、上記のよ
うな圧力損失が著しくなると冷却水流速にも影響を与
え、この影響や上記冷却作用の低下はステーブの機能を
低下させる原因にもなる。
【0011】また、冷却パイプを鋳包む鋳銅製のステー
ブには以下のような問題があり、特に下記(1)〜(3)の問
題を生じるため、その実際上の使用は困難である。 (1) 冷却パイプとこれを鋳包む鋳物部とは溶着せず、せ
いぜい密着程度の状態であるため、通常は両者間に隙間
が形成される。この隙間の存在ために冷却パイプと鋳物
部との間の熱伝導が十分でなく、炉内側からの熱負荷に
より鋳物部が破損を生じ易い。そして、この鋳物部の破
損により剥き出しとなった冷却パイプが変形、摩耗を生
じ、遂には破損して漏水を生じてしまう。 (2) 鋳込み時の熱により冷却パイプが再結晶し、冷却パ
イプの強度が低下して破損の原因となる場合がある。
【0012】(3) 銅製の冷却パイプの融点と銅鋳物の融
点が同じであるため、鋳込み温度によっては冷却パイプ
を溶損させてしまう場合がある。これを避けるために鋳
込み温度を下げるとガス欠陥が生じ易い。また、こよう
な問題を回避するために冷却パイプだけを鉄製にした場
合には、鉄の熱伝導度が小さいためステーブ全体の冷却
能が低下してしまう。 (4) ステーブ内部の冷媒用通路を形成するためには、冷
却パイプを高精度に曲げ加工する必要があり、また時に
複雑な形状に曲げ加工する必要もあることから、製造コ
ストが高い。 (5) 冷却パイプを鋳包む際にパイプを正確に位置決めす
ることが難しく、設計通りの製品が得られない場合があ
る。特に、冷却パイプの曲げ部においては鋳込み前の曲
率寸法が伸び、寸法精度が悪化する場合がある。
【0013】また、鋳鉄製ステーブと組み合わせて使用
されているジャケット式の鋳銅製ステーブを、仮に単体
で用いた場合にも以下のような問題がある。 (1) 各ステーブに供給できる冷却水量にはポンプ能力の
制約から一定の限度があるが、ジャケット式の鋳銅製ス
テーブは冷媒用通路の断面積が大きいため、必然的に冷
却水流速が小さくなる。一般に炉内からの熱負荷に耐え
るためには冷媒用通路内の冷却水は1〜3m/sec程
度の流速が必要であるが、ジャケット式の鋳銅製ステー
ブでは1m/sec未満(一般に0.3m/sec以
上、1m/sec未満)の冷却水流速しか得られず、こ
のため炉内からの熱負荷により溶損する恐れがある。
【0014】(2) ジャケット式の鋳銅製ステーブでは独
立した冷媒用通路を多系統設けようとすると構造が複雑
化し、また、上述したように冷媒用通路の1本当りの断
面積が大きいため、通常は2系統程度の冷媒用通路しか
設けることができない。このためステーブが部分的に溶
損した場合でも冷媒用通路の機能が全面的に失われてし
まう危険がある。また、部分的な溶損により冷媒用通路
からの漏水を生じたような場合でも、点検や補修のため
に冷却水の供給を停止或いは減少させるとステーブが全
面的に溶損してしまう恐れがあり、漏水の点検や補修さ
えも行うことができない。
【0015】(3) ジャケット構造では、冷媒用通路のタ
ーン部が多くなるため冷却水の圧力損失が高くなり、エ
ネルギーロスが大きい。また、ステーブの背面に鉄皮に
固定するための取付用ボス(取付孔)を設ける必要があ
るが、ジャケット構造ではこのボスの一部が冷媒用流路
に張り出し、これが冷却水の抵抗となるため、冷却水の
圧力損失を生じる要因となる。さらに、ジャケット構造
のコーナー部では冷却水の淀みを生じるため、この部分
の通路内面に付着物が生じやすく、このような付着物が
経時的に成長すると冷却水とステーブ間での伝熱効率が
低下してしまう。また、上記のような冷却水の淀みを生
じると冷却水流の乱れによって気泡が発生し、この気泡
が冷却水による冷却作用を低下させる。そして、これら
の問題はステーブの機能を低下させる原因にもなる。
【0016】したがって本発明の目的は、このような従
来技術の課題を解決し、特に高炉下部の高熱負荷領域に
適用された場合でも長期間に亘って適正な機能を維持す
ることができ、しかも上述したような従来の銅製ステー
ブの問題も生じない冶金炉用ステーブを提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高熱負荷
領域に適用された銅製ステーブが、炉内側耐火物の脱落
後でもステーブ表面に凝固スラグ層が生成されることに
より適正な機能を維持することができ、特に高炉の高熱
負荷領域に適用されるステーブとして最適であるという
観点から、上記従来技術のような問題を生じない銅製ス
テーブを得るために種々の検討を重ねた結果、銅または
銅合金製のステーブ本体を一体的に鋳造し、この鋳造時
に中子によって冷媒用通路を同時形成して得られる鋳銅
製ステーブが、従来技術のような問題を生じることな
く、しかも予想を上回る極めて優れた性能を発揮できる
ことを見い出した。
【0018】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1] ステーブ本体が一体的に鋳造された銅または銅合金
製の鋳造体で構成され、該ステーブ本体内部に鋳造時に
形成された冷媒用通路を有することを特徴とする冶金炉
用ステーブ。 [2] 上記[1]のステーブにおいて、冷媒用通路の屈曲部
に曲率が付されていることを特徴とする冶金炉用ステー
ブ。 [3] 上記[2]のステーブにおいて、屈曲部の曲率が冷媒
用通路の代表内径の3倍以上であることを特徴とする冶
金炉用ステーブ。
【0019】[4] 上記[2]または[3]のステーブにおい
て、冷媒用通路が、主通路部と、この主通路部の各端部
に曲率をもったコーナー部を介して連成され若しくは曲
率をもって連成された入側通路部及び出側通路部とから
なり、これら入側通路部及び出側通路部の各端部が冷媒
の入口と出口をそれぞれ構成していることを特徴とする
冶金炉用ステーブ。 [5] 上記[1]〜[4]のいずれかのステーブにおいて、ステ
ーブ本体内部に、鋳造時に形成された2系統以上の独立
した冷媒用通路を有することを特徴とする冶金炉用ステ
ーブ。
【0020】[6] 上記[1]〜[5]のいずれかのステーブに
おいて、冷媒用通路の断面積が2500mm2以下であ
ることを特徴とする冶金炉用ステーブ。 [7] 上記[1]〜[6]のいずれかのステーブにおいて、ステ
ーブ本体の略中心またはその近傍を通る断面であって、
冷媒用通路の複数の主通路部の軸方向と直交する方向で
のステーブ本体の断面において、冷媒用通路の合計断面
積sとステーブ本体(但し、ステーブ本体の前面および
/または背面に突起および/または溝が形成されている
場合には、当該突起および/または溝が形成された部分
の厚みを除いたステーブ本体部分)の断面積Sとの比s
/Sが、0.05〜0.15であることを特徴とする冶
金炉用ステーブ。
【0021】[8] 上記[1]〜[7]のいずれかのステーブに
おいて、ステーブ本体の冷却稼働面の略全面に突起およ
び/または溝が形成されていることを特徴とする冶金炉
用ステーブ。 [9] 上記[1]〜[8]のいずれかのステーブにおいて、ステ
ーブ本体の冷却稼働面に炉内側耐火物が固定されている
ことを特徴とする冶金炉用ステーブ。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明の冶金炉用ス
テーブの一実施形態を示すもので、図1は平面図、図2
は側面図、図3は図2図中のIII−IIIに沿う断面
図、図4はステーブAを鉄皮Bに取り付けた状態で示す
断面図である。図において、1はステーブ本体、2a〜
2dはステーブ本体1の内部に形成された冷媒用通路で
ある。通常、ステーブ本体1の冷却稼動面aには、図2
〜図4に仮想線で示すような炉内耐火物3が適宜な固定
手段により固定される。この固定手段は任意であるが、
例えば、ステーブ本体1の冷却稼動面aに複数の棒状の
支持金具を突設し、この支持金具を炉内耐火物3を構成
する各耐火物煉瓦に形成された取付孔に挿入すること
で、炉内耐火物3をステーブ本体1に支持、固定する構
造等が採用できる。
【0023】本発明の冶金炉用ステーブは、ステーブ本
体1が一体的に鋳造された銅または銅合金製の鋳造体で
構成されるとともに、前記冷媒用通路2a〜2dがステ
ーブ本体鋳造時に形成された冷媒用通路であることを特
徴とするものである。このような構造のステーブでは、
ステーブ本体1の鋳造時において断面積の小さい中子を
用いて冷媒用通路2を同時形成する。先に述べたように
従来の鋳銅製ステーブとしては、冷却パイプを鋳包んだ
鋳銅製ステーブとジャケット式の鋳銅製ステーブが知ら
れているだけであり、本発明のようにステーブ本体1が
一体的に鋳造された鋳造体で構成され、且つ冷媒用通路
2が断面積の小さい中子によってステーブ本体鋳造時に
同時形成された構造のものは全く知られていない。
【0024】本発明の冶金炉用ステーブでは、ステーブ
本体1の内部に形成する冷媒用通路2の本数は任意であ
るが、冷媒用通路の一部が損傷した場合でも冷却機能を
維持することを考慮した場合、ステーブ本体1の内部に
は2系統以上の独立した冷媒用通路を形成することが好
ましく、本実施形態では4系統の独立した冷媒用通路2
a〜2dが形成されている。これらの冷媒用通路2には
その一端側から冷却水等の冷媒(以下、冷却水を例に説
明する)が導入され、この冷却水はステーブ本体内部を
冷却した後、冷媒用通路の他端側から排出される。
【0025】冷媒用通路2は、冷却水の圧力損失をでき
るだけ少なくし且つ冷却水に淀みを生じることを防止す
るため、コーナー部等の屈曲部には全て曲率を持たせる
ことが好ましい。本実施形態の冷媒用通路2a〜2d
は、ステーブ長手方向または幅方向に沿った直線状の主
通路部20と、この主通路部20の各端部に所定の曲率
をもったコーナー部23を介して連成され若しくは所定
の曲率をもって連成された入側通路部21及び出側通路
部22とからなり、これら入側通路部21及び出側通路
部22の各端部が冷却水の入口4と出口5をそれぞれ構
成している。これら入口4と出口5には、図示しない配
管が溶接等により接続される。
【0026】冷媒用通路2a〜2dの各コーナー部23
や入側通路部21及び出側通路部22自体の曲率R(屈
曲部の曲率R)は、冷却水の圧力損失を極力少なくし、
且つ冷却水の淀みを生じさせないという観点から、代表
内径の3倍以上とすることが好ましい。これらの曲率R
が代表内径の3倍未満では、通路を流れる冷却水の圧力
損失によるエネルギーロスが大きくなるため好ましくな
い。また、屈曲部の曲率Rが小さいと冷却水の淀みを生
じやすくなるため、この部分の通路内面に付着物が生じ
やすく、このような付着物が経時的に成長すると冷却水
の圧力損失の原因となり、また冷却水とステーブ間での
伝熱効率が低下し、冷却水による冷却作用が低下してし
まう。さらに、上記のような冷却水の淀みを生じると冷
却水流の乱れによって気泡が発生しやすくなり、この気
泡も冷却水による冷却作用を低下させる。そして、上記
のような圧力損失が著しくなると冷却水流速にも影響を
与え、この影響や上記冷却作用の低下はステーブの機能
を低下させる原因にもなる。
【0027】なお、冷媒用通路2の主通路部20は本実
施形態のような直線状以外に適宜な形態を採ることがで
き、例えば、湾曲状やS字状であってもよいし、また、
途中のコーナー部に上記のような曲率を持たせることに
より2以上の直線状を有する主通路部としてもよい。冷
媒用通路2a〜2dの断面形状に特別な制限はなく、円
形、四角形、楕円形、多角形等、任意の断面形状を採用
し得る。
【0028】また、冷媒用通路2内での冷却水流速を確
保するために、冷媒用通路2a〜2dの断面積(径方向
断面積)は2500mm2以下(より望ましくは、20
00mm2以下)とすることが好ましい。先に述べたよ
うに通路内での冷却水流速(冷却水線速度)が1m/s
ec未満であると、ステーブの冷却能が低下するため炉
内からの熱負荷によりステーブが溶損する恐れがある
が、冷媒用通路2に冷却水を供給するための一般的なポ
ンプ能力からして、冷媒用通路2の断面積が2500m
2を超えると冷却水流速1m/sec以上を確保でき
なくなる恐れがある。
【0029】炉体に適用されるステーブは、ステーブ本
体1から炉内側耐火物3が脱落した場合でも、その冷却
能によって冷却稼働面に難剥離性で低熱伝導度の凝固ス
ラグ層を生成させ、この凝固スラグ層によって炉内から
の高熱負荷に耐え得るようにすることが必要であり、こ
れによって高炉下部の高熱負荷領域に適用された場合で
も溶損や割れ等を生じることなく長期間に亘って適正な
機能を維持することができる。しかし、ステーブ本体1
の冷却稼働面に生成した凝固スラグ層は、難剥離性では
あるものの、例えば突発的な熱衝撃が加えられたような
場合には剥離を生じることがある。このような場合、ス
テーブ本体1の冷却稼働面にスラグを付着させて凝固ス
ラグ層を速やかに再生成させる必要があり、この凝固ス
ラグ層の再生成が遅れるとステーブ本体が炉内側からの
高熱負荷に耐えることができなくなり、溶損や割れのを
生じやすくなる。
【0030】図6は、ステーブ本体1の冷却稼働面に形
成された凝固スラグ層が剥離を生じた場合について、剥
離前後におけるステーブ本体内部の温度の推移と、凝固
スラグ層が剥離後、再生成(再付着)するまでの再生成
時間tを示している。これによれば、凝固スラグ層の剥
離が生じた直後にはステーブ本体1の温度は80℃前後
から一挙に200℃まで上昇し、この温度からスラグが
再付着し始めるに従って温度が徐々に低下し、一定時間
(再生成時間t)が経過後、80℃前後の定常的な温度
に戻る。
【0031】そして、このように凝固スラグ層が剥離し
た際の炉内側からの高熱負荷によるステーブ本体の破損
(溶損や割れ)を防止するためには、凝固スラグ層の再
生成時間tをなるべく短くする必要があり、そのために
は冷媒用通路2内を流れる冷却水流速を一定レベル以上
に維持することが不可欠である。図7は、冷媒用通路2
内を流れる冷却水流速と剥離を生じた後の凝固スラグ層
の再生成時間tとの関係を示したもので、冷却水流速が
1m/sec未満では、凝固スラグ層の再生成時間tが
長すぎるためステーブ本体1に高熱負荷による破損を生
じるケースがあることが判る。これに対して、冷却水流
速が1m/sec以上ではステーブ本体1に高熱負荷に
よる破損を生じることは殆どない。なお、冷却水流速が
4m/secを超えてもそれ以上の効果は期待できない
ため、経済性の面から冷却水流速は4m/sec以下と
することが好ましい。
【0032】また、ステーブ本体1の適正な冷却能を確
保するためには、ステーブ本体の断面における冷媒用通
路2の断面積(合計断面積)の割合を所定の範囲にする
ことが好ましい。すなわち、図8に示すようにステーブ
本体1の略中心またはその近傍を通る断面であって、冷
媒用通路2の複数の主通路部20の軸方向と直交する方
向でのステーブ本体1の断面A−Aにおいて、冷媒用通
路2の合計断面積sとステーブ本体1の断面積Sとの比
s/Sが0.05〜0.15であることが好ましい。
【0033】なお、図8に示すようにステーブ本体1の
前面(冷却稼働面a)および/または背面(冷却稼働面
aの反対面)に突起および/または溝(図8の場合は溝
6)が形成されている場合は、ステーブ本体1の前記断
面積Sは、その突起および/または溝が形成された部分
の厚みxを除いたステーブ本体部分の断面積とする。し
たがって、例えば後述する図5に示すようにステーブ本
体1の背面(冷却稼働面の反対面)に突起および/また
は溝が形成されている場合には、ステーブ本体1の断面
積Sはこの部分の厚みも除いたステーブ本体部分の断面
積とする。
【0034】上記の比s/Sが0.05未満では、ステ
ーブの冷却能が低いため炉内側からの熱負荷によりステ
ーブが溶損する恐れがある。一方、比s/Sが0.15
を超えてもそれ以上の効果は期待できず、またステーブ
本体の強度を低下させるおそれもある。
【0035】ステーブ本体1の冷却稼働面aの略全面に
は、炉内側耐火物3が脱落した後の冷却稼働面aに先に
述べたような凝固スラグ(冷却稼働面aに接触して凝固
したスラグ)を付着させ、これを保持するための溝6が
形成されている。この溝6の形成の態様(溝の深さや形
成密度等)は任意であり、また、この溝6に代えて或い
は溝6とともに突起を設けることもできる。また、本実
施形態では前記溝6の内部に耐火物7が充填されること
により冷却稼働面側が平坦化され、この面に炉内側耐火
物2が取り付け固定されている。
【0036】本発明のステーブは、ステーブ本体1の内
部に形成された冷媒用通路2の内面が鋳造体としての比
較的粗い表面(鋳肌面)を有している。そして、このよ
うに冷媒用通路2の内面が粗い表面を有することが、ス
テーブ本体が銅または銅合金製であることと相俟って、
ステーブの冷却能の面で以下に述べるような大きな利点
となることが判った。
【0037】すなわち、先に述べたような圧延材または
鍛造材を機械加工して得られる従来タイプのステーブ
は、機械加工による穿孔によって冷媒用通路を設けるも
のであるため、冷媒用通路の内面は粗さの小さい平滑な
加工面となる。ところで、ステーブに対して非定常的な
極めて高い熱負荷が作用した場合(例えば、先に述べた
ように冷却稼動面の凝固スラグ層が剥離した場合)に
は、冷媒用通路内を流れる冷却水の核沸騰現象を利用し
て熱を奪い、ステーブ本体1を速かに冷却することが好
ましい。そして、この冷却水の核沸騰現象は、伝熱面
(この場合は、冷媒用通路の内面)が粗であるほうが生
じ易い。
【0038】したがって、冷媒用通路の内面が平滑な加
工面である上記従来タイプのステーブ本体では核沸騰現
象が生じにくく、このため高い熱負荷が作用した場合に
ステーブ本体が高温になりやすく、また、温度の降下速
度も小さい。これに対して、冷媒用通路2の内面が粗い
鋳肌面である本発明のステーブ本体では、冷媒用通路内
で核沸騰現象が容易に生じ、これにより瞬時に多量の熱
を奪い、ステーブ本体1の温度を速かに低下させること
ができる。そして、このような作用効果の違いは、ステ
ーブ本体の素材が熱伝導度が高い銅または銅合金である
場合に特に顕著であり、したがって、本発明のステーブ
は圧延材または鍛造材を機械加工して得られる従来タイ
プのステーブに較べて、優れた冷却能を有していると言
える。
【0039】ステーブ本体1を銅合金により構成する場
合、例えばJIS H 5100に規定されたCuC1、
CuC2、CuC3等が用いられ、また、ステーブ本体
1を銅合金により構成する場合、例えばクロームジルコ
ン銅、ベリリウム銅等の低合金銅が用いられる。その他
図面において、8はステーブ本体1の背面の複数箇所に
形成された取付孔であり、この取付孔8は鋳造時に或い
は鋳造後の孔開け加工により形成することができる。本
発明のステーブAは、例えば、図4に示すように耐火物
9を介して鉄皮Bの内側に配され、前記取付孔8に嵌挿
される固定金具10により鉄皮Bに固定される。
【0040】また、本発明のステーブを鋳鉄製ステーブ
を備えた既設の炉に対して設置し、既設の鋳鉄製ステー
ブと併用する場合には、炉内側のプロファイルを維持す
る必要から本発明のステーブの厚みを既設の鋳鉄製ステ
ーブの厚みに合せる必要がある。この場合、図5に示す
ようにステーブ本体1の背面にリブ11を突設し、この
リブ11で既設の鋳鉄製ステーブと同等の厚みを出すよ
うにすればよい。このような構造を採ることにより、炉
内側のプロファイルが維持されて所謂裏風の発生を防止
できるとともに、銅または銅合金製のステーブの軽量化
と材料コストの低減化を図ることができる。
【0041】本発明のステーブは、銅または銅合金を素
材としてステーブ本体1を一体的に鋳造し、この鋳造時
に中子によって冷媒用通路2を同時形成することにより
製造されるもので、一般には中子としては砂中子が用い
られる。また、本発明のステーブは冷却水の流速を高め
るために冷媒用通路2の断面積を比較的小さくするた
め、鋳造の際に砂中子に熱が部分的に集中すると砂中子
の形状が保てなくなる恐れがあり、従来からあるような
中子砂(SiO2を主体とする砂)を用いる製造方法で
は、断面積の小さい冷媒用通路2を確実に形成すること
は殆ど不可能である。
【0042】断面積の小さい冷媒用通路2を確実に形成
するためには、高熱伝導率で且つ熱容量が大きく、しか
も耐火性がある砂中子を用いる必要があり、これによっ
てはじめて本発明のステーブを製造することが可能とな
る。そのような中子砂としては、熱伝導率:0.5〜
1.5kcal/m・hr・℃、耐火度ゼーゲルコーン
(SK):17〜37、熱膨張率(500℃):0.5
〜1.5%、融解点1750〜2000℃程度の物性を
有するZrO2を主体とした砂(所謂ジルコンサンド)
を用いることが好ましい。また、鋳造方法としては、中
子砂内に金属パイプを挿通させ、このパイプ内に空気等
の冷媒を吹き込んで中子を冷却しつつ鋳造を行うことが
好ましい。そして、このような特別な材質の砂中子を採
用することと上記の特別な鋳造方式を採用することの組
み合せにより、断面積:2500mm2以下という小断
面積の冷媒用通路を有する本発明のステーブを製造する
ことが可能となる。
【0043】以上のような本発明の冶金炉用ステーブ
は、従来の銅製ステーブに較べて以下のような利点を有
している。 (1) 高炉下部の高熱負荷領域に適用された場合でも溶損
や割れ等を生じることなく長期間に亘って適正な機能を
維持することができ、しかも炉内側耐火物3が脱落した
場合でも、その優れた冷却能によって冷却稼働面に難剥
離性で低熱伝導度の凝固スラグ層が形成されるため炉内
からの高熱負荷に耐えることができ、且つ炉内からの抜
熱も適切に抑制される。
【0044】(2) ステーブ本体1の内部に形成された冷
媒用通路2の内面が鋳造体としての比較的粗い表面(鋳
肌面)を有しているため、非定常的に高い熱負荷が作用
した場合でも冷媒用通路内で核沸騰現象が容易に生じ、
これにより瞬時に多量の熱を奪い、ステーブ本体1の温
度を速か低下させることができ、ステーブ本体の素材が
熱伝導度が高い銅または銅合金であることと相俟って、
優れた冷却効果を発揮できる。
【0045】(3) ステーブ本体1が一体的に鋳造された
鋳造体で構成され、その内部の冷媒用通路2もステーブ
本体鋳造時に形成されものであるため、従来の圧延材ま
たは鍛造材を機械加工して得られる銅製ステーブのよう
な複雑な機械加工を全く行う必要がなく、しかも鋳造体
であるため機械加工により得られるステーブのように製
造コスト上の問題を生じることなく、ステーブ本体1の
形状、構造を任意に選択できる。また、冷媒用通路2の
コーナー部23等の屈曲部にも任意の曲率Rを付けるこ
とができ、冷媒用通路2を流れる冷却水の圧力損失を適
切に防止することができるとともに、通路内での冷却水
の淀みの発生も防止できる。
【0046】(4) 鋳造により冷媒用通路2がステーブ本
体1の内部に直接形成されるため、冷却パイプを鋳包む
従来の鋳銅製ステーブのような問題、すなわち、冷却パ
イプと鋳物部間の隙間に起因した鋳物部や冷却パイプの
破損、冷却パイプを曲げ加工する際の加工精度の確保、
鋳造時のパイプ曲げ部の伸びによる寸法精度の悪化、鋳
造時の熱による冷却パイプの強度低下や溶損等の問題を
全く生じる恐れがない。
【0047】(5) 冷媒用通路2をステーブ本体1の鋳造
により小断面積に構成するので、従来のジャケット式の
鋳銅製ステーブに較べて冷媒用通路2内での冷却水流速
を高めること(冷却水流速1m/s以上)ができ、炉内
からの高熱負荷に耐えることができる高い冷却能が得ら
れる。また、この高い冷却能によって、突発的な熱衝撃
等によって冷却稼動面に付着していた凝固スラグ層が剥
離した場合でも、凝固スラグ層を速かに再生成させるこ
とができ、炉内の高熱負荷によるステーブの破損を適切
に防止できる。
【0048】同じく冷媒用通路2をステーブ本体1の鋳
造により小断面積に構成するので、独立した多系統の冷
媒用通路を設けることができ、ステーブが部分的に溶損
した場合でも冷媒用通路2の機能が全面的に失われてし
まう危険が小さく、また、ステーブの部分的な溶損によ
り冷媒用通路2からの漏水を生じたような場合でも、一
部の冷媒用通路2での冷却水の供給を停止或いは減少さ
せことにより、定常的な操業を継続しつつ容易に漏水等
の点検・補修を行うことができる。
【0049】(6) また、従来のジャケット式の鋳銅製ス
テーブのようなターン部の多い複雑な冷媒用通路ではな
く、直線状の冷媒用通路2を形成することができ、且つ
通路の途中に鉄皮取付用のボスの一部が張り出すような
こともないため、冷却水の圧力損失が少ない。このよう
に本発明の冶金炉用ステーブは優れた機能を有している
ため、高炉において最も熱負荷の高い領域である溶融ス
ラグ存在領域(通常、高炉の朝顔部、切立部、シャフト
下部)に適用するステーブとして特に好適である。ま
た、本発明の冶金炉用ステーブは、スクラップ溶解炉等
の高炉以外のシャフト炉型冶金炉、さらには溶融還元
炉、電気炉等の種々の冶金炉に適用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように本発明の冶金炉用ステ
ーブは、高炉下部の高熱負荷領域に適用された場合でも
溶損や割れ等を生じることなく長期間に亘って適正な機
能を維持することができ、しかも炉内側耐火物が脱落し
た場合でも、その優れた冷却能により冷却稼働面に難剥
離性で且つ低熱伝導度の凝固スラグ層が形成されるた
め、炉の高熱負荷に適切に耐えることができ、且つ炉内
からの抜熱も適切に防止することできる。加えて、本発
明のステーブは、冷媒用通路を含めてステーブ本体が鋳
造により一体的に製作されるものであるため、簡易且つ
低コストに製造することができるという利点がある。
【0051】また、本願の請求項2、3に係る発明で
は、冷媒用通路の屈曲部に曲率が付されているため、通
路内を流れる冷却水の圧力損失を最小限に抑えて冷却水
の適正流速を確保することができ、しかも冷却水の淀み
も生じないため、この淀みに起因した圧力損失や気泡発
生による冷却作用の低下等を生じることがない。
【0052】本願の請求項4に係る発明では、冷媒用通
路が、主通路部と、この主通路部の各端部に曲率をもっ
たコーナー部を介して連成され若しくは曲率をもって連
成された入側通路部及び出側通路部とからなり、且つこ
れら入側通路部及び出側通路部の各端部が冷媒の入口と
出口をそれぞれ構成しているため、冷却水によるステー
ブ内の冷却を効率的に行なうことができるとともに、冷
媒用通路通路内を流れる冷却水の圧力損失を最小限に抑
えて冷却水の適正流速を確保することができ、しかも冷
却水の淀みも生じないため、この淀みに起因した圧力損
失や気泡発生による冷却作用の低下等を生じることがな
い。
【0053】本願の請求項5に係る発明では、ステーブ
本体内部に鋳造時に形成された2系統以上の独立した冷
媒用通路を有しているため、ステーブが部分的に溶損し
た場合でも冷媒用通路の機能が全面的に失われてしまう
危険が小さく、また、部分的な溶損により冷媒用通路か
らの漏水を生じたような場合でも、一部の冷媒用通路の
冷却水の供給を停止或いは減少させことにより、定常的
な操業を継続しつつ容易に漏水等の点検・補修を行うこ
とができる。
【0054】本願の請求項6に係る発明では、冷媒用通
路の断面積が2500mm2以下であため通路内を流れ
る冷却水の流速を高めることができ、これにより炉から
の高熱負荷に耐えることができる高い冷却能が得られ
る。また、この高い冷却能によって、突発的な熱衝撃等
によって冷却稼動面に付着していた凝固スラグ層が剥離
した場合でも、凝固スラグ層を速かに再生成させること
ができ、炉内の高熱負荷によるステーブの破損を適切に
防止できる。本願の請求項7に係る発明では、ステーブ
本体の断面における冷媒用通路の断面積の割合を所定の
範囲にすることにより、ステーブ本体のより適正な冷却
能を確保することができる。
【0055】本願の請求項8に係る発明では、ステーブ
本体の冷却稼働面に突起および/または溝が形成されて
いるため、炉内側耐火物が脱落した場合でも冷却稼働面
に凝固スラグ(冷却稼働面に接触して凝固したスラグ)
を確実に付着、保持することができ、この低熱伝導度の
凝固スラグ層によって高熱負荷に適切に耐えることがで
きるとともに、炉内からの抜熱も適切に抑制することで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冶金炉用ステーブの一実施形態を示す
平面図
【図2】図1に示す冶金炉用ステーブの側面図
【図3】図1中のIII−III線に沿う断面図
【図4】図1に示す冶金炉用ステーブを炉の鉄皮に取付
けた状態で示す断面図
【図5】本発明の冶金炉用ステーブの他の実施形態を示
すもので、ステーブを炉の鉄皮に取付けた状態で示す断
面図
【図6】ステーブ本体の冷却稼働面に生成した凝固スラ
グ層が剥離を生じた場合において、剥離前後におけるス
テーブ本体内部の温度の推移と、凝固スラグ層が剥離
後、再生成(再付着)するまでの再生成時間tを示すグ
ラフ
【図7】冷媒用通路内を流れる冷却水流速と剥離を生じ
た後の凝固スラグ層の再生成時間tとの関係を示すグラ
【図8】ステーブ本体の略中心またはその近傍を通る断
面であって、冷媒用通路の複数の主通路部の軸方向と直
交する方向でのステーブ本体の断面A−Aを示す説明図
【符号の説明】
1…ステーブ本体、2,2a〜2d…冷媒用通路、3…
炉内側耐火物、4…入口、5…出口、6…溝、7…耐火
物、8…取付孔、9…耐火物、20…主通路部、21…
入側通路部、22…出側通路部、23…コーナー部、1
0…固定金具、11…リブ、A…ステーブ、B…鉄皮、
a…冷却稼動面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇元 一政 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 塚本 守 東京都西多摩郡瑞穂町大字二本木447 後 藤合金株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステーブ本体が一体的に鋳造された銅ま
    たは銅合金製の鋳造体で構成され、該ステーブ本体内部
    に鋳造時に形成された冷媒用通路を有することを特徴と
    する冶金炉用ステーブ。
  2. 【請求項2】 冷媒用通路の屈曲部に曲率が付されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の冶金炉用ステー
    ブ。
  3. 【請求項3】 屈曲部の曲率が冷媒用通路の代表内径の
    3倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の冶金
    炉用ステーブ。
  4. 【請求項4】 冷媒用通路が、主通路部と、この主通路
    部の各端部に曲率をもったコーナー部を介して連成され
    若しくは曲率をもって連成された入側通路部及び出側通
    路部とからなり、これら入側通路部及び出側通路部の各
    端部が冷媒の入口と出口をそれぞれ構成していることを
    特徴とする請求項2または3に記載の冶金炉用ステー
    ブ。
  5. 【請求項5】 ステーブ本体内部に、鋳造時に形成され
    た2系統以上の独立した冷媒用通路を有することを特徴
    とする請求項1、2、3または4に記載の冶金炉用ステ
    ーブ。
  6. 【請求項6】 冷媒用通路の断面積が2500mm2
    下であることを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5に記載の冶金炉用ステーブ。
  7. 【請求項7】 ステーブ本体の略中心またはその近傍を
    通る断面であって、冷媒用通路の複数の主通路部の軸方
    向と直交する方向でのステーブ本体の断面において、冷
    媒用通路の合計断面積sとステーブ本体(但し、ステー
    ブ本体の前面および/または背面に突起および/または
    溝が形成されている場合には、当該突起および/または
    溝が形成された部分の厚みを除いたステーブ本体部分)
    の断面積Sとの比s/Sが、0.05〜0.15である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に
    記載の冶金炉用ステーブ。
  8. 【請求項8】 ステーブ本体の冷却稼働面の略全面に突
    起および/または溝が形成されていることを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の冶金炉
    用ステーブ。
  9. 【請求項9】 ステーブ本体の冷却稼働面に炉内側耐火
    物が固定されていることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7または8に記載の冶金炉用ステー
    ブ。
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