JP2014232255A - 反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5〜15質量%、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2〜8質量%、(c)前記成分(a)及び成分(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9〜70質量%、(d)中空シリカ微粒子22〜83質量%、(e)光重合開始剤1〜10質量%からなり(但し、前記各成分(a)〜(e)の合計は100質量%である)、前記成分(b)の含有量が、前記成分(a)の含有量より少ない低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなる低屈折率層を最表層に備え、透明基材フィルムとして、該フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差(nx−y)が0.07〜0.20の、配向ポリエステルフィルムを使用していることを特徴とする、反射防止フィルム。
本発明で使用する低屈折率層用の樹脂組成物は、タッチパネル等の表面に貼着される反射防止フィルムを構成する層の1つである低屈折率層を形成するための樹脂組成物であって、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂と、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと、(c)成分(a)及び成分(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂と、(d)中空シリカ微粒子と、(e)光重合開始剤とから成る。
フッ素含有紫外線硬化型樹脂は、防汚性機能を発現するためのものであり、低屈折率層の表面を触った際に付着する脂質である指紋の付着性を弱め、指紋の拭き取り性を高めることができる。フッ素含有紫外線硬化型樹脂としては、C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、ダイキン工業(株)製のオプツールDAC−HPや、DIC(株)製のメガファックRS−75等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートを意味する。また、同様に、後述の「(メタ)アクリル単量体」は、アクリル単量体及びメタクリル単量体を指し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を指す。
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、低屈折率層の表面に付着した指紋の拭取り性を向上することが出来る。アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとしては、具体的には、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK−UV3500,BYK−UV3530,BYK−UV3570等が挙げられる。
成分(a)及び成分(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂は、低屈折率層へ硬度を付与する事が出来る。成分(a)及び成分(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとして具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。
中空シリカ微粒子は、低屈折率層の屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.40程度であることが好ましい。中空シリカ微粒子としては、屈折率を低くするものであれば特に限定されず、従来から反射防止フィルムを構成する低屈折率層に使用されている公知の中空シリカ微粒子を使用できる。具体的には、日揮触媒化成(株)製のアクリル修飾中空シリカ微粒子であるスルーリアNAU等が挙げられる。また、中空シリカ微粒子の平均粒子径も従来と同等であればよい。具体的には、10〜100nm程度である。
光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により低屈折率層用塗液を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。
反射防止フィルムは、透明基材フィルムの一方面に少なくとも反射防止層が積層された構成である。反射防止層は、上記低屈折率層用樹脂組成物によって形成される低屈折率層のみによって構成することもできるが、低屈折率層よりも屈折率の高い高屈折率層と組み合わせて構成することが好ましい。低屈折率層のみによって構成する場合は、それのみで反射防止効果を担保できるが、低屈折率層と高屈折率層とを組み合わせた場合は、当該低屈折率層と高屈折率層との有意な屈折率差により、より高い反射防止効果を得られる。
透明基材フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルからなる配向ポリエステルフィルム(高複屈折フィルムとも称される)を使用する。特に、遅相軸方向の屈折率(nx)と進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny:△n)が0.07〜0.20、好ましくは0.10〜0.15のものを使用する。この屈折率差(△n)が0.07未満では、充分なニジムラの抑制効果が得られず、また、後述のリタデーション値を得るために必要な膜厚が厚くなる。一方、屈折率差(△n)が0.20を超えると、フィルムに裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下する。(nx)としては、1.67〜1.78が好ましく、より好ましくは1.69〜1.73である。(ny)としては、1.55〜1.65が好ましく、より好ましいくは1.57〜1.62である。(nx)、(ny)、及び(△n)が上記の関係を満たすことで、好適なニジムラの抑制効果を得ることができる。
(0000)
また、配向ポリエステルフィルムのリタデーションは、3000〜30000nmが好ましい。リタデーションが3000nm未満では、反射防止フィルムを偏光素子上に配置した場合、斜め方向から観察した時に強い干渉色(ニジムラ)を呈し、包絡線形状が光源の発光スペクトルと相違して良好な視認性を確保することができない場合がある。一方、リタデーションが30000nmを超えても更なる視認性の改善効果は実質的に得られないばかりか、フィルムの厚みも相当に厚くなり、取り扱い性が低下する。より好ましいリタデーションの下限値は5000nm以上であり、さらに好ましくは10000nm以上である。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
リタデーションは、例えば王子計測機器製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長548.2nm)することもできる。
低屈折率層は高屈折率層の屈折率より低く設定されることを要件とし、後述のように必要に応じてハードコート層も積層する場合は、ハードコート層よりも屈折率を低く設定する。具体的には、低屈折率層の屈折率は1.33〜1.46程度が好ましい。該屈折率が1.33未満の場合には十分な硬度を得ることが困難である。その一方、屈折率が1.46を超える場合には十分な反射防止性能を得ることが難しい。
低屈折率層を形成するための樹脂組成物としては、上述の組成物を使用する。これを用いて形成した低屈折率層は、十分な硬度を具備しながら上記範囲の屈折率となり、さらに優れた防汚性、詳しくは指紋拭取性を有する。そのため、低屈折率層は反射防止フィルムにおいて最表層とする。これにより、優れた指紋拭取性を有する反射防止フィルムとすることができる。一方、低屈折率層の表層側に他の層を積層すると、反射防止フィルムの指紋拭取性が損なわれる。
高屈折率層は、低屈折率層との有意な屈折率差により反射防止効果を発現させるための層である。高屈折率層の屈折率は、低屈折率層より高く設定される。後述のように必要に応じてハードコート層も積層する場合は、ハードコート層よりも屈折率を高く設定する。具体的には、高屈折率層の屈折率は1.6〜2.4程度が好ましい。この屈折率が1.6より小さい場合、反射防止性能が損なわれる。一方、屈折率が2.4を超える高屈折率層を形成することは現状では困難である。
高屈折率層を形成するための樹脂組成物としては、上記高屈折率層の屈折率の範囲において、従来より反射防止フィルム等に用いられる公知のものであれば特に制限されず、バインダーとしての有機材料や、積極的に屈折率を高めるために必要に応じてバインダーに分散添加される無機材料等を従来と同様に用いることができる。
また、反射防止フィルムには、表面硬度を向上するため、必要に応じて透明基材フィルムの一方面のみ若しくは両面にハードコート層を積層することもできる。反射防止層を積層した側に積層する場合は、反射防止層よりも内層側、すなわち透明基材フィルムの直上に積層する。
ハードコート層を形成するための樹脂組成物としては、従来より反射防止フィルム等に用いられる公知のものであれば、特に制限されない。例えば、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物や、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることができ、これらを混合してもよい。そして、これらに光重合開始剤を加えて調製したハードコート層用塗液に紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させてハードコート層を形成することができる。
低屈折率層、高屈折率層、及びハードコート層は、各樹脂組成物を透明基材フィルム上へ順に塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。低屈折率層、高屈折率層、及びハードコート層の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、ハードコート層の透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。
なお、ハードコート層を積層する場合、透明基材フィルム(配向ポリエステルフィルム)の一方面又は表裏両面には、プライマー層を積層することが好ましい。少なくとも、配向ポリエステルフィルムとハードコート層との間には、両層の密着性を向上させるため、プライマー層を介在させることが好ましい。この場合、プライマー層の屈折率(np)と、配向ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率(nx)及び進相軸方向の屈折率(ny)とが、ny<np<nxとなる関係に設定することが好ましい。各屈折率をこのような関係に設定することで、プライマー層と配向ポリエステルフィルムとの屈折率差が低減され、ニジムラの発生を確実に抑制することができる。具体的には、プライマー層の屈折率(np)は、ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率(ny)の最小屈折率1.55より高く、遅相軸方向の屈折率(nx)の最大屈折率1.78より低い範囲に設定する。好ましくは1.56〜1.65である。
低屈折率層用樹脂組成物として下記原料を使用し、各原料を下記表1に記載した組成にて、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂と、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂と、(d)中空シリカ微粒子と、(e)光開始剤とを混合し、実施例用の低屈折率層用樹脂組成物LL1〜LL16を調製した。尚、表1において各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。
(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂:
ダイキン工業(株)製オプツールDAC−HP
DIC(株)製メガファックRS−75
(b)変性ポリジメチルシロキサン:
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン;
ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−UV3500
ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−UV3530
アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン;
ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−UV3570
(c)紫外線硬化型樹脂:
日本化薬(株)製KAYARAD DPHA
日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B
(d)中空シリカ微粒子:
日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリアNAU
日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリア2320
(e)光開始剤:
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)
低屈折率用樹脂組成物として、上記原料に加えて下記原料も使用し、各原料を表2に記載した組成にて混合し、比較例用の低屈折率層用樹脂組成物LL’1〜LL’12を調製した。尚、表2において各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。
高屈折率層用樹脂組成物として(f)金属酸化物微粒子47.5質量%と、(g)紫外線硬化型樹脂47.5質量%と、(h)光開始剤5質量%とを混合し、高屈折率層用樹脂組成物HL−1を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。
(f)金属酸化物微粒子:シーアイ化成(株)製RTTMIBK15WT%−N24(チタニア分散液)
(g)紫外線硬化型樹脂:日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B
(h)光開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)
ハードコート用樹脂組成物として下記の原料を使用し、各原料を下記表3に記載した組成にて、(i)紫外線硬化型樹脂と、(j)透光線微粒子と、(k)表面調整剤と、(l)光開始剤とを混合し、ハードコート用樹脂組成物HCL1−1〜HCL1−4を調製した。尚、表3において各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。
(i)紫外線硬化型樹脂:
日本化薬(株)製KAYARAD DPHA
日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B
(j)透光線微粒子:積水化成品(株)製スチレン−アクリル共重合体有機微粒子SSX−105TND(平均粒子径5.0μm、屈折率1.50)
(k)表面調整剤:ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−306
(l)光開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)
下記に示す組成の成分を配合してプライマー層用組成物(PL−1)を調製した。
ポリエステル樹脂の水分散体20.7質量%
高屈折率微粒子分散液(E-1):CIKナノテック社製のTiO2微粒子の水分散液、商品名酸化チタンスラリー(固形分20%分散液)0.9質量%
水78.4質量%
溶融ポリエチレンテレフタレートを、290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、その両面にプライマー層用組成物1をロールコーターにて均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを引続き95℃で乾燥し、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、リタデーション=10000nm、膜厚=100μm、nx=1.70、ny=1.60、Δn=0.10のポリエステル基材を得た。なお、プライマー層の屈折率は1.59、膜厚は80nmであった。
配向ポリエステルフィルム(PET-N)に形成したプライマー層上に、ハードコート用樹脂組成物(HCL1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:1の割合で混合したハードコート層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が7μmとなるように塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることによりハードコート層を形成した。
ハードコート用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表4に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例1と同様にして、反射防止フィルム(実施例2〜実施例16)を作製した。
人工指脂液(尿素1g、乳酸4.6g、ピロリン酸ナトリウム8g、食塩7g、エタノール20mLを蒸留水で1Lに希釈したもの)を1滴反射防止フィルム表面に滴下する。その後、日本製紙クレシア(株)製キムワイプを用い、人工指脂液を馴染ませる。続いて、東レ(株)製トレシーを用いて5往復拭取りを実施した後、表面の跡を目視で観察し下記の3段階で評価した。
○:人工指脂液の跡が無い場合
△:人工指脂液の跡が一部残る場合
×:人工指脂液の跡が残る場合
反射防止フィルム表面を#0000のスチールウールに250gfの荷重をかけて、ストローク幅25mm、速度30mm/secで10往復摩擦したあとの表面を目視で観察し、以下の○、×で評価した。スチールウールは約10mmφにまとめ、表面が均一になるようにカット、摩擦して均したものを使用した。
○:傷が0〜10本
×:傷が11本以上
反射防止フィルムの裏面反射を防ぐため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計[日本分光(株)製、商品名:U−best560]により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られた反射スペクトルより、最小反射率(%)を読み取った。
透明基材フィルムの厚みd(nm)は、電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて任意の10点を測定し、単位をnmに換算して平均値を求めた。
各層の膜厚の測定は、光学積層体の断面をTEM写真で観察し、求めた。
透明基材フィルム(配向ポリエステルフィルム)のリタデーションは、配向ポリエステルフィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、配向ポリエステルフィルムの厚み(d)とにより、以下の式によって計算した。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
反射防止フィルムを、液晶モニター(FLATORONIPS226V(LGElectronicsJapan社製))の観察者側の偏光素子上に配置し、液晶表示装置を作製した。なお、配向ポリエステルフィルムの遅相軸と液晶モニターの観察者側の偏光素子の吸収軸とのなす角度が0°となるように配置した。そして、暗所及び明所(液晶モニター周辺照度400ルクス)にて、正面及び斜め方向(約50度)から目視及び偏光サングラス越しに表示画像の観察を行い、ニジムラの有無を以下の基準に従い評価した。偏光サングラス越しの観察は、目視よりも非常に厳しい評価法である。観察は10人で行い、最多数の評価を観察結果としている。
◎:偏光サングラス越しでニジムラが観察されない。
○:偏光サングラス越しでニジムラが観察されるが、薄く、目視ではニジムラが観察されない、実使用上問題ないレベル。
△:偏光サングラス越しでニジムラが観察され、目視ではニジムラがごく薄く観察される。
×:偏光サングラス越しでニジムラが強く観察され、目視でもニジムラが観察される。
低屈折率層用樹脂組成物を表5に記載した材料とした以外は、実施例1と同様にして、反射防止フィルム(比較例1〜比較例12)を作製した。得られた各比較例の反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率を実施例と同様に測定した。その結果も下記表5に示す。
配向ポリエステルフィルム(PET-N)の変わりに、東洋紡社製汎用PETフィルム「A4100」(リタデーション=6200nm、膜厚=188μm、Δn=0.033)を用いた以外は、実施例1と同様にして、反射防止フィルム(比較例13)を作製した。得られた各比較例の反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ニジムラを実施例と同様に測定した。その結果も下記表5に示す。
Claims (1)
- (a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5〜15質量%、
(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2〜8質量%、
(c)前記成分(a)及び成分(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9〜70質量%、
(d)中空シリカ微粒子22〜83質量%、
(e)光重合開始剤1〜10質量%、
からなり(但し、前記各成分(a)〜(e)の合計は100質量%である)、
前記成分(b)の含有量が、前記成分(a)の含有量より少ない低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなる低屈折率層を、最表層に備えており、
透明基材フィルムとして、該フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差(nx−y)が0.07〜0.20の、配向ポリエステルフィルムを使用していることを特徴とする、反射防止フィルム。
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