JP2014229597A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的特性を改善したコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタは、筐体と、前記筐体から突出するとともに、前記筐体から突出する方向に対して折り曲げられる表面実装型の信号端子と、前記筐体から突出するグランド端子と、前記筐体から突出するとともに前記信号端子の先端部を覆うように折り曲げられ、グランド電位に保持され、前記信号端子をシールドするシールド部とを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、コネクタに関する。
従来より、伝送路集合体と、伝送路集合体を収容するハウジングとを備えるコネクタがある。このコネクタの伝送路集合体は、信号コンタクトと信号コンタクトを保持するインシュレータ部材とを有する複数の信号コンタクトモールドイン部品と、隣接する信号コンタクトモールドイン部品の間に配置される金属製のグランドコンタクトとを備える。このコネクタの伝送路集合体は、さらに、信号コンタクトモールドイン部品間に配置されたグランドコンタクトを挟み付けた状態でグランドコンタクトに導通可能に固定される金属製の1対のグランドプレートを備える(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−103527号公報
ところで、従来のコネクタの信号コンタクトは、シールドされていないため、基板の表面の端子等に表面実装された場合に、コネクタの電気的特性が劣化するおそれがある。
そこで、電気的特性を改善したコネクタを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態のコネクタは、筐体と、前記筐体から突出するとともに、前記筐体から突出する方向に対して折り曲げられる表面実装型の信号端子と、前記筐体から突出するグランド端子と、前記筐体から突出するとともに前記信号端子の先端部を覆うように折り曲げられ、グランド電位に保持され、前記信号端子をシールドするシールド部とを含む。
電気的特性を改善したコネクタを提供することができる。
前提技術によるプレスフィットコネクタ1を示す図である。 前提技術によるプレスフィットピン2が基板5のスルーホール6に圧入された状態を示す断面図である。 実施の形態1のコネクタ100を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100の一部を分解した状態を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100の構成要素を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100の構成要素を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100のチクレット110とシールドプレート120とを重ねた状態を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100のチクレット110とシールドプレート120とを重ねた状態を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100のチクレット110とシールドプレート120とを重ねた状態を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100のチクレット110とシールドプレート120とを重ねた状態を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100のチクレット110とシールドプレート120とを重ねた状態を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100を基板5Aに接続した状態を示す図である。 実施の形態1のコネクタ100のシミュレーション結果を説明する図である。 実施の形態1の変形例を示す図である。 実施の形態2のコネクタ200を示す図である。 実施の形態3のコネクタの一部を示す図である。 実施の形態3のコネクタの一部を示す図である。
本発明のコネクタを適用した実施の形態について説明する前に、実施の形態の前提技術のコネクタについて説明する。
図1は、前提技術によるプレスフィットコネクタ1を示す図である。図1(A)に示す前提技術のプレスフィットコネクタ1は、基板の表面に実装されるコネクタである。基板は、例えば、FR−4(Flame Retardant type 4)等の規格に準じた基板であり、所謂バックプレーン用の基板である。
プレスフィットコネクタ1の基板に対向する対向面1Aには、図1(B)に示すように、多数のプレスフィットピン2がマトリクス状に配列される。
図2は、前提技術によるプレスフィットピン2が基板5のスルーホール6に圧入された状態を示す断面図である。
基板5には、スルーホール6が形成されている。スルーホール6は、例えば、基板5に形成された貫通孔の内壁に銅めっき膜を形成することによって作製される。スルーホール6の内径は、プレスフィットピン2の幅よりも少し狭く設定されており、図2中において、上方向から圧入されたプレスフィットピン2がスルーホール6に嵌着されるようになっている。プレスフィットピン2は、はんだを用いずにスルーホール6に接続される。
プレスフィットピン2をスルーホール6に圧入すると、図2の左側に示す状態になり、スルーホール6の下側の約半分は、プレスフィットピン2に接続されない。
このように、プレスフィットピン2に接続されていないスルーホール6の下半分の部分は、プレスフィットピン2に伝送される信号にとってスタブとなり、ノイズ源になる可能性がある。このため、図2の右側に示すように、所謂バックドリルで切除している。
プレスフィットピン2は、実装が容易であることから、特に高速の信号を伝送するバックプレーン用のコネクタとしては、プレスフィットタイプのコネクタが多く用いられている。
プレスフィットコネクタ1のようなプレスフィットタイプのコネクタは、所謂DIPタイプのコネクタのように、スルーホール6に差し込んだ状態ではんだ付けを行うコネクタに比べて製造品質が良好である。
また、プレスフィットコネクタ1のようなプレスフィットタイプのコネクタは、表面実装型のSMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)タイプのコネクタよりも部品単価が安いため、主にバックプレーン用のコネクタとして普及してきた。
しかしながら、プレスフィットピン2は、はんだ付けを行わないため、基板5のスルーホール6との強度を確保するために、プレスフィットピン2とスルーホール6との接続部分には、ある程度の長さ(スルーホール6の中心軸方向の長さ)が必要になる。
また、プレスフィットピン2とスルーホール6を接続する際には、基板5の厚さ方向(スルーホール6の中心軸方向)における位置ずれ等を考慮した余裕が必要になる。
このため、図2の右側に示すプレスフィットピン2の右側に矢印Aで示すプレスフィットピン2とスルーホール6との接続部分の長さは、少なくとも約1mm程度の長さが必要である。
このように、プレスフィットピン2とスルーホール6との接続部分には、ある程度の長さが必要になり、また、プレスフィットピン2とスルーホール6を接続した状態では、スルーホール6の上下に、プレスフィットピン2とは接続されない部分が生じる。
従って、プレスフィットコネクタ1で伝送する信号の速度がある程度高速になると、スルーホール6の上下のプレスフィットピン2とは接続されない部分がスタブとなり、ノイズ源になる。すなわち、スルーホール6の上下のプレスフィットピン2とは接続されない部分が電気的余長によるノイズ源になる。
また、図2の右側に示すプレスフィットピン2の先端2Aは、バックドリルで短くされた後のスルーホール6の下端よりも下側に突出しているため、信号の伝送速度がある程度高速になると、プレスフィットピン2の先端2Aもスタブとなり、ノイズ源になる。
現在では、プレスフィットコネクタ1で伝送可能な信号の伝送速度の限界は、25Gbps程度である。
このため、プレスフィットコネクタ1は、信号の伝送速度が25Gbpsを超えるような超高速領域の信号伝送には向いていない。
この一方で、クラウド、スマートフォン等の台頭により、サーバ又はネットワーク装置が取り扱う情報量は、増加の一途を辿り、信号の伝送速度の高速化に対するニーズは非常に大きい。
現在では、超高速伝送(例えば、40Gbps以上)に対する検討も始まりつつある。
従って、以下の実施の形態では、超高速伝送に対応可能な良好な電気的特性を有するコネクタを提供することを目的とする。
以下、本発明のコネクタを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図3は、実施の形態1のコネクタ100を示す図である。図4は、実施の形態1のコネクタ100の一部を分解した状態を示す図である。図5及び図6は、実施の形態1のコネクタ100の構成要素を示す図である。
図5及び図6は、それぞれ、平面図(A)と、平面図(A)の一部を拡大して示す斜視図(B)を含む。なお、図5及び図6では、直行座標系であるXYZ座標系を定義する。
図3に示すように、コネクタ100は、チクレット110、シールドプレート120、及びハウジング130を含む。図3には、1つのコネクタ100において、10個のチクレット110と、10個のシールドプレート120とが、互い違いに重ねられた状態で、1つのハウジング130に差し込まれている状態を示す。
10個のチクレット110と、10個のシールドプレート120とは、それぞれ対をなすように設計されており、各対では、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110が重ねられる。
図4及び図5(A)に示すように、チクレット110は、10本のSMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)端子111、10本のコンタクト112、及びモールド樹脂部113を含む。チクレット110は、基板部の一例である。SMT端子111は、表面実装型の信号端子の一例である。
なお、図5に示すように、ハウジング130に10個のチクレット110と10個のシールドプレート120とを差し込んだ状態において、ハウジング130と、モールド樹脂部113とは、コネクタ100の筐体を構築する。
10本のSMT端子111と、10本のコンタクト112とは、それぞれ接続されており、インサートモールドによって形成されるモールド樹脂部113によって固定された状態で、モールド樹脂部113から表出している。
チクレット110は、例えば、SMT端子111とコンタクト112を含むリードフレームをインサートモールド加工することによってモールド樹脂部113を形成した後に、リードフレームのフレーム部を切除することによって作製すればよい。SMT端子111とコンタクト112を含むリードフレームは、例えば、銅板を打ち抜くことによって形成すればよい。
なお、実施の形態1では、一例として、10本のSMT端子111と、10本のコンタクト112とは、相隣接する2本ずつの5組で用いられ、それぞれの組で差動信号が伝送されることとする。
SMT端子111は、図5(A)、(B)に示すように、モールド樹脂部113から、Y軸負方向に延出し、Z軸負方向側に折り曲げられている。
図5(B)には、図5(A)に示す10本のSMT端子111のうちの2本を示す。図5(B)に示すように、SMT端子111は、先端部111と基部111Bを有し、モールド樹脂部113からY軸負方向に延出する基部111Bに対して、先端部111Aは、Z軸負方向側に折り曲げられている。
基部111Bに対して、先端部111AがZ軸負方向側に折り曲げられる角度は、90度未満であることが望ましい。すなわち、SMT端子111は、側面視で、直角なL字型を少し開いたような形状をしている。
これは、コネクタ100を接続相手の基板の表面に対して垂直な方向から近づけて、先端部111Aを接続相手の基板のパッド等に当接させる際に、SMT端子111に、ばね弾性力を持たせることにより、先端部111Aがパッドに対して押圧された状態で当接するようにするためである。
コンタクト112は、モールド樹脂部113からX軸負方向に延出している。10本のコンタクト112と、10本のSMT端子111とは、モールド樹脂部113の内部で、それぞれ、接続されている。コンタクト112は、コネクタ100が接続される電子装置の信号入力端子又は信号出力端子に接続される。
また、図4及び図5には、コンタクト112がモールド樹脂部113からX軸負方向側に延出する形態を示すが、コンタクト112がモールド樹脂部113からX軸正方向側又はY軸正方向側に延出していてもよい。
すなわち、コンタクト112は、SMT端子111に対して、平面視で(XY平面視で)直角な方向に延出していてもよく、直線方向(同一軸方向)に延出していてもよい。
モールド樹脂部113は、例えば、熱硬化性のあるエポキシ樹脂をインサートモールド成型することによって作製される。モールド樹脂部113は、平面視で(XY平面視で)矩形状の板状の部材である。
モールド樹脂部113には、10本の信号線が内蔵されており、10本の信号線の両端がSMT端子111とコンタクト112になっている。また、モールド樹脂部113のシールドプレート120との当接面には、リブ部120A1と溝部120A2に対応した溝部113Aとリブ部113Bとが形成されている。また、モールド樹脂部113の溝部113Aとリブ部113Bとが形成される面とは反対側の面には、リブ部113Cと溝部113Dが形成されている。溝部113Aと溝部113DのX軸方向の位置はずらされている。同様に、リブ部113Bと113CのX軸方向の位置はずらされている。
図4及び図6(A)に示すように、シールドプレート120は、プレート部120A、プレスフィットピン121、コンタクト122、及びシールド部123を含む。シールドプレート120は、例えば、銅板を打ち抜くことによって作製される。
プレート部120Aは、平面視で(XY平面視で)チクレット110のモールド樹脂部113と略等しい形状及び大きさを有する矩形状の板状部材である。プレート部120AのY軸負方向側の辺には、6本のプレスフィットピン121と、5つのシールド部123が形成されている。
プレート部120Aは、6本のリブ部120A1と5本の溝部120A2を有する。リブ部120A1は、溝部120A2よりもZ軸方向において高い位置にある。リブ部120A1と溝部120A2は、Y軸方向に沿って形成されている。
6本のリブ部120A1には、それぞれ、6本のプレスフィットピン121が接続されており、5本の溝部120A2には、それぞれ、5つのシールド部123が接続されている。
換言すれば、6本のプレスフィットピン121は、それぞれ、6本のリブ部120A1からY軸負方向に延伸しており、5つのシールド部123は、それぞれ、5本の溝部120A2からY軸負方向に延伸している。
リブ部120A1と溝部120A2とのZ軸方向の高さの差は、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、プレスフィットピン121と、SMT端子111の基部111BとのZ軸方向の高さが等しくなるように設定されている。
また、プレート部120AのX軸負方向側の辺には、コンタクト122が形成されている。図4及び図6には、先端が10本に分岐したコンタクト122を示すが、コンタクト122の先端は何本に分岐していてもよく、また、分岐していなくてもよい。
プレスフィットピン121は、プレート部120AのY軸負方向側の辺に形成されており、6本のプレスフィットピン121と、5つのシールド部123とが互い違いに配設されるように形成されている。プレスフィットピン121は、5つのシールド部123の各々の両側に配設されている。
プレスフィットピン121は、コンタクト122を介して、コネクタ100が接続される電子装置のグランド端子に接続される。プレスフィットピン121は、グランド端子の一例である。
プレスフィットピン121は、接続相手の基板のスルーホールに圧入される。プレスフィットピン121がスルーホールに圧入された状態で、シールド部123が接続相手の基板に当接しないように、プレスフィットピン121の圧入部121Aは、シールド部123の先端よりも、Y軸負方向側に位置している。
各プレスフィットピン121は、各リブ部120A1からY軸負方向に延伸しているため、シールド部123よりもZ軸方向で高い位置に配設されている。これは、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、プレスフィットピン121と、SMT端子111の基部111BとのZ軸方向の高さを等しくするためである。
なお、各プレスフィットピン121は、平面視(XY平面視)では、5組10本のSMT端子111の各組をなす2本のSMT端子111と重ならない位置に配設される。
コンタクト122は、コネクタ100が接続される電子装置のグランド端子に接続される。
また、図4及び図6には、コンタクト122がプレート部120AのX軸負方向側に形成される形態を示すが、コンタクト122がプレート部120AのX軸正方向側又はY軸正方向側に形成されていてもよい。
すなわち、コンタクト122は、プレスフィットピン121とシールド部123に対して、平面視で(XY平面視で)直角な方向に延出していてもよく、直線方向(同一軸方向)に延出していてもよい。
図6(B)は、図6(A)に示す6本のプレスフィットピン121と5つのシールド部123とのうち、3本のプレスフィットピン121と、2つのシールド部123とを拡大して示す斜視図である。
シールド部123は、先端部123Aと基部123Bを有する。シールド部123の基部123Bは、プレート部120Aの溝部120A2のY軸負方向側の辺からY軸負方向に延出し、Z軸負方向に90度折り曲げられ、先端部123AがZ軸負方向に延伸するように形成されている。
このため、図6(B)に示すように、シールド部123の基部123Bは、プレスフィットピン121とは、Z軸方向の位置が異なり、プレスフィットピン121よりもZ軸負方向側に配置される。
リブ部120A1と溝部120A2とのZ軸方向の高さの差は、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、プレスフィットピン121と、SMT端子111の基部111BとのZ軸方向の高さが等しくなるように設定されている。
このため、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、プレスフィットピン121と、SMT端子111の基部111Bとは、Z軸方向において等しい位置に存在することになる。
また、シールド部123の基部123Bは、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、プレスフィットピン121と、SMT端子111の基部111Bとよりも、Z軸負方向側に位置する。
また、これに加えて、シールド部123の基部123BのY軸方向の長さは、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、先端部123Aが、SMT端子111の先端部111AよりもY軸正方向側に位置する長さに設定されている。
各シールド部123は、平面視(XY平面視)では、それぞれ、5組10本のSMT端子111の各組をなす2本のSMT端子111と重なる位置に配設されている。これは、コネクタ100が接続相手の基板に接続されたときに、シールド部123でSMT端子111をシールドするためである。
各シールド部123のX軸方向の幅は、各組をなす2本のSMT端子111のうちのX軸負方向側に配設されるSMT端子111のX軸負方向側の端部と、X軸正方向側に配設されるSMT端子111のX軸正方向側の端部との間の幅よりも広い。
これは、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、各シールド部123が、各組をなす2本のSMT端子111をX軸方向において覆うことにより、シールドするためである。
なお、ここでは、1つのシールド部123が2本のSMT端子111をシールドする形態について説明するが、1つのシールドが1本のSMT端子111をシールドする場合は、シールド部123の幅は、SMT端子111の幅よりも広ければよい。
また、1つのシールドが3本以上のSMT端子111をシールドする場合は、シールド部123の幅は、自己がシールドする3本以上のSMT端子111のうち、最もX軸負方向側に配設されるSMT端子111のX軸負方向側の端部と、最もX軸正方向側に配設されるSMT端子111のX軸正方向側の端部との間の幅よりも広ければよい。
次に、図7乃至図11を用いて、チクレット110とシールドプレート120とがハウジング130に差し込まれて、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110が重ねられた状態における、SMT端子111とシールド部123とについて説明する。
図7乃至図11は、実施の形態1のコネクタ100のチクレット110とシールドプレート120とを重ねた状態を示す図である。図7、図8、及び図9は、それぞれ、視点の異なる斜視図である。また、図10は、Y軸負方向側から見たXZ平面を示す平面図であり、図11は、図10におけるA−A矢視断面を示す図である。なお、図7乃至図11では、図5及び図6と同様のXYZ座標系を定義する。
図7乃至図11では、対をなすチクレット110とシールドプレート120については、チクレット110のZ軸負方向側にシールドプレート120が重ねられている。換言すれば、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110が重ねられている。
ここで、図7乃至図11では、実際には1つのコネクタ100に10対含まれるチクレット110とシールドプレート120のうちの1つの対をなすチクレット110とシールドプレート120とに含まれる構成要素についてのみ符号を記す。
また、表面100Aは、10対のチクレット110とシールドプレート120(10個のチクレット110と10個のシールドプレート120)のXZ平面に平行な表面である。10個のチクレット110と10個のシールドプレート120は、図7乃至図11に示すように重ね合わせた状態でハウジング130に差し込まれると、XZ平面に平行な面一な表面100Aを形成する。
表面100Aは、10個のチクレット110に含まれるモールド樹脂部113と、10個のシールドプレート120に含まれるプレート部120Aとの端面が形成する表面であり、実施の形態1のコネクタ100の筐体の表面の一例である。
10個のチクレット110に含まれるSMT端子111は、表面100AからY軸負方向に延出し、Z軸負方向側に折り曲げられている。
SMT端子111の基部111Bから先端部111AがZ軸負方向側に折り曲げられる角度は、90度未満であり、図7乃至図9に示すように、SMT端子111は、側面視で、直角なL字型を少し開いたような形状をしている。
また、シールドプレート120のリブ部120A1と溝部120A2(図6参照)のZ軸方向の高さの差により、プレスフィットピン121と、SMT端子111の基部111BとのZ軸方向の位置は等しくなっている。
また、10個のシールドプレート120に含まれるプレスフィットピン121は、表面100AからY軸負方向に延出している。
また、10個のシールドプレート120に含まれるシールド部123は、表面100AからY軸負方向に延出し、Z軸負方向側に折り曲げられている。
より具体的には、シールド部123の基部123Bは、プレート部120Aの溝部120A2のY軸負方向側の辺からY軸負方向に延出し、Z軸負方向に90度折り曲げられ、先端部123AがZ軸負方向に延伸するように形成されている。
このため、シールド部123の基部123Bは、プレスフィットピン121と、SMT端子111の基部111Bとよりも、Z軸負方向側に位置する。
また、シールド部123は、一対のSMT端子111と重なる位置に配設されており、シールド部123のX軸方向の幅は、一対のSMT端子111のうちのX軸負方向側に配設されるSMT端子111のX軸負方向側の端部と、X軸正方向側に配設されるSMT端子111のX軸正方向側の端部との間の幅よりも広い。
また、シールド部123の基部123BのY軸方向の長さは、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねた際に、先端部123Aが、SMT端子111の先端部111AよりもY軸正方向側に位置する長さに設定されている。
従って、図7乃至図11に示すように、シールドプレート120のZ軸正方向側にチクレット110を重ねると、L字型に折り曲げられたシールド部123のY軸負方向側(図中の上側)に、一対のSMT端子111が位置する。
これは、図11に示すように、YZ平面で見ると、L字型に折り曲げられたSMT端子111の内側に、L字型に折り曲げられたシールド部123が位置することを意味する。すなわち、シールド部123は、SMT端子111の内側で折り曲げられている。
このように、実施の形態1のコネクタ100では、一対のSMT端子111の近傍に、L字型に折り曲げられたSMT端子111に沿って、L字型に折り曲げられたシールド部123が配設されている。
コネクタ100のプレスフィットピン121を接続相手の基板のスルーホールに厚入すると、SMT端子111は、先端部111AのY軸負方向側の面(図7乃至図11に示す上面)が、接続相手の基板のパッド等に当接される。この状態で、SMT端子111の先端部111Aを接続相手の基板のパッド等にはんだ付けすれば、コネクタ100を接続相手の基板に接続することができる。
ここで、図12を用いて、実施の形態1のコネクタ100を基板5Aに接続した状態について説明する。
図12は、実施の形態1のコネクタ100を基板5Aに接続した状態を示す図である。
図12(A)には、コネクタ100のSMT端子111を基板5Aのパッド6Aに当接させるとともに、プレスフィットピン121の圧入部121Aを基板5Aのスルーホール6Bに圧入した状態を示す。すなわち、図12(A)には、実施の形態1のコネクタ100を基板5Aに接続した状態を示す。
また、図12(B)には、実施の形態1のコネクタ100を基板5Aに接続した状態における、SMT端子111、パッド6A、プレスフィットピン121、シールド部123の位置関係を示す。なお、図12(B)では、SMT端子111は、はんだ150によって基板5Aのパッド6Aに接合されている。はんだ150による接合は、例えば、リフロー処理で行えばよい。
図12(A)及び(B)に示すように、コネクタ100を基板5Aに接続すると、SMT端子111は、シールド部123によって覆われる。
このため、コネクタ100のSMT端子111を基板5Aのパッド6Aに表面実装形式で接続した場合に、SMT端子111へのノイズ等の侵入を抑制することができ、SMT端子111のインピーダンス整合を改善することができる。この結果、信号の伝送特性を改善することができる。
図13は、実施の形態1のコネクタ100のシミュレーション結果を説明する図である。図13には、図5乃至図11と同様のXYZ座標系を示す。
図13(A)には、実施の形態1のコネクタ100のSMT端子111を基板5Aに実装した状態を示す。図13(A)には、SMT端子111、シールド部123、基板5A、及び、基板5Aの内層のグランド層7Aを示す。図13(A)には、図12(B)と同様に、SMT端子111、シールド部123、基板5Aを示す。
ここで、シミュレーションでは、SMT端子111の幅は0.25mm、高さは01.175mm、一対のSMT端子111同士の間の間隔は、0.75mm、SMT端子111とシールド部123との間隔は0.3mm、基板5Aの表面からグランド層7Aまでの距離(基板5Aの表面からグランド層7Aの表面までの深さ)を0.25mmに設定した。なお、グランド層7Aは、基板5Aの一面に配設される銅箔である。
図13(A)に示すSMT端子111の特性インピーダンスは、100Ωであった。
また、図13(B)には、図13(A)からシールド部123を取り除いた構成を示す。図13(B)に示す構成におけるSMT端子111の特性インピーダンスは、109Ωであった。
従って、実施の形態1のコネクタ100によれば、シールド部123を含むことにより、SMT端子111の特性インピーダンスを大きく改善できることが分かった。
以上のように、実施の形態1によれば、電気的特性を改善したコネクタ100を提供することができる。
例えば、実施の形態1のコネクタ100は、超高速伝送(例えば、40Gbps又はそれ以上の伝送速度)に対応することができる。
また、シールド部123によってSMT端子111のインピーダンス整合が改善されることにより、信号の反射がより抑制され、信号の伝送特性がさらに改善される。
また、実施の形態1のコネクタ100では、一対のSMT端子111の両側に、プレスフィットピン121が配置される。すなわち、差動形式の高速信号を伝送する一対のSMT端子111の両側の近傍に、グランド電位に保持されるプレスフィットピン121が配置されている。
このため、実施の形態1のコネクタ100では、一対のSMT端子111へのノイズ等の侵入を、プレスフィットピン121によっても抑制することができ、SMT端子111のインピーダンス整合をさらに改善することができる。
また、実施の形態1のコネクタ100では、信号伝送用の端子にSMT端子111を用いている。SMT端子111は、前提技術のプレスフィットピン2(図1及び図2参照)のようにスタブが生じることはない。
従って、実施の形態1のコネクタ100は、前提技術のようにプレスフィットピン2(図1及び図2参照)を信号伝送用に用いる場合に比べて、コネクタ100での高速信号の反射等を抑制し、信号の伝送特性を改善することができる。このような信号の伝送特性の改善は、信号の速度が高速になるほど顕著である。
また、実施の形態1のコネクタ100では、SMT端子111の基部111Bから先端部111AがZ軸負方向側に折り曲げられる角度は、90度未満であり、SMT端子111は、側面視で、直角なL字型を少し開いたような形状をしている。
このため、コネクタ100を基板5Aの表面に対して垂直な方向から近づけて、先端部111Aをパッド5Aに当接させる際に、SMT端子111に、ばね弾性力を持たせることにより、先端部111Aがパッド5Aに対して押圧された状態で当接する。
従って、パッド5Aに対する先端部111Aの接続性をより良好にすることができる。このため、SMT端子111の先端部111Aをパッド5Aに接合するはんだ150が不要な場合は、はんだ150で接合しなくてもよい。
プレスフィットピン121とスルーホール6Bにより、基板5Aとコネクタ100は固定されるからである。
また、SMT端子111は、基板5の多数のパッド6Aに対応して、実際には多数設けられる。そして、基板5のパッド6Aの高さには、ばらつきがある場合がある。
このため、特に、SMT端子111の基部111Bから先端部111AがZ軸負方向側に折り曲げられる角度が90度未満である場合は、パッド6Aの高さのばらつきを吸収することができるので、所謂コプラナリティ(coplanarity)を改善することができる。
また、以上では、シールドプレート120が圧入型のプレスフィットピン121を含む形態について説明したが、シールドプレート120は、プレスフィットピン121の代わりに、図14に示すように、SMT端子を含んでもよい。
図14は、実施の形態1の変形例を示す図である。図14(A)に示すように、シールドプレート120は、DIPピン121Bを含んでもよい。DIPピン121Bは、基板5Aのスルーホール6B(図12(A)参照)に挿入して、はんだ付けによって接合すればよい。
また、図14(B)に示すように、シールドプレート120は、プレスフィットピン121の代わりに、SMT端子121Cを含んでもよい。例えば、SMT端子121Cにねじ孔121C1を形成し、基板5Aの裏面(パッド6Aが形成される表面とは反対側の面)側から、ねじ160を用いて基板5Aの表面側のパッドに固定してもよい。このような基板5Aの表面側のパッドは、図12(A)に示すスルーホール6Bの代わりに基板5Aの表面に形成すればよい。
なお、SMT端子121Cは、ねじ160を用いずに、基板5Aのパッドに接続してもよい。
また、チクレット110のSMT端子111をねじ160によって固定してもよい。
また、以上では、SMT端子111の基部111Bから先端部111AがZ軸負方向側に折り曲げられる角度は90度未満である形態について説明したが、SMT端子111が折り曲げられる角度は90度であってもよい。
また、以上では、図5に示すように、ハウジング130に10個のチクレット110と10個のシールドプレート120とを差し込んだ状態において、ハウジング130と、モールド樹脂部113とは、コネクタ100の筐体を構築する形態について説明した。
しかしながら、SMT端子111、コンタクト112、プレート部120A、プレスフィットピン121、コンタクト122、及びシールド部123が、インサートモールドによって1つの筐体で固定されていてもよい。
<実施の形態2>
図15は、実施の形態2のコネクタ200を示す図である。図15(A)は、実施の形態1の図12(B)に対応する図である。図15(B)は、シールド部223を示す斜視図である。
実施の形態2のコネクタ200は、シールド部223の構成が実施の形態1のシールド部123と異なること以外は、実施の形態のコネクタ100と同様である。
このため、実施の形態1のコネクタ100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
シールド部223は、実施の形態1のシールド部123の先端部123Aに対応する先端部223Aが、図15(B)に示すように、基部223Bよりも幅広くされており、かつ、SMT端子111の先端部111A(図5(B)参照)の側面を覆うように、折り曲げられている。
このため、SMT端子111へのノイズ等の侵入を、シールド部223によってより効果的に抑制することができ、SMT端子111のインピーダンス整合をさらに改善することができる。
<実施の形態3>
図16及び図17は、実施の形態3のコネクタの一部を示す図である。図16及び図17は、それぞれ、図7及び図11に対応する図である。
実施の形態3のコネクタのチクレット110のモールド樹脂部113には、スタンドオフ370が形成されている。その他の構成は、実施の形態のコネクタ100と同様であるため、実施の形態1のコネクタ100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
スタンドオフ370は、プレスフィットピン121を基板5Aのスルーホール6B(図12(A)参照)に圧入する際に、挿入しすぎ(過圧入)を防止し、挿入度合を調整するために設けられている。スタンドオフ370は、段差部の一例である。
スタンドオフ370は、例えば、図5(A)に示すモールド樹脂部113のY軸負方向側の側面において、10本のSMT端子111のうちの両端のSMT端子111の両側に1つずつ配置されるように形成すればよい。スタンドオフ370は、例えば、モールド樹脂113と同時にインサートモールドによって形成すればよい。
スタンドオフ370の高さは、図17に示すように、L字型に折り曲げられたSMT端子111の高さに合わせて、コネクタを基板5A(図12(A)参照)に接続した際に、SMT端子111が潰れないように、最適な高さに設定すればよい。
以上のように、実施の形態3によれば、電気的特性を改善するとともに、実装時の過圧入を抑制したコネクタを提供することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態のコネクタについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
筐体と、
前記筐体から突出するとともに、前記筐体から突出する方向に対して折り曲げられる表面実装型の信号端子と、
前記筐体から突出するグランド端子と、
前記筐体から突出するとともに前記信号端子の先端部を覆うように折り曲げられ、グランド電位に保持され、前記信号端子をシールドするシールド部と
を含む、コネクタ。
(付記2)
前記信号端子は、前記信号端子の前記筐体から突出する方向に対して折り曲げられたバネ状の信号端子である、付記1記載のコネクタ。
(付記3)
前記シールド部は、前記折り曲げられた信号端子の内側において折り曲げられる、付記2記載のコネクタ。
(付記4)
前記シールド部は、前記筐体から突出する基部よりも幅が広い先端部を有し、当該先端部の前記幅方向における両端部は、前記信号端子の側面側に折り曲げられている、付記2又は3記載のコネクタ。
(付記5)
前記シールド部の幅は、前記信号端子の幅よりも広い、付記1乃至4のいずれか一項記載のコネクタ。
(付記6)
前記信号端子は、先端部にネジ穴を有する、付記1乃至5のいずれか一項記載のコネクタ。
(付記7)
前記グランド端子は、前記コネクタが接続される基板のグランド端子に圧入される圧入型の端子、又は、前記基板のグランド端子に差し込まれる差し込み型の端子である、付記1乃至6のいずれか一項記載のコネクタ。
(付記8)
前記筐体は、前記コネクタが接続される基板と対向する対向面に、前記圧入型の端子又は前記差し込み型の端子の前記基板のグランド端子への挿入度合を調整する段差部を有する、付記7記載のコネクタ。
(付記9)
前記グランド端子は、表面実装型の端子である、付記1乃至6のいずれか一項記載のコネクタ。
(付記10)
前記信号端子は、差動信号用の一対の差動信号端子である、付記1乃至9のいずれか一項記載のコネクタ。
(付記11)
前記グランド端子は一対のグランド端子部を有し、前記一対のグランド端子部は、それぞれ、前記一対の差動信号端子の隣接方向における外側に配設される、付記10記載のコネクタ。
100 コネクタ
110 チクレット
111 SMT端子
112 コンタクト
113 モールド樹脂部
120 シールドプレート
120A プレート部
121 プレスフィットピン
122 コンタクト
123 シールド部
130 ハウジング
200 コネクタ
223 シールド部
370 スタンドオフ

Claims (9)

  1. 筐体と、
    前記筐体から突出するとともに、前記筐体から突出する方向に対して折り曲げられる表面実装型の信号端子と、
    前記筐体から突出するグランド端子と、
    前記筐体から突出するとともに前記信号端子の先端部を覆うように折り曲げられ、グランド電位に保持され、前記信号端子をシールドするシールド部と
    を含む、コネクタ。
  2. 前記信号端子は、前記信号端子の前記筐体から突出する方向に対して折り曲げられたバネ状の信号端子である、請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記シールド部は、前記折り曲げられた信号端子の内側において折り曲げられる、請求項2記載のコネクタ。
  4. 前記シールド部は、前記筐体から突出する基部よりも幅が広い先端部を有し、当該先端部の前記幅方向における両端部は、前記信号端子の側面側に折り曲げられている、請求項2又は3記載のコネクタ。
  5. 前記グランド端子は、前記コネクタが接続される基板のグランド端子に圧入される圧入型の端子、又は、前記基板のグランド端子に差し込まれる差し込み型の端子である、請求項1乃至4のいずれか一項記載のコネクタ。
  6. 前記筐体は、前記コネクタが接続される基板と対向する対向面に、前記圧入型の端子又は前記差し込み型の端子の前記基板のグランド端子への挿入度合を調整する段差部を有する、請求項5記載のコネクタ。
  7. 前記グランド端子は、表面実装型の端子である、請求項1乃至4のいずれか一項記載のコネクタ。
  8. 前記信号端子は、差動信号用の一対の差動信号端子である、請求項1乃至7のいずれか一項記載のコネクタ。
  9. 前記グランド端子は一対のグランド端子部を有し、前記一対のグランド端子部は、それぞれ、前記一対の差動信号端子の隣接方向における外側に配設される、請求項8記載のコネクタ。
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