JP2014231438A - 強化ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

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義治 三和
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Abstract

【課題】複数の板ガラスを積層させて強化ガラスを作製するに際して、容易に高品質な強化ガラスを得られ、尚且つ生産コストの低廉化や設備費の削減を図る。
【解決手段】相対的に熱収縮率の大きなコア板ガラスの両表面側に、相対的に熱収縮率の小さな表層ガラスを常温雰囲気でオプティカルコンタクトにより積層接着する工程と、コア板ガラスおよび表層ガラスを加熱処理する工程と、積層接着され且つ加熱処理されたコア板ガラスおよび表層ガラスを冷却処理して表層ガラスに圧縮応力を形成させる工程とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話やPDAに代表される各種携帯情報端末や液晶ディスプレイに代表される電子機器の画像表示部又は画像入力部或いは太陽電池の太陽光取入れ部等に搭載される基板材やカバーガラス部材などに用いられる強化ガラスおよびその製造方法に関する。
携帯電話、デジタルカメラやPDA等の携帯機器、或いは液晶テレビ等の画像表示装置等、各種の情報関連端末に関する技術革新は、近年において留まることなく拡がりの一途を辿っている。このような情報関連端末には、画像や文字等の情報を表示したり、或いは情報をタッチパネルディスプレイなどで入力したりするための基板材やカバー部材として透明基板が搭載されている。また、これら情報関連端末の当該部位以外であっても、例えば太陽電池の太陽光取入れ部などに透明基板が搭載されている。これらの透明基板は、環境負荷低減や高信頼性を確保する必要があることから、その素材としてガラスが採用されている。
この種の用途に用いられるガラス基板は、高い機械的強度が求められると共に、薄型で軽量であることが求められる。そこで、このような要求を満たすガラス基板として、特許文献1によれば、板ガラスの表面をイオン交換等で化学強化してなる所謂強化ガラスが開示されている。しかしながら、この種の強化ガラス上にTFT素子を形成する場合などにおいては、当該ガラスがアルカリを含有していないことが望ましいが、この要請に応じるべく無アルカリガラスであると、上記の化学強化ができないという問題がある。
一方、特許文献2によれば、複数の板ガラスを積層してなる積層基板が、高熱膨張係数を有する透明ガラスコアと、その板厚方向両側の最外層に配置されて低熱膨張係数を有する一対の透明ガラススキン層とを備え、透明ガラススキン層に圧縮応力を形成し、透明ガラスコアに引張応力を形成することが開示されている。
この積層基板によれば、板ガラスの材質に関する制約を受けることなく、透明ガラススキン層の圧縮応力および透明ガラスコアの引張応力により、傷の発生や伝播に対する耐性を高めるための蓄積エネルギーを当該基板に生じさせ得ることから、当該基板の破損防止や汚染ガラス片の発生抑止に寄与することが期待できる。
特開2006−83045号公報 特表2008−522950号公報
ところで、上述の特許文献2に開示された強化ガラスを構成する積層基板は、表層部に圧縮応力を形成し且つコア部に引張応力を形成する必要があることから、同文献の段落[0062]にも記載されているように、隣接層間で十分な接合を達成するには、溶融ガラスをシート形態に成形する間に積層を行うことが有利とされている。
しかしながら、このような積層手法によれば、溶融ガラスをシート形態にするという板ガラスの成形工程の途中で積層のための作業を行わねばならなくなり、連続的に送られる高温のガラスシートに対する積層作業は極めて面倒且つ煩雑となり、作業性の悪化を余儀なくされる。しかも、このような積層作業では、作業領域(作業場所)が限られた場所となるため、作業に必要なスペースを十分に確保できなくなったり、或いは作業領域の温度や雰囲気によって厳格な制約を受けたりし、作業の自由度が極めて小さくなるという致命的な問題を有している。
また、引用文献2に記載の強化ガラスは、表層部とコア部とを各々異なる熱膨張係数を有するガラスにより構成されている。ガラスの熱膨張係数は主にそのガラスの組成により決定されることから、引用文献2に記載のようにして強化ガラスを作成する場合には異なる組成の複数種のガラスを用意する必要があった。すなわち、従来の技術では生産コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑み、複数の板ガラスを積層させて強化ガラスを作製するに際して、容易に高品質な強化ガラスを得られ、尚且つ生産コストの低廉化や設備費の削減を図ることを技術的課題とする。
上記課題を解決するべく本発明の強化ガラスの製造方法は、相対的に熱収縮率の大きなコア板ガラスの両表面側に、相対的に熱収縮率の小さな表層ガラスを常温雰囲気でオプティカルコンタクトにより積層接着する工程と、コア板ガラスおよび表層ガラスを加熱処理する工程と、積層接着され且つ加熱処理されたコア板ガラスおよび表層ガラスを冷却処理して表層ガラスに圧縮応力を形成させる工程とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、表層ガラスとコア板ガラスとを常温雰囲気で直接接着させることにより、両者が位置決めされた状態を維持して仮止めできる。したがって、表層ガラスとコア板ガラスとを容易に位置決めし、位置ずれを防止しつつ熱処理を行うことが可能となる。これにより高品質の強化ガラスが得られる。また、熱収縮率の異なるガラスであれば表層ガラスとコア板ガラスとして同一組成のガラスを用いることも可能である。すなわち、製造コストを抑制できる。なお、本発明において常温とは、−10〜40℃の温度を指す。
本発明の強化ガラスの製造方法において、30〜380℃におけるコア板ガラスの平均熱膨張係数と表層ガラスの平均熱膨張係数との差が5×10-7/℃より小さいことが好ましい。
また、本発明の強化ガラスの製造方法において、コア板ガラスおよび表層ガラスは、実質的に同一のガラス組成を有することが好ましい。
このような構成によれば、コア板ガラスおよび表層ガラスとして組成の異なるガラスを用意する必要がない。したがって、本発明の強化ガラスを容易に且つ低コストで得ることができる。
また、本発明の強化ガラスの製造方法は、溶融ガラスを成形し、第1の徐冷速度で徐冷して表層ガラスを得る工程と、溶融ガラスを成形し、第2の徐冷速度で徐冷してコア板ガラスを得る工程とを備え、第1の徐冷速度より第2の徐冷速度を速く制御することにより、コア板ガラスの熱収縮率を表層ガラスの熱収縮率より大きくすることが好ましい。
このような構成によれば、熱収縮率の異なる表層ガラスおよびコア板ガラスを簡単な方法で得ることができる。したがって、本発明の強化ガラスを容易に且つ低コストで得ることができる。
また、本発明の強化ガラスの製造方法では、加熱処理において、前記積層ガラスを400℃以上の温度で0.5〜5時間加熱することが好ましい。
このような構成によれば、コア板ガラスと表層ガラスとを確実に接着させ、表層ガラスに確実に圧縮応力を形成させることができる。
また、本発明の強化ガラスの製造方法では、400〜650℃、0.5〜5時間の条件で熱処理した場合の前記表層ガラスの熱収縮率と前記コア板ガラスの熱収縮率との差が100〜1000ppmであることが好ましい。
また、本発明の強化ガラスの製造方法では、400〜650℃、0.5〜5時間の条件で熱処理した場合の前記表層ガラスの熱収縮率が1〜100ppmであることが好ましい。また、400〜650℃、0.5〜5時間の条件で熱処理した場合の前記コア板ガラスの熱収縮率が好ましくは50ppm以上、より好ましくは50〜1000ppmである。
このような構成によれば、表層ガラスに確実に圧縮応力を形成し、コア板ガラスに確実に引張応力を形成することができる。また、熱処理工程において表層ガラスおよびコア板ガラスが割れたり剥離したりすることを防止できる。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る強化ガラスは、各々板ガラスから成るコア部と表層部とを備えた強化ガラスであって、積層ガラス4表層部は積層ガラス4コア部の両表面側にオプティカルコンタクトにより接合されており、積層ガラス4表層部には圧縮応力が形成されており、30〜380℃における積層ガラス4コア部の平均熱膨張係数と積層ガラス4表層部の平均熱膨張係数との差が5×10-7/℃より小さいことを特徴とする。
また、本発明の強化ガラスは、コア部および表層部は、実質的に同一のガラス組成を有することが好ましい。
本実施形態に係る強化ガラス1およびその製造方法を模式的に示す図
以下、本発明の実施形態に係る強化ガラスおよびその製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る強化ガラス1およびその製造方法を模式的に示す図である。強化ガラス1の製造方法について、図1(a)〜(d)に則して、順を追って説明する。
先ず、図1(a)に示すように、各々板状のガラスであるコア板ガラス2および表層ガラス3を用意する。
コア板ガラス2は、所定の熱処理を施した場合の熱収縮率が表層ガラス3のそれより大きな板ガラスである。換言すれば、表層ガラス3は、所定の熱処理を施した場合の熱収縮率がコア板ガラス2のそれより小さい板ガラスである。例えば、400〜650℃、0.5〜5時間の条件で熱処理した場合のコア板ガラス2の熱収縮率をS2とし、表層ガラス3の熱収縮率をS3とした場合、100≦S2−S3≦1000ppmであることが好ましい。また、コア板ガラス2の熱収縮率S2は、50〜1000ppmであることが好ましい。また、表層ガラス3の熱収縮率S3は、1〜100ppmであることが好ましい。熱収縮率S2およびS3が上記範囲内であれば、後述の熱処理を行う際にコア板ガラス2および表層ガラス3が破損することを防止しつつ、且つ確実に表層ガラス3に圧縮応力を形成させることができるため好適である。
また、コア板ガラス2および表層ガラス3は、何れも相互に接触する表面(以下、合わせ面と称する)が高い平滑度を有するよう、換言すれば低い表面粗さを有するよう構成されている。より具体的には、コア板ガラス2および表層ガラス3の表面粗さRaは、ともに2.0nm以下、より好ましくは1.0nm以下、さらに好ましくは0.5nm以下、最も好ましくは0.2nm以下である。なお、表面粗さRaは、Veeco社製AFM(Nanoscope III a)を用いて測定した。
上記のような特性のコア板ガラス2および表層ガラス3は、例えば、以下のようにして得られる。先ず、ガラス組成として、質量%でSiO2 50〜70%、Al23 10〜19%、B23 5〜15%、MgO 0〜3%、CaO 0〜12%、SrO 0〜6%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜2%を有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないガラスとなるようガラス原料を調合する。アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、具体的には、ガラス組成におけるアルカリ金属酸化物の含有量が質量で1000ppm以下であることを指す。表層ガラス3およびコアガラス2におけるアルカリ金属酸化物の含有量は、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは300ppm以下である。
次いで、調合したガラス原料を溶融し、板状に成形する。表層ガラス3は、コア板ガラス2よりも薄肉に成形されることが好ましい。より詳細には、表層ガラス3の厚みは、コア板ガラス2の厚みの1/3以下であることが好ましく、1/10以下であればより好ましく、1/50以下であればさらに好ましい。このような厚さに構成することで、強化ガラス1とした際に表層ガラス3に形成される圧縮応力を大きくすることができる。
コア板ガラス2および表層ガラス3の成形方法としては、例えば、オーバーフローダウンドロー法を用いることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法で成形されたガラスは表面の平滑度が高く、表面を加工することなくオプティカルコンタクトにより接着することができるため、本発明の強化ガラス1を低コストで得ることができる。
次いで、上記のようにして成形した板ガラスを順次、徐冷炉に投入し、徐冷する。この際、コア板ガラス2となる板ガラスについては表層ガラス3よりも早く降温する。降温速度をこのように制御することによって、容易にコア板ガラス2の熱収縮率を表層ガラス3の熱収縮率より相対的に大きくすることができる。
なお、コア板ガラス2および表層ガラス3の成形方法は上記に限らず、他の成形方法を用いて成形しても良い。例えば、フロート法を用いて成形した後に、ガラス板表面を研磨加工して、コア板ガラス2および表層ガラス3を得ても良い。コア板ガラス2および表層ガラス3の表面粗さRaは、0.2nm以下であることが好ましい。表面粗さRaが0.2nm以下であれば、コア板ガラス2および表層ガラス3をオプティカルコンタクトにより良好に接着することができる。
上記のような方法によってコア板ガラス2および表層ガラス3を同一組成のガラスで構成すれば、これらのガラスの原料の調合および溶融を同一設備で行うことができる。したがって、強化ガラス1の製造コストを低減することができる。
また、上記のように、表層ガラス3をアルカリ金属酸化物を有しない組成とすれば、アルカリ金属酸化物の溶出を抑制することができるため、液晶ディスプレイ等の用途に好適な強化ガラス1を得られる。なお、上記ガラス組成は一例であり、本発明では熱収縮率に差があるガラスであれば、任意の組成のガラスをコア板ガラス2および表層ガラス3として用いて良い。例えば、表層ガラス3は、ガラス組成としてアルカリ金属酸化物を含有するガラスであっても良い。このような組成とした場合、強化ガラス1をイオン交換法等を用いてさらに化学強化可能であり、物理的強度をさらに向上できる。
次いで、上記のようにして得たコア板ガラス2および表層ガラス3を、洗浄および乾燥し、各々の合わせ面2x、3xに付着する塵埃を除去する。より詳細には、合わせ面2x、3xのGI値がともに1000pcs/m以下となるよう洗浄および乾燥する。GI値とは、1mの領域内に存在する長径1μm以上の不純粒子の個数(pcs)を示す値である。GI値は、例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製のG17000を用いて測定できる。
次いで、図1(b)に示すように、一枚のコア板ガラス2の合わせ面2xと、二枚の表層ガラス3の合わせ面3xとを、常温で、それぞれの合わせ面2x、3xが密接状態となるように面接触させて、三層に積層し、積層ガラス4を得る。なお、本発明において常温とは、−10〜40℃の温度を指す。
次いで、積層ガラス4に熱処理を施す。具体的には、先ず、積層ガラス4を熱処理炉へ投入し、コア板ガラス2の軟化点および表層ガラス3の軟化点のうち低い方の軟化点以下の温度範囲で積層ガラス4を加熱処理する。より好ましくは、コア板ガラス2の歪点をSPとした場合、(SP−200)〜SP℃の範囲で加熱する。上述ガラス組成から成る積層ガラス4を熱処理する場合には、例えば、400℃以上で2時間以上加熱すると良い。上記のような条件で加熱処理すれば、後述の冷却処理によってコア板ガラス2を確実に熱収縮させることができる。
このような加熱処理によりコア板ガラス2の合わせ面2xと表層ガラス3の合わせ面3xとが接合された状態となる。なお、上述ガラス組成から成る積層ガラス4を熱処理した場合には、コア板ガラス2および表層ガラス3の接触部が300℃以上になった時点で、コア板ガラス2の合わせ面2xと表層ガラス3の合わせ面3xとが接合された状態となる。
その後、加熱処理された積層ガラス4を冷却処理することによって、強化ガラス1を得られる。具体的には、積層ガラス4を0.1〜10℃/minで40℃以下まで冷却処理する。
上記の冷却処理を行うことにより、図1(c)に示すようにコア板ガラス2および表層ガラス3が収縮する。図1(c)に示す矢印の方向はコア板ガラス2および表層ガラス3の主面方向における収縮方向を示し、該矢印の長さはその収縮量を示す。ここで、コア板ガラス2の熱収縮率S2の方が、表層ガラス3の熱収縮率S3より大きいため、コア板ガラス2の収縮は固着した表層ガラス3により拘束される。その結果、図1(d)に示すように、コア板ガラス2に引張応力Ptが形成され、同時に、表層ガラス3に圧縮応力Pcが形成される。この圧縮応力が形成されることによって、強化ガラス1において高い物理的強度を得ることができる。
このようにして製造された強化ガラス1は、コア板ガラス2により構成されるコア部2aと、表層ガラス3により構成される表層部3aとからなる三層構造のガラス積層体である。表層部3aには、1〜50MPaの圧縮応力Pcが形成されると共に、コア部2aには、1〜20MPaの引張応力Ptが形成されている。
以上に説明した通り、本発明の強化ガラスの製造方法によれば、予め板状に成形されたコア板ガラス2および表層ガラス3をオプティカルコンタクトにより常温で接着させることができるため、これらガラスの位置決めが容易である。そして、正確に位置決めされた状態でコア板ガラス2および表層ガラス3を強固に直接接着(軟化点以上に加熱された場合には融着)して、高品位の強化ガラス1を得られる。
また、上述の通り、本発明の強化ガラスの製造方法では、熱収縮率の大きさが異なるガラスであれば、コア板ガラス2および表層ガラス3として同一組成のガラスを用いることができる。すなわち、コア板ガラス2および表層ガラス3として、同程度の熱膨張係数のガラスを用いることができる。具体的には、30〜380℃におけるコア板ガラス2(コア部2a)の平均熱膨張係数と表層ガラス3(表層部3a)の平均熱膨張係数との差が5×10-7/℃より小さくても良い。コア板ガラス2(コア部2a)および表層ガラス3(表層部3a)として同一組成のガラスを用いる場合は、単一の溶融窯でコア板ガラス2および表層ガラス3を製造することができるため、製造コスト等を抑制できる。
(実施例)
以下、本発明に係る強化ガラスおよびその製造方法について実施例に基いて説明する。
先ず、ガラス組成として、質量%でSiO2 60%、Al23 17%、B23 10%、MgO 0.3%、CaO 8%、SrO 5%、BaO 0.5%、ZnO 0.1%を有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないガラスとなるようガラス原料を調合して原料バッチを得た。次いで、原料バッチを溶融炉で溶融し、オーバーフローダウンドロー法により、1.0mm厚、および0.1mm厚の板状試料に成形した。次いで、1.0mm厚の板状試料を700℃から50℃まで10℃/minで降温してコア板ガラス2を得た。また、0.1mm厚の板状試料を700℃から50℃まで0.5℃/minで降温して表層ガラス3を得た。
上記のようにして得たコア板ガラス2の熱収縮率S2は500ppmであった。また、表層ガラス3の熱収縮率S3は5ppmであった。コア板ガラス2および表層ガラス3の表面粗さRaは、どちらも0.2nmであった。
次いで、コア板ガラス2および表層ガラス3を除塵および洗浄した後、20℃の雰囲気下で三層に積み重ねて積層ガラス4を得た。次いで、積層ガラス4を電気炉に投入して、常温から10℃/minで500℃まで加熱した後、500℃で2時間保持し、3℃/minで常温まで冷却することによって強化ガラス1を得た。
得られた強化ガラス1について、偏光顕微鏡によりレターデーション量を測定し,その値に基づき表層ガラス3における圧縮応力を計算したところ,約40MPaの圧縮応力が形成されていた。
本発明に係る強化ガラスは、例えば、タッチパネルやディスプレイ或いは太陽電池等の電子デバイスに搭載されるガラスとして利用し得る。
1 強化ガラス
2 コア板ガラス
2a コア部
2x コア板ガラスの合わせ面
3 表層ガラス
3a 表層部
3x 表層ガラスの合わせ面
4 積層ガラス
Pc 圧縮応力
Pt 引張応力

Claims (10)

  1. 所定条件で熱処理した場合の熱収縮率が相対的に大きいコア板ガラスの両表面側に、前記所定条件で熱処理した場合の熱収縮率が相対的に小さい表層ガラスをオプティカルコンタクトにより積層および接着して積層ガラスを得る積層工程と、
    前記積層ガラスを前記所定条件で熱処理して前記表層ガラスに圧縮応力を発生させる熱処理工程とを備えることを特徴とする強化ガラスの製造方法。
  2. 30〜380℃における前記コア板ガラスの平均熱膨張係数と前記表層ガラスの平均熱膨張係数との差が5×10-7/℃より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の強化ガラスの製造方法。
  3. 前記コア板ガラスおよび前記表層ガラスは、実質的に同一のガラス組成を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の強化ガラスの製造方法。
  4. 前記熱処理工程は、
    前記コア板ガラスの軟化点および前記表面ガラスの軟化点のうち低い方の軟化点未満の温度で前記積層ガラスを加熱する加熱工程と、
    前記加熱された前記積層ガラスを冷却する冷却工程とを備えることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の強化ガラスの製造方法。
  5. 溶融ガラスを板状に成形し、第1の降温速度で徐冷することにより前記表層ガラスを得る工程と、
    溶融ガラスを板状に成形し、前記第1の降温速度より速い第2の降温速度で徐冷することにより前記コア板ガラスを得る工程とをさらに備えること特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の強化ガラスの製造方法。
  6. 前記熱処理において、前記積層ガラスを400℃以上の温度で0.5〜10時間加熱することを特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の強化ガラスの製造方法。
  7. 400〜650℃、0.5〜5時間の条件で熱処理した場合の前記表層ガラスの熱収縮率と前記コア板ガラスの熱収縮率との差が100〜1000ppmであることを特徴とする、請求項1から7の何れか1項に記載の強化ガラスの製造方法。
  8. 400〜650℃、0.5〜5時間の条件で熱処理した場合の前記コア板ガラスの熱収縮率が50ppm以上であることを特徴とする、請求項1から8の何れか1項に記載の強化ガラスの製造方法。
  9. 各々板ガラスから成るコア部と表層部とを備えた強化ガラスであって、
    前記表層部は前記コア部の両表面側にオプティカルコンタクトにより接合されており、
    前記表層部には圧縮応力が形成されており、
    30〜380℃における前記コア部の熱膨張係数と前記表層部の熱膨張係数との差が5×10-7/℃より小さいことを特徴とする強化ガラス。
  10. 前記コア部および前記表層部は、実質的に同一のガラス組成を有することを特徴とする、請求項10に記載の強化ガラス。
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