JP2014231402A - 画像形成装置及び用紙変形の矯正方法 - Google Patents

画像形成装置及び用紙変形の矯正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】用紙の変形を精度良く矯正する。
【解決手段】画像形成装置は、用紙上に画像を形成し、定着処理する画像形成部と、定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正する矯正部と、用紙面の高さ位置を測定する測定部と、高さ位置に応じて各エリアの矯正条件を決定し(ステップS41〜S43)、矯正部により当該矯正条件でエリアごとに矯正させる制御部と、を備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、画像形成装置及び用紙変形の矯正方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、用紙上に基準画像を形成し、当該基準画像を読み取って得られた読取値に応じて、画像形成条件又は画像処理条件を変更し、画質を一定に調整している。
通常、画像形成後に用紙は定着処理されるが、定着処理時の加熱によって用紙にカール、波打ち等の変形が生じることがある。
基準画像の読取時に用紙が変形していると、用紙面の高さ位置が変動するため、読取値がばらつき、読取精度が低下する。読取精度の低下によって、画質の調整も精度良く行うことができない。
用紙の変形に対しては、従来、湾曲した形状の搬送経路に用紙を通過させて、用紙の変形を矯正することが行われている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、搬送ローラーのニップ圧を利用して、変形方向と逆方向に用紙を湾曲させ、変形を矯正することも行われている(例えば、特許文献3参照)。
用紙を矯正する際、従来は、用紙の搬送経路の上下に配置された接触式のセンサーか、用紙面の高さ方向に配置された複数の非接触式のセンサーによって、変形した用紙を検出していた。
特開平4−201590号公報 特開平4−173655号公報 特開2005−53607号公報
従来の検出方法によれば、用紙全体の変形を検出することができるが、変形が生じている位置や変形量等を正確に特定することはできなかった。
また、従来の矯正手段によれば、用紙全体として一方向にしか矯正できないため、例えば用紙の4隅でそれぞれ反対方向に変形しているような複雑な変形には対応することができなかった。変形方向が異なる複数の変形が生じているにもかかわらず、一方向の矯正のみ行うと、かえって変形を助長させてしまうこともあった。
本発明の課題は、用紙の変形を精度良く矯正することである。
請求項1に記載の発明によれば、
用紙上に画像を形成し、定着処理する画像形成部と、
前記定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正する矯正部と、
前記用紙面の高さ位置を測定する測定部と、
前記高さ位置に応じて各エリアの矯正条件を決定し、前記矯正部により当該矯正条件でエリアごとに矯正させる制御部と、
を備える画像形成装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記制御部は、各エリア内で測定された前記高さ位置に応じて、エリアごとに変形方向及び変形量を決定し、当該変形方向に応じて各エリアの矯正方向を決定し、当該変形量に応じて各エリアの矯正強度を決定する、
請求項1に記載の画像形成装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記制御部は、矯正方向が反対のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の合計が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリアの矯正強度を修正する、
請求項2に記載の画像形成装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記制御部は、矯正方向が同一のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の差が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の差が一定値以下となるように、矯正強度が大きい方のエリアの矯正強度を修正する、
請求項2又は3に記載の画像形成装置が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、
前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置に応じて配置された複数の矯正手段を備え、前記制御部により決定された矯正条件に従って、各矯正手段の矯正条件をエリアごとに切り替えて用紙の変形を矯正する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、
前記矯正手段は、1対の弾性ローラーと硬質ローラーからなる矯正ローラーであり、
前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置ごとに、矯正方向がそれぞれ反対の前記矯正ローラーを少なくとも1つずつ備え、各エリアの矯正方向に対応する矯正ローラーを用いて、各エリアの矯正強度に対応するニップ圧で用紙の変形を矯正する、
請求項5に記載の画像形成装置が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、
用紙上に形成された画像を読み取る読取部を備え、
前記画像形成部は、用紙上に画質調整用の基準画像を形成して、定着処理し、
前記矯正部は、前記基準画像が形成され、定着処理された用紙を、前記決定された各エリアの矯正条件に従ってエリアごとに矯正し、
前記読取部は、前記矯正部により矯正された用紙上の基準画像を読み取り、
前記制御部は、前記読取部により得られた基準画像の読取値に応じて、形成される画像の画質を調整する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、
前記測定部は、前記読取部による読取位置において、用紙面の高さ位置を測定する、
請求項7に記載の画像形成装置が提供される。
請求項9に記載の発明によれば、
前記測定部は、用紙の搬送方向において、前記読取部による読取位置の前後それぞれに設けられる2つのカラーラインセンサーを備える、
請求項7又は8に記載の画像形成装置が提供される。
請求項10に記載の発明によれば、
用紙面の高さ位置を測定する測定工程と、
前記高さ位置に応じて、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正条件を決定する工程と、
前記エリアごとに決定された矯正条件に従って、用紙の変形をエリアごとに矯正する工程と、
を含む用紙変形の矯正方法が提供される。
本発明によれば、エリアごとに異なる変形に応じて、矯正条件を切り替えて用紙の変形を矯正することができ、精度の良い矯正が可能である。
本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 図1の本体ユニットの機能ブロック図である。 図1の読取部及び測定部を示す斜視図である。 図3のカラーラインセンサーを、用紙の主走査方向から表した正面図である。 用紙面に設定された複数のエリアの例を示す平面図である。 図1の矯正部が備える複数の矯正ローラーを示す斜視図である。 正方向の矯正が可能な矯正ローラーを主走査方向から表した正面図である。 逆方向の矯正が可能な矯正ローラーを主走査方向から表した正面図である。 画像形成装置が矯正条件を決定する際の処理手順を示すフローチャートである。 両端が変形した用紙の一例を示す斜視図である。 両端が変形した用紙の一例を示す斜視図である。 図8の処理手順において、エリアごとの矯正条件を決定する際の具体的な処理手順を示すフローチャートである。 強度テーブルの一例を示す図である。 隣り合う2つのエリアの矯正方向が反対である場合の用紙面の高さ位置を示す図である。 隣り合う2つのエリアの矯正方向が同一である場合の用紙面の高さ位置を示す図である。 用紙の変形例を示す図である。
以下、本発明の画像形成装置及び用紙変形の矯正方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置Gの概略構成を示す。
図1に示すように、画像形成装置Gは、プリントコントローラーg1、給紙ユニットg2、本体ユニットg3及び後処理装置g4を備えている。
プリントコントローラーg1は、ネットワーク上のコンピューター端末からPDL(Page Description Language)データを受信し、当該PDLデータをラスタライズ処理してビットマップ形式の画像データを生成する。
プリントコントローラーg1は、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の色ごとに画像データを生成し、本体ユニットg3に出力する。
給紙ユニットg2は、大容量の給紙トレイを複数備えている。
給紙ユニットg2は、本体ユニットg3により指示された給紙トレイから本体ユニットg3へ用紙を搬送する。
本体ユニットg3は、操作部3、表示部4、スキャナー6、画像形成部8、給紙トレイg31、読取部9、測定部10、矯正部11等を備えている。
本体ユニットg3は、スキャナー6により原稿を読み取って得られた画像データか、又はプリントコントローラーg1により生成された画像データに基づき、画像形成部8により用紙上に画像を形成する。本体ユニットg3は、画像形成された用紙を後処理装置g4へ搬送する。
後処理装置g4は、本体ユニットg3から搬送された用紙を後処理して排紙する。後処理としては、例えばステイプル処理、パンチ穴開け処理、折り処理、製本処理等が挙げられる。後処理は必須ではなく、後処理装置g4は、本体ユニットg3から指示された場合のみ実行する。後処理が無い場合、後処理装置g4は搬送された用紙をそのまま排紙する。
図2は、本体ユニットg3の機能ブロック図である。
図2に示すように、本体ユニットg3は、制御部1、記憶部2、操作部3、表示部4、通信部5、スキャナー6、画像処理装置7、画像形成部8、読取部9、測定部10及び矯正部11を備えて構成されている。
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。制御部1は、記憶部2に記憶されているプログラムを読み出し、当該プログラムに従って画像形成装置Gの各部を制御する。
例えば、制御部1は、ジョブの設定に従い、給紙ユニットg2又は給紙トレイg31により用紙を給紙させる。また、制御部1は、画像処理装置7により画像データを補正及び画像処理させて、画像形成部8により画像を形成させる。ジョブの設定に後処理の設定が含まれる場合、制御部1は後処理装置g4に指示して後処理させる。
制御部1は、一定間隔ごとに又は任意のタイミングで画質の調整を実施することができる。
具体的には、制御部1は、画像形成部8により画質調整用の基準画像を形成させ、当該基準画像を読取部9により読み取らせて読取値を得る。
制御部1は、得られた読取値に応じて、画像形成部8において露光時に照射するレーザー光のレーザーパワー、現像時に現像ローラーに印加するバイアス電圧等の画像形成条件を調整することにより、画質を一定に調整することができる。
また、制御部1は、読取値に応じて、色変換時又は階調補正時に用いられるLUT(Look Up Table)を更新することによっても、画質を一定に調整することできる。なお、LUTの更新時には、制御部1は、画像処理装置7による色変換又は階調の補正を無効に切り替える。
制御部1は、画質の調整前に、基準画像が形成される用紙面が平面化されるように、矯正部11の矯正条件を決定する。
制御部1は、測定部10により測定された用紙面の高さ位置に応じて、用紙面が主走査方向及び副走査方向に分割されて設定された複数のエリアごとに矯正条件を決定する。制御部1は、矯正条件として各エリアの矯正方向及び矯正強度を決定し、決定された矯正条件に従って矯正部11によりエリアごとに矯正させる。
記憶部2は、制御部1が読み取り可能なプログラム、ファイル等を記憶している。記憶部2としては、例えばハードディスク、ROM(Read Only Memory)等の記憶媒体を用いることができる。
記憶部2は、画質調整用の基準画像を記憶している。
また、記憶部2は、矯正強度の決定時に制御部1により用いられる強度テーブルを記憶している。
操作部3は、操作キーや表示部4と一体に構成されたタッチパネル等を備え、これらの操作に応じた操作信号を制御部1に出力する。ユーザーは、操作部3により、ジョブの設定、処理内容の変更等の指示を入力することができる。
表示部4は、LCD(Liquid crystal display)等であることができ、制御部1の指示に従って操作画面等を表示する。
通信部5は、制御部1からの指示に従い、ネットワーク上のコンピューター、例えばサーバー又は他の画像形成装置と通信する。
スキャナー6は、原稿の画像を読み取って、R(赤)、G(緑)及びB(青)の色ごとの画像データを生成し、画像処理装置7に出力する。
画像処理装置7は、スキャナー6又はプリントコントローラーg1から入力された画像データを補正し、画像処理を施して、画像形成部8に出力する。
画像処理装置7は、図2に示すように、色変換部71、階調補正部72及び中間調処理部73を備えている。
色変換部71は、スキャナー6から出力されたR、G及びBの各色の画像データを色変換処理し、C、M、Y及びKの各色の画像データを出力する。
色変換部71は、色補正のため、プリントコントローラーg1から出力されたC、M、Y及びKの各色の画像データを色変換処理し、色補正されたC、M、Y及びKの各色の画像データを出力することもできる。
色変換部71は、色変換処理時、R、G及びBの各色の階調値に対して、色変換後のC、M、Y及びKの各色の階調値が定められたLUTを用いる。色変換部71は、色補正時、C、M、Y及びKの各色の階調値に対して、色補正後のC、M、Y及びKの階調値が定められたLUTを用いる。
階調補正部72は、色変換部71又はプリントコントローラーg1から出力された画像データの階調を補正する。
階調補正部72は、階調の補正時、画像の階調特性が目標の階調特性に一致するように、各階調値に対応する補正値が定められたLUTを用いる。階調補正部72は、階調補正用のLUTから、画像データの各画素の階調値に対応する補正値を得て、補正値からなる画像データを出力する。
中間調処理部73は、階調補正部72から出力された画像データを中間調処理する。中間調処理は、例えばディザマトリクスを用いたスクリーン処理、誤差拡散処理等である。
中間調処理部73は、中間調処理後の画像データを画像形成部8に出力する。
画像形成部8は、画像処理装置7から出力された画像データに基づき、用紙上に画像を形成する。
画像形成部8は、図1に示すように、C、M、Y及びKの色ごとに、露光部81、感光体82及び現像部83を、4セット備えている。また、画像形成部8は、中間転写ベルト84、2次転写ローラー85、定着装置86及び反転機構87を備えている。
露光部81は発光素子としてLD(Laser Diode)を備えている。露光部81は、画像データに基づいてLDを駆動し、帯電する感光体82上にレーザー光を照射して露光する。現像部83は、帯電する現像ローラーにより感光体82上にトナーを供給し、露光により感光体82上に形成された静電潜像を現像する。
このようにして4つの感光体82上に各色のトナーで形成された画像は、各感光体82から中間転写ベルト84上に順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト84上にカラー画像が形成される。2次転写ローラー85は、当該カラー画像を、給紙ユニットg2又は給紙トレイg31から給紙された用紙上に転写する。定着装置86は転写後の用紙を加熱及び加圧して定着処理する。
画像形成部8は、用紙の両面に画像を形成する場合、反転機構87により用紙の表裏を反転させ、もう一方の片面に対して画像を形成する。反転機構87は、通過する用紙の表裏を反転させて2次転写ローラー85による転写位置へと再度用紙を搬送する搬送経路を有している。
読取部9は、画像形成部8により用紙上に形成された画像を読み取る。
読取時における用紙面の高さ位置の変動をできるだけ減らすため、用紙の搬送経路を挟んで読取部9と対向する位置に、図1に示すように、用紙のガイド板aを設けることができる。また、読取部9に隣接して、ガイド板aと用紙を挟んで対向するガイド板eを設けることもできる。
読取部9は、図3に示すように、光源c及びカラーラインセンサーb1を備えて構成されている。
光源cはLED(Light Emitting Diode)を備えて発光し、カラーラインセンサーb1は用紙面上で反射した光源cからの光を光電変換する。カラーラインセンサーb1は、光電変換により得られたR、G及びBの各色の信号値を、画像の読取値として出力する。
カラーラインセンサーb1は、用紙T上の画像を主走査方向xの1ライン単位で読み取る。図3中の点線は、ラインセンサーb1による1ラインの画像の読取位置Lを表している。用紙Tは副走査方向yへ搬送されるので、カラーラインセンサーb1は読み取りを繰り返すことにより、用紙Tの全面を読み取ることができる。
測定部10は、読取部9による読取位置Lにおいて、用紙面の高さ位置を測定する。
用紙面の高さ位置の測定方法としては、特に限定されず、視差を利用したステレオ方式、測定光とその反射光の位相差を利用したタイムオブフライト(TOF;Time Of Flight)方式等を用いることができる。測定光としては、レーザー光、赤外線等を利用することができる。
以下、測定部10がステレオ方式による測定を行う例を説明する。
ステレオ方式の測定部10は、図3に示すように、光源c、2つのカラーラインセンサーb1及びb2の他、図示しない演算部を備えて構成されている。
2つのカラーラインセンサーb1及びb2は、読取部9による読取位置Lを挟んで用紙の搬送方向の前後それぞれに配置されている。用紙の搬送方向は副走査方向yと同じ方向である。カラーラインセンサーb2の構成は、カラーラインセンサーb1と同じである。
なお、測定部10は、コスト削減のため、図3に示すように光源c及びカラーラインセンサーb1を読取部9と共用することもできるし、読取部9とは別に光源と2つのカラーラインセンサーを備えることもできる。
測定部10は、読取位置Lにおいて、2つのカラーラインセンサーb1及びb2によりそれぞれ画像を読み取る。測定部10は、読み取られた2つの画像のずれである視差を元に、高さ方向zにおける用紙面の高さ位置を測定する。高さ方向zは、用紙の主走査方向x及び副走査方向yからなるx−y面に対して垂直な方向である。測定部10は、用紙Tの下方に設けられているガイド板aの表面を高さ位置が0である基準面として、用紙面の高さ位置を測定する。ガイド板aが設けられていない場合、測定部10は仮想の基準面を設定し、その高さ位置を0として用紙面の高さ位置を測定すればよい。
図4は、各カラーラインセンサーb1及びb2を、用紙の主走査方向xから表した正面図である。
図4に示すように、各カラーラインセンサーb1及びb2は、撮像素子b3と、当該撮像素子b3の撮像面上に読取位置Lからの光を結像するレンズb4と、を備えている。各レンズb4は、基準面z0から焦点位置fまでの距離dが同一となる面上に、基準長dを隔てて配置されている。
基準面z0、撮像素子b3及びレンズb4は位置が固定されているため、距離d、基準長d及び焦点位置fから撮像面までの焦点距離dは定数である。
測定部10は、各撮像素子b3により読み取られた2つの画像から、当該2つの画像のずれである視差dを算出する。測定部10は、得られた視差dを用いて下記式(1)により、読取位置Lから焦点位置fまでの距離dを算出する。
(1) d=d・d/d・δ
ここで、δは撮像素子の1画素のサイズを表す。
測定部10は、得られた距離dを用いて、下記式(2)により、基準面z0から読取位置Lにおける用紙面znまでの高さ方向zの距離Dを算出する。測定部10は、得られた距離Dを、読取位置Lにおいて測定された用紙面の高さ位置として出力する。
(2) D=d−d
矯正部11は、定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向x及び副走査方向yに分割して設定された複数のエリアごとに矯正し、用紙面を平面化する。
用紙は定着処理によって変形しやすく、基準画像の読取時に用紙を平面化する必要があるので、図1に示すように、矯正部11は用紙の搬送方向において定着装置86と読取部9の間に配置されている。
矯正部11は、各エリアの主走査方向xの位置に応じて配置された複数の矯正手段を備え、制御部1により決定された各エリアの矯正条件に従って、各矯正手段の矯正条件をエリアごとに切り替え、用紙の変形を矯正する。
以下、矯正手段として、ニップ圧により用紙の変形を矯正する矯正ローラーを備えた矯正部11の例を説明する。
図5は、用紙面が主走査方向xに4分割され、副走査方向yに5分割されて設定された、20のエリアを示している。各エリアの主走査方向xの位置をA〜Dとし、副走査方向yの位置を1〜5として、各エリアを1A〜5Dで表している。
図5のエリア1A〜5Dに対し、矯正部11は、図6に示すように複数の矯正ローラー11a及び11bを備えている。
矯正ローラー11a及び11bは、それぞれの矯正方向が反対であり、各エリア1A〜5Dの主走査方向xにおける位置A〜Dごとに、少なくとも1つずつ配置されている。
各矯正ローラー11a及び11bは、1対の硬質ローラーr1と弾性ローラーr2である。矯正ローラー11aと矯正ローラー11bは、硬質ローラーr1と弾性ローラーr2の配置位置が逆転している。
硬質ローラーr1は、図示しない駆動部により回転駆動され、所定の周速度で回転する。硬質ローラーr1は、少なくともローラー表面が、弾性ローラーr2よりも硬度が大きい材料、例えば金属、クロロプレンゴム等により形成されている。
弾性ローラーr2は、回転する硬質ローラーr1に圧接されて従動回転する。弾性ローラーr2は、ローラー表面が弾性体、例えばゴム、ポリウレタン等により形成されている。
硬質ローラーr1を弾性ローラーr2に圧接させると、硬質ローラーr1が弾性ローラーr2のローラー表面に食い込む。そのため、硬質ローラーr1と弾性ローラーr2間にニップされた用紙は、硬質ローラーr1のローラー表面に押し付けられて湾曲する。
矯正ローラー11aは、硬質ローラーr1が弾性ローラーr2より高さ方向z下側に配置されているので、上述した湾曲作用により、図7aに示すように用紙Tを正方向に矯正することができる。
矯正ローラー11bは、逆に硬質ローラーr1が弾性ローラーr2の高さ方向z上側に配置されているため、図7bに示すように用紙Tを逆方向に矯正することができる。
ここで、正方向及び逆方向とは、高さ方向zにおいて、それぞれ高さ位置が高くなる方向及び低くなる方向をいう。
矯正ローラー11a及び11bは、それぞれ個別に、硬質ローラーr1と弾性ローラーr2の回転軸間の距離を変更することが可能である。矯正部11は、回転軸間の距離を短くしてニップ圧を段階的に大きくすることにより、矯正強度1〜5を切り替える。
矯正部11は、矯正ローラー11a及び矯正ローラー11bのうち、制御部1により決定された各エリアの矯正方向に対応する矯正ローラー11a又は矯正ローラー11bを用いて、各エリアの矯正強度に対応するニップ圧で、用紙の変形を矯正する。
例えば、エリア1Aの矯正方向が正方向に、エリア1B〜1Dの矯正方向が逆方向に決定された場合、矯正部11は、エリア1Aでは矯正ローラー11aを選択し、エリア1B〜1Dでは矯正ローラー11bを選択する。矯正部11は、選択されなかった矯正ローラー11a又は11bのニップ圧を0として、矯正をOFFに切り替える。
また、エリア1Aの矯正強度が3に、エリア1B〜3Cの矯正強度が1に決定された場合、矯正部11は、エリア1Aに位置する矯正ローラー11aのニップ圧を、矯正強度3に対応するニップ圧に切り替え、エリア1B〜3Cに位置する矯正ローラー11bのニップ圧を、矯正強度1に対応するニップ圧に切り替える。
矯正手段は、上記矯正ローラー11a及び11bに限定されない。主走査方向xに複数配置することができ、それぞれの矯正条件を個別に切り替えることができるのであれば、矯正部11は、硬質ローラーr1に弾性ベルトを組み合わせた矯正手段を用いることもできる。
上記画像形成装置Gは、定期的に又は任意のタイミングで画質の調整を行うが、画質の調整前に矯正部11の矯正条件を決定する。
図8は、画像形成装置Gが矯正条件を決定する際の処理手順を示している。
画像形成装置Gでは、制御部1の指示に従い、給紙ユニットg2又は給紙トレイg31が基準画像の形成に用いられる用紙と同じ種類の用紙を給紙する。画像形成部8は、画像を形成せずに、定着装置86により当該用紙を定着処理する。
測定部10は、図8に示すように、定着処理後の用紙面の高さ位置を測定する(ステップS1)。測定対象を定着処理後の用紙面とすることにより、定着処理に起因する用紙ごとの変形特性を考慮して矯正条件を決定することができる。
制御部1は、測定部10により測定された高さ位置に基づいて、用紙の変形に対する矯正が必要か否かを判断する(ステップS2)。
用紙が変形していると、用紙面のいずれかの領域で高さ位置が高くなる。よって、制御部1は、測定された高さ位置を閾値zthと比較し、用紙面において、高さ位置が閾値zthを超える領域があれば、矯正が必要と判断する。高さ位置がすべて閾値zth以下であれば、制御部1は矯正が不要と判断する。
例えば、用紙の端部が、図9aに示すように変形している場合、変形が大きい端部に、高さ位置が閾値zthを超える領域TNがあるため、制御部1により矯正が必要と判断される。
一方、用紙の端部が、図9bに示すように変形している場合、変形が大きい端部は高さ位置が閾値zth以下である。しかし、変形によって用紙の中央部が浮き上がっているため、やはり高さ位置が閾値zthを超える領域TNがある。この場合も制御部1により矯正が必要であると判断される。
矯正が不要である場合(ステップS2;N)、制御部1は、全エリアの矯正条件として矯正しないことを決定し、矯正部11による矯正をOFFに制御する(ステップS3)。具体的には、制御部1は、各矯正ローラー11a及び11bの硬質ローラーr1と弾性ローラーr2間を離間させて、ニップ圧を0とすることにより、矯正をOFFする。その後、本処理は終了する。
矯正が必要である場合(ステップS2;Y)、制御部1は用紙面の高さ位置に応じて、各エリアの矯正条件を決定する(ステップS4)。
図10は、制御部1がエリアごとに矯正条件を決定する際の処理手順を示している。
図10に示すように、制御部1は、各エリアの用紙面の高さ位置に応じて、エリアごとに用紙の変形方向及び変形量を決定する(ステップS41)。
具体的には、制御部1は各エリア内で測定された用紙面の高さ位置を平均し、エリアごとに高さ位置の平均値を求める。
制御部1は、用紙面の高さ位置が0の基準面から所定値αだけ高い高さ位置を境界面として、高さ位置の平均値が、当該境界面を超えるエリアの変形方向を正方向と決定し、境界面以下となるエリアの変形方向を逆方向と決定する。
また、制御部1は、各エリアの高さ位置の平均値から境界面の高さ位置αを引いた差の絶対値を変形量として決定する。
制御部1は、各エリアにおいて決定された変形方向の反対方向を、各エリアの矯正方向として決定する(ステップS42)。
例えば、変形方向が正方向であれば、矯正方向は逆方向である。
また、制御部1は、各エリアにおいて決定された変形量に応じて、矯正強度を決定する(ステップS43)。
制御部1は、記憶部2に記憶されている強度テーブルを用いて、矯正強度を決定することができる。
強度テーブルは、図11において例示された強度テーブル21のように、変形量(mm)に応じた矯正強度1〜5が定められている。制御部1は、当該強度テーブル21から、各エリアの変形量に対応する矯正強度を読み出し、得られた矯正強度を各エリアの矯正強度として決定する。
すべてのエリアの矯正方向及び矯正強度が決定されると、制御部1は各エリアの矯正強度を、各エリアに隣接するエリアの矯正方向及び矯正強度に応じて調整する。
制御部1は、主走査方向xに隣接する2つのエリアに注目し、各エリアの矯正方向が反対であり(ステップS44;Y)、かつ各エリアの矯正強度の合計が一定値を超える場合(ステップS45;N)、制御部1は各エリアの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリアの矯正強度を修正する(ステップS46)。
図12は、エリア1A及び1Bの矯正方向が反対である場合の用紙面の高さ位置を表している。
図12において、実線は、主走査方向xにおける用紙面の高さ位置の測定値(mm)を表す。点線は、エリア1A〜1Dごとの高さ位置の平均値(mm)を表す。また、黒の矢印は、矢印の方向が各エリア1A及び1Bの変形方向に応じて決定された矯正方向を表し、矢印の長さが各エリア1A及び1Bの変形量に応じて決定された矯正強度を表す。
図12に示すように、隣り合うエリア1A及び1Bは、矯正方向が正逆反対に決定され、矯正強度がそれぞれ5に決定されている。この矯正条件に従って矯正が行われた場合、用紙は大きな矯正強度で反対方向に矯正されるため、過剰な引っ張り力が用紙に加わり、用紙に皺等の新たな変形が生じることがある。
過剰な引っ張り力を抑えるため、制御部1はそれぞれのエリア1A及び1Bの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリア1A及び1Bの矯正強度を修正する。これにより、新たな変形を避けて矯正を行うことができる。
例えば、正方向及び逆方向それぞれの矯正強度の合計が一定値4を超えると、用紙に過剰な引っ張り力が加わる場合、制御部1は、エリア1Aとエリア1Bの矯正強度の合計が一定値4以下となるように、エリア1A及び1Bの矯正強度を修正する。制御部1は、図12において白の矢印で表すように、エリア1A及び1Bの矯正強度をそれぞれ2に修正することができる。他の修正例として、制御部1は、エリア1Aの矯正強度を3、エリア1Bの矯正強度を1に修正することも可能である。
なお、用紙の種類、例えば坪量、曲げ剛度等によって、引っ張り力が過剰となるときの2つのエリアの矯正強度の合計の一定値は異なるので、制御部1は用紙の種類に応じて矯正強度の合計の一定値を設定すればよい。
矯正強度の修正後、まだ注目していないエリアがあれば(ステップS47;N)、ステップS44へ戻り、制御部1は次の隣接する2つのエリアに注目して同様の処理を繰り返す。
そして、すべてのエリアの矯正強度の調整を終了すると(ステップS47;Y)、図8のステップ5の処理に移行する。
各エリアの矯正方向が反対であるが(ステップS44;Y)、各エリアの矯正強度の合計が一定値以下である場合(ステップS45;Y)、制御部1は上述した矯正強度の修正を行わずにステップS47の処理に移行する。
一方、隣接する2つのエリアの矯正方向が同一であり(ステップS44;N)、かつ各エリアの矯正強度の差が一定値を超える場合(ステップS48;N)、制御部1は、当該差が一定値以下となるように、矯正強度が大きい方のエリアの矯正強度を修正する(ステップS49)。
図13は、エリア1A及び1Bの矯正方向が同一である場合の用紙面の高さ位置を表している。
図13において、実線は、主走査方向xにおける用紙面の高さ位置の測定値(mm)を表す。点線は、エリア1A〜1Dごとの高さ位置の平均値(mm)を表す。また、黒の矢印は、矢印の方向が各エリア1A及び1Bの変形方向に応じて決定された矯正方向を表し、矢印の長さが各エリア1A及び1Bの変形量に応じて決定された矯正強度を表す。
図13に示すように、隣り合うエリア1A及び1Bは、矯正方向が同じ正方向に決定され、矯正強度がそれぞれ5及び1に決定されている。この矯正条件に従って矯正された場合、同じ方向でも矯正強度の差が大きいため、過剰な引っ張り力が用紙に加わり、用紙に新たな変形が生じることがある。
過剰な引っ張り力を抑えるため、制御部1は各エリア1A及び1Bの矯正強度の差が一定値以下となるように、矯正強度が大きい方のエリア1Aの矯正強度を修正する。これにより、新たな変形を避けて矯正することができる。
例えば、同一方向の矯正強度の差が一定値2を超えると、用紙に過剰な引っ張り力が加わる場合、制御部1は、エリア1Aとエリア1Bの矯正強度の差が一定値2以下となるように、エリア1Aの矯正強度を修正する。制御部1は、図13において白の矢印で示すように、エリア1Aの矯正強度を3に修正することができる。
用紙の種類によって、引っ張り力が過剰となるときの2つのエリアの矯正強度の差の一定値は異なるので、制御部1は用紙の種類に応じて矯正強度の差の一定値を設定すればよい。
矯正強度の修正後、まだ注目していないエリアがあれば(ステップS47;N)、ステップS44へ戻り、制御部1は次の隣接する2つのエリアに注目して同様の処理を繰り返す。
そして、すべてのエリアの矯正強度の調整を終了すると(ステップS47;Y)、図8のステップ5の処理に移行する。
隣接する2つのエリアの矯正方向が同一であり(ステップS44;N)、かつ各エリアの矯正強度の差が一定値以下である場合(ステップS48;Y)、制御部1は上述した矯正強度の修正を行わずにステップS47の処理に移行する。
図8に示すステップS5では、制御部1の指示に従い、給紙ユニットg2又は給紙トレイg31が新たな用紙を給紙する。画像形成部8は、当該用紙を定着処理する。矯正部11は、制御部1によりエリアごとに決定された矯正条件に従って、エリアごとに矯正に使用する矯正ローラー11a及び11bとそのニップ圧を切り替え、定着処理後の用紙を矯正する(ステップS5)。
各エリアの矯正方向及び矯正強度は、境界面を基準に決定されているため、用紙面が境界面の高さ位置αに一致するように用紙の変形が矯正されることになる。しかし、各エリアで変形が十分に矯正されれば、変形による用紙の浮きも無くなるため、用紙面は全体として高さ位置が0の基準面へと落ち着き、用紙面が平面化される。
測定部10は、矯正後の用紙面の高さ位置を測定する(ステップS6)。
制御部1は、測定された用紙面の高さ位置に基づいて、矯正は十分であるか否かを判断する(ステップS7)。
制御部1は、ステップS2と同様にして、測定された高さ位置を閾値zthと比較する。すべての高さ位置が閾値zth以下であれば、制御部1は矯正が十分であると判断し(ステップS7;Y)、本処理は終了する。
高さ位置が閾値zthを超える領域がある場合、制御部1は矯正が不十分であると判断する(ステップS7;N)。制御部1は、矯正条件の変更回数が所定回数以上でなければ(ステップS8;N)、ステップS1へ戻り、再度矯正条件の決定を行う。
矯正条件を所定回数以上変更している場合(ステップS8;Y)、制御部1は、用紙の種類を変更する操作画面を表示部4により表示させる。矯正条件を所定回数以上変更しても十分に矯正できなければ、矯正のみによって用紙を平面化することは難しい場合がある。この場合は、変形が生じにくい用紙をユーザーが選択することにより、矯正が容易となるか、不要となり、用紙面の平面化が可能である。
操作部3を介して、用紙の種類を変更する指示がユーザーにより入力されると(ステップS9;Y)、制御部1は基準画像の形成に用いる用紙を、ユーザーにより指示された種類の用紙に変更する(ステップS10)。その後、ステップS1に戻って上述した処理を繰り返し、新たな種類の用紙により矯正条件を決定する。
用紙の種類を変更しない指示がユーザーにより入力されると(ステップS9;N)、制御部1はエラー通知画面を表示部4により表示させ(ステップS11)、用紙の矯正ができなかったことをユーザーに通知して、本処理は終了する。
矯正条件の決定後、画像形成装置Gは、画質の調整を実行する。
画質の調整時、画像形成部8は、用紙上に基準画像を形成する。
例えば、画質として画像の最大階調を調整する場合、基準画像として最大階調値のベタパッチが用いられる。画像形成部8は、現像部83の現像ローラーに印加するバイアス電圧、露光部81のレーザーパワー等の画像形成条件を異ならせて、複数のベタパッチを形成する。
また、色変換又は階調補正のLUTを更新することにより画質を調整する場合、画像形成部8は、基準画像として異なる階調値のパッチ群を形成する。
矯正部11は、画像形成部8により基準画像が形成され、定着処理された用紙を、決定された各エリアの矯正条件に従ってエリアごとに矯正する。読取部9は、矯正された用紙上の基準画像を読み取ると、制御部1は読取部9から当該基準画像の読取値を取得する。
制御部1は、基準画像の読取値に応じて、画像形成部8の画像形成条件を変更するか、画像処理装置7で用いられるLUTを更新し、画質を一定に調整する。
例えば、基準画像としてベタパッチが形成された場合、制御部1は、画像形成条件が異なる各ベタパッチの読取値から、目標の最大階調を読み取った場合の読取値に対応する画像形成条件を決定する。制御部1は、画像形成部8の画像形成条件を、決定された画像形成条件に変更する。
基準画像として異なる階調値のパッチ群が形成された場合、制御部1は、各パッチの読取値を階調値に変換する。制御部1は、変換後の各階調値と目標の階調値との差に応じて、色変換又は階調補正に用いられるLUTを新たに作成する。
以上のように、本実施の形態によれば、画像形成装置Gは、用紙上に画像を形成し、定着処理する画像形成部8と、定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正する矯正部11と、用紙面の高さ位置を測定する測定部10と、高さ位置に応じて各エリアの矯正条件を決定し、矯正部11により当該矯正条件でエリアごとに矯正させる制御部1と、を備える。
これにより、エリアごとに異なる変形に応じて、矯正条件を切り替えて用紙の変形を矯正することができ、精度の良い矯正が可能である。
そのため、図14に示す用紙T1のように、4隅がそれぞれ反対方向に変形した複雑な変形に対しても、本実施の形態によれば、全面的に用紙を平面化することができる。
また、4隅が変形する用紙T1があれば、図14に示すように一端のみ変形する用紙T2、一端及び他端が変形する用紙T3もあり、用紙の種類によって変形特性が異なる。しかし、本実施の形態によれば、どのような変形であってもエリアごとに矯正できるので、用紙の種類によらず、用紙を平面化することができる。
上記画像形成装置Gは、用紙上に形成された画像を読み取る読取部9を備え、画像形成部8は、用紙上に画質調整用の基準画像を形成して、当該用紙を定着処理し、矯正部11は、基準画像が形成され、定着処理された用紙を、制御部1により決定された各エリアの矯正条件に従ってエリアごとに矯正し、読取部9は、矯正部11により矯正された用紙上の基準画像を読み取り、制御部1は、読取部9により得られた基準画像の読取値に応じて、形成される画像の画質を調整する。
矯正された用紙により読み取りが行われるので、平面化され、用紙の高さ位置の変動が少ない状態で、基準画像を読み取ることができる。基準画像の読取精度が向上し、画質の調整も精度良く行うことができる。
上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、制御部1により実行されるプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、当該プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
G 画像形成装置
1 制御部
2 記憶部
8 画像形成部
86 定着装置
9 読取部
10 測定部
b1、b2 カラーラインセンサー
11 矯正部
11a、11b 矯正ローラー
r1 硬質ローラー
r2 弾性ローラー

Claims (10)

  1. 用紙上に画像を形成し、定着処理する画像形成部と、
    前記定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正する矯正部と、
    前記用紙面の高さ位置を測定する測定部と、
    前記高さ位置に応じて各エリアの矯正条件を決定し、前記矯正部により当該矯正条件でエリアごとに矯正させる制御部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記制御部は、各エリア内で測定された前記高さ位置に応じて、エリアごとに変形方向及び変形量を決定し、当該変形方向に応じて各エリアの矯正方向を決定し、当該変形量に応じて各エリアの矯正強度を決定する、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、矯正方向が反対のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の合計が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリアの矯正強度を修正する、
    請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、矯正方向が同一のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の差が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の差が一定値以下となるように、矯正強度が大きい方のエリアの矯正強度を修正する、
    請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置に応じて配置された複数の矯正手段を備え、前記制御部により決定された矯正条件に従って、各矯正手段の矯正条件をエリアごとに切り替えて用紙の変形を矯正する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記矯正手段は、1対の弾性ローラーと硬質ローラーからなる矯正ローラーであり、
    前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置ごとに、矯正方向がそれぞれ反対の前記矯正ローラーを少なくとも1つずつ備え、各エリアの矯正方向に対応する矯正ローラーを用いて、各エリアの矯正強度に対応するニップ圧で用紙の変形を矯正する、
    請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 用紙上に形成された画像を読み取る読取部を備え、
    前記画像形成部は、用紙上に画質調整用の基準画像を形成して、定着処理し、
    前記矯正部は、前記基準画像が形成され、定着処理された用紙を、前記決定された各エリアの矯正条件に従ってエリアごとに矯正し、
    前記読取部は、前記矯正部により矯正された用紙上の基準画像を読み取り、
    前記制御部は、前記読取部により得られた基準画像の読取値に応じて、形成される画像の画質を調整する、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記測定部は、前記読取部による読取位置において、用紙面の高さ位置を測定する、
    請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記測定部は、用紙の搬送方向において、前記読取部による読取位置の前後それぞれに設けられる2つのカラーラインセンサーを備える、
    請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 用紙面の高さ位置を測定する測定工程と、
    前記高さ位置に応じて、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正条件を決定する工程と、
    前記エリアごとに決定された矯正条件に従って、用紙の変形をエリアごとに矯正する工程と、
    を含む用紙変形の矯正方法。
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