JP2014231402A - 画像形成装置及び用紙変形の矯正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成装置は、用紙上に画像を形成し、定着処理する画像形成部と、定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正する矯正部と、用紙面の高さ位置を測定する測定部と、高さ位置に応じて各エリアの矯正条件を決定し(ステップS41〜S43)、矯正部により当該矯正条件でエリアごとに矯正させる制御部と、を備える。
【選択図】図10
Description
通常、画像形成後に用紙は定着処理されるが、定着処理時の加熱によって用紙にカール、波打ち等の変形が生じることがある。
基準画像の読取時に用紙が変形していると、用紙面の高さ位置が変動するため、読取値がばらつき、読取精度が低下する。読取精度の低下によって、画質の調整も精度良く行うことができない。
また、搬送ローラーのニップ圧を利用して、変形方向と逆方向に用紙を湾曲させ、変形を矯正することも行われている(例えば、特許文献3参照)。
また、従来の矯正手段によれば、用紙全体として一方向にしか矯正できないため、例えば用紙の4隅でそれぞれ反対方向に変形しているような複雑な変形には対応することができなかった。変形方向が異なる複数の変形が生じているにもかかわらず、一方向の矯正のみ行うと、かえって変形を助長させてしまうこともあった。
用紙上に画像を形成し、定着処理する画像形成部と、
前記定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正する矯正部と、
前記用紙面の高さ位置を測定する測定部と、
前記高さ位置に応じて各エリアの矯正条件を決定し、前記矯正部により当該矯正条件でエリアごとに矯正させる制御部と、
を備える画像形成装置が提供される。
前記制御部は、各エリア内で測定された前記高さ位置に応じて、エリアごとに変形方向及び変形量を決定し、当該変形方向に応じて各エリアの矯正方向を決定し、当該変形量に応じて各エリアの矯正強度を決定する、
請求項1に記載の画像形成装置が提供される。
前記制御部は、矯正方向が反対のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の合計が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリアの矯正強度を修正する、
請求項2に記載の画像形成装置が提供される。
前記制御部は、矯正方向が同一のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の差が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の差が一定値以下となるように、矯正強度が大きい方のエリアの矯正強度を修正する、
請求項2又は3に記載の画像形成装置が提供される。
前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置に応じて配置された複数の矯正手段を備え、前記制御部により決定された矯正条件に従って、各矯正手段の矯正条件をエリアごとに切り替えて用紙の変形を矯正する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
前記矯正手段は、1対の弾性ローラーと硬質ローラーからなる矯正ローラーであり、
前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置ごとに、矯正方向がそれぞれ反対の前記矯正ローラーを少なくとも1つずつ備え、各エリアの矯正方向に対応する矯正ローラーを用いて、各エリアの矯正強度に対応するニップ圧で用紙の変形を矯正する、
請求項5に記載の画像形成装置が提供される。
用紙上に形成された画像を読み取る読取部を備え、
前記画像形成部は、用紙上に画質調整用の基準画像を形成して、定着処理し、
前記矯正部は、前記基準画像が形成され、定着処理された用紙を、前記決定された各エリアの矯正条件に従ってエリアごとに矯正し、
前記読取部は、前記矯正部により矯正された用紙上の基準画像を読み取り、
前記制御部は、前記読取部により得られた基準画像の読取値に応じて、形成される画像の画質を調整する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
前記測定部は、前記読取部による読取位置において、用紙面の高さ位置を測定する、
請求項7に記載の画像形成装置が提供される。
前記測定部は、用紙の搬送方向において、前記読取部による読取位置の前後それぞれに設けられる2つのカラーラインセンサーを備える、
請求項7又は8に記載の画像形成装置が提供される。
用紙面の高さ位置を測定する測定工程と、
前記高さ位置に応じて、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正条件を決定する工程と、
前記エリアごとに決定された矯正条件に従って、用紙の変形をエリアごとに矯正する工程と、
を含む用紙変形の矯正方法が提供される。
図1に示すように、画像形成装置Gは、プリントコントローラーg1、給紙ユニットg2、本体ユニットg3及び後処理装置g4を備えている。
プリントコントローラーg1は、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の色ごとに画像データを生成し、本体ユニットg3に出力する。
給紙ユニットg2は、本体ユニットg3により指示された給紙トレイから本体ユニットg3へ用紙を搬送する。
本体ユニットg3は、スキャナー6により原稿を読み取って得られた画像データか、又はプリントコントローラーg1により生成された画像データに基づき、画像形成部8により用紙上に画像を形成する。本体ユニットg3は、画像形成された用紙を後処理装置g4へ搬送する。
図2に示すように、本体ユニットg3は、制御部1、記憶部2、操作部3、表示部4、通信部5、スキャナー6、画像処理装置7、画像形成部8、読取部9、測定部10及び矯正部11を備えて構成されている。
例えば、制御部1は、ジョブの設定に従い、給紙ユニットg2又は給紙トレイg31により用紙を給紙させる。また、制御部1は、画像処理装置7により画像データを補正及び画像処理させて、画像形成部8により画像を形成させる。ジョブの設定に後処理の設定が含まれる場合、制御部1は後処理装置g4に指示して後処理させる。
具体的には、制御部1は、画像形成部8により画質調整用の基準画像を形成させ、当該基準画像を読取部9により読み取らせて読取値を得る。
制御部1は、得られた読取値に応じて、画像形成部8において露光時に照射するレーザー光のレーザーパワー、現像時に現像ローラーに印加するバイアス電圧等の画像形成条件を調整することにより、画質を一定に調整することができる。
また、制御部1は、読取値に応じて、色変換時又は階調補正時に用いられるLUT(Look Up Table)を更新することによっても、画質を一定に調整することできる。なお、LUTの更新時には、制御部1は、画像処理装置7による色変換又は階調の補正を無効に切り替える。
制御部1は、測定部10により測定された用紙面の高さ位置に応じて、用紙面が主走査方向及び副走査方向に分割されて設定された複数のエリアごとに矯正条件を決定する。制御部1は、矯正条件として各エリアの矯正方向及び矯正強度を決定し、決定された矯正条件に従って矯正部11によりエリアごとに矯正させる。
記憶部2は、画質調整用の基準画像を記憶している。
また、記憶部2は、矯正強度の決定時に制御部1により用いられる強度テーブルを記憶している。
表示部4は、LCD(Liquid crystal display)等であることができ、制御部1の指示に従って操作画面等を表示する。
通信部5は、制御部1からの指示に従い、ネットワーク上のコンピューター、例えばサーバー又は他の画像形成装置と通信する。
画像処理装置7は、図2に示すように、色変換部71、階調補正部72及び中間調処理部73を備えている。
色変換部71は、色補正のため、プリントコントローラーg1から出力されたC、M、Y及びKの各色の画像データを色変換処理し、色補正されたC、M、Y及びKの各色の画像データを出力することもできる。
色変換部71は、色変換処理時、R、G及びBの各色の階調値に対して、色変換後のC、M、Y及びKの各色の階調値が定められたLUTを用いる。色変換部71は、色補正時、C、M、Y及びKの各色の階調値に対して、色補正後のC、M、Y及びKの階調値が定められたLUTを用いる。
階調補正部72は、階調の補正時、画像の階調特性が目標の階調特性に一致するように、各階調値に対応する補正値が定められたLUTを用いる。階調補正部72は、階調補正用のLUTから、画像データの各画素の階調値に対応する補正値を得て、補正値からなる画像データを出力する。
中間調処理部73は、中間調処理後の画像データを画像形成部8に出力する。
画像形成部8は、図1に示すように、C、M、Y及びKの色ごとに、露光部81、感光体82及び現像部83を、4セット備えている。また、画像形成部8は、中間転写ベルト84、2次転写ローラー85、定着装置86及び反転機構87を備えている。
このようにして4つの感光体82上に各色のトナーで形成された画像は、各感光体82から中間転写ベルト84上に順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト84上にカラー画像が形成される。2次転写ローラー85は、当該カラー画像を、給紙ユニットg2又は給紙トレイg31から給紙された用紙上に転写する。定着装置86は転写後の用紙を加熱及び加圧して定着処理する。
読取時における用紙面の高さ位置の変動をできるだけ減らすため、用紙の搬送経路を挟んで読取部9と対向する位置に、図1に示すように、用紙のガイド板aを設けることができる。また、読取部9に隣接して、ガイド板aと用紙を挟んで対向するガイド板eを設けることもできる。
光源cはLED(Light Emitting Diode)を備えて発光し、カラーラインセンサーb1は用紙面上で反射した光源cからの光を光電変換する。カラーラインセンサーb1は、光電変換により得られたR、G及びBの各色の信号値を、画像の読取値として出力する。
カラーラインセンサーb1は、用紙T上の画像を主走査方向xの1ライン単位で読み取る。図3中の点線は、ラインセンサーb1による1ラインの画像の読取位置Lを表している。用紙Tは副走査方向yへ搬送されるので、カラーラインセンサーb1は読み取りを繰り返すことにより、用紙Tの全面を読み取ることができる。
用紙面の高さ位置の測定方法としては、特に限定されず、視差を利用したステレオ方式、測定光とその反射光の位相差を利用したタイムオブフライト(TOF;Time Of Flight)方式等を用いることができる。測定光としては、レーザー光、赤外線等を利用することができる。
以下、測定部10がステレオ方式による測定を行う例を説明する。
2つのカラーラインセンサーb1及びb2は、読取部9による読取位置Lを挟んで用紙の搬送方向の前後それぞれに配置されている。用紙の搬送方向は副走査方向yと同じ方向である。カラーラインセンサーb2の構成は、カラーラインセンサーb1と同じである。
なお、測定部10は、コスト削減のため、図3に示すように光源c及びカラーラインセンサーb1を読取部9と共用することもできるし、読取部9とは別に光源と2つのカラーラインセンサーを備えることもできる。
図4に示すように、各カラーラインセンサーb1及びb2は、撮像素子b3と、当該撮像素子b3の撮像面上に読取位置Lからの光を結像するレンズb4と、を備えている。各レンズb4は、基準面z0から焦点位置fまでの距離dCが同一となる面上に、基準長dBを隔てて配置されている。
基準面z0、撮像素子b3及びレンズb4は位置が固定されているため、距離dC、基準長dB及び焦点位置fから撮像面までの焦点距離dfは定数である。
(1) dA=dB・df/ds・δ
ここで、δは撮像素子の1画素のサイズを表す。
(2) D=dC−dA
用紙は定着処理によって変形しやすく、基準画像の読取時に用紙を平面化する必要があるので、図1に示すように、矯正部11は用紙の搬送方向において定着装置86と読取部9の間に配置されている。
以下、矯正手段として、ニップ圧により用紙の変形を矯正する矯正ローラーを備えた矯正部11の例を説明する。
図5のエリア1A〜5Dに対し、矯正部11は、図6に示すように複数の矯正ローラー11a及び11bを備えている。
矯正ローラー11a及び11bは、それぞれの矯正方向が反対であり、各エリア1A〜5Dの主走査方向xにおける位置A〜Dごとに、少なくとも1つずつ配置されている。
硬質ローラーr1は、図示しない駆動部により回転駆動され、所定の周速度で回転する。硬質ローラーr1は、少なくともローラー表面が、弾性ローラーr2よりも硬度が大きい材料、例えば金属、クロロプレンゴム等により形成されている。
弾性ローラーr2は、回転する硬質ローラーr1に圧接されて従動回転する。弾性ローラーr2は、ローラー表面が弾性体、例えばゴム、ポリウレタン等により形成されている。
矯正ローラー11aは、硬質ローラーr1が弾性ローラーr2より高さ方向z下側に配置されているので、上述した湾曲作用により、図7aに示すように用紙Tを正方向に矯正することができる。
矯正ローラー11bは、逆に硬質ローラーr1が弾性ローラーr2の高さ方向z上側に配置されているため、図7bに示すように用紙Tを逆方向に矯正することができる。
ここで、正方向及び逆方向とは、高さ方向zにおいて、それぞれ高さ位置が高くなる方向及び低くなる方向をいう。
矯正部11は、矯正ローラー11a及び矯正ローラー11bのうち、制御部1により決定された各エリアの矯正方向に対応する矯正ローラー11a又は矯正ローラー11bを用いて、各エリアの矯正強度に対応するニップ圧で、用紙の変形を矯正する。
また、エリア1Aの矯正強度が3に、エリア1B〜3Cの矯正強度が1に決定された場合、矯正部11は、エリア1Aに位置する矯正ローラー11aのニップ圧を、矯正強度3に対応するニップ圧に切り替え、エリア1B〜3Cに位置する矯正ローラー11bのニップ圧を、矯正強度1に対応するニップ圧に切り替える。
図8は、画像形成装置Gが矯正条件を決定する際の処理手順を示している。
測定部10は、図8に示すように、定着処理後の用紙面の高さ位置を測定する(ステップS1)。測定対象を定着処理後の用紙面とすることにより、定着処理に起因する用紙ごとの変形特性を考慮して矯正条件を決定することができる。
用紙が変形していると、用紙面のいずれかの領域で高さ位置が高くなる。よって、制御部1は、測定された高さ位置を閾値zthと比較し、用紙面において、高さ位置が閾値zthを超える領域があれば、矯正が必要と判断する。高さ位置がすべて閾値zth以下であれば、制御部1は矯正が不要と判断する。
一方、用紙の端部が、図9bに示すように変形している場合、変形が大きい端部は高さ位置が閾値zth以下である。しかし、変形によって用紙の中央部が浮き上がっているため、やはり高さ位置が閾値zthを超える領域TNがある。この場合も制御部1により矯正が必要であると判断される。
図10は、制御部1がエリアごとに矯正条件を決定する際の処理手順を示している。
図10に示すように、制御部1は、各エリアの用紙面の高さ位置に応じて、エリアごとに用紙の変形方向及び変形量を決定する(ステップS41)。
制御部1は、用紙面の高さ位置が0の基準面から所定値αだけ高い高さ位置を境界面として、高さ位置の平均値が、当該境界面を超えるエリアの変形方向を正方向と決定し、境界面以下となるエリアの変形方向を逆方向と決定する。
また、制御部1は、各エリアの高さ位置の平均値から境界面の高さ位置αを引いた差の絶対値を変形量として決定する。
例えば、変形方向が正方向であれば、矯正方向は逆方向である。
制御部1は、記憶部2に記憶されている強度テーブルを用いて、矯正強度を決定することができる。
強度テーブルは、図11において例示された強度テーブル21のように、変形量(mm)に応じた矯正強度1〜5が定められている。制御部1は、当該強度テーブル21から、各エリアの変形量に対応する矯正強度を読み出し、得られた矯正強度を各エリアの矯正強度として決定する。
制御部1は、主走査方向xに隣接する2つのエリアに注目し、各エリアの矯正方向が反対であり(ステップS44;Y)、かつ各エリアの矯正強度の合計が一定値を超える場合(ステップS45;N)、制御部1は各エリアの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリアの矯正強度を修正する(ステップS46)。
図12において、実線は、主走査方向xにおける用紙面の高さ位置の測定値(mm)を表す。点線は、エリア1A〜1Dごとの高さ位置の平均値(mm)を表す。また、黒の矢印は、矢印の方向が各エリア1A及び1Bの変形方向に応じて決定された矯正方向を表し、矢印の長さが各エリア1A及び1Bの変形量に応じて決定された矯正強度を表す。
過剰な引っ張り力を抑えるため、制御部1はそれぞれのエリア1A及び1Bの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリア1A及び1Bの矯正強度を修正する。これにより、新たな変形を避けて矯正を行うことができる。
なお、用紙の種類、例えば坪量、曲げ剛度等によって、引っ張り力が過剰となるときの2つのエリアの矯正強度の合計の一定値は異なるので、制御部1は用紙の種類に応じて矯正強度の合計の一定値を設定すればよい。
そして、すべてのエリアの矯正強度の調整を終了すると(ステップS47;Y)、図8のステップ5の処理に移行する。
図13において、実線は、主走査方向xにおける用紙面の高さ位置の測定値(mm)を表す。点線は、エリア1A〜1Dごとの高さ位置の平均値(mm)を表す。また、黒の矢印は、矢印の方向が各エリア1A及び1Bの変形方向に応じて決定された矯正方向を表し、矢印の長さが各エリア1A及び1Bの変形量に応じて決定された矯正強度を表す。
例えば、同一方向の矯正強度の差が一定値2を超えると、用紙に過剰な引っ張り力が加わる場合、制御部1は、エリア1Aとエリア1Bの矯正強度の差が一定値2以下となるように、エリア1Aの矯正強度を修正する。制御部1は、図13において白の矢印で示すように、エリア1Aの矯正強度を3に修正することができる。
用紙の種類によって、引っ張り力が過剰となるときの2つのエリアの矯正強度の差の一定値は異なるので、制御部1は用紙の種類に応じて矯正強度の差の一定値を設定すればよい。
そして、すべてのエリアの矯正強度の調整を終了すると(ステップS47;Y)、図8のステップ5の処理に移行する。
各エリアの矯正方向及び矯正強度は、境界面を基準に決定されているため、用紙面が境界面の高さ位置αに一致するように用紙の変形が矯正されることになる。しかし、各エリアで変形が十分に矯正されれば、変形による用紙の浮きも無くなるため、用紙面は全体として高さ位置が0の基準面へと落ち着き、用紙面が平面化される。
測定部10は、矯正後の用紙面の高さ位置を測定する(ステップS6)。
制御部1は、ステップS2と同様にして、測定された高さ位置を閾値zthと比較する。すべての高さ位置が閾値zth以下であれば、制御部1は矯正が十分であると判断し(ステップS7;Y)、本処理は終了する。
矯正条件を所定回数以上変更している場合(ステップS8;Y)、制御部1は、用紙の種類を変更する操作画面を表示部4により表示させる。矯正条件を所定回数以上変更しても十分に矯正できなければ、矯正のみによって用紙を平面化することは難しい場合がある。この場合は、変形が生じにくい用紙をユーザーが選択することにより、矯正が容易となるか、不要となり、用紙面の平面化が可能である。
画質の調整時、画像形成部8は、用紙上に基準画像を形成する。
例えば、画質として画像の最大階調を調整する場合、基準画像として最大階調値のベタパッチが用いられる。画像形成部8は、現像部83の現像ローラーに印加するバイアス電圧、露光部81のレーザーパワー等の画像形成条件を異ならせて、複数のベタパッチを形成する。
また、色変換又は階調補正のLUTを更新することにより画質を調整する場合、画像形成部8は、基準画像として異なる階調値のパッチ群を形成する。
例えば、基準画像としてベタパッチが形成された場合、制御部1は、画像形成条件が異なる各ベタパッチの読取値から、目標の最大階調を読み取った場合の読取値に対応する画像形成条件を決定する。制御部1は、画像形成部8の画像形成条件を、決定された画像形成条件に変更する。
基準画像として異なる階調値のパッチ群が形成された場合、制御部1は、各パッチの読取値を階調値に変換する。制御部1は、変換後の各階調値と目標の階調値との差に応じて、色変換又は階調補正に用いられるLUTを新たに作成する。
そのため、図14に示す用紙T1のように、4隅がそれぞれ反対方向に変形した複雑な変形に対しても、本実施の形態によれば、全面的に用紙を平面化することができる。
また、4隅が変形する用紙T1があれば、図14に示すように一端のみ変形する用紙T2、一端及び他端が変形する用紙T3もあり、用紙の種類によって変形特性が異なる。しかし、本実施の形態によれば、どのような変形であってもエリアごとに矯正できるので、用紙の種類によらず、用紙を平面化することができる。
矯正された用紙により読み取りが行われるので、平面化され、用紙の高さ位置の変動が少ない状態で、基準画像を読み取ることができる。基準画像の読取精度が向上し、画質の調整も精度良く行うことができる。
例えば、制御部1により実行されるプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、当該プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
1 制御部
2 記憶部
8 画像形成部
86 定着装置
9 読取部
10 測定部
b1、b2 カラーラインセンサー
11 矯正部
11a、11b 矯正ローラー
r1 硬質ローラー
r2 弾性ローラー
Claims (10)
- 用紙上に画像を形成し、定着処理する画像形成部と、
前記定着処理された用紙の変形を、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正する矯正部と、
前記用紙面の高さ位置を測定する測定部と、
前記高さ位置に応じて各エリアの矯正条件を決定し、前記矯正部により当該矯正条件でエリアごとに矯正させる制御部と、
を備える画像形成装置。 - 前記制御部は、各エリア内で測定された前記高さ位置に応じて、エリアごとに変形方向及び変形量を決定し、当該変形方向に応じて各エリアの矯正方向を決定し、当該変形量に応じて各エリアの矯正強度を決定する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、矯正方向が反対のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の合計が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の合計が一定値以下となるように、各エリアの矯正強度を修正する、
請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、矯正方向が同一のエリアが隣接し、各エリアの矯正強度の差が一定値を超える場合、各エリアの矯正強度の差が一定値以下となるように、矯正強度が大きい方のエリアの矯正強度を修正する、
請求項2又は3に記載の画像形成装置。 - 前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置に応じて配置された複数の矯正手段を備え、前記制御部により決定された矯正条件に従って、各矯正手段の矯正条件をエリアごとに切り替えて用紙の変形を矯正する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記矯正手段は、1対の弾性ローラーと硬質ローラーからなる矯正ローラーであり、
前記矯正部は、各エリアの主走査方向の位置ごとに、矯正方向がそれぞれ反対の前記矯正ローラーを少なくとも1つずつ備え、各エリアの矯正方向に対応する矯正ローラーを用いて、各エリアの矯正強度に対応するニップ圧で用紙の変形を矯正する、
請求項5に記載の画像形成装置。 - 用紙上に形成された画像を読み取る読取部を備え、
前記画像形成部は、用紙上に画質調整用の基準画像を形成して、定着処理し、
前記矯正部は、前記基準画像が形成され、定着処理された用紙を、前記決定された各エリアの矯正条件に従ってエリアごとに矯正し、
前記読取部は、前記矯正部により矯正された用紙上の基準画像を読み取り、
前記制御部は、前記読取部により得られた基準画像の読取値に応じて、形成される画像の画質を調整する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記測定部は、前記読取部による読取位置において、用紙面の高さ位置を測定する、
請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記測定部は、用紙の搬送方向において、前記読取部による読取位置の前後それぞれに設けられる2つのカラーラインセンサーを備える、
請求項7又は8に記載の画像形成装置。 - 用紙面の高さ位置を測定する測定工程と、
前記高さ位置に応じて、用紙面を主走査方向及び副走査方向に分割して設定された複数のエリアごとに矯正条件を決定する工程と、
前記エリアごとに決定された矯正条件に従って、用紙の変形をエリアごとに矯正する工程と、
を含む用紙変形の矯正方法。
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