JP2014232281A - 吸音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、難燃性および保水性に優れ、かつ高い吸音性能を有する吸音材を提供する。
【解決手段】基材と表皮材とが積層されてなる吸音材であって、前記基材が、密度が2.0g/cm以上の無機繊維からなり、目付が100〜1500g/m、嵩密度が0.01〜0.1g/cmである不織布であり、前記表皮材が、融点もしくは熱分解温度が300℃以上、密度が1.5g/cm以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである耐熱性有機繊維からなり、目付が10〜100g/m、嵩密度が0.1〜1.0g/cm、200℃での乾熱収縮率が2%以下である不織布であることを特徴とする吸音材とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、難燃性および保水性に優れた吸音材に関し、詳細には自動車のエンジンルームや排気マフラ等に用いる耐熱性、難燃性および保水性に優れた吸音材に関する。
従来、鉄道車両や自動車等に用いられる車両用部品から掃除機等の電化製品まで幅広い分野において吸音材が用いられてきた。中でも自動車等の車両に用いられる吸音材は、吸音性の他に、火災予防の観点より難燃性が求められる。
特に自動車等の車両のエンジンルームに用いられる吸音材は、過酷な条件を満たす必要があり、高温雰囲気下において使用しても通気量を一定に保ち、耐熱性に優れ、吸音効果の低下がないことが求められている。また、上記の難燃性、耐熱性に加えて、騒音が入射される吸音材の表皮材には、水に濡れた場合すぐに水を蒸発させる速乾性が必要になる。これらの特性を保持しつつ、吸音性能を向上させる技術開発が活発に行われている。
吸音性能を向上させる様々な方法が提案されているが、中でも繊維構造体からなる基材に繊維構造体からなる表皮材を積層した吸音材は良好な吸音性能を示す。この吸音材において、表皮材の流れ抵抗と吸音性能は密接な関係があるため、より高い吸音性能が得るには、適切な流れ抵抗をどのように調整するかが重要な鍵になる。流れ抵抗が小さ過ぎれば容易に空気が動き、流れ抵抗が大き過ぎれば、空気が動きにくくなり、入射音響エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が落ち、高い吸音性能は得られない。
また、表皮材の不織布を構成する繊維の種類が同じであればその径が細い方が、比表面積が大きくなることに起因して、より高周波数の吸音性が向上することが知られている。これはつまり、目付、厚み、繊維径などを適切に制御することにより吸音性能を制御できることを意味する。
以上をまとめると、自動車用の吸音材開発においては、使用するポリマーの耐熱性や難燃性などの物性を活かすとともに、繊維の構造因子を適切に制御し、吸音性能を有効に引き出すことが重要になる。
現在、自動車用の吸音材として、表皮材にポリエステル不織布を使用した吸音材が多々存在するが、ポリエステルの耐熱性および難燃性は低いため、自動車用に適用する場合難燃化処理を施す必要がある。一般にポリエステル不織布を難燃化する場合、不織布を構成する合成繊維の主成分である繊維を使用したり、合成繊維とリン酸系難燃剤、ホウ酸系難燃剤を混合紡糸したものを使用したり、吸音材に、難燃剤が分散したバインダー塗工液を塗布又は含浸させたりする方法が用いられている。
例えば、難燃性の吸音材として、特許文献1には、ロックウール、ガラス繊維及びポリエステル繊維が混合状態で不規則に配向され、これらの繊維間が低融点ポリエステル繊維などの繊維状バインダーで結合されたマット状吸音材と、撥水・撥油・難燃処理されたポリエステル繊維系不織布よりなる表皮材とが、一体的に被覆・成型された車両用吸音材が記載されている。
上記発明において、表皮材および表皮材と基材とを接着するバインダーに熱可塑性のポリマーを使用しているため、難燃剤を塗工しているものの、該処理のみでは長期熱老化性・耐湿熱劣化性に対する対策が十分ではない。
他の自動車等の車両用の吸音材として、目付が150〜800g/m、嵩密度が0.01〜0.2g/cmの不織布と通気量が50cc/cm・secのスパンボンド不織布からなる表皮材を積層した構造の吸音材を提案されている(特許文献2)。
この基材の不織布において、熱可塑性のポリエステルを使用しているため、高温時の熱収縮が懸念される。また表皮材に使用しているスパンボンド不織布では一般的に繊維径が大きく、細化が困難であるため、高周波数領域の吸音性能の改良が見込めない。また、本発明において2000Hzまでの吸音性能しか示されていない。
吸音性能を向上させるため、メルトブローン法で作製した極細繊維を使用した吸音材の検討がなされている。極細繊維であるメルトブローン繊維を使用した吸音材は、面密度に対し相対的な繊維本数が増加し、侵入する音エネルギーを効率良く空気の摩擦エネルギーに変えることができるため、高い吸音特性が得られる。
特許文献3には、メルトブローン不織布とポリエステル不織布とをニードルパンチ法により積層一体化した吸音材の片面に、表皮材として難燃ポリエステルからなる長繊維不織布を積層した吸音材が記載されている。特許文献4には、ポリエステル系繊維不織布の片面に、メルトブローン極細繊維不織布が積層された自動車用吸音材が記載されている。
上述の吸音材において、他の吸音材の上に積層させて使用するメルトブローン繊維層は、それ自体でも吸音性を示す場合もあるが、むしろ吸音材の音源側表面に配置することで、吸音材全体の通気抵抗を高い値に保持する通気抵抗調整層としての役割を担うことができることを特徴とする。一方で、メルトブローン法で成形できるポリマーはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン1,4−シクロヘキサンジメタノール(PCT)、ポリ乳酸(PLA)又はポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル、ポリアセテート、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性高分子に限られ、これらのポリマーは耐熱性に優れているとは言い難く、高温下に曝される吸音材の使用には適さない。
一般的に使用されている熱可塑性ポリマーの不織布紡糸技術であるスパンボンド法やメルトブローン法は、一度その樹脂を高温で溶融させる必要がある。一方で、耐熱性ポリマーとして知られているアラミド等は、高温でポリマーが溶融しないため、上記の方法では不織布に直接紡糸できない問題がある。
一方、自動車を停止後、高温雰囲気から室温に冷却された時、結露が発生し、錆の原因になるため、吸音材には、難燃性、耐熱性に加えて、かかる結露水の発生を抑制する性能が必要であることがわかった。
特開2002−287767号公報 特許第4054826号公報 特開2002−161465号公報 特開2003−49351号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性、難燃性および速乾性に優れ、かつ高い吸音性能を有する吸音材を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、繊維構造体からなる基材および表皮材の積層吸音材を鋭意検討した結果、特定の密度差がある、無機繊維からなる基材と耐熱性有機繊維からなる表皮材とを積層させた吸音材は、優れた吸音性能を発揮し、耐熱性、難燃性のみならず、高い保水性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、基材と表皮材とが積層されてなる吸音材であって、前記基材が、密度が2.0g/cm以上の無機繊維からなり、目付が100〜1500g/m、嵩密度が0.01〜0.1g/cmである不織布であり、前記表皮材が、融点もしくは熱分解温度が300℃以上、密度が1.5g/cm以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである耐熱性有機繊維からなり、目付が10〜100g/m、嵩密度が0.1〜1.0g/cm、200℃での乾熱収縮率が2%以下である不織布であることを特徴とする吸音材が提供される。
本発明の吸音材は、密度の高い無機繊維からなる基材に密度の低い有機繊維からなる表皮材を重ねることを第一の特徴とする。音波の伝わりやすさは、不織布を構成する繊維の硬さおよび密度に依存するため、密度の異なる繊維を複合化することにより、幅広い周波数の音波の振動エネルギーを効率良く繊維全体に分散させそのエネルギーを低減させるとともに、音波の振動エネルギーを熱エネルギーに変化する効率を増加させることができる。特に音波が入射する表皮材に密度が低い有機繊維を用いているため、音波の反射効果を抑制し、効率良く音波を基材層内に伝播させることができる。また、使用する繊維は基材および表皮材ともに耐熱性に優れているため、高温下で熱収縮するポリエステル繊維等では適用困難なエンジンルームや排気マフラ周辺の吸音材として適用可能である。この表皮材を構成する耐熱性ポリマーからなる繊維は、従来提案されているメルトブローン法やスパンボンド法等の溶融紡糸では製造できないため、後述する溶液紡糸により製造することができる。また、かかる方法により製造した耐熱性繊維は、従来の耐熱性繊維より低密度であるといった特徴がある。
さらに、第二の特徴として、溶液紡糸により製造された表皮材を構成する連続繊維の平均繊維直径は従来の繊維より細いため、比表面積が増大することに起因して吸音性および速乾性が向上する。これらの効果により、耐熱性、難燃性および速乾性に優れ、かつ高い吸音性能を有する吸音材を提供することが可能となる。
以下、本発明を説明するが、本発明の吸音材は、次の要件を満たしている必要がある。すなわち、本発明に吸音材は、基材と表皮材とが積層されてなる吸音材であって、前記基材が、密度が2.0g/cm以上の無機繊維からなり、目付が100〜1500g/m、嵩密度が0.01〜0.1g/cmである不織布であり、前記表皮材が、融点もしくは熱分解温度が300℃以上、密度が1.5g/cm以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである耐熱性有機繊維からなり、目付が10〜100g/m、嵩密度が0.1〜1.0g/cm、200℃での乾熱収縮率が2%以下である不織布であることを特徴とする吸音材である。
本発明においては、基材を構成する繊維の密度は2.0g/cm以上であり、好ましくは2.1g/cm以上、一方、表皮材を構成する繊維の密度は1.5g/cm以下であり、好ましくは1.4g/cm以下であることが肝要である。密度が高い無機繊維からなる基材に、密度が低い有機繊維からなる表皮材を重ねた吸音材において、幅広い音波の振動エネルギーを効率良く繊維全体に分散させそのエネルギーを低減させるとともに、音波の振動エネルギーを熱エネルギーに変化する効率を増加させることにより、吸音性が向上することを見出したものである。特に、基材と表皮材の繊維の密度差が縮まると、この効果は薄れるため適切でない。
無機繊維からなる基材は、前記の目付および嵩密度を満足すれば、短繊維からなる基材、長繊維からなる基材のいずれであってもよい。無機繊維については後で詳述するが、例えば、ガラス短繊維等の無機繊維をニードルパンチした基材、遠心法により製造したガラスウールなどが挙げられる。
基材の目付が100〜1500g/mの範囲であれば、成形品に優れた吸音性等を付与することができる。特に、基材の目付が100〜1000g/mであることが好ましい。目付が小さすぎると製造時の取扱性が悪くなり、基材の形態保持性が不良となる。一方、目付が大きすぎると、吸音材の軽量化が図れない。
また、基材の嵩密度を0.01〜0.1g/cmの範囲にすることにより、成形品に優れた吸音性を付与することができる。嵩密度が小さすぎると、断熱性及び吸音性が低下し、大きすぎると軽量化が図れないのみならず耐摩耗性及び加工性が低下する。上記嵩密度は、好ましくは0.02〜0.07g/cm、特に好ましくは0.03〜0.06g/cmの範囲である。このように、基材の嵩密度を制御することによって、基材中の空気の割合が一定範囲内に制御され、基材に優れた断熱性及び吸音性が付与される。
本発明においては、上記基材を構成する無機繊維は、特に限定されるものではないが、ガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール、アスベスト繊維等の無機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、保水性が高く、安価で大量生産可能なガラス繊維は好ましい。また、上記無機繊維、特にガラス繊維は、後述する耐熱性繊維、特にアラミド繊維との組合せて高い吸音性が得られることがわかった。
一方、表皮材の目付が10〜100g/mの範囲であれば、成形品に優れた吸音性等を付与することができる。特に、表皮材の目付が15〜50g/mであることが好ましい。目付が小さすぎると製造時の剥離不良が発生する。目付が大きすぎると、吸音材の軽量化が図れない。
また、表皮材の嵩密度を0.1〜1.0g/cmの範囲にすることにより、成形品に優れた吸音性を付与することができる。嵩密度がこの範囲から外れると流れ抵抗が適正でなくなり、吸音性能は低下する。好ましくは0.15〜0.7g/cm、特に好ましくは0.2〜0.5g/cmの範囲である。
本発明においては、表皮材が、有機ポリマーを溶液に溶解したポリマー溶液を吐出孔から吐出し、これに凝固液を接触または吹付けて凝固させる、すなわち溶液紡糸により製造される連続繊維からなる不織布であることが好ましい。ポリエステルなどの熱可塑性樹脂に該当するポリマーは溶融温度が低いため、スパンボンド法やメルトブローン法等の溶融紡糸が可能である。一方で、アラミド等の耐熱性ポリマーは、加熱しても溶融しないため、一般的な溶融紡糸による不織布の製造が困難である。そこで、アラミド等の耐熱性ポリマーの不織布の製造法は、特開2005−200779号公報のエレクトロスピニング法や、メルトブローン法を改良した、効果的に細繊化する技術(US6013223)が、本発明の不織布を製造するのに適用できる。また、これらの方法を用いることにより、不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径を細化できる。平均繊維直径は0.1〜5μmであり、好ましくは0.3〜4μm、より好ましくは0.4〜3μm、さらに好ましくは0.6〜3μmである。平均繊維直径が0.1μm未満の場合は、得られる不織布の強力が小さく、破損し易くなる。一方、平均繊維直径が5μmを超える場合は、不織布を構成する繊維の比表面積が小さくなり、目的とする吸音性能が得られなくなってしまう。尚、本発明の不織布を構成する繊維の平均繊維直径は、不織布の電子顕微鏡写真で確認することのできる繊維の直径を意味し、具体的には100本の繊維の巾を計測して得ることができる。さらに、上記の連続繊維は低密度となり易く、密度が1.5g/cm以下、好ましくは1.4g/cm以下である繊維を容易に得ることができる。
本発明においては、上記表皮材を構成する耐熱性有機繊維は、特に限定されるものではないが、融点もしくは熱分解温度が300℃以上である必要があり、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリベンズチアゾール繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリアリレート繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維等の有機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、メタ型アラミド繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維や、パラ型アラミド繊維であるポリパラフェニレンテレフタラミドやコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド等は、高強力で高い耐熱性を有するので好ましい。
本発明においては、表皮材の200℃での乾熱収縮率が2%以下であり、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下であり、上記耐熱性繊維からなる不織布を用いることにより、これを達成することができる。これにより、高い寸法安定性を維持できるのみでなく、低収縮の無機繊維からなる不織布と積層しても相間で剥離が発生しにくい。
本発明においては、積層する方法としては、基材と表皮材とを積層させた後、熱処理、加圧加熱処理などを施すことにより、これらを強固に接着させることができる。また、基材と表皮材とを積層させる際、表皮材を積層させる基材の一方の面に接着剤を塗布しておき、これらをより強固に接着させてもよい。かかる接着加工を施すことにより、表皮材と基材の密着性が向上し、より加工性、取扱い性に優れた吸音材を得ることができる。
上記接着剤は、特に限定されるものではないが、アクリル系樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シリコーン系接着剤、などの有機系接着剤でもよく、シリカ系接着剤などの無機系接着剤が挙げられる。
上記熱処理方法は、特に限定されるものではないが、スルーエアー加工などの熱処理、カレンダー加工などの加圧加熱処理などが挙げられる。該加圧加熱処理では、加工条件として、温度30〜350℃、線圧30〜300kg/cmを好ましく採用することができる。カレンダー温度に関しては、ポリマーの熱耐性により適宜調整する必要がある。
以上により得られる吸音材は、耐熱性、難燃性および保水性に優れ、高い吸音性能を保持し、自動車のエンジンルーム周辺等の高温環境下でも、吸音性能が低下することなく使用することが可能になる。
本発明の吸音材においては、下記方法で測定し、算出した保水比率が、好ましくは150重量%以上、より好ましくは180重量%以上、さらに200重量%以上、特に230重量%以上であることが望ましい。保水比率が150重量%未満では、自動車等の車両の吸音材に用いた場合、車両の停止後、高温雰囲気から室温に冷却された時、結露が発生して錆の原因になるなどの問題があり、好ましくない。一方で保水比率があまり高すぎても吸音材が蓄えた水を放出し難くなる傾向があり、好ましくは600重量%以下、より好ましく500重量%以下である。
(保水比率の測定方法)
10cm×10cmの吸音材の重量a(単位:g)を測定し、これを水に完全に浸し、水から取り出した後、端辺を2つのクリップで止めて吊るし10分間風乾した後で重量b(単位:g)を測定し、以下の式に従い保水比率を算出した。
保水比率(%)=(b−a)/a×100
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。しかしながら本発明はこれによって限定されるものではない。なお以下の実施例などの評価および特性値は、以下の測定法により求めた。
[繊維径(μm)]
吸音材として使用される不織布を走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて観察し、繊維100本を任意に選出して測長した。なお、観察は1000倍で行った。
[目付(g/m)]
JIS L 1906の単位面積当りの重量試験方法に準じて測定を行った。
[厚さ(mm)]
小野測器 デジタルリニアゲージDG−925(測定端子部の直径1cm)を用い、任意に選択した20箇所において厚さを測定し、平均値を求めた。
[嵩密度(見掛け密度)(g/cm)]
(目付)/(厚さ)から算出し、単位容積あたりの重量を求めた。
[耐熱性]
JIS K 7121、または、JIS K 7120に準じ、示差走査熱量測定により得られるDSC曲線の融解ピークの頂点の温度、もしくは、熱重量測定より得られるTG曲線にて、試料の重量減少が始まる温度から融点もしくは熱分解温度を求めた。また、JIS L 1906に準じて、無緊張の状態で、200℃×15分熱処理後の不織布の乾熱収縮率を求めた。融点もしくは熱分解温度が300℃以上であり、かつ不織布の200℃での乾熱収縮率が2%以下であるものを○、それ以外のものを×とした。
[保水比率]
10cm×10cmの吸音材の重量a(単位:g)を測定し、これを水に完全に浸し、水から取り出した後、端辺を2つのクリップで止めて吊るし10分間風乾した後で重量b(単位:g)を測定し、以下の式に従い保水比率を算出した。
保水比率(%)=(b−a)/a×100
[吸音性能]
JIS A 1405に準じて、垂直の入射法の測定器で50〜6300Hzの周波数におけるそれぞれの吸音率を測定し、6300Hzで吸音率80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
[実施例1、2]
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=1.35のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末(帝人製、比重1.38g/cm)20重量部を、0℃に冷却したジメチルアセトアミド(DMAc)80重量部中に投入し、スラリー状にした後、45℃まで昇温して溶解させ、ポリマー溶液を得た。
上記のポリマー溶液を、ギアポンプを使ってUS6013223の紡糸装置に120g/minで供給し、紡糸温度40℃とし、10m/minで圧空を供給して紡糸を行った。ここで、US6013223の紡糸装置は、ポリマー溶液吐出孔の孔径が0.3mmで、ポリマー溶液吐出ノズルが、100×5列の配列で500本が、5mmピッチで等間隔となるように配置されたものを使用した。
凝固液供給装置は、ウェブの搬送方向の反対側(上流側)と、ウェブの搬送方向側(下流側)の両方に、ポリマー溶液吐出孔から下方向に50mm、紡糸線から50mmの位置に対となるように設置し、凝固液供給スプレーは二流体スプレーノズル(株式会社いけうち製、VEシリーズ)を用い、吐出後のポリマー溶液に、ポリマー溶液吐出孔から紡糸線上の下方200mmの地点で、細化された糸条と凝固液が接触するようにスプレーノズルの噴射角度を調整した。
凝固液として温度を30℃に温調された水を使用し、一対の二流体スプレーノズルに供給した水は5L/minで、供給した圧縮空気圧は0.5MPaとした。
ギアポンプによりポリマー溶液吐出孔から吐出された糸条は、直ちに周囲の圧空と凝固液と共に、紡糸線上の下方向に捕集面に向かって流下させながら細化と凝固を行い、紡糸装置の下方500mmに設置された捕集ベルト上に、連続繊維を堆積しながらベルトの搬送速度を2.5m/minとし、未処理の不織布を得た。
得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度230℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の密度の不織布1層のみからなる表皮材を得た。
基材に関しては、旭グラスファイバー社製のガラスマット(アクリアマットACM)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。上記表皮材の一方の表面にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、これを上記基材に積層して強固に接着し、表皮材と基材の2層からなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例3、4]
紡糸条件におけるベルトの搬送速度を0.83m/minに変えた以外は、実施例1と同様の方法で紡糸および熱処理を行い、表1記載の表皮材を得た。基材に関しては、旭グラスファイバー社製のガラスマット(アクリアマットACM)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。上記表皮材の一方の表面にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、これを上記基材に積層して強固に接着し、表皮材と基材の2層からなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[比較例1、2]
ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人製)を、メルトブローン法により、紡糸温度300℃で捕集ネットに向けて押し出した。メルトブローンノズルから連続長繊維ウェブまでの距離は100mmとし、単孔吐出量0.3g/min、空気流量1000Nm/hr/mの条件で紡糸し、ベルトの搬送速度を変えることにより20g/mおよび、60g/mの目付の未処理の不織布を得た。得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度50℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の密度の不織布1層のみからなる表皮材を得た。
基材に関しては、旭グラスファイバー社製のガラスマット(アクリアマットACM)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。上記表皮材の一方の表面にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、これを上記基材に積層して強固に接着し、表皮材と基材の2層からなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1と同様の方法で紡糸および熱処理を行い、表1記載の表皮材を得た。基材に関しては、旭グラスファイバー社製のガラスマット(アクリアマットACM)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。上記表皮材の一方の表面にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、これを上記基材に積層して強固に接着し、表皮材と基材の2層からなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
Figure 2014232281
本発明の吸音材は、薄く軽量であるにも関わらず吸音性能が高いため、スペースを有効利用する必要のある車両、電気製品、建築材などの吸音材として用いるのに適している。また耐熱性ポリマーを使用した場合、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用することもできる。特に、繊維として、メタ型アラミド繊維を用いる場合には、耐薬品性も兼ね備えているため、酸性、アルカリ条件下でも使用することができ、その工業的価値は極めて大きい。

Claims (6)

  1. 基材と表皮材とが積層されてなる吸音材であって、前記基材が、密度が2.0g/cm以上の無機繊維からなり、目付が100〜1500g/m、嵩密度が0.01〜0.1g/cmである不織布であり、前記表皮材が、融点もしくは熱分解温度が300℃以上、密度が1.5g/cm以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである耐熱性有機繊維からなり、目付が10〜100g/m、嵩密度が0.1〜1.0g/cm、200℃での乾熱収縮率が2%以下である不織布であることを特徴とする吸音材。
  2. 表皮材が、有機ポリマーを溶媒に溶解したポリマー溶液を吐出孔から吐出し、これに凝固液を接触または吹き付けて凝固させた連続繊維からなる不織布である請求項1に記載の吸音材。
  3. 連続繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維である請求項1または2に記載の吸音材。
  4. 連続繊維がポリパラフェニレンテレフタラアミド繊維、またはコポリパラフェニレン3,4’−オキシジフェニレンテレフタラアミド繊維である請求項1または2に記載の吸音材。
  5. 無機繊維が、ガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール、アスベスト繊維の少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  6. 下記方法で測定し、算出した保水比率が150重量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の吸音材。
    (保水比率の測定方法)
    10cm×10cmの吸音材の重量a(単位:g)を測定し、これを水に完全に浸し、水から取り出した後、端辺を2つのクリップで止めて吊るし10分間風乾した後で重量b(単位:g)を測定し、以下の式に従い保水比率を算出した。
    保水比率(%)=(b−a)/a×100
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